JP2009073436A - ロータリーベーン式舵取機のシール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール面に大きな磨耗または偏磨耗が発生するのを抑制し、シーリング性能を高めることが可能なロータリーベーン式舵取機のシール構造を提供する。
【解決手段】ベーン2dの上部および下部横シール12,14は、半径方向外端部に半円形の凹断面をなす鞍部12d,14dを有するとともに、背面の両側にスカート部を有し、ベーン2dの縦シール16は、上端部と下端部とに半円形断面をなす上部および下部嵌挿端16b,16cを有するとともに、背面の両側にスカート部を有し、横シール12,14と縦シール16との連接は、縦シール16の上部嵌挿端16bを上部横シール12の鞍部12d内に挿設するとともに縦シール16の下部嵌挿端16cを下部横シール14の鞍部14d内に挿設してなり、縦シール16の両スカート部間の空間と横シール12,14の両スカート部間の空間とが連通している。
【選択図】図1

Description

本発明は、船舶の舵取機の一形態であるロータリーベーン式舵取機のシール構造に関する。
従来のロータリーベーン式舵取機は、例えば図23〜図25に示すようなものであり、ハウジング1と、その内部に収納されて回転するローター2とを有している。ローター2は、半径方向には下部軸部2aがハウジング1の底部に設けたボス部1aでラジアル軸受4aを介して支持され、上部軸部2bがハウジング1の上部開口を塞ぐように配置した環状のトップカバー3でラジアル軸受4bを介して支持され、また、軸方向には、ローター2の下端面がハウジング1の内底面でスラスト軸受4cを介して支持されている。
ローター2は舵軸(図示省略)を装入して緊合する内部貫通孔2cを有し、外周面の周方向に沿った等間隔の位置に複数のベーン2dを突設している。ハウジング1は内周面の周方向に沿った等間隔の位置に、上記ベーン2dと同数のセグメント1bを突設している。
ローター2の各ベーン2dは、上端面に形成した上部横スリット2e内に、トップカバー3の下面に摺接する上部横シール2fを保持し、下端面に形成した下部横スリット2g内に、ハウジング1の内底面に摺接する下部横シール2hを保持し、半径方向の先端の縁面に形成した縦スリット2i内に、ハウジング1の内周面に摺接する縦シール2jを保持している。
また、ハウジング1のセグメント1bは、半径方向の先端の縁面に形成した縦スリット1c内に、ローター2の外周面に摺接する縦シール1dを保持している。尚、上記各シール2f、2h、2j、1dはそれぞれ弾性材料によって形成されている。
ローター2はハウジング1内において、ベーン2dの上部および下部横シール2f、2hがそれぞれトップカバー3の裏面およびハウジング1の内底面に摺接し、同縦シール2jがハウジング1の内周面に摺接し、また、ローター2の外周面がハウジング1のセグメント1bの縦シール1dに摺接する状態で回転する。これにより、ローター2の外側周囲に形成された油室用空間5がベーン2dとセグメント1bとによって複数の作動油室5a、5b、5c、5dに区画される。
トップカバー3は、ローター2の上部端面の半径方向端部に対向する部位に形成した上部リングスリット3a内に、一体構造の環状の上部リングシール3bを保持している。また、ハウジング1は、ローター2の下部端面の半径方向端部に対向する部位に形成した下部リングスリット1e内に、一体構造の環状の下部リングシール1fを保持している。上部および下部リングシール3b、1fはそれぞれ弾性材料によって形成されている。
図23,図27に示すように、上記上部リングシール3bは、リングシール面3cがローター2の上部端面の半径方向端部の面と接触するとともに、リングシール面3cの外周縁部3dがベーン2dの上部横シール2fの内周側上端縁2n(図23参照)とセグメント1bの縦シール1dの内周側上端縁1h(図23参照)とにそれぞれ接触している。
また、上記下部リングシール1fは、上部リングシール3bと同様に、リングシール面1gがローター2の下部端面の半径方向端部の面と接触するとともに、リングシール面1gの外周縁部1iがベーン2dの下部横シール2hの内周側下端縁2o(図23参照)とセグメント1bの縦シール1dの内周側下端縁1j(図23参照)とにそれぞれ接触している。
これらにより、各作動油室5a、5b、5c、5dの圧油が、ローター2の上部端面とトップカバー3との間の微小な間隙およびローター2の下部端面とハウジング1の内底面との間の微小な間隙を通って、また、上部リングスリット3aおよび下部リングスリット1eのそれぞれ外周側面を通って、或いは、ベーン2dの上部および下部横シール2f、2hの上下の各内周端縁部2n、2oおよびセグメント1bの縦シール1dの上下の各内周端縁部1h、1jを通って、高圧側となる作動油室から隣接する低圧側となる作動油室に漏洩するのを防ぐとともに、大気に通ずるローター軸部2a、2bへ漏出するのを防いでいる。
ローター2の回転軸心に対して対極の位置にある作動油室5a、5c同士および作動油室5b、5d同士はそれぞれ連通しており、例えば作動油室5aに油圧ポンプから圧油が供給されると、対極の位置にある作動油室5cにも同時に圧油が供給され、一方、残りの作動油室5b、5dからは同時に油が排出されて油圧ポンプ側に戻される。これにより、圧油によるローター2の回転が成立する。
上記各シールの断面形状については、ローター2のベーン2dの上部横シール2f、下部横シール2h、縦シール2j、およびハウジング1のセグメント1bの縦シール1dは図26に示すようなものであり、ハウジング1の下部リングシール1fおよびトップカバー3の上部リングシール3bは図27に示すようなものである。いずれも、接触摺動する相手面との間のシーリング効果を高めるために、各シールのそれぞれの背面2s、2t、2u、1m、1n、3eに、高圧側となる作動油室(5a、5cあるいは5b、5d)から圧油を導いて、この油圧によりシール面を相手面に押し付けるようにしている。
そして、各シール2f、2h、2j、1d、1f、3bのそれぞれ背面2s、2t、2u、1m、1n、3eに導いた圧油が各シール2f、2h、2j、1d、1f、3bの側面とその各々のスリット2e、2g、2i、1c、1e、3aの側面との間の間隙を伝って低圧側に漏洩しないようにするために、各シール2f、2h、2j、1d、1f、3bは、それぞれの背面2s、2t、2u、1m、1n、3eの側に、スカート部2v、2w、2x、1o、1p、3fを有している。
これらスカート部2v、2w、2x、1o、1p、3fは、初期装着状態においては、弾性力により、各シールの各スリット2e、2g、2i、1c、1e、3aの両側面に押し付けられており、そして、各シールの背面に圧油が導かれた状態においては、上記各スカート部2v、2w、2x、1o、1p、3fが各スリット2e、2g、2i、1c、1e、3aの両側面に押し付けられる力が増強されて、上記各シール2f、2h、2j、1d、1f、3bの側面と各スリット2e、2g、2i、1c、1e、3aの側面との間の間隙を伝って低圧側に漏洩するのがより強く防がれるようになっている。
尚、ローター2のベーン2dの縦シール2j、ハウジング1のセグメント1bの縦シール1d、ハウジング1の下部リングシール1fおよびトップカバー3の上部リングシール3bのそれぞれの背面2u、1m、1n、3e(図26,図27参照)に高圧側となる作動油室5a〜5dから圧油を導く手段は次のようなものである。
すなわち、図28に示すように、各ベーン2dに対しては、油室連通孔2yを設け、油室連通孔2yに圧力バルブ6を装着している。圧力バルブ6は、バルブ本体6aの両入口6bにそれぞれ弁座6dを螺合し、二つの弁座6dの間に2個のボール弁体6eを遊動せしめ、両ボール弁体6eの間にスプリング6fを介在せしめ、ボール弁体6eが弁座6dから開いた状態で圧力バルブ入口6bに通じるように出口孔6cを設けている。さらに、圧力バルブ6の出口孔6cからベーン2dの縦シール2jの背面2uに通じる作用孔2zを設けている。
これにより、例えば作動油室5aが高圧側、作動油室5dが低圧側となった場合、高圧側の作動油室5aの油圧が圧力バルブ6の一方のボール弁体6eを開くとともに、他方のボール弁体6eを弁座6dに押し付けて逆止作用を行うことにより、高圧側の作動油室5aが低圧側の作動油室5dに連通するのを防ぎ、そして、高圧側の圧油が作用孔2zを通ってベーン2dの縦シール2jの背面2uに作用する。逆に、作動油室5dが高圧側、作動油室5aが低圧側となった場合は、逆の動作により、作動油室5dの圧油がベーン2dの縦シール2jの背面2uに作用する。
ベーン2dの上部および下部横シール2f、2hに対しては、上述のごとく、それぞれの背面2s、2tが縦シール2jの背面2uと連通していることにより、縦シール2jの背面2uに作用する油圧が同時に上部および下部横シール2f、2hの各背面2s、2tにも作用する。
また、各セグメント1bに対しては、ベーン2dと同様に、図23に示すように、油室連通孔2yを設け、油室連通孔2yに圧力バルブ6を設けることにより、各セグメント1bの縦シール1dの背面1mに圧油を導いている。また、上部および下部リングシール3b、1fに対しては、セグメント1bの縦シール1dの背面1mの上端部から上部リングシール3bの背面3e(図27参照)に通じる油路3gがトップカバー3に穿孔され、また、上記縦シール1dの背面1mの下端部から下部リングシール1fの背面1n(図27参照)に通じる油路1qがハウジング1の底部に穿孔されており、これによって、高圧側となる作動油室5a〜5dからの圧油を上部および下部リングシール3b、1fの各背面3e、1nに作用させている。
また、上記ベーン2dの上部および下部横シール2f、2hと縦シール2jの上部および下部端面2k、2mとの連接部は図29〜図32に示すような構成となっている。尚、上記図29〜図32は上部横シール2fと縦シール2jの上部端面2kとの連接部を示したものであり、下部横シール2hと縦シール2jの下部端面2mとの連接部はこれと対称に構成されている。
上部横シール2fは、縦シール2jの上部端面2kとの連接部において、スカート部2vが欠けており、この欠けた部分に縦シール2jの上部端面2kが嵌め込まれる。これにより、ベーン2dの上部および下部横シール2f、2hと縦シール2jをそれぞれスリット2e、2g、2i内に装着した状態において、上部および下部横シール2f、2hの背面2s、2tの空間と縦シール2jの背面2uの空間とが連通し、縦シール2jの背面2uに導かれた作動油が上部および下部横シール2f、2hの背面2s、2tにも作用するようになっている。
而して、縦シール2jの上部および下部端面2k、2mと上部および下部横シール2f、2hとのそれぞれの連接面を通って作動油が高圧側から低圧側へ漏洩するのを防ぐために、また、上部および下部横シール2f、2hの背面2s、2tに油圧が存在しないときでも上部および下部横シール2f、2hのそれぞれのシール面2p、2qに必要な面圧を与えるために、次の手段が取られている。すなわち、縦シール2jを最終装着長さよりも若干長く(1%前後程度長く)製作しておく。そして、舵取機の組立時、これら各シール2f、2h、2jをそれぞれのスリット2e、2g、2i内に装入した状態で、縦シール2jが最終装着長さより若干長く製作されている分だけ、上部横シール2fの縦シール2jとの連接側の端部(径方向外側端部)が上方へ突き出し、突き出している上部横シール2fの端部をトップカバー3のハウジング1への組み付けにより押し下げて、縦シール2jを縦スリット2i内で弾性変形させる。これにより、縦シール2jの上部および下部端面2k、2mと上部および下部横シール2f、2hとの各連接面の密着に必要な面圧、ならびに、上部および下部横シール2f、2hのそれぞれのシール面2p、2qに必要な面圧を確保するようにしている。
また、セグメント1bの縦シール1dについても、縦シール1dの上下の各端面とトップカバー3の裏面およびハウジング1の内底面とのそれぞれの接触面を通って作動油が高圧側から低圧側へ漏洩するのを防ぐために、縦シール1dを最終装着長さよりも若干長く(1%程度長く)製作しておく。そして、舵取機の組立時、縦シール1dを縦スリット1c内に装入した状態で、縦シール1dが最終装着長さより若干長く製作されている分だけ上方へ突き出し、突き出している縦シール1dをトップカバー3のハウジング1への組み付けにより押し下げて、縦シール1dを縦スリット1c内で弾性変形させる。これにより、縦シール1dの上下の各端面とトップカバー3の裏面およびハウジング1の内底面とのそれぞれの密着を確保するようにしている。
尚、上記ベーン2dの縦シール2jおよびセグメント1bの縦シール1dの突き出した部分の押し下げをそれぞれの縦スリット2i、1c内で弾性変形により行わせるために、縦シール2j、1dは、それぞれの縦スリット2i、1c内に遊着させ、弾性変形を許容させるようになっている。
また、ベーン2dの縦シール2jの背面2uと縦スリット2iとの間の空間、および、セグメント1bの縦シール1dの背面1mと縦スリット1cとの間の空間には、それぞれ波板ばね(図示省略)を装入している。これによると、ベーン2dの縦シール2jおよびセグメント1bの縦シール1dがそれぞれの縦スリット2i、1c内で弾性変形して、各縦シール2j、1dのシール面2r、1kが相手面と接触した際、上記波板ばねにより、各シール面2r、1kの歪みを矯正することができる。
また、舵に発生するトルクの特性から、作動油室5a、5b、5c、5dに油圧が発生しない局面があるが、その場合でも、上述のように、スリット内に遊着されているベーン2の縦シール2jおよびセグメント1bの縦シール1dについては、それぞれの背面2u、1mに油圧が作用しなくても、上記波板ばねにより、それぞれのシール面2r、1kが相手面と接触する状態を保つことができる。尚、波板ばねは、挿入し得る空間の関係上、ばね常数の比較的大きいものになっている。
上記のようにハウジング1とローター2とトップカバー3とを有し、ローター2に設けられたベーン2dに上部および下部横シール2f、2hと縦シール2jとを取付け、ハウジング1に設けられたセグメント1bに縦シール1dを取付けたロータリーベーン式舵取機は、例えば下記特許文献1に記載されている。
特開2006−214496
上記した従来の構成においては、ローター2のベーン2dの縦シール2jの上部および下部端面2k、2mと上部および下部横シール2f、2hとのそれぞれの連接について、構成的に、また、性能的に改善が要請されている。
すなわち、上記縦シール2jの上部および下部端面2k、2mと上部横シール2fおよび下部横シール2hとのそれぞれの連接部において作動油室5a、5b、5c、5d内の作動油が高圧側から低圧側へ漏洩するのを防ぐために、また、各シール2j、2f、2hのそれぞれ背面2u、2s、2tに導かれた圧油が同連接部を通って低圧側の作動油室に漏洩するのを防ぐために、さらには、シールの背面2s、2tに油圧が存在しないときでも上部および下部横シール2f、2hのそれぞれのシール面2p、2qに必要な面圧を与えるために、上述したように、縦シール2jを最終装着長さよりも若干長く製作しておき、舵取機の組立時、これら各シール2j、2f、2hをそれぞれのスリット2i、2e、2g内に装入した状態で、上部横シール2fの縦シール2jとの連接側端部が、縦シール2jが最終装着長さよりも若干長く製作されている分だけ浮き上がっているのを、トップカバー3のハウジング1への組み付けにより押し下げ、縦シール2jを縦スリット2i内で弾性変形させ、その反発力により、縦シール2jの上部および下部端面2k、2mとそれぞれ上部横シール2fおよび下部横シール2hとの接触面に面圧を発生せしめ、密着を確保するようにしているが、このような手段は、他方において次のような問題を惹起していた。
すなわち、上部および下部横シール2f、2hは、各シール面2p、2qの縦シール2jとの連接側端部(径方向外側端部)が縦シール2jの弾性変形の反発力によって相手面に常時強く押し付けられた状態で作動し、また、各シール面2p、2qと各相手面との間の作動油による潤滑油膜が破壊された状態で作動するため、摩損が大きく、しかも、摩損の量は縦シール2jとの連接側(径方向外側)が大きく、傾斜的に摩損するという問題があった。
さらに、上記問題は、舵取機が作動状態に入り、作動油の温度が上昇してくると、いっそう大きくなるという問題があった。すなわち、作動油の温度が低い作動の初期において、縦シール2jの上部および下部端面2k、2mと上部横シール2fおよび下部横シール2hとの接触面に生じる面圧が適切になるように、かつ、上部および下部横シール2f、2hのそれぞれのシール面2p、2qに発生する面圧が適切になるように縦シール2jの長手方向の弾性変形圧縮量を設定しても、作動により温度が上昇すると、これら面圧が過大になってしまうという問題があった。具体的には、シールがポリマー弾性材料である場合、作動により温度が約50℃上昇したとすると、一般的に約1%線膨張するから、縦シール2jの長さが例えば500mmである場合、縦シール2jの線膨張は約5mmになり、縦シール2jに与える上記の必要な長手方向の初期圧縮量が例えば3.5mmである場合、上記熱膨張の結果、縦シール2jには約8.5mmもの長手方向の圧縮に相当する過大な弾性変形が生じることになる。
また、縦シール2jにおいては、上述の初期突出の押し下げの結果、縦シール2jが縦スリット2i内で湾曲変形せざるを得ないため、シール面2rが相手面(ハウジング1の内周面)と接触している接触部分の直線性を保つことが困難となり、シーリング性能の低下、シール面2rの偏摩耗などを生じるという問題があった。換言すれば、縦シール2jが湾曲変形することは、シーリング性能上、また、摩耗的に好ましくないにもかかわらず、縦シール2jの上部および下部端面2k、2mと各上部および下部横シール2f、2hとの間のシーリングに必要な密着性を確保するためには、縦シール2jの弾性湾曲変形による反発力に依存しなければならないという背反性を余儀なくされていた。尚、縦シール2jの背面に波板ばねを挿入していることにより、この湾曲変形はある程度矯正はされるものの、ばね常数を大きくせざるを得ないため、縦シール2jのシール面2rの摩耗に伴い急激にばね力が低下するという問題もあった。
さらに、縦シール2jの縦スリット2i内での湾曲変形を許すために、縦スリット2iの断面積が縦シール2jの断面積に対して余裕があるように縦シール2jを縦スリット2iに遊着させる必要があるが、このことは、他方において、縦シール2jが縦スリット2i内で転動し易くなり、作動が不安定になり易いという問題があった。
さらに、上述の縦シール2jの湾曲変形は必然的に上部および下部端面2k、2mの傾斜を招き、そのため、これら端面2k、2mと各上部および下部横シール2f、2hとの連接部を偏密着させ、この箇所のシーリング性能を低下させ易くするほか、上部および下部横シール2f、2hの各シール面2p、2qが偏摩耗し易いという問題もあった。
本発明は、ローターベーンの縦シールと上部および下部との間の連接部のシーリング性能を確保しながらも、シール面に大きな磨耗または偏磨耗が発生するのを抑制し、シーリング性能を高めることが可能なロータリーベーン式舵取機のシール構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本第1発明は、舵軸に嵌合装着するローターと、ローターを収納してローターの周囲に油室用空間を形成するハウジングと、ハウジングの上部開口に配置する環状のトップカバーとを有し、
ローターの外周面の周方向に沿った等間隔の位置に複数のベーンを配置し、
ハウジングの内周面の周方向に沿った等間隔の位置に複数のセグメントを配置し、
ベーンとセグメントとによって上記油室用空間を複数の作動油室に区画し、
ローターの各ベーンに、トップカバーの裏面およびハウジングの内周面と内底面とにそれぞれ対向するように、その上下両端面と半径方向先端面とにそれぞれ上部および下部横スリットと縦スリットを形成し、
縦スリットに、ハウジングの内周面に摺接する縦シールを挿入し、
上部横スリットに、トップカバーの裏面に摺接する上部横シールを挿入し、
下部横スリットに、ハウジングの内底面に摺接する下部横シールを挿入し、
上記各シールを弾性材料で形成し、
上記各シールの背面に圧油をかけるようにしたロータリーベーン式舵取機におけるシール構造であって、
ベーンの上部および下部横シールはそれぞれ、一方の先端面から所定の深さまで背面側がほぼ半円形の凹断面をなす鞍部を有し、両鞍側部の先端部はほぼ半円形の凸断面をなし、シール面の反対の面である背面には、鞍部の部分を除き長手方向全長に亘って両側に、先端が側面から外側に僅かに張出したスカート部を有し、
ベーンの縦シールは、上端部と下端部とにそれぞれ、シール面である正面側から見て半円形断面をなす上部および下部嵌挿端を有し、シール面の反対の面である背面には、上部および下部嵌挿端の部分を除き長手方向全長に亘って両側に、先端が側面から外側に僅かに張出したスカート部を有し、
縦シールの長手方向全長が最終装着長さよりも所定量だけ長く製作されており、
上記上部および下部横シールと縦シールとのそれぞれの連接は、縦シールの上部嵌挿端を上部横シールの鞍部内に挿設するとともに縦シールの下部嵌挿端を下部横シールの鞍部内に挿設してなり、
縦シールの両スカート部間の空間と上部および下部横シールのそれぞれの両スカート部間の空間とが連通してなり、
縦シールの上部および下部嵌挿端を上部および下部横シールの各鞍部内へそれぞれ挿設し、上部および下部嵌挿端の各先端が各鞍部の奥端部に接触した組立前の初期状態において、上部および下部横シールの各鞍部と縦シールの上部および下部嵌挿端との間にそれぞれ第1の所定の空隙が形成されるとともに、各鞍部の鞍先端部と上部および下部横スリットとの間および各鞍部の鞍先端部と縦シールとの間にそれぞれ第2の所定の空隙が形成され、
舵取機の組立時、上部および下部横シールを縦シールと連接させてそれぞれのスリット内に収装した状態において、縦シールの長手方向全長が最終装着長さよりも長い分だけ、上部横シールの縦シールとの連接側の端部が浮き上がり、浮き上がっている上部横シールの端部がトップカバーの組み付けにより押し下げられて、縦シールの上部および下部嵌挿端が上部および下部横シールの各鞍部を介してそれぞれ弾性変形し、第1および第2の所定の空隙が消失するように構成されているものである。
これによると、上部および下部横シールとの連接部の密着性を与える縦シールの弾性変形は、弾性変形し易い部分であるところの縦シールの上下両端部における上部および下部嵌挿端のみの弾性変形が主体となり、かつ、連接部が半円形状の当接となるため、縦シールからの弾性反発力は上部および下部横シールに対して放射状に分散して作用する。このため、上部および下部横シールのシール面に過大な面圧、すなわち大きな摩耗を生じることはなく、また、縦シールのシール面が湾曲変形することは減少するので、縦シールのシーリング性能を高め且つシール面の偏摩耗を防ぐことができる。
さらに、縦シールとの連接部における、上部および下部横シールと上部および下部横スリットとの間の作動油の漏洩防止に対しては、上部および下部横シールの鞍側部の先端部の半円形の凸断面部分の弾性変形反発力により、上部および下部横シールの鞍部と上部および下部横スリットの底面との間の密着性を十分に確保することができる。
また、上記のように縦シールからの弾性反発力が上部および下部横シールに対して放射状に分散して作用することにより、上部および下部横シールの鞍部と上部および下部横スリットの側面との間の密着性を十分に確保することができ、且つ、上部および下部横シールを上部および下部横スリット内へ安定して装着することができる。
本第2発明は、舵軸に嵌合装着するローターと、ローターを収納してローターの周囲に油室用空間を形成するハウジングと、ハウジングの上部開口に配置する環状のトップカバーとを有し、
ローターの外周面の周方向に沿った等間隔の位置に複数のベーンを配置し、ハウジングの内周面の周方向に沿った等間隔の位置に複数のセグメントを配置し、ベーンとセグメントとによって上記油室用空間を複数の作動油室に区画し、
ローターの各ベーンに、トップカバーの裏面およびハウジングの内周面と内底面とにそれぞれ対向するように、その上下両端面と半径方向先端面とにそれぞれ上部および下部横スリットと縦スリットを形成し、
縦スリットに、ハウジングの内周面に摺接する縦シールを挿入し、上部横スリットに、トップカバーの裏面に摺接する上部横シールを挿入し、下部横スリットに、ハウジングの内底面に摺接する下部横シールを挿入し、
上記各シールを弾性材料で形成し、
上記各シールの背面に圧油をかけるようにしたロータリーベーン式舵取機におけるシール構造であって、
ベーンの縦シールの上端部平面はトップカバーの裏面と摺接し、
縦シールのシール面の反対の面である背面の両側に設けてあるスカート部は、上部横シールとの連接部において、上部横シールの横断面の高さ分だけ切り欠いてあり、
上部横シールは、全長にわたって縦シールの横断面と同形状の横断面を有し、かつ、半径方向における先端面が縦シールの背面の上端部に当接し、
上部横シールのシール面の反対の面である背面と上部横スリットの底面との間の空間には、上部横シールをトップカバー側へ押圧するばねが装着され、
縦シールと上部横シールとを連接した状態において、縦シールの両スカート部間の空間と上部横シールの両スカート部間の空間とが連通し、
縦シールの長手方向全長および上部横シールの長手方向全長がそれぞれ最終装着長さよりも所定量だけ長く製作されており、
舵取機の組立時、縦シールを縦スリット内に収装した状態において、上部横シールは、最終装着長さよりも所定量だけ長く製作されている分だけ圧縮弾性変形して、上部横スリット内に収装され、
縦シールは最終装着長さよりも所定量だけ長く製作されている分だけ上端面が突出し、突出している縦シールの上端面がトップカバーの組み付けにより押し下げられて、縦シールが縦スリット内で圧縮弾性変形するように構成されているものである。
これによると、ベーンの上部横シールと縦シールの上端側との連接部において、連接面の密着性は上部横シールの長手方向の圧縮による弾性変形からの反発力によって得られる。また、縦シールの上端平面がトップカバーの裏面に摺接するシーリング面圧は、縦スリット内での縦シールの長手方向の圧縮による弾性変形からの反発力によって得られ、且つ、上部横シールがトップカバーの裏面に摺接するシール面のシーリング面圧および縦シールがハウジングの内周面に摺接するシール面のシーリング面圧は、縦シールおよび上部横シールのそれぞれ背面に作用するシステム作動油の油圧によって得られる。
さらに、上部横シールにおいては、システム作動油圧が存在しない時にもシーリング面圧を確保する手段として、従来では、縦シールの長手方向の圧縮による弾性変形からの反発力により無油圧時の上部横シールのシーリング面圧が与えられていたために、縦シールの上部端面と上部横シールとの間のシーリングに必要な密着性を強くするほど、上部横シールのシール面の面圧が過大になり、偏摩耗も大きくなるという背反性を余儀なくされていた。このような従来の問題点に対して、本第2発明では、上部横シールの背面と上部横スリットの底面との間に装着したばねにより無油圧時の上部横シールのシーリング面圧が与えられるので、縦シールには、端面をトップカバーの裏面に必要最低限の面圧でもって摺接できるだけの長手方向の圧縮弾性変形を与えれば済むことになる。従って、縦シールのシール面が湾曲変形してハウジング内周面に摺接することが減少するから、シーリング性能が高まり、かつ、シール面の偏摩耗が減少する。
また、上部横シールは、トップカバーの裏面に摺接するシール面の面圧が縦シールの長手方向の圧縮弾性変形の影響を受けることがなくなり、さらに、長手方向において、上部横シールの端面を縦シールに必要最低限の密着性をもって当接させるのに必要なだけの圧縮弾性変形を与えれば済む。このため、上部横シールは、システムの作動油の油圧および背面のコイルばねにより、シール面が均一にトップカバーの裏面に摺接し、従って、シーリング性能が高まり、また、シール面の偏摩耗が減少する。
さらに、従来では、上部横シールは、縦シールの長手方向の圧縮による弾性変形からの反発力により無油圧時でもシール面のシーリング面圧が与えられるようにしていたために、作動により温度が上昇すると、縦シールの長手方向の圧縮による弾性変形が大きくなり、それによる反発力が大きくなって、シーリング面圧が過大になり、摩耗および偏摩耗を促進するという問題があった。このような従来の問題点に対して、本第2発明では、上部横シールのシール面のシーリング面圧は、縦シールの長手方向の圧縮による弾性変形からの影響を受けることがなく、従って、作動時の温度上昇に影響されることがなくなる。
以上のように本第1発明によると、上部および下部横シールのシール面に過大な面圧、すなわち大きな摩耗を生じることはなく、また、縦シールのシール面が湾曲変形することは減少するので、縦シールのシーリング性能を高め且つシール面の偏摩耗を防ぐことができる。また、上部および下部横シールの鞍部と上部および下部横スリットの底面との間の密着性を十分に確保することができる。さらに、上部および下部横シールの鞍部と上部および下部横スリットの側面との間の密着性を十分に確保することができ、且つ、上部および下部横シールを上部および下部横スリット内へ安定して装着することができ、また、縦シールを縦スリット内へ安定して装着することができ、これによって、シーリング性能が高まる。
また、本第2発明によると、縦シールのシール面が湾曲変形してハウジング内周面に摺接することが減少するので、シーリング性能が高まり、かつ、シール面の偏摩耗が減少する。また、上部横シールは、システムの作動油の油圧および背面のコイルばねにより、シール面が均一にトップカバーの裏面に摺接し、従って、シーリング性能が高まり、また、シール面の偏摩耗が減少する。さらに、上部横シールのシール面のシーリング面圧は、縦シールの長手方向の圧縮による弾性変形からの影響を受けることがなく、従って、上記面圧が過大かつ偏発生することがなくなるとともに、作動時の温度上昇に影響されることがなくなる。
以下、本発明の第一の実施の形態を図1〜図15に基づいて説明する。
なお、先に図23〜図32において説明した従来のものと基本的に同様の作用を行う部材については、同一番号を付して説明を省略する。
図1に示すように、ローター2の各ベーン2dは、上端面に形成した上部横スリット11内に、トップカバー3の下面(裏面)に摺接する上部横シール12を保持し、下端面に形成した下部横スリット13内に、ハウジング1の内底面に摺接する下部横シール14を保持し、半径方向先端の縁面に形成した縦スリット15内に、ハウジング1の内周面に摺接する縦シール16を保持している。上記各シール12,14,16はそれぞれ、硬さが90ショアA、引張強さが最低17MPa、弾性係数が42MPa程度の弾性材料(ポリマー或いはゴム等)によって形成されている。
上記ベーン2dの上部および下部横シール12、14は図6〜図9に示すような構成であり、縦シール16は図10〜図12に示すような構成である。また、上部および下部横シール12、14と縦シール16の上下の端部との連接部は、図1〜図5で示すような構成である。尚、上部横シール12と下部横シール14とは、また、これら横シール12,14と縦シール16の上端および下端との連接部はそれぞれ上下対称に構成されているので、以下、上部横シール12についてのみ、および、上部横シール12と縦シール16の上端との連接部についてのみ説明する。そして、下部横シール14については上部横シール12と同じであるため説明を省略し、また、下部横シール14と縦シール16の下端との連接部については上部横シール12と縦シール16の上端との連接部と同じであるため説明を省略する。
上部横シール12は、上面が相手面(トップカバー3の裏面)と摺接するシール面12aであり、半径方向(長手方向)の先端面12bが相手面(ハウジング1の上端の内周面)と摺接する面であり、また、半径方向(長手方向)の他端である内周側上端縁12cが上部リングシール3bの外周縁部3dと摺接する。
上部横シール12には、径方向における外側の先端面12bから所定の深さ(ほぼ縦シール16のシール面16aから背面16dまでの長さに相当)まで、背面側がほぼ半円形の凹断面をなす鞍部12dを形成している。また、シール面12aの反対面である背面12eには、鞍部12dを除き長手方向全長にわたって、両側にスカート部12fを設けている。
それぞれのスカート部12fの先端は、上部横シール12の側面12gから外側に僅かに張出(突出)しており、図9に示すように、上部横シール12を上部横スリット11内に装着した状態で、スカート部12fは上部横スリット11の側面に弾性復元力で以って押し付けられる。図8に示すように、鞍部12dの左右の鞍側部12hはそれぞれ、先端にほぼ半円形の凸断面をなす鞍先端部12iを形成し、そして、自由状態においては、鞍先端部12iの先端はスカート部12fの先端レベルより所定量だけ若干突出している。
尚、下部横シール14は上記上部横シール12と同じ構成を有しており、下部横シール14の各部分14a〜14iは上部横シール12の各部分12a〜12iに対応している。
縦シール16は、正面が相手面(ハウジング1の内周面)と摺接するシール面16aであり、上端と下端とにそれぞれ、正面側から見てそれぞれ半円形断面をなすような上部嵌挿端16bおよび下部嵌挿端16cを有している。また、シール面16aの反対面である背面16dには、上部嵌挿端16bおよび下部嵌挿端16cの部分を除き長手方向全長にわたって、両側にスカート部16eを設けている。それぞれのスカート部16eの先端は、縦シール16の側面16fからそれぞれ外側に僅かに張出(突出)しており、縦シール16を縦スリット15内に装着した状態で、スカート部16eは縦スリット15の側面に弾性復元力で以て押し付けられる。而して、縦シール16は、その長手方向全長を最終装着長さ(縦シール16を装着して舵取機を組立てた後の縦シール16の長さ)よりも所定量だけ長く製作してある。
また、図12に示すように、縦シール16の両スカート部16eの間の長手方向にわたって、シール背面16dと縦スリット15の底面との間の空隙に波板ばね16gを挿設している。
上部横シール12と縦シール16の上端部との連接は、図1〜図5に示すように、縦シール16の上部嵌挿端16bを上部横シール12の鞍部12d内に挿嵌することによってなされる。この挿嵌を行った状態においては、縦シール16の背面16dの両スカート部16e間の空間は、上部横シール12の背面12eの両スカート部12f間の空間と下部横シール14の背面14eの両スカート部14f間の空間とに連通する。尚、図3に示すように、縦スリット15の底面には、作動油室5a〜5dのうち高圧側となる油室に通じる油孔15aが設けられている。
図13に示すように、縦シール16の上部嵌挿端16bに上部横シール12の鞍部12dを挿設し、上部嵌挿端16bの先端が上部横シール12の鞍部12d内の上奥端部(天井面)に接触した組立て初期状態において、上部横シール12の鞍部12dの断面と縦シール16の上部嵌挿端16bの断面との間に第1の所定の空隙s1が形成される。
また、上記初期状態においては、上部横シール12の鞍部12dの鞍先端部12iの先端が上部横スリット11の底面に接触し、上記鞍先端部12iの断面と上部横スリット11の断面との間および上記鞍先端部12iの断面と縦シール16の断面との間にそれぞれ第2の所定の空隙s2が形成される。
尚、下部横シール14と縦シール16の下端部との連接は、上記上部横シール12と縦シール16の上端部との連接と同じ構成を有しており、同様に、第1および第2の所定の空隙s1、s2が形成されている。
上記第1の所定の空隙s1の量と形状は、次のようにして定められる。すなわち、舵取機の組立時、その最終状態が図1に示されるように、ベーン2dの下部横シール14を下部横スリット13内に装入した状態のローター2をハウジング1内に装入し、縦シール16を上から、下部嵌挿端16cが下部横シール14の下部の鞍部14dに挿入されるように縦スリット15内に装入する。そして、上部横シール12を、縦シール16の上部嵌挿端16bに上部横シール12の鞍部12dが挿入されるように、上部横スリット11内に装入する。この状態において、図13に示すように、縦シール16が最終装着長さよりも所定量長く製作されている分だけ、上部横シール12の縦シール16との連接側が浮き上がる。その後、トップカバー3をハウジング1に組み付けることによって、上記上部横シール12の浮き上がった部分が押し下げられ、縦シール16において断面積が小さい部分であるところの上部嵌挿端16bと下部嵌挿端16cとがそれぞれ、上部横シール12の鞍部12dと下部横シール14の鞍部14dとの中で弾性的に押し潰され、上部横シール12の鞍部12dの断面と縦シール16の上部嵌挿端16bの断面との間の第1の所定の空隙s1および下部横シール14の鞍部14dの断面と縦シール16の下部嵌挿端16cの断面との間の第1の所定の空隙s1が無くなる(消失する)ように、上部横シール12の鞍部12dの断面形状と縦シール16の上部嵌挿端16bの断面形状との間の相関および下部横シール14の下部の鞍部14dの断面形状と縦シール16の下部嵌挿端16cの断面形状との間の相関が定められる。
上記第2の所定の空隙s2の量と形状についても、同様に、上部横シール12の上記浮き上がり部分がトップカバー3の組み付けにより押し下げられたとき、上部横シール12の鞍部12dにおいて断面積が小さい部分であるところの鞍先端部12iが弾性的に押し潰されて、鞍部12dの鞍先端部12iと上部横スリット11との間および鞍部12dの鞍先端部12iと縦シール16との間の第2の所定の空隙s2がなくなる(消失する)ように定められているとともに、下部横シール14の鞍部14dにおいて断面積が小さい部分であるところの鞍先端部14iが弾性的に押し潰されて、鞍部14dの鞍先端部14iと下部横スリット13との間および鞍部14dの鞍先端部14iと縦シール16との間の第2の所定の空隙s2がなくなる(消失する)ように定められている。
以下、上記した構成における作用を説明する。
上述したごとく、舵取機の組立時、ローター2のベーン2dの下部横シール14を下部横スリット13内に装入した状態のローター2をハウジング1内に装入し、縦シール16を上から縦スリット15内に装入し、そして、上部横シール12を上部横スリット11内に装入すると、図13に示すように、上部横シール12の縦シール16との連接側は、縦シール16が最終装着長さよりも所定量長く製作されている分だけ浮き上がった状態になる。
この状態において、トップカバー3をハウジング1に組み付けると、上部横シール12の上記浮き上がり部分はトップカバー3によって押し下げられるが、このとき、縦シール16において断面積が小さい部分である上部嵌挿端16bと下部嵌挿端16cとがそれぞれ、上部横シール12の鞍部12dと下部横シール14の鞍部14dとの中で弾性的に押し潰されて、図1に示すように、上部横シール12の鞍部12dの断面と縦シール16の上部嵌挿端16bの断面との間の第1の所定の空隙s1および下部横シール14の鞍部14dの断面と縦シール16の下部嵌挿端16cの断面との間の第1の所定の空隙s1がそれぞれ無くなる(消失する)。
この上部および下部嵌挿端16b、16cの弾性変形の反発力により、縦シール16の上部および下部における上部横シール12および下部横シール14とのそれぞれの接触は十分な余裕を持った密着性が与えられ、高圧側の作動油がこの部分を通って低圧側に漏洩するのが防がれる。
同時に、上部横シール12の鞍部12dにおいて断面積が小さい部分である鞍先端部12iが弾性的に押し潰されて、図1に示すように、鞍部12dの断面と上部横スリット11および縦シール16の各断面との両側の間の第2の所定の空隙s2が無くなり(消失し)、この鞍先端部12iの弾性変形の反発力により、上部横シール12のシール面12aが摺動相手面に押し付けられる面圧が補強されるとともに、上部横シール12の鞍部12dの先端面と上部横スリット11の底面との間に密着性が与えられ、高圧側の作動油がこの部分を通って低圧側に漏洩するのが防がれる。
同様に、下部横シール14の鞍部14dにおいて断面積が小さい部分である鞍先端部14iが弾性的に押し潰されて、図1に示すように、鞍部14dの断面と下部横スリット13および縦シール16の各断面との両側の間の第2の所定の空隙s2が無くなり(消失し)、この鞍先端部14iの弾性変形の反発力により、下部横シール14のシール面14aが摺動相手面に押し付けられる面圧が補強されるとともに、下部横シール14の鞍部14dの先端面と下部横スリット13の底面との間に密着性が与えられ、高圧側の作動油がこの部分を通って低圧側に漏洩するのが防がれる。
而して、このとき、縦シール16は、トップカバー3の組み付けに伴う縦シール16の弾性変形のほとんどを、断面積が小さくて弾性変形し易い上部嵌挿端16bと下部嵌挿端16cとで受け持つことになり、縦シール16の上端部および下端部を除く部分には変形が波及しないことになる。従って、図29に示した従来の縦シール2jの場合には不可避であったところの、縦シール2j全体が湾曲変形することで従来のシール面2rの直線接触性が損なわれ、シーリング機能が低下するだけでなく、偏摩耗を生じるという問題が解消される。
さらに、上部および下部横シール12、14と縦シール16の上端部および下端部とのそれぞれの接触の密着性は縦シール16の縦スリット15内での湾曲変形からの反発力に依存しないので、縦シール16は縦スリット15内に遊着させる必要がなく、必要最小限の隙間でもって装着できる。従って、縦シール16の湾曲変形が無くなることと相俟って、作動中、縦シール16が縦スリット15内で転動してシーリングが不安定になり摩耗も促進されるようなことは無く、安定したシーリング効果を発揮できる。
さらに、上部および下部横シール12、14と縦シール16の上端部および下端部とのそれぞれの接触は、図29に示した従来の場合のような平面2k、2mではなく、図1に示すように、半円形の面となる。このため、従来、縦シール2j全体の湾曲変形からの弾性反発力が全て上部および下部横シール2f、2hの各シール面2p、2qの面圧に転化されていたのに対して、また、従来、縦シール2jの上部および下部端面2k、2mが傾斜して上部および下部横シール2f、2hに連接されると、上部および下部横シール2f、2hの各シール面2p、2qにかかる力が偏倚して不均等になるのに対して、本第一の実施の形態においては、縦シール16の上部および下部嵌挿端16b、16cの弾性変形による反発力は、上部および下部横シール12、14のそれぞれの鞍部12d、14dに対してほぼ放射状に分散して作用することになる。したがって、縦シール16の上部および下部嵌挿端16b、16cの弾性変形からの反発力が上部および下部横シール12、14のそれぞれのシール面12a、14aを過度の力でもって相手面に押し付けることは無く、さらに、上部および下部横シール12、14の同接触部における上部および下部横スリット11、13の各側面との密着性を高め、この部分のシーリング効果を高めることにも寄与する。
尚、上記の構成において、縦スリット15の底面に、油孔15a(図3参照)を通って、高圧側となる作動油室5a〜5dから圧油が導かれると、この圧油は、図12に示すように、縦シール16の背面16dに作用してシール面16aを相手面(ハウジング1の内周面)に強く押し付けてシーリング性を確保するとともに、各スカート部16eを縦スリット15の各側面に押し付ける。これにより、この圧油が縦シール16の各側面16fと縦スリット15の各側面との間の間隙を通って低圧側に漏洩するのを防ぐことができる。
また、図3に示すように、縦シール16の背面16dの空間と上部および下部横シール12、14のそれぞれの背面12e、14eの空間とが連通していることにより、縦シール16の背面16dに導かれた圧油は同時に上部および下部横シール12、14の各背面12e、14eにも導かれ、縦シール16の場合と同様の作用を行う。
本発明の第一の実施の形態においては、上部および下部横シール12、14と縦シール16とのそれぞれの連接において、上述したごとく、上部および下部横シール12、14の各シール面12a、14aが縦シール16から過度の力でもって、また、偏倚をもって相手面に押し付けられることがないため、従来の技術の場合に比べて摩耗が少なくなるが、摩耗しても、それに応じて、縦シール16の上部および下部嵌挿端16b、16cの弾性変形反発力、ならびに、上部および下部横シール12、14の各鞍部12d、14dの鞍先端部12i、14iの弾性変形反発力が作用して、上部および下部横シール12、14の各シール面12a、14aを相手面に押し付ける状態を維持できる。
また、上部および下部横シール12、14の各シール面12a、14aが摩耗しても、上部および下部横シール12、14のそれぞれの鞍部12d、14dと縦シール16の上部および下部嵌挿端16b、16cとの連接部、ならびに、上部および下部横シール12、14のそれぞれの鞍部12d、14dの先端部と上部および下部横スリット11、13の各底面との間の接触部においては、上記の各弾性変形反発力が作用を維持できることにより、密着の強さは上部および下部横シール12、14の各シール面12a、14aの摩耗に伴い減少はするものの、密着状態は維持できるから、この部分を通じての作動油の高圧側から低圧側への漏洩の防止が維持できる。
次に、本発明の第二の実施の形態として、ロータリーベーン式舵取機の各ベーンシールの横断面形状を、上部および下部横シールについては図14に示すようなものに、また、縦シールについては図15に示すようなものにすることができる。
すなわち、図14において、上部および下部横シール12’、14’は、両スカート部12f’、14f’の間の長手方向全長にわたって、背面12e’、14e’の中央部に所定の深さの溝17を設ける。
これにより、上部横シール12’については、背面12e’にシステム油の油圧が作用するとき、この油圧は、シール面12a’をトップカバー3の裏面に押し付け、また、スカート部12f’を上部横スリット11の両側面に押し付けてこの部分におけるシステム油の漏洩を防ぐとともに、溝17にも作用して、上部横シール12’の側面を上部横スリット11の両側面に押し付けるため、作動中、上部横シール12’が上部横スリット11内で転動することがなく安定した作動ができる。
また、溝17に作用する油圧による上部横シール12’の側面の上部横スリット11の側面への押し付けは摩擦力を生み出すので、上部横シール12’の背面12e’に作用する油圧によりシール面12a’がトップカバー3の裏面を押し付ける力はこの摩擦力により若干相殺されて、シール面12a’の面圧が過大にならずにすむという効果もある。
尚、下部横シール14’については、上に説明した上部横シール12’の場合と同様であるので、説明を省略する。
また、図15において、縦シール16’は、両スカート部16e’の間の長手方向全長にわたって、背面16d’の中央部に所定の深さの溝18を設ける。なお、溝18は、波板ばね16gの存在にもかかわらず両スカート部16e’の間の空間と連通する。
これにより、縦シール16’の背面16d’にシステム油の油圧が作用するとき、この油圧は、シール面16a’をハウジング1の内周面に押し付け、また、スカート部16e’を縦スリット15の両側面に押し付けてこの部分におけるシステム油の漏洩を防ぐとともに、溝18にも作用して、縦シール16’の側面を縦スリット15の両側面に押し付けるため、作動中、縦シール16’が縦スリット15内で転動することがなく安定した作動ができる。
また、溝18に作用する油圧による縦シール16’の側面の縦スリット15の側面への押し付けは摩擦力を生み出すので、縦シール16’の背面16d’に作用する油圧によりシール面16a’がハウジング1の内周面を押し付ける力はこの摩擦力により若干相殺されて、シール面16a’の面圧が過大にならずにすむという効果もある。
次に、本発明の第三の実施の形態を図16〜図20に基づいて説明する。
尚、上記第一の実施の形態において説明したものと基本的に同様の作用を行う部材については、同一番号を付して説明を省略する。
さらに、この第三の実施の形態において、上部横シール20と下部横シール(図示省略)とは上下に対称の同様の構成であり、また、縦シール22の上端部と上部横シール20との間の連結部、および、縦シール22の下端部と下部横シール(図示省略)との間の連結部も上下に対称の同様の構成であるので、以下、上部横シール20、および、上部横シール20と縦シール22の上端部との間の連結部についてのみ説明を行う。
図16〜図18に示すように、ローター2の各ベーン2dは、上端面に形成した上部横スリット19内に、トップカバー3の下面に摺接する上部横シール20を保持し、下端面に形成した下部横スリット(図示省略)内に、ハウジング1の内底面に摺接する下部横シール(図示省略)を保持し、半径方向先端の縁面に形成した縦スリット21内に、ハウジング1の内周面に摺接する縦シール22を保持している。
縦シール22の上端部平面22aはトップカバー3の裏面と摺接し、縦シール22の下端部平面(図示省略)はハウジング1の内底面に摺接する。また、縦シール22のシール面22bの反対の面である背面22cの両側に設けてあるスカート部22dは、上部横シール20との連接部において、上部横シール20の高さに相当する分だけ切り欠かれている。縦シール22のスカート部22dのある部分の横断面は図19に示すようなものである。また、縦シール22の背面22cと縦スリット21の底面との間には、システム作動油に油圧が存在しない時にも最低限のシーリング面圧を確保する手段としての波板ばね16gが設けられている。
図20に示すように、上部横シール20は全長にわたって縦シール22の横断面と同形状の横断面であり、シール面20bがトップカバー3の裏面と摺接する。上部横シール20の半径方向先端面20aは縦シール22の背面22cの上端部に当接する。
上部横シール20には、シール面20bの反対の面である背面20cと上部横スリット19の底面との間の空間に、上部横スリット19の底面に凹状のコイルばね座19aを設けて所定数のコイルばね23を装着している。これらのコイルばね23は、上部横シール20をトップカバー3側へ押圧しており、システム作動油に油圧が存在しない時にも最低限のシーリング面圧を確保するための手段である。
縦シール22と上部横シール20とを連接した状態において、縦シール22の両スカート部22d間の空間と上部横シール20の両スカート部20d間の空間とが連通する。
縦シール22の長手方向全長を最終装着長さ(縦シール22を装着して舵取機を組立てた後の縦シール22の長さ)よりも所定量だけ長く製作しておき、また、上部横シール20と下部横シール(図示省略)とのそれぞれの長手方向全長を最終装着長さよりも所定量だけ長く製作してある。
そして、舵取機の組立時において、先ず、縦シール22を縦スリット21内に収装し、下部横シール(図示省略)を、最終装着長さよりも所定量だけ長く製作してある分だけ圧縮弾性変形させて下部横スリット(図示省略)内に収装する。この状態においてローター2をハウジング1内に装入し、そして、上部横シール20を、最終装着長さよりも所定量だけ長く製作してある分だけ圧縮弾性変形させて上部横スリット19内に収装する。この際、縦シール22が最終装着長さよりも所定量だけ長く製作されている分だけ、縦シール22の上端面平面22aがベーン2dの上端面から上方へ突出する。その後、トップカバー3をハウジング1に組み付けることによって、縦シール22の上端面平面22aが押し下げられ、縦シール22が縦スリット21内で圧縮弾性変形される。
以下、上記した構成における作用を説明する。
尚、下部横シール(図示省略)は上部横シール20と同様に構成され、さらに、縦シール22の下端部と下部横シール(図示省略)との間の連結部は上端部と上部横シール20との間の連結部と同様に構成されているので、作用の説明は省略する。
ベーン2dの上部横シール20と縦シール22の上端側との連接部における連接面の密着性は、上部横シール20の長手方向の圧縮による弾性変形からの反発力を適切な値に設定することによって得られる。
縦シール22については、ハウジング1の内周面に摺接するシール面22bのシーリング面圧は、背面22cに作用するシステム作動油の油圧力および波板ばね16gの力によって得られ、かつ、トップカバー3の裏面に摺接する上端部平面22aのシーリング面圧は、縦スリット21内での縦シール22の長手方向の圧縮による弾性変形からの反発力によって、必要最低限の値として得られる。いずれも、他から影響を受けることなく、独立して適切な値に設定することが出来る。
尚、従来においては、図30に示すように、上部横シール2fのシール面2pのシーリング面圧は、背面2sに作用するシステム作動油の油圧力、および、システム作動油に油圧が存在しない時にも最低限のシーリング面圧を確保する手段として、縦シール2jの長手方向の圧縮による弾性変形からの反発力に依存していた。
これに対して、本第三の実施の形態において、上部横シール20の、トップカバー3の裏面に摺接するシール面20bのシーリング面圧は、上部横シール20の背面20cに作用するシステム作動油の油圧力およびコイルばね23の力によって、適切な値として得られる。
従って、上部横シール20と縦シール22の上端側との連接部において、その密着性が、従来では、図30に示すように、縦シール2jの長手方向の圧縮による弾性変形からの反発力に依存していたために、密着性を高めようとすれば上部横シール2fのシール面2pのシーリング面圧が過大になり、偏摩耗を促進してしまうという背反性があったのに対して、本第三の実施の形態においては、かかる背反性は生じない。すなわち、本第三の実施の形態では、上部横シール20のシール面20bのシーリング面圧は、上部横シール20と縦シール22の上端側との連接部における密着性を高める手段から独立して、適切な値に定めることができる。
上記のごとく、上部横シール20は、トップカバー3の裏面に摺接するシール面20bのシーリング面圧が縦シール22の長手方向の圧縮弾性変形の影響を受けることがなくなり、さらに、上部横シール20は、長手方向において、上部横シール20の半径方向先端面20aを縦シール22に必要最低限の密着性をもって当接させるのに必要なだけの圧縮弾性変形を与えれば済み、かつ、システムの作動油の油圧および背面20cのコイルばね23とにより、上部横シール20のシール面20bが均一にトップカバー3の裏面に摺接することになる。これにより、上部横シール20は、シーリング性能が高まり、また、シール面20bの偏摩耗がなくなる。
また、上記のごとく、縦シール22の長手方向の圧縮弾性変形は、縦シール22の上端部平面22aをトップカバー3の裏面に必要最低限の面圧でもって摺接できるだけのもので済むことになり、従って、縦シール22のシール面22bがハウジング1の内周面に湾曲変形して摺接することが減少するから、シーリング性能が高まり、かつ、シール面22bの偏摩耗が減少する。
さらに、作動中の温度上昇によるシールの熱膨張の影響が少なくなる。すなわち、上部横シール20の熱膨張が縦シール22のシール面22bの上端部においてシーリング面圧を高めるように作用するが、上部横シール20の長さは縦シール22の長さに比べて数分の一程度であり、従って、熱膨張の絶対値が小さいため、従来の縦シール2jの熱膨張が上部横シール2fのシール面2pに大きなシーリング面圧を及ぼしていたのに比べれば、本第三の実施の形態では、熱膨張の影響は極めて小さい。
次に、縦シール22の熱膨張については、従来では、図30に示すように、上部横シール2fと縦シール2jとの連接部の密着性を確保するために、元々、縦シール2jに長手方向の大きな圧縮弾性変形を与えており、これに熱膨張が加わって、上部横シール2fのシール面2pに過大なシーリング面圧を及ぼしていた。これに対して、本第三の実施の形態においては、図16に示すように、縦シール22の長手方向の圧縮弾性変形は、単に、トップカバー3の裏面に摺接する縦シール22の上端部平面22aに適切なシーリング面圧を与えるだけのものであって、元々、圧縮弾性変形の量が小さいため、熱膨張が縦シール22の上端部平面22aのシーリング面圧を高めるとはいえ、その影響は比較的小さい。また、上部横シール20の熱膨張からの影響は縦シール22の上端と下端の小さい範囲に限られるから、縦シール22の全体の長さに対して、影響はごく小さい。
尚、下部横シール(図示省略)について、および、縦シール22の下端部と下部横シール(図示省略)との間の連結部についても、上記と同様の作用および効果を得ることができる。
次に、本発明の第四の実施の形態として、ロータリーベーン式舵取機の各ベーンシールの横断面形状を、上部および下部横シールについては図21に示すようなものに、また、縦シールについては図22に示すようなものにすることができる。
上部および下部横シールについては、上下に対称の同じ構成であるので、上部横シールについてのみ説明を行う。すなわち、図21に示すように、上部横シール20’は、両スカート部20d’の間の長手方向全長にわたって、背面20c’の中央部に所定の深さの溝24を設ける。
これによると、上部横シール20’において背面20c’にシステム油の油圧が作用するとき、この油圧は、シール面20b’をトップカバー3の裏面に押し付け、また、スカート部20d’を上部横スリット19の両側面に押し付けてこの部分におけるシステム油の漏洩を防ぐとともに、溝24にも作用して、上部横シール20’の側面を上部横スリット19の両側面に押し付けるから、作動中、上部横シール20’が上部横スリット19内で転動することがなく安定した作動ができる。
また、溝24に作用する油圧により、上部横シール20’の側面が上部横スリット19の側面へ押し付けられて摩擦力が発生するので、上部横シール20’の背面20c’に作用する油圧によりシール面20b’がトップカバー3の裏面を押し付ける力は上記摩擦力により若干相殺されて、シール面20b’の面圧が過大にならずにすむという効果もある。
次に、図22に示すように、縦シール22’は、両スカート部22d’の間の長手方向全長にわたって、背面22c’の中央部に所定の深さの溝25を設ける。尚、溝25は、波板ばね16gの存在にもかかわらず両スカート部22d’の間の空間と連通する。
これによると、縦シール22’の背面22c’にシステム油の油圧が作用するとき、この油圧は、シール面22b’をハウジング1の内周面に押し付け、また、スカート部22d’を縦スリット21の両側面に押し付けてこの部分におけるシステム油の漏洩を防ぐとともに、溝25にも作用して、縦シール22’の側面を縦スリット21の両側面に押し付けるから、作動中、縦シール22’が縦スリット21内で転動することがなく安定した作動ができる。
また、溝25に作用する油圧により、縦シール22’の側面が縦スリット21の側面へ押し付けられて摩擦力が発生するので、縦シール22’の背面22c’に作用する油圧によりシール面22b’がハウジング1の内周面を押し付ける力は上記摩擦力により若干相殺されて、シール面22b’の面圧が過大にならずにすむという効果もある。
尚、下部横シール(図示省略)について、および、縦シール22’の下端部と下部横シール(図示省略)との間の連結部についても、上記と同様の作用および効果を得ることができる。
上記第三および第四の実施の形態では、下部横シール(図示省略)を、上部横シール20、20’と同様な構成にしているが、異なった構成にしてもよい。例えば、下部横シール(図示省略)の構成を先述した第一および第二の実施の形態のものにしてもよい。
また、上記第三および第四の実施の形態では、縦シール22の下端部と下部横シール(図示省略)との間の連結部を、縦シール22の上端部と上部横シール20との間の連結部と同様な構成にしているが、異なった構成にしてもよい。例えば、縦シール22の下端部と下部横シール(図示省略)との間の連結部の構成を先述した第一および第二の実施の形態のものにしてもよい。
本発明の第一の実施の形態におけるロータリーベーン式舵取機のシール構造の全体構成を示す斜視図である。 同、ロータリーベーン式舵取機のシール構造の上部横シールと縦シールとの連接を示す図で、図3におけるb−b矢視断面図である。 同、ロータリーベーン式舵取機のシール構造の上部横シールと縦シールとの連接を示す図で、図2におけるa−a矢視断面図である。 同、ロータリーベーン式舵取機のシール構造の上部横シールと縦シールとの連接を示す図で、図3におけるc−c矢視断面図である。 同、ロータリーベーン式舵取機のシール構造の上部横シールと縦シールとの連接を示す図で、図3におけるd−d矢視断面図である。 同、ロータリーベーン式舵取機のシール構造の横シールを示す図で、図7におけるe−e矢視断面図である。 同、ロータリーベーン式舵取機のシール構造の横シールを示す背面図である。 同、ロータリーベーン式舵取機のシール構造の横シールを示す図で、図6におけるf−f矢視断面図である。 同、ロータリーベーン式舵取機のシール構造の横シールを示す図で、図3におけるg−g矢視断面図である。 同、ロータリーベーン式舵取機のシール構造の縦シールを示す正面図である。 同、ロータリーベーン式舵取機のシール構造の縦シールを示す側面図である。 同、ロータリーベーン式舵取機のシール構造の縦シールを示す図で、図3におけるh−h矢視断面図である。 同、ロータリーベーン式舵取機のシール構造の上部横シールと縦シールとの連接の初期状態を示す斜視図である。 本発明の第二の実施の形態におけるロータリーベーン式舵取機のシール構造の上部および下部横シールの横断面である。 同、ロータリーベーン式舵取機のシール構造の縦シールの横断面である。 本発明の第三の実施の形態におけるロータリーベーン式舵取機のシール構造の上部横シールと縦シールとの連接を示す図で、図17におけるi−i矢視断面図である。 同、ロータリーベーン式舵取機のシール構造の上部横シールと縦シールとの連接を示す図で、図16におけるj−j矢視図である。 同、ロータリーベーン式舵取機のシール構造の上部横シールと縦シールとの連接を示す図で、図16におけるk−k矢視図である。 同、ロータリーベーン式舵取機のシール構造の縦シールを示す図で、図16におけるm−m矢視断面図である。 同、ロータリーベーン式舵取機のシール構造の横シールを示す図で、図16におけるn−n矢視断面図である。 本発明の第四の実施の形態におけるロータリーベーン式舵取機のシール構造の上部および下部横シールの横断面である。 同、ロータリーベーン式舵取機のシール構造の縦シールの横断面である。 従来のロータリーベーン式舵取機を示す全体縦断面図であり、図25におけるp−p矢視縦断面である。 同、ロータリーベーン式舵取機を示す一部切欠き斜視図である。 同、ロータリーベーン式舵取機の全体水平断面図である。 同、ロータリーベーン式舵取機のシール構造に用いられるローターベーン用の横シールと縦シールおよびハウジングセグメント用の縦シールの横断面図である。 同、ロータリーベーン式舵取機のシール構造に用いられるリングシールの横断面図である。 同、ロータリーベーン式舵取機の縦シールに対する圧力バルブの装着状態を示す水平断面図である。 同、ロータリーベーン式舵取機のシール構造のローターベーンにおける上部横シールと縦シールとの連接部を示す斜視図である。 同、図29におけるq−q矢視断面図である。 同、図30におけるr−r矢視断面図である。 同、図30におけるs−s矢視断面図である。
符号の説明
1 ハウジング
1b セグメント
2 ローター
2d ベーン
3 トップカバー
5 油室用空間
5a、5b、5c、5d 作動油室
11 上部横スリット
12 上部横シール
12a シール面
12d 鞍部
12e 背面
12f スカート部
12g 側面
12h 鞍側部
12i 鞍先端部
12’ 上部横シール
12a’ シール面
12e’ 背面
12f’ スカート部
13 下部横スリット
14 下部横シール
14a シール面
14d 鞍部
14e 背面
14f スカート部
14g 側面
14h 鞍側部
14i 鞍先端部
14’ 下部横シール
14a’ シール面
14e’ 背面
14f’ スカート部
15 縦スリット
16 縦シール
16a シール面
16b 上部嵌挿端
16c 下部嵌挿端
16d 背面
16e スカート部
16’ 縦シール
16a’ シール面
16d’ 背面
16e’ スカート部
19 上部横スリット
20 上部横シール
20a 半径方向先端面
20b シール面
20c 背面
20d スカート部
20’ 上部横シール
20b’ シール面
20c’ 背面
20d’ スカート部
21 縦スリット
22 縦シール
22a 上端部平面
22b シール面
22c 背面
22d スカート部
22’ 縦シール
22b’ シール面
22c’ 背面
22d’ スカート部
23 コイルばね
s1 第1の所定の空隙
s2 第2の所定の空隙

Claims (2)

  1. 舵軸に嵌合装着するローターと、ローターを収納してローターの周囲に油室用空間を形成するハウジングと、ハウジングの上部開口に配置する環状のトップカバーとを有し、
    ローターの外周面の周方向に沿った等間隔の位置に複数のベーンを配置し、
    ハウジングの内周面の周方向に沿った等間隔の位置に複数のセグメントを配置し、
    ベーンとセグメントとによって上記油室用空間を複数の作動油室に区画し、
    ローターの各ベーンに、トップカバーの裏面およびハウジングの内周面と内底面とにそれぞれ対向するように、その上下両端面と半径方向先端面とにそれぞれ上部および下部横スリットと縦スリットを形成し、
    縦スリットに、ハウジングの内周面に摺接する縦シールを挿入し、
    上部横スリットに、トップカバーの裏面に摺接する上部横シールを挿入し、
    下部横スリットに、ハウジングの内底面に摺接する下部横シールを挿入し、
    上記各シールを弾性材料で形成し、
    上記各シールの背面に圧油をかけるようにしたロータリーベーン式舵取機におけるシール構造であって、
    ベーンの上部および下部横シールはそれぞれ、一方の先端面から所定の深さまで背面側がほぼ半円形の凹断面をなす鞍部を有し、両鞍側部の先端部はほぼ半円形の凸断面をなし、シール面の反対の面である背面には、鞍部の部分を除き長手方向全長に亘って両側に、先端が側面から外側に僅かに張出したスカート部を有し、
    ベーンの縦シールは、上端部と下端部とにそれぞれ、シール面である正面側から見て半円形断面をなす上部および下部嵌挿端を有し、シール面の反対の面である背面には、上部および下部嵌挿端の部分を除き長手方向全長に亘って両側に、先端が側面から外側に僅かに張出したスカート部を有し、
    縦シールの長手方向全長が最終装着長さよりも所定量だけ長く製作されており、
    上記上部および下部横シールと縦シールとのそれぞれの連接は、縦シールの上部嵌挿端を上部横シールの鞍部内に挿設するとともに縦シールの下部嵌挿端を下部横シールの鞍部内に挿設してなり、
    縦シールの両スカート部間の空間と上部および下部横シールのそれぞれの両スカート部間の空間とが連通してなり、
    縦シールの上部および下部嵌挿端を上部および下部横シールの各鞍部内へそれぞれ挿設し、上部および下部嵌挿端の各先端が各鞍部の奥端部に接触した組立前の初期状態において、上部および下部横シールの各鞍部と縦シールの上部および下部嵌挿端との間にそれぞれ第1の所定の空隙が形成されるとともに、各鞍部の鞍先端部と上部および下部横スリットとの間および各鞍部の鞍先端部と縦シールとの間にそれぞれ第2の所定の空隙が形成され、
    舵取機の組立時、上部および下部横シールを縦シールと連接させてそれぞれのスリット内に収装した状態において、縦シールの長手方向全長が最終装着長さよりも長い分だけ、上部横シールの縦シールとの連接側の端部が浮き上がり、浮き上がっている上部横シールの端部がトップカバーの組み付けにより押し下げられて、縦シールの上部およ下部嵌挿端が上部および下部横シールの各鞍部を介してそれぞれ弾性変形し、第1および第2の所定の空隙が消失するように構成されていることを特徴とするロータリーベーン式舵取機のシール構造。
  2. 舵軸に嵌合装着するローターと、ローターを収納してローターの周囲に油室用空間を形成するハウジングと、ハウジングの上部開口に配置する環状のトップカバーとを有し、
    ローターの外周面の周方向に沿った等間隔の位置に複数のベーンを配置し、
    ハウジングの内周面の周方向に沿った等間隔の位置に複数のセグメントを配置し、
    ベーンとセグメントとによって上記油室用空間を複数の作動油室に区画し、
    ローターの各ベーンに、トップカバーの裏面およびハウジングの内周面と内底面とにそれぞれ対向するように、その上下両端面と半径方向先端面とにそれぞれ上部および下部横スリットと縦スリットを形成し、
    縦スリットに、ハウジングの内周面に摺接する縦シールを挿入し、
    上部横スリットに、トップカバーの裏面に摺接する上部横シールを挿入し、
    下部横スリットに、ハウジングの内底面に摺接する下部横シールを挿入し、
    上記各シールを弾性材料で形成し、
    上記各シールの背面に圧油をかけるようにしたロータリーベーン式舵取機におけるシール構造であって、
    ベーンの縦シールの上端部平面はトップカバーの裏面と摺接し、
    縦シールのシール面の反対の面である背面の両側に設けてあるスカート部は、上部横シールとの連接部において、上部横シールの横断面の高さだけ切り欠いてあり、
    上部横シールは、全長にわたって縦シールの横断面と同形状の横断面を有し、かつ、半径方向における先端面が縦シールの背面の上端部に当接し、
    上部横シールのシール面の反対の面である背面と上部横スリットの底面との間の空間には、上部横シールをトップカバー側へ押圧するばねが装着され、
    縦シールと上部横シールとを連接した状態において、縦シールの両スカート部間の空間と上部横シールの両スカート部間の空間とが連通し、
    縦シールの長手方向全長および上部横シールの長手方向全長がそれぞれ最終装着長さよりも所定量だけ長く製作されており、
    舵取機の組立時、縦シールを縦スリット内に収装した状態において、上部横シールは、最終装着長さよりも所定量だけ長く製作されている分だけ圧縮弾性変形して、上部横スリット内に収装され、
    縦シールは最終装着長さよりも所定量だけ長く製作されている分だけ上端面が突出し、突出している縦シールの上端面がトップカバーの組み付けにより押し下げられて、縦シールが縦スリット内で圧縮弾性変形するように構成されていることを特徴とするロータリーベーン式舵取機のシール構造。
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