JP2009008205A - 車軸用軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造が簡単で少量の潤滑油で十分に潤滑機能を発揮することができ、潤滑油の交換も容易な軸受部を備えた車軸用軸受装置を提供する。
【解決手段】車輪が取付けられるフランジ3、及びフランジ3のインナ側に設けられた円筒部5からなるハブシャフト2と、内輪11、潤滑油の注入・排出穴15が設けられた外輪13、及び内輪11と外輪13の間に転動自在に配設された転動体20を備え、内輪11と外輪13の間のインナ側とアウタ側の開口部にオイルシール21a,22bが装着されてハブシャフト2の円筒部5に圧入された軸受部10とを有し、この軸受部10の外輪13に設けた注入・排出穴15から内輪11と外輪13との間に潤滑油25を注入し、注入・排出穴15を開閉可能な栓17で閉塞した。
【選択図】図1
【解決手段】車輪が取付けられるフランジ3、及びフランジ3のインナ側に設けられた円筒部5からなるハブシャフト2と、内輪11、潤滑油の注入・排出穴15が設けられた外輪13、及び内輪11と外輪13の間に転動自在に配設された転動体20を備え、内輪11と外輪13の間のインナ側とアウタ側の開口部にオイルシール21a,22bが装着されてハブシャフト2の円筒部5に圧入された軸受部10とを有し、この軸受部10の外輪13に設けた注入・排出穴15から内輪11と外輪13との間に潤滑油25を注入し、注入・排出穴15を開閉可能な栓17で閉塞した。
【選択図】図1
Description
本発明は、車軸用軸受装置に係り、より詳しくは、ハブシャフトに組込まれた軸受部の潤滑構造に関するものである。
従来、車軸用軸受装置のハブシャフトに組込まれた軸受部の潤滑には、主としてグリースが用いられていた。この場合、自動車、特にトラックにおいては、少なくとも1年に1回はグリースを交換することが必要であるが、そのためには軸受部自体を分解しなければならないため、メンテナンスがきわめて面倒であった。
従来のユニット式ホイールハブと軸受の組立体に、車軸の端部にスリーブを嵌合して固定し、その外周に大きな密閉空洞を隔てて配置した一対の軸受を介してホイールハブを回転自在に嵌合し、スリーブとホイールハブのインナ側とアウタ側の間をシールすると共に、羽根を有し両軸受の間においてスリーブに固定された環状部材を設け、ホイールハブに設けた注入口から密閉空洞にグリースや油などを注入して、軸受を潤滑するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の技術において、潤滑剤として油を使用した場合は、グリースの場合に比べて耐用年数を延ばすことができるが、大きな密閉空洞に油を注入しなければならないので、多数の車輪を有するトラック等においては多量の油が必要なため、不経済である。
また、油の注入口がホイールハブに設けられているため、回転中に栓が脱落して油が滲出してしまうおそれがあった。
また、油の注入口がホイールハブに設けられているため、回転中に栓が脱落して油が滲出してしまうおそれがあった。
さらに、大きな密閉空洞を隔てて一対の軸受が配設されているので、この密閉空洞に注入した油が軸受の転動部に十分浸透しないため、両軸受の間に羽根を有しスリーブに固定された環状部材を設け、油を撹拌して転動部に導かなければならず、このため構造がきわめて複雑で製造、組立が面倒であり、コストアップになっていた。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、潤滑剤として潤滑油を用い、構造が簡単で少量の潤滑油で十分に潤滑機能を発揮することができ、潤滑油の交換も容易な軸受部を備えた車軸用軸受装置を提供することを目的としたものである。
本発明に係る車軸用軸受装置は、車輪が取付けられるフランジ、及び該フランジのインナ側に設けられた円筒部からなるハブシャフトと、内輪、潤滑油の注入・排出穴が設けられた外輪、及び前記内輪と外輪の間に転動自在に配設された複数の転動体を備え、前記内輪と外輪の間のインナ側とアウタ側の開口部にオイルシールが装着されて前記ハブシャフトの円筒部に圧入された軸受部とを有し、該軸受部の外輪に設けた注入・排出穴から前記内輪と外輪との間に潤滑油を注入し、前記注入・排出穴を開閉可能な栓で閉塞したものである。
本発明によれば、構造が簡単で少量の潤滑油で長期にわたって潤滑機能を発揮することができ、その上潤滑油の交換も容易な信頼性の高い軸受部を備えた車軸用軸受装置を得ることができる。
図1は本発明の一実施の形態に係る車軸用軸受装置の縦断面図、図2は図1の軸受部の要部拡大図である。なお、以下の説明では、図の右側をインナ側、左側をアウタ側という。
図において、1は車軸用軸受装置で、鋼材からなるハブシャフト2のアウタ側の外周には、車輪(図示せず)を取付けるためのボルト30が圧入される複数のボルト穴4を有するフランジ3が設けられており、フランジ3の中心部にはインナ側に突出し、後述の軸受部10が装着される円筒部5が設けられている。6は円筒部5の中心部の軸方向に貫設されてドライブシャフトが嵌入される貫通穴である。
図において、1は車軸用軸受装置で、鋼材からなるハブシャフト2のアウタ側の外周には、車輪(図示せず)を取付けるためのボルト30が圧入される複数のボルト穴4を有するフランジ3が設けられており、フランジ3の中心部にはインナ側に突出し、後述の軸受部10が装着される円筒部5が設けられている。6は円筒部5の中心部の軸方向に貫設されてドライブシャフトが嵌入される貫通穴である。
軸受部10は2分割されてそれぞれ両端部に設けた鍔部の間に転走面(軌道面)12が設けられた軸受用鋼材からなる内輪11と、この内輪11の転走面12に対応して2列の転走面14が設けられ、軸方向のほぼ中央部(両転走面14の間)に潤滑油の注入・排出穴15が設けられた軸受用鋼材からなる外輪13と、保持器21a,21bのポケットにそれぞれ転動自在に保持され、内輪11と外輪13の転走面12,14の間に2列に配設された転動体としての軸受用鋼材からなる複数の円錐ころ20とからなっている。なお、注入・排出穴15にはめねじ16が設けられており、このめねじ16には開閉可能な栓であるねじ栓17が螺入されて閉塞するようになっている。22a,22bは内輪11と外輪13の間のインナ側とアウタ側の開口部をシールするオイルシールである。
次に上記のように構成した車軸用軸受装置1の組立手順の一例について説明する。
先ず、組立てられて内輪11と外輪13の間のインナ側とアウタ側の開口部にオイルシール22a,22bが装着された軸受部10を、ハブシャフト2の円筒部5にインナ側から圧入し、円筒部5のインナ側の端部を外周側に折曲げてかしめる(かしめ部7)。これにより、軸受部10はアウタ側に設けた段部8との間に軸力が付与されて固定される。
先ず、組立てられて内輪11と外輪13の間のインナ側とアウタ側の開口部にオイルシール22a,22bが装着された軸受部10を、ハブシャフト2の円筒部5にインナ側から圧入し、円筒部5のインナ側の端部を外周側に折曲げてかしめる(かしめ部7)。これにより、軸受部10はアウタ側に設けた段部8との間に軸力が付与されて固定される。
次に、外輪13に設けた注入・排出穴15を上方に位置させて、この注入・排出穴15から内輪11と外輪13との間に潤滑油25を注入し、開閉可能なねじ栓17を螺入して閉塞する。これにより、内輪11及び外輪13の転走面12,14と円錐ころ20との間に、潤滑油25が浸透し、油膜が形成される。
そして、ハブシャフト2の貫通穴6にドライブシャフト(図示せず)を嵌入して、ハブシャフト2と一体に固定する。このようにしてドライブシャフトが装着された車軸用軸受装置1は、軸受部10の外輪13に設けたフランジ18が車軸ケース等に回転不能に固定され、ドライブシャフトを含むハブシャフト2及び軸受部10の内輪11が回転自在に支持される。
上記のように構成した本実施の形態において、ドライブシャフトが回転すると、ハブシャフト2と軸受部10の内輪11も同時に回転する。このとき、内輪11及び外輪13の転走面12,14と、円錐ころ20との間(以下、転動部という)には潤滑油25が十分浸透して油膜が形成されているので、内輪11は円滑に回転することができる。
潤滑油25を交換する場合は、注入・排出穴15を下向きに位置させてねじ栓17を外せば、潤滑油25は自動的に流出して排出される。そして、注入・排出穴15を上向きに位置させて潤滑油25を注入し、ねじ栓17を螺入すればよい。なお、潤滑油25を排出する場合、注入・排出穴15を上向きに位置させたままで、ポンプ等により強制的に潤滑油25を吸引して排出してもよい。
本発明によれば、軸受部10に潤滑油を用いたので、グリースの場合に比べて転動部のフリクションを低減することができる。
また、潤滑油はグリースに比べて約10倍程度の耐用年数があるので、数年間はメンテナンスフリートすることができ、その上開閉可能な栓17を用いているので潤滑油25の交換も前述のようにきわめて簡単である。さらに、排出された潤滑油25を調べることにより、軸受部10の磨耗状態等を判断することができる。
また、潤滑油はグリースに比べて約10倍程度の耐用年数があるので、数年間はメンテナンスフリートすることができ、その上開閉可能な栓17を用いているので潤滑油25の交換も前述のようにきわめて簡単である。さらに、排出された潤滑油25を調べることにより、軸受部10の磨耗状態等を判断することができる。
また、軸受部10は、複列の円錐ころ20が軸方向に短かい間隔で配設されており、両者の間に形成された空間部が狭いため、この空間部等に注入される潤滑油25も少量でよく、経済的である。また、潤滑油25を強制的に撹拌することなく転動部に十分浸透して油膜を形成することができるので、撹拌手段等が不要であり構造が簡単である。
さらに、潤滑油25の注入・排出穴15を固定部である軸受部10の外輪13に設けたので、ハブシャフト2や内輪11が回転してもねじ栓17が外れるおそれがなく、したがって潤滑油25が流出することもないため、信頼性の高い車軸用軸受装置を得ることができる。
上記の説明では、軸受部10を2つの内輪11がハブシャフト2と別体の場合を示したが、一方のみが別体で他方がハブシャフト2の外周面に一体形成されたものでもよい。また、図示の駆動輪用の軸受装置に本発明を実施した場合を示したが、これに限定するものではなく、例えば、軸受部に保持器を用いないもの、従動輪用の軸受装置やその他の構造の車軸用軸受装置にも本発明を実施することができる。
1 車軸用軸受装置、2 ハブシャフト、3 フランジ、5 円筒部、10 軸受部、11 内輪、13 外輪、15 潤滑油の注入・排出穴、17 栓、20 円錐ころ(転動体)、22a,22b オイルシール、25 潤滑油。
Claims (1)
- 車輪が取付けられるフランジ、及び該フランジのインナ側に設けられた円筒部からなるハブシャフトと、内輪、潤滑油の注入・排出穴が設けられた外輪、及び前記内輪と外輪の間に転動自在に配設された複数の転動体を備え、前記内輪と外輪の間のインナ側とアウタ側の開口部にオイルシールが装着されて前記ハブシャフトの円筒部に圧入された軸受部とを有し、
該軸受部の外輪に設けた注入・排出穴から前記内輪と外輪との間に潤滑油を注入し、前記注入・排出穴を開閉可能な栓で閉塞したことを特徴とする車軸用軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007171721A JP2009008205A (ja) | 2007-06-29 | 2007-06-29 | 車軸用軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009008205A true JP2009008205A (ja) | 2009-01-15 |
Family
ID=40323480
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007171721A Withdrawn JP2009008205A (ja) | 2007-06-29 | 2007-06-29 | 車軸用軸受装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2009008205A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102700362A (zh) * | 2012-06-21 | 2012-10-03 | 安徽马钢和菱实业有限公司 | 磁性清渣轮毂 |
CN109899402A (zh) * | 2017-12-08 | 2019-06-18 | 斯凯孚公司 | 车轮轴承单元和预组装方法 |
CN113212061A (zh) * | 2021-05-27 | 2021-08-06 | 山东浩信机械有限公司 | 轮毂总成及其装配方法 |
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2007
- 2007-06-29 JP JP2007171721A patent/JP2009008205A/ja not_active Withdrawn
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