JP2009074999A - 運行経路探索装置及びシステム、運行経路探索方法、コンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】出発地、目的地を含む経路探索条件の入力を契機に、出発地を起点とする経路の運行コストが最も小さい次の駅の探索処理を連鎖的に繰り返すことにより、経路探索条件に従う最適経路候補を特定する経路探索ツール110を備えた経路探索サーバ10において、同名となる複数の駅について、その名称を各駅からの運行コストがゼロとなる仮想ランドマークとして設定し、設定した仮想ランドマークを出発地又は目的地として経路探索ツール110に認識させる仮想ランドマーク登録ツール120を設け、同名となる複数の駅間の運行コストの比較を迅速に行えるようにした。
【選択図】図1
Description
出発地となる駅に繋がるすべての路線、駅について、経路の運行コスト(例えば時間)が最小となる次の駅の探索処理を連鎖的に繰り返すことで、水面に石を投げたときの波紋のような形態で経路探索を行う。この波紋のような探索過程で、所定の基準に満たない経路は、逐次除外される。路線は必ずどこかの駅で繋がっているため、すべての駅間の組み合わせの運行コストを演算することは現実的でないためである。
探索過程で目的駅が特定された場合、その目的駅と出発駅との間の経路を利用者が望む経路候補とするとともに、さらにそこから派生する経路候補を多数パターン探索して保持し、利用者が指定した探索条件に応じてソート可能にする。例えば利用者が指定した探索条件が最短時間の経路である場合は、保持されているパターンを時間でソートし、最短時間となるパターンの経路を最適経路候補とし、さらに、この最適経路候補との比較で、妥当ないくつかの派生経路を特定し、これらをディスプレイに表示させる。
例えば全国規模では、「府中」(東京都、広島県、徳島県)、「神戸」(愛知県、群馬県、兵庫県)、「日本橋」(大阪府、東京都)、「こどもの国」(愛知県、神奈川県)、ときわ台(東京都、大阪府)、「浦安」(千葉県、鳥取県)のような同名の駅がある。比較的近郊の運行経路探索に絞っても、例えば「九条」(京都府、大阪府、奈良県)の例もある。日本には、その地方では独自と思われても他にしっかり存在するこのような同名の駅が、本願の出願時点で、鉄道駅だけで約9800駅中、約1000件存在する(約10%)。鉄道(路面電車を含む)駅の中には「球場前」(岡山県、高知県)、「競馬場前」(北海道、福岡県)のように同名であるばかりでなく、土地の固有名詞がつかない抽象名の駅、例えば「県庁前」(愛媛県ほか6県)、「市役所前」(愛知県ほか9県)も多々存在する。地方のバス停では、このような抽象名の停留所が存在することの方が自然であるから、運行経路探索にバス路線を含めると、探索対象となる同名の駅や停留所の数は、飛躍的に増加する(約38000停留所中、約10300件(約27%))。
そのため、運行経路探索を行う際に、出発地(駅/停留所)及び目的地(駅/停留所)を利用者に指定させるだけでは、必ずしも利用者が望む経路を特定できない場合がある一方、同名でありながら抽象名の駅を何とか探索しなければならないため、実際には不要かも知れない経路の探索に多大なリソースを費消してしまい、システムの実行効率が低下するという重大な問題があった。
この探索処理では、以下の手順で探索処理が行われる場合がある。
(1)新宿から東京都の「府中」を探索する。
(2)新宿から徳島県の「府中」を探索する。
(3)新宿から広島県の「府中」を探索する。
(4)これらの探索結果の中から、最小コストの経路を選択する。
この場合は探索処理を3回実行(通常2つの探索パターンは無駄になる)することになって、システムの実行効率が著しく低下する。一般に、出発地の同名の駅又は停留所の数をm、目的地の同名の駅又は停留所の数をnとすると、同名の駅又は停留所が無い場合と比較して、実行効率は、1/(m*n)となる。
利用者は同名異駅や同名異停の存在を知らないのが通常であるから、本来的には、上記の問題を利用者に意識させない簡易な利用環境の方が、この種の経路探索システムの利用を促進する観点からは望ましい。
本発明の運行経路探索装置は、出発地及び目的地の少なくとも一方と、出発時刻、到着時刻、探索範囲の一つ又は複数の組み合わせとを含む経路探索条件の入力を契機に、前記出発地又は前記目的地を起点とする経路の運行コストが最も小さい次の駅又は停留所の探索処理を連鎖的に繰り返すことにより、前記経路探索条件に従う最適経路候補を特定する経路探索ツールと、同名となる複数の駅又は停留所について、その名称を当該駅又は停留所からの運行コストがゼロとなる仮想ランドマークとして設定し、設定した仮想ランドマークを前記出発地又は前記目的地として前記経路探索ツールに認識させる仮想ランドマーク登録ツールと、を備えた装置である。
「仮想ランドマーク」は、実際には存在しない目標を、あたかも存在するかの如く扱うためのものであるが、利用者の便宜を図る観点からは、実際に常用されている駅名であることが望ましい。「設定」は、少なくとも経路探索ツールが認識できる時間、所定のメモリ領域に存在させることをいう。「ツール」は、コンピュータのハードウエア資源をプログラムが制御することによって、そのコンピュータ資源特有の性質を利用して形成される機能実現体である。
なお、依頼文は、テキスト文、HTML等、システム側でその意味内容を解析できる文であれば、どのようなデータ構造のものであっても良い。利用者が経路探索ツールから受け取る情報にも、自然言語から成る文が含まれるようにすることが望ましい。
前記第1サーバは、上述した経路探索ツール及び仮想ランドマーク登録ツールを有するものであり、前記第2サーバは、上述したインタフェース手段、ルールテーブル、自然言語処理ツール、変換ツール、及び、制御手段とを有するものである。
このような運行経路探索システムでは、例えば、第1サーバにおける経路探索に伴う実行負荷と、利用者からの窓口としての第2サーバの実行負荷並びに依頼文の受信数との最適化を図ることで、効率的な運行経路の探索環境を実現することができる。
経路探索サーバ10は、サーバ本体と本発明のコンピュータプログラムとの協働により実現される。すなわち、サーバ本体が、コンピュータプログラムを読み込んで実行することにより、そのサーバ本体を、データ通信用インタフェース100、経路探索ツール110、及び、仮想ランドマーク登録ツール120として機能させ、経路探索のための情報処理を実行可能にする。
仮想ランドマーク登録ツール120は、経路探索ツール110が経路探索を行っている過程で同名異駅等を検出したときに、その指示のもとに起動して、その都度、仮想ランドマークを設定するが、外部からの設定の登録を受け付ける登録部121を介して仮想ランドマークDB122に予め登録しておき、経路探索エンジン112によって随時検索して、これにより得たものを設定するようにしても良い。その都度設定する場合、一度新規に設定した仮想ランドマークは、仮想ランドマークDB122に登録しておくようにする。
この場合、経路探索ツール110は、運行コストゼロ(徒歩0分)で関連付けられている東京都の府中駅、徳島県の府中駅、広島県の府中駅を起点とした次の駅までの運行コストを、まず計算する。東京都の府中駅を除く他の2駅を起点とした場合の次の駅以降の運行コストは、この時点で「高円寺」までの運行時間が数十時間を越えるため、現実的な経路ではないとして直ちに探索すべき経路候補から除外される(図示の破線)。そのため、それ以上無駄にリソースを費消することなく、東京都の府中駅に繋がる次の以降の経路探索のみに移行することができる。駅の数は膨大なので、仮想ランドマークがない場合に徳島県の府中駅及び広島県の府中駅に繋がる次の駅以降の探索をも繰り返す従来型の手法と比べて軽減されるリソースは、計り知れないほど大きい。
携帯サービスサーバ20は、本実施形態による経路探索サーバ10が経路探索条件の自動入力・自動実行のための環境を有することから、この経路探索サーバ10と連携して、携帯端末50を利用した任意の場所からの経路探索サービス、特に電子メールを伝達媒体とする自然言語による経路探索サービスを実現するものである。
変換ツール223は、自然言語処理ツール222で抽出した語又は語句をルールテーブル221に従って経路探索条件に変換する。
次に、本実施形態の運行経路探索システムの運用形態例を説明する。
ここでは、利用者に携帯経路探索サービスを提供する場合の例を説明する。携帯経路探索サービスは、利用者が携帯端末50を操作して電子メールで運行経路探索のサービスを受けられるようにするサービスである。このサービスは、携帯サービスサーバ20が主導的に動作する。
利用者は、電子メールで経路探索を依頼する。ここでは、一例として、図6(a)に示すように、「大宮から新宿を経由して清里まで12月25日、13時着の経路を教えてください。」という内容の依頼文を、電子メールで、運行経路探索システムの専用アドレスに発信したとする。
本例の場合は、同名異駅等は存在しないが、仮に存在し、それが仮想ランドマークとして登録されている場合は、それを出発地等として認識する。存在しなくとも探索開始時にそれが同名異駅等であることが判明したときは、仮想ランドマークを設定し、設定後はそれを仮想ランドマークDB122に登録する。
(a)利用者が、経路探索サービスのサイトにアクセスする。または、経路探索アプリケーションを起動する。ここで一定の時間がかかる。
(b)利用者が、出発駅と到着駅とを指定する。同名異駅の場合は、それが存在する複数の都道府県と共に表示されるので、その中から一つを選択する。確定するかどうかの確認を必要とする。そのため、ここでも時間がかかり、携帯端末の通信料も余分にかかる。
(c)経路探索が実行される。同名異駅等が含まれている場合は、現実にあり得ない経路が最適経路候補として、しかもより上位に特定される可能性がある。この場合、次の経路を表示させるまで時間と通信料がかかる。
(d)探索結果を得、画面に表示させる。
Claims (7)
- 出発地及び目的地の少なくとも一方を含む経路探索条件の入力を契機に、前記出発地又は前記目的地を起点とする経路の運行コストが最も小さい次の駅又は停留所の探索処理を連鎖的に繰り返すことにより、前記経路探索条件に従う最適経路候補を特定する経路探索ツールと、
同名となる複数の駅又は停留所について、その名称を当該駅又は停留所からの運行コストがゼロとなる仮想ランドマークに設定し、設定した仮想ランドマークを前記出発地又は前記目的地として前記経路探索ツールに認識させる仮想ランドマーク登録ツールと、を備えて成る、
運行経路探索装置。 - 利用者が操作する情報端末との通信を可能にするインタフェース手段と、
語又は語句と前記経路探索ツールが認識可能な前記経路探索条件との対応ルールを記録したルールテーブルと、
前記インタフェース手段を通じて受信した、自然言語から成る依頼文に対して自然言語処理を行うことにより、その依頼文に含まれる語又は語句を抽出する自然言語処理ツールと、
この自然言語処理ツールで抽出した語又は語句を前記ルールテーブルに従って前記経路探索条件に変換する変換ツールと、
前記変換ツールで変換した経路端末条件を、利用者による操作を要することなく前記経路探索ツールに入力し、これにより特定された最適経路候補を前記経路探索ツールより受け取り、受け取った最適経路候補を前記インタフェース手段を通じて前記情報端末において表示可能にする制御手段と、をさらに有する、
請求項1記載の運行経路探索装置。 - 前記情報端末は、ディスプレイを備えた携帯端末であり、
前記インタフェース手段は、前記携帯端末からの電子メールにより前記依頼文を受信し、
前記制御手段は、前記経路探索ツールにより特定された最適経路候補を前記ディスプレイで表示可能なサイズの電子情報に編集し、編集した電子情報を前記インタフェース手段を介して前記電子メールの送信元に返信する、
請求項2記載の運行経路探索装置。 - 前記編集した電子情報が自然言語から成る文を含む、請求項3記載の運行経路探索装置。
- 複数の情報端末及びメールサーバによるアクセスが可能なネットワークに接続される運行経路探索システムであって、第1サーバ及び1又は複数の第2サーバを含んで構成されており、
前記第1サーバは、
出発地及び目的地の少なくとも一方を含む経路探索条件の入力を契機に、前記出発地又は前記目的地を起点とする経路の運行コストが最も小さい次の駅又は停留所の探索処理を連鎖的に繰り返すことにより、前記経路探索条件に従う最適経路候補を特定する経路探索ツールと、
同名となる複数の駅又は停留所について、その名称を当該駅又は停留所からの運行コストがゼロとなる仮想ランドマークとして設定し、設定した仮想ランドマークを前記出発地又は前記目的地として前記経路探索ツールに認識させる仮想ランドマーク登録ツールとを有しており、
前記第2サーバは、
前記情報端末又はメールサーバとの通信を可能にするインタフェース手段と、
語又は語句と前記経路探索ツールが認識可能な前記経路探索条件との対応ルールを記録したルールテーブルと、
前記インタフェース手段を通じて受信した、自然言語から成る依頼文に対して自然言語処理を行うことにより、その依頼文に含まれる語又は語句を抽出する自然言語処理ツールと、
この自然言語抽出ツールで抽出した語又は語句を前記ルールテーブルに従って前記経路探索条件に変換する変換ツールと、
この変換ツールで変換された経路端末条件を、前記利用者による操作を要することなく前記第1サーバの経路探索ツールに入力し、これにより特定された最適経路候補を前記経路探索ツールより受け取り、受け取った最適経路候補を前記インタフェース手段を通じて前記情報端末において表示可能にする制御手段とを有している、
運行経路探索システム。 - 出発地及び目的地の少なくとも一方を含む経路探索条件の入力を契機に、前記出発地又は前記目的地を起点とする経路の運行コストが最も小さい次の駅又は停留所の探索処理を連鎖的に繰り返すことにより、前記経路探索条件に従う最適経路候補を特定する経路探索ツールと、利用者が操作する情報端末とのインタフェース手段とを備えた装置で実行する運行経路探索方法であって、
同名となる複数の駅又は停留所について、その名称を当該駅又は停留所からの運行コストがゼロとなる仮想ランドマークとして設定し、設定した仮想ランドマークを前記出発地又は前記目的地として前記経路探索ツールに認識させる過程と、
利用者が情報端末を通じて自然言語で入力した依頼文を前記インタフェース手段を通じて受信したときに、受信した依頼文に対して自然言語処理ツールで自然言語処理を行うことにより、その依頼文に含まれる語又は語句を抽出する過程と、
抽出された語又は語句を、予め語又は語句と前記経路探索条件との対応ルールを記録したルールテーブルに従って前記経路探索条件に変換する過程と、
変換された経路端末条件を、前記利用者による操作を要することなく前記経路探索ツールに入力し、これにより特定された最適経路候補を前記経路探索ツールより受け取り、受け取った最適経路候補を、前記インタフェース手段を介して前記情報端末に表示可能な形態で伝達する過程とを有する、運行経路探索方法。 - コンピュータを、出発地及び目的地の少なくとも一方を含む経路探索条件の入力を契機に、前記出発地又は前記目的地を起点とする経路の運行コストが最も小さい次の駅又は停留所の探索処理を連鎖的に繰り返すことにより、前記経路探索条件に従う最適経路候補を特定する経路探索ツール、及び、
同名となる複数の駅又は停留所について、その名称を当該駅又は停留所からの運行コストがゼロとなる仮想ランドマークとして設定し、設定した仮想ランドマークを前記出発地又は前記目的地として前記経路探索ツールに認識させる仮想ランドマーク登録ツールとして機能させる、運行経路探索用のコンピュータプログラム。
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