JP2009087059A - 患者別原価計算装置及びそのためのプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】医療行為の原価を患者別に計算するための患者別原価計算サーバ100であって、データDB群250から所定項目の情報を抽出し、当該抽出した情報を直課不可分原価の発生形態に応じた所定の原価項目毎に集計し、この原価項目に応じた積上係数を所定方法で取得し、当該集計した情報及び当該取得した積上係数を用いて直課不可分原価を計算する直課不可分計算部304と、各患者に直接的に賦課することができる直課分原価を取得する直課計算部305と、直課不可分計算部304にて計算された直課不可分原価と直課計算部305にて取得された直課分原価とを各患者毎に合計することにより、原価を患者別に計算する患者別原価計算部306とを備える。
【選択図】図1
Description
まず、本実施の形態について説明する。
最初に、本実施の形態の説明に使用する用語を以下のように定義する。ただし、各用語の意味は、以下の定義に必ずしも限定されず、以下の定義と矛盾しない限りにおいて、当該各用語が通常有する意味を含み得る。「医業費用」とは、患者に対する診療行為を行った際に発生した全ての費用の総称である。「直接部門」とは、患者への医療サービスが直接認識される部門、「間接部門」とは、患者への医療サービスが直接認識されない部門である。「サービス区分」とは、直接部門をそのサービス形態に応じて区分したもので、ここでは「入院部門(病棟部門)」、「外来部門(診療部門)」、「中央診療部門」の3つに区分する。
次に、本発明に係る患者別原価計算装置及び患者別原価計算プログラムを用いて構築された患者別原価計算システム(以下、本システム)について概説する。図1は本システムの全体構成を概念的に示す説明図である。
次に、本システム1の具体的構成について説明する。関連システム群10は、原価の計算に必要な基本情報を提供する複数のシステムから構成されるもので、医業を行う上で使用される既存のシステムであり、特許請求の範囲における外部システムに対応する。例えば、関連システム群10に含まれるシステムとしては、電子カルテシステム11、看護PDAシステム12、医事会計システム13、財務会計システム14、人事給与システム15、物流システム16、固定資産システム17、購買システム18、手術管理システム19、及び、健診システム20を挙げることができる。
部門別原価計算サーバ30は、公知の経営情報システムであり、関連システム群10の各システムから取得した情報に基づいて、部門別原価の計算を行うもので、特許請求の範囲における外部システムに対応する。この部門別原価計算サーバ30は従来と同様に構成することができるためにその詳細な説明は省略するが、当該部門別原価計算サーバ30は、自己が管理する情報を、当該システム内部のDB(特許請求の範囲における一次情報格納手段に対応する)に格納すると共に、当該DBに格納した情報(特許請求の範囲における一次情報に対応する)を、患者別原価計算サーバ100からの要求に応じて、当該患者別原価計算サーバ100に送信する機能を有する。
メンテナンス端末40は、患者別原価計算サーバ100の管理者が、当該患者別原価計算サーバ100の各種処理に必要なデータの入力や更新を行ったり、当該患者別原価計算サーバ100の保守運用に必要な情報の入力又は出力を行うための端末である。参照端末50は、患者別原価計算サーバ100のユーザが、当該患者別原価計算サーバ100が管理する情報を表示や出力するための端末である。これらメンテナンス端末40及び参照端末50は従来の情報処理装置(例えばパーソナルコンピュータであり、ネットワーク接続機能、ブラウジング機能、及び、ローカルメモリを備えるもの)と同様に構成することができるためにその詳細な説明は省略する。
次に、患者別原価計算サーバ100の構成について説明する。本サーバ100は、機能概念的に、記憶部200、制御部300、及び、ネットワークインターフェース(以下「ネットワークIF」)400を、バス500にて通信可能に接続して構成されている。
次に、本サーバ100にて行われる処理(以下、本処理)について説明する。本処理は任意のタイミングで、全体を一括して、あるいは任意の一部分の処理を個別的に行うことができる。例えば、各月毎に本処理を自動的に起動することで、各月の患者別原価を自動的に計算して計算結果情報DB群に格納することができる。なお、以下の各処理の説明において、情報の取得元や取得経路を特記しない場合については、公知のタイミング及び公知の方法にて、関連システム群10の各システムや部門別原価計算サーバ30から取得することができ、あるいは、メンテナンス端末40を介して管理者が手入力する。
本処理では、図2は本処理の原価計算パターンを示す図である。この図には、原価項目、種別、積上係数設定値、サービス単位原価の値、及び、積上方法を相互に関連付けて示す。
次に、各原価計算パターンに応じた原価計算ロジックを概念的に説明する。図3は本処理の原価計算ロジックの概要を示す図であり、(a)は直課不可分処理のロジック、(b)は直課分処理のロジック、(c)は患者別原価計算処理のロジックである。
最初に、直課不可分原価を算定するための直課不可分処理について説明する。
まず、図3(a)に示したI/F取込処理の具体的内容について説明する。この処理は、主としてI/F取込処理部301により実行される。以下ではI/F取込処理に含まれる各処理について順次説明するが、以下の説明順序に限定されず、所要の計算結果を得るために採用し得る任意の順序にて、以下の各処理の全部又は必要な一部のみが実行される(この点は、I/F取込処理以外の後述する他の処理においても同じ)。また、以下のI/F取込処理の説明において情報の取得経路を明示した場合であっても、当該明示した取得経路に限定されず、理論的に情報が取得可能な限りにおける任意の経路で情報を取得することができる。なお、以下の各処理で使用する列定義は、予め記憶部200に格納しておくことができ、あるいは、制御部300を構成するプログラムに記述しておくことができる(I/F取込処理の各処理において同じ)。
まず、部門別原価計算処理について説明する。図4は部門別原価計算処理のデータの構成例及びフローを示す図である。この処理においてI/F取込処理部301は、関連システム群10の部門別原価計算サーバ30より収集した部門別原価計算データI/Fを、所定の列定義に従ったマッピング作業を行い、部門別原価計算データDB251に登録する。具体的には、部門別原価計算データI/Fに含まれる科目コードを、原価科目変換マスタDB216を参照して本サーバ100における科目コードに変換し、部門別原価計算データI/Fに含まれる部門コードを、原価部門変換マスタDB215を参照して本サーバ100における部門コードに変換し、部門別原価計算データI/Fに含まれるその他の情報についてはそのまま対応する科目コードに関連付けて登録する。なお、同一のPK(Primary Key)に関連付けられた原価金額、当該部門原価金額、又は、間接部門原価金額のいずれかが複数ある場合には、これら複数の金額を加算した金額を登録する。これにて部門別原価計算処理を終了する。
次に、図3(a)に示した人件費情報取込処理について説明する。図5は人件費情報取込処理のデータの構成例及びフローを示す図である。この処理では、人事給与システム15より収集した人件費マスタI/Fを、所定の列定義に従ったマッピング作業を行い、職員人件費情報DB253に登録する。具体的には、人件費マスタI/Fに含まれる年月、職員ID、基準内(所定基準内における人件費。以下同じ)、基準外(所定基準外における人件費。以下同じ)、事業主負担を、そのまま相互に関連付けて登録する。また、基準内、基準外、及び、事業主負担を加算して、人件費計として登録する。部門コードは、原価部門変換マスタDB215を参照して本サーバ100における部門コードに変換して登録する。科目コードは、人件費マスタI/Fに含まれる部門別原価上のデータ区分、職種区分、職員区分、及び、部門コードを集約して患者別原価上の科目コードを生成する。これにて人件費情報取込処理を終了する。
次に、図3(a)に示したタイムスタディ情報取込処理について説明する。図6はタイムスタディ情報取込処理のデータの構成例及びフローを示す図である。この処理では、メンテナンス端末40を介して管理者が手入力した職員タイムスタディ情報I/Fを、所定の列定義に従ったマッピング作業を行い、職員タイムスタディ情報DB254に登録する。具体的には、職員タイムスタディ情報I/Fに含まれる年月、職員ID、時間を、そのまま相互に関連付けて登録する。また、職員タイムスタディ情報I/Fに含まれる部門コードは、原価部門変換マスタDB215を参照して本サーバ100における部門コードに変換して登録する。また職員IDに対応する科目コードを職員人件費情報DB253から取得して登録する。これにてタイムスタディ情報取込処理を終了する。
次に、図3(a)に示した診療行為マスタ取込処理について説明する。図7は診療行為マスタ取込処理の概要を示す図である。この処理では、医事会計システム13より収集した点数マスタI/F(必要に応じて医事点数マスタI/Fと称する)から、データ区分が「診療行為」であるデータを抽出し、このデータを対象として所定の列定義に従ったマッピング作業を行い、各データを図示のように診療行為マスタDB219に登録する。これにて診療行為マスタ取込処理を終了する。
次に、図3(a)に示した特保材料(医療材料。以下同じ)マスタ取込処理について説明する。図8は特保医材マスタ取込処理の概要を示す図である。この処理では、医事会計システム13より収集した医事点数マスタI/Fから、データ区分が「材料」であるデータを抽出し、このデータを対象として所定の列定義に従ったマッピング作業を行い、各データを図示のように特定保険医療材料マスタDB217に登録する。これにて特保医材マスタ取込処理を終了する。
次に、図3(a)に示したベッド面積取込処理について説明する。図9はベッド面積取込処理の概要を示す図である。この処理では、メンテナンス端末40を介して管理者が手入力した原価積上マスタI/Fを、所定の列定義に従ったマッピング作業を行い、各データを図示のように原価積上マスタDB211に登録する。これにてベッド面積取込処理を終了する。
次に、図3(a)に示した医事明細データ取込処理について説明する。図10は医事明細データ取込処理のデータの構成例及びフローを示す図である。この処理では、医事会計システム13より収集した医事明細情報I/Fについて、全レコードを対象とした各サービスのトータル回数を日別サービス別に抽出して患者別サービスI/Fとする。そして、この患者別サービスI/Fを、所定の列定義に従ったマッピング作業を行い、患者別サービスデータDB258に登録する。具体的には、医事明細情報I/Fに含まれる患者番号、日付、内部コード、数量を、患者別サービスデータDB258における患者ID、日付、医事内部コード、回数/使用数として相互に関連付けて登録する。また、入外(入院又は外来の識別情報。以下同じ)、診療科コード(従科)、法別番号、及び、診療区分コードの組み合わせに応じた所定の部門コードを特定し、この部門コードを、原価部門変換マスタDB215を参照して本サーバ100における部門コードに変換して登録する。これにて医事明細データ取込処理を終了する。
次に、図3(a)に示した患者入院データ取込処理について説明する。図11は患者入院データ取込処理のデータの構成例及びフローを示す図である。この処理では、医事会計システム13より収集した患者入院情報I/Fを、所定の列定義に従ってマッピング作業を行い、患者入院データDB256に登録する。具体的には、患者入院情報I/Fに含まれる患者番号、病室コード、入院日、退院日、転入日、転出日を、患者入院データDB256における患者ID、病室コード、入院日、退院日、転入日、転出日として相互に関連付けて登録する。また、病棟コードを、原価部門変換マスタDB215を参照して本サーバ100における部門コードに変換して登録し、主治医を、他システム職員マスタDB218を参照して本サーバ100における主治医コードに変換して登録する。これにて患者入院データ取込処理を終了する。
次に、図3(a)に示した医師別患者時間比取込処理について説明する。図12は医師別患者時間比取込処理のデータの構成例及びフローを示す図である。この処理では、電子カルテシステム11より収集した医師別患者別時間比情報I/Fを、所定の列定義に従ってマッピング作業を行い、職員別患者別時間比情報DB255に登録する。具体的には、医師別患者別時間比情報I/Fに含まれる患者ID、日付、参照時間を、職員別患者別時間比情報DB255における患者ID、日付、参照時間として相互に関連付けて登録する。また、診療科コードを、原価部門変換マスタDB215を参照して本サーバ100における部門コードに変換して登録し、職員IDを、他システム職員マスタDB218を参照して本サーバ100における職員IDに変換して登録する。これにて医師別患者時間比取込処理を終了する。
次に、図3(a)に示した患者別手術データ取込処理について説明する。図13は患者別手術データ取込処理の概要を示す図である。この処理では、手術管理システム19より収集した患者別手術データI/Fを、所定の列定義に従ってマッピング作業を行い、各データを図示のように患者別手術データDB257に登録する。これにて患者別手術データ取込処理を終了する。
次に、図3(a)に示した食数取込処理について説明する。図14は食数取込処理の概要を示す図である。この処理では、医事会計システム13より収集した入院カレンダI/Fを、所定の列定義に従ってマッピング作業を行い、各データを図示のように患者食数データDB259に登録する。これにて食数取込処理を終了し、全てのI/F取込処理が終了する。
次に、図3(a)に示したサービス別件数データ作成処理の具体的内容について説明する。この処理は、主としてサービス別件数データ作成部302により実行される。
まず、第1データ作成処理について説明する。図15、16は第1データ作成処理のデータの構成例及びフローを示す図である。この処理では、患者別サービスデータDB258より、診療行為積上対象を抽出し、サービス別件数データDB260に出力する。
次に、第2データ作成処理について説明する。図17は第2データ作成処理のデータの構成例及びフローを示す図である。この処理では、患者別サービスデータDB258より、特定保険医療材料を抽出し、サービス別件数データDB260に出力する。具体的には、患者別サービスデータDB258に含まれる患者ID、日付、部門コード、医事内部コードを、サービス別件数データDB260における患者ID、日付、部門コード、原価積上コードとして相互に関連付けて出力する。また、患者別サービスデータDB258の医事内部コードに基づいて特定保険医療材料マスタDB217を参照し、当該医事内部コードに対応する特保医材コードを、原価積上名称としてサービス別件数データDB260に出力する。これにて第2データ作成処理を終了する。
次に、第3データ作成処理について説明する。図18は第3データ作成処理のデータの構成例及びフローを示す図である。この処理では、患者入院データDB256より、患者の日別病室情報を抽出し、サービス別件数データDB260に出力する。具体的には、患者入院データDB256に含まれる患者ID、部門コード(病棟)、病室コードを、サービス別件数データDB260における患者ID、部門コード、原価積上コードとして相互に関連付けて出力する。また、患者入院データDB256の病室コードに基づいて病室別床面積情報を参照し、当該病室コードに対応する病室名を原価積上名称としてサービス別件数データDB260に出力する。また、患者入院データDB256の入院日及び転入日を日別に展開し、日付としてサービス別件数データDB260に出力する。なお、サービス別件数データDB260の件数は1に固定する。病室別床面積情報は、例えば、メンテナンス端末40を介して管理者が手入力した病院別床面積情報を、列定義に従ってマッピング作業を行い、原価積上マスタDB211に登録しておく。これにて第3データ作成処理を終了する。
次に、第4データ作成処理について説明する。図19は第4データ作成処理のデータの構成例及びフローを示す図である。この処理では、職員別患者別時間比情報DB255より、患者カルテ参照時間を抽出し、サービス別件数データDB260に出力する。具体的には、医師別患者別時間比情報に含まれる患者ID、日付、部門コード、職員IDを、サービス別件数データDB260における患者ID、日付、部門コード、原価積上コードとして相互に関連付けて出力する。また、医師別患者別時間比情報の職員IDに対応する職員名を職員情報DB252から取得し、この職員名を原価積上名称として出力する。これにて第4データ作成処理を終了する。
次に、第5データ作成処理について説明する。図20は第5データ作成処理のデータの構成例及びフローを示す図である。この処理では、患者別手術データDB257より、患者手術執刀時間を抽出し、サービス別件数データDB260に出力する。具体的には、患者別手術データDB257に含まれる患者ID、日付、職員IDを、サービス別件数データDB260における患者ID、日付、原価積上コードとして相互に関連付けて出力する。また、患者別手術データDB257の職員IDに対応する職員名を職員情報DB252から取得し、この職員名を原価積上名称として出力する。なお、サービス別件数データDB260の部門コードは手術室に割り当てられた所定の部門コードに固定する。これにて第5データ作成処理を終了する。
次に、第6データ作成処理について説明する。図21は第6データ作成処理のデータの構成例及びフローを示す図である。この処理では、患者別手術データDB257より、患者手術在室時間を抽出し、サービス別件数データDB260に出力する。具体的には、患者別手術データDB257に含まれる患者ID、日付を、サービス別件数データDB260における患者ID、日付として相互に関連付けて出力する。また、患者別手術データDB257の手術時間の積算値を件数(ここでは「件数」と称しているが実際には時間値)として出力する。また、原価積上マスタDB211の原価積上コード、原価積上名称を、サービス別件数データDB260における原価積上コード、原価積上名称として出力する。なお、サービス別件数データDB260の原価積上コードは手術室に割り当てられた所定の部門コードに固定する。これにて第6データ作成処理を終了する。
次に、第7データ作成処理について説明する。図22は第7データ作成処理のデータの構成例及びフローを示す図である。この処理では、患者食数データDB259より、患者の日別食数情報を抽出し、サービス別件数データDB260に出力する。具体的には、患者食数データDB259に含まれる年月、患者ID、各食数データに基づいて、各日別の食数を特定し、各日毎に、年月、患者ID、各日別の食数を相互に関連付けて出力する。すなわち、患者食数データDB259の各データには、各月毎に、先頭のレコードには1日目の食数、2番目のレコードには2日目の食数・・・最終のレコードには月末に該当する日の食数が格納されているので、これを各月日毎のデータに展開する。また、患者食数データDB259の患者IDに対応する部門コードを、先の第3データ作成処理にて出力したサービス別件数データDB260から取得して、本処理のサービス別件数データDB260に出力する。また、原価積上マスタDB211の原価積上コード、原価積上名称を、サービス別件数データDB260における原価積上コード、原価積上名称として出力する。これにて第7データ作成処理を終了する。
次に、第8データ作成処理について説明する。図23〜25は第8データ作成処理のデータの構成例及びフローを示す図である。この処理では、図10と同様に、医事会計システム13より収集した医事明細情報I/Fについて、所定の列定義に従ったマッピング作業を行い、患者別サービスデータDB258に登録する。そして、図15、16と同様に、患者別サービスデータDB258から、診療行為積上対象マスタDB220や診療行為マスタDB219を参照して、患者診療行為データを抽出し、サービス別件数データDB260に登録する。次いで、図23に示すように、サービス別件数データDB260を原価積上コードを除いて集計する。また、原価積上マスタDB211の原価積上コード、原価積上名称を、サービス別件数データDB260における原価積上コード、原価積上名称として出力する。件数は1に固定する。このように作成されたサービス別件数データ(以下、中間サービス別件数データ)を用いて、医療技術系用の患者数のサービス別件数データと、病院共通用の患者数のサービス別件数データとを作成する。医療技術系用のデータについては、図24に示すように、原価部門マスタDB214を参照して、部門種別「病棟」に対応する部門コードを特定し、この部門コードを含む中間サービス別件数データを抽出し、当該抽出した中間サービス別件数データを部門コードを除いて集計することにより作成する。部門コードは、医療技術系に固定する。病院共通用のデータについては、図25に示すように、中間サービス別件数データを部門コードを除いて集計する。部門コードは、病院共通に固定する。これにて第8データ作成処理を終了し、全てのサービス別件数データ作成処理が終了する。
次に、図3(a)に示した積上係数計算処理の具体的内容について説明する。この処理は、主として積上係数計算部303により実行される。この処理は、診療行為型処理、原価積上係数型処理、サービス別件数型処理の3つに大別される。診療行為型処理及び原価積上係数型処理では、予めマスタに設定された重み付けを参照して積上係数計算を行うのに対して、サービス別件数型処理では、予めマスタに設定された重み付けが存在せず、サービス別件数の件数を使用して積上係数計算を行う。ただし、診療行為型処理と原価積上係数型処理とでは、参照するマスタが異なること、及び、委託区分の参照の有無の処理が異なるため、相互に別処理としている。
まず、診療行為型処理について説明する。図26は診療行為型処理のデータの構成例及びフローを示す図である。ここでは、前提として、積上係数マスタDB221に、各診療行為の少なくとも一部に対応する積上係数として、本システム1が利用される医療機関毎に定められた積上係数、あるいは、公的機関等の定めた等価係数が予め格納されているものとする。そして、この診療行為型処理では、積上係数マスタDB221に積上係数が未だ設定されていない診療行為(例えば、中央診療部門で実施される所定の診療行為(検査、画像診断、手術))についてのみ積上係数を計算し、この積上係数を積上係数マスタDB221に登録する。
図26の積上係数特定処理のフローチャートを図27に示す。この処理では、診療行為マスタDB219から取得したコード表番号に基づいて積上係数を計算する。具体的には、診療行為マスタDB219の委託区分を参照し、原価積上パタ−ンが検査委託費の時において(ステップSA−1、Yes)、委託区分が「委託」である場合には(ステップSA−2、Yes)、積上係数=当該診療行為の点数とし(ステップSA−3)、委託区分が「委託」でない場合(「院内」である場合)には(ステップSA−2、No)、積上係数=0とする(ステップSA−4)。また、原価積上パタ−ンが検査委託費以外の時において(ステップSA−1、No)、委託区分が「委託」である場合には(ステップSA−5、Yes)、積上係数=0とし(ステップSA−4)、委託区分が「委託」でない場合には(ステップSA−5、No)、積上係数=当該診療行為の点数とする(ステップSA−3)。これは、検査委託費を院内に委託した場合の当該検査委託費や、他の費用を院外に委託した場合の検査委託費は実際には0だからである。このように積上係数を特定した後、当該積上係数を積上係数マスタDB221に登録して、当該積上係数計算処理が終了する。そして、図26に示すように、この積上係数計算処理で特定した積上係数を、積上係数マスタDB221に登録して、診療行為型処理が終了する。
次に、図3(a)に示した原価積上係数型処理について説明する。図29は原価積上係数型処理(特定保険医療材料の場合)のデータの構成例及びフローを示す図、図30は原価積上係数型処理(ベッド面積の場合)のデータの構成例及びフローを示す図である。この処理では、原価積上マスタDB211の係数を基本に積上係数を計算する。
次に、図3(a)に示したサービス別件数型処理について説明する。図31はサービス別件数型処理のデータの構成例及びフローを示す図である。この処理では、サービス別件数データDB260の件数を基本に積上係数を計算する。具体的には、サービス別件数データDB260に含まれる原価積上パターンコード、部門コード、原価積上コードを、積上係数マスタDB221の原価積上パターンコード、部門コード、原価積上コードとして設定する。また、サービス別件数データDB260に含まれる件数を合計した数を、積上係数として積上係数マスタDB221に登録する。なお、このように件数の合計を積上係数とするのは、以下の理由による。すなわち、本来であれば合計の逆数が積上係数になるが、逆数とすると計算処理上の誤差が大きくなるので、ここでは合計値として求めておき、後述するサービス単位原価計算処理において当該合計値を除算の分母に用いることとしている。これにてサービス別件数型処理が終了し、全ての積上係数計算処理が終了する。
次に、図3(a)に示した直課不可分計算処理の具体的内容について説明する。この処理は、主として直課不可分計算部304により実行される。
まず、図3(a)に示すサービス単位原価計算処理について説明する。図32、33はサービス単位原価計算処理のデータの構成例及びフローを示す図である。この処理では、図32に示すように、原価積上パターン設定マスタDB213を参照し、原価積上パターン設定の部門毎科目毎に、各原価積上パターンに応じて、積上係数を元にサービス単位原価を作成する。具体的には、原価積上パターン設定マスタDB213に含まれる原価積上パターンコードに対応する係数計算区分を原価積上パターンマスタDB212から取得する。また、原価積上パターン設定マスタDB213に含まれる部門コード及び原価積上パターンコードに基づいてサービス別件数データDB260を参照し、これら部門コード及び原価積上パターンコードの組み合わせに合致するレコードから件数を取得すると共に、このレコードに含まれる原価積上コードに対応する積上係数を積上係数マスタDB221から取得する。
まず、診療行為型及び原価積上係数型処理について説明する。図34は診療行為型及び原価積上係数型処理の構成例及びフローを示す図である。この処理では、原価積上パターン設定マスタDB213を参照し、原価積上パターンの係数計算区分が診療行為型と原価積上係数型である各診療行為について、積上係数を元にサービス単位原価を作成する。具体的には、算定対象とする診療行為Aについてのサービス単位原価=当該診療行為Aが属する部門コード及び科目コードの積上金額×診療行為Aの積上係数/(当該診療行為Aが属する部門の各診療行為についての積上係数×当該各診療行為についての実施件数を、当該診療行為Aが属する部門の全ての診療行為について積算した値)とする。
次に、図3(a)に示すタイムスタディ参照処理について説明する。図36、37はタイムスタディ参照処理の構成例及びフローを示す図である。この処理では、原価積上パターン設定マスタDB213を参照し、原価積上パターンの係数計算区分がサービス別件数型(タイムスタディ参照)のパターンについて、積上係数を元にサービス単位原価を作成する。具体的には、図36に示すように、原価積上パターンの係数計算区分がカルテ参照時間である場合には、所定の算出式により、積上係数計算処理で抽出した全ての原価積上コード(職員ID)毎にサービス単位原価を作成する。すなわち、原価積上パターン設定マスタDB213に含まれる部門コード及び科目コードに対応する職員ID及び金額を職員タイムスタディ情報DB254から取得し、当該取得した職員IDと原価積上パターン設定マスタDB213に含まれる部門コード及び原価積上パターンコードとに対応する積上係数を積上係数マスタDB221から取得し、当該取得した積上係数で、職員タイムスタディ情報DB254から取得した金額(人件費)を除算することで、サービス単位原価を算定する。このように算定したサービス単位原価と、算定に使用した積上係数は、サービス単位原価データDB261にサービス単位原価、算出時積上係数として格納される。
次に、図3(a)に示す積上対象データ参照処理について説明する。図38は積上対象データ参照処理の構成例及びフローを示す図である。この処理では、原価積上パターン設定マスタDB213を参照し、原価積上パターンの係数計算区分がサービス別件数型(積上対象データ参照)のパターンについて、積上係数を元にサービス単位原価を作成する。具体的には、原価積上パターン設定マスタDB213の部門コード及び科目コードに対応する積上金額を積上対象データDB262から取得する。また、原価積上パターン設定マスタDB213の部門コード及び原価積上パターンコードに対応する積上係数を積上係数マスタDB221から取得する。そして、当該取得した積上金額を当該取得した積上係数で除算することで、サービス単位原価を算定する。このように算定したサービス単位原価と、算定に使用した積上係数は、サービス単位原価データDB261にサービス単位原価、算出時積上係数として格納される。これにて直課不可分計算処理が終了し、全ての直課不可分処理が終了する。
次に、図3(b)の直課分原価を算定するための直課分処理について説明する。ただし、特記なき処理については、直課不可分処理と同様の処理を行うことができる。
まず、図3(b)に示したI/F取込処理の具体的内容について説明する。この処理は、主としてI/F取込処理部301により実行される。以下ではI/F取込処理に含まれる各処理について順次説明する。
まず、物品マスタ取込処理について説明する。図39、40は物品マスタ取込処理のデータの構成例及びフローを示す図である。この処理では、物流システム16より収集した物品マスタI/Fを、所定の列定義に従ったマッピング作業を行い、物品マスタDB222及び他システム物品マスタDB223に登録する。また、医事会計システム13より収集した医事点数マスタI/Fより、収集した物品に対して物品のマッチングを行い、物品マスタDB222に医事請求金額を登録する。具体的には、図39に示すように、物品マスタI/Fの各データを、それぞれ物品マスタDB222に登録する。ただし、物品マスタI/Fの科目コードについては、登録する原価科目を判定し、当該判定された原価科目に応じた科目コードを登録する。この判定は、取込対象の種類(例えば医薬品又は材料)毎に予め設定された分類コードと原価科目との対応テーブル(図示省略)を用いて行い、物品マスタI/Fの分類コードに対応する原価科目を当該対応テーブルを参照して特定する。また、医事単位変換換算については、医事点数マスタI/Fの内部コードの所定桁数部分のみを抽出して登録する。また、図40に示すように、このように登録した物品マスタDB222に含まれるデータのうち、システム種別、物品名を、他システム物品マスタDB223におけるシステム種別、他システム物品名として登録する。物品マスタDB222の物品コードについては、他システム物品マスタDB223における他システム物品コード及び物品コードとして登録し、他システム種別、他システム単位換算については、それぞれ手術管理システムと1に固定する。これにて物品マスタ取込処理が終了する。
次に、他システム物品マスタ取込処理について説明する。図41、42は他システム物品マスタ取込処理のデータの構成例及びフローを示す図である。この処理では、医事会計システム13より収集した医事点数マスタI/Fを、所定の列定義に従ったマッピング作業を行い、他システム物品マスタDB223に登録する。具体的には、医薬品の場合には、図41に示すように、医事点数マスタI/Fの中から、データ区分が医薬品であるデータを抽出し、当該抽出したデータの内部コード、表示名称、入力単位を、他システム物品マスタDB223の他システム物品コード、他システム物品名、他システム単位として登録する。他システム物品マスタDB223の他システム種別と他システム単位換算は、それぞれ「医事DPCシステム」と「1」に固定する。他システム物品マスタDB223のシステム種別は、薬品管理システムに固定する。他システム物品マスタDB223の物品コードには、医事点数マスタI/Fの個別医薬品コードを登録する。また、材料の場合にも、図41とほぼ同様であるが、図42に示すように、他システム物品マスタDB223のシステム種別は、医事DPCシステムに固定し、他システム物品マスタDB223の物品コードには、医事点数マスタI/Fの内部コードを登録する。これにて物品マスタ取込処理が終了し、全てのI/F取込処理が終了する。
まず、図3(b)に示した直課計算処理の具体的内容について説明する。この処理は、主として直課計算部305により実行される。以下では直課計算処理に含まれる各処理について順次説明する。
まず、購入価格算出処理について説明する。この処理では、物品マスタDB222に登録済みの物品について購入価格を算出する。ここで、算出対象物品が医薬品である場合には、個別医薬品コード単位に購入価格を算出し、個別医薬品コード単位に、物品マスタDB222にデータを生成する。一方、算出対象物品が材料である場合には、医事コード単位に購入価格を算出し、医事コード単位に、物品マスタDB222にデータを生成する。
次に、図3(b)に示した変換元材料原価計算処理について説明する。図45は変換元材料原価計算処理のデータの構成例及びフローを示す図である。この処理では、各部門システムの材料と購買上の材料のマッチングを行い、患者別物品消費データDB263の購入価格を更新する。具体的には、物品マスタDB222のシステム種別及び物品コードに対応する他システム種別及び他システム物品コードを他システム物品マスタDB223から取得し、当該取得した他システム種別、他システム物品コードを患者別物品消費データDB263におけるシステム種別、物品コードとして登録する。また、物品コードの科目コードを、患者別物品消費データDB263における科目コードとして登録する。さらに、物品マスタDB222の購入単位購入価と、他システム物品マスタDB223の他システム単位換算とに基づいて、購入価格=購入単位購入価/他システム単位換算として算定し、この購入価格を患者別物品消費データDB263に登録する。なお、更新対象になる患者別物品消費データDB263は、図10の医事明細情報I/Fから取得した日付、患者番号、明細診区、明細金額を、患者別物品消費データの年月日、患者ID、物品コード(点数マスタI/Fを参照して変換)、購入価格として登録されたものである。ただし、物品の消費情報を一層正確に取得できるシステムがある場合には、当該システムから明細金額等を取得することが好ましい。これにて変換元材料原価計算処理が終了する。
最後に、図3(c)に示した患者別原価計算処理の具体的内容について説明する。この処理は、主として患者別原価計算部306により実行されるもので、これまでの処理により算定された直課不可分と直課分とから、患者別原価の解析に必要になるデータを抜き出したデータ集合としての患者別原価計算データマートDB265を作成する。そして、この患者別原価計算データマートDB265を対象として、任意の視点(軸)から様々なデータの集計及び出力を行う。
まず、患者別原価計算データマート作成処理について説明する。図46〜52は患者別原価計算データマート作成処理のデータの構成例及びフローを示す図である。この処理では、直課不可分原価計算や直課計算の各処理において作成したデータを、患者別原価計算データマートDB265に追加する。
最後に、図3(c)に示した患者別原価出力処理について説明する。ここでは、ユーザが参照端末50を介して、任意のタイミングで任意のキーを入力することにより、患者別原価計算データマートDB265に追加されたデータを対象として、2次元又は3次元でのデータの抽出が行われ、抽出されたデータが所定フォーマットで参照端末50に送信されて、この参照端末50のモニタ等の出力装置にて出力される。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び方法は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良できる。以下、このような変形例について説明する。
発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
また、上記各実施の形態で自動的に行われるものとして説明した制御の全部または任意の一部を手動で行っても良く、逆に、手動で行われるものとして説明した制御の全部または任意の一部を公知技術または上述した思想に基づいて自動化しても良い。また、上記実施の形態において示した各構成要素の各機能ブロックの一部又は全部を、ハードワイヤードロジックにて構成しても良い。
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成できる。例えば、関連システム群10の機能の一部を患者別原価計算サーバ100に持たせたり、患者別原価計算サーバ100の機能を複数のサーバ群に分散してもよい。
上記実施の形態では、積上係数を本システム1にて逐次算定しているが、診療行為毎の標準的な積上係数(等価係数)が公的機関等によって提供されている場合には、当該等価係数を記憶部200に等価係数DBとして予め格納しておき、必要に応じて等価係数DBから取得した等価係数を積上係数として利用してもよい。また、本システム1の導入初期にはこのように予めに格納された標準的な積上係数を用い、本システム1が運用されるに伴って各種データの蓄積が増えてきた時点で積上係数を逐次更新し、本システム1に固有の積上係数に置換してもよい。このように積上係数を更新することで、本システム1が導入された医療機関の特性を反映した積上係数を用いて患者別原価を算定できることになり、各医療機関の実態に合致した患者別原価を取得することができる。
積上係数の算定方法は上述の方法に限定されない。例えば、所定の第1の原価項目に属する診療行為であっても、実施件数と原価が対応するような場合には、サービス別件数型処理によって積上係数の算定を行ってもよい。逆に、所定の第3の原価項目に属する医療行為であっても、人件費等の比重が大きい場合には、診療行為型処理によって積上係数の算定を行ってもよい。
10 関連システム群
11 電子カルテシステム
12 看護PDAシステム
13 医事会計システム
14 財務会計システム
15 人事給与システム
16 物流システム
17 固定資産システム
18 購買システム
19 手術管理システム
20 健診システム
30 部門別原価計算サーバ
40 メンテナンス端末
50 参照端末
60 ネットワーク
100 患者別原価計算サーバ
200 記憶部
210 マスタDB群
211 原価積上マスタDB
212 原価積上パターンマスタDB
213 原価積上パターン設定マスタDB
214 原価部門マスタDB
215 原価部門変換マスタDB
216 原価科目変換マスタDB
217 特定保険医療材料マスタDB
218 他システム職員マスタDB
219 診療行為マスタDB
220 診療行為積上対象マスタDB
221 積上係数マスタDB
222 物品マスタDB
223 他システム物品マスタDB
224 標準医薬品マスタDB
250 データDB群
251 部門別原価計算データDB
252 職員情報DB
253 職員人件費情報DB
254 職員タイムスタディ情報DB
255 職員別患者別時間比情報DB
256 患者入院データDB
257 患者別手術データDB
258 患者別サービスデータDB
259 患者食数データDB
260 サービス別件数データDB
261 サービス単位原価データDB
262 積上対象データDB
263 患者別物品消費データDB
264 患者別日別収益データマートDB
265 患者別原価計算データマートDB
266 患者別直課計算データDB
267 患者別日別データDB
268 患者別直課データDB
300 制御部
301 I/F取込処理部
302 サービス別件数データ作成部
303 積上係数計算部
304 直課不可分計算部
305 直課計算部
306 患者別原価計算部
400 ネットワークインターフェース
500 バス
Claims (9)
- 医療行為の原価を患者別に計算するための患者別原価計算装置であって、
前記原価の計算に必要な基本情報を格納する基本情報格納手段と、
前記原価の内、患者に直接的に賦課することができない直課不可分原価を計算する直課不可分計算手段であって、前記基本情報格納手段から所定項目の情報を抽出し、当該抽出した情報を前記直課不可分原価の発生形態に応じた所定の原価項目毎に集計し、前記原価項目に応じた積上係数を所定方法で取得し、当該集計した情報及び当該取得した積上係数を用いて前記直課不可分原価を計算する直課不可分計算手段と、
前記原価の内、各患者に直接的に賦課することができる直課分原価を、前記基本情報格納手段から所定項目の情報を抽出して集計することにより取得する直課計算手段と、
前記直課不可分計算手段にて計算された直課不可分原価と、前記直課計算手段にて取得された直課分原価とを、各患者毎に合計することにより、前記原価を患者別に計算する患者別原価計算手段と、
を備えたことを特徴とする患者別原価計算装置。 - 原価算定対象が所定の第1の原価項目に属する診療行為である場合において、
特定の診療行為の1回当たりの費用に対する当該診療行為の1回当たりの費用の比である積上係数を、前記基本情報格納手段にて格納された前記基本情報から取得し、又は、前記基本情報格納手段にて格納された基本情報に含まれる各診療行為の1回当たりの費用に関する情報を集計することにより算定する、積上係数計算手段を備えたこと、
を特徴とする請求項1に記載の患者別原価計算装置。 - 原価算定対象が所定の第2の原価項目に属する原価である場合において、
前記基本情報格納手段にて格納された前記基本情報から当該原価に対応する単位点数を取得し、当該単位点数を当該原価算定対象の積上係数として設定する、積上係数計算手段を備えたこと、
を特徴とする請求項1に記載の患者別原価計算装置。 - 原価算定対象が所定の第3の原価項目に属する医療行為である場合において、
前記基本情報格納手段にて格納された前記基本情報から当該医療行為の実施件数を取得し、この実施件数の合計値を当該原価算定対象の前記積上係数として設定する、積上係数計算手段を備えたこと、
を特徴とする請求項1に記載の患者別原価計算装置。 - 前記基本情報格納手段は、
各診療行為の部門別の原価を格納する部門別原価情報格納手段と、
各診療行為の患者別の実施件数を格納する実施件数情報格納手段とを備え、
前記直課不可分計算手段は、
原価算定対象が前記第1の原価項目又は前記第2の原価項目に属する場合には、
当該原価算定対象の前記積上係数に対する、当該原価算定対象が属する部門及び科目の全ての診療行為の前記積上係数と前記実際件数情報格納手段にて格納された当該全ての診療行為の実施件数との積の総計の比を算定し、
当該算定された比を用いて、前記部門別原価情報格納手段にて格納された当該診療行為が属する部門の原価の総計を按分することにより、当該原価算定対象の1回当たりの原価を前記直課不可分原価として算定すること、
を特徴とする請求項2及び3に記載の患者別原価計算装置。 - 医療行為の原価を患者別に計算するための患者別原価計算装置であって、
前記原価の計算に必要な基本情報を格納する基本情報格納手段と、
前記原価の内、患者に直接的に賦課することができない直課不可分原価を、前記基本情報格納手段に格納された前記基本情報を用いて所定方法で計算する直課不可分計算手段と、
前記原価の内、各患者に直接的に賦課することができる直課分原価を、前記基本情報格納手段から物品の消費量に関する情報を抽出して所定方法で集計することにより取得する直課計算手段と、
前記直課不可分計算手段にて計算された直課不可分原価と、前記直課計算手段にて取得された直課分原価とを、各患者毎に合計することにより、前記原価を患者別に計算する患者別原価計算手段と、
を備えたことを特徴とする患者別原価計算装置。 - 前記基本情報格納手段は、物品毎の、購入数、購入単位単価、最小単位換算、及び、医事単位変換換算を格納する物品情報格納手段を備え、
前記直課計算手段は、原価算定の対象になる物品に関して、前記物品情報格納手段に格納された当該物品の前記購入数と前記購入単位単価との積の総和を、前記物品情報格納手段に格納された当該物品の前記購入数、前記最小単位換算、及び、前記医事単位変換換算の積の総和で除算することにより、当該物品の購入実績単価を算定すること、
を特徴とする請求項6に記載の患者別原価計算装置。 - 当該患者別原価計算装置は、前記基本情報の取得に必要な一次情報を格納する一次情報格納手段を備える外部システムに対して通信可能に接続されており、
前記一次情報格納手段に格納された前記一次情報と、前記基本情報格納手段に格納された前記基本情報との、相互の対応関係を特定するための対応関係情報を格納する対応関係情報格納手段と、
前記一次情報格納手段に格納された前記一次情報を前記外部システムから受信する受信手段と、
前記受信手段にて受信された前記一次情報を、前記対応関係情報格納手段に格納された前記対応関係情報を参照して前記基本情報に変換し、当該変換した基本情報を前記基本情報格納手段に格納する情報取込手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の患者別原価計算装置。 - 医療行為の原価を患者別に計算するための患者別原価計算装置において、当該原価を患者別に計算するための患者別原価計算方法を実行させるためのプログラムであって、
前記患者別原価計算装置に、前記原価の計算に必要な基本情報を格納する基本情報格納手段を設けた場合において、
前記原価の内、患者に直接的に賦課することができない直課不可分原価を計算するステップであって、前記基本情報格納手段から所定項目の情報を抽出し、当該抽出した情報を前記直課不可分原価の発生形態に応じた所定原価項目毎に集計し、前記原価項目に応じた積上係数を所定方法で取得し、当該集計した情報及び当該取得した積上係数を用いて前記直課不可分原価を計算する直課不可分計算ステップと、
前記原価の内、各患者に直接的に賦課することができる直課分原価を、前記基本情報格納手段から所定項目の情報を抽出して集計することにより取得する直課計算ステップと、
前記直課不可分計算ステップにおいて計算された直課不可分原価と、前記直課計算ステップにおいて取得された直課分原価とを、各患者毎に合計することにより、前記原価を患者別に計算する患者別原価計算ステップと、
を前記患者別原価計算装置に実行させることを特徴とするプログラム。
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