JP2009061011A - 微小液滴発生装置の駆動方法、吸引装置 - Google Patents

微小液滴発生装置の駆動方法、吸引装置 Download PDF

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Abstract

【課題】微小液滴を吐出する微小液滴発生装置の駆動方法を提供する。
【解決手段】微小液滴発生装置の駆動方法は、へルムホルツ共振周期を備えた圧力発生室2と、圧力発生室2を膨張、収縮させる圧電振動子11を有し、ノズル開口6から微小液滴を吐出する微小液滴発生装置の駆動方法であって、圧力発生室2を膨張させてヘルムホルツ共振周波数の振動を誘起させ、ノズル開口6のメニスカスを液滴が吐出しない程度に振動させる膨張行程と、圧力発生室2を膨張状態に維持する第1の保持工程と、メニスカスの移動がノズル開口6側に反転した以降に第1の方向とは逆の方向に変化する信号を印加して、圧力発生室2の容積を膨張工程における容積変化分よりも小さい容積変化で収縮させる第1の収縮工程と、圧力発生室2の容積を一定に保持しメニスカスにヘルムホルツ共振振動を重畳させた状態を維持し、微小液滴を吐出させる第2の保持工程と、を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧電振動子を使用した微小液滴発生装置の駆動方法と、微小液滴発生装置から吐出される微小液滴を吸引するための吸引装置の構造に関する。
近年、QOL(クオリティオブライフ)が望まれる中で、生体に傷をつけない注射に代わる投薬手段として、霧化経肺投与が期待されている。経肺投薬において治療域に到達可能な液滴の粒子径範囲は極めて狭く、空気力学径で1〜7μmといわれている。従って、このような粒子径を実現することが望まれている。
従来、微小液滴を生成する手段としては、インクを微インク滴として生成し吐出する装置としてのインクジェット式記録ヘッドが知られている。また、インクジェット式記録ヘッドとしては、ノズル開口、及びインク供給口を介してリザーバに連通し周期Tcのヘルムホルツ共振周期を備えた圧力発生室と、圧力発生室を膨張、収縮させる圧電振動子とからなるものが代表される。
このようなインクジェット式記録ヘッドの駆動方法は、図13に示すように、第1の方向に単調に変化する第1信号S11を印加して、インク滴吐出前に圧力発生室を膨張させてヘルムホルツ共振周波数の振動を誘起させノズル開口のメニスカスをインク滴を吐出しない程度に振動させる膨張工程と、第2信号S12を印加して圧力発生室を膨張状態に維持する第1の保持工程と、前記メニスカスの移動がノズル開口側に反転した以後に第1の方向とは逆の方向に変化する第3信号S13を印加して圧力発生室の容積を膨張工程における容積変化分よりも小さい容積変化で収縮させてノズル開口の直径よりも小径のインク滴を吐出させる第1の収縮工程と、第4信号S14を印加して圧力発生室の容積を一定に保持する第2の保持工程と、からなる(例えば、特許文献1参照)。
また、インクジェット記録ヘッドを液体の吐出手段として用い、吐出された液体を加熱部にて加熱し微小液体粒子化(霧化ということがある)する霧化手段を備え、霧化された微小液体微粒子を咥え部で吸引する吸引装置というものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3569289号公報 特開2005−58421号公報
このような特許文献1で開示されるインクジェット式記録ヘッドの駆動方法では、ノズル開口径よりも小さいインク滴を吐出させることが可能であるが、さらに小さいミスト状のインク滴を発生させるためには、ノズル開口径をより小さくすることが要求されるが、製造上困難である。また、第4信号S14を印加した際に画像形成に必要なインク滴(主滴と呼称することがある)を吐出した後、さらに主滴よりも小さい副滴(サテライト、インクミストと呼称することがある)が発生する場合がある。上述した特許文献1では、第5信号を印加し、圧力発生室を収縮させて元の状態に復帰させる第2の収縮工程を設けることによりこれらの副滴の発生を抑制している。従って、ノズル開口径を変えずに主滴よりも小さい副滴を継続して発生させることは困難である。
さらに、ノズル開口の大きさ(直径)を変更せずに吐出する液滴の大きさ(粒子径または重量)を任意に調整することは困難である。
また、特許文献2で開示される吸引装置では、インクジェット記録ヘッドと同様な構造を有する吐出手段から吐出される液体をさらに霧化手段を用いて小さい微小液体粒子化する構成のため、構造が複雑になり、小型化が困難である。また、霧化手段として加熱部を有することから安全性を含め携帯型の吸引装置の実現は困難であると予測される。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る微小液滴発生装置の駆動方法は、周期Tcのへルムホルツ共振周期を備えた圧力発生室と、該圧力発生室を膨張、収縮させる圧電振動子と、を有し、ノズル開口から微小液滴を吐出する微小液滴発生装置の駆動方法であって、第1の方向に単調に変化する信号を印加して前記圧力発生室を膨張させてヘルムホルツ共振周波数の振動を誘起させ、前記ノズル開口のメニスカスを液滴が吐出しない程度に振動させる膨張工程と、前記圧力発生室を膨張状態に維持する第1の保持工程と、前記メニスカスの移動が前記ノズル開口側に反転した以降に前記第1の方向とは逆の方向に変化する信号を印加して、前記圧力発生室の容積を膨張工程における容積変化分よりも小さい容積変化で収縮させる第1の収縮工程と、前記圧力発生室の容積を一定に保持し前記メニスカスに周期Tcのヘルムホルツ共振振動を重畳させた状態を維持し、前記メニスカスの中立位置を前記ノズル開口の表面に近づけ、前記ノズル開口の直径よりも小径の微小液滴を吐出させる第2の保持工程と、前記圧力発生室をさらに収縮させて元の状態に復帰させる第2の収縮工程と、を含むことを特徴とする。
このような駆動方法によれば、ノズル開口のメニスカスの振動を液滴が吐出可能な範囲にできるだけ小さくし、この状態を維持することにより、ノズル開口よりもはるかに小径の微小液滴を生成して吐出させることができる。
[適用例2]本適用例に係る微小液滴発生装置の駆動方法は、周期Tcのへルムホルツ共振周期を備えた圧力発生室と、該圧力発生室を膨張、収縮させる圧電振動子と、を有し、ノズル開口から微小液滴を吐出する微小液滴発生装置の駆動方法であって、前記圧力発生室を収縮させてヘルムホルツ共振周波数の振動を誘起させて前記ノズル開口のメニスカスを液滴が吐出しない程度に振動させる第1の収縮工程と、収縮状態を保持する第1の保持工程と、前記圧力発生室を膨張させて振動状態の前記メニスカスを引き込む膨張工程と、前記圧力発生室の膨張状態を保持する第2の保持工程と、前記メニスカスの移動が前記ノズル開口側に反転した以降に、前記圧力発生室の容積を膨張工程における容積変化分よりも小さい容積変化で収縮させる第2の収縮工程と、前記圧力発生室の容積を一定に保持し前記メニスカスに周期Tcのヘルムホルツ共振振動を重畳させた状態を維持し、前記メニスカスの中立位置を前記ノズル開口の表面に近づけ、前記ノズル開口の直径よりも小径の微小液滴を吐出させる第3の保持工程と、前記圧力発生室をさらに収縮させて元の状態に復帰させる第3の収縮工程と、を含むことを特徴とする。
このような駆動方法によれば、予め圧力発生室の容積を若干膨張させた状態を初期状態としているために、電圧の変化を低減した状態でメニスカスを振動させることにより液滴を吐出することができるので、液滴サイズを小さくでき、液滴吐出速度を高めることができる。
[適用例3]上記適用例に係る微小液滴発生装置の駆動方法は、前記ヘルムホルツ共振振動の振幅を切り替えて前記メニスカスに重畳することを特徴とする。
このような駆動方法によれば、ヘルムホルツ共振振動の振幅を調整し、ノズル開口のメニスカスの振動の振幅を変えることにより吐出される液滴の大きさを調整することができる。
[適用例4]本適用例に係る吸引装置は、液体を収容するカートリッジと、該カートリッジに連通し前記液体を微小液滴として吐出する適用例1ないし適用例3に記載の微小液滴発生装置の駆動方法により駆動される微小液滴発生装置と、該微小液滴発生装置の駆動を制御する制御手段と、前記カートリッジと前記微小液滴発生装置と前記制御手段とを収納するケースと、該ケースに穿設され前記微小液滴を流通する流路と、該流路に連通し、前記微小液滴を排出する吸引口と、が備えられていることを特徴とする。
このような構成によれば、カートリッジに収容された薬効成分、香味成分を含む液体(液状物を含む)を前述の微小液滴発生装置により微小液滴化する。従って、前述した従来技術のように、吐出手段により吐出した液状物をさらに霧化手段を用いて微小液滴化する構造に比べ、吐出手段と霧化手段の機能を有する微小液滴発生装置を備えているので構造が単純化されることから小型化が実現できる。また、霧化手段として加熱部を有しないことから安全性が高い携帯型の吸引装置を実現できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図7は実施形態1に係る微小液滴発生装置、及び駆動方法、図8〜図10は実施形態2に係る微小液滴発生装置の駆動方法、図11,12は微小液滴発生装置を備える吸引装置を示している。
なお、以下の説明で参照する図は、図示の便宜上、縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る微小液滴発生装置の組立斜視図、図2は同微小液滴発生装置の構造を示す断面図である。図1,2において、微小液滴発生装置は、主たる構成要素として液体流路ユニット1と、圧力発生ユニット10とから構成されている。
液体流路ユニット1は、圧力発生室2、リザーバ3、及び液体供給口4を形成するスペーサ5と、圧力発生室2に連通するノズル開口6を備えたノズルプレート7と、後述する圧電振動子の変位を受けて弾性変形する弾性板8とを、スペーサ5の表面となる側をノズルプレート7により、また裏面となる側を弾性板8により封止して構成されている。
圧力発生ユニット10は、圧力発生室2の配列ピッチに合わせて配置され、弾性板8の面に対して垂直な方向に伸縮する圧電振動子11を変位可能な状態で固定基板12に固定して構成されている。
また、圧電振動子11は、本実施形態では伸縮方向に平行に圧電材料11aと、異なる極となる導電材料11b,11cと、を交互に積層して、充電状態では導電層の積層方向と直角な方向に収縮し、また電荷が放電された場合には導電層と直角な方向に伸長する、いわゆる縦振動モードの圧電振動子として構成されている。
そして、液体流路ユニット1をホルダ13の上端14に固定し、また圧力発生ユニット10を圧電振動子11の先端が各圧力発生室2に対向するように弾性板8に当接し、さらに固定基板12をホルダ13に固定して微小液滴発生装置を構成している。なお、通孔16は、外部の液体容器に接続する液体供給流路17とリザーバ3とを接続する貫通孔である。
このように構成された微小液滴発生装置は、圧電振動子11に時間的に電圧が上昇する信号を印加すると、圧電振動子11が充電されて時間とともに収縮する。この収縮により弾性板8がスペーサ5から離反するように弾性変形して圧力発生室2を膨張させる。圧力発生室2の膨張によりリザーバ3内に収容される液体が液体供給口4を経由して圧力発生室2に流入し、またノズル開口6に形成されていたメニスカスが圧力発生室2の内側に引き込まれる。そして、信号が所定のレベルに保持されると、メニスカスが自己の固有振動周期によりノズル開口6と圧力発生室2との間を往復するように振動する。
また、充電状態におかれている圧電振動子11の電荷を放電させると、圧電振動子11が時間的に伸長して弾性板8をスペーサ側に押し戻して圧力発生室2の容積を縮小させる。圧力発生室2の縮小により圧力発生室2の液体が加圧されるため、振動状態にあるメニスカスがノズル開口2側に押し戻される。
ところで、このように構成された微小液滴発生装置は、圧力発生室2の液体の圧縮性に起因する流体コンプライアンスをCi、また圧力発生室2を形成している弾性板8、ノズルプレート7等の材料自体による剛性コンプライアンスをCv、ノズル開口6のイナータンスをMn、液体供給口4のイナータンスをMSとすると、圧力発生室2のヘルムホルツ共振振動の周波数fは次式で示される。
Figure 2009061011
また、メニスカスのコンプライアンスをCnとすると、メニスカスの固有振動周期Tmは次式で示される。
Figure 2009061011
また、圧力発生室2の体積をV、液体の密度をρ、液体中での音速をcとすると、流体コンプライアンスCiは次式で示される。
Figure 2009061011
さらに圧力発生室2の剛性コンプライアンスCvは、圧力発生室2に単位圧力を印加したときの圧力発生室2の静的な変形率に一致する。このように構成された微小液滴発生装置は、その流体コンプライアンスCiが5×10−21m5/N、剛性コンプライアンスCvが5×10−21m5/N、ノズル開口6のイナータンスMnが1×108kg/m4、液体供給口4のイナータンスMSが1×108kg/m4の諸特性を有するように構成された場合には、圧電振動子11の伸長、収縮によりメニスカスにヘルムホルツ共振振動が重畳されると、周期Tcが4.4μs(225kHz)のヘルムホルツ共振振動を生じる。
このような駆動特性を得るために、流路を構成するスペーサは、高い弾性率を有する単結晶シリコンをエッチングすることにより非常に微細で精密な流路が形成され、圧力発生室2の剛性コンプライアンスCvを低減でき、ヘルムホルツ共振振動の周期Tcを容易に10μs以下とすることができる。
また、吐出される液体重量が10ng以下となるような微細な液滴の吐出を可能ならしめるためには、上述の特性を備えたスペーサだけではなく、応答性の非常に高い圧電振動子が必要となるが、上述のように構成された縦振動モードの圧電振動子11は、印加された信号に応動して正確に変位するため、圧電振動子11の固有振動周期よりも短い時間で圧力発生室2を膨張、収縮させることができる。
次にこのように構成した微小液滴発生装置からノズル開口径よりもはるかに小さい液滴を吐出させるための駆動方法について説明する。
図3は、微小液滴発生装置の駆動方法に使用する信号の一実施例を示す説明図である。また、図4は、図3に示す信号印加に伴うメニスカスの挙動を示す断面説明図である。図2、図3、図4を参照して説明する。継続時間T11をかけて第1の方向に単調に変化する第1信号S11を圧電振動子11に印加して圧電振動子11を収縮させると、弾性板8が圧力発生室2から離反する方向に弾性変形して圧力発生室2の容積が膨張する(膨張工程)。ノズル開口6の近傍に静止していたメニスカスM(図4(I)、参照)が、圧力発生室2の膨張による負圧によりノズル開口6の奥側に引き込まれ(図4(II)、参照)、同時にリザーバ3内の液体が液体供給口4から圧力発生室2に流れ込む。
第1信号S11による圧電振動子11の充電が終了して、充電時の最高電圧を維持する第2信号S12を印加すると、圧力発生室2は膨張を停止して一定容積を維持するため、前述の工程で圧力発生室2に蓄圧された液体の圧力が急速に解放される(第1の保持工程)。従って、ノズル開口6の内部に引き込まれたメニスカスは、周期Tcでヘルムホルツ共振振動H1を開始し、ノズル開口6側に向かって移動する。すなわちメニスカスには周期Tcのヘルムホルツ共振振動が励起される(図4(III)、参照)。
メニスカスがヘルムホルツ共振振動している過程(継続時間T12経過後)で、第3信号S13を圧電振動子11に印加して第1信号S11により充電された電荷の一部を放電させると、圧電振動子11が伸長して圧力発生室2の容積が時間とともに収縮する(第1の収縮工程)。なお、第3信号S13は、メニスカスの移動がノズル開口6側に反転した以降に第1の方向とは逆の方向に変化する信号である。この収縮により第3信号S13により周期Tcのヘルムホルツ共振振動が重畳されたメニスカスは、メニスカスの振動の中立線N−Nをノズル開口6の出口に向かって押し出される。そしてメニスカスに重畳している周期Tcのヘルムホルツ共振振動によるピークだけがノズル開口6よりも外側に突出し(図4(IV)、参照)、微小液滴Dがメニスカスから分離して吐出する(図4(V)、参照)。この微小液滴Dは圧電振動子11により圧力発生室2を加圧し、その加圧力で直接ノズル開口6から液体を噴出させた液滴の液滴重量と比較して液滴重量が少ない(つまり、液滴の直径が小さい)。
そして、ヘルムホルツ共振振動と同位相の第4信号S14を印加することで圧力発生室2の容積の収縮を一定に保持(第2の保持工程)しながらメニスカスの振動を励振する。第4信号S14の電圧(V)は、メニスカスの頂部がノズル開口の表面から僅かに突出させる程度の値とする。すなわち、微小液滴Dを分離した後、メニスカスはノズル開口6の内部に引き込まれるが、メニスカスの表面張力やヘルムホルツ共振振動の周期Tcのリンギング等により液体供給口4から圧力発生室2に液体が流れ込む。このため、たとえ圧電振動子11が静止状態におかれている状態でも周期Tcのヘルムホルツ共振振動が残留しているメニスカスは、再びノズル開口6に向かって移動し、重畳されているヘルムホルツ共振振動のピークを分離して微小な液滴を発生させることになる。従って、第4信号S14の継続時間T14の範囲で微小液滴の吐出が継続する。
継続時間T14が経過した段階で、第4信号S14により伸長動作が停止していた圧電振動子11に第5信号S15を印加して圧電振動子11の残留電荷を再び放電させると、圧電振動子11が伸長して圧力発生室2の容積が減少し、圧力発生室2に正圧が生じる(第2の収縮工程)。これにより周期Tcのヘルムホルツ共振振動H2がノズル開口6の先端に向かって発振する(図4(VI)、参照)。
本実施形態では、第5信号S15により液滴吐出後に、メニスカスに重畳されている周期Tcのヘルムホルツ共振振動に対して、逆位相となるようにヘルムホルツ共振振動を発振させているため、周期Tcのヘルムホルツ共振振動の残留振動分が制振される。
図5は、第2信号S12の継続時間T12と、吐出する液滴の重量との関係を示すグラフである。図5において、第2信号S12の継続時間T12をヘルムホルツ共振振動の周期Tcの1/2以下の範囲で変化させると、吐出される液滴の重量(つまり、液滴の直径)を変化させることが可能であり、周期Tcの1/2以上では、小重量でほぼ一定に保つことができることが判る。つまり、第2信号S12の継続時間T12の長さを調整することで液滴サイズを調整することができる。
次に、ヘルムホルツ共振振動の周期Tc残留振動を制振するための第5信号S15の印加タイミングについて図面を参照して説明する。
図6は、液滴吐出開始後のメニスカスの変位をヘルムホルツ共振振動の周期Tcを時間単位として表した説明図である。図6において、ピーク位置P11,P12,P13はメニスカスに重畳している周期Tcのヘルムホルツ共振振動が圧力発生室2からノズル開口6に向かうピークの位置を表している。
本実施形態においてはピーク位置P11,P12,P13の発生時点にタイミングを合わせてヘルムホルツ共振振動の周期Tcの整数倍時間を継続する第4信号S14の継続時間T14を調整して印加している。第4信号S14は、第3信号S13と同位相になるようにヘルムホルツ共振振動を発振させているため、液滴を吐出させるべく有用に作用したヘルムホルツ共振振動の残留振動分が励振される。これにより、圧力発生室2が収縮してメニスカスが圧力発生室2からノズル開口6へ押し戻される方向のヘルムホルツ共振振動が継続する。この際、メニスカスのピーク位置P11,P12,P13をノズル開口6より外側に突出させることにより、微小液滴D(図4、参照)として吐出される。
また、第4信号S14の後にメニスカスのピーク発生時点にタイミングを合わせてヘルムホルツ共振振動の周期Tcより短い継続時間T15を有する第5信号S15を印加している。これにより互いのヘルムホルツ共振振動が打ち消し合って振幅のピーク位置が、第4信号S14印加によるピーク位置P11,P12,P13よりも圧力発生室側に位置するため液滴は吐出されない。
続いて、ヘルムホルツ共振振動の振幅と液滴の大きさについて説明する。
図7は、周期Tcのヘルムホルツ共振振動の波形を模式的に示す説明図である。メニスカスの固有振動にヘルムホルツ共振振動を重畳させると、メニスカスの振幅もヘルムホルツ共振振動の振幅に応動して変化する。このメニスカスの振幅が大きい場合(図中、波形Bで表す)には吐出される液滴のサイズが大きくなり、振幅が小さい場合(図中、波形Cで表す)には液滴が小さくなることが確認されている。波形Aは標準振幅の場合を表している。
以上説明したような動作は、大略次のようにして行わせることができる。
第1信号S11の継続時間T11をヘルムホルツ共振振動の周期Tcよりも短く、圧電振動子11の固有振動周期よりも短く設定することで圧電振動子11に急速な収縮を生じさて圧力発生室2を急激に膨張させ、これによりメニスカスをノズル開口6から圧力発生室2に急速に引き込み、メニスカスに周期Tcのヘルムホルツ共振振動を重畳させる。
そして第3信号S13を印加して圧力発生室2を収縮させることにより、メニスカスの周期Tcのヘルムホルツ共振振動をアシストさせて液滴を吐出させる。なお、圧力発生室2の収縮による容積変化は、前述した膨張による容積変化分より小さい。この際、第2信号S12をヘルムホルツ共振振動の周期Tcの1/2以下に設定すると、第1信号S11による圧力発生室2の膨張量を少なく直径10μm以下の微小な液滴を発生させることができる。
また、第2信号S12をヘルムホルツ共振振動の周期Tcの1/2以下の範囲で変更すると、吐出する液滴の重量が調整でき、周期Tcの1/2以上にすれば小重量(微小径)でほぼ一定の液滴を継続して吐出することができる。
また、第3信号S13は第1信号S11で励振されたヘルムホルツ共振振動を無用に増幅させないように、その継続時間T13はヘルムホルツ共振振動の周期Tcと実質的に同一の値に設定されている。
また、ピーク位置P11,P12,P13の発生時点にタイミングを合わせてヘルムホルツ共振振動の周期Tcの整数倍時間を継続する第4信号S14の継続時間T14を印加している。これにより、圧力発生室2が収縮してメニスカスが圧力発生室2からノズル開口6へ押し戻される方向のヘルムホルツ共振振動が継続する。この際、メニスカスのピーク位置P11,P12,P13がノズル開口6より外側に突出させることにより、微小液滴D(図4、参照)が継続して吐出される。
また、第5信号S15はメニスカスに誘起されている周期Tcのヘルムホルツ共振振動と逆位相にヘルムホルツ共振振動を発振させるためのものであるから、その継続時間T15はヘルムホルツ共振振動の周期Tcより短く、具体的には第1信号S11の継続時間T11に一致させるのが望ましく、これにより第1信号S11による周期Tcのヘルムホルツ共振振動とほとんど同じヘルムホルツ共振振動を誘起させて、制振作用を著しく高めることができる。
上述したように、第1信号S11から第4信号S14の印加を1サイクルとして所望のサイクル数を繰り返すことにより微小液滴を継続してノズル開口部の直径よりも小さく、しかも前述した従来技術の副滴(サテライト)よりもさらに小さいミスト状の微小液滴を吐出させることができる。
また、ヘルムホルツ共振振動の振幅を調整し、ノズル開口のメニスカスの振動の振幅を変えることにより吐出される液滴の大きさを調整することができる。
(実施形態2)
続いて実施形態2について図面を参照して説明する。実施形態2は、微小液滴発生装置の停止時において圧電振動子を若干収縮させた状態、つまり圧力発生室が予め若干膨張している状態におかれていることを特徴としている。
図8は、実施形態2に係る駆動方法に使用する信号の一実施例を示す説明図である。また、図9は、図8に示す信号印加に伴うメニスカスの挙動を示す断面説明図である。図2、図8、図9を参照して説明する。微小液滴発生装置を停止しているときに、圧電振動子11が若干収縮しており、圧力発生室2は若干膨張した状態にある。メニスカスがノズル開口6内側に引き込まれた状態(図9(I)、参照)から第1信号S41を印加して放電させると、収縮状態におかれている圧電振動子11が伸長して、圧力発生室2の容積を実質的に収縮させて圧力発生室2を加圧し(第1の収縮工程)、メニスカスがノズル開口6から液滴を吐出しない程度に盛り上がる(図9(II)、参照)。第1信号S41の電圧変化が大きいとメニスカスが大きく押し出されて液滴を発生させることになるので、第1信号S41の電圧は液滴を吐出させない程度に設定されている。
第1信号S41で若干ノズル開口面より外に押し出されたメニスカスは周期Tcのヘルムホルツ共振振動H1’が誘起され、以降、第2信号S42の印加中(第1の保持工程)において大きく減衰することなく持続する。
この状態で第3信号S43を印加して圧電振動子11を急激に収縮させると、圧力発生室2の容積が膨張して圧力発生室2に負圧が生じる(膨張工程)。この急激な引き込みによりメニスカスには大きな振幅の周期Tcのヘルムホルツ共振振動H1が誘起されてノズル開口6の内部に大きく引き込まれる(図9(III)、参照)。
第3信号S43は、メニスカスに重畳されている周期Tcのヘルムホルツ共振振動がノズル開口6から圧力発生室2に向かう時点、つまり第1信号S41の印加時点から第2信号S42の印加が終了するまでの継続時間T42が、ヘルムホルツ共振振動の周期Tc分の1/2となる時点を選択して印加すると、第1信号S41により誘起された振動エネルギを利用できて、第3信号S43は、電圧差が比較的小さく設定されてもメニスカスをノズル開口6の内部に大きく引き込むことができる。継続時間T43経過後、第4信号S44を印加して圧力発生室2の膨張状態を保持する(第2の保持工程)。
このようにして第1信号S41および第3信号S43によりメニスカスに生じていた周期Tcのヘルムホルツ共振振動が、継続時間T44経過してノズル開口6の出口に向かう時点で、第5信号S45を印加する。第5信号S45は第1信号S41と同様に圧力発生室2を収縮させ(第2の収縮工程)、メニスカスをノズル開口6から押し出す向きに作用して振動の中立線Nをノズル開口6側に押し上げる。この際、メニスカス上に誘起されている周期Tcのヘルムホルツ共振振動を無用に増幅しないために第5信号S45の継続時間T45は、ヘルムホルツ共振振動の周期Tc以上、望ましくは周期Tcと実質的に同一の値に設定される。なお、第5信号S45による圧力発生室2の容積変化は、前述した第3信号S43による膨張の容積変化量より小さい。
第5信号S45が印加されてメニスカス振動の中立線Nが押し上げられると、メニスカスに重畳しているヘルムホルツ共振振動H1がノズル開口6から突出する(図9(IV)、参照)。この状態ではメニスカスは、ヘルムホルツ共振振動が重畳されている分だけ、その変位速度は第1信号S41によるメニスカスの変位速度よりも大きいため、ノズル開口6から盛り上がったメニスカスのピークだけが分離して微小液滴Dとなり吐出する(図9(V)、参照)。
続いて、ヘルムホルツ共振振動と同位相の第6信号S46を印加することで圧力発生室2の容積の収縮を一定に保持(第3の保持工程)しながらメニスカスの振動を励振する。第6信号S46の電圧(V)は、メニスカスの頂部がノズル開口の表面から僅かに突出させる程度の値とする。すなわち、微小液滴Dを分離した後、メニスカスはノズル開口6の内部に引き込まれるが、メニスカスの表面張力やヘルムホルツ共振振動の周期Tcのリンギング等により液体供給口4から圧力発生室2に液体が流れ込む。このため、たとえ圧電振動子11が静止状態におかれている状態でも周期Tcのヘルムホルツ共振振動が残留しているメニスカスは、再びノズル開口6に向かって移動し、重畳されているヘルムホルツ共振振動のピークを分離して微小な液滴を発生させることになる。
継続時間T46が経過した段階で、第6信号S46により伸長動作が停止していた圧電振動子11に第7信号S47を印加して圧電振動子11の残留電荷を再び放電させると、圧電振動子11が伸長して圧力発生室2の容積が減少し(第3の収縮工程)、圧力発生室2に正圧が生じメニスカスの振動が制振される(図9(VI)、参照)。
本実施形態では、第7信号S47により液滴吐出後に、メニスカスに重畳されている周期Tcのヘルムホルツ共振振動に対して、逆位相となるようにヘルムホルツ共振振動を発振させているため、周期Tcのヘルムホルツ共振振動の残留振動分が制振される。
このようにメニスカスの一部を分離させて、微小な液滴を吐出させるためには、メニスカスに重畳している周期Tcのヘルムホルツ共振振動がノズル開口6の出口に向かう時点で第5信号S45を印加するのが望ましい。
図10は、メニスカスの変位をヘルムホルツ共振振動の周期Tcを時間単位として表した説明図であり、図10(a)は、第1信号S41を印加したまま放置したときのメニスカスの変位を第1信号S41の印加時点からの時間を周期Tcを時間基準として示すものであって、第1信号S41によりメニスカスは振動の中立線をノズル開口6の面よりもさらに外側に押し上げられた位置N1で周期Tcのヘルムホルツ共振振動を行っている。この場合、その変位速度(勾配α)が小さいため、メニスカスから液滴が分離されることはない。
図10(b)は第1信号S41の印加後に第3信号S43を印加した場合のメニスカス変位を示すものであって、第3信号S43の印加により圧力発生室2が膨張することで振動の中立線が位置N1から圧力発生室側の位置N2に移動する。
図10(c)は第1信号S41から第5信号S45まで印加した後、第6信号S46を印加した場合のメニスカスの変位を示すもので、第6信号S46により振動の中立線が位置N2から移動して、ノズル開口面(図中横軸)にほぼ一致する位置に押し上げられた状態で保持される。このとき第3信号S43によりメニスカスに誘起された周期Tcのヘルムホルツ共振振動のピークP21,P22,P23がノズル開口面から外側(図中、上方)に盛り上がる。そして第3信号S43により押し上げられたメニスカスには周期Tcのヘルムホルツ共振振動が重畳しているため、その変位速度(勾配β)が十分大きくなっている。したがってメニスカス振動のピークがメニスカスから分離して微小液滴Dとなり吐出される。
そして第7信号S47を印加することにより、メニスカスは反転してノズル開口面から圧力発生室2に移動する。ノズル開口面より引き込まれたメニスカスはノズル開口面から内側に中立線を移して振動するが、メニスカスは自身の表面張力により十分な時間経過後にノズル開口面の近傍に復帰する。
本実施形態では、第1信号S41で中立線Nをノズル開口面から外の位置N1に押し上げてから、第3信号S43により中立線Nを引き込むため、ノズル開口面からの引き込み量L1が、従来の駆動方法におけるノズル開口面からの引き込み量よりも少なくなり、液滴を吐出させるメニスカスの押し上げ量も少なくて済むため、液滴サイズを小さくすることができる。
また、第1信号S41でメニスカスを振動させ、メニスカスの振動がノズル開口6の内部に向かう時点で、第3信号S43を印加するため、第1信号S41の振動エネルギを有効に利用できて、メニスカス静止状態からメニスカスを引き込む従来の駆動方法と比較して、第3信号の電圧を低減した状態で液滴を吐出することできるため、やはり液滴サイズを小さくすることができる。且つ、液滴吐出速度を高めることができる。
なお、上述の実施形態1,2においては縦振動モードの圧電振動子を使用しているが、圧電材料のスパッタリング等により弾性板に形成した膜状の圧電振動子や単板の圧電振動板を貼り付けた構造のアクチュエータを用いても、静電容量が小さいため2μS程度の時間で圧力発生室を膨張させて液滴吐出のために必要なヘルムホルツ共振振動を発生させることができる。
(吸引装置)
続いて、前述した駆動方法により駆動される微小液滴発生装置を用いた吸引装置について図面を参照して説明する。この微小液滴発生装置は、香味や薬剤等の成分を含む液体(液状物と表すことがある)をミスト等の微小液滴として発生させ(霧化と表すことがある)、吸引して生体内に取り込む装置である。
図11は、吸引装置の一例を示す概要図、図12は構成を模式的に示す断面構成図である。なお、説明の都合上、図中左側を先端、右側を基端として説明する。図11,12に示すように、吸引装置100は、全体形状が棒状をなす装置本体101と、生体が吸引して取り入れるべき所定の成分を含む液体が収納されるカートリッジ121とから構成されている。
装置本体101は、ケース102と、ケース102内に液体を微小液滴化する微小液滴発生装置118と、微小液滴発生装置118の駆動を制御する制御手段127とを備えている。
ケース102の基端部には咥え部107が設けられており、この咥え部107の中心部には、空気や、空気と所定の成分を含む微小液滴の混合気を流通させるための流路103が長手方向に沿って設けられている。流路103は、横断面が円形状をなし、その一方の端部は咥え部107の基端側に開口され、空気と所定の成分を含む微小液滴の混合気を口内に吸引するための吸引口104に連通している。
流路103の途中には、先端に向かって順次拡径するテーパ面105が形成されている。このテーパ面105よりさらに先端側には、ケース102を径方向に貫通する空気取り込み口106が設けられ、この空気取り込み口106を介して流路103が外部に開放されている。空気取り込み口106の数は、図中一つであるが、複数であってもよい。咥え部107を口に咥えて息を吸い込むと、空気取り込み口106を介して流路103内に空気が取り込まれ、この空気は流路103内を吸引口104に向かって流通し口内に流入する。
流路103の長手方向の略中央部に対応する位置には微小液滴発生装置118が設けられている。微小液滴発生装置118は、前述した実施形態1,2と同型のものであり、その構成及び駆動方法の説明は省略するが、ノズル開口6(図2、参照)が流路103に面するように配置されている。そして液体供給流路(図示を省略するが、図1の液体供給流路17に相当)が供給管133に接続されカートリッジ121内に連通されている。微小液滴発生装置118を駆動することによって、カートリッジ121から液状物が微小液滴化され、流路103内を流通する空気との混合気として吸引口104から口内に吸引される。
供給管133は、ケース102の長手方向に沿って延在され、被穿刺部211に接続されている。被穿刺部211は、中空の鋭利な端部331をカートリッジ121に向かって突設してケース102に固定されている。この鋭利な端部331をカートリッジ121に刺挿することによりカートリッジ121と供給管133(液体供給流路17)が連通される。
ケース102には、カートリッジ121から先端方向に電源126、制御手段127が収納されている。また、微小液滴発生装置118と電源126及び制御手段127それぞれは図示しないリード線により電気的に接続されている。
また、空気取り込み口106と微小液滴発生装置118との間には風量センサ119が設けられており、吸引口104より混合気を吸引した際に流路103を流通する混合気の流量を検出する。この検出値により微小液滴の発生量を調整することが可能である。具体的には、強く吸引したときには微小液滴の発生量を多くし、吸引力が弱い場合には発生量を抑制する。吸引しないときには微小液滴発生装置118を駆動せずに微小液滴の発生を停止する。これらは、風量センサ119の検出値に対応して制御手段127でコントロールすることでなし得る。
なお、カートリッジ121内に収容される液体としては、生体が取り入れることが可能な所定の成分を含むものであれば特に限定されず、例えば、溶液、分散液、乳化液等が挙げられる。また、所定の成分としては、例えば、薬効成分、香味成分等が挙げられる。薬効成分と香味成分との両方を含んでいてもよい。
香味成分を含む液状物(香味生成媒体)は、それを液滴として吐出することにより香味を生成することができる媒体であり、用途に応じて適宜選択される。この香味生成媒体には、例えば、種々の天然物からの抽出物質や、それらの構成成分の所定のものが含まれる。香味生成媒体が含有する香味物質としては、例えば電子タバコ(擬似喫煙具)として応用する場合であれば、メンソール、カフェイン、タバコ抽出成分やタバコ煙擬宿物成分等を用いることができる。この場合、香味生成媒体を無害化することが好ましく、有害成分は取り除かれることが好ましい。
また、薬効成分を含む液状物を調製するには、所定の薬剤を生体に無害な油、水、アルコール等に溶解または分散させる。これにより、溶液(薬液)、分散液、乳化液等が得られる。
なお、微小液滴発生装置118を他の用途に用いる場合、液状物質としては、前述した生体が取り入れる所定の成分を含むものには限定されない。
また、本実施形態では吸引装置100は全体形状が棒状の場合を例示したが、この形状も限定されるものではなく、使用形態に対応する形状とすることができる。
上述した吸引装置によれば、カートリッジ121に収容された薬効成分、香味成分を含む液状物を微小液滴発生装置118により微小液滴化する。従って、前述した従来技術のように、吐出手段により吐出した液状物をさらに霧化手段を用いて微小液体粒子化する構造に比べ、吐出手段と霧化手段の機能を有する微小液滴発生装置を備えており構造が単純化されることから小型化が実現できる。また、霧化手段として加熱部を有しないことから安全性を含め携帯型の吸引装置を実現できる。
さらに、本発明の吸引装置は、前述した微小液滴発生装置を採用することにより、液滴の微小液滴化、及び定量コントロールができるために、薬液等には有用な装置である。
実施形態1に係る微小液滴発生装置の組立斜視図。 実施形態1に係る微小液滴発生装置の構造を示す断面図。 実施形態1に係る微小液滴発生装置の駆動方法に使用する信号の一実施例を示す説明図。 図3に示す信号印加に伴うメニスカスの挙動を示す断面説明図。 第2信号S12の継続時間T12と、吐出する液滴の重量との関係を示すグラフ。 実施形態1に係る液滴吐出後のメニスカスの変位をヘルムホルツ共振振動の周期Tcを時間単位として表した説明図。 周期Tcのヘルムホルツ共振振動の波形を模式的に示す説明図。 実施形態2に係る駆動方法に使用する信号の一実施例を示す説明図。 図8に示す信号印加に伴うメニスカスの挙動を示す断面説明図。 実施形態2に係るメニスカスの変位をヘルムホルツ共振振動の周期Tcを時間単位として表した説明図であり、(a)は、第1信号S41を印加したまま放置したときのメニスカスの変位を第1信号S41の印加時点からの時間を周期Tcを時間基準として示し、(b)は第1信号S41の印加後に第3信号S43を印加した場合のメニスカス変位を示し、(c)は第1信号S41から第5信号S45まで印加した後、第6信号S46を印加した場合のメニスカスの変位を示す説明図。 吸引装置の一例を示す概要図。 吸引装置の構成を模式的に示す断面構成図。 従来技術に係るインクジェット式記録ヘッドの駆動方法を示す説明図。
符号の説明
1…液体流路ユニット、2…圧力発生室、6…ノズル開口、10…圧力発生ユニット、11…圧電振動子。

Claims (4)

  1. 周期Tcのへルムホルツ共振周期を備えた圧力発生室と、該圧力発生室を膨張、収縮させる圧電振動子と、を有し、ノズル開口から微小液滴を吐出する微小液滴発生装置の駆動方法であって、
    第1の方向に単調に変化する信号を印加して前記圧力発生室を膨張させてヘルムホルツ共振周波数の振動を誘起させ、前記ノズル開口のメニスカスを液滴が吐出しない程度に振動させる膨張工程と、
    前記圧力発生室を膨張状態に維持する第1の保持工程と、
    前記メニスカスの移動が前記ノズル開口側に反転した以降に前記第1の方向とは逆の方向に変化する信号を印加して、前記圧力発生室の容積を膨張工程における容積変化分よりも小さい容積変化で収縮させる第1の収縮工程と、
    前記圧力発生室の容積を一定に保持し前記メニスカスに周期Tcのヘルムホルツ共振振動を重畳させた状態を維持し、前記メニスカスの中立位置を前記ノズル開口の表面に近づけ、前記ノズル開口の直径よりも小径の微小液滴を吐出させる第2の保持工程と、
    前記圧力発生室をさらに収縮させて元の状態に復帰させる第2の収縮工程と、
    を含むことを特徴とする微小液滴発生装置の駆動方法。
  2. 周期Tcのへルムホルツ共振周期を備えた圧力発生室と、該圧力発生室を膨張、収縮させる圧電振動子と、を有し、ノズル開口から微小液滴を吐出する微小液滴発生装置の駆動方法であって、
    前記圧力発生室を収縮させてヘルムホルツ共振周波数の振動を誘起させて前記ノズル開口のメニスカスを液滴が吐出しない程度に振動させる第1の収縮工程と、
    収縮状態を保持する第1の保持工程と、
    前記圧力発生室を膨張させて振動状態の前記メニスカスを引き込む膨張工程と、
    前記圧力発生室の膨張状態を保持する第2の保持工程と、
    前記メニスカスの移動が前記ノズル開口側に反転した以降に、前記圧力発生室の容積を膨張工程における容積変化分よりも小さい容積変化で収縮させる第2の収縮工程と、
    前記圧力発生室の容積を一定に保持し前記メニスカスに周期Tcのヘルムホルツ共振振動を重畳させた状態を維持し、前記メニスカスの中立位置を前記ノズル開口の表面に近づけ、前記ノズル開口の直径よりも小径の微小液滴を吐出させる第3の保持工程と、
    前記圧力発生室をさらに収縮させて元の状態に復帰させる第3の収縮工程と、
    を含むことを特徴とする微小液滴発生装置の駆動方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の微小液滴発生装置の駆動方法において、
    前記ヘルムホルツ共振振動の振幅を切り替えて前記メニスカスに重畳することを特徴とする微小液滴発生装置の駆動方法。
  4. 液体を収容するカートリッジと、該カートリッジに連通し前記液体を微小液滴として吐出する請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の微小液滴発生装置の駆動方法により駆動される微小液滴発生装置と、
    該微小液滴発生装置の駆動を制御する制御手段と、
    前記カートリッジと前記微小液滴発生装置と前記制御手段とを収納するケースと、
    該ケースに穿設され前記微小液滴を流通する流路と、
    該流路に連通し、前記微小液滴を排出する吸引口と、
    が備えられていることを特徴とする吸引装置。
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