JP2008538908A - エフェクター機能が増強されたヒトIgG抗体を作製する方法 - Google Patents
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Abstract
Description
以下の用語は、別段の指定がない限り本明細書において下記の定義を有する。
この節では、本発明の方法で使用するFc−LTMライブラリーを説明する。下記の第IV節でより十分に論じるように、そのライブラリーの目的は、Fc断片の1つまたは複数の選択された領域においてそれぞれまたは実質的にそれぞれのアミノ酸位で選択されたアミノ酸置換突然変異を生成して、エフェクター機能が増強されたFc断片についてスクリーニングすることができるFc断片のライブラリーを生成することである。
ルックスルー突然変異生成(LTM)の目的は、ポリペプチドの領域中で、多数の標的突然変異の各位置で選択された置換を導入することである。単一ポリペプチド中の1つ1つの位置での残基置換を可能にするコンビナトリアル法またはウォークスルー突然変異生成(WTM)(下記を参照)と異なり、LTMでは、置換を単一の選択された位置に限定し、すなわち、定められた領域または小領域内で単一の置換を行う。
機能アッセイを使用してLTM Fc変異体をスクリーニングし選択した後、下記で詳述するように、次いでそれらのクローンを救済することにより、そのDNAコード配列の同定が可能となる。コンビナトリアル有益突然変異の手法では、同定された有益なLTM突然変異の組合せに相当するコード配列をその後生成し、それらを一緒に混合して単一のライブラリーにする。これらの組合せは、単一の小領域内での、またはFc内の2つ以上の小領域間での異なる有益な突然変異の組合せである可能性がある。したがって、複数の突然変異の相乗効果をこの過程で探ることができる。
この節では、本発明に従ってFc−LTMライブラリーのFc断片を生成し発現させる方法を説明する。オリゴヌクレオチドLTMおよびCBMライブラリーの設計は、好ましくは、自動化された注文製DNAの合成機とつながったソフトウェアを使用して実施する。LTMおよびCBM戦略の実施では下記のステップを行う。選択された(複数の)Fc領域中に組み込む標的アミノ酸を選択した後、ソフトウェアが、選択された位置に標的アミノ酸を導入するのに必要なコドン配列を決定する。選択された提示およびスクリーニング用宿主、例えば哺乳動物発現系での発現に最適なコドン使用頻度を選択する。ソフトウェアはまた、この設計過程によって生じる可能性がある野生型配列の任意の重複をも削除する。次いでそれは潜在的な終止コドン、ヘアピン、ループおよび他の問題のある配列があるかどうか分析し、次いでそれを修正する。ソフトウェアは、(CBMの)合成で各ステップに添加する塩基の比を決定して、アミノ酸組み込み比を微調整する。次いで、完成したLTMまたはCBM設計計画をDNA合成機に送り、それが、突然変異を誘発させた遺伝子を生成する際に使用するオリゴヌクレオチドのプライマーの自動合成を行う。
入手可能な供給源から野生型IgG1遺伝子を得、標準的な技術によってそれを増幅することができる(実施例1A)。キメラ表面発現Fc野生型遺伝子構築物(約0.65kb)は、N末端で細胞外輸送シグナルを、C末端で膜アンカーシグナルを融合することによって、SOE−PCRによりin vitroで構築することができる。潜在的なN末端細胞外輸送シグナルのリストには、ヒトIgG1およびネズミIgGk由来のもの(配列番号7)が含まれる。潜在的なC末端膜アンカーシグナルのリストには、胎盤アルカリホスファターゼタンパク質(PLAP)、膜IgMおよび血小板由来成長因子(PDGF)(配列番号8)が含まれる。様々な融合構築物を図9で図式的に示す。実施例1Bで詳述するように、これらの成分をPCRで増幅し集合させた。N末端ネズミIgGκシグナルとC末端PDGF膜貫通領域(配列番号9)、N末端ヒトIgG1シグナルとC末端IgM膜貫通領域(配列番号10)、またはN末端ヒトIgG1シグナルとC末端PLAP膜脂質挿入シグナル(配列番号11)を融合する際に、様々なFc表面発現構築物(図9)が考えられる。この反復では、融合構築物は細胞膜に対して近位である(最も近い)CH3ドメインを有するが、CH2ドメインは遠位である(図10A)。図11は、N末端IgκリーダーとC末端PDGF受容体膜貫通アンカーの間にFc−LTM構築物をクローン化するためのpDisplay発現ベクターを示す。
実施例2で詳述するように、本発明で使用するFc−LTMライブラリーを、上記のA節で調製したFc発現構築物のクンケル突然変異生成によって調製する。実施例2Aと同様に、クンケル用一本鎖Fc鋳型を調製した。例えば、Kunkel,T.A.(1985)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、82:488〜92;Kunkel,T.A.ら(1987)、Meth.Enzymol.、154:367〜82;Zoller,M.J.およびSmith,M.(1983)、Meth.Enzymol.、100:468〜500;Hanahan,D.(1983)、J.Mol.Biol.、166:557〜80;ならびにManiatis,T.、Fritsch,E.F.およびSambrook,J.(1989)、Molecular Cloning,A Laboratory Manualに詳述されている標準的な方法に従って、鋳型のクンケル突然変異生成を実施した。
選択可能な抗体の発現および提示の様々な方法が利用可能である。これには、バクテリオファージ、大腸菌(Escherichia coli)、酵母や哺乳動物細胞系統などの生物学的「粒子」(細胞またはウイルス粒子)がある。抗体発現の他の方法には、リボソームディスプレイや、ポリヌクレオチド(すなわち、遺伝子型)とポリペプチド(すなわち、表現型)を関連付けることを可能にするアレイ技術、例えばProfusion(商標)などの無細胞系があり得る(例えば、米国特許第6,348,315号、第6,261,804号、第6,258,558号および第6,214,553号を参照)。
この節では、エフェクター機能の増強について、上記のFc−LTMライブラリーの発現Fc断片をスクリーニングする方法を検討する。下記のA小節では、いくつかのFc受容体タンパク質を説明し、それぞれについて、スクリーニングすることができる結合親和性の所望の変化(増大または低下)を示す。第II節で述べたように、このエフェクター機能は、(i)選択されたIgG1Fc結合タンパク質に対する、天然IgG1Fcと比べた結合親和定数(KD)の変化;および/または(ii)選択されたIgG1Fc結合タンパク質に対する、天然IgG1Fcと比べた解離速度定数(Koff)の変化と関係する。したがって、下記のB小節で説明するように、発現Fcライブラリーを結合定数の変化でスクリーニングすることができ、その変化は、測定する結合定数、関与するFc結合タンパク質、および結合定数の変化の所望される効果に応じて、結合定数の増大である可能性もあり、あるいは低下である可能性もある。あるいは、本発明の新規スクリーニング方法に従って、C小節で開示するように、Fc発現細胞で細胞溶解の程度を直接測定することにより、CDCまたはADCCと関係するエフェクター機能の増強についてLTMライブラリーFc断片を直接スクリーニングすることもできる。特定の受容体標的をD小節で示す。
この節では、様々なFc受容体タンパク質(標的)、および4つの主要なサブクラスのIgG抗体についてFcとそのタンパク質の結合の増強または減弱を行う治療上の意味を検討する。一般に、Fc媒介エフェクター機能を増強する場合、IgG1およびIgG3と、エフェクター活性を媒介するFcγIIIa受容体などのFc受容体の結合性を増大させることが通常望ましい。しかし、いくつかの適用では、任意の型のFcγR受容体との結合性の低下が必要となる。例えば、細胞傷害性ペイロード(放射性標識)と結合したFc断片を有するすべてのアイソタイプのIgGは、そうしないと、正常なFcγRを有する免疫細胞をFc−放射性結合体にし、それを死滅させる。他の適用では、エフェクター機能を有さない純粋に中和性の抗体を有することが望ましい可能性がある。この状況では、IgG2およびIgG4は、ほとんどのFc受容体に対して親和性が低いが、Fc受容体とこれらのアイソタイプの結合性をさらに低下させることが望ましい可能性がある。例えば、IgG4とFcγRIの結合性をさらに低下させ、IgG2とFcγRIIaの結合性を低下させて、エフェクター機能を最小限にすることができる。IgG3はFcRNに対する親和性が低く、この受容体に対する親和性を増大させると、抗体の循環半減期が増大するはずである。
この小節では、KDまたはKoffの所望の変化(増大または低下)に基づいて、エフェクター機能が増強されたFc−LTMライブラリーによって産生されたFc断片をスクリーニングする方法を説明する。どちらの方法でも、発現している機能的Fc断片について細胞を事前選択し、すなわち、選択されたFc受容体と少なくとも中程度の親和性で結合することができるFc断片を発現している細胞を事前選択することが一般に望ましい。
図17および18に示す事前選択法では、Fc発現細胞、例えば、NSO細胞を、平衡条件下でビオチン標識受容体、例えば、ビオチン標識FcγRIIIaとともに、次いでストレプトアビジン標識磁性ビーズとともにインキュベートする。図17の右側にみられるように、機能的Fc受容体を発現する細胞は、「磁性」細胞−受容体−ビーズ複合体を形成するが、非機能的Fc断片を発現する細胞は、大部分が反応しないままである。次いで、図17の左側に示すように、反応混合物を含むカラムを磁場内に置き、反応しなかった細胞を溶出することによって、磁性標識細胞を反応しなかった細胞から分離する。残存している細胞混合物を磁場から除去した後、機能的Fc断片について濃縮した細胞集団をカラムから溶出する。
結合親和定数が高い(または受容体および所望される治療効果に応じて低い)、すなわちKDが高い(低値である)Fc断片について、一部改変した図17および18に示す事前選択法も使用する。その方法では、選択されたビオチン化Fc受容体、例えばFcγRIIIa受容体およびストレプトアビジン被覆磁性ビーズを使用して、哺乳動物細胞ライブラリーから高親和性分子を選択する。
あるいは、Koffの増強で、すなわち結合親和性の増大が所望される場合はKoffが低値であることで、または結合親和性の低下が所望される場合はKoffが高値であることで、発現細胞上で発現したFc断片を選択することもできる。選択されたFc断片は、同一の動態的結合条件下で測定したときに、好ましくは野生型Fc断片の測定されたKoffと比べて1.5分の1以下、少なくとも5分の1〜2分の1である(または低親和性Fc断片が求められる場合は1.5〜2.5倍高い)Koff値を有する。
結合親和性アッセイを行った後、Fcの性質の所望される増強を示す細胞を、増殖拡大のため増殖させることができる。次いで、これらのクローンのFc−LTM配列を、Fc−LTMベクター特異的プライマーを用いたPCRにより「救済」し、それを配列分析およびLTMアミノ酸変化の同定に適した配列決定用ベクター中にサブクローン化する。こうして同定された、活性が増強した(特定のFc受容体に関して結合親和性が増大または低下した)クローンを、現実のエフェクター機能について、例えば、下記に記載する型のCDCまたはADCCアッセイでさらに試験することができる。
機能アッセイを使用してLTM Fc変異体をスクリーニングし選択した後、次いでそれらのクローンを救済することにより、そのDNAコード配列の同定が可能となる。コンビナトリアル有益突然変異(CBM)の手法では、同定された有益なLTM突然変異の組合せに相当するコード配列をその後生成し、それらを一緒に混合して単一のライブラリーにする。これらの組合せは、単一の小領域内での、またはFc内の2つ以上の小領域間での異なる有益な突然変異の組合せである可能性がある。したがって、複数の突然変異の相乗効果をこの過程で探ることができる。
本発明の一態様によれば、Fc発現細胞をスクリーニングの標的細胞として使用して、CDCまたはADCCの増強または阻害と関係するエフェクター機能の所望される増強を直接スクリーニングすることができる。図1Bおよび1Cを参照しながらその方法を説明し、実施例8で詳述する。CDCまたはADCCのレベルを増強する発現Fc断片をスクリーニングする方法を説明する。しかし、どのようにその方法を改変するとCDCまたはADCC機能が低下しまたは「中和」されたFc断片を選択できるかが理解されるであろう。
A.野生型IgG1Fc遺伝子のクローン化
野生型IgG1は、(imageクローン番号4765763、ATCC、バージニア州Manassas)から入手した。個々のCH2およびCH3ドメインのアミノ酸配列およびDNA配列を配列番号1〜4でそれぞれ示す。IgG1Fc遺伝子(配列番号5および6)をPCRで増幅し、増殖、ミニプレップDNA精製および一本鎖DNA鋳型の作製(QIAgen、カリフォルニア州Valencia)用に、pBSKII(Stratagene、カリフォルニア州La Jolla)中にクローン化した。
キメラ表面発現Fc野生型遺伝子構築物(約0.65kb)は、N末端で細胞外輸送シグナルを、C末端で膜アンカーシグナルを融合することによって、SOE−PCRによりin vitroで構築した。潜在的なN末端細胞外輸送シグナルのリストには、ヒトIgG1およびネズミIgGk由来のもの(配列番号7)が含まれる。潜在的なC末端膜アンカーシグナルのリストには、胎盤アルカリホスファターゼタンパク質(PLAP)、膜IgMおよび血小板由来成長因子(PDGF)(配列番号8)が含まれる。様々な融合構築物を図9で図式的に示す。簡潔に述べると、IgGk細胞外リーダーおよびHAタグ配列を、センス5’−AGT AAC GGC CGC CAG TGT GCT−3’およびアンチセンス5’−GCA CGG TGG GCA TGT GTG AGT AGC ATA ATC TGG AAC ATC−3’オリゴヌクレオチドを使用してpDISPLAYベクター(図4、Invitrogen)からPCRで増幅した。センス5’−TCC CTG TCC CCG GGT AAA GAA CAA AAA CTC ATC TCA GAA−3’およびアンチセンス5’−AGA AGG CAC AGT CGA GGC TGA−3’を使用して、pDISPLAYのmycタグおよびPDGF C末端膜アンカーシグナルを増幅した。3つのPCR反応の産物はすべて、隣接する上流および下流のオリゴヌクレオチドによって導入される約20塩基対の重複した相補的領域を有する。
いくつかの適用では、IgGの標的結合の自然な提示を模倣するとき、CH2ドメインが細胞表面膜に対して近位であり、CH3が遠位である(図10B)ことが望ましい可能性がある。この代替の位置付けのため、下記のベクターを、Fc遺伝子領域に先行するようにN末端膜貫通リーダー/アンカーシグナル配列を融合することにより設計している(図12)。潜在的なN末端シグナルアンカーは、TNF−α(配列番号37および38)などのII型膜貫通タンパク質由来のものを含み得る。TNF−αは通常、細胞外提示のための小胞体膜(ER)を越える移動に必要な76残基のリーダー配列を有する。しかし、このTNFリーダー/アンカーシグナルはまた、細胞からTNFを遊離させる天然のタンパク質分解性の切断部位を有する。どんなFc融合構築物も膜輸送後に切断および放出されないような欠失により、TNFタンパク質分解性シグナルを最初に改変した。SOE−PCRおよび配列番号38で示す適当なオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、N末端TNF−Fc遺伝子融合物を上記の通りに構築した。次いで、キメラN末端TNF−Fc遺伝子配列をDNA配列決定により確認した。
A.クンケル突然変異生成用のFc一本鎖鋳型の調製
Fc一本鎖DNAを調製するため、上記のFc発現構築物をすべてPBSKII中にクローン化した。大腸菌宿主CJ236を、OD600が約0.2〜0.5吸光度単位に達するまで2YT/Amp液体培地中で増殖させた。この時点で、M13 K07ヘルパーファージ1mLを細菌培養物に添加して37℃でインキュベーションを継続した。30分後、細菌およびファージの培養物を、0.25ug/mLのウリジンを含む体積の大きい2YT/Amp液体培地(30mL)に移して1晩増殖させた。
製造業者の使用説明書の通りに3900 Oligosynthesizer(Syngen Inc.、カリフォルニア州San Carlos)上で合成オリゴヌクレオチドを合成し、PCRまたはクンケル突然変異生成での使用の前にプライマーの品質をPAGE電気泳動によって確認した。LTM分析では、定められた領域内で(野生型アミノ酸がLTMアミノ酸と同じでない限り)あらゆる位置に所定のアミノ酸を導入する(米国特許出願第2004020306号)。他の確率論的な突然変異生成技術と異なり、ウリジン化一本鎖鋳型とアニールしたLTMオリゴヌクレオチドは、1つの定められたアミノ酸位にしか突然変異を導入しないように設計されている。
本明細書の上記に記載のように、LTM分析用に構築される2つのFcライブラリーがある。第1の実施形態は、「不偏性」CH2×CH3ライブラリーと称され、Fc領域中の各アミノ酸位が9種の選択されたLTMアミノ酸によって置換される(図6)。合計で1926個のLTMオリゴヌクレオチド(214個のFcドメインアミノ酸×Fcの位置当たり9個のLTMアミノ酸置換物)があり、それは平均して長さが63塩基対である。「不偏性」Fcドメインライブラリーでは、CH2(配列番号1)およびCH3(配列番号2)領域を、長さ5〜7アミノ酸の並列させた小区分(それぞれ配列番号12および13)に人為的に分割した。したがって、18個のCH2および16個のCH3小区分は、連続した全長IgG1Fc配列の部分を個々に表す。
A.レトロウイルスpLXSNの構築およびウイルス粒子の回収
pLXSN哺乳動物発現ベクターは、mRNAの転写の開始を媒介する1つのプロモーターエレメント、ポリペプチドコード配列、ならびに転写の終結および転写物のポリアデニル化に必要なシグナルを含む。pLXSNは、モロニー(Moloney)ネズミ白血病ウイルス(MoMuLV)およびモロニーネズミ肉腫ウイルス(MoMuSV)に由来するエレメントを含み、レトロウイルスによる遺伝子送達および発現用に設計されている。
エコトロピック細胞系統pECO(Clontech)を増殖培地(10%熱非働化ウシ胎児血清、100U/mlペニシリン、100U/mlストレプトマイシン、2mMのL−グルタミンを含むDME)中で増殖させる。下記の手順は、図14で図示されている。トランスフェクションの1日前に、細胞をプレート上に播き、均等に分布させてサブコンフルエント状態(50〜60%)にする。従来のリン酸カルシウムプロトコールまたはLipofectamine(Invitrogen)などのカチオン性脂質を使用して、サブコンフルエント状態の細胞にトランスフェクトすることができる。簡潔に述べると、1枚のプレートで細胞にトランスフェクトするには、Opti−MEM125μlをLipofectamine2000 5μlと混合し、(RTで)5分間置く。別々の反応で、Opti−MEM混合物125μlをDNA約5μgに添加する。次いでこれら2つの溶液を混合し、20分間置いた後それを細胞に添加する。次いで、増殖培地中のトランスフェクション試薬および細胞を37℃で1晩インキュベートする。次の日に、1晩経た培地を新鮮なGMと交換する。トランスフェクションの2日(48時間)後、細胞培養上清を15ml管に収集し、遠心分離(2000gで5分)して残骸をペレットにする。
ネズミ腫瘍細胞系統NS0に、回収したpLXSN/Fcレトロウイルスベクター上清を導入する(図14で示される一過性の系)。簡潔に述べると、合計体積が3mlとなるような、RPMI増殖培地、(新鮮なまたは解凍した)レトロウイルス上清およびポリブレン(2μg/ml)からなる感染用カクテルを調製する。指数関数的に増殖しているNS0標的細胞を遠心分離(500gで5分)し、1ml当たり細胞105〜106個の濃度で感染用カクテル中に再懸濁する。感染から24時間後、NS0細胞を遠心分離し、RPMI増殖培地中で再懸濁して、アッセイ前にさらに24〜48時間正常に増殖させる。RPMI増殖培地は、2mMのL−グルタミン、100U/mlペニシリン(Sigma−Aldrich、ミズーリ州St.Louis)、100ug/mlストレプトマイシン、1mMピルビン酸ナトリウムおよび1×非必須アミノ酸入りのRPMI中に10%確定ウシ血清(defined calf serum)(Hyclone、ユタ州Logan)を入れたものである(すべての補充物はBio−Whitakerから入手)。
スクリーニング過程の必須の目標は、各哺乳動物細胞でLTM Fc−融合タンパク質をその細胞表面上に発現させることである。抗ヒト抗Fcγフィコエリスリン抗体により、あるいはMycまたはHAタグの染色によっても(すべてPharMingen、カリフォルニア州San Diego)Fcの表面発現を決定し、フローサイトメトリーによりそれを確認することができる。低速の遠心分離(500gで5分)によりpLXSN/Fc NS0導入細胞を収集し、CSB(PBSおよび0.5%BSA)で2回洗浄し、再懸濁し、次いで可溶性抗Fcγ−PE抗体とともにインキュベートする。(暗所で、覆いをかけ氷上に置いて)1時間後、細胞を冷CSBで2回洗浄し、1ml当たり細胞10×106個の濃度で再懸濁する。陰性対照細胞は空のpLXSNベクターを導入したNS0であり、陽性対照細胞は野生型Fcを含むpLXSNを導入したNS0である。pLXSN−Fc形質転換細胞は、空のpLXSNベクターと比較して蛍光の著しい変化を示すはずである。次いで、製造業者の使用説明書の通りにCellQuestソフトウェアを使用してFACSscan(Becton Dickinson)上で細胞を分析する。
Fc結合タンパク質の作製および精製:
A.C1qのビオチン標識
生体活性C1qタンパク質は、ヘテロ三量体[配列番号30〜32]として構成され、精製された形で市販されている(Calbiochem、カリフォルニア州San Diego)。C1qタンパク質のビオチン化は、様々な方法によって実現できるが、過剰なビオチン化は、エピトープという、抗体と相互作用する部位を遮断する可能性があるので望ましくない。使用したプロトコールは、Molecular ProbesのFluoReporter Biotin−XX Labeling Kit(カタログ番号F−2610)から改変した。簡潔に述べると、0.9mg/mlストックのC1q(Calbiochem)1μlを、pH8.3の1M炭酸水素ナトリウム緩衝液100μlおよびBiotin−XX溶液(10mg/mlのBiotin−XXのDMSO溶液)9.4μlに添加した。その混合物を25℃で1時間インキュベートした。その溶液を微小遠心分離フィルター管に移し、遠心分離しPBS溶液で(4回)反復して洗浄した。ビオチン化C1q溶液を収集し、Sephadex G−25カラムを通して精製し、そのタンパク質濃度をOD280で決定した。
FcγRIIIa176VのDNA配列をATCCから入手した(配列番号33)。FcγRIIIa176F多型構築物を、上記に記載のクンケル突然変異生成によって再度作製した(配列番号34)。下記の大腸菌精製プロトコールはまた、FcγRIIb(配列番号35および36)およびFcγRIIa(配列番号40、41および42)の細胞外ドメインにも適切である。FcγRIIIa176FおよびFcγRIIIa176VをpET20b発現ベクター(Invitrogen、カリフォルニア州Carlsbad)中にクローン化し、タンパク質にC末端6×HISタグを追加した。次いでpET20b−FcγRIIIaV/F176構築物をBL21大腸菌宿主細胞中に形質転換した。大腸菌細胞の液体培養物(LB−Amp)を、1晩小規模培養物(5mL)から250(mL)にして増殖させ、吸光度の値が600nmで0.5に達した後、FcγRIIIaタンパク質を、IPTG(0.5mM)で、25℃で4時間誘導した。下記の精製スキームで直ちに使用しない場合、その後増殖培養物をペレットにし、それを−80℃で貯蔵した。次いで、目に見える大きな凝集塊がなくなるまで激しくボルテックスをかけることにより、細胞ペレットをB−PER(登録商標)II溶解試薬(Pierce、イリノイ州Rockford)6ml中に再懸濁した。均一に懸濁した後、細胞をRTで10分間穏やかに振盪した。その後、細胞溶解混合物を遠心分離(10000RPMで10分)して、不溶性タンパク質から可溶性タンパク質を最初に分離した。同じ形式で、FcγRIIaH/R131多型の細胞外ドメインをクローン化した。
溶解用上清は(収集し、蓄えた/捨てた)が、ペレットは、B−PER(登録商標)II試薬6ml中に再度再懸濁した。終濃度200μg/mlで、再懸濁したペレットにライソザイムを添加し、RTで5分間インキュベートした。次いで、遠心分離(10000RPMで30分)によって不溶性の封入体を収集した。B−PER(登録商標)II15ml中に得られたペレットを再度再懸濁し(B−PER希釈液に対して約1:20のペレットの体積)、激しくボルテックスをかけることによってそれを混合した。遠心分離(10000RPMで15分)によって封入体を収集した。ペレットを再懸濁し、それにボルテックスをかけ、遠心分離するステップをさらに10回反復し、その後、精製された封入体の最終的なペレットを蓄え貯蔵した。
精製された封入体を氷上で解凍し、それを緩衝液B[100mMのNaH2PO4、10mMのトリスCl、8M尿素、pH:8]1.5ml中に再懸濁した。泡立ちを避けるように注意しながら、約60分間(RT)または(溶液が半透明になるときに観察される)溶解の終了まで懸濁液をゆっくりと撹拌した。その混合物を遠心分離(10000RPMで15分)して細胞の残骸をペレットにした。次いで、上清(清澄になった溶解液)を収集し、それにNi−NTA樹脂(Qiagen)5mLを添加し、穏やかに混合した(4℃で60分)。溶解液と樹脂の混合物を空のカラム中に注意深く充填し、緩衝液B(pH:6.3)100mlでそれを洗浄した。次いで、組換えタンパク質を緩衝液B(pH:4.5)20mlで溶出した。
上記から3mLのNi−NTA精製FcRタンパク質を、再折り畳み用緩衝液[0.1Mトリス/HCl、1.4Mアルギニン、150mMのNaCl、5mM還元型グルタチオン、0.5mM酸化型グルタチオン、0.1mMフッ化フェニルメチルスルホニル、0.02%NaN3]に撹拌しながら6時間にわたって滴下し、次いでそれを72時間撹拌した。次いで、再生したタンパク質の溶液を透析緩衝液[0.1Mトリス/HCl、5MのNaCl、0.1MのMgCl2・6H2O]4Lに対して透析し、1晩の透析期間の前にそれを新鮮な緩衝液と2回さらに交換した。Ni−NTA樹脂(2mL)を再生したタンパク質の溶液に添加し、次いで穏やかに(RTで)60分間撹拌した。溶解液と樹脂の混合物を空のカラム中に注意深く充填し、洗浄緩衝液B(10mMトリス/HCl、300mMのNaCl、50mMイミダゾール、pH:8.0)100mlでそれを洗浄した。次いで組換えタンパク質を溶出緩衝液(10mMトリス/HCl、300mMのNaCl、250mMイミダゾール、pH:8.0)10mlを用いて溶出した。
再び折り畳まれたFcγRIIIaタンパク質とヒトIgG1−Fcの結合のBiacore分析
機能的なIgG Fcの結合を評価し、再び折り畳まれたFcγRIIIa断片の予備的親和性(KD=kd/ka=koff/kon)を測定するために、BIAcore−2000表面プラズモン共鳴系分析を使用した(BIAcore,Inc、ニュージャージー州Piscatawy)。製造業者の使用説明書(BIAcore,Inc)に従って、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボ−ジイミド塩酸塩(EDC)およびN−ヒドロスクシンイミド(NHS)を使用する共有結合により、リガンドであるヒト全長IgG1(Calbiochem)をBIAcoreバイオセンサーチップ表面上に固定化した。エタノールアミン溶液を遮断剤として注入した。
磁性選別によるFc−LTM変異体ライブラリーのハイスループット事前選択
増殖培養後、NS0 Fc−LTM細胞を、飽和濃度(400nM)のビオチン化C1qとともに穏やかに回転させて37℃で3時間インキュベートして標識付けする。次いで、結合しなかったビオチン化C1qを除去するために、NS0細胞をRPMI増殖培地で2回洗浄した後、PBS中に1μl当たり細胞1.0×105個に再懸濁する。細胞約107個の単一細胞懸濁液(100μl)を、ストレプトアビジン被覆または抗ビオチンマイクロビーズ(MACS、Miltenyi Biotec)10μlと混合し、それを周期的に転倒させながら氷上で20分間インキュベートする。低速での遠心分離の後、次いでその混合物を緩衝液で2回洗浄し、それを0.5mL中に再懸濁する。これらの手順および細胞成分を図4Aおよび4Bに図示する。
Fc−LTM変異体ライブラリー細胞のFACS選別
下記の方法では、FcR結合親和性変異体の濃縮および単離について、LTM FcライブラリーをFACSでスクリーニングする。増殖培養後、上記のNS0細胞を、飽和濃度(400nM)のビオチン化C1qとともに穏やかに回転させて37℃で3時間インキュベートする。(前記のように、適当な実験ではビオチン化FcγRIIIaに置換することができる。)次いで、NS0細胞をRPMI増殖培地で2回洗浄して、結合しなかったビオチン化C1q/FcγRIIIaを除去する。次いで、製造業者の使用説明書の通りにCellQuestソフトウェアを使用してFACS−Vantage(Becton Dickinson)上で細胞を選別する。
A.Fc−LTM細胞ライブラリーに対するFcエフェクター機能アッセイ
下記の試験を実施して、NS0細胞によるFc−LTMの表面発現により、単球や活性化顆粒球などのエフェクター細胞上のFcγRの結合が生じ、それによってFcγR依存性エフェクター機能(図7:CDC、ADCC)を惹起できることを示す。
正常なヒト単核細胞を、Ficoll−Hypaque密度分離勾配を通しての遠心分離によりヘパリン化骨髄試料から調製した。ヒトAB血清(Gemini Bioproducts、カリフォルニア州Woodland)を、ヒト補体の供給源として使用した。NS0ライブラリー細胞の補体媒介性細胞傷害作用促進能を類似した形で測定した。簡潔に述べると、NS0細胞を上記の通りに培養し、プレートに播き(5×104個)、96ウェル平底マイクロタイターウェル中に入れた。ヒト血清補体(Quidel、カリフォルニア州San Diego)を連続して希釈して、溶解の作用範囲を最初に測定した。次いで、希釈した補体とNS0細胞懸濁液の混合物を、5%CO2インキュベーター中で、37℃で2時間インキュベートしてCDCを促進する。その後、Alamar Blue(Accumed International、オハイオ州Westlake)50μlを各ウェルに添加し、さらに37℃で1晩インキュベートする。96ウェル用蛍光計を使用して、530nmで励起され590nmで放出された蛍光の読み取り値を測定した。通常、結果は生細胞の数に比例する相対的蛍光単位(RFU)で表す。次いで、Ab濃度(Alamar Blueの添加前の終濃度)の対数に対して%CDC活性をプロットすることにより、様々な突然変異体の活性を調べる。%CDC活性は、下記の通りに計算した:%CDC活性=(試験RFU−背景RFU)×100(細胞溶解全体でのRFU−背景RFU)。
正常ヒト志願者のヘパリン化全静脈血からエフェクターPBMCを調製する。全血を、5%デキストランを含むRPMI(Life Technologies,Inc.)で2.5:1(v/v)の比で希釈する。次いで、氷上で45分間赤血球を沈降させ、その後、上清中の細胞を新しい管に移し、遠心分離によりそれをペレットにする。次いで、残存している赤血球を低張溶解によって除去する。残っているリンパ球、単球および好中球は、結合アッセイで使用するまで氷上で維持することができる。あるいは、リンパ球分離培地(Lymphocyte Separation Medium)(LSM、Organon Technika、ノースカロライナ州Durham)を使用して、供与者からエフェクター細胞を精製することもできる。
PMBC供与者の遺伝子型判定:FcγRIIIaF158/V158多型およびFcγRIIaH131/R131多型のスクリーニング。
ある実験では、詳細な説明で説明したように、FcγRIIIaF158/V158および/またはFcγRIIaH131/R131多型を有する個人間での定量的なADCCエフェクターの差をモニターすることを必要とする。PCR後の直接配列決定、対立遺伝子特異的プライマーを使用するPCR、またはPCR後の対立遺伝子特異的制限酵素消化を含めて、多型の遺伝子型を判定するいくつかの方法がある。本発明者らの目的で、FcγRIIIaF158/V158での、後者の対立遺伝子特異的制限酵素消化の手順を説明するが、その方法は(異なるPCR増幅プライマーを使用するが)FcγRIIaH131/R131多型でも同様である。
ADCCおよびCDC比較分析用の完全長リツキシン−Fc LTM変異体の構築
次いで、所望されるin vitroでのFc受容体結合特性を示すCBM−FcまたはLTM−Fc変異体を、相関関係にあるFcエフェクター機能について試験する。これらのアッセイでは、CBM−FcまたはLTM−Fc変異体をリツキシンFcと比較して、ADCCおよびCDC活性に差があるかどうかを判定する。リツキシンは、非ホジキンリンパ腫の治療用に開発された、B細胞マーカーCD20に特異的なキメラモノクローナルIgG1抗体である。本発明者らの目的で、野生型リツキシン(野生型IgG1Fc領域を有する)を、リツキシン(CH1:VHおよびVL)とCBM−FcまたはLTM−Fc変異体(ヒンジ、CH2およびCH3)のキメラ置換物と比較する。
配列番号1:(ヒトIgG1FcのCH2領域のアミノ酸配列):
配列番号14:ヒトIgG1CH2上のFc受容体「接触」小領域1のアミノ酸配列):
・LLGG
配列番号15:ヒトIgG1CH2上のFc受容体「接触」小領域2のアミノ酸配列):
・DVSHED
配列番号16:ヒトIgG1CH2上のFc受容体「接触」小領域3のアミノ酸配列):
・NST
配列番号17:ヒトIgG1CH2上のFc受容体「接触」小領域4のアミノ酸配列):
・KALPA(P)I
配列番号18:ヒトIgG1FcCH2のLLGG領域(「接触」小領域1)中の4つの各位置でのグリシン(GLYcine)置換物のコード配列)
修飾ヒトTNF膜貫通領域配列、HAタグ、IgG1ヒンジCH2〜CH3、およびMycエピトープを使用するFc表面発現構築物のDNA配列。これら5つのセクションは、連結した配列において異なる影を付けたブロックで示す。
Claims (23)
- エフェクター機能が増強されたヒトIgG1抗体を生成する方法であって、
(a)(i)抗体のFc断片のCH2およびCH3領域をそれぞれ表す配列番号1および2によって特定される2つのIgG1Fc領域のうち少なくとも1つ、ならびに複数の各アミノ酸について、前記2つのIgG1Fc領域のうち少なくとも1つの中にある複数のアミノ酸位での個々のアミノ酸置換物をコードする領域LTMライブラリーと、
(ii)配列番号1によって特定されるIgG1FcCH2領域内に含まれる配列番号3〜6によって特定される4つの各領域、および複数の選択された各アミノ酸について、各領域内にある複数のアミノ酸位での個々の置換物をコードする小領域LTMライブラリー
のうち1つから選択されるIgG1Fcルックスルー突然変異生成(LTM)コードライブラリーを構築するステップと、
(b)選択可能な発現系中でLTMライブラリーによってコードされるIgG1Fc断片を発現させるステップと、
(c)(i)選択されたIgG1Fc結合タンパク質に対する、天然IgG1Fcと比べた結合親和定数(KD)の変化;および
(ii)選択されたIgG1Fc結合タンパク質に対する、天然IgG1Fcと比べた解離速度定数(Koff)の変化
のうち少なくとも1つと関係するエフェクター機能の増強を特徴とする、(b)で発現させたIgG1Fc断片を選択するステップと
を含む方法。 - 前記ライブラリーによってコードされる発現Fc断片を、ウイルス粒子、原核細胞、および真核細胞からなる群から選択される粒子を有する選択可能な発現系中で発現させ、発現Fc粒子を発現系粒子の表面と結合し、その発現Fc粒子がその表面上で前記Fc結合タンパク質による結合に利用可能となる、請求項1に記載の方法。
- 前記発現系が、(i)臨床用品質のモノクローナル抗体を産生することができ、(ii)培養中で非付着性であり、(iii)レトロウイルスで導入することが容易である哺乳動物細胞を含む、請求項2に記載の方法。
- 前記発現系細胞が、BaF3、FDCP1、CHOおよびNSO細胞からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
- 前記発現系が、その表面上に前記Fc断片を発現する哺乳動物細胞を含み、ステップ(c)が、(i)前記LTMライブラリーの単一クローン変異体に対応する発現細胞を、複数の各アッセイ用ウェルに添加するステップと、(ii)各ウェルに、Fc結合タンパク質を含み、前記表面に結合したFc断片と相互作用し、それと結合するレベルに応じて前記細胞を溶解するのに有効な試薬を添加するステップと、(iii)細胞溶解産物が存在するかどうか前記ウェルの内容物についてアッセイを行うステップと、(iv)最大レベルの細胞溶解を示す、細胞上に発現したIgG1Fc断片を選択するステップとを含む、請求項2に記載の方法。
- ステップ(cii)で添加する試薬が、抗体依存性細胞性細胞傷害作用によりその表面上にFc断片を発現する細胞を溶解することができる末梢血単核細胞である、請求項5に記載の方法。
- ステップ(c)が、ステップ(ci)の前に、Fc結合タンパク質FcγRIまたはFcγRIIIaに対して高い結合親和定数または低い解離速度定数を有するFc断片を発現するものについて、そのような細胞を濃縮するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
- ステップ(cii)で添加する試薬が、補体媒介性細胞死により細胞を溶解することができるヒトC1q複合体およびヒト血清である、請求項5に記載の方法。
- ステップ(c)が、ステップ(ci)の前に、Fc結合タンパク質C1qに対して高い結合親和定数または低い解離速度定数を有するFc断片を発現するものについて、そのような細胞を濃縮するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
- ステップ(ci)の前に、
(i)Fc結合タンパク質C1q、FcγRI、FcγRIIaおよびFcγRIIIaに対する高い結合親和定数または低い解離速度定数、
(ii)Fc結合タンパク質FcγRIIb、FcγRIIIbに対する低い結合親和定数または高い解離速度定数;ならびにFc結合タンパク質FcRNおよびプロテインAに対するそれぞれ高いもしくは低い結合親和定数または低いもしくは高い解離速度定数
のうち1つを有するFc断片を発現するものについて、そのような細胞を濃縮するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。 - C1q、FcγRI、FcγRIIa、FcγRIIIa、FcRNおよびタンパク質からなる群から選択されるFc結合タンパク質に対して、天然IgG1Fc断片の結合親和定数と比べて高い結合親和定数を有する前記Fc断片を選択し、ステップ(c)が、(ci)提示されたFc断片を有する発現粒子およびFc結合タンパク質の混合物を形成するステップと、(cii)Fc受容体を混合物中の提示されたFc断片と結合させて、Fc結合複合体を形成するステップと、(ciii)混合物から前記Fc結合複合体を単離するステップとを含み、前記結合タンパク質に対して最高の結合親和定数を有するFc断片を発現する粒子を単離する、請求項2に記載の方法。
- C1q、FcγRI、FcγRIIa、FcγRIIIa、FcRNおよびプロテインAからなる群から選択されるFc結合タンパク質に対して、天然IgG1Fc断片の結合親和定数と比べて高い平衡結合親和定数を有するFc断片を選択する請求項2に記載の方法であって、ステップ(c)が、(ci)高い結合親和定数を有するFc断片を発現する粒子ほど強く標識されるように、提示されたFc断片を有する発現粒子と、限定的な量の溶解型蛍光標識Fc結合タンパク質の混合物を形成するステップと、(cii)混合物中の結合が平衡に達した後に、結合した蛍光標識の量に基づいて前記粒子を選別するステップと、(ciii)最高レベルの結合した蛍光を有する粒子を選択するステップとを含む方法。
- FcγRIIb、FcγRIIIb、FcRNおよびプロテインAからなる群から選択されるFc結合タンパク質に対して、天然IgG1Fc断片の結合親和定数と比べて低い解離速度定数を有するFc断片を選択する請求項2に記載の方法であって、ステップ(c)が、(ci)低い結合親和定数を有するFc断片を発現する粒子ほど強く標識されなくなるように、提示されたFc断片を有する発現粒子と、限定的な量の溶解型蛍光標識Fc結合タンパク質の混合物を形成するステップと、(cii)混合物中の結合が平衡に達した後に、結合した蛍光標識の量に基づいて前記粒子を選別するステップと、(ciii)最低レベルの結合した蛍光を有する粒子を選択するステップとを含む方法。
- C1q、FcγRI、FcγRIIa、FcγRIIIa、FcRNおよびプロテインAからなる群から選択されるFc結合タンパク質に対して、天然IgG1Fc断片の結合親和定数と比べて低い解離速度親和定数を有するFc断片を選択する請求項2に記載の方法であって、ステップ(c)が、(ci)提示されたFc断片を有する発現粒子と、飽和量の溶解型蛍光標識Fc結合タンパク質の混合物を形成するステップと、(ii)ステップ(ci)後の選択された時間に、飽和量の非標識Fc結合タンパク質を添加するステップと、(ciii)ステップ(cii)から結合の平衡までの選択された時間に、結合した蛍光標識の量に基づいて前記粒子を選別するステップと、(civ)最高レベルの結合した蛍光を有する粒子を選択するステップとを含む方法。
- FcγRIIb、FcγRIIIb、FcRNおよびプロテインAからなる群から選択されるFc結合タンパク質に対して、天然IgG1Fc断片の結合親和定数と比べてそのように高い解離速度親和定数を有するFc断片を選択する請求項2に記載の方法であって、ステップ(c)が、(ci)提示されたFc断片を有する発現粒子と、飽和量の溶解型蛍光標識Fc結合タンパク質の混合物を形成するステップと、(ii)ステップ(ci)後の選択された時間に、飽和量の非標識Fc結合タンパク質を添加するステップと、(ciii)ステップ(cii)から結合の平衡までの選択された時間に、結合した蛍光標識の量に基づいて前記粒子を選別するステップと、(civ)最低レベルの結合した蛍光を有する粒子を選択するステップとを含む方法。
- IgG1抗体中に組み込まれたときに、抗体依存性細胞毒性を増強する能力を有するFc断片を選択する際に使用する請求項1に記載の方法であって、FcγRIIIAに対する高い結合親和定数または低い解離速度定数を特徴とするIgG1Fc断片を同定した後、FcγRIIB受容体に対して低い結合親和定数または高い解離速度定数を示すFcγRIIB受容体に対する結合親和性で、前記の同定した断片を選択するステップをさらに含む方法。
- IgG1抗体中に組み込まれたときに、補体依存性細胞傷害作用(CDC)を増強する能力を有するFc断片を選択する際に使用する請求項1に記載の方法であって、ステップ(c)が、C1q複合体に対する高い結合親和定数または低い解離速度定数を特徴とするIgG1Fc断片を同定した後、FcγRIIB受容体に対して低い結合親和定数または高い解離速度定数を示すFcγRIIB受容体に対する結合親和性で、前記の同定した断片をさらに選択するステップをさらに含む方法。
- 外因性治療用IgG1抗体中に組み込まれたときに、FcγRIIIA受容体における158位の受容体多型を有するヒト患者での抗体に対する治療反応を増強する能力を有するFc断片を選択する際に使用する請求項1に記載の方法であって、そのようにステップ(c)が、少なくともFcγRIIIA V158受容体多型に対する結合親和性と同程度であるFcγRIIIA F158受容体多型に対する結合親和性を特徴とする、(b)で発現させたIgG1Fc断片を選択するステップを含む方法。
- 外因性治療用IgG1抗体中に組み込まれたときに、FcγRIIA受容体における134位の受容体多型を有するヒト患者での抗体に対する治療反応を増強する能力を有するFe断片を選択する際に使用する請求項8に記載の方法であって、ステップ(c)が、少なくともFcγRIIA H131受容体多型に対する結合親和性と同程度であるFcγRIIA R131受容体多型に対する結合親和性を特徴とする、(b)で発現させたIgG1Fc断片を選択するステップを含む方法。
- (d)LTMライブラリー中でアミノ酸置換がなされたFcコード領域の少なくとも1つについて、その領域内の複数のアミノ酸位での同じアミノ酸置換物をコードするウォークスルー突然変異生成(WTM)ライブラリーを構築するステップであって、置換されたアミノ酸が、ステップ(c)で選択されたFc断片の少なくとも1つのアミノ酸位で認められたアミノ酸変異と対応するステップと、
(e)選択可能な発現系中でWTMライブラリーによってコードされたIgG1Fc断片を発現させるステップと、
(f)選択されたIgG1Fc結合タンパク質に対する、天然Fc断片で測定した同じ定数と比較しての結合親和定数または解離速度定数の所望の変化を特徴とする(e)で発現させたIgG1Fc断片を選択するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。 - 請求項1の(b)で発現させ、ステップ(c)で選択したIgG1Fc断片が、ヒトIgG1Fc結合タンパク質に対する高い結合親和定数または低い解離速度定数を特徴とし、天然Fc断片で測定した同じ定数と比べての定数の変化が1.5倍より大きい、請求項1に記載の方法。
- 請求項1の(b)で発現させ、ステップ(c)で選択したIgG1Fc断片が、ヒトIgG1Fc結合タンパク質に対する低い結合親和定数または高い解離速度定数を特徴とし、天然Fc断片で測定した同じ定数と比べての定数の変化が1.5倍より大きい、請求項1に記載の方法。
- 一本鎖DNAに対して複数部位特異的クンケル(Kunkel)突然変異生成を行う方法であって、
(a)複数の変異原性オリゴヌクレオチドを、DNA鋳型の別個の領域に相補的な別個のヌクレオチド配列領域を有する前記一本鎖の直鎖DNA鋳型とハイブリダイズさせ、それによって、DNA鋳型およびそれとハイブリダイズした複数のオリゴヌクレオチドからなる部分的なヘテロ二重鎖が形成するステップと、
(b)部分的なヘテロ二重鎖を完全長ヘテロ二重鎖に転換するステップであって、ハイブリダイズした複数のオリゴヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドが鋳型配列中に突然変異を導入した領域以外はDNA鋳型と相補的な一本鎖となるステップと、
(c)DNA鋳型を除去するステップと
を含む方法。
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