JP2009067702A - 7−置換インダン−1−オール類の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単に、かつ高収率で7−置換インダン−1−オール類を製造する方法の提供。
【解決手段】2−置換フェノール類(置換基はC1〜4のアルキル基等)をスルホニル化して得られる2−置換スルホナート誘導体を金属触媒存在下で一酸化炭素と反応させることにより2−置換安息香酸を得る。さらにこの化合物とN,O−ジメチルヒドロキシルアミン又はその塩とを反応させて2−置換ベンズアミド類を得、この化合物とビニルグリニヤール試薬とを反応させて2−置換フェニルビニルケトン類を得、さらにこの化合物を、酸の存在下で7−置換インダン−1−オン類へと環化させる。次いで、この7−置換インダン−1−オン類を還元することにより下記式[VII]
Figure 2009067702

(RはC1〜4のアルキル基等)で表される7−置換インダン−1−オール類を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬品等に利用され得る光学活性体を製造するために必要な光学活性cis−アミノインダノール誘導体の合成中間体として有用な7−置換インダン−1−オール類の製造方法に関する。
7−置換インダン−1−オール類は、下記式[VIII]で表される光学活性cis−アミノインダノール誘導体の合成中間体として有用な化合物であることが報告されている(特許文献1)。
Figure 2009067702
フェニル基に置換基を有しないインダン−1−オールはインデン等から容易に誘導することができるが、7−置換インダン−1−オール類の製造方法の報告例は少ない。7−置換インダン−1−オール類の製造方法としては、本発明者が報告した7−置換インダン−1−オン類の還元による方法(特許文献1)、及び下記スキーム1による製造方法(非特許文献1)が知られているのみである。
スキーム1
Figure 2009067702
特許文献1に記載された、7−置換インダン−1−オン類の還元による7−置換インダン−1−オール類の製造方法は、出発物質である7−置換インダン−1−オン類の入手が容易ではない。
また、上記スキーム1による製造方法は、出発物質として容易に得られるアルデヒド類を用いているが、反応時間が長く、反応温度が高温であるような苛烈な反応条件下で行う工程が含まれ、また8工程を経る非常に長いプロセスであり、さらに7−置換インダン−1−オール類の収率はトータル16%に過ぎない。
特開2003−160547号公報 ポスター発表:39th National Organic Symposium, The University of Utha / Salt Lake City(2005年6月12〜16日)
本発明は、簡単に、かつ高収率で7−置換インダン−1−オール類を製造することができる方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために研究を重ね、2−置換フェノール類、又は2−置換安息香酸類を出発物質とする、より効率的な7−置換インダン−1−オール類の製造方法を見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は下記の製造方法を提供する。
項1. 下記式[I]
Figure 2009067702
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、又は炭素数1〜4の置換基を有していてもよいアルキニル基を示す。)
で表される2−置換フェノール類をスルホニル化することにより下記式[II]
Figure 2009067702
(式中、Rは前記と同じ意味を表し、R′は、メチル基、トリフルオロメチル基、又は置換基を有していてよいフェニル基を示す。)
で表される2−置換フェニルスルホナート誘導体を得る工程と、
上記式[II]で表される2−置換フェニルスルホナート誘導体を、金属触媒存在下で一酸化炭素と反応させることにより下記式[III]
Figure 2009067702
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
で表される2−置換安息香酸を得る工程と、
上記式[III]で表される2−置換安息香酸とN,O−ジメチルヒドロキシルアミン又はその塩とを反応させることにより下記式[IV]
Figure 2009067702
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
で表される2−置換ベンズアミド類を得る工程と、
上記式[IV]で表される2−置換ベンズアミド類とビニルグリニヤール試薬とを反応させることにより下記式[V]
Figure 2009067702
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
で表される2−置換フェニルビニルケトン類を得る工程と、
上記式[V]で表される2−置換フェニルビニルケトン類を、酸の存在下で、下記式[VI]
Figure 2009067702
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
で表される7−置換インダン−1−オン類へと環化させる工程と、
上記式[VI]で表される7−置換インダン−1−オン類を還元することにより下記式[VII]
Figure 2009067702
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
で表される7−置換インダン−1−オール類を得る工程とを含む、7−置換インダン−1−オール類の製造方法。
項2. Rが低級アルキル基である項1に記載の方法。
項3. R′がトリフルオロメチル基である項1又は2に記載の方法。
項4. 2−置換ベンズアミド類とビニルグリニヤール試薬とを反応させる際の反応温度が−20℃以上である項1〜3のいずれかに記載の方法。
項5. 下記式[III]
Figure 2009067702
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、又は炭素数1〜4の置換基を有していてもよいアルキニル基を示す。)
で表される2−置換安息香酸を得る工程と、
上記式[III]で表される2−置換安息香酸とN,O−ジメチルヒドロキシルアミン又はその塩とを反応させることにより下記式[IV]
Figure 2009067702
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
で表される2−置換ベンズアミド類を得る工程と、
上記式[IV]で表される2−置換ベンズアミド類とビニルグリニヤール試薬とを反応させることにより下記式[V]
Figure 2009067702
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
で表される2−置換フェニルビニルケトン類を得る工程と、
上記式[V]で表される2−置換フェニルビニルケトン類を、酸の存在下で、下記式[VI]
Figure 2009067702
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
で表される7−置換インダン−1−オン類へと環化させる工程と、
上記式[VI]で表される7−置換インダン−1−オン類を還元することにより下記式[VII]
Figure 2009067702
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
で表される7−置換インダン−1−オール類を得る工程とを含む、7−置換インダン−1−オール類の製造方法。
項6. Rが低級アルキル基である項5に記載の方法。
項7. R′がトリフルオロメチル基である項5又は6に記載の方法。
項8. 2−置換ベンズアミド類とビニルグリニヤール試薬とを反応させる際の反応温度が−20℃以上である項5〜7のいずれかに記載の方法。
本発明方法によれば、入手容易な原料から、簡単かつ高収率で7−置換インダン−1−オール類を製造することができる。本発明方法は、工程数が比較的少なく、また穏和な条件で反応を行うことができる点で、簡単な方法である。
以下、本発明方法を詳細に説明する。
目的化合物
本発明方法により製造されるのは、下記一般式[VII]で表される7−置換インダン−1−オール類である。
Figure 2009067702
(式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、又は炭素数1〜4の置換基を有していてもよいアルキニル基を示す。)
炭素数1〜4の低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基が挙げられる。中でも、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基が好適な対象であり、特にイソプロピル基が好適な対象である。
炭素数1〜4のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、クロチル基、シンナミル基などが挙げられる。
炭素数1〜4のアルキニル基としては、エチニル基、プロパルギル基などが挙げられる。置換基としては、フェニル基、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基が挙げられる。
Rは、特に炭素数1〜4のアルキル基であるのが好ましい。
製造方法の概要
本発明において、7−置換インダン−1−オール類[VII]は、下記スキーム2で示される工程を経て製造することができる。
スキーム2
Figure 2009067702
(式中、Rは上記と同じ意味を表し、R’はメチル基、トリフルオロメチル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。)
[I]から[II]への工程
一般式[I]で表される2−置換フェノール類は、市販品を利用することができ、また、例えば2−置換ハロベンゼンをマグネシウムと処理してグリニヤール試薬とした後、二酸化炭素と反応させるといった周知の方法により合成することができる。
一般式[I]の2−置換フェノール類に、塩基存在下で、スルホニル化剤を作用させることにより一般式[II]で表される2−置換スルホナート類が得られる。
スルホニル化剤は公知のものを制限なく使用できる。公知のスルホニル化剤としては、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、m−ニトロベンゼンスルホン酸、p−ニトロベンゼンスルホン酸などのスルホン酸の塩化物又は無水物が挙げられる。中でも、より脱離能が高い点で、トリフルオロメタンスルホン酸、m−ニトロベンゼンスルホン酸、及びp−ニトロベンゼンスルホン酸の塩化物、又は無水物が好ましく、トリフルオロメタンスルホン酸無水物がより好ましい。
スルホニル化剤の使用量は、一般式[I]の化合物に対して約0.9〜3当量が好ましく、約1〜1.5当量がより好ましい。上記範囲であれば、実用的な時間内に十分にスルホニル化が進行する。また、上記範囲であれば、コスト高になり過ぎることがなく、廃棄物処理の手間と費用が抑えられる。
塩基は、アミン類が好ましい。アミン類としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、2,6−ルチジンなどが挙げられる。
本工程では、通常溶媒を用いる。溶媒の種類は特に限定されず、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族系炭化水素系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、ペンタンのような炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチルのようなエステル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロトン性極性溶媒などの公知の溶媒を用いることができる。
反応温度は−100℃〜室温程度とすればよい。また、反応は常圧で行えばよいが、加圧下で行うこともできる。反応時間は、通常約0.5〜10時間とすればよい。
[II]から[III]への工程
一般式[II]で表される2−置換フェニルスルホナート類に、金属触媒存在下で、一酸化炭素を作用させることにより一般式[III]で表される2−置換安息香酸類が得られる。
金属触媒の金属としては、パラジウム、白金、イリジウム、ロジウム、ルテニウムなどが挙げられ、中でも反応性が良い点で、パラジウム、ロジウム、ルテニウムが好ましく、パラジウムがより好ましい。金属は、有機酸金属塩、金属クロライドなどの形態で触媒として使用することができる。中でも、酢酸パラジウムが好ましい。
また、金属触媒は金属錯体であってもよく、これにより一層反応性が向上する。配位子としては、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、トリ(p−アニシル)ホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、フェニルジメチルホスフィンのような鎖状ホスフィン;p−メチルホスホレン、p−メチルホスホール、9−メチル−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナンのような環状ホスフィン;1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジエチルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’− ビス(ジメチルホスフィノ)フェロセン、1,1’− ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、α,α’− ビス(ジメチルホスフィノ)−o−キシレン、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)ベンゼンのようなビスホスフィン;メチルジメチルホスフィナイト、フェニルジフェニルホスフィナイトのようなホスフィナイト;ジメチルメチルホスホナイト、ジメチルフェニルホスホナイトのようなホスホナイト;トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、1−ホスファ−2,6,7−トリオキサ−4−エチルビシクロ[2.2.2]オクタンのようなホスファイト;エチレン、プロぺン、シクロオクテン、無水マレイン酸、1,5−ヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエン、1,3−シクロペンタジエン、2、5−ノルボルナジエン、1,3,5,7−シクロオクタテトラエンのようなオレフィン;ジエン、アセチルアセトナトのようなβ−ジケトナト配位子;ジベンジリデンアセトンのような共役ケトン;アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル;エチレンジアミン、2,2’−ビピリジルのようなアミン;アセトナトのようなカルボキシラト配位子;一酸化炭素が挙げられる。中でも、ビスホスフィンが好ましく、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(pddf)がより好ましい。
金属錯体は、形成された金属錯体を反応液に添加してもよいが、金属又は金属化合物(有機酸金属塩、金属クロライドなど)と、配位子になる化合物とを反応液に添加することにより、反応液中で金属錯体を形成させてもよい。
金属触媒の使用量は、一般式[II]の2−置換フェニルスルホナート類に対して、約0.1〜10モル%が好ましく、約0.5〜5モル%がより好ましい。上記範囲であれば、実用的な時間内に十分に反応が進行するとともに、コスト高になり過ぎることがない。
また、添加剤を、金属触媒に対して、モル比で、約1〜10倍添加してもよく、これにより反応系中の酸性度が緩和され、反応性が一層向上する。添加剤としては、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸セシウムのようなアルカリ金属酢酸塩;酢酸バリウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチウムなどのアルカリ土類金属酢酸塩;蟻酸ナトリウム、蟻酸カリウムのようなアルカリ金属蟻酸塩;蟻酸バリウム、蟻酸カルシウムなどのアルカリ土類金属蟻酸塩;プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウムのようなアルカリ金属プロピオン酸塩;プロピオン酸バリウム、プロピオン酸カルシウムのようなアルカリ土類金属プロピオン酸塩などの有機酸の塩基性塩を使用できる。中でも、アルカリ金属酢酸塩が好ましく、酢酸カリウムがより好ましい。
本工程では、通常溶媒を用いる。溶媒の種類は特に限定されず、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族系炭化水素系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、ペンタンのような炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチルのようなエステル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロトン性極性溶媒などの公知の溶媒を用いることができる。
この反応は、一般式[II]の2−置換フェニルスルホナート類、金属触媒、及び溶媒の混合物を一酸化炭素雰囲気下に置くことにより行える。反応温度は室温〜100℃程度とすればよい。また、反応は常圧で行えばよいが、加圧下で行うこともできる。反応時間は、通常約0.5〜24時間とすればよい。
[III]から[IV]への工程
一般式[III]で表される2−置換安息香酸類に、脱水縮合剤存在下でN,O−ジメチルヒドロキシルアミン又はその塩を作用させることにより、一般式[IV]で表される2−置換ベンズアミド類が得られる。
N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩の種類は特に限定されず、塩酸塩、硝酸塩、酢酸塩などが挙げられる。N,O−ジメチルヒドロキシルアミン又はその塩の使用量は、2−置換安息香酸類に対して、約0.9〜3当量が好ましく、約1〜1.5当量がより好ましい。上記範囲であれば、実用的な時間内に十分に反応が進行するとともに、コスト高になり過ぎることがない。
脱水縮合剤としては、ジイソプロピルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩のようなカルボジイミド類を例示することができる。
脱水縮合剤の使用量は、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン又はその塩と同当量とするのが好ましい。即ち、2−置換安息香酸類に対して、約0.9〜3当量が好ましく、約1〜1.5当量がより好ましい。
脱水縮合剤が塩酸塩である場合、通常塩基を加える。塩基としては、N−メチルモルフォリン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、2,6−ルチジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、イミダゾール、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)などを使用できる。中でも、収率が高くなる点で、N−メチルモルフォリン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、DBUが好ましく、N−メチルモルフォリンがより好ましい。
塩基の使用量は、脱水縮合剤に対して、約0.9〜2当量が好ましく、約1〜1.5当量がより好ましい。上記範囲であれば、実用的な時間内に十分に反応が進行するとともに、コスト高になり過ぎることがない。
この工程では、通常溶媒を用いる。溶媒としては、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族系炭化水素系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、ペンタンのような炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチルのようなエステル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロトン性極性溶媒などの公知の溶媒を用いることができる。中でも、ハロゲン化炭化水素系溶媒が好ましい。
反応温度は−30℃〜室温程度とすればよい。また、反応は常圧で行えばよいが、加圧下で行うこともできる。反応時間は、通常約0.5〜24時間とすればよい。
[IV]から[V]への工程
一般式[IV]で表される2−置換ベンズアミド類に、ビニルグリニヤール試薬を反応させることにより、一般式[V]で表される2−置換フェニルビニルケトン類が得られる。
ビニルグリニヤール試薬としては、ビニルマグネシウムクロリド、ビニルマグネシウムブロミド、ビニルマグネシウムアイオダイド等を例示することができる。ビニルグリニヤール試薬の使用量は、2−置換ベンズアミド類に対して、約1〜5当量が好ましく、約1.5〜3当量がより好ましく、約2〜3当量がさらにより好ましい。上記反応により遊離するアミンのトラップにビニルグリニヤール試薬が消費されるが、上記範囲であれば、実用的な時間内に十分に反応が進行するとともに、コスト高になり過ぎることがない。
この工程では、通常溶媒を用いる。溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、t−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルのようなエーテル系溶媒が好ましい。
反応は、通常、溶媒と2−置換ベンズアミド類との混合液にビニルグリニヤール試薬を滴下すればよい。
反応温度は、約−80〜50℃とすればよく、約−20〜50℃が好ましく、約−10〜40℃がより好ましく、約0〜30℃が特に好ましい。本発明において、反応温度は、反応を行う容器を冷却する冷却水又は冷却槽の温度である。一般にグリニヤール試薬を用いる反応では非常に低い温度で反応液を冷却する必要があるが、本発明方法のこの工程では、このような冷却を行わなくてもよい。また、反応は常圧で行えばよいが、加圧下で行うこともできる。反応時間は、通常約0.5〜10時間とすればよい。
[V]から[VI]への工程
酸処理による2−置換フェニルビニルケトン類の環化反応により7−置換インダン−1−オン類が得られる。
酸としては、塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸;p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸類;トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等のカルボン酸類などが挙げられる。中でも、反応性が良い点で、鉱酸が好ましく、硫酸がより好ましい。
酸の使用量は、2−置換フェニルビニルケトン類に対して、約5〜100倍モルが好ましく、約15〜50倍モルがより好ましい。上記範囲であれば、実用的な時間内に十分に反応が進行する。また、上記範囲であれば、コスト高になり過ぎることがなく、廃棄物処理の手間と費用が抑えられる。
この工程では、通常溶媒を用いる。溶媒は、酸との反応性に乏しいものであればよく、例えば、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族系炭化水素系溶媒;ヘプタン、ヘキサン、ペンタンのような炭化水素系溶媒などを使用できる。
この酸処理工程の反応温度は約0℃から溶媒の還流温度であり、反応を早く完結させるためには高温の方が好ましい。反応圧力は通常は常圧とすればよいが、加圧下に反応を行うこともできる。反応時間は、通常約15分〜5時間とすればよい。
[VI]から[VII]への工程
一般式[VI]で表される7−置換インダン−1−オン類を還元することにより、7−置換インダン−1−オール類が得られる。
還元剤としては、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、ビットライド、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化シアノホウ素ナトリウムのようなアルミニウム系またはホウ素系の水素化物などを例示することができる。中でも、水素化リチウムアルミニウム、ビットライド、水素化ホウ素ナトリウムが好ましく、水素化リチウムアルミニウムが特に好ましい。
還元剤の使用量は、7−置換インダン−1−オン類に対して、約0.5〜5倍モルが好ましく、約1〜2倍モルがより好ましい。上記範囲であれば、実用的な時間内に十分に反応が進行するとともに、コスト高になり過ぎることがない。
この工程では、通常溶媒を用いる。溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族系炭化水素系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、ペンタンのような炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、t−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルのようなエーテル系溶媒等を例示することができる。
反応圧力は通常は常圧とすればよいが、加圧下に反応を行うこともできる。反応時間は、通常約15分〜10時間とすればよい。
前掲のスキーム1に示す従来の7−置換インダン−1−オール類の製造方法では、7−置換インダン−1−オン類のベンゼン環にヒドロキシル基が結合しているため、塩化トシルによりトシル化後に還元する必要がある。このように、従来方法では、還元に2ステップを要することにより、収率が低下し、また還元には塩化ニッケル等とともに水素化ホウ素ナトリウムを40当量加える必要があり、効率的ではない。これに対して、スキーム2に示すプロセスを経る本発明方法では、7−置換インダン−1−オン類を水素化リチウムアルミニウム等の還元剤を用いて直接還元することができる点で有用である。
前掲のスキーム2に示された化合物のうち、一般式[III]で表される2−置換安息香酸類は、スキーム2以外の方法で得ることもできる。2−置換安息香酸類は、例えば、2−置換ハロベンゼンをマグネシウムと処理してグリニヤール試薬とした後、二酸化炭素と反応させる方法などで入手できる。従って、本発明は、一般式[III]で表される2−置換安息香酸類を出発物質として、スキーム2に従って、一般式[VII]で表される7−置換インダン−1−オール類を製造する方法も包含する。
実施例
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[I]から[II]への工程
(2−イソプロピルフェニル)トリフラートの製造
Figure 2009067702
2−イソプロピルフェノール(10.0 g, 73.4 mmol)のジクロロメタン溶液を−78℃に冷却し、2,6−ルチジン(11.1 ml, 95.46 mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸無水物(14.8 ml, 88.12 mmol)を加え1時間撹拌した。反応混合溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、(2−イソプロピルフェニル)トリフラート(18.81 g , 収率95 %)を得た。
得られた化合物の物性値を以下に示す。
IR ( neat, cm-1 ) 2974, 1421, 1249, 1217, 1143, 1068, 904, 881; 1H-NMR ( 400 MHz, CDCl3 ) δ 7.40 ( dd, J=6.64, 1.60Hz 1H ), 7.34 ( dd, J=6.64, 1.60, 0.69Hz, 1H ), 7.24 ( m, 2H ), 3.31 ( qq, J=6.87, 6.87Hz, 1H ), 1.27 ( d, J=6.87Hz 6H ); 13C-NMR ( 100 MHz, CDCl3 ) δ 147.09, 141.20, 128.58, 127.81, 127.41, 121.15, 120.19, 117.01, 27.09, 23.09.
[II]から[III]への工程
2−イソプロピル安息香酸の製造
Figure 2009067702
(2−イソプロピルフェニル)トリフラート(17.81 g , 66.62 mmol )のジメチルスルホキシド溶液 (167 ml ) に酢酸カリウム (26.16 g , 266.5 mmol )とPd(OAc)2 (0.150 g , 0.666 mmol)とdppf (1.477 g , 2.665 mmol)を加え撹拌した。混合溶液を一酸化炭素雰囲気下、60℃で7時間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合溶液に水を加え、反応混合溶液がpH = 2になるまで2N-HCl 水溶液を加えた。ジクロロメタンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、2−イソプロピル安息香酸(11.18 g, quant)を得た。
得られた化合物の物性値を以下に示す。
IR ( KBr disk, cm-1 ) 2957, 1699, 1309, 1261, 1072, 927, 760; 1H-NMR ( 400 MHz, CDCl3 ) δ 7.93 ( dd, J=6.64, 1.37Hz 1H ), 7.52 ( ddd, J=6.64, 1.37, 0.69Hz, 1H ), 7.46 ( d, J=6.64Hz 1H ), 7.26 ( ddd, J=6.64, 1.37, 0.69Hz 1H ), 3.93 ( qq, J=6.87, 6.87Hz, 1H ), 1.29 ( d, J=6.87Hz 6H ); 13C-NMR ( 100 MHz, CDCl3 ) δ 173.48, 150.99, 132.78, 130.86, 128.120, 126.46, 125.53, 29.33, 24.02.
[III]から[IV]への工程
N−メチル−N−メトキシ−(2−イソプロピル)ベンズアミドの製造
Figure 2009067702
2−イソプロピル安息香酸( 10.0 g , 60.9 mmol )のジクロロメタン溶液 ( 182 ml )を−15℃に冷却し、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩 ( 6.534 g , 66.99 mmol )とN−メチルモルフォリン( 7.365 ml , 66.99 mmol )と1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩( 12.26 g , 66.99 mmol )を加え、1時間撹拌した。反応溶液を0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、N−メチル−N−メトキシ(2−イソプロピル)ベンズアミド(11.66 g , 収率92 % )を得た。
得られた化合物の物性値を以下に示す。
IR ( neat, cm-1 ) 2964, 2935, 1655, 1379, 087, 761; 1H-NMR ( 400 MHz, CDCl3 ) δ 7.39−7.21( m, 4H ), 3.87 ( br, 1H ), 3.41 ( br, 3H ), 2.96 ( br, 3H ), 1.26 ( d, J=6.87Hz 6H ); 13C-NMR ( 100 MHz, CDCl3 ) δ 145.60, 134.36, 129.36, 125.93, 125.49, 60.93, 32.25, 30.92, 23.95.
[IV]から[V]への工程
(2−イソプロピルフェニル)ビニルケトンの製造
Figure 2009067702
N−メチル−N−メトキシ(2−イソプロピル)ベンズアミド( 10.0 g , 48.3 mmol )のテトラヒドロフラン溶液( 144 ml )に、別途調製したビニルマグネシウムブロマイド( 96.5 ml , 96.5 mmol )を加え室温で1時間撹拌した。反応溶液を0℃に冷却し2N-HCl ( 170 ml )とヘキサンの混合溶媒に加え、ヘキサンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、(2−イソプロピルフェニル)ビニルケトン(7.084 g , 収率84 % )を得た。
得られた化合物の物性値を以下に示す。
IR (neat, cm-1 ) 2966, 1660, 1604, 1400, 1294, 991, 962; 1H-NMR (400 MHz, CDCl3 ) δ 7.44−7.39 (m, 2H ), 7.28−7.19 (m, 2H ), 6.71 (dd, J=10.30, 16.87Hz 1H ), 6.05 (dd, J=10.30, 16.87Hz, 2H ), 3.17 (qq, J=6.87, 6.87Hz, 1H ), 1.22 (d, J=6.87Hz 6H ); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3 ) δ 198.38, 147.31, 137.75, 137.68, 132.01, 130.41, 127.43, 126.10, 125.17, 29.83, 24.05.
[V]から[VI]への工程
7−イソプロピルインダン−1−オンの製造
Figure 2009067702
70℃に加熱した濃硫酸(33 ml, 619 mmol )にペンタンに希釈した(2−イソプロピルフェニル)ビニルケトン(5.762 g , 33.06 mmol )を1時間かけてゆっくり滴下した。すべて滴下後、反応混合溶液を70℃で30分間撹拌した。0℃に冷却した水に0℃に冷却した反応混合溶液をゆっくり滴下し、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮し、7−イソプロピルインダン−1−オン(5.328 g , 収率93 %)を粗生成物として得た。
得られた化合物の物性値を以下に示す。
IR ( neat, cm-1 ) 2928, 1701, 1591, 1477, 1462, 1317, 1190, 943, 781; 1H-NMR (400 MHz, CDCl3 ) δ 7.50 (dd, J=7.56, 7.56Hz 1H ), 7.28 (m, 2H ), 7.24 (m, 2H ), 4.20 (qq, J=6.87, 6.87Hz, 1H ), 3.08 (m, 2H ), 2.67 (m, 2H ) 1.27 (d, J=6.87Hz 6H ); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3 ) δ 207.81, 156.18, 150.34, 134.33, 133.03, 123.95, 123.77, 36.95, 27.07, 25.21, 23.04.
[VI]から[VII]への工程
7−イソプロピルインダン−1−オールの製造
Figure 2009067702
7−イソプロピルインダン−1−オン(9.460 g , 54.29 mmol )のジエチルエーテル溶液(271 ml )を0℃に冷却し、水素化リチウムアルミニウム(2.060 g , 54.29 mmol )を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合溶液を0℃に冷却し、水を注意深く加えて反応を終結させた後、不溶物を濾去し、7−イソプロピルインダン−1−オール(9.241 g , 収率98 % )を得た。
得られた化合物の物性値を以下に示す。
IR (neat, cm-1 ) 3330, 3243, 1048; 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.27 (dd, J=7.56, 7.56Hz 1H ), 7.15 (d, J=7.56Hz, 1H ), 7.10 (d, J=7.56Hz 1H ), 5.39 (dd, J=6.41, 1.60Hz, 1H ), 3.34 (qq, J=6.87, 6.87Hz, 1H ), 3.16 (ddd, J=8.24, 8.24, 16.36Hz, 1H ), 2.83 (ddd, J=16.1, 8.93, 2.7Hz, 1H ), 2.38-2.29 (m, 1H ), 2.16−2.04 (m, 1H ), 1.30 (d, J=6.87Hz 3H ), 1.27 (d, J=6.87Hz, 3H ); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3 ) δ 146.30, 144.04, 141.75, 129.22, 123.26, 122.31, 35.23, 30.13, 29.77, 24.15, 23.91.
参考例1
7−イソプロピルインデンの製造
Figure 2009067702
7−イソプロピルインダン−1−オール ( 5.703 g , 32.36 mmol )のベンゼン溶液( 324 ml )にp−トルエンスルホン酸一水和物( 0.615 g , 3.236 mmol )を加え、還流するまで1時間かけてゆっくり昇温した。反応混合溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えジエチルエーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮し7−イソプロピルインデン( 5.056 g , 収率99 % )を粗生成物として得た。
得られた化合物の物性値を以下に示す。
IR ( neat, cm-1 ) 3063, 2961, 1475, 1462, 1431, 1392, 763; 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.33 ( dd, J=7.56, 7.56Hz 1H ), 7.20-7.15 ( m, 1H ), 7.07 ( m, 1H ), 6.56 ( ddd, J=5.70, 2.06, 2.06Hz, 1H ), 3.40 ( brs, 2H ), 3.27 ( qq, J=6.87, 6.87Hz, 1H ), 3.16 ( ddd, J=8.24, 8.24, 16.36Hz, 1H ), 2.83 ( ddd, J=16.1, 8.93, 2.7Hz, 1H ), 2.38-2.29 ( m, 1H ), 2.16-2.04 ( m, 1H ), 1.3 ( d, J=6.87Hz 6H ); 13C-NMR ( 100 MHz, CDCl3 ) δ 143.70, 142.45, 141.12, 133.53, 130.02, 124.85, 122.44, 121.26, 39.30, 30.76, 23.43.
参考例2
(1S,2R)−7−イソプロピルインダン−1,2−ジオールの製造
Figure 2009067702
t−ブタノール( 189 ml )と水( 189 ml )の混合溶媒にAD-Mixα( 26.54 g , 1.4 g / mmol )とメタンスルホンアミド(1.803 g , 18.96 mmol )を加え、0℃に冷却した。7−イソプロピルインデンを加え0℃で4時間撹拌した。亜硫酸ナトリウム( 28.67 g , 227.5 mmol)を加え酢酸エチルで抽出後、有機層を2N−水酸化カリウム溶液、飽和塩化アンモニウム水溶液で分液後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、(1S,2R)−7−イソプロピルインダン−1,2−ジオール( 3.542 g , 収率97 % )を得た。
得られた化合物の物性値を以下に示す。
IR ( KBr disk, cm-1 ) 3267, 2966, 2864, 1595, 1466, 1431, 1097, 1072, 781; 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.27 ( dd, J=7.56, 7.56Hz 1H ), 7.18 ( d, J=7.56Hz, 1H ), 7.06 ( d, J=7.10Hz 1H ), 5.07 ( dd, J=5.95, 5.50Hz, 1H ), 4.44 ( ddd, J=7.33, 5.50, 7.10Hz, 1H ), 3.3 ( qq, J=6.87, 6.87Hz, 1H ), 3.19(d, J=6.87Hz 0.5H ), 3.15 ( d, J=6.87Hz, 0.5H ), 2.62 ( d, J=7.79Hz, 1H), 2.16 ( d, J=5.95Hz, 1H), 1.31 ( d, J=6.87Hz 3H ), 1.26 ( d, J=6.8Hz, 1H ); 13C-NMR ( 100 MHz, CDCl3 ) δ 147.19, 140.87, 138.74, 129.80, 123.86, 122.67, 73.46, 72.97, 38.72, 29.89, 24.01, 23.94.
参考例3
(1S,2R)−7−イソプロピル−1−アミノ−2−インダノールの製造
Figure 2009067702
ヘキサン( 40 ml )とアセトニトリル( 20 ml )の混合溶媒にトリフルオロメタンスルホン酸( 3.52 ml , 40.22 mmol )を加え−40℃まで冷却した。(1S,2R)−7−イソプロピルインダン−1,2−ジオール( 3.867 g , 20.11 mmol )を、アセトニトリル( 20 ml )を用いて加え−40℃で10分間撹拌した。室温まで昇温し1時間撹拌した。さらに水を加え10分間撹拌後、水層を分取した。水層からアセトニトリルを取り除き、2時間還流した。室温まで冷却し50%水酸化ナトリウム水溶液を加えクロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、(1S,2R)−7−イソプロピル−1−アミノ−2−インダノール( 3.157 g , 82 % )を得た。得られた白色結晶を熱トルエン( 2.2 ml)に溶解し、徐々に0℃まで冷却した。ここで得られた白色結晶を吸引濾過で集め、冷トルエンで洗浄した。減圧下で乾燥し、目的とする(1S,2R)−7−イソプロピル−1−アミノ−2−インダノール(1.684 g , 収率44 % )を得た。
得られた化合物の物性値を以下に示す。
[α]24.9 D= -113.9 ; IR ( KBr disk, cm-1 ) 3069, 1589, 1361, 1099, 985, 761; 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.23 ( dd, J=7.56, 7.56Hz 1H ), 7.14 ( d, J=7.78Hz, 1H ), 7.03 ( d, J=7.33Hz 1H ), 4.35 ( m, 1H ), 4.28 ( d, J=6.64Hz 1H ), 3.23-3.12 ( m, 2H ), 2.79 ( dd, J=8.24, 15.80Hz 1H ), 1.31 ( d, J=6.87Hz 3H ), 1.25 ( d, J=6.87Hz 1H); 13C-NMR ( 100 MHz, CDCl3 ) δ 145.72, 141.54, 140.62, 128.78, 123.58, 122.73, 71.43, 55.95, 39.36, 30.04, 24.23, 23.90.

Claims (8)

  1. 下記式[I]
    Figure 2009067702
    (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、又は炭素数1〜4の置換基を有していてもよいアルキニル基を示す。)
    で表される2−置換フェノール類をスルホニル化することにより下記式[II]
    Figure 2009067702
    (式中、Rは前記と同じ意味を表し、R′は、メチル基、トリフルオロメチル基、又は置換基を有していてよいフェニル基を示す。)
    で表される2−置換フェニルスルホナート誘導体を得る工程と、
    上記式[II]で表される2−置換フェニルスルホナート誘導体を、金属触媒存在下で一酸化炭素と反応させることにより下記式[III]
    Figure 2009067702
    (式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
    で表される2−置換安息香酸を得る工程と、
    上記式[III]で表される2−置換安息香酸とN,O−ジメチルヒドロキシルアミン又はその塩とを反応させることにより下記式[IV]
    Figure 2009067702
    (式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
    で表される2−置換ベンズアミド類を得る工程と、
    上記式[IV]で表される2−置換ベンズアミド類とビニルグリニヤール試薬とを反応させることにより下記式[V]
    Figure 2009067702
    (式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
    で表される2−置換フェニルビニルケトン類を得る工程と、
    上記式[V]で表される2−置換フェニルビニルケトン類を、酸の存在下で、下記式[VI]
    Figure 2009067702
    (式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
    で表される7−置換インダン−1−オン類へと環化させる工程と、
    上記式[VI]で表される7−置換インダン−1−オン類を還元することにより下記式[VII]
    Figure 2009067702
    (式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
    で表される7−置換インダン−1−オール類を得る工程とを含む、7−置換インダン−1−オール類の製造方法。
  2. Rが低級アルキル基である請求項1に記載の方法。
  3. R′がトリフルオロメチル基である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 2−置換ベンズアミド類とビニルグリニヤール試薬とを反応させる際の反応温度が−20℃以上である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 下記式[III]
    Figure 2009067702
    (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、又は炭素数1〜4の置換基を有していてもよいアルキニル基を示す。)
    で表される2−置換安息香酸を得る工程と、
    上記式[III]で表される2−置換安息香酸とN,O−ジメチルヒドロキシルアミン又はその塩とを反応させることにより下記式[IV]
    Figure 2009067702
    (式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
    で表される2−置換ベンズアミド類を得る工程と、
    上記式[IV]で表される2−置換ベンズアミド類とビニルグリニヤール試薬とを反応させることにより下記式[V]
    Figure 2009067702
    (式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
    で表される2−置換フェニルビニルケトン類を得る工程と、
    上記式[V]で表される2−置換フェニルビニルケトン類を、酸の存在下で、下記式[VI]
    Figure 2009067702
    (式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
    で表される7−置換インダン−1−オン類へと環化させる工程と、
    上記式[VI]で表される7−置換インダン−1−オン類を還元することにより下記式[VII]
    Figure 2009067702
    (式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
    で表される7−置換インダン−1−オール類を得る工程とを含む7−置換インダン−1−オール類の製造方法。
  6. Rが低級アルキル基である請求項5に記載の方法。
  7. R′がトリフルオロメチル基である請求項5又は6に記載の方法。
  8. 2−置換ベンズアミド類とビニルグリニヤール試薬とを反応させる際の反応温度が−20℃以上である請求項5〜7のいずれかに記載の方法。
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