JP2008297587A - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成膜材料を加熱して気化させる際の形状を安定化させ、成膜の効率を向上させることができる成膜装置及び成膜方法を提供する。
【解決手段】プラズマビームPbを用いて基板に膜を生成する成膜装置1において、材料ロッドMを保持するハース25のガイド部31は、上端縁部37の外径が下端部32側の外径よりも小さく、プラズマビームPbの入射範囲Aは、上端縁部37の外周内に合わせられている。その結果として、ガイド部31の上端縁部37に集中的にプラズマビームPbが入射するようになり、ガイド部31の上端縁部37の温度を局所的に高めやすくなる。さらに、上端縁部37から下端部32にかけての温度勾配が大きくなり、上端縁部37と下端部32との間で、成膜材料を溶融させる温度となる範囲が狭くなり、溶融状態の成膜材料が少なくなって形状が安定し、成膜効率を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマビームを用いて基板上に膜を生成する成膜装置及び成膜方法に関する。
プラズマビームによって成膜材料を加熱し、成膜材料から蒸発または昇華した蒸発粒子をプラズマビームによってイオン化し、イオン化した蒸発粒子を基板に付着させて成膜を行う成膜方法及び成膜装置が知られている(特許文献1参照)。この種の成膜装置は、プラズマガンが固定された真空容器を備える。真空容器の下部には、陽極となるハースが配置されている。プラズマガンの陰極と、ハースとの間で放電が生じ、この放電によってプラズマビームが生成される。ハースには、成膜材料を保持すると共に、プラズマビームが入射するガイド部が設けられている。ガイド部は、プラズマビームの入射によって加温され、成膜材料を加熱する。ガイド部の温度は、先端部が最も高くなる。成膜材料は、この先端部側で沸点に達し、蒸発などで気化してイオン化する。成膜材料の一部が蒸発すると、その蒸発分を補うために、成膜材料は適宜突き上げられて調整される。
特開2002−294436号公報
しかしながら、従来の成膜装置では、ガイド部の先端部から基端部にかけて緩やかな温度勾配によって徐々に温度が低下しており、ガイド部の先端部と基端部との間の広い範囲で成膜材料の溶融温度になり易い。その結果として、成膜材料の形状が不安定になり易く、成膜の効率を低下させる虞があって改良の余地があった。
本発明は、以上の課題を解決することを目的としており、成膜材料を加熱して気化させる際の形状を安定化させ、成膜の効率を向上させることができる成膜装置及び成膜方法を提供することを目的とする。
本発明は、ハースに導かれるプラズマビームによって成膜材料を加熱し、成膜材料から気化した粒子を基板に付着させて膜を生成する成膜装置において、ハースに設けられて成膜材料を保持すると共に、プラズマビームが入射する筒状のガイド部と、ガイド部に入射するプラズマビームの入射範囲を制御する制御手段と、を備え、ガイド部は、基板側を向く先端縁部の外径が基端部側の外径よりも小さく、制御手段は、入射範囲を先端縁部の外周内に合わせることを特徴とする。
この成膜装置によれば、ハースのガイド部に入射するプラズマビームの入射範囲が、制御手段によってガイド部の先端縁部の外周内に合わせられる。その結果として、先端縁部に集中的にプラズマビームが入射するようになり、先端縁部の温度を局所的に高めやすくなる。さらに、局所的に温度が高くなっている先端縁部は、基端部側に比べて外径が小さい。従って、先端縁部から基端部にかけて外径が一定である場合に比べて、先端縁部から基端部にかけての温度勾配が大きくなり易い。その結果として、先端縁部と基端部との間で、成膜材料を溶融させる温度となる範囲が狭くなり、溶融状態の成膜材料が少なくなって形状が安定し、成膜効率を向上させることができる。
さらに、ガイド部の内径は、先端縁部から基端部まで一定であると好適である。ガイド部の内径に沿って成膜材料を移動させて成膜材料の気化分を補う際に、ガイド部の内径が一定であればスムーズに移動させることができる。さらに、ガイド部の内径が一定であれば、ガイド部の内面と成膜材料との間に隙間が生じ難く、その結果として、溶融した成膜材料が隙間に取り残されて固化してしまうことを防止でき、成膜材料の形状を安定化させ易くなる。
さらに、ガイド部は、先端縁部と基端部との間に形成されると共に、先端縁部に対して外径が大きくなる段差部を有すると好適である。段差部では、急激な温度勾配が発生するため、成膜材料を溶融させる温度となる範囲が更に少なくなり、溶融状態の成膜材料が少なくなって形状が安定化し、成膜効率を向上させることができる。
また、本発明は、ハースに導かれるプラズマビームによって成膜材料を加熱し、成膜材料から気化した粒子を基板に付着させて膜を生成する成膜方法において、ハースに形成された筒状のガイド部で成膜材料を保持するステップと、ガイド部に向けてプラズマビームを照射するステップと、ガイド部に入射するプラズマビームの入射範囲を、基板側を向くガイド部の先端縁部の外周内に合わせるステップと、成膜材料の端面の位置を、先端縁部の位置に合わせるように成膜材料を移動させるステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、ハースに形成された筒状のガイド部で成膜材料を保持し、そのガイド部に向けてプラズマビームを照射する。さらに、ガイド部に入射するプラズマビームの入射範囲を、ガイド部の先端縁部の外周内に合わせる。従って、ガイド部の先端縁部を集中的に加温でき、先端縁部の温度を局所的に高めることが出来る。さらに、成膜材料の端面の位置を、先端縁部の位置に合わせるように成膜材料を移動させることにより、成膜材料の気化による消耗分を効果的に補うことができ、成膜の効率を向上させることができる。
本発明に係る成膜装置によれば、成膜材料を加熱して気化させる際の形状を安定化させ、成膜の効率を向上させることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る成膜装置1の断面図である。成膜装置1は、イオンプレーティング法に基づく成膜を行う装置であり、SiOやSiOなどからなる材料ロッドMをプラズマビームPbで加熱し、材料ロッドMから蒸発または昇華して気化した粒子(以下、「昇華粒子」という)を基板Wに付着させて膜を生成する。なお、材料ロッドMは成膜材料に相当する。
成膜装置1は、成膜室である真空容器3と、真空容器3中にプラズマビームPbを供給するプラズマガン5と、真空容器3内の下部に配置されてプラズマビームPbを導く陽極部7と、陽極部7に印加される電圧を制御する陽極電源装置9と、成膜対象である基板Wを適宜移動させる搬送機構11と、真空容器3中のガス雰囲気を制御する雰囲気制御手段13と、を備えている。
プラズマガン5は、圧力勾配型のプラズマガンであり、真空容器3の側壁に設けられた筒状部3aに固定されている。プラズマガン5は、第1中間電極15及び第2中間電極16からなる中間電極17と、陰極管18が固定されたカソードフランジ19とを備え、中間電極17とカソードフランジ19との間には、陰極管18を包囲するガラス管20が配置されている。
第2中間電極16は環状であり、真空容器3の筒状部3aにシールカラーを介して固定されている。第2中間電極16の後側には、シールカラーを介して環状の第1中間電極15が同心状に重ねて固定されている。第2中間電極16には、空芯コイル16aが内蔵されており、第1中間電極15には、磁極軸が陰極管18の中心線に平行になるように永久磁石15aが内蔵されている。空芯コイル16aや永久磁石15aは、プラズマビームPbを収束させる。なお、真空容器3の筒状部3aの周囲には、発生したプラズマビームPbを真空容器3内に導くステアリングコイル21が設けられている。
プラズマガン5の動作は、ガン駆動装置23によって制御されている。ガン駆動装置23により、陰極管18への給電をオン・オフしたり、陰極管18への印加電圧を調整したりでき、さらに第1中間電極15、第2中間電極16、空芯コイル16aまたはステアリングコイル21への給電を調整することができる。ガン駆動装置23によって、真空容器3内に供給されるプラズマビームPbの強度や分布状態が制御されている。
搬送機構11は、基板Wを保持する保持部材11aと、保持部材11aを定速で水平方向に移動させる駆動装置(図示省略)と、を備えている。
雰囲気制御手段13は、酸素ガス、窒素ガス及びArガスを真空容器3内に供給したり、プラズマガンにArガスを供給したりする。さらに、雰囲気制御手段13は、真空容器3内での酸素ガス、窒素ガス及びArガスの分圧を目標値に制御する。
陽極部7は、プラズマビームPbを下方に導く主陽極であるハース25と、ハース25の周囲に配置された環状の補助陽極26とを備えている。
ハース25は、電気的な絶縁物を介して真空容器3の下部に固定されている。ハース25は、図2に示されるように、冷却用のキャビティCaを備える第1ベース部27と、第1ベース部27の上に固定される円筒状の第2ベース部29と、第2ベース部29の上に固定される円筒状のガイド部31(図3参照)とを備えている。ガイド部31の下端部32には、外側に張り出した鍔部33が形成されており、ガイド部31は、ボルト締めなどにより、鍔部33が第2ベース部29に固定されている。
第1ベース部27の中央には、上下方向に沿って円形の第1中央孔Haが形成されており、第2ベース部29の第2中央孔Hbは、第1中央孔Haと同心になるように配置されている。さらに、ガイド部31の第3中央孔Hcは、第2中央孔Hbと同心になるように配置されている。第1中央孔Ha、第2中央孔Hb及び第3中央孔Hcの内径d1,d2,d3は一致しており、第1中央孔Ha、第2中央孔Hb及び第3中央孔Hcによって、材料ロッドMが装填される直線状の保持孔Hが形成される。
第1ベース部27及び第2ベース部29は、銅製であり、高い熱伝導度と導電性を有し、第1ベース部27に設けたキャビティCaによって適宜冷却される。ガイド部31は、高い導電性と耐熱性とを有する材料とし、プラズマビームPbを引き寄せる。なお、ガイド部31は、他の好適な材料として高融点金属で形成することもできる。
ガイド部31は、鍔部33を除いて外径D2が一定である胴体部35と、胴体部35の上端側、すなわち、基板W側を向く先端側に形成された上端縁部(先端縁部)37とを有する。上端縁部37の肉厚は、胴体部35の肉厚に比べて1/3〜2/3程度にすることが好ましい。そのため、上端縁部37の外径D1は、基端部側の外径に相当する胴体部35の外径D2に比べて小さくなっている。なお、上端縁部37の軸線L方向長さは、3mm〜8mm程度にするのが好ましい。
さらに、ガイド部31は、上端縁部37と胴体部35との間に形成された段差部39を有する。段差部39は、上端縁部37に対して外径が大きくなり、不連続に胴体部35につながっている。さらに、段差部39は、上端縁部37の外周面に滑らかにつながり、胴体部35の外周面に屈曲してつながる段差面39a(図2及び図3参照)を有する。
図1に示されるように、補助陽極26は、導電性材料からなる環状容器41を備えている。環状容器41内には、フェライト等で形成された環状永久磁石43と、環状永久磁石43と同心に積層されたコイル45とが収容されている。コイル45は、電磁石を構成し、陽極電源装置9から給電されて、環状永久磁石43により発生する中心側の磁界と同じ向きになるように付加的磁界を形成する。環状永久磁石43及びコイル45は、プラズマビームコントローラ47として機能し、ハース25の直上方にカスプ状磁場を形成する。
陽極電源装置9によってコイル45に印加する電流を変化させることで、ハース25のガイド部31に入射するプラズマビームPbの位置や入射範囲A(図3参照)の微調整が可能になり、例えば、陽極電源装置9は、コイル45の電流を7.5A以下に設定する。補助陽極26及び陽極電源装置9によって制御手段51が構成される。
真空容器3の下部には、材料ロッドMを上昇移動させてハース25内に供給する材料供給装置53が設けられている。材料ロッドMは、ハース25のガイド部31内で加熱され、沸点以上の温度になると蒸発(または昇華)によって気化して昇華粒子になる。従って、材料ロッドMは、時間の経過に伴って消耗する。材料供給装置53は、材料ロッドMの消耗分を補うために、材料ロッドMを所定時間ごとに突き上げて上昇させ、材料ロッドMの上端面(端面)Maが上端縁部37の位置、例えば、先端から5mm以内の位置になるように調整している。
(成膜方法)
次に、成膜装置1の動作手順を説明し、本実施形態に係る成膜方法について説明する。成膜装置1の雰囲気制御手段13は、真空容器3内のガス雰囲気が所定の状態になるようにガス状態を制御する。また、材料供給装置53は、ハース25に材料ロッドMを装填し、ガイド部31に材料ロッドMを保持させる(第1のステップ)。
次に、ガン駆動装置23及び陽極電源装置9によって、プラズマガン5の陰極管18と真空容器3内のハース25との間で放電を生じさせ、この放電によって生じるプラズマビームPbをハース25に向けて照射する(第2のステップ)。
制御手段51の陽極電源装置9は、補助陽極26に印加する電流を調整し、ハース25のガイド部31に入射するプラズマビームPbの入射範囲Aを制御し、上端縁部37及び材料ロッドMの先端部分の温度が沸点以上になるように制御する(第3のステップ)。プラズマビームPbの入射範囲A(図3参照)の制御について具体的に説明する。
ガイド部31には、胴体部35に比べて外径D1の小さな上端縁部37が形成されている。陽極電源装置9は、上端縁部37の外周37a(図3参照)内に収まるように、好ましくは、上端縁部37の外周37aにプラズマビームPbの入射範囲が合うように、プラズマビームPbの入射範囲Aを制御している。その結果として、上端縁部37に集中的にプラズマビームPbが入射するようになり、上端縁部37を局所的に加温することができる。以下、図4〜図6を参照して、上端縁部37を局所的に加温することによって得られる作用を説明する。
図4は、本実施形態に係るガイド部と温度勾配との関係を示す図であり、(a)はガイド部の断面図、(b)はガイド部の上端(先端)から下端(基端)までの位置を縦軸に示し、温度を横軸に示した温度勾配グラフである。また、図5は、従来のガイド部(上述の特許文献1参照)と温度勾配との関係を示す図であり、(a)はガイド部の断面図、(b)はガイド部の上端から下端までの位置を縦軸に示し、温度を横軸に示した温度勾配グラフである。また、図6は、気圧と温度とに対応付けて、材料ロッドに含まれるシリコンの三態を示すグラフであり、横軸は温度、縦軸は気圧を示している。
図6に示されるように、大気圧状態(1atm)の場合、例えば、材料ロッドMの温度が1410℃であれば材料ロッドMから分離したシリコンは液相であり、材料ロッドMの温度が2680℃であれば材料ロッドMから分離したシリコンは気相である。真空容器3内の気圧が、大気圧に比べて極めて低いP以下でれば、シリコンは、温度T以上で昇華し、液相にはならない。しかしながら、真空容器3内の気圧は実質的にはPよりも僅かに高いPとなるため、材料ロッドMの温度がTで材料ロッドMから分離したシリコンは融点に達して液相となり、Tに達すると沸点に達して気相になる。
図5に示されるように、従来の成膜装置のガイド部100は、上端101から下端102にかけて、鍔部103を除いて外径D3が一定であり、ガイド部31の肉厚に変化は無かった。さらに、プラズマビームPbの入射範囲の制御は、ガイド部100に入射するように制御されているだけであったため、ガイド部100の上端101から下端102にかけての温度勾配は非常に緩やかなものになり易かった。従って、材料ロッドMをT以上、T以下にしてしまう範囲、すなわち材料ロッドMから分離したシリコンが溶融状態である溶融範囲S2が広くなり易く、材料ロッドMの上端面Maにシリコン溶融状態を作り易くなる。その結果として、材料ロッドMの上端面Maに方掘れが生じたり、形状が不均一になったりして不安定になり易く、成膜効率が低下する虞があった。
一方で、図4に示されるように、本実施形態に係るガイド部31は、胴体部35に比べて外径D1の小さな上端縁部37を有しており、プラズマビームPbの入射範囲Aは、上端縁部37の外周37a内に収まるように制御されている。従って、上端縁部37が局所的に加温されて温度が高くなり、さらに、胴体部35の下端部32側にかけての温度勾配が急勾配になり易い。特に、上端縁部37と胴体部35との間には、段差部39が設けられており、段差部39での温度勾配は極めて急なものとなる。従って、実質的には、段差部39が位置する極めて限られた狭い範囲、例えば、軸線L方向に沿って1mm程度の範囲しか材料ロッドMから分離したシリコンの溶融範囲S1にはならず、材料ロッドMの上端面Maにシリコン溶融状態を作り難くなり、材料ロッドMの上端面Maの形状が安定し易くなって、成膜効率の向上が可能になる。なお、段差部39よりも下方の胴体部35については、シリコンが固相になる温度に設定される。
以上のように、プラズマビームPbの入射範囲Aを制御し、特に、段差部39における狭い範囲が材料ロッドMから分離したシリコンの溶融範囲になるように調整することで、材料ロッドMの上端部分を効果的に加熱できる。材料ロッドMが十分に加熱されると、材料ロッドMが蒸発(または昇華)して気化し、酸化シリコン、シリコンなどの昇華粒子が出現する。そして、昇華粒子をプラズマビームPbによってイオン化し、活性度の高い状態で基板Wに入射させることで、基板W上にSiOxNy膜を形成する(第4のステップ)。
材料供給装置53は、所定の時間ごとに所定の長さ分だけ材料ロッドMを突き上げる(第5のステップ)。材料ロッドMの消耗分(消耗量)は、或る程度予想して求めることができ、その消耗分を補うように材料ロッドMを上昇させ、特に、材料ロッドMの上端面(端面)Maの位置が上端縁部37の位置、例えば、上端から3mm〜8mm程度の範囲内に合わせるように制御する。材料ロッドMの上端面Maの位置が上端縁部37の位置に合うことで、材料ロッドMは効率よく蒸発(または昇華)して気化し、材料ロッドMの上端面Maの形状の安定化に有効である。
以上の成膜装置1では、ハース25のガイド部31に入射するプラズマビームPbの入射範囲Aが、制御手段51によって、ガイド部31の上端縁部37の外周37a内に合わせられる。その結果として、ガイド部31の上端縁部37に集中的にプラズマビームPbが入射するようになり、ガイド部31の上端縁部37の温度を局所的に高めやすくなる。さらに、局所的に温度が高くなっている上端縁部37は、ガイド部31の下端部32側、すなわち胴体部35に比べて外径D1が小さい。従って、上端から下端にかけて外径が一定である場合に比べて、上端縁部37から胴体部35の下端部32にかけての温度勾配が大きくなり易い。その結果として、上端縁部37と胴体部35の下端部32との間で、成膜材料を溶融させる温度となる範囲が狭くなり、溶融状態の材料ロッドMが少なくなって形状が安定し、成膜効率を向上させることができる。
さらに、ガイド部31の内径d3は、上端縁部37から胴体部35の下端部32まで一定である。その結果として、ガイド部31の内径d3に沿って材料ロッドMを移動させて材料ロッドMの蒸発などで気化した分を補う際に、材料ロッドMをスムーズに移動させることができる。さらに、ガイド部31の内径d3が一定であれば、ガイド部31の内面31aと材料ロッドMとの間に隙間が生じ難く、その結果として、溶融した材料ロッドMが隙間に取り残されて固化してしまうことを防止でき、材料ロッドMの形状を安定化させ易くなる。
さらに、ガイド部31は、上端縁部37と胴体部35との間に形成されると共に、上端縁部37に対して外径が大きくなる段差部39を有する。段差部39では、急激な温度勾配が発生するため、材料ロッドMを溶融させる温度となる範囲が更に少なくなり、溶融状態の材料ロッドMが少なくなって形状が安定化し、成膜効率を向上させることができる。
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、先端縁部の外径は、軸線に沿って一定でなくてもよく、その場合には、先端縁部の最大の外径が、基端部側の外径よりも小さければよい。
本発明の第1実施形態に係る成膜装置を示す断面図である。 ハースの断面図である。 図2のIII−III線に沿った断面図である。 本実施形態に係るガイド部と温度勾配との関係を示す図であり、(a)はガイド部の断面図、(b)はガイド部の先端から基端までの位置を縦軸に示し、温度を横軸に示した温度勾配グラフである。 従来のガイド部と温度勾配との関係を示す図であり、(a)はガイド部の断面図、(b)はガイド部の先端から基端までの位置を縦軸に示し、温度を横軸に示した温度勾配グラフである。 気圧と温度とに対応付けて材料ロッドに含まれるシリコンの三態を示す図である。
符号の説明
1…成膜装置、25…ハース、31…ガイド部、32…胴体部の下端部(基端部)、37…上端縁部、39…段差部、51…制御手段、A…入射範囲、d3…ガイド部の内径、Pb…プラズマビーム、M…材料ロッド(成膜材料)、W…基板。

Claims (4)

  1. ハースに導かれるプラズマビームによって成膜材料を加熱し、前記成膜材料から気化した粒子を基板に付着させて膜を生成する成膜装置において、
    前記ハースに設けられて前記成膜材料を保持すると共に、前記プラズマビームが入射する筒状のガイド部と、
    前記ガイド部に入射する前記プラズマビームの入射範囲を制御する制御手段と、を備え、
    前記ガイド部は、前記基板側を向く先端縁部の外径が基端部側の外径よりも小さく、
    前記制御手段は、前記入射範囲を前記先端縁部の外周内に合わせることを特徴とする成膜装置。
  2. 前記ガイド部の内径は、前記先端縁部から前記基端部まで一定であることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
  3. 前記ガイド部は、前記先端縁部と前記基端部との間に形成されると共に、前記先端縁部に対して外径が大きくなる段差部を有することを特徴とする請求項1または2記載の成膜装置。
  4. ハースに導かれるプラズマビームによって成膜材料を加熱し、前記成膜材料から気化した粒子を基板に付着させて膜を生成する成膜方法において、
    前記ハースに形成された筒状のガイド部で前記成膜材料を保持するステップと、
    前記ガイド部に向けて前記プラズマビームを照射するステップと、
    前記ガイド部に入射する前記プラズマビームの入射範囲を、前記基板側を向く前記ガイド部の先端縁部の外周内に合わせるステップと、
    前記成膜材料の端面の位置を、前記先端縁部の位置に合わせるように前記成膜材料を移動させるステップと、
    を含むことを特徴とする成膜方法。
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