JP2009059848A - コア材とそれを用いたコア、そのコアを使用したチョークコイル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】98%以上の鉄と微量の珪素Si及び硼素Bを含む平均粒径が6μm以上11μm以下の金属磁性粉末であって、その粒子形状が平均アスペクト比が1〜3の金属磁性粉末の表面に、有機金属カップリング剤が0.1〜1.0wt%、有機金属樹脂が0.2〜0.5wt%の絶縁被膜を形成したコア材を、加圧成型した後、焼成してコアを作製する。このコアに巻線を巻回することで、チョークコイルを作製する。
【選択図】図1
Description
(3) 不要輻射ノイズが少ないこと。
(2) 直流重畳特性がフラットである。
(3) 磁性体粉末の粒径が小さい。
(4) トロイダル形状である。
(1) 外形寸法が大きくなる。
(2) 透磁率が小さいため、必要なインダクタンス(数十μH程度)を得るためのコイルの巻数が多くなる。
(3) 他のコア材に比較して、高価である。
(b) 印加される方形波は周波数が高く、電圧も高いため、鉄損をできるだけ抑える。一例として、評価回路は、300KHz、±42Vの周波数と電圧を印加する。
(e) 歪率を低く抑えるため、直流重畳特性をフラットとする。例えば、20μHのコイルで10A程度までとすることが望ましい。
本発明における金属磁性粉末は、98%以上の鉄と微量の珪素Si及び硼素Bを含む平均粒径が6μm以上11μm以下であって、その粒子形状が平均アスペクト比が1〜3のものである。下記の表1は、そのような金属磁性粉末における鉄以外の成分の一例を示すものである。なお、本実施形態では、このような金属磁性粉末として、エプソンアトミック社のPF20鉄粉(商品名)を使用した。
・公称粒度…−423mesh
・平均粒径…9〜11μm(規格値)、10.78μm(実績値)
・タップ密度…4.53g/cm3
下記の工程で作製した圧粉磁心のコアロスを測定した結果、下記の表3に示すように、添加するシリコーン樹脂とシランカップリング剤の割合に応じてコアロスが変化することが認められた。
・成型条件:室温で、10ton/cm2にて成型
・焼鈍条件:窒素雰囲気中で400℃、30分にて焼鈍
・測定条件:100KHz、30mT
f:周波数 Kh,Ke,Kae:比例定数
下記の工程で作製した圧粉磁心の磁気特性((1) 透磁率の周波数特性と(2) 最大磁束密度)を測定した。比較例として、同様な大きさ及び成型条件で作製した従来のカーボニル鉄コイルについても、その磁気特性を測定した。その結果が図2のグラフ及び表4である。
・大きさ:外径29mm、内径12mm、高さ8mm、密度5.63g/cm3
・成型条件:室温で、5ton/cm2 にて成型
・焼鈍条件:窒素雰囲気中で400℃、30分にて焼鈍
図2のグラフに記載のように、実施例2によるコアは、500kHzで透磁率μ’=20の目標値を達成した。一方、比較例として作製したカーボニル鉄コイルは、透磁率μ’=10〜11程度であった。
H=8000A/mでの最大磁束密度は、下記の表4に示すとおり、実施例2のほうが高い磁束密度が得られた。
下記の工程で作製した本発明のコアにより作製したコイルと、従来のカーボニル鉄コイルとを比較評価した。
工程1) 鉄粉に絶縁剤を混合
工程2) 5ton/cm2で圧縮成型
工程3) 400℃熱処理
従来のカーボニル鉄コイルと本発明のコアを使用したコイルとの比較評価のために、それぞれのコアで同等の特性のチョークコイルを設計した。
・外形寸法φ29mm×12mm
・体積7.93cm3
・インダクタンス20μH
・外形寸法φ30mm×14mm
・体積9.90cm3
・インダクタンス20μH
・外形寸法…実施例3のコイルは、従来品に対して体積比で20%減となった。
・直流重畳特性…図3に示すように、実施例3のコイルは、従来品に対してほぼ同等の特性を示した。
・コアロス…図4に示すように、コアとしては、実施例3のコイルと従来品とはほぼ同等の特性となった。
次に、それぞれのチョークコイルをデジタルアンプ回路に搭載して、比較評価を行った。デジタルアンプ回路は、評価用に出願人で製作したものを使用した。
・歪率…図5及び図6に示すように、実施例3のコイルを搭載した場合と従来品を搭載した場合の比較で、ほぼ同等の結果が得られた。
前記の比較例との対比から明らかなように、本実施例においては、次のような効果が確認された。
・特性…デジタルアンプ出力の歪率は、従来品に比べてほぼ同等であった。但し、コアロスは増大した。
・価格…カーボニル鉄コアに比較して、同等の特性となる本実施形態のコア材は、その工場原価が半減することが確認された。
本発明は、前記の実施例に限定されるものではなく、下記のような他の実施形態も包含する。
(1) 金属磁性粉末を還元雰囲気(窒素+水素)にて700℃〜1100℃にて熱処理する。このようにすると、粉末内の結晶粒子を成長させてヒステリシス損失の低減を図ることができる。
(2) 絶縁被膜の形成後、バインダー(PVA、PVB、メチル系などのシリコーン粘着剤など)を混合して、造粒してもよい。このようにすると、成型性が向上し、成型後においてその形状を安定して保持することができる。
(3) 焼鈍温度は、実施例に記載の温度に限定されるものではなく、400℃〜600℃程度であれば、要求される特性を満足するコアを得ることができる。
2…入力
3…出力
Claims (5)
- 98%以上の鉄と微量の珪素Si及び硼素Bを含む平均粒径が6μm以上11μm以下の金属磁性粉末であって、その粒子形状が平均アスペクト比が1〜3の金属磁性粉末の表面に、有機金属カップリング剤が0.1wt%以上、有機金属樹脂が0.2wt%以上の絶縁被膜を形成したことを特徴とするコア材。
- 前記有機金属カップリング剤としてシランカップリング剤を、有機金属樹脂としてシリコーン樹脂を使用したことを特徴とする請求項1に記載のコア材。
- 絶縁被膜の形成後、バインダーを混合して造粒してなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコア材。
- 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコア材を、加圧成型した後、焼成して成ることを特徴とするコア。
- 請求項4に記載のコアに、巻線を巻回して作製されたことを特徴とするチョークコイル。
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