JP2008296058A - 遊技機 - Google Patents

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忠 稲垣
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Abstract

【課題】 保護板部材の内側における球詰まりを防止することが可能な遊技機の提供
【解決手段】 本実施形態のパチンコ遊技機10によれば、保護板部材101と回動扉105の先端との間の距離が、遊技球の半径以上かつ直径未満となったときに、扉作動装置112が回動扉105に付与する力が、遊技球が自重により回動扉105に付与する力より大きくなるように回動扉105の回動半径Lを設定したので、中間姿勢の回動扉105の先端に遊技球が乗り上がっても、回動扉105は確実に閉塞姿勢まで回動する。これにより、保護板部材101の内側における球詰まりを防止することができる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、入賞口を開閉するための回動扉を備えた遊技機に関する。
図10に示した従来のパチンコ遊技機1に備えた回動扉2は、通常は、回動中心3から起立した閉塞姿勢になって大入賞口4を閉じ、遊技が大当たりになると前方に倒れた開放姿勢になって大入賞口4を開放しかつ遊技球を大入賞口4に案内する。また、大入賞口4の前方には、保護板部材5が設けられている。この保護板部材5がないと、図11に示すように開放状態の回動扉2の先端と前面ガラス6との間に遊技球が噛み込まれて、回動扉2が開放姿勢から動かなくなる事態が起こり得る。これに対し、保護板部材5を設けて、開放姿勢の回動扉2の先端と保護板部材5との間隔を、遊技球の直径より十分に小さくすることで、上記した遊技球の噛み込みを防止していた(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−206971号公報(段落[0031]、第4図)
ところで、上記した保護板部材5を設けたものでは、回動扉2が、閉塞姿勢から開放姿勢に向かう中間姿勢となりかつ、保護板部材5と回動扉2の先端との間の距離が遊技球の半径以上かつ直径未満となったときに、図12に示すように、回動扉2の先端に遊技球が乗り上がった状態で回動扉2が停止し、遊技球が保護板部材5の内側に詰まる事態が生じていた。
なお、保護板部材5と回動扉2の先端との間の距離が遊技球の半径未満の場合には、遊技球が大入賞口4に入賞するので球詰まりの問題は生じ難く、保護板部材5と回動扉2の先端との間の距離が遊技球の直径以上の場合には、遊技球は回動扉2と保護板部材5との間を通過するので、やはり球詰まりの問題は生じ難かった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、保護板部材の内側における球詰まりを防止することが可能な遊技機の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る遊技機は、略鉛直に起立した遊技板と、遊技板の前方に間隔を開けて対向配置されたクリア部材と、遊技板に形成されて、前方に向かって開放した入賞口と、遊技板とクリア部材との間に配置されかつ入賞口の前方を覆い、遊技板との間に遊技球が通過可能な空間を有した保護板部材と、入賞口の下辺側に回動中心を有し、入賞口を閉じた閉塞姿勢と、保護板部材側に倒れて入賞口を開放した開放姿勢との間で回動可能であると共に、開放姿勢になったときに、遊技球を入賞口に案内可能な回動扉と、回動扉を閉塞姿勢と開放姿勢との間で回動させるための作動手段とを備えた遊技機において、回動扉が、閉塞姿勢から開放姿勢に向かう中間姿勢となりかつ、保護板部材と回動扉の先端との間の距離が、遊技球の半径以上かつ直径未満となったときに、作動手段が回動扉に付与する力と、遊技球が自重により回動扉に付与する力とのうち一方が必ず他方より大きくなるように、回動扉の回動半径を設定したところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載の遊技機において、回動扉と水平面とがなす回動角をθとし、回動扉の回動半径をLとし、遊技球の質量をMとし、作動手段が回動扉に付与可能な最大のトルクをTとし、重力加速度をgとした場合に、回動扉が、閉塞姿勢から開放姿勢に向かう中間姿勢となりかつ、保護板部材と回動扉の先端との間の距離が、遊技球の半径以上かつ直径未満となったときに、L<T/(M・g・cosθ)、の関係式が成立するように、回動扉の回動半径Lを設定したところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の遊技機において、回動扉と水平面とがなす回動角をθとし、回動扉の回動半径をLとし、遊技球の質量をMとし、作動手段が回動扉に付与可能な最大のトルクをTとし、回動扉と遊技球との間の摩擦係数をμとし、重力加速度をgとした場合に、回動扉が、閉塞姿勢から開放姿勢に向かう中間姿勢となりかつ、保護板部材と回動扉の先端との間の距離が、遊技球の半径以上かつ直径未満となったときに、L<T/(μ・M・g・sinθ)、の関係式が成立するように、回動扉の回動半径Lを設定したところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1に記載の遊技機において、回動扉の先端と保護板部材との間の距離が遊技球の直径以上になったときの所定の位置で回動扉と水平面とがなす回動角をθ1とし、回動扉の回動半径をLとし、遊技球の質量をMとし、作動手段が回動扉に付与可能な最大のトルクをTとし、重力加速度をgとした場合に、L=T/(M・g・cosθ1)が成立するように構成したところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の遊技機において、作動手段は、電力を受けて作動し、回動扉を閉塞姿勢から開放姿勢に向けて回動させることが可能な電動駆動部と、回動扉が閉塞姿勢から開放姿勢に向かって回動したときに弾性変形し、その弾発力により回動扉を開放姿勢から閉塞姿勢に回動させることが可能な弾性駆動部とを備えたところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の遊技機において、クリア部材と保護板部材との間隔を、遊技球の半径未満にしたところに特徴を有する。
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の遊技機において、保護板部材と遊技板との間の距離を、遊技球の直径の2倍より小さくしたところに特徴を有する。
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかに記載の遊技機において、回動扉は、閉塞姿勢から開放姿勢に向かって所定の角度まで作動手段から受けた力により回動し、所定の角度から開放姿勢まで回動扉の自重により回動するように構成したところに特徴を有する。
請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れかに記載の遊技機において、保護板部材は透明であるところに特徴を有する。
[請求項1〜4の発明]
請求項1の構成によれば、保護板部材と回動扉の先端との間の距離が、遊技球の半径以上かつ直径未満となったときに、作動手段が回動扉に付与する力と、遊技球が自重により回動扉に付与する力とのうち一方が必ず他方より大きくなるように、回動扉の回動半径を設定したので、中間姿勢の回動扉の先端に遊技球が乗り上がっても、回動扉は、開放姿勢か閉塞姿勢の何れか一方に回動する。これにより、保護板部材の内側における球詰まりを防止することができる。
ここで、回動扉と水平面とがなす回動角をθとし、遊技球の質量をMとし、重力加速度をgとし、回動扉と遊技球との間の摩擦係数をμとすると、遊技球が自重により回動扉に付与する力F1は、以下の通りになる。
(A)回動扉の先端が、遊技球の重心の略鉛直下方の位置に当接した場合(図8(A)参照)は、遊技球が回動扉に付与する力F1は、下記式(1)になるか或いは下記式(1)に近似する。
F1=M・g・cosθ ・・・・・・(1)
(B)回動扉の先端が、遊技球の重心の鉛直下方からずれた位置に当接した場合(図8(B)参照)は、遊技球が回動扉に付与する力F1は、下記式(2)になるか或いは下記式(2)に近似する。
F1=μ・M・g・sinθ ・・・・・・・・(2)
また、回動扉の回動半径をLとし、作動手段が回動扉に付与可能な最大のトルクをTとすると、作動手段が回動扉に付与する力F2は、下記式(3)で求められる。
F2=T/L ・・・・・・・(3)
そして、請求項2の構成では、回動扉が、閉塞姿勢から開放姿勢に向かう中間姿勢となりかつ、保護板部材と回動扉の先端との間の距離が、遊技球の半径以上かつ直径未満となったときに、
L<T/(M・g・cosθ) ・・・・・・(4)
、の関係式が成立するように回動扉の回動半径Lを設定した。これにより、少なくとも、回動扉の先端が遊技球の重心の略鉛直下方に位置に当接した状態で(図8(A)参照)、遊技球が保護板部材の内側に詰まることを防止することができる。
また、請求項3の構成では、閉塞姿勢から開放姿勢に向かう中間姿勢となりかつ、保護板部材と回動扉の先端との間の距離が、遊技球の半径以上かつ直径未満となったときに、
L<T/(μ・M・g・sinθ) ・・・・・・(5)
、の関係式が成立するように、回動扉の回動半径Lを設定した。これにより、少なくとも、回動扉の先端が、遊技球の重心の鉛直下方からずれた位置に当接した状態で(図8(B)参照)、遊技球が保護板部材の内側に詰まることを防止することができる。
ところで、回動扉の先端と保護板部材との間の距離が遊技球の直径以上になったときには、遊技球が回動扉と保護板部材との間を通過するので球詰まりを生じ難い。ここで、請求項4の構成では、回動扉の先端と保護板部材との間の距離が遊技球の直径以上になったときの所定の位置で回動扉と水平面とがなす回動角をθ1とした場合に、
L=T/(M・g・cosθ1) ・・・・・(6)
、の関係式が成立するように構成したので、球詰まりを生じ難い姿勢では、作動手段から回動扉に過剰にトルクを付与することを防ぐことができる。
[請求項5の発明]
請求項5の構成によれば、電動駆動部によって、回動扉を閉塞姿勢から開放姿勢に向けて回動させることができる。また、弾性駆動部によって、回動扉を開放姿勢から閉塞姿勢に回動させることができる。
[請求項6の発明]
請求項6の構成によれば、クリア部材と保護板部材との間隔を、遊技球の半径未満にしたので、クリア部材と保護板部材との間への遊技球の進入を防ぐと共に、遊技球が保護板部材に乗り上がりかつクリア部材に当接した場合に、その遊技球の重心が保護板部材より遊技板側に位置して遊技球が転落し、保護板部材に乗り上がった状態で保持されることを防止することができる。
[請求項7の発明]
請求項7の構成によれば、保護板部材と遊技板との間の距離を、遊技球の直径の2倍より小さくしたので、保護板部材と遊技板との間に2つ以上の遊技球が並んで保護板部材の内側に進入することを規制し、保護板部材と遊技板との間に、2つの遊技球が相互に当接した状態で球詰まりが生じるのを防止することができる。
[請求項8の発明]
請求項8の構成によれば、回動扉が、閉塞姿勢から開放姿勢に向かう過程において、回動扉が回動するために作動手段からの力を必要とする範囲を、閉塞姿勢から所定の角度までに限定したので、作動手段における可動部分又は可動範囲を小さくして、作動手段のコンパクト化を図ることができる。
[請求項9の発明]
請求項9の構成によれば、保護板部材を介して入賞口を開閉する回動扉が見えるので、遊技者が遊技状況を把握することができる。
本発明を適用したパチンコ遊技機10に係る一実施形態を、図1〜図8に基づいて説明する。図3に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、遊技機本体81を枠体80に脱着可能に組み付けてなる。枠体80は、外枠82に前面枠90を回動可能に備えてなる。外枠82は、4つの木製の長板83を縦長矩形状に接合して構成されており、外枠82のうち両側辺を構成する長板83の下端部の間には、前面板84が差し渡され、その前面板84の下縁部が、下辺を構成する長板83に接合されている。
外枠82のうち一方の側辺には、その上下の2箇所に、金属製のヒンジ片85,85が取り付けられている。また、外枠82のうちヒンジ片85と反対側の側辺を構成する長板83には、その上端寄りと下端寄りの内面の2箇所に、1対の被係止部86,86が取り付けられている。なお、外枠82のうちヒンジ片85を備えた側の外側面には、図1に示すように、プリペイドカードユニット99が取り付けられている。
図3に示すように、前面枠90は、例えば、合成樹脂で構成され、外枠82の前面のうち前面板84より上方部分に対応した矩形構造になっている。前面枠90の一方の側辺には、その上下の2箇所に、金属製のヒンジ片91,91が備えられ、これら各ヒンジ片91と前記外枠82に設けた各ヒンジ片85とを重ねて、ヒンジピン92を貫通させてある。これにより、前面枠90が、外枠82に対して開閉可能となる。
前面枠90には、遊技窓90Wが形成されている。前面枠90の前面には、ガラス枠95(図1を参照)が遊技窓90Wに重ねて設けられている。ガラス枠95は、前面枠90のうちヒンジ片91側の側縁部に回動可能に取り付けられており、遊技窓90Wより一回り小さな略円形の窓95Wを備えて、そこにガラス板150(本発明の「クリア部材」に相当する)が嵌められている。図1に示すように、ガラス枠95の前面のうち窓95Wの縁部には、前方に膨出した装飾ランプ96が備えられている。また、窓95Wよりも上側には、左右に1対のスピーカ59S,59Sが設けられている。
図1に示すように、遊技窓90Wの下方には、パチンコ遊技機10の前方に向かって膨出した上皿27Aが設けられている。また、上皿27Aを挟むようにして左右に1対のスピーカ59S,59Sが設けられている。
前面枠90のうち、上皿27Aよりも下側には、下皿ユニット50が取り付けられている。下皿ユニット50は横長形状をなし、前面枠90に対して開閉可能に取り付けられている。
下皿ユニット50の前面中央には、パチンコ遊技機10の前方に膨出した下皿27Bが備えられている。下皿27Bには、上皿27Aから移動した遊技球や、ファール球等が貯留される。また、下皿27Bの左側方には、灰皿51が設けられている。
図1に示すように、下皿27Bの右側方には、操作ノブ28が備えられている。この操作ノブ28を操作することで、上皿27Aに収容された遊技球が発射装置70(図2を参照)によって、遊技板11に形成された後述する遊技領域R1に向けて弾き出されるようになっている。
図3に示すように、前面枠90のうちヒンジ片91と反対側の側辺には、1対の係止爪97,97が上下に備えられ、この係止爪97,97を外枠82の被係止部86,86に係止して、前面枠90が閉止状態に施錠される。
前面枠90の後面には、遊技窓90Wを囲むように囲壁93が起立している。この囲壁93の内部に後述する遊技板11が嵌合されて前面枠90に沿って略垂直に起立した状態となり、囲壁93に備えた複数の係止レバー98にて遊技板11が前面枠90に係脱可能に固定される。この時、遊技板11は、前面枠90の前面に重ねて設けられたガラス板150に前方を覆われる。以上が枠体80に関する説明である。
次に、遊技機本体81について説明する。遊技機本体81は、図3に示す遊技板11に種々の部品を組み付けてなる遊技盤側アッシと、同図に示した機構板75に種々の部品を組み付けてなる機構板側アッシの2つのアッシよりなる。
機構板側アッシについて説明すると、機構板75は、合成樹脂で構成され、図3に示すように、全体として遊技板11より縦方向に長い矩形状をなす。機構板75は、遊技板11の後面側に重ねて取り付けられている。機構板75の中央部には、略矩形の着脱操作窓77が形成されている。この着脱操作窓77から、遊技板11の後面に取り付けられたメイン制御装置52及び表示装置13(図2を参照)が遊技板11の後面側に露出している。この着脱操作窓77により、機構板75が遊技板11の後面側に重ねられたままで、表示装置13の後面側に備えられたケース体40を表示装置13に対して着脱することが可能となっている。なお、着脱操作窓77の縁部には、図3に示すように、筐体状の透明カバー76が着脱可能に取り付けられている。
図3に示すように、機構板75のうち着脱操作窓77より下方には、払出装置72を制御する払出制御装置59と電源装置58とが横並びにして取り付けられている。また、図2に示すように、電源装置58の下方には、発射装置70が取り付けられている。
着脱操作窓77より上側には、遊技球を貯留する遊技球タンク75Tが設けられ、着脱操作窓77の側方には遊技球を払い出すための払出装置72が設けられている。遊技球タンク75Tと払出装置72との間は、遊技球誘導レール75Rにより連絡されている。
図3に示すように、機構板75のうち払出装置72が配された側の側部には、上下方向に1対のヒンジピン71,71が取り付けられ、これらヒンジピン71,71が、前面枠90の一側部に係合し、機構板75が前面枠90に対して回動可能に組み付けられる。以上が機構板側アッシの説明である。
次に遊技盤側アッシを構成する各部品に関して説明すると、遊技板11は、図3に示すように、木製の概矩形板材で構成されている。また、図1に示すように、遊技板11の前面には、ガイドレール12が取り付けられ、ガイドレール12の内側を遊技球が流下する。このように、遊技板11とガラス板150との間には、遊技球が流下可能な遊技領域R1が形成されている。そして、遊技領域R1の上部には表示装置13が配置され、表示装置13の下方には、始動入賞口14、大入賞口104及びアウト口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。また、遊技領域R1のうち、表示装置13の左側方には始動ゲート18が設けられ、遊技領域R1の下部には、ガイドレール12に沿って一般入賞口20,21が設けられている。さらに、これら入賞口以外に、遊技領域R1には、サイドランプ22,22や図示しない複数の障害釘が設けられている。
遊技板11の前面側の各部位の詳細は、以下のようである。まず、表示装置13は、遊技板11に取り付けられた表示枠体30の後側に、液晶モジュール(図示せず)を備えてなる。この液晶モジュールに備えられた液晶表示盤45が、表示枠体30で囲まれた表示窓30Wを介して遊技板11の前面側から視認可能となっている。なお、表示枠体30は、遊技板11の前面に設置される前側表示枠32(図1を参照)と、遊技板11の後面側に突出するベース体33(図2を参照)とからなる。
一般入賞口20,21は、所謂、ポケット構造をなし、遊技球が丁度1つ入球可能な大きさで上方に開口している。一般入賞口20,21へ入球すると、その遊技球は遊技板11の裏側に取り込まれ、代わりに所定数の賞球が上皿27Aに払い出される。
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、通過した遊技球は、その始動ゲート18に内蔵した普通図柄始動スイッチによって検出される。この検出信号に基づいて、普通図柄表示部18Hにおいて図柄が変動表示される。
具体的には、「0」〜「9」までの数字からなる数字図柄を所定期間に亘って変動表示した後、所定の数字図柄を停止表示する。そして、停止表示された数字図柄が、例えば、奇数の場合に、次述する始動入賞口14が開放状態となる。なお、普通図柄表示部18Hで表示する図柄は、数字図柄に限るものではなく、アルファベットや記号等でもよい。
始動入賞口14は、所謂、ポケット構造をなして上方に向かって開口しており、その開口の両側部には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた始動入賞口14の開口幅は、遊技球が丁度1つ入る大きさになっている。そして、開放条件が成立する(普通図柄表示部18Hが奇数の数字図柄で停止表示する)と始動入賞口14が開放状態となる。即ち、遊技板11の裏に設けたソレノイドにより、始動入賞口14に備えた可動翼片14C,14Cが所定期間(例えば、0.4秒)に亘って横に倒される。これにより、遊技球が可動翼片14C,14Cに案内されて始動入賞口14に入り易い状態になる。
始動入賞口14に遊技球が入賞すると、始動入賞口14内に設けた始動口センサが遊技球を検出し、その検出信号に基づいて、例えば、4個の遊技球が上皿27Aに払い出されると共に、表示装置13に備えた液晶表示盤45にて図柄が変動表示される。
具体的には、液晶表示盤45には、通常、3つの左、中、右の特別図柄が横並びに表示されている。これら各特別図柄は、例えば、「0」〜「11」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄ごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口14に遊技球が入賞したときに、これら3つの特別図柄が、上下方向にスクロール表示され、所定時間後に、例えば、左、中、右の順で各特別図柄が停止表示される。このとき、例えば、全ての特別図柄が同じ図柄、即ち、ぞろ目になった場合に、遊技が「大当たり状態」になる。なお、液晶表示盤45において特別図柄が変動表示又は「大当たり状態」の最中に始動入賞口14に入賞した入賞球は、最大で4個まで保留記憶され、特別図柄が停止表示又は「大当たり状態」が終了すると、その保留記憶に基づいて再び、特別図柄が変動表示される。
大入賞口104は、横長矩形になっている。また、大入賞口104には、回動扉105が備えられている。この回動扉105は、大入賞口104の下辺側に回動中心を備えており、通常は、回動扉105が回動中心から概ね起立した閉塞姿勢になって、大入賞口104を閉塞している。そして、パチンコ遊技機10が「大当たり状態」になると、遊技板11の裏に設けた後述する作動手段112によって回動扉105が駆動され、前側に倒れた開放姿勢になって、大入賞口104を開放する。これにより、遊技球が回動扉105を案内にして大入賞口104に入賞可能となる。ここで、回動扉105が、開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、1つのラウンドは、回動扉105の開放時間が30秒に達したか、又は、大入賞口104に遊技球が10個入賞したかの何れかの条件が先に満たされた場合に終了する。また、「大当たり状態」は、最大で、例えば15ラウンドまで継続される。なお、大入賞口104に遊技球が入賞すると、例えば、15個の遊技球が上皿27Aに払い出される。以上が、パチンコ遊技機10全体の構成に関する説明である。
さて、図4には、上述した大入賞口104を備えた大入賞口ユニット100の外観全体が示されている。この大入賞口ユニット100は、機構ケース106の前面に前側ベース部102を組み付けた構造になっている。
前側ベース部102は、略横長矩形の板状をなし、その四隅にはそれぞれ1つずつ螺子孔102Aが貫通形成されている。また、前側ベース部102の後面からは1対の位置決め突部102B,102Bが突出している。そして、遊技板11に貫通形成されたユニット取付孔(図示せず)に前側から機構ケース106を挿入し、前側ベース部102の後面が遊技板11の前面に突き当てられて、位置決め突部102B,102Bが遊技板11に設けた図示しない位置決め孔に凹凸係合する。この状態で、螺子孔102Aに通した螺子を遊技板11に締め付けて前側ベース部102が遊技板11に固定されている。
前側ベース部102の左右の両端部からは、前方に向けて1対の前側突部102C,102Cが起立している。これら前側突部102C,102Cは、前方から見た断面形状が三角形をなしている。詳細には、前側突部102C,102Cのうち互いの対抗した内面は、鉛直方向と平行になっており、相反する方向を向いた外面は、上下方向の中間部分が頂点になった山形状になっている。そして、大入賞口104は、前側ベース部102のうち両前側突部102C,102Cに挟まれた部分を切除して形成されている。
両前側突部102C,102Cの先端面の間には、保護板部材101が差し渡され、この保護板部材101によって大入賞口104全体の前方が覆われている。詳細には、保護板部材101は、透明な樹脂(例えば、アクリル樹脂)で形成され、左右の両端部は前側突部102Cの外面の山側形状と略同一になっている。保護板部材101の下縁部は、左右の両端部が前側突部102Cより下方に張り出し、左右方向の中央部分に向かうに従って上方に向かうように丸みを帯びている。一方、保護板部材101の上縁部は、前側突部102Cの上端部と略面一になっており、左右方向に水平かつ真っ直ぐ延びている。また、図6に示すように、保護板部材101の上縁部には、前側ベース部102と対抗する側に、テーパ面101Aが形成されている。
保護板部材101は、ガラス板150と遊技板11との間のうちガラス板150寄りに位置し、大入賞口104の前方を通過する遊技球の流下経路が大入賞口104寄りになるように規制する。具体的には、ガラス板150と保護板部材101との間隔S2は、遊技球の半径未満になっている。これにより、ガラス板150と保護板部材101との間への遊技球の進入を防ぐと共に、遊技球が保護板部材101の乗り上がりかつガラス板150に当接した場合に、その遊技球の重心が保護板部材101より遊技板側に位置して遊技球が転落し、保護板部材101に乗り上がった状態で保持されることを防止することができる。
また、前側ベース部102は遊技板11に固定された状態で遊技板11の一部を構成している。そして、保護板部材101と遊技板11(詳細には、遊技板11の一部としての前側ベース部102)との間隔S1は、遊技球の直径以上、遊技球の直径の2倍未満(例えば、遊技球の直径の約1.3倍)になっている。これにより、保護板部材101と遊技板11との間に2つ以上の遊技球が並んで保護板部材101の内側に進入することを規制し、保護板部材101と遊技板11との間に、2つの遊技球が相互に当接した状態で球詰まりが生じるのを防止することができる。
機構ケース106は、透明な合成樹脂で構成され、全体として上下方向に薄くなった扁平箱形になっている。機構ケース106には、大入賞口104に連通した図示しない入賞球案内路が形成されている。この入賞球案内路は、後方に向かうに従って幅狭になっており、機構ケース106における前後方向の中間で機構ケース106の下面に開放して図示しない遊技球回収ダクトに連通している。
図5に示すように機構ケース106の後端部には、その左右方向の一端側に扉作動装置112(本発明に係る「作動手段」に相当する)が組み付けられている。扉作動装置112は、ソレノイドコイル108、プランジャ109、圧縮コイルバネ111及び力変換部材110等を組み付けて構成されている。
本実施形態では、この扉作動装置112の全体を機構ケース106内に収めて大入賞口ユニット100全体をコンパクトな構成にすることで、遊技板11の背面側における省スペース化を図っている。これにより、大入賞口ユニット100の上方に配置された液晶表示盤45の大型化が可能になっている。なお、液晶表示盤45を大型化するためには、遊技板11の背面側における上下方向の省スペース化を図ればよいので、扉作動装置112は、少なくとも機構ケース106に対して上下方向で収まる構成にすればよい。
以下、扉作動装置112の具体的な構成について説明する。扉作動装置112に備えたプランジャ109は、ソレノイドコイル108の内部に挿入され、ソレノイドコイル108の前方に突出しており、前後方向に直動可能になっている。なお、これらソレノイドコイル108とプランジャ109とで、本発明に係る「電動駆動部」が構成されている。なお、機構ケース106のうちソレノイドコイル108を収容した部分は、放熱性を考慮して、上面、下面、後面が開放されている。また、ソレノイドコイル108への通電用の電線は、機構ケース106の後端部のうち扉作動装置112の横隣に備えられた回路基板107を介して図示しない駆動制御回路に接続されている。圧縮コイルバネ111(本発明に係る「弾性駆動部」に相当する)は、プランジャ109に挿通されて、プランジャ109の前端部に備えたフランジ部109Aと、ソレノイドコイル108の前面との間に収まっている。そして、ソレノイドコイル108に通電すると、プランジャ109がソレノイドコイル108側に引かれてプランジャ109が後端位置に移動し、ソレノイドコイル108への通電を停止すると、圧縮コイルバネ111の弾発力によりプランジャ109が前端位置に移動する。
力変換部材110は、機構ケース106のうちソレノイドコイル108の前側に配置され、プランジャ109の直動動作を回動動作に変換する。力変換部材110は、プランジャ109の横に隣り合わせに配置された回動板110Fの下端に回動軸部110Bを備えた構造をなし、その力変換部材110が機構ケース106の底部に軸支されて機構ケース106内で前後方向に回動する。また、力変換部材110Fには、プランジャ109側に向けて1対の係止突起110C,110Dが突出形成されている。これら係止突起110C,110Dは前後に並べられ、前側の係止突起110Dが後ろ側の係止突起110Cより長くなっている。そして、これら係止突起110C,110Dの間にプランジャ109のフランジ部109Aが挟持されている。これにより、プランジャ109が直動するのに連動して、力変換部材110が前後方向に回動する。
図6に示すように力変換部材110には、前方に向けて回動アーム110Aが突出している。回動アーム110Aは帯板状をなし、その先端部は下側に向かって屈曲して摺接突部110Sになっており、この摺接突部110Sが次述する回動扉105の一部に係合する。また、回動アーム110Aは、プランジャ109が直動ストロークの前端位置に移動したときには(即ち、ソレノイドコイル108への通電を停止したときには)、図6の実線で示すように回動アーム110Aが略水平姿勢になり、プランジャ109が直動ストロークの後端位置に移動したときには(即ち、ソレノイドコイル108への通電時には)、図6の破線で示すように回動アーム110Aの前端部が持ち上げられるように回動して回動アーム110Aが傾斜姿勢になる。
機構ケース106の前端部には、前述した回動扉105が回動可能に備えられ、この回動扉105が扉作動装置112によって駆動可能となっている。詳細には、回動扉105は、図5に示すように、大入賞口104の左右両端部に配置されて対向した1対の側板105B,105Bの間に、長板部材105Aを差し渡した構造をなしており、これら側板105B,105Bと長板部材105Aとは透明な合成樹脂で一体形成されている。各側板105Bには、長板部材105Aから下方に向けて軸取付部105Fが張り出し、その回動扉105の先端に回動軸部材105Cが貫通している。また、機構ケース106の底部には、前側ベース部102における大入賞口104の下側部分の後側に軸支部(図示せず)が設けられ、その軸支部に回動軸部材105Cが軸支されている。これにより、前記したように大入賞口104の下辺側を回動中心にして回動扉105が回動する。そして、回動扉105が大入賞口104を閉じた閉塞姿勢(図6の実線で示した回動扉105参照)と、保護板部材101側に倒れて大入賞口104を開放した開放姿勢(図6の破線で示した回動扉105参照)との間で回動する。
より具体的には、回動扉105が閉塞姿勢になると、長板部材105Aの上縁部が大入賞口104の上縁部に当接し、長板部材105Aの下端側が大入賞口104内に入り込んだ状態になって大入賞口104を閉塞する。また、回動扉105が開放姿勢になると、長板部材105Aが大入賞口104のうち下寄り位置から前方に張り出し、このときの長板部材105Aの上面が大入賞口104に向かって僅かに傾斜した状態になる。これにより、前述したように、遊技球が大入賞口104に案内される。なお、軸取付部105Fの前縁部は、凹部が形成されており、回動扉105が開放姿勢になると、この凹部に前側ベース部102における大入賞口104の下縁部が受容されてその凹部の奥側に当接し、回動扉105が開放姿勢に位置決めされる。また、両側板105Bの上端寄り位置からは、後方に向けて第1後部突片105Dが張り出している。これら第1後部突片105D,105Dは、図6に示すようにおり、互いに対向した内面側が傾斜しており、回動扉105が開放姿勢になったときに、遊技球を大入賞口104の中央側に案内する。
扉作動装置112の前側に配置された一方の側板105Bには、その下端寄り位置から後方に向けて第2後部突片105Eが張り出されている。この第2後部突片105Eの上縁部は、丸みを帯びて上方に膨らんだ形状になっており、扉作動装置112(詳細には、ソレノイドコイル108)への通電を停止したときには、回動アーム110Aの摺接突部110Sが第2後部突片105Eの上縁部に当接して第2後部突片105Eを下方に押し下げ、回動扉105が閉塞姿勢に保持される。
一方、ソレノイドコイル108を通電すると、回動アーム110Aが上方に移動するように回動する。すると、回動アーム110Aが上方に回動し、この回転で第1後部突片105Dを押し上げる。これにより、回動扉105が開放姿勢側に回動し、途中で回動アーム110Aが第1後部突片105Dから離れて、その後は自重により、回動扉105が開放姿勢まで回動する。
このように、本実施形態では、回動扉105が途中から自重で開放姿勢まで回動するので、回動扉105が全回動範囲で扉作動装置112からのトルクで回動する場合に比べて、回動アーム110Aを短くすることができると共に、プランジャ109の直動ストロークを短くすることができて、扉作動装置112のコンパクト化が図られる。
なお、回動扉105における重心位置を回動軸部材105Cより前側に配置することで、第1後部突片105Dが回動アーム110Aに押し上げられる前に、自重で回動扉105が回動するように構成してもよい。
回動扉105が開放姿勢になってから、ソレノイドコイル108の通電を停止すると、圧縮コイルバネ111の弾発力により回動アーム110Aが下方に倒れ、回動アーム110Aの摺接突部110Sが第2後部突片105Eの上縁部に当接する。そして、摺接突部110Sが第2後部突片105Eの上縁部を摺動しながら、回動アーム110Aが第2後部突片105Eを押し下げていき、回動扉105が閉塞姿勢に戻される。このように、扉作動装置112から回動扉105に付与されるトルクにより、回動扉105が閉塞姿勢と開放姿勢との間で回動する。なお、保護板部材101は透明であるので、保護板部材101を通して回動扉105が回動する状態を視認するとができる。
ところで、上記したように本実施形態のパチンコ遊技機10が「大当たり状態」になると、回動扉105が開閉を繰り返す。そして、従来の遊技機では、回動扉105が開放姿勢から閉塞姿勢に移動する過程で、保護板部材101と回動扉105の先端との間の距離が遊技球の半径以上かつ直径未満になった場合に、開放姿勢と閉塞姿勢との間の中間姿勢の回動扉105に遊技球が乗り上がって球詰まりが生じ得た。
しかしながら、本実施形態のパチンコ遊技機10では、回動扉105に付与されるトルクに対して、以下詳説するように、回動扉105の回動半径を特種な設定にすることで、球詰まりが防がれている。
以下、回動扉105の回動半径と、回動扉105に付与されるトルクとの関係を説明するために、図7に示すように、扉作動装置112が回動扉105に付与可能な最大のトルクをTとし、回動扉105の回動半径をLとし、保護板部材101と回動扉105の先端との間の距離が遊技球の半径以上かつ直径未満になった場合における回動扉105と水平面とがなす回動角をθとし、遊技球の質量をMとし、重力加速度をgとし、回動扉105と遊技球との間の摩擦係数をμとし、遊技球が自重により回動扉105に付与する力F1とし、扉作動装置112が回動扉105に付与する力をF2とする。
ここで、扉作動装置112が回動扉105に付与するトルクは、設計上、或いは、回動扉105に実際に付与されたトルクを計測して求めることができる。回動扉105の回動半径とは、回動扉105が中間姿勢で遊技球と当接した状態での、回動扉105の先端と回動扉105の回動中心との間の直線距離である。また、回動扉105の自重は遊技球に比べて十分小さいので無視する。
さて、開放姿勢と閉塞姿勢との間の中間姿勢の回動扉105に遊技球が乗り上がって球詰まりを生じる場合として、回動扉105の先端が、遊技球の重心の略鉛直下方に位置に当接する第1パターン(図8(A)参照)と、回動扉105の先端が、遊技球の重心の鉛直下方からずれた位置に当接する第2パターン(図8(B)参照)とに分けることができる。
すると、第1パターンのように、回動扉105の先端が、遊技球の重心の略鉛直下方に位置に当接した場合(図8(A)参照)は、遊技球が回動扉105に付与する力F1は、下記式(10)になるか或いは下記式(10)に近似する。
F1=M・g・cosθ ・・・・・・(10)
一方、第2パターンのように、回動扉105の先端が、遊技球の重心の鉛直下方からずれた位置に当接した場合(図8(B)参照)は、遊技球が回動扉105に付与する力F1は、下記式(11)になるか或いは下記式(11)に近似する。
F1=μ・M・g・sinθ ・・・・・・・・(11)
また、扉作動装置112が回動扉105に付与する力F2は、次式(12)として求めることができる。
F2=T/L ・・・・・・・・(12)
そして、本実施形態では、第1パターンにおける球詰まりが生じた場合には次式(13)が成立し、第2パターンにおける球詰まりが生じた場合には次式(14)が成立する。
T/L=M・g・cosθ ・・・・・・(13)
T/L=μ・M・g・sinθ ・・・・(14)
これに対し、本実施形態の回動扉105における回動半径Lは、次式(15)(16)の関係式が成立するように設定されている。
L<T/(M・g・cosθ) ・・・・・・(15)
L<T/(μ・M・g・sinθ) ・・・・・(16)
これにより、第1及び第2のパターンになった場合に、扉作動装置112が回動扉105に付与するトルクが勝り、回動扉105が閉塞姿勢まで閉じられる。即ち、回動扉105の先端に遊技球が乗り上がる球詰まりを解消することができる。
このように本実施形態のパチンコ遊技機10によれば、保護板部材101と回動扉105の先端との間の距離が、遊技球の半径以上かつ直径未満となったときに、扉作動装置112が回動扉105に付与する力が、遊技球が自重により回動扉105に付与する力より大きくなるように回動扉105の回動半径Lを設定したので、中間姿勢の回動扉105の先端に遊技球が乗り上がっても、回動扉105は確実に閉塞姿勢まで回動する。これにより、保護板部材101の内側における球詰まりを防止することができる。
また、回動扉105の回動半径は、扉作動装置112が回動扉105に付与するトルクに応じて設定したので、扉作動装置112が回動扉105に出力するトルクを有効に利用することができる。これにより、扉作動装置112の大型化を防ぐことができ、その分を、例えば、液晶表示盤45等を大型化することができる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態において、回動扉105の先端と保護板部材101との間の距離が遊技球の直径以上になったときには、遊技球が回動扉105と保護板部材101との間を通過するので球詰まりが生じ難い。そこで、回動扉105が中間姿勢でありかつ、回動扉105の先端と保護板部材101との間の距離が遊技球の直径以上になったときの所定の位置で回動扉105と水平面とがなす回動角をθ1とした場合に、次式(17)が成立するように回動扉105の回動半径Lを設定してもよい。
L=T/(M・g・cosθ1) ・・・・・(17)
これにより、球詰まりを生じ難い姿勢で、扉作動装置112から回動扉105に過剰にトルクを付与することを防ぐことができる。
(2)また、前記実施形態では、回動扉105が、閉塞姿勢から開放姿勢に向かう中間姿勢となりかつ、保護板部材101と回動扉105の先端との間の距離が、遊技球の半径以上かつ直径未満となったときに、扉作動装置112が回動扉105に付与する力F2が、遊技球が自重により回動扉105に付与する力F1より必ず大きくなるように、回動扉105の回動半径が設定されていたが、それとは逆に、遊技球が自重により回動扉105に付与する力F1が、扉作動装置112が回動扉105に付与する力F2より必ず大きくなるように、回動扉105の回動半径を設定してもよい。
(3)さらに、扉作動装置112が回動扉105に付与する力と、遊技球が自重により回動扉105に付与する力とのうち一方が必ず他方より大きくなるように、回動扉105の回動半径Lを設定する構成であれば、前記式(15)又は(16)の何れか一方のみを満たす構成にしてもよい。
(4)また、前記実施形態では、回動扉105の自重を無視したが、回動扉105の自重を考慮した場合には以下のようになる。即ち、図9に示すように、回動扉105の質量をm、回動扉105の回動中心から重心Gまでの距離をLg、回動扉105の重心Gと回動中心とを結ぶ線分と水平面とがなす角をθ2とすると、上記式(15)〜(17)は、以下の式(18)〜(20)のようになる。これら式(18)〜(20)のうち少なくとも何れか1つが成立するように回動扉105の回動半径Lを設定してもよい。
L<T/(M・g・cosθ+m・g・Lg・cosθ2) ・・・・(18)
L<T/(μ・M・g・sinθ+m・g・Lg・cosθ2) ・・・(19)
L=T/(M・g・cosθ1+m・g・Lg・cosθ2) ・・・・(20)
(5)さらに、遊技球が保護板部材101から受ける抗力を考慮した場合、その効力をRとし、抗力Rと水平面とがなす角をαとし、回動扉105の先端と、次式(21)が成立するように回動扉105の回動半径Lを設定してもよい。
L≦(T−m・g・Lg・cosθ2 )/[(M・g−R・sinα)・cosθ−R・cosα・sinθ] ・・・(21)
(6)前記実施形態では、回動扉105が閉塞姿勢から開放姿勢に向かって回動する過程で、力変換部材110の回動アーム110Aと回動扉105の上側突片105Dとの当接が解除されたが、回動扉105が開放姿勢に至るまで継続して当接してもよい。
(7)前記実施形態では、電動駆動部を扉駆動装置108としたが、モータ等にしてもよい。また、弾性駆動部を圧縮コイルバネ111としたが、ゴム等にしてもよい。
(8)前記実施形態では、扉作動装置112の全体が機構ケース106内に収められていたが、少なくともソレノイドコイル108が機構ケース106に収容され、扉作動装置112を構成する他の部品が機構ケース106から突出した構成にしてもよい。
本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図 パチンコ遊技機の背面図 パチンコ遊技機の分解斜視図 大入賞口ユニットの斜視図 大入賞口ユニットの部分平面図 大入賞口ユニットの断面図 大入賞口ユニットの部分断面図 (A)回動扉の先端が、遊技球の重心の略鉛直下方に位置に当接した状態の概念図(B)回動扉の先端が、遊技球の重心の鉛直下方からずれた位置に当接した状態の概念図 他の実施形態(4)に係る大入賞口ユニットの抜粋断面図 従来のパチンコ遊技機の部分断面図 回動扉とガラス板との間に遊技球が噛み込んだ状態の部分断面図 回動扉の先端に遊技球が乗り上げて球詰まりが生じた状態の部分断面図
符号の説明
10 パチンコ遊技機(遊技機)
11 遊技板
100 大入賞口ユニット
101 保護板部材
104 大入賞口(入賞口)
105 回動扉
105C 回動軸(回動中心)
108 ソレノイドコイル(電動駆動部)
109 プランジャ(電動駆動部)
110 力変換部材
111 圧縮コイルバネ(弾性駆動部)
112 扉作動装置(作動手段)
150 ガラス板(クリア部材)

Claims (9)

  1. 略鉛直に起立した遊技板と、
    前記遊技板の前方に間隔を開けて対向配置されたクリア部材と、
    前記遊技板に形成されて、前方に向かって開放した入賞口と、
    前記遊技板と前記クリア部材との間に配置されかつ前記入賞口の前方を覆い、前記遊技板との間に遊技球が通過可能な空間を有した保護板部材と、
    前記入賞口の下辺側に回動中心を有し、前記入賞口を閉じた閉塞姿勢と、前記保護板部材側に倒れて前記入賞口を開放した開放姿勢との間で回動可能であると共に、前記開放姿勢になったときに遊技球を前記入賞口に案内可能な回動扉と、
    前記回動扉を前記閉塞姿勢と前記開放姿勢との間で回動させるための作動手段とを備えた遊技機において、
    前記回動扉が、前記閉塞姿勢から前記開放姿勢に向かう中間姿勢となりかつ、前記保護板部材と前記回動扉の先端との間の距離が、遊技球の半径以上かつ直径未満となったときに、前記作動手段が前記回動扉に付与する力と、遊技球が自重により前記回動扉に付与する力とのうち一方が必ず他方より大きくなるように、前記回動扉の回動半径を設定したことを特徴とする遊技機。
  2. 前記回動扉と水平面とがなす回動角をθとし、
    前記回動扉の回動半径をLとし、
    遊技球の質量をMとし、
    前記作動手段が前記回動扉に付与可能な最大のトルクをTとし、
    重力加速度をgとした場合に、
    前記回動扉が、前記閉塞姿勢から前記開放姿勢に向かう中間姿勢となりかつ、前記保護板部材と前記回動扉の先端との間の距離が、遊技球の半径以上かつ直径未満となったときに、
    L<T/(M・g・cosθ)
    、の関係式が成立するように、前記回動扉の回動半径Lを設定したことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記回動扉と水平面とがなす回動角をθとし、
    前記回動扉の回動半径をLとし、
    遊技球の質量をMとし、
    前記作動手段が前記回動扉に付与可能な最大のトルクをTとし、
    前記回動扉と遊技球との間の摩擦係数をμとし、
    重力加速度をgとした場合に、
    前記回動扉が、前記閉塞姿勢から前記開放姿勢に向かう中間姿勢となりかつ、前記保護板部材と前記回動扉の先端との間の距離が、遊技球の半径以上かつ直径未満となったときに、
    L<T/(μ・M・g・sinθ)
    、の関係式が成立するように、前記回動扉の回動半径Lを設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 前記回動扉の先端と前記保護板部材との間の距離が遊技球の直径以上になったときの所定の位置で前記回動扉と水平面とがなす回動角をθ1とし、
    前記回動扉の回動半径をLとし、
    遊技球の質量をMとし、
    前記作動手段が前記回動扉に付与可能な最大のトルクをTとし、
    重力加速度をgとした場合に、
    L=T/(M・g・cosθ1)
    が成立するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  5. 前記作動手段は、電力を受けて作動し、前記回動扉を前記閉塞姿勢から前記開放姿勢に向けて回動させることが可能な電動駆動部と、
    前記回動扉が前記閉塞姿勢から前記開放姿勢に向かって回動したときに弾性変形し、その弾発力により前記回動扉を前記開放姿勢から前記閉塞姿勢に回動させることが可能な弾性駆動部とを備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の遊技機。
  6. 前記クリア部材と前記保護板部材との間隔を、前記遊技球の半径未満にしたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の遊技機。
  7. 前記保護板部材と前記遊技板との距離を、遊技球の直径の2倍より小さくしたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の遊技機。
  8. 前記回動扉は、前記閉塞姿勢から前記開放姿勢に向かって所定の角度まで前記作動手段から受けた力により回動し、前記所定の角度から前記開放姿勢まで前記回動扉の自重により回動するように構成したことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の遊技機。
  9. 前記保護板部材は透明であることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の遊技機。
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