このような構成によれば、遊技盤を構成する板状部材に形成され発光ユニットが埋設される貫通孔が、表面側の開口が裏面側の開口よりも小さいので、装飾シートにおいて板状部材に貼付けられてない部分の範囲を小さくすることができる。これにより、装飾シートについて、板状部材の表面側の開口に対応する部分に外力が加わったときにおいて、当該部分の撓みおよび破れ等の変形を抑制することができる。また、貫通孔内に配置される透光ケースの透光部が、貫通孔の途中に形成された段部を境界として表面側に形成された第1の空間領域に配置されている。したがって、貫通孔内における透光部の配置位置は、貫通孔の途中にある段部の位置が基準となる。これにより、貫通孔と透光部との配置関係は、たとえば、湿度および温度等の変形要因により板状部材が厚さ方向に変形したとき、および、板状部材の厚みの加工寸法に誤差が生じたときのように、板状部材の厚さが変化しても、その厚さの変化により生じるすべての影響のうち一部の影響のみを受けることとなる。これにより、貫通孔と透光部との配置関係は、板状部材の厚さが変化しても、その変化の影響を受けにくくなる。そして、このような透光部は、貫通孔の段部から板状部材の表面までの厚さと略同じ厚さに形成されているので、透光部の先端が板状部材の表面側の開口において板状部材の表面と面一状態となり得る。これにより、透光部は、透光部の先端部により、貫通孔の表面側の開口位置において装飾シートを補強することができ、さらに、板状部材の厚さが変化しても、そのような補強構造を保持することができる。
このような構成によれば、印刷シートの導光部の領域が板状部材の貫通孔における表面側の開口よりも小さいので、装飾シートを板状部材の表面側に貼付したときに、板状部材の貫通孔と印刷シートの導光部との位置関係に多少のずれが生じたときでも、板状部材の貫通孔上に印刷シートの導光部が位置するので、発光体の光を遊技盤の表面側へ導くことが可能となるような位置関係を担保しやすくなるようにすることができる。
このような構成によれば、背紙の導光部の領域が板状部材の貫通孔における前記表面側の開口よりも大きいので、装飾シートを板状部材の表面側に貼付したときに、板状部材の貫通孔と背紙の導光部の領域との位置関係に多少のずれが生じたときでも、板状部材の貫通孔上に背紙の導光部が位置するので、発光体の光を遊技盤の表面側へ導くことが可能となるような位置関係を担保しやすくなるようにすることができる。
このような構成によれば、背紙の導光部の領域が、印刷シートの導光部の領域よりも大きいので、装飾シートにおいて、印刷シートと背紙とを貼付するときに、背紙の孔と印刷シートの孔との位置関係に多少のずれが生じたときでも、背紙の導光部上に印刷シートの導光部が位置するので、発光体の光を遊技盤の表面側へ導くことが可能となるような位置関係を担保しやすくなるようにすることができる。
(5) 遊技の進行を制御し、演出用の電気部品(を制御させるための演出制御コマンド(演出制御コマンド)を送信する遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、
前記遊技制御手段が送信した前記演出制御コマンドに応じて、前記基板の発光体を含む前記電気部品を制御する演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ81)とをさらに備え、
該演出制御手段は、前記演出制御コマンドに基づいて、前記電気部品を制御するための制御信号をシリアル信号方式で出力する出力手段(シリアル出力回路253)を含み、
該出力手段から入力された前記制御信号をシリアル信号方式からパラレル信号方式に変換して前記電気部品に出力するシリアル−パラレル変換回路(盤側IC基板300のシリアル−パラレル変換IC)をさらに備え、
前記演出制御手段は、前記遊技制御手段から前記基板の発光体を動作させるための演出制御コマンドが送信されたことに基づいて、前記基板の発光体を動作させるための制御信号をシリアル信号方式で出力することにより、前記基板の発光体の発光状態を制御する(図3,図4)。
このような構成によれば、シリアル信号方式の制御信号を用いて発光体を含む電気部品を制御することにより、パラレル信号方式の制御信号を用いるときと比べて、発光体を含む電気部品を制御することに関し、制御信号を伝送する配線数を低減することができるとともに、配線の取り回しを容易化することができる。
このような構成によれば、遊技盤において、導電性を有する障害釘と電気的に接続され、導電性物質を含有する導電性塗料により形成されて電気的に接地される導電塗料層が、導電性塗料が塗られた部分と塗られていない部分とからなり、電気抵抗を調整するために当該塗られた部分と塗られていない部分とが所定の態様で組合せた所定の塗装パターンで形成される。このように、導電性塗料の塗装パターンに基づいて導電塗料層の電気抵抗が調整されることにより、導電塗料層の電気抵抗を高くして導電塗料層に過大な漏電電流が流れにくくなるようにすることができる。これにより、漏電電流により遊技盤に生じる不具合を抑制することができる。より具体的には、たとえば、全面的に導電塗料を塗った場合(所謂ベタ塗り)と比較すると、遊技盤において、電気的接地位置までの電流の距離が長くなること、電流が流れる領域の面積が減ること、または、電流経路が蛇行する(曲がる、折れる)こと等の理由により、遊技盤において電流が流れにくくなり、電気抵抗値が上がる。それにしたがい遊技盤を電流が流れるときの電流値が低下し、漏電電流により遊技盤が発熱しにくくなる。
このような構成によれば、遊技盤において、導電性を有する障害釘と電気的に接続され、導電性物質を含有する導電性塗料により形成されて電気的に接地される導電塗料層が、電気抵抗を調整するために導電性塗料における導電性物質の濃度が所定濃度とされる。このように、導電性塗料における導電性物質の濃度を所定濃度とすることに基づいて導電塗料層の電気抵抗が調整されることにより、導電塗料層の電気抵抗を高くして導電塗料層に過大な漏電電流が流れにくくなるようにすることができる。これにより、漏電電流により遊技盤に生じる不具合を抑制することができる。
(8) 前記印刷シートは、前記印刷シートの前記導光部の領域を孔により形成するために切削加工により切り欠かれる領域(切削加工領域Q2)が特定可能に印刷された(図14)。
このような構成によれば、印刷シートにおいて、導光部の領域を孔により形成するために切削加工により切り欠かれる領域が特定可能に印刷されたことにより、印刷シートにおいて、不良箇所が生じたときに、その不良箇所が後の切削加工により切り欠かれる領域であるか否かを判別することができる。つまり、その不良箇所が装飾シートにとって実際に必要となる領域であるか否かを判別することができる。これにより、印刷シートに不良箇所が生じたときには、不良箇所が切削加工により切り欠かれない領域、すなわち、装飾シートにとって実際に必要となる領域であると判別したものに限り、印刷シートを破棄することが可能となり、印刷シートの無用な破棄を抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、および、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、表面側に遊技領域が形成された遊技盤が設けられた遊技機であればよい。
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図、図2は遊技盤6の前面を示す正面図である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を用いて所定の遊技を行なう遊技機であり、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠11とで構成される。遊技枠11は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠2aと、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。前面枠2aの前面側の上部には、図2に示すような額縁状に形成されたガラス扉枠2が開閉可能に設けられている。図2に示すガラス扉枠2は、後述する遊技盤6の遊技領域7をほぼ透視し得る開口部としての円形透視窓が開設され、該円形透視窓の裏面から複層ガラス板が装着されるようになっている。遊技は、ガラス扉枠2が閉じられた状態で行なわれる。
パチンコ遊技機1による遊技は、遊技者が操作ハンドル5により打球発射操作をすることに応じて、遊技球を打球発射装置(図示省略)により発射し、後述する遊技盤6の遊技領域7に遊技球を打込むことにより行なわれる。打球発射装置は、操作ハンドル5が取付けられた部分において、パチンコ遊技機1の内部に設けられている。前面枠2aの前面側の下部においては、ガラス扉枠2の下部に位置する態様で、遊技に用いる遊技球を貯留し、打球発射装置による遊技球の発射位置に球を供給する貯留装置としての打球供給皿(上皿)3が設けられている。
また、前面枠2aの前面側において、打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4が前面側に突出して設けられている。
打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように遊技盤6の表面に円形状に立設された打球レール42を通って遊技領域7の上方に放出され、その後、遊技領域7を流下する。
そして、遊技球が予め定められた入賞領域に進入すれば、入賞となって、景品遊技媒体としての遊技球(以下、賞球という)の払出条件が成立する。その払出条件が成立したことに基づいて、賞球が球払出装置(図示省略)から払出される。球払出装置は、払出モータを駆動することにより遊技球を払出す動作を行なう払出手段である。
前面枠2aの背面には、遊技枠の一部を構成するプラ枠(図示せず)がある。プラ枠は、機構板を含み、機構板に電源回路(図示せず)およびスピーカ27等の部品が取付けられている。また、遊技枠のプラ枠には、遊技枠11と遊技盤6との間の配線を中継する中継基板(図示せず)が設けられている。また、遊技枠11においては、前面枠2aの裏面側に形成される遊技盤収納枠部に収容固定される態様で、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた電気部品(後述する変動表示装置9、演出表示装置91〜93、装飾ランプ25、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、第4通常入賞口39、普通図柄表示器10、始動入賞装置15、および、特別可変入賞球装置20等の電気部品)等の種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7においては、遊技領域7を装飾する絵柄が遊技盤6に印刷されている。また、遊技領域7においては、遊技球の軌道を変えるための障害釘60が、遊技盤6の面に対して直交方向(交差方向)に打込まれた態様で、多数植設されている。障害釘60は、導電性を有する金属により構成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を変動表示する複数の変動表示領域を含む変動表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。また、変動表示装置9の上部には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。変動表示装置9には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動表示を行なう。変動表示装置9は、パチンコ遊技機1の内部に設けられた演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ(図示省略)によって制御される。特別図柄表示器8は表示部が小型であるので、変動表示の態様および変動表示の表示結果が変動表示装置9と比べて見づらいため、遊技者は主として変動表示装置9の方に注目する。
特別図柄表示器8は、たとえば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に当りの種類を把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を変動表示するように構成されていてもよい。また、変動表示装置9は、液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行なう。
なお、本実施の形態においては、変動表示装置9は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、変動表示装置9は、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。また、変動表示装置9は、回転ドラム式表示装置等の機械式の表示装置であってもよい。
変動表示装置9の下方には、遊技球を受入れ可能な入賞領域としての第1始動口15aおよび第2始動口15bを有する始動入賞装置15が設けられている。始動入賞装置15では、上部に第1始動口15aが設けられ、その下部に第2始動口15bが設けられている。第2始動口15bの左右には、開閉動作をすることが可能な態様で一対の可動片13,13が設けられている。第1始動口15aは、上方を向いて開口しており、常に遊技球の進入(受入れ)が可能な状態となっている。一方、第2始動口15bは、上方に第1始動口15aの周囲の構造物が設けられ、左右に可動片13,13が設けられているため、可動片13,13が閉状態であるときに遊技球の進入(受入れ)が不可能な状態となり、可動片13,13が開状態であるときに遊技球の進入(受入れ)が可能な状態となる。このように、第1始動口15aは入賞のしやすさが変化せず、第2始動口15bは可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する。
なお、始動入賞装置15は、可動片13,13が閉状態になっている状態において、第2始動口15bに入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。また、始動入賞装置15は、始動口として、入賞のしやすさが変化しない第1始動口15aのみが設けられたものであってもよく、可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する第2始動口15bのみが設けられたものであってもよい。
始動入賞装置15の可動片13,13は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されることにより、閉状態から所定期間開状態とされた後、閉状態とされる。始動入賞装置15の可動片13,13が開状態となることにより、遊技球が第2始動口15bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、始動入賞装置15の可動片13,13が閉状態となることにより、遊技球が第2始動口15bに入賞しなくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。第1始動口15aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動口15bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14bによって検出される。
変動表示装置9の下部には、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bに入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口15aまたは第2始動口15bに始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。なお、この例では、第1始動口15aまたは第2始動口15bへの入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしてもよく、4個よりも少ない値にしてもよい。
始動入賞装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出された後カウントスイッチ23で検出され、他方の領域に入った遊技球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切換えるためのソレノイド21Aも設けられている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となったときに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放条件が成立し、始動入賞装置15における可動片13,13が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、遊技球を受入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域として、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39よりなる複数の通常入賞口が設けられる。第1通常入賞口29への遊技球の入賞は、第1入賞口スイッチ29aによって検出される。第2通常入賞口30への遊技球の入賞は、第2入賞口スイッチ30aによって検出される。第3通常入賞口33への遊技球の入賞は、第3入賞口スイッチ33aによって検出される。第4通常入賞口39への遊技球の入賞は、第4入賞口スイッチ39aによって検出される。なお、第1始動口15a、第2始動口15b、および、大入賞口も、遊技球を受入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域を構成する。遊技領域7の下部には、入賞しなかった遊技球が取込まれるアウト口26が設けられている。
変動表示装置9の右側方には、変動表示装置9よりも小型の表示領域を備えた液晶表示装置により構成される2つの演出表示装置91,92と、演出表示装置91,92と同様の表示領域を備えたLED表示装置により構成される1つの演出表示装置93とが縦に並ぶ態様で設けられている。これら演出表示装置91〜93は、遊技の演出を行なうために用いられ、演出用の各種の画像を表示する。
遊技領域7において、変動表示装置9の左斜上方には、遊技盤6に形成された貫通孔(後述する貫通孔610)内に埋設された態様で装飾的に発光させられる埋設ランプ24が2つ左右に並んで設けられている。2つの埋設ランプ24は、図1および図2に示すように、たとえば、遊技盤6に印刷されたキャラクタの絵柄の目を構成する等(たとえば、絵柄として銃器が描かれているときの銃口を構成するようにしてもよい)、遊技盤6に印刷された絵柄の一部を構成している。なお、2つの埋設ランプ24は、遊技盤6に印刷された絵柄との関連性を有さずに、単に発光による装飾目的で設けられてもよい。
また、遊技領域7の左右周辺には、装飾的に発光させられる装飾ランプ25が設けられている。遊技領域7の外周には、装飾的に発光させられる天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には飾りランプ(図示省略)が設置されている。
前述のような埋設ランプ24、装飾ランプ25、天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、および、飾りランプは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例であり、LEDにより構成されている。
そして、遊技領域7の外側において、左側方には、賞球払出中に点灯する賞球ランプ51が設けられ、右側方には、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。
パチンコ遊技機1の側方には、遊技者所有の記録媒体としてのプリペイドカード(磁気カードよりなる)を受付け(挿入口に挿入される)、そのプリペイドカードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技用価値としての残額(残高ともいう)の使用に基づいて貸球としての遊技球を遊技者に貸出す(貸与する)ための処理を行なう記録媒体処理装置であるプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」といい、図3にカードユニット50として示す)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される。カードユニットには、たとえば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニットがいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット内にプリペイドカードが投入(挿入)されていることを示すカード投入表示ランプ、および、プリペイドカードが挿入されるカード挿入口等が設けられている。このように貸出す遊技球は、払出モータを駆動することにより遊技球を払出す動作を行なう球払出装置(図3参照)を駆動する制御を行なうことにより、払出される。このように貸出された遊技球により、パチンコ遊技機1での遊技球を用いた遊技が可能となる。カードユニットには、プリペイドカードの処理に関する制御および貸し球の貸出しに関する制御等の各種制御を行なうためのカードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。なお、カードユニットの機能は、パチンコ遊技機1に内蔵してもよい。
そして、パチンコ遊技機1においては、遊技者が操作ハンドル5を操作することにより、打球供給皿3に貯留された遊技媒体である遊技球を弾発発射し、その遊技球を遊技盤6に形成された遊技領域7に打込んで、以下に説明するような所定の遊技が行なわれる。そして、遊技において遊技領域7に設けられた各種入賞領域へ遊技球が受入れられて入賞が生じれば、払出条件が成立し、その払出条件が成立したことに基づいて景品として、景品遊技媒体である賞球(遊技球)が打球供給皿3に払出される。このような賞球は、前述の球払出装置を駆動する制御を行なうことにより、払出される。このように、球払出装置97は、貸し球の払出しと賞球の払出しとのそれぞれに用いられる。球払出装置97には、遊技機の裏面側上部に設けられた遊技球の貯留手段である球タンク(図20参照)から、払出すための遊技球が供給される。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レール42を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が、第1始動口15aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されるか、または、第2始動口15bに入り第2始動口スイッチ14bで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間(たとえば30秒)経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放中に遊技球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、たとえば15ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。なお、V入賞領域を設けずに、各ラウンドにおいて無条件で継続権が発生するように制御してもよい。
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後において、大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
また、特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8、変動表示装置9、および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄および飾り図柄の変動表示が所定回数(100回)行なわれるまでの、いずれか早い方の条件が成立するまで継続される。
また、入賞に応じた遊技球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて始動入賞装置15の可動片13,13が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動口15bへの入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだ遊技球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出される遊技球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。たとえば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施の形態の場合では、たとえば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
また、前述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行なわれる。記憶変動短縮制御は、特別図柄の保留記憶数が所定個数未満となった段階で終了する。したがって、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間が短縮される場合がある。
変動表示装置9において変動表示される飾り図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに飾り図柄の表示結果が導出表示されて飾り図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、変動表示装置9により、左,中,右図柄がゾロ目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および飾り図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。
特別図柄表示器8と変動表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、パチンコ遊技機1に搭載されている払出制御基板37、ランプドライバ基板35、インタフェース基板68、中継基板77、演出制御基板80、および、電源基板910も示されている。
主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ560と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、および、第4入賞口スイッチ39aからの信号の他、電源断信号およびクリア信号等の各種信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58と、始動入賞装置15の可動片13,13を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内の経路を切換えるためのソレノイド21Aを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59と、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって各種の情報信号をホール管理コンピュータ等のパチンコ遊技機1の外部に設けられた装置に出力する情報出力回路53とが搭載されている。情報出力回路53から出力された情報信号は、パチンコ遊技機1の外部に出力される。
情報出力回路53から出力される情報信号としては、確変大当り、非確変大当り等の大当りの種類を特定した大当りの発生を示す信号等の所定の情報信号が含まれる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行なうプロセッサであるCPU56、および、I/Oポート506を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、CPU56の他に少なくともRAM55が内蔵されていればよい。また、ROM54およびI/Oポート506は、外付けであっても内蔵されていてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ560で実現されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、クロック信号を発生させるクロック回路、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ、乱数回路、および、CPU56に割込要求信号を送出するCTCを内蔵する。
乱数回路は、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、256)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値として読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。また、確変とするか否かを決定するための確変判定、特別図柄の変動表示結果となる図柄の決定、および、特別図柄の変動パターンの決定等、大当り判定以外の各種制御にも乱数値が用いられるが、これらの乱数値は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するソフトウェアに数値データを更新するランダムカウンタを用いて生成される。なお、乱数回路が発生させた乱数は、前述の確変判定、図柄の決定、および、変動パターンの決定等、大当りとするか否かの判定以外の判定用乱数として用いてもよい。
乱数回路は、ユーザによる数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および、数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能により、乱数回路は、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
クロック回路は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を2の7乗(=128)分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路に出力する。リセットコントローラ502は、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路に所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ560をシステムリセットする。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、発生可能な乱数の値の範囲が異なる2つの乱数回路を搭載する。第1の乱数回路は、12ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、12ビット乱数回路ともいう)である。12ビット乱数回路は、12ビットで発生できる範囲(すなわち、1から4095までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。また、第2の乱数回路は、16ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、16ビット乱数回路ともいう)である。16ビット乱数回路は、16ビットで発生できる範囲(すなわち、1から65535までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。2つの乱数回路は、予め選択されたどちらか一方の回路が乱数の発生に用いられる。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が2つの乱数回路を内蔵する場合を説明するが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つの乱数回路を内蔵してもよく、3以上の乱数回路を内蔵してもよい。また、この実施の形態では、12ビット乱数回路および16ビット乱数回路を包括的に表現する場合、または、12ビット乱数回路と16ビット乱数回路とのうちいずれかを指す場合に、乱数回路という。
また、RAM55は、その一部または全部が後述する電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを、遊技の進行状態を示すデータと定義する。この実施の形態では、RAM55の全部の記憶領域が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、後述する電源基板910からのリセット信号が入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータのリセット端子にも、後述する電源基板910からのリセット信号が入力される。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータは動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータは動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータの動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータの動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(主基板31を含む)に搭載してもよいし、複数の電気部品制御基板のうち一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の電気部品制御基板に供給するようにしてもよい。
さらに、払出制御基板37を経由して、後述する電源基板910からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力ドライバ回路58に入力される。電源断信号は、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力ドライバ回路58に入力される。クリア信号は、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートに入力される。
また、クリア信号は、主基板31において分岐され、払出制御基板37にも供給される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が入力ポートを介して入力したクリア信号の状態を、出力ポートを介して払出制御基板37に出力してもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、ランプ制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御基板80には、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、変動表示装置9等での表示制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータ81等の電気部品制御手段が搭載されている。
演出制御用マイクロコンピュータ81は、表示制御用のプログラム等を記憶するROM84と、ワークメモリとして使用されるRAM85と、プログラムにしたがって表示制御動作を行なうプロセッサであるCPU86と、I/Oポート87とを含む。この演出制御用マイクロコンピュータ81は、演出制御コマンドに応じて、変動表示装置9の変動表示等の各種表示の演出に関する制御と、演出表示装置91,92での演出に関する制御と、演出表示装置93、賞球ランプ51、球切れランプ52、装飾ランプ25、天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cおよび埋設ランプ24の制御(ランプ制御)と、スピーカ27を用いた遊技音発生制御(音制御)とを含む各種演出に関する制御を行なう。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載するシリアル出力回路78は、シフトレジスタ等によって構成され、CPU56が出力する演出制御コマンドをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。また、シリアル出力回路78は、CPU56が出力する制御信号をシリアルデータに変換して、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力する。なお、特別図柄表示器8、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10および普通図柄保留記憶表示器41には、シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換ICがそれぞれ設けられ、中継基板77からの制御信号をパラレルデータに変換して、特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に供給される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、LED制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)をシリアルデータ方式で送信する。シリアルデータ方式の演出制御コマンドは、たとえば、そのシリアルデータの送信前にローレベル信号のスタートビットを送信し、そのシリアルデータの送信後にハイレベル信号のストップビットを送信する。このようなスタートビットとストップビットとにより演出制御コマンドの取込みタイミングが示されるので、演出制御用マイクロコンピュータ81では、スタートビットとストップビットとの間に送信されたシリアルデータを演出制御コマンドとして受信する。
演出制御基板80には、変動表示装置9、演出表示装置91,92の制御(表示制御)と、演出表示装置93、賞球ランプ51、球切れランプ52、装飾ランプ25、天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cおよび埋設ランプ24の制御(発光制御)と、スピーカ27を用いた遊技音発生制御(音制御)とを含む各種演出に関する制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータ81等の電気部品制御手段が搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのシリアルデータ方式の演出制御コマンドを中継基板77を介して受信し、受信した演出制御コマンドに応じて、前述のような表示制御、ランプ制御、および、音制御を行なう。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、中継基板88を介して、盤側IC基板300にシリアルデータ方式の制御信号を送り、その制御信号に基づいて、盤側機器400の制御を行なう。ここで、盤側IC基板300は、遊技盤6側に設けられている各種基板である。また、盤側機器400は、遊技盤6側に設けられているランプ等の各種機器である。
盤側IC基板300に含まれる各基板は、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載されており、シリアルデータ方式の制御信号をパラレル方式の制御信号に変換し、その制御信号に基づいて、盤側機器400のうち制御対象の機器を駆動する。なお、盤側IC基板300に含まれる一部の基板には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのパラレル−シリアル変換IC(以下、入力ICという)が搭載されており、盤側機器700の一部から送られてきたパラレルデータ方式の信号をシリアルデータ方式の信号に変換し、その信号を、中継基板88を介して、演出制御用マイクロコンピュータ81に送信する基板も含まれてもよい。
盤側IC基板300は、左装飾基板251a、右装飾基板252a、および、2つの埋設ランプ基板241,241を含む。また、盤側機器400は、左装飾ランプ251、右装飾ランプ252、および、2つの埋設ランプ24,24を含む。なお、盤側IC基板300は、埋設ランプ24,24専用のIC基板として、発光ユニット200内に設けられてもよい。
盤側IC基板300と盤側機器400との対応関係は、次の通りである。左装飾基板251aは、左装飾ランプ251を駆動する。右装飾基板252aは、右装飾基板252aを駆動する。各埋設ランプ基板241は、各埋設ランプ24を駆動する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、中継基板88および中継基板89を介して、枠側IC基板800にシリアルデータ方式の制御信号を送り、その制御信号に基づいて、枠側機器900の制御を行なう。ここで、枠側IC基板800は、遊技盤6以外の遊技枠等の枠側に設けられている各種基板である。また、枠側機器900は、遊技盤6以外の遊技枠等の枠の側に設けられている各種機器である。
枠側IC基板800に含まれる各基板は、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載されており、演出制御用マイクロコンピュータ81からのシリアルデータ方式の制御信号をパラレルデータ方式の制御信号に変換し、その制御信号に基づいて、枠側機器900のうち制御対象の機器を駆動する。なお、枠IC基板800に含まれる一部の基板には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのパラレル−シリアル変換IC(以下、入力ICという)が搭載されており、枠側機器900の一部から送られてきたパラレルデータ方式の信号をシリアルデータ方式の信号に変換し、その信号を、中継基板89,88を介して、演出制御用マイクロコンピュータ81に送信する基板も含まれてもよい。
枠側IC基板800は、演出基板93a、天基板281a、左前基板282a、および、右前基板283aを含む。枠側IC機器900は、演出表示装置93、天枠ランプ281、左枠ランプ282、賞球ランプ51、右枠ランプ283、および、球切れランプ52を含む。
枠側IC基板800と枠側機器900との対応関係は、次の通りである。演出基板93aは、演出表示装置93を駆動する。天基板281aは、天枠ランプ281を駆動する。左前基板282aは、左枠ランプ282および賞球ランプ51のそれぞれを駆動する。右前基板283aは、右枠ランプ283および球切れランプ52のそれぞれを駆動する。
演出制御基板80、中継基板88および中継基板89は、1系統の配線ルート(たとえば、バス型)で接続される。
図4は、中継基板77および演出制御基板80の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、演出制御に関して演出制御基板80のみを設ける場合を示すが、LEDドライバ基板および音声出力基板を設けてもよい。この場合、LEDドライバ基板および音声出力基板には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU86、RAM85、シリアル出力回路253、シリアル入力回路254、クロック信号出力部256、および、入力取込信号出力部257を含む演出制御用マイクロコンピュータ81を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU86は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、シリアル入力回路260および入力ポート261を介して演出制御コマンドを受信する。この場合、シリアル入力回路260は、シリアルデータ方式として受信した演出制御コマンドをパラレルデータに変換し出力する。また、演出制御用CPU86は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262aに変動表示装置9の表示制御を行なわせる。演出制御用CPU86は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262bに演出表示装置91の表示制御を行なわせる。演出制御用CPU86は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262cに演出表示装置92の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ81と共動して変動表示装置9の表示制御を行なうVDP262a〜262cが演出制御基板80に搭載されている。これらVDPは、演出制御用マイクロコンピュータ81とは独立したアドレス空間を有し、それぞれに対応して設けられたVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、各VDPは、対応するVRAM内の画像データをフレームメモリを介して、対応する表示装置(変動表示装置9、演出表示装置91、演出表示装置92)に出力する。
演出制御用CPU86は、受信した演出制御コマンドにしたがってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令を各VDPに出力する。CGROMは、変動表示装置9、演出表示装置91、および、演出表示装置92のそれぞれに表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。各VDPは、演出制御用CPU86の指令に応じて、CGROMから画像データを読出し、読出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図14には、ダイオードが例示されている。
さらに、演出制御用CPU86は、シリアル出力回路253を介して、LEDよりなる各種ランプを駆動する信号を出力する。シリアル出力回路263は、入力したLEDを駆動する信号(パラレルデータ)をシリアルデータに変換して中継基板88に出力する。また、演出制御用CPU86は、音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。
また、クロック信号出力部256は、クロック信号を中継基板88に出力する。クロック信号出力部256からのクロック信号は、中継基板88,89を介して枠側IC基板800に含まれる各基板に搭載されたシリアル−パラレル変換ICや入力ICに供給される。また、クロック信号出力部256からのクロック信号は、中継基板88を介して盤側IC基板300に含まれる各基板に搭載されたシリアル−パラレル変換ICや入力ICに供給される。したがって、この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換ICおよび各入力ICに共通のクロック信号が供給されることになる。
また、入力取込信号出力部257は、演出制御用CPU86の指示にしたがって、中継基板88,89を介して、枠側IC基板800に入力取込信号(ラッチ信号)を出力するための構成要素である。枠側IC基板508に入力ICが搭載された場合、演出制御用マイクロコンピュータ81からの入力取込信号を入力すると、入力ICに接続されたセンサ等の検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板88,89を介して演出制御用マイクロコンピュータ81に出力する。この実施の形態では、入力取込信号出力部257は用いられていない。
音声合成用IC173は、音番号データを入力すると、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ81は、制御信号としてのシリアルデータとともに、クロック信号を中継基板89に出力する。また、入力ICに入力信号をラッチさせるための入力取込信号を中継基板88に出力する。
中継基板88は、演出制御用マイクロコンピュータ81から入力したシリアルデータおよびクロック信号を、盤側IC基板300に搭載された各シリアル−パラレル変換ICに供給する。そして、各シリアル−パラレル変換ICは、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していれば入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技盤6に設けられた対応する機器に供給する。
また、中継基板89は、1系統の配線ルート(たとえば、バス型)で中継基板88と接続されており、各シリアル−パラレル変換ICに接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、盤側IC基板上でバス形式に接続されている。また、盤側IC基板に搭載された各シリアル−パラレル変換ICには、それぞれ固有のIDがある。
中継基板89に入力されたシリアルデータおよびクロック信号は、枠側IC基板800に含まれる各基板に搭載されたシリアル−パラレル変換ICに供給される。そして、各シリアル−パラレル変換ICは、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していれば入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、対応する機器に供給する。
また、各シリアル−パラレル変換ICに接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、各枠側IC基板上でバス形式に接続されている。また、シリアル−パラレル変換ICに接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、中継基板89から直接接続される。また、各枠側IC基板に搭載された各シリアル−パラレル変換ICにはそれぞれ固有のIDがある。
盤側IC基板300に搭載されたシリアル−パラレル変換ICと枠側IC基板800に搭載されたシリアル−パラレル変換ICとは、1系統の配線を介して接続されている。1系統の配線を介して接続とは、具体的には、各中継基板88,89がバス型に接続されているとともに、各シリアル−パラレル変換ICがバス型またはデイジーチェーン型に接続されていることである。なお、この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換ICはバス型に接続されている。このように、この実施の形態では、盤側IC基板に搭載された各シリアル−パラレル変換ICと、各枠側IC基板に搭載された各シリアル−パラレルICとが、中継基板88,89を介してコネクタを用いて1系統の配線を介して接続されている。そのため、コネクタの着脱を行なうだけで前面枠と遊技盤6との配線作業を行なうことができ、前面枠と遊技盤6との着脱作業をさらに容易に行なえるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、盤側IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換IC、枠側IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換ICおよび入力ICに、演出制御用マイクロコンピュータ81から共通のクロック信号を入力する。そのため、シリアル−パラレル変換ICへのクロック信号の配線と入力ICへのクロック信号の配線とを共通化することができ、演出制御手段と盤側IC基板との間の通信、および演出制御手段と枠側IC基板との間の通信を、それぞれ1チャネルを用いて実現することができ、配線数を低減することができる。また、盤側IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換IC、枠側IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換IC、および入力ICを容易に同期させることができ、クロック信号用の配線数も低減することができる。
この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換ICには、予めアドレスが付与されており、演出制御用マイクロコンピュータ81は、シリアルデータに変換した制御信号を出力する際に、シリアルデータにアドレスを付加して出力する。なお、制御信号は、固定長(コマンドのバイト数(たとえば2バイトや3バイトのコマンド))のコマンドで構成され、アドレスに対応するビットを異ならせている。各IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換ICは、シリアルデータを入力すると、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していればパラレルデータに変換して対応する機器に供給する(すなわち、出力する)。アドレスが合致していなければ対応する機器への供給は行なわない。
なお、演出制御コマンドを送信するための信号線としては、1本の信号線でコマンドを送信するシリアル信号線ではなく、複数の信号線でコマンドを送信するパラレル信号線を用いる構成を採用してもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す賞球制御信号としての払出制御コマンドを出力する。たとえば、カウントスイッチ23により検出される大入賞口への1個の入賞球に対して払出される賞球個数が15個、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aへの1個の入賞球に対して払出される賞球個数が10個、第1始動口スイッチ14aおよび第2始動口スイッチ14bへの1個の入賞球に対して払出される賞球個数が4個というように、賞球個数を示す払出制御コマンドが出力される。払出制御用マイクロコンピュータにおいては、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの払出制御コマンドに基づく賞球個数を未払出数に加算し、球払出装置97を駆動して未払出数分の賞球を払出す制御を行なう。また、図示を省略するが球払出装置97から払出した遊技球の個数を検出する払出個数カウントスイッチが設けられており、その払出個数カウントスイッチからの払出検出信号に基づいて、払出制御用マイクロコンピュータは、払出した数を前述の未払出数から減算することにより、未払出数を管理する。
カードユニット50は、インタフェース基板68を介して払出制御基板37に接続されている。カードユニット50と払出制御基板37の間では、インタフェース基板68を介して、カードユニット50と払出制御基板37との間では、インタフェース基板68を介して、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)が入力ポートおよび出力ポートを介して送受信される。このような信号がカードユニット50と払出制御基板37との間でやりとりされることに基づいて、球払出装置97が駆動制御され、遊技球の貸出しが行なわれる。
また、払出制御基板37では、予め定められた遊技球の発射許可条件が成立しているか否かを判断し、遊技球の発射を許可するときには、発射許可信号を発射制御基板107に送信する。発射制御基板107には、発射モータ601を駆動するための回路である発射モータ駆動回路1071等の回路が設けられている。さらに、発射制御基板107には、タッチセンサ110および単発発射スイッチ109からの信号がそれぞれ与えられる。
発射制御基板107では、発射許可信号を受信しているときにおいて、遊技者が操作ハンドル5に触れることによりタッチセンサ110からのタッチ検出信号がオン状態になると、発射制御基板107の発射モータ駆動回路1071から発射モータ601に、発射モータ601を駆動するための駆動信号が出力される。また、発射モータ601が駆動されているときにおいて、遊技者が操作ハンドル5から手を離すことによりタッチセンサ110からのタッチ検出信号がオフ状態になると、発射制御基板107は、発射モータ601を駆動するために発射モータ駆動回路1071から出力される駆動信号を停止させる。
また、発射モータ601が駆動されているときにおいて、単発発射スイッチ109が押圧操作されて、単発発射スイッチ109からの単発発射スイッチ検出信号がオン状態となっているときには、発射モータ駆動回路1071は、発射モータ601を駆動するための駆動信号の出力を停止させる。そして、単発発射スイッチ109の押圧操作が解除されて、単発発射スイッチ109からの単発発射スイッチ検出信号がオフ状態となったときには、発射モータ駆動回路1071は、発射モータ601を駆動するための駆動信号の出力を再開させる。
電源基板910は、パチンコ遊技機1に設けられ、交流電源に接続され、パチンコ遊技機1内の各種電気部品へ各種の電源電力を供給するための基板である。電源基板910は、たとえば、主基板31、払出制御基板37、および、演出制御基板80等の各種基板の他、各種機構部品等の各種の電気部品への電源電力を供給する。
次に、電源基板910の構成を図5および図6のブロック図を参照して説明する。図5および図6は、電源基板910における直流電圧作成部分を示すブロック図である。
電源基板910には、遊技機内の各電気部品制御基板や機構部品等の各種電気部品への電力供給を実行または遮断するための電源スイッチ914が設けられている。なお、電源スイッチ914は、パチンコ遊技機1において、電源基板910の外に設けられていてもよい。電源スイッチ914が閉状態(オン状態)では、交流電源(AC24V)がトランス911の入力側(一次側)に印加される。トランス911は、交流電源(AC24V)と電源基板910の内部とを電気的に絶縁するためのものであるが、その出力電圧もAC24Vである。また、トランス911の入力側には、過電圧保護回路としてのバリスタ918が設置されている。なお、トランス911は、電源基板910上ではなく、電源基板910の外部に設けられてもよい。
電源基板910は、電気部品制御基板(主基板31、払出制御基板37および演出制御基板80)と独立して設置され、遊技機内の各電気部品制御基板および機構部品等の各種電気部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+34V)、VLP(DC+24V)、VDD(DC+12V)およびVCC(DC+5V)を生成する。また、バックアップ電源(VBB)すなわちバックアップRAMに記憶内容を保持させるための記憶保持手段となるコンデンサ916は、DC+5V(VCC)すなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。また、+5Vラインとバックアップ+5V(VBB)ラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。なお、VSLは、整流平滑回路915において、整流素子でAC24Vを整流昇圧することによって生成される。VSLは、ソレノイド駆動電源となる。また、VLPは、ランプ点灯用の電圧であって、整流回路912において、整流素子でAC24Vを整流することによって生成される。
電源電圧生成手段としてのDC−DCコンバータ913は、1つまたは複数のレギュレータIC(図5では2つのレギュレータIC924A,924Bを示す。)を有し、VSLに基づいてVDDおよびVCCを生成する。レギュレータIC(スイッチングレギュレータ)924A,924Bの入力側には、比較的大容量のコンデンサ923A,923Bが接続されている。従って、外部からの遊技機に対する電力供給が停止したときに、VSL、VDD、VCC等の直流電圧は、比較的緩やかに低下する。
図6に示すように、トランス911から出力されたAC24Vは、そのままコネクタ922Aに供給される。また、VLPは、過電流の供給を防止する過電流防止手段としてのヒューズF01を介してコネクタ922Bに供給される。また、ヒューズF01のコネクタ922B側とグラウンド(接地電位)との間には、LED(LD01)と抵抗(R01)の直列体が接続されている。
VSLは、ヒューズF02を介してコネクタ922Aに供給される。ヒューズF02のコネクタ922A側とグラウンドとの間には、LED(LD02)と抵抗(R02)の直列体が接続されている。また、VSLは、ヒューズF03を介してコネクタ922Bに供給される。ヒューズF03のコネクタ922B側とグラウンドとの間には、LED(LD03)と抵抗(R03)の直列体が接続されている。さらに、VSLは、ヒューズF04を介してコネクタ922Cに供給される。ヒューズF04のコネクタ922C側とグラウンドとの間には、LED(LD04)と抵抗(R04)の直列体が接続されている。
VDDは、ヒューズF05を介してコネクタ922Aに供給される。ヒューズF05のコネクタ922A側とグラウンドとの間には、LED(LD05)と抵抗(R05)の直列体が接続されている。また、VDDは、ヒューズF06を介してコネクタ922Bに供給される。ヒューズF06のコネクタ922B側とグラウンドとの間には、LED(LD06)と抵抗(R06)の直列体が接続されている。さらに、VDDは、ヒューズF07を介してコネクタ922Cに供給される。ヒューズF07のコネクタ922C側とグラウンドとの間には、LED(LD07)と抵抗(R07)の直列体が接続されている。
VCCは、ヒューズF08を介してコネクタ922Aに供給される。ヒューズF08のコネクタ922A側とグラウンドとの間には、LED(LD08)と抵抗(R08)の直列体が接続されている。また、VCCは、ヒューズF09を介してコネクタ922Bに供給される。ヒューズF09のコネクタ922B側とグラウンドとの間には、LED(LD09)と抵抗(R09)の直列体が接続されている。さらに、VCCは、ヒューズF10を介してコネクタ922Cに供給される。ヒューズF10のコネクタ922C側とグラウンドとの間には、LED(LD10)と抵抗(R10)の直列体が接続されている。
なお、コネクタ922Aに接続されるケーブルは、払出制御基板37に接続される。また、コネクタ922Bに接続されるケーブルは、演出制御基板80に接続される。そして、コネクタ922Cに接続されるケーブルは、主基板31に接続される。従って、コネクタ922Cには、VBBも供給されている。
また、電源基板910には、押しボタン構造のクリアスイッチ921が搭載されている。クリアスイッチ921が押下されるとローレベル(オン状態)のクリアスイッチ信号が出力され、コネクタ922Cを介して主基板31に送信される。また、クリアスイッチ921が押下されていなければハイレベル(オフ状態)の信号が出力される。なお、クリアスイッチ921は、押しボタン構造以外の他の構成であってもよい。また、クリアスイッチ921は、パチンコ遊技機1において、電源基板910以外に設けられていてもよい。
また、ヒューズF01〜F10は、取り外しが可能(交換可能)なタイプのものではなく、電源基板910に固定されているタイプのものである。すなわち、交換不能に基板(この例では電源基板910)に設置されている。ヒューズF01〜F10が交換可能なタイプのものである場合には、電源基板910や電気部品制御基板において短絡故障等のような不具合が発生したときにヒューズ交換がなされ、真の不具合原因が不明なまま遊技機が稼働状態に戻されてしまうおそれがある。その場合、不具合が直ぐに再発することが予想される。しかし、ヒューズF01〜F10を交換不可能なタイプのものにしておけば、電源基板910において不具合が発生したときに、真の不具合原因を探す行為に誘導される。
電源基板910において、図6に示されたようなLED(LD01〜LD10)が設けられている場合、電源基板910および各電気部品制御基板において短絡故障等のような不具合が発生していなければ、各LED(LD01〜LD10)は点灯状態である。換言すれば、各LED(LD01〜LD10)が点灯状態であれば、電源基板910および各電気部品制御基板において短絡故障等のような不具合が発生していないことがわかる。
次に、遊技盤6の構造について説明する。図7および図8は、遊技盤6の断面図である。図7においては、セルシート600が1枚のシートとして図示されている。一方、図8においては、多層構造よりなるセルシート600の層状の構成を明確化するために、図7においてセルシート600の厚さ方向の寸法のみ拡大して示す図である。したがって、図7および図8は、同じセルシート600を示す図であるが、セルシート600の厚さ方向の表現が異なる。図7および図8においては、障害釘60と遊技盤6との関係も示されており、図9は、遊技盤6の構成要素を分解して示す分解図である。以下、遊技盤6の構造を図7、図8および図9を用いて説明する。
図7を参照して、遊技盤6においては、遊技盤6のベース(基体)となる部材である木製の平板状の板状部材61の表面側に、薄い多層構造の装飾シートであるセルシート600が貼付されている。そして、障害釘60は、セルシート600を貫通して、先端部が板状部材61内に達する態様で遊技盤6に打込まれている。また、始動入賞装置15等の各種の電気部品Sは、位置決め用の突起として設けられた棒状の突出部151が、セルシート600を貫通して、遊技盤6に形成された位置決め穴680に差込まれた態様で、遊技盤6に取付けられている。
図7および図8の断面図および図9の分解図を参照して、板状部材61の表面側には、背紙66と印刷シート63と透明フィルム65とが積層された態様のセルシート600が、透明の接着剤層67を介して貼付けられている。セルシート600においては、印刷シート63と透明フィルム65とが、透明の接着シート64を用いて貼付けられ、印刷シート63と背紙66とが透明の接着シート62を用いて貼付けられている。
印刷シート63は、遊技盤6の絵柄等が表面側に印刷された不透明の印刷シートである。印刷シート63の裏面側の一部(後述する埋設ランプ24用の貫通孔610に対応する部分)には、図8および図9に示すように、光を拡散させる性質を有するマスク69が印刷されている。なお、マスク69は、印刷されずに、光を拡散させる機能を有するシート状のマスクシートが印刷シート63の裏面側に貼付けられてもよい。透明フィルム65は、印刷シート63の表面側を覆う透明のフィルム状の部材である(たとえば、118μmの厚み)。背紙66は、クラフト紙よりなる不透明の部材であり、裏面側に、導電性物質を主な着色剤として含有する導電性塗料が印刷されている。
板状部材61としては、合板が用いられている(板状部材61の材質としては、ベニヤ板等の合板、および、プラスチックまたはABS樹脂等の木材および合成樹脂を用いた板状部材であればどのようなものでもよい)。透明フィルム65としては、トリアセチルセルロースが用いられている。印刷シート63としては、片アート紙が用いられている。接着シート62,64としては、熱可塑性を有する接着シートが用いられている。
印刷シート63においては、表面側に前述のような絵柄を印刷してなる印刷層631(30μm)が形成されている。印刷層631は、たとえば、導電性物質以外の顔料を主な着色剤として含有する塗料を印刷してなる。たとえば、印刷層631は、スクリーン印刷による多色刷りが行なわれることにより、絵柄が印刷された印刷層である。
また、印刷シート63においては、貫通孔610における表面側の開口610aに臨む位置に、光を拡散させるためのマスク層69が裏面側に形成されている。マスク層69は、たとえば、光拡散効果を有するシリカ、酸化チタン等の無機粉末、アクリル、または、ポリプロピレン等の樹脂粉末等を含む光拡散インクを、印刷シート63に印刷してなる。なお、シート状のマスクシートを貼付けることによりマスク層69を形成する場合、マスクシートは、たとえば、シボシートのような光拡散シートを用いてもよい。
背紙66においては、裏面側に、導電性物質を主な着色剤として含有する導電性塗料を印刷してなる導電塗料層661(30μm〜300μm)が形成されている。具体的に、導電性塗料としては、導電性物質としてカーボンを含有するカーボンインクが用いられている。導電塗料層661は、電気的に接地されている。前述した導電塗料層661は、層の厚みを増すことが可能であり、層の厚みを調整することに基づいて、電気抵抗を調整することが可能である。
背紙66、導電塗料層661、接着シート62、印刷シート63、印刷層631、接着シート64、および、透明フィルム65が積層された状態の積層体は、一体的なシート状の部材と見なされ、セルシート600と呼ばれる。板状部材61の表面側においては、このようなセルシート600が接着剤層67を介して貼付けられる。なお、接着剤層67を接着シートにより構成し、セルシート600が、接着シートを含んでもよい。
セルシート600は、前述したような一体的なシート状の部材として製造される。より具体的には、印刷シート63の表面側に印刷層631を印刷する行程と、印刷シート63に埋設ランプ24からの光を遊技盤6の表面側へ導くための導光部として導光孔(図8の導光孔630)を形成する行程と、印刷シート63の裏面側にマスク層69を印刷する行程と、背紙66の裏面側に導電塗料層661を印刷する行程と、背紙66に埋設ランプ24からの光を遊技盤6の表面側へ導くための導光部として導光孔(図8の導光孔660)を形成する行程と、透明フィルム65と印刷シート63とを接着シート64を介して接着する行程と、背紙66と印刷シート63とを接着シート62を介して接着する行程とを含む製造行程により、一体的なシート状の部材としてセルシート600が製造される。
このようなセルシート600は、パチンコ遊技機1の組立て時(製造時の組立て時)において、接着剤による接着剤層67を形成することにより、板状部材61の表面側に貼付けられる。
そして、パチンコ遊技機1の組立て時においては、セル貼り工程において、板状部材61をホットプレス装置で押しながら所定温度に温め、板状部材61の表面側に糊付け装置でエマルジョンタイプの接着剤(接着剤層67を構成する接着剤)を付けた後に、位置決めをする合せ装置上で板状部材61を位置決め停止し、次に、この板状部材61の接着剤上にセル供給装置により、前述のセルシートを位置決め搭載し、さらに、コールドプレス装置でセルシートを板状部材61に常温で押付けて接着剤で結合させることで、セルシートを板状部材61に一体に結合している。接着シート62は、このような工程において層状に形成される。
なお、背紙66、接着シート62、導電塗料層661、印刷シート63、印刷層631、接着シート64、および、透明フィルム65は、一体化せずに製造しておき、パチンコ遊技機1の組立て時(製造時の組立て時)において、板状部材61の表面側に順次貼付けるようにしてもよい。
板状部材61においては、板状部材61の表裏面間を貫通する貫通孔610が、埋設ランプ24が設けられる位置に2つ形成されている。貫通孔610は、遊技盤6の表面側の開口610aが裏面側の開口610bよりも小さい。たとえば、表面側の開口610aが直径8mmであり、裏面側の開口610bが直径20mmである。貫通孔610において、板状部材61の表裏面間の途中には、段部613が形成され、その段部613を境界として、表面側に第1の空間領域611が形成され、裏面側に第1の空間領域611よりも大きい第2の空間領域612が形成されている。
第1の空間領域611は、周囲が表面側の開口610aと同じ径の円形をなす壁部614に囲まれる領域として形成されている。第2の空間領域612は、周囲が裏面側の開口610bと同じ径の円形をなす壁部615と、その壁部615および段部613の間に形成される環状の壁部616とに囲まれる領域として形成されている。第2の空間領域612は、裏面側からの視点で見ると、開口610bと同じ径の円形をなす壁部615に囲まれた孔の底部に、周囲が表面側の開口610aと同じ径の円形をなす壁部614に囲まれた孔が開口している態様である。小径の孔第1の空間領域611および第2の空間領域612のそれぞれは、正面視して円形をなす空間であり、当該空間における円形の円の中心軸は、偏心している。具体的に、第1の空間領域611の中心軸は、第2の空間領域612の中心軸よりも下方に偏心している。
貫通孔610内には、埋設ランプ24が取付けられた埋設ランプ基板241と、その埋設ランプ基板241を収納し埋設ランプ24の光を透光可能に形成された発光ユニット200の透光ケース部240が取付けられている。透光ケース部240は、透明なケースであり、埋設ランプ24の光を透光可能な合成樹脂により形成されている。透光ケース部240は、2つの貫通孔610のそれぞれに対応して設けられている。2つの透光ケース部240は、支持取付部244により連結された態様で、発光ユニット200と呼ばれる1つの装置として一体的に設けられている。なお、発光ユニット200は、導電性を有するようにしてもよい。また、発光ユニット200は、可撓性を有するようにしてもよい。
発光ユニット200は、2つの貫通孔610のそれぞれに対応して設けられた2つの透光ケース部240と、共通の構成としての支持取付部244とを含む。2つの透光ケース部240と支持取付部244とは、一体的な部材として、一体形成されている。透光ケース部240は、埋設ランプ基板241を収納する基板収納部242と、埋設ランプ24の光を透光する透光部243とを含む。基板収納部242は、第2の空間領域612に対応する大きさに形成された円筒状の部分である。透光部243は、貫通孔610の第1の空間領域611に対応する大きさに形成され、基板収納部242よりも小径の円筒状の部分である。支持取付部244は、2つの透光ケース部240間を一体的な部材により連結して支持するととともに、発光ユニット200を板状部材61に取付けるときに用いる構造を設けた部分である。
支持取付部244は、2つの透光ケース部240間を連結した態様で支持する平板状の部材を主たる構成とし、支持部244a、突出部244b、および、取手部244cが設けられている。支持部244aは、2つの透光ケース部240を支持する構成部分であり、貫通孔610における板状部材61の厚さ方向の中程から貫通孔610の開口610bの外側まで延在され、さらに、貫通孔610の外部において、板状部材61の裏面側に沿って下方へ延在されている部分である。突出部244bは、発光ユニット200を板状部材61に取付けるときの位置決め用穴620(板状部材61の裏面側に形成された孔)に嵌め入れられる部分であり、支持部244aの表面側に突出形成されている。取手部244cは、発光ユニット200を板状部材61に取付けるときに発光ユニット200を持つための部分である。発光ユニット200の詳しい構成については、図10〜図13を用いて後述する。
基板収納部242は、貫通孔610における段部613に当接する面部242aを有するともに、内部に埋設ランプ基板241を取付けるための基板取付部242bが形成されている。透光部243は、基板収納部242の面部242aから板状部材61の表面側へ向けて突設され、貫通孔610における段部613から板状部材61の表面までの厚さと同じ厚さに形成され、かつ、突出する先端が貫通孔610の表面側の開口610aに相当する大きさに形成されている。段部613から板状部材61の表面までの厚さは、図7および図8に示すように、遊技盤6において植設される障害釘60が板状部材61内に打込まれる長さを超える厚さとなるように設定されている。なお、図7および図8に示す例では、段部613から板状部材61の表面までの厚さは、各種電気部品Sを遊技盤6に取付けるときに、位置決め用の突出部151が板状部材61の位置決め穴680に差込まれる長さを超えない厚さとなるように設定されているが、これに限らず、位置決め用の突出部151が板状部材61の位置決め穴680に差込まれる長さを超える厚さとなるように設定されてもよい。また、段部613から板状部材61の表面までの厚さは、遊技盤6の表面側に取付けられる風車のような電気部品以外の構造物の位置決め用の突出部(図示省略)が板状部材61の位置決め穴に差込まれる長さを超える厚さとなるように設定されてもよい。
このような段部613が設けられていることにより、遊技盤6において、発光体を設けた部分であっても、第1の空間領域611が形成されている部分以外の部分には障害釘60を打込むことができるので、遊技盤6の設計が制約されにくいようにすることができる。また、前述のように、遊技盤6に取付けられる電気部品の構造物、および、電気部品以外の構造物について、位置決め用の突出部が位置決め穴に差込まれる長さを超える厚さとなるように、段部613から板状部材61の表面までの厚さを設定した場合には、板状部材61において、第1の空間領域611が形成されている部分以外の部分には位置決め用の突出部を差込むことができるので、遊技盤6の設計上での制約をより一層低減することができる。
透光ケース部240においては、透光部243の内部空間と基板収納部242の内部空間とが繋がっている。基板収納部242において、埋設ランプ基板241は、埋設ランプ24が透光部243の内部空間に臨むような態様で、基板取付部242b内に取付けられている。具体的に、基板収納部242には、埋設ランプ基板241を固定するための係止部材としての基板固定部242cが設けられている。埋設ランプ基板241は、透光ケース部240の裏面側から嵌め入れられ、基板固定部242cによって係止されることにより、基板収納部242において固定される態様で取付けられる。
透光ケース部240は、基板収納部242が貫通孔610の第2の空間領域612に配置され、透光部243が貫通孔610の第1の空間領域に配置される態様で、板状部材61の内部に取付けられる。具体的に、透光ケース部240は、貫通孔610の裏側から貫通孔610内に嵌め入れられ、貫通孔610の壁部614に透光部243の外周が当接し、貫通孔610の段部613に面部242aが当接し、貫通孔610の壁部615に基板収納部242における基板取付部242bの外周が当接する態様で固定されている。基板取付部242bの軸長方向の長さ、すなわち、板状部材61の厚み方向の距離は、図7および図8に示すように、壁部615の厚み方向の距離の約半分程度である。
透光ケース部240は、透光部243の先端面243aが貫通孔610の表面側の開口610aと面一となる態様で、板状部材61の内部に取付けられている。
セルシート600においては、不透明である印刷シート63および背紙66について、図8に示すように、板状部材61において貫通孔610が形成された部分に対応する位置に、埋設ランプ24の光を遊技盤6の表面側へ導くための導光孔630,660が形成されている。具体的に、印刷シート63には、セルシート600の製造工程において、導光孔630として、貫通孔610の表面側の開口よりも小さい開口を有する孔(直径が小さい孔)が形成されている。導光孔630は、貫通孔610の表面側の開口610aと比べて、半径で2mm〜4mm程度小さい孔である。遊技盤6の製造工程においては、セルシート600を板状部材61に重ねる機能を有する機械装置が用いられる。導光孔630の大きさは、このような機械装置によりセルシート600を板状部材61に重ねるときに生じる誤差の最大値を考慮して設定するのが望ましい。たとえば、このような誤差の最大値が2.5mmであるときに、導光孔630は、貫通孔610の表面側の開口610aと比べて、半径で2mm〜4mm程度小さい半径の孔とし、特に、貫通孔610の表面側の開口610aと比べて、当該誤差の最大値である2.5mm程度小さい半径の孔とするのが好ましい。
このように、導光孔630の開口が貫通孔610の表面側の開口610aよりも小さいので、セルシート600を板状部材61の表面側に貼付したときに、貫通孔610と導光孔630との位置関係に多少のずれ(たとえば、前述した機械装置によりセルシート600を板状部材61に重ねるときに生じる誤差によるずれ等の多少のずれ)が生じたときでも、板状部材61の貫通孔610上に印刷シート63の導光孔630が位置するので、埋設ランプ24の光を遊技盤6の表面側へ導くことが可能となるような位置関係を担保しやすくなるようにすることができる。印刷シート63において、前述したマスク層69は、導光孔630を囲むような態様で導光孔630の周囲に形成されている。マスク層69は、光を拡散させるので、埋設ランプ24からの光を、導光孔630の周囲で拡散させる。このような光の拡散により、導光孔630の輪郭がぼかされるという視覚的効果が生じ、これにより、導光孔630の形状が目立ちにくくなり、装飾的な効果が低下しないようにすることができる。
また、背紙66には、セルシート600の製造工程において、導光孔660として、貫通孔610の表面側の開口610aよりも大きい孔(直径が大きい孔)が形成されている。導光孔660は、貫通孔610の表面側の開口610aと比べて、半径で2mm〜4mm程度大きい孔である。遊技盤6の製造工程においては、前述のようにセルシート600を板状部材61に重ねる機能を有する機械装置が用いられるので、導光孔660の大きさは、このような機械装置によりセルシート600を板状部材61に重ねるときに生じる誤差の最大値を考慮して設定するのが望ましい。たとえば、このような誤差の最大値が2.5mmであるときに、導光孔660は、貫通孔610の表面側の開口610aと比べて、半径で2mm〜4mm程度大きい半径の孔とし、特に、貫通孔610の表面側の開口610aと比べて、当該誤差の最大値である2.5mm程度大きい半径の孔とするのが好ましい。このように、導光孔660の開口が貫通孔610の表面側の開口610aよりも大きいので、セルシート600を板状部材61の表面側に貼付したときに、貫通孔610と導光孔660との位置関係に多少のずれ(たとえば、前述した機械装置によりセルシート600を板状部材61に重ねるときに生じる誤差によるずれ等の多少のずれ)が生じたときでも、板状部材61の貫通孔610上に背紙66の導光孔660が位置するので、埋設ランプ24の光を遊技盤6の表面側へ導くことが可能となるような位置関係を担保しやすくなるようにすることができる。
また、この実施の形態における印刷シート63の導光孔630と背紙66の導光孔660との関係は、導光孔630の方が、導光孔660よりも小さい孔(直径が小さい孔)として形成されている。導光孔630は、導光孔660と比べて、半径で1mm〜3mm程度小さい孔である。セルシート600の製造工程においては、印刷シート63と背紙66とを重ねる機能を有する機械装置が用いられる。導光孔630の大きさは、このような機械装置により印刷シート63と背紙66と重ねるときに生じる誤差の最大値を考慮して設定するのが望ましい。たとえば、このような誤差の最大値が2mmであるときに、導光孔630は、導光孔660と比べて、半径で1mm〜3mm程度小さい半径の孔とし、特に、導光孔660と比べて、当該誤差の最大値である2mm程度小さい半径の孔とするのが好ましい。このように、導光孔630の開口が導光孔660の開口よりも小さいので、印刷シート63と背紙66とを重ねるときに、導光孔630と導光孔660との位置関係に多少のずれ(たとえば、前述した機械装置により印刷シート63と背紙66とを重ねるときに生じる誤差によるずれ等の多少のずれ)が生じたときでも、背紙66の導光孔660上に印刷シート63の導光孔630が位置するので、埋設ランプ24の光を遊技盤6の表面側へ導くことが可能となるような位置関係を担保しやすくなるようにすることができる。
また、導光孔660は、貫通孔610における裏面側の開口610bの直径、すなわち、第2の空間領域612の直径よりも小さい直径の孔として形成されている。
このような構成において、透光ケース部240の基板収納部242において埋設ランプ24が発光すると、その光が、透光部243の内部空間を通り、貫通孔610の表面側の開口610aと面一の透光部243の先端面243aから板状部材61の外部に出る。そして、その光は、セルシート600において、背紙66の導光孔660、印刷シート63の導光孔630、および、透明フィルム65を通り、遊技盤6の表面側へ導かれる。
また、図7に示すように、障害釘60は、透明フィルム65、接着シート64、印刷層631、印刷シート63、接着シート62、背紙66、導電塗料層661、および、接着剤層67を貫通して、先端が板状部材61内に達する態様で遊技盤6に打込まれることにより、遊技盤6に植設されている。これにより、導電性を有する障害釘60は、導電塗料層661に達する深さで遊技盤6に植設されていることで、導電塗料層661に電気的に接続されている。これにより、障害釘60は、導電塗料層661を介して電気的に接地されている。
遊技盤6を構成する板状部材61に形成され、発光ユニット200(特に透光ケース部240)が埋設される貫通孔610において、表面側の開口610aが裏面側の開口610bよりも小さいので、セルシート600において板状部材61に貼付けられていない部分(貫通孔610の位置に対応する領域部分)の範囲を小さくすることができる。これにより、セルシート600について、板状部材61の表面側の開口610aに対応する部分に外力が加わったときにおいて、当該部分の撓みおよび破れ等の変形を抑制することができる。さらに、透光ケース部240が、段部613から板状部材61の表面までの厚さと同じ厚さに形成され、かつ、突出する先端が貫通孔610の表面側の開口に相当する大きさに形成される透光部243を含むので、セルシート600が板状部材61の表面側に貼付された状態で、透光部243の先端面243aが板状部材61の貫通孔610の表面側の開口と面一となる。したがって、透光部243の先端がセルシート600(より具体的には透明フィルム65)に沿う態様となるので、透光部243の先端部を板状部材61の表面と面一状態で位置させることにより、セルシート600において板状部材61に貼付けられていない部分を、より一層補強することができる。このような貫通孔610の表面側の開口610aの構造と、貫通孔610内に配置される透光ケース部240の構造とに基づいて、セルシート600について、板状部材61の表面側の開口610aに対応する部分に外力が加わったときにおいて、当該部分の撓みおよび破れ等の変形を抑制することができる。また、貫通孔610について、表面側の開口610aが裏面側の開口610bよりも小さいことにより、たとえば、発光ユニット200(特に透光ケース部240)がまだ埋設されていない製造段階での遊技盤6においても、セルシート600について、板状部材61の表面側の開口610aに対応する部分に外力が加わったときにおいて、当該部分の撓みおよび破れ等の変形を抑制することができる。
なお、透光ケース部240の先端面243aが板状部材61の貫通孔610の表面側の開口と面一となるようにする例としては、貫通孔610において、段部613をなくし、遊技盤6の表面側の開口の大きさが裏面側の開口と同じになるようにすることが考えられる。つまり、遊技盤6の表面側の開口の大きさを、埋設ランプ基板241を収納可能な程の大きさとし、導光孔630,660の開口の大きさをそれに合せて大きくすることが考えられる。しかし、そのようにする場合には、セルシート600が板状部材61の表面と密着しない(当接しない)部分が増加するので、貫通孔610の表面側の開口に対応する部分に外力が加わったときにおいて、当該部分の撓みおよび破れ等の変形を抑制できないおそれがある。また、貫通孔610において、段部613を設けず、遊技盤6の裏面側の開口を表面側の開口と同じ大きさになるようにすることも考えられるが、その場合には、貫通孔610内に埋設ランプ基板241を収納できないので、埋設ランプ基板241の設置スペースを別に設けなければならないという問題が生じる。そこで、貫通孔610において、段部613を設け、遊技盤6の表面側の開口を裏面側の開口よりも小さくしたのである。
また、前述のように、透光ケース部240が、貫通孔610において段部613を境界とする第1の空間領域611と第2の空間領域612とのそれぞれに対応して配置された透光部243と基板収納部242とを含む。そして、透光部243は、貫通孔610の段部613から表面までの厚さというような、板状部材61の全厚みのうち一部の厚みに対応して、段部613の位置を基準とし、段部613から板状部材61の表面までの厚さが決められている。したがって、たとえば、木製の板状部材61が湿気の原因で変形する等、板状部材61の変形により貫通孔610と透光ケース部240との間で板状部材61の厚み方向の寸法に差が生じたときであっても、板状部材61の厚さ方向の全変形量の影響を受けず、一部の変形量の影響のみを受けることとなる。これにより、透光ケース部240が、段部613を境界として形成された基板収納部242と透光部243とを含むことにより、貫通孔610と透光ケース部240との間で寸法に誤差が生じたときに、透光ケース部240の透光部243の先端が板状部材61の表面と面一となっている状態からずれる大きさの程度を低減することができる。
具体的な事例を挙げると、次の通りである。湿度が通常よりも高いと湿気により板状部材61が全体的に膨張し、板状部材61の厚みが増加する。貫通孔610に段部613を設けず、透光ケース部240の透光部243についての長さ(板状部材61の厚み方向の長さ)を、板状部材61の裏面から表面までの全厚みと同じとなるように設定するとき(たとえば透光ケース部240において基板収納部242が板状部材61の裏面側に突出して配置されている場合等)には、たとえば、湿気により板状部材61が全体的に4mm膨張したとすると、その4mmの膨張のすべてが、透光部243の先端面243aと貫通孔610の表面との面一関係のずれとして現れる。しかし、貫通孔610の途中に段部613を設け、透光部243の配置位置を、段部613の位置を基準として、段部613から板状部材61の表面までの厚さと同じ厚さに設定した場合、すなわち、透光ケース部240の透光部243についての長さ(板状部材61の厚み方向の長さ)を、板状部材61の裏面から表面までの厚みのうち一部の厚み(たとえば、裏面から表面までの厚みの半分の厚み)となるように設定すると次のようになる。たとえば、湿気により板状部材61が全体的に4mm膨張したとすると、その4mmの膨張のうち一部(たとえば、裏面から表面までの厚みの半分の厚みの位置に段部613が設けられた場合には全体的な膨張が4mmであれば、その半分の2mm分の膨張)だけが、透光部243の先端面243aと貫通孔610の表面との面一関係のずれとして現れる。したがって、貫通孔610と透光ケース部240との間で寸法に誤差が生じたときに、透光ケース部240の透光部243の先端が板状部材61の表面と面一となっている状態からずれる大きさの程度を低減することができる。
また、合成樹脂製の板状部材61については、温度の高低により変形するので、透光部243の配置位置を、段部613の位置を基準として設定することにより、前述した木製の板状部材61の変形に対する効果と同様の効果を得ることができる。
また、このような貫通孔610と透光部243との配置関係は、板状部材61が変形すること以外にも、たとえば、板状部材61の加工時において、板状部材61の厚みの加工寸法について設計寸法に対する誤差が生じたことにより板状部材61の厚さが変化しても、その厚さの変化により影響を受ける。しかし、板状部材61の厚みの加工寸法について設計寸法に対する誤差が生じたことにより、板状部材61の厚さが変化しても、透光部243の配置位置を、段部613の位置を基準として設定することにより、前述した効果と同様の効果を得ることができる。
次に、遊技盤6における各種電気部品Sの取付態様について説明する。
図7および図8に示すように、始動入賞装置15等の電気部品Sは、たとえば、可動片のような構造物が設けられている。基台部150の縁部は全周に亘ってメッキ(導電性材料(金属)のメッキ)が施されたメッキ部Pとされている。基台部150の裏面側には、電気部品Sを遊技盤6に取付けるときに、位置決め用の突起として遊技盤6に差込まれる棒状の突出部151が複数突出形成されている。突出部151は、基台部150の本体と同じ樹脂製であるが、全体にメッキが施されたメッキ部P1として構成されていることにより導電性を有している。突出部151のメッキ部P1は、基台部150の縁部のメッキ部Pとメッキにより繋がっている。遊技盤6においては、始動入賞装置15等の電気部品Sを取付けるときに用いる位置決め用の穴が形成される。電気部品Sが遊技盤6に取付けられるときには、遊技盤6に設けられた位置決め用の穴の中に突出部151が差込まれることにより、取付位置が決められ、図示を省略したビスを用いて電気部品Sが遊技盤6に固定される。
突出部151は、セルシート600を貫通して、先端が板状部材61内に達する態様で遊技盤6に差込まれる。これにより、メッキにより導電性を有する突出部151は、導電塗料層661に達する深さで差込まれていることで、導電塗料層661に電気的に接続されている。そして、突出部151は、メッキ部P1がメッキにより基台部150の縁部のメッキ部Pと電気的に接続されている。これにより、電気部品Sは、メッキ部P、メッキ部P1、および、導電塗料層661を介して電気的に接地されている。したがって、電気部品Sにおいて静電気が生じたときには、その静電気が、メッキ部P、メッキ部P1、および、導電塗料層661を介してアースされる。また、電気部品Sにおいて漏電が生じたときには、漏電電流が、メッキ部P、メッキ部P1、および、導電塗料層661を介してアースされる。このように、漏電は、各電気部品Sから生じる場合があり、また、電源基板から生じる場合もある。
このような電気部品Sにおける接地構造は、前述した始動入賞装置15、変動表示装置9、演出表示装置91〜93、装飾ランプ252、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、第4通常入賞口39、普通図柄表示器10、および、特別可変入賞球装置20等の各種電気部品について、同様に設けられている。
また、たとえば、特別可変入賞球装置20と装飾ランプ25とのように、遊技盤6における隣合う電気部品については、それぞれのメッキ部Pの間を電気的に接続する接続メッキ部が設けられている。これにより、特別可変入賞球装置20と装飾ランプ25とのような隣合う電気部品が、導通した態様で、遊技盤6に配置されている。このような電気部品の取付態様によれば、いずれかの電気部品が導電塗料層661と十分に接続できなくても(接続不良であっても)、つまり、メッキ部P1が導電性塗料が塗られていない部分等に当っていても、隣合う電気部品と導通できるので、電気的な接地(アース)が担保されて好ましい。
このような隣合う電気部品の取付態様は、変動表示装置9と演出表示装置91〜93のそれぞれとの間、演出表示装置91と演出表示装置92との間、演出表示装置92と演出表示装置93との間、演出表示装置93と装飾ランプ25との間、第2通常入賞口30と装飾ランプ25との間、第1通常入賞口29と装飾ランプ25との間、第3通常入賞口33と装飾ランプ25との間、第4通常入賞口39と装飾ランプ25との間でも同様に適用されている。
図10は、発光ユニット200の正面図および側面図を示す図である。図11は、発光ユニット200の正面側の斜視図である。図12は、発光ユニット200の裏面図および側面図を示す図である。図13は、発光ユニット200の裏面側の斜視図である。以下、図10〜図13を用いて、発光ユニット200の構成を詳細に説明する。
図10の(a)に示すように、発光ユニット200において、2つの透光ケース部240は、正面視して支持取付部244の左右両端の上部側において左右方向に並んで設けられている。また、2つの透光ケース部240は、正面視して支持取付部244の左右両端の下部側、すなわち、2つの透光ケース部240の下方のそれぞれにおいて、2つの突出部244bが左右方向に並んで設けられている。また、図10および図11に示すように、各透光ケース部240においては、内部の熱を放熱するための放熱穴243bが2つ開口形成されている。
また、図10〜図13のそれぞれに示すように、各透光ケース部240の内部には、埋設ランプ24が透光部243の内部空間に臨む態様で、埋設ランプ基板241が取付けられている。図12および図13に示すように、各透光ケース部240においては、基板収納部242の裏面側に円形の開口部242eが形成されている。埋設ランプ基板241は、開口部242eよりも小径の略円形であり、図12および図13に示すように、各透光ケース部240の開口部242eから内部へ嵌め入れられる。基板収納部242の内周側においては、透光ケース部240の内部に収納された埋設ランプ基板241を係止するための爪状の係止部242dが設けられている。係止部242dは、正面から見て外側の斜め情報に設けられている。基板収納部242に収納された埋設ランプ基板241は、前述した図7および図8に示す基板固定部242cと、係止部242dとの間に挟まれる態様で固定される。埋設ランプ基板241の裏面側には、図13に示すように、駆動電流等の供給をするためのコネクタ241aが設けられている。
支持取付部244において、支持部244aの左右上部のそれぞれは、各透光ケース部240の基板収納部242の同径の円弧形状を有する2つの前方突出部244dを介して各透光ケース部240と一体形成されている。前方突出部244dは、各透光ケース部240を支持部244aの位置よりも前方へ張出した形状により、各透光ケース部240を張出させている。これにより、発光ユニット200においては、透光ケース部240の先端面243aが貫通孔610の前面側まで達し、かつ、支持取付部244の支持部244aが選択面において貫通孔610の裏面側の外側に位置することができるように、透光ケース部240の先端面243aと、支持部244aとの間の距離が設定されている。
支持取付部244において、支持部244aの裏面側の下部には、側面視L字形状の取手244cが形成されている。発光ユニット200を貫通孔610内部に取付けるときに、作業者は、取手244cを持つ態様で発光ユニット200を持ち、2つの透光ケース部240が2つの貫通孔610内に入り、かつ、位置決め用穴620に突出部244bが入るような態様で、発光ユニット200を取付ける。これにより、発光ユニット200のn取付作業を容易化することができる。
図14は、印刷層631が印刷された段階における印刷シート63の表面側を示す正面図である。
印刷シート63は、遊技盤6の板状部材61よりもサイズが大きいシートが用いられる。印刷シート63の表面側においては、前述した遊技領域7の絵柄を示す印刷層631が印刷される印刷領域631aの周囲に、絵柄が印刷されない非印刷領域6300が設けられている。
印刷シート63の表面側においては、予め定められた印刷領域631aに印刷層631が印刷される。そして、絵柄が印刷されていない所定位置の領域、たとえば、非印刷領域6300のうち、印刷シート63を表面側から見て左上の所定位置の領域630bに、印刷シート63に印刷する絵柄の色の見本を示すための色見本表示636が印刷される。
また、印刷シート63の表面側においては、絵柄が印刷されていない所定位置の領域、たとえば、非印刷領域6300のうち、印刷シート63を表面側から見て右下の所定位置の領域630aに、型番号633、トンボ637、および、バーコード635が印刷されている。
型番号633は、対応する遊技機の機種を特定するためのテキスト情報であり、作業者によって視覚的に確認される。バーコード635は、対応する遊技機の機種を特定するための識別情報(識別子)であり、遊技盤の製造行程等のパチンコ遊技機1の製造工程においてバーコードリーダにより読取られ、管理される。型番号633は、作業者が目で読取ることにより、印刷シート63(セルシート)がどの機種に対応するものであるかを知ることができる情報である。バーコード635は、バーコードリーダにより光学的に読取られ、印刷シート63(セルシート)がどの機種に対応するものであるかを知ることができる情報である。
バーコード635は、遊技盤6の加工工程である、たとえば、多軸穴あけ工程、ゲージプレス工程、ルータ工程、釘打ち工程、組立工程、検査工程、梱包工程、および、仕分け工程では、所定の加工装置において、板状部材61に結合されたセルシートからバーコードリーダにより光学的に読取られ、読取られた情報に基づいて特定される機種に応じた加工データ又は作業データが記憶装置から抽出される。そして、加工装置においては、そのように抽出した加工データ又は作業データに基づく加工が行なわれる。
また、トンボ637は、印刷シート63を多色刷りするときに各色ごとに印刷位置の位置ずれを検査するために用いる位置ずれ検査用の印である。図14に示されるように、トンボ637は、印刷シート63の表面側において複数種類印刷されている。トンボ637の種類としては、カラー印刷を行なうときに別の色分解出力した各版と見当を合せるための機能を有するセンタートンボトンボ(図中十字型で示すトンボ637)、および、最終的な仕上りで裁断される位置を指定するコーナートンボ(図中2重の直角線型で示すトンボ637)を含む。
また、パチンコ遊技機1の製造時において、遊技盤6については、セルシート600が表面側に貼付けられた後、変動表示装置9等の各種電気部品を遊技盤6に取付けるための開口部または切り欠き部を形成するための切削加工が行なわれる。また、セルシート600については、印刷シート63と透明フィルム65および背紙66等とを貼付ける前の段階で、2つの導光孔630を形成するための切削加工が行なわれる。したがって、このような切削加工が行なわれるときに、切削加工が行なわれることにより切り欠かれる領域である切削加工領域Q1(変動表示装置9等の各種電気部品を遊技盤6に取付けるための開口部を形成するための切削加工領域),Q2(導光孔630を形成するための切削加工領域)を特定可能とするような印刷をすれば、切り欠かれる領域と切り欠かれない領域とを容易に認識できるようになる。
この実施の形態の場合には、図14に示すように、切削加工領域Q1,Q2には印刷をせず、切削加工により切り欠かれない領域に、絵柄の印刷をすることに基づいて、切削加工により切り欠かれる領域が特定可能となるように印刷が行なわれる。このように、切削加工領域Q1,Q2には印刷をせず、切削加工により切り欠かれない領域に絵柄の印刷をすると、図14に示すように切削加工領域Q,Q2とそれ以外の領域との境界を特定する境界線R(図中には切削加工領域Q1に対応する境界線Rのみ表示)とが示されるので、その境界線Rに基づいて、切削加工領域Q1,Q2の範囲を明確化することができる。
図14に示す切削加工領域Q1は、セルシート600が遊技盤6の表面側に貼付けられた後、境界線Rに添って切削加工が行なわれることに基づいて、開口部(切り欠き部)とされる。そして、その開口部に嵌込まれるような態様で、前述した変動表示装置9、演出表示装置91〜93、装飾ランプ252、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、第4通常入賞口39、普通図柄表示器10、始動入賞装置15、および、特別可変入賞球装置20等の電気部品および装飾部品を含む構造物が取付けられる。
また、このような切削加工領域Q1の範囲を特定する境界線Rは、各種電気部品を取付けることにより覆われる領域を特定する。つまり、切削加工領域Qは、切削された後、電気部品が取付けられるので、電気部品により覆われる領域である。したがって、境界線Rを示すようにする印刷は、各種電気部品を取付けることにより覆われる領域を特定することが可能な印刷でもある。また、各種電気部品を取付けることにより覆われる領域を特定することが可能な印刷としては、次のような印刷を行なうようにしてもよい。図7等に示すように、電気部品を遊技盤6に取付ける場合には、図14に示すような切削加工領域Q1の境界線Rよりも外側の領域に電気部品の縁部が存在し、その領域において、電気部品の縁部に設けられた位置決め用の突出部151が遊技盤6に差込まれる等、電気部品の加工が行なわれる。したがって、切削加工領域Q1の境界線Rよりも外側の領域に電気部品の縁部が存在する態様で電気部品が取付けられる場合がある。そのような場合には、切削加工領域Q1の外側で電気部品の縁部が存在することとなる領域も、電気部品を取付けることにより覆われる領域となる。
このような場合には、切削加工領域Q1を、特定の色または無色(絵柄とは異なる色)とすることにより特定可能とするように印刷することにより切削加工領域Qを特定可能とし、かつ、切削加工領域Q1の外側で電気部品の縁部が存在することとなる領域を所定の色(切削加工領域Q1および絵柄とは異なる色)で印刷することにより、電気部品を取付けることにより覆われる領域を特定可能とする。したがって、切削加工領域Q1と切削加工領域Q1の外側で電気部品の縁部が存在することとなる領域との境界線、および、切削加工領域Q1の外側で電気部品の縁部が存在することとなる領域と絵柄を印刷する領域との境界線が、印刷により示される。また、切削加工領域Q1と切削加工領域Q1の外側で電気部品の縁部が存在することとなる領域とを合せた領域を、切削加工後に電気部品を取付けることにより覆われる1つの領域として特定可能となるように、特定の色または無色(絵柄とは異なる色)とする印刷を行なうようにしてもよい。
図15は、導電塗料層661が印刷された段階における背紙66の表面側を示す表面図である。
背紙66の裏面側においては、前述の印刷シート63の印刷層631に対応する領域において、印刷シート63の切削加工領域Q1に対応する切削加工領域Q3、および、印刷シート63の切削加工領域Q2に対応する切削加工領域Q4を除く領域に、導電塗料層661が印刷される。また、背紙66の裏面側においては、印刷シート63の非印刷領域6300に対応する領域である非印刷領域6600には、導電塗料層661が印刷されない。また、印刷シート63で型番号633が印刷される領域、印刷シート63でトンボ637が印刷される領域、および、印刷シート63でバーコード635が印刷される領域を含む印刷シート63の非印刷領域630aに対応する非印刷領域6600c(非印刷領域6600の一部をなす領域)には、導電塗料層661が形成されない。同様に、印刷シート63で色見本表示636が印刷される領域に対応する領域を含む表面の非印刷領域630bに対応する非印刷領域6600d(非印刷領域6600の一部をなす領域)には、導電塗料層661が形成されない。導電塗料層661は、遊技盤6における電気抵抗、具体的には、インピーダンスを調整するために、導電性塗料が塗られた部分と塗られていない部分とを所定の態様で組合せた塗装パターンが所定の塗装パターンにて形成される。したがって、導電塗料層661は、導電性塗料が塗られた部分と塗られていない部分との両方を含む層である。導電性塗料は、有色、具体的には黒色の塗料である。図15の塗装パターンは、導電性塗料を格子状に塗装することにより、導電性塗料が塗られた部分と塗られていない部分とを組合せた塗装パターンである。この塗装パターンにおける格子の大きさは、障害釘60の配置間隔よりも小さい。
遊技盤6においては、前述したように各種の電気部品(ソレノイド等の駆動源、当該駆動源を含む始動入賞装置15等の電動装置(筐体も含む)、電源基板910から電力を供給する配線、および、電源基板910のような電源基板単体等の電力を用いるすべての部品・装置を含み、電源基板を有する商用電源装置が設けられるときにはそのような装置も含む)が設けられているので、電気部品から漏電電流が流れるおそれがある。遊技盤6に過大な漏電電流が流れると、遊技盤6が発熱、発煙、または、発火する等、遊技盤6に不具合が生じる。具体的に、電気抵抗を持った導体に電流を流すと発熱する。そのときの発熱量は、流れる電流が大きくなる程大きくなる。さらに、そのときの発熱量は、抵抗値が大きくなる程大きくなる。さらに、そのときの発熱量は、電流が流れる時間が長い程大きくなる。
このような電流と、発熱量との関係は、Wを電力量[WS]、Pを電力[W]、Iを電流[A]、tを時間[sec]、Rを抵抗値[Ω] 、Qを発熱量[cal]とすると、次のように導かれる。
W=P×t ・・・(1)
=E×I×t ・・・(2)
E=I×Rを前記(2)式に代入すると、下記(3)式が導かれる。
W=I2×R×t ・・・(3)
1[J]=1[WS]=0.24[cal]を前記(3)式に代入すると、
W=0.24×I2×R×t ・・・(4)
前記(4)式により、発熱量は電流の2乗に比例し、抵抗値と時間とのそれぞれに比例することを導き出すことができる。
漏電電流は、電流が流れる経路のインピーダンスが高くなるにしたがって流れにくくなる。導電塗料層661は、遊技盤6において、前述したように、各種電気部品と電気的に接続されているとともに、障害釘60とも電気的に接続されている。これにより、遊技盤6において各種電気部品からの漏電が生じたときの漏電電流の経路は、導電塗料層661を通ることになる。したがって、導電塗料層661のインピーダンスを、過大な漏電電流が流れにくくなるような高い値に調整しておけば、遊技盤6に不具合が生じるような過大な漏電電流の発生を抑制できることとなる。
遊技盤6における過大な漏電電流の発生を抑制するために、本実施の形態では、導電塗料層661を導電性塗料が塗られた部分と塗られていない部分とを所定の態様で組合せた塗装パターンで形成することに基づいて、導電塗料層661のインピーダンスを、遊技盤6に不具合が生じる過大な漏電電流の発生を抑制できるような値に調整している。具体的に、遊技盤6において、ある2点間のインピーダンスは、当該2点間をつなぐ導電性塗料が塗られた部分の行程(道のり)の長さが長くなるにしたがって高くなる。つまり、ある2点間で電流が流れるときのインピーダンスは、当該2点間の直線距離が同じであっても、当該2点間をつなぐ導電性塗料が塗られた部分の行程(道のり)の長さが長くなるにしたがって高くなる。したがって、遊技盤6において、導電塗料層661の塗装パターンを、複雑な電流経路が形成されるようなパターンにすれば、導電塗料層661のインピーダンスが高くなる。より具体的には、図15に示すような塗装パターンを用いると、たとえば、全面的に導電塗料を塗った場合(所謂ベタ塗り)と比較すれば、遊技盤6において、電気的接地位置までの電流の距離が長くなること、電流が流れる領域の面積が減ること、または、電流経路が蛇行する(曲がる、折れる)こと等の理由により、遊技盤6において電流が流れにくくなり、電気抵抗値が上がる。それにしたがい遊技盤を電流が流れるときの電流値が低下し、漏電電流により遊技盤6が発熱しにくくなる。
図15に示す例では、導電性塗料を格子状に塗装する塗装パターンで導電塗料層661(図15に示すように、導電塗料層661は、導電性塗料が塗られた部分と塗られていない部分との両方を含む層である)を形成することに基づいて、導電性塗料が塗られた部分と塗られていない部分とを所定の態様で組合せた塗装パターンを実現することにより、導電塗料層661に複雑な電流経路が形成され、導電塗料層661のインピーダンスが、過大な漏電電流が流れにくくなるような値に調整されている。
導電塗料層661における導電性塗料の塗装パターンは、図15に示される例に限らず、次に示すような塗装パターンであってもよい。図16〜図19は、導電塗料層661における導電性塗料の塗装パターンのその他の例を示す背紙66の裏面図である。
図16においては、導電性塗料を全体が電気的に接続された縞模様に塗装する塗装パターンで導電塗料層661aを形成(図16に示すように、導電塗料層661aは、導電性塗料が塗られた部分と塗られていない部分との両方を含む層である)することに基づいて、導電性塗料が塗られた部分と塗られていない部分とを所定の態様で組合せた塗装パターンを実現することにより、導電塗料層661aのインピーダンスが、過大な漏電電流が流れにくくなるような値に調整されている例が示されている。具体的に、導電塗料層661aは、切削加工領域Q1を中心としてその周囲に広がる態様の縞模様(境界線Rが周囲にオフセットして広がるような縞模様)を形成するように導電性塗料により曲線的な形状の筋線641が塗装されている。さらに、導電塗料層661aは、縞模様を形成するすべての筋線641が電気的に接続されるように、各筋線と交差する態様で直線的(曲線的であってもよい)形状の接続線642が導電性塗料により塗装されている。これにより、導電塗料層661aでは、複雑な電流経路が形成される。この塗装パターンにおける筋線641の間隔は、障害釘60の配置間隔よりも小さい。
図16に示す例では、導電性塗料を全体が電気的に接続された縞模様に塗装する塗装パターンで導電塗料層661aを形成することに基づいて、導電性塗料が塗られた部分と塗られていない部分とを所定の態様で組合せた塗装パターンを実現することにより、導電塗料層661aのインピーダンスが、過大な漏電電流が流れにくくなるような値に調整されている。
図17においては、全体が電気的に接続された態様の規則的な模様を形成する塗装パターンで導電性塗料を塗装することにより導電塗料層661bを形成(図17に示すように、導電塗料層661bは、導電性塗料が塗られた部分と塗られていない部分との両方を含む層である)した例が示されている。具体的に、図17の導電塗料層661bは、導電性塗料が塗装されていない部分が略十字形(十字形の中心部および末端部が略円形となっている)の模様643を形成して縦横および斜め方向に規則的に複数並び、かつ、導電性塗料が塗装された塗装部分644が斜め方向に交差する態様で繋がることに基づいて、全体が電気的に接続されている。言い換えると、導電塗料層661bは、塗装部分644が斜め方向に延び、複数箇所で交差し、かつ、塗装部分644の幅が複数箇所で異なる態様の縞模様を形成するように導電性塗料が塗装されていることにより、複雑な電流経路が形成される。この塗装パターンにおける各模様643の大きさは、障害釘60の配置間隔よりも小さい。
図17の例では、このような規則的な模様が形成されるように導電性塗料が塗られた部分と塗られていない部分とを規則的な態様で組合せた塗装パターンを実現することにより、導電塗料層661bのインピーダンスが、過大な漏電電流が流れにくくなるような値に調整されている。
図18においては、全体が電気的に接続された態様の規則的な模様を形成する塗装パターンで導電性塗料を塗装することにより導電塗料層661cを形成(図18に示すように、導電塗料層661cは、導電性塗料が塗られた部分と塗られていない部分との両方を含む層である)したその他の例が示されている。具体的に、図18の導電塗料層661cは、導電性塗料が塗装されている塗装部分645が楕円径の模様を形成して縦横に数珠繋ぎした態様で規則的に複数並び、かつ、それらの各塗装部分645が一部分で横方向にも繋がることに基づいて、全体が電気的に接続されている。言い換えると、導電塗料層661cは、複数の塗装部分645が縦方向および横方向で繋がる態様の模様を形成するように導電性塗料が塗装されていることにより、複雑な電流経路が形成される。この塗装パターンにおける各塗装部分の大きさは、障害釘60の配置間隔よりも小さい。
図18の例では、このような規則的な模様が形成されるように導電性塗料が塗られた部分と塗られていない部分とを規則的な態様で組合せた塗装パターンを実現することにより、導電塗料層661bのインピーダンスが、過大な漏電電流が流れにくくなるような値に調整されている。
図19においては、全体が電気的に接続された態様の不規則な模様を形成する塗装パターンで導電性塗料を塗装することにより導電塗料層661dを形成(図19に示すように、導電塗料層661dは、導電性塗料が塗られた部分と塗られていない部分との両方を含む層である)した例が示されている。具体的に、図19の導電塗料層661dは、導電性塗料が点状に塗装されている点状塗装部分646が不規則な態様で多数点在(点状塗装部分646同士で接触しているものもあり、接触していないものもある)し、導電性塗料が線状(直線および曲線状)に塗装されている線状塗装部分647が多くの点状塗装部分646を繋げるような態様で不規則に形成されることに基づいて、全体が電気的に接続されている。言い換えると、導電塗料層661cは、複数の点状塗装部分646および線状塗装部分647が不規則に繋がる態様の模様を形成するように導電性塗料が塗装されていることにより、複雑な電流経路が形成される。この塗装パターンにおける各点状塗装部分646の間隔は、障害釘60の配置間隔よりも小さい。
図19の例では、このような不規則的な模様が形成されるように導電性塗料が塗られた部分と塗られていない部分とを不規則な態様で組合せた塗装パターンを実現することにより、導電塗料層661dのインピーダンスが、過大な漏電電流が流れにくくなるような値に調整されている。
なお、前述した図15〜図19に示すような塗装パターンで形成された導電塗料層661,661a〜632dとしては、導電性塗料を塗装しない部分(領域)の幅が、障害釘60の径(断面の幅)および突出部151のメッキ部P1の径(断面の幅)よりも小さくするようにすればよい。そのようにすれば、障害釘60および突出部151のメッキ部P1をどのような位置において遊技盤6に配置しても、それらと、導電塗料層661,661a〜632dとを確実に電気的に接続することができるので好ましい。
次に、前述の導電塗料層661の電気的接地(アース)態様について、その他の接地構成とともに説明する。図20は、機構板に取付けられている各部材を、打球レール、アース基板およびカードユニットとともに示す結線図である。図20に示す構成において、打球レール42は、ステンレススチール製であり、前述の導電塗料層661と配線2009を介して電気的に導通している。
誘導樋430は、球払出装置から払出された遊技球を、打球供給皿3に誘導する部材である。誘導樋430は、カーボン樹脂で形成され、かつ、導電性のアース板431と接触している。打球レール42と誘導樋430とはヒンジ部を介して配線2008で接続されている。また、誘導樋430は、配線2007によって、機構板に設けられた金具410に接続された受け金具411に接続されている。金具410および受け金具411はステンレススチール製である。したがって、遊技盤6の導電塗料層661、打球レール、および、誘導樋430の電位は、機構板の金具410の電位と同じである。
球タンク38は、前述した球払出装置に供給する遊技球を貯留する貯留手段であり、カーボン樹脂で形成され、かつ、その一部には導電性のアース板381が取付けられている。球タンク38は、配線2005によって、機構板105の金具410に接続されている。よって、球タンク38の電位は、機構板105の金具410の電位と同じである。
また、ケースカバー731は、球払出装置を覆うカバー部材であり、ポリカーボネートで形成されている。そして、ステンレススチール製の押え金具732が、ケースカバー731に接している。さらに、押え金具732は、配線2006によって、機構板105の金具410に接続されている。よって、ケースカバー731の電位は、機構板105の金具410の電位と同じである。
したがって、遊技盤6の導電塗料層661、発射装置から発射された遊技球の通路となる打球レール、払出される遊技球の通路の主要部となる球タンク38、球払出装置97内の球通路および誘導樋430の電位は、機構板105の金具410の電位と同じである。
パチンコ遊技機1の裏面側においては、遊技機内部を接地するための配線と、カードユニット50を接地するための配線と、遊技機外部に接続される配線とが接続されるアース基板1000が設置されている。アース基板1000には、遊技機外部(例えば遊技機設置島)に接続され接地される外部接続アースに接続される配線2001を接続するためのコネクタと、遊技機本体に接続されるFGハーネスである配線2004を接続するためのコネクタと、インタフェース基板68に接続されるアース基板ハーネスである配線2003とを接続するためのコネクタとが設けられている。
アース基板1000においては、遊技機本体に接続される配線を接続するためのコネクタからの配線上にサージアブソーバ1100が配置されている。サージアブソーバ(サージプロテクタともいう)は、雷、スイッチング、静電気放電などによって発生するサージ、すなわち過渡的な過大電圧からの機器や設備の保護のために用いられる素子である。落雷による誘導雷サージ、スイッチやリレーの開閉により発生する開閉サージ、静電気サージなどは、いずれも機器の誤動作や内部部品または機器そのものの破壊の原因となる。このため、サージアブソーバを用いてサージ電圧を吸収、制限し、回路に影響を与えないようにしている。
サージアブソーバは、電圧依存性を持つ素子であり、通常の状態では高い抵抗を持っているが、印加電圧がある電圧を超えたときに抵抗を急激に低下させることによって電圧の制限を行なう。この際の動作としては、電圧を一定の値に保つように働くクランピングタイプと、電圧が所定の値を超えると急速に導通して素子の両端の電圧を大幅に低下させるスイッチングタイプとがある。
クランピングタイプの例としては、バリスタ(金属酸化物バリスタ)やツェナーダイオードなどがある。バリスタは電圧依存性抵抗素子であり、電圧が小さいときには高抵抗を示すが、ある規定電圧以上の電圧を加えると導通状態となり、大電流が流れる。また、スイッチングタイプの例としては、放電管類やサイリスタなどがある。ガス避雷管のような放電式(ギャップ式)のものは、ガラスやセラミックスの気密容器内に放電電極を対向させ、その間に空気または不活性ガス(例えば窒素ガス)を充填した構造である。通常の状態では開放状態であるが、サージ電圧が印加されると電極間にアーク放電が発生し、短絡状態となりサージ電圧を制限する。
アース基板1000において、パチンコ遊技機1本体側のコネクタからの配線2004上にサージアブソーバ1100を配置しているのは、遊技機内の遊技球の帯電(静電気)に基づくサージ電圧を吸収するためである。また、パチンコ遊技機1とカードユニット50とを共通にアース基板1000においてアース接続するように構成すると、カードユニット50側からの漏電や静電気ノイズなどに基づくサージ電圧(漏電の場合は100V、静電気の場合は数kV)が遊技機側に流入するおそれがあり、そのようなサージ電圧の遊技機側への流入を防止するためである。カードユニット50において漏電や静電気ノイズが発生すると、そのサージ電圧がアース基板ハーネスを介してアース基板1000に伝達される。このとき、アース基板1000上にサージアブソーバ1100が設けられていなければ、カードユニット50側からのサージ電圧が遊技機本体側に伝達されてしまうが、アース基板1000上にサージアブソーバ1100が設けられているので、サージアブソーバ1100でサージ電圧が吸収、制限される。
この実施の形態では、サージアブソーバ1100によってサージ電圧を徐々に放電させて吸収、制限する。上述したように、サージアブソーバには様々な種類が存在するが、目的に応じたサージアブソーバ1100の種類を選択する必要がある。すなわち、サージアブソーバの種類によって、電圧−電流特性、サージ耐量(電流耐量あるいはエネルギー耐量)、応答時間、静電容量、漏電電流などのパラメータ(特性)が異なり、これらのパラメータを考慮してサージアブソーバ1100を選択する必要がある。例えば、漏電に基づくサージ電圧を吸収、制限することを目的とするサージアブソーバや、静電気ノイズに基づくサージ電圧を吸収、制限することを目的とするサージアブソーバ、漏電および静電気ノイズに基づくサージ電圧を吸収、制限することを目的とするサージアブソーバなどを適宜選択しアース基板1000上に配置する。サージアブソーバ1100として、クランピングタイプのものであってもよいし、スイッチングタイプのものであってもよいし、また、複数のサージアブソーバを組合せて用いるようにしてもよい。
カードユニット50の漏電に基づくサージ電圧を吸収、制限することを目的とする場合は、サージアブソーバ1100の作動開始電圧(特性(抵抗値)が変化する電圧)を、遊技機で用いられる電圧よりも高くカードユニット50で用いられる電圧よりも低くするのが好ましい。例えば、この実施の形態では、パチンコ遊技機1で用いられる動作電圧はAC24Vであるのに対し、プリペイドカードユニット50で用いられる電圧はAC100Vである。そして、この場合、サージアブソーバ1100の作動開始電圧が24Vから100Vの間の電圧になるようなサージアブソーバ1100を使用する。このような構成によれば、カードユニット50側からの漏電によるサージ電圧を遊技機側に確実に流入しないようにすることができる。なお、この実施の形態では、サージアブソーバ1100は、着脱自在で交換可能に構成されている。
金具410は、アース基板1000を介して遊技機外部(設置島)と接続されて接地されている。すなわち、配線2004(FGハーネス)によって金具410とアース基板1000とが接続され、配線2001(外部接続アース)によってアース基板1000と遊技機外部(設置島)とが接続されている。よって、導電塗料層661、打球レール42、球タンク38、球払出装置内の球通路、誘導樋430および機構板の金具410の電位は接地レベルである。なお、上述したように、アース基板1000内における遊技機本体(機構板105の金具410)から遊技機外部に至る経路上にサージアブソーバ1100が設けられている。サージアブソーバ1100により遊技機内の遊技球の帯電に基づく静電気をじわっと放電させて吸収することができる。
また、カードユニット50は、インタフェース基板(遊技球等貸出装置接続端子板)66およびアース基板1000を介して遊技機外部と接続されて接地されている。すなわち、配線2002によってカードユニット50とインタフェース基板68とが接続され、配線2003(アース基板ハーネス)によってインタフェース基板68とアース基板1000とが接続され、配線2001(外部接続アース)によってアース基板1000と遊技機外部(設置島)とが接続されている。さらに、カードユニット50は、配線2002,2003とは別の配線2000(外部接続アース)によって遊技機外部の電源コンセントと接続されている。つまり、電源コンセントのコードに内蔵された配線2000でカードユニット50が接地されている。このように、カードユニット50を配線2002,2003,2001の経路とは別の配線2000の経路によって接地しているので、配線2002または2003でカードユニット50とアース基板1000とが接続されなかった場合(配線2002または2003が断線した場合も含む)でも、カードユニット50を接地することができる。また、配線2001でアース基板1000と遊技機外部とが接続されなかった場合(配線2001が断線した場合も含む)でも、カードユニット50を接地することができるとともに、遊技機本体も配線2004,2003,2002,2000の経路を通じて接地することができる。なお、サージアブソーバ1100は、アース基板1000における配線1002上に配置されていたが、このような構成に限られず、遊技機本体からカードユニット50のアース線までの経路上であればいずれの場所に配置されていてもよい。
なお、この例では、金具410とアース基板1000とが配線2004で接続されていたが、金具410に代えて、球タンク38とアース基板1000とを配線2004で接続するようにしてもよい。この場合、球タンク38のカーボン樹脂の抵抗により、さらに急激な放電を回避することができるので、アース配線の接続として好ましい。
次に、第1実施形態において示した遊技盤6を用いて、漏電電流を流す試験を行なった結果を説明する。漏電電流を流す試験としては、遊技盤6に取付けられた特定の2つの電気部品間で、電源間のショート(VSL−GND間、VDD−GND間、VCC−GND間、VSL−VCC間、および、VSL−VDD間という2つの電源間のショート)を発生させた試験1と、導電塗料層661における特定の2点間(5mmの距離を隔てた2点の間)で、ショート(VSL−GND間、VDD−GND間、VCC−GND間、VSL−VCC間、および、VSL−VDD間という2つの電源間のショート)を発生させた試験2とを行なった。
図21は、漏電電流を流す試験1および試験2を行なった結果を表形式で示す図である。図21においては、(a)に試験1の試験結果が示され、(b)に試験2の試験結果が示されている。試験1は、最低インピーダンスが700Ωの条件で行なわれた。また、試験2は、インピーダンスが500Ω以下の条件で行なわれた。(a),(b)のそれぞれにおいて、「組合せ1」には、ショートを生じさせた2つの電源のうち高い方の電源名が示される。また、(a),(b)のそれぞれにおいて、「組合せ2」には、ショートを生じさせた2つの電源のうち低い方の電源名が示される。ここで、前述したように、VSLは34V、VDDは12V、VCCは5V、GNDは0Vの電位である。VSLは、たとえば、モータ等の各種駆動源の動作のために用いられる。VDDは、たとえば、各種センサの動作のために用いられる。VCCは、たとえば、各種信号の送受信のために用いられる。
試験1においては、発火または出煙等の不具合が生じず問題がなかった。また、試験2においては、VSL−GND間のショート、および、VSL−VCC間のショートで、発火および出煙が生じた。この実験結果により、インピーダンスが500Ω以下では、発火等の不具合が生じる危険性があると思われるが、その2倍のインピーダンスである1kΩ以上では、発火等の不具合が生じる危険性がないと思われる。このように、導電塗料層661のインピーダンスを高くすれば、遊技盤6において、過大な漏電電流が流れにくくすることができ、遊技盤6で発火等の不具合が生じにくくすることができる。
なお、前述した電気部品としては、板状部材61に形成した貫通孔に嵌込む発光部品を設けてもよい。この発光部品は、発光体であるLEDと、そのLEDが収容されるレンズ部とで構成されている。そのレンズ部は、透明な材質からなり、有底筒状に形成され、板状部材61の貫通孔に嵌合する外径を有している。そのレンズ部の開口側の端縁にはフランジ状の拡径部が形成され、その拡径部が板状部材61の貫通孔の縁に当接して当該レンズ部の貫通孔内の位置を規定するようになっている。レンズ部の有底側の端部は、貫通孔内に位置し、または、貫通孔内の縁と面一になるように配置されている。貫通孔内の位置に相当する印刷シートには、貫通孔と同じまたは貫通孔よりも径が小さい開口が形成され、当該開口から遊技者が、貫通孔内に配置されたレンズ部およびLEDが視認できるようになっている。なお、接着シート64および透明フィルム65は、開口を形成せず、接着シート64および透明フィルム65がレンズ部を覆い保護する態様で取付けるようにする。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態は、遊技盤6における電気抵抗、具体的には、インピーダンスを調整するために、導電塗料層に塗装する導電性塗料における導電性物質の濃度を所定濃度とする例を説明する。
印刷シートの裏面側に印刷する導電塗料層のインピーダンスを、過大な漏電電流が流れにくくなるような高い値に調整する方法としては、第1実施形態に示したように導電塗料層の塗装パターンにより調整する以外に、導電塗料層に塗装する導電性塗料における導電性物質の濃度を所定濃度とする方法がある。つまり、遊技盤6において、ある2点間のインピーダンスは、当該2点間をつなぐ導電性塗料の濃度が高くなるにしたがって高くなる。つまり、ある2点間で電流が流れるときのインピーダンスは、当該2点間の直線距離が同じであっても、当該2点間をつなぐ導電性塗料の濃度が高くなるにしたがって高くなる。したがって、遊技盤6において、導電塗料層に塗装する導電性塗料における導電性物質の濃度を高くすれば、導電塗料層のインピーダンスが高くなる。具体的には、導電塗料層を、過度の発熱、発煙、発火等が生じないインピーダンスとなるような濃度とする。
具体的に、導電塗料層に塗装する導電性塗料における導電性物質の濃度を次のような濃度にする。たとえば、導電性物質の濃度は、インピーダンスが700Ω〜2kΩの範囲内のいずれかの値となるような濃度にする。さらに、導電性物質の濃度は、インピーダンスが700Ω〜1kΩの範囲内のいずれかの値となるような濃度にすることが好ましい。具体的には、前述のようなカーボンインクを使用するときに、導電性物質であるカーボンの濃度を20%〜54%の範囲内のいずれかの値にすれば、前述したようなインピーダンスが得られる。さらに、カーボンの濃度は、20%〜40%の範囲内のいずれかの値にすることが好ましく、また、20%〜33%の範囲内のいずれかの値にすることがより好ましい。カーボンインクは、たとえば、導電性物質のペーストである一液性ポリマーカーボンペースト(14μmの厚みのときに、表面抵抗が10.0Ω/cm2(4針短針法による測定)、体積抵抗が1.0×10−2Ω/cm(4針短針法による測定)、鉛筆硬度がH、接着性が100/100(クロスカットセロテープ(登録商標)剥離)である)を、所定の希釈溶剤(たとえば、ポリエステル系合成繊維溶液)を用いて希釈して前述のような範囲内の濃度とする(たとえば、カーボンペーストと希釈溶剤とを0.5:1の配合率で配合して前述のような濃度とする)。
第2実施形態の場合は、遊技盤6を以下に示すような構成とすればよい。図22は、第2実施形態による遊技盤6の構成要素を分解して示す分解図である。図22に関しては、前述した図13と共通する部分について同一の参照番号を付し、重複した説明を避ける。
図22に示す遊技盤6の構成が図13に示すものと異なるは、背紙66の裏面側に印刷する導電塗料層661eの印刷パターンと、導電塗料層661eに印刷する導電性塗料における導電性物質(カーボン)の濃度である。
図23は、第2実施形態による導電塗料層661eが印刷された段階における印刷シート63の裏面側を示す裏面図である。図23に関しては、前述した図15等の裏面図と共通する部分について同一の参照番号を付し、重複した説明を避ける。
第2実施形態の場合には、導電塗料層661eは、導電性塗料が塗られた部分と塗られていない部分とを所定の態様で組合せた塗装パターンを用いず、全面的に塗装される。導電性物質の濃度を調整することにより導電塗料層661eのインピーダンスが調整されているので、第1実施形態に示したような導電性塗料が塗られた部分と塗られていない部分とを所定の態様で組合せた複雑な塗装パターンを用いる必要はない。これにより、導電塗料層661eの塗装方法を簡単化することができる。
図24は、第2実施形態によるその他の導電塗料層661fが印刷された段階における印刷シート63の裏面側を示す裏面図である。図24に関しては、前述した図15等の裏面図と共通する部分について同一の参照番号を付し、重複した説明を避ける。
第2実施形態による導電塗料層としては、図23に示したように、切削加工が行なわれることにより切り欠かれる領域である切削加工領域Q3を特定可能としない導電塗料層661eを印刷してもよく、図24に示すように、切削加工領域Qを特定可能とした導電塗料層661fを印刷してもよい。図24のように切削加工領域Qを特定可能とした印刷をすれば、第1実施形態の場合と同様に、切り欠かれる領域と切り欠かれない領域とを容易に認識できるようになる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態としては、印刷シート63において、切削加工が行なわれることにより切り欠かれる領域である切削加工領域Q3を特定可能とするような印刷として、切削加工により切り欠かれる領域の色数を切削加工により切り欠かれない領域の色数よりも少なくすることに基づいて、切削加工により切り欠かれる領域を特定可能に印刷する例を説明する。
印刷シート63において、切削加工により切り欠かれる切削加工領域を特定可能とするには、当該切削加工領域を、絵柄を印刷する色数よりも少ない色数で印刷すれば、その色数の違いに基づいて、切削加工領域を特定可能とすることができる。たとえば、絵柄を多色刷りするときに、切削加工領域を単色刷りで印刷すればよい。また、絵柄を多色刷りするときに、切削加工領域を絵柄の印刷よりも少ない色数で多色刷りするようにしてもよい。一例として、絵柄を4色刷りするときに、切削加工領域を絵柄の印刷よりも少ない2色刷りするようにしてもよい。
このような第3実施形態によれば、印刷シート63において、切削加工により切り欠かれる切削加工領域を、絵柄を印刷する色数よりも少ない色数で印刷することにより、その色数の違いに基づいて、切削加工領域を特定可能とすることができる。
〔各実施の形態で用いる遊技盤6の部材の種類〕
前述した板状部材61としては、次のような材質の基板を用いればよい。具体的には、木板、木製(ラワン等の)合板、合成木材、合成木材合板、ベニヤ板等の合板、ベニヤの多層合板、および、ABS樹脂等の木材および合成樹脂を用いた基板を用いればよい。また、ベニヤの合板としては、複数の各ベニヤ間に導電性接着剤(フェノール系、メラミン系、ユリア系等の熱硬化性樹脂又は合成エラストマーをベースとし、導電性物質の微小な粒子、フレークもしくは繊維片をフィラーとして加え、適宜溶剤や添加剤を加えたもの)を塗布し重ね合わせ加熱圧着して形成した合板を用いてもよい。また、木材基板としては、導電性を有する合成樹脂による導電シート(導電性合成樹脂、金属製でも可、シート状部材に限らず、導電性インクや導電性塗料が印刷/塗布も可)を敷設した木材基材を用いてもよい。
前述した透明フィルム65および印刷シート63を含むセルシートの材質としては、たとえば、次のような材質のものを用いればよい。具体的には、ポリエステル、ポリアミド系合成繊維、透共重合ポリエステル、セルロイド、キャブロイド、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、トリアセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルローストリブチレート、セルローストリアセテート、アセチルセルローズ、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、および、ABS等の材質の樹脂を用いればよい。
前述した印刷層631および導電塗料層661,661a〜661fについては、たとえば、スクリーン印刷により形成されるが、印刷方法は、UVオフセット印刷、および、グラビア印刷等のどのような印刷方法を用いてもよい。また、印刷層631の印刷は、これら各種の印刷方法のうちのいずれか1種類の印刷方法のみを用いてもよく、これら印刷方法のうちのいずれか2以上の印刷方法を組合せて用いてもよい。
印刷に用いるインクは、たとえば、ペースト状になっているが、この中には、インキ皮膜を作る成分(皮膜形成成分:主として樹脂類)、着色剤、溶剤、助剤などが含まれている。皮膜形成成分としては、シェラック等の天然樹脂類、ポリエステル樹脂等の合成樹脂類、硝化綿等の繊維索系樹脂、および、塩化ゴム等のゴム系樹脂が用いられる。特に、合成樹脂類としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および、UV硬化性樹脂が含まれる。熱可塑性樹脂としては、ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、および、ポリアミド樹脂等が含まれる。熱硬化性樹脂としては、熱により硬化する樹脂で一液型と二液型があり、アルキッド樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、および、ウレタン樹脂等が含まれる。UV硬化性樹脂としては、紫外線により硬化する樹脂で、エポキシ系、ポリエステル系、および、ウレタン系等の樹脂等が含まれる。
着色剤(着色料)としては、顔料と染料とが含まれる。顔料は、着色料としての性質の他に、インキに隠蔽性を与え、またインキの耐光性を決定し、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性などに影響を与える。顔料には、無機顔料、有機顔料、および、体質顔料(フィラー)が含まれる。無機顔料は鉱物質であり、有機顔料は非鉱物質である。無機顔料としては、酸化チタン(チタンホワイト)、黄鉛、クロムバーミリオン、紺青、群青、酸化鉄、アルミペースト、ブロンズ粉、および、カーボンブラック等が含まれる。有機顔料は種類が多く、その性質も多様で最も多く使用されている。体質顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、および、タルクが含まれる。溶剤は、樹脂等を溶解してワニスを作り、インクに流動性を与えてインクを版から印刷素材に転移するキャリアの役目をするものである。また、溶剤は、印刷時にはインクに添加して粘度の調整をする希釈溶剤として用いられ、印刷された後はインク皮膜より蒸発して消失する。溶剤としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ケトン、グリコールエーテル、および、グリコールエステルに分類される各種溶剤が用いられる。また、助剤は、インクの印刷作業性を改善して印刷仕上りの向上を計るため、および、インクに要求される物性を補うために用いられる。助剤としては、消泡剤、分散剤、レベリング剤、腰切剤、スリップ剤、色分かれ防止剤、沈降防止剤、可塑剤、カップリング剤、紫外線吸収剤、艶消剤、および、硬化促進剤が含まれる。
また、前述した導電塗料層661,661a〜661fを形成する導電性塗料としては、どのような導電性塗料を用いてもよく、たとえば、次のようなものを用いればよい。具体的には、カーボンブラック、グラファイト、鉄、ニッケル、錫−アンチモン合金、アンチモンドープ酸化錫、錫酸化物、銀、金、パラジウム、銅、アルミ等の導電性物質のいずれか、または、これらのうちのいずれか複数の導電性物質の組合せを含有する塗料(インクまたは塗工材)を用いればよい。また、アルミニウム粉末を有機溶剤中に分散することにより、入射した光線を乱反射し、キラキラとした光沢を与える金属粉印刷により導電塗料層661,661a〜661fを形成するようにしてもよい。また、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム等に酸化錫を主成分とする導電性物質を分散させるように混合したような塗料を印刷することにより導電塗料層661,661a〜661fを形成するようにしてもよい。
また、前述した導電塗料層661,661a〜661fとしては、次のような材質により形成されてもよい。導電塗料層661,661a〜661fを形成する導電性物質としては、鉄,銀,銀,銅,ニッケル,アルミ,ステンレススチール等の蒸着金属を用いてもよい。導電塗料層661,661a〜661fを形成する導電性物質としては、鉄,金,銀,銅,ニッケル,アルミ,ステンレススチール等の金属箔を用いてもよい。導電塗料層661,661a〜661fを形成する導電性物質としては、ホログラム箔(金属薄膜の表面に光学的エッチング、腐食又は蒸着等の手段によって、模様や画像を立体的/平面的に設けたもの)を用いてもよい。導電塗料層661,661a〜661fを形成する導電性物質としては、鉄,銀,銀,銅,ニッケル,アルミ,鋼,亜鉛,パーマロイ等の薄い金属板を用いてもよい。導電塗料層661,661a〜661fを形成する導電性物質としては、透明導電性薄膜(ITO膜(インジウム・スズ酸化膜)、導電紙、および、導電性を有しかつ高透磁率の電磁シールド金属箔を用いてもよい。導電塗料層661,661a〜661fを形成する導電性物質としては、導電性合成樹脂(カーボン(炭素粒)、金属粉(アルミ、黄銅等)、および、ステンレスフィラー(繊維状、フィラーとしてフレーク状等でも可)を含有し分散させて板状にした合成樹脂)を用いてもよい。導電塗料層661,661a〜661fを形成する導電性物質としては、鉄,アルミニウム,銅等の金属の繊維または細線からなる金属糸を織成した金属布(裏面に紙やプラスチックフィルム(ポリエチレンテレフタレート、OPP、CPP等)が貼付されたものも含む)を用いてもよい。また、導電塗料層661,661a〜661fを形成する導電性物質としては、ベースとしての合成樹脂(ABS樹脂、ポリカーボネート)に直径6〜10μmの極細のステンレス繊維をフィラーとして4〜8重量%(例えば6重量%)添加した導電性ゴム(極細のステンレス繊維を使用すると、少ない添加量で、温度や湿度の環境変化に対しても変わらない導電性を発揮可、防錆性も優れている。ステンレスフィラーが繊維状であるから、フィラーの結合度が高く、強度の高い部材を形成可)を用いてもよい。以上に示したような材質を導電塗料層661,661a〜661fを形成する導電性物質として用いる場合には、金属箔等の印刷可能なものは、背紙66の表面側に印刷することにより形成し、金属布等の印刷不可能なものは、接着材を用いた接着、および、プレス機を用いた圧着等のその他の形成方法で背紙66の表面側に形成すればよい。
また、前述した導電塗料層661,661a〜661fを形成する導電性塗料において用いられるバインダーとしては、たとえば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、および、熱可塑性樹脂等が含まれる。
また、前述した接着シート62,64および接着剤層67としては、たとえば、次のような液体状の接着剤と、シート状の接着剤とのどちらを用いてもよい。具体的に、液体状の接着剤としては、たとえば、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤(PETインク等)、ウレタン系接着剤、または、酢酸ビニル系接着剤等の接着剤を用いればよい。また、シート状の接着剤としては、加熱圧着することにより接着剤層を形成するシート状(フィルム状)の接着シートを用いればよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図7,図8に示すように、遊技盤6を構成する板状部材61に形成された貫通孔610が、表面側の開口610aが裏面側の開口610bよりも小さく、途中に形成された段部613を境界として表面側に第1の空間領域611が形成され、裏面側に第1の空間領域611よりも大きい第2の空間領域612が形成されている。また、セルシート600での印刷シート63において、このような貫通孔610に対応する位置に導光孔630が形成されている。さらに、透光ケース部240が、貫通孔610における第2の空間領域612に対応する大きさで形成され段部613に当接する面部242aを有する基板収納部242と、当該面部242aから突設され、段部613から板状部材61の厚さと同じ厚さに形成され、かつ、突出する先端面243aが貫通孔610の表面側の開口610aに相当する大きさに形成される透光部243とを含む。基板収納部242は、第2の空間領域612に配置されており、透光部243は第1の空間領域611に配置されている。そして、埋設ランプ基板241が、透光ケース部240の基板収納部242に収納されている。したがって、埋設ランプ基板241の埋設ランプ24の光は、透光ケース部240における基板収納部242内から透光部243内を通り、さらに、貫通孔610における表面側の突出する先端から出ることにより、貫通孔610における表面側の開口610aを通過する。そして、表面側の開口610aを通過した光が、印刷シート63の導光孔630を通り、透明フィルム65を通過して遊技盤6の表面側に導かれる。
遊技盤6を構成する板状部材61に形成され、発光ユニット200(特に透光ケース部240)が埋設される貫通孔610において、表面側の開口610aが裏面側の開口610bよりも小さいので、セルシート600において板状部材61に貼付けられていない部分(貫通孔610の位置に対応する領域部分)の範囲を小さくすることができる。これにより、セルシート600について、板状部材61の表面側の開口610aに対応する部分に外力が加わったときにおいて、当該部分の撓みおよび破れ等の変形を抑制することができる。また、貫通孔610内に配置される透光ケース部240の透光部243が、貫通孔610の途中に形成された段部613を境界として表面側に形成された第1の空間領域611に配置されている。したがって、貫通孔610内における透光部243の配置位置は、貫通孔610の途中にある段部613の位置が基準となる。これにより、貫通孔610と透光部243との配置関係は、たとえば、湿度および温度等の変形要因により板状部材61が厚さ方向に変形したとき(たとえば、板状部材61が木製の場合は湿度の高低により変形し、板状部材61が合成樹脂製の場合は温度の高低により変形する)、および、板状部材61の厚みの加工寸法に誤差が生じたとき(板状部材61の加工時に設計寸法に対して誤差が生じたとき)のように、板状部材61の厚さが変化しても、その厚さの変化により生じるすべての影響のうち一部の影響のみを受けることとなる。これにより、貫通孔610と透光部243との配置関係は、板状部材61の厚さが変化しても、その変化の影響を受けにくくなる。そして、このような透光部243は、貫通孔610の段部613から板状部材61の表面までの厚さと同じ厚さに形成され、かつ、突出する先端が貫通孔610の表面側の開口610aに相当する大きさに形成されるので、透光部243の先端が板状部材61の表面側の開口610aにおいて板状部材61の表面と面一状態となり得る。これにより、透光部243は、透光部243の先端部により、貫通孔610の表面側の開口位置においてセルシート600を補強することができ、さらに、板状部材61の厚さが変化しても、そのような補強構造を保持することができる。また、貫通孔610において、表面側の開口610aが裏面側の開口610bよりも小さいことにより、たとえば、発光ユニット200(特に透光ケース部240)がまだ埋設されていない製造段階での遊技盤6においても、セルシート600について、板状部材61の表面側の開口610aに対応する部分に外力が加わったときにおいて、当該部分の撓みおよび破れ等の変形を抑制することができる。
(2) 図8に示すように、印刷シート63の導光孔630の開口が板状部材の貫通孔610における表面側の開口610aよりも小さいので、セルシート600を板状部材61の表面側に貼付したときに、板状部材61の貫通孔610と印刷シート63の導光孔630との位置関係に多少のずれが生じたときでも、板状部材61の貫通孔610上に印刷シートの導光孔630が位置するので、埋設ランプ24の光を遊技盤6の表面側へ導くことが可能となるような位置関係を担保しやすくなるようにすることができる。
(3) 図8に示すように、背紙66の導光孔660の開口が板状部材61の貫通孔610における表面側の開口610aよりも大きいので、セルシート600を板状部材61の表面側に貼付したときに、板状部材61の貫通孔610と背紙66の導光孔660との位置関係に多少のずれが生じたときでも、板状部材61の貫通孔610上に背紙の背紙66の導光孔660が位置するので、埋設ランプ24の光を遊技盤6の表面側へ導くことが可能となるような位置関係を担保しやすくなるようにすることができる。
(4) 図8に示すように、背紙66の導光孔660の開口が、印刷シート63の導光孔630の開口よりも大きいので、セルシート600において、印刷シート63と背紙66とを貼付するときに、背紙66の導光孔660と印刷シート63の導光孔630との位置関係に多少のずれが生じたときでも、背紙の背紙66の導光孔660上に印刷シートの導光孔630が位置するので、埋設ランプ24の光を遊技盤6の表面側へ導くことが可能となるような位置関係を担保しやすくなるようにすることができる。
(5) 図3および図4に示すように、シリアル信号方式の制御信号を用いて変動表示装置9、演出表示装置91〜93、埋設ランプ24、装飾ランプ25、始動入賞装置15、および、特別可変入賞球装置20等のような発光体を含む電気部品を制御することにより、発光体を含む電気部品を制御することに関し、パラレル信号方式の制御信号を用いるときと比べて、制御信号を伝送する配線数を低減することができるとともに、配線の取り回しを容易化することができる。
(6) 図15〜図19に示すように、遊技盤6において、導電性を有する障害釘60と電気的に接続され、カーボンのような導電性物質を含有する導電性塗料により形成されて電気的に接地される導電塗料層661,661a〜661eが、導電性塗料が塗られた部分と塗られていない部分とからなり、インピーダンスを調整するために当該塗られた部分と塗られていない部分とが所定の態様で組合せた所定の塗装パターンで形成される。このように、導電性塗料の塗装パターンに基づいて導電塗料層661,661a〜661eの電気抵抗が調整されることにより、導電塗料層661,661a〜661eの電気抵抗を高くして導電塗料層に過大な漏電電流が流れにくくなるようにすることができる。これにより、漏電電流により遊技盤6に生じる不具合を抑制することができる。より具体的には、たとえば、全面的に導電塗料を塗った場合(所謂ベタ塗り)と比較すると、遊技盤6において、電気的接地位置までの電流の距離が長くなること、電流が流れる領域の面積が減ること、または、電流経路が蛇行する(曲がる、折れる)こと等の理由により、遊技盤6において電流が流れにくくなり、電気抵抗値が上がる。それにしたがい遊技盤6を電流が流れるときの電流値が低下し、漏電電流により遊技盤が発熱しにくくなる。
(7) 図14に示すように、印刷シート63において、導光孔630を形成するために切削加工により切り欠かれる領域Q2が特定可能に印刷されたことにより、印刷シート63において、不良箇所が生じたときに、その不良箇所が後の切削加工により切り欠かれる領域であるか否かを判別することができる。つまり、その不良箇所がセルシート600にとって実際に必要となる領域であるか否かを判別することができる。これにより、印刷シート63に不良箇所が生じたときには、不良箇所が切削加工により切り欠かれない領域、すなわち、セルシート600にとって実際に必要となる領域であると判別したものに限り、印刷シート63を破棄することが可能となり、印刷シートの無用な破棄を抑制することができる。
(8) 第2実施形態に示すように、遊技盤6において、導電性を有する障害釘60と電気的に接続され、導電性物質を含有する導電性塗料により形成されて電気的に接地される導電塗料層661e,661fが、インピーダンス(電気抵抗)を調整するために導電性塗料における導電性物質の濃度が所定濃度とされる。具体的には、導電塗料層661e,661fを、過度の発熱、発煙、発火等が生じない電気抵抗値となるような濃度とする。このように、導電性塗料における導電性物質の濃度を所定濃度とすることに基づいて導電塗料層661e,661fのインピーダンスが調整されることにより、導電塗料層の電気抵抗を高くして導電塗料層に過大な漏電電流が流れにくくなるようにすることができる。これにより、漏電電流により遊技盤6に生じる不具合を抑制(低減、防止)することができる。
(9) 図15〜図19、図23、図24に示すように、遊技盤6において、背紙66の裏面側に、導電性を有する障害釘60と電気的に接続され導電性物質を含有する導電性塗料により形成されて電気的に接地される導電塗料層661,661a,632b,632c,632d,632e,661fが形成されるが、図15等に示すように、背紙66については、裏面側において、遊技盤6での遊技領域7外の領域に相当する所定の位置において、導電性塗料を印刷しない非導電領域として、非印刷領域6600,6600c、6000dが形成される。このように、背紙66の裏面側において、遊技盤6での遊技領域7外の領域に相当する所定の位置に導電性塗料を印刷しない非印刷領域6600,6600c、6000dが形成されることにより、遊技盤6において形成される導電塗料層について無用な形成を抑制することができる。そして、導電塗料層の無用な形成が抑制されることに基づいて、パチンコ遊技機1の製造コストを低減することができる。また、背紙66を含むセルシート600の製造コストを低減することができる。
(10) 図14等に示すように、遊技盤6を構成する板状部材61の表面側に貼付される印刷シート63において、板状部材61の表面側に、遊技領域7を装飾する絵柄を印刷してなる印刷層631が表面側に形成され、当該印刷シート63を基板に貼付した後に電気部品を取付けるための開口部または切り欠き部を形成するために、切削加工により切り欠かれる切削加工領域Q1が特定可能に印刷される。切削加工により切り欠かれる領域が特定可能に印刷されたことにより、遊技盤6において、表面側に不良箇所が生じたときに、その不良箇所が後の切削加工により切り欠かれる領域であるか否かを判別することができる。つまり、その不良箇所が遊技機の完成段階で、遊技盤6において表面側に露出する領域であるか否かを判別することができる。これにより、遊技盤6の表面側に不良箇所が生じたときには、不良箇所が切削加工により切り欠かれない領域、すなわち、パチンコ遊技機1の完成段階において表面側において露出する領域(絵柄が遊技者の目に触れる領域)であると判別したものに限り、遊技盤6を破棄することが可能となり、遊技盤6の無用な破棄を抑制することができる。
(11) 前述の切削加工領域Q1が特定可能に印刷されることは、次のようにも表現することができる。図14での境界線Rに関する変形例として説明したように、遊技盤6を構成する板状部材61の表面側に貼付される印刷シート63において、板状部材61の表面側に、遊技領域7を装飾する絵柄を印刷してなる印刷層631が表面側に形成され、当該印刷シート63を基板に貼付した後に電気部品を取付けることにより覆われる領域として、少なくとも、切削加工領域Q1が特定可能に印刷される。さらに、電気部品を取付けることにより覆われる領域としては、切削加工領域Q1の外側で電気部品の縁部が存在することとなる領域と絵柄を印刷する領域との境界線により示される領域も含まれる。電気部品を取付けることにより覆われる領域が特定可能に印刷されたことにより、遊技盤6において、表面側に不良箇所が生じたときに、その不良箇所が後に電気部品を取付けることにより覆われる領域であるか否かを判別することができる。つまり、その不良箇所がパチンコ遊技機1の完成段階で、遊技盤6において表面側に露出する領域であるか否かを判別することができる。これにより、遊技盤6の表面側に不良箇所が生じたときには、不良箇所が後に電気部品を取付けることにより覆われない領域、すなわち、パチンコ遊技機1の完成段階において表面側において露出する領域(絵柄が遊技者の目に触れる領域)であると判別したものに限り、遊技盤6を破棄することが可能となり、遊技盤6の無用な破棄を抑制することができる。
(12) 前述したように、導電塗料層と電気的に接続される態様で遊技盤6に取付けられた複数の電気部品のそれぞれについてメッキを施すことに基づいて、メッキ部により、隣合う電気部品が導通した態様で遊技盤6に配置されている。これにより、いずれかの電気部品が導電塗料層661等と電気的に良好に接続されていない状態(接続不良等)であっても、当該電気部品は、他の電気部品を介して導電塗料層661等と電気的に接続可能である。つまり、各電気部品は、自らが、導電塗料層661を介して電気的に接地されているとともに、隣合う他の電気部品および導電塗料層661を介して電気的に接地されており、接地経路が多重化されている。したがって、導電塗料層661等と電気的に良好に接続されていない電気部品に生じた静電気を他の電気部品を経て導電塗料層661等から逃がすことができる。
(13) 図14に示すように、印刷シート63が、電気部品を取付ける領域には絵柄の印刷をせず、電気部品を取付けない領域に絵柄の印刷をすることに基づいて、電気部品を取付ける領域が特定可能に印刷されたことにより、電気部品を取付ける領域であるか否かを判別しやすいようにすることができる(判別精度を向上させることができる)。
(14) 第3実施形態に示すように、印刷シート63が、電気部品を取付ける領域の色数を、電気部品を取付けない領域の色数よりも少なくすることに基づいて、電気部品を取付ける領域が特定可能に印刷されたことにより、電気部品を取付ける領域であるか否かを判別しやすいようにすることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、パチンコ遊技機1が変動表示装置9を備えたものを示した。しかし、これに限らず、パチンコ遊技機1としては、変動表示装置9を備えない遊技機であってもよい。
(2) 前述した実施の形態に示した印刷シート63は、不透明である例を示した。しかし、これに限らず、印刷シート63は、半透明であってもよく、また、透明であってもよい。つまり、印刷シート63は、透視性があってもよい。このように印刷シート63に透視性を持たせれば、表面側の絵柄と裏面側の導電層との対応位置関係が明確にわかるようにすることができる。印刷シート63が透明の場合においては、印刷層631を印刷シート63の表面側ではなく裏面側に形成してもよい。
(3) 第1実施形態では、図14に示すように、印刷シート63は、電気部品Sを取付ける領域(切削加工領域Q1)には絵柄の印刷をせず、電気部品を取付けない領域に絵柄の印刷をすることに基づいて、電気部品を取付けない領域が特定可能とする例を示した。この場合には、図14に示すように電気部品を取付ける領域と、電気部品を取付けない領域との境界が線状となっている。しかし、これに限らず、電気部品を取付ける領域と、電気部品を取付けない領域との境界を帯状とするような印刷を行なうようにしてもよい。具体的に、そのような帯状の境界範囲は、電気部品を取付けない領域から電気部品を取付ける領域に向かって、印刷の濃度が暫時薄くなっていくグラデーション状としてもよく、また、絵柄を多色刷りとする場合には各色の印刷範囲の終端の位置がずれることにより電気部品を取付けない領域から電気部品を取付ける領域に向かって印刷の色が変化するものであってもよい。
(4) 印刷シート63において、電気部品を取付けない領域を特定可能とするその他の例としては、電気部品Sを取付ける領域を特定の色の線で囲う印刷(たとえば、前述の実施の形態で示したような境界線Rを印刷)を行なう等、電気部品を取付けない領域が特定可能となる印刷形式であればどのような印刷形式を用いてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、たとえば、図14および図15に示すように、印刷層631の印刷範囲と、導電塗料層661(661a,632b,632c,632dも同様)の印刷範囲とが一致する例を示した。しかし、これに限らず、導電塗料層661の印刷範囲は、印刷層631の印刷範囲と比べて、広い範囲であってもよく、狭い範囲であってもよい。
(6) 前述した実施の形態では、導電性塗料の塗装パターンに基づいて導電塗料層のインピーダンスを調整した例と、導電性塗料における導電性物質の濃度を所定濃度とすることに基づいて導電塗料層のインピーダンスを調整した例とを示した。しかし、これに限らず、導電性塗料の塗装パターンと導電性塗料における導電性物質の濃度との両方の組合せに基づいて、導電塗料層のインピーダンスを調整するようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態で示した印刷層631は、絵柄を印刷する塗料に前述したような導電性物質を含有させて印刷するようにしてもよい。印刷層631が多色刷りの場合には、少なくとも1色の塗料に導電性物質を含有させればよい。そのようにすれば、その導電性物質の濃度を調整することに基づいて、遊技盤6の電気抵抗(インピーダンス)を調整することもできる。
(8) 前述した実施の形態では、導電性塗料の塗装パターンまたは導電性塗料における導電性物質の濃度に基づいて、導電塗料層のインピーダンスを調整した例を示した。前述した実施の形態では、導電性塗料の塗装パターンまたは導電性塗料における導電性物質の濃度に基づいて調整するのは、交流を対象としたインピーダンスを例として示したが、インピーダンスを含む電気抵抗である。したがって、導電性塗料の塗装パターンまたは導電性塗料における導電性物質の濃度に基づいて、直流を対象とした電気抵抗値(Ω)を調整してもよい。
(9) 前述した実施の形態では、遊技盤6に形成された貫通孔610内に埋設された態様で装飾的に発光させられる埋設ランプ24は、2つを1組として左右に2つ並んで設けられた例を示した。しかし、これに限らず、埋設ランプ24は、1つずつ設けられるようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、第1の空間領域611および第2の空間領域612のそれぞれは、正面視して円形をなす空間であり、当該空間における円の円の中心軸は、第1の空間領域611と第2の空間領域612とで偏心している例を示した。しかし、これに限らず、第1の空間領域611の中心軸と、第2の空間領域612の中心軸とが同軸となるようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態では、板状部材61の内部に第1の空間領域611および第2の空間領域612を形成する貫通孔610を設け、基板収納部242が貫通孔610の第2の空間領域612に配置され、透光部243が貫通孔610の第1の空間領域に配置される態様で透光ケース部240が、板状部材61の内部に取付けられる例を示した。第2の空間領域612は、少なくとも埋設ランプ基板241が収納できるような形状および大きさであればよく、第1の空間領域611は、少なくとも埋設ランプ24が臨み、埋設ランプ24の光を遊技盤6の表面側まで導くことができるような形状および大きさであればよい。
(12) 前述した実施の形態では、貫通孔610における板状部材61の表面側の開口の輪郭をぼかすことを目的として、セルシート600において、マス層69を設けた例を示した。しかし、これに限らず、セルシート600においては、マスク層69を設けなくてもよい。
(13) 前述した実施の形態では、印刷シート63において、埋設ランプ24の光を遊技盤6の表面側へ導くための導光部として、板状部材61に形成された貫通孔610の開口610aに対応する位置に導光孔630を形成する例を示した。しかし、これに限らず、印刷シート63が透光可能なシート(たとえば、透明なシート)であるときには、印刷シート63において、埋設ランプ24の光を遊技盤6の表面側へ導くための導光部として、板状部材61に形成された貫通孔610の開口610aに対応する位置に印刷をせずに当該位置を透光領域(たとえば、導光孔630を形成しない透明な領域)とするようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態では、背紙66において、埋設ランプ24の光を遊技盤6の表面側へ導くための導光部として、板状部材61に形成された貫通孔610の開口610aに対応する位置に導光孔660を形成する例を示した。しかし、これに限らず、背紙66が透光可能なシート(たとえば、透明なシート)であるときには、背紙66において、埋設ランプ24の光を遊技盤6の表面側へ導くための導光部として、板状部材61に形成された貫通孔610の開口610aに対応する位置を透光領域(たとえば、導光孔660を形成しない透明な領域)とするようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態では、透光ケース部240の透光部243が、貫通孔610における段部613から板状部材61の表面までの厚さと同じ厚さに形成され、かつ、突出する先端が貫通孔610の表面側の開口610aに相当する大きさに形成されている例を示した。しかし、これに限らず、透光ケース部240の透光部243は、貫通孔610における段部613から板状部材61の表面までの厚さとたとえば1mm以下異なる厚さになる等、貫通孔610における段部613から板状部材61の表面までの厚さと製造工程の誤差範囲内で異なる厚さになるのであれば、同じ厚さでなくてもよい。つまり、透光ケース部240の透光部243は、貫通孔610における段部613から板状部材61の表面までの厚さと略同じ厚さに形成されていればよい。また、透光ケース部240の透光部243は、突出する先端が貫通孔610の表面側の開口610aに相当する大きさに形成されていなくてもよく、たとえば、突出する先端が貫通孔610の表面側の開口610aの大きさよりも小さくてもよい。
(16) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
6 遊技盤、1 パチンコ遊技機、61 板状部材、600 セルシート、200 発光ユニット、24 埋設ランプ、241 埋設ランプ基板、240 透光ケース部、610 貫通孔、610a,610b 開口、611 第1の空間領域、612 第2の空間領域、242 基板収納部、630 導光孔、66 背紙、660 導光孔、560 遊技制御用マイクロコンピュータ、81 演出制御用マイクロコンピュータ、253 シリアル出力回路、300 盤側IC基板、60 障害釘、661,661a〜661e 導電塗料層、61 板状部材、Q2 切削加工領域。