JP2009022913A - 厨芥処理装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 厨芥処理装置とくに小型の厨芥処理装置における固定刃の製作を簡単にし、材料や刃の形状の選択を容易にし、固定刃を安価にする。
【構成】 シンクの排水孔に連結した投入口１に続く破砕室２の底部に回転板３を設け、この回転板３を囲んでケーシング７の内側に固定刃６を取り付けている厨芥処理装置において、ステンレス鋼板からの打ち抜きにより、固定刃を周方向に分割した形状の積層板１１，１２を形成し、ケーシング７の固定刃取り付け部に、前記積層板を必要な枚数だけ積層した積層体６ａ、６ｂ、６ｃを、分割した数に応じて環状に連結させて固定刃６を構成させる。
【選択図】 図２

Description

本発明は、厨房で発生する厨芥を破砕処理する厨芥処理装置、とくに家庭用に用いられる小型の厨芥処理装置に有効な固定刃の構造に関する。

厨芥処理装置は、厨房などにおけるシンクの排水孔に連結される投入口と、投入口に続く破砕室をそなえ、この破砕室の底部に電動機で回転する回転板を設けて投入された厨芥を受け、回転板の上面に取り付けたスイングハンマーまたは固定したハンマーと、回転板の外周に対向させてケーシング内側に取り付けた固定刃を設け、回転板の回転により破砕室内で前記ハンマーと遠心力で厨芥を破砕し、さらに回転板と固定刃との間で剪断して排出するようにしている。（たとえば特許文献１、特許文献２参照）

この固定刃は、一般にステンレス鋼の環状体の内周面に多数の縦溝を切削加工して形成されているが（たとえば特許文献３参照）、縦溝に変えてスリット状のものも用いられている。（特許文献４参照）
また、溝部分と突条部分とを連続させたループ状帯を形成し、外周の刃部分を硬質プラスチックス材料で形成させるもの（特許文献３参照）、ステンレス鋼板からスリット状の刃体部と環状の取付ツバ部をプレスの曲げ加工で形成するもの（特許文献５参照）、縦縞鋼板を所要の幅に切断して環状に形成するもの（特許文献６参照）、大小のリング状の刃を積層して径の違いにより周方向の刃を多段に構成させるもの（特許文献７参照）などが提案されている。

実開昭６２−８３５４０号公報 特開平６−１７０２６１号公報 特開２０００−１８９８２７号公報（［０００７］［０００８］） 特開昭５５−５７４６号公報 特開２００５−２８２５８号公報 特開２００５−３４７６４号公報 特開平６−１４２５４１号公報

しかし、固定刃をステンレスなどの環状体から切削加工し、内周面に半円形などの縦溝を多数設ける構造では、パイプを切断したリングの内周面に多数の縦溝をそれぞれ各個に削り出す必要があり、加工作業が面倒で切削加工に時間と費用がかかるだけでなく、市販のステンレスパイプは材質がＳＵＳ３０４に限られており、安価なＳＵＳ４３０を使用できないなどの問題があった。

なお、ステンレス鋼板を波状にした帯を環状に形成し、その外周の刃本体にあたる部分に硬質プラスチックを形成させる固定刃では、プラスチック加工を必要とするだけでなく、形成された固定刃の回転刃との対向面に角がなく波状の曲面になっているので剪断性能が低下する。また、縦縞鋼板を所要の幅に切断して環状に形成するものでは刃の形状を自由に選択し難いなどの欠点があった。

また、プレスで環状に打ち抜いたり、曲げ加工をするものは、大型のプレス金型が必要で設備費が高くなるだけでなく、大小のリング状の積層板を打ち抜いて交互に積層するものでは、周方向の刃と溝が多段に構成されるが、排出方向の刃と溝の隙間が屈曲しているため厨芥の排出が円滑に行われず、溝内に厨芥が残って悪臭などの原因になるなどの欠点がある。

本発明は、プレス加工によって製作を簡単にするとともに材料費を節減し、縦方向の溝を形成させ、必要に応じて刃の形状を容易に選択できるようにした厨芥処理装置の固定刃を提供する。

このため、厨芥処理装置の固定刃が、固定刃を周方向に分割した形状に鋼板から打ち抜き形成した積層板を積層し、前記分割した数に応じた複数の積層体を環状に連結させて固定刃を構成することを特徴としている。
なお、前記周方向に分割した積層板は、材料の歩留まりと工数を考慮すれば固定刃を周方向に３分割した形状にすることが好ましい。

このように本発明は、固定刃を周方向に分割した形状の積層板を積層することにより、積層板を小形にしてプレス型の製作を容易にするだけでなく、環状でないため材料の歩留まりを向上させ、材料となるステンレス材などもパイプ材に変えてフープ材を用いることができる利点があり、材質の選択が自由で固定刃を安価に製作することができる。
なお、分割数は限定されないが３個に分割することにより、家庭用のシンクに取り付ける小型の厨芥処理装置では材料の歩留まりがよく、積層の手数なども少ない効果がある。
また、打ち抜かれた積層板は、あらかじめ所要枚数積層した積層体としてケーシングに挿入し、あるいはケーシング内に順次に挿入して積層させることができ、固定刃を傾斜して形成させることも容易にできる。

また、厨芥を確実に固定刃に誘導させるための切り欠き部を設ける場合も、積層体であるため、打抜形状を変えた積層板を合わせて積層するだけで容易に形成でき、切削加工では困難な形状の刃や溝も容易に所望の形状に形成し得るなどの効果がある。
なお、刃が積層体であるため、刃の表面や側面に微小なズレや隙間が生じており、切削加工のように平滑でないために厨芥を接触保持し易く、厨芥が溝を素通りすることがなく細かく剪断させる効果がある。

シンクの排水孔に連結した投入口に続く破砕室と、この破砕室の底部に投入口から投入される厨芥を受ける回転板と、回転板を囲んで破砕室内周面に取り付けた固定刃を有する厨芥処理装置において、固定刃を周方向に分割とくに３分割した形状に打ち抜き形成した積層板を積層して縦方向の刃を形成し、前記分割した数の積層体を環状に連結させて固定刃を構成している。

図１は本発明を実施する厨芥処理装置の例を示すもので、１は厨芥の投入口、２は投入口に続く破砕室、３は破砕室の底部に設けた回転板、４は回転板３上に固定したハンマー、５はモータ軸、６は回転板３を囲んでケーシング７に取り付けた固定刃、８は排出室、９は排出管である。
投入口１から投入された厨芥（生ゴミ）を回転板３上に受け、給水しながらモータ軸５で回転させる。この回転により回転板３上に固定したハンマー４で厨芥を砕くとともに、遠心力で破砕室２内に飛散させ、回転板３外周と固定刃６との間に誘導して厨芥を細かく剪断し、排出室８に落下させて排出管９から排出させる。

図７は、前述のような厨芥処理装置における従来の固定刃６１の例を示す斜視図で、ステンレスＳＵＳ３０４のパイプを所要の長さに切断した固定刃材料５１の内周面に、多数の溝５２と段落ち部５３を切削加工しており、切削加工に手数を要するとともに市販のパイプによって径や溝５２の深さが制限されている。

図２は本発明による固定刃６の実施例を示す斜視図、図３はその上面図で、固定刃６を周方向に３分割した形状に打ち抜いた積層板を積層した積層体６ａ、６ｂ、６ｃを環状に連結して構成させている。
各積層体６ａ、６ｂ、６ｃは、図４に示すように、厚さ１ｍｍ〜２ｍｍのステンレスＳＵＳ４３０またはＳＵＳ３０４などの板材から打ち抜かれ、所要数の刃部１３と溝部１４をそなえ、両端に係合片１５と係合溝１６をそなえた積層板１１と、図５に示すように同様に打ち抜き加工され、一部の刃部を切り欠いた切り欠き部１７をそなえた積層板１２を形成し、この積層板１１、１２を必要枚数（図２の実施例では積層板１１を４枚、積層板１２を６枚）重ね、１または２箇所に設けたかしめ孔１８に図示しないかしめピンたとえばスプリングピンを挿入して固定させている。なお、かしめピンに代えて外周面の一部を積層方向に溶接してもよい。

この積層体６ａ、６ｂ、６ｃは、両端に設けた係合片１５と係合溝１６を順次に嵌合させて環状に連結させ、環状体にしてケーシング７の固定刃取り付け部に挿入固定させる。
なお、積層体６ａ、６ｂ、６ｃを各個にケーシング７に挿入して相互に係合片１５と係合溝１６を連結させてもよく、積層板１１、１２を順次にケーシング７の固定刃取り付け部に挿入してケーシング内で積層連結させることもできる。

なお、係合片１５と係合溝１６の形状は図に示した山形に限られず、半円形や楔状など積層体相互が径方向にずれないようにできればよい。また、図６のように、両端に半円形の係合溝１６を形成して突き合わせた孔に、ピン１９を挿入するようにしてもよく、角形の係合溝とピンでもよい。

図７は積層板１１の別の形状を示した例で、外側に開口する凹溝２０を数箇所（図では１箇所）設けており、積層板１２も同様に形成する。このように凹溝２０を設けた積層板を積層しケーシング７の内周面に設けた突条に嵌合させて位置決めするとともに、固定刃の周方向のズレを生じないようにしている。

なお、凹溝２０と突条を図示のように楔形にすれば径方向の保持もでき、両端部にも設けて保持を確実にすれば係合突起１５および係合溝１６を省略することも可能である。
また、凹溝２０を突条に嵌合させて積層することにより、積層板をあらかじめ積層体としないで１枚または数枚づつケーシング７の固定刃取り付け部に順次に挿入して積層体を形成させることもでき、この場合はかしめ孔１８を省いてもよい。
なお、積層板はステンレス鋼板などから打ち抜いて成形されるので、パイプから切り出すように径方向厚さの制限が無く、凹溝２０を設けるために積層板の径方向幅を広くすることもでき、図示しない積層板１２についても同様に凹溝２０が設けられる。

図の実施例では固定刃６に切り欠き部１７を設けているが、切り欠き部１７を要しない固定刃の場合は、積層板１１のみを必要枚数重ねて積層体を形成すればよいことは自明であり、かしめ孔１８にピンを挿入して傾斜させた状態で外面を積層方向に溶接させ、あるいはケーシング７の突条を傾斜させて設けることにより、傾斜した刃部を形成させることもできる。
また、図の実施例では刃部１３と溝部１４を歯車状にしているが、固定刃の積層板１１，１２は打ち抜きで形成されるため、刃相互の溝部１４を開口部より奥の方を広くして溝内に入った厨芥を落ち易くするなど刃部や溝部の形状も任意に選択できる。

本発明の固定刃を取り付ける厨芥処理装置の例を示す側断面図である。 本発明による固定刃の例を示す斜視縦図である。 図２の上面図である。 本発明による固定刃を構成する積層板の上面図である。 本発明による固定刃を構成する異なる積層板の上面図である。 積層相互の連結部分の例を示す上面図である。 積層板の別の形状を示す上面図である。 従来の固定刃の例を示す斜視図である。

符号の説明

１ 投入口
２ 破砕室
３ 回転板
４ ハンマー
５ モータ軸
６ 固定刃
６ａ、６ｂ、６ｃ 積層体
７ ケーシング
８ 排出室
９ 排出管
１１，１２ 積層板
１３ 刃部
１４ 溝部
１５ 係合突起
１６ 係合溝
１７ 切り欠き部
１８ かしめ孔
１９ ピン
２０ 凹溝

Claims (5)

1. シンクの排水孔に連結する投入口に続く破砕室をそなえ、この破砕室の底部に投入口から投入される厨芥を受ける回転板を設け、この回転板を囲んでケーシングに取り付けた固定刃を有する厨芥処理装置において、前記固定刃が、固定刃を周方向に分割した形状に打ち抜き形成した積層板を積層し、前記分割数に応じた積層体を環状に連結させていることを特徴とする厨芥処理装置。
2. 前記固定刃が、固定刃を周方向に３分割した形状の積層板を積層して構成されている請求項１に記載した厨芥処理装置。
3. 前記固定刃が、積層板をあらかじめ所要数積層した積層体を形成し、この積層体を環状に連結させてケーシングに取り付けている請求項１または２に記載した厨芥処理装置。
4. 前記固定刃が、積層板を順次にケーシングに挿入して環状の積層体を構成させている請求項１または２に記載した厨芥処理装置。
5. 前記固定刃が、積層板の外周に凹溝を形成し、ケーシングの固定刃取り付け面に設けた突条に前記凹溝を嵌合させて積層させている請求項１ないし４のいずれかに記載した厨芥処理装置。

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