JP2008308074A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車輪取付フランジの形状・寸法を変更することなく、また、その面振れを劣化させることなく、軽量化を図りつつ、回転曲げ条件下でのハブ輪の強度、耐久性を向上させた車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】ハブ輪1と外側継手部材10とが揺動加締により軸方向に一体に塑性結合された第4世代構造の車輪用軸受装置において、インナー側の転動体6列のピッチ円直径PCDiがアウター側の転動体6列のピッチ円直径PCDoよりも大径に設定され、このインナー側の転動体6の個数がアウター側よりも多く設定されると共に、ハブ輪1が炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成され、調質処理されて表面硬さが35HRC以下に設定され、内側転走面1aと車輪取付フランジ7のインナー側の基部24が高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化層21が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両の車輪を車体に対して回転自在に支承した車輪用軸受装置に関し、特に回転曲げ条件下でのハブ輪の強度、耐久性を向上させた車輪用軸受装置に関するものである。
自動車の車輪用軸受装置には、従動輪用と駆動輪用とがあり、それぞれの用途に応じて種々の形式のものがあるが、例えば、図3に示す従来の駆動輪用の車輪用軸受装置では、ハブ輪51と内輪52とを備えた内方部材50と、複列の転動体53、54と、外方部材55と、そして、エンジン動力をハブ輪51に伝達する等速自在継手56を主要な構成要素としている。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側をインナー側(図面右側)という。
こうした車輪用軸受装置において、車輪(図示せず)およびブレーキロータ57を支持するハブ輪51には、鍛造の容易性、切削性、熱処理性、あるいは経済性の面からS53C等の機械構造用の中炭素鋼が採用されている。このハブ輪51をはじめこの種の車輪用軸受装置の小型・軽量化を図ることは、自動車の燃費向上と走行安定性の向上に大きく寄与するため、ハブ輪51の車輪取付フランジ58のリブ化や薄肉化が進んでいる。しかし、このハブ輪51自体の機械的強度が、素材である中炭素鋼の疲労限に近付きつつあり、これ以上の小型・軽量化を図ることは難しくなってきている。
特に、この種の構造のハブ輪51においては、軽量化のために車輪取付フランジ58を薄肉化する場合、そのアウター側の付け根部、すなわち、ブレーキロータ取付面59から円筒状のパイロット部60に延びる隅部61に回転曲げの応力が集中し、対策が必要である。したがって、この隅部61の寸法、つまり曲率半径を大きくすることによって発生応力を緩和することも考えられるが、これでは車輪取付フランジ58に取り付けられるブレーキロータ57との干渉が問題となるため、隅部61の曲率半径を大きくするのにも限界がある。
このような背景において、本出願人は、車輪取付フランジ58の形状・寸法を変更することなく軽量化を図り、かつハブ輪51の強度アップを図ることができる車輪用軸受装置を既に提案している。この車輪用軸受装置は、図4に示すように、ハブ輪51の車輪取付フランジ58の隅部61に表面硬化層62を高周波焼入れ等によって形成している。これにより、回転曲げ疲労の最弱部となる車輪取付フランジ58の隅部61を高強度化することができ、ハブ輪51の耐久性を図ることができる。
また、これ以外の部位、すなわち、図示しない外方部材55のアウター側端部に装着されたシールのシールリップが摺接するシールランド部をはじめ、軌道面から小径段部の各部位a〜dに亙って、高周波焼入れ等によって表面硬化層63を形成している。さらには、ハブ輪51の内周面に形成されたセレーション部64にも表面硬化層65を形成している。こうした表面硬化層63、65により、各部位a〜d等において要求される回転曲げ疲労強度、耐摩耗性、転がり疲労寿命等を向上させることができる。
特開2002−87008号公報
こうした従来の車輪用軸受装置では、ハブ輪51の車輪取付フランジ58の隅部61に表面硬化層62を形成することにより、車輪取付フランジ58の形状・寸法を変更することなく、軽量化を図りつつハブ輪51の強度アップを図ることができる。然しながら、隅部61に表面硬化層62を形成する高周波焼入れ工程で、車輪取付フランジ58に熱処理変形が生じ、ブレーキロータ取付面59の面振れが大きくなるという新たな問題が発生した。この傾向は車輪取付フランジ58の薄肉化にも起因している。この面振れは、ブレーキロータ57の振れに影響してブレーキジャダーを誘発することになり、自動車の操縦安定性やドライブフィーリングが低下する恐れがある。ここで、ハブ輪51の熱処理後にこのブレーキロータ取付面59をさらに旋削加工し、変形分を修正して面振れを改善する方法も考えられるが、隅部61と未焼入れ部であるブレーキロータ取付面59とに硬度差があるため、隅部61の表面硬化層62との境界部に僅かな段差が発生するという一種ジレンマ的な問題が内在していた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、車輪取付フランジの形状・寸法を変更することなく、また、その面振れを劣化させることなく、軽量化を図りつつ、回転曲げ条件下でのハブ輪の強度、耐久性を向上させた車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、ハブ輪と複列の転がり軸受および等速自在継手がユニット化された車輪用軸受装置であって、外周に懸架装置に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成され、内周にトルク伝達用のセレーションが形成されたハブ輪、およびこのハブ輪にセレーションを介して嵌合されるステム部を有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された前記等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、前記ステム部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記ハブ輪と外側継手部材とが軸方向に一体に塑性結合された車輪用軸受装置において、前記ハブ輪が炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成されて所定の表面硬さに調質処理され、前記内側転走面と前記シールのシールランド部となる前記車輪取付フランジのインナー側の基部が高周波焼入れによって表面に所定の硬化層が形成されている。
このように、ハブ輪と外側継手部材とが揺動加締により軸方向に一体に塑性結合された第4世代構造の車輪用軸受装置において、ハブ輪が炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成されて所定の表面硬さに調質処理され、内側転走面とシールのシールランド部となる車輪取付フランジのインナー側の基部が高周波焼入れによって表面に所定の硬化層が形成されているので、車輪取付フランジの形状・寸法を変更することなく、また、現行の加工方法や既存設備のままでハブ輪の強度・耐久性を高めることができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記ハブ輪の調質処理後の表面硬さが35HRC以下に設定されていれば、切削等の加工性が向上すると共に、熱処理変形を抑制することができる。また、車輪取付フランジに圧入されるハブボルトのボルト孔の表面硬さがハブボルトの表面硬さに近付き、ハブボルトを圧入する時に、ナールが潰れて固着力が低下するのを防止できると共に、圧入後のブレーキロータ取付面の変形を防止して、ブレーキジャダーの原因となる面振れを抑えることができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記外側継手部材が、カップ状のマウス部と、このマウス部の底部となる肩部と、この肩部から軸方向に延びるステム部とを有し、前記肩部の外周に前記内側転走面と、前記ステム部の外周に前記ハブ輪のセレーションに係合するセレーションがそれぞれ形成されると共に、前記ステム部の基部に前記ハブ輪の小径段部に所定の径方向すきまを介して円筒嵌合するインロウ部が形成されていれば、ハブ輪にモーメント荷重が負荷されてもこのインロウ部で支持することができ、ハブ輪の剛性が向上する。
また、請求項4に記載の発明のように、前記外側継手部材がS53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成され、前記内側転走面をはじめ前記肩部の外周から前記ステム部のセレーションに亙って高周波焼入れによって所定の硬化層が形成されると共に、前記加締部が鍛造後の表面硬さの生のままとされていれば、セレーションの耐摩耗性を向上させると共に、塑性変形が容易にでき加締部にクラックが生じるのを防止することができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記車輪取付フランジにハブボルトを圧入した後に、前記ブレーキロータ取付面が旋削加工されていれば、ブレーキロータ取付面の面振れをさらに向上させることができると共に、従来のように、硬化された隅部との硬度差によりブレーキロータ取付面に旋削加工による段差が生じる恐れがない。
また、請求項6に記載の発明のように、前記複列の転動体列のうちインナー側の転動体列のピッチ円直径がアウター側の転動体列のピッチ円直径よりも大径に設定され、このインナー側の転動体の個数が前記アウター側の転動体の個数よりも多く設定されていれば、軸受スペースを有効に活用して装置の軽量・コンパクト化を図り、軸受剛性の増大と軸受の長寿命化を図ることができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブ輪と複列の転がり軸受および等速自在継手がユニット化された車輪用軸受装置であって、外周に懸架装置に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成され、内周にトルク伝達用のセレーションが形成されたハブ輪、およびこのハブ輪にセレーションを介して嵌合されるステム部を有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された前記等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、前記ステム部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記ハブ輪と外側継手部材とが軸方向に一体に塑性結合された車輪用軸受装置において、前記ハブ輪が炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成されて所定の表面硬さに調質処理され、前記内側転走面と前記シールのシールランド部となる前記車輪取付フランジのインナー側の基部が高周波焼入れによって表面に所定の硬化層が形成されているので、車輪取付フランジの形状・寸法を変更することなく、また、現行の加工方法や既存設備のままでハブ輪の強度・耐久性を高めることができる。
ハブ輪と複列の転がり軸受および等速自在継手がユニット化された車輪用軸受装置であって、外周に懸架装置に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成され、内周にトルク伝達用のセレーションが形成されたハブ輪、およびこのハブ輪にセレーションを介して嵌合されるステム部を有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された前記等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、前記ステム部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記ハブ輪と外側継手部材とが軸方向に一体に塑性結合された車輪用軸受装置において、前記複列の転動体列のうちインナー側の転動体列のピッチ円直径がアウター側の転動体列のピッチ円直径よりも大径に設定され、このインナー側の転動体の個数が前記アウター側の転動体の個数よりも多く設定されると共に、前記ハブ輪が炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成されて所定の表面硬さに調質処理され、前記内側転走面と前記シールのシールランド部となる前記車輪取付フランジのインナー側の基部が高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に所定の硬化層が形成されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1のハブ輪単体を示す拡大図である。
この車輪用軸受装置は、ハブ輪1と複列の転がり軸受2および等速自在継手3をユニット化して構成され、第4世代と称される構成を備えている。複列の転がり軸受2は、外方部材4と内方部材5、および両部材間に収容された複列の転動体(ボール)6、6とを備えている。
外方部材4はS53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成され、外周にナックル(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ4cを一体に有し、内周に複列の外側転走面4a、4bが形成されている。そして、これら複列の外側転走面4a、4bが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
内方部材5は、ハブ輪1と、このハブ輪1に内嵌された後述する外側継手部材10とを備えている。ハブ輪1は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ7を一体に有し、外周に複列の外側転走面4a、4bに対向する一方(アウター側)の内側転走面1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる円筒状の小径段部1bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)9が形成されている。車輪取付フランジ7の周方向等配には車輪を固定するハブボルト8が植設されている。
ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成され、内側転走面1aをはじめ、後述するアウター側のシール19のシールランド部となる車輪取付フランジ7のインナー側の基部24から小径段部1bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に所定の硬化層21(図中クロスハッチングにて示す)が形成されている。
等速自在継手3は、外側継手部材10と、継手内輪11と、ケージ12およびトルク伝達ボール13からなる。外側継手部材10は、カップ状のマウス部14と、このマウス部14の底部をなす肩部15と、この肩部15から軸方向に延びるステム部16が一体に形成されている。そして、肩部15の外周に、外方部材4の複列の外側転走面4a、4bに対向する他方(インナー側)の内側転走面10aが形成されている。また、ステム部16には、ハブ輪1の小径段部1bに所定の径方向すきまを介して円筒嵌合するインロウ部16aと、このインロウ部16aの端部にハブ輪1のセレーション9に係合するセレーション(またはスプライン)16bがそれぞれ形成されている。これにより、ハブ輪1にモーメント荷重が負荷されてもこのインロウ部16aで支持することができ、ハブ輪1の剛性が向上する。
外側継手部材10はS53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成され、内側転走面10aをはじめ、肩部15の外周からステム部16のセレーション16bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に所定の硬化層22(図中クロスハッチングにて示す)が形成され、加締部23となるステム部16の端部は鍛造後の表面硬さの生のままとされている。これにより、セレーション16bの耐摩耗性が向上して耐久性が増大すると共に、塑性変形が容易にでき加締部23にクラックが生じるのを防止することができる。
外方部材4と内方部材5のそれぞれの転走面4a、1aと4b、10a間に複列の転動体6、6が収容され、保持器17、18によりこれら複列の転動体6、6が転動自在に保持されている。また、外方部材4と内方部材5との間に形成される環状空間の開口部にはシール19、20が装着され、軸受内部に封入した潤滑グリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。なお、ここでは、複列の転がり軸受2として転動体6にボールを用いた複列アンギュラ玉軸受を例示したが、これに限らず、例えば、転動体に円すいころを用いた複列円すいころ軸受であっても良い。
ここで、本実施形態では、インナー側の転動体6列のピッチ円直径PCDiがアウター側の転動体6列のピッチ円直径PCDoよりも大径に設定されている。すなわち、複列の転動体6、6列のピッチ円直径PCDo、PCDiの違いに伴い、内方部材5において、外側継手部材10における内側転走面10aの溝底径はハブ輪1における内側転走面1aの溝底径よりも拡径して形成されている。一方、外方部材4において、インナー側の外側転走面4bの溝底径がアウター側の外側転走面4aの溝底径よりも拡径して形成されている。したがって、複列の転動体6、6の外径は同じであるが、軸受スペースを有効に活用してピッチ円直径PCDo、PCDiを異ならすことができ、インナー側の転動体6列の個数をアウター側の転動体6列の個数よりも多く収容することができる。したがって、装置の軽量・コンパクト化を図ると共に、軸受剛性の増大と軸受の長寿命化を図ることができる。
ハブ輪1と外側継手部材10との一体化は、ハブ輪1に外側継手部材10のステム部16が所定の径方向すきまを介して円筒嵌合され、小径段部1bの端面に外側継手部材10の肩部15が衝合された状態で、ステム部16の端部を径方向外方に塑性変形、所謂揺動加締により形成した加締部23によってハブ輪1と外側継手部材10が塑性結合されて一体化されている。このようにハブ輪1の小径段部1bと外側継手部材10のインロウ部16aは円筒嵌合されることにより、ハブ輪1の剛性が向上すると共に、加締部23によりセレーション9、16bの周方向ガタと結合部の緩みを防止し、長期間に亙って初期に設定された軸受予圧を維持することができる。
ハブ輪1は、素材を熱間鍛造後、旋削加工によって所望の形状・寸法に形成され、その後、後述する調質処理が施されている。そして、図2に示すように、車輪取付フランジ7におけるアウター側の付け根部、すなわち、ブレーキロータ取付面26と、ブレーキロータ(図示せず)の支持面となる円筒状のパイロット部27との間の隅部28は、ブレーキロータが干渉しない程度の曲率半径を有する円弧面(またはヌスミ)に形成されている。
本実施形態では、ハブ輪1は、高周波による400℃以上の高温焼戻しをして、トルースタイトまたはソルバイト組織にする、所謂調質処理が施されている。この調質処理により組織は粒状化し、引張、曲げ、衝撃値等の機械的性質が上昇して延性や靭性が高まる。ここでは、ハブ輪1の調質処理により、車輪取付フランジ7のブレーキロータ取付面26とパイロット部27および隅部28の調質処理後の表面硬さが35HRC以下に設定されている。これにより、切削等の加工性が向上すると共に、熱処理変形を抑制することができる。また、車輪取付フランジ7に圧入されるハブボルト8のボルト孔25の表面硬さがハブボルト8の表面硬さに近付き、ハブボルト8を圧入する時に、ナール(セレーション)が潰れて固着力が低下するのを防止できると共に、圧入後のブレーキロータ取付面26の変形を防止して、ブレーキジャダーの原因となる面振れを抑えることができる。
このように、ハブ輪1を旋削加工後に調質処理を施し、所望の表面硬さに設定することにより、車輪取付フランジ7の形状・寸法を変更することなく、また現行の加工方法や既存設備のままで、回転曲げ疲労の最弱部となる隅部28および基部24の強度を高めることができ、ハブ輪1の軽量・コンパクト化を図りつつ、耐久性を向上させることができる。
なお、車輪取付フランジ7におけるブレーキロータ取付面26の面振れをさらに向上させるため、ハブボルト8を圧入した後にブレーキロータ取付面26を旋削加工することもできるので、従来のように、硬化された隅部との硬度差によりブレーキロータ取付面26に旋削加工による段差が生じる恐れがない。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブ輪と外側継手部材が塑性結合された第4世代構造の車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 図1のハブ輪単体を示す拡大図である。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。 図3のハブ輪単体を示す拡大図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、10a・・・・・・・・内側転走面
1b・・・・・・・・・・・・小径段部
2・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
3・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
4・・・・・・・・・・・・・外方部材
4a、4b・・・・・・・・・外側転走面
4c・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
5・・・・・・・・・・・・・内方部材
6・・・・・・・・・・・・・転動体
7・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
8・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
9、16b・・・・・・・・・セレーション
10・・・・・・・・・・・・外側継手部材
11・・・・・・・・・・・・継手内輪
12・・・・・・・・・・・・ケージ
13・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
14・・・・・・・・・・・・マウス部
15・・・・・・・・・・・・肩部
16・・・・・・・・・・・・ステム部
16a・・・・・・・・・・・インロウ部
17、18・・・・・・・・・保持器
19、20・・・・・・・・・シール
21、22・・・・・・・・・硬化層
23・・・・・・・・・・・・加締部
24・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジのインナー側の基部
25・・・・・・・・・・・・ボルト孔
26・・・・・・・・・・・・ブレーキロータ取付面
27・・・・・・・・・・・・パイロット部
28・・・・・・・・・・・・隅部
50・・・・・・・・・・・・内方部材
51・・・・・・・・・・・・ハブ輪
52・・・・・・・・・・・・内輪
53、54・・・・・・・・・転動体
55・・・・・・・・・・・・外方部材
56・・・・・・・・・・・・等速自在継手
57・・・・・・・・・・・・ブレーキロータ
58・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
59・・・・・・・・・・・・ブレーキロータ取付面
60・・・・・・・・・・・・パイロット部
61・・・・・・・・・・・・隅部
62、63、65・・・・・・表面硬化層
64・・・・・・・・・・・・セレーション部
a〜d・・・・・・・・・・・部位
PCDi・・・・・・・・・・インナー側の転動体列のピッチ円直径
PCDo・・・・・・・・・・アウター側の転動体列のピッチ円直径

Claims (6)

  1. ハブ輪と複列の転がり軸受および等速自在継手がユニット化された車輪用軸受装置であって、
    外周に懸架装置に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
    一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成され、内周にトルク伝達用のセレーションが形成されたハブ輪、およびこのハブ輪にセレーションを介して嵌合されるステム部を有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された前記等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、
    前記ステム部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記ハブ輪と外側継手部材とが軸方向に一体に塑性結合された車輪用軸受装置において、
    前記ハブ輪が炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成されて所定の表面硬さに調質処理され、前記内側転走面と前記シールのシールランド部となる前記車輪取付フランジのインナー側の基部が高周波焼入れによって表面に所定の硬化層が形成されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記ハブ輪の調質処理後の表面硬さが35HRC以下に設定されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記外側継手部材が、カップ状のマウス部と、このマウス部の底部となる肩部と、この肩部から軸方向に延びるステム部とを有し、前記肩部の外周に前記内側転走面と、前記ステム部の外周に前記ハブ輪のセレーションに係合するセレーションがそれぞれ形成されると共に、前記ステム部の基部に前記ハブ輪の小径段部に所定の径方向すきまを介して円筒嵌合するインロウ部が形成されている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記外側継手部材がS53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成され、前記内側転走面をはじめ前記肩部の外周から前記ステム部のセレーションに亙って高周波焼入れによって所定の硬化層が形成されると共に、前記加締部が鍛造後の表面硬さの生のままとされている請求項1乃至3いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記車輪取付フランジにハブボルトを圧入した後に、前記ブレーキロータ取付面が旋削加工されている請求項1乃至4いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  6. 前記複列の転動体列のうちインナー側の転動体列のピッチ円直径がアウター側の転動体列のピッチ円直径よりも大径に設定され、このインナー側の転動体の個数が前記アウター側の転動体の個数よりも多く設定されている請求項1乃至5いずれかに記載の車輪用軸受装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102848852A (zh) * 2011-06-29 2013-01-02 Skf公司 用于连接到等速万向节的轮毂组件的静态密封装置

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