JP2008506639A - 血栓性事象を阻害または軽減するラミンb1核抗原、そのフラグメントおよび組成物の使用の方法 - Google Patents

血栓性事象を阻害または軽減するラミンb1核抗原、そのフラグメントおよび組成物の使用の方法 Download PDF

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Abstract

有効量のラミンB1(LB1)核抗原を患者に投与する工程を含む、血栓性事象の影響を受けやすい患者におけるこうした事象の予防方法を、有効量のラミンB1(LB1)核抗原および製薬上許容される担体を含む抗血栓組成物と共に提供する。

Description

本出願は、2004年7月16日出願の米国仮特許出願第60/588,327号の優先権を主張する。上記の文献はすべて参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、核自己抗原ラミンB1、ならびにそのフラグメントおよびその組成物の使用方法に関する。
血栓形成は、血管または器官内の血液成分由来の閉塞性凝血塊、すなわち血栓の不適当なまたは病理学的な形成である。凝血塊の位置に応じて、結果として起こる血液循環の低下が、脳卒中(脳血栓症)または心臓発作(冠動脈血栓症)をまねく恐れがある。ある種の疾患および病態に罹患した個体は、血栓症の影響を受けやすい。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、こうした疾患の1つである。これは、多数の臨床症状に関連する自己抗体の循環を特徴とする自己免疫疾患である(1〜3)。抗リン脂質抗体(aPL)と呼ばれる自己抗体の一ファミリーは、SLE患者にしばしば観察される抗リン脂質抗体症候群(APS)の病因の一因であることが知られている。APSは、aPL存在下での動脈血栓症、静脈血栓症、または再発性流産の発生を特徴とする(1〜3)。ループス性抗凝固因子(LAC)、すなわちaPLのサブセットの存在は、これらの患者には血栓症の有力な前兆である(4)。というのは、LAC陽性患者の50%が、最終的に血栓症を発症することが分かったからである(5)。
最近の観察には、また、核自己抗原ラミンB1(LB1)に対する自己抗体価が高いLAC陽性患者は、LAC陽性かつ抗LB1陰性患者(50%)より血栓症の発現頻度が低い(22.7%)ことが示されている(6、7)。最初、抗LB1抗体は、LACの凝血促進効果を妨げることができると仮定された(6)。アポトーシス性ブレブ(6)、内皮細胞(Dieude、私信)、凝固因子、および血小板(未発表データ)による研究から、抗LB1抗体自体は、凝固に関与する主要経路または重要な細胞にどんな影響も及ぼすとは思われないということが実証された。
核ラミナは、核内膜の内側を覆う、クロマチンの空間構造、DNA複製、および遺伝子転写を含めた多くの基本的プロセスに重要な役割を果たすタンパク質網目構造物である(13)。ラミナの主要なタンパク質成分は、ラミンであり、中間径フィラメントタンパク質ファミリーのメンバーである。その他の中間径フィラメントタンパク質と同様に、ラミンは、重合に対して高度に保存された中央のαロッドドメインを有する(13)。LB1は、核ラミナの成分の1つである。アポプトーシスの間、LB1は、カスパーゼ-6によって切断されて、35kDaおよび49kDaのフラグメントになり、次いで、231位のアスパラギン酸残基と232位のセリン残基の間のアポトーシス性ブレブ内部にパッケージングされる(6)。この自己抗原の細胞外媒質への放出は、通常、アポトーシス細片を迅速に除去することによって阻止される。しかし、多くの自己免疫疾患では、いくつかの自己抗原は、アポトーシス細片のクリアランス機序の欠陥のために細胞外環境に放出される(14〜16)。
米国仮特許出願第60/588,327号 Modern Pharmaceutics(第4版)、GS.BankerおよびCT.Rhodes(編)、Marcel Dekker、ニューヨーク、2002年
依然として血栓症におけるLB1の役割をより良く特徴付けることが必要とされている。
本発明は、こうしたニーズおよびその他のニーズを満たすことを試みている。
本発明の説明は、いくつかの文書に言及しており、その内容は、参照により全体が本明細書に組み込まれている。
本出願人は、血小板機能におけるLB1の役割を初めて確認した。したがって、本発明は、血小板への自己抗原LB1の結合特性、ならびにこれらの細胞の活性化および凝集に対するこうした結合の影響に関する。本出願人は、初めて、LB1が、トロンビンで刺激された血小板上へのP-セレクチン(ここではCD62とも呼ばれる)およびCD63の細胞外表出を損なうことを実証している。さらに、本出願人は、初めて、LB1が、血小板表面のGPIIb/IIIa複合体の活性化を低減させ、トロンビン、コラーゲン、酢酸ミリスチン酸ホルボール(PMA)、ならびにトロンビン活性化ペプチド(TRAP)1および4による刺激後に血小板凝集を減少させることを確認している。本出願人はまた、初めて、LB1が血小板内に位置するターゲットに直接結合し、その移行が血小板活性化中にもっぱら起こると思われることを示している。本発明は、初めて、血小板の活性化および凝集を損なう自己抗原の能力を実証し、したがって、血栓症の治療および予防におけるこの分子の役割を確認している。血栓性事象では、血小板の集まりが、LB1の作用範囲内の段階の細胞を含めた、活性化のすべて段階の細胞を含むことに留意されたい。
本明細書では、「製薬上許容される担体」という用語は、Modern Pharmaceutics(第4版)、GS.BankerおよびCT.Rhodes(編)、Marcel Dekker、ニューヨーク、2002年に記載のものなど、一般に使用される賦形剤で調製された溶液、懸濁液、またはタブレットを指す。これはまた、即時性、制御性、遅延性、および緩効性放出配合物またはデバイス(リポソーム、インプラント、ステントなど)、ならびに任意の適切な非経口用ビヒクルを指す。放出速度は、一定でも変化してもよく、例えば、最初は速く、濃度勾配の減少に応じて時間と共により遅くになる。
本明細書では、「ラミンB1抗原」または「LB1抗原」という用語は、完全長LB1タンパク質またはその機能的C末端フラグメントを指す。「完全長LB1タンパク質」は、本明細書では、図9に示すLB1を含めた、カスパーゼ-6触媒作用を受ける前のいずれかの周知のヒト変異型LB1タンパク質を指す。これにはまた、どんな哺乳類のこのタンパク質の変異型も含まれる。「機能的C末端フラグメント」という用語には、カスパーゼ-6の触媒作用に由来する49kDaのLB1フラグメントおよび本明細書に記載の49kDaの組換えフラグメントが、血栓症事象を予防または軽減する能力を保持する任意のより小さなそれらのフラグメントと共に含まれる。
本明細書では、本発明のLB1組成物の「有効量」という用語は、血栓形成の阻害または予防に有効な量を指す。これに限定するものではないが、それを必要とする患者にin situ投与するLB1の有効量は、1日当たりまたは単回投与では約0.001mg〜最高約50mg、より詳細には約0.01mg〜10mg、さらにより詳細には約0.1〜5mgの量とすることができる。「in situ投与」という用語は、本明細書では、血栓形成の危険がある血管内腔内に近接した位置(すなわち、血管自体の上もしくは内側、または血管壁の内側)における投与を指す。例えば血栓/凝血塊またはアテローム硬化性プラークが生じた位置に血栓形成の危険があり、そこでは、経皮経管冠動脈形成(PTCA)を含めた血管形成によって引き起こされるものを含む血管の外傷の位置に、狭窄症または再狭窄症の危険が存在する。こうした位置にはまた、任意の種類の手術によって生じる推定上のどんな血栓形成部分も含まれる。in situ投与は、例えば、カテーテル、ステント、錠剤、LB1抗原の放出を制御する血管壁内に配置されたインプラントなどの助けを借りて実施することができる。
本明細書では、「繰返し原則(basis)」という用語は、単一投与とは違って、血栓症を阻害または予防するためにLB1をある程度連続的に投与することを指す。この繰返し原則は、血栓症部分のLB1の濃度をほぼ一定の活性レベルに維持するように、LB1の連日投与の形、または緩効性放出系からの連続的放出の形、またはそれら両方、すなわち大量放出型と緩効性放出型の組合せの形とすることができる。
本明細書では、「血栓性事象」という用語は、血栓の形成段階と、それに関連する過程、例えば、血小板P-セレクチンおよびCD63の細胞外表出、GPIIb/IIIa複合体の活性化、ならびに血小板凝集を指す。
本明細書では、「血小板活性化」という用語は、P-セレクチンおよびCD63の細胞外表出、ならびにGPIIb/IIIa複合体の活性化を指す。
したがって、本発明によれば、血栓性事象の影響を受けやすい患者においてこうした事象を予防する方法であって、前記患者に有効量のラミンB1(LB1)核抗原を投与する工程を含む方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、血栓性事象の治療を必要とする患者においてこうした事象を軽減する方法であって、前記患者に有効量のラミンB1(LB1)核抗原を投与する工程を含む方法が提供される。
これらの方法の特定の実施形態では、このLB1抗原は、完全長LB1である。他の特定の実施形態では、この完全長LB1は、ヒトのものである。他の特定の実施形態では、このLB1抗原は、49kDaのヒトLB1のC末端フラグメントである。他の実施形態では、有効量のLB1抗原が、in situで投与される。特定の実施形態によれば、この血栓性事象は、血小板P-セレクチンの細胞外表出および/または血小板CD63の細胞外表出および/または血小板GPIIb/IIIa複合体の活性化および/または血小板の凝集を含む。他の特定の実施形態では、有効量のLB1抗原が、血小板活性化の前に前記患者に投与される。他の特定の実施形態では、有効量のLB1抗原が、血小板活性化中に前記患者に投与される。
本発明の別の態様によれば、血栓性事象の予防に対するラミンB1(LB1)核抗原の使用が提供される。
本発明の別の態様によれば、血栓性事象の予防用医薬品の調製に対するラミンB1(LB1)核抗原の使用が提供される。
本発明の別の態様によれば、血栓性事象の軽減に対するラミンB1(LB1)核抗原の使用が提供される。
本発明の別の態様によれば、血栓性事象の軽減用医薬品の調製におけるラミンB1(LB1)核抗原の使用が提供される。
これらの用途の特定の実施形態では、このLB1抗原は、完全長LB1である。他の特定の実施形態では、完全長LB1は、ヒトのものである。他の特定の実施形態では、このLB1抗原は、49kDaのヒトLB1のC末端フラグメントである。他の実施形態では、有効量のLB1抗原が、in situで投与される。特定の実施形態によれば、この血栓性事象は、血小板P-セレクチンの細胞外表出および/または血小板CD63の細胞外表出および/または血小板GPIIb/IIIa複合体の活性化および/または血小板の凝集を含む。他の特定の実施形態では、有効量のLB1抗原が、血小板活性化の前に前記患者に投与される。他の特定の実施形態では、有効量のLB1抗原が、血小板活性化中に前記患者に投与される。
また、有効量のラミンB1(LB1)核抗原および製薬上許容される担体を含む抗血栓組成物も提供される。
本発明の他の目的、利点、および特徴は、添付図面に関してのみの例として挙げる、その特定の実施形態の以下の非限定的な説明を読めばより明らかになるであろう。
<LB1およびNH2-LB1の精製>
(LB1)
ヒトLB1遺伝子をコードする発現ベクターは、すでに記載されている(6)。簡単に述べると、完全長LB1(受託AAC37575、GI576840、および図9)をコードするプラスミドpET19b-LB1を有するBL21(DE3)E.coli(Stratagene、ラ・ホーヤ、カリフォルニア州)の細胞を、カルベニシリン(100μg/ml)を補充したLB培地において25℃で一晩増殖させた。E.coliのBL21(DE3)の一晩培養物を、新鮮な培地で1:25に希釈し、OD600が0.6に達するまで32℃でインキュベートした。次いで、細胞を、0.7mMのイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(Sigma、セントルイス、ミズーリ州)と共に32℃で2時間インキュベートした。LB1を、Ni-NTA樹脂(Novagen、マディソン、ウィスコンシン州)で精製した。細菌ペレット1gを、抽出用緩衝液(BD Pharmingen、ミシソーガ、カナダオンタリオ州)20mL、DNAse(Sigma)40ユニット、およびリゾチーム20mg中において室温(RT)で10分間再懸濁させ、次いで超音波処理を行った。細胞溶解物を、4℃で20分間20000xgで遠心分離機にかけた。上澄液を回収し、Ni-NTA樹脂10ml上に注ぎ、室温で20分間インキュベートした。樹脂ベッドを、0.5MのNaCl、0.05Mのリン酸ナトリウム緩衝液、および25mMのイミダゾール、pH8.0(B1緩衝液);ならびに0.5MのNaCl、0.05Mのリン酸ナトリウム緩衝液、および50mMのイミダゾール、pH8.0(B2緩衝液)で洗浄した。最後に、タンパク質を、0.5MのNaCl、0.05Mのリン酸ナトリウム緩衝液、および250mMイミダゾール、pH 8.0で溶出した。LB1を、Centricon濃縮装置(Millipore、ビレリカ、マサチューセッツ州)において最高約0.25μg/μlに濃縮し、緩衝液をタイロード緩衝液と交換した。サンプル純度をSDS-PAGEによって評価した(図1)。
(LB1-COOH)
ヒトLB1遺伝子の切断型C末端フラグメント(LB1-COOH、49kDa)を、遺伝子シンセサイザー(Operon)でアミノ酸233位(グリシン)の前に開始コドン(ATG)を挿入してフラグメントGly233-Met586を生じさせることによって作製した。pET19B発現ベクターへのサブクローン化により、LB1-COOHのN-末端にベクターからの余分な24個のアミノ酸配列と共にデカヒスチジン標識が付けられた。発現のために、大腸菌BL21(Al)に形質転換した。0.2%アラビノースを添加し、30℃で2時間インキュベートして産生を誘発した。以下の変更を除き、LB1に関して記載した通りに精製を行った。培養物25mlからの細菌ペレットを、0.05Mのリン酸ナトリウム、0.5Mの塩化ナトリウム、10mMのイミダゾール緩衝液、pH8.0において再懸濁し、リゾチームおよび超音波で処理した。25mMのイミダゾールを含む洗浄用緩衝液、次いで50mMのイミダゾールを含む洗浄用緩衝液、および250mMのイミダゾールを含む溶出用緩衝液、次いで500mMのイミダゾールを含む溶出用緩衝液を用いてNi-NTA樹脂でクロマトグラフィーを実施した。溶出液を集め、LB1と同様に濃縮した。
(NH2-LB1)
ヒトLB1遺伝子の切断型N末端断片(NH2-LB1、35kDa)を、遺伝子シンセサイザー(Operon Technologies、アラミダ、カリフォルニア州)で、アミノ酸232位、すなわち231位のアスパラギン酸残基に続く位置に終止コドン(TAA)を挿入することによって作製した。NH2-LB1をpET19b発現ベクター(Novagen)に挿入し、発現のために、E.coliのBL21(DE3)に形質転換した。以下の変更を除き、pET19b-LB1に関する記載の通りにタンパク質の産生および精製を行った。細菌ペレット0.2gを、DNAse40ユニットおよびリゾチーム0.4mgで補充した抽出用緩衝液(BD pharmingen)4mLに再懸濁させた。Ni-NTA樹脂2mlを用いて精製を実施した。溶出前に、樹脂ベッドを、B1およびB2緩衝液、ならびに0.5MのNaCl、0.05Mのリン酸ナトリウム緩衝液、および100mMのイミダゾール、pH8.0で洗浄した。
<ヒト血小板の調製>
(フローサイトメトリー、免疫蛍光法、およびELISA)
少なくとも10日間血小板機能を妨げるいずれの薬物も施用していない健康なヒトボランティアから静脈血を採取し、クエン酸ナトリウムで血液凝固を阻止した。血液を25℃で15分間150xgで遠心分離機にかけることによって、濃縮された血小板が豊富な血漿(PRP)を得た。5mMのEDTAおよび5.6μMのプロスタグランジン(PGE)(Sigma)を、PRPに添加した。次いで、血小板を10分間1000xgでペレット化し、Ca2+を含まないタイロード緩衝液(pH7.4)において再懸濁させた。血小板を自動血球計数装置でカウントし、濃度を500×106血小板/mLに調整した。
(凝集測定法)
静脈血を前述の通りに採取し、酸性クエン酸デキストロースで血液凝固を阻止した。血液を25℃で15分間500xgで遠心分離機にかけることによってPRPを得た。次いで、血小板を10分間800xgでペレット化し、0.4mMのEDTAおよび1mMのPGEを含むハンクス平衡塩ナトリウム-HEPES緩衝液(HBSS-EDTA)、pH6.5において再懸濁させた。最後に、血小板を8分間520xgで遠心分離機にかけ、1.3mMのCaCl2および0.81mMのMgCl2を含むHBSS-HEPES緩衝液、pH7.4において再懸濁させた。血小板数を250×106血小板/mLに調整した。
(フローサイトメトリー)
休止期血小板(血小板25×106個)を、ポリスチレン製96ウェルプレート(Immulon 1HB;Thermolab Systems、フランクリン、マサチューセッツ州)において200μg/mLのヤギIgG(Sigma-Aldrich)と共に15分間インキュベートし、非特異的結合部位をブロックした。血小板セレクチン(CD62P)の検出では、LB1、NH2-LB1、またはヒト血清アルブミン(HSA;Sigma)の濃度を増加させながら各ウェルに添加した。CD63表面発現およびGPIIb/IIIa複合体活性化実験では、各ウェルにつき200ngのLB1、HSA、またはNH2-LB1を106個の血小板に添加した。血小板を、0.05ユニット/mLのトロンビン(Sigma)および2mMのCaCl2と共に15分間活性化させた。次いで、活性化した血小板を、フィコエリトリン結合抗CD62P(1:50、BD Pharmingen)、フィコエリトリン結合抗CD63(1:7、BD Pharmingen)、またはフルオレセイン結合抗PAC1(1:10、BD Pharmingen)と共に暗所で20分間インキュベートした。蛍光をFACScan(商標)で検出し、CellQuest(商標)ソフトウェア(BD Biosciences、サンノゼ、カリフォルニア州)で分析した。実験を3人の異なる血小板ドナーで繰り返した。
(凝集)
4チャネル血小板凝集プロファイラ(Chrono-Log Corporation、ハーバータウン、ペンシルバニア州)を使用して、光学的に血小板凝集を監視した。HBSS-HEPES緩衝液中の単離済み血小板を、LB1、HSA、またはNH2-LB1(200ng/106血小板)と共にガラス製キュベット中に入れ、37℃で5分間インキュベートした。サンプルを、1000rpmの速度で撹拌しながら血小板凝集計に入れ、0.1ユニット/mLのトロンビン、1μMの酢酸ミリスチン酸ホルボール(PMA; Chronolog、ハーバータウン、ペンシルバニア州)、2μg/mLのコラーゲン(Chronolog)、5μMのトロンビン活性化ペプチド1(TRAP-1;Chronolog)、または125mMのトロンビン活性化ペプチド4(TRAP-4;Chronolog)を添加し、凝集を5分間監視した。実験を4人の異なるドナーで繰り返した。
(血小板ベースの酵素結合免疫測定法(ELISA))
ポリスチレン製96ウェルプレート(Immulon 2HB(商標))を、タイロード緩衝液中のトロンビン(0.05ユニット/mL)活性化ヒト血小板(2.5×106個/ウェル)を用いて4℃で一晩被覆した。次いで、プレートを5分間220xgで遠心分離機にかけ、0.05%Tween-20(商標)(PBST)を含むPBSで3回洗浄し、プレートを5分間220xgで遠心分離機にかけた。タイロード緩衝液で希釈したLB1の濃度を増加させながら15分間で添加し、ウェルをPBSTで3回洗浄した。ウェルを、1%BSA(Sigma)および150μg/mLのヤギIgGを含むタイロード緩衝液200μLで2時間ブロックし、PBSTで3回洗浄した。タイロード-1%BSAで希釈したマウス抗CD61(1:500;BD Pharmingen)(100μL)またはモルモット抗LB1(1:500;Dieudeら、2002年)(100μL)を各ウェルに1時間で添加した。PBSTで3回洗浄した後、プレートを、ホースラディッシュペルオキシダーゼを結合させたヤギ抗マウス(1:5000;Jackson ImmunoResearch、ウエストグローブ、ペンシルバニア州)またはヤギ抗モルモット(1:5000;Jackson)と共に1時間インキュベートした。ウェルを3回洗浄し、ペルオキシダーゼ活性を、クエン酸緩衝液(pH6.0)中のo-フェニレンジアミン(Sigma)(8mg/mL)、および0.006%H2O2を用いて検出した。反応を10分後に2MのH2SO4を用いて停止させ、光学濃度をMRX Revelation microplate reader(商標)(Dynex、シャンティリー、バージニア州)において490nmで読み取った。
(免疫蛍光法および共焦点顕微鏡観察)
200万個の血小板(50μL)を、ポリスチレン製96ウェルプレート(Immulon 1HB(商標))においてLB1(200ng)と共に25℃で10分間インキュベートし、次いで、0.05U/mLのトロンビンおよび2mMのCaCl2で3分間活性化させた。活性化した血小板を5分間220xgで遠心分離機にかけ、上澄液を廃棄して非結合のLB1を取り除いた。血小板をタイロード緩衝液(100μL)で再懸濁させ、タイロード緩衝液(900μL)で覆ったカバーガラス上に置いた。血小板を5分間220xgで遠心分離機にかけ、上澄液を廃棄し、カバーガラスを、2%BSA(Sigma)を含むタイロード緩衝液で2回洗浄した。血小板を2%パラホルムアルデヒド(Sigma)で10分間固定化し、0.5%Triton-X-100(商標)で10分間透過処理をした。2%BSAを含むタイロードで4回洗浄した後、カバーガラスを、2%BSAおよび150μg/mLのヤギIgGを用いて25℃で15分間ブロックした。初めに、固定した細胞を、9μg/mLのマウス抗LB1(Zymed、サンフランシスコ、カリフォルニア州)、およびウサギ抗CD61(1:250;RDI、フランダー、ニュージャージー州)またはウサギ抗CD62(2μg、BD Pharmingen)と共に25℃で1時間インキュベートした。フルオレセイン結合抗マウスIgG(1:200、Molecular Probes、ユージーン、オレゴン州)およびローダミン結合抗ウサギ(0.5mg/mL、Molecular Probes)と共に暗所で25℃で45分間インキュベートすることによって結合抗体が明らかとなった。カバーガラスを4回洗浄し、顕微鏡用スライド上にProlong Gold(商標)(Molecular Probes)と共にマウントした。次いで、細胞を、Zeiss510(商標)(Zeiss、ソーンウッド、ニューヨーク)共焦点レーザー顕微鏡を用いて63倍の油浸対物レンズ下で調べた。
(対照タンパク質の選択)
フローサイトメトリー、凝集測定法、およびELISAでは、対照タンパク質としてヒト血清アルブミン(HSA)およびNH2-LB1を使用した。患者の血清中にLB1が存在する可能性があったので、HAS(abundant serum polypeptide)を対照として選択した。LB1は、ニッケル担持樹脂で精製した組換えポリペプチドである。精製方法に起因するいくつかの汚染物質が、LB1溶液中に存在する可能性がある。NH2-LB1、すなわちLB1の切断形は、同じベクターで発現され、同じヒスチジン標識が付けられ、LB1と同じ方法で精製された組換えポリペプチドであるので、それを対照として使用した。
(血栓症のラットモデル)
オスのスプラーグドーリーラット(体重350〜450g)を、ケタミン-キシラジンそれぞれ50mg/kgおよび5mg/kgで筋肉内注射(i.m.)麻酔し、イソフラン(1%)で維持した。薬剤投与中に血圧および心拍数を監視するために大動脈および静脈にカニューレを挿入した。閉塞の正確な時間を決定するのに、超音波フロープローブ(Transonic)を使用して頚動脈流を連続監視した。左の頚動脈を内側縦切開によって露出させた。15分間の安定化期間の後、Qtip(商標)をFeCl3(50重量/容量%)溶液に3分間浸漬させ、フロープローブに対して遠位の静脈の腹側表面に施用した。対照群では、FeCl3溶液を施した後、60分以内、一般に20〜30分で完全な閉塞が観察された。施用60分後に血流が残っていることから、血栓が完全な閉塞性ではなく、したがってこの処置が血栓症に効果があることが示された。このプロトコルは、以前に発表されたものと一致する(41)。
実験の最後に、露出した動脈セグメントを完全に切除した。次いで、血栓を動脈から取り出し、秤量した。血栓重量の減少は、この製品が血栓症を低減することができることを示している。
(実施例1:顆粒分泌に対するLB1の影響)
血小板は、細胞活性化に反応してそれらの細胞内顆粒の内容物を放出する分泌細胞である。α顆粒に存在するP-セレクチン、およびリソソーム/密顆粒タンパク質に存在するCD63は、活性化後に血小板の細胞表面に再分布される。P-セレクチン/CD62およびCD63は脱顆粒したが休止期ではない血小板上に発現するので、これらの2種のマーカーを、血小板活性化に対するLB1の影響を決定するのに使用した。単離したヒト血小板を、0.05U/mLのトロンビンで活性化させる前に、LB1、HSA、またはNH2-LB1の濃度を変えて処理した。したがって、上述のフローサイトメトリーによる分析から、完全長LB1は、P-セレクチン蛍光ピークの左へのシフト(図2E)によって示されるように、トロンビン(0.05U/mL)で活性化された血小板中のP-セレクチンの転位を減少させたが、HSAおよび切断型NH2-LB1は減少させなかったことが明らかになった(図2C、2D)。血小板106個当たりにLB1が200ng存在する状態では、表面P-セレクチンを示す細胞のパーセンテージは15.7±0.9%であったが、HSAまたはNH2-LB1の存在下で測定したパーセンテージはそれぞれ91.3±1.7%および95.7±0.5%であった(図2F)。血小板をより高用量のLB1と共にインキュベートしても、P-セレクチンの細胞外表出をそれ以上減少させることはなかった。したがって、すべてのフローサイトメトリー実験において、血小板106個当たりにLB1が200ngという比を使用した。
LB1は、密/リソソーム表面マーカーCD63の転位に類似の影響を及ぼした。LB1は、HSAまたはNH2-LB1に比べると、CD63の細胞表面への細胞外表出を減少させた(図2G)。LB1と共にインキュベートしたトロンビン活性化血小板表面のCD63のパーセンテージは19.9±0.7%であったが、それに比べてHSAまたはNH2-LB1ではそれぞれ73.1±0.6%および71.5±0.7%であった。したがって、LB1は、密顆粒とリソソーム分泌のどちらも阻害すると思われる。
(実施例2:顆粒分泌に対するLB1の49kDaフラグメントの影響)
添付の図3に示すように、49kDaの切断型LB1-COOHは、当量基準であったが、完全長LB1と同程度にトロンビン活性化血小板によるP-セレクチンの細胞外表出を阻害した。
これは、LB1だけでなくLB1のC末端フラグメントも血小板活性化の阻害に有効であることを示している。
(実施例3:GPIIb/IIIa複合体活性化に対するLB1の影響)
休止期血小板では、GPIIb/IIIa複合体とも呼ばれるaIIbb3インテグリンは、そのリガンドに対して低い結合活性を維持している。可溶性アゴニストへの血小板暴露後に、GPIIb/IIIa複合体は、不活性状態から活性状態に切り替わり、それによって、そのリガンドを結合する能力が増大される。これは血小板凝集に不可欠なプロセスである。LB1の存在下では、血小板活性化複合体(PAC1)抗体結合によって測定されるように、トロンビン活性化血小板は、この複合体の活性立体構造を示すことができなかった(図4)。フローサイトメトリーによる分析から、GPIIb/IIIa複合体活性化はLB1と共にインキュベートした後にほぼ減少したことが明らかとなった。単離したヒト血小板を、血小板106個当たり200ngのLB1、HSA、またはNH2-LB1で処理した後に0.05U/mLのトロンビンで活性化させた。LB1の存在下では、血小板表面の活性GPIIb/IIIaのパーセンテージは、わずか8.42±1.1%であったが、それに比べてHSAおよびNH2-LB1の存在下ではそれぞれ59%および61.02±1.18%であった。
(実施例4:血小板凝集に対するLB1の影響)
LB1が血小板機能を妨げる程度を決定するのに、血小板凝集に対するその影響を評価した。LB1が特定の活性化経路を目標としたかどうかを決定するために、凝集に影響を及ぼすその能力を、5種の異なるアゴニスト、すなわち、トロンビン、コラーゲン、酢酸ミリスチン酸ホルボール(PMA)、トロンビンPAR1活性化ペプチド(TRAP1)、およびトロンビンPAR4活性化ペプチド(TRAP4)の存在下で測定した。したがって、単離したヒト血小板を、様々な濃度のLB1またはNH2-LB1で処理した後、A;0.1U/mLのトロンビン、B;2μg/mLのコラーゲン、C;1μMのPMA、D;5μMのTRAP-1、またはE;125μMのTRAP-4で活性化させた。上述の凝集測定法による分析から、図5に示すように、NH2-LB1およびHSA(データ示さず)に比べて、LB1は、試験したすべてのアゴニストの存在下で血小板の凝集を遅らせ、減少させることができることが明らかとなった。血小板106個当たりにLB1が100ng存在する状態では、血小板凝集は遅くなったが、減少はしなかった。しかし、試験したすべてのアゴニストで刺激した血小板の凝集は、血小板106個当たり200ngのLB1で処理した後減少した。血小板の凝集は、トロンビンでの刺激後に25%減少し(図5パネルA)、コラーゲンの添加後に50%減少し(図5パネルB)、PMAでは20%(図5パネルC)、ならびにTRAP-1(図5パネルD)およびTRAP-4(図5パネルE)で活性化した後それぞれ25%および17%減少した。LB1を血小板106個当たり300ngの濃度で添加した場合、トロンビンもコラーゲンも血小板凝集を引き起こすことはできなかった。PMA、TRAP-1、およびTRAP-4は、血小板106個当たりにLB1が300ng存在する状態で依然として血小板を凝集させることができるが、血小板106個当たり200ngのLB1と共にインキュベートした血小板と比べた場合、凝集は減少した。実際に、血小板を、PMA、TRAP-1、およびTRAP-4で活性化させた場合、細胞106個当たり300ngのLB1による凝集のパーセンテージはそれぞれ、25%、35%、および60%であった。したがって、LB1は、試験したすべてのアゴニストに共通な血小板活性化経路に影響を及ぼすと思われる。
血小板凝集は、フィブリノゲンまたはフォンウィルブランド因子のGPIIb/IIIa複合体への結合によって媒介される。凝集にはこの複合体の活性化が必要であり、その遮断は、血栓形成を予防する(17)。LB1は、トロンビンおよびコラーゲンによって誘発される凝集を阻害し、TRAP-1、TRAP-4、およびPMA、すなわちPKCの活性化剤によって刺激される凝集を減少させる。LB1は使用したアゴニストに関係なく血小板凝集を妨げることができるので、LB1は、血小板の活性化に関与する重要な共通のシグナル伝達経路をブロックしているはずである。LB1によるGPIIb/IIIa複合体活性化の遮断は、ポリペプチドの存在下で血小板凝集を減少させる源であるかもしれない。LB1による血小板凝集の阻害およびGPIIb/IIIa複合体活性化の阻害は、非常に興味深いものである。というのは、例えばアブシキシマブ(19)の使用で見られるように、GPIIb/IIIa阻害剤は、経皮的冠動脈介入および急性冠状動脈症候群の間に有益な効果を有する(18)ことが知られているからである。
GPIIb/IIIa複合体形成の既知の阻害剤は様々な血小板活性化剤によって刺激される凝集を阻害することができるが、それらはP-セレクチン細胞外表出に対しては効果がない(18、20)。in vivoでの持続的な血小板活性化は、血小板-白血球複合体の生成、白血球活性化の増大、ならびに炎症媒介物質および増殖因子の放出による血栓形成の一因となる恐れがある(21、22)。この問題を防ぐのに、何人かの著者は、GPIIb/IIIa遮断薬をヘパリン(18、23)などの血小板活性化阻害剤と組み合わせて使用して、血小板凝集および活性化を予防することを示唆している。本発明は、LB1が、GPIIb/IIIa複合体の活性化、血小板凝集、および顆粒表面マーカーの細胞外表出を同時に減少させることができたことを示す。血小板顆粒は、凝固因子、接着および細胞活性化分子、サイトカイン、インテグリン、炎症性分子、ならびに正常な止血、血栓症、および血管リモデリングに重要な役割を果たす血管新生因子を含めた、多数の分子を含む(24)。LB1で処理した血小板の顆粒表面マーカー細胞外表出の著しい減少は、このポリペプチドが血小板活性化をほぼ減少させることができるということを示している。こうした血小板の表面P-セレクチンの発現の減少は、血小板-白血球複合体が形成する能力に影響を及ぼし、血小板-内皮細胞接着を改変することになる。
(実施例5:血小板上のLB1結合の局在性)
<血小板ベースのELISA>
血小板活性化および凝集に対するLB1の影響が細胞への直接結合に起因するかどうかを評価するのに、血小板ベースのELISAにおいて、初めに0.05U/mLのトロンビンで活性化させた単離ヒト血小板を、LB1の濃度を増加させながらさらした。血小板には核がないので、LB1はこれらの細胞には存在しないと考えられる。これらの細胞のLB1の欠如は、透過性血小板を抗LB1抗体と共にインキュベートすることによって確認した:結合は検出されなかった(データ示さず)。したがって、抗LB1抗体の結合には、外因性LB1の血小板への事前結合が必要である。図6は、LB1が、用量依存的な方法で透過性血小板に結合することができ、血小板106個当たりLB1が200ng近くでプラトーな状態に達することを、LB1結合のパーセンテージを表すOD値から示している。最大結合量は、図2〜4で決定した活性LB1/106血小板の比に対応した。NH2-LB1の血小板への結合、およびLB1の非透過性細胞への結合は、検出されなかった(データ示さず)。
<間接免疫蛍光法および共焦点顕微鏡観察>
LB1の血小板への結合を確認し、潜在的ターゲットを特定するのに、上述のように二重免疫蛍光法実験を行い、その結果を共焦点レーザー顕微鏡によって視覚化した。固定化および透過処理の前に、非透過および非固定の血小板を細胞106個当たり200ngのLB1にさらしてから、0.05U/mLのトロンビンで5分間活性化させ、洗浄して非結合のLB1を除去した。LB1結合パターンを、マウス抗LB1およびFITC結合抗マウス抗体によって明らかにした。ウサギ抗CD61およびローダミン結合抗ウサギ抗体を、血小板マーカーとして使用した。図7Aに示すように、LB1結合に起因する蛍光は、活性化細胞内に局在化した。この結果は、LB1およびCD61に関して二重染色した血小板の水平光学切片を実施することによって確認された(図7B)。これらの一連のLB1染色パターンは、細胞内分布と完全に一致していた。これは、デジタルイメージングコントラスト(DIC)画像と組み合わせることで証明されるように、LB1が血小板内の連続構造に関係していることを明らかに示した。しかし、LB1は、非活性化血小板内には検出されなかった(図7C)。LB1の染色パターンは、活性化血小板全体に均一には分布しておらず、したがって細胞内ターゲットの不均一な分布が示唆された。実際に、LB1は、血小板内部全体にわたってクラスターを形成しているようであった。
血小板群全体の約25%がLB1と結合した。これらの陽性細胞は、多数の分離した個々の糸状仮足および葉状仮足を示した(図7B)。これは、血小板が、刺激後に特定の時間枠の間にLB1を内部移行させることができることを示唆した。スライド上のすべての血小板が必ずしも同調して活性化されるわけではないので、LB1は、おそらくすべての細胞の細胞内ターゲットに侵入し、結合することはできなかったであろう。
上述の仮説を確認するために、抗CD62抗体を、活性化マーカーとして使用した。血小板をLB1にさらしてから固定化および透過処理を行った。図7Dに示すように、LB1は、活性化した細胞の細胞内ターゲットには結合するが、活性化していない細胞では結合しない。さらに、ポリペプチドは、外膜の縁上にP-セレクチンを含む血小板内に優先して侵入するようであった。α顆粒は外膜近くに存在したが、P-セレクチンは、組合せDIC/抗CD62の画像に示されるように、まだ表面に転位されてはいなかった(図7D)。これらの結果は、LB1の内部移行が、α顆粒の細胞外表出の前に、活性化プロセス中に急速に起こることを示唆している。これらの顆粒を脱顆粒した血小板または非活性化血小板は、おそらくLB1と結合することはできないであろう。周辺を回転する鈍頭糸状仮足を保持する細胞、すなわちこれらの活性化状態の最後の形態を特徴とする細胞はまた、LB1結合に対して染色陰性であると思われた(図7Aの矢印)。
(実施例6:血小板に対するLB1影響の時期)
LB1は活性化プロセス中にしか血小板内に転位しないことが分かったので、LB1が血小板の活性化後に添加された場合、それでもなおこれらの顆粒の脱顆粒が起きるかどうかを試験した。単離ヒト血小板を、0.05U/mLのトロンビンで活性化させる前、活性化中、または活性化後に、細胞106当たり200ngのLB1、HSA、またはNH2-LB1で処理した。図8は、LB1をトロンビンによる血小板活性化後に添加したとき、LB1が、P-セレクチンの細胞外表出を減少させなかったことを示している。活性化後にLB1処理した血小板の(MFI)の平均蛍光強度は、2602±359.6ユニットであり、それに比べてHSAおよびNH2-LB1と共にインキュベートした細胞ではそれぞれ3113.72±355.77ユニットおよび2790.69±188.61ユニットであっった。しかし、活性化プロセス前および活性化中に血小板をLB1と共にインキュベートしたとき、LB1は、P-セレクチンの細胞上への表面発現を妨げた。これらの結果は、LB1が、活性化プロセスの間にP-セレクチンの細胞外表出を減少させることを示唆している。
ELISAおよび免疫蛍光法の研究から、LB1が活性化した血小板に直接結合することが実証された。ポリペプチドは、外膜のすぐ近くにある細胞内ターゲットに結合するようであり、これは活性化プロセス中の外膜の透過を示していることが分かる。しかし、LB1は、すべての血小板に転位されるというわけではない。それは、活性化のある状態で優先的に細胞に結合するようである。通常いずれの偽足も有さない非活性の血小板は、LB1の存在に対して陰性であった。また、細胞中心から延び、細胞周囲で回転する特有の鈍頭糸状仮足を有する活性化血小板も、LB1と結合することができなかった。これらの細胞は、その構造変化サイクルの終盤にあるように思われた。これらの結果は、短期間だけ、LB1が、侵入し、結合し、血小板に対してその阻害効果を及ぼすことができることを示唆している。この仮説は、フローサイトメトリーのデータによって支持される。LB1を活性化15分前または活性化時に添加したとき、LB1は、P-セレクチン細胞外表出を順調に減少させることができた。しかし、それを活性化後に添加したとき、α顆粒マーカーの細胞外表出の減少は観察されなかった。したがって、LB1は、活性化を阻止することはできるが、活性化が開始された後、それを止めることはできないと思われる。上述のように、血栓症に存在する血小板群は、LB1が作用できる段階の細胞を含んでいる。
(実施例7:血栓症のラットモデルにおけるLB1の影響)
4匹のラットに上述の通りに処理を施した。第1の動物には、処理を施さなかった。閉塞を引き起こすことが知られているFeCl3溶液を適用した22分18秒後に完全な閉塞が観察された(41)。この結果は、以前得られたものに類似している(41)。血栓重量は、0.0118gであった。
第2の動物では、ビヒクル、すなわちLB1緩衝液のみをFeCl3溶液適用の5分前に注入した。この溶液を適用した22分0秒後に、完全な閉塞が観察された。血栓重量は、0.0104gであった。
第3の動物では、LB1(0.6〜0.7mg)をFeCl3溶液適用の5分前に注入した。FeCl3溶液を適用した60分後、動脈には依然として血流が残留していた。血栓重量は、0.0053gであった。
第4の動物では、不活性フラグメントのNH2-LB1(0.6〜0.7mg)をFeCl3溶液適用の5分前に注入した。FeCl3溶液を適用した22分33秒後に、完全な閉塞が観察された。血栓重量は、0.0072gであった。
本出願人の知る限りでは、これは、初めて、核自己抗原が結合して血小板機能を調節することができることを明らかにするものである。本明細書に示す結果は、LB1が、血小板の活性化および凝集を著しく抑制することができることを示している。さらに、本明細書に示す結果は、LB1が、活性化プロセスの間に血小板内部に移動し、細胞内ターゲットに結合することを実証している。本発明は、LB1自体、および49kDaのフラグメントを含むそのC末端フラグメントが、血小板の活性化および凝集を阻害することによって血栓形成を減少させることができ、血小板P-セレクチンの細胞外表出を阻害することによって血小板-内皮細胞接着に起因する炎症を減少させることができることを示す。
本発明をその特定の実施形態を挙げて上記に説明してきたが、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の精神および本質から逸脱することなくそれを改変することができる。
(参考文献)
Figure 2008506639
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LB1の精製後のSDS-PAGEの結果を示す図であり、レーン1は、単位がkDaの分子量スタンダードを示し、レーン2は、粗製細菌のライセート抽出物を示し、レーン3は、Niアフィニティカラムからのフロースルー分画を示し、レーン4は、LB1(1.5mg)を示す。バンドをクーマシーブルーで染色した。 血小板脱顆粒に対するLB1の影響をグラフとして示す図である。パネルA(図2Aから図2E)は、P-セレクチン発現のフローサイトメトリーのヒストグラムを示す図である。パネルB(図2F)は、CD62細胞外表出の用量反応阻害曲線を示す図である。パネルC(図2G)は、血小板106個当たり200ngのLB1または対照タンパク質で処理した後の血小板CD63の発現を示す棒グラフである。P-セレクチン陽性細胞のパーセンテージは、2回ずつ行った3個の別個の実験の平均値およびSEMの代表値である。CD63陽性細胞のパーセンテージは、2回ずつ行った3個の別個の実験の平均値およびSEMの代表値である。 図2A参照。 図2A参照。 図2A参照。 図2A参照。 図2A参照。 図2A参照。 血小板脱顆粒に対する完全長ヒトラミンB1(LB1)、ならびにそのN末端フラグメント(35kDa)およびC末端フラグメント(49kDa)の影響を、トロンビン活性化血小板上のCD62表面発現の用量反応曲線によってグラフとして示す図である。 GPIIb/IIIa複合体活性化に対するLB1の影響を棒グラフによって示す図であり、PAC-1陽性細胞のパーセンテージは、2回ずつ行った3個の別個の実験の平均値およびSEMの代表値である。 トロンビン(パネルA)、コラーゲン(パネルB)、PMA(パネルC)、TRAP1(パネルD)、またはTRAP4(パネルE)で刺激された血小板凝集に対するLB1の影響をグラフとして示す図であり、血小板凝集の記録は、4個の別個の実験を代表するものである。 図5A参照。 図5A参照。 図5A参照。 図5A参照。 図5A参照。 図5A参照。 図5A参照。 図5A参照。 図5B参照。 LB1濃度の増加に対する透過性血小板に結合するLB1のOD値をグラフとして示す図であり、数値は、3回ずつ行った3個の別個の実験の平均値およびSEMの代表値である。 二重間接免疫蛍光法および共焦点顕微鏡観察によってLB1結合部位の局在性を示す図である。緑色染色はLB1を表し、赤色染色は細胞膜を表す。パネルAは、細胞表面マーカーとして抗LB1のIgG(緑)およびマウス抗CD61抗体(赤)を示す。パネルBは、抗LB1および抗CD61で染色された血小板の水平光学切片を示す。DICは、差分イメージングコントラストを表す。パネルCは、LB1で前処理し、抗LB1のIgGおよびマウス抗CD61抗体と共にインキュベートした非活性化血小板を示す。パネルDは、活性化マーカーとしての抗LB1のIgG(緑)およびマウス抗CD62/P-セレクチン抗体(赤)と共にインキュベートした活性化血小板を示す。これらの画像は、3個の別個の実験を代表するものである。スケールバーは、5μmであり、図7Aの矢印は、細胞周囲を回転する鈍頭糸状仮足を有する血小板を指し示す。 血小板活性化状態に応じてLB1活性を棒グラフによって示す図であり、平均蛍光強度(MFI)は、2回ずつ行った3個の別個の実験の平均値およびSEMの代表値である。 ヒトLB1のアミノ酸配列(配列番号:1)を示す図である。

Claims (27)

  1. 血栓性事象の影響を受けやすい患者において血栓性事象を予防する方法であって、前記患者に有効量のラミンB1(LB1)核抗原を投与する工程を含む方法。
  2. 血栓性事象の治療を必要とする患者において血栓性事象を軽減する方法であって、前記患者に有効量のラミンB1(LB1)核抗原を投与する工程を含む方法。
  3. LB1抗原が、完全長LB1であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 完全長LB1が、ヒトのものであることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. LB1抗原が、49kDaのヒトLB1のC末端フラグメントであることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  6. 有効量のLB1抗原が、in situで投与されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 血栓性事象が、血小板P-セレクチン細胞外表出を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 血栓性事象が、血小板CD63細胞外表出を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 血栓性事象が、血小板GPIIb/IIIa複合体活性化を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  10. 血栓性事象が、血小板凝集であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  11. 有効量のLB1抗原が、血小板活性化の前に患者に投与されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 有効量のLB1抗原が、血小板活性化中に患者に投与されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  13. 血栓性事象の予防のためのラミンB1(LB1)核抗原の使用。
  14. 血栓性事象の予防用医薬品の製造のためのラミンB1(LB1)核抗原の使用。
  15. 血栓性事象の軽減のためのラミンB1(LB1)核抗原の使用。
  16. 血栓性事象の軽減用医薬品の製造のためのラミンB1(LB1)核抗原の使用。
  17. LB1抗原が、完全長LB1であることを特徴とする、請求項13から16のいずれか一項に記載の使用。
  18. 完全長LB1が、ヒトのものであることを特徴とする、請求項17に記載の使用。
  19. LB1抗原が、49kDaのヒトLB1のC末端フラグメントであることを特徴とする、請求項13から16のいずれか一項に記載の使用。
  20. 有効量のLB1抗原が、in situで投与されることを特徴とする、請求項13から16のいずれか一項に記載の使用。
  21. 血栓性事象が、血小板P-セレクチン細胞外表出を含むことを特徴とする、請求項13から16のいずれか一項に記載の使用。
  22. 血栓性事象が、血小板CD63細胞外表出を含むことを特徴とする、請求項13から19のいずれか一項に記載の使用。
  23. 血栓性事象が、血小板GPIIb/IIIa複合体活性化を含むことを特徴とする、請求項13から19のいずれか一項に記載の使用。
  24. 血栓性事象が、血小板凝集であることを特徴とする、請求項13から19のいずれか一項に記載の使用。
  25. 有効量のLB1抗原が、血小板活性化の前に前記患者に投与されることを特徴とする、請求項13から24のいずれか一項に記載の使用。
  26. 有効量のLB1抗原が、血小板活性化中に前記患者に投与されることを特徴とする、請求項13から24のいずれか一項に記載の使用。
  27. 有効量のラミンB1(LB1)核抗原および製薬上許容される担体を含む抗血栓組成物。
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