JP2008299329A - 偏光ガラスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】面内の偏光軸ずれを低減し、光アイソレータの製造歩留まりを向上させることのできる偏光ガラスを提供すること。
【解決手段】ガラス基体の少なくとも一方の主表面の表層部に配向・分散された形状異方性金属微粒子を含む偏光ガラスであって、前記ガラス基体のプリフォーム肉厚が3mm以上であり、該プリフォームの移動速度を15mm/分以下に設定し、かつ、延伸されたガラスシートの引き取り速度を300mm/分以下に設定して加熱延伸することを特徴とする製造方法によって作製されており、前記主表面の中心点a、jの偏光軸を基準角度としたとき、面内の任意の点b〜i、k〜rの最大の偏光軸ずれが0.15°以内であることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、偏光ガラスの製造方法に係り、さらに詳しくは、面内の偏光軸ずれを小さく製造できる方法に関する。本発明の製造方法によって製造された偏光ガラスは、光通信などに利用される小型光アイソレータ、液晶・電気光学結晶・ファラデーローテータなどの組み合わせからなる光スイッチや電気磁気センサ等の偏光子として用いられる。
配向・分散された形状異方性を有する微細な金属粒子、例えば、銀粒子や銅粒子を分散含有するガラスは、その金属の光吸収波長帯が入射偏光方向によって異なるために偏光子になることが知られている。そのような偏光ガラスは、伸長されたハロゲン化銅粒子含有ガラスあるいはハロゲン化銀粒子含有ガラスを還元することで作製できることも知られている。
例えば、ハロゲン化銅粒子含有ガラスから偏光ガラスを作製する方法は、特許文献1に開示されている。この方法は、ガラスの粘度が10〜1010Pa・Sの範囲になる温度においてハロゲン化銅粒子を伸長し、次いで還元雰囲気下で熱処理することによりハロゲン化銅粒子を還元して、伸長された形状異方性の金属銅粒子を含有する偏光ガラスを製造するものである。
さらに、上記形状異方性の金属銅粒子を含有する偏光ガラスの製造方法を改良した方法として、ハロゲン化金属粒子含有ガラスを線引きする方法が特許文献2に提案されている。この方法は、金属ハロゲン化粒子が分散されているガラスプリフォームを線引きする際に、伸長したガラスの冷却を伸長と同時に行い、伸長したガラスを効率良く冷却することによって、伸長したハロゲン化金属粒子の再球状化が防止できて、優れた偏光特性を有する偏光ガラスを製造することができるとしたものである。
従来のアイソレーションが35dB程度求められる高性能幹線系光アイソレータの部品として使用される偏光ガラスは、平面の寸法が1.0〜1.2mm角であった。このような偏光ガラスを同サイズのファラデー素子の結晶に個々に位置合わせして接着することで、光アイソレータ用の非相反素子が製造されていた。これ以下のサイズの部品では、ハンドリングがしにくく、例えば、偏光ガラスとファラデー素子の結晶との接着の作業も容易ではなかった。
それに対して最近では、メトロ系の光アイソレータ用として、平面の寸法が0.5〜0.6mm角程度の小さい部品が使用されるようになってきた。その製造方法は、まず10mm角程度のファラデー素子結晶と同程度の寸法を有する偏光ガラスを、位置合わせして貼り付ける。次いで、0.5〜0.6mm角程度の多数の部品に切断するというものである。この方法によれば、前記従来品に較べて、約1/4の平面面積で済む部品を、多数、簡便に作製できるようになった。
ところが、平面の寸法が小さい偏光ガラスを同サイズのファラデー素子結晶に個々に位置合わせして接着する場合は問題とならなかったが、10mm角程度の比較的大きめのサイズの偏光ガラスを使用する場合、ガラス面内での偏光軸ずれの問題が無視できなくなってきた。即ち、ガラス面内に偏光軸のずれた部分が存在すると、その部分では、偏光軸がずれた状態でファラデー素子と貼り合わされることになり、光アイソレータとしての偏光特性が損なわれるからである。
従来、偏光ガラスにおける偏光軸ずれを低減する方法として、特許文献3に記載の方法が知られている。この方法は、延伸に使用する加熱炉の温度分布を、延伸方向に垂直な方向の両端部で温度が低くなるように設定すると共に、プリフォームのガラス厚を4mm以上と厚くすることにより、延伸時の幅方向端部におけるガラスの冷却速度を中心部より相対的に速くし、構造の凍結を速めることで、両端でのハライド金属延伸軸のハの字の開きを抑えるようにしたものである。
また特許文献4では、消光比が50dB以上で、その消光比のバラツキが5dB以下であり、偏光軸ずれが0.0206°/mmの範囲である偏光ガラスの記載がある。
特許文献5では、高い張力で線引きできる線引き条件の記載があるが、偏光軸ずれ低減の方法については、開示されていない。
さらに特許文献6では、偏光軸ずれを低減した偏光ガラスの記載があるが、その低減方法は、ガラスの引き伸ばし方向に一様であるように調節することなどで、具体的な記述がない。
特許第2740601号公報 特許第2849358号公報 特開2004−224660号公報
しかしながら、特許文献3に記載の方法では、延伸方向に垂直な方向での偏光軸ずれは低減できても、延伸されたガラスシートの延伸方向に小さな湾曲が多数箇所存在する場合、延伸方向での偏光軸のゆらぎ(偏光軸の角度ずれ)が生じる問題があった。この延伸方向の偏光軸のゆらぎは、一般に延伸方向に垂直な方向での偏光軸ずれよりも小さいが、偏光ガラスの面内の偏光軸ずれを大きく悪化させる原因となっていた。
図1は、延伸されたガラスシートの延伸方向に小さな湾曲があった場合の、還元処理して偏光ガラスを作製した状態での偏光軸の面内分布の例を示している。
この小さく湾曲したガラスシートから正方形の偏光ガラス1を切り出し、この偏光ガラス1の中心部2の偏光軸(直線偏光の共鳴吸収が最大となる角度)を基準角度として、面内の周辺箇所での偏光軸の角度ずれを測定すると、符号3、4で示す箇所での偏光軸は、延伸方向の小さな湾曲のために0.06°くらい基準角度に対して傾いていた。また、中心部2の延伸方向に垂直な方向の2箇所5、6では、偏光軸ずれが基準角度に対し0.13°であった。そうした場合、符号7および10で示す箇所は0.07°くらいに偏光軸ずれが低減されるが、符号8および9で示す箇所での偏光軸ずれは0.19°くらいに増大する。延伸方向に垂直な方向の2箇所5、6での偏光軸の傾きは通常非対称になっているので、符号8および9で示す箇所での偏光軸ずれは0.20°を超える大きなずれになってしまう。
偏光ガラス面1内に、符号8、9で示す箇所のような大きな偏光軸ずれの箇所が存在すると、その部分では、偏光軸がずれた状態でファラデー素子と貼り合わされることになり、光アイソレータとしての偏光特性が劣化することになるので、光アイソレータの製造歩留まりが低下してしまうという欠点があった。
そこで、本発明の目的は、面内の偏光軸ずれを低減し、光アイソレータの製造歩留まりを向上させることのできる偏光ガラスを提供することにある。
請求項1の発明は、ガラス基体の少なくとも一方の主表面の表層部に配向・分散された
形状異方性金属微粒子を含む偏光ガラスを製造する偏光ガラスの製造方法であって、金属粒子を含むガラス基体のプリフォームを線引き装置で線引きすることよって加熱延伸する加熱延伸工程を有し、前記加熱延伸工程において、前記ガラス基体のプリフォームとして肉厚が3.0mm以上のものを用い、前記プリフォームの移動速度を15mm/分以下に設定し、かつ、延伸されたガラスシートの引き取り速度を300mm/分以下に設定することによって、主表面の中心点の偏光軸を基準角度としたとき、面内の最大の偏光軸ずれが0.15°以内である偏光ガラスを製造することを特徴とする偏光ガラスの製造方法である。
請求項2の発明は、主表面の中心点の偏光軸を基準角度としたとき、該中心点を中心とする一辺が7mmの正方形面内での最大の偏光軸ずれが0.15°以内である偏光ガラスを製造することを特徴とする請求項1に記載の偏光ガラスの製造方法である。
請求項3の発明は、前記プリフォームの移動速度を10mm/分以下に設定し、かつ、延伸されたガラスシートの引き取り速度を200mm/分以下に設定して加熱延伸することによって、主表面の中心点の偏光軸を基準角度としたとき、面内の最大の偏光軸ずれが0.1°以内である偏光ガラスを製造することを特徴とする請求項1に記載の偏光ガラスの製造方法である。
請求項4の発明は、主表面の中心点の偏光軸を基準角度としたとき、該中心点を中心とする一辺が7mmの正方形面内での最大の偏光軸ずれが0.1°以内である偏光ガラスを製造することを特徴とする請求項1または3に記載の偏光ガラスの製造方法である。
請求項5の発明は、中心波長が1.31μmである波長域の光及び中心波長が1.55μmである波長域の光の一方または両方に対する消光比が30dB以上である偏光ガラスを製造することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偏光ガラスの製造方法である。
これまで偏光ガラスのプリフォームの線引きは、特許文献2に記載のように、線引き後の金属ハロゲン化粒子の再球状化を防止する目的で、線引きされたガラスシートの厚みが2mm以下になるように線引き条件を設定したり、線引きされたガラスシートがガラスプリフォームの変形開始位置から雰囲気温度が100℃になる位置まで120秒以内に移動するように、600mm/分という比較的速い引き取り速度で引き取ったりしていた。金属ハロゲン化粒子が再球状化すると、消光比が低下して、性能の低い偏光ガラスになるので、延伸したガラスシートが速く冷却されるようにする必要があったからである。
しかし、比較的速い引き取り速度で線引きを行うと、線引きされたガラスシートが冷却される際に、シート内で熱的な不均質を伴いながら冷却されやすくなり、その結果、シート面内で局所的な冷却速度の差を生じ、これが熱収縮の局所的なゆらぎを発生し、線引きされたシートの延伸方向での小さな湾曲を生じることにつながっていた。
また、引き取り速度を比較的速くすることで、相対的にプリフォームの送り速度を速める必要があった。プリフォームの送り速度を速めると、線引き炉内で、最高温度ゾーンを通過するプリフォームの速度が速くなり、プリフォームの幅方向で充分に加熱の均質性が得られないまま、高い張力で延伸されることになって、ガラスの粘度の均質性がない状態での延伸では、同一張力がかけられていても、延伸ガラス面内で局所的な延伸の不均質を生じ、線引きされたシートに延伸方向に小さな湾曲が生じる原因になっていた。
本発明では、プリフォームの送り速度と延伸されたガラスシートの引き取り速度の両方
を、比較的遅くして線引きすることにより、線引きされたガラスシートの延伸方向の小さな湾曲を抑え、偏光ガラスの面内の偏光軸ずれを低減するものである。
請求項1の発明によると、肉厚3.0mm以上のプリフォームを用い、プリフォーム線引き炉内での延伸されるプリフォームの熱の均質性を向上させるために、プリフォームの送り速度を15mm/分以下と比較的ゆっくり送り、かつ線引きされたガラスシートの冷却過程で熱的均一性が保たれて冷却されるように、引き取り速度を300mm/分以下にしてゆっくり引き取ることにより、線引きされたガラスシートの局所的な湾曲を低減し、延伸方向での偏光軸の揺らぎを低減することができる。そして、局所的な湾曲が少なくなることで、偏光ガラスの面内の偏光軸ずれを低減でき、偏光ガラス主表面の中心点の偏光軸を基準角度としたとき、面内の最大の偏光軸ずれが0.15°以内である偏光ガラスを提供し、光アイソレータの製造歩留まりを向上することができる。
請求項2の発明によると、主表面の中心点の偏光軸を基準角度としたとき、該中心点を中心とする一辺が7mmの正方形面内での最大の偏光軸ずれが0.15°以内であることを特徴とする偏光ガラスを提供することで、さらに光アイソレータの製造歩留まりを向上することができる。
請求項3の発明によると、プリフォームを加熱延伸する過程で、プリフォームの移動速度を10mm/分以下で、かつ延伸されたガラスシートの引き取り速度を200mm/分以下にして延伸することで、より熱的に均質な状態で線引きができ、偏光ガラス主表面の中心点の偏光軸を基準角度としたとき、面内の最大の偏光軸ずれが0.1°以内である偏光ガラスを提供することで、さらに光アイソレータの製造歩留まりを向上することができる。
請求項4の発明によると、偏光ガラス主表面の中心点の偏光軸を基準角度としたとき、該中心点を中心とする一辺が7mmの正方形面内の最大の偏光軸ずれが0.10°以内であることを特徴とする偏光ガラスを提供することで、さらに光アイソレータの製造歩留まりを向上することができる。
請求項5の発明によると、中心波長が1.31μmである波長域の光及び中心波長が1.55μmである波長域の光の一方または両方に対する消光比が30dB以上であることにより、実用上問題のない消光比でかつ面内で偏光軸ずれの小さい偏光ガラスを供給することができ、光アイソレータの製造歩留まりを向上することができる。
本発明は、形状異方性を有する金属粒子がガラス中に配向して分散されている偏光ガラスに関する。ここで形状異方性を有するとは、1を超えるアスペクト比を有することを意味する。金属粒子の金属としては、例えば、銅、銀、金、及び白金等を挙げることができる。また、金属粒子のアスペクト比は、偏光ガラスに要求される物性、特に光吸収波長に応じて適宜決定できるが、例えば2:1〜100:1の範囲であることが望ましい。特に光通信波長(1.31〜1.55μm)付近を吸収波長とするためには、2:1〜15:1の範囲であることが好ましい。尚、アスペクト比とは、金属粒子の縦横比を意味し、縦は金属粒子の長手方向の長さであり、横は長手方向に垂直な長さ、即ち幅である。
本発明の偏光ガラスにおける形状異方性の金属粒子は、ガラス中に実質的に一方向に配向して分散される。母材であるガラスの種類としては、例えば、ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸ガラス、ホウ酸塩ガラス等を挙げることができる。
本発明では、金属ハロゲン化物粒子が分散されているガラスを母材ガラスとして用いて
も良い。金属ハロゲン化物のハロゲンとしては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。金属ハロゲン化物としては、例えば、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、塩化金、臭化金、ヨウ化金、塩化白金、臭化白金、ヨウ化白金等を挙げることができる。金属ハロゲン化物粒子が分散されているガラスは、公知の方法により容易に製造することができる。
このような金属ハロゲン化物粒子は、粒径が50〜200nm、より好ましくは70〜170nmの範囲であるのがよい。粒径が上記範囲より小さくなると、線引きしたときに所定のアスペクト比が得られにくく、その結果、光通信用の波長での光吸収波長が得られ難くなる傾向がある。一方、粒径が上記範囲よりも大きくなると、偏光ガラスとしたときに、ガラス内部に残存する金属ハロゲン化物による透過損失の影響が大きくなる傾向がある。また、金属ハロゲン化物の含有量は、所定の還元処理で得られる金属粒子により充分な消光比が得られ、かつ、偏光ガラスとしたときにガラス内部に残存する金属ハロゲン化物による透過損失の影響が大きくならない程度に調整されることが好ましく、ガラス組成中のハロゲン化物を形成する金属とハロゲンの量を適宜調節することで変化させることができる。
本発明では、プリフォームとなるガラスを、粘度が1×10〜1×1011ポアズに相当する温度となるよう加熱し延伸する。1×10ポアズ以下の粘度では、ガラスが軟らかくなり過ぎて、延伸に必要な張力がかけられず、偏光ガラスを作製した場合、実用上必要となる消光比が得られない。また1×1011ポアズ以上の粘度では、ガラスが硬くなりすぎて、延伸する際に延伸したガラスの破損が頻繁に発生する。
ところで、10mm角程度の平板サイズの偏光ガラス面内での偏光軸ずれは、延伸工程で発生するものと考えられている。板状のプリフォームを加熱して延伸する際に、プリフォームに存在するハライド金属微粒子がガラス軟化温度付近(ハライド金属の融点以上)で棒状に延伸され、ガラス構造が凍結する温度(Tg付近)に冷却された時点で、延伸されたハライド金属微粒子の延伸軸が固定される。図2に示すように、ガラス構造が凍結する直前の状態は、延伸面内の幅方向の中心部では、ハライド金属微粒子は下方に大きな張力を受け、左右には等しい張力が発生しているので、その延伸軸は延伸方向に平行である。しかし、延伸面内の幅方向の端部、例えば右端では、下方への大きな張力と左下へのわずかな張力がかかっており、その反力として大きな上方への反力とわずかな左上の反力が延伸微粒子に働いている。
その結果、延伸面内の幅方向の右端では、延伸されたハライド微粒子は上側がわずかに左側(中心部側)に傾斜するようになる。同様に延伸面内の幅方向の左端では、延伸されたハライド微粒子は、右上へのわずかな反力のため、上側がわずかに右側に傾斜するようになる。
結果として、ガラス構造が凍結する直前で、ハライド金属の延伸軸は、延伸面内の幅方向で中心部は延伸方向に平行で、その幅方向の両端はわずかに上が中心部に向かった、ハの字に開いた形になる。これが連続的に延伸され、順次構造が凍結されてゆくので、還元処理後10mm角程度に切断した偏光ガラスには、面内に偏光軸のずれが生じているのである。
上述のように、延伸方向に垂直な幅方向で、ハの字の偏光軸の開きを伴っている偏光ガラスに、延伸時の熱的不均質によって、延伸されたガラスシートの延伸方向での局所的な小さな湾曲が加わり、偏光ガラス面内の偏光軸ずれは約0.2°以上と比較的大きなものになっていた。
本発明では、ハライド金属微粒子を析出させたガラスプリフォームを線引きする過程で、プリフォームの移動速度と、延伸されたガラスシートの引き取り速度とを、比較的遅く設定した条件で線引きを行うことによって、延伸時の熱的不均質を低減し、延伸方向での局所的な湾曲をなくし、偏光ガラスの偏光軸ずれの面内分布を低減するようにしている。
延伸されたガラスシートの引き取り速度は、300mm/分以下にして引き取ることが、冷却過程での熱的な不均質を低減し、延伸方向の小さな湾曲を低減することに効果がある。より好ましくは、引き取り速度は200mm/分以下が、ガラスシートの延伸方向の小さな湾曲を低減する意味から好ましい。
また、線引き時のプリフォームの送り速度については、線引き炉内の最高温度ゾーンを通過するプリフォームの速度を遅くすることで、延伸されるプリフォームの加熱状態の均質化を図ることができる。プリフォームの移動速度は、15mm/分以下に設定することが、熱的均質化が高まることによって、延伸されたガラスシートの延伸方向の小さな湾曲を低減する上で効果がある。また、プリフォーム肉厚が3mm厚以上のプリフォームに対しては、このように遅い送り速度で線引きすることにより、熱的均質化の効果が得られやすい。プリフォーム送り速度は、より好ましくは10mm/分以下に設定することが、延伸方向での局所的な湾曲をなくし、偏光ガラスの偏光軸ずれの面内分布を低減する上で効果がある。
プリフォーム肉厚は、3.0mm未満であると、加熱延伸する際に、延伸に必要な引っ張り応力に達する前に破断する確率が高くなるので、生産の面から3.0mm以上あることが望ましい。より好ましくは、3.5mm以上あることが望ましい。
またプリフォーム肉厚が、3.0mm未満であると、線引きされたガラスシートが、長さ方向に少しずつシート幅方向(図1で示されるようなシート幅方向)で弓なりに湾曲する傾向があり、この結果一辺が7mm程度の正方形面内での偏光軸ずれは小さくとも、延伸されたガラスシートを長さ100mm程度に切断したときに、1mm以上湾曲しているシート数が増え、続く研磨工程、ARコート工程、切断工程で、不良となるシート数が増える。よって、曲がり不良数の面からも、プリフォーム肉厚は3.0mm以上あることが望ましく、より好ましくは、3.5mm以上あることが望ましい。
本発明は、かかる生産上の歩留まりを鑑みた上での、偏光軸ずれ面内分布の低減に好適な製造条件に関するものである。
ここで注意が必要な点としては、あまり線引き時の引き取り速度を遅くすると、延伸されたハロゲン化金属微粒子形状が、球状に戻る再球状化現象が発生し、消光比の著しい低下を招くことである。この再球状化減少の防止のためには、線引きされたガラスシートの厚みと、プリフォーム送り速度と、引き取り速度を、速度比を考慮に入れ、設定することが望ましい。
また、偏光ガラスの消光比として30dB以上あることが、実用上必要である。そこで、プリフォーム肉厚、線引き時のプリフォーム送り速度と引き取り速度、線引きされたガラスシート肉厚を調整して、得られた偏光ガラスの消光比が30dB以上あるように設定する必要がある。
延伸して得られるガラスシートは、次いで還元処理して、ガラス中の金属ハロゲン化物粒子の一部または全部を金属粒子とする。この還元処理は、例えば、シート状のガラスを還元性のガス雰囲気中で熱処理することで行うことができる。還元性のガスとしては、例えば、水素ガスやCO−COガス等を挙げることができる。還元の条件は、還元すべき
金属ハロゲン化物の種類により異なる。但し、還元の温度が高すぎると、還元して得られる金属粒子が再球状化する可能性があるので、そのことを考慮して還元温度を決める必要がある。例えば、ハロゲン化銅の場合、約350〜550℃であることが適当である。また、還元の時間は、還元温度及び還元の程度を勘案して適宜決めることができる。通常30分〜10時間の範囲で行うのがよい。
得られた偏光ガラスは、10mm角程度大きさの正方形に切り出し、ガーネット膜と貼り合わせて、光アイソレータ用部品として使用される。このとき、偏光ガラスの中心点の偏光軸に対して、面内の各点での偏光軸のずれ量が0.15°以内であると、光アイソレータを作製した時の製造歩留まりが向上する。さらに面内の偏光軸ずれが0.10°以内であれば、なお光アイソレータを作製した時の製造歩留まり向上に貢献できる。
以下、実施例と比較例について述べる。
《実施例1》
(1)プリフォームの作成
重量%で、SiO59.9%、AlF2%、Al6.8%、B20%、NaO9.7%、NaCl1%、CuCl0.5%、SnO0.1%からなる組成のガラスを、5リットルの白金ルツボにて1410℃で溶解した後、鋳型に流し込み470℃で除冷し、ガラスブロックを作製した。このガラスブロックから適当な大きさに切り出し、700℃にて6時間熱処理し、前記ガラスブロック中に平均粒径約100nmの塩化銅粒子を含むガラスを得た。このガラスを加工して、80×250×3.5mmtの面の両側を光学的に研磨した板状のガラスプリフォームを得た。
(2)延伸工程
上記のプリフォームを図3に示す線引き装置で加熱延伸した。プリフォーム21を送り装置22に取り付け、前記プリフォーム21の下端部が、加熱炉23のほぼ中央にくるように位置をセットした。図示しない温度制御装置により加熱炉23内の温度を710℃まで昇温した。プリフォーム21の下端には、針金が巻きつけてあり、加熱炉23の温度が安定した後、前記針金に荷重をかけ、ガラスの伸長を開始し、引っ張り装置24のローラ部に伸長したガラスが達した後、針金の荷重をはずした。
延伸してシート状になったガラスを引っ張り装置24である駆動ローラに挟み、加熱炉23内の温度を690℃に再設定した。温度が安定した後、プリフォーム送り装置22によりプリフォーム21を6mm/分で送り、同時にローラにより張力をかけて、引き取り速度は160mm/分で連続的にシート状ガラスを引っ張った。得られたガラスシート形状は、およそ幅15.5mm、厚さ0.68mmで、引っ張り応力は25.5MPaだった。次にガラスシートを長さ100mmに切断したとき、1mm以上湾曲しているシートは、50枚中0枚であった。
(3)還元
得られたガラスシートを0.2mmtに研磨して、このガラスを1気圧の水素ガス雰囲気中で、425℃で8時間熱処理して、ガラス表面の塩化銅微粒子を金属銅に還元処理した。還元層厚は、片面約40μmだった。次に、図4(a)に示すように、11mm角の正方形に延伸方向に平行に切断して偏光ガラス1を作製した。
(4)偏光軸測定
得られた偏光ガラス1面内の中心点aの偏光軸の角度(直線偏光が最も共鳴吸収されて消光する角度)を基準として、中心点aから延伸方向に平行に3.5mm離れた点b、cと、中心点aから延伸方向に垂直に3.5mm離れた点d、eと、点b、cから延伸方向
に垂直に3.5mm離れた点f、g、h、i の、一辺が7mmの正方形の周辺8点における消光比と偏光軸ずれ(各点での偏光軸角度とaの偏光軸角度との差)を測定した結果を表1に示す。また、上記方法で作製した偏光ガラスを任意に50枚選んで偏光軸ずれを調べ、各点における偏光軸ずれの絶対値の最大値を表2に示す。
《実施例2》
(1)プリフォームの作成
実施例1と同じ組成でガラスを溶融してガラスブロックを作製し、同様の熱処理を行い、塩化銅粒子を含むガラスを得た。このガラスを加工して、110×250×3.5mmtの面の両側を光学的に研磨した板状のガラスプリフォームを得た。
(2)延伸工程
実施例1と同様の方法で、上記プリフォームを線引きした。但し、送り速度は8mm/分で、引き取り速度は240mm/分に設定した。得られたガラスシート形状は、およそ幅20mm厚さ0.64mmで、引っ張り応力は23.5MPaだった。次にガラスシートを長さ100mmに切断したとき、1mm以上湾曲しているシートは、50枚中0枚であった。
(3)還元
得られたガラスシートを0.2mmtに研磨して、このガラスを1気圧の水素ガス雰囲気中で、435℃で5時間熱処理して、ガラス表面の塩化銅微粒子を金属銅に還元処理した。次に、図4(b)に示すように、11mm角の正方形に延伸方向に45度傾けて切断して偏光ガラス1を作製した。
(4)偏光軸測定
得られた偏光ガラス1面内の中心点jの偏光軸の角度を基準として、jから延伸方向に45度傾けた角度に3.5mm離れた点k、l、m、nと、この4点を一辺7mmの正方形の各辺の中点とする正方形の4角の点o、p、q、rの8点における消光比と偏光軸ずれを測定した結果を表1に示す。また、上記方法で作製した任意50枚の偏光ガラスの偏光軸ずれを調べ、各点における偏光軸ずれの絶対値の最大値を表2に示す。
《実施例3》
実施例1と同様に、サイズ80×250×7mmtのプリフォームを作製し、加熱延伸を行った。プリフォームの送り速度は10mm/分で、引き取り速度を260mm/分にして線引きした。得られたガラスシート形状は、およそ幅16mm、厚さ1.7mmで、引っ張り応力は24.5MPaだった。ガラスシートを長さ100mmに切断したとき、1mm以上湾曲しているシートは、50枚中0枚であった。
得られたガラスシートを実施例1と同様に研磨、還元し、11mm角の正方形に延伸方向に平行に切断して偏光ガラスを作製した。実施例1と同様に消光比と偏光軸ずれを測定した結果を表1に示す。また、上記方法で作製した偏光ガラスを任意に50枚選び偏光軸ずれを調べ、各点における偏光軸ずれの絶対値の最大値を表2に示す。
《比較例1》
実施例1と同様に、サイズ80×250×3.5mmtのプリフォームを作製し、加熱延伸を行った。但し、プリフォームの送り速度は17mm/分で、引き取り速度を400mm/分にして線引きした。得られたガラスシート形状は、およそ幅16.5mm、厚さ0.72mmで、引っ張り応力は25.5MPaだった。ガラスシートを長さ100mmに切断したとき、1mm以上湾曲しているシートは、50枚中10枚あった。
得られたガラスシートを実施例1と同様に研磨、還元し、11mm角の正方形に延伸方向に平行に切断して偏光ガラスを作製した。実施例1と同様に消光比と偏光軸ずれを測定した結果を表1に示す。また、上記方法で作製した偏光ガラスを任意に50枚選び偏光軸ずれを調べ、各点における偏光軸ずれの絶対値の最大値を表2に示す。
《実施例4》
(1)プリフォームの作成
重量%で、SiO59.1%、B18.1%、Al2.0%、LiO1.8%、KO8.1%、BaO3.4%、TiO1.5%、ZrO6.0%、Ag0.3%、C10.6%からなる組成のガラスを、5リットルの白金ルツボにて1450℃で溶解した後、鋳型に流し込み530℃で除冷し、ガラスブロックを作製した。このガラスブロックから適当な大きさに切り出し、730℃にて4時間熱処理し、前記ガラスブロック中に平均粒径約90nmの塩化銀粒子を含むガラスを得た。このガラスを加工して、80×250×3.5mmtの面の両側を光学的に研磨した板状のガラスプリフォームを得た。
(2)延伸工程
上記のプリフォームを図3に示す線引き装置で、実施例1と同様にして加熱延伸した。図示しない温度制御装置により加熱炉23内の温度を750℃まで昇温した。加熱炉23の温度が安定した後、プリフォーム21の下端の針金に荷重をかけ、ガラスの伸長を開始し、引っ張り装置24のローラ部に伸長したガラスが達した後、針金の荷重をはずした。
延伸してシート状になったガラスを、引っ張り装置24である駆動ローラに挟み、加熱炉23内の温度を705℃に再設定した。温度が安定した後、プリフォーム送り装置22によりプリフォーム21を6mm/分で送り、同時にローラにより張力をかけて、引き取り速度は180mm/分で連続的にシート状ガラスを引っ張った。得られたガラスシート形状は、およそ幅14.6mm、厚さ0.64mmで、引っ張り応力は28.5MPaだった。次にガラスシートを長さ100mmに切断したとき、1mm以上湾曲しているシートは、50枚中0枚であった。
(3)還元
得られたガラスシートを0.2mmtに研磨して、このガラスを1気圧の水素ガス雰囲気中で、440℃で8時間熱処理して、ガラス表面の塩化銅微粒子を金属銅に還元処理した。還元層厚は、片面約30μmだった。次に、図4(a)に示すように11mm角の正方形に延伸方向に平行に切断して偏光ガラス1を作製した。
(4)偏光軸測定
実施例1と同様に消光比と偏光軸ずれを測定した結果を表1に示す。また、上記方法で作製した偏光ガラスを任意に50枚選び偏光軸ずれを調べ、各点における偏光軸ずれの絶対値の最大値を表2に示す。
《比較例2》
実施例4と同じ組成のガラスから、実施例4と同様に、サイズ80×250×3.5mmtのプリフォームを作製し、加熱延伸を行った。但し、プリフォームの送り速度は20mm/分で、引き取り速度を500mm/分にして線引きした。得られたガラスシート形状は、およそ幅16.0mm、厚さ0.70mmで、引っ張り応力は28.5MPaだった。ガラスシートを長さ100mmに切断したとき、1mm以上湾曲しているシートは、50枚中12枚あった。
得られたガラスシートを実施例4と同様に研磨、還元し、11mm角の正方形に延伸方
向に平行に切断して偏光ガラスを作製した。実施例1と同様に消光比と偏光軸ずれを測定した結果を表1に示す。また、上記方法で作製した偏光ガラスを任意に50枚選び偏光軸ずれを調べ、各点における偏光軸ずれの絶対値の最大値を表2に示す。
《実施例5》
図5は、お互いに偏光軸を45°傾けた偏光ガラス31、32を用いて、液層エピタキシー法により作製された市販の磁性ガーネット膜(株式会社トーキン製)33と、Sm−Co系磁石34a、34bを組み合わせて試作した光アイソレータを図示している。使用した偏光ガラスは、実施例1と実施例2と同様にして作成し、サイズは11mm角で、厚さが0.2mm、磁性ガーネット膜のサイズは11mm角で、厚みは0.4mmである。お互いに中心点の偏光軸が45°傾くようにして配置した上記2枚の偏光ガラスの間に、磁性ガーネット膜をはさみ、それらを接着剤で接着した。その後、それらを0.5mm角に切断し、Sm−Co系磁石34a、34bを図5のように配置し、接着剤で接着して、多数の1.55μm用光アイソレータを製作した。アイソレーションが30dB以上ある光アイソレータは、作製した中で95%だった。
《比較例3》
比較例1と同様にして作製した11mm角の偏光ガラスと、プリフォームのサイズを110×250×3.5mmtにして比較例1と同様にして線引きし、延伸方向に対して45°傾けて切断した11mm角の偏光ガラスを用いた以外は、実施例5と同様にして1.55μm用光アイソレータを多数作製した。アイソレーションが30dB以上ある光アイソレータは、作製した中の65%だった。
《実施例6》
実施例1と同じ組成でガラスを溶融してガラスブロックを作成し、同様の熱処理を行い、塩化銅粒子を含むガラスを得て、80×250×3.5mmtの同様のガラスプリフォームを得た。
このガラスプリフォームを、加熱炉可動式延伸装置で延伸した。即ち、図6に示すプリフォーム取り付け冶具42にガラスプリフォ−ム41を取付固定し、発熱体47を備えた加熱炉46でプリフォーム41を710℃に加熱し、固定していない方のプリフォーム41の端部に巻きつけた針金を引っ張り、ガラスを伸張し、引っ張り装置45にガラスが達した後、ガラス端を延伸ガラス保持冶具44に取り付けた。
加熱炉6の温度を690℃に再設定し、温度が安定した後、図示していない可動装置で加熱炉46を、プリフォーム保持機43の方向に6mm/分で送り、同時に引っ張り装置45でシート状ガラスを170mm/分で連続的に引っ張った。得られたガラスシート形状は、およそ幅15.0mm、厚さ0.66mmで、引っ張り応力は、26.5Mpaだった。次にガラスシートを長さ100mmに切断したとき、1mm以上湾曲しているシートは、50枚中0枚であった。
得られたガラスシートを実施例1と同様に研磨、還元処理して、図4(a)に示すように、11mm角の正方形に延伸方向に平行に切断して偏光ガラス1を作製した。
得られた偏光ガラス1面内の偏光軸角度ずれを実施例1と同様に測定した結果を表1に示す。また、上記方法で作製した偏光ガラスを任意に50枚選び偏光軸ずれを調べ、各点における偏光軸ずれの最大値を表2に示す。
《比較例4》
実施例6と同様に、サイズ80×250×3.5mmtのプリフォームを作製し、図6
に示す加熱炉可動式延伸装置を用いて延伸を行った。但し、加熱炉の送り速度は18mm/分で、引き取り速度を450mm/分にして線引きした。得られたガラスシート形状は、およそ幅16.0mm、厚さ0.70mmで、引っ張り応力は25.8MPaだった。ガラスシートを長さ100mmに切断したとき、1mm以上湾曲しているシートは、50枚中11枚あった。
得られたガラスシートを実施例1と同様に研磨、還元し、11mm角の正方形に延伸方向に平行に切断して偏光ガラスを作製した。実施例1と同様に消光比と偏光軸ずれを測定した結果を表1に示す。また、上記方法で作製した偏光ガラスを任意に50枚選び偏光軸ずれを調べ、各点における偏光軸ずれの絶対値の最大値を表2に示す。
《実施例7》
実施例1と同様に、サイズ80×250×3.0mmtのプリフォームを作製し、加熱延伸を行った。プリフォームの送り速度は6mm/分で、引き取り速度を160mm/分にして線引きした。得られたガラスシート形状は、およそ幅16mm、厚さ0.6mmで、引っ張り応力は25MPaだった。ガラスシートを長さ100mmに切断したとき、1mm以上湾曲しているシートは、50枚中0枚であった。
得られたガラスシートを実施例1と同様に研磨、還元し、11mm角の正方形に延伸方向に平行に切断して偏光ガラスを作製した。実施例1と同様に消光比と偏光軸ずれを測定した結果を表1に示す。また、上記方法で作製した偏光ガラスを任意に50枚選び偏光軸ずれを調べ、各点における偏光軸ずれの絶対値の最大値を表2に示す。
《比較例5》
実施例1と同様に、サイズ80×250×2.5mmtのプリフォームを作製し、加熱延伸を行った。プリフォームの送り速度は6mm/分で、引き取り速度を160mm/分にして線引きした。引っ張り応力は25MPa程度で延伸したが、2回中1回は引っ張り応力が25MPaに達する前に破断した。最後まで破断しなかったガラスシートを長さ100mmに切断したとき、1mm以上湾曲しているシートは、50枚中5枚あった。
得られたガラスシートを実施例1と同様に研磨、還元し、11mm角の正方形に延伸方向に平行に切断して偏光ガラスを作製した。実施例1と同様に消光比と偏光軸ずれを測定した結果を表1に示す。また、上記方法で作製した偏光ガラスを任意に50枚選び偏光軸ずれを調べ、各点における偏光軸ずれの絶対値の最大値を表2に示す。
《比較例6》
実施例1と同様に、サイズ80×250×2.0mmtのプリフォームを作製し、加熱延伸を行った。プリフォームの送り速度は6mm/分で、引き取り速度を160mm/分にして線引きした。引っ張り応力は25MPa程度で延伸したが、3回中2回は引っ張り応力が25MPaに達する前に破断した。最後まで破断しなかったガラスシートを長さ100mmに切断したとき、1mm以上湾曲しているシートは、50枚中7枚あった。
得られたガラスシートを実施例1と同様に研磨、還元し、11mm角の正方形に延伸方向に平行に切断して偏光ガラスを作製した。実施例1と同様に消光比と偏光軸ずれを測定した結果を表1に示す。また、上記方法で作製した偏光ガラスを任意に50枚選び偏光軸ずれを調べ、各点における偏光軸ずれの絶対値の最大値を表2に示す。
Figure 2008299329
Figure 2008299329
局所的に小さな湾曲があった場合の偏光ガラス面内の偏光軸ずれの説明図である。 延伸軸の傾斜の説明図である。 線引き装置の一例を示す図である。 線引きされたガラスシートから偏光ガラスを切り出す説明図である。 光アイソレータの構造例を示す図である。 加熱炉可動式延伸装置の一例を示す図である。
符号の説明
1,31,32:偏光ガラス
21,41:プリフォーム

Claims (5)

  1. ガラス基体の少なくとも一方の主表面の表層部に配向・分散された形状異方性金属微粒子を含む偏光ガラスを製造する偏光ガラスの製造方法であって、
    金属粒子を含むガラス基体のプリフォームを線引き装置で線引きすることよって加熱延伸する加熱延伸工程を有し、
    前記加熱延伸工程において、前記ガラス基体のプリフォームとして肉厚が3.0mm以上のものを用い、前記プリフォームの移動速度を15mm/分以下に設定し、かつ、延伸されたガラスシートの引き取り速度を300mm/分以下に設定することによって、主表面の中心点の偏光軸を基準角度としたとき、面内の最大の偏光軸ずれが0.15°以内である偏光ガラスを製造することを特徴とする偏光ガラスの製造方法。
  2. 主表面の中心点の偏光軸を基準角度としたとき、該中心点を中心とする一辺が7mmの正方形面内での最大の偏光軸ずれが0.15°以内である偏光ガラスを製造することを特徴とする請求項1に記載の偏光ガラスの製造方法。
  3. 前記プリフォームの移動速度を10mm/分以下に設定し、かつ、延伸されたガラスシートの引き取り速度を200mm/分以下に設定して加熱延伸することによって、主表面の中心点の偏光軸を基準角度としたとき、面内の最大の偏光軸ずれが0.1°以内である偏光ガラスを製造することを特徴とする請求項1に記載の偏光ガラスの製造方法。
  4. 主表面の中心点の偏光軸を基準角度としたとき、該中心点を中心とする一辺が7mmの正方形面内での最大の偏光軸ずれが0.1°以内である偏光ガラスを製造することを特徴とする請求項1または3に記載の偏光ガラスの製造方法。
  5. 中心波長が1.31μmである波長域の光及び中心波長が1.55μmである波長域の光の一方または両方に対する消光比が30dB以上である偏光ガラスを製造することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偏光ガラスの製造方法。
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