JP2008531650A - オキシコドンおよびナロキソンを含有する剤形 - Google Patents

オキシコドンおよびナロキソンを含有する剤形 Download PDF

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Abstract

本発明は、特定のインビボパラメータ、例えばtmax、Cmax、AUCt値、平均腸機能スコアおよび/または鎮痛作用の継続時間によって特徴づけられる、オキシコドンおよびナロキソンを含む剤形に関する。

Description

本発明は、特異的なインビボパラメータ、例えばtmax、Cmax、AUCt値、平均腸機能スコアおよび/または鎮痛作用持続時間を特徴とする、オキシコドンおよびナロキソンを含有する剤形に関する。
発明の背景
癌、リウマチおよび関節炎などの疾患に起因する重度疼痛の治療は、これらの疾患の中心的な治療である。腫瘍患者が感じる疼痛の範囲は、骨膜の疼痛および骨それ自体の疼痛ならびに内臓痛および軟組織における疼痛を含む。こうした疼痛形態のすべてが、患者の日常生活を耐え難いものにし、多くの場合、抑うつ状態を招く。従って、結果として患者の生活の質を永続的に向上させることとなる疼痛治療の成功は、その疾患の実際の原因の治療となるので、総合治療の成功にとっても重要である。
疼痛治療の成功の重要性を顧慮して、世界保健機構(WHO)は、腫瘍疼痛を有する患者の治療のための4段階モデルを開発した。このモデルは、日常的実施で有効であると証明されており、ならびに癌以外の疾患に起因する慢性疼痛または疼痛形態に罹患している患者に拡大することができる。疼痛の強度、種類および局在性に依存して、この治療の間、4つの段階を区別し、各々の次の段階は、その時までに使用していた鎮痛薬がもはや十分でない場合に指示される(Ebell,H.; Bayer A.(ED.) : Die Dchmerzbehandlung von Tumorpatienten, Thieme 1994 (Supportive Maβnahmen in der Onkologie, Band 3) and Zech, D.; Grond,S.; Lynch, J.; Hertel, D.; Lehmann, K.; Validation of World Health Organisation Guidelines for Cancer Pain Relief: a 10 - year prospective study, Pain (1995), 63, 65 - 76)。
WHOのこの4段階モデルによれば、オピオイド鎮痛薬は、疼痛の治療において中心的な役割を果たす。オピオイド鎮痛薬群は、モルヒネ(これは、これらの医薬活性薬物のプロトタイプの代表である)に加えて、オキシコドン、ヒドロモルホン、ニコモルヒネ、ジヒドロコデイン、ジアモルヒネ、パパベレタム、コデイン、エチルモルヒネ、フェニルピペリジンおよびその誘導体、メタドン、デキストロプロポキシフェン、ブプレノルフィン、ペンタゾシン、チリジン、トラマドールならびにヒドロコドンを含む。WHOのATCC分類(解剖治療化学分類)は、その医薬活性薬物がオピオイド鎮痛薬であるか否かを示すものである。オピオイド鎮痛薬の顕著な疼痛緩和作用は、内因性モルヒネ様作用物質(「内因性オピオイド」)(この生理的機能は、疼痛刺激の受容および処理の制御である)の作用の模倣の結果である。
オピオイドは、疼痛刺激の伝播を抑制する。オピオイドによって生じる脊髄におけるニューロン性興奮シグナル伝達の即時抑制に加えて、脳幹から脊髄に突き出たこれらの神経路の活性化も一定の役割を果たす。この活性化により、脊髄における疼痛伝播が抑制されることとなる。さらに、オピオイドは、視床の疼痛受容を制限し、ならびに辺縁系に作用することにより感情的疼痛評価に影響を及ぼす。
オピオイド受容体は、体内の様々な部位で見出される。腸および脳の受容体は、特にそれらの占有が様々な副作用を生じさせるので、オピオイドによる疼痛治療にとって特に重要な受容体である。
オピオイド鎮痛薬は、それらが高い親和性でオピオイド受容体と結合し、疼痛受容の強い抑制を誘導する場合、強力な作動薬であるとみなされる。同様に高い親和性でオピオイド受容体と結合はするが、疼痛受容の低減を生じさせず、その結果、オピオイド作動薬を中和する物質は、拮抗薬と呼ばれる。その結合挙動および誘導活性に依存して、オピオイドは、純粋な作動薬、作動/拮抗混合薬および純粋な拮抗薬と分類することができる。純粋な拮抗薬は、例えば、ナルトレキソン、ナロキソン、ナルメフェン、ナロルフィン、ナルブフィン、ナロキソネアジネン、メチルナルトレキソン、ケチルシクラゾシン、ノルビナルトルフィミン、ナルトリンドール、6−β−ナロキソールおよび6−β−ナルトレキソールを含む(Forth W.; Henschler, D.; Rummel W.; Starke, K.: Allgemeine und Spezielle Pharmakologie und Toxikologie, 7. Auflage, 1996, Spektrum Akademischer Verlag, Heidelberg Berlin Oxford)。
良好な鎮痛効率のため、オキシコドン、チリジン、ブプレノルフィンおよびペンタゾシンなどの化合物が、疼痛治療のための薬物の形態で使用されている。鎮痛活性化合物としてオキシコドンを有するOxygesic(登録商標)および鎮痛活性化合物としてチリジンを有するValoron(登録商標)などの薬物は、疼痛治療のために価値があることが証明されている。
しかし、疼痛治療のためのオピオイド鎮痛薬の使用は、望ましくない副作用を伴い得る。例えば、オピオイド鎮痛薬の長期使用は、心理的および肉体的依存を招くことがある。
特に、疼痛に苦しむ患者のオピオイド鎮痛薬への肉体的依存は、耐性の発達を招き、これは、摂取が長引くと、疼痛寛解を得るためにさらに高用量の鎮痛薬を患者が摂取しなければならないことを意味する。オピオイド鎮痛薬の多幸感誘発作用は、鎮痛薬の乱用を招くことがある。薬物乱用および心理的依存は、特に10代の間で知られている。しかし、オピオイド鎮痛薬は、医療目的で合法的に使用され、それらを伴わない薬物は役に立たない。
上述の不利益に加えて、疼痛治療のための強いオピオイド鎮痛薬の使用は、便秘、呼吸低下、疾患および鎮静などの望ましくない副作用を招くことも多い。あまり多くはないが、排尿の切迫および不能が見うけられる。
疼痛治療中に発生する習慣性プロセスおよび他の副作用に対処するために様々な試みがなされている。これは、例えば、伝統的な治療法によって行うことができる。薬物嗜癖の場合、退薬治療であることもあり、便秘の場合、緩下剤の投与によって行うこともある。
他の試みは、オピオイド鎮痛薬を中和する拮抗薬の投与により、オピオイド鎮痛薬が嗜癖性および習慣性となる可能性ならびにそれらの他の副作用を最小にすることを目的にしている。こうした拮抗薬は、ナルトレキソンまたはナロキソンであり得る。
上述の活性化合物の適用を利用して、望ましくない習慣性および依存性を、または嗜癖性までも、回避することができる方法に関する提案および提唱は、多数存在する。
米国特許第3,773,955号および同第3,966,940号は、非経口適用したときの依存性亢進作用、例えば多幸感などを予防するといわれている、ナロキソンとの併用での鎮痛薬の調合を提唱している。便秘などの副作用の回避は扱われていない。
経口適用形態の非経口的乱用に限る場合、米国特許第4,457,933号は、規定範囲内のナロキソンとモルヒネとの併用での使用を提唱している。便秘などの副作用の回避は、この特許においても言及されていない。米国特許第4,582,835号には、これもまた乱用を回避するために、非経口または舌下投与すべきブプレノルフィンとナロキソンの組み合わせを含む製剤が記載されている。
欧州特許第0 352 361号A1は、オピオイド鎮痛薬および1つの拮抗薬の経口適用による疼痛治療中の便秘治療に関する。オピオイド鎮痛薬の乱用の回避は、この出願における論点ではない。
ドイツ特許第43 25 465号A1も、オピオイド鎮痛薬および1つの拮抗薬を含む製剤を使用する、疼痛治療中の便秘治療に関する。この開示によれば、ナロキソンであり得る拮抗薬は、好ましくはモルヒネであるオピオイド鎮痛薬より多い量で存在し得る。オピオイド鎮痛薬の乱用の回避は、ドイツ特許第43 25 465号A1における論点ではない。
疼痛薬の乱用を回避するために、経口で摂取することができ、オピオイド鎮痛薬およびオピオイド拮抗薬、ナロキソンを含む製剤が、市場に出ている。Windrop/Sterlingの薬 Talwin(登録商標)は、ペンタゾシンおよびナロキソンを含む。Godekeの薬 Valoron(登録商標)は、チリジン−ナロキソンの組み合わせを含む。
強い鎮痛作用、嗜癖性を生む可能性の低減および副作用の回避に加えて、疼痛治療の成功に適する薬物は、さらなる特徴を有するはずである。
一般に、薬物は、その活性化合物が標準的な保存条件下でできる限り長く安定であるように、調合しなければならない。
また、活性化合物の所望の放出プロフィールが長期保存により変化しないように、薬物を調合しなければならない。
疼痛治療に適する薬物は、患者が長い間隔でしか摂取する必要がないような量で活性化合物を含有すべきであり、または患者が長い間隔でしか摂取する必要がないように調合されるべきである。鎮痛薬のための適用計画が容易であるほど、ならびにどの錠剤をどのような理由でどのくらいの頻度で摂取すべきかが患者にとって明確であるほど、患者は正確に医師の命令を遵守する。鎮痛薬を摂取する必要が少ないだけでは、鎮痛薬を摂取する患者の意志(コンプライアンス)は、増すこととなろう。
薬物Oxygesic(登録商標)は、オピオイド鎮痛薬オキシコドンを持続的な様式で放出する製剤である。Oxygesic(登録商標)用量は、オピオイド拮抗薬を含有しない。
欧州特許第0 352 361号A1によれば、そのオピオイド鎮痛薬もその拮抗薬も、持続的な様式で放出されるようには調合されない。従って、そうした製剤が有効である期間は限られており、1日に何度も製剤を摂取しなければならない。患者に望まれるコンプライアンスは達成されていない。欧州特許第0 352 361号A1は、活性化合物の長期間安定な独立した放出を特徴とする製剤の調合の利点も開示していない。この開示は、そうした製剤の保存安定性も扱っていない。
ドイツ特許第43 25 465号A1によれば、疼痛治療中に発生する便秘はそのオピオイド作動薬の持続放出により予防される一方で、過剰に存在するその拮抗薬は持続的な様式では放出しない製剤が開示されている。ナロキソンの高い初回通過効果のため、比較的大量にこの化合物を使用しなければならない。しかし、ドイツ特許第43 25 465号A1には、活性化合物の長期間安定な独立した放出を特徴とする製剤は開示されていない。そうした製剤の保存安定性もそこには記載されていない。
チリジン・ナロキソンの組み合わせを含む鎮痛薬が、商標Valoron(登録商標)で市販されている。その製品概要(product literature)によると、両方の活性化合物を持続的な様式で放出する製剤が使用されている。使用されているマトリックスは、有意な量の水膨潤性材料、すなわちHPMCを含む。しかし、この製剤は、同一の質量比だが異なる絶対量のチリジンおよびナロキソンのため、異なる放出プロフィールを示す。作動薬の放出速度と拮抗薬の放出速度は、互いに無関係ではない。従って、医師は、投与量の増加を望む場合、たとえ、チリジンとナロキソンとの質量比を変えなくても、個々の患者各々について広範なタイトレーション実験を行う必要がある。両成分の放出プロフィールが一定のままであると想定することはできないからである。従って、鎮痛薬の治療に適する量の範囲は、限定される。
WO 03/084520には、疼痛治療において使用するための、オキシコドンおよびナロキソンを含み、それらの活性化合物が持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で放出される保存安定性医薬製剤が記載されている。
速効性で長期継続性の鎮痛作用を既定するインビボパラメータと同時に、疼痛治療中の副作用の予防および/または治療ならびにまた薬物乱用の予防または低減を特徴とする、オキシコドン・ナロキソン剤形が必要とされている。
発明の要旨
従って、本発明の1つの目的は、速効鎮痛作用をもたらすと同時に長期維持療法に適するオキシコドン・ナロキソン剤形を提供することである。
本発明のさらなる目的は、オキシコドンの鎮痛作用を実質的に低下させることなく、疼痛治療中の副作用、例えばオピオイドによる腸機能不全(opioid bowel dysfunction)症候群(便秘など)を予防および/または治療するために適する、オキシコドン・ナロキソン剤形を提供することである。
さらに、本発明の1つの目的は、オキシコドンの鎮痛作用を実質的に低下させることなく、疼痛治療中の習慣性および/または嗜癖性亢進作用を予防するために適する、オキシコドン・ナロキソン剤形を提供することである。
本発明のさらなる目的は、例えば薬物常用者による製剤の乱用を防止することに適する、オキシコドン・ナロキソン剤形を提供することである。
詳細には、本発明の1つの目的は、高い鎮痛活性に加えて、乱用の可能性の低減および副作用の低減を特徴とする剤形であって、投与頻度減少、従って、患者コンプライアンス増大の確保、ならびに各患者についての投与量の個々の適応の亢進も特徴とする、疼痛治療のための剤形を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、オキシコドン療法を受けている患者をタイトレーションするために使用することもでき、同時にその患者のタイトレーション後の長期維持療法に適する、持続放出性オキシコドン・ナロキソン製剤を提供することである。
さらに、本発明の1つの目的は、患者または健常なヒト被験者において臨床的に有意なオピオイド退薬症状を誘発しない、オキシコドン・ナロキソン剤形を提供することである。
さらに、本発明の1つの目的は、オピオイド常用者およびオピオイド乱用者において、例えば静脈内投与または経鼻経路により投与された場合、オピオイド退薬症状を誘発する、オキシコドン・ナロキソン剤形を提供することである。
さらに、本発明の1つの目的は、緩下剤摂取量を減少させる、オキシコドン・ナロキソン剤形を提供することである。
さらに、本発明の1つの目的は、下痢などの有害作用の発生の面で許容しうる、オキシコドン・ナロキソン剤形を提供することである。
さらに、本発明の1つの目的は、定常状態の間、オピオイドにより誘発される典型的な有害事象の重症度の低減をもたらすが、ナロキソンにより誘発される典型的な有害事象の重症度の実質的な増大をもたらさない、オキシコドン・ナロキソン剤形を提供することである。
さらに、本発明の1つの目的は、良好な効能および忍容性を示す、オキシコドン・ナロキソン剤形を提供することである。
さらに、本発明の1つの目的は、高脂肪食を食べた後、薬物動態パラメータ、例えばAUC、tmaxおよびCmaxに関して臨床的に意義のある(臨床的に関連する)食物による影響(food effect)を示さない、オキシコドン・ナロキソン剤形を提供することである。
さらに、本発明の1つの目的は、ナロキソンを伴わずにオキシコドンを投与しようとした場合に、指示されない量で患者または個人において使用することができる、オキシコドン・ナロキソン剤形を提供することである。
本発明の1つの特別な目的は、鎮痛薬の効能および忍容性、副作用の減少および/または予防を確保するために、ならびに、乱用もしくは習慣効果および/または嗜癖性亢進作用を同時に減少および/または予防するために、特に適する比率でオキシコドンとナロキソンとを含有する、持続放出性医薬物形を提供することである。
独立クレームの特徴の組み合わせは、これらの目的、および後述する本発明の説明から得られるさらなる目的を達成するために役立つ。本発明の好ましい実施形態は、従属クレームにおいて定義する。
本発明の1つの態様において、オキシコドンおよびナロキソンを含み、ならびにヒト患者もしくは健常なヒト被験者への定常状態でのまたは単回用量の投与後、約1から約17時間で、約2から約15時間で、約3から約8時間で、または約4から約5時間で、オキシコドンについての平均tmaxをもたらす剤形を提供する。1つの好ましい実施形態において、前記剤形は、健常なヒト被験者またはヒト患者への単回用量または定常状態での投与後にオキシコドンについて3時間、3.5時間または4.0時間の平均tmaxをもたらす。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンとナロキソンを2:1の重量比で含む。これらの製剤は、好ましくは、1日当たり80mg オキシコドンおよび40mg ナロキソンの総量まで投与される。こうした2:1の製剤を1日当たり40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの量まで投与することが、特に好ましい。好ましくは、前記剤形は、約80mgのオキシコドンおよび約40mgのナロキソン、さらに好ましくは約40mgのオキシコドンおよび約20mgのナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
本発明のさらなる態様において、オキシコドンおよびナロキソンを含む剤形であって、疼痛治療中に、特にオキシコドン単独での投与と比較して、腸機能の改善をもたらす剤形を提供する。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。これらの製剤は、好ましくは、1日当たり80mg オキシコドンおよび40mg ナロキソンの総量まで投与される。こうした2:1の製剤を1日当たり40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの量まで投与することが、特に好ましい。好ましくは、前記剤形は、約80mgのオキシコドンおよび40mgのナロキソン、さらに好ましくは約40mgのオキシコドンおよび20mgのナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
本発明のさらなる態様において、オキシコドンおよびナロキソンを含み、ならびにヒト患者もしくは健常なヒト被験者への定常状態でのまたは単回用量の投与後、少なくとも約12時間または少なくとも約24時間、鎮痛作用をもたらす剤形を提供する。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。これらの製剤は、好ましくは、1日当たり80mg オキシコドンおよび40mg ナロキソンの総量まで投与される。こうした2:1の製剤を1日当たり40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの量まで投与することが、特に好ましい。好ましくは、前記剤形は、約80mgのオキシコドンおよび40mgのナロキソン、さらに好ましくは約40mgのオキシコドンおよび20mgのナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
本発明のさらなる態様において、オキシコドンおよびナロキソンを含み、ならびにヒト患者もしくは健常なヒト被験者への定常状態でのまたは単回用量の投与後、約100ng時/mL(ng・h/mL)から約600ng時/mLまたは約300ng時/mLから約580ng時/mLまたは約400ng時/mLから約550ng時/mLまたは約450ng時/mLから約510ng時/mLのオキシコドンについての平均AUCt値をもたらす剤形を提供する。1つの実施形態において、こうした値は、10mg、20mgのまたは40mg以下の投与強度のオキシコドンが単回用量としてまたは定常状態中に投与された場合に得られる。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。これらの製剤は、好ましくは、1日当たり80mg オキシコドンおよび40mg ナロキソンの総量まで投与される。こうした2:1の製剤を1日当たり40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの量まで投与することが、特に好ましい。好ましくは、前記剤形は、約80mgのオキシコドンおよび40mgのナロキソン、さらに好ましくは約40mgのオキシコドンおよび20mgのナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
本発明のさらなる態様において、オキシコドンおよびナロキソンを含み、ならびにヒト患者もしくは健常なヒト被験者への定常状態でのまたは単回用量の投与後、約5ng/mLから約50ng/mLまたは約20ng/mLから約40ng/mLまたは約30ng/mLから約35ng/mLのオキシコドンについての平均Cmaxをもたらす剤形を提供する。1つの実施形態において、こうした値は、10mg、20mgのまたは40mg以下の投与強度のオキシコドンが単回用量としてまたは定常状態中に投与された場合に得られる。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。これらの製剤は、好ましくは、1日当たり80mg オキシコドンおよび40mg ナロキソンの総量まで投与される。こうした2:1の製剤を1日当たり40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの量まで投与することが、特に好ましい。好ましくは、前記剤形は、約80mgのオキシコドンおよび40mgのナロキソン、さらに好ましくは約40mgのオキシコドンおよび20mgのナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
本発明のさらなる態様において、オキシコドンおよびナロキソンを含み、ならびに好ましくは、または代替的に、50%より多くの患者において、好ましくは70%より多くの患者において、効能に関して良好または非常に良好と格付けされる剤形を提供する。
本発明のさらなる態様において、オキシコドンおよびナロキソンを含み、ならびに好ましくは、または代替的に、60%より多くの患者において、好ましくは70%またはさらに80%より多くの患者において、忍容性に関して良好または非常に良好と格付けされる剤形を提供する。
本発明のさらなる態様において、オキシコドンおよびナロキソンを含み、ならびに緩下剤摂取を伴う日数を少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、さらに好ましくは少なくとも25%、さらにいっそう好ましくは少なくとも30%減少させる剤形を提供する。本発明の一部の剤形は、少なくとも35%または少なくとも40%の減少でさえ可能ならしめる。
本発明のさらなる態様において、オキシコドンおよびナロキソンを含み、ならびに好ましくは、または代替的に、有害事象に関して臨床的に許容しうる剤形を提供する。
本発明のさらなる態様において、オキシコドンおよびナロキソンを含み、ならびに好ましくは、または代替的に、オピオイドにより誘発される典型的な有害事象の重症度の低減をもたらすが、ナロキソンにより誘発される典型的な有害事象の重症度の実質的な増大をもたらさない剤形を提供する。
本発明のさらにもう1つの実施形態は、好ましくは、または代替的に、実質的な食物による影響を示さないオキシコドン・ナロキソン剤形製剤に関する。
本発明のさらにもう1つの実施形態は、オピオイド依存症のヒトにおいて、好ましくは静脈内投与または経鼻経路により投与された場合に、退薬症状を引き起こすオキシコドン・ナロキソン剤形製剤に関する。1つの実施形態において、本発明の剤形は、ナロキソン単独より長く続く退薬効果を引き起こす。好ましい実施形態において、上記剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。これらの製剤は、好ましくは、1日当たり80mg オキシコドンおよび40mg ナロキソンの総量まで投与される。こうした2:1の製剤を1日当たり40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの量まで投与することが、特に好ましい。好ましくは、前記剤形は、約80mgのオキシコドンおよび40mgのナロキソン、さらに好ましくは約40mgのオキシコドンおよび20mgのナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
本発明のさらなる態様によれば、本発明の剤形を投与することによる、患者における中等度から重度の疼痛を治療する方法を提供する。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。これらの製剤は、好ましくは、1日当たり80mg オキシコドンおよび40mg ナロキソンの総量まで投与される。こうした2:1の製剤を1日当たり40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの量まで投与することが、特に好ましい。好ましくは、前記剤形は、約80mgのオキシコドンおよび40mgのナロキソン、さらに好ましくは約40mgのオキシコドンおよび20mgのナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
本発明のもう1つの態様によれば、本発明の剤形を投与することによる、中等度から重度の疼痛を治療する、ならびに/または疼痛治療中の発生する副作用、例えば、オピオイドによる腸機能不全症候群、例えば便秘、および/または有害事象、例えば下痢、および/または緩下剤摂取量を減少させるおよび/または予防するおよび/または治療する方法を提供する。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。これらの製剤は、好ましくは、1日当たり80mg オキシコドンおよび40mg ナロキソンの総量まで投与される。こうした2:1の製剤を1日当たり40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの量まで投与することが、特に好ましい。好ましくは、前記剤形は、約80mgのオキシコドンおよび40mgのナロキソン、さらに好ましくは約40mgのオキシコドンおよび20mgのナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
本発明のさらなる態様によれば、本発明の剤形を投与することによる、患者における中等度から重度の疼痛を治療すると同時に、乱用を予防または減少させる方法を提供する。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。これらの製剤は、好ましくは、1日当たり80mg オキシコドンおよび40mg ナロキソンの総量まで投与される。こうした2:1の製剤を1日当たり40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの量まで投与することが、特に好ましい。好ましくは、前記剤形は、約80mgのオキシコドンおよび40mgのナロキソン、さらに好ましくは約40mgのオキシコドンおよび20mgのナロキソンを含む。前記剤形は、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出することができる。
本発明の好ましい実施態様によれば、本発明の剤形を投与することによる、患者において中等度から重度の疼痛を治療すると同時に、忍容性を確保し、乱用および副作用、例えばオピオイドによる腸機能不全症候群(便秘、下痢など)を予防または減少させる方法を提供する。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。これらの製剤は、好ましくは、1日当たり80mg オキシコドンおよび40mg ナロキソンの総量まで投与される。こうした2:1の製剤を1日当たり40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの量まで投与することが、特に好ましい。好ましくは、前記剤形は、約80mgのオキシコドンおよび40mgのナロキソン、さらに好ましくは約40mgのオキシコドンおよび20mgのナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
本発明のさらなる態様によれば、定常状態の間にオピオイドにより誘発される典型的な有害事象の重症度を減少させる一方で、ナロキソンにより誘発される典型的な有害事象は増加させず、実質的に同じままである、中等度から重度の疼痛を治療する方法を提供する。
本発明のさらなる態様によれば、ナロキソンが存在しなかった場合には禁忌であるオキシコドン量を投与することができる、患者群における中等度から重度の疼痛を治療する方法を提供する。1つの実施形態において、これらの方法は、オピオイドナイーブ患者または老年患者における中等度から重度の疼痛の治療に使用される。
発明の詳細な説明
オキシコドンは、1998年に放出制御製剤(Oxygesic(登録商標))としてドイツ市場に導入されたオピオイド鎮痛薬である。その適応症は、悪性腫瘍および非悪性腫瘍起源の重度から最重度の疼痛である。しかし、すべてのオピオイド同様、オキシコドンは、乱用の可能性を有する。世界中の麻薬に対する規制は、オピオイドの使用を医療分野に限定しており、強いオピオイドでの慢性疼痛患者に対する疼痛治療を妨げている。本発明によれば、習慣性および嗜癖性の発現ならびに便秘および呼吸低下は、オキシコドンなどの鎮痛作用のあるオピオイド作動薬の副作用と考えることができる。
ナロキソンは、体外から投与されたオピオイドの遮断のために指示される市販の静脈内投与用麻薬拮抗薬である。これは、すべてのオピオイド受容体部位(μ、κおよびδ)において作用する。経口投与すると、ナロキソンは急速に(5〜30分以内に)吸収されるが、広範な初回通過代謝のため、3%未満の非常に低い経口バイオアベイラビリティを有する。低い経口用量では、ナロキソンは、全身的に利用できるようにならず、主として胃腸内の局在オピオイド受容体に作用する。
本発明によれば、本発明のオキシコドン/ナロキソン剤形を投与することにより、重度から中等度の疼痛を治療することができると同時に、疼痛治療中の副作用、例えばオピオイドによる腸機能不全症候群(便秘など)を予防および/または治療でき、この薬物の乱用を予防または減少させることができる。特定の実施形態において、本発明の剤形では、患者を長期療法のための持続放出性剤形に切り替える前に即時放出性オキシコドン剤形に関して先ずタイトレーションする必要がない。
本発明の剤形を投与することによるオキシコドンとナロキソンの併用投与は、薬物の一部の副作用に関して利点をもたらす。本発明のオキシコドン/ナロキソン剤形は、オキシコドン単独と比較して、オピオイドによる腸機能不全症候群(便秘など)の頻度および強度を低下させる。さらに、本発明のオキシコドン/ナロキソン剤形は、オキシコドンの経口、鼻孔内および静脈内投与による乱用を減少させる。ナロキソンは脳に侵入しないと思われるので、本発明の剤形は、オキシコドンの疼痛寛解作用を阻害しない。好ましくは、この配合製剤中のナロキソンの量は、退薬効果または少なくとも強い嫌悪感を引き起こすために十分な高さである。
max、tmaxおよびAUCなどのパラメータにより、濃度勾配または血漿曲線を描くことができる。これらのパラメータは、特定の製剤の薬物動態特性を説明する際に重要である。
max値は、活性薬物、すなわちオキシコドンおよび/またはナロキソン、の最大血漿中濃度を示す。
max値は、Cmax値に達する時点を示す。言い換えると、tmaxは、最大実測血漿中濃度の時点である。通常、持続放出性製剤については遅いtmaxを有する血漿中濃度勾配が目標にされた。その方法でしか持続性効果を保障できないと思われていたためである。しかし、遅いtmax値の不利な点は、鎮痛作用を達成するために必要とされる長い期間である。
AUC(曲線下面積)値は、濃度曲線の面積に対応する。AUC値は、血液循環に吸収される活性薬物、すなわちオキシコドンおよびナロキソン、の合計量に比例し、従って、これはバイオアベイラビリティの尺度である。
AUCt値は、投与時から最終測定可能濃度までの血漿中濃度−時間曲線下面積の値である。AUCtは、通常、線形台形法を用いて計算する。可能な場合、最終ロック−線形期にあると判定された点を用いて、LambdaZ(これは、最終期速度定数である)を概算する。t1/2Z(これは、見掛けの最終期半減期である)は、一般に、ln2のLambdaZに対する比から決定する。最終測定点と無限大の間の血漿中濃度−時間曲線下面積は、最終実測血漿中濃度(Cmax)のLambdaZに対する比から計算することができる。その後、これをAUCtに加えて、AUCinf(これは、投与時から無限大までの血漿中濃度−時間曲線下面積である)を得る。
血漿曲線を描くパラメータは、臨床試験において、先ず、多数の被験者へのオキシコドンおよびナロキソンなどの活性薬物の1回だけの投与により、得ることができる。次に、個々の被験者の血漿値を平均し、例えば、平均AUC、Cmaxおよびtmax値を得る。本発明に関連して、薬物動態パラメータ、例えばAUC、Cmaxおよびtmaxは、平均値を指す。さらに、本発明に関連して、インビボパラメータ、例えばAUC、Cmax、tmax、腸機能または鎮痛作用についての値は、ヒト患者および/または健常なヒト被験者への定常状態でのまたは単回用量の投与後に得られたパラメータまたは値を指す。
薬物動態パラメータ、例えば、平均tmax、CmaxおよびAUCを健常なヒト被験者について測定する場合、一般に、約16から24人の健常はヒト被験者の試験集団において経時的な血漿値の進展を測定することによって、それらを得る。規制団体、例えば欧州医薬品審査庁(European Agency for the Evaluation of Medicinal Products)(EMEA)または米国食品医薬品局(the Food and Drug Administration)(FDA)は、通常、例えば20から24人の被験者から得られたデータを受理する。
これに関連して、用語「健常な」ヒト被験者は、身長、体重および生理的パラメータ、例えば血圧などに関して平均的な値を有する、通常は白人の典型的な男性または女性を指す。本発明のための健常な被験者は、臨床試験に関する医薬品規制調和国際会議(the International Conference for Harmonization of Clinical Trials)(ICH)の勧告に基づくおよび従う組み入れ基準および除外基準に従って選択する。本発明のために、健常な被験者は、実施例2、3、4および6に概要を示すような組み入れ基準および除外基準に従って特定することができる。
例えば、組み入れ基準は、18歳以上と45歳以下の間の年齢;19〜29kg/m2の範囲内のBMI;ならびに男性については60〜100kgおよび女性については55〜90kgの体重範囲の範囲内(前記女性は、授乳および妊娠していない者でなくてはならず、被験薬を摂取する前24時間以内に尿中β−hCG妊娠検査陰性を提供しなければならない);既往歴、理学的検査、臨床試験、バイタルサインおよびECGなどに関して有意に異常な所見がないことにより証明されるおおむね良好な健康状態を含む。
除外基準は、被験薬の初回投与の3ヶ月以内のあらゆる治験薬またはプラシーボへの曝露;被験薬の初回投与前30日以内のあらゆる有意な疾患;既往歴、理学的検査または検査室分析についての試験前スクリーニングにおいて確認されるあらゆる臨床的に有意な異常;被験薬の初回投与前、21日の間のあらゆる処方箋調剤薬(閉経後の女性についてのHRT、および避妊薬を除く)または7日の間の制酸薬、ビタミン類、生薬および/またはミネラルサプリメントをはじめとする市販の薬の使用;胃腸薬吸収(例えば、胃内容物排出遅延、吸収不良症候群)、分散(例えば、肥満)、代謝または排泄(例えば、肝炎、糸球体腎炎)に干渉することが知られている併発症;治験担当医師の意見で、安全にその試験を完了する被験者の能力を脅かす、病歴または併発症;被験者が薬理治療を必要とした発作障害の病歴;1日に5本より多い現行の喫煙歴;DSM−IV基準に従って、物質またはアルコール乱用の現在または過去の病歴を有する被験者;1日に2本またはそれ以上のアルコール飲料の定期的消費を報告した被験者またはスクリーニング時に0.5%以上の血中アルコールレベルを有する被験者;被験薬の初回投与前3ヶ月の間の500mLより多くの血液もしくは血液製剤の供与または他の大量血液喪失;スクリーニング時に採取した尿の検体でのエタノール、アヘン剤、バルビツール酸塩、アンフェタミン、コカイン代謝物、メタドン、プロポキシフェン、フェンシクリジン、ベンゾジアゼピンおよびカンナビノイドについての試験前スクリーンにおけるあらゆる陽性の結果;オキシコドン、ナロキソンまたは関連化合物に対して感受性であることがわかっていることなどを含む。
薬物動態パラメータ、例えば平均tmax、CmaxおよびAUCを患者において得る場合、その患者群は、10から200人の間の患者を含む。妥当な患者数は、例えば、10、20、30、40、50、75、100、125または150人である。患者は、治療すべき状態の症状に従って選択される。本発明のために、患者は、実施例1の組み入れ基準および除外基準に従って選択することができる。例えば、患者は、18歳以上であり、腫瘍および非腫瘍起源の重度慢性疼痛に罹っており、WHO IIまたはII鎮痛薬などで不十分な効能および/または忍容性を示す。患者は、現行アルコールまたは薬物乱用、現行の重度心血管および呼吸器疾患、重度の肝臓および腎機能障害の徴候がある場合、薬物動態パラメータの判定について考慮されない。
上述したおよび後述する薬物動態パラメータの値は、実験2、3、4および6(これらは、すべて、健常なヒト被験者における単回用量試験に関する)で得られたデータを基に導き出したものであることを理解しなければならない。しかし、匹敵するデータが、健常なヒト被験者における定常状態での投与またはヒト患者における単回用量および定常状態での投与により得られると考えられる。定常状態中の患者で本発明の製剤を試験することにより実施例1において決定されるパラメータ、例えば鎮痛効力、忍容性、緩下剤の摂取、有害事象の発生などについても、必要な変更を加えて、同じことがあてはまる。
薬物動態パラメータの計算は、WinNonlin Enterprise Edition,Version 4.1で行うことができる。
本発明のために、用語「バイオアベイラビリティ」は、オキシコドンおよびナロキソンなどの活性薬物を単位剤形から吸収する程度と定義する。
本発明のために、用語「持続放出」は、血中レベルを約8時間または約12時間または約24時間またはさらにそれより長い期間にわたって治療範囲内だが毒性レベルより下に維持するような速度でのオキシコドンおよび/またはナロキソンの放出と定義する。用語「持続放出」により、本発明の製剤を「即時放出」製剤と区別する。
本発明のために、オキシコドン血漿中濃度に関して「急速な(初期)上昇速度」というフレーズは、投与時に有意でないにせよ測定可能な疼痛を有する患者において最小有効鎮痛薬濃度が急速に達成されることを示すことと定義する。詳細には、これは、17時間以下、好ましくは10時間以下、さらに好ましくは6時間以下、まらはさらにそれ未満、例えば5時間以下または4時間以下または3時間以下のtmaxをもたらす本発明の剤形を投与することにより達成することができる。
本発明のために、用語T1/2は、オキシコドンおよび/またはナロキソンの吸収可能用量の二分の一が血漿に移行するために必要な時間の量と定義する。この値は、「見かけの」吸収半減値ではなく、「真の」値(排出プロセスの効果を考慮に入れることとなる)として計算することができる。
用語「定常状態」は、所与の薬物についての血漿中レベルが達成されており、それが、その薬物のその後の投与により、最小有効治療レベルまたはそれより高いレベルで、且つ、オキシコドンについての最小毒性血漿中レベルより低いレベルで、維持されることを意味する。オキシコドンなどのオピオイド鎮痛薬についての最小有効治療レベルは、所与の患者において達成された疼痛寛解の量により一部判定される。疼痛測定が、非常に主観的であり、患者間で大きな個人差が生じ得ることは、医療技術分野の技術者には十分に理解されるであろう。各用量の投与後、その濃度は最大値を経験し、その後、再び最小値に降下することは明らかである。
定常状態は、次のように説明することができる:t=0の時点、初回用量を投与する時点では、濃度Cも0である。その後、その濃度は、第一の最大値を経験し、その後、第一の最小値に降下する。0への濃度降下前に別の用量を投与するため、濃度の第二の上昇は、0では始まらない。この第一濃度最小値をベースにして、第二用量の投与後に曲線は、第一の最大値より高い第二の最大値を経験し、第一の最小値より高い第二の最小値へと降下する。このように、活性薬物の繰り返される投与および付随する段階的な蓄積のため、吸収と排出のバランスがとれている時点にレベルオフするまで、血漿曲線は、段階的に上昇する。吸収と排出が平衡状態であり、濃度が規定最小値と規定最大値の間を常に往復しているこの状態を、定常状態と呼ぶ。
本発明のために、用語「維持療法」および「長期療法」は、上で定義した定常状態まで患者をオピオイド鎮痛薬でタイトレーションした後、患者に施される薬物治療と定義する。
本発明に関連して、「作動薬」または「鎮痛薬」は、常にオキシコドンを指し、「拮抗薬」は、常にナロキソンを指す。本発明の活性化合物は、オキシコドンおよび/またはナロキソンならびに/またはそれらの医薬的に許容される塩である。特に別の指示がない限り、本明細書に記載する活性化合物の量および比は、現実に使用される形態、すなわち、遊離塩基またはその医薬的に許容される塩を指す。さらに、特に別の指示がない限り、本明細書に記載する活性化合物の量および比は、本化合物の無水形態を指す。
1つの態様において、本発明は、健常なヒト被験者または患者への単回用量のまたは定常状態での投与後、約1から約17時間で、約2から約2から約15時間で、約3から約8時間で、または約4から約5時間で、オキシコドンについての平均tmaxをもたらす、オキシコドンおよびナロキソンを含む剤形を提供する。約6、約7、約9、約10、約11、約12、約13、約15、約16時間またはそれ以上のオキシコドンの平均tmax値も好ましい。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。これらの製剤は、好ましくは、1日当たり80mg オキシコドンおよび40mg ナロキソンの総量で投与される。こうした2:1の製剤を1日当たり40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの量で投与することが、特に好ましい。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
好ましくは、または代替的に、本発明のオキシコドン・ナロキソン剤形は、疼痛治療中に腸機能の改善をもたらす。本発明に関連して、疼痛治療中の腸機能の改善は、腸機能が、単独での、例えばナロキソンプラシーボと併用での、オキシコドンの投与と比較して改善されることを意味する。
腸機能は、通常、腸機能に関連したパラメータを観察することにより評定される。詳細には、腸機能は、排便の容易さもしくは困難さ、不完全な腸内容物排出感、および/または便秘に関する患者の個人的な判断から選択されるパラメータを基に判定することができる。患者の腸機能を評定するために代替的にまたは加えて観察することができる他のパラメータとしては、数ある中でも、排便回数、便の硬さ、痙攣(cramping)、および排便痛が挙げられる。
これらのパラメータについての数値アナログスケール(NAS)を使用して腸機能に関連したパラメータを測定することにより、腸機能を判定することが好ましい。このほうが正確な結果をもたらすことができるからである。薬の鎮痛作用は、通常、数値アナログスケールを使用して評定されるので、これは、鎮痛薬での治療を受けている患者における腸機能を評定する場合に特に有利である。従って、鎮痛薬での治療を受けている患者を用いて、意味のある結果を得る手立てとなる数値アナログスケールを論じることができる。
好ましい実施形態において、本発明のオキシコドン/ナロキソン剤形は、ヒト患者または健常なヒト被験者への定常状態でのまたは単回用量の投与後、少なくとも5、少なくとも約8、少なくとも約10または少なくとも約15の平均腸機能スコアの改善を特徴とする腸機能の改善をもたらし、ここで、前記平均腸機能スコアは、0から100にわたる数値アナログスケールで測定する。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。これらの製剤は、好ましくは、1日当たり80mg オキシコドンおよび40mg ナロキソンの総量まで投与される。こうした2:1の製剤を1日当たり40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの量まで投与することが、特に好ましい。好ましくは、前記剤形は、約80mgのオキシコドンおよび40mgのナロキソン、さらに好ましくは約40mgのオキシコドンおよび20mgのナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
本発明によれば、腸機能は、好ましくは患者において測定される腸機能指数(BFI)により評定することができる。これに関連して、実施例1の組み入れ基準および除外基準を患者の選択に適用することができる。同様に、BFIは、実施例1の場合と同等の患者数を用いて測定することができる。
本発明のために、用語BFIおよびBFI3は、同義で用いる。
詳細には、平均腸機能スコアは、患者における腸機能を評定するための1つの方法により決定され、その方法は、次の段階を含む:
−腸機能に関連した少なくとも1種のパラメータについての数値アナログスケールを患者に提供する段階;
−患者に、経験したパラメータの量および/または強度を数値アナログスケール上で示させる段階;ならびに
−数値アナログスケール上で示された少なくとも1種のパラメータの量および/または強度を観察して、腸機能を評定する段階。
患者は、通常、最後の日または週の間に、例えば最後の1、2、3、4、5、6、7、10または14日の間に、経験したパラメータの量および/または強度を示す。
患者が、観察されたパラメータに関する彼/彼女の主観的経験を示す数値アナログスケールは、いずれのサイズまたは形式であってもよく、ならびに0または他のいずれかの数からいずれかの数、例えば、0から10、または0から50、または0から300、または1から10の範囲にわたり得る。
1つより多くのパラメータが観察される場合、平均腸機能は、観察されたパラメータ(例えば、排便の容易さもしくは困難さ、不完全な腸内容物排出感ならびに便秘の判断の3つの数値アナログスケール値)の平均である数値の形で得ることができる。平均腸機能は、平均腸機能スコア、腸機能指数またはBFI3(3つのパラメータが観察される場合)とも呼ばれる。
腸機能の測定値であるパラメータまたは腸機能に関連したパラメータは、オピオイドによる腸機能不全(OBD)症候群を含み得る。OBDは、疼痛患者の継続治療を制限するオキシコドンなどの強いオピオイド鎮痛治療薬に関連した、たいていは重度の医薬品副作用である。OBDは、主として便秘を伴うが、異常な痙攣、鼓張および胃食道逆流も伴う。
詳細には、腸機能は、次の3つのパラメータを基に判定することができる:
−排便の容易さもしくは困難さ(例えば、患者の評定に従って、最後の7日間のもの。ここで、0は、困難さなしに相当し、100は、重度の困難さに相当する);
−不完全な腸内容物排出感(例えば、患者の評定に従って、最後の7日間のもの。ここで、0は、不完全な腸内容物排出感がないことに相当し、100は、な腸内容物排出を非常に強く感じることに相当する);
−便秘に関する患者の個人的判断(例えば、最後の7日間のもの。ここで、0は、便秘が全くないことに相当し、100は、非常に重い便秘に相当する)。
平均腸機能は、観察されたパラメータ(例えば、排便の容易さもしくは困難さ、不完全な腸内容物排出感ならびに便秘の判断についての3つの数値アナログスケール値)の平均である数値の形で得ることができる。
詳細には、腸機能を評定するための方法は、以下に説明するような装置またはアナログスケールによって行う。
1つの実施形態において、患者に与えられるパラメータスケールまたは数値アナログスケールは、観察することができるパラメータについての経験なしまたは非常に強い経験を示すものが両末端にある以外、標識またはしるしが全くない連続線であり得る。そして、その連続線にダッシュを書き込むことにより、患者に経験したパラメータの量および/または強さを示させる。その後、医療提供者または医師は、そのダッシュから経験なしを示す末端までまたは非常に強い経験を示す末端までの距離を測定することができ、その測定値を両末端間の距離で割る。その結果が、腸機能についてのスコアである数値である。1つより多くのパラメータが観察される場合、通常、各パラメータについての数値アナログスケール値を平均することにより、平均腸機能スコアを決定する。3つのパラメータが観察される場合、この平均腸機能スコアは、腸機能指数またはBFI3とも呼ばれる。このスケールにより、Rome II基準を検出することができる。
さらなる態様において、図1は、腸機能指数または平均腸機能スコアを評定するために使用することができる紙票の一例を図示するものである。詳細には、患者またはこの患者を担当する医師に、例えば最後の1、3、7または14日間の排便の容易さまたは困難さ;例えば最後の1、3、7または14日間の不完全な腸内容物排出感;および再び例えば最後の1、3、7または14日間の便秘に関する患者個人的な判断などの腸機能に関連したパラメータに関する紙票を用いて質問して、質問に答えさせることができる。この実施形態において、質問は、線上の0と100の間にしるしをつけることによって回答され、ここで、0は、排便の困難さなしに相当し、100は、重度の排便困難に相当し、ならびに/または0は、不完全な腸内容物排出感がないことに相当し、100は、腸内容物排出を非常に強く感じることに相当し、ならびに/または0は、便秘が全くないことに相当し、100は、非常に重い便秘に相当する。勿論、このスケールは、0または他の任意の数から任意の数、例えば、0から10、または0から50、または0から300、または1から10の範囲にわたり得る。例えば、そのしるしから経験なしを示す末端までまたは非常に強い経験を示す末端までの距離を測定し、この測定値を両末端間の距離で割ることにより得ることができる3つの数値を、その後、好ましくは、加え、そして3で割って、平均腸機能スコアまたは平均腸機能指数(BFI)またはBFI3を得る。
さらなる実施形態において、図2は、平均腸機能スコアを決定するための円形BFIメーターの一例を図示するものである。好ましくは、円形BFIメーターは、上で説明したような腸機能に関連した1つまたはそれ以上のパラメータに対する患者の評定に関する質問を伴う紙票を含む。さらに、こうした円形BFIメーターは、好ましくは、内円上の数値スケールおよび外円上の数値スケールを含む。これらの数値スケールは、好ましくは、一方のスケール上の値が他方のスケール上の対応する値の倍数になるように互いに相関しており、この場合、その係数は、観察されるパラメータの数に相当する。例えば、3つのパラメータが観察される場合、一方のスケール上の値は、他方のスケール上の対応する値を3で割った、または他方のスケール上の対応する価に3を掛けた値を示す。さらに、BFIメーターは、内円上の数値スケールの対応する値と外円上の数値スケールの対応する値との相関を容易にするために、針または指針(これは、その円の中央に取り付けられており、その円を回って動かすことができる)を含む。
例えば、BFI 3を得るために、例えば、最後の7日間の排便の容易さまたは困難さ(ここで、0は、排便の困難が無いことに相当し、100は、重度の困難に相当する);例えば最後の7日間の不完全な腸内容物排出感(ここで、0は、全く感じないことに相当し、100は、強く感じることに相当する)および便秘に関する患者の個人的判断に関する3つの質問を、BFIメーターの円の内部領域に与える。内円(3)上には、時計回りに進む0〜300のスケールを配置する。外円(4)上には、時計回りに進む0〜100のスケールを配置し、このスケールは、内円のスケールのしるしに沿っており、内円の値を3で割った値を示す。計算を容易にするために、針または指針(1)をその円の中央に取り付け、これは、その円を回って動かすことができる。その針の外端には、その内円および外円の数値を囲み込むウインドウ(2)がある。平均腸機能を評定するために、質問1の結果である内円の数字に針を動かすことができる。次に、質問2の結果を、その内円のその点に針を動かすことによって、加えることができる。第三段階において、質問3の結果を、その内円のその結果の点に針を動かすことによって、加える。結果として、平均腸機能スコアを外円上で見ることができる。
他の好ましい実施形態において、本発明の方法は、米国特許第6,258,042号B1およびWO 03/073937 A1に記載されているアナログスケール(これらを、上で説明した装置またはアナログスケールに適応させなければならない)で行うことができる。これらの2つの参考文献の開示は、本明細書に参考として取り入れられている。
好ましくは、または代替的に、本発明のオキシコドン・ナロキソン剤形は、ヒト患者への定常状態でのまたは単回用量の投与後、少なくとも8時間、さらに好ましくは少なくとも12時間、または最も好ましくは少なくとも24時間、鎮痛作用をもららす。
好ましくは、または代替的に、本発明のオキシコドン・ナロキソン剤形は、ヒト患者または健常はヒト被験者への定常状態でのまたは単回用量の投与後、約1から約17時間で、約2から約15時間で、約3から約8時間で、または約4から約5時間で、オキシコドンについての平均tmaxをもたらす。1つの好ましい実施形態において、前記剤形は、ヒト健常被験者またはヒト患者への定常状態でのまたは単回用量の投与後、オキシコドンについての3時間、3.5時間または4.0時間の平均tmaxをもたらす。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。これらの製剤は、好ましくは、1日当たり80mg オキシコドンおよび40mg ナロキソンの総量まで投与される。こうした2:1の製剤を1日当たり40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの量まで投与することが、特に好ましい。好ましくは、前記剤形は、約80mgのオキシコドンおよび40mgのナロキソン、さらに好ましくは約40mgのオキシコドンおよび20mgのナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
好ましくは、または代替的に、本発明のオキシコドン・ナロキソン剤形は、ヒト患者または健常はヒト被験者への定常状態でのまたは単回用量の投与後、約0.25から約15時間で、約0.5から約12時間で、約1から約4時間で、または約1から約3時間で、ナロキソン−3−グルクロニドについての平均tmaxをもたらす。1つの好ましい実施形態において、前記剤形は、ヒト健常被験者またはヒト患者への定常状態でのまたは単回用量の投与後、ナロキソン−3−グルクロニドについての0.5時間、1時間または2.0時間の平均tmaxをもたらす。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。これらの製剤は、好ましくは、1日当たり80mg オキシコドンおよび40mg ナロキソンの総量まで投与される。こうした2:1の製剤を1日当たり40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの量まで投与することが、特に好ましい。好ましくは、前記剤形は、約80mgのオキシコドンおよび40mgのナロキソン、さらに好ましくは約40mgのオキシコドンおよび20mgのナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
好ましくは、または代替的に、本発明のオキシコドン・ナロキソン剤形は、約100ng時/mLまたは約200ng時/mLまたは約300ng時/mLから約600ng時/mL、さらに好ましくは約400ng時/mLから約550ng時/mL、および最も好ましくは約450ng時/mLから約510ng時/mLのオキシコドンについての平均AUCt値をもたらす。好ましくは、オキシコドンについてのこれらの平均AUCt値は、40mgのオキシコドンまたはその医薬的に許容される塩と例えば20mgのナロキソンまたはその医薬的に許容される塩とを含む、本発明のオキシコドン・ナロキソン剤形に関連している。上の値は、健常なヒト被験者または患者における単回用量投与または定常状態での投与に関する。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
40mg未満のオキシコドンまたはその医薬的に許容される塩を含む本発明のオキシコドン・ナロキソン剤形についてのオキシコドンに関する平均AUCt値は、より低い値、例えば50ng時/mLまたは75ng時/mL、である場合がある。これは、20mgのオキシコドンおよび10mgのナロキソンまたは10mgのオキシコドンおよび5mgのナロキソンを投与する場合であり得る(例えば、実施例3および4参照)。これらの値は、また、健常なヒト被験者または患者における単回用量投与または定常状態での投与に関する。
好ましくは、または代替的に、本発明のオキシコドン・ナロキソン剤形は、約10ng時/mL mgから約15ng時/mL mg、好ましくは約10ng時/mL mgから約14ng時/mL mgおよび最も好ましくは約11.2ng時/mL mgから約14ng時/mL mgのオキシコドンについての平均AUCt/mg オキシコドン値をもたらす。上の値は、健常なヒト被験者または患者における単回用量投与または定常状態での投与に関する。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。好ましくは、前記剤形は、約40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
好ましくは、または代替的に、本発明のオキシコドン・ナロキソン剤形は、約100ng時/mLから約200ng時/mLまたは約300ng時/mLから約750ng時/mL、さらに好ましくは約400ng時/mLから約700ng時/mLおよび最も好ましくは約500ng時/mLから約600ng時/mLのナロキソン−3−グルクロニドについての平均AUCt値をもたらす。好ましくは、ナロキソン−3−グルクロニドについてのこれらの平均AUCt値は、40mgのオキシコドンまたはその医薬的に許容される塩と例えば20mgのナロキソンまたはその医薬的に許容される塩とを含む本発明のオキシコドン・ナロキソン剤形に関連している。上の値は、健常なヒト被験者または患者における単回用量投与または定常状態での投与に関する。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。好ましくは、前記剤形は、約40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
好ましくは、または代替的に、本発明のオキシコドン・ナロキソン剤形は、約20ng時/mL mgから約35ng時/mL mg、好ましくは約25ng時/mL mgから約30ng時/mL mgのナロキソン−3−グルクロニドについての平均AUCt/mg ナロキソン値をもたらす。上の値は、健常なヒト被験者または患者における単回用量投与または定常状態での投与に関する。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。好ましくは、前記剤形は、約40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
好ましくは、または代替的に、本発明のオキシコドン・ナロキソン剤形は、約5ng/mLから約50ng/mL、さらに好ましくは約20ng/mLから40ng/mLまたは最も好ましくは約30ng/mL、約35ng/mLのオキシコドンについての平均Cmax値をもたらす。好ましくは、オキシコドンについてのこれらの平均Cmax値は、40mgのオキシコドンまたはその医薬的に許容される塩と例えば20mgのナロキソンまたはその医薬的に許容される塩とを含む本発明のオキシコドン・ナロキソン剤形に関連している。上の値は、健常なヒト被験者または患者における単回用量投与または定常状態での投与に関する。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。好ましくは、前記剤形は、40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
40mg未満のオキシコドンまたはその医薬的に許容される塩を含む本発明のオキシコドン・ナロキソン剤形についてのオキシコドンに関する平均Cmax値は、より低い値、例えば1ng/mLまたは3ng/mL、である場合がある。これは、20mgのオキシコドンおよび10mgのナロキソンまたは10mgのオキシコドンおよび5mgのナロキソンを投与する場合であり得る(例えば、実施例3および4参照)。
好ましくは、または代替的に、本発明のオキシコドン・ナロキソン剤形は、約0.125ng/mL mg オキシコドンから約1.25ng/mL mg オキシコドン、さらに好ましくは約0.5ng/mL mg オキシコドンから約1ng/mL mg オキシコドンまたは最も好ましくは約0.75ng/mL mg オキシコドンから約0.875ng/mL mg オキシコドンのオキシコドンについての平均Cmaxをもたらす。上の値は、健常なヒト被験者または患者における単回用量投与または定常状態での投与に関する。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。好ましくは、前記剤形は、約40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
好ましくは、または代替的に、本発明のオキシコドン・ナロキソン剤形は、約10pg/mLから約100pg/mL、さらに好ましくは約40pg/mLから90pg/mLまたは最も好ましくは約60pg/mL、約90pg/mLのナロキソン−3−グルクロニドについての平均Cmax値をもたらす。好ましくは、オキシコドンについてのこれらの平均Cmax値は、40mgのオキシコドンまたはその医薬的に許容される塩と例えば20mgのナロキソンまたはその医薬的に許容される塩とを含む本発明のオキシコドン・ナロキソン剤形に関連している。上の値は、健常なヒト被験者または患者における単回用量投与または定常状態での投与に関する。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。好ましくは、前記剤形は、約40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
好ましくは、または代替的に、本発明のオキシコドン・ナロキソン剤形は、約2pg/mL mg ナロキソンから約4.5pg/mL mg ナロキソン、さらに好ましくは約3pg/mL mg ナロキソンから約4.5pg/mL mg ナロキソンのナロキソン−3−グルクロニドンについての平均Cmaxをもたらす。上の値は、健常なヒト被験者または患者における単回用量投与または定常状態での投与に関する。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。好ましくは、前記剤形は、約40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
血漿中濃度の急速な初期上昇速度をもたらし、および/または例えば8時間以下、好ましくは6時間以下または5時間以下またはさらに4時間以下のtmax値を有する、本発明のオキシコドン・ナロキソン製剤は、急速、且つ、より大きな鎮痛作用を達成する点で有利である。実質的に平坦な血清中濃度曲線を示さず、その代わり、より急速な初期オピオイド放出をもたらすため、多くの患者において最小有効鎮痛薬濃度をより急速に達成することができる。このことにより、長期療法のための持続放出性剤形に切り替える前に即時放出性オキシコドン・ナロキソン剤形を先ずタイトレーションする必要がなくなることで、本発明の剤形は、患者のタイトレーションにも適するようになる。上記tmax値は、健常はヒト被験者または患者における単回用量投与または定常状態での投与に関する。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。これらの製剤は、好ましくは、1日当たり80mg オキシコドンおよび40mg ナロキソンの総量まで投与される。こうした2:1の製剤を1日当たり40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの量まで投与することが、特に好ましい。好ましくは、前記剤形は、約80mgのオキシコドンおよび40mgのナロキソン、さらに好ましくは約40mgのオキシコドンおよび20mgのナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
好ましくは、または代替的に、本発明のオキシコドン・ナロキソン剤形は、同じ量のオキシコドンを含むが、ナロキソンは含まない製剤の効能および忍容性と同じ程度に良好と患者により判断される効能および忍容性をもたらす。
効能の包括的評定は、患者において、0から7の数値アナログスケール(1=非常に良好、2=良好、3=相当良好、4=中等度、5=やや不良、6=不良、7=非常に不良)を使用して測定することにより、判断することができる。忍容性は、患者において同じ0から7の数値アナログスケールを使用することにより判断することができる。考慮することができるもう1つのパラメータは、0から3のNAS(1=タイトレーション/ランイン、2=維持、3=嗜好なし)を使用する被験薬の効能/忍容性に関する維持(オキシコドン/ナロキソン併用)またはタイトレーション/ランイン(オキシコドンのみ)についての嗜好性である。
効能の包括的評定については、その後、オキシコドンとナロキソンの用量比グループ、ナロキソンの絶対用量グループ、および同じオキシコドン/ナロキソン比をもたらすナロキソンの絶対用量グループごとの忍容性および嗜好性の要約統計を、本発明に従って行うことができる。1つの実施形態において、本発明は、上述のNASを使用した場合に50%より多くの患者において、好ましくは70%より多くの患者において、効能に関して良好または非常に良好と格付けされる、オキシコドンおよびナロキソンの剤形を提供する。
加えて、または代替的に、本発明の剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを含み、ならびに上述のNASを使用した場合に60%より多くの患者において、好ましくは70%またはさらに80%より多くの患者において、忍容性に関して良好または非常に良好と格付けされる。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。これらの製剤は、好ましくは、1日当たり80mg オキシコドンおよび40mg ナロキソンの総量まで投与される。こうした2:1の製剤を1日当たり40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの量まで投与することが、特に好ましい。好ましくは、前記剤形は、約80mgのオキシコドンおよび40mgのナロキソン、さらに好ましくは約40mgのオキシコドンおよび20mgのナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
好ましくは、または代替的に、本発明のオキシコドン・ナロキソン剤形は、緩下剤摂取の用量および頻度に関しては、オキシコドンのみを含みナロキソンは含まない製剤と比較して低下させる。
便秘などのOBD症候群は、オピオイド投与の典型的な副作用であり、一般に、緩下剤の投与により治療される。しかし、効能および忍容性を保障するばかりでなく、同時に便秘などのOBD症候群を予防または少なくとも軽減することもできる独特なオピオイド作動薬対拮抗薬比が存在するかどうかは不明である。
緩下剤摂取/平均緩下剤用量の進展は、患者の報告から本発明に従って計算することができる。本発明の1つの実施形態では、最後の7日間の平均緩下剤用量および/または便通事象の分析を患者について行う。これに関連して、緩下剤は、WHO ATC Code A06Aにより特定することができる。緩下剤摂取のために、最後の7日間に便通があった日数および最後の7日間の便通があった日のパーセンテージを各試験訪問時に計算することができる。加えて、全維持期間中、およびフォローアップ期間中の便通があった日のパーセンテージを計算することができる。判定の一例として、緩下剤摂取の必要および本発明の製剤の影響を実施例1により与える。
1つの実施形態において、本発明は、緩下剤摂取を伴う日数の少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、さらに好ましくは少なくとも25%およびさらにいっそう好ましくは少なくとも30%低減をもたらす、オキシコドンおよびナロキソンの剤形を提供する。本発明の一部の剤形は、少なくとも35%または少なくとも40%の低減までも可能ならしめる。同じことが、緩下剤摂取の用量にも当てはまる。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。これらの製剤は、好ましくは、1日当たり80mg オキシコドンおよび40mg ナロキソンの総量まで投与される。こうした2:1の製剤を1日当たり40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの量まで投与することが、特に好ましい。好ましくは、前記剤形は、約80mgのオキシコドンおよび40mgのナロキソン、さらに好ましくは約40mgのオキシコドンおよび20mgのナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
本発明のさらにもう1つの実施形態は、好ましくは、または代替的に、患者または健常はヒト被験者(すなわちオピオイド使用者群であり、これをオピオイド嗜好者および薬物乱用者と混同してはならない)において実質的な退薬症状を誘導しない、オキシコドン・ナロキソン剤形に関する。
ナロキソンをオキシコドンと併用する根本的理由の1つは、これらのオピオイド依存者または薬物乱用者による本発明の製剤の乱用を阻止することである。しかし、オピオイド作動薬および拮抗薬を含む製剤を、疼痛治療が必要な患者に投与した場合、退薬症状が発生してはならない。本発明は、鎮痛作用を保障し、患者が非常によく気に入り、便秘および緩下剤摂取などの副作用を特異的に治療することができ、同時に、有意な退薬症状に至らない独特な比率でのオキシコドンおよびナロキソンの製剤が、驚くべきことに存在することを示す。
本発明の被験者退薬症状(subject symptoms of withdrawal)(SOWS)は、患者が日記に毎日記録することができるものであり、例えば次のようなパラメータを含むことができる:不安である;あくびが出そうである;汗をかいている;目から涙が出ている;鼻から鼻水が出ている;鳥肌が立つ;震えている;熱く感じる;寒く感じる;骨および筋肉が痛い;落ち着かない;気分が悪い;吐きそうである;筋肉がつっている;腹部が痙攣している;じっと座っていることができない。これらの症状は、NAS、例えば「0=全くなし」、「1=少し」、「2=中等度」、「3=強い」、「4=極度」、により評価することができる。
1つの実施形態において、SOWSは、維持期の最初の7日の間に記録される。その後、SOWS項目の総スコア(=合計スコア)を各々の患者および日について計算することができる。
1つの実施形態において、本発明は、臨床的に意義のある程のSOWSの合計スコアの実質的な増加を招かない、従って、患者または健常はヒト被験者に安全への懸念を提起しない、オキシコドンおよびナロキソンの持続放出性剤形を提供する。好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。これらの製剤は、好ましくは、1日当たり80mg オキシコドンおよび40mg ナロキソンの総量まで投与される。こうした2:1の製剤を1日当たり40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの量まで投与することが、特に好ましい。好ましくは、前記剤形は、約80mgのオキシコドンおよび40mgのナロキソン、さらに好ましくは約40mgのオキシコドンおよび20mgのナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
本発明のさらにもう1つの実施形態は、好ましくは、または代替的に、例えば下痢などの有害事象の発生に関して臨床的に許容しうる、オキシコドン・ナロキソン剤形に関する。
本発明のために、有害事象は、医薬品(プラシーボを含む)が投与された患者または臨床試験被験者において生じたあらゆる不適切な医療上のできごとと考えることができ、これは、必ずしも治療との因果関係を有するものばかりではない。下痢などの有害事象を分類、測定および評価する方法は、実施例1において詳細に説明するが、これに関連して、それが、試験する特定の製剤に限定されると解釈すべきでない。
オピオイドにより誘発される典型的な有害事象は、the Medical Dictionary for Regulatory Affairs(MeDRA)において特定されているような、悪心、嘔吐、鎮静、皮膚反応であると考えられる。ナロキソンにより誘発される典型的な有害事象は、MeDRAに説明されている定義が適用される異常疼痛、痙攣および下痢であると考えられる。
こうした有害作用の重症度は、例えば最後の7日間に発生する上述の有害事象の各々にスコアを割り付けることによって計算することができる合計スコアにより判断することができる。それぞれの副作用が、最後の7日間に観察されない場合には0のスコア、その有害事象が軽度である場合には1のスコア、その有害事象が中等度の場合には2のスコア、およびその有害事象が重度である場合には3のスコアを割り付ける。これは、オピオイドによって誘発される典型的な有害事象が、12の最大合計スコアを有する一方で、ナロキソンにより誘発される典型的な有害事象が、9の最大合計スコアに至ることを意味する。
本発明の製剤は、維持期間中、すなわち定常状態の間、オキシコドンのみの治療と比較して、オピオイドにより誘発される典型的な有害事象の重症度の低減をもたらし、その一方で、ナロキソンにより誘発される典型的な有害事象の重症度は実質的に増加しない、すなわち、オキシコドンのみの治療と比較して同じであるか低減されることが、驚くべきことに判明した。
従って、1つの実施形態において、本発明は、オキシコドンおよびナロキソンを含む剤形であって、オキシコドンのみの剤形の投与との比較で合計スコアを計算することにより判断して改善された副作用プロフィールをもたらす、すなわち、定常状態での投与中にナロキソンにより誘発される典型的な有害事象の重症度を増加させることなくオピオイドにより誘発される典型的な有害事象の重症度の低減を招く剤形に関する。
好ましい実施形態において、こうした剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。これらの製剤は、好ましくは、1日当たり80mg オキシコドンおよび40mg ナロキソンの総量まで投与される。こうした2:1の製剤を1日当たり40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの量まで投与することが、特に好ましい。好ましくは、前記剤形は、約80mgのオキシコドンおよび40mgのナロキソン、さらに好ましくは約40mgのオキシコドンおよび20mgのナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
本発明のさらにもう1つの実施形態は、好ましくは、または代替的に、実質的な食物による影響を示さないオキシコドン・ナロキソン剤形製剤に関する。
本発明によれば、食物による影響は、単回用量または定常状態での投与後に健常なヒト被験者または患者において判定される薬物動態パラメータ、例えばAUC、Cmaxおよびtmaxを測定することによって判定される。本発明の剤形は、ナロキソンの薬物動態パラメータ増加を招かないことが、観察された。これは、食物が本発明の製剤の鎮痛作用に対して有害な作用を有さないということを示すので、重要である。
FDA高脂肪食後の薬物動態パラメータが、AUC、Cmaxおよびtmaxについての生体内利用率等価性の90%信頼限界の実質的に、すなわち臨床的に意義のある程度に、外側にある場合、食物による影響が観察される。食物による影響を判定する1つの方法は、実験3において説明するが、これに関連して、それが、試験する特定の製剤に限定されると解釈すべきでない。
好ましい実施形態において、実質的な食物による影響を示さない剤形は、オキシコドンおよびナロキソンを2:1の重量比で含む。これらの製剤は、好ましくは、1日当たり80mg オキシコドンおよび40mg ナロキソンの総量まで投与される。こうした2:1の製剤を1日当たり40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの量まで投与することが、特に好ましい。好ましくは、前記剤形は、約80mgのオキシコドンおよび40mgのナロキソン、さらに好ましくは約40mgのオキシコドンおよび20mgのナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
本発明のさらにもう1つの実施形態は、オピオイド依存症のヒトにおいて退薬症状を引き起こすオキシコドン・ナロキソン剤形製剤に関する。好ましい実施形態において、本発明の剤形についての退薬効果の急発作用は、予想されるとおり、ナロキソンについてのものより顕著であり、長く続く。こうした剤形は、例えば静脈内適用または経鼻経路による投与による本剤形の乱用の予防に特に適する。
上記特性、すなわち良好な鎮痛作用、良好な忍容性、BFIの改善、緩下剤摂取の減少、患者における無退薬症状、食物による影響がないこと、をもたらすが、同時に、薬物常用者などのオピオイド依存症の個体においては退薬症状を誘発する、オピオイド作動薬および拮抗薬の製剤を有することは、非常に望ましいことである。
実験5は、2:1比のオキシコドン:ナロキソンの静脈内投与が、オキシコドン依存症ラットにおいて退薬症状を引き起こすことを示している。上で説明したパラメータに関するこの2:1比の利点からして、実施例5のデータに鑑みて、本発明の製剤は、オピオイド依存症のヒト個人においても退薬症状を引き起こすと想定される。2:1比の驚くべき特徴は、オキシコドンの存在にもかかわらず、この配合製品についての退薬症状が実際に延長され、より顕著であることである。
好ましい実施形態において、オピオイド依存症のヒトにおける退薬効果を引き起こすおよび延長する能力を有する剤形は、オキシコドンとナロキソンを2:1の重量比で含む。好ましくは、これらの剤形は、引き起こされた退薬効果でさえ延長することができ、これが常用者での長く続く退薬症状につながる。これらの製剤は、好ましくは、1日当たり80mg オキシコドンおよび40mg ナロキソンの総量まで投与される。こうした2:1の製剤を1日当たり40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの量まで投与することが、特に好ましい。好ましくは、前記剤形は、約80mgのオキシコドンおよび40mgのナロキソン、さらに好ましくは約40mgのオキシコドンおよび20mgのナロキソンを含む。前記剤形は、好ましくは、その放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性の拡散マトリックスから、持続的な様式、一様な様式、および独立した様式で活性薬物を放出する。
本発明のさらなる態様は、ヒト個人および特に、あまり高量のオキシコドンでの治療を一般に受けていない患者のための本発明の製剤の使用に関する。例えば、呼吸低下が発生し得るようなオピオイドナイーブ患者の治療には、80mgおよび160mgの投与強度のOxyContinは指示されない。同様に、医師は、前述の高量のオキシコドンで老年患者をすることを非常に嫌がる。しかし、本発明の製剤は、ナロキソンが存在する場合にはオキシコドンを80mgのおよび160mgまでの量でオピオイドナイーブ個体および/または老年患者の治療に用いることができる。これは、特に、オキシコドン:ナロキソン 2:1に当てはまる。従って、本発明は、これまでは比較的大きな投与量のオキシコドンで治療することができなかった患者群における中等度から強度の疼痛を治療する方法も提供する。大きな投与量のオキシコドンとは、80mgより多い、好ましくは100mgより多い、さらに好ましくは120mgより多い、さらにいっそう好ましくは140mgより多いオキシコドン、および最も好ましくは160mgより多いオキシコドンであると考えられる。これは、ナロキソンが、好ましくは2:1のオキシコドン:ナロキソン比で存在するため、可能である。
1つの実施形態において、本発明は、副作用プロフィールの改善をもたらすための、すわなち、定常状態での投与中に、ナロキソンにより誘発される典型的な有害事象の重症度を増加させることなくオピオイドにより誘発される典型的な有害事象の重症度の低減をもたらすための、オキシコドンおよびナロキソンを含む剤形の使用に関する。
上で既に述べたように、(1)効率的な、長く(すなわち、24時間まで)持続する疼痛治療を可能にし、(2)腸機能の改善を示し、(3)優れた忍容性を示し、(4)患者および健常なヒト被験者においてオピオイド退薬症状についての有意に高い合計スコアを示さず、(5)緩下剤摂取量を減少させ、(6)下痢などの有害事象に関して臨床的に許容可能であり、(7)食物による影響を示さず、ならびに(8)オピオイド中毒の個体では退薬症状を引き起こす可能性が高い、オキシコドンおよびナロキソンの持続放出性製剤を得ることができることを、驚くべきことに発見した。
実験1から6は、特に2:1のオキシコドン:ナロキソン比を有するオキシコドン・ナロキソン製剤が、3つの異なる目的に適することを明確に示している。これらの実験により、オキシコドン対ナロキソンの2:1の比が、好ましくは1日当たり80mgのオキシコドンおよび40mgのナロキソンを投与した場合、上記目的の達成に特に適することも明確に確立された。特にこの案しい実施形態において、前記2:1比の剤形は、40mg オキシコドンおよび20mg ナロキソンの日用量で投与される。この比は、配合剤で上で説明した効果を得るための最適条件であると思われる。さらに好ましい実施形態において、本発明の製剤は、40mgのオキシコドンまたは等量のその医薬的に許容される塩と20mgのナロキソンまたは等量のその医薬的に許容される塩を含むことができる。好ましくは、こうした製剤は、その本質的な放出特性を顧慮してエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールから形成される実質的に非膨潤性で非腐食性の拡散マトリックスに包埋された活性成分を含む。
さらに、血漿中濃度の急速な初期上昇速度の結果としてより高いピーク血漿中濃度が発生するため、通常予想される便秘などの副作用が有意に大きく発生しない。
さらに、特に本発明の剤形がマトリックス製剤である場合、作動薬(すなわち、オキシコドン)および拮抗薬(すなわち、ナロキソン)は、確実に、常に所定の率で放出され、ならびにそれらの放出速度は、確実に、互いに影響を及ぼさない。その結果、オキシコドンをその製剤から選択的に抽出することができることを前提とする薬物の乱用が、防止される。従って、本発明の製剤は、選択される作動薬および拮抗薬の絶対および相対量にかかわらず、対応する量の拮抗薬ナロキソンを伴わずにその剤形からオキシコドンを選択的に抽出することができない。
従って、本発明の剤形は、徐放性オキシコドン・ナロキソン製剤でヒト患者をタイトレーションするための方法にも適する。この実施形態の第一段階は、ヒト患者への、例えば1日2回または1日1回ベースでの、上で説明したおよび以下のパラグラフで説明するような持続放出性オキシコドン/ナロキソン剤形の単回用量の投与を含む。その後、この実施形態は、前記ヒト患者において前記製剤により誘発される薬物動態および薬力学パラメータをモニターし、前記薬物動態および/または薬力学パラメータが、反復方式で前記患者を治療するために適切であるかどうかを判定する、後続段階を含む。前記薬物動態および/または前記薬力学パラメータが十分でない場合には、異なる量のオキシコドンおよび/またはナロキソンを含有する本発明の剤形の単位用量を投与することにより、または前記薬物動態および/または前記薬力学パラメータが適切だと思われる場合には、以前に投与した量の単位用量でのオキシコドンおよび/またはナロキソンの用量を維持することにより、患者に投与するオキシコドンおよび/またはナロキソンの用量を調整することによって患者をタイトレーションする。適切な定常状態薬物動態/薬力学パラメータが患者において達成されるまでオキシコドンおよび/またはナロキソンの用量をさらに調整することにより、そのタイトレーションを継続する。その後、本発明の持続放出性剤形でのオキシコドンおよび/またはナロキソンの用量の投与を、治療が終了するまで、例えば1日2回または1日1回ベースで継続する。
さらに好ましい実施形態において、オキシコドンおよび/またはナロキソンは、本発明の剤形から、持続的な様式、一様な様式、および/または独立した様式で放出される。
この実施形態は、同一の相対量のため、活性化合物は、存在する絶対量とは無関係な、等しい放出プロフィールを保障する。こうした独立した放出挙動は、最適な作動薬/拮抗薬比がわかっていることから、鎮痛活性物質の広範な使用可能絶対量を医師にもたらす。従って、段階的な投与量増加により、または必要な場合には段階的な投与量減少により、個々の患者ごとに用量を何不自由なく調整することができる。個々の患者について投与量を調整できるこの能力は、医学的見地から極めて有用である。
加えて、活性化合物、すなわちオキシコドンおよびナロキソンまたはそれらの医薬的に許容される塩の、持続的な様式、一様な様式、および/または独立した放出により、本発明に従って製造される医薬製剤は少ない投与回数という特徴を有することが保障され、そのため、高い患者コンプライアンスが達成される。さらに、本発明の製剤により、医師は個々の患者について投与量を調整することができる。本発明の製剤は、活性化合物の使用可能絶対量に関して、広い範囲にわたって使用することができ、ならびに活性化合物が、長期保存後でさえ有効となり、同等の放出プロフィール有することを保障する。
本発明によれば、オキシコドンもしくはその医薬的に許容される塩および/またはナロキソンもしくはその医薬的に許容される塩の持続放出は、薬学的に活性な物質が、即時放出用の製剤から知られているものより長い期間にわたって薬物から放出されることを意味する。典型的に、即時放出性製剤は、USPパドル法に従って測定した場合、約30分以内に実質的にすべての活性成分を放出してしまう。
本発明の特定の実施形態における剤形の放出は、4時間後にオキシコドンもしくはその医薬的に許容される塩および/またはナロキソンもしくはその医薬的に許容される塩の25%から65%の間、好ましくは30%から60%の間、さらに好ましくは35%から55%の間およびさらにいっそう好ましい40%から50%の間である。
本発明の他の特定の実施形態は、8時間後にオキシコドンもしくはその医薬的に許容される塩および/またはナロキソンもしくはその医薬的に許容される塩の70%から100%の間、好ましくは75%から100%の間、さらに好ましくは80%から95%の間およびさらにいっそう好ましくは80%から85%の間、85%から90%の間または90%から95%の間を放出する剤形に関する。本発明の好ましい実施形態は、8時間後にオキシコドンもしくはその医薬的に許容される塩および/またはナロキソンもしくはその医薬的に許容される塩の約80%、約85%、約90%または約95%を放出する製剤にも関する。
本発明によれば、本製剤または剤形から活性化合物のこうした持続放出を保障する薬物の剤形または製剤を、遅延製剤、持続放出性製剤または徐放性製剤と呼ぶ。本発明によれば、活性化合物の放出は、好ましくは、pH非依存性様式で発生する。
本発明によれば、用語「実質的にpH非依存性」は、(USP Basket Methodを用いて900mL 水性緩衝液中100rpmでインビトロにて測定したときの)任意の所与の時点においてpH1.2で放出されるオキシコドンの量とpH6.8で放出される量との差が、(その剤形中のオキシコドンまたはその塩の総量を基準にして、重量で)20%、好ましくは15%およびさらに好ましくは10%またはそれ以下であることを意味する。ナロキソンについても、必要な変更を加えて、同じことがあてはまる。別個の時点での放出値は、一般に、5つの測定値の平均に基づく。
さらに、本発明によれば、用語「持続放出」は、長期間にわたる薬物からの活性化合物の放出を指す。これは、限定された場所での制御放出を含意せず、従って、活性化合物が胃でしか放出されない、または腸でしか放出されないという意味ではない。
本発明によれば、「独立した放出」は、少なくとも2種の活性化合物の存在を仮定すれば、1種の化合物の絶対量の変化が、他の化合物の放出プロフィールに影響を及ぼさす、そのため他の化合物のプロフィールを変化させないことを意味する。本発明の剤形または製剤についてのこうした独立した放出挙動は、放出を測定するpH値から、またはその生産プロセスから独立している。pH独立性は、酸性範囲、すなわちpH値<7の範囲に特に当てはまる。放出プロフィールまたは放出挙動は、時間に伴うその製剤からの活性化合物の放出の変化と定義し、放出される各活性化合物の量は、活性化合物の総量のパーセントで与える。
放出プロフィールは、公知の試験によって判定することができる。好ましくは、持続放出性製剤からの活性化合物の放出は、HPLCを用い、pH1.2またはpH6.5で、USPによるバスケット法により判定する。
例えば、これは、12mgのオキシコドンおよび4mgのナロキソンを有するオキシコドン/ナロキソン配合剤について観察されるオキシコドンの放出プロフィールが、12mgのオキシコドンおよび6mgのナロキソンを含有する同じ調合の対応する製剤のものと違わないことを意味する。
詳細には、独立した放出は、実質的に等しい組成を有する製剤の放出プロフィールを比較する場合、興味深い。実質的に等しい組成の製剤は、異なる量の活性化合物を有するが、他の点では、放出挙動に本質的に影響を及ぼす組成の成分に関しては、基本的に同じである。
例えば、上述の製剤を(12mgのオキシコドンおよび4mgのナロキソンを含む第一製剤ならびに12mgのオキシコドンおよび6mgのナロキソンを含む第二製剤と)比較すると、両方の製剤は、同じ総重量を有することを条件として、そのナロキソンの量の差が、その放出挙動に一般に影響を及ぼさないその製剤中の成分によって補充される場合、オキシコドンおよびナロキソンについて同じ放出プロフィールを与える。
2つの剤形が異なる活性化合物の量が、その製剤の放出挙動に欠くことができない物質、例えばエチルセルロールまたは脂肪アルコール、によって補充される場合、その放出挙動のに差が生じ得ることを当業者は十分に承知している。従って、独立した放出は、(同じ総重量の製剤を比較するとすれば)、好ましくは、異なる量の活性化合物を有するが、他の点では、放出挙動に本質的に影響を及ぼさない成分に関しては、同一であるか、少なくとも非常に類似している。
本発明によれば、「一様な放出挙動」または「一様な放出プロフィール」は、時間単位用量当たりの放出される各活性化合物の絶対量のパーセンテージが有意に変化せず、活性化合物の絶対量を変えたとしても十分に一定なままであるように定義する。十分に一定のパーセンテージとは、時間単位当たりの放出されるパーセンテージが、平均値から20%より大きく、好ましくは15%より大きく、および特に好ましくは10%より大きくずれないことを意味する。この平均値は、放出プロフィールの6回の測定値から計算することができる。勿論、時間単位当たりの放出される量は、法的な規制上の必要条件を満たさなければならない。
例えば、これは、12mgのオキシコドンおよび4mgのナロキソンのオキシコドン/ナロキソン配合剤を仮定して、最初の4時間の間に25%オキシコドンおよび20%ナロキソンが放出されることを意味する。そのオキシコドン/ナロキソン配合剤が、24mgのオキシコドンおよび8mgのナロキソンを含有する場合もまた、最初の4時間の間に25%オキシコドンおよび20%ナロキソンが放出される。両方の場合、偏差は、(この例では25%オキシコドンおよび20%ナロキソンである)その平均値から20%より大きくない。
独立した放出挙動について略述したように、一様な放出は、実質的の等しい組成の製剤を比較する場合に特に興味深い。こうした製剤は、活性化合物の量に関しては異なるが、放出に影響を及ぼす製剤成分に関しては同じまたは少なくとも非常に類似した組成のものである。典型的に、活性化合物の量の差は、その製剤の放出挙動に実質的に影響を及ぼさない薬学的に不活性な賦形剤の量によって補充される。こうした医薬用賦形剤は、医薬製剤における代表的な充填剤であるラクトースであってもよい。活性化合物の量の差が、製剤の放出挙動に本質的に影響を及ぼすことが知られている物質、例えばエチルセルロースまたは脂肪アルコール、により補充されている製剤が、一様な放出をもたらすことができないことを、当業者は十分に承知している。
本発明によれば、「保存安定性の」または「保存安定性」は、標準条件のもとでの保存(室温および通常の湿度で少なくとも2年間)により、製剤の活性化合物の量が、最初の量から、一般の薬局法の明細書またはガイドラインに与えられている値より大きくずれていないことを意味する。本発明によれば、保存安定性は、本発明に従って製造した製剤が、市場に出すために求められるような標準条件(60%相対湿度、25℃)下で保存することができることも意味する。
本発明によれば、「保存安定性の」または「長期間安定な」は、標準条件下での保存後に活性化合物が、保存せずにすぐに使用したときと同様の放出プロフィールを示すことも意味する。本発明によれば、放出プロフィールに関しての許容変動は、時間単位当たりの放出される量が平均値を基準にして20%より大きく、好ましくは15%より大きく、および特に好ましくは10%より大きく変動しないという特徴を有する。この平均値は、放出プロフィールの6回の測定から計算する。
保存安定性は、好ましくは、HPLCを用い、pH1.2で、USPによるパドル法によって判定する。
本発明によれば、「非膨潤性の」または「実質的に非膨潤性の」拡散マトリクスは、活性化合物の放出が、(特に、患者の体内の関連標的部位の生理液中での)そのマトリックスの膨潤による影響を受けない(または少なくとも妥当でない程度には影響を受けない)マトリックス製剤である。
本発明によれば、用語「実質的に非膨潤性の」拡散マトリックスは、水性溶液中で(および特に患者体内の関連標的部位の生理液中で)、その体積が約300%、好ましくは約200%、さらに好ましくは約100%、約75%または約50%、さらにいっそう好ましくは約30%または約20%、および最も好ましくは約15%、約10%、約5%または約1%増加するマトリックスも指す。
本発明に従って製造される製剤は、疼痛治療で使用するために、経口で、経鼻で、直腸内投与および/または吸入により適用することができる。本発明によれば、非経口適用は、考えていない。経口適用のための製剤が、特に好ましい。
1つの実施形態において、オキシコドンおよび/またはナロキソンは、遊離塩基の形態で本剤形中に存在する。
代替の好ましい実施形態において、オキシコドンおよび/またはナロキソンは、医薬的に許容される塩、誘導体などの形態で本剤形中に存在する。好ましい塩は、中でも、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、酒石酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、重酒石酸塩、リン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩などを含む。
さらに、作動薬が、拮抗薬より多く存在するほうが好ましい。作動薬の過剰は、その配合製剤中に存在する拮抗薬の単位投与量を基準にして定義される。オピオイド作動薬の過剰度は、通常、作動薬の拮抗薬に対する重量比によって与えられる。オキシコドンまたはその薬学的に活性な塩とナロキソンまたはその薬学的に活性な塩の好ましい重量比は、25:1、15:1、10:1.5:1、4:1、3:1、2:1および1.5:1である。
さらに、本発明の剤形が、単位投与量当たり、10mgから150mgのオキシコドンもしくはその薬学的に活性な塩、およびさらに好ましい20mgから80mgのオキシコドンもしくはその薬学的に活性な塩、ならびに/または1mgから50mgのナロキソンもしくはその薬学的に活性な塩およびさらに好ましい5mgから20mgのナロキソンもしくはその薬学的に活性な塩を含むことが、好ましい。本発明の他の好ましい実施形態において、本剤形または製剤は、5から50mgのオキシコドンもしくはその薬学的に活性な塩、10から40mgのオキシコドンもしくはその薬学的に活性な塩、15から30mgのオキシコドンもしくはその薬学的に活性な塩、または約20mgのオキシコドンもしくはその薬学的に活性な塩を含むことができる。本発明の好ましい剤形は、1から40mgのナロキソンもしくはその薬学的に活性な塩、5から30mgのナロキソンもしくはその薬学的に活性な塩、または単位投与量当たり10から20mgのナロキソンもしくはその薬学的に活性な塩も含むことができる。
好ましくは、マトリックス系遅延製剤を、本発明の剤形または製剤として使用することができる。本剤形が、実質的に非膨潤性の拡散マトリックスに基づくことは、特に好ましい。
好ましくは、本発明の剤形のためのマトリックス材料は、エチルセルロースに基づくポリマーを含み、エチルセルロースが、特に好ましいポリマーである。特に好ましいマトリックスは、商標Ethocel Standard 45 Premium(登録商標)またはSurelease(登録商標)で市場において入手できるポリマーを含む。エチルセルロース N45またはSurelease(登録商標)E−7−7050の使用が、特に好ましい。
本発明の剤形が、そのマトリックスの放出特性に本質的に影響を及ぼすマトリックス成分としてエチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールを含むことが、特に好ましい。エチルセルロースおよび少なくとも1種の脂肪アルコールの量は、様々な放出プロフィールを有する製剤を獲得することができるように極めて多様であり得る。本発明の製剤は、通常、上述の成分の両方を含むが、場合によっては、本製剤が、放出決定成分としてエチルアルコールまたは脂肪アルコール(単数または複数)しか含まないことが好ましい。
本発明の剤形は、充填剤および追加物質、例えば造粒助剤、滑沢剤、染料、流動剤(flowing agent)および可塑剤をさらに含み得る。
ラクトース、グルコースまたはサッカロース、デンプンおよびそれらの加水分解物、微結晶性セルロース、セラトース(cellatose)、糖アルコール、例えばソルビトールまたはマンニトール、多価可溶性(polysoluble)カルシウム塩、例えばリン酸水素カルシウム、リン酸二カルシウムまたは三カルシウムを充填剤として使用することができる。
ポビドンを造粒助剤として使用することができる。
高分散シリカ(Aerosil(登録商標))、滑石、コーンスターチ、酸化マグネシウムおよびステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウムを流動剤または滑沢剤として好適に使用することができる。
ステアリン酸マグネシウムおよび/またはステアリン酸カルシウムを滑沢剤として好適に使用することができる。ステアリン酸のような脂肪酸、または硬化ヒマシ油のような脂肪も好適に使用することができる。
ポリエチレングリコールおよび脂肪アルコール、例えばセチルアルコールおよび/またはステアリルアルコールおよび/またはセトステアリルアルコールも、遅延に影響を及ぼす追加物質として使用することができる。
充填剤および追加物質、例えば染料ならびに上述の滑沢剤、流動剤および可塑剤を使用する場合、本発明によると、本発明の活性化合物のインビボパラメータが確保されるようなマトリックス形成物質(単数および/または複数)との組み合わせを用いることにだけは、気をつけなければならない。
本製剤のこれらすべての追加成分は、好ましくは、その放出マトリックスが、実質的に非水膨潤性または非緩衝液膨潤性で、非腐食性の拡散マトリックスの特徴を得られるように選択される。
本発明によると、本剤形が、マトリックス構築物質としてエチルセルロース、例えばエチルセルロースN45またはSurelease(登録商標)E−7−7050、脂肪アルコールとしてステアリルアルコール、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム、充填剤としてラクトース、および造粒助剤としてポビドンを含むことは、特に好ましい。
1つの実施形態において、本発明の剤形は、オキシコドンを20mgの無水塩酸オキシコドンに対応する量で、およびナロキソンを10mgの無水塩酸ナロキソンに対応する量で含有する。20mgの塩酸オキシコドンおよび10mgの塩酸ナロキソンを含有する剤形については、その遅延材料が、エチルセルロースおよびステアリルアルコールから選択されることが、特に好ましい。一部の特定の実施形態において、こうした剤形は、少なくとも29mgのステアリルアルコールまたは少なくとも29.5mgのステアリルアルコール、またはさらに少なくとも30mgのステアリルアルコールを含有する。この実施形態による剤形におけるエチルセルロースの好ましい量は、少なくとも8、または少なくとも10、または少なくとも12mgのエチルセルロースである。
他の実施形態において、本剤形は、オキシコドンを10mgの無水塩酸オキシコドンに対応する量で、およびナロキソンを5mgの塩酸ナロキソンに対応する量で含有する。この実施形態においても、遅延材料が、エチルセルロースおよびステアリルアルコールから選択されることが好ましい。この実施形態による剤形におけるエチルセルロースおよびステアリルアルコールについての好ましい量は、少なくとも8、もしくは少なくとも10、もしくは少なくとも12mgのエチルセルロース、および/または少なくとも20、もしくは少なくとも25、もしくは少なくとも27mgのステアリルアルコールである。
他の好ましい実施形態において、本発明の剤形は、オキシコドンを40mgの無水塩酸オキシコドンに対応する量で、およびナロキソンを20mgの無水塩酸ナロキソンに対応する量で含有する。この場合も先と同様に、遅延材料は、好ましくは、エチルセルロースおよびステアリルアルコールから選択される。この実施形態における剤形は、好ましくは、少なくとも22mg、もしくは少なくとも24mg、もしくは少なくとも26mgのエチルセルロース、および/または少なくとも55mg、もしくは少なくとも59mg、もしくは少なくとも61mgのステアリルアルコールを含有する。この実施形態による剤形におけるエチルセルロースについての好ましい量は、少なくとも8、または少なくとも10、または少なくとも12mgのエチルセルロースである。
本発明の剤形は、原則として遅延製剤に適し、ならびに本発明の活性化合物、すなわちオキシコドンおよびナロキソン、のインビボパラメータをもたらす、すべての一般的な剤形と同様に製造することができる。錠剤、多層錠剤およびカプセルが特に適する。顆粒または粉末などのさらなる適用形態を使用することができるが、本発明に従って十分な遅延および放出挙動をもたらす適用形態のみが許容される。
医薬製剤は、フィルムコーティングを含むこともある。しかし、そのフィルムコーティングが、マトリックスからの活性化合物の放出特性およびマトリックス内の活性化合物の保存安定性に負の影響を及ぼさないことが保障されなければならない。こうしたフィルムコーティングは、着色することができ、または必要な場合には活性化合物の初期投与量を含むことができる。この初期投与量の活性化合物が直ちに放出されて、非常に迅速に治療有効血漿中レベルに達することとなる。
本発明の医薬製剤またはそれらの前段階は、ビルドアップまたはブレイクダウン造粒により製造することができる。好ましい実施形態は、噴霧造粒とそれらの顆粒のその後の乾燥による製造である。もう1つの好ましい実施形態は、ドラム内または造粒ディスク上でのビルドアップ造粒による顆粒の製造である。その後、それらの顆粒は、適切な追加物質および手順を用いて、例えば錠剤にプレスすることができる。当業者は、製薬技術に応用されているような造粒法を熟知している。
本発明の医薬製剤またはそれらの前段階の押出法による製造は、特に有利である。1つの好ましい実施形態において、医薬製剤またはそれらの前段階は、2つのスクリューを具備する同方向または異方向回転押出機での溶融押出により製造される。もう1つの好ましい実施形態は、1つまたはそれ以上のスクリューを具備する押出機での押し出しによる製造である。これらの押出機は、混練要素を具備することもある。
押し出しは、製薬技術の中でよく確立された製造プロセスでもあり、当業者には周知である。当業者は、押出プロセス中に様々なパラメータ、例えば、供給速度、スクリュー速度、(利用可能である場合には)異なる押出ゾーンの加熱温度、含水率などを変えて、所望の特性の生成物を製造できることをよく知っている。
上述のパラメータは、使用される押出機の特定のタイプに依存する。押し出し中、本発明の製剤の成分が溶融する加熱ゾーンの温度は、特に異方向回転二軸スクリュー押出機(例えば、Leistritz Micro 18 GGLまたはLeistritz Micro 27 GGL)を使用する場合、40から120℃の間、好ましくは50から100℃の間、さらに好ましくは50から90℃の間、さらにいっそう好ましくは50から85℃の間、および最も好ましくは65から80℃の間であり得る。当業者は、すべての加熱ゾーンを加熱しなければならないとは限らないことをよく知っている。特に、成分を混合するフィーダーの後ろは、約25℃に冷却する必要があり得る。スクリュー速度は、特に異方向回転二軸スクリュー押出機(例えば、Leistritz Micro 18 GGL)を使用する場合、1分に100から500回転(rpm)の間、好ましくは100から250rpmの間、さらに好ましくは100から200rpmの間、および最も好ましくは150rpmで変動し得る。ノズルの幾何学的配置および直径は、必要に応じて選択することができる。一般に使用される押出機のノズルの直径は、典型的には1から10mmの間、好ましくは2から8mmの間、および最も好ましくは3から5mmの間である。本発明の製剤の製造に使用することができる押出機のスクリューの長さ対直径比は、典型的には約40:1である。
一般に、加熱ゾーンの温度は、薬学的に活性な化合物を破壊し得る温度が発現しないように選択しなければならない。供給速度およびスクリュー速度は、薬学的に活性な化合物が、押し出しにより製造される製剤から持続的に、独立して、一様に放出され、またそのマトリックス内で保存安定性であるように選択される。例えば、供給速度を増加させる場合、その遅滞分を確保するために、それに応じてスクリュー速度を増加させなければならないことがある。
上述のすべてのパラメータが、特定の製造条件(押出機のタイプ、スクリューの幾何学的配置、要素の数など)に依存すること、および押し出しにより製造される製剤が本発明のオキシコドンのインビボパラメータをもたらすようにしなければならないことは、当業者には公知である。
本発明の非常に有利な実施形態を示す実施例を下に記載する。これらの実施例が本発明の可能な実施形態を限定すると解釈すべきではない。
実施形態実施例
疼痛患者におけるナロキソン−オキシコドン比の最適化
1.目的
この試験の主目的は、本発明のオキシコドン/ナロキソン併用が、オキシコドン単独と比較して、腫瘍および非腫瘍起源の重度の慢性疼痛を有する患者において匹敵する鎮痛と便秘低減、ならびに緩下剤の必要性を招くかどうかを調査することであった。さらなる目的は、腸機能改善、鎮痛作用および安全性に関して、オキシコドンのナロキソンに対するいずれの用量比が、さらなる改善に最も有効であり、最も適するかを調査することであった。第三の目的は、治療群間で他の副作用の発生率を比較することであった。
欧州において行われた第II相臨床試験における腸機能の評定方法およびこの方法において使用するためのアナログスケールを利用した。
2.試験集団、組み入れ基準および除外基準
合計で202人の患者を無作為化し、152人の患者がナロキソンとオキシコドンの両方を摂取し、50人の患者がオキシコドンおよびナロキソンプラシーボを摂取することになった。全試験対象(Intent to Trial)(ITT)集団は、196人(97.0%)の患者から成った。治験実施計画書に適合した対象(Per Protocol)(PP)集団は、99人(49%)の患者から成った。
試験参加者は、組み入れ基準および除外基準に従って選択した。一般に、18歳以上の年齢で、腫瘍および非腫瘍起源の重度の慢性疼痛に罹っており、オピオイド治療を必要とする男性または女性患者が、この試験に登録した。WHO IIまたはIII鎮痛薬での効能または忍容性が不十分な患者ならびに安定なオキシコドン療法(40〜80mg/日)を受けている患者が、スクリーニングに適した。二重盲検治療期に組み入れた患者は、安定なオキシコドン治療中であり、緩下剤の定期的な摂取が医療上必要であった。
以下の組み入れ基準に従って患者を選択した。
組み入れ基準
−18歳以上の年齢
−オピオイド治療が必要な腫瘍および非腫瘍起源の重度慢性疼痛を有する
−および/または、WHO IIまたはIII鎮痛薬での効能不十分
−および/または、WHO IIまたはIII鎮痛薬での忍容性不十分
−または、現在、安定なオキシコドン療法(40〜80mg/日)を受けている患者
−自由意志での参加および記入済みインフォームドコンセントの提供が可能であった
−治験実施計画書の要求事項を了解することができ、それらを快諾し、果たすことができた。
維持治療期(維持期)およびタイトレーションまたはランインに組み入れることができた患者は、
−安定なオキシコドン治療 40〜80mg/日を受けており、週に5回より多くの救急薬物摂取(オキシコドン)がない
−少なくとも3回の排便/週を有するために緩下剤の定期的摂取が医療上必要である
患者であった。
除外基準
−現在、アルコールまたは薬物を乱用している
−現在、重度の心血管および呼吸器疾患(例えば、肺癌および転移)を有する
−現在、重度の肝および腎不全(正常範囲より3倍上のトランスアミナーゼ)ならびに/または肝臓/腎臓癌および/または転移を有する
−麻痺性腸閉塞の病歴を有する
−現在、急性膵炎を有する
−精神病の病歴を有する
−パーキンソン病の病歴を有する
−疾患の関係で早期退職する過程にある
−オキシコドンのほかに別のオピオイド治療を受けている
−被験薬のうちの1つに対して過敏であることがわかっている
−試験に入る30日以内に別の臨床試験に参加した
−女性で妊娠または授乳していた
−妊娠の可能性がある女性であり、適切に避妊していなかった
患者は、この試験から除外することとした。
試験集団の詳細は、図3および4から得ることができる。
3.試験治療、用量および投与形態
投与した製剤
投与強度20mg オキシコドン、10mg オキシコドン、5mg ナロキソンおよび10mg ナロキソンの錠剤を、噴霧造粒によって作製した。30mgのオキシコドン投与強度は、1錠の10mg投与強度錠剤と1錠の20mg投与強度錠剤とを使用することにより、投与した。40mgのオキシコドン投与強度は、2錠の20mg投与強度錠剤を使用することによって投与した。
塩酸オキシコドンPR錠剤 10mg
塩酸オキシコドンPR錠剤 10mgは、丸い、両凸の、白色フィルムコーティング錠剤であり、一方の面にOC、反対の面に10と記されていた。塩酸オキシコドンPR錠剤 10mgの組成を下に与える:
塩酸オキシコドンPR錠剤 10mgの組成
Figure 2008531650
1無水ベース。バッチ量は、アッセイ/含水量に合わせる。
2Eudragit RS 30 Dは、0.25%(E,E)−ヘキサ−2,4−ジエン酸(ソルビン酸)Ph Eur/NFで保存された、精製水Ph Eur中のメタクリル酸アンモニウムコポリマーNF(ポリ[エチルアクリレート−co−メチルメタクリレート−co−(2−トリメチルアンモニオエチル)メタクリレートクロライド](1:2:0.1)NF)の30%分散物から成る
3〜4%残留水分、すなわち1錠剤コア当たり5mgの水分を含む。
4コートの実際の量は、約5mgである。コートをそれらのコア錠剤に塗布して、3〜4%の重量増加および均一な外観を得る。
5加工中に除去される。
塩酸オキシコドンPR錠剤 20mg
塩酸オキシコドンPR錠剤 20mgは、丸い、両凸の、ピンク色フィルムコーティング錠剤であり、一方の面にOC、反対の面に20と記されていた。塩酸オキシコドンPR錠剤 20mgの組成を下に与える。
塩酸オキシコドンPR錠剤 20mgの組成
Figure 2008531650
1無水ベース。バッチ量は、アッセイ/含水量に合わせる。
2Eudragit RS 30 Dは、0.25%(E,E)−ヘキサ−2,4−ジエン酸(ソルビン酸)Ph Eur/NFで保存された、精製水Ph Eur中のメタクリル酸アンモニウムコポリマーNF(ポリ[エチルアクリレート−co−メチルメタクリレート−co−(2−トリメチルアンモニオエチル)メタクリレートクロライド](1:2:0.1)NF)の30%分散物から成る
3〜4%残留水分、すなわち1錠剤コア当たり5mgの水分を含む。
4コートの実際の量は、約5mgである。コートをそれらのコア錠剤に塗布して、3〜4%の重量増加および均一な外観を得る。
5加工中に除去される。
ナロキソン錠剤
ナロキソン徐放性錠剤は、遅延剤としてステアリルアルコールおよびエチルセルロースのマトリックスを使用する放出制御錠剤である。これらの錠剤は、1錠当たり10mgの塩酸ナロキソンを含有する。ナロキソン徐放性錠剤の成分および量的組成の完全な明細を下に与える。
ナロキソン徐放性錠剤
Figure 2008531650
試験計画
この臨床試験は、経口放出制御(CR)オキシコドン、経口放出制御(CR)ナロキソンおよび対応するナロキソンプラシーボを用いて、多施設、前向き、対照化、無作為化、二重盲検(プラシーボダミーを用いる)、4群平行試験として、ドイツにおいて行った。
全試験期間は、10週以下であり、これは、スクリーニング期間、最低2週間のタイトレーション期間(最大3週間)(または1週間のランイン期間)、4週間の治療期間(オキシコドンおよびナロキソン/ナロキソンプラシーボ)ならびに2週間のフォローアップ期を含んだ。
すべての組み入れ/除外基準を満たした、安定して疼痛管理されている患者を、3つのナロキソン治療群のうちの1つまたはナロキソンプラシーボ治療群での二重盲検治療に無作為に割り当てた。
この試験は、3つのコア期を有した:無作為化前の期、4週間の二重盲検治療期間(維持期)およびフォローアップ期。無作為化前の期は、スクリーニングおよびタイトレーション/ランインから成るものだった。スクリーニング後、患者は、タイトレーションまたはランイン期間のいずれかに入った。疼痛の前治療が不十分であった患者は、最低2週間のタイトレーション期間に入り、個々にタイトレーションを受け、1日当たり40mg、60mgまたは80mgのオキシコドン用量で安定させた。スクリーニング時に安定したオキシコドンでの前治療(40〜80mg/日の間)を受けており、便秘を併発した患者は、1週間のランイン期間に入り、事前のタイトレーションなしに維持期に入る資格があった。すべての患者について、タイトレーションまたはランインの間にオキシコドンの用量を調整することができ、治験担当医師は、一日おきの強制的な電話連絡を維持して、疼痛管理を評定し、用量の変更を行った。
タイトレーション/ランイン期間の最後に、1日当たり40mg、60mgまたは80mgのオキシコドンの安定な維持用量を摂取しており(週に5回より多くの救急薬物摂取がない)、緩下剤の定期的な摂取が医療上必要であった患者を、3つのナロキソン治療群のうちの1つまたはナロキソンプラシーボ治療群に無作為に割り当てた。各患者は、オキシコドンの彼らの維持用量に加えて、10mg、20mg、40mgまたはナロキソンプラシーボ CR錠剤を毎日摂取した(表2参照)。
その治療期間の後、患者は、後続の2週間のフォローアップ期間中、彼らの維持用量のオキシコドンのみを継続した(1日当たり40mg、60mgまたは80mg オキシコドン)。患者は、日記を継続し、効能および安全性の評定をこの試験の間ずっと行った。
表1:1日当たりのナロキソン用量に基づく維持期についての治療群
Figure 2008531650
註:40/10mgと80/20mg(4/1)について、および40/20mgと80/40mg(2/1)について、全く同じ用量比が得られた。
202人の被験者を無作為化し、196人がITT集団に入り、166人がこの試験を完結した。臨床試験のためのこの試験計画の概要は図5に表示する。
盲検用ナロキソンCR錠剤(5mgおよび10mg)をボトルで支給した。この薬物投与計画は、全二重盲検治療期間にわたって不変であり、用量調整は、許されなかった。患者は、毎朝および毎晩、5、10または20mgの経口用ナロキソンを摂取した。
非盲検用オキシコドンCR錠剤(10mgおよび20mg)は、PPブリスターで支給した。タイトレーション/ランイン期間中に用量調整を行うことができ、10mg CRオキシコドン錠剤は、全試験を通して救急薬物として利用可能であった。この薬物投与計画は、その全二重盲検治療期間にわたって不変であった。患者は、毎朝および毎晩、20、30または40mgの経口用オキシコドンを摂取した。
盲検用ナロキソンプラシーボ錠剤は、視覚的にはナロキソン錠剤 5mgおよび10mgと全く同じであった。用量および投与形式は、ナロキソンCR錠剤についてのとおりであった。
全治療対象(ITT)集団は、被験薬の少なくとも1つの用量を摂取し、少なくとも1回、無作為化後の効能評定を行ったすべての被無作為化患者を含んだ。幾つかの分析については、第4訪問後に中止したITT被験者(ITT/LOCF)についての最終観察を繰り上げた。他の事例では、入手できたデータのみを使用した(ITT 欠如なし)。
治験実施計画書に適合した対象(PP)集団は、重要な治験実施計画への違反なく(フォローアップ期を含めて)その試験を完了した、すべての被無作為化患者を含んだ。重要な治験実施計画への違反は、次のように定義した:
−維持期間中に救急薬物として週に50mgより多くのオキシコドンを摂取した、または予定されたオキシコドン投与計画のうちの1つ(1日当たり40mg、60mgまたは80mgのオキシコドン)に従わなかった患者。
−各訪問前の最後の7日間に、平均疼痛強度評定が朝4回未満および晩4回未満しか記録されなかった。
−予定された訪問から非常に大きくずれた、すなわち、訪問日が、それぞれの訪問時間帯以外であった。維持期訪問(第4および5訪問)の訪問時間帯からずれだけを重要な治験実施計画への違反とみなした。他の訪問からのずれは、重要でない治験実施計画への違反とみなした。重要な治験実施計画への違反の識別のために、第4および5訪問についての訪問時間帯は、データの盲検的再検後にわずかに増加し、次のように定義した:
−第4訪問(維持期中):
−第3訪問+6から12日
−第5訪問(維持期の最終日):
−第3訪問+25から31日。
4.主要効能変動要素
効能評定は、症例報告用紙および患者の日記に記録されたデータを基に決定した。
対象となる主要効能変動要素は、次のような疼痛および腸機能であった:
a)0〜100 数値アナログスケール(NAS)(0=疼痛なし、および100=想像できる最悪の疼痛)を使用するその患者の1日2回の疼痛強度の評定に基づく、各訪問前の最後の7日間の平均疼痛。平均疼痛は、最後の7日からの、すべての患者の日記記載事項の日別平均値の平均値として、試験訪問ごとに計算した。
b)平均腸機能:各訪問前の最後の7日間の腸機能についての、各試験訪問時の、患者の評定。平均腸機能は、3つの0〜100 NASスコア:排便の容易さ(0=容易/困難さなし、100=重度に困難)、不完全な腸内容物排出感(0=まったくない、100=非常に強い)、および便秘の判断(0=まったくない、100=非常に強い)、の平均から計算した。
対象となる副次的効能変動要素としては、数ある中でも、次のものが挙げられる:
c)効能、忍容性および嗜好性の包括的評定。効能の包括的評定についての評価は、0から7の数値アナログスケール(1=非常に良好、2=良好、3=相当良好、4=中等度、5=やや不良、6=不良、7=非常に不良)を使用して判断した。忍容性は、同じ0から7の数値アナログスケールを使用して判断した。嗜好性は、0から3のNAS(1=タイトレーション/ランイン、2=維持、3=嗜好なし)を使用して被験薬の効能/忍容性に関する維持(オキシコドン/ナロキソン併用)またはタイトレーション/ランイン(オキシコドンのみ)について嗜好性を評定することにより判断した。
効能、忍容性および嗜好性の包括的評定のために、ITT集団について、オキシコドンとナロキソンの用量比グループ、ナロキソンの絶対用量グループ、および同じオキシコドン/ナロキソン比をもたらすナロキソンの絶対用量グループごとの要約統計を得た。
d)緩下剤摂取/平均緩下剤用量(これは、それぞれの症例報告用紙(CRF)の記入から計算した)。最後の7日間の平均緩下剤用量の分析を、全試験中に1回しか緩下剤を摂取しなかった患者について行った。薬物治療記録CRFページの記入をすべての計算に使用した(緩下剤は、WHO ATC Code A06Aにより特定した)。緩下剤摂取については、最後の7日間に便通があった日数、および最後の7日間の便通があった日のパーセンテージを、試験訪問ごとに計算した。加えて、全維持期間中、およびフォローアップ期間中の便通があった日のパーセンテージを計算した。
e)維持期の最初の7日間の日記に患者が毎日記録した主観的退薬症状(subjective symptoms of withdrawal)(SOWS)には、次のものが挙げられた:不安である;あくびが出そうである;汗をかいている;目から涙が出ている;鼻から鼻水が出ている;鳥肌が立つ;震えている;熱く感じる;寒く感じる;骨および筋肉が痛い;落ち着かない;気分が悪い;吐きそうである;筋肉がつっている;腹部が痙攣している;じっと座っていることができない。すべての症状は、「0=全くなし」、「1=少し」、「2=中等度」、「3=強い」、「4=極度」と評価された。
SOWSは、維持期の最初の7日間に患者の日記に記録された。さらなる後付け分析のために、SOWS項目の総スコア(=合計スコア)を各々の患者および日について計算した。加えて、各患者について、7つの日用量スコアの最小値、平均値および最大値を計算した。これらのパラメータを、各オキシコドン/ナロキソン比および絶対ナロキソン用量についての簡単な特性によって要約した。
安全性の評定は、症例報告用紙および患者の日記に記録されたデータを基に判定した。
安全性の評定は、数ある中でも、すべての有害事象(AE)のモニターおよび記録から成るものであった。
f)有害事象は、医薬品(プラシーボを含む)が投与された患者または臨床検査被験者において発生したあらゆる不適切な医療上のできごとであり、これは、必ずしも治療との因果関係を有するものばかりではなかった。従って、有害事象とは、
−その医薬品と関係があると考えられようと、なかろうと、医薬品の使用に一時的に伴う、好ましくないおよび意図されたものでない徴候(異常検査所見を含む)、症状、または疾患、
−あらゆる新たな疾患および既存の疾患の増悪、
−症状、治療の変化または被験薬の中止を結果的にもたらす、検査値または他の臨床試験についての治験実施計画書で要求されていない測定値のあらゆる悪化
であり得る。
医薬品に反応して起こった疑いのある有害事象に関する因果関係の評定は、以下の検討に基づいた:付帯的関係(時間または場所);薬理学的説明;その薬物に関する以前の知識;特徴的、臨床的または病的現象の存在;他の原因の排除および/または代替的説明の不在。被験薬との因果関係は、0から4の範囲にわたる分類を使用して評定した(0=関係なし:薬物投与との一時的な関係がない、または信じがたい;1=ありそうにない:薬物投与との一時的な関係により、因果関係がありそうには思えず、他の薬物、化学物質または基礎疾患が、もっともらしい説明となる;2=あり得る:その薬物の投与に関して時系列は妥当だが、併発症または他の薬物もしくは化学物質によっても事象を説明でき、退薬に関する情報を欠くまたは不明確であり得る;3=ありそう:その薬物の投与に関して時系列は妥当だが、併発症または他の薬物もしくは化学物質による可能性が低く、退薬(負荷中止(dechallenge))に対しては臨床的に意義のある反応をたどり、再負荷情報を必要としない;4=明確:その薬物の投与に関してもっともらしい時間関係があり、併発症又は他の薬物もしくは化学物質によっては事象を説明できず、退薬(負荷中止)に対する反応が、臨床的にもっともらしくなければならず;必要な場合には申し分のない再負荷手順を用いて、その事象を薬理学的にまたは現象学的に明確にしなければならない)。この試験過程の間のすべての有害事象は、すべて、有害事象CRFで収集した。誘発された有害事象(悪心、嘔吐、腹痛、痙攣、下痢、鎮静、めまい、頭痛、発汗、落ち着かなさ、皮膚反応(痒み、蕁麻疹およびその他))ならびに自発的な申し出があった有害事象を詳細に記録した(疼痛および便秘は、この試験の有害事象とは分類しなかった)。
オピオイドにより誘発される典型的な有害事象およびナロキソンにより誘発される典型的な有害事象の分析を除くすべての分析を安全集団に対して行った。オピオイドにより誘発される典型的なおよびナロキソンにより誘発される典型的な有害事象の分析は、以前に効能分析に関して考えたとおりITT集団で行った。有害事象は、
・いずれかの有害事象を有した
・各定義器官別大分類における有害事象を有した
・各々個々の有害事象を経験した
患者の絶対数およびパーセンテージによってまとめた。
オピオイドにより誘発される典型的な有害事象又はナロキソンにより誘発される典型的な有害事象の重症度の合計スコアを、最後の7日間に発揮された上述の有害事象各々に割付けられたスコアの合計として、試験訪問ごとに計算した。それぞれの副作用が、最後の7日間に観察されなかった場合には0のスコア、その有害事象が軽度であった場合には1のスコア、その有害事象が中等度であった場合には2のスコア、およびその有害事象が重度であった場合には3のスコアが割付けられた。最後の7日間に、1つの副作用について重症度が異なる1つより多くの有害事象が記録された場合、最も重い重症度が用いられた。
オキシコドンとナロキソンの用量比グループ、ナロキソンの絶対用量グループ、および同じオキシコドン/ナロキソン比をもたらすナロキソンの絶対用量グループごとの最後の7日間にオピオイドにより誘発される典型的なおよびナロキソンにより誘発される典型的な有害事象の重症度の合計スコアの要約統計を、試験訪問ごとに得た。加えて、第4訪問(ナロキソン治療の1週間後)における値および維持期の最後(ナロキソン治療の4週間後)における値についてのプラシーボに対するナロキソンの絶対用量のWilcocxon試験(Behrens−Fischerの問題を取り扱うために修正したもの)を、ITT集団において行った。
オキシコドンとナロキソンの用量比グループ、ナロキソンの絶対用量グループ、および同じオキシコドン/ナロキソン比をもたらすナロキソンの絶対用量グループごとの、全維持期間中にオピオイドにより誘発された典型的な有害事象およびナロキソンにより誘発された典型的な有害事象の重症度に関する合計スコア、ならびにオキシコドンの絶対用量別の、フォローアップ期間中にオピオイドにより誘発された典型的な有害事象およびナロキソンにより誘発された典型的な有害事象の重症度の合計スコアに関するさらなる要約統計を得た。この分析は、ITT集団を用いて行った。
上で述べたような有害事象は、Medical Dictionary for Regulatory Affairs(MeDRA)に従って特定した。オピオイドにより誘発される典型的な有害事象は、(12の最大合計スコアに至る)前述のMeDRAにおいて定義されているような、悪心、嘔吐、鎮静、皮膚反応であると考えた。ナロキソンにより誘発される典型的な有害事象は、(9の最大合計スコアに至る)MeDRAに説明されているとおりの定義が適用される、腹痛、痙攣および下痢であると考えた。
5.鎮痛作用の結果
維持期の最終時の平均疼痛の結果を下に要約する:
表2:ナロキソンの絶対用量別の、タイトレーション期の最後の訪問(V3)および維持期の最後の訪問(V5)における平均疼痛−ITT(欠損データなし)およびPP分析集団。
Figure 2008531650
*第5訪問(維持期の最後)におけるプラシーボに対する差についての95%信頼区間は、ANCOVAモデルとそのモデルにおける要因としての治療およびベースライン時の疼痛強度に基づく。
これらの差は小さく、信頼区間は、0〜100の疼痛スケールに対してかなり狭く、活性ナロキソンとナロキソンプラシーボの間の鎮痛作用の差を示してはいなかった。
例えば、ITT集団における平均疼痛スコア(±SD)は、第4訪問の前の最後の7日間ではプラシーボについての36.9(±15.74)と比較して38.3(±18.49)から38.8(±16.59)の範囲にわたり、維持期最終時の最後の7日間ではプラシーボについての37.8(±18.22)と比較して37.2(±17.24)から38.7(±17.05)の範囲にわたった。鎮痛作用は、第4訪問および第5訪問時、係数としてオキシコドン用量およびその比、ならびに共変数としてベースライン時平均疼痛を用いる二次応答曲面モデルにおいて、オキシコドン用量およびオキシコドン/ナロキソン比に伴って変化しなかった。
係数としてナロキソンおよびオキシコドン用量ならびに共変数としてベースライン時疼痛を用いる二次応答曲面モデルは、維持期の最後の平均疼痛に影響を及ぼす唯一の係数が、ベースライン時疼痛測定値であることを示している。ナロキソンの量の変化に伴う平均疼痛の変化の証拠はなかった。しかし、この試験は、オキシコドン/ナロキソンプラシーボに対してオキシコドン/ナロキソンが劣らないことを正式に証明するようには計画されておらず、そうした能力もなかった。
6.腸機能効能の結果
試験訪問ごとに、3つのNAS値(排便の容易さ/困難さ、不完全な腸内容物排出感および便秘の判断)の平均から平均腸機能を計算した。オキシコドンとナロキソンの用量比グループ、ナロキソンの絶対用量グループ、および同じオキシコドン/ナロキソン比をもたらすナロキソンの絶対用量グループごとの最後の7日間の平均腸機能に関する要約統計を試験訪問ごとに得た。
プラシーボに対するナロキソンの絶対用量の差について検査するために、維持期の最後(ナロキソン治療の4週間後)に得られた値についてt検定を行った。加えて、治療群間の平均の差についての両側95%CI(CI、信頼区間)を得た。維持期の最後(ナロキソン治療の4週間後)には応答曲面分析も行った。これらの分析は、ITTおよびPP集団について行った。ITT集団だけには差についてのt検定も行って、第4訪問時(ナロキソン治療の1週間後)に平均腸機能を調査した。
加えて、フォローアップ期の最後にはその最後の7日間の平均腸機能の要約統計をITT集団においてオキシコドンの絶対用量グループごとに得た。
タイトレーション/ランイン期間の効果を評価するために、ベースライン訪問前の最後の7日間の平均腸機能と比較する、タイトレーション/ランインの最後の前の最後の7日間の平均腸機能に関する差についての対応のあるt検定を行った。この分析は、タイトレーション期集団において行った。加えて、治療期間の間の平均の差についての両側95%CIを得た。
ITTおよびPP集団についての図を得た。維持期の最後の前の最後の7日間の平均腸機能について得られた値(平均±95%CI)をオキシコドン/ナロキソン用量比およびナロキソンの絶対用量に対してプロットした。加えて、維持期の最後に得られた結果についての曲面プロットを得た。
腸機能が、オキシコドンとナロキソンの比に依存するのか、またはナロキソンの絶対用量に依存するのかを調査するために、ITT集団についてのさらなる分析および図を得た。ナロキソン用量に対する維持期の最後の週の間の総消費オキシコドン用量について、応答曲面分析を行った。導出されたパラメータ推定値を使って、調査した全用量範囲の曲面プロットを表示した。さらに、10の造粒物を用いて腸機能の等高線プロットを行った。
ITT集団における各試験訪問時の平均腸機能についての値を、用量比別、ナロキソンの絶対用量別、および同じオキシコドン/ナロキソン用量比をもたらすナロキソンの絶対用量別に図6から8に提示する。プラシーボに対する各用量のナロキソンの差についての検査を図9にまとめる。
モデルパラメータのRSREG推定値に基づき調査した全用量範囲の曲面プロットを図10に表示する。10の造粒物での腸機能の等高線プロットを図11に示す。
ITT集団の中で、ナロキソンの用量増加に伴って平均腸機能が改善される傾向が見られた。維持期の終了時の最後の7日間、1/1、1.5/1および2/1用量比での平均(±SD)腸機能は最低であった(1/1、1.5/1および2/1用量比について、それぞれ、21.9±22.25、21.8±21.35および26.7±23.98)。さらに、平均腸機能は、ナロキソン量の減少につれて、6/1の用量比については47.8(±23.20)の最大値へと悪化した。第4訪問の前の最後の7日についての平均腸機能は、1/1の比での20.7(±19.24)から8/1の比での45.7(±26.86)の範囲にわたった(図6参照)。オキシコドン/ナロキソンプラシーボ用量比での平均腸機能についての値は、両方の訪問時、1/1、1.5/1および2/1の用量比の場合より高かった。
ナロキソンの絶対用量別の分析は、維持期の最後に、プラシーボ、10mg、20mgおよび40mgについて、それぞれ、45.4(±22.28)、40.3(±23.09)、31.3(±25.82)および26.1(±25.08)の値を示し(プラシーボに対しての20mgおよび40mg ナロキソンについてp<0.05、差についてt検定)、第4訪問時には43.3(±26.41)、42.1(±25.53)、34.2(±30.04)および27.9(±22.68)の値を示した(プラシーボに対しての40mg ナロキソンについてp=0.004、差についてt検定)(図7および9参照)。
同じオキシコドン/ナロキソン用量比をもたらすナロキソンの絶対用量別の分析は、両方の用量比群(4/1および2/1)の中で、高いオキシコドン用量を摂取していた患者ほど、第4および5訪問時に高い平均腸機能の値を有したことを示した(図8参照)。
維持期の最後からフォローアップ期の最後へと、平均腸機能は悪化した。平均腸機能の範囲は、維持期の最後ではこれらの用量比群について21.8(±21.35)から48.2(±21.71)であり、フォローアップ期の最後ではこれらの用量比群について33.2(±20.76)から52.1(±26.79)であった。変化は、40mgナロキソンの群において最大であり、平均腸機能は、維持期の最後で26.1(±25.08)およびフォローアップ期の最後で42.4(±23.19)であった。
一般に、PP集団を用いる分析は、平均腸機能に関してITT集団で観察された傾向を反映していた。維持期の終了時の最後の7日間、平均(±SD)腸機能は、1/1用量比において最低であり(10.7±15.35)、6/1の用量比についての57.3(±17.38)の最大値へと悪化した。すべてのオキシコドン/プラシーボ用量比についての平均腸機能値が、1/1、1.5/1および2/1比より高かった。第4訪問の前の最後の7日については、3/1用量比を除き、同様の値が見られた。維持期の最後に、平均腸機能は、プラシーボ、10mg、20mgおよび40mg ナロキソンについて、42.3(±24.03)、39.4(±23.44)、29.8(±29.29)および29.6(±28.34)であった。PP集団における各治療群の患者の数が少ないことで、平均腸機能についての差に関するt検定のためのPP分析において統計学的に有意なp値が得られなかった。
維持期最終時の平均腸機能の結果を下に要約する:
表3:ナロキソンの絶対用量別のタイトレーション期最後の訪問(V3)および維持期最後の訪問(V5)における平均腸機能スコア−ITT(欠如なし)およびITT/LOCF分析集団。
Figure 2008531650
*ANCOVAモデルとこのモデルの要因としてナロキソン用量およびベースライン時の腸機能を用いる、ナロキソンプラシーボに対する比較
上で既に述べたように、ITT集団の中で、ナロキソンの用量増加に伴う平均腸機能の改善が見られ、平均値(±SD)は、維持期の最後にプラシーボ、10mg、20mgおよび40mgについて、それぞれ、45.4(±22.3)、40.3(±23.1)、31.3(±25.8)および26.1(±25.1)であった(プラシーボに対しての20mgおよび40mg ナロキソンについて、p<0.05)。ナロキソンプラシーボとの平均腸機能の差についての95%信頼区間は、10mg ナロキソンで(−2.83、16.69)、20mg ナロキソンで(5.46、24.82)および40mg ナロキソンで (9.54、29.11)であった。これらの結果は、ナロキソンの用量増加に伴う腸機能の漸増的改善を示しており、維持期の最後におけるナロキソンプラシーボに対する20mgおよび40mg用量の差は、統計学的に有意であった。
統計学的に有意なナロキソン用量の線形作用での、ナロキソンの用量増加に伴う腸機能の改善は、応答曲面二次分析により確認される。表5は、試験した様々なオキシコドン/ナロキソン比についてのナロキソンに対する平均腸機能スコアの推定改善を示しており、これらの推定は、この試験計画において実際に表されたオキシコドン/ナロキソンの併用と二次曲面補間が適切であった一部の併用の両方にあてはまる。
これらの推定は、平均腸機能の改善が、一般に、各比率の中で一定であり、オキシコドンおよびナロキソンの可変用量とは無関係であることを示している。唯一の可能性のある例外は、60/30mgの併用および40/20mgの併用についてより低い予測効果が示唆される80/40mgの併用であるが、この所見は、標準誤差の程度を想定して解釈されなければならない。
表4:オキシコドン用量およびオキシコドン/ナロキソン比別の腸機能効能の応答曲面分析(ナロキソンプラシーボに対する推定改善(SE))
Figure 2008531650
個々のオキシコドン/ナロキソン併用についての治療効果の推定値に加えて、特定の比率についての総合的治療効果の推定値を得た。これらの推定値は、様々なオキシコドン/ナロキソンの併用による結果を組み合わせることによって計算した、例えば2:1比は、ナロキソンプラシーボを基準にして、40/20mg、60/30mgおよび80/40mgのオキシコドン/ナロキソンの併用の予測結果を平均することによって構成した。ナロキソンプラシーボ群に対する様々なオキシコドン/ナロキソン比についての平均腸機能に関する推定平均差(SE)を下に示す。
表5:オキシコドン/ナロキソン比別の腸機能効能(ナロキソンプラシーボに対する推定改善(SE))の応答曲面分析
Figure 2008531650
これらの推定値は、腸機能の改善がオキシコドン/ナロキソン比の減少につれて増大することを示しており、2:1での推定改善は、4:1でより約50%高く(p<0.05)、2:1比から1.5:1比へが、最小の改善であった。
このように、V4およびV5において、2/1および1.5/1比は、対応するオキシコドン用量+ナロキソンプラシーボと比較して有意に異なることが証明された。オキシコドン/ナロキソンの併用は、排便の容易さ、不完全な腸内容物排出感および便秘の判断の改善をもたらした。最大の改善は、1/1、1.5/1および2/1の用量比で見られた。
7.包括的評定−効能、忍容性および嗜好性の結果
効能、忍容性および嗜好性の包括的評定についての結果を図12から図15に示す。1/1用量比は、他のいずれの用量比より多くの患者および治験担当医師よって良好または非常に良好と格付けされた。合計で、治験担当医師の73.3%および患者の66.6%が、1/1用量比の効能を良好または非常に良好と評価した。2/1用量比は、治験担当医師の50.4%および患者の59.4%によって良好または非常に良好と格付けされた。
薬物の忍容性についても同様の傾向を観察することができ、治験担当医師の86.7%および患者の80%が、1/1用量の忍容性を良好または非常に良好と評価した。高い評価は、80mgプラシーボ用量比群(治験担当医師については81.3%および患者については68.8%)、8/1用量比(治験担当医師と患者の両方について77.3)および2/1用量比(治験担当医師については68.7%および患者については68.8%)においても見られた。
包括的な嗜好性については、維持期は、治験担当医師および患者の大多数が、1/1用量比を嗜好した。これは、ナロキソン 20mgおよび50mg治療群で得られた結果によって裏付けられた。ナロキソンプラシーボについては、一般に、効能および忍容性に関するタイトレーション、維持および嗜好なしの間の嗜好性の配分が一様であった。
8.被験者オピオイド退薬症状スケールの結果
ナロキソンでの治療の最初の週の間、日記でオピオイド退薬症状の発生を報告するように被験者に頼んだ。これらは、上述の16の症状を0(まったくなし)から4(極度)のスケールで評価することによって評定された。16の症状全体にわたってスコアを合計するこにより、0から64までの総SOWSスコアをコンピュータ計算した。
SOWSについての平均合計スコアを下の表6に示す。
表6:SOWSについての平均合計スコア
Figure 2008531650
より高い用量のナロキソンが投与されると、低用量のオキシコドンでは最大総SOWSの予測値がわずかに増加し、より高い用量のオキシコドンでは中等度に増加するという一般的な傾向を観察することができる。2:1比が付加的な安全性への懸念を示さないことは、注目に値する。
9.緩下剤摂取/緩下剤平均用量の結果
維持期の最後の前の最後の7日間に緩下剤を摂取した平均日数は、ナロキソンの絶対用量の増加に伴って減少した(プラシーボ、10mg、20mgおよび40mg ナロキソンについて、それぞれ、3.9±3.38、2.6±3.34、2.0±3.14、1.6±2.93)。全維持期間中の便通があった日のパーセンテージ(平均±SD)は、プラシーボについてはナロキソンの用量の増加に伴う明確な低下を示した。値は、プラシーボ、10mg、20mgおよび40mg ナロキソンについて、46.4±42.78、36.5±33.50、31.3±41.38および27.8±41.25であった。維持期の最後の前の最後の7日間に緩下剤を摂取した平均日数は、3/1比および1.5/1比で最も低かった。同じオキシコドン/ナロキソン用量比をもたらすナロキソンの絶対量別の分析は、いずれの用量比群(4/1および2/1)においてもナロキソンの絶対用量間での差を示さない。詳細は、図16および17ならびに下の表7から得ることができる。
表7:オキシコドン/ナロキソン用量比別の緩下剤摂取(日数)(ITT集団)
Figure 2008531650
10.有害事象−結果
図18〜21は、維持期間中の有害事象の総合的要約をオキシコドン/ナロキソン用量比別、およびナロキソンの絶対用量別に提供するものである。維持期間中に何らかの有害事象を経験した患者の数は、ナロキソンおよびプラシーボの絶対用量(62.7%〜70%の範囲)によって比較できたが、事象の数は、ナロキソン用量の増加に伴って増加した。用量比との関係は特定できなかった。フォローアップ期間中の有害事象の発生率は、オキシコドン用量群間でも比較できた。
オピオイドにより誘発される典型的な有害事象の重症度に関して、すべての治療群および用量比についての平均合計スコアが、各試験訪問時および維持期間中は一般に低かった。維持期間中、プラシーボと比較して、すべてのナロキソン治療群およびナロキソン用量比についての平均合計スコアが減少する傾向が明確にあった。維持期の最後の時点での平均合計スコアは、プラシーボ群におけるよりナロキソン治療群におけるほうが低く、すべてのナロキソン治療群について統計学的有意差(p<0.05)があった(図49および50も参照)。
ナロキソンにより誘発される典型的な有害事象の重症度に関しては、ナロキソンの用量の増加に伴って平均合計スコアが増加する傾向があった。しかし、ナロキソンの典型的な有害事象の平均合計スコアは、すべての活性ナロキソン治療群において維持期間中に改善され、ならびに維持期の最後の時点では、いずれの活性ナロキソン治療群についてもプラシーボに対する統計学的有意差がなかった(図51および52参照)。
これは、本発明の製剤を使用すると、定常状態の間、オピオイドにより誘発される典型的な有害事象が減少する一方で、ナロキソンにより誘発される典型的な有害事象は増加しないことを示していた。
11.下痢の発生−結果
維持期間中に始まった下痢を経験した被験者の数は、活性ナロキソン治療群におけるほうが高く、用量が高くなるほど、事象数が増加した。投与されるナロキソンの用量の増加に伴って、被験者における下痢の絶対継続期間が増加する傾向が観察された(前記患者は、この臨床試験を完了した)。
それにもかかわらず、オキシコドンとナロキソンの2:1比について比較的好適な安全性データを検出することができたが、1.5:1比は、下痢について、より高い発生率およびより長い継続期間をもたらすようである。
表8は、2:1比がプラシーボに匹敵する結果をもたらしたことを示している。
表8:治療別の下痢に罹患した日数の比較
Figure 2008531650
同じことが、下痢によるこの試験の中止の発生率に関して観察された(表9参照)。
表9:下痢による中止の発生率
Figure 2008531650
12.試験の結論
この試験は、オキシコドン/ナロキソンプラシーボに対してオキシコドン/ナロキソンが劣らないことを正式に証明するようには計画されておらず、そうした能力もなかったとはいえ、用量比によって分析しようと、またはナロキソンの絶対量によって分析しようと、長期のオキシコドンとナロキソンの併用での投与は、記述的には平均疼痛強度の差と関係がなかった。
この試験は、放出制御オキシコドンへの放出制御ナロキソンの追加により、より高い2つのナロキソン用量(20mgおよび40mg)で、平均腸機能の統計学的に有意な改善が生じることを実証した。この改善は、オキシコドン/ナロキソン比の低下に伴って増大し、2:1比でプラトーに達するように見え、2:1比での総合的効果は4:1でのものより約50%大きい。このデータは、腸機能の改善が、一般に、比の関数であること、すなわち、この改善が、一般に、各比の中では一定であり、オキシコドンおよびナロキソンの可変用量とは無関係であることを示している。唯一の例外は、80/40の併用であり、この場合、60/30mgおよび40/20mgの併用より低い予想効果が示唆される。
最も大きな改善は、40mgの絶対用量を用いて、1/1、1.5/1および2/1の用量比で観察された。特定の比についての経口治療効果のモデル推定量は、2/1比と1.5/1比の間で最小の腸機能改善を示し、これは、腸機能の改善が2/1比でプラトーに達することを示唆している。
効能および忍容性の包括的評定は、治験担当医師と患者の両方についての1/1用量比に対する総合的な嗜好を示した。80mg オキシコドン/プラシーボ、8/1および2/1用量比も高い忍容性を有した。嗜好性の包括的評定も、患者および治験担当医師の大多数が、維持期の1/1用量比を嗜好することを示したが、適当な場合には2/1比も形成した。
ナロキソンのおよびオピオイドの典型的有害作用の発生率を、発生率および重症度の合計スコアによってまとめた。
最も多く報告された有害事象は、ナロキソンまたはオキシコドンに伴うことが知られているものであった。下痢が、最も頻繁に報告された有害事象であり、これはナロキソンの用量が高いほど増加した。下痢は、最も一般的な因果関係のある有害事象および有害事象であった。下痢の発生率は、1.5/1用量比から2/1用量比へと実質的に減少した。下痢は、オピオイド拮抗薬を摂取している、オピオイド誘発性便秘を有する患者についての典型的な退薬症状とみなすことができる。
要約すると、治療のすべての態様、すなわち、疼痛強度の低下、BFIの改善、有害作用の発生、下痢の回避ならびに忍容性および嗜好性、を考慮にいれると、2/1比が最高の選択であるように思われるということである。2/1比の中では、40/20mg用量が、特に適するように思われる。
様々な強度のオキシコドンとナロキソンの固定配合剤(a fixed combination)およびOxygesic(登録商標)とNaloxone CRの併用についての薬物動態およびバイオアベイラビリティ特性
1.目的
この試験の目的は、(i)放出制御固定配合錠剤製剤として投与した場合のオキシコドンおよびナロキソンならびにそれらの主代謝物の薬物動態およびバイオアベイラビリティパラメータを評価すること;(ii)3つの異なる強度の固定配合剤、OXN 10/5、OXN 20/10およびOXN 40/20、の間の交換可能性を評定すること;ならびに(iii)Naloxone CR錠剤と一緒に与える市販 Oxygesic(登録商標)とこれらの固定配合製剤との薬物動態およびバイオアベイラビリティを比較することであった。
2.試験集団
24人の被験者がこの試験を完了し、有効な薬物動態データを提供することを目標に、合計28人の健常な成人、男性および女性被験者を無作為に割付けて、被験薬を摂取させた。
組み入れ基準
この試験に組み入れた被験者は、下の基準のすべてを満たす者であった:
・あらゆる人種の男性または女性;
・18歳以上と45歳以下の間の年齢;
・19〜29kg/m2の範囲内のBMI、および男性については60〜100kg、女性については55〜90kgの体重範囲の範囲内;
・女性は、授乳および妊娠していない者でなくてはならず、被験薬を摂取する前24時間以内に尿中β−hCG妊娠検査陰性を提供しなければならない。妊娠の可能性がある女性被験者は、信頼できる形式の避妊(例えば、子宮内避妊具、経口避妊薬、バリア法)を用いなければならない。閉経後である女性被験者は、1年以上閉経していなければならず、HRT不在の場合には高い血清FSHを有さなければならない;
・既往歴、理学的検査、臨床試験、バイタルサインおよびECGに関して有意に異常な所見がないことにより証明される、おおむね良好な健康状態。バイタルサイン(仰臥位で3分間の休息後)は、次の範囲内でなければならない:35.0〜37.5℃の間の経口体温;収縮期血圧、90〜140mmHg;拡張期血圧、50〜90mmHg;および脈拍数、40〜100bpm。血圧および脈拍は、起立位で3分後に再び測定した。仰臥位から3分の起立後、収縮期血圧が20mmHgより大きく降下していてはならず、拡張期血圧が10mmHgより大きく降下していてはならず、脈拍数が20bpmより大きく増加してはならない;記入済みインフォームドコンセントの入手;この試験中に供給されるすべての食物を食する意思。
除外基準
この試験から除外した被験者は、次の基準のいずれかを満たす者であった:
・被験薬の初回投与の3ヶ月以内のあらゆる治験薬またはプラシーボへの曝露;
・被験薬の初回投与前30日以内のあらゆる有意な疾患;
・既往歴、理学的検査または検査室分析についての試験前スクリーニング時に確認される、あらゆる臨床的に有意な異常;
・被験薬の初回投与前、21日間のあらゆる処方箋調剤薬(閉経後の女性についてのHRT、および避妊薬を除く)の、または7日間の制酸薬、ビタミン類、生薬および/またはミネラルサプリメントをはじめとする市販の薬に関する使用;
・胃腸薬吸収(例えば、胃内容物排出遅延、吸収不良症候群)、分散(例えば、肥満)、代謝または排泄(例えば、肝炎、糸球体腎炎)に干渉することが知られている併発症;
・治験担当医師の意見で、安全にその試験を完了する患者の能力を脅かす、病歴または併発症;
・被験者が薬理学的治療を必要とした発作障害の病歴;
・1日に5本より多い現行の喫煙歴;
・DSM−IV criteria 3に従って、物質またはアルコール乱用の現在または過去の病歴の証拠を有する被験者、または治験担当医師の意見で、嗜癖性もしくは物質乱用挙動を示した被験者;
・1日に2本またはそれ以上のアルコール飲料の定期的消費を報告した被験者またはスクリーニング時に0.5%以上の血中アルコールレベルを有する被験者;
・被験薬の初回投与前3ヶ月間の500mLより多くの血液もしくは血液製剤の供与または他の大量血液喪失;
・血液サンプルによる感染を伝染させる可能性がある、例えば、スクリーニング時にHIV検査で陽性をもたらす、またはHIVに罹患する可能性が高い活動に参加していた;スクリーニング時にB型肝炎表面抗原試験で陽性をもたらす;スクリーニング時にC型肝炎抗体試験で陽性をもたらす;
・スクリーニング時に採取した尿の検体でのエタノール、アヘン剤、バルビツール酸塩、アンフェタミン、コカイン代謝物、メタドン、プロポキシフェン、フェンシクリジン、ベンゾジアゼピンおよびカンナビノイドについての試験前スクリーンにおけるあらゆる陽性の結果;
・オキシコドン、ナロキソンまたは関連化合物に対して感受性であることがわかっている
・Oxygesic@についてのデータシートにおいて詳述されているような忌避および用法注意
・(該当する場合)主治医に報告させることへの拒絶;
・治験担当医師が、この除外基準に特に明記されていない理由で、その被験者は適切でないと考えた。
人口統計データを表10に示す。
表10:被験者人口統計および他のベースライン時の特徴:安全集団
Figure 2008531650
3.試験計画、試験治療用量および投与形態
被験製品の調製
2:1のオキシコドン:ナロキソン比を有する溶融押出オキシコドン/ナロキソン放出制御錠剤製剤を製造した。3つの投与強度、すなわち、OXN 10/5、OXN 20/10およびOXN 40/20(この場合、最初の数は、塩酸オキシコドンのmg量であり、二番目の数は、塩酸ナロキソンのmg量である)、を利用することができる(表12参照)。OXN 20/10およびOXN 40/20は、同じ顆粒からのものであるが、OXN 10/5は、活性成分の賦形剤に対する比率に関してわずかに異なる処方を有する。
この実施例のオキシコドン/ナロキソン錠剤(OXN錠剤)は、2:1でのオキシコドンとナロキソンの固定配合剤を含有していた。錠剤製剤を下にまとめる(表12参照)。
20/10mgおよび40/20mg錠剤は、同じ造粒物から製造し、これら2つの錠剤強度は、組成的に比例している。この実施例のオキシコドン/ナロキソン徐放性錠剤(OXN)錠剤は、遅延剤としてステアリルアルコールおよびエチルセルロースのマトリックスを使用する放出制御錠剤である。これらの錠剤は、強度 10/5mg、20/10mgおよび40/20mgでの塩酸オキシコドンと塩酸ナロキソン(両方とも、塩酸塩として)の組み合わせを含有する。オキシコドン/ナロキソン徐放性錠剤の成分および量的組成の完全な明細を下の表11に与える。
表11:オキシコドン/ナロキソン徐放性錠剤
Figure 2008531650
1)予想水分量を基に計算した
○質的組成:表12参照
表12:フィルムコートの質的組成
Figure 2008531650
試験計画
この試験は、非盲検、単回用量、4治療、4期、無作為化アクロスオーバー試験および健常被験者であった。治療は、空腹状態で次のとおり経口的に投与した:
−治療A:Oxn 10/5の錠剤x4
−治療B:Oxn 20/10の錠剤x2
−治療C:Oxn 40/20の錠剤x1
標準治療薬は、Oxygesic(登録商標)20mg錠剤であった。ナロキソンは、ナロキソン10mg CR 噴霧造粒錠剤の形態で使用した。従って、標準治療は:
−治療D:Oxygesic(登録商標)20mgの錠剤2個およびナロキソン CR 10mgの錠剤2個。
治療期間は、21日のスクリーニング期間および4つの試験期間(各々が、単回用量の被験薬を摂取する)、その後、7日のウォッシュアウト期間を含んだ。試験期間4の投与の7から10日後および試験中止の7から10日後に試験後診療があった。全期間は、49から52日であった。
治療スケジュールは、4つの試験期間の各々における被験薬の単回投与であった。被験薬の各投与は、7日のウォッシュアウト期間によって隔てた。
登録集団は、この試験への参加への記入済みインフォームドコンセントを提出した被験者集団と定義した。薬物動態に関する最大の解析対象集団(full analysis population)は、少なくとも1つの治療を基に算定された少なくとも1つの有効な薬物動態パラメータを有した被験者と定義した。
4.薬物動態の評定
薬物濃度の測定
オキシコドン、ノルオキシコドン、オキシモルホン、ノルオキシモルホン、ナロキソン、6β−ナロキソールおよびナロキソン−3−グルクロニド濃度を測定するための血液サンプルを、4つの各試験期間中、各被験者について、投与直前、ならびに投与後0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、5、6、8、10、12、16、24、28、32、36、48、72および96時間の時点で(1試験期間当たり22の血液サンプル)得た。可能である場合には重篤なまたは重度の不測の有害事象の最初の報告時またはその解決時にも採血した。
各血漿測定時に、6mL 静脈血を前腕の静脈から採血して、K2 EDTA 血液凝固防止薬が入っている試験管に入れた。すべてのサンプルは、一般的なサンプル取り扱い手順に従って処理した。
薬物動態パラメータ
オキシコドン、ノルオキシコドン、オキシモルホン、ノルオキシモルホン、ナロキソン、6β−ナロキソールおよびナロキソン−3−グルクロニドの血漿中濃度から、次の薬物動態パラメータを算定した:
−最終測定可能濃度まで計算した血漿中濃度時間曲線下面積(AUCt);
−投与時から無限大までの、血漿中濃度−時間曲線下面積(AUCINF);
−最大実測血漿中濃度(Cmax);
−最大実測血漿中濃度の時点(tmax);
−最終期速度定数(LambdaZ);
−見掛けの最終期半減期(t1/2Z)。
オキシコドン、ノルオキシコドン、オキシモルホン、ノルオキシモルホンおよびナロキソン−3−グルクロニドについては、AUC値を、ng時/mLで、Cmax値を、ng/mLで得た。ナロキソンおよび6β−ナロキソールについては、AUC値は、低濃度のため、pg時/mLで、Cmax値は、pg/mLで得た。
AUCt、AUCINFおよびCmaxを主パラメータとみなした。
AUCtは、線形台形法を用いて計算した。可能な場合には、最終対数−線形期にあると判定された点を用いて、LambdaZを概算した。t1/2Zは、ln2のLambdaZに対する比から決定した。最終測定点と無限大の間の血漿中濃度−時間曲線下面積は、最終実測血漿中濃度(Clast)のLambdaZに対する比から計算した。その後、これをAUCtに加えて、AUCINFを得た。
すべての薬物動態の計算は、WinNonlin Enterprise Edition,Version 4.1で行った。
統計的方法
オキシコドンのCmaxおよびAUCINFは、4つの治療の等価性を評定するために重要であった。AUCtは、線形台形法を用いて計算した。可能な場合には、最終対数−線形期にあると判定された点を用いて、LambdaZを概算した。t1/2Zは、ln2のLambdaZに対する比から決定した。最終測定点と無限大の間の血漿中濃度−時間曲線下面積は、最終実測血漿中濃度(Cmax)のLambdaZに対する比から計算した。これをAUCtに加えて、投与時と無限大の間の血漿中濃度−時間曲線下面積(AUCINF)を得た。
次の対象となる比較:
固定配合(fixed combination)A対非固定配合(open combination)D
固定配合B対非固定配合D
固定配合C対非固定配合D
固定配合A対固定配合B
固定配合A対固定配合C
固定配合B対固定配合C
において定義される差についてのAUCt、AUCINFおよびCmax値の比から、相対全身利用率(FreltおよびFrelINF)およびCmax比を調整した用量をそれぞれ得た。
薬物動態に関する最大の解析対象集団をこれらの分析に用いた。
代謝物:可能な場合には、各治療薬について親薬物のAUCtおよびAUCINF比を概算した。
5.臨床薬理学の結果
オキシコドン、ナロキソン−3−グルクロニド、ナロキソン、ノルオキシコドン、オキシモルホン、ノルオキシモルホンおよび6−β−ナロキソールについての平均実測血漿中濃度−時間曲線を図22から28に提示する。
オキシコドン、ナロキソン−3−グルクロニドおよびナロキソンについての薬物動態パラメータを、それぞれ、表13から26に提示する。
表13:治療別のオキシコドンについての薬物動態パラメータの要約:薬物動態に関する最大の解析対象集団
Figure 2008531650
表14:AUCt、AUCINF、Cmaxについての比ならびにtmaxおよび半減期についての差に関するオキシコドンの要約:薬物動態に関する最大の解析対象集団
Figure 2008531650
表15:治療別のナロキソン−3−グルクロニドについての薬物動態パラメータの要約:薬物動態に関する最大の解析対象集団
Figure 2008531650
表16:AUCt、AUCINF、Cmaxについての比ならびにTmaxおよび半減期についての差に関するナロキソン−3−グルクロニドの要約:薬物動態に関する最大の解析対象集団
Figure 2008531650
表17:治療別のナロキソンについての薬物動態パラメータの要約:薬物動態に関する最大の解析対象集団
Figure 2008531650
表18:AUCt、AUCINF、Cmaxについての比ならびにTmaxおよび半減期についての差に関するナロキソンの要約:薬物動態に関する最大の解析対象集団
Figure 2008531650
表19:治療別のノルオキシコドンについての薬物動態パラメータの要約:薬物動態に関する最大の解析対象集団
Figure 2008531650
表20:AUCt、AUCINF、Cmaxについての比ならびにTmaxおよび半減期についての差に関するノルオキシコドンの要約:薬物動態に関する最大の解析対象集団
Figure 2008531650
表21:治療別のオキシモルホンについての薬物動態パラメータの要約:薬物動態に関する最大の解析対象集団
Figure 2008531650
表22:AUCt、AUCINF、Cmaxについての比ならびにTmaxおよび半減期についての差に関するオキシモルホンの要約:薬物動態に関する最大の解析対象集団
Figure 2008531650
表23:治療別のノルオキシモルホンについての薬物動態パラメータの要約:薬物動態に関する最大の解析対象集団
Figure 2008531650
表24:AUCt、AUCINF、Cmaxについての比ならびにTmaxおよび半減期についての差に関するノルオキシモルホンの要約:薬物動態に関する最大の解析対象集団
Figure 2008531650
表25:治療別の6−β−ナロキソールについての薬物動態パラメータの要約:薬物動態に関する最大の解析対象集団
Figure 2008531650
表26:AUCt、AUCINF、Cmaxについての比ならびにTmaxおよび半減期についての差に関する6−β−ナロキソールの要約:薬物動態に関する最大の解析対象集団
Figure 2008531650
6.データ分析
a)オキシコドンの結果
−AUCt
オキシコドンについて得られたAUCt値は、治療間で非常に一貫していた。これらの治療の各々が、473ng・h/mL(4xOXN 10/5)と502ng・h/mL(2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)の間の平均AUCt値を有した。
AUCtに関して、これらの固定配合錠剤の各々が、標準治療と等価のおよび互いに等価のオキシコドン利用率をもたらした。相対バイオアベイラビリティ計算値のすべてが、生体内利用率等価性についての80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
−t1/2Z
オキシコドンについて得られたt1/2Z値は、治療間で一貫していた。これらの治療の各々が、4.69時間(4xOXN 10/5)と5.01時間(2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)の間の平均t1/2Z値を有した。行ったいずれの比較についても、それらの治療についての1/2Z値の間に統計学的な差はなかった。
−AUCINF
オキシコドンについて得られたAUCINF値は、治療間で非常に一貫していた。これらの治療の各々が、475ng・h/mL(4xOXN 10/5)と509ng・h/mL(2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)の間の平均AUCINF値を有した。
AUCINFに関して、これらの固定配合錠剤の各々が、標準治療と等価のおよび互いに等価のオキシコドン利用率をもたらした。相対バイオアベイラビリティ計算値のすべてが、生体内利用率等価性についての80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
−Cmax
オキシコドンについて得られたCmax値は、これらの固定配合治療間で一貫しており、34.46ng/mL(1xOXN 40/20)から35.73ng/mL(2xOXN 20/10)の範囲にわたった。2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mgについての平均Cmax値は、40.45ng/mLで、わずかに高かった。
固定配合錠剤を互いに比較するCmax比は、97.5%から103.1%の範囲にわたり、各々が、80〜125%の範囲内の90%信頼区間を有した。2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mgについてのより高い平均Cmax値は、これらの固定配合錠剤を標準製品と比較したCmax比が、より低い(85.8%から88.4%の範囲にわたる)ことを意味した。しかし、これらのCmax比は、80〜125%の範囲内である90%信頼区間を、なお、伴っていた。
−tmax
これらの固定配合錠剤についてのメジアンtmax値は、3時間(1xOXN 40/20)から4時間(2xOXN 20/10)の範囲にわたった。これら2つの治療の差は、見たところは小さいが、統計学的には有意であった。2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mgについてのメジアンtmaxは、2.5時間であり、この標準治療と2xOXN 20/10の間には統計学的に有意な差があった。
b)ナロキソン−3−グルクロニドの結果
−AUCt
ナロキソン−3−グルクロニドについて得られたAUCt値は、治療薬間で非常に一貫していた。これらの治療の各々が、520ng・h/mL(1xOXN 40/20)と540ng・h/mL(4xOXN 10/5)の間の平均AUCt値を有した。
AUCtに関して、これらの固定配合錠剤の各々が、標準治療と等価のおよび互いに等価のナロキソン−3−グルクロニド利用率をもたらした。相対バイオアベイラビリティ計算値のすべてが、生体内利用率等価性についての80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
−t1/2Z
ナロキソン−3−グルクロニドについて得られたt1/2Z値は、治療間で一貫していた。これらの治療薬の各々が、7.66時間(2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)と8.48時間(4xOXN 10/5)の間の平均t1/2Z値を有した。行ったいずれの比較についても、それらの治療についての1/2Z値の間に統計学的な差はなかった。
−AUCINF
ナロキソン−3−グルクロニドについて得られたAUCINF値は、治療間で非常に一貫していた。これらの治療の各々が、521ng・h/mL(2xOXN 20/10)と563ng・h/mL(4xOXN 10/5)の間の平均AUCINF値を有した。
AUCINFに関して、これらの固定配合錠剤の各々が、標準治療と等価のおよび互いに等価のナロキソン−3−グルクロニド利用率をもたらした。バイオアベイラビリティ計算値のすべてが、生体内利用率等価性についての80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
−Cmax
ナロキソン−3−グルクロニドについて得られたCmax値は、治療間で一貫していた。これらの治療の各々が、61.95ng.mL(1xOXN 40/20)から63.62ng.mL(2xOXN 20/10)の範囲にわたる平均Cmax値を有した。
これらの固定配合錠剤の各々が、標準治療と等価のおよび互いに等価のナロキソン−3−グルクロニドCmaxをもたらした。すべてのCmax比計算値が、生体内利用率等価性についての80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
−tmax
すべての治療についてのメジアンtmax値は、0.5時間(2xOXN 20/10)から1時間(4xOXN 10/5、1xOXN 40/20、および2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)の範囲にわたった。いずれの治療についてのメジアンtmax値の間にも統計学的に有意な差がなかった。
−ナロキソン−3−グルクロニド:ナロキソンAUCt比
平均ナロキソン−3−グルクロニド:ナロキソン AUCt比は、852.25(2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)から933.46(4xOXN 10/5)の範囲にわたった。
−ナロキソン−3−グルクロニド:ナロキソン AUCINF比
ナロキソンについてのAUCINFの欠如は、平均ナロキソン−3−グルクロニド:ナロキソン AUCINF比が、2xOXN 20/10錠剤についてしか計算できなかったことを意味した。これらにより、5人の被験者のデータに基づく414.56の平均ナロキソン−3−グルクロニド:ナロキソン AUCINF比を得た。
d)ナロキソンの結果
ナロキソン濃度は、予想通り低く、それ故、これらの結果は、十分な薬物動態評定の裏付けにはなからかった。
−AUCt
AUCt値は、治療間で一貫していた。これらの治療の各々が、0.84ng時/mL(2xOXN 20/10)と0.97ng時/mL(2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)の間の平均AUCt値を有した。
AUCtに関して、これらの固定配合錠剤の各々が、標準治療と等価のおよび互いに等価のナロキソン利用率をもたらした。バイオアベイラビリティ計算値のすべてが、生体内利用率等価性についての80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
−t1/2Z
すべての被験者について自信をもってナロキソンのt1/2Z値を計算することはできなかった。片対数スケールでプロットしたとき、そのグラフの末端部分において血漿中濃度が常に直線に近づくとは限らなかったためである。平均値は、4から9にわたる被験者数に基づくものであった。
ナロキソンについて得られた平均t1/2Z値は、9.89時間(4xOXN 10/5)から13.83時間(1xOXN 40/20)の範囲にわたった。広範なt1/2Z値が平均に寄与していたが、行ったいずれの比較についても、それらの治療についての1/2Z値の間に統計学的な差はなかった。
−AUCINF
概算可能なt1/2Z値を有した被験者についてのAUCINF値を計算した。一部のAUCINF値は、そのAUCの外挿部分が、そのAUCINF値の20%より多くを占めたため、報告されなかった。2xOXN 20/10についての1.64ng・h/mLの平均AUCINF値のみが、報告可能であった。他の治療のいずれもが、平均AUCINF値を報告するために十分なデータを有さなかった。治療間の比較を行うために十分なデータがなかった。
−Cmax
これらの治療の各々が、0.07ng/mL(4xOXN 10/5)と0.08ng/mL(2xOXN 20/10、1xOXN 40/20、および2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)の間の平均Cmax値を有した。
これらの固定配合錠剤の各々が、互いに等価のナロキソンCmaxをもたらした。それらの固定配合錠剤を比較するCmax比のすべてが、生体内利用率等価性についての80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
これらの固定配合錠剤を標準製品と比較した場合、2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mgに対しての2xOXN 20/10錠剤は、生体内利用率等価性についての80〜125%許容可能限度より上である90%信頼区間を有した。残りの固定配合錠剤は、標準製品と等価のナロキソンCmaxをもたらした。
−tmax
これらの治療についてのメジアンtmax値は、1時間(2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)から5時間(2xOXN 20/10)の範囲にわたった。これらの治療の各々についてのtmax値は広範であった。いずれの治療についてのメジアンtmax値の間にも有意な差はなかった。
e)ノルオキシコドンの結果
−AUCt
ノルオキシコドンについて得られたAUCt値は、治療間で非常に一貫していた。これらの治療の各々が、436ng・h/mL(1xOXN 40/20)と451ng・h/mL(2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)の間の平均AUCt値を有した。
AUCt(各々のAUCt)に関して、これらの固定配合錠剤の各々が、標準治療と等価のおよび互いに等価のノルオキシコドン利用率をもたらした。相対バイオアベイラビリティ計算値のすべてが、生体内利用率等価性についての80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
−t1/2Z
ノルオキシコドンについて得られたt1/2Z値は、治療間で一貫していた。これらの治療の各々が、6.95時間(2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)と7.25時間(1xOXN 40/20)の間の平均t1/2Z値を有した。行ったいずれの比較についても、それらの治療についての1/2Z値の間に統計学的な差はなかった。
−AUCINF
ノルオキシコドンについて得られたAUCINF値は、治療間で非常に一貫していた。これらの治療の各々が、441ng・h/mL(1xOXN 40/20)と463ng・h/mL(2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)の間の平均AUCINF値を有した。
AUCINFに関して、これらの固定配合錠剤の各々が、標準治療と等価のおよび互いに等価のオキシコドン利用率をもたらした。相対バイオアベイラビリティ計算値のすべてが、生体内利用率等価性についての80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
−Cmax
ノルオキシコドンについて得られたCmax値は、治療間で一貫していた。これらの治療の各々が、24.26ng/mL(1xOXN 40/20)と26.67ng/mL(2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)の間の平均Cmax値を有した。
これらの固定配合錠剤の各々が、標準治療と等価のおよび互いに等価のノルオキシコドンCmaxをもたらした。Cmax比計算値のすべてが、生体内利用率等価性についての80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
−tmax
すべての治療についてのメジアンtmax値は、3.5時間から5時間の範囲にわたった。いずれの治療についてのメジアンtmax値の間にも有意な差はなかった。
−ノルオキシコドン:オキシコドン AUCt比
平均ノルオキシコドン:オキシコドン AUCt比は、0.91(2xOXN 20/10、1xOXN 40/20、および2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)から0.93(4xOXN 10/5)の範囲にわたった。
−ノルオキシコドン:オキシコドン AUCINF比
平均ノルオキシコドン:オキシコドン AUCt比は、0.90(1xOXN 40/20)から0.94(4xOXN 10/5)の範囲にわたった。
f)オキシモルホンの結果
−AUCt
オキシモルホンについて得られたAUCt値は、治療間で非常に一貫していた。これらの治療の各々が、8ng・h/mL(4xOXN 10/5)と9ng・h/mL(1xOXN 40/20)の間の平均AUCt値を有した。
AUCtに関して、4xOXN 10/5錠剤および1xOXN 40/20錠剤は、標準治療と等価のオキシモルホン利用率をもたらした。2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mgに対しての2xOXN 20/10錠剤は、生体内利用率等価性の最低許容可能限外である90%信頼区間を有した。それらの固定配合錠剤を互いに比較したとき、1xOXN 40/20錠剤に対しての2xOXN 20/10錠剤は、生体内利用率等価性についての最低許容可能限外である90%信頼区間を有した。それらの固定配合錠剤間の他の比較は、生体内利用率等価性についての80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
−t1/2Z
自信をもってすべての被験者についてのオキシモルホンのt1/2Z値を計算することはできなかった。片対数スケールでプロットしたとき、そのグラフの末端部分において血漿中濃度が常に直線に近づくとは限らなかったためである。それらの平均値は、2xOXN 20/10錠剤についての9から4xOXN 10/5錠剤の14の範囲にわたる被験者数に基づくものであった。オキシモルホンについて得られた平均t1/2Z値は、10.66時間(2xOXN 20/10)と14.09時間(1xOXN 40/20)の間の範囲にわたった。これらの固定配合錠剤についての半減期値と標準製品についての半減期値との間に統計学的な差はなかったが、1xOXN 40/20についての半減期値は、他の2つの強度の固定配合錠剤についての半減期より統計学的に長かった。
−AUCINF
これらの平均AUCINF値は、各々の治療薬について少数の被験者に基づくものであった。AUCINF値は、概算可能なt1/2Z値を有する被験者についてしか計算することができず、一部のAUCINF値は、そのAUCの外挿部分が、そのAUCINF値の20%より多くを占めたため、報告不能であった。報告可能なAUCINF値を有した被験者の数は、4xOXN 10/5錠剤および1xOXN 40/20錠剤についての4から、2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mgについての6の範囲にわたった。
平均AUCINF値は、11ng・h/mL(2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)と18ng・h/mL(1xOXN 40/20)の間の範囲にわたった。治療間の比較を行うため、または90%信頼区間を計算するために十分なデータはなかった。
−Cmax
これらの治療の各々が、0.57ng/mL(4xOXN 10/5)と0.72ng/mL(2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)の間の平均Cmax値を有した。
これらの固定配合錠剤の各々が、標準治療より低いオキシモルホンCmaxをもたらした。これらの固定配合錠剤と標準製品を比較するCmax比に付随する90%信頼区間は、生体内利用率等価性についての最低許容可能限より、すべて下であった。
これらの固定配合錠剤の各々が、互いに等価のオキシモルホンCmaxをもたらした。これらの固定配合錠剤を比較するCmax比のすべてが、生体内利用率等価性についての80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
−tmax
これらの治療のすべてについてのメジアンtmax値が、2時間であった。いずれの治療についてのメジアンtmax値の間にも有意な差はなかった。
−オキシモルホン:オキシコドン AUCt比
平均オキシモルホン:オキシコドン AUCt比は、これらの治療のすべてについて0.02であった。
−オキシモルホン:オキシコドン AUCINF比
平均オキシモルホン:オキシコドン AUCINF比は、0.02(2xOXN 20/10)から0.03(4xOXN 10/5、1xOXN 40/20、および2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)の範囲にわたった。
g)ノルオキシモルホンの結果
−AUCt
ノルオキシモルホンについて得られたAUCt値は、治療間で非常に一貫していた。これらの治療の各々が、97ng・h/mL(2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)と104ng・h/mL(4xOXN 10/5)の間の平均AUCt値を有した。
AUCtに関して、これらの固定配合錠剤の各々が、標準治療と等価のおよび互いに等価のノルオキシモルホン利用率をもたらした。それらのバイオアベイラビリティ計算値の各々が、生体内利用率等価性についての80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
−t1/2Z
ノルオキシモルホンについて得られたt1/2Z値は、治療間で一貫していた。これらの治療の各々が、10.04時間(2xOXN 20/10)と10.82時間(4xOXN 10/5)の間の平均t1/2Z値を有した。行ったいずれの比較についても、それらの治療についてのt1/2Z値の間に統計学的な差はなかった。
−AUCINF
ノルオキシモルホンについて得られたAUCINF値は、治療間で非常に一貫していた。これらの治療の各々が、101ng・h/mL(2xOXN 20/10)と108ng・h/mL(4xOXN 10/5)の間の平均AUCINF値を有した。
AUCINFに関して、これらの固定配合錠剤の各々が、標準治療と等価のおよび互いに等価のノルオキシモルホン利用率をもたらした。相対バイオアベイラビリティ計算値のすべてが、生体内利用率等価性についての80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
−Cmax
ノルオキシモルホンについて得られたCmax値は、治療間で一貫していた。これらの治療の各々が、4.90ng/mL(2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)から5.36ng/mL(4xOXN 10/5)の範囲にわたる平均Cmax値を有した。
これらの固定配合錠剤を標準製品と比較するCmax比は、97.8%から108.9%の範囲にわたり、各々が、80〜125%の範囲内の90%信頼区間を有した。これらの固定配合錠剤を互いに比較したとき、2xOXN 20/10錠剤に対しての4xOXN 10/5錠剤は、生体内利用率等価性の最高許容可能限外である90%信頼区間を有した。これらの固定配合錠剤間の他の比較は、生体内利用率等価性についての80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
−tmax
これらの治療についてのメジアンtmax値は、4時間から5時間の範囲にわたった。いずれの治療についてのメジアンtmax値の間にも有意な差はなかった。
−ノルオキシモルホン:オキシコドン AUCt比
平均ノルオキシモルホン:オキシコドン AUCt比は、0.20(2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)から0.23(4xOXN 10/5)の範囲にわたった。
−ノルオキシモルホン:オキシコドン AUCINF比
平均ノルオキシモルホン:オキシコドン AUCINF比は、0.21(2xOXN 20/10、および2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)から0.24(4xOXN 10/5)の範囲にわたった。
h)6β−ナロキソールの結果
−AUCt
6β−ナロキソールについて得られたAUCt値は、治療間で非常に一貫していた。これらの治療の各々が、12ng・h/mL(2xOXN 20/10)と14ng・h/mL(2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)の間の平均AUCt値を有した。
AUCtに関して、これらの固定配合錠剤の各々が、標準治療と等価のおよび互いに等価の6β−ナロキソール利用率をもたらした。それらのバイオアベイラビリティ計算値の各々が、生体内利用率等価性についての80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
−t1/2Z
6β−ナロキソールについて得られたt1/2Z値は、治療間で一貫していた。これらの平均治療の各々が、14.37時間(2xOXN 20/10)と15.87時間(1xOXN 40/20)の間の平均t1/2Z値を有した。行ったいずれの比較についても、それらの治療についてのt1/2Z値の間に統計学的な差はなかった。
−AUCINF
6β−ナロキソールについて得られたAUCINF値は、治療間で非常に一貫していた。これらの治療の各々が、13ng.mL(4xOXN 10/5)と15ng.mL(2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mg)の間の平均AUCINF値を有した。
AUCINFに関して、これらの固定配合錠剤の各々が、標準治療と等価のおよび互いに等価の6β−ナロキソール利用率をもたらした。相対バイオアベイラビリティ計算値のすべてが、生体内利用率等価性についての80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
−Cmax
これらの治療の各々に関して6β−ナロキソールについて得られた平均Cmax値は、0.39ng/mL(4xOXN 10/5)から0.47ng/mL(1xOXN 40/20)の範囲にわたった。
これらの固定配合錠剤を標準製品と比較したとき、2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mgに対しての1xOXN 40/20錠剤は、生体内利用率等価性の最高許容可能限より上である90%信頼区間を有した。これらの固定配合錠剤を互いに比較したとき、1xOXN 40/20錠剤に対しての4xOXN 10/5錠剤、および1xOXN 40/20錠剤に対しての2xOXN 20/10錠剤は、両方とも、生体内利用率等価性の最低許容可能限よりわずかに下である90%信頼区間を有した。残りの比較はすべて、生体内利用率等価性についての80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
−tmax
これらの治療についてのメジアンtmax値は、0.5時間(2xOXN 20/10)から8時間(1xOXN 40/20)の範囲にわたり、ならびに各治療についてのメジアンtmax値は、それらのメジアン値を形成する広範な個々のtmax値から成っていた。2xOXN 20/10錠剤についてのメジアンtmax値は、2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mgについてのものより有意に低かった。他に有意な差は、残りの治療薬についてのメジアンtmax値の間にはなかった。
−6β−ナロキソール:ナロキソン AUCt比
平均6β−ナロキソール:ナロキソン AUCt比は、21.60(2xOXN 20/10)から24.73(1xOXN 40/20)の範囲にわたった。
− 6β−ナロキソール:ナロキソン AUCINF比
ナロキソンについてのAUCINF概算値の欠如は、平均6β−ナロキソール:ナロキソン AUCINF比が、2xOXN 20/10錠剤についてしか計算できなかったことを意味した。これらにより、5人の被験者のデータに基づく9.79の平均6β−ナロキソール:ナロキソン AUCINF比を得た。
7.臨床薬理学の考察および結論
低い経口バイオアベイラビリティは、ナロキソンの完全な薬物動態評定を妨げる。これは、大部分の被験者についてナロキソンのAUCINF値を概算することができなかったという結果を生じた低い血漿中濃度として確認された。ナロキソン−3−グルクロニドは、ずっと高い濃度で血漿中に存在し、大多数の被験者についてナロキソン−3−グルクロニドのAUCINF概算値が得られた。これらの固定配合錠剤のナロキソン成分についての結論は、ナロキソン−3−グルクロニドパラメータに基づいたものである。
a)オキシコドン
2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mgおよびこれらの固定配合錠剤についての平均血漿中オキシコドン濃度−時間曲線は、ほとんど重ね合わせることができた。
オキシコドンについての生体内利用率等価性の評定を行った。生体内利用率等価性比較の各々が、Frelt、FrelINFおよびCmax比についての生体内利用率等価性の許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。これらのオキシコドンの結果は、それらの固定配合錠剤強度の各々が、互いにも、また、ナロキソンCR錠剤と一緒に投与されるOxygesicとも、生体内利用率等価であったことを示している。いずれの治療についてのいずれのtmaxおよびt1/2Z値の間にも、統計学的な差はなく、製品同士の類似性をさらに確認した。
標準製品の投与後に達成された血漿中オキシコドン濃度は、以前の研究においてOxyContinの投与後に観察された用量調整オキシコドン濃度と同様であった。これらの固定配合錠剤についての平均Cmax値のほうがわずかに低かったが、標準製品と比較した場合、それらのCmax比は、生体内利用率等価性の許容可能限度の範囲内である信頼区間を有した。
b)代謝物:親のAUCINF比
予想どおり、これらの固定配合錠剤およびOxgenic+ナロキソンの投与後に血漿において観察されたノルオキシコドンのレベルは、達成されたオキシコドンのレベルと類似しており、結果的に、約0.9のノルオキシコドン:オキシコドン AUCINF比となった。オキシコドンと比較すると、オキシモルホンおよびノルオキシモルホンのレベルはずっと低く、約0.02のAUCINF比であった。これらの代謝物:親 AUCINF比は、これらの固定配合錠剤および標準治療、全体にわたって一貫していた。
c)ノルオキシコドン、オキシモルホンおよびノルオキシモルホン
ノルオキシコドンのデータは、オキシコドンの結果を裏付けた。それらの生体内利用率等価性比較の各々が、Frelt、FrelINFおよびCmax比についての生体内利用率等価性の許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mgに対しての2xOXN 20/10についてのオキシモルホンのAUCt値と、1xOXN 40/20に対しての2xOXN 20/10についてのオキシモルホンのAUCt値との間に差が観察されたが、これらの差は小さく、90%信頼区間の下限のみが、生体内利用率等価性の許容可能限度外であった。これらの固定配合錠剤は、Cmaxに関して互いに生体内利用率等価であったが、標準製品のCmaxの80%と90%の間である平均Cmaxを各々がもらした。
ノルオキシモルホンのデータもオキシコドンの結果を裏付けた。生体内利用率等価性比較のうち1つを除くすべてが、Frelt、FrelINFおよびCmax比についての生体内利用率等価性の許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
d)ナロキソン
平均血漿中ナロキソン濃度は低く、0.1ng/mL未満であり、二相性であるように見え、8時間から16時間の間に第二のピークが発生した。
被験者のすべてが、定量可能な血漿中ナロキソン濃度を有したが、個々の被験者の血漿中ナロキソン濃度は低く、非常にばらつきがあった。最大実測血漿中ナロキソン濃度は、0.07から0.08ng/mLであった。
以前の研究からのナロキソンの薬物動態プロフィールを検査した。平均して、1mgの単回用量に用量調整したこれらの研究からの平均Cmax値は、4pg/mLと15pg/mLの範囲にわたっており、これにより、今回観察された低い血漿中ナロキソン濃度が、以前の研究において測定されたレベルと矛盾しないことが裏付けられる。
ナロキソンについての生体内利用率等価性の評定を行った。血漿中ナロキソン濃度のばらつきにより、AUCINFを概算することができず、従って、FrelINF値を概算することはできなかった。バイオアベイラビリティの推定は、Frelt値に基づいたものである。これらのバイオアベイラビリティ比較の各々が、生体内利用率等価性の許容可能度内である90%信頼区間を有した。ナロキソンについての平均Cmax値は比較でき、6つのバイオアベイラビリティ比較のうちの5つが、生体内利用率等価性の基準を満たす90%信頼区間を有した。
これらの治療についてのtmaxおよびt1/2Z値は、様々であったが、いずれの治療の間にもこれら2つのパラメータについて有意な差はなかった。
予想通り、これらの固定配合錠剤およびOxygesic+ナロキソンの投与後に血漿において観察されたナロキソン−3−グルクロニドのレベルは、達成されたナロキソンのレベルよりずっと高く、結果として約900のナロキソン−3−グルクロニド:ナロキソン AUCt比となった。6β−ナロキソールもナロキソンより高い量で測定され、結果として約22の6β−ナロキソール:ナロキソン AUCt比となった。これらの代謝物:親 AUCt比は、これらの固定配合錠剤および標準治療、全体にわたって一貫していた。
e)ナロキソン−3−グルクロニド
平均血漿中ナロキソン−3−グルクロニドレベルは、ナロキソンより高く、FrelINF値に基づくバイオアベイラビリティの評定を行うことができた。
ナロキソン−3−グルクロニドについて生体内利用率等価性の評定を行った。Frelt、FrelINFおよびCmax比についての生体内利用率等価性比較の各々が、生体内利用率等価性の許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。これらのナロキソン−3−グルクロニドの結果は、各々の固定配合錠剤強度が、互いに、およびOxygenic+ナロキソンと、生体内利用率等価あったことを示している。いずれの治療についてのいずれのtmaxおよびt1/2Z値の間にも統計学的な差はなく、これらの製品の類似性がさらに確認された。
f)6β−ナロキソール
6β−ナロキソールのデータは、ナロキソンとナロキソン−3−グルクロニドの結果を裏付けた。これらの比較の大部分について、治療間での有意な差は観察されず、生体内利用率等価性の比較については、それらの90%信頼区間の大部分が、生体内利用率等価性の許容可能限度の範囲内であった。これらの固定配合製品のCmax値の間には小さな差があり、それらのtmaxデータのばらつきが、2xOXN 20/10錠剤と2xOxygesic 20mg&2xナロキソン CR 10mgの間の有意差を招いた。
8.結論
これらの結果は、投与した用量の範囲全体にわたってこれらの固定配合錠剤の交換可能性を裏付けた。これは、治療間で行ったバイオアベイラビリティの比較により支持され、オキシコドンおよびナロキソンのAUCINFおよびCmaxについての集団幾何平均の比(テスト対標準)の90%信頼区間の各々が、80%〜125%の範囲内に入った。これらの固定配合錠剤が、ナロキソンCR錠剤と一緒に投与したOxygesicと生体内利用率等価であることも証明された。
これらのデータにより、これらの固定配合錠剤からのオキシコドンのバイオアベイラビリティが、本発明者らが単独で投与されるオキシコドンから予想したものと同様であることも証明され、これは、オキシコドンのバイオアベイラビリティが、ナロキソンの併用投与による影響を受けないことを示していた。
従って、これらの結果を次のようにまとめることができる:
・オキシコドンおよびナロキソン−3−グルクロニドに関して、これらの固定配合錠剤強度の各々が、交換可能である。
・これらの固定配合錠剤が、Oxygesic(登録商標)+ナロキソンCRと生体内利用率等価であることも証明された。
・固定OXN配合剤として投与されるオキシコドンおよびナロキソンと、非固定配合剤として投与されるオキシコドンおよびナロキソンとの間に、治療下で発現する有害事象の発生率の差はなかった。
実験3
オキシコドンおよびナロキソンの薬物動態に対する食物の影響
1.目的
この試験の目的は、固定配合徐放性錠剤として投与したときの(ナロキソン濃度および薬物動態測定項目(pharmacokinetic metrics)を適切に定量できることを条件として)オキシコドンおよびナロキソンのバイオアベイラビリティに対する高脂肪の朝食の影響を調査することであった。このために、40mgのオキシコドンおよび20mgのナロキソン(OXN 40/20)ならびに20mgのオキシコドンおよび10mgのナロキソン(OXN 20/10)を含む錠剤を調査した。
2.試験集団
24人の被験者がこの試験を完了し、有効な薬物動態データを提供することを目標に、合計28人の健常な被験者を無作為に割付けて、被験薬を摂取させた。
組み入れ基準
この試験に組み入れた被験者は、次の基準のすべてを満たした者であった:
・あらゆる人種の男性または女性。18〜45歳の間の年齢。
・19〜29kg/m2の範囲内のBMI、および男性については60〜100kg、女性については55〜90kgの体重範囲の範囲内。
・妊娠する可能性がある女性被験者は、信頼できる形式の避妊(例えば、子宮内避妊具[IUD]、経口避妊薬、バリア法)を用いなければならなかった。閉経後であった女性被験者は、1年以上閉経していなければならず、ホルモン補充療法(HRT)不在の場合に高い血清卵胞刺激ホルモン(FSH)を有さなければならなかった。
・既往歴、理学的検査、臨床試験、バイタルサインおよび心電図(ECG)に関して有意に異常な所見がないことにより証明される、おおむね良好な健康状態。バイタルサイン(仰臥位で3分間の休息後)は、次の範囲内でなければならなかった:35.0〜38.0℃の間の経口体温;収縮期血圧、90〜140mmHg;拡張期血圧、50〜90mmHg;および脈拍数、40〜100bpm。血圧および脈拍は、起立位で3分後に再び測定した。仰臥位から3分の起立後、収縮期血圧が20mmHgより大きく降下していてはならず、拡張期血圧が10mmHgより大きく降下していてはならず、脈拍数が20bpmより大きく増加してはならなかった。
・この試験中に供給されるすべての食物を食する意思。
・該当する場合、被験者の主治医が、その被験者が臨床試験への参加に適することを最近12ヶ月以内に認めている。
除外基準
この試験から除外された被験者は、次の基準のいずれかを満たした者であった:
・妊娠している(β−hCG妊娠検査陽性を提供)または授乳中の女性被験者。
・被験薬の初回投与の3ヶ月以内のあらゆる治験薬またはプラシーボへの曝露;
・被験薬の初回投与前30日以内のあらゆる有意な疾患;
・既往歴、理学的検査または検査室分析についての試験前スクリーニング時に確認されたあらゆる臨床的に有意な異常;
・被験薬の初回投与前、21日間のあらゆる処方箋調剤薬(閉経後の女性についてのHRT、および避妊薬を除く)の、または7日間の制酸薬、ビタミン類、生薬および/またはミネラルサプリメントをはじめとする市販の薬に関する使用。
被験薬を摂取し、少なくとも1つの投与後安全評定を行ったすべての被験者を、安全集団に組み入れた。
最大の解析対象集団は、有効な薬物動態パラメータ測定項目を有する被験者の群であった。有効な薬物動態パラメータを有するために、被験者は、投与後12時間以内に嘔吐を経験した者であってはならない。
個体群統計データは、下の表27から得ることができる。
表27:被験者個体群統計および他のベースライン時の特徴:最大の解析対象集団
Figure 2008531650
3.試験計画、試験治療、用量および投与形態
使用した製剤
実施例2と同じ錠剤を使用した。
試験計画
これは、健常な成人男性および女性被験者における単回用量、非盲検、4治療、4期、無作為化クロスオーバー試験であった。
無作為割付けスケジュール(a random allocation schedule)(RAS)に従って、被験者を4つの治療に割り当てた。各試験期間には投与と投与の間に少なくとも7日のウォッシュアウト期間があった。被験者は、初回投与日(第1日)の前、〜1日以内にスクリーニング訪問を行った。各試験期間中、被験者は、投与前日(第−1日)に試験施設にチェックインした。少なくとも10時間の夜間絶食後の翌朝(第1日)、適切な被験薬を投与した。投与前にFDA標準化高脂肪朝食を消費した摂食状態で治療を受けるように被験者を無作為に割り当てた。投与後4時間までは追加の食物を許さなかった。空腹状態で治療を受けるように割付けられた被験者は、投与後4時間までは食物を一切摂らなかった。
投与後96時間までに、薬物動態血液サンプル(6mL)を採取した。投与後48時間は、被験者は、試験施設に留まった。被験者は、72および96時間血液サンプルを提供するためにその試験施設に戻ってきた。
この試験を通して有害事象(AE)を記録した。被験者は、試験期間4での投与の7〜10日後、または試験を中止した場合には最後の投与の7〜10日後、試験後評価に出席した。
この治療スケジュールの全体像を図29に与える。
投与した治療薬
この試験において施した治療を下に提示する:
A=1錠のOXN 40/20、摂食時
B=1錠のOXN 10/5、摂食時
C=1錠のOXN 40/20、空腹時
D=1錠のOXN 10/5、空腹時
4.試験したパラメータ
考慮した主パラメータは、薬物動態パラメータおよび安全性パラメータであった。
4.1 薬物動態パラメータ
薬物濃度測定値
オキシコドン、ノルオキシコドン、オキシモルホン、ノルオキシモルホン、ナロキソン、6β−ナロキソール、ナロキソン−3−グルクロニドおよび6β−ナロキソール−3−グルクロニドの濃度を測定するための血液サンプル(6mL)を、4つの試験期間の各々の間に、次のとおり、各被験者から採取した:
投与直前、そして投与後、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、5、6、8、10、12、16、24、28、32、36、48、72および96時間の時点(1試験期間当たり22の血液サンプル)。
薬物動態パラメータ
オキシコドン、ノルオキシコドン、オキシモルホン、ノルオキシモルホン、ナロキソン、6β−ナロキソール、ナロキソン−3−グルクロニドおよび6β−ナロキソール−3−グルクロニドの血漿中濃度から、次の薬物動態パラメータを算定した:
・投与時から最終測定可能濃度まで計算した血漿中濃度−時間曲線下面積(AUCt);
・投与時から無限大まで計算した血漿中濃度−時間曲線下面積(AUCINF);
・最大実測血漿中濃度(Cmax);
・最大実測血漿中濃度の時点(tmax);
・最終期速度定数(LambdaZ);
・見掛けの最終期半減期(t1/2Z);
・オキシコドンと代謝物およびナロキソンと代謝物、両方についての代謝物:親比。
図30から37に、オキシコドン、ノルオキシコドン、オキシモルホンおよびナロキソン−3−グルクロニドについてのAUC値をng時間/mLで、およびCmax値をng/mLで与える。ナロキソン、6−β−ナロキソールおよび6−β−ナロキソール−3−グルクロニドについては、AUC値をpg時間/mLで与え、Cmax値をpg/mLで与える。
薬物動態分析
AUCt値は、線形台形法を用いて計算した。可能な場合には、最終対数−線形期にあると判定された点を用いて、LambdaZ値を概算した。t1/2Zは、ln2のLambdaZに対する比から決定した。最終測定点と無限大の間の血漿中濃度−時間曲線下面積は、最終実測血漿中濃度(Clast)のLambdaZに対する比から計算した。その後、これをAUCtに加えて、AUCINFを得た。
すべての計算は、WinNolin Enterprise Edition,Version 4.1で行った。
安全集団を用いて、血漿中濃度のデータを要約し、グラフ表示した。各分析物(オキシコドン、ノルオキシコドン、オキシモルホン、ノルオキシモルホン、ナロキソン、6β−ナロキソール、ナロキソン−3−グルクロニドおよび6β−ナロキソール−3−グルクロニド)についての血漿中濃度データは、時点および治療別ならびに性別に連続データとしてまとめた。また、各治療について、各分析物の個々の血漿中濃度および平均血漿中濃度を時間に対してプロットした。
薬物動態測定項目に関する最大の解析対象集団を用いて、薬物動態測定項目をまとめた。各分析物についての薬物動態測定項目(AUCt、t1/2Z、LambdaZ、AUCINF、Cmaxおよびtmax)を、治療別に、および各性別について最低5人の被験者がいた場合には必ず性別に、連続データとしてまとめた。投与後12時間以内に嘔吐を経験しなかった被験者から得た薬物動態サンプルを用いて、これらの測定項目を判定した。
AUCt、AUCINF(入手可能な場合)、およびCmaxについての対数変換データを、治療、シーケンスおよび期間についての固定項および被験者についてのランダム項を有する線形混合効果モデルを用いて分析した。化合物対称性も想定した。治療集団幾何平均は、治療LS平均から概算した。治療集団幾何平均の比は、治療最小二乗平均間の差(テスト・リファレンス)を累乗することにより概算し、90%信頼区間を算出した。
tmax、Lambazおよびt1/2Zについてのデータを、治療、シーケンスおよび期間についての固定項および被験者についてのランダム項を有する線形混合効果モデルを用いて分析した。化合物の対称性も想定した。治療集団平均は、治療LS平均により概算した。治療の違いおよびそれらに付随する90%信頼区間は、最小二乗平均から計算した。
次の比較が、対象となった:
治療A対C:
この比較から、空腹状態に対する摂食状態での固定配合徐放性錠剤 OXN 40/20からのすべての分析物の相対バイオアベイラビリティ(Freit、FrelINF)およびCmax比(すなわち、OXN 40/20に対する食物の効果)を推定した。
治療B対D:
この比較から、空腹状態に対する摂食状態での固定配合徐放性錠剤 OXN 10/5からのすべての分析物の相対バイオアベイラビリティ(Freit、FrelINF)およびCmax比(すなわち、OXN 10/5に対する食物の効果)を推定した。
加えて、AUCtおよび可能な場合にはAUCINFの代謝物:親比を、数、平均、標準偏差、最小値および最大値を用いて要約した。
4.2 安全性の評定
被験薬を摂取し、少なくとも1つの投与後安全性評定を行ったすべての被験者(安全集団)について、安全性の評定を行った。登録集団中の被験者についてのすべての安全性データをリストした。安全性の評定は、すべての有害事象および重篤有害事象のモニターおよび記録;血液学、血液化学および尿値の定期的モニター;バイタルサインの定期的測定;ならびに理学的検査、ECGおよびパルス・ゴニオメトリーの実施から成った。
有害事象
有害事象(AE)は、医薬品(プラシーボを含む)が投与された被験者において発生したあらゆる不適切な医療上のできごとであり、試験中に起こっても、これは、必ずしも試験薬との因果関係を有するものばかりではなかった。
有害事象は、
・その医薬品と関係があると考えられようと、なかろうと、医薬品の使用に一時的に伴う、好ましくないおよび意図されたものでない徴候(異常検査所見を含む)、症状、または疾患
・あらゆる新たな疾患または既存の疾患の増悪
・症状、治療の変化または被験薬の中止を結果的にもたらす、検査値または他の臨床試験(例えば、ECGもしくはX線)についての治験実施計画書で要求されていない測定値のあらゆる悪化
であり得る。
被験薬を摂取した被験者についての、この試験中に発生したすべてのAE(インフォームドコンセントにサインしてから始まって、その被験者の最後の試験訪問の7日後まで)をCRFのAEページを用いて収集した。各AEには、次の情報が記録された:
・AE(例えば、頭痛)。
・始まった時間および日付。
・終わった時間および日付。
・重症度。
・摂取した被験薬の作用。
・摂取した他のものの作用。
・被験薬との関係。
・結果。
・重篤度。
1つの原因から生じた徴候および症状の集合体は、1つの有害事象として報告されるようにした(例えば、発熱、高いWBC、咳、異常胸部X線などは、すべて、「肺炎」として報告することができた)。
重篤有害事象
重篤有害事象(SAE)は、あらゆる用量で、
・結果的に死亡した;
・生命をあやうくした;
・入院もしくは既存の入院の延期を必要とした;
・持続性のもしくは有意な能力障害/不能状態を生じさせた;または
・先天性奇形/先天的欠損症であった
あらゆる不適切な医療上のできごとであった。
有害事象の分析
インフォームドコンセントにサインした後、この試験のすべての期を通して試験完了までに発生した有害事象をCRFを用いて収集した。被験薬投与直後から被験薬の最後の投与の7日後までに発生した有害事象も含めた。
有害事象を、the MedDRA Coding Dictionary に一字一句たがわない記述(治験担当医師用語)からの標準化専門用語に分類した。器官別大分類(System Organ Class)の中に組み込まれている好ましい用語によってAEを提示する。
各治療群についてのAEの発生率を提示することにより、AEを要約した。AEの発生率は、AEを有した被験者の数およびパーセンテージに基づくものであった。1人の被験者が、1つのMedDRA用語を1回より多く報告したこともがあるが、そのMedDRA用語についての発生率のカウントにはその被験者は1回しかカウントされなかった。
その治療下で発現する徴候および症状(TESS)の原理を用いて、有害事象についてのデータを分析した。治療下で発現する徴候および症状は、治療中に発現する(治療前には不在であった)有害事象、または治療中に再び発現する(ベースライン時で存在したが、治療前に停止していた)有害事象、または治療前の状態に比べて重症度もしくは頻度が悪化した有害事象と定義する。この報告については、この試験からの治療下で発現した有害事象のみをまとめた。
5.結果
薬物動態パラメータ
オキシコドン、ナロキソン−3−グルクロニドおよびナロキソンについての薬物動態パラメータを図30から37に提示する。
オキシコドンの結果
−AUCt
オキシコドンについて得られたAUCt値は、2つのOXN 10/5治療間および2つのOXN 40/20治療間の両方において一貫していた。高脂肪食後のいずれの強度のOXNの投与も、夜間絶食後に投与されたOXNと等価のオキシコドンの利用率をもたらした。これらのバイオアベイラビリティの計算は、生体内利用率等価性の80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を、各々、有した。
−t1/2Z
オキシコドンについて得られたt1/2Z値は、治療間で一貫しているように見えた。これらの治療の各々が、4.12時間(OXN 10/5、空腹時)と5.10時間(OXN 40/20、空腹時)の間の平均t1/2Z値を有した。
−AUCINF
オキシコドンについて得られたAUCINF値は、OXN 10/5治療間およびOXN 40/20治療間、両方において非常に一貫していた。高脂肪食後に投与されたOXNは、OXN 10/5強度とOXN 40/20強度の両方について、夜間絶食後に投与されたOXNと等価のオキシコドンバイオアベイラビリティをもたらした。これらのバイオアベイラビリティの計算は、生体内利用率等価性の80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を各々有した。
−Cmax
OXN 10/5およびOXN 40/20については、観察された平均オキシコドンCmax値が、食物により約24%増加した。
−tmax
これらの治療の各々についてのメジアンtmax値は、2.5時間(OXN 40/20、空腹時)から3.5時間(OXN 10/5、摂食時)の範囲にわたった。空腹時OXN 40/20についてのメジアンtmaxは、OXN 40/20 摂食時についてのメジアンtmaxより数値的に低く、OXN 40/20 摂食時とOXN 40/20 空腹時の間の差についての90%信頼区間は、0.35から2.17であった。OXN 10/5 摂食時とOXN 10/5 空腹時の間の差についての90%信頼区間は、−0.61から1.11であった。
ノルオキシコドン、オキシモルホンおよびノルオキシモルホンの結果
ノルオキシコドンおよびノルオキシモルホンのデータは、オキシコドンのデータについてなされた観察を支持した。
オキシモルホンのデータは、AUCおよびCmaxの比較のために利用することができた。
−ノルオキシコドン:オキシコドン AUCt比
平均ノルオキシコドン:オキシコドン AUCt比は、0.66(OXN 10/5、摂食時)から0.91(OXN 40/20、空腹時)の範囲にわたった。
−ノルオキシコドン:オキシコドン AUCINF比
平均ノルオキシコドン:オキシコドン AUCINF比は、0.66(OXN 10/5、摂食時)から0.91(OXN 40/20、空腹時)の範囲にわたった。
−オキシモルホン:オキシコドン AUCt比
平均オキシモルホン:オキシコドン AUCt比は、0.01(OXN 10/5、空腹時および摂食時)から0.02(OXN 40/20、空腹時および摂食時)の範囲にわたった。
−オキシモルホン:オキシコドン AUCINF比
オキシモルホンについてのAUCINF概算値の欠如は、平均オキシモルホン:オキシコドン比をOXN 40/20 摂食時についてしか計算することができなかったことを意味した。この治療により、10人の被験者のデータに基づく0.02の平均オキシモルホン:オキシコドン比が得られた。
−ノルオキシモルホン:オキシコドン AUCt比
平均ノルオキシモルホン:オキシコドン AUCt比は、0.20(OXN 10/5、摂食時)から0.28(OXN 40/20、空腹時)の範囲にわたった。
−ノルオキシモルホン:オキシコドン AUCINF比
平均ノルオキシモルホン:オキシコドン AUCINF比は、0.22(OXN 10/5、摂食時、およびOXN 40/20、摂食時)から0.29(OXN 20/40、空腹時)の範囲にわたった。
ナロキソン−3−グルクロニドの結果
−AUCt
ナロキソン−3−グルクロニドについて得られたAUCt値は、2つのOXN 10/5治療間および2つのOXN 40/20治療間の両方において一貫していた。高脂肪食後のいずれの強度のOXNの投与も、夜間絶食後に投与されたOXNと等価のナロキソン−3−グルクロニド利用率をもたらした。これらのバイオアベイラビリティの計算は、各々、生体内利用率等価性の80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
−t1/2Z
ナロキソン−3−グルクロニドについて得られたt1/2Z値は、空腹時OXN 40/20とOXN 40/20 摂食時の間で一貫しているように見えた(それぞれ、7.7時間および7.4時間)。OXN 10/5 絶食時についての平均ナロキソン−3−グルクロニド t1/2Z値(9.1時間)は、他の治療についてのものより高いように見えた。OXN 10/5 絶食時は、OXN 40/20に類似した平均ナロキソン−3−グルクロニド t1/2Z値を有した。
−AUCINF
ナロキソン−3−グルクロニドについて得られたAUCINF値は、2つのOXN 10/5治療間および2つのOXN 40/20治療間の両方において一貫していた。
高脂肪食後のいずれの強度のOXNの投与も、夜間絶食後に投与されたOXNと等価のナロキソン−3−グルクロニド利用率をもたらした。これらのバイオアベイラビリティの計算は、各々、生体内利用率等価性の80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
−Cmax
OXN 10/5およびOXN 40/20のいずれについても、観察された平均ナロキソン−3−グルクロニド Cmax値は、食物によって増加しなかった。OXN 摂食時をOXN 空腹時と比較するCmax比は、生体内利用率等価性の80〜125%許容可能限度の範囲内である90%信頼区間を有した。
−tmax
これらの治療の各々についてのメジアンtmax値は、0.5時間(OXN 40/20、空腹時)から2.5時間(OXN 40/20、摂食時)の範囲にわたった。オキシコドンについてと同様に、OXN 10/5とOXN 40/20の両方について、食物がメジアンtmax値を増加させるように見えた。OXN 10/5 摂食時とOXN 10/5 空腹時の間の差についての90%信頼区間は、0.52〜2.02であった。OXN 40/20 摂食時とOXN 40/20 空腹時の間の差についての90%信頼区間は、1.13〜2.70であった。
ナロキソン、6β−ナロキソールおよび6β−ナロキソール−3/6−グルクロニドの結果
ナロキソン濃度は、予想通り低く、そのため、ナロキソンの結果は、全薬物動態評定を支持するものではなかった。血漿中濃度データのばらつきが、非常に広い90%信頼区間を有するバイオアベイラビリティ計算結果を招いた。
血漿中ナロキソンデータは、大部分の被験者についてのLambdaZ値の概算値を支持しなかった。従って、血漿中ナロキソン曲線を外挿してAUCINF値を得ることはできなかった。ナロキソンについてのAUCINF概算値の欠如は、その代謝物:親 AUCINF比が、OXN 10/5 空腹時および摂食時について計算できなかったことを意味した。
6β−ナロキソールのデータにもばらつきがあり、対象となる比較の大部分についての90%信頼区間が、生体内利用率等価性の80〜125%許容可能度限度外であった。
6β−ナロキソール−3−グルクロニドのデータは、AUCtとAUCINFの比較に関するナロキソン−3−グルクロニドのデータについてなされた観察を支持した。食物は、6β−ナロキソール−3−グルクロニドの平均Cmax値を増加させ、食物の存在下では、平均6β−ナロキソール−3−グルクロニド Cmax値が、35から42%高かった。
−ナロキソン−3−グルクロニド:ナロキソン AUCt比
平均ナロキソン−3−グルクロニド:ナロキソン AUCt比は、910(OXN 40/20、摂食時)から5091(OXN 10/5、空腹時)の範囲にわたった。
−ナロキソン−3−グルクロニド:ナロキソン AUCINF比
平均ナロキソン−3−グルクロニド:ナロキソン AUCINF比は、3人の被験者のデータを基に空腹時OXN 40/20については360であり、6人の被験者のデータを基に空腹時OXN 40/20については614であった。
−6β−ナロキソール:ナロキソン AUCt比
平均6β−ナロキソール:ナロキソン AUCt比は、17.9(OXN 40/20、摂食時)から99.7(OXN 10/5、空腹時)の範囲にわたった。
−6β−ナロキソール:ナロキソン AUCINF比
平均6β−ナロキソール:ナロキソン AUCINF比は、3人の被験者のデータを基に空腹時OXN 40/20については7.4であり、5人の被験者のデータを基にOXN 40/20 摂食時については13.5であった。
−6β−ナロキソール−3/6−グルクロニド:ナロキソン AUCt比
平均6β−ナロキソール−3/6−グルクロニド:ナロキソン AUCt比は、790(OXN 40/20、摂食時)から5091(OXN 20/5、空腹時)の範囲にわたった。
−6β−ナロキソール−3/6−グルクロニド:ナロキソン AUCINF比
平均6β−ナロキソール−3/6−グルクロニド:ナロキソン AUCINF比は、3人の被験者のデータを基に空腹時OXN 40/20については302であり、5人の被験者のデータを基にOXN 40/20 摂食時については623であった。
安全性
1人の被験者が、空腹時OXN 10/5の期間中に急性喉頭炎および呼吸困難のSAEを経験した。被験薬を中止し、その被験者は、被験薬に関係すると考えられないこれらの事象から完全に回復したが、この試験を中止した。
悪心、疲労および頭痛が、これらの治療全体にわたって最も多く報告されたAEであった。
6.結論
臨床薬理学の考察
低いバイオアベイラビリティが、ナロキソンの完全な薬物動態評定を妨げるということは予想された。これは、被験者の大部分についてのナロキソンのAUCINF値を概算できなかったという結果を生じた低い血漿中濃度として、確認された。ナロキソン−3−グルクロニドは、ずっと高い濃度で血漿中に存在し、大多数の被験者についてのナロキソン−3−グルクロニドのAUCINF概算値が得られた。これらの固定配合錠剤のナロキソン成分についての結論は、ナロキソン−3−グルクロニドパラメータに基づいたものである。
夜間絶食後または高脂肪の朝食後に投与されたときのOXNから、等量のオキシコドンを利用できたので、食物は、いずれの強度のOXNからのオキシコドン利用率にも影響を及ぼすようには見えなかった。
高脂肪の朝食後のOXN投与は、両方の強度のOXNの平均実測Cmax値をわずかに上昇させた。しかし、平均血漿プロフィールの検査は、この差が数値的に小さく、いずれの強度のOXNについても臨床的に有意である可能性が低いことを示している。
食物は、オキシコドンの半減期に対して影響を及ぼさなかった。夜間絶食後または高脂肪の朝食後に投与されたOXNについてのオキシコドンの平均半減期は、類似しており、以前に記録されたオキシコドン半減期と一致した。
ノルオキシコドンおよびノルオキシモルホンのデータは、オキシコドンのデータについてなされた観察を支持した。
夜間絶食後または高脂肪の朝食後に投与されたときのOXNから、等量のナロキソン−3−グルクロニドを利用できたので、食物は、いずれの強度のOXNからのナロキソン−3−グルクロニドのバイオアベイラビリティにも影響を及ぼすようには見えなかった。
高脂肪の朝食後のOXN投与は、いずれの強度のOXNの平均ナロキソン−3−グルクロニド Cmax値にも影響を及ぼさなかった。これらのCmax比に付随する90%信頼区間は、生体内利用率等価性の80〜125%許容可能限度の範囲内であった。
空腹時OXNと比較したとき、OXN 摂食時についてのナロキソン−3−グルクロニド t1/2Zおよびtmax値には多少のばらつきがあったが、観察された差は小さく、臨床的に有意であるか能性は低かった。
血漿中ナロキソンおよび6β−ナロキソールのデータは、ばらつきがあり、ナロキソン−3−グルクロニドについてなされた観察を支持しなかった。高脂肪の朝食後のOXNの投与が、夜間絶食後の投与と比較して平均実測Cmaxを有意に上昇させたこと除き、6β−ナロキソール−3−グルクロニドについて記録されたデータは、より大きくナロキソン−3−グルクロニドと一致していた。
安全性
食物は、AEの発生に一切影響を及ぼさないようであり、安全性の争点ではなかった。
7.要約
・高脂肪の朝食後のOXN 40/20およびOXN 10/5の投与は、空腹状態でのOXN 40/20およびOXN 10/15の投与と比較して、オキシコドンおよびナロキソン−3−グルクロニドのバイオアベイラビリティに対して影響を及ぼさなかった。
・食物の存在は、ナロキソン−3−グルクロニドの平均Cmax値を変えず、ならびに臨床的に有意なものとは考えられないが、オキシコドンの平均Cmax値をわずかに上昇させた。
実験4
鎮痛作用に対するナロキソンの影響
1.目的
この試験の目的は、ナロキソン持続放出性錠剤(5mg、15mgおよび45mg)が、健常な(健康な)ボランティアにおいてオキシコドン 20mgのオピオイド作動薬特性を遮断するかどうか、およびどの程度遮断するかを評定することであった。
従って、この試験は、十分な鎮痛活性を発揮するナロキソンとオキシコドンの用量比についての証拠を提供するように計画した。これらのデータは、オキシコドン徐放性錠剤とナロキソン徐放性錠剤の配合製品の開発を支援することとなろう。
2.試験集団
試験集団の選択
合計21人の健常な成人、男性および女性被験者を無作為に選んだ。20人の被験者(男性10人、女性10人)がこの試験を完了し、有効な薬力学および薬物動態データを提供することを目標に、脱落者を補充した。
組み入れ基準
この試験に組み入れた被験者は、次の基準のすべてを満たした者であった:
・年齢21から45歳にわたる被験者;
・妊娠の可能性がある女性被験者は、スクリーニング時に尿妊娠検査陰性でなけばならない。
・Brocaによる身長に対する体重の関係で正常な体重:体重[kg]/(身長[cm]−100)=0.8から1.2;
・ベースライン時の病歴、理学的検査、バイタルサイン(血圧、心拍数)、血液学、血液化学、尿分析およびECGによって判定して有意な異常所見がない;
・記入済みインフォームドコンセントにより証明されるような治験実施計画書の要件に従う意思。
除外基準
この試験から除外した被験者は、次の基準のいずれかを満たす者であった:
・オキシコドン、ナロキソン、向精神薬または催眠薬への過敏反応のあらゆる病歴;
・薬物またはアルコール乱用歴、試験前の尿中薬物スクリーニング陽性;
・前の3カ月におけるオピオイドの使用歴;
・標準薬または被験薬の胃腸吸収、分散、代謝または排泄に有意に干渉し得るあらゆる健康状態または外科的状態。これは、胃腸管、肝臓、腎臓および/または造血臓器の重篤疾患のあらゆる病歴を含む;
・心血管疾患、肺疾患、神経疾患、内分泌疾患または精神疾患の病歴;
・病因にかかわらず、頻繁な悪心または嘔吐の病歴;
・先立つ60日の間の臨床薬試験への参加;
・この試験に入る前の4週間の間のあらゆる有意な疾患;
・試験開始の前の7日の間またはこの試験の過程中のあらゆる薬物(経口避妊薬を除く)の使用;
・被験薬投与前6時間および後7時間の断食の拒絶;
・アルコールの過剰摂取(ビールもしくは蒸留酒または他の形態の同等物についての1週間に21単位より多い摂取);
・初回投与の24時間以内のアルコール飲料の消費;
・被験薬投与前の過去90日間に供与された血液または血液製剤;採血への忌避。
下の表28は、性別による個体群統計の特徴をまとめたものである。
表28:被験者個体群統計および他のベースライン時の特徴:安全集団
Figure 2008531650
ベースライン時の安全集団における男性被験者と女性被験者の間に、有意な個体群統計およびベースライン時の特徴の差はなかった。女性被験者は、一般に、男性被験者より身長が低く、体重が軽く、低いBMIを有した。この試験はクロスオーバー計画でのものであったので、ベースライン時での治療群間に個体群統計差はなかった。
3.試験計画、試験治療、用量および投与形態
使用した製剤
実施例1の場合と同じ製剤を使用した。
試験計画
これは、健常な成人男性および女性被験者における1施設、単回用量、二重盲検、プラシーボ対照、5治療、5期、無作為化、比較クロスオーバー試験であった。これは、オキシコドンが十分な鎮痛活性を今までどおり発揮する、ナロキソンとオキシコドンの用量比を評価するために行った。無作為割付けスケジュール(RAS)に従ってこの概要に記載の5つの治療の各々に被験者を割り当てた。7日のウォッシュアウト期間があった。
被験者は、初回投与日の3週間以内にスクリーニング訪問を行った。各試験期間の間、被験者は、投与の少なくとも1時間前にその試験施設にチェックインした。彼らに被験薬を投与し、その後、彼らは、治験担当医師長の意見でその試験施設での被験者の延長滞在を必要とする何らかのオピオイド作用または他の所見を示さない限り、12時間その試験施設に留まった。12時間血液サンプルを採取した後、被験者は解放され、そして24時間血液サンプルを提供するためにその試験施設に戻ってきた。被験薬の投与は、6時間の前夜絶食の後に行い、患者は、投与後7時間まで絶食を続けた。
疼痛関連誘発電位(EEG)、相性/持続性疼痛強度推定値、EEGバックグラウンド活性、聴覚誘発電位、および相性/持続性疼痛中の動作追跡を含む薬力学的測定を、投与前40分以内、ならびに投与後1、3および6時間の時点で行った。探索症状(疲労、悪心、めまいおよび嗜眠状態)を、投与前ならびに投与後1、2、3、4、6、8および12時間の時点で評定した。
被験者は、この試験の中止後、または試験期間5の投与後の、試験後評価にも出席した。
図38は、この試験の計画を提示するものである。
治療
規定の無作為割付けスケジュール(RAS)に従って次の治療計画を施した:
A=1錠のオキシコドン PR 20mg+1錠の ナロキソン 5mg+2錠のナロキソンプラシーボ(Oyxnal 20/5)
B=1錠のオキシコドン PR 20mg+1錠の ナロキソン 15mg+2錠のナロキソンプラシーボ(Oyxnal 20/15)
C=1錠のオキシコドン PR 20mg+3錠の ナロキソン 15mg(Oyxnal 20/45)
D=1錠のオキシコドン PR 20mg+3錠の ナロキソンプラシーボ(オキシコドン PR)
E=1錠のオキシコドンプラシーボ+3錠の ナロキソンプラシーボ(プラシーボ)
血漿中濃度のデータ
薬物動態血液サンプル(9mL)を各期間における被験薬の投与後24時間にわたって採取した。
オキシコドン、ノルオキシコドン、オキシモルホン、ノルオキシモルホン、ナロキソン、6−β−ナロキソール、ナロキソン−3−グルクロニドおよびナロキソール−グルクロニド濃度を判定するための血液サンプルを、各被験者について、5つの試験期間の各々の間、投与直前、および投与後1、2、3、4、5、6、8、12および24時間の時点で得た(1試験期間につき10の血液サンプル)。
4.効能パラメータ
4.1 実験的疼痛モデル
気体CO2での鼻粘膜の特異的相性侵害刺激後の化学的体感覚性疼痛関連皮質電位(chemosomatosensory pain-related cortical potential)(CSSEP)および疼痛評点に基づく実験的ヒト疼痛モデルによって、鎮痛作用を評定した。加えて、制御された流れおよび温度の乾燥空気での鼻粘膜の刺激によって生じる持続性疼痛の強度推定値を利用した。
本疼痛モデルでは、鎮痛の指標として以下を用いた:
・疼痛評点に関する治療後の減少、および/または
・疼痛関連誘発電位の振幅に関する治療後の低下、および/または
・治療前の値を基準にして、疼痛関連誘発電位の潜時に関する治療後の減少。
各CO2濃度を、別途、評価した。
主標的パラメータは、次の疼痛関連誘発脳電位であった:
1.疼痛関連誘発電位のbase−to−peak振幅 P1、N1およびP2、peak−to−peak振幅 P1N1およびN1P1
2.疼痛関連誘発電位の潜時 P1、N1およびP2
3.相性(CO2−)疼痛の強度推定値
4.持続性疼痛の強度推定値。
実験的疼痛モデルの模式図を図39に提示する。この実験中、被験者は、空調された室内に気楽に座っていた。化学刺激物質の切換えクリック音を隠すために、約50dB SPLのホワイトノイズを用いた。
鼻粘膜の有痛刺激の後、被験者は、知覚した疼痛の強度を視覚的アナログスケールによって評価した。刺激に相伴って、EEGを5つの位置(Fz、Cz、Pz、C3、C4)から記録し、疼痛関連誘発電位を得た。
実験セッションのタイムスケジュール
実際の実験の前、2週間以内に行うトレーニングセッションの際に、被験者に実験の条件および手順を知らせた。特に、刺激中に鼻腔内の呼気流の発生を防止することができる呼吸法を訓練した(口蓋帆咽頭閉鎖)。そうしなければ、呼気流が誘発電位の測定に影響を及ぼすことがあり、時間的特徴の調査ができなかった。
鎮痛測定の測定値を薬物投与後6時間の時間にわたって取った。各試験日に、4つの鎮痛測定セッションを行った:
セッション0:ベースライン時、被験薬の投与直前
セッション1〜3:被験薬投与の1、3および6時間後
1つのセッションは、36分間続いた。
最初の20分間は、40回の相性CO2刺激をかけた(70%の濃度で20回の刺激、および60%の濃度で20回の刺激、刺激間隔30秒)。これらの刺激に応じて、疼痛関連電位および主観的強度推定値を記録した。その後、持続性疼痛を16分間誘導し、そして被験者は、その鈍い灼熱痛の強度を評価しなければならなかった。
鼻粘膜の相性有痛刺激
左鼻孔に与えていた、制御された温度(36.5℃)および湿度(80%相対湿度)の絶えず流れている空気流に、CO2刺激を混ぜた(刺激期間200ミリ秒、刺激間隔30秒)。以前の出版物の中で証明されているように、CO2刺激の提示は、鼻粘膜における機械刺激受容器または温度受容器を同時には活性化しなかった。相性刺激と相性刺激の合間に、被験者は、ビデオスクリーンを用いる簡単な追跡作業を行った。ジョイスティックを用いて、小さな四角をランダムに動きまわるそれより大きな四角の中に、保たなければならなかった。
鼻粘膜の持続性有痛刺激
相性刺激の期間の後、制御された温度(32℃)、流れ(8L*分-1)および湿度(20%相対湿度)の乾燥空気流により、16分間、持続性有痛刺激を右鼻孔に誘導した。
4.2 薬物動態パラメータ
オキシコドン、ノルオキシコドン、オキシモルホン、ナロキソン、6−β−ナロキソール、ナロキソン−3−グルクロニドおよびナロキソール−グルクロニドの血漿中濃度から、次の薬物動態パラメータを算定した:
・投与時から最終測定可能濃度まで測定した血漿中濃度時間曲線下面積(AUCt)
・投与時から無限大まで測定した血漿中濃度時間曲線下面積(AUCINF)
・最大実測血漿中濃度(Cmax)
・最大実測血漿中濃度までの時間(tmax)
・最終期速度定数(LambdaZ);最終期半減期(t1/2Z)。
AUCtは、線形台形法(linear trapezoidal method)を用いて計算した。可能な場合には、最終対数−線形期(terminal log-linear phase)にあると判定された点を用いて最終期速度定数を概算した。
半減期値(t1/2Z)は、ln2のLambdaZに対する比から決定した。最終測定点と無限大の間の血漿中濃度−時間曲線下面積は、最終実測血漿中濃度(Clast)のLambdaZに対する比から計算した。これをAUCtに加えて、投与時と無限大の間の血漿中濃度−時間曲線下面積(AUCINF)を得た。
各分析物についてのAUCt、AUCINF(入手可能な場合)およびCmaxの対数変換データを、治療、シーケンスおよび期間についての固定項および被験者についてのランダム項を有する線形混合効果モデルを用いて分析した。化合物対称性も想定した。治療集団幾何平均は、治療LS平均の指数から概算した。治療集団幾何平均の比は、対象となる比較についての治療最小二乗平均間の差(テスト・リファレンス)を累乗することにより概算し、それらの比についての90%信頼区間を計算した。
治療、シーケンスおよび期間についての固定項および被験者についてのランダム項を有する線形混合効果モデルを用いて、tmax、LambaZおよびt1/2Zについてのデータも分析した。化合物対称性も想定した。治療集団平均は、治療LS平均により概算した。対象となる比較についての治療差およびそれらの90%信頼区間を、それらの最小二乗平均から計算した。
オキシコドン、ノルオキシコドンおよびオキシモルホンについての次の対象となる比較:
・Oxynal 20/5 A対Oxycodone PR D
・Oxynal 20/15 B対Oxycodone PR D
・Oxynal 20/45 C対Oxycodone PR D
において定義される差のAUCt、AUCINFおよびCmax値の比から、相対全身利用率(FreitおよびFreIINF)およびCmax比を、それぞれ得た。
ナロキソン、6−β−ナロキソール、ナロキソン−3−グルクロニドおよびナロキソール−グルクロニドについての次の対象となる比較:
・Oxynal 20/15 B対Oxynal 20/5 A
・Oxynal 20/45 C対Oxynal 20/5 A
において定義される差のAUCt、AUCINFおよびCmax値の用量調整比から、相対全身利用率(FreitおよびFreIlNF)およびCmax比を、それぞれ得た。
プラシーボ治療を施したとき、オキシコドンまたはナロキソンは、一切、存在するはずがないので、分析に含めた治療は4つだけであった。
すべての薬物動態の計算は、WinNonlin Enterprise,Version 4.1で行った。
4.3 効能評定/薬力学的測定
疼痛関連誘発電位
EEGは、耳たぶに連結されたもの(A1+A2)を基準にして国際10/20法の5箇所の位置(Cz、C3、C4、FzおよびPz;図40参照)から記録した。起こり得るまばだきアーティファクトを、さらなる部位(Fp2/A + A2)からモニターした。250Hzの周波数で2040ミリ秒 継続時間の刺激関連EEGセグメントをサンプリングした(帯域通過 0.2〜30Hz、刺激提示前時間 512ミリ秒)。次に、記録されたアナログEEGセグメントをデジタルに変換し、電子ファイル化した。各記録位置についての平均値を別々に計算し、すべての「まばたき」混入記録を廃棄した。この手順により、有痛CO2刺激に応じて、疼痛関連誘発電位を得た。base to peak 振幅 P1、N1およびP2、peak to peak振幅 P1N1およびN1P2、ならびにP1、N2およびP2の潜時を測定した。測定時間をデータ分析に利用する場合には必ず、セッションの中央時間をとった。図40は、疼痛関連誘発電位の成分を提示するものである。
相性疼痛の強度推定値
各CO2刺激の提示後、3〜4秒以内に、被験者は、その知覚強度を、各試験日の第一セッションの初めに提示された標準刺激(70% v/v CO2)と比較した。その疼痛の強度を、コンピュータモニター上に表示された視覚的アナログスケールにより評価した(図39参照)。標準刺激の強度を100推定単位(Estimation Unit)(EU)と定義した。セッションの中央時間を測定の時間とみなした。CO2刺激(60%および70%)の強度推定値を各濃度について別々に評価した。試験日に、各々の治療後セッションの評点をベースライン値を基準にして評価した。セッションの中央時間を測定の時間とみなした。
持続性疼痛の強度推定値
持続性刺激により誘発された疼痛の強度を、相性刺激について説明したとおり推定した。被験者は、16分の刺激時間中、30秒ごとに疼痛強度を評価した。以前の試験において持続性疼痛が8分の刺激の後にその定常状態に達したので、16分の刺激時間の後半の推定値のみを解析した。さらなる統計学的評価のために、各セッションについて、単一刺激の平均を計算した。刺激時間後半の中央時間を測定の時間とみなした。
4.4 安全性の評定
安全性の評定は、すべての有害事象および重篤有害事象、試験前および試験後の血液学、生化学、尿値、ECGならびに理学的検査の記録、ならびにバイタルサイン(血液の酸素飽和度を含む)の定期的測定から成るものであった。
有害事象
有害事象(AE)は、その医薬(治験)品と関係があろうと、なかろうと、医薬(治験)品の使用に一時的に伴う、あらゆる好ましく意図されたものでない徴候(異常検査所見を含む)、症状、または疾患であった。
各薬力学的測定時に非誘導的質問を行った。すなわち、「気分はいかがですか?」と尋ねた。AEが発生した場合には、治験担当医師が、被験者のこの試験へのさらなる参加について決定した。中止する場合、被験者は、被験薬の摂取を中止し、健康状態がベースライン値に戻るまでフォローアップを受けた。各試験の終了時の理学的検査、12誘導ECG、血液学、生化学および尿分析をこの時点で行った。
被験薬を摂取した被験者について、この試験中に発生したすべての有害事象を記録した。各有害事象について、次の情報を記録した:
・種別(例えば、頭痛);
・発症日;
・継続期間(分、数時間、1日、数日、>1週間、進行中);
・強度(軽度、中等度、重度);
・行動(なし、観察強化);
・因果関係(可能性が高い、可能性が低い、評定不可能);
・頻度(1回、時折、頻繁);
・重篤度(重篤でない、重篤)。
治験担当医師は、被験者のコメントおよび治療への反応を注意深く評価して、その有害事象の真の性質および重症度を判断した。治験担当医師は、すべての利用可能な情報の下地を基に、そのAEと被験薬の因果関係を評定した。
重篤および/または予想外の有害事象
重篤な薬物有害事象の証拠に遭遇した場合、担当治験担当医師により適切な支持療法および/または根治的治療法が施された。その有害事象の原因の解明を試みる上で、必要な場合には、臨床検査質診断測定を利用した。Le.臨床試験(Le. Laboratory examination)を通して得られたデータによってそのSEAの完全な回復が容認されるまで、治験スタッフが、被験者を厳重にフォローアップした。適切な治療手段をとり、その反応を記録した。
重篤有害事象(SAE)は、任意の用量での任意の不適切な医療上のできごとであった:
・結果的に死亡した;
・生命をあやうくした;
・入院もしくは既存の入院の延期を必要とした;持続性のもしくは有意な能力障害/不能状態を生じさせた。
この治験実施計画書に記載された定義によると、予想外の有害事象は、性質または重症度が、あてはまる製品情報(すなわち、認可前製品についての治験薬概要書または認可製品についての製品添付文書/製品特性概要)と一致しなかった有害事象であった。
5.効能/薬力学的結果
主要効能の結果
この試験の一次エンドポイントは、
・疼痛関連誘発電位(EEG)
・相性疼痛の強度推定値
・持続性疼痛の強度推定値
であった。
疼痛関連誘発電位
次のパラメータについての活性治療薬の統計学的に有意な総合効果を証明することができた:
・70%CO2での刺激後、次の記録位置で、振幅P1を減少させた:
−Cz:
−すべての活性治療薬が、有意なナロキソンがないプラシーボと比較して、振幅を有意に減少させた
−有意なナロキソンの作用は観察できなかった
・70%CO2での刺激後、次の記録位置で、潜時P1を増加させた:
−C3:
−すべての活性治療薬が、プラシーボと比較してその潜時を増加させた
−Oxynal(オキシコドン/ナロキソン)20/5、20/45、およびオキシコドン単独の投与後、その増加は、プラシーボと比較して有意であった
−有意なナロキソンの作用は観察できなかった
−C4:
−すべての活性治療薬が、プラシーボと比較してその潜時を有意に増加させた
−有意なナロキソンの作用は観察できなかった
−Fz:
−すべての活性治療薬が、プラシーボと比較してその潜時を増加させた
−Oxynal 20/5、20/45、およびオキシコドン単独の投与後、その増加は、プラシーボと比較して有意であった
−有意なナロキソンの作用は観察できなかった
−Pz:
−すべての活性治療薬が、プラシーボと比較してその潜時を増加させた
−Oxynal 20/5、およびオキシコドン単独の投与後、その増加は、プラシーボと比較して有意であった
−有意なナロキソンの作用は観察できなかった
−Cz:
−すべての活性治療薬が、プラシーボと比較してその潜時を増加させた
−Oxynal 20/5、およびオキシコドン単独の投与後、その増加は、プラシーボと比較して有意であった
−ナロキソンの作用は観察できなかった
−Oxynal 20/15の投与後、その増加は、オキシコドン単独と比較して有意に低かった
・70%CO2での刺激後、次の記録位置で、潜時P2を増加させた:
−Cz:
−すべての活性治療薬が、プラシーボと比較してその潜時を増加させた
−Oxynal 20/5、20/15、およびオキシコドン単独の投与後、その増加は、プラシーボと比較して有意であった
−有意なナロキソンの作用は観察できなかった
−Pz:
−すべての活性治療薬が、プラシーボと比較してその潜時を増加させた
−Oxynal 20/5、20/15、およびオキシコドン単独の投与後、その増加は、プラシーボと比較して有意であった
−有意なナロキソンの作用は観察できなかった
・60%CO2での刺激後、次の記録位置で、振幅P1 N1を減少させた:
−C4:
−すべての活性治療薬が、プラシーボと比較して、その振幅を減少させた
−オキシコドン単独の投与後、その減少は、プラシーボと比較して有意であった
−用量依存性のナロキソン作用は、観察できなかった
−Oxynal 20/15およびOxynal 20/45の投与後、その減少は、オキシコドン単独と比較して有意に低かった
・60%CO2での刺激後、次の記録位置で、潜時P1を増加させた:
−C3:
−すべての活性治療薬が、プラシーボと比較してその潜時を有意に増加させた
−用量依存性ナロキソン作用は、観察できなかった
−Oxynal 20/45の投与後、その増加は、オキシコドン単独と比較して有意に低かった
−C4:
−すべての活性治療薬が、プラシーボと比較してその潜時を増加させた
−Oxynal 20/5およびオキシコドン単独の投与後、その増加は、プラシーボと比較して有意であった
−用量依存性ナロキソン作用は、観察できなかった
−Oxynal 20/15およびOxynal 20/45の投与後、その増加は、オキシコドン単独と比較して有意に低かった
−Fz:
−すべての活性治療薬が、プラシーボと比較してその潜時を有意に増加させた
−ナロキソンの作用は、観察できなかった
−Oxynal 20/15およびOxynal 20/45の投与後、その増加は、オキシコドン単独と比較して有意に低かった
−Pz:
−すべての活性治療薬が、プラシーボと比較してその潜時を増加させた
−Oxynal 20/5およびオキシコドン単独の投与後、その増加は、プラシーボと比較して有意であった
−ナロキソンの作用は、観察できなかった
−Oxynal 20/15の投与後、その増加は、オキシコドン単独と比較して有意に低かった
−Cz:
−すべての活性治療薬が、プラシーボと比較してその潜時を有意に増加させた
−用量依存性ナロキソン作用は、観察できなかった
−Oxynal 20/15およびOxynal 20/45の投与後、その増加は、オキシコドン単独と比較して有意に低かった
・60%CO2での刺激後、次の記録位置で、潜時P2を増加させた:
−Fz:
−すべての活性治療薬が、プラシーボと比較してその潜時を増加させた
−Oxynal 20/5およびOxynal 20/15の投与後、その増加は、プラシーボと比較して有意であった
−有意なナロキソンの作用は、観察できなかった
図41は、安全集団についての60%および70%CO2での刺激後の疼痛関連誘発電位に関するベースラインからの統計学的に有意な総変化を提示するものである。
図42は、最大の解析対象集団についての60%CO2での刺激後の記録位置Czでの潜時P1における疼痛関連誘発電位およびベースラインからの平均変化を示すものである。
相性疼痛の強度推定値
70%CO2での相性疼痛刺激についての強度の推定値の低下が、活性治療薬の投与後に観察された。45mg ナロキソンの投与は、そのオキシコドン作用に一部拮抗するようであった。しかし、プラシーボと比較すると、これらの効果は、統計学的有意性に達するとは全く言えなかった。
表29は、治療群別の70%CO2での相性疼痛刺激の強度の推定値、ベースラインからの総変化を提示するものである。
表29:推定単位での70%CO2での相性疼痛刺激の強度の推定値、ベースラインからの総変化:安全集団
Figure 2008531650
持続性疼痛の強度推定値
オキシコドンを含有するすべての治療薬は、持続性疼痛の強度の推定値の減少を示した(刺激期間の後半)。4つすべての活性治療薬の結果が、ベースライン時との統計学的有意差を示した。異なるナロキソン用量の効果間の区別はできなかった。
表30は、治療群別の持続性疼痛の強度の推定値、刺激時間の後半において測定されたベースラインからの総変化を提示するものである。
表30:推定単位での持続性疼痛の強度の推定値、刺激期間の後半において測定されたベースラインからの総変化:安全集団
Figure 2008531650
治療の時間の経過に伴う平均持続性疼痛スコア(治療期間の後半)のベースラインからの変化を図43にグラフで提示する。
臨床薬理学の結果
薬物動態集団におけるすべての被験者からのデータを用いて、薬物動態パラメータの分析を行った。
オキシコドンの結果
−AUCt
オキシコドンについての平均AUCt値は、治療間で非常に一貫しており、Oxynal 20/45治療についての213.6ng.h./mLから、Oxynal 20/5治療についての239.6ng.h./mLの範囲にわたった。
AUCtに関して、これらのOxynal配合治療薬の各々が、標準治療薬、オキシコドン PR錠剤 20mgと等価のオキシコドン利用率をもたらした。AUCtに基づく相対バイオアベイラビリティ計算値のすべてが、生体内利用率等価性(bioequivalence)の80〜125%許容可能限度の範囲内の90%信頼区間を有した。
−t1/2Z
オキシコドンについて得られた平均t1/2Z値は、Oxynal 20/15についての7.1時間からOxynal 20/5についての9.0時間の範囲にわたった。
−AUCINF
オキシコドンについての平均AUCINF値は、Oxynal 20/45についての221.1ng.h.・mL-1からOxynal 20/5の291.1ng.h.・mL-1の範囲にわたり、治療間で差があった。
AUCINFに関して、Oxynal 20/5配合治療薬は、標準治療薬、オキシコドン PR錠剤 20mgと等価のオキシコドン利用率をもたらした。Oxynal 20/15およびOXN 20/45配合治療薬は、オキシコドン PR錠剤 20mgと比較してわずかに低いオキシコドン利用率をもたらし、生体内利用率等価性の最低許容可能限外である90%信頼区間を伴った。
−Cmax
オキシコドンについての平均Cmaxは、Oxynal 20/45配合治療薬についての19.7ng/mLからOxynal 20/5治療薬についての23.9ng/mLの範囲にわたり、治療間で一貫していた。
これらのOxynal配合治療薬の各々が、標準治療薬、オキシコドン PR錠剤 20mgと等価のオキシコドンCmaxをもたらした。それらのCmax比の計算値のすべてが、生体内利用率等価性の80〜125%許容可能限度の範囲内の90%信頼区間を有した。
−tmax
それらのメジアンtmax値は、すべての治療間で一貫しているように見え、Oxynal 20/15およびオキシコドンPR錠剤についての2.4時間からOxynal 20/5およびOxynal 20/45の3.1時間の範囲にわたった。
表31および32は、オキシコドンの薬物動態パラメータの要約を示すものである。
表31:治療別のオキシコドンについての薬物動態パラメータの要約:薬物動態に関する最大の解析対象集団
Figure 2008531650
表32:AUCt、AUCINFおよびCmaxについての比ならびにtmaxおよびt1/2Zについての差に関するオキシコドンの要約:薬物動態に関する最大の解析対象集団
Figure 2008531650
6.結論
主要効能の結果
この試験では、疼痛評定システムとして疼痛モデルを利用した。このモデルにより、疼痛関連誘発電位(EEG)および疼痛評点の定量的測定が可能となった。この試験における活性治療薬の投与は、結果として、鼻粘膜の有痛刺激に応じて、疼痛関連誘発電位(EEG)の振幅 P1およびP1N1の有意な減少、ならびに潜時 P1およびP2の有意な延長を生じさせた。これは、明確にオピオイド鎮痛作用の指標とみなすことができ、ならびにこの実験的疼痛モデルでの非オピオイド鎮痛薬およびオピオイド鎮痛薬の様々な試験においてこれを実証した。
この試験において、オキシコドンにより誘導される疼痛関連誘発電位の振幅(P1、P1N1)の有意な減少を、中央記録部位C4およびCzにおいて観察することができた。同様の結果が、μ−受容体での作動活性を有するオピオイドの以前の研究において得られている。オキシコドンにより誘導される疼痛関連誘発電位の潜時の減少は、すべての記録部位で観察することができ、潜時P1で最も顕著であった。これは、オピオイドにおいて典型的に観察される鎮痛作用を示している。
60%CO2での刺激後の振幅減少の規模は、ベースライン時と比較して、20mg オキシコドン投与後はC4での振幅P1N1が35.3%であり、5mg ナロキソンとの配合薬投与後は24.5%であり、15mg ナロキソンとの配合薬投与後は23.7%であり、45mg ナロキソンとの配合薬投与後は12.8%であった。同モデルでの他の調査と比較すると、オキシコドンの鎮痛作用の規模は、他の鎮痛薬と同様であった。
この試験において、ナロキソンは、70%CO2の強い刺激の施与後、振幅P1(Cz)におけるオキシコドンの作用の有意な反転を生じさせなかった。60%CO2の弱い刺激の施与後、ナロキソンは、振幅P1N1(Cz)におけるオキシコドンの作用の有意な用量依存性反転を生じさせた。潜時に対するナロキソンの用量依存性効果は、60%CO2での刺激後の潜時P1(C4)に関して最も顕著であり、これは、オキシコドンの効果の減少を示していた。ナロキソンにより誘導されるオキシコドン作用反転について明確な兆しを、70%CO2での刺激後の潜時P1、および潜時P2に関して観察することができなかった。
この試験において、ナロキソンの用量依存性オピオイド拮抗作用(振幅減少および潜時延長の反転)は、強い刺激(70%CO2)に応じてより、弱い刺激(60%CO2)に応じてのほうが顕著であることを示した。
結論として、健常なボランティアにおいて測定されたすべての記録位置での疼痛関連誘発電位の結果に鑑みて、オピオイドとしてのオキシコドンによって生じる典型的な振幅および潜時の変化に対するナロキソンの用量依存性影響の兆しがある。この疼痛モデルからのデータは、20mg オキシコドン PRに基づき、オキシコドンの鎮痛作用に有意な影響(EEG)を及ぼさないナロキソン PRの用量は、15mg未満であることを示しているようである。
70%CO2での相性疼痛刺激の強度の推定値の低下が、活性治療薬の投与後に観察された。45mg ナロキソンの投与は、オキシコドン作用に一部拮抗するようであった。しかし、プラシーボと比較すると、これらの作用は、統計学的有意性に達するとは全く言えなかった。
プラシーボと比較して、活性薬物の投与後に持続性疼痛の強度の推定値が有意に低下した。しかし、ナロキソンの作用の拮抗作用の証拠はなかった。反応バイアスは、この刺激において一定の役割を果たすことができた。被験者が何らかのオピオイド作用を経験するとすぐ、被験者らは、推定値を同じレベルの強度にまとめるようであった。
薬物動態の結果
低い経口バイオアベイラビリティは、ナロキソンの完全な薬物動態評定を妨げると予想された。これは、Oxynal 20/5を摂取した大部分の被験者についてAUCt値を、またはいずれの投与強度についてもAUCINF値を概算することができなかったという結果を生じた低いナロキソン濃度として確認された。ナロキソン−3−グルクロニドは、ずっと高い濃度で血漿中に存在した。OXNに関する他の薬物動態試験についてと同様に、非固定配合治療薬(open combination treatment)のナロキソン成分についての結論は、ナロキソン−3−グルクロニドパラメータに基づいたものである。
これらの治療薬の各々から同様の量のオキシコドンを利用することができた。それらのAUCt値は、ナロキソンの用量増加による影響を受けなかった。AUCINF値は、ナロキソンの用量増加に伴ってわずかに減少し、バイオアベイラビリティの評定は、Oxynal 20/5が、オキシコドンPRと等価のオキシコドン利用率をもたらす一方で、Oxynal 20/15および20/45は、生体内利用率等価性の最低許容可能限より低い90%信頼区間を有するバイオアベイラビリティの評定を行った。ナロキソンの用量増加は、オキシコドンについての平均用量調整Cmax値に対しては影響を及ぼさなかった。
7.要約
主要効能の結果の結論
・異なる用量のオピオイド拮抗薬 ナロキソンPRによるオキシコドンPRの鎮痛作用を、CO2での鼻粘膜刺激後の誘発電位に基づく実験的疼痛モデルにおいて実証することができた。振幅の減少は、以前にこのモデルを用いて試験された他のオピオイドの範囲内であった。ナロキソンの用量依存性オピオイド拮抗効果(疼痛関連誘発電位の振幅減少の反転および潜時延長の反転)は、強い刺激(70%CO2)に応じてより弱い刺激(60%CO2)に応じてのほうが顕著であった。
・70%CO2での相性疼痛刺激の強度の推定値の低下が、活性治療薬の投与後に観察された。45mg ナロキソンの投与は、オキシコドン作用に一部拮抗するようであった。プラシーボと比較すると、これらの作用は、統計学的に有意とは言えなかった。さらに、これは、低量のオキシコドンが存在する場合にしかあてはまらなかった。2:1のオキシコドン対ナロキソン比でこれが観察されるはずはなかった。
・持続性疼痛の強度の推定値は、プラシーボと比較して活性治療薬の投与後に有意に低下した。ナロキソンの作用の拮抗作用の証拠はなかった。
薬物動態の結論
・これらの活性治療薬の各々からのオキシコドンのバイオアベイラビリティは、類似していた。これは、ナロキソンPR錠剤の併用投与が、オキシコドンの薬物動態に影響を及ぼさないことを示唆している。
退薬症状急発
1.目的
この試験の総合的な目的は、2:1の比でナロキソンと併用投与される静脈内オキシコドンが、オキシコドンに肉体的に依存しているラットのオピオイド退薬症候を引き起こすかどうかを判定し、その結果として、OXN配合薬を非経口乱用抑制製品として確立することであった。
2.試験動物
雄Sprague DawleyラットをHarlan Sprague Dawley(インディアナ州、インディアナポリス)から入手し、1週間、順化させた。無作為化前、それらの動物を計量し、身体的障害の徴候について詳細に検査した。許容しうると判定された動物を、乱数発生器(University of Dublin,Trinity College)を使用して群に無作為に割り当てた。体重の許容範囲は、平均の±10%であった。それらの動物の体重を記録した。この試験に選択されなかった動物の素因を試験データ記録に詳細に記録した。この治験実施計画のために、それらのラットを、1、2、3...で始まるイヤークリップ識別番号を用いて識別した。ノート型パソコンは、これらのラットをVCU Animal Number(VAN)1、2、3と識別した。
3.試験計画、試験治療、投与の用量および形態
7日間、1.5mg/kg/hでオキシコドンを皮下注入する、手術により埋め込んだ浸透圧ポンプにより、Sprague Dawleyラット(8例/群)をオキシコドンに肉体的に依存させた。鎮痛薬耐性は、肉体的依存の発現中は低下するので、耐性ラットではオキシコドンの鎮痛薬ED80値(4.8mg/kg)が定量可能なオキシコドン用量となり、それに2:1のオキシコドン/ナロキソン比を基づかせた。別の群のラットには、ビヒクル:ナロキソンを静脈内投与し、OXNを投与した群と比較した。依存症動物において、オキシコドンおよびナロキソンの血漿中レベルを、60分間の観察時間を通して測定した。
用量調製および検定
塩酸オキシコドンを等張食塩水に溶解した。各投与溶液から1つの2〜5mLサンプルを、投与後60分以内に取った。
オピオイドナイーブラットにおける静脈内オキシコドンの痛覚抑制作用の時間的推移
7cmの点まで尾を沈め、ラットがその尾を温水から引っ込める前の潜時を秒で測定することによる、51℃温水尾逃避反射試験(warm-water tail withdrawal)を用いて、8例の雄Sprague Dawleyラットの群におけるベースライン尾逃避反射潜時を得た。その後、2つの群に等張食塩水またはオキシコドンを静脈内投与し、投与後2.5、5、10、15、20、30、40、50および60分の時点で繰り返し検査した。15秒のカットオフ潜時を用いて、あらゆる組織損傷の発現を防止した。尾逃避反射潜時を記録し、そのデータを最大可能効果率(%MPE)に変換した。
ナイーブ動物における静脈内オキシコドン用量応答
用量応答曲線を作成して、静脈内投与されたオキシコドンのED80値を決定した。8例の雄Sprague Dawleyラットの群において、51℃温水尾逃避反射試験で、ベースライン尾逃避反射潜時を得た。個々の群のラットに増分用量のオキシコドン(すなわち、0.15、0.25、0.35、0.45および0.6mg/kg)を投与し、10分後、オキシコドン痛覚抑制のピーク時に検査した。尾逃避反射潜時を記録し、そのデータを最大可能効果率(%MPE)に変換した。最小二乗線形回帰分析、続いてED80値(すなわち、温水尾逃避反射試験において80%MPEを誘発するオキシコドンの用量)の計算を用いてその用量応答曲線を分析した。これらの値は、最小二乗線形回帰分析、続いて95%信頼限界の計算により、算定する。
外科手術手順
セクション3.1において説明するように、動物を無作為化し、1週間順化させた。ビヒクル対照ポンプには滅菌濾過した等張食塩水が入っていた。カリフォルニア州、キューパーティーノのDURECT Corp.からの「Alzet Osmotic Minipumps: Technical Information Manual」に記載されているとおり、Alzet 2ML 1 浸透圧ミニポンプにオキシコドン溶液を充填した。充填済みポンプは、ラットに埋め込む前に3時間、37℃の滅菌等張食塩水に入れておくことにより、プライミングした。10mL/hの量で送達する2ML 1 浸透圧ミニポンプを埋め込むために、イソフルラン USP(米国、ニューヨーク州、メルヴィルのHenry Schein,Inc.)でラットを一時的に麻酔した。(立直り反射および足をつまんだときの反応がないことによって認められるような)麻酔導入後。滅菌はさみを使用して、1.5cmの切開を行い、それを、止血鉗子を用いて皮下、尾方向に拡大して、そのポンプのための皮下空間を開けた。その後、滅菌2ML 1 ポンプを皮下に挿入し、背側に移動させた。ラットをそれらラットのホームケージに戻し、麻酔から完全に回復するまでモニターした。ポンプ送達は、4時間の時点で開始するので(DU REGT Corp.)、ラットの麻酔から回復に1時間かけることができた。従って、時間0は、ポンプ埋め込みの1時間後に始まった。窮迫、薬物毒性、または手術部位での問題について、ラットを毎日モニターした。
埋め込み試験(オキシコドン注入)
ラットにオキシコドンを1.25、1.5、1.75および2.0mg/kg/hで、7日間注入する、埋め込み試験を行った。その後、ビヒクルポンプを埋め込んだラットにおいてオキシコドンのED50値より10倍高い50%MPE鎮痛作用を生じさせると予測されるオキシコドンの用量をラットに負荷した(challenge)(例えば、ビヒクル−P ED50値=0.32mg/kg、従って、10倍=3.2mg/kg)。その負荷用量が、50%より上の%MPE値を生じさせた場合には、その予測耐性レベルが、10倍より低かった。その値が50%より低かった場合には、その予測耐性レベルが、10倍より高かった。その負荷で約50%のMPEを誘発する注入用量を、10倍耐性モデルとして選択した。本発明者らの研究に基づき、1.5mg/kg/hは、ビヒクル−P群のED50値より10倍高い3.2mg/kgのオキシコドンをラットに負荷したとき、ほぼ50%のMPEを生じさせた。
オキシコドン耐性の発現
1.5mg/kg/hで7日間、オキシコドンを注入する2ML 1 ポンプを、幾つかのラット群に埋め込んだ。この後、ED80値を計算するための用量応答曲線を作製するために、漸増用量のオキシコドンを個々の群(8例/群)に負荷した。オキシコドン−ポンプ群とビヒクル−ポンプ群の間の効力比決定を行った。算出されたED80値を用いて、上で説明したようなオキシコドン依存症ラットにおいて退薬症状を引き起こすオキシコドン:ナロキソンの2:1比を計算した。
オキシコドン依存症ラットにおける退薬症状の急発
この実験の目的は、2:1比でのオキシコドン:ナロキソンの静脈内投与の結果として生じる、ナロキソンが引き起こす退薬症状の程度を判定することであった。このモデルにおいて、上で決定したようなオキシコドン耐性ラットから得られた鎮痛薬ED80用量は、試験用量として役立ち、一方、ナロキソンは、その2:1比を維持するためにオキシコドンのED80用量の二分の一で試験することとなる。上で説明したように1.5mg/kg/hで7日間、食塩水ビヒクルまたはオキシコドンのいずれかを注入するAlzet 2ML 1 浸透圧ミニポンプをラットに埋め込んだ。7日後、それらのラットに2:1比のオキシコドン:ナロキソンまたはビヒクル−ナロキソンを静脈内注射し、直ちに観察室に入れて、ナロキソンが引き起こす退薬症状の症候を評定した。オキシコドンポンプを埋め込んだラットについての完全パラメトリック設計には、ビヒクル:ビヒクルおよびオキシコドン:ビヒクルでのラットの試験が必要であった。加えて、このパラメトリック設計は、オキシコドン:ナロキソン 2:1、ビヒクル:ナロキソン、オキシコドン:ビヒクルおよびビヒクル:ビヒクルでのビヒクルポンプラットの試験を必要とした(表33参照)。
表33:パラメトリック試験計画
Figure 2008531650
薬物を静脈内投与したラットにおいて肉体的依存の症候を評価し、その後、60分間の観察時間のために、直ちに、それらラットのホームケージに戻した。下の表37に記載するようなGellet−Holtzman スケールを用いて、ナロキソンが引き起こす退薬症状の症候についてそれらのラットを評価した。この表は、「段階的症候(Graded Signs)」と「チェック症候(Checked Signs)」に分けてあり、重み係数を割り当てている。60分の観察期間中、ラットをこれらの症候について評価し、スコアを収集し、併せた包括的スコアを各ラットに割り当てた。60分についての各々15分の間隔の中での逃避の試みおよび激しい震え(wet-dog shakes)に関する段階的症候を併せて1つの「段階的症候」スコアにすることにより、データを分析した。60分についての各々15分の間隔の中でのチェック症候を分析した。
表34.引き起こされた退薬症候および重み係数のGellert−Holzmann スケール
Figure 2008531650
時間的推移および用量応答
ナイーブ動物に投与した静脈内オキシコドンの時間的推移について、尾逃避反射潜時を記録した。%MPE=[(試験−ベースライン)/(15−ベースライン)] X 100として計算される最大可能効果率 %MPEにそのデータを変換した。2要因反復測定ANOVA、続いてのTurkey’s test(Sigma Stat Statistical Software,SPSS,Inc.)を用いる後付け(post hoc)解析により、時間的推移データを解析した。データを解析して、どのオキシコドン時点が、ベースライン時(すなわち、薬物応答前)と有意に異なるか、およびそれぞれの時点各々でのそれぞれの生理食塩水対照と有意に異なるのかを判定した。最小二乗線形回帰分析を用いて、用量応答曲線を解析した。95%信頼限界を有するED80値の計算は、データを入力するために使用されるPharmTools V1.1.27ソフトウェアを使用して完了した。
総合評価スコア:
合計60分間、15分の間隔の中での段階的症候およびチェック症候、両方についてラットを評定した。逃避の試みおよび激しい震えに関する段階的症候を数えあげ、これに対して、チェック症候、例えば下痢、唾液分泌過多、色素涙などは、その15分間の間に起こらないかまたは起こったと書き留めた。段階的症候とチェック症候の両方にGellertおよびHolzmanによる研究(1978)に基づく数値スコアを割り当て、各動物についての合計値を加えて、総合評点を得た。これらのデータを、2要因ANOVA、続いてのTurkey’s test(Sigma Stat Statistical Software,SPSS,Inc.)を用いる後付け解析で解析して、ビヒクル:ナロキソンおよびオキシコドン:ナロキソンを急性投与したオキシコドン−ポンプラットが、同じ治療薬を投与したビヒクル−ポンプラットと比較して、有意な総合評価スコアを顕在化させたかどうかを判定した。加えて、オキシコドン−ポンプラットにおける総合評価スコアが、ビヒクル:ナロキソンを投与した群とオキシコドン:ナロキソンを投与した群の間で有意に異なったかどうかを、解析により判定した。
段階的退薬症候
逃避の試みおよび激しい震えに関する段階的症候を数え上げ、2要因ANOVA、続いてのTurkey’s testを用いる後付け解析を用いてこれらのデータに関する最終的な統計解析を行って、ビヒクル:ナロキソンおよびオキシコドン:ナロキソンを急性投与したオキシコドン−ポンプラットが、同じ治療薬を投与したビヒクル−ポンプラットと比較して、有意な段階的退薬症候を顕在化させたかどうかを判定した。加えて、オキシコドン−ポンプラットにおける段階的退薬症候が、ビヒクル:ナロキソンを投与した群とオキシコドン:ナロキソンを投与した群の間で有意に異なったかどうかを、解析により判定した。
体重減少
薬物投与前および薬物投与の2.5時間後の体重を得て、その薬物治療の結果として生じた体重減少率を計算した(すなわち、[ベースライン時−2.5時間後)/ベースライン*100=%体重減少)。2要因ANOVA、続いてのTurkey’s testを用いる後付け解析を用いて%体重減少データを解析して、ビヒクル:ナロキソンおよびオキシコドン:ナロキソンを急性投与したオキシコドン−ポンプラットが、同じ治療薬を投与したビヒクル−ポンプラットと比較して、体重の有意な減少を顕在化させたかどうかを判定した。加えて、オキシコドン−ポンプラットにおける%体重減少値が、ビヒクル:ナロキソンを投与した群とオキシコドン:ナロキソンを投与した群の間で有意に異なったかどうかを、解析により判定した。
チェック症候
0〜15分、15〜30分、30〜45分および45〜60分での各時間間隔内のオピオイド退薬中のチェック症候の発生率も統計解析した。分割表 ピアソンのカイ二乗分析(Sigma Stat Statistical Software,SPSS,Inc.)を用いて各時間間隔内のデータを分析して、そのX2値を評価した。14.1の7についての臨界値を越えるX2値は、行動の徴候をチェックするために統計学的に有意な間隔と考えた。
薬物動態
頚静脈にカニューレを挿入したラット(8例/群)の別のセットを薬物動態分析のために用いた。頚静脈にカニューレを挿入したSprague Dawleyラット(ニューヨーク州、ジャーマンタウンのTaconic)を2つの群に無作為に割付け、セクション3.1において説明したように1週間、順化させた。主試験における他のすべての動物群と同様に、セクション3.5において説明したような2ML 1 浸透圧ミニポンプをこれらのPK動物に埋め込み、7日間、1.5mg/kg/hの量でオキシコドンを注入した。7日目、1つの群にビヒクルを静脈内投与して、その2ML 1 浸透圧ミニポンプにより供給されたオキシコドンの血漿中濃度を判定した。第二の群には2:1比のオキシコドン:ナロキソンを静脈内投与した。
採血
投与前、ならびに投与後5分、15分、30分、45分、60分および75分の時点で、各ラットから頚静脈カニューレ経由で約1mLの血液を採取した。
サンプル分析手順の要約
血漿サンプルを得、それらを、質量分析と連携させた2つの液体クロマトグラフィー(LC−MS/MS)法を用いて、オキシコドンおよびナロキソンについて分析した。第一の方法は、0.100mL サンプル量を使用して0.500から50.0ng/mLの範囲にわたる濃度曲線でオキシコドンを定量するために用いた。第二の方法は、0.100mL 血漿量を使用して0.050から25.0ng/mLの範囲にわたる濃度曲線でナロキソンを定量するために用いた。
薬物動態分析
投与後に得られた個々の血漿中濃度データから、WinNonlin Version 4.1(Pharsight Corporation)を使用して非コンパートメント薬物動態測定項目を判定した。このプログラムは、GibaldiおよびPerrierにより説明された標準的な方法(参照 7.2)を用いてデータを解析する。そのアッセイの最低定量限(LLOQ)より下の一切の値を薬物動態分析から除外した。血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC)を線形台形則により概算した。平均計算、記述統計および統計解析は、Microsoft Excel 2003を使用して行い、p≦0.05のとき、統計学的に有意とみなした。
4.結果
4.1 薬理学
ナイーブ動物における静脈内オキシコドン痛覚抑制の経時的研究および用量応答
図44からわかるように、雄Sprague−Dawleyラットへの0.3mg/kg オキシコドン遊離塩基(0.35mg/kg HCl塩)の静脈内投与は、51℃温水尾逃避反射試験において、等張食塩水ビヒクルを静脈内投与したラットと比較して有意な痛覚抑制をもたらした。2要因反復測定ANOVAは、有意な薬物治療 X 反復測定相互作用 F(1,9)=16.12、p<0.001を立証した。Turkey’s testを用いる後付け解析は、痛覚抑制が、最初の試験の2.5分時点で存在すること、および40分間、ベースライン潜時を有意に上回ることを示した。しかし、痛覚抑制は、50分の時点ではビヒクル群より有意に高かった。痛覚抑制のピーク時間は、10分であると判定された。最後に、これらのラットにおいて、明白な徴候、例えば鎮静、運動制御、呼吸作用または毒性に対する影響は、注目されなかった。
用量反応曲線を作成して、静脈内投与されたオキシコドンのED80値を決定した。図45からわかるように、次に、漸増用量のオキシコドンをラットの群に静脈内投与し、10分の時点でそれらを検査することにより、オキシコドン用量応答曲線を作成した。図45からわかるように、静脈内投与されたオキシコドンは、51℃尾逃避反射アッセイにおいて用量依存性痛覚抑制をもたらした。最小二乗線形回帰分析を用いて、その用量応答曲線を解析した。95%信頼限界を有するED80値の計算は、データを入力するために使用されるPharmTools V1.1.27ソフトウェアに含まれている方法を用いて完了した。オキシコドン遊離塩基のED80値は、0.41mg/kgであった(95% CL 0.38から46)。
外科的動物埋め込み試験における用量−応答
7日間、10μL/時の量で等張食塩水を注入するAlzet 2mL 1 ポンプを外科手術によってラットに埋め込んだ。これらのラットは、対照ラットとして役立つように、ビヒクルポンプ埋め込みラットと呼んだ。オキシコドンの効力は、7日のAlzetポンプ埋め込み後、ナイーブラットと比較してわずかに低下した。尾逃避反射応答に対する外科手術、一定した注入およびさらにポンプの物理的存在の影響などの可変要因のため、一般に、大部分のAlzetポンプ埋め込み試験において効力のわずかな低下が観察される。従って、外科手術によって埋め込んだポンプの影響は、潜在的交絡因子として計算から除外されるので、オキシコドンポンプ埋め込みラットVSとビヒクルポンプ埋め込みラットの間の耐性の統計学的比較を行った。
埋め込み試験を行って、オキシコドンの用量反応曲線の8から10倍の右方向シフトを顕在化するオキシコドン注入用量を推定した。1.5mg/kg/hが、10倍の痛覚抑制剤耐性レベルを顕在化すると推測されるラインに近い、最近接注入用量となることが判明した。1.75および2.0mg/kg/hの注入用量は、ずっと高い耐性レベルを生じさせ、一方、1.25は、より低い耐性レベルを生じさせた。
耐性動物における用量−応答
7日の注入期間の後、8から10倍の耐性レベルを生じさせると予想されたので、1.5mg/kg/h オキシコドン注入用量を選択した。下の表36からわかるように、7日のオキシコドン注入は、結果として耐性を生じさせ、このことは、オキシコドンについての用量応答曲線の有意な8.5倍の右方向シフトが示していた。7日間、1.5mg/kg/hで生理食塩水またはオキシコドンを注入する2ML 1 ポンプを外科手術によってラットに埋め込んだ。次に、用量応答曲線を作成するために、オキシコドンの静脈内投与後、51℃温水尾逃避反射試験でそれらのラットを試験した。オキシコドンED80が4.82mg/kgであることが判明した。従って、OXN 2:1比を維持するために、2.4mg/kgとなるように対応するナロキソン用量を選択した。
2:1比のオキシコドン:ナロキソンを用いた場合にオキシコドン依存症ラットにおいてナロキソンが引き起こす退薬症状
オキシコドン依存症ラットにおいて、2:1比のオキシコドン:ナロキソンの静脈内投与後のオピオイド禁断症候(すなわち、退薬症候)を判断するための実験を行った。このモデルの意図は、静脈内経路によるオキシコドン:ナロキソンの潜在的乱用を再現すること、および肉体的依存ラットが有意な禁断を示すことを実証することであった。7日間、1.5mg/kg/hでオキシコドンを注入する2ML 1 浸透圧ポンプを外科手術によって埋め込むことにより、Sprague Dawleyラットを肉体的にオキシコドンに依存させた。試験日に、2:1比のオキシコドン(4.8mg/kg)および2.4mg/kg ナロキソンの痛覚抑制ED80用量をラットに静脈内投与し、60分間、退薬症候について評定した。8例のラットのもう1つの群には、等張食塩水中2.4mg/kg ナロキソンである「ビヒクル:ナロキソン」を投与した。このグループは、ナロキソンにより抑制された退薬症状が存在する状態のオキシコドンのケースにおける肉体的依存の実態を証明するために役立った。
総合評価スコア:
図46は、この試験において対象となる主要な群についての平均総合評点を表すものである。この試験からの幾つかの観察値は、注目に値する。第一に、オキシコドン:ナロキソンまたはビヒクル:ナロキソンを投与したビヒクル−ポンプ群では退薬徴候が観察されなかった。その結果、外科手術およびポンプの存在、いずれもが、内因性オピオイドペプチドのストレスの多い放出(stressful release)を生じさせないことが実証された。
第二に、オキシコドンポンプ群へのビヒクル:ナロキソン(2.4mg/kg)の投与は、結果として、長く続く確固たる退薬症状を生じさせた。退薬症状は、最初の15分間は強く、その後、徐々に低下するが、60分の観察を通して有意に高いままであった。2:1 オキシコドン:ナロキソンを注射したラットにおける退薬症状は、最初の15分以内は明確に顕性であったが、その総合評価スコアは、ビヒクル:ナロキソン群より有意に低かった。しかし、60分までに2:1 オキシコドン:ナロキソン群における総合評価スコアは増加して、退薬症状はビヒクル:ナロキソン群より有意に高くなった。従って、オキシコドン抑制退薬症状ではなく、オキシコドンは、ナロキソンが引き起こす退薬症状の後期を増進するように見えた。
漸変的退薬症候
逃避の試みおよび激しい震えの漸変的症状を数え上げ、2要因ANOVA、続いてのTurkey’s testを用いる後付け解析を用いてこれらのデータに関する最終統計学的解析を行った。図47は、この試験における対象となる主要な群についての平均段階的症候を表すものである。オキシコドン−ポンプ群へのビヒクル:ナロキソン(2.4mg/kg)の投与は、結果として、最初の15分以内に終わる、継続時間が短い確固たる退薬症状を生じさせた。この実験の残り部分を通して、退薬症状は、もはや有意には存在しなかった。この効果は、齧歯動物における段階的症候に対するナロキソンの短期間継続作用を象徴している。同様に、オキシコドン:ナロキソンの投与も、最初の15分以内に退薬症状を生じさせた。退薬症状は、低レベルで存在し、30分から45分までは有意なレベルではなかったが、その後、45分から60分の観察中に統計学的に有意なレベルに増大した。これらの段階的症候は、オキシコドンとナロキソンの併用投与が退薬症状の後期を増進したことを示している。これらの条件下では、ナロキソンが、急性投与されたオキシコドンのミュー・オピオイド受容体における競合拮抗薬として、より強力に作用し得る(図47参照)。
体重減少
加えて、図48からわかるように、7日間、オキシコドンを長期注入したラットは、2.5時間の退薬期間を通して有意な体重減少を経験した。体重減少は、肉体的依存の存在を示す古典的な退薬症候である。統計解析は、ビヒクル:ナロキソン群とオキシコドン:ナロキソン群の間の体重減少率に有意な差がなかったことを示している。
退薬のチェック症候
表35から37(下記)においてわかるように、各時間間隔内のオピオイド退薬中のチェック症候の発生率も、統計解析した。この試験からの幾つかの事項は注目に値し、それらは、さらに説明すべきである。第一に、ナロキソンは、いずれのビヒクル−ポンプ群においても退薬症状を引き起こさなかった。これにより、外科手術も、ポンプの存在も、内因性オピオイドペプチドのストレスの多い放出を生じさせなかったことが証明された。第二に、ビヒクル:ナロキソン群に関しては、ラットは、確固たる退薬症状を経験し、いずれの時点においても依存症の最も重篤な症候のうちの2つ−唾液分泌過多および色素涙−が、多数のラットに存在した。
加えて、退薬のチェック症候は、60分の時点においてまだ存在した。これらの結果は、静脈内投与経路による、極めて低いナロキソン用量も、退薬症状を引き起こすのに非常に有効であったことを示している。第三に、オキシコドン:ナロキソン群に関して、オキシコドンの存在は、60分の観察期間を通してチェック症候の発現を鈍らせなかった。
表35.0〜15分の間隔におけるナイーブラットとオキシコドン依存症ラットの間の引き起こされた退薬のチェック症候の比較
Figure 2008531650
例えば、6/8、15分の間隔の間にその症候を発現したラット数/群内のラット数
*p<0.05、分割表 ピアソンのカイ二乗分析(7dfについての臨界値=14.1)
表36.15〜30分の間隔におけるナイーブラットとオキシコドン依存症ラットの間の引き起こされた退薬のチェック症候の比較
Figure 2008531650
例えば、6/8、15分の間隔の間にその症候を発現したラット数/群内のラット数
*p<0.05、分割表 ピアソンのカイ二乗分析(7dfについての臨界値=14.1)
表37.30〜45分の間隔におけるナイーブラットとオキシコドン依存症ラットの間の引き起こされた退薬のチェック症候の比較
Figure 2008531650
例えば、6/8、15分の間隔の間にその症候を発現したラット数/群内のラット数
*p<0.05、分割表 ピアソンのカイ二乗分析(7dfについての臨界値=14.1)
4.2 薬物動態
生体での事象
頚静脈にカニューレを挿入した動物に首尾よく外科手術手順を施し、2ML 1 浸透圧ミニポンプを埋め込んだ。退薬症状観察のために用いた、カニューレを挿入していない動物と同様に、7日間、1.5mg/kg/hの量でオキシコドンを注入した。それらの動物を2つの群に分けた。試験当日(7日目)、群1にOXN 4.8/2.4mg/kgを静脈内投与し、一方、群2の動物にはビヒクルのみを投与して、7日にわたってその2ML 1 浸透圧ミニポンプにより供給されたオキシコドンの血漿中濃度を判定した。
オキシコドン依存症動物におけるOXNの薬物動態
7日のオキシコドン−ポンプ注入の後、オキシコドン平均(n=6)Cmax値は、429ng/mLであり、定常状態での平均AUC値は、23621ng・分/mLであった。依存症動物へのOXN 4.8:2.4mg/kgの静脈内投与後、オキシコドン平均(n=7)Cmax値は、517ng/mLであり、平均AUC 0−75分値は、26443ng・分/mLであった。統計解析(t試験:等分散を仮定した2標本、および平均のための対の2標本)は、オキシコドン依存症ラットにおけるCmaxおよびAUC値が、ビヒクルまたは4.8:2.4mg/kgのオキシコドン:ナロキソン、いずれの静脈内投与後にも有意差がなかったことを示した。これは、特に両方の群が注入終了時に比較的高いオキシコドンレベルを有した場合、これら2群間のいずれのpKの差を検出するにも十分でなかった75分という短いサンプリング時間に起因し得る。
依存症動物へのOXNの静脈内投与後、退薬症状観察に関連する平均(n=7)Cmax値は、オキシコドンについては517ng/mLであり、ナロキソンについては124ng/mLであり、その結果、4.2:1の対応する血漿中オキシコドン:ナロキソン比となった。平均AUC075分値は、オキシコドンについては26443ng・分/mLであり、ナロキソンについては5889ng・分/mLであり、その結果、4.5:1の血漿中オキシコドン:ナロキソン比となった。薬理学の観察と一致して、OXNを静脈内投与した動物での血漿中の個々のオキシコドン:ナロキソン比は、退薬の後期においても低いままであり、例えば75分の時点は、3:1から7:1の範囲にわたる血漿中オキシコドン:ナロキソン比を示した。
5.結論
OXNの静脈内投与は、60分の観察期間を通して退薬の段階的症候とチェック症状の両方により判断して、有意なナロキソン退薬症状を生じさせた。実際、オキシコドン:ナロキソン 2:1比は、ナロキソンのみを投与したラットと比較して退薬の後期を増進するように見えた。従って、退薬症状を抑制するのではなく、オキシコドンは、ナロキソンが引き起こす退薬症状の後期を持続させるように見えた。血漿中の低いオキシコドン:ナロキソン比は、60分の観察期間を通して、退薬症状を伴うように見えた。これは、OXNを投与した動物での個々の血漿中オキシコドン:ナロキソン平均比が退薬の後期においても低いままであった薬理学的観察と一致する。
実験6
オキシコドンおよびナロキソンの薬物動態に対する生産規模拡大(production upscale)の影響
1.目的
この試験の目的は、主要尺度としてのAUC比およびCmax比を比較することにより、小規模バッチとして製造した固定配合PR錠剤 OXN 10/5(10mg オキシコドンHClおよび5mg ナロキソンHClを含有)と大規模バッチとして製造したOXN 10/5からのオキシコドンとナロキソン(または代用薬)の両方の生体内利用率等価性を確立することであった。
さらなる目的は、AUC比を比較することにより、小規模バッチとして製造した固定配合PR錠剤 OXN 40/20(40mg オキシコドンHClおよび20mg ナロキソンHClを含有)と大規模バッチとして製造したOXN 40/20からのオキシコドンとナロキソン(または代用薬)の両方の生体内利用率等価性を確立することであった。
2.試験集団
登録した被験者の総数は、40であった。組み入れの基準は、臨床的に有意な病歴を有さない18〜50歳の年齢の健常な男性および女性で、(該当する場合)一般開業医が臨床試験への参加に適することを認めた者であった。
3.試験計画、試験治療、投与の用量および形態
投与する製剤
実施例2の場合と同じ製剤を投与した。
試験計画
この試験は、非盲検、単回用量、無作為化、4治療、4期クロスオーバー試験であった。
試験治療および投与形態
オキシコドン/ナロキソン PR錠剤 10/5(OXN 10/5)、10mgのオキシコドンHClおよび5mgのナロキソンHClを含有するPR配合錠剤、ならびにオキシコドン/ナロキソン PR 錠剤 40/20(OXN 40/20)、40mgのオキシコドンHClおよび20mgのナロキソンHClを含有するPR配合錠剤、を使用した。両方の試験治療薬は、押出成形製剤であり、大規模バッチとして製造した。
治療A:10時間の前夜絶食後に経口摂取される、4錠のOXN 10/5(大規模バッチ)
治療B:10時間の前夜絶食後に経口摂取される、1錠のOXN 40/20(大規模バッチ)
標準治療薬は、オキシコドン/ナロキソン PR 錠剤 10/5(OXN 10/5)、10mgのオキシコドンHClおよび5mgのナロキソンHClを含有するPR配合錠剤、ならびにオキシコドン/ナロキソン PR 錠剤 40/20(OXN 40/20)、40mgのオキシコドンHClおよび20mgのナロキソンHClを含有するPR配合錠剤、であった。標準治療薬は、押出成形製剤であり、小規模バッチとして製造した。
治療C:10時間の前夜絶食後に経口摂取される、4錠のOXN 10/5(小規模バッチ)
治療D:10時間の前夜絶食後に経口摂取される、1錠のOXN 40/20(小規模バッチ)
治療の継続時間および試験の継続時間:
合計49〜52日間で、スクリーニング期間21日以上で、4つの治療期間の各々について96時間の薬物動態サンプリングを行った。これは、各治療期間の投与の間に7日間のウォッシュアウト、および最後の治療期間の投与後の試験後評価7〜10日間を含む。
薬物濃度の測定
それぞれの試験期間の第1日における投与前、ならびに投与後0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、5、6、8、10、12、16、24、28、32、36、48、72および96時間の時点(1投与期間につき22の血液サンプル)。
投与後12時間以内に被験者が嘔吐を経験した場合、その試験期間の残りについてはさらなる薬物動態血液サンプリングを行うことができなかった。
生体分析法
有効な生体分析アッセイにより、それらの血漿サンプルを、オキシコドン、ノルオキシコドン、オキシモルホンおよびノルオキシモルホンについて、ならびにナロキソン、6β−ナロキソール、ナロキソン−3−グルクロニドおよび6β−ナロキソールグルクロニドについて分析した。
薬物動態分析:
すべての分析についての薬物動態パラメータを、治療薬ごとに記述する方式で要約した。データを1つの治療期間についてしか集めなかったので、さらなる薬物動態分析は行わなかった。
4.結果
血漿中濃度−時間データは、1つの治療期間についてしか集めなかった。従って、治療間のいずれのクロスオーバー比較も行うことができなかった。従って、いずれの治療薬についても正式な統計学的評定を行わず、派生した薬物動態パラメータについての記述統計に限定された。
下の表38に要約した平均パラメータは、同じ強度の治療薬群間には見掛けの差がなかったことを示しており、ならびに小さな実験規模のバッチと大きな生産規模のバッチの間に該当する差がなかったことを支持している。
表38:薬物動態パラメータ
Figure 2008531650
上の実験は、オキシコドンのナロキソンに対する2:1の比が、鎮痛作用をもたらすこと、良好な忍容性をもたらすこと、腸機能の改善をもたらすこと、副作用の低減をもたらすこと、副作用の増加をもたらさないことず、食物による影響を生じさせないことに特に適し、およびオピオイド依存症の被験者における退薬症状に影響を及ぼすことを明確に立証している。
上述に鑑みて、本発明の一部の実施形態は、次のことに関する:
1.オキシコドンおよび/またはその医薬的に許容される塩ならびにナロキソンおよび/またはその医薬的に許容される塩を含む剤形であって、ヒト患者への投与後、約1から約17時間で、約2から約15時間で、約3から約8時間で、または約4から約5時間で、オキシコドンまたは医薬的に許容される塩についてのtmaxをもたらす剤形。
2.疼痛治療中の腸機能の改善、詳細には、ヒト患者への投与後に、少なくとも約5、少なくとも約8、少なくとも約10または少なくとも約15の平均腸機能スコアの改善をもたらし、ここで、前記平均腸機能スコアは、0から100にわたる数値アナログスケールで測定される、前記1に記載の剤形。
3.ヒト患者への投与後、少なくとも約12時間または少なくとも約24時間、鎮痛作用をもたらす、前記1または2に記載の剤形。
4.約100ng・h/mLから約600ng・h/mL、約400ng・h/mLから約550ng・h/mL、または約450ng・h/mLから約510ng・h/mLのオキシコドンについてのAUCt値をもたらす、前記1から3のいずれかに記載の剤形。
5.約5ng/mLから約50ng/mL、約30ng/mLから約40ng/mL、または約35ng/mLのオキシコドンについてのCmaxをもたらす、前記1から4のいずれかに記載の剤形。
6.オキシコドンおよび/またはナロキソンが、持続的な様式、一様な様式、および/または独立した様式で製剤から放出される、前記1から5のいずれかに記載の剤形。
7.オキシコドンおよび/またはナロキソンが、医薬的に許容される塩の形態で存在する、前記1から6のいずれかに記載の剤形。
8.オキシコドンおよび/またはナロキソンが、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、酒石酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、重酒石酸塩、リン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、フマル酸塩またはコハク酸塩の形態で存在する、前記1から7のいずれかに記載の剤形。
9.オキシコドンまたはその医薬的に許容される塩が、ナロキソンの単位投与量より過剰な単位投与量で存在する、前記1から8のいずれかに記載の剤形。
10.ナロキソンまたはその医薬的に許容される塩が、約1から約50mg、約5から約20mg、または約10mgの量で存在する、前記1から9のいずれかに記載の剤形。
11.オキシコドンまたはその医薬的に許容される塩が、約10から約150mg、約20から約80mgまたは約40mgの量で存在する、前記1から10のいずれかに記載の剤形。
12.オキシコドンまたはその医薬的に許容される塩およびナロキソンまたはその医薬的に許容される塩が、25:1、20:1、15:1、5:1、4:1、3:1、2:1または1:1の重量比範囲で存在する、前記1から11のいずれかに記載の剤形。
13.前記製剤が、非膨潤性かつ非腐食性の分散マトリックスを含む、前記1から12のいずれかに記載の剤形。
14.前記分散マトリックスが、少なくとも1種のエチルセルロース成分および少なくとも1種の脂肪アルコールを含む、前記13に記載の剤形。
15.前記製剤が、充填剤、滑沢剤、流動剤および/または可塑剤を含む、前記1から14のいずれかに記載の剤形。
16.前記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムおよび/またはラウリン酸カルシウムおよび/または脂肪酸から選択され、好ましくはステアリン酸である、前記15に記載の剤形。
17.前記流動剤が、高分散シリカ、好ましくはAerosil(登録商標)、滑石、コーンスターチ、酸化マグネシウムならびにステアリン酸マグネシウムおよび/またはステアリン酸カルシウムから選択される、前記15または16に記載の剤形。
18.前記脂肪アルコールが、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、セリルアルコールおよび/またはセチルアルコールから選択され、好ましくはステアリルアルコールである、前記14から17のいずれかに記載の剤形。
19.前記エチルセルロース成分が、エチルセルロースを含有するポリマー混合物である、前記14から18のいずれかに記載の剤形。
20.前記剤形が、経口適用、経鼻適用、直腸内適用のために、および/または吸入による適用のために調合されている、前記1から19のいずれかに記載の剤形。
21.前記剤形が、錠剤、ピル、カプセル、顆粒および/または粉末である、前記1から20のいずれかに記載の剤形。
22.前記剤形またはその前駆物質が、押し出しにより製造される、前記1から21のいずれかに記載の剤形。
23.承認ガイドラインに従って標準条件(60% 相対湿度、25℃)下での少なくとも2年の期間にわたる安定な保存に適する、前記1から22のいずれかに記載の剤形。
24.疼痛治療のための医薬製剤を製造するための、前記1から23のいずれかに記載の剤形の使用。
25.疼痛および疼痛治療中の便秘を治療するための医薬製剤を製造するための、前記1から23のいずれかに記載の剤形の使用。
このように本発明の好ましい実施形態を詳細に記載したが、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本発明の多数の明らかな変形が可能であるので、上のパラグラフによって定義した本発明が、上の説明に記載した特定の詳細に限定されないことは、理解されるはずである。
本明細書の中または本明細書において参照したあらゆる書類の中で言及されているあらゆる製品についてのあらゆる製造業者の使用説明書、記載、製品仕様書および製品概要説明書を含む、本明細書において引用または参照したすべての書類(「本明細書引用書類」)は、本明細書に参考として取り入れられている。本出願におけるあらゆる書類の引用および確認は、そうした文献を本発明に対する先行技術として利用することができることの承認ではない。例として与えた詳細な説明は、記載した特定の実施形態だけに本発明を限定するためのものではない。
腸機能の評定方法での使用に適する、腸機能指数(BFI3)を評定するための紙票を示す図である。 腸機能の評定方法での使用に適する、円形腸機能指数(BFI3)メーターを示す図である。 実施例1において試験した患者群の人口統計を示す図である。 実施例1において試験した患者群の人口統計を示す図である。 実施例1の臨床試験についての試験計画の概略を示す図である。 実施例1のITT集団における各試験の訪問時における平均腸機能値を、用量比別にまとめた表である。 実施例1のITT集団における各試験の訪問時における平均腸機能値を、ナロキソンの絶対用量別にまとめた表である。 実施例1のITT集団における各試験の訪問時における平均腸機能値を、同じオキシコドン/ナロキソン用量比をもたらすナロキソンの絶対量別にまとめた表である。 実施例1のプラシーボに対するナロキソンの各用量についての差に関する検証をまとめた表である。 実施例1のモデルパラメータのRSREG推定値に基づき調査した全用量範囲の曲面プロットを示す図である。 実施例1の10の造粒物での腸機能の等高線プロットを示す図である。 実施例1において試験した製剤の包括的評定についての結果を示す図である。 実施例1において試験した製剤の包括的評定についての結果を示す図である。 実施例1において試験した製剤の包括的評定についての結果を示す図である。 実施例1において試験した製剤の包括的評定についての結果を示す図である。 実施例1において説明した臨床試験中の緩下剤摂取についての結果を示す図である。 実施例1において説明した臨床試験中の緩下剤摂取についての結果を示す図である。 実施例1の臨床試験において観察された有害事象についての結果を示す図である。 実施例1の臨床試験において観察された有害事象についての結果を示す図である。 実施例1の臨床試験において観察された有害事象についての結果を示す図である。 実施例1の臨床試験において観察された有害事象についての結果を示す図である。 実施例2のオキシコドンについての平均実測血漿中濃度−時間曲線を示す図である。 実施例2のナロキソン−3−グルクロニドについての平均実測血漿中濃度−時間曲線を示す図である。 実施例2のナロキソンについての平均実測血漿中濃度−時間曲線を示す図である。 実施例2のノルオキシコドンについての平均実測血漿中濃度−時間曲線を示す図である。 実施例2のオキシモルホンについての平均実測血漿中濃度−時間曲線を示す図である。 実施例2のノルオキシモルホンについての平均実測血漿中濃度−時間曲線を示す図である。 実施例2の6−β−ナロキソールについての平均実測血漿中濃度−時間曲線を示す図である。 実施例3の臨床試験の試験計画を説明する図である。 実施例3の臨床試験において観察されたオキシコドンの薬物動態パラメータについての結果を示す図である。 実施例3の臨床試験において観察されたナロキソン−3−グルクロニドの薬物動態パラメータについての結果を示す図である。 実施例3の臨床試験において観察されたオキシコドンの薬物動態パラメータについての結果を示す図である。 実施例3の臨床試験において観察されたオキシコドンの薬物動態パラメータについての結果を示す図である。 実施例3の臨床試験において観察されたナロキソン−3−グルクロニドの薬物動態パラメータについての結果を示す図である。 実施例3の臨床試験において観察されたナロキソン−3−グルクロニドの薬物動態パラメータについての結果を示す図である。 実施例3の臨床試験において観察されたナロキソンの薬物動態パラメータについての結果を示す図である。 実施例3の臨床試験において観察されたナロキソンの薬物動態パラメータについての結果を示す図である。 実施例4の臨床試験の試験計画を説明する図である。 実施例4の実験的疼痛モデルおよび実施例4において測定されたパラメータを説明する図である。 実施例4の実験的疼痛モデルおよび実施例4において測定されたパラメータを説明する図である。 実施例4において測定された、疼痛関連誘発される電位および平均持続性疼痛スコアについての結果を示す図である。 実施例4において測定された、疼痛関連誘発される電位および平均持続性疼痛スコアについての結果を示す図である。 実施例4において測定された、疼痛関連誘発される電位および平均持続性疼痛スコアについての結果を示す図である。 実施例4において測定された、疼痛関連誘発される電位および平均持続性疼痛スコアについての結果を示す図である。 実施例4において測定された、疼痛関連誘発される電位および平均持続性疼痛スコアについての結果を示す図である。 実施例5のラットにおける静脈内オキシコドンについての薬物動態パラメータの判定を示す図である。 実施例5のラットにおける静脈内オキシコドンについての用量−応答曲線を示す図である。 実施例5における退薬症状の発生についての結果を示す図である。 実施例5における退薬症状の発生についての結果を示す図である。 実施例5における退薬症状の発生についての結果を示す図である。 実験1において測定した、オピオイドにより誘発される典型的な有害事象およびナロキソンにより誘発される典型的な有害事象についての合計スコアを示す図である。 実験1において測定した、オピオイドにより誘発される典型的な有害事象およびナロキソンにより誘発される典型的な有害事象についての合計スコアを示す図である。 実験1において測定した、オピオイドにより誘発される典型的な有害事象およびナロキソンにより誘発される典型的な有害事象についての合計スコアを示す図である。 実験1において測定した、オピオイドにより誘発される典型的な有害事象およびナロキソンにより誘発される典型的な有害事象についての合計スコアを示す図である。

Claims (26)

  1. オキシコドンおよび/またはその医薬的に許容される塩ならびにナロキソンおよび/またはその医薬的に許容される塩を含む剤形であって、健常なヒト被験者への単回用量投与後、約1から約17時間で、約2から約15時間で、約3から約8時間で、または約4から約5時間で、オキシコドンまたは医薬的に許容される塩についてのtmaxをもたらす剤形。
  2. 疼痛治療中の腸機能の改善、詳細には、ヒト患者への定常状態での投与後に、少なくとも約5、少なくとも約8、少なくとも約10または少なくとも約15の平均腸機能スコアの改善をもたらし、ここで前記平均腸機能スコアは、0から100にわたる数値アナログスケールで測定される、請求項1に記載の剤形。
  3. ヒト患者または健常なヒト被験者への定常状態での投与後、少なくとも約12時間または少なくとも約24時間、鎮痛作用をもたらす、請求項1または2に記載の剤形。
  4. 健常なヒト被験者への単回用量投与後に約100ng・h/mLから約600ng・h/mL、約400ng・h/mLから約550ng・h/mL、または約450ng・h/mLから約510ng・h/mLのオキシコドンについてのAUCt値をもたらす、請求項1〜3のいずれかに記載の剤形。
  5. 健常なヒト被験者への単回用量投与後に約5ng/mLから約50ng/mL、約30ng/mLから約40ng/mLまたは約35ng/mLのオキシコドンについてのCmaxをもたらす、請求項1〜4のいずれかに記載の剤形。
  6. 50%より多くの患者において、好ましくは70%より多くの患者において、効能に関して良好または非常に良好と格付けされる、請求項1〜5のいずれかに記載の剤形。
  7. 60%より多くの患者において、好ましくは70%またはさらに80%より多くの患者において、忍容性に関して良好または非常に良好と格付けされる、請求項1〜6のいずれかに記載の剤形。
  8. 緩下剤の摂取を伴う日数を少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、さらに好ましくは少なくとも25%、さらにいっそう好ましくは少なくとも30%減少させる、請求項1〜7のいずれかに記載の剤形。
  9. 改善された副作用プロフィールをもたらす、請求項1〜8のいずれかに記載の剤形。
  10. 食物による影響を示さない、請求項1〜9のいずれかに記載の剤形。
  11. オピオイド依存症のヒト被験者において退薬症状を引き起こす、請求項1〜10のいずれかに記載の剤形。
  12. オキシコドンおよび/またはナロキソンが、塩酸塩の形態で存在する、請求項1〜11のいずれかに記載の剤形。
  13. オキシコドンまたはその医薬的に許容される塩およびナロキソンまたはその医薬的に許容される塩が、2:1の重量比の範囲で存在する、請求項1〜12のいずれかに記載の剤形。
  14. ナロキソンまたはその医薬的に許容される塩が、約10から約40mg、好ましくは約20mgの量で存在し、ならびにオキシコドンまたはその医薬的に許容される塩が、約10から約160mg、好ましくは約80mgまたは約40mgの量で存在する、請求項1〜13のいずれかに記載の剤形。
  15. オキシコドンおよび/またはナロキソンが、その製剤から持続的な様式、一様な様式、および/または独立した様式で放出される、請求項1〜14のいずれかに記載の剤形。
  16. 前記製剤が、非膨潤性かつ非腐食性の拡散マトリックスを含む、請求項1〜15のいずれかに記載の剤形。
  17. 前記拡散マトリックスが、少なくとも1種のエチルセルロース成分および少なくとも1種の脂肪アルコールを含む、請求項16に記載の剤形。
  18. 前記脂肪アルコールが、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、セリルアルコールおよび/またはセチルアルコールから選択され、好ましくはステアリルアルコールである、請求項17に記載の剤形。
  19. 前記エチルセルロース成分が、エチルセルロースを含有するポリマー混合物である、請求項17または18に記載の剤形。
  20. 前記剤形が、経口適用、経鼻適用、直腸内適用のため、および/または吸入による適用のために調合されている、請求項1〜19のいずれかに記載の剤形。
  21. 前記剤形またはその前駆物質が、押し出しにより製造される、請求項1〜20のいずれかに記載の剤形。
  22. FDAまたはEMEAによる承認ガイドラインに従って標準条件(60% 相対湿度、25℃)下での少なくとも2年の期間にわたる安定な保存に適する、請求項1〜21のいずれかに記載の剤形。
  23. 疼痛治療用の医薬製剤を製造するための、請求項1から22に記載のいずれかの剤形の使用。
  24. 疼痛および疼痛治療中の便秘を治療するための医薬製剤を製造するための、請求項23に記載の使用。
  25. 疼痛の治療と同時に乱用を予防または減少させもする医薬製剤を製造するための、請求項23または24に記載の使用。
  26. 前記剤形が、ヒト患者への、定常状態でのまたは単回用量の1日1回もしくは1日2回の投与に適する、請求項23から25のいずれかに記載の使用。
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