JP2008529967A - ドラッグデリバリーシステムとしての抗体結合陽イオン性エマルジョン - Google Patents

ドラッグデリバリーシステムとしての抗体結合陽イオン性エマルジョン Download PDF

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Abstract

陽性の水中油滴型エマルジョンおよび抗体を含む複合製品であって、ここで該エマルジョンはその未改質の状態で油−水界面に遊離のNH2 を提示する化合物を有し、該化合物はヘテロ2官能性リンカーにより該抗体に結合され、該リンカーは該NH2 基を抗体のヒンジ領域上のSH基に結合している、前記複合製品。

Description

本発明は、ドラッグデリバリーシステム(薬剤送達系)およびかかるドラッグターゲティングシステム(薬剤標的化系)を製造する方法に関する。
本願発明はまた、薬剤、診断薬、およびその他の生理学的に有効な物質を哺乳類の体内の標的に向かわせ、そして送達するための有用な方法に関する。
がんは世界における主要な死亡原因の一つであり、米国では2番目の死亡原因である。各種のがん疾患の中で、乳がんは黒色腫皮膚がんを除き女性において最もよくみられるがんである。膵臓がんは米国におけるがん死亡の第4番目の主要原因であり、結腸直腸がんは2003年において57,000人の死亡を引き起こすと予想される。慣用のがん治療法は強力であり、顕著な副作用を生じ、そして治療すべき悪性の器官の近傍の健康な組織に損傷を生じさえする。抗がん剤の標的腫瘍への特異性向上の要望により多くの革新的な治療戦略がもたらされた。最近、新規で刺激的なバイオテクノロジー分野が、特にがんにおける治療用モノクローナル抗体 (MAb)の承認により現われている [1]。この20年にわたり、がんの進行はしばしば腫瘍抗原と称される1種または数種の蛋白質の過発現に伴うことが観察されてきた [2]。p185HER2 (HER2) 受容体チロシンキナーゼに対する主要なMAb 、トラスツズマブ (trastuzumab)が開発された。HER-2 は乳がん、肺がん、卵巣がんおよびその他のがんの病因において重要な役割を果たし [3]、かかるがんにおいて過発現する。HER-2 過発現は明らかに乳がんの悪い予後と関連している [4,5]。従って、正常細胞を残しながらがん細胞を標的とする手段として、がん治療のためのモノクローナル抗体の使用が示唆された。市場におけるMAb の中で、リツキシマブ (rituximab)およびトラスツズマブ (それぞれRituxan TMおよびHerceptin TM )はがんの治療において将来性ある有望な結果を示し、著しく発展し続けている [6]。
MAb を単一の薬剤として使用するのは、満足のいく治療応答を生じさせるのに十分でない場合がある。さらに、腫瘍細胞株を用いた臨床前研究において、トラスツズマブはある種の化学療法剤と相加的および相乗的効果を有することが見出された [2,7]。トラスツズマブと各種の化学療法剤、特にパクリタキセル (paclitaxel) との組み合わせを検討する臨床試験が既に肺がんにおいて進行中である[8] 。研究者等は腫瘍組織に対するMAb の高い親和性を利用し、MAb を毒素または放射により抗原キャリア細胞を破壊する放射性アイソトープに結合することにより革新的で有効な治療策略を設計した (放射免疫治療) [9] 。悪性細胞におけるH-フェリチンの過発現に関する矛盾するデータ [11] にもかかわらず、最近、多数の臨床研究により、再発性ホジキン病 (HD) の患者におけるイットリウム標識ポリクローナル抗フェリチンの治療的使用についての将来性ある結果が報告されている [10] 。このように、より効果的な腫瘍ドラッグターゲティングを達成する試みにおいて、モノクローナル抗体は、有効な親水性および/または親油性薬剤を閉じ込めうるリポソーム (免疫リポソーム) 、ナノ粒子およびエマルジョン (免疫エマルジョン) などのコロイド状キャリヤーと結合されている。これらの免疫コンジュゲートは、抗体による抗原部位の特異的認識、およびかかる腫瘍抗原を過発現する胸部、大腸または膵臓に位置するかもしれない近づき難い病的な標的組織近くへのコロイド状デリバリーシステムによる各種細胞毒性薬剤の放出を確実にするはずである。事実、免疫リポソームは最近報告されたように、向上した腫瘍標的化ドラッグデリバリーのための新規な将来性ある方策を提供する [12-19]。さらに、ポリエチレングリコール−結合Fab'断片を有する免疫リポソームが、長い循環時間と、in vivo での標的とされる固形がんへの高い管外遊出を示すことが報告された [15] 。しかし、周知のようにこれらの敏感なリポソーム製品は物理化学的に不安定であるため、実現可能な製品を最終的に市販することを意図するならば克服の必要がある障害が残る。さらに、これらのリポソームキャリヤーのほとんどは、各種がんにおける固形腫瘍の治療のための最も将来性ある細胞毒性薬剤の1つであるパクリタキセルなどの親油性/疎水性の有効成分の有意な用量を取り込むことができず、その可能な臨床効力を制限し、一方、エマルジョンは疎水性薬剤、特にリポソームに対する利点を強調しているパクリタキセル [20] を有意なレベルで取り込みうる。Lundberg等 [21] は、ポリエチレングリコール修飾ホスファチジルエタノールアミンで安定化した負に帯電した長期循環性サブミクロンエマルジョンを、抗−B細胞リンパ腫MAb LL2 と結合させた。彼らは、このコンジュゲートがB細胞悪性腫瘍に対する抗がん剤のより特異的送達のための有用なドラッグ−キャリヤー系であるかもしれないことを示した。in vivo のデータはまだ提示されておらず、研究は未だ予備的段階にある。
発明者等により開発され研究された陽イオン性サブミクロンエマルジョンは生理学的陽イオンの存在下で安定であり、in vivo で負に帯電した生物学的膜と相互作用でき、一方RES 取り込みからは免れる [22] 。さらに、細胞培養の検討においては、陽イオン性エマルジョンは治療用薬剤の細胞内侵入を向上させることが示された [23、24] 。
HER-2 蛋白質は、非悪性組織でのその限定された発現および形質転換細胞の悪性表現型に対するその寄与により、免疫学に基づく抗腫瘍療法の魅力的な標的となる。HER-2/neu を標的とするトラスツズマブは、化学療法と組み合わせると、HER-2 を過発現する転移性乳がんの患者に対して生存を高める利点があり、同様にHER-2 を発現するかもしれない他の種類の悪性腫瘍に対して治療効果の可能性を高める。さらに、その他のがんにおいてトラスツズマブは単一剤としては有効でないことが示された。
AMB 8LK 抗体はH-フェリチンに高い親和性を示す。フェリチンはほとんどのヒト細胞において発現する蛋白質であり、細胞内の鉄貯蔵体として働く。この分子の構造データより、これが金属鉄原子の核を含む、アポフェリチンと称される糖蛋白質の外殻から構成される巨大分子であることが分かる。アポフェリチンは440kD の分子量を有する。HおよびLと称される2種類のサブユニットが種々の割合で会合している。フェリチンはサブユニットの種類により酸性であるか塩基性である。塩基性フェリチンの役割はよく知られてるが、酸性フェリチンの正確な役割は最近解明されているにすぎない。フェリチンとがんの関係についての初期の考察は、各種悪性腫瘍の患者の血清における全フェリチンの増加および酸性 (H-リッチ) フェリチンへの変化を実証する研究に由来する [26] 。続いて、腫瘍組織自体におけるフェリチンのレベルの解明により、複雑な、おそらく疾患特異的な病像が明らかにされた。例えば大腸がん [27] 、精巣セミノーマ[28]および乳がん [29-30]などのある症例では、腫瘍組織においては対応する正常組織に対してフェリチンの増加が報告された。VriensendorpおよびQuadriは、ホジキン病において血中のフェリチンのレベルが500 ng/ml 程度であることを最近報告した [10] 。確率的検討により、2.5 gのウサギ抗ヒトフェリチンIgG をiv (静脈内) 投与すると循環中に主に1:1の免疫複合体を形成することが分かる[31]。抗原−抗体複合体は腫瘍標的化を妨げないか、あるいは免疫複合疾患を生じない。さらに、Vriensendorpおよび同僚は、臨床研究において、放射標識抗フェリチンは腫瘍間質を標的とし、再発性HD患者において免疫学的効果ではなく放射線により腫瘍を縮小させることを示した [32] 。注入された放射標識抗フェリチンの5%未満がHD患者の尿中に除去される。さらに、血中放射能の40時間の有効二次半減期と、2.5 以下のα:β比により、放射標識ウサギ抗フェリチンがin vivo で安定であることが分かる [33, 34] 。最後に、抗フェリチンはまた正常精巣および血液中に見出されるフェリチンを標的とするが、HD患者においては血液プール放射能は10〜16週間で通常自然に消失する血液学的毒性とよく関連することが見出された。HD患者では急性の副作用は認められなかった [10, 31] 。以前の臨床研究において用いられた抗体はポリクローナルウサギ抗ヒトフェリチンであったことは強調されるべきである。WO 01/52889 に開示されたMonoclonal Antibodies Therapeutics (MAT)社 (フランス、エブリー) 製のモノクローナル抗体であるAMB 8LK は、すべてのイソフェリチン (酸性および塩基性) に共通のエピトープを認識する。AMB8LKは特定の器官に著しい親和性を示すことが示され、アイソトープと結合すると、ホジキン病および膵臓や肺 (NSCLC)がんのようなその他の腫瘍の診断および治療に使用できる。
最後に、難治性ホジキン病の治療のための抗フェリチンポリクローナル抗体のイットリウム90との結合 (MAT 社、フランス、エブリー) について、EC Ophan Medicical Products Committee (EC 希少医薬品委員会) によりOrphan Drug Status (希少医薬資格) が最近認められた。この認可は、抗フェリチンが優先的にHD患者の腫瘍に取り込まれうるという納得のいく証拠を提供する。
免疫エマルジョン製剤の治療有効性を改善し、化学療法に関連する有害な副作用を減少させるためには、悪性の細胞上に発現する抗原に対する特異的リガンドを介して抗がん剤担持エマルジョンを選択的に標的化する必要がある。
従って、本発明の目的は、薬剤を標的化するための組成物および方法を提供することである。
本発明は、陽性の水中油滴型エマルジョン(陽性の油−水エマルジョン)、および抗体を含む複合製品であって、ここで該エマルジョンはその本来の(未改質の)状態で油−水界面に遊離のNH2 基を提示する化合物を有し、該化合物はヘテロ2官能性リンカーにより該抗体に結合され、該リンカーは該NH2 基を抗体のヒンジ領域上のSH基に結合している、前記複合製品に関する。
本発明はより詳しくは、正のゼータ電荷を有する複合製品に関する。
本発明はまた、遊離NH2 基を提示する前記化合物が、C10〜C24アルキルアミン、C10〜C24アルカノールアミンおよびコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも1種の陽イオン性脂質である複合製品に関する。
本発明はまた、遊離NH2 基を提示する前記化合物がステアリルアミンまたはオレイルアミンである複合製品にも関する。
さらに、本発明は、前記エマルジョンが界面膜に囲まれた油状の核を有するコロイド粒子を含み、該界面膜が未改質の状態で遊離NH2 基を提示する前記化合物、非イオン性界面活性剤および陰イオン性界面活性剤もしくは陰イオン性脂質を含み、該コロイド粒子が正のゼータ電位を有する、複合製品に関する。
かかるエマルジョンは国際出願WO 03/053405に開示されている。
より詳しくは、本発明は前記エマルジョンが薬理学的に活性な物質を含有する複合製品を教示している。
本発明はまた、前記抗体がポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体からなる群より選択される、複合製品にも関する。モノクローナル抗体は未変性の形態、合成形態、キメラ形態またはヒト化形態で使用できる。
より詳しくは、本発明の複合製品において、抗体は病的細胞の表面に存在する抗原を標的とする。
より詳しくは、本発明の複合製品において、前記抗体はHER-2 、H-フェリチン、前立腺−特異的膜抗原 (PSMA) またはムチン (高度のグリコシル化を特徴とすると高分子量糖蛋白質。MUC1はこれまでクローン化された9つのムチンの中で最も特性が明らかにされている。MUC1は前立腺がんおよび転移性前立腺がんにおいて過発現する) 、CD44 (7種のAML ,Acute Myeloid Leukemia,急性骨髄性白血病のサブタイプにおいて白血病細胞で発現する細胞表面抗原) および網膜S-抗原 (網膜S-抗原 (S-Ag) から製造されるハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体は試験したすべての種 (ヒト、ウシ、モルモットおよびラット) の網膜ミュラー細胞に強い特異的結合を示した)[35] からなる群より選択される蛋白質を標的とする。
さらに詳しくは、前記抗体はAMB8LK抗体であり、より具体的にはペプシンによる消化後に得られる断片形のF(ab)2である。
本発明はまた、前記ヘテロ2官能性リンカーが、N-1 ステアリル−マレイミド (SM) 、オレイルマレイミド、スクシニミジルトランス-4-(マレイミジルメチル)-シクロヘキサン-1- カルボキシレート (SMCC) 、およびスクシニミジル3-(2- ピリジルジチオ) プロピオネート (SPDP) からなる群より選ばれる複合製品に関する。
さらに、本発明は、下記工程を含む、前記複合製品を製造するための方法に関する:
a)ヒンジ領域に遊離SH基を得るために場合により抗体を還元する工程、
b)前記複合製品を得るために、陽性エマルジョンを遊離SH基を提示する抗体と混合する工程、ここで該エマルジョンは未改質の状態で遊離NH2 基を含む化合物を含有し、該化合物は、該NH2 基によりヘテロ2官能性リンカーに結合されている。
工程a)は既知の方法、例えばHermanson [36]により開示された方法により実施される。
より詳しくは、本発明は、工程b)における前記陽性エマルジョンを以下により得る方法を教示する:
i.改質化合物を得るために、陽性エマルジョンを得るのに使用される化合物上に本来存在する遊離NH2 基にリンカーを結合する、
ii. 陽性エマルジョンを得るために、未改質の状態では遊離のNH2 基を含有する前記改質化合物を、エマルジョンを得るのに必要なその他の製品と混合する。
本発明はまた、工程b)における前記陽性エマルジョンを以下により得る方法にも関する:
i.陽性エマルジョンを得るために、未改質の状態では遊離のNH2 基を含有する化合物を、エマルジョンを得るのに必要なその他の製品と混合する、
ii. 該陽性エマルジョン内に改質化合物を得るために、前記化合物上に本来存在する遊離NH2 基にリンカーを結合させる。
ヒンジ領域の反応性スルフヒドリル基が、SMCCなどのマレイミド基を含有するスルフヒドリル反応性架橋剤との結合プロトコルにおいて使用される。
新規架橋剤を合成する原理は、エマルジョン調製工程の間に母体陽イオン性脂質、即ちステアリルアミンまたはオレイルアミンのそれぞれに化学構造上非常に類似した新規架橋剤を混合することにより免疫エマルジョンの生成を容易にし、結合反応の収率を増加させることである。O/W 界面での混合乳化性界面膜は、4つの異なる界面活性剤 (それぞれ、リン脂質、ポロキサマー、ステアリルアミンおよびステアリルマレイミド、またはオレイルアミンおよびオレイルマレイミド) の選択的組み合わせにより製造される。
さらに、還元した抗体をO/W 界面に既に存在する架橋剤を含むエマルジョンに直接結合させること以外、抗体の結合前に予め製造したエマルジョンと架橋剤を反応させる必要はもはやないので、結合反応において重要な1工程が省かれる。従って、結合反応の特異性および収率が著しく向上する一方、還元された抗体はエマルジョンのO/W 界面で反応性部分に直接向き合うため、架橋反応 (油滴と架橋剤または抗体分子との間の) は生じないであろう。
本発明によれば、薬理活性物質なる用語は、温血動物、特にヒト、家畜や農場の動物を含む哺乳類に使用できる治療剤および診断薬を含む。
本発明によれば、本ドラッグターゲティングシステムは、1種の薬理活性物質または、同じドラッグターゲティングシステムにおいて互いに相溶性である限り、2種以上の薬理活性物質を含むことが可能である。
本発明のドラッグターゲティングシステムの好ましい態様において、薬剤として有効な物質は、ゲムシタビン、ミトキサントロン、マイトマイシン、ビンクリスチン、エピルビシン、メトトレキサート、エトポシド、ドキソルビシン、プリン類またはヌクレオシド類、ブレオマイシン、マイトマイシン、BCNU、タキソール、タキソテレ、およびその他のタキサン誘導体、より具体的にはパクリタキセルオレエイトもしくはパルミテート、カンプトセシン類、N-4-アシル-1- β-D- アラビノフラノシルシストシン、デキキサメタゾン、パルミテート、トリアムシノロン (これら2つは眼用) 、シクロスポリン、タクロリムス、シロリムス (多剤抵抗性を低下させる確立されたP-gp阻害効果を有する免疫抑制剤) からなる群より選択される親油性薬剤である。薬剤はすべて油滴の核に溶解されるはずである。
より好ましい態様においては、薬理活性物質は、抗体結合の前にこれらのエマルジョン中に取り込まれるであろう活性な細胞毒性物質、例えばパクリタキセル、パクリタキセルオレエイトおよびゲムシタビン基剤単独またはシクロスポリンAもしくはタクロリムスとの併用などの非水溶性薬剤である。
パクリタキセルまたはゲムシタビンのいずれかを含む陽イオン性エマルジョンと、それぞれHER-2 もしくはH-フェリチンを過発現する乳がん、大腸がんおよび膵臓がんの腫瘍を特異的に認識しうるトラスツズマブやAMB8LK、または転移性前立腺がんを認識しうるMUC 1 抗体もしくはPMSA MANなどの抗体とを結合する利点は、多様であり、以下を含む:エマルジョン界面への抗体特異性の移行による免疫ターゲティング;生体での長い持続時間;抗体により同定される腫瘍部位への多量の細胞毒性用量の放出、およびエマルジョン界面からの抗体の生分解、および各種組織に薬剤透過を向上させることが示された薬剤担持の正荷電エマルジョンの回復後の腫瘍へのより多量の細胞毒性薬剤の内部移行。
本発明の組成物は、また、抗体による抗原部位または受容体の特異的認識、また、コロイド状デリバリーシステムにより各種親油性細胞毒性薬剤を標的の病的組織近くに放出することを確実にする。薬剤放出は免疫エマルジョンと腫瘍細胞との相互作用が引き金となって生じる。治療剤は細胞表面に選択的に移動され、続いて細胞膜の構成的エンドサイトーシスまたはピノサイトーシスによる陥入により内部移行され、これにより最終的に細胞毒性薬剤をほとんどの抗がん剤について細胞内であるその作用部位に送達すると予想された。投与経路は全身性経路 (非経口、静脈内、腹膜内、脊柱内、腫瘍内) 、眼または局所経路でありうる。
本発明による効果的なドラッグデリバリーシステムは、耐性が低く強力な細胞毒性を有する薬剤の非選択的分布に関連する副作用を顕著に減少させる。
選択された細胞毒性薬剤を含む正に荷電したエマルジョンを腫瘍学的抗体と結合させる利点は多様であり以下を含む:
−エマルジョン界面への抗体特異性の移行による免疫ターゲティング、
−生体における長期の持続時間、
−抗体により同定される腫瘍部位への多量の細胞毒性用量の放出、
−エマルジョン正電荷の消失および肺指向性
−エマルジョン界面からの抗体の生分解、および各種組織において薬剤透過を高めることが示された薬剤担持の正電荷エマルジョンの回復後の、腫瘍におけるより多量の細胞毒性薬剤の内部移行。
本発明を以下の実施例および図面においてさらに具体的に説明する。
材料および方法
1.1 陽イオン性エマルジョンの調製
陽イオン性ブランクエマルジョンは、蒸留水、ポロキサマー188(非イオン性界面活性剤) 、グリセロール (浸透圧剤) を含む水性相、およびMCT(中鎖トリグリセリド) 、ステアリルアミン (陽イオン性脂質) 、α−トコフェロール (抗酸化剤) 、およびリポイド E-80(リン脂質の混合物) を含む油相からなる。リポイド E-80 、Vit E およびステアリルアミンは油相中に直接溶解させ、一方、ポロキサマーおよびグリセロールは水性相に直接溶解させる。両方の相を別々に70℃に加熱する。水相を油相中にゆっくりと入れ、マグネティックスターラーで混合した。得られた混合物をさらに85℃の温度に加熱した。得られた粗製エマルジョンを高剪断ポリトロン混合機 (Kinematica、スイス、ルツェルン) を用いて5分間にわたり乳化させ、次いで20℃以下に急速に冷却した。氷浴中での冷却後、エマルジョンを2段階ホモジナイザー・バルブ・アセンブリー (Gaulinホモジナイザー、APV Gaulin、オランダ、ヒルヴェルスム) を用いて9000psi で5分間均質化する。さらに20℃以下に急速冷却後、0.1 N 塩酸を用いてpHを7.0 に調整した。次いで、エマルジョンを孔径0.45μm のTEメンブランフィルター (Schleicher & Schuell 、ドイツ、ダッセル) を通して濾過した。最後に、エマルジョンを窒素雰囲気下でシリコーン処理ガラスビンに詰め、121 ℃で15分間オートクレーブ処理により滅菌した。
典型的処方は次の通りである (w/w %) :MCT (5) 、ポロキサマー 188 (1)、グリセロール (2.25)、リポイド E80 (1)、ステアリルアミン (0.25)、α−トコフェロール (0.01)および水 (100 にする) 。
免疫エマルジョン調製物については、0.02%の合成架橋剤を添加して、油滴当たり4000の架橋剤とする。
フローサイトメトリー、蛍光および共焦点顕微鏡分析のために、エマルジョンのMCT 含量に対して1:200 のモル比でテトラヒドロフラン (THF)に溶解したクマリン6を用いて蛍光標識エマルジョンを調製した (クマリンの最終濃度、490 μM 即ち0.17mg/ml)。クマリンを平衡化させ、穏やかに加熱して2時間かけてエマルジョン内に浸透させ、一方THF は蒸発により除去した。非担持マーカーはセファデックスG-25カラムを用いて除去されよう。
1.2 エマルジョンの特性決定
1.2.1 粒径分析
液滴径の測定は、ALV Noninvasive Back Scattering High Performance Particle Sizer (ALV-NIBS HPPS、ドイツ、ランゲン) を用い、溶剤として水 (屈折率:1.332 、粘度:0.894543) を用い25℃で行った。632nm 波長のレーザービームを用いた。感度の範囲は0.5 nmから5μm であった。
1.2.2 ゼータ電位測定
エマルジョンのゼータ電位を10 mM NaCl で希釈したMalvern ゼータ測定器(Malvern 、英国) で測定した (150mV)。
1.3 陰イオン性エマルジョンの調製
陰イオン性エマルジョンを、Levyおよびその同僚 [37] により報告されたと同様の方法を用いて、ステアリルアミンの代わりにオレイン酸を用いて製造する。正確な処方はMCT 6.6 %、オレイン酸 2.3 %、リポイドE80 1%、ビタミンE 0.01 %、グリセロール 2.25%、プルロニック F-68 1%、およびDDW 100 %である。
2.抗体断片の調製
トラスツズマブおよびAMB8LK F(ab)2 断片の還元をHermanson の周知の方法 [36] により行った。精製したトラスツズマブおよびAMB8LK F(ab)2 抗体 (4mg/ml) を2-メルカプトエチルアミン (MEA 、最終濃度0.05 M) により37℃で90分間還元して、エマルジョン結合のためのチオール基を生じさせる。
2-メルカプトエチルアミンで還元すると、免疫グロブリンは半分に開裂し、MW 75000-80000の2つの重鎖−軽鎖分子を生成し、それぞれが1つの抗原結合部位を有する (この方法は蛋白質の変性を生じないことが強調されるべきである) 。同様に、F(ab')2 断片を還元して、それぞれが抗原結合部位を有する2つのFab'断片を生じさせることができる。溶液をセファデックス G-25 カラムで溶離させ、Fab'断片を1ml画分に集める。Fab'を含む画分を280 nmの紫外線を用いて決定し、一緒にした。Fab'断片 (50kD) をエマルジョンに結合するまで4℃で窒素雰囲気下に保存した。Fab'断片産生をSDS-PAGEで評価し、その抗原特異性をサンドイッチELISA により実証した。
3.結合反応
1により新たに調製したエマルジョンを1N HCl でpH6.5 に調整し、AMB8LK Fab' 断片 (最終濃度0.1 〜0.5mg/ml) と共に絶えず攪拌しながら窒素雰囲気下4℃に一晩温置した。未反応のマレイミド基を30分間2-メルカプトエタノール (2mM) と温置することによりブロックした。結合していない抗体および2-メルカプトエタノールを、セファロースCL-4B カラムでゲル濾過することにより免疫エマルジョンより分離した。最終の免疫エマルジョンの形態学的評価を、それぞれFITCまたは金標識ヤギ抗マウス/ヒトIgG を用いた共焦点顕微鏡および透過型電子顕微鏡により行った。エマルジョンに結合したFab'断片の合計量をELISA により評価した。種々の量の結合抗体を用いた免疫エマルジョンの調製のために、Fab'対マレイミド活性化エマルジョンの最初の比を変化させた。
4.薬剤取り込み
慣用の化学療法では接近させるのが難しい腫瘍細胞の効果的治療のための薬剤担持免疫エマルジョンを調製するために、まず、シクロスポリンAなどの選ばれた親油性または疎水性細胞毒性薬剤を抗体との結合の前にエマルジョンの油相に溶解した。
5.エマルジョン−抗体コンジュゲートの安定性の検討
結合エマルジョンの安定性を、温度の上昇、攪拌などの促進試験により、また長期保存評価を用いてin vitroで検討した。
次の性質を試験した:液滴サイズ分布、ゼータ電位、pHおよびHPLC [36] を用いた薬剤含有量。
6.in vitro薬剤放出の動力学的評価
陽イオン性エマルジョンからのin vitro薬剤放出プロフィールを以下のように低圧での限外濾過法を用いて行った:薬剤添加エマルジョン 0.4ml (シクロスポリンAを1mg含有) を放出媒体100ml を含有するアミコン(Amicon)8 200 攪拌容器 (Amicon、米国、MA、ダンバーズ) (吸い込み状態を維持) に直接入れた。所定の間隔で、放出媒体を窒素ガスを用いて低圧において (7.25psiより低い)YM-100 限外濾過膜を通して濾過した。透明な濾液1ml部分をHPLCを用いてパクリタキセル含量を分析した[38]。薬剤の水性濃度を正確に測定するためには膜吸収と排除を計算しなければならないので、限外濾過法の使用の前に確認を行った。
7.細胞培養の検討
H-フェリチンおよびHER-2 過発現測定のための免疫染色
H-フェリチン過発現を各種がん細胞株 (膵臓がんではCAPAN-1 、大腸がんではCaro-2、乳がんではSK-BR-3)および線維芽細胞や平滑筋細胞などの非がん細胞において評価する。
細胞をコンスルエンスに達した後トリプシン処理し、16ウェルプレートに移し (ウェル当たり105 細胞) 、これを18mmのカバーグラスで覆った。細胞を37℃、5%CO2 で24時間の間カバーグラスに接着するままにした。媒体を捨て、新鮮な4%パラホルムアルデヒドを用いて10分間固定を行った。細胞をPBS で洗浄し、5%BSA でのブロックの後に50mMのNH4Cl で自己蛍光をブロックした。細胞を洗浄し、4℃で一晩AMB8LKの1:50希釈液と共に温置した。細胞を洗浄し、室温で1時間、FITC結合ヤギ抗マウスIgG の1:50希釈液と共に温置した。第2の抗体を配置後にPBS で5回洗浄し、次いで細胞を蛍光顕微鏡または共焦点顕微鏡のいずれかを用いた観察のために採取した。同様の操作をトラスツズマブおよび第2の抗体としてのFITC結合ヤギ抗ヒトIgG を用いてHER-2 の測定に関して行った。
8.in vitroでのAMB8LK−免疫エマルジョンの結合分析
クマリン6で標識した、AMB8LK−免疫エマルジョンおよび対照エマルジョン (AMB8LKが結合していない陽イオン性エマルジョンおよび陰イオン性エマルジョン) を1×106 CAPAN-1 細胞に添加し、4℃で30分間温置した。細胞を免疫蛍光 (IF) 緩衝液 (pH7.4 のPBS 中1%(w/v) BSA)1mlで洗浄した。その後、蛍光標識したエマルジョンと共に温置した細胞をIF緩衝液 500μl 中に再懸濁し、フローサイトメトリーで解析した。
9.免疫エマルジョンの細胞取り込みの共焦点レーザー走査顕微鏡 (CLSM) 解析
CAPAN-1 細胞をサブコンフルエンシーまでカバーグラス上で増殖させた。細胞をクマリン6 標識エマルジョン (陽イオン性エマルジョンおよびAMB8LK免疫エマルジョン) と共に血清添加増殖培地において37℃で0分、30分および1時間温置し、PBS でよく洗浄し、グリセロール中に配置し、共焦点顕微鏡で観察した。
10.AMB8LK 免疫エマルジョンおよび細胞による薬剤取り込みの測定
CAPAN-1 細胞を24ウェルプーレト上でサブコンフルエンシーまで増殖させた。細胞をクマリン6 標識エマルジョン (陽イオン性エマルジョン、陰イオン性エマルジョンおよびAMB8LK免疫エマルジョン) と共にPBS 中、37℃で1時間温置し、PBS でよく洗浄した。プレートを、励起波長485 nm、発光波長520 nmを有するBMG Labtechnologies 製のFluo Star-Galaxyを用いた蛍光測定のために取り出した。各プレートを4回読み取り、平均値を算出した。洗浄および同じ試料との温置をしなかったウェルを総蛍光の参照とした。
結果
1.1. AMB8LK Fab'産生
AMB8LK Fab' 断片産生をSDS-PAGEにより評価して、メルカプトエチルアミン (MEA)での穏やかな還元によるF(ab) 2 のFab'への開裂が生じることを確認した。AMB8LK Fab' 抗原特異性は、被覆用抗原としてフェリチンを用いたサンドイッチELISA により実証された。
遊離チオール基を、システインを標準として343 nmでの吸光度における変化を監視することによりAldrithiolで測定した。この操作の後、抗体は3つの遊離チオール基を露出した。
1.2. AMB8LK −免疫エマルジョンの特性決定
o/w 界面での各種抗体密度を、エマルジョンの最終液滴サイズおよびゼータ電位に対する影響を調べるために用いた (油滴当たり10〜100 抗体分子) 。抗体密度は液滴サイズおよびゼータ電位に何ら影響しないことが示され、これらは、それぞれ110 〜130 nmおよび+35 mV であった。ELISA により測定された結合効率もまた、表面抗体密度には影響されなかった。最初のAb/ 液滴比にかかわらず、効率は未反応Ab除去後に測定して55〜63%の範囲であった。このことはさらに、共焦点顕微鏡およびTEM 観察により確認され、これよりそれぞれ、Ab分子のほとんどがo/w 界面の油滴に結合し、一方遊離Ab分子は外部の水性媒体中に存在することが明らかに導き出せる。
これらの知見は、完全なIgG 分子で得られる結果に比べて顕著な改善を示す。効率は25%から63%に増加し、一方AMB8LK断片の密度はさらに40Ab分子/液滴から100 Ab分子/液滴に増加した。これらの観察は、Ab分子の大きさに関する立体障害効果の重要性を示す。このように、最大密度はMW150,000 のIgG に比べてFab' AMB8LK 断片 (MW 50,000)により達成された。結合効率は、MAb 断片の分子量の減少に伴って増加すると推論できる。
1.3. H- フェリチンの免疫染色
CAPAN-1(膵臓がん細胞) 、SK-BR-3(乳がん細胞) 、 Can0-2(大腸がん細胞) などの各種のがん細胞株および線維芽細胞および平滑筋細胞などの2つの対照正常細胞株におけるH-フェリチンの過発現の測定のための免疫染色を行った。H-フェリチンの過発現を検出するために、細胞をAMB8LK Fab2 断片と共に温置した。AMB8LK Fab2 断片ではなく第2の抗体と共に温置した細胞を対照として用いた。がん細胞でのみ明瞭な蛍光が認められ、これはフェリチンの発現を意味し、一方正常細胞は蛍光は何ら示さず、これはフェリチンの不在を確認するものである。
従って、H-フェリチン分子が乳がん、大腸がんおよび膵臓がんの治療のための標的分子として使用できるという仮定が立てられるようであり、さらに検討するに値する。
1.4.フローサイトメトリーを用いたin vitro結合分析
FACS分析から、AMB8LK免疫エマルジョンおよび陽イオン性エマルジョンは、陰イオン性エマルジョンに比べて、CAPAN-1 細胞株に結合することが明らかになり、陰イオン性エマルジョンはその負の電荷のために細胞に結合しない。
1.5. 共焦点顕微鏡によるin vitro取り込みの可視化
AMB8LK免疫エマルジョン製剤は、ブランクの陽イオン性エマルジョンよりも迅速かつ効率的にCapan-1 細胞株に定量的に結合する。
1.6. 定量的取り込みの測定
細胞内に浸透するエマルジョンに含まれる蛍光親油性プローブの部分は、陰イオン性エマルジョン (34%) よりも陽イオン性エマルジョン (42.7%) についてより大きく、これは、陽イオン性エマルジョンが陰イオン性エマルジョンに比べ投与経路に関係なく各種組織および器官を通して種々の親油性薬剤の浸透を高めることを既に示した[22]、既報の結果を確かにする。AMB8LKの陽イオン性エマルジョンへの結合は蛍光性プローブの取り込みを妨害または低下させなかっただけでなく、それどころかそれを著しく増加 (50%) させたと推定できる。
プローブの浸透の増加は、内面化過程が、陽イオン性油滴の静電効果だけでなく、おそらくAMB8LKMAb により行われる細胞表面内面化受容体リガンドを通した細胞受容体媒介エンドサイトーシスにより媒介されることを明らかに示している。
N-(1-ステアリル)-マレイミドを用いた結合方法
2.1.架橋剤 N-(1-ステアリル)-マレイミド (SM) の合成
クロロホルム (10ml) 中のステアリルアミン (0.01モル) および無水マレイン酸 (0.01モル) の混合物を室温にて3時間にわたり攪拌した。析出した結晶を濾去し、少量のクロロホルムで洗浄して、純粋なN-(1- ステアリル)-マレイン酸を得た。この化合物 (4モル) および酢酸ナトリウム (0.03g、0.3 m moleに相当) を無水酢酸 (30ml) 中で30分にわたり還流させ、次いで氷浴上で直ちに冷却した。析出した結晶を集め、水で洗浄して標題の化合物 N-(1-ステアリル)-マレイミドを85%の収率で得た (図式-1) 。
Figure 2008529967
図式1
2.2.チオエーテル法によるトラスツズマブ抗体のエマルジョンへの結合
2.2.1.トラスツズマブのチオール化
抗体を2-イミノチオラン (Traut 試薬、Aldrich Chemicals co. ウィスコンシン、ミルウォーキー) を用いてチオール化した。抗体を 50mM トリス、1mM EDTAおよび150mM NaClからなるpH8.5 の緩衝溶液に溶解した。次いで、2-イミノチオランを抗体に対して600 :1のモル比で添加し、室温に45分間温置した。反応混合物をHiTrapTM脱塩カラム (Amersham Bioscience 、スウェーデン、ウプサラ) にかけ、過剰の2-イミノチオランを除去した。
Traut 試薬による抗体の修飾は、SK-BR3細胞で過発現するHER2抗原を特異的に認識する能力には影響しなかった。トラスツズマブの不在下では蛍光が認められず、一方トラスツズマブの存在下では顕著な細胞表面の蛍光が見られた。
2.2.2.結合方法
チオール化抗体を直ちに、N-(1- ステアリル)-マレイミド (SM) 架橋剤を含有する陽イオン性エマルジョン (pH6.5) に添加した。反応混合物を混合しながら窒素雰囲気下、室温に一晩放置した。非結合抗体を、混合物を1.5 ×25cmセファロース CL-4Bカラム (Amer
sham Bioscience 、スウェーデン、ウプサラ) を通して水で溶出させることにより除去した。
2.3.結合反応効力の評価
2.3.1. ELISA
結合効力 (エマルジョンに対する抗体結合の%割合) を、以下のプロトコルにより半定量的方法であるELISA(酵素免疫検定法) を用いて新規架橋剤 N-(1-ステアリル)-マレイミド (SM) の濃度の関数として評価した。
・免疫エマルジョンまたはブランクエマルジョン (pH9.5 被覆用緩衝液中に希釈) でウェルを被覆する、
・37℃で一晩温置、
・PBS-Tween 20での洗浄、3回、
・BSA 2%による1.5 時間にわたる非特異的結合のブロック、
・PBS-Tween 20での洗浄、3回
・第2の抗体 (西洋ワサビ結合抗ヒトIgG 、Jackson Immunoresearch Ltd. 、米国、ペンシルバニア、ウェストグルーブ) の添加および室温、2時間の温置、
・PBS-Tween 20での洗浄、3回、
・基質 (TMB/E, Single Oak Drive, カリフォルニア、Temecula) の添加、
・分光蛍光計を用いた650 nmでの発色のUV吸光度の読み取り。
結合効率はエマルジョン製剤中のSM架橋剤の量の増加に伴い向上し、油滴当たりトラスツズマブ45分子の初期比に対してほぼ30%の結合に達した。
2.3.2.免疫−金着色
12 nm 金−結合第2抗ヒトIgG 抗体 (Jackson Immunoresearch Ltd. 、米国、ペンシルバニア、ウェストグルーブ) を用いて、別の著者により既報 (6)の技術を用いてエマルジョンの油滴上のトラスツズマブを検出した。トラスツズマブと金第2抗体との間の免疫反応の後、実際は金のナノ粒子である黒点を可視化し、透過電子顕微鏡を用いて局在化できる。
トラスツズマブがエマルジョンの油滴上に位置することが明確に観察できる。さらに、単一の油滴上の黒点の数は液滴当たり5〜6までのAb分子に近い。さらに、エマルジョンの外部水相中に遊離の黒点はほとんどなく、ランダムな結合が生じた。これらの結果はELISA での知見を確かにする。
活性の測定
3.1.細胞培養の検討
HER2抗原を過発現することが知られた、乳がん細胞用のよく確立された細胞株モデル、SK-BR3細胞 (ATCC、米国、バージニア州、マナッサス) を、免疫エマルジョン製剤のトラスツズマブ親和性および特異的活性を評価するための全検討にわたって使用した。
3.2.結合の検討
細胞をカバーグラス上に固定し、非特異的結合を5% BSAでブロックした。次いで、細胞をブランクエマルジョンまたは免疫エマルジョンのいずれかと共に一晩温置した (最終希釈、1:1000) 。PBS で3回連続して洗浄を行い、結合していない油滴を除去し、次いでFITC結合抗ヒト抗体 (最終希釈、1:50) をトラスツズマブを検出するために添加した。さらに洗浄を行った。
Zeiss 共焦点顕微鏡を用いて蛍光を可視化した。抗体はエマルジョンに結合し、細胞に結合している。さらに、第2の抗体はトラスツズマブを認識したので、これはトラスツズマブが調製操作後に変性しなかったことを意味する。
しかし、ブランクエマルジョンも可視化するために、エマルジョンを親油性蛍光プローブ、クマリン-6 (Polyscience Inc,ペンシルバニア州、ウォリントン) を用いて1:1000のクマリン:油相中のLipoid E80の比で標識した (7)。
細胞をカバーグラス上に固定し、非特異的結合を5% BSAでブロックした。標識したブランクエマルジョンおよび免疫エマルジョン (最終希釈、1:1000) と共に室温で1時間温置した。
細胞をPBS で3回連続して洗浄し、次いで共焦点顕微鏡を用いて観察した。ブランクエマルジョンと免疫エマルジョンとの間にSK-BR3細胞への結合における顕著な定量的違いが、蛍光強度の違いに反映されて観察された。免疫エマルジョンは細胞に多く結合するが、ブランクエマルジョン結合は室温での1時間の温置の間最小であることが明らかに分かる。
確認の目的のために、FACS解析 (蛍光活性化セルソーティング解析) を用い追加の検討を行った。細胞を固定し、トラスツズマブ単独、または免疫エマルジョン (両試料においてトラスツズマブの濃度は同じ) と共に1時間温置した。細胞をPBS で3回連続して洗浄し、次いでFITC結合第2抗体を添加した (最終希釈、1:50) 。細胞を再びPBS で洗浄し、次いでFACSで解析した。
同じ量の遊離抗体に対する免疫エマルジョンの親和性の程度は約5%のようであった。
それにもかかわらず、対照に比べ油滴の顕著な結合が生じ、陽イオン性油滴中に担持された標識薬剤量の内部化を促進できる。
3.3 取り込みの検討
SK-BR3細胞をクマリン6で標識したブランクエマルジョンまたは免疫エマルジョンのいずれかと共に、37℃において種々の温置時間:5、15、30分間温置した。
細胞をPBS で3回連続して洗浄し、次いで固定し、Zeiss 共焦点顕微鏡で可視化した。
ブランクエマルジョンが細胞にある最小程度結合するのに対し、免疫エマルジョンは細胞により強力に定量的に結合し、結合度は経時的により顕著になることが明らかにに分かる。
SMCCを用いた結合方法
これは図2に説明されている。ステアリルアミン (SA) へのSMCCの結合は、2つの異なる方法により行うことができる。まずエマルジョンを調製し、このエマルジョンにSMCCを添加すると、反応がo/w 界面で生じるであろう。あるいは、SMCCをまず未変性のSAに結合させることができ、エマルジョン形成の前に油相に新規な結合剤を導入する。第2相において抗体を1,4-ジチオエリスリトール (DTT)の存在下穏やかな条件で還元する。
PBS 緩衝液中の2mg/ml の抗体溶液を20mM DDTと共に室温で30分間、または50nMメルカプトエチルアミンと共に攪拌しながら37℃で1時間温置した。次いで、過剰な未反応DDT を除去し、溶液媒体を2.25%グリセロール溶液 (PBS 非含有) に交換するために、部分的に還元した抗体溶液をSephadex 25 を用いてゲル濾過した。次いで、100 gの還元抗体を、室温で一晩常に攪拌しながらマレイミド誘導体化エマルジョン (活性化エマルジョン)10ml に添加した。
SPDPを用いた結合方法
これは図3 に説明されている。まず、エマルジョンにSPDPを添加し、o/w 界面でSAのNH2 部分と反応させ、ジスルフィド結合を形成させる。次いで、混合ジスルフィド結合を2時間にわたり還元剤 (DTT)と反応させ、ピリジルジチオプロピオニルコンジュゲートを放出させ、液滴表面上に遊離SH基を形成させる。この操作の終わりに、ピリジルジチオプロピオニル副生物、未反応DTT および過剰かもしれないSPDPを除去するために、vivaspin20 (10 kDa) 透析を行う。次いで、エマルジョン (遊離SH基含有) を活性化抗体 (SMCC と反応させたIgG)と共に温置し、最終の抗体−エマルジョン結合を生じさせる。
AMB8LKの結合
6.1.1.エマルジョン調製
AMB8LK免疫エマルジョンを前述のようにして調製した。クマリン6プローブを用いて蛍光エマルジョンを調製した。プローブを1:200 のモル比でエマルジョンに導入した。MCT 濃度は5% (約97.6μmol/ml) なので、添加したクマリンの量は0.488 μmol/mlであった。簡単には、Spharose CL-4B分離後に、テトラヒドロフラン (THF)中のクマリン6の9.3mM 溶液4μlをエマルジョン500 μlに添加した。混合物をボルテックス処理し37℃に2時間温置した。
6.1.2.FACS解析
FACS解析のために、Capan-1 細胞株をコンスルエンスに達するまで増殖させた。細胞をトリプシン処理し、1200rpm で5分間遠心分離した。上清を除去し、FACS緩衝液1mlを添加した。常時、細胞は氷上に保持した。FACS試験管中の1〜2×105 細胞を洗浄し、再度遠心分離し、次いで1:1000の希釈度で各種エマルジョン調製物を含むFACS緩衝液100 μl中に株毎に採取した。温置時間は氷上で30分であった。細胞を再度洗浄、遠心分離し、FACS緩衝液0.5 〜1ml中に再懸濁した。その後FACS解析を行った。
6.1.3.蛍光顕微鏡解析
Capan-1 細胞をコンフルエンスに達した後トリプシン処理し、18mmカバーグラスで覆った16ウェルプレート中に移した (ウェル当たり105 細胞) 。
細胞を、37℃、5%CO2 で24時間カバーグラスに接着するままに放置した。24時間後、培地を捨て、細胞を0、30および60分間、37℃PBS 中で1:1000の標識エマルジョンと共に温置した。その後、新鮮な4%パラホルムアルデヒドを用いて10分間固定を行った。パラホルムアノデヒドを捨て、細胞をPBS で3回洗浄した。自己蛍光をPBS 中の50mM NH4Clで5分間ブロックした。細胞を再度PBS で3回洗浄し、蛍光顕微鏡および共焦点顕微鏡での観察のために採取した。
6.1.4.定量分析
Capan-1 細胞をコンフルエンスに達した後トリプシン処理し、24ウェルプレート中に移した (ウェル当たり105 細胞) 。細胞を、37℃、5%CO2 でコンフルエンスに達するまでプレートに接着するままに放置した。次の工程において、各種の標識エマルジョン試料を、37℃で45分間にわたり細胞 (PBS 中1:1000) と共に温置した。細胞試料をPBS で3回洗浄し、一方対照は洗浄しなかった。プレートを、励起波長485 nmで発光波長520 nmのBMG Lab technologies社製のFluo Star-Galaxyを用いた蛍光測定のために取り出した。各プレートを4回読み取り、平均値を算出した。
6.2.結果
6.2.1.エマルジョンの標識
共焦点顕微鏡観察により、油滴がクマリン6で標識されていることが分かる。
6.2.2.AMB8LK免疫エマルジョンと陽イオン性エマルジョン (標識調製物) との比較
これらを種々の時間、0、30および60分間、37℃においてCapan-1 細胞と共に温置した。2つの調製物間の比較を共焦点および蛍光顕微鏡を用いて行った。
6.2.3.陽イオン性エマルジョン、陰イオン性エマルジョンおよび免疫エマルジョンの結合の検討
各種エマルジョン調製物の結合もFACS解析 (4℃、30分間) を用いて検討した。陰イオン性エマルジョンを除くすべての調製物は4℃30分でCapan-1 細胞株に結合する。陽イオン性エマルジョンとAMB8LK免疫エマルジョンとの間の違いは、温置を37℃で1時間行った場合によりよく観察された。
6.2.4.取り込みの検討
Capan-1 細胞によるエマルジョン試料の定量的取り込み測定のために、蛍光測定をFlouStar-Galaxy を用いて行った。図4に示すデータより、細胞内に浸透するエマルジョンに含まれる蛍光親油性プローブの画分は、陰イオン性エマルジョンよりも陽イオン性エマルジョンについて高いことが分かる。陽イオン性エマルジョンへのAMB8LKの結合は、蛍光プローブの取り込みを防止または減少させなかっただけでなく、それどころかプローブの浸透を顕著に (50%) 向上させた。これは明らかに、内部化過程が陽イオン性油滴の静電効果により媒介されるだけでなく、AMB8LKモノクローナル抗体により行われる細胞表面内部化受容体リガンドを介した細胞受容体媒介エンドサイトーシスにより媒介されることを示す。
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図1は、陽イオン性エマルジョン中の増加させた架橋剤SMの濃度の関数としての、油滴当たりトラスツズマブ分子45の初期比率での油滴エマルジョンに対する抗体分子結合の割合 (%) を示す。 図2は、SMCC法により正に荷電したサブミクロンエマルジョンをモノクローナル抗体に結合する方法の図解的説明である。 図3は、SPDP法により正に荷電したサブミクロンエマルジョンをモノクローナル抗体に結合する方法の図解的説明である。 図4は、Capan-1 細胞による各種エマルジョン調製物の取り込みを示す。免疫エマルジョンは100Ab/油滴の密度を有する。

Claims (15)

  1. 陽性の水中油滴型エマルジョンおよび抗体を含む複合製品であって、ここで該エマルジョンは未改質の状態で油−水界面に遊離のNH2 基を提示する化合物を含み、該化合物はヘテロ2官能性リンカーにより該抗体に結合され、該リンカーは該NH2 基を抗体のヒンジ領域上のSH基に結合している、前記複合製品。
  2. 正のゼータ電荷を有する請求項1記載の複合製品。
  3. 遊離NH2 基を提示する前記化合物が、C10〜C24アルキルアミン、C10〜C24アルカノールアミンおよびコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも1種の陽イオン性脂質である、請求項1または2記載の複合製品。
  4. 遊離NH2 基を提示する前記化合物がステアリルアミンまたはオレイルアミンである、請求項3記載の複合製品。
  5. 前記エマルジョンが、界面膜に囲まれた油状の核を有するコロイド粒子を含み、該界面膜が未改質の状態で遊離NH2 基を提示する前記化合物、非イオン性界面活性剤および陰イオン性界面活性剤もしくは陰イオン性脂質を含み、該コロイド粒子が正のゼータ電位を有する、請求項1〜4のいずれかの項記載の複合製品。
  6. 前記エマルジョンが活性成分(薬剤)を含有する、請求項5記載の複合製品。
  7. 前記抗体がポリクローナル抗体である、請求項1〜6のいずれかの項記載の複合製品。
  8. 前記抗体が、未変性の形態、合成形態、キメラ形態およびヒト化形態からなる群より選択されるモノクローナル抗体である、請求項1〜6のいずれかの項記載の複合製品。
  9. 前記抗体が病的細胞の表面に存在する抗原を標的とする、請求項1〜8のいずれかの項記載の複合製品。
  10. 前記抗体が、HER-2 、H-フェリチン、PSMA、ムチン、MUC1、CD44および網膜S-Agからなる群より選択される蛋白質を標的とする、請求項1〜9のいずれかの項記載の複合製品。
  11. 前記抗体がAMB8LK抗体である、請求項1〜6および8〜10のいずれかの項記載の複合製品。
  12. 前記リンカーが、N-1 ステアリル−マレイミド (SM) 、オレイルマレイミド、スクシニミジルトランス-4-(マレイミジルメチル)-シクロヘキサン-1- カルボキシレート (SMCC) 、およびスクシニミジル3-(2- ピリジルジチオ) プロピオネート (SPDP) からなる群より選ばれる、請求項1〜11のいずれかの項記載の複合製品。
  13. 下記工程を含む、請求項1記載の複合製品を製造するための方法:
    a)ヒンジ領域に遊離SH基を得るために場合により抗体を還元する工程、
    b)前記複合製品を得るために、陽性エマルジョンを遊離SH基を提示する抗体と混合する工程、ここで該エマルジョンは未改質の状態で遊離NH2 基を含む化合物を含有し、該化合物は、該NH2 基によりヘテロ2官能性リンカーに結合されている。
  14. 工程b)における前記陽性エマルジョンを以下により得る、請求項13記載の方法:
    i.改質化合物を得るために、陽性エマルジョンを得るのに使用される化合物上に本来存在する遊離NH2 基にリンカーを結合する、
    ii. 陽性エマルジョンを得るために、未改質の状態では遊離のNH2 基を含有する前記改質化合物を、エマルジョンを得るのに必要なその他の製品と混合する。
  15. 工程b)における前記陽性エマルジョンを以下により得る、請求項13記載の方法:
    i.陽性エマルジョンを得るために、未改質の状態では遊離のNH2 基を含有する化合物を、エマルジョンを得るのに必要なその他の製品と混合する、
    ii. 該陽性エマルジョン内に改質化合物を得るために、前記化合物上に本来存在する遊離NH2 基にリンカーを結合する。
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