JP2008308715A - 金属箔、および金属積層体、並びに金属箔の改質方法 - Google Patents

金属箔、および金属積層体、並びに金属箔の改質方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、カップリング剤の付着が均一である金属箔を提供することであり、これらの金属箔からなるプリント配線板用積層体を提供することである。より詳細には微細領域での変色、ピール強度のバラツキを解消した金属積層体を提供することである。これにより、プリント配線板の多層積層時、部品実装時の位置合わせ精度を向上させ、さらには、微細な回路パターンにおける配線剥れ、ピール強度のバラツキを解消することを目的とする。
【解決手段】 超音波照射下で表面をカップリング処理したことを特徴とする金属箔、予めカップリング処理剤で表面処理された金属箔を、更に超音波照射下で表面をカップリング処理したことを特徴とする金属箔、並びにこれらから製造される積層体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属箔および該金属箔からなる金属積層体に関するものである。
電子回路分野において、金属箔からなる積層体は、回路用基材として広く用いられており、特にプリント配線板用積層体は、電子機器の小型化にともない、近年需要が増加している。また、電子機器の高密度化にともない、プリント配線板の回路層数も多層となり、また部品実装も高密度化が進んでおり、さらには回路の配線幅についても数百μmから、数十μmへ微細化が進んでいる。これに伴い、プリント配線板用積層体は、多層積層化対応、高密度部品実装対応、高精細化対応が求められており、特に微細な領域でのピール強度、色彩、透明性などの均一化が要求されている。
従来、金属積層体の金属箔と樹脂層間のピール強度を向上する方法としては、特許文献1(特開2001-177204号公報)などに記載されているような、金属箔をカップリング剤で表面処理する方法等が報告されている。該方法は、銅箔の表面をカップリング剤に浸漬させる、もしくはカップリング剤を噴霧させる、もしくはカップリング剤を塗布する事などによって表面処理を行う方法である。しかしこの場合、カップリング剤の付着が均一ではない箇所が発生し、微細な配線パターンにおいて金属箔と樹脂層間のピール強度が安定しない、絶縁樹脂の微細な領域にて変色が生じる問題などがあった。これらの積層体は、従来の回路層数、部品実装、回路幅では問題とならなかったが、今後、さらなる回路層数の多層積層化、高密度部品実装、回路幅の微細化等の要求が高まると、微細回路において部分的に回路が剥離する問題や、多層積層時の僅かな位置合わせズレの蓄積が大きな問題となる場合が生じる。さらに、アートワークなどの位置合わせや積層時に使用され、回路と同様に銅パターンからなる位置合わせマークも、回路幅の微細化にともない小型化が進み、樹脂の微細領域での変色が、位置合わせマークの形状に不具合を生じさせ、回路の層間接続性や積層位置などの精度を低下させる問題や、樹脂透明性の不均一化によるチップ部品実装時の位置ズレを生じるなどの問題を抱えている。
特開2001-177204号公報
本発明の目的は、カップリング剤の付着が均一である金属箔を提供することであり、これらの金属箔からなるプリント配線板用積層体を提供することである。より詳細には微細領域での変色、ピール強度のバラツキを解消した金属積層体を提供することである。これにより、プリント配線板の多層積層時、部品実装時の位置合わせ精度を向上させ、さらには、微細な回路パターンにおける配線剥れ、ピール強度のバラツキを解消することを目的とする。
本発明者等は、前記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、金属箔の表面を、カップリング処理剤にて超音波処理することによって、上記課題を解消することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下に関するものである。
(1)超音波照射下で表面をカップリング処理したことを特徴とする金属箔。
(2)予めカップリング処理剤で表面処理された金属箔を、更に超音波照射下で表面をカップリング処理したことを特徴とする(1)記載の金属箔。
(3)カップリング処理が、シランカップリング剤によるものである(1)〜(2)記載の金属箔。
(4)カップリング処理の溶媒が、メタノール、エタノール、水から選ばれる少なくとも1種類の溶剤である(1)〜(3)いずれか一項に記載の金属箔。
(5)金属箔が銅箔である(1)〜(4)いずれか一項に記載の金属箔。
(6)(1)〜(5)記載の金属箔層と樹脂層からなることを特徴とする金属積層体。
(7)樹脂層にポリイミドフィルムが含まれるものである(6)記載の金属積層体。
(8)積層体が、プリント配線板用である(7)〜(8)記載の金属積層体。
(9)金属箔表面を超音波照射下でカップリング処理することを特徴とするプリント配線板用金属箔の改質方法。
(10)金属箔が、カップリング処理剤で表面処理された金属箔である(9)記載の金属箔の改質方法。
(11)カップリング処理が、シランカップリング剤によるものである(9)又は(10)記載の金属箔の改質方法。
(12)金属箔表面を超音波照射下でカップリング処理し、該金属箔と樹脂層を熱圧着することを特徴とする金属積層体の製造方法。
(13)カップリング処理が、シランカップリング剤によるものであり、カップリング処理の溶媒が、メタノール、エタノール、水から選ばれる少なくとも1種類の溶剤である(12)記載の金属積層体の製造方法。
(14)金属箔が、銅箔である(12)又は(13)記載の金属積層体の製造方法。
本発明の金属箔は、プリント回路用積層体とした場合、微細な配線パターンにおいてピール強度が安定し、絶縁樹脂の微細な領域にて変色が生じるなどの問題が起こり難い、優れた効果を有するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における金属箔は、超音波照射下で表面をカップリング処理したことを特徴とする金属箔であり、好ましくは予めカップリング処理剤で表面処理された金属箔を、更に超音波照射下で表面をカップリング処理したことを特徴とする金属箔である。
本発明におけるカップリング処理に用いられるカップリング処理剤は、一つの分子中に無機質材料と結合、吸着、親和性(力)、密着性を示す官能基を有し、さらに有機物とも同様の効果を示す官能基を有するカップリング処理剤である。カップリング処理剤の例としては、アルコキシシリル化合物、シラン化合物、複素環式化合物、アミノ化合物、酸無水物、エポキシ化合物などのカップリング剤があるが、これらに限定されるものではない。好適な具体例としては、アルコキシシリル基とアミノ基もしくはエポキシ基などを有するシランカップリング剤、イミダゾール基とアルコキシシリル基を有するシランカップリング剤、テトラカルボン酸無水物系のシランカップリング剤、Nを有する5員複素環式化合物などである。より具体的な例としては、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、5−アミノ−1H−テトラゾール、等が挙げられる。この中でも、アミノ基を有する化合物が好ましく、例として、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、5−アミノ−1H−テトラゾール等が挙げられる。
本発明に用いることできるカップリング処理剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、水、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどの極性溶剤に溶解され、0.01〜100wt%程度、好ましくは0.1〜10wt%程度、より好ましくは0.1〜5wt%程度に濃度調整されたものが好ましく使用可能である。溶剤は、メタノール、エタノール、水から選ばれる少なくとも1種類の溶剤を用いることが好ましい。例として、カップリング剤が3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等を用いた場合は、有機溶剤としてメタノールが交換反応を起こさずに好適であり、カップリング剤として3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等を用いた場合は有機溶剤としてエタノールが同様に好適である。また、カップリング剤が5−アミノ−1H−テトラゾールなどの場合は、メタノール、エタノール共に好適に使用することが可能である。それぞれの濃度は、0.1〜5wt%程度が好ましく、より好ましくは、0.1〜3wt%程度である。これらのカップリング剤にて超音波処理おこなった金属箔をプリント回路用積層体に用いた場合、絶縁樹脂の変色が起こりにくく、さらに、微細な配線パターンにおいても金属箔と樹脂層間のピール強度が安定し好ましい。
本発明において超音波照射をおこなう温度は、通常0〜40℃であるとカップリング処理剤における溶剤の気化が起こり難く、濃度制御が容易であるため好ましい。更に好ましくは5〜20℃である。超音波照射をおこなう時間については、金属箔表面を劣化させない為にも1秒〜1200秒程度が好ましく、より好ましくは1秒〜300秒程度である。
本発明における超音波照射条件については、10キロヘルツ〜1メガヘルツの超音波で照射することが好ましく、さらに好ましくは20〜500キロヘルツの超音波である。これらの範囲の超音波および、上記のカップリング処理剤、濃度、温度、時間条件にて照射を行なうことにより、液中で引き起こるキャビテーション作用が、カップリング剤の付着を均一なものとすることが考察され、これらの処理をおこなった金属箔をプリント回路用積層体に用いた場合、絶縁樹脂の微細な領域での変色が起こりにくく、さらに、微細な配線パターンにおいてもピール強度が安定することを見出した。
本発明においては、更に予めカップリング処理剤で表面処理された金属箔を、更に超音波照射下で表面をカップリング処理した場合も、同様の効果が得られることを見出し、これは好ましい態様である。通常、カップリング処理剤にて金属箔表面をカップリング処理する方法としては、表面をカップリング処理剤に浸漬させる、もしくはカップリング処理剤を噴霧させる、もしくはカップリング処理剤を塗布することが一般な方法であるが、これらの方法ではカップリング処理剤の付着が均一ではなく微細配線用途には十分でない場合がある。これら通常のカップリング処理をおこなった後、再度カップリング処理剤で、上記範囲の超音波照射をおこなうことによって、カップリング処理剤の付着が均一となり、微細回路用に好ましい金属箔となるのである。しかし、20キロヘルツ以下の超音波は、エロージョンなどの問題を起こす可能性が高く、1メガヘルツ以上の超音波は熱エネルギーへの変換により、カップリング処理剤槽の温度制御、カップリング処理剤の濃度制御が困難となり、カップリング剤の付着が不均一になる可能性がある。
本発明でおこなう超音波照射は、フレキシブル回路用基材の製造で用いられる長尺連続処理をおこなうことが好ましく、一般的に搬送にはロールが使用される。
本発明において使用可能な金属箔としては、Cu、Ni、Zn、Cr、Co、Feおよび、これらの合金が例示でき、回路材料としては、電気導電性に優れる電解銅箔、圧延銅箔などの銅箔を好ましく使用することが可能である。樹脂などとの密着力を向上させる為に、表面が粗化処理された金属箔も、好ましく使用でき、粗化処理については、めっき、プラズマ、スパッタ法などにて金属を付着させる方法、エッチング、プラズマ、スパッタなどにより金属箔表面を部分的に除去する方法、粒子などを吹き付け力学的に打痕などをつける方法があるが、これらに限定されるものではない。さらに、粗化処理をおこなった後、Ni、Zn、Cr、Co、Fe、Mn、Al、Si、Mg、Au、Agなどの金属、または、それらの合金を1層以上めっき、プラズマ、スパッタ法などにて付着させ、防錆効果、表面改質、ピール強度向上効果をもたらすこと等も好ましい。これらの処理をおこない、最後にカップリング処理剤にて超音波処理をおこなうことが最も好ましい銅箔である。また、通常のカップリング処理剤による表面処理をおこなった金属箔として、市販の電解銅箔、圧延銅箔などがあるが、これらの金属箔を再度カップリング処理剤にて超音波処理をおこなった金属箔も本発明の範囲に含まれるものである。
本発明に使用可能な市販銅箔の例としては、日鉱金属株式会社製HA箔、古河サーキットフォイル株式会社F0−WS、F1−WS銅箔、日立電線株式会社製HCL箔などが挙げられるがこれらに限定したものではない。
本発明の金属箔を用いたプリント配線板用積層体の例としては、例えば、5〜250μm程度の樹脂フィルムの片面もしくは両面に、金属箔と接着性に優れる熱可塑性ポリイミド層を形成し、本発明の金属箔を加熱圧着し作成される積層体、本発明の金属箔上に、金属箔との接着性に優れる熱可塑性ポリイミドや非熱可塑性ポリイミドの前駆体もしくはこれらポリイミドを含有したワニス状のものを1層以上塗工し積層させてなる積層体、さらに、これらの積層体同士を積層させた積層体等が挙げられる。更にこれらの積層体の樹脂面に、本発明の金属箔を加熱圧着積層させた積層体などがあるが、これらに限定されるものではない。
上記樹脂フィルムに関しては、ポリイミドフィルムを用いることが好ましく、300℃以上のガラス転移点有する、もしくは、ガラス転移点を有しない非熱可塑性ポリイミドフィルムが寸法安定性や耐熱性に優れる為により好ましい。市販の非熱可塑性ポリイミドフィルムも使用が可能であり、例として、ユーピレックス(登録商標)S、ユーピレックス(登録商標)SGA、ユーピレックス(登録商標)SN(宇部興産株式会社製、商品名)、カプトン(登録商標)H、カプトン(登録商標)V、カプトン(登録商標)EN(東レ・デュポン株式会社製、商品名)、アピカル(登録商標)AH、アピカル(登録商標)NPI、アピカル(登録商標)NPP、アピカル(登録商標)HP((株)カネカ製、商品名)等のポリイミドフィルム、さらに、表面がプラズマ処理、コロナ放電処理等を施したポリイミドフィルムなども各目的により好適に利用できる。
金属箔との接着性に優れる熱可塑性ポリイミドおよび非熱可塑性ポリイミドについては、ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られる公知の熱可塑性ポリイミドおよび非熱可塑性ポリイミドと呼ばれるものを使用することが可能である。尚、本発明方法において熱可塑性ポリイミド樹脂とは、ガラス転移温度が100℃〜300℃未満の範囲内にあり、この温度領域では弾性率が約1/100以下に急激に低下するものである。非熱可塑性ポリイミドについては、ガラス転移点を有する場合、ガラス転移温度が300℃以上でありガラス転移温度以上でも弾性率が約1/1000以下に急激に低下しないものとする。
熱可塑性ポリイミドおよび非熱可塑性ポリイミドの原料の具体例としては特に限定されず公知の化合物が使用可能であり、ジアミン化合物の例としては、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル及び、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(3−(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテル、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’− ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、1,3−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(1−(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、2,2−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
またテトラカルボン酸二無水物の例としては特に限定されず公知の化合物が使用可能であり、具体例としては、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、エチレングリコールビストリメリット酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−へキサフルオロプロパン二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、2,2’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、2,3’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、2,4’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、3,3’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、3,4’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4,4’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物等が挙げられ、これらのジアミノ化合物、テトラカルボン酸二無水物からそれぞれ選ばれた少なくとも一種のジアミノ化合物、テトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましい。
好ましい熱可塑性ポリイミドのジアミノ化合物と酸二無水物については、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物であり、該ジアミン化合物と酸二無水物から選ばれた少なくとも一種のジアミン化合物と酸二無水物からなるポリイミドもしくはポリイミド前駆体が全体の50モル%以上である熱可塑性ポリイミドが好ましい。
前述の熱可塑性ポリイミドには更にビスマレイミドを配合することも好ましく、ビスマレイミド化合物の具体例としては、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、ビス(3−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)エーテル、1,3−ビス(3−(3−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、ビス(3−(3−(3−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテル、1,3−ビス(3−(3−(3−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、N,N’−4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−3,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−3,3’−ジフェニルケトンビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、4,4’−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)ケトン、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)スルホン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。より好ましくは1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼンであり、これらを熱可塑性ポリイミド中に0.1〜50重量%程度配合させることがより好ましく、より好ましくは1〜40重量%程度、より更に好ましくは5〜30重量%程度である。熱可塑性ポリイミド層の厚みは、目的により選択され制限はないが、0.1〜10μmの範囲が好適である。
ポリイミド層を形成する方法としては、塗布によるものと、加熱圧着によるもの等があるが、ワニス状に溶剤等に溶解されたポリイミド樹脂もしくはポリイミド樹脂の前駆体を塗布により形成する方法として、ダイコーター、コンマコーター、ロールコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、スプレーコーター等の公知の方法が採用できる。塗布する厚み、塗布するワニスの粘度等に応じて適宜利用できる。
塗布したワニスを乾燥・キュアする方法は、通常の加熱乾燥炉が利用できる。乾燥炉の雰囲気としては、空気、イナートガス(窒素、アルゴン)等が利用できる。乾燥の温度としては、溶媒の沸点により適宜選択するが、60〜600℃の温度範囲が好適に利用される。乾燥の時間は、厚み、濃度、溶媒の種類により適宜選択するが0.05〜500分程度で行われることが望ましい。
加熱圧着する方法について制限はないが、例えば、代表的方法として、加熱プレス法及び/又は熱ラミネート法が挙げられる。加熱プレス法としては、例えば、ポリイミド系樹脂と金属箔をプレス機の所定のサイズに切りだし、重ね合わせを行ない加熱プレスにより加熱圧着することにより製造できる。加熱温度としては、150〜600℃の温度範囲が望ましい。加圧力としては、制限は無いが、好ましくは0.1〜500kg/cmで製造できる。加圧時間としては、特に制限はない。
熱ラミネート方法としては、特に制限は無いが、ロールとロール間に挟み込み、張り合わせを行なう方法が好ましい。ロールは金属ロール、ゴムロール等が利用できる。材質に制限はないが、金属ロールとしては、鋼材やステンレス材料が使用される。表面にクロムメッキ等が処理されたロールを使用することが好ましい。ゴムロールとしては、金属ロールの表面に耐熱性のあるシリコンゴム、フッ素系のゴムを使用することが好ましい。ラミネート温度としては、100〜300℃の温度範囲が好ましい。加熱方式は、伝導加熱方式の他、遠赤外等の輻射加熱方式、誘導加熱方式等も利用できる。
熱ラミネート後、加熱アニールすることも好ましい態様である。加熱装置として、通常の加熱炉、オートクレーブ等が利用できる。加熱雰囲気として、空気、イナートガス(窒素、アルゴン)等が利用できる。加熱方法としては、フィルムを連続的に加熱する方法またはフィルムをコアに巻いた状態で加熱炉に放置する方法のどちらの方法も好ましい。加熱方式としては、伝導加熱方式、輻射加熱方式、及び、これらの併用方式等が好ましい。加熱温度は、200〜600℃の温度範囲が好ましい。加熱時間は、0.05〜5000分の時間範囲が好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例におけるピール強度の評価、変色の評価は以下の方法による。
[ピール強度の評価]
長さ100mm、幅0.1mmの試料について、JIS C−6471に規定される方法に従い、短辺の端から金属箔とポリイミド層を剥離し、その応力を測定し平均値を求めた。また、剥離角度を90゜剥離速度を10mm/minとした。さらに、ピール強度のバラツキとして、100mm測定における最大値、最小値も測定した。
[色ムラの評価]
金属箔とポリイミドからなる積層体を、塩化第二鉄水溶液にて金属箔をエッチング除去したポリイミドフィルムサンプルを、50mm×50mmに切り出し、2500倍の顕微鏡にて裏表面観察したとき確認される、色ムラを比較した。
(実施例1)
(金属箔の製造)
硫酸銅64g/L、硫酸200g/L からなる硫酸銅−硫酸水溶液を容器に2リットル準備した後、110×110×1mmのステンレス板をカソード、80×100×4mmの銅板をアノードとして、電流を0.3Aにて保ち、ステンレス板上に銅を17μm厚析出させた。防錆処理としてNi、Zn、Cr層をそれぞれ約0.5mg/dmづつ同様のめっき法にて付着させ17μm厚の銅箔を得た。得られた銅箔を100×100mmに切り出し、片面をフィルムにてマスク後、ビーカー中にて3-アミノプロピルトリメトキシシランを、溶剤としてメタノールに0.05wt%溶解させたカップリング処理剤に浸漬させ、200キロヘルツの超音波を、20℃にて、60秒間おこない乾燥させ、カップリング処理剤にて超音波照射をおこなった銅箔を得た。
ポリイミド金属積層体を以下に示す方法にて作成し、ピール強度および色ムラの評価を行った。結果を表1に示す。
(ポリイミド金属積層体の作成方法)
<熱可塑性ポリイミド前駆体の合成例>
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン69.16gと3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物75.84gを秤量し、1000mlのセパラブルフラスコの中でN,N’−ジメチルアセトアミド855gに窒素気流下にて溶解させた。溶解後、60℃に加熱し、12時間攪拌を続けて重合反応を行ない、ポリアッミク酸溶液を得た。ポリアミック酸含有率が15重量%であった。得られたワニスの一部500gに、1,3−ビス(3-マレイミドフエノキシ)ベンゼン48.3gを加え、20℃にて撹拌溶解させたものを熱可塑性ポリイミド前駆体ワニスとした。
<ポリイミド積層体>
市販の非熱可塑性ポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製:商品名Kapton(登録商標)80EN、厚み:20μm)上に、熱可塑性ポリイミド層として、前記合成例で合成した熱可塑性ポリイミド前駆体ワニスを両面にリバースロールコーターを使用し、塗布・乾燥した。乾燥後に形成された熱可塑性ポリイミド層の厚みは3μmであった。尚、乾燥条件は100℃、150℃、200℃、250℃、で各5分間段階的に熱処理を行なった。
<熱プレスの実施>
形成した熱可塑性ポリイミド層の両表面に、金属箔の超音波照射面を重ね、さらに、クッション材(金陽社製、商品名:キンヨーボードF200)ではさみ、加熱プレス機で300℃、25kg/cmの条件下で、4時間加熱圧着して、金属箔/熱可塑性ポリイミド/Kapton(登録商標)80EN/熱可塑性ポリイミド/金属箔からなる各ポリイミド金属積層体を作製した。
(実施例2〜9)
表1に示すカップリング処理剤に変更した以外は、実施例1と同様の方法で超音波照射をおこない、銅箔を得た。
ポリイミド金属積層体を以下に示す方法にて作成し、ピール強度および色ムラの評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例10〜11)
表1に示すカップリング処理剤にて、超音波照射を実施しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法にて浸漬処理を行った後、さらに、表1に示すカップリング処理剤にて、実施例1と同様の方法にて、超音波処理を行った銅箔を得た。
ポリイミド金属積層体を以下に示す方法にて作成し、ピール強度および色ムラの評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1〜2)
表1に示すカップリング処理剤に浸漬するのみで、超音波照射を実施しなかったこと以外は実施例1と同様の方法により銅箔を得た。
ポリイミド金属積層体を以下に示す方法にて作成し、ピール強度および色ムラの評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2008308715
本発明の積層体は、樹脂層と金属層との接着性が良好で、微細な領域でのピール強度、色彩、透明性などが均一であり、小型化、高性能化を必要とするに電子機器や電子部品の産業分野に好適に用いることができる。

Claims (14)

  1. 超音波照射下で表面をカップリング処理したことを特徴とする金属箔。
  2. 予めカップリング処理剤で表面処理された金属箔を、更に超音波照射下で表面をカップリング処理したことを特徴とする請求項1記載の金属箔。
  3. カップリング処理が、シランカップリング剤によるものである請求項1〜2記載の金属箔。
  4. カップリング処理の溶媒が、メタノール、エタノール、水から選ばれる少なくとも1種類の溶剤である請求項1〜3いずれか一項に記載の金属箔。
  5. 金属箔が銅箔である請求項1〜4いずれか一項に記載の金属箔。
  6. 請求項1〜5記載の金属箔層と樹脂層からなることを特徴とする金属積層体。
  7. 樹脂層にポリイミドフィルムが含まれるものである請求項6記載の金属積層体。
  8. 積層体が、プリント配線板用である請求項7〜8記載の金属積層体。
  9. 金属箔表面を超音波照射下でカップリング処理することを特徴とするプリント配線板用金属箔の改質方法。
  10. 金属箔が、カップリング処理剤で表面処理された金属箔である請求項9記載の金属箔の改質方法。
  11. カップリング処理が、シランカップリング剤によるものである請求項9又は10記載の金属箔の改質方法。
  12. 金属箔表面を超音波照射下でカップリング処理し、該金属箔と樹脂層を熱圧着することを特徴とする金属積層体の製造方法。
  13. カップリング処理が、シランカップリング剤によるものであり、カップリング処理の溶媒が、メタノール、エタノール、水から選ばれる少なくとも1種類の溶剤である請求項12記載の金属積層体の製造方法。
  14. 金属箔が、銅箔である請求項12又は13記載の金属積層体の製造方法。
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