以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着剤等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、上下一対の支軸25a,25bが設けられている。支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、各支軸25a,25bに対応して当該支軸25a,25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a,26bが設けられている。そして、各支軸25a,25bの上方に支持金具26a,26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a,26bの挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖することができるように構成されている。
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、前面扉12の右端側上部には解錠操作部たるキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の支持金具23に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と支持金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル30が設けられている。遊技パネル30には、縦長の3つの表示窓31L,31M,31Rが横並びとなるように形成されている。表示窓31L,31M,31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L,31M,31Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓31L,31M,31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板40によりその内部が上下2分割されており、仕切り板40の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された周回体としての左リール42L,中リール42M,右リール42Rを備えている。なお、各リール42L,42M,42Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール42L,42M,42Rが各表示窓31L,31M,31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L,42M,42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓31L,31M,31Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール42L,42M,42Rが正回転すると、各表示窓31L,31M,31Rを通じてリール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
図6は左リール42Lの組立斜視図である。同図に示すように、これら各リール42L,42M,42Rは、それぞれが駆動手段としてのステッピングモータ61L,61M,61R(図6においては左リール用ステッピングモータ61Lのみ図示)に連結されており、各ステッピングモータ61L,61M,61Rの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。
左リール42Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部にはボス部51形成されており、円盤状のボス補強板52を介して左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸に取り付けられている。従って、左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、左リール42Lが円環状のリール面に沿って周回するようになっている。
左リール用ステッピングモータ61Lは、リールユニット41(図3)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール42Lと一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール42Lが1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置131に検出信号が出力される。従って、主制御装置131はこの検出信号に基づいて左リール42Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ61Lは例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ61Lの回転位置、すなわち左リール42Lの回転位置が制御される。
各リール42L,42M,42Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール42L,42M,42Rに付された図柄のうち、表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓31L,31M,31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
ここで、各リール42L,42M,42Rに付される図柄について説明する。図7には、左リール42L,中リール42M,右リール42Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L,42M,42Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。また、各リール42L,42M,42Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置131が表示窓から視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール42L,42M,42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト20番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左ベルト18番目)、「白7」図柄(例えば、左ベルト17番目)、「チャンス」図柄(例えば、左ベルト14番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト13番目)、「青年」図柄(例えば、左ベルト12番目)、「赤7」図柄(例えば、左ベルト6番目)、「ラッキー」図柄(例えば、左ベルト1番目)の9種類がある。そして、図7に示すように、各リール42L,42M,42Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
遊技パネル30には、各表示窓31L,31M,31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。これら各組合せラインに対応して、表示窓31L,31M,31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32,33,34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル数の払出処理や、特別遊技状態たるBBゲーム等への移行処理などが実行される。
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に払い出されるメダル払出枚数とが示されている。
遊技状態が移行する状態移行入賞としてBB入賞がある。有効ライン上に左から「赤7」図柄,「赤7」図柄,「赤7」図柄と並んで停止した場合、「白7」図柄,「白7」図柄,「白7」図柄と並んで停止した場合、又は「青年」図柄,「青年」図柄,「青年」図柄と並んで停止した場合は、BB入賞として遊技状態が通常遊技状態としての通常ゲームから特別遊技状態としてのBBゲームに移行する。但し、これら図柄の組合せが有効ライン上に停止したとしても、メダル払出は行われない。すなわち、「赤7」図柄、「白7」図柄、又は「青年」図柄のいずれかの組合せが有効ライン上に成立した際には、BBゲームに移行するのみである。換言すれば、「赤7」図柄、「白7」図柄、及び「青年」図柄は、遊技状態をBBゲームに移行させるための状態移行図柄であるといえる。BBゲームは当該BBゲーム開始からのメダルの総払出枚数が予め定められた規定枚数に達することで終了し、通常ゲームに復帰する。
メダル払出が行われる小役入賞としては、スイカ入賞と、ベル入賞と、チェリー入賞とがある。有効ライン上に左から「スイカ」図柄,「スイカ」図柄,「スイカ」図柄と並んで停止した場合、スイカ入賞となる。また、有効ライン上に左から「ベル」図柄,「ベル」図柄,「ベル」図柄と並んで停止した場合、ベル入賞となる。これらスイカ入賞及びベル入賞は遊技状態が通常ゲームのときだけでなく、BBゲームにおいても発生する。そして、各遊技状態に対応させてメダルの払出枚数が設定されている。つまり、遊技状態が通常ゲームであれば、スイカ入賞に際しては6枚のメダル払出が行われ、ベル入賞に際しては8枚のメダル払出が行われる。また、遊技状態がBBゲームであれば、スイカ入賞に際しては4枚のメダル払出が行われ、ベル入賞に際しては15枚のメダル払出が行われる。
また、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、チェリー入賞として2枚のメダル払出が行われる。即ち、チェリー入賞の場合には、中リール42M及び右リール42Rの有効ライン上に停止する図柄はどのような図柄であってもよい。故に、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、各有効ライン上にてチェリー入賞が成立し、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われる。結果として、本実施形態では4枚のメダル払出が行われる。
更に、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄と並んで停止した場合には、再遊技入賞となる。再遊技入賞が成立すると、メダル払出や状態移行は行われないものの、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次の遊技回を開始することが可能となる。
その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に上記した図柄の組合せが停止しなかった場合には、メダル払出や遊技状態の移行等は一切行われない。すなわち、左リール42Lと右リール42Rの「チャンス」図柄及び「ラッキー」図柄、中リール42Mと右リール42Rの「チェリー」図柄は、入賞と一切関与していない。換言すれば、上記各図柄は、遊技者に付与される特典と無関係な無特典図柄であると言える。なお、以上の入賞態様及び当該入賞態様とメダルの払出枚数との関係は一例であり、上記よりも少ない又は多い入賞態様を有していてもよく、またBBゲームにおいてスイカ入賞及びベル入賞以外の入賞が発生し得る構成としてもよい。また、スイカ入賞に際してのメダルの払出又はベル入賞に際してのメダルの払出が、通常ゲームとBBゲームとで同一となる構成としてもよい。
遊技パネル30の下方左側には、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L,42M,42Rを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。スタートレバー71は、遊技者が遊技を開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー71が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー71の右側には、回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72,73,74が設けられている。各ストップスイッチ72,73,74は停止対象となるリール42L,42M,42Rに対応する表示窓31L,31M,31Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ72が操作された場合には左リール42Lの回転が停止し、中ストップスイッチ73が操作された場合には中リール42Mの回転が停止し、右ストップスイッチ74が操作された場合には右リール42Rの回転が停止する。ストップスイッチ72,73,74はリール42L,42M,42Rの回転に基づく可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ72,73,74は、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口75が設けられている。メダル投入口75は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
メダル投入口75から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ84によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。すなわち、セレクタ84にはメダル通路切替ソレノイド83が設けられ、そのメダル通路切替ソレノイド83の非励磁時には排出用通路82側とされ、励磁時には貯留用通路81側に切り替えられるようになっている。貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返還される。
メダル受け皿18は、上方に開放され、多量のメダルを貯留可能な容量を有する。メダル受け皿18の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。
メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置91は、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
メダル投入口75の下方には、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ84内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ84が機械的に連動して動作され、当該セレクタ84内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方左側には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に最大数投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ77が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状のスイッチとして、第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ77〜79は前記メダル投入口75とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77〜79は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、第1クレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に最大数のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートレバー71の左側には、ボタン状の精算スイッチ80が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状態で精算スイッチ80が押下操作されることで、仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。
なお、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するように設定された「クレジットモード」と、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」とを切換可能としたスロットマシンの場合には、前記精算スイッチ80に、モード切換のための切換スイッチとしての機能を付加してもよい。この場合、精算スイッチ(切換スイッチ)80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるように構成される。そして、精算スイッチ80がオン状態のときにはクレジットモードとされ、精算スイッチ80がオフ状態のときにはダイレクトモードとされる。クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際に仮想メダルがある場合には、その分の仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。これにより、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることで自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる精算スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。
遊技パネル30の表示窓31L,31M,31R下方には、貯留記憶された仮想メダル数を表示するクレジット表示部35と、BBゲームが終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部36と、入賞時に獲得したメダルの枚数を表示する獲得枚数表示部37とがそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。
遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚未満であれば、スロットマシン内部に貯蓄されると共にクレジット表示部35の仮想メダル数が加算表示される。一方、仮想メダル数が50枚のとき又は50枚に達したときには、セレクタ84により貯留用通路81から排出用通路82への切替がなされ、メダル排出口17からメダル受け皿18へと余剰メダルが返却される。
また、クレジット表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が1つ減算され、第1有効ライン表示部32が点灯して中ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が2つ減算され、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が3つ減算され、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えばクレジット表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、クレジット表示部35の数値が全て減算されて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に各種情報を与える補助表示部15とが設けられている。補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための表示制御装置111が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ123は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。言い換えると、主制御装置131により決定される設定値を、変更させるための設定値変更手段としての機能を有する。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。
リールユニット41の上方には、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置131には、演算処理手段であるCPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU151には、電源ボックス121の内部に設けられた電源装置161の他に、入出力ポート155などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置131の入力側には、スタートレバー71の操作を検出するスタート検出センサ71a、各ストップスイッチ72,73,74の操作を個別に検出するストップ検出センサ72a,73a,74a、メダル投入口75から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ75a、各クレジット投入スイッチ77,78,79の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ77a,78a,79a、精算スイッチ80の操作を検出する精算検出センサ80a、各リール42の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55、ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ91a、リセットスイッチ123の操作を検出するリセット検出センサ123a、設定キー挿入孔124に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ124a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート155を介してCPU151へ出力されるようになっている。
また、主制御装置131の入力側には、入出力ポート155を介して電源装置161に設けられた停電監視回路161bが接続されている。電源装置161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部161aや、上述した停電監視回路161bなどが搭載されている。
停電監視回路161bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ122による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路161bは、電源部161aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU151と入出力ポート155のそれぞれに供給され、CPU151ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。
電源部161aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置131などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置131による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置131の出力側には、各有効ライン表示部32,33,34、クレジット表示部35、残払出枚数表示部36、獲得枚数表示部37、各リール42L,42M,42Rを回転させるための各ステッピングモータ61(61L,61M,61R)、セレクタ84に設けられたメダル通路切替ソレノイド83、ホッパ装置91、表示制御装置111、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板171等が入出力ポート155を介して接続されている。
上述したCPU151には、このCPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、BBゲームにおける残払出枚数をカウントするための残払出枚数カウンタ154等の各種カウンタが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図10以降のフローチャートに示される各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM152に記憶されている。
RAM153には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのバックアップエリアが設けられている。なお、CPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路161bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
また、RAM153には、遊技状態が通常ゲームである状況でBBゲームに当選している場合にBB当選フラグが格納されるBB当選フラグ格納エリア153a及び遊技状態がBBゲームである場合にBB設定フラグが格納されるBB設定フラグ格納エリア153b等の格納エリアが設けられている。
次に、主制御装置131内のCPU151により実行される各制御処理を図10〜図25のフローチャート等を参照しながら説明する。かかるCPU151の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図10はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置161の停電監視回路161bでは停電信号が生成され、主制御装置131に対して出力される。NMI端子を介して停電信号を入力した主制御装置131では、NMI割込み処理が実行される。
NMI割込み処理では、まずステップS101において、CPU151内に設けられた使用レジスタのデータをRAM153内に設けられたバックアップエリアに退避させる。続いて、ステップS102では、停電フラグをRAM153内に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。その後、ステップS103にてRAM153のバックアップエリアに退避させたデータを再びCPU151の使用レジスタに復帰させる。この復帰処理でNMI割込み処理が終了する。なお、CPU151の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグのセット処理が可能な場合には、バックアップエリアへの退避および復帰処理を省くことができる。
図11は、主制御装置131で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置131のCPU151により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU151内の全レジスタの値をRAM153のバックアップエリアに退避させる。ステップS202では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
ここで、停電時処理について図12を用いて説明する。この停電時処理は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの出力処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。
ステップS301では、コマンド出力が終了しているか否かを判定する。出力が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンド出力を終了させる。このように停電時処理の初期段階でコマンドの出力が完了しているか否かを判断し、出力が未完であるときには出力処理を優先し、単位コマンドの出力処理終了後に停電時処理を実行する構成とすることにより、コマンドの出力途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してROM152の小容量化を図ることができる実益を有する。
ステップS301がYES、すなわちコマンドの出力が完了している場合には、ステップS302に進み、CPU151のスタックポインタの値をRAM153内のバックアップエリアに保存する。その後ステップS303では、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポート155における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。ステップS304では、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値とは、具体的にはRAM153の作業領域アドレスにおけるチェックサムの2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAM153のチェックサムは0となる。RAM153のチェックサムを0とすることにより、ステップS305においてそれ以後のRAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、CPU151自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール42L,42M,42Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ61L〜61Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入出力ポート155に接続された各種センサ(図9参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントした結果を外部集中端子板171へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS210では、各種コマンドを表示制御装置111へ出力するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、クレジット表示部35、残払出枚数表示部36及び獲得枚数表示部37にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS212では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部35〜37に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS213では、入出力ポート155からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS214では、先のステップS201にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU151内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS215にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
図13は電源投入後に実行される主制御装置131でのメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS401では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU151内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU151内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、ステップS402では設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されてON操作されているか否か、より詳しくは設定キー検出センサ124aからON信号を入力しているか否かを判定する。設定キーのON操作がなされている場合にはステップS403に進み、強制的RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。続くステップS404では当選確率設定処理を行う。
ここで、当選確率設定処理について図14を用いて説明する。スロットマシン10には、「設定値1」から「設定値6」まで6段階の設定値が予め用意されており、それら各設定値ごとに当選確率が異なっている。当選確率設定処理とは、いずれの設定値(当選確率)に基づいて内部処理を実行させるのかを設定(決定)するための処理である。
ステップS501では設定キーが挿入されてON操作されているか否かを判定し、ON操作されていない場合にはそのまま本処理を終了する。ON操作されている場合には、ステップS502にて次回のタイマ割込みを許可する。その後、ステップS503にて現在の設定値を読み込むと共に、ステップS504では現在の設定値をクレジット表示部35に表示する。但し、設定キーが挿入されてON操作された直後の処理では、先の強制的RAMクリア処理によりRAM153のデータがクリアされているため、クレジット表示部35に表示される設定値は「1」である。
ステップS505ではスタートレバー71が操作されたか否かを判定し、操作されていない場合にはステップS506〜ステップS507に示す設定更新処理を行う。ステップS506では、リセットスイッチ123が操作されたか否かを判定する。リセットスイッチ123が操作されていない場合にはそのままステップS504に戻り、操作された場合にはステップS507にて設定値を1更新した後にステップS504に戻る。つまり、設定更新処理では、リセットスイッチ123が操作される毎に設定値が1更新され、更新された設定値がクレジット表示部35に表示される。なお、設定値が「6」のときにリセットスイッチ123が操作された場合、設定値は「1」に更新される。
ステップS505にてスタートレバー71が操作された場合には、ステップS508にて設定キーのON操作が継続してなされているか否かを判定する。設定キーのON操作が継続してなされている場合にはそのまま待機し、ON操作が終了された場合にはステップS509にて次回のタイマ割込みを禁止する。その後、ステップS510にて設定値を保存し、ステップS511にてRAM153に記憶された設定値以外のデータをクリアする。続くステップS512では、今回設定した設定値に対応した情報を含む設定値コマンドをセットする。このセットされた設定値コマンドは、上記タイマ割込み処理(図11)におけるステップS210のコマンド出力処理にて表示制御装置111に対して出力される。これにより、表示制御装置111では、複数段階ある設定値の中から現在設定されている設定値を把握する。その後、本当選確率設定処理を終了する。
メイン処理の説明に戻り、ステップS404にて当選確率設定処理を行った後には、ステップS405にて遊技に関わる主要な制御を行う通常処理を実行する。
一方、ステップS402にて設定キーが挿入されていない場合には、ステップS406以降に示す復電処理を行う。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させる処理である。従って、復電処理では先ずRAM153のデータが正常かどうかを確認する必要がある。
そこで、ステップS406では設定値が正常か否かを判定する。具体的には、設定値が1〜6のいずれかである場合に正常であると判定し、0又は7以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、ステップS407にて停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされている場合には、さらにステップS408にてRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM153のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM153のデータは正常であると判定する。
ステップS408においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS409に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU151のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS410において、復電処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置111に出力する。その後、ステップS411にて遊技状態として打ち止め及び自動精算設定保存処理を行い、ステップS412にてスタート検出センサ71a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS413にて停電フラグを消去し、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS204)が実行されることとなる。
一方、ステップS406〜ステップS408のいずれかがNO、すなわち、設定値が異常である、電源遮断時にセットされる筈の停電フラグがセットされていない、又はRAM判定値が異常である場合には、RAM153のデータが破壊された可能性が高い。このような場合には、ステップS414〜ステップS416に示す動作禁止処理を行う。動作禁止処理として、先ずステップS414にて次回のタイマ割込み処理を禁止し、ステップS415では入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ステップS416にてホール管理者等にエラーの発生を報知するエラー報知処理を行う。かかる動作禁止状態は、上述した当選確率設定処理が行われるまで維持される。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図15のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS601では、遊技の開始に必要なメダルがベットされているか否かを判定する。遊技の開始に必要なメダルがベットされているときには、続いてステップS602にてベット設定コマンドをセットする。このセットされたベット設定コマンドは、上記タイマ割込み処理(図11)におけるステップS210のコマンド出力処理にて表示制御装置111に対して出力される。これにより、表示制御装置111では、遊技の開始に必要な数のベット設定がなされたことを把握する。続くステップS603では、スタートレバー71が操作されたか否かを判定する。
ステップS601,ステップS603が共にYESの場合には、ステップS604の抽選処理、ステップS605のリール制御処理、ステップS606のメダル払出処理、ステップS607のBBゲーム処理を順に実行し、ステップS608では終了コマンドをセットする。このセットされた終了コマンドは、上記タイマ割込み処理(図11)におけるステップS210のコマンド出力処理にて表示制御装置111に対して出力される。これにより、表示制御装置111では、1遊技回が終了したことを把握する。以上のステップS604〜ステップS608の処理を実行した後、ステップS601に戻る。一方、ステップS601にてメダルがベットされていない、またはステップS603にてスタートレバー71が操作されていない場合には、ステップS601に戻る。
次に、通常処理におけるステップS604〜ステップS607の各処理について説明する。
ステップS604の抽選処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。
抽選処理では、先ずステップS701にて、当否決定用の抽選テーブルを選択する抽選テーブル選択処理を行う。
ここで、スロットマシン10では上記のとおり遊技状態として通常ゲームとBBゲームとが設定されており、各遊技状態に対応させて抽選テーブルが用意されている。そこで、通常ゲーム用抽選テーブル及びBBゲーム用抽選テーブルについて説明する。先ず通常ゲーム用抽選テーブルについて図17(a)及び図18(a)を用いて説明する。図17(a)は通常ゲームにおける当選確率を説明するための説明図、図18(a)は通常ゲーム用抽選テーブルを説明するための説明図である。
通常ゲームでは、図17(a)に示すように、入賞となる役として、再遊技、チェリー役、ベル役、スイカ役、BB役の5種類が設定されており、再遊技を除いて設定値に対応させて当選確率が設定されている。具体的には、チェリー役、ベル役及びスイカ役といった小役は、基本的に設定値の所定の範囲に対応させて当選確率が設定されており、設定値が大きい側が小さい側よりも当選確率が高くなるように設定されている。BB役は、設定値に1対1で対応させて当選確率が設定されており、設定値が大きいほど当選確率が高くなるように設定されている。
なお、設定値と当選確率との関係は上記のものに限定されることはなく、設定値が大きいほどメダルの獲得期待値が高くなるのであれば、任意である。例えば、設定値が大きくなるほど小役の当選確率が高くなる構成であれば、BB役の当選確率を全設定値で同一としてもよく、また設定値が大きくなるほどBB役の当選確率が高くなる構成であれば、他の役の当選確率を全設定値で同一としてもよい。さらには、総合して設定値が大きいほどメダルの獲得期待値が高くなるのであれば、設定値が大きくなるほどBB役の当選確率又はその他の役の当選確率が低くなる構成としてもよい。
また、ベットされるメダルの枚数(1〜3枚)に1対1で対応させて抽選テーブルが用意されており、ベットされたメダルの枚数に基づいて抽選テーブルが選択される。例えば、3枚ベットされたときの役の当選確率は、1枚ベットされたときの役の当選確率と比して3倍よりも高い確率となっている。なお、図17(a)はメダルが3枚ベットされた場合の当選確率を示す。
上記のような当選確率は、設定値及びベットされるメダルの枚数に対応させて通常ゲーム用抽選テーブルが設定されていることにより実現される。すなわち、通常ゲーム用抽選テーブルには、図18(a)に示すように、入賞となる役の数と同数のインデックス値IVが設定されている。上記のとおり、通常ゲームでは、再遊技、チェリー、ベル、スイカ、BBの5種類の入賞が発生し得るため、1〜5の5つのインデックス値IVが設定されている。そして、各インデックス値IVには、入賞となる役がそれぞれ一義的に対応付けられると共に、ポイント値PVが設定されている。図18(a)に示す通常ゲーム用抽選テーブルが選択された場合、当選確率は図17(a)における設定値が「1」の場合のものとなる。つまり、再遊技当選確率は約7.3分の1、チェリー役当選確率は約128分の1、ベル役当選確率は約7分の1、スイカ役当選確率は約50分の1、BB役当選確率は約360分の1となる。
次に、BB用抽選テーブルについて図17(b)及び図18(b)を用いて説明する。図17(b)はBBゲームにおける当選確率を説明するための説明図、図18(b)はBBゲーム用抽選テーブルを説明するための説明図である。
BBゲームでは、図17(b)に示すように、入賞となる役として、ベル役、スイカ役の2種類のみが設定されている。通常ゲームでは上記のとおり、設定値に対応させて当選確率が設定されていたが、BBゲームでは設定値に対応させて当選確率が設定されておらず、いずれの設定値であっても当選確率が同一となっている。但し、ベットされるメダルの枚数(1〜3枚)に対しては、1対1で対応させて当選確率が設定されている。図17(b)はメダルが3枚ベットされた場合の当選確率を示す。なお、BBゲームにおいても設定値に対応させて当選確率を変更する構成としてもよい。
BBゲーム用抽選テーブルには、図18(b)に示すように、ベル役とスイカ役に対応させてインデックス値IV及びポイント値PVが設定されている。図18(b)に示すBB用抽選テーブルが選択された場合、当選確率は図17(b)に示すものとなる。つまり、ベル役当選確率は約1.3分の1、スイカ役当選確率は約5分の1となる。
ここで、BBゲーム用抽選テーブルでは、ベル役当選確率が通常用抽選テーブルに比べ非常に高くなっており、BBゲームの各遊技回ではベル役当選が頻出することとなる。すなわち、BBゲームにおいてベル役は頻出役となっており、スイカ役は当該ベル役よりも出現頻度の低い特定役となっている。また、上記のとおりBBゲームにおいてベル入賞が成立した場合には15枚のメダル払出が行われるのに対して、BBゲームにおいてスイカ入賞が成立したとしても4枚のみのメダル払出が行われる。つまり、本スロットマシン10では、頻出役の方が特定役よりも、入賞成立時におけるメダルの払出枚数が多くなっている(入賞時により良い特典が得られる)。
抽選処理の説明に戻り、ステップS701にて抽選テーブル選択処理を行った後は、ステップS702に進む。ステップS702ではインデックス値IVを1とし、続くステップS703では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、スタートレバー71が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
ここで、乱数カウンタについて簡単に説明すると、本スロットマシン10では、8ビットのシフトレジスタを2つ用いて「0〜65535」の乱数を生成している。各シフトレジスタは定期的(例えば100ns毎)に1ずつ更新され、各シフトレジスタの上位ビットと下位ビットを入れ替えた値がCPU151に入力され、スタートレバー71が操作されたとき(すなわちスタート検出センサ71aのON信号を受信したとき)に入力されている値が乱数値としてラッチされる。これは初回の判定値設定処理にて用いられる乱数値を不規則なものとするための工夫であり、例えば各シフトレジスタのビットをランダムに入れ替えた値が乱数値としてラッチされる構成であってもよい。
その後、ステップS704ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定し、65535を超えた場合には、ステップS705にてそのときのインデックス値IVと対応する役の当選フラグをRAM153に設けられた対応する各当選フラグ格納エリアに格納する。
ここで、当選フラグが小役当選フラグ又は再遊技当選フラグである場合、これら当選フラグは、該当選フラグが格納された遊技回の終了時にクリアされる。一方、当選フラグがBB当選フラグである場合、そのBB当選フラグはBB図柄の組合せが有効ライン上に成立したことを条件の1つとしてクリアされる。すなわち、BB当選フラグは、複数の遊技回にわたって有効とされる場合がある。なお、BB当選フラグを持ち越した次遊技回以降における役の当否判定では、小役又は再遊技の当否判定は行うが、BBに関する当否判定は行わない。
ステップS704にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS706にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS707ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき役があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき役がある場合にはステップS703に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS703では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS704では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ステップS705にて当選フラグを格納した後、又はステップS707にて当否判定すべき役がないと判定された場合には、ステップS708にて抽選結果コマンドをセットする。このセットされた抽選結果コマンドは、上記タイマ割込み処理(図11)におけるステップS210のコマンド出力処理にて表示制御装置111に対して出力される。これにより、表示制御装置111では、1遊技回が開始されたこと及びその開始された遊技回における役の抽選結果を把握する。
その後、ステップS709にてリール停止制御用のスベリテーブル(停止テーブル)を設定するスベリテーブル設定処理を行った後に本抽選処理を終了する。
次に、スベリテーブル設定処理について説明する。
スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押されたタイミングからリールをどれだけ滑らせた(回転させた)上で停止させるかが定められたテーブルである。すなわち、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押された際に基点位置(本実施形態では下ライン上)に到達している到達図柄と、前記基点位置に実際に停止させる停止図柄との関係が定められた停止データ群である。
本スロットマシン10では、ストップスイッチ72〜74が操作された場合に、到達図柄をそのまま停止させる場合、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる場合、2図柄分滑らせた後に停止させる場合、3図柄分滑らせた後に停止させる場合、4図柄分滑らせた後に停止させる場合の5パターンがリールの停止態様として用意されている。これは、遊技者がストップスイッチ72〜74を操作するタイミングと、各表示窓32L,32M,32Rから視認可能な範囲に停止する図柄配列(以下、「停止出目」と言う)とを密接に関連付けるための工夫である。つまり、ストップスイッチ72〜74が操作されたタイミングから規定時間(190msec)が経過するまでに各リール42L,42M,42Rを停止させることにより、遊技者の操作によってあたかも停止出目が決定されたかのような印象を遊技者に抱かせることが可能となる。また、4図柄分までは滑らせることが可能な構成とすることにより、かかる規定時間内で可能な限り抽選に当選した役と対応する図柄の組合せを有効ライン上に停止させることが可能となる。
図19は、スイカ図柄を有効ライン上に停止させる場合にセットされるスベリテーブルの一例である。滑り数が0である番号の図柄は、下ライン上に実際に停止する図柄である。例えば、左リール42Lの7番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは滑ることなくそのまま停止し、9番図柄たる「スイカ」図柄が上ライン上に停止する。また、滑り数が0でない番号の図柄は、記載された図柄数分だけリールが滑ることを意味する。例えば、左リール42Lの8番図柄たる「リプレイ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは1図柄分だけ滑り、9番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に停止する。すなわち、滑り数が0でない番号の図柄が下ライン上に到達している際にストップスイッチが押された場合、対応するリールはその滑り数分だけ滑った後に停止する。このように、スベリテーブルでは、各リール42L,42M,42Rに付された図柄が下ライン上に到達したタイミングでストップスイッチ72〜74を押された場合の滑り数が図柄番号毎に設定されている。
但し、上記スベリテーブルがセットされた場合であっても、ストップスイッチの押されたタイミングによっては「スイカ」図柄が有効ライン上に停止せず、所謂取りこぼしが発生することもある。これは、滑らせることのできる範囲をストップスイッチの押されたタイミングから190msec以内(最大4図柄分)と予め決めており、下ライン上に到達した「スイカ」図柄から次に下ライン上に到達する「スイカ」図柄までの間隔が5図柄分以上離れている区間を設定しているためである。例えば中リール42Mでは、5番の「スイカ」図柄から9番の「スイカ」図柄までは3図柄分離れているのみである一方、9番の「スイカ」図柄から18番の「スイカ」図柄までは8図柄分離れている。このため、例えば中リール42Mの11番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達しているタイミングで中ストップスイッチ73が押された場合、仮に中リール42Mを4図柄分滑らせても「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。また、「白7」図柄、「赤7」図柄及び「青年」図柄は各リールにそれぞれ1図柄しかないため、「スイカ」図柄同様、B役に当選している場合は、所定のタイミングでストップスイッチ72〜74を操作しなければ、それぞれの図柄を有効ライン上に停止させることはできず、取りこぼしが発生することがある。
この取りこぼしに関して詳細に説明する。本スロットマシン10においては、取りこぼしが発生する場合の態様が2パターンある。このうち第1パターンは、同種の図柄の間に5図柄分以上の区間が設定されている場合に発生し得る。詳細には、上記のとおり抽選処理にてチェリー役を除く何れかの役に当選したとしても、その当選役に対応した入賞図柄の組合せが一の有効ライン上に並ばない限り入賞とならない。また、各リール42L,42M、42Rのうち2つのリールが停止した段階では、当選役に対応した入賞図柄の組合せが並ぶ有効ライン(以下、当該ラインを成立ラインともいう)が限定される。かかる状況において、残りのリールにおいて入賞図柄の組合せを構成する同種の図柄間に5図柄分以上の区間が設定されていると、ストップスイッチの操作タイミングによっては成立ライン上に入賞図柄の組合せを構成する図柄が停止せず、取りこぼしが発生することもある。また、当該第1パターンの態様の取りこぼしは、当選役に対応した入賞図柄の組合せを停止させる有効ラインが第1停止や第2停止の段階で限定される場合にも発生し得る(以下、当該ラインを限定ラインともいう)。
第2パターンは、同種の図柄の間に7図柄分以上の区間(7個以上の図柄が存在する区間)が設定されている場合に発生し得る。詳細には、本スロットマシン10では上記のとおり表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な図柄数は各リール3個ずつとされており、各有効ラインはこれら各3個の図柄が停止する合計9個の位置のいずれか3個を直線状に通るようにして設定されている。かかる状況において、各リール42L,42M,42Rのうちいずれかのリールにおいて入賞図柄の組合せを構成する同種の図柄間に7図柄分以上の区間が設定されていると、当該リールを第1停止させる場合であったとしてもストップスイッチの操作タイミングによってはいずれの有効ライン上にも入賞図柄の組合せを構成する図柄が停止せず、第1停止の段階で取りこぼしが発生することもある。
一方、「ベル」図柄、及び「リプレイ」図柄は、下ライン上に先に到達する図柄と次に到達する同種の図柄との間が4図柄以下となるように配置されている。各リール42L,42M,42Rは、各ストップスイッチ72,73,74の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができるため、かかる図柄配列とすることにより、各ストップスイッチ72,73,74が如何なるタイミングで操作された場合であっても、ベル当選フラグ又はリプレイ当選フラグがセットされていれば「ベル」図柄の組合せ、及び「リプレイ」図柄の組合せを有効ライン上に停止させることができる。
図20に示すように、スベリテーブル設定処理では、先ずステップS801にてRAM153のBB当選フラグ格納エリア153aにBB当選フラグが格納されているか否かを判定する。BB当選フラグが格納されていない場合にはステップS802に進み、当選フラグと一義的に対応する第1当選番号をRAM153の当選番号格納エリアに格納する。当選番号とはスベリテーブルをセットする際に用いるための番号であり、第1当選番号が格納されている場合には、当選フラグが格納されていない又は当選フラグが1つだけ格納されていることを意味する。続くステップS803では、第1当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルをRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納し、本処理を終了する。
ステップS801にてBB当選フラグが格納されていると判定した場合には、さらにステップS804にてRAM153の他の当選フラグ格納エリアに当選フラグが格納されているか否かを判定する。他の当選フラグが格納されていない場合にはBB当選フラグのみが格納されていることを意味するため、上述したステップS802〜ステップS803の処理を行い、本処理を終了する。一方、他の当選フラグが格納されている場合には、BB当選フラグを持ち越した状態で小役又は再遊技に当選したことを意味する。かかる場合にはステップS805に進み、格納されている当選フラグと一義的に対応する第2当選番号をRAM153の当選番号格納エリアに格納する。第2当選番号が格納されている場合には、BB当選フラグと、小役当選フラグ又は再遊技当選フラグの2つが格納されていることを意味する。続くステップS806では、第2当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルをRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納し、本処理を終了する。このとき、本スロットマシン10では、BB当選フラグと他の当選フラグの少なくとも一方と対応する図柄が有効ライン上のいずれかに停止するよう設定されたスベリテーブルをセットする。
次に、ステップS605のリール制御処理について、図21のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS901において各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。回転開始処理では、前回の遊技回においてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、当該時間が経過するまで待機するウエイト処理を行った後に各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる。このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、直ちに各リール42L,42M,42Rが回転を開始しない場合がある。続くステップS902では、ストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を受信したか否かを判定し、停止指令が発生していない場合には停止指令が発生するまで待機する。但し、本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから所定の速度で定速回転するまでの期間を無効期間として設定しており、この無効期間内にストップスイッチ72〜74が押下操作されても、ストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を無効化する。ちなみに本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから0.5秒が経過するまでの期間を無効期間として設定している。
ステップS902にてストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS903に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否か、すなわち1つのリールのみが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。今回の停止指令が第3停止指令でない場合にはステップS904にてスベリテーブル第1変更処理を行う。
ここで、スベリテーブル第1変更処理について図22のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第1変更処理では、ステップS1001にて今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち全てのリールが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令である場合にはステップS1002〜ステップS1005に示す第1停止変更処理を行う。第1停止変更処理では、ステップS1002にていずれのストップスイッチが操作されたかを確認し、ステップS1003では、左ストップスイッチ72が操作されたか否かを判定する。そして、左ストップスイッチ72が操作された場合には、スベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。これは、先のスベリテーブル設定処理(図20参照)において、左ストップスイッチ72が最初に操作されることを想定してスベリテーブルを設定しているためである。一方、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合、想定された順序と異なる順序でストップスイッチが操作されたことを意味する。かかる場合にはステップS1004に進み、RAM153の当選番号格納エリアに格納された当選番号を確認する。続くステップS1005では、RAM153のスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを、当選番号及び操作されたストップスイッチと対応する変則押し用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。換言すれば、第1停止変更処理は、格納されている当選フラグの種別と、操作されたストップスイッチとに基づいてスベリテーブルを変更する処理であると言える。
ステップS1001にて今回の停止指令が第1停止指令でないと判定した場合には、当該停止指令が第2停止指令であること、すなわち1つのリールが停止している状況下でストップスイッチが押下操作されたことを意味する。かかる場合には、ステップS1006〜ステップS1009に示す第2停止変更処理を行う。第2停止変更処理では、先ずステップS1006において、第1停止指令時に操作されたストップスイッチと、第2停止指令時に操作されたストップスイッチ、すなわちストップスイッチの操作された順序を確認する。続くステップS1007では、第2停止指令時に操作されたストップスイッチと対応するストップ検出センサからON信号を受信したタイミングにおいて、下ライン上に何番の図柄が到達しているかを確認する。続くステップS1008では、下ライン上に到達している到達図柄が、現在格納されているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄か否かを確認する。到達図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致した場合にはステップS1009に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。また、到達図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致しなかった場合にはそのまま本処理を終了する。換言すれば、第2停止変更処理は、スベリテーブルから導かれる当選フラグの種別と、ストップスイッチの操作タイミング(リールの停止開始位置)とに基づいてスベリテーブルを変更する処理であると言える。
リール制御処理の説明に戻り、スベリテーブル第1変更処理を行った後、または今回の停止指令が第3停止指令であった場合には、ステップS905にて下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。ステップS906では、RAM153のスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルから到達図柄と対応するスベリ量を算出し、ステップS907にて下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS908では到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS909にてリールを停止させるリール停止処理を行う。ステップS910では全てのリールが停止したか否かを判定し、全てのリールが停止していない場合にはステップS911にてスベリテーブル第2変更処理を行う。
ここで、スベリテーブル第2変更処理について図23のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第2変更処理では、ステップS1101にて現在停止しているリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1102では、停止図柄の図柄番号が、現在格納されているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号と一致しているか否かを判定する。一致しない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。一致した場合にはステップS1103に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。そして、スベリテーブル第2変更処理を行った後は、回転中のリールが存在するためステップS1102に戻る。換言すれば、スベリテーブル第2変更処理は、スベリテーブルから導かれる当選フラグの種別と、リールの停止位置とに基づいてスベリテーブルを変更する処理であると言える。
ステップS910にて全てのリールが停止していた場合には、ステップS912に進み、払出判定処理を行って本リール制御処理を終了する。払出判定処理では、役が有効ライン上に並んでいるか否かを判定し、役が有効ライン上に並んでいないときにはRAM153の払出予定数格納エリアに「0」をセットし、役が有効ライン上に並んでいるときにはその役が当選した役と一致しているか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ13等によりエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに「0」をセットする。一致しているときには払出予定数格納エリアに並んだ役と対応する払出数をセットする。
なお、払出判定処理では再遊技処理を行う。再遊技処理では、かかる遊技回のベット数を確認し、確認結果と同数のベット数を再度設定する処理を行う。したがって、再遊技入賞が成立すると、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次の遊技回を開始することが可能となる。
次に、ステップS606のメダル払出処理について、図24のフローチャートに基づき説明する。
メダル払出処理では、先ずステップS1201にて払出数カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS1202にてクレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する。上限に達していないときには、ステップS1203,S1205にてクレジットカウンタのカウント値及び払出数をそれぞれ1加算する。
一方、ステップS1202にてクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには、ステップS1204にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置91からメダル排出口17を介してメダル受け皿18へ払い出す。続くステップS1205ではホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサ91aのメダル検出信号に応じて払出数を1加算する。その後、再びステップS1201に戻る。
ステップS1201で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS1206にてRAM153のBB設定フラグ格納エリア153bにBB設定フラグが格納されているか否かを判定する。BB設定フラグが格納されていない場合にはステップS1208に進み、払出終了処理を行った後に本処理を終了する。払出終了処理では、払出予定数格納エリアや払出完了数カウンタの値を「0」にリセットする。なお、獲得枚数表示部37の値は、次の遊技回を開始すべくメダルがベットされたときにリセットされる。
一方、BB設定フラグが格納されている場合には、ステップS1207にてCPU151の残払出枚数カウンタ154のカウント値から今回の払出完了数を減算する処理を行う。その後、ステップS1208にて払出終了処理を行い、本メダル払出処理を終了する。
次に、ステップS607のBBゲーム処理について、図25のフローチャートに基づき説明する。
ここで、BBゲームとは、通常ゲームよりもメダルの獲得期待値が高まるゲームである。具体的には、各遊技回においてベル入賞が通常ゲームに比べ高い確率で成立し、さらにはベル入賞成立時におけるメダルの払出枚数は通常ゲームよりも多く設定されている。また、BBゲームは、メダル払出数が所定数(具体的には405枚)に達したことを以って終了する。これはBBゲーム中のメダル払出数に上限をもたせることにより遊技者の射幸心を抑え、遊技の健全性を担保するための工夫である。特に、この場合、メダルの払出枚数のみをカウントしてBBゲームの終了契機を判定すればよいので、BBゲーム中の制御などを容易なものとすることができる。即ち、メダルの獲得枚数によりBBゲームの終了契機を判定する構成においては、メダルの投入枚数とメダルの払出枚数との差をカウントして終了契機を判定する必要があるからである。
上述したとおり、BBゲームはメダル払出数が所定数に達したことによって終了する。遊技を行うためには、遊技回毎にメダルを少なくとも1枚はベットする必要があるため、BBゲームにおいて少ない遊技回数にて当該所定数に達した方が、ベットしたメダルの枚数分、獲得したメダルは多くなる。このため、遊技者は可能な限り少ない遊技回数にて当該規定数に達することを期待して遊技を行うことが考えられる。これにより、BBゲームにおいてメダルの払出枚数が少ない役に当選した又はメダルの払出枚数が少ない役入賞が成立した場合に、遊技者は不利益が発生したと考えることがある。
さて、BBゲーム処理では、先ずステップS1301にてRAM153のBB設定フラグ格納エリア153bにBB設定フラグが格納されているか否かを判定する。遊技状態が通常ゲームでありBB設定フラグが格納されていない場合には、ステップS1302に進む。
ステップS1302では、RAM153のBB当選フラグ格納エリア153aにBB当選フラグが格納されているか否かを判定する。BB当選フラグが格納されていない場合には、そのまま本BBゲーム処理を終了する。
BB当選フラグが格納されている場合にはステップS1303に進み、今回有効ライン上にBB図柄の組合せが停止したか否かを判定し、BB図柄の組合せが停止していないときにはそのまま本BBゲーム処理を終了する。一方、今回有効ライン上にBB図柄の組合せが停止したときには、ステップS1304にてBBゲーム設定処理を行った後に本BBゲーム処理を終了する。
BBゲーム設定処理では、BB当選フラグ格納エリア153aからBB当選フラグを消去するとともに、BB設定フラグ格納エリア153bにBB設定フラグを格納する。また、CPU151の残払出枚数カウンタ154に払出規定数として「405」をセットする。これにより、BBゲームはメダルが405枚払い出されることを条件として終了する。
また、BBゲーム設定処理では、BB設定コマンドをセットする。このセットされたBB設定コマンドは、上記タイマ割込み処理(図11)におけるステップS210のコマンド出力処理にて表示制御装置111に対して出力される。これにより、表示制御装置111では、遊技状態が通常ゲームからBBゲームに移行したことを把握する。
一方、遊技状態がBBゲームでありBB設定フラグが格納されている場合には、ステップS1305に進む。ステップS1305ではCPU151の残払出枚数カウンタ154が「0」か否かを判定する。残払出枚数カウンタ154が「0」でない場合には、そのまま本BBゲーム処理を終了する。残払出枚数カウンタ154が「0」である場合には、ステップS1306にてBBゲーム終了処理を行った後に本BBゲーム処理を終了する。
BBゲーム終了処理では、BB設定フラグ格納エリア153bからBB設定フラグを消去する。また、BBゲーム終了処理では、BB終了コマンドをセットする。このセットされたBB終了コマンドは、上記タイマ割込み処理(図11)におけるステップS210のコマンド出力処理にて表示制御装置111に対して出力される。これにより、表示制御装置111では、遊技状態がBBゲームから通常ゲームに復帰したことを把握する。
次に、表示制御装置111により実行される各制御処理を説明する。ここで、それら各制御処理を説明するに先立ち、表示制御装置111の電気的構成について図26のブロック図に基づき説明する。
表示制御装置111は、上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示部15を駆動させる機能を有しており、これら各種機器13〜15を制御することにより遊技状況の報知、各種示唆及び各種演出を実行する。この点から、表示制御装置111は、報知手段を制御する機能、示唆手段を制御する機能及び演出手段を制御する機能を有すると言える。表示制御装置111には、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。
CPU181には、ROM182とRAM183とが内蔵されている。これらROM182とRAM183によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図27以降のフローチャートに示される各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM182に記憶されている。なお、ROM182及びRAM183がCPU181に内蔵されておらず、それぞれが独立したチップとして設けられた構成としてもよい。
また、ROM182には、上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示部15において報知や演出を行う上で用いられる各種のデータが記憶された複数の記憶エリアが設けられている。例えば、補助表示部15にて行う演出等の表示内容が多数記憶されたステージデータ群記憶エリア182a及び表示データ群記憶エリア182bや、多数用意された演出の中からいずれの演出を行うかの抽選に際して参照される抽選テーブルが多数記憶された抽選テーブル群記憶エリア182cが設けられている。
RAM183には、複数のカウンタエリア184〜187と、複数の情報格納エリア188〜195とが設けられている。カウンタエリア184〜187について具体的には、各種の処理に際して時間を計測する際に参照されるタイマカウンタ184と、演出の抽選に際して参照される乱数カウンタエリア185と、通常ゲーム及びBBゲームの各遊技状態における継続ゲーム数の把握に際して参照されるゲーム数カウンタエリア186と、BBゲーム中における特定役(具体的には、スイカ役)の当選回数の把握に際して参照される特定役カウンタエリア187が設けられている。なお、乱数カウンタエリア185は、「0〜65535」の乱数のいずれか(又はそれに対応した情報)を格納可能なエリアである。
格納エリア188〜195として具体的には、スロットマシン10において現在設定されている設定値の情報を格納する設定値情報格納エリア(設定値情報記憶部)188と、主制御装置131における役の抽選結果の情報を格納する抽選結果情報格納エリア(役抽選結果情報記憶部)189と、補助表示部15において表示させる表示データを特定するための表示情報を格納する表示情報格納エリア(表示情報記憶部)190とが設けられている。なお、表示情報格納エリア190には、ROM182において記憶されている表示データ群記憶エリア182bのうち、補助表示部15において表示させる表示データのアドレス情報を格納する構成としてもよい。
また、遊技状態がBBゲームに滞在している旨の情報を示すBB設定フラグを格納するBB設定フラグ格納エリア(遊技状態記憶部)191と、通常ゲームにおいて後述する第1ステージ表示又は第2ステージ表示に滞在している旨の情報を示す各ステージフラグを格納する通常ステージフラグ格納エリア(示唆不可状態記憶部)192と、通常ゲームにおいて後述する特定ステージ表示に滞在している旨の情報を示す特定ステージフラグを格納する特定ステージフラグ格納エリア(通常遊技状態時における示唆許容状態記憶部)193と、特定ステージ表示から第1,第2ステージ表示への切り換えを不可とする旨の情報を示す移行不可フラグを格納する移行不可フラグ格納エリア(移行不可状態記憶部)194と、BBゲームにおいて後述する示唆演出の実行が可能である旨の情報を示す示唆許容フラグを格納する示唆許容フラグ格納エリア(特別遊技状態時における示唆許容状態記憶部)195とが設けられている。
上記ROM182及びRAM183が内蔵されたCPU181の入力側には、主制御装置131から出力されるコマンド等の制御信号をラッチする信号ラッチ回路196と、1msec毎にクロック信号を発生させるクロック回路197とが接続されている。また、これら以外にも電源装置161からの電力を受け入れるとともに、その受け入れた電力(又は電圧)が停電基準値未満まで低下した場合にCPU181に停電信号を出力する入力部などが接続されている。なお、これら信号ラッチ回路196やクロック回路197をCPU181に内蔵させてもよい。また、CPU181の出力側には、上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示部15が接続されている。
続いて、表示制御装置111のCPU181により実行される各制御処理を図27〜図39のフローチャート等を参照しながら説明する。かかるCPUの処理としては大別して、電源投入に伴い起動される表示メイン処理と、定期的に(本実施の形態では1msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。ここでは、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後、表示メイン処理を説明する。
図27は、CPU181で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートである。CPU181は、クロック回路197から発生されるクロック信号に基づき、例えば1msecごとにタイマ割込み処理を実行する。
タイマ割込み処理では、先ずステップS1401にてタイマカウンタエリア184の値に「1」を加算する。ここで、タイマカウンタエリア184とは、上記のとおり各種の処理に際して時間を計測する際に参照されるカウンタエリアであり、タイマ割込み処理を行った回数が記憶される。
続くステップS1402では、信号ラッチ回路196にて主制御装置131から出力されたコマンドを入力したか否かを判定する。コマンドを入力していない場合には、そのまま本タイマ割込み処理を終了する。コマンドを入力している場合には、ステップS1403にてその入力したコマンドをRAM183のコマンド格納エリアに格納した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
なお、コマンドの格納処理は、主制御装置131からコマンドを入力したタイミングで実行する構成としてもよい。この場合、タイマ割込み処理に代えて、コマンド割込み処理を実行するようにする。また、このようにコマンド割込み処理を実行する構成においては、当該コマンド割込み処理とは別にタイマ割込み処理を実行する構成としてもよい。
次に、表示メイン処理を説明する。図28は、表示メイン処理を示すフローチャートである。表示メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS1501では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU181内に設定するとともに、タイマ割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU181内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
初期化処理が終了すると、ステップS1502では、システム状態が電力低下状態か否か、すなわち駆動電力が停電基準値まで低下したか否かを判定する。そして、システム状態が電力低下状態である場合には電源が遮断されたものと判断し、ステップS1503にて停電処理を行う。この停電処理は周知の構成であるため、ここでは説明を省略する。なお、停電処理後はステップS1501に戻る。
システム状態が電力低下状態でない場合には、ステップS1504にて主制御装置131からコマンドを入力しているか否か、より詳しくはタイマ割込み処理にてコマンドを入力しているか否かを確認する。コマンドを入力している場合には、ステップS1505にてコマンドチェック処理を実行する。コマンドチェック処理では、先のタイマ割込み処理にていずれのコマンドを入力したかを判別し、入力したコマンドの種別に基づいて、上部ランプ13における発光態様、スピーカ14における音の出力態様及び補助表示部15における表示内容を決定する等の処理を行う。
コマンドチェック処理にて行われる処理としては、設定値コマンドの入力に基づいて行う設定値コマンド処理、ベット設定コマンドの入力に基づいて行うベット設定コマンド処理、抽選結果コマンドの入力に基づいて行う抽選結果コマンド処理、終了コマンドの入力に基づいて行う終了コマンド処理、BB設定コマンドの入力に基づいて行うBB設定コマンド処理、BB終了コマンドの入力に基づいて行うBB終了コマンド処理などがある。これらの各処理の詳細については後に説明する。
コマンドを入力していない場合、又はコマンドチェック処理の終了後にはステップS1506に進み、上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示部15を駆動させる駆動制御処理を実行する。この駆動制御処理のうち、補助表示部15を駆動させる表示駆動制御処理については後に詳細に説明する。
その後、ステップS1507にて乱数値更新処理を実行した後に、ステップS1501に戻る。乱数値更新処理では、RAM183の乱数カウンタエリア185の値を更新する処理を行う。
次に、コマンドチェック処理及び駆動制御処理のうち補助表示部15における表示に関する各種処理について図29〜図39を用いて詳細に説明する。なお、上部ランプ13及びスピーカ14に関する処理は、補助表示部15における以下の処理に付随して、すなわち、補助表示部15における表示内容に合わせるようにして行われる。
各種処理の説明に先立ち、補助表示部15における表示内容について説明する。本スロットマシン10では、補助表示部15においてステージ表示と演出表示とが行われる。
ステージ表示とは、演出表示が行われない場合及び演出表示の終了後であって次の演出表示が開始されるまでの間に表示される表示内容のことをいう。ここで、当該ステージ表示には、通常ゲーム用のステージ表示とBBゲーム用のステージ表示とが設定されている。
通常ゲーム用のステージ表示には、それぞれ表示内容が異なる第1ステージ表示、第2ステージ表示及び特定ステージ表示の3種類が設定されている。このうち、第1,第2ステージ表示は設定値の示唆に関わる示唆演表示出が行われない状況において選択されるステージ表示であり、特定ステージ表示は示唆演出表示が行われる状況において選択されるステージ表示である。この点から、第1,第2ステージ表示は示唆演出表示が行われない示唆不可状態であることを示す示唆不可報知表示(又は示唆不可報知)と言え、特定ステージ表示は示唆演出表示が行われ得る示唆可能状態であることを示す示唆可能性報知表示(又は示唆可能性報知)と言える。また、BBゲームにおいても上記示唆演出表示が行われるが、特定ステージ表示中に主制御装置131の抽選処理(図16)においてBB役に当選することが、BBゲームにおいて示唆演出表示が行われるための条件の1つとなっている。この点からも、特定ステージ表示は、示唆可能性報知表示と言える。
BBゲーム用のステージ表示には、それぞれ表示内容が異なる前半ステージ表示と後半ステージ表示とが設定されている。このうち、前半ステージ表示はBBゲームの開始から切換基準遊技回数(切換基準遊技回数)まで表示され、後半ステージ表示は切換基準遊技回数経過後からBBゲームの終了まで表示される。ここで、上記のとおりBBゲームの終了条件であるメダルの総払出枚数は405枚に設定されており、さらにBBゲームにおいて入賞時にメダルの払出枚数が最大となるベル入賞のメダル払出枚数は15枚に設定されている。したがって、BBゲームは少なくとも27遊技回継続することとなり(複数遊技回継続することとなり)、上記切換基準遊技回数は「14」に設定されている。これらBBゲームの継続遊技回数及び上記切換基準遊技回数が上記のものに限定されないことは言うまでもない。前半ステージ表示がなされている状況と後半ステージ表示がなされている状況とでは、選択される演出表示の内容が異なる。詳細には、前半ステージ表示がなされている状況では、各遊技回において成功演出表示又は失敗演出表示がなされるのに対して、後半ステージ表示がなされている状況では、演出表示がなされるとしても示唆演出表示のみがなされる。
一方、演出表示とは、各遊技回において、実行するか否か及び実行する内容が選択(又は抽選)され、その選択結果(又は抽選結果)に基づいて表示される表示内容である。より具体的には、主制御装置131の抽選処理(図16)における役の抽選結果に基づいて、実行するか否か及び実行する内容が選択され、その選択結果に基づいて表示される表示内容である。なお、このように役の抽選結果に基づいて種々の選択が行われることから、演出表示の選択契機は役の抽選契機と同一であると言える。当該演出表示として、上述した示唆演出表示、成功演出表示及び失敗演出表示が設定されている。
上記のとおり補助表示部15における表示内容は、通常ゲームとBBゲームとで大きく異なる。そこで、理解を容易なものとすべく、先ず通常ゲームについての表示に関する各種処理について説明する。
<通常ゲームについての表示に関する各種処理>
<設定値コマンド処理>
設定値コマンド処理について、図29のフローチャートに基づき説明する。
設定値コマンド処理では、ステップS1601にて設定値コマンドを入力したか否かを判定する。この設定値コマンドは、上記のとおり主制御装置131の当選確率設定処理(図14)にて設定値の変更が行われた場合に出力されるコマンドである。
設定値コマンドを入力していない場合にはそのまま本設定値コマンド処理を終了する。設定値コマンドを入力している場合には、ステップS1602にてその設定値コマンドに含まれている設定値情報をRAM183の設定値情報格納エリア188に格納した後に、本設定値コマンド処理を終了する。かかる設定値コマンド処理を実行することで、主制御装置131における当選確率設定処理(図14)において設定された設定値を、表示制御装置111において把握することが可能となる。
<ベット設定コマンド処理>
次に、ベット設定コマンド処理について、図30のフローチャートに基づき説明する。
ベット設定コマンド処理では、ステップS1701にてベット設定コマンドを入力したか否かを判定する。このベット設定コマンドは、上記のとおり主制御装置131の通常処理(図15)にて、遊技の開始に必要なベット設定がなされたと判定された場合に出力されるコマンドである。
ベット設定コマンドを入力していない場合にはそのまま本ベット設定コマンド処理を終了する。ベット設定コマンドを入力している場合には、ステップS1702にてRAM183の表示情報格納エリア190に演出終了情報を格納した後に、本ベット設定コマンド処理を終了する。この演出終了情報が格納されることにより、前回の遊技回において演出表示が実行されている場合にはその演出表示が終了される。なお、演出表示が終了された後は、現状のステージ表示に切り換わる。
<抽選結果コマンド処理>
次に、抽選結果コマンド処理について、図31のフローチャートに基づき説明する。この抽選結果コマンド処理では、主制御装置131の抽選処理(図16)における抽選結果に基づいて、演出表示を行うか否かの選択、及び実行する演出表示の内容の選択を行う。
先ずステップS1801では、抽選結果コマンドを入力したか否かを判定する。この抽選結果コマンドは、上記のとおり主制御装置131の抽選処理(図16)にて、役の抽選結果が確定した場合に出力されるコマンドである。
抽選結果コマンドを入力していない場合にはそのまま本抽選結果コマンド処理を終了する。抽選結果コマンドを入力している場合には、ステップS1802にてその抽選結果コマンドに含まれている抽選結果情報をRAM183の抽選結果情報格納エリア189に格納する。続くステップS1803では、RAM183のゲーム数カウンタエリア186の値を1加算した後にステップS1804に進む。
ステップS1804では、RAM183のBB設定フラグ格納エリア191にBB設定フラグが格納されているか否かを判定する。このBB設定フラグは、主制御装置131からBB設定コマンドを入力した場合に格納されるフラグである。BB設定フラグが格納されていない場合には、ステップS1805にて通常ゲーム用演出設定処理を実行した後に、本抽選結果コマンド処理を終了する。一方、BB設定フラグが格納されている場合には、ステップS1806にてBBゲーム用演出設定処理を実行した後に、本抽選結果コマンド処理を終了する。今回は、通常ゲームにおける抽選結果コマンド処理であるため、ステップS1805にて通常ゲーム用演出設定処理を実行した後に、本抽選結果コマンド処理を終了する。
<通常ゲーム用演出設定処理>
ここで、通常ゲーム用演出設定処理について図32のフローチャートに基づき説明する。
通常ゲーム用演出設定処理では、先ずステップS1901にて、RAM183の抽選結果情報格納エリア189に格納されている抽選結果情報がBB役の情報か否かを判定する。BB役の情報の場合には、ステップS1902〜ステップS1905のBB役当選時用の演出設定処理を実行する。
BB役当選時用の演出設定処理では、先ずステップS1902にて、RAM183の特定ステージフラグ格納エリア193に特定ステージフラグが格納されているか否かを判定する。
ここで、特定ステージ表示について説明すると、特定ステージ表示は上記のとおり示唆演出表示が行われる状況において選択されるステージ表示である。また、当該特定ステージ表示は、BBゲームにおいて所定の移行条件が成立した場合であって当該BBゲームの終了後の通常ゲームにおいて表示される。そして、その後、特定ステージ表示の状況で通常ゲームが複数遊技回継続し終了基準遊技回数(例えば、100ゲーム)に達することで、第1ステージ表示又は第2ステージ表示に移行する。特定ステージフラグは、通常ゲームにおけるステージ表示が特定ステージ表示であることをCPU181において把握するために格納されるフラグである。
特定ステージフラグが格納されている場合には、ステップS1903にてRAM183の移行不可フラグ格納エリア194に移行不可フラグを格納した後にステップS1904に進み、特定ステージフラグが格納されていない場合にはそのままステップS1904に進む。移行不可フラグは、上記のとおり特定ステージ表示から第1,第2ステージ表示への切り換えが不可であることをCPU181において把握するために格納されるフラグである。つまり、移行不可フラグが格納されている状況では、通常ゲームのBBゲーム後の継続遊技回数が終了基準遊技回数に達したとしても、第1ステージ表示又は第2ステージ表示への移行は行われず、特定ステージ表示が継続される。
ステップS1904では、BB確定表示抽選処理を行う。このBB確定表示抽選処理では、ROM182の抽選テーブル群記憶エリア182cに記憶されているBB確定表示抽選テーブルとRAM183の乱数カウンタエリア185に格納されている値とを照合し、補助表示部15においてBB確定表示を行わせるか否かの抽選を行う。なお、この当選確率は約4/5となっている。抽選結果は、CPU181のレジスタなどに記憶される。
続くステップS1905では、BB確定表示当選となっているか否かを判定する。BB確定表示当選となっている場合には、ステップS1906にてRAM183の表示情報格納エリア190にBB確定表示情報を格納した後に、本通常ゲーム用演出設定処理を終了する。このBB確定表示情報が格納されることにより、補助表示部15においてBB確定表示がなされ遊技者はBB役に当選したことを把握することができる。なお、BB確定表示がなされた後であってBBゲームに移行するまでは、上述したベット設定コマンド処理において演出終了情報が格納されたとしても、当該確定表示は終了されることはなく、さらには通常ゲーム用演出設定処理も実行されない。
抽選結果情報格納エリア189に格納されている抽選結果情報がBB役の情報ではなくステップS1901にて否定判定をした場合、又はBB確定表示抽選処理にてBB確定表示当選とはならずステップS1905にて否定判定をした場合には、ステップS1907に進む。
ステップS1907では、ROM182の抽選テーブル群記憶エリア182cに記憶されている各種の抽選テーブルの中から、通常ゲーム用の演出表示抽選テーブルを選択する。なお、ここで選択される演出表示抽選テーブルは、BB役当選時とBB役非当選時とで異なっており、さらには再遊技や小役の当選状況に応じて異なっている。
続くステップS1908では、演出表示抽選処理を実行する。演出表示抽選処理では、ステップS1907にて選択した演出表示抽選テーブルとRAM183の乱数カウンタエリア185に格納されている値とを照合し、補助表示部15において演出表示を行わせるか否かの抽選、及び演出表示を行わせる場合にはその演出表示の種類の抽選を行う。
続くステップS1909では、演出表示抽選処理にていずれかの演出表示に当選した場合に、その抽選結果に対応した演出表示情報をRAM183の表示情報格納エリア190に格納する。この演出表示情報が格納されることにより、補助表示部15においてその演出表示情報に対応した演出表示がなされる。
続くステップS1910では、表示情報格納エリア190に格納されている演出表示情報が特定演出表示に対応したものか否かを判定する。特定演出表示に対応したものでない場合には、そのまま本通常ゲーム用演出設定処理を終了する。特定演出表示に対応したものである場合には、ステップS1911に進む。なお、特定演出表示は、演出表示抽選処理において約1/6の確率で選ばれる。
ステップS1911では、RAM183の特定ステージフラグ格納エリア193に特定ステージフラグが格納されているか否かを判定する。特定ステージフラグが格納されていない場合には、そのまま本通常ゲーム用演出設定処理を終了する。特定ステージフラグが格納されている場合には、ステップS1912にて示唆抽選処理を実行する。
<通常ゲーム時の示唆抽選処理>
ここで、示唆抽選処理について、図33のフローチャートに基づき説明する。
示唆抽選処理の説明に先立って示唆演出表示について説明する。示唆演出表示は、複数段階ある設定値のうち現状設定されている設定値を示唆するための演出表示であり、通常ゲーム及びBBゲームのいずれにおいても実行される。示唆演出表示は、示唆抽選処理にて当選となることで行われる。但し、示唆抽選処理は、所定の実行条件が満たされない限り実行されない。通常ゲームについては上記のとおり、特定ステージ表示がなされている状況で演出表示抽選処理にて特定演出表示が選ばれることが実行条件となっている。BBゲームの実行条件については後に説明する。
示唆演出表示は、複数段階ある設定値のうち全ての設定値において出現頻度が同一ではなく、設定値に応じて出現頻度が異なっている。詳細には、複数段階ある設定値が複数のグループに分けられており、それらグループごとに出現頻度が異なっている。これらグループ分けの基準は、通常ゲームとBBゲームとで異なっている。遊技者にとっては、各遊技状態において示唆演出表示が行われた回数を把握することで、現状設定されている設定値を推測することが可能となる。
さて、示唆抽選処理では、先ずステップS2001にて、ROM182の抽選テーブル群記憶エリア182cから、今回の遊技状態に対応した示唆抽選テーブルを選択する。今回は、通常ゲーム用演出設定処理における示唆抽選処理であるため、通常ゲーム用の示唆抽選テーブルを選択する。
ここで、通常ゲーム用の示唆抽選テーブルについて、図34(a)を用いて説明する。通常ゲーム用の示唆抽選テーブルでは、複数段階ある設定値が、設定値1,設定値3,設定値5の奇数設定値と、設定値2,設定値4,設定値6の偶数設定値との2グループに分けられており、グループごとに当選となる乱数値の範囲が異なっている。言い換えると、設定値1,設定値3,設定値5については当選となる乱数値(設定値示唆の実行頻度)が同一となっており、設定値2,設定値4,設定値6については当選となる乱数値(設定値示唆の実行頻度)が同一となっている。
具体的には、奇数設定値のグループにおける乱数値の範囲は、「0〜61121」となっており、偶数設定値のグループにおける乱数値の範囲は、「0〜16384」となっている。RAM183の乱数カウンタエリア185に格納される乱数値は「0〜65535」であるため、奇数設定値において示唆抽選処理で当選となる確率は約1/1.1であり、偶数設定値において示唆抽選処理で当選となる確率は約1/4.0である。
但し、上記のとおり通常ゲームにおける示唆抽選処理の実行条件は、特定ステージ表示がなされている状況で演出表示抽選処理にて特定演出表示が選ばれることである。そして、演出表示抽選処理にて特定演出表示が選ばれる確率は、上記のとおり約1/6となっている。したがって、通常ゲームの特定ステージ表示において示唆演出表示が行われる確率は、奇数設定値において約1/6.6であり、偶数設定値において約1/24である。
その後、ステップS2002では、RAM183の設定値情報格納エリア188に格納されている設定値情報から設定値を把握し(設定値把握処理を実行し)、ステップS2003では、RAM183の乱数カウンタエリア185に格納されている乱数値情報から乱数値を把握する(乱数値把握処理を実行する)。
続くステップS2004では、照合処理を実行する。具体的には、ステップS2001にて選択した示唆抽選テーブルのうち今回の設定値に対応している乱数値の範囲内に、ステップS2003にて把握した乱数値が含まれているか否かを判定する。その結果、含まれている場合には当選となり、CPU181のレジスタに当選情報を記憶する。
なお、上記の構成を以下のように変更してもよい。ROM182の抽選テーブル群記憶エリア182cには、示唆抽選テーブルとして、各遊技状態及び各設定値に対応させて示唆抽選テーブルを設ける。そして、ステップS2001において設定値把握処理を実行し、ステップS2002において遊技状態及び設定値に対応した示唆抽選テーブルを選択する。その後、ステップS2003にて乱数値把握処理を実行するとともに、ステップS2004にて照合処理を実行する。当該構成であっても上記と同様に、示唆演出表示の抽選を行うことが可能となる。これは、BBゲームにおける示唆抽選処理においても同様である。
ステップS2004にて照合処理を行った後は、ステップS2005にて示唆演出表示の当選となったか否かを判定する。当選となっていない場合には、そのまま本示唆抽選処理を終了する。当選となっている場合には、ステップS2006にてCPU181のレジスタに当選情報を記憶する。その後、本示唆抽選処理を終了する。
通常ゲーム用演出設定処理(図32)の説明に戻り、ステップS1912にて示唆抽選処理を実行した後は、ステップS1913に進む。ステップS1913では、CPU181のレジスタに当選情報が記憶されているか否かを判定する。当該当選情報が記憶されていない場合には、そのまま通常ゲーム用演出設定処理を終了する。当選情報が記憶されている場合には、ステップS1914にて、通常ゲーム時の示唆演出表示情報をRAM183の表示情報格納エリア190に格納する。この通常ゲーム時の示唆演出表示情報が格納されることにより、補助表示部15において通常ゲーム時の示唆演出表示がなされる。その後、本通常ゲーム用演出設定処理を終了する。
<終了コマンド処理>
次に、終了コマンド処理について図35のフローチャートに基づき説明する。この終了コマンド処理では、通常ゲームにおいてステージ表示の移行を行うか否かの選択、及び移行させるステージ表示の内容の選択を行う。
先ずステップS2101では、終了コマンドを入力したか否かを判定する。この終了コマンドは、上記のとおり主制御装置131の通常処理(図15)にて、1遊技回において実行する他の処理が全て完了し、ステップS601に戻る場合に出力されるコマンドである。
終了コマンドを入力していない場合にはそのまま本終了コマンド処理を終了する。終了コマンドを入力している場合には、ステップS2102にてRAM183のBB設定フラグ格納エリア191にBB設定フラグが格納されているか否かを判定する。BB設定フラグが格納されていない場合には、ステップS2103に進む。BB設定フラグが格納されている場合には、そのまま本終了コマンド処理を終了する。今回は、通常ゲームにおける終了コマンド処理であるため、ステップS2103に進む。
ステップS2103では、RAM183の移行不可フラグ格納エリア194に移行不可フラグが格納されているか否かを判定する。移行不可フラグは、上記のとおり特定ステージ表示がなされている状況でBB役に当選した場合に格納される。移行不可フラグが格納されている場合には、そのまま本終了コマンド処理を終了する。移行不可フラグが格納されていない場合には、ステップS2104に進む。
BB役に対応した図柄は、取りこぼしが発生する構成であり、遊技者によっては遊技結果からBB役に当選している可能性があると気付かない場合がある。BB役に当選していても特定ステージ表示から第1又は第2ステージ表示に移行する構成にするならば、BBゲームに移行した場合に、遊技者はどのステージ表示にてBB役に当選したのか理解できないことが考えられる。本実施形態では、特定ステージ表示にてBB役に当選した場合、移行付加フラグ格納エリア194に移行付加フラグが格納され、特定ステージ表示から第1ステージ表示又は第2ステージ表示への移行が行われない。これにより、特定ステージ表示においてBB役に当選したにもかかわらず、第1ステージ表示又は第2ステージ表示に移行してしまうことを抑制し、特定ステージ表示又は第1,第2ステージ表示のどちらのステージ表示にてBB役に当選となったかを遊技者が理解できないことを抑制できる。
ステップS2104では、RAM183の特定ステージフラグ格納エリア193に特定ステージフラグが格納されているか否かを判定する。特定ステージフラグが格納されている場合には、ステップS2105にて、RAM183のゲーム数カウンタエリア186に格納されている値が終了基準値となっているか否かを判定する。終了基準値となっていない場合には、そのまま本終了コマンド処理を終了する。
特定ステージフラグが格納されておらずステップS2104にて否定判定をした場合、又は特定ステージフラグが格納されており且つゲーム数カウンタエリア186の値が終了基準値に達しておりステップS2105にて肯定判定をした場合には、ステップS2106〜ステップS2108のステージ移行処理を実行する。
ステージ移行処理では、ステップS2106にてステージ移行抽選処理を実行する。このステージ移行抽選処理では、ROM182の抽選テーブル群記憶エリア182cに記憶されているステージ移行抽選テーブルとRAM183の乱数カウンタエリア185に格納されている値とを照合し、ステージ表示を第1ステージ表示又は第2ステージ表示のいずれに移行させるかを判定する。ここで、ステージ移行抽選処理では、特定ステージ表示は移行対象となっておらず、当該特定ステージ表示には上記のとおりBBゲームにおいて所定の移行条件が成立した場合に移行する。ステージ移行抽選処理における抽選結果情報はCPU181のレジスタに記憶される。
続くステップS2107では、RAM183の通常ステージフラグ格納エリア192に格納されている情報とステップS2106にてCPU181のレジスタに記憶した抽選結果情報とが一致しているか否かを判定する。なお、通常ステージフラグ格納エリア192は、第1ステージ表示用と第2ステージ表示用とが設定されている。一致している場合には、ステージ移行が行われないことを意味するため、そのまま本終了コマンド処理を終了する。一致している場合には、ステージ移行が行われることを意味するため、ステップS2108にて現状のステージフラグを消去するとともに、移行先のステージフラグを対応する格納エリアに格納した後に、本終了コマンド処理を終了する。なお、特定ステージ表示終了後のステップS2108の処理においては、特定ステージフラグ格納エリア193から特定ステージフラグを消去する。
以上のとおり、通常ゲームにおいては、第1ステージ表示又は第2ステージ表示の場合には、1遊技回が終了する度に第1,第2ステージ表示間での移行抽選が行われる。一方、特定ステージ表示の場合には、基本的に継続遊技回数が終了基準遊技回数に達することで、第1ステージ表示又は第2ステージ表示への移行抽選が行われる。但し、特定ステージ表示においてBB役に当選した場合には、終了基準遊技回数に達したとしても上記移行抽選は行われず、特定ステージ表示の状態が維持される。
なお、第1ステージ表示間の移行抽選を、複数遊技回周期(例えば、50ゲーム周期)で行う構成としてもよい。また、通常ゲームにおける特定ステージ表示以外のステージ表示として、第1,第2ステージ表示以外のステージ表示を有する構成としてもよい。さらには、通常ゲームにおける特定ステージ表示以外のステージ表示として、第1ステージ表示又は第2ステージ表示のいずれか一方のみを有する構成としてもよい。この場合、上記のようなステップS2106〜ステップS2108のステージ移行処理を行う必要はなくなる。
<表示駆動制御処理>
次に、通常ゲーム時における表示駆動制御処理について図36のフローチャートに基づき説明する。表示駆動制御処理では、上述した各コマンド処理の処理結果に基づいて補助表示部15における表示の駆動制御を実行する処理である。
先ずステップS2201では、ステージフラグ確認処理を実行する。具体的には、RAM183の通常ステージフラグ格納エリア192及び特定ステージフラグ格納エリア193を確認することにより、第1ステージフラグ、第2ステージフラグ又は特定ステージフラグのいずれが格納されているかを把握する。なお、ステージフラグは、当該ステップS2201にて確認されたとしても消去はされない。
続くステップS2202では、ステージデータ設定処理を実行する。具体的には、ROM182のステージデータ群記憶エリア182aに記憶された多数のステージデータの中から、ステップS2201にて把握したステージフラグに対応したステージデータを設定する。なお、ステージデータ設定処理では、ステージフラグの変更が行われない限り、新たなステージデータの設定を行わず、設定されたステージデータの全データの出力が完了した場合、それと同一のステージデータの設定を再度行う。
続くステップS2203では、表示情報確認処理を実行する。具体的には、RAM183の表示情報格納エリア190を確認することにより、いずれの種類の表示情報が格納されているか否かを把握する。当該ステップS2203にて確認された表示情報は、表示情報格納エリア190から消去される。なお、通常ゲーム時に格納される表示情報は、各種の演出表示情報、示唆演出表示情報及びBB確定表示情報のいずれかである。
続くステップS2204では、表示データ設定処理を実行する。具体的には、ROM182の表示データ群記憶エリア182bに記憶された多数の表示データの中から、ステップS2203にて把握した表示情報に対応した表示データを設定する。
続くステップS2205では、タイマカウンタエリア184に格納された値に基づいて表示切換時期か否かを判定する。具体的には、何ら遊技が行われていない状況が所定期間に亘って継続したか否かを判定する。表示切換時期になっていない場合には、ステップS2206の処理を実行することなくステップS2207に進み、表示切換時期になっている場合には、ステップS2206にてデモ画面データの設定を実行した後に、ステップS2207に進む。なお、表示切換時期となっていることを判定した際にタイマカウンタエリア184の値は「0」クリアされる。
続くステップS2207では、デバイス制御処理を実行する。デバイス制御処理では、ステップS2202,ステップS2204及びステップS2206の各処理にて設定されたデータのうち、出力させるべきデータを選定し、その選定したデータを補助表示部15に対して出力する。具体的には、表示データが設定されていない場合には、設定されているステージデータの出力を行う。
一方、表示データが設定されている場合には、ステージデータの出力を中断し、その設定されている表示データの出力を行う。この場合に、各演出表示情報に対応した演出表示データ又は示唆演出表示情報に対応した示唆演出表示データの出力を行っている途中で、ステップS2203にて演出終了情報が確認された場合には、設定された表示データの出力が完了していない状況であってもその出力を中止するとともに、その時点で未出力のデータを消去する。ステップS2207の後に、本表示駆動制御処理を終了する。
<BBゲームについての表示に関する各種処理>
次に、BBゲームについての表示に関する各種処理について説明する。なお、BBゲームにおいても設定値コマンド処理(図29)及びベット設定コマンド処理(図30)は実行されるが、その処理内容は既に説明したとおりであるため、ここでは説明を省略する。また、終了コマンド処理(図35)もBBゲームにおいて実行されるが、RAM183のBB設定フラグ格納エリア191にBB設定フラグが格納されている状況では、ステップS2103にて肯定判定をし、そのまま終了コマンド処理を終了する。
<BB設定コマンド処理>
先ずBB設定コマンド処理について図37のフローチャートに基づき説明する。BB設定コマンド処理は、通常ゲームからBBゲームへ移行したことをCPU181にて把握するための処理である。
BB設定コマンド処理では、先ずステップS2301にてBB設定コマンドを入力したか否かを判定する。このBB設定コマンドは、上記のとおり主制御装置131のBBゲーム処理(図25)にて、BBゲーム設定処理が実行された場合に出力されるコマンドである。
BB設定コマンドを入力していない場合にはそのままBB設定コマンド処理を終了する。BB設定コマンドを入力している場合には、ステップS2302にて、RAM183のゲーム数カウンタエリア186の値をクリア(「0」クリア)し、ステップS2303にて、RAM183のBB設定フラグ格納エリア191にBB設定フラグを格納するとともに、RAM183の表示情報格納エリア190にBB開始表示情報を格納する。このBB開始表示情報が格納されることにより、補助表示部15においてBB開始表示がなされる。
続くステップS2304では、RAM183の特定ステージフラグ格納エリア193に特定ステージフラグが格納されているか否かを判定する。特定ステージフラグが格納されていない場合には、そのまま本BB設定コマンド処理を終了する。特定ステージフラグが格納されている場合には、ステップS2305に進む。
ステップS2305では、特定ステージフラグ格納エリア193から特定ステージフラグを消去するとともに、RAM183の示唆許容フラグ格納エリア195に示唆許容フラグを格納する。また、RAM183の移行不可フラグ格納エリア194に移行不可フラグが格納されている場合には、当該移行不可フラグを消去する。
ここで、本スロットマシン10では、上記のとおりBBゲームにおいても示唆演出表示が行われる。この示唆演出表示は後述するようにBBゲーム用の示唆抽選処理にて当選となることで実行されるが、当該示唆抽選処理は所定の実行条件が満たされない限り実行されない。そして、この実行条件の1つが特定ステージ表示からBBゲームに移行したことであり、かかる実行条件が成立している場合にはそれをCPU181において把握するために、上記示唆許容フラグが示唆許容フラグ格納エリア195に格納される。
<抽選結果コマンド処理>
次にBBゲームにおける抽選結果コマンド処理について図31のフローチャートに基づき説明する。既に説明したように、ステップS1801では抽選結果コマンドを入力しているか否かを判定し、抽選結果コマンドを入力している場合には、ステップS1802にてその抽選結果情報を抽選結果情報格納エリア189に格納し、ステップS1803にてゲーム数カウンタエリア186の値を1加算する。続くステップS1804では、BBゲームにおいてはBB設定フラグ格納エリア191にBB設定フラグが格納されているため肯定判定をし、ステップS1806のBBゲーム用演出設定処理を実行した後に本抽選結果コマンド処理を終了する。
<BBゲーム用演出設定処理>
次にBBゲーム用演出設定処理について図38のフローチャートに基づき説明する。
BBゲーム用演出設定処理では、先ずステップS2401にて、BBゲームにおいて前半ステージ表示の状況か後半ステージ表示の状況かを把握する。具体的には、RAM183のゲーム数カウンタエリア186に格納されている値が、切換基準値以上となっているか否かを判定する。切換基準値とは、前半ステージ表示から後半ステージ表示に切り換えるタイミングを特定するための値であり、ゲーム数カウンタエリア186に格納されている値が切換基準値未満の場合には前半ステージ表示に該当し、切換基準値以上の場合には後半ステージ表示に該当する。
切換基準値未満の場合には、ステップS2402〜ステップS2405の前半ステージ表示用の演出設定処理を実行する。ステップS2402では、RAM183の抽選結果情報格納エリア189に格納されている抽選結果情報が特定役の情報か否かを判定する。具体的には、スイカ役か否かを判定する。
特定役でない場合には、ステップS2403にて、失敗演出表示情報をRAM183の表示情報格納エリア190に格納した後に、本BBゲーム用演出設定処理を終了する。この失敗演出表示情報が格納されることにより、補助表示部15において失敗演出表示がなされる。
特定役である場合には、ステップS2404にてRAM183の特定役カウンタエリア187の値を1加算する。特定役カウンタは、BBゲームの前半ステージ表示がなされている状況で特定役に当選した回数をカウントするためのエリアである。続くステップS2405では、成功演出表示情報をRAM183の表示情報格納エリア190に格納した後に、本BBゲーム用演出設定処理を終了する。この成功演出表示情報が格納されることにより、補助表示部15において成功演出表示がなされる。
ここで、上記のとおりBBゲームにおける示唆抽選処理は所定の実行条件が満たされることにより実行される。かかる実行条件のうちの1つは、前半ステージ表示がなされている状況で特定役当選が示唆基準回数(例えば、3回)以上発生することである。したがって、前半ステージ表示がなされている状況では、特定役に当選した遊技回においては成功演出表示を実行し特定役に当選した旨を報知するようにしている。
ちなみに、特定役はスイカ役であり、ストップスイッチ72〜74の操作タイミングによっては抽選において当選となっていたとしても有効ライン上に入賞となる図柄の組合せが成立しないことがある(所謂、取りこぼしが発生することがある)。これに対して、上記のように成功演出表示により特定役に当選した旨を報知することで、上記取りこぼしの発生の可能性を低減することができる。
特に、成功演出表示はその表示情報が抽選結果コマンド処理にて表示情報格納エリア190に格納され、抽選結果コマンドは主制御装置131においてリール制御処理(図21)が実行される前のタイミングで出力される。つまり、リール42L,42M,42Rにおける図柄の可変表示が開始する前のタイミングで成功演出表示が開始される。これにより、遊技者にとっては、ストップスイッチ72〜74の操作を開始する前のタイミングで特定役に当選していることを把握することができ、上記取りこぼしの発生の可能性が低減される。
一方、ステップS2401にて、ゲーム数カウンタエリア186に格納されている値が切換基準値以上の場合には、ステップS2406〜ステップS2410の後半ステージ表示用の演出設定処理を実行する。ステップS2406では、RAM183の示唆許容フラグ格納エリア195に示唆許容フラグが格納されているか否かを判定する。
示唆許容フラグが格納されていない場合には、そのまま本BBゲーム用演出設定処理を終了する。示唆許容フラグが格納されている場合には、ステップS2407にて、RAM183の特定役カウンタエリア187に格納されている値が、示唆基準回数の値以上か否かを判定する。すなわち、前半ステージ表示がなされている状況で特定役当選が示唆基準回数以上発生したか否かを判定する。
示唆基準回数未満の場合には、そのまま本BBゲーム用演出設定処理を終了する。示唆基準回数以上の場合には、ステップS2408にて示唆抽選処理を実行する。つまり、BBゲームにおける示唆抽選処理の実行条件は、特定ステージ表示にて移行(又は当選)したBBゲームにおいて、その前半ステージ表示がなされている状況で特定役に示唆基準回数以上当選することである。
<示唆抽選処理>
ここで、BBゲームにおける示唆抽選処理について図33のフローチャートに基づき説明する。
示唆抽選処理では、上記のとおりステップS2001にて、ROM182の抽選テーブル群記憶エリア182cから、BBゲーム用の示唆抽選テーブルを選択する。BBゲーム用の示唆抽選テーブルについて、図34(b)を用いて説明すると、BBゲーム用の示唆抽選テーブルでは、複数段階ある設定値が、設定値1,設定値2の第1グループと、設定値3,設定値4の第2グループと、設定値5,設定値6の第3グループとの3グループに分けられており、グループごとに当選となる乱数値の範囲が異なっている。
具体的には、第1グループにおける乱数値の範囲は、「0〜10923」となっており、第2グループにおける乱数値の範囲は、「0〜31534」となっており、第3グループにおける乱数値の範囲は、「0〜52611」となっている。RAM183の乱数カウンタエリア185に格納される乱数値は「0〜65535」であるため、第1グループにおいて示唆抽選処理で当選となる確率は約1/6.0であり、第2グループにおいて示唆抽選処理で当選となる確率は約1/2.1であり、第3グループにおいて示唆抽選処理で当選となる確率は約1/1.2である。
ここで、通常ゲーム用の示唆抽選テーブルにおける設定値のグループ分けは2グループであったのに対して、BBゲーム用の示唆抽選テーブルにおける設定値のグループ分けは3グループとなっている。このように、示唆演出表示の出現頻度の変更に関わる設定値のグループ分け数を通常ゲームとBBゲームとで異ならせることで、遊技者にとっては設定値を推測する上での判断材料が増え、推測する上での思考の高度化を図りつつ、推測の明確化が図られる。
つまり、通常ゲームにおける示唆演出表示から奇数設定値か偶数設定値かの推測が行われるとともに、BBゲームにおける示唆演出表示からグループ1〜3のいずれかに該当する設定値かの推測が行われる。また、通常ゲームにおける示唆演出表示の回数から例えば偶数設定値だと推測し、BBゲームにおける示唆演出表示の回数から例えば第3グループだと推測した場合には、両者の推測結果から最終的に設定値は「6」であると推測することとなる。
例えば、通常ゲームにおける示唆演出表示のみが設定された構成においては、奇数設定値か偶数設定値かの推測しか行われない。そうすると、推測する上での思考は単純となり遊技の注目度を高めることができない。これは、BBゲームにおける示唆演出表示のみが設定された構成においても同様のことが言える。また、最高設定値である設定値が「6」の場合にのみ示唆演出表示を行い、設定値が「6」であることを教示する構成も考えられるが、この場合、遊技者にとっては何ら思考することはなく、遊技の注目度を高めることはできない。これに対して、本スロットマシン10では、上記のとおり推測する上での思考の高度化を図りつつ、推測の明確化が図られるため、遊技の注目度を高めることが可能である。
示唆抽選処理の説明に戻り、ステップS2001にて示唆抽選テーブルを選択した後は、既に説明したように、ステップS2002にて設定値把握処理を実行し、ステップS2003では乱数値把握処理を実行し、ステップS2004では照合処理を実行する。その後、ステップS2005にて示唆演出表示の当選となったと判定した場合には、ステップS2006にてCPU181のレジスタに当選情報を記憶し、本示唆抽選処理を終了する。
BBゲーム用演出設定処理(図38)の説明に戻り、ステップS2408にて示唆抽選処理を実行した後は、ステップS2409に進む。ステップS2409では、CPU181のレジスタに当選情報が記憶されているか否かを判定する。当該当選情報が記憶されていない場合には、そのまま本BBゲーム用演出設定処理を終了する。当選情報が記憶されている場合には、ステップS2410にて、BBゲーム時の示唆演出表示情報をRAM183の表示情報格納エリア190に格納する。このBBゲーム時の示唆演出表示情報が格納されることにより、補助表示部15においてBBゲーム時の示唆演出表示がなされる。その後、本BBゲーム用演出設定処理を終了する。
<BB終了コマンド処理>
次に、BB終了コマンド処理について図39のフローチャートに基づき説明する。BB終了コマンド処理は、BBゲームから通常ゲームへ復帰したことをCPU181にて把握するための処理である。
BB終了コマンド処理では、先ずステップS2501にてBB終了コマンドを入力したか否かを判定する。このBB終了コマンドは、上記のとおり主制御装置131のBBゲーム処理(図25)にて、BBゲーム終了処理が実行された場合に出力されるコマンドである。
BB終了コマンドを入力していない場合にはそのまま本BB終了コマンド処理を終了する。BB終了コマンドを入力している場合には、ステップS2502にて、RAM183のゲーム数カウンタエリア186の値をクリア(「0」クリア)する。
続くステップS2503では、RAM183の特定役カウンタエリア187に格納されている値が、示唆基準回数の値以上か否かを判定する。すなわち、前半ステージ表示がなされている状況で特定役当選が示唆基準回数以上発生したか否かを判定する。
示唆基準回数未満の場合には、ステップS2504の処理を実行することなくステップS2505に進み、示唆基準回数以上の場合には、ステップS2504にてRAM183の特定ステージフラグ格納エリア193に特定ステージフラグを格納した後にステップS2505に進む。つまり、BBゲームの前半ステージ表示がなされている状況で特定役当選が示唆基準回数以上発生した場合に、当該BBゲーム終了後の通常ゲームにおいて特定ステージ表示がなされることとなる。
続くステップS2505では、RAM183の示唆許容フラグ格納エリア195に示唆許容フラグが格納されている場合には、その示唆許容フラグを消去する。また、ステップS2506では、RAM183のBB設定フラグ格納エリア191からBB設定フラグを消去するとともに、RAM183の表示情報格納エリア190にBB終了表示情報を格納する。このBB終了表示情報が格納されることにより、補助表示部15においてBB終了表示がなされる。その後、本BB終了コマンド処理を終了する。
<表示駆動制御処理>
次に、BBゲーム時における表示駆動制御処理について図36のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS2201では、ステージフラグ確認処理を実行する。BBゲームにおけるステージ確認処理では、通常ステージフラグ格納エリア192及び特定ステージフラグ格納エリア193を確認するのではなく、ゲーム数カウンタエリア186の値を確認する。
続くステップS2202では、ステージデータ設定処理を実行する。具体的には、ROM182のステージデータ群記憶エリア182aに記憶された多数のステージデータの中から、ステップS2201にて把握したゲーム数カウンタエリア186の値に対応したステージデータを設定する。ゲーム数カウンタエリア186の値が切換基準値未満の場合には前半ステージ表示のステージデータを設定し、切換基準値以上の場合には後半ステージ表示のステージデータを設定する。なお、BBゲーム時のステージデータ設定処理では、ゲーム数カウンタエリア186の値が切換基準値以上とならない限り、新たなステージデータの設定を行わず、設定されたステージデータの全データの出力が完了した場合、それと同一のステージデータの設定を再度行う。
続くステップS2203では表示情報確認処理を実行し、ステップS2204では表示データ設定処理を実行する。これらの処理は通常ゲーム時と同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、BBゲーム時に表示情報格納エリア190に格納される表示情報は、BB開始表示情報、失敗演出表示情報、成功演出表示情報、示唆演出表示情報及びBB終了表示情報のいずれかである。
続くステップS2205では表示切換時期か否かを判定し、表示切換時期の場合にはステップS2206にてデータ切換処理を実行する。これらの処理については通常ゲーム時において説明したとおりである。
続くステップS2207では、デバイス制御処理を実行する。デバイス制御処理では、ステップS2202,ステップS2204及びステップS2206の各処理にて設定されたデータのうち、出力させるべきデータを選定し、その選定したデータを補助表示部15に対して出力する。具体的には、表示データが設定されていない場合には、設定されているステージデータの出力を行う。
一方、表示データが設定されている場合には、ステージデータの出力を中断し、その設定されている表示データの出力を行う。この場合に、BB開始表示情報、失敗演出表示情報、成功演出表示情報、示唆演出表示情報又はBB終了表示情報のいずれかに対応した表示データの出力を行っている途中で、ステップS2203にて演出終了情報が確認された場合には、設定された表示データの出力が完了していない状況であってもその出力を中止するとともに、その時点で未出力のデータを消去する。ステップS2207の後に、本表示駆動制御処理を終了する。
<補助表示部15における表示内容の概要>
次に、以上説明した各処理により実現される補助表示部15における表示内容の概要を説明する。図40は補助表示部15における表示内容の概要を示すタイムチャート、図41は通常ゲーム時における補助表示部15の表示内容を説明するための説明図、図42はBBゲーム時における補助表示部15の表示内容を説明するための説明図である。なお、図40において、期間C1には示唆演出表示が一切行われない態様を示し、期間C2には通常ゲームにおいて示唆演出表示が行われる態様を示し、期間C3には通常ゲーム及びBBゲームの両方において示唆演出表示が行われる態様を示す。
先ず示唆演出表示が一切行われない期間C1について説明する。
期間C1に示す態様では、補助表示部15にて第1ステージ表示又は第2ステージ表示がなされている状況において、t1のタイミングで通常ゲームからBBゲームに移行する。この場合、補助表示部15の表示内容は、BB開始表示後に前半ステージ表示に切り換わる。なお、第1ステージ表示の表示内容は図41(a)に示すものである。
その後、前半ステージ表示がなされている状況の各遊技回において特定役当選が発生することはなく、当該各遊技回において補助表示部15では図42(a)に示すような失敗演出表示がなされる。そして、t2のタイミングで切換基準遊技回となることで、補助表示部15における表示内容が図42(c)に示すような後半ステージ表示に切り換わる。
その後、t3のタイミングでメダルの総払出枚数が規定枚数(例えば、405枚)に達することで、BBゲームが終了し通常ゲームに復帰する。当該BBゲームでは上記のように前半ステージ表示がなされている状況で特定役当選が発生しなかったため、補助表示部15の表示内容は、BB終了表示後に第1ステージ表示又は第2ステージ表示に切り換わる。
次に、通常ゲームにおいて示唆演出表示が行われる期間C2について説明する。
期間C2に示す態様では、補助表示部15にて第1ステージ表示又は第2ステージ表示がなされている状況において、t4のタイミングで通常ゲームからBBゲームに移行する。この場合、補助表示部15の表示内容は、期間C1の場合と同様に、BB開始表示後に前半ステージ表示に切り換わる。
その後、前半ステージ表示がなされている状況の複数の遊技回において特定役当選が発生する。この特定役当選が発生した遊技回では、補助表示部15において図42(b)に示すような成功演出表示がなされる。そして、t5のタイミングで切換基準遊技回となることで、補助表示部15における表示内容が後半ステージ表示に切り換わる。
その後、t6のタイミングでメダルの総払出枚数が規定枚数に達することで、BBゲームが終了し通常ゲームに復帰する。当該BBゲームでは前半ステージ表示がなされている状況で特定役当選が示唆基準回数以上発生しているため、補助表示部15の表示内容は、BB終了表示後に特定ステージ表示に切り換わる。
その後、特定ステージ表示がなされている状況において、例えばt7のタイミングなどで、演出表示抽選処理(ステップS1908)で特定演出表示当選となり、且つ示唆抽選処理(図33)で示唆演出表示当選となることで、補助表示部15では図41(d)に示すような通常ゲーム時の示唆演出表示がなされる。なお、特定演出表示当選となり、示唆演出表示当選とならなかった場合には、補助表示部15では図41(c)に示すような特定演出表示がなされる。かかる特定演出表示は、第1ステージ表示又は第2ステージ表示がなされている状況においても発生する。
その後、t8のタイミングで特定ステージ表示下での継続遊技回数が終了基準回数に達することで、補助表示部15の表示内容は、特定ステージ表示から第1ステージ表示又は第2ステージ表示に切り換わる。
次に、通常ゲーム及びBBゲームの両方において示唆演出表示が行われる期間C3について説明する。
期間C3に示す態様では、補助表示部15にて第1ステージ表示又は第2ステージ表示がなされている状況において、t9のタイミングで通常ゲームからBBゲームに移行する。この場合、補助表示部15の表示内容は、期間C1の場合と同様に、BB開始表示後に前半ステージ表示に切り換わる。
その後、前半ステージ表示がなされている状況の複数の遊技回において特定役当選が発生する。この特定役当選が発生した遊技回では、期間C2の場合と同様に、補助表示部15において成功演出表示がなされる。そして、t10のタイミングで切換基準遊技回となることで、補助表示部15における表示内容が後半ステージ表示に切り換わる。
その後、t11のタイミングでメダルの総払出枚数が規定枚数に達することで、BBゲームが終了し通常ゲームに復帰する。当該BBゲームでは前半ステージ表示がなされている状況で特定役当選が示唆基準回数以上発生しているため、補助表示部15の表示内容は、BB終了表示後に特定ステージ表示に切り換わる。
その後、特定ステージ表示がなされている状況において、演出表示抽選処理(ステップS1908)で特定演出表示当選となり、且つ示唆抽選処理(図33)で示唆演出表示当選となることで、補助表示部15では通常ゲーム時の示唆演出表示がなされる。
その後、特定ステージ表示がなされている状況において、t12のタイミングで通常ゲームからBBゲームに移行する。そして、前半ステージ表示がなされている状況の複数の遊技回において特定役当選が発生し、t13のタイミングで切換基準遊技回となることで、補助表示部15における表示内容が後半ステージ表示に切り換わる。
当該BBゲームでは前半ステージ表示がなされている状況で特定役当選が示唆基準回数以上発生しているため、後半ステージ表示がなされている状況において例えばt14のタイミングなどで、示唆抽選処理(図33)で示唆演出表示当選となることで、補助表示部15では図42(d)に示すようなBBゲーム時の示唆演出表示がなされる。
その後、t15のタイミングでメダルの総払出枚数が規定枚数に達することで、BBゲームが終了し通常ゲームに復帰する。当該BBゲームでは前半ステージ表示がなされている状況で特定役当選が示唆基準回数以上発生しているため、補助表示部15の表示内容は、BB終了表示後に特定ステージ表示に切り換わる。そして、t16のタイミングで特定ステージ表示下での継続遊技回数が終了基準回数に達することで、補助表示部15の表示内容は、特定ステージ表示から第1ステージ表示又は第2ステージ表示に切り換わる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
補助表示部15において、通常ゲーム時の示唆演出表示(以下、第1示唆演出表示ともいう)とBBゲーム時の示唆演出表示(以下、第2示唆演出表示ともいう)とをそれぞれ識別可能に行うようにした。したがって、遊技者にとっては、それら各示唆演出表示が行われたことを認識することで設定値の推測を行うことが可能となる。遊技者にとっては、遊技ホールに多数設置されたスロットマシン10の中から特典の獲得期待値が高い設定値のスロットマシン10を選別することが遊技の勝敗を左右する上で重要な要素となっており、このような状況においては、遊技者に対して自らが遊技を行っているスロットマシン10の設定値を推測させることで遊技への注目度が高められると考えられる。このような事情において上記のように複数の示唆演出表示を行うことで、遊技への注目度の向上を図ることが可能となる。
特に、本実施の形態では、BBゲームや通常ゲームにおいて予め定められた特定の条件が満たされた場合に各示唆演出表示が行われる。従来のスロットマシンにおいては、遊技者が設定値の推測を行おうとしても、それはボーナスゲームの当選確率やメダルの獲得率から推測するものであったため、例えば多数の遊技回に亘ってボーナスゲームが数回しか発生しない場合には設定値の推測を好適に行わせることができない。そして、このように多数の遊技回に亘ってボーナスゲームが数回しか発生しない場合に遊技者は遊技続行の意欲を消失するものと考えられる。これに対して、本実施の形態では、上記のとおり、BBゲームや通常ゲームにおいて予め定められた特定の条件が満たされた場合に各示唆演出表示が行われるため、多数の遊技回に亘ってボーナスゲームが数回しか発生しないとしても、遊技者にとっては設定値の推測を好適に行うチャンスがある。よって、遊技者の遊技続行の意欲を持続させることが可能となり、遊技ホールにおいてはスロットマシン10の稼働率の向上が図られる。
本実施の形態では、BBゲームの前半ステージ表示において特定役(上記実施の形態におけるスイカ役)に当選したことに基づいて、各示唆演出表示が行われる及び特定ステージ表示に移行する構成とした。また、BBゲームにおける頻出役であるベル役よりもスイカ役は当選確率が低く設定されており、さらに、役入賞が成立した場合に払い出されるメダルの枚数がベル役よりもスイカ役は少なく設定されている。遊技者は、BBゲームにおいて頻出役であるベル役入賞が成立した場合よりもメダルの払出枚数が少なかった場合に、不利益が発生したと考えることがある。これに対してBBゲームにおいてベル役入賞時より入賞時にメダルの払出枚数が少ないスイカ役に当選したことに基づいて、各示唆演出表示を行うことにより、遊技者が、ベル役入賞が成立せずに不利益が発生したと考えることに対して救済措置を与えることができる。
特定ステージ表示に移行する及び第1示唆演出表示が行われるためにはBBゲームの前半ステージ表示においてスイカ役に示唆基準回数(例えば3回)以上当選する必要がある構成とした。さらに、特定ステージ表示から移行したBBゲームの前半ステージ表示においてスイカ役に示唆基準回数以上当選したことに基づいてBBゲームの後半ステージ表示において第2示唆演出表示が行われる構成とした。これにより、遊技者は、BBゲームの前半ステージ表示においてスイカ役に当選するか否かに注目して遊技を行い、後半ステージ表示においては第1示唆演出表示が行われるか否かに注目して遊技を行う。よって、BBゲームにおける遊技の注目度を高めることができる。また、スイカ役に当選する回数を1回ではなく示唆基準回数以上にしたことによって、BBゲームの前半ステージ表示において注目度を高めた状態を極力維持することができる。
第1示唆演出表示は通常ゲームにおける特定ステージ表示にて行い、第2示唆演出表示はBBゲームにおける後半ステージ表示にて行う構成とした。これにより、特定ステージ表示において第1示唆演出が行われるか否かに遊技者は注目し、特定ステージ表示における遊技の注目度を高めることができる。また、示唆演出表示が行われる機会を通常ゲームとBBゲームとにそれぞれ設けたことによって、遊技者に設定値の推測を行わせる機会を多く与えることができ、BBゲーム及び通常ゲームにおける遊技の注目度の向上を図ることができる。
また、特定ステージ表示において第1示唆演出表示を行う構成としたことにより、第1,第2ステージ表示に対する特定ステージ表示の優位性を高めることができる。よって、特定ステージ表示における遊技の注目度を高めることができ、それに伴って、通常ゲームにおける遊技の注目度を一層高めることができる。
さらに、特定ステージ表示においてBB役に当選したことに基づいて、BBゲームの後半ステージ表示において第2示唆演出が行われる構成とした。また、第1,第2ステージ表示においてBB役に当選したとしても第2示唆演出表示は行われない構成とした。これにより、特定ステージ表示である場合には第1,第2ステージ表示に移行する前にBB役に当選することを遊技者は期待して遊技を行うものと考えられる。よって、通常ゲームにおける遊技の注目度の向上を図ることができる。また、第2示唆演出表示に関して、通常ゲームにおいて特定ステージ表示という優位な状態が設定されているため、第1,第2ステージ表示に対する特定ステージ表示の優位性を一層高めることができる。さらに、第2示唆演出表示が行われるための条件を、BBゲームの前半ステージ表示のみに設けるのではなく、BB役に当選するタイミングにも条件を設けたことによって第2示唆演出表示が過度に行われることを抑制し、設定値の推測が単純化することを抑制できる。
第1,第2ステージ表示においてBB役に当選したとしても、BBゲームの遊技結果に基づいてBBゲームが終了した後に第1示唆演出が行われる構成とした。これにより、第1,第2ステージ表示においてBB役に当選した場合に、示唆演出表示が全く行われないことを抑制できる。よって、遊技者は、第1,第2ステージ表示においてBB役に当選した場合には第1示唆演出表示が行われることを期待して遊技を行うため、遊技への注目度の向上を図ることができる。
BBゲームは、メダルの払出枚数が規定数に達することによって終了する構成とした。これにより、一度のBBゲームにおいて大量のメダルを遊技者が獲得することを抑制し、過度に射幸心を煽ることを抑制できる。
また、遊技を行うために遊技回毎に予め定められた枚数のメダルをベットしなければならないため、BBゲームに移行した場合には、少ない遊技回数にてメダルの払出枚数が規定数に達した方が、ベットしたメダルの枚数が少ないため獲得できるメダルは多くなる。したがって、遊技者は少ない遊技回数でメダルの払出枚数が規定数に達することを期待して遊技を行うものと考えられる。当該事情において、スイカ役は入賞が成立してもベル役入賞時よりも払い出されるメダルの枚数が少ないため、BBゲームにおける一の遊技回においてスイカ役に当選した場合に、遊技者は不利益が発生したと考える。したがって、スイカ役に当選したことに基づいて各示唆演出が行われ得ることは、遊技者が、不利益が発生したと考えることに対する救済措置の効果を高めることができる。
ベル役入賞を形成する「ベル」図柄、「ベル」図柄、「ベル」図柄は、リール42L、42M、42Rにそれぞれリール制御処理において滑らせることが可能な範囲内(4図柄数分以内)に配置されているため、ベル役に当選している場合には、ストップスイッチ72〜74の操作態様にかかわらずベル役入賞が成立する。仮に、ベル役に当選している場合において、ストップスイッチ72〜74の操作態様によってはベル役入賞が成立しない遊技機の場合、未熟な遊技者などは、ベル役入賞を成立させることができないことも考えられる。そうすると、何れかの役入賞が成立しなかった場合、ベル役に当選していたのか、スイカ役に当選していたのか又は何れの役にも当選していなかったのかを遊技者が理解できないことが考えられる。上記実施の形態では、ベル役に当選している場合には、ストップスイッチ72〜74の操作態様にかかわらずベル役入賞が成立するため、ベル役に当選しているにもかかわらずベル役入賞が成立しないことを抑制できる。これにより、どのような遊技者に対してもベル役に当選していたことを好適に理解させることができる。
特定ステージ表示においてBB役に当選した場合には特定ステージ表示から第1,第2ステージ表示への移行は行われない構成とした。未熟な遊技者などは、BB役に当選したとしても、BB役入賞を成立させるまでに複数遊技回を要することがある。本実施の形態では、特定ステージ表示においてBB役に当選すれば、特定ステージ表示から第1,第2ステージ表示へと移行は行われることがない。これにより、遊技者の技量に関係なく特定ステージ表示にてBB役に当選すれば、BBゲームへの移行が特定ステージ表示において行われることとなり、未熟な遊技者に対しても設定値の示唆が行われる機会を均等に与えることができる。
特定ステージ表示に移行する及び第1示唆演出が行われるためのBBゲームの前半ステージ表示における条件と、第2示唆演出表示が行われるためのBBゲームの前半ステージ表示における条件との少なくとも一部を同一とした。これにより、それぞれの条件を完全に異ならせる構成と比して、表示制御装置111の処理負荷を軽減させることができる。
第1,第2ステージ表示から特定ステージ表示には移行しない構成とした。これにより、第1,第2ステージ表示に比べ、特定ステージ表示に移行する機会が少なくなり、特定ステージ表示における優位性を一層高めることができる。
特定ステージ表示は、予め定められた終了基準回数(例えば100回)の遊技を行うことによって第1,第2ステージ表示に移行する構成とした。これにより、特定ステージ表示から第1,第2ステージ表示へ移行するタイミングを明確にすることができる。また、遊技者は、特定ステージ表示が第1、第2ステージ表示に移行するまでにBB役に当選することを期待して遊技を行い、特定ステージ表示における遊技の注目度を向上させることができる。また、終了基準回数の遊技を行った場合に、特定ステージ表示から第1,第2ステージ表示に移行するため、特定ステージ表示から第1,第2ステージ表示に移行するか否かの抽選を行う必要がなく、表示制御装置131の処理負荷を軽減することができる。
特定ステージ表示であることを補助表示部15にて報知する構成とした。これにより、特定ステージ表示であることが報知されるため、遊技者は、特定ステージ表示であることを好適に理解することができる。
各示唆演出表示が行われるか否かは示唆抽選処理における抽選にて決定される構成とした。これにより、各示唆演出表示が行われることに対して不規則性が付加される。不規則性が付加されたことによって、毎ゲーム示唆演出表示が行われるわけではないため、遊技者は各示唆演出表示が行われるか否かに注目しながら遊技を行う。
また、示唆抽選処理は、スタートレバー71が操作されたことに基づいて行われる構成とした。これにより、遊技の開始タイミングで各示唆演出表示を開始させることができる。
特定ステージ表示と、第1,第2ステージ表示とは同様の抽選処理を行い、メダルの獲得期待値は等しい構成とした。かかる構成により、主制御装置131の記憶容量が増大することを抑制しながら、上記優れた効果を得ることができる。
各示唆演出表示は補助表示部15にて行われる構成とした。補助表示部15を用いることによって、図柄や動画を用いて各示唆演出表示を行うことができるため、示唆態様の自由度を高めることができる。したがって、各示唆演出表示を行うことによって遊技者を楽しませる構成にすることにより、遊技の興趣を飛躍的に向上させることができる。
また、上記各示唆演出表示により示唆する設定値の範囲を異ならせた。これにより、遊技者にとっては設定値の推測をする上で複数の判断材料を得ることとなり、設定値の推測が単純なものとなってしまうことが回避され、遊技者に対して自らが行っているスロットマシン10の設定値を推測させることで遊技への注目度が高められるという効果が好適に発揮される。さらには、単一の示唆演出表示が行われる場合よりも的確な設定値の推測を遊技者に行わせることが可能となる。
上記各示唆演出表示の実行頻度を複数段階の設定値の一部において異ならせた。したがって、遊技者にとっては補助表示部15にて行われる示唆演出表示の回数を把握して考量することで、現状設定されている設定値の推測を行うことが可能となる。
第1示唆演出表示と第2示唆演出表示とでは実行頻度を異ならせる設定値のグループ分けの数を異ならせた。これにより、第1示唆演出表示の実行頻度により示唆する設定値の範囲と第2示唆演出表示の実行頻度により示唆する設定値の範囲とを明確に異ならせることが可能となる。よって、遊技者にとっては、第1示唆演出表示の回数から推測した設定値の範囲と第2示唆演出表示の回数から推測した設定値の範囲とを比較考量することで、設定値の推測を行うことが可能となる。
特に、BBゲーム時において実行される第2示唆演出表示を通常ゲーム時において実行される第1示唆演出表示よりも、実行頻度を異ならせるグループ分けの数を多くした。このグループ分けの数が多いほど、示唆演出表示の各実行頻度に対して該当する設定値の数が少なくなるため、遊技者にとっては設定値の推測を行い易くなる。そして、この遊技者にとって設定値の推測を行い易い示唆演出表示をBBゲーム時において行うようにすることで、BBゲーム時の価値を高めることができ、BBゲームへの遊技者の注目度をより高めることができる。
第1示唆演出表示と第2示唆演出表示との表示態様を異ならせた。これにより、遊技者にとっては第1示唆演出表示と第2示唆演出表示とを明確に識別することが可能となる。
また、上記のとおり第1示唆演出表示を通常ゲーム時において行い、第2示唆演出表示をBBゲーム時において行うようにした。これにより、遊技者にとっては示唆演出表示がいずれの遊技状態で行われたかを把握することで、第1示唆演出表示と第2示唆演出表示とを明確に識別することが可能となる。また、このように通常ゲーム及びBBゲームのいずれにおいても示唆演出表示を行うようにすることで、通常ゲーム及びBBゲームのいずれにおいても遊技への注目度を高めることができる。
設定値がいずれであっても各示唆演出表示が行われる可能性があるようにした。これにより、設定値の示唆の明確性が低減され、遊技者にとっては各示唆演出表示が行われた回数から考量して設定値の推測を行う必要が生じる。よって、設定値の推測が単純なものとなってしまうことが回避され、遊技者に対して自らが遊技を行っているスロットマシン10の設定値を推測させることで遊技への注目度が高められるという効果が好適に発揮される。
示唆演出表示を行うか否かといった設定値示唆に関する制御を表示制御装置111にて行うようにした。これにより、主制御装置131にて上記設定値示唆に関する制御を行う構成に比して、主制御装置131の制御処理負荷や記憶容量の増大化を抑制することができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)特定役としてスイカ役を用いる構成としたが、スイカ役以外の役を特定役としてもよい。例えば、チェリー役等を特定役としてもよいし、対応した図柄が有効ラインに成立した場合にメダルが払い出されない役を特定役としてもよい。
また、何れの役にも当選せず、メダルの払い出しがなかったことに基づいて、各示唆演出表示が行われる及び特定ステージ表示に移行する構成にしてもよい。かかる構成によれば、メダルの払い出しが一切なかったことに基づいて、各示唆演出が行われる及び特定ステージ表示に移行するため、ベル役入賞が成立した場合に払い出されるメダルの枚数との差が顕著になり、救済措置としての効果を高めることができる。
(2)BBゲームにおけるメダルの払出枚数が規定枚数に達することがBBゲームにおける終了条件として設定されていたが、BBゲームにおける終了条件を変更してもよい。例えば、BBゲームにおいて規定回数の遊技を行うことがBBゲームの終了条件である構成が考えられる。かかる構成の一例として、通常ゲームより役に当選する確率が高い子役ゲームを30回遊技した場合又はJACゲームと称するJAC役に高確率で当選するゲームが3回終了した場合に、BBゲームが終了する構成が考えられる。
かかる構成にするならば、例えば、子役ゲームにおいて予め定められた特定役に当選したことや、何れの役にも当選しなかったことに基づいて、各示唆演出表示が行われる構成にすれば、遊技者は各示唆演出が行われる否かに注目して遊技を行い、遊技への注目度の向上を図ることができる。
さらに、かかる構成にしても頻出役であるベル役の入賞が成立した場合に比べ、メダルの払い出しが少ない又はメダルの払い出しがないことに基づいて各示唆演出表示が行われる構成にすることにより、メダルの払い出しが少なかったことに対する救済措置の効果も発揮される。
(3)BBゲームの内容が異なる構成又はBBゲーム以外の特別遊技状態を備えた構成にしてもよい。
その他の特別遊技状態として、通常遊技状態よりも再遊技の確率が高低いずれかとなる所謂RTゲームや、所定の小役当選が発生した場合にストップスイッチ72〜74が規定の停止順序で操作された場合にその小役入賞が発生するスロットマシンにおいてその規定の停止順序を報知する所謂ATゲームなどが考えられる。例えば、RTゲーム又はBBゲームの一方において第1示唆演出表示を行い、他方において第2示唆演出表示を行うようにする。また、RTゲームに適用するならば、再遊技役に当選しなかった場合に特定役に当選した場合と同様の処理を行えばよい。
さらに、通常ゲームとBBゲーム以外の遊技状態を有するスロットマシンに対して本発明を適用してもよい。例えば、通常ゲームにおいてBBゲームの当選確率に高低が生じることとなる高確率状態と低確率状態とを有するスロットマシンに対して本発明を適用してもよい。具体的には、高確率状態又は低確率状態の一方において所定の子役に当選したことに基づいて第1示唆演出表示を行い、他方において当該子役に当選したことに基づいて第2示唆演出表示を行うようにすればよい。
何れの構成にしても、一の遊技回において当選確率の高い予め定められた規定役よりも役入賞成立時に払い出されるメダルの枚数が少ない役に当選した又は何れの役にも当選しなかったことに基づいて各示唆演出表示が行われる構成にすれば、メダルの払い出しが少なかったこと又はメダルの払い出しがなかったことに対する救済措置としての効果が発揮される。
(4)上記実施の形態では、BBゲーム中にスイカ役に当選したことに基づいて、特定ステージ表示に移行する又は各示唆演出表示が行われる構成にしたが、BBゲームにおいて予め定めた規定役に当選しなかったこと又は当該規定役の入賞が成立しなかったことに基づいて、特定ステージ表示に移行する又は各示唆演出表示が行われる構成にしてもよい。なお、規定役は、役入賞時に払い出されるメダルの枚数が他の役よりも多く、一の遊技回において当選する確率が高い役でなければならない。この場合、規定役に当選しなかったこと又は規定役入賞が成立しなかったことによって、遊技者に不利益が発生しているということができる。これに対して、規定役に当選しなかったこと又は規定役入賞が成立しなかったことに基づいて特定ステージ表示に移行すること又は各示唆演出表示が行われることは規定役入賞が成立せずメダルが払い出されなかったことに対する救済措置となる。
また、規定役に当選しなかった又は規定役入賞が成立しなかったことに基づいて特定ステージ表示に移行する又は各示唆演出表示が行われる構成にするならば、BBゲーム用演出設定処理のステップS2404を、規定役に当選しなかった場合又は規定役入賞が成立しなかった場合に、特定役カウンタエリア187の値を1インクリメントする処理に変更すればよい。
(5)BBゲームにおいてベル役に当選しなかったことに基づいて第2示唆演出表示が行われる構成にし、BBゲームにおいてスイカ役に当選したことに基づいて特定ステージ表示へ移行する又は第1示唆演出表示が行われる構成にしてもよい。また、BBゲームにおいてスイカ役に当選したことに基づいて第1,第2示唆演出表示が行われる構成にし、BBゲームにおいてベル役に当選したことに基づいて特定ステージ表示へ移行する構成にしてもよい。
かかる構成にするならば、BBゲーム用演出設定処理のステップS2402及びステップS2404においてスイカ役、ベル役についてそれぞれカウントし、BBゲーム演出設定処理におけるステップS2407、BB終了コマンド処理におけるステップS2503においてはそれぞれ対応した役について示唆基準回数以上か否かを判定する必要がある。
(6)スイカ役に当選したことに基づいて、特定ステージ表示へ移行する又は第1,第2示唆演出表示が行われる構成にしたがかかる構成に限定されるものでない。スイカ役入賞が成立したことに基づいて、特定ステージ表示へ移行する又は第1,第2示唆演出表示が行われる構成にしてもよい。スイカ役に当選していてもストップスイッチ72〜74を所定のタイミングで操作しなければ、スイカ役入賞が成立しないことがあるため、遊技者はスイカ役入賞を成立させようとストップスイッチ72〜74を所定のタイミングで操作しようとする。これにより、遊技への積極的参加を遊技者に促すことができる。
(7)ベル役に当選している場合、ストップスイッチ72〜74の操作態様にかかわらず、ベル役入賞が成立する構成にしたが、ストップスイッチ72〜74を所定のタイミングで操作しなければベル役入賞が成立しない構成にしてもよい。
(8)上記実施の形態では、特定ステージ表示からBBゲームに移行しない限り、第2示唆演出表示は行われない構成としたがかかる構成に限定されるものではない。特定ステージ表示、第1,第2ステージ表示の何れのステージ表示からBBゲームに移行しても第2示唆演出表示が行われる構成にしてもよい。また、何れのステージ表示からBBゲームに移行しても第2示唆演出表示が行われる構成にするならば複数のステージ表示が設定されていなくともよいが、第1示唆演出表示を行うために、第1示唆演出表示が行われるステージ表示が設定されているのが望ましい。
(9)第1,第2ステージ表示からBBゲームに移行した場合にも第2示唆演出表示が行われるが、特定ステージ表示からBBゲームに移行した場合よりも第2示唆演出表示が行われる頻度が低い構成にしてもよい。
かかる構成によれば、第1,第2ステージ表示からBBゲームに移行した場合は、特定ステージ表示からBBゲームに移行した場合に比べ、第2示唆演出表示が行われる頻度は低いため、特定ステージ表示における優位性を損なうことがない。かかる構成にするならば、例えば、特定ステージ表示からBBゲームに移行した場合は、前半ステージ表示において3回以上特定役に当選した場合に、後半ステージ表示において第2示唆演出表示が行われる構成とし、第1,第2ステージ表示からBBゲームに移行した場合は、前半ステージ表示において6回以上特定役に当選した場合に、後半ステージ表示において第2示唆演出表示が行われる構成が考えられる。
(10)上記実施の形態では、BBゲームの後半ステージ表示にて第2示唆演出表示を行い、通常ゲームにおける特定ステージ表示にて第1示唆演出表示を行う構成としたがかかる構成に限定されるものではない。第1,第2示唆演出表示の何れか一方のみを行う構成にしてもよい。かかる構成にしても設定値の示唆は行われる。
(11)上記実施の形態では、BB役に当選した場合、特定ステージ表示から第1,第2ステージ表示には移行しない構成としたが、BB役に当選したとしても特定ステージ表示から第1,第2ステージ表示に移行する構成にしてもよい。かかる構成にした場合、通常ゲーム用演出設定処理のステップS1902,S1903における処理が必要なくなる。かかる構成に変更する場合、特定ステージ表示からBBゲームに移行しなければ、第2示唆演出表示が行われない構成にしてもよい。
また、特定ステージ表示にてBB役に当選することが、第2示唆演出表示が行われるための条件の一つである構成にするならば、特定ステージ表示にてBB役に当選した場合、そのBB役に当選した後に特定ステージ表示から第1,第2ステージ表示に移行する構成としてもよい。
(12)上記実施の形態では、BBゲームの前半ステージ表示において特定役に当選したことに基づいて、各示唆演出表示が行われる構成にしたがかかる構成に限定されるものではない。BBゲームではなく特定ステージ表示において特定役に当選したことに基づいて第1示唆演出表示が行われる構成にしてもよい。さらに、第1,第2ステージ表示において特定役に当選したことに基づいて第1示唆演出表示が行われる構成にしてもよい。通常ゲームにおいて特定役に当選したことに基づいて第1示唆演出表示が行われる構成にするならば、遊技者は通常ゲームにおいてスイカ役に当選するか否かに注目して遊技を行い、通常ゲームにおける遊技の注目度を向上させることができる。
(13)各ステージ表示であることを補助表示部15にて報知する構成としたがかかる構成に限定されるものではない。スピーカ14や上部ランプ13を用いて各ステージ表示であることを報知する構成にしてもよいし、各ステージ表示であることを報知する装置を新たに設けてもよい。遊技者に各ステージ表示であることを理解させることができる構成ならばよい。例えば、スピーカ14を用いて報知する構成にするならば、特定ステージ表示である場合に、特定ステージ表示であることを報知する報知音がスピーカ14から発生される構成にしてもよい。また、特定ステージ表示である場合に報知音は、遊技回毎に報知するのではなく特定ステージ表示であることを報知する音楽を予めROM152に記憶させておき、複数の遊技回に亘って特定ステージ表示であることを報知する音楽がスピーカ14から発生される構成にしてもよい。遊技者はスピーカ14から音楽が発生されることによって好適に特定ステージ表示であることを理解することができる。
(14)第1,第2及び特定ステージ表示の補助表示部15における表示態様を変更してもよい。例えば、第1ステージ表示は表示されている時間帯が朝である朝ステージ表示として設定され、第2ステージ表示は表示されている時間帯が夕方である夕方ステージ表示として設定され、特定ステージ表示は表示されている時間帯が夜である夜ステージ表示として設定されている構成が考えられる。かかる構成によれば、各ステージ表示の表示態様を時間帯によって区別した内容にすることにより、遊技者はどのステージ表示が表示されているかを容易に理解することができる。
また、特定ステージ表示として複数種のステージ表示が設定されている構成にしてもよいし、第1,第2ステージ表示以外に第3,第4ステージ表示等の複数のステージ表示が設定されている構成にしてもよい。それぞれ複数種のステージ表示が設定されることによって遊技の興趣を向上させることができる。
(15)上記実施の形態では、BBゲームの前半ステージ表示において特定役に当選した場合に、特定役カウンタエリア187の値が1インクリメントされる構成としたがかかる構成に限定されるものではない。特定役に当選する度に特定役カウンタエリア187の値が1ディクリメントされる構成にしてもよい。1ディクリメントされる構成にするならば、例えば、特定役カウンタエリア187に予め定めた基準値をセットしておき、特定役に当選した場合に特定役カウンタエリア187の値から1ディクリメントしていき特定役カウンタエリア187の値が「0」になった場合に、示唆基準回数以上特定役に当選していると判断することができる。かかる構成にしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
(16)上記実施の形態では、特定ステージ表示は、複数の遊技回数に亘って継続し、遊技回数が終了基準遊技回数に達することで第1ステージ表示又は第2ステージ表示に移行する構成にしたが、かかる構成に限定されるものではない。特定ステージ表示の終了基準遊技回数がなく、特定ステージ表示から移行するか否かの抽選が行われ、特定ステージ表示から移行することに当選した場合に、第1ステージ表示又は第2ステージ表示に移行する構成にしてもよい。当該構成の場合、特定ステージ表示から第1ステージ表示又は第2ステージ表示への移行タイミングに不規則性が設けられ、遊技の興趣を向上させることができる。また、かかる構成にするならば、終了コマンド処理におけるステップS2105の処理が必要なくなる。
(17)BBゲームの前半ステージ表示において特定役(本実施形態におけるスイカ役)に当選した回数が示唆基準回数以上当選し、BBゲームが終了した場合に、特定ステージ表示に移行する構成としたが、かかる構成に限定されるものではない。第1ステージ表示又は第2ステージ表示において特定役に当選した場合に、特定ステージ表示に移行する構成でもよいし、第1ステージ表示又は第2ステージ表示において特定ステージ表示に移行するか否かの抽選を行い、特定ステージ表示に移行することに当選した場合に、特定ステージ表示に移行する構成にしてもよい。これにより、第1ステージ表示又は第2ステージ表示において特定ステージ表示に移行することに遊技者は期待して遊技を行い、遊技の注目度の向上を図ることができる。
また、BBゲームの前半ステージ表示において特定役に当選した回数に関係なく特定ステージ表示へと移行する構成にしてもよい。特定役に当選した回数に関係なく特定ステージ表示へと移行する構成にするならば、BBゲームを終了させることによって特定ステージ表示へ移行するということもでき、BB終了コマンド処理のステップS2503における処理が必要なくなる。
(18)BBゲームの前半ステージ表示において特定役(本実施形態におけるスイカ役)に示唆基準回数以上当選した場合に、BBゲームの後半ステージ表示において第2示唆演出表示が行われる構成にしたが、かかる構成に限定されるものではない。BBゲームにおいて特定役に当選した回数が多い程、第2示唆演出表示が行われることに当選する確率が高くなる構成にしてもよい。なお、特定役に当選した回数によって、当選する確率が高くなる構成にするならば、特定役に当選した回数毎に対応した抽選テーブルを設けるのが望ましい。
(19)上記実施の形態ではBBゲームの後半ステージ表示において示唆抽選処理が行われる構成としたがかかる構成に限定されるものではない。示唆抽選処理がBBゲームに移行した遊技回において行われてもよいし、BB役に当選した遊技回において示唆抽選処理が行われる構成にしてもよい。BB役に当選した遊技回において示唆抽選処理が行われる構成にするならば、示唆演出表示が行われることによってBB役に当選したことを遊技者に教示することもできる。
(20)各示唆演出表示が行われる際に、各示唆演出表示が行われることを報知する報知音がスピーカ14から発生される構成にしてもよい。遊技者は報知音がスピーカ14から発生されることによって好適に各示唆演出表示が行われることを理解することができる。
(21)BBゲームにおける特定役に当選する確率が、何れの役にも当選しない確率よりも低い構成にしてもよい。かかる構成にすることによって、各示唆演出が過度に行われることを抑制し、設定値の推測が単純化することを抑制することができる。
(22)第1示唆演出表示の当選確率について複数段階の設定値を複数にグループ分けした構成において、同一グループ内にある設定値における第1示唆演出表示の当選確率を完全に同一とする必要はなく、略同一としてもよい。また、これは第2示唆演出表示についても同様である。
(23)上記実施の形態では、第1示唆演出表示の当選確率について複数段階の設定値を2グループに分けるとともに、第2示唆演出表示の当選確率について複数段階の設定値を3グループに分ける構成としたが、これを変更してもよい。
例えば、第1示唆演出表示のグループ数と第2示唆演出表示のグループ数とを同一としてもよい。具体的には、第1示唆演出表示及び第2示唆演出表示のいずれも2グループに分ける構成としてもよい。この場合、例えば第1示唆演出表示については、上記実施の形態と同様に奇数設定値と偶数設定値との2グループに分け、第2示唆演出表示については、設定値1,設定値2,設定値3の設定値3以下と、設定値4,設定値5,設定値6の設定値4以上との2グループに分ける。当該構成は、上記実施の形態よりも各示唆演出表示により示唆する設定値の範囲の相違性は低下するものの、第1示唆演出表示と第2示唆演出表示とでは依然として当選確率を異ならせる設定値のグループ分けの態様が異なっている。したがって、遊技者にとっては、第1示唆演出表示の回数から推測した設定値の範囲と第2示唆演出表示の回数から推測した設定値の範囲とを比較考量することで、設定値の推測を行うことが可能となる。
また、第1示唆演出表示を3グループ,4グループ又は5グループに分けてもよく、第2示唆演出表示を4グループ又は5グループに分けてもよい。
(24)第1示唆演出表示又は第2示唆演出表示の一方について、その当選確率を全設定値で異ならせてもよい。さらには、第1示唆演出表示の当選確率を全設定値で異ならせるとともに、第2示唆演出表示の当選確率も全設定値で異ならせてもよい。当該構成であっても、各設定値における第1示唆演出表示及び第2示唆演出表示の当選確率を相互に異ならせることで、遊技者にとっては第1示唆演出表示の回数と第2示唆演出表示の回数とから総合的に設定値の推測を行うことが可能となり、設定値示唆が行われない構成又は単一の設定値示唆が行われる構成に比して、設定値の推測を行う上での判断材料が多くなり、設定値の推測について考量をした上での的確な推測を行うことが可能となる。
なお、本構成においては、複数段階の設定値において特典の獲得期待値を高める順序と設定値示唆の当選確率が高くなる順序との関係を、第1示唆演出表示と第2示唆演出表示とで異ならせる構成としてもよい。
(25)第1示唆演出表示を所定の範囲の設定値についてのみ行い、第2示唆演出表示をそれとは異なる所定の範囲の設定値についてのみ行う構成としてもよい。例えば、第1示唆演出表示を偶数設定値についてのみ行い、第2示唆演出表示を設定値5,設定値6についてのみ行う構成としてもよい。この場合、遊技者にとっては、第1示唆演出表示が行われたことを認識することで偶数設定値であることを把握するとともに、第2示唆演出表示が行われたことを認識することで設定値5又は設定値6であることを把握し、最終的に設定値6であることを推測する。
(26)第1示唆演出表示又は第2示唆演出表示の少なくとも一方について、示唆抽選処理で当選となった場合に行うのではなく、規定ゲーム数が経過した場合に行うようにしてもよい。そして、その規定ゲーム数を複数段階の設定値の全部又は一部において異ならせる。当該構成であっても、遊技者にとっては示唆演出表示が行われる周期から設定値の推測を行うことが可能となる。特に、本構成の場合、遊技回数をカウントする機能を表示制御装置111などが有しているだけでよく、示唆抽選処理機能やその抽選テーブルが必要なくなるため、予め記憶させておく容量の削減が図られる。
(27)上記実施の形態では、演出表示抽選処理(ステップS1908)にて特定演出表示当選となり、且つ示唆抽選処理(図33)にて示唆演出表示当選となることで、第1示唆演出表示を行う構成としたが、これに代えて、演出表示抽選処理にて特定演出表示当選とならなくても、示唆抽選処理にて示唆演出表示当選となることで、第1示唆演出表示を行う構成としてもよい。具体的には、上記実施の形態における通常ゲーム用演出設定処理(図32)において、ステップS1910の処理を実行しないようにする。
(28)第1示唆演出表示と第2示唆演出表示との表示内容を同一としてもよい。この場合、上記実施の形態よりも両者を識別する上での明確性は劣るものの、各表示が実行される遊技状態が異なるため、遊技者にとっては各示唆演出表示を識別することは可能である。
(29)上記実施の形態では、補助表示部15において設定値示唆を行う構成としたが、かかる設定値示唆を上部ランプ13にて行うようにしてもよい。例えば、第1設定値示唆については、上部ランプ13を予め定められたタイミング及び回数で第1点滅を行わせるとともに、第2設定値示唆については、上部ランプ13を上記タイミング及び回数が異なる第2点滅を行わせる。また、設定値示唆をスピーカ14にて行うようにしてもよい。例えば、第1設定値示唆については、スピーカ14から第1示唆音又は第1示唆音声を出力するとともに、第2設定値示唆については、スピーカ14から第2示唆音又は第2示唆音声を出力する。さらには、上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示部15とは別に示唆部を設け、当該示唆部にて設定値示唆を行うようにしてもよい。
(30)上記実施の形態では、設定値示唆の制御を表示制御装置111で行う構成としたが、これに代えて、主制御装置131で行う構成としてもよい。つまり、主制御装置131において示唆演出表示の態様を決定する構成としてもよい。この場合、遊技を統括管理する主制御装置131において、設定値示唆の制御をも統括管理することが可能となる。
(31)上記実施の形態では、主制御装置131から表示制御装置111に設定値コマンドを出力する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、設定値コマンドを出力するのではなく、ベット設定コマンド、抽選結果コマンド、終了コマンド、BB設定コマンド、BB終了コマンドの全部又は一部に設定値の情報を含める構成としてもよい。この場合、表示制御装置111のRAM183に設定値情報格納エリア188を設けなくとも、必要に際して各コマンドから設定値情報を読み取ることで、表示制御装置111において設定値を把握することが可能となる。
(32)上記実施の形態では設定値を6段階有するスロットマシン10に対して本発明を適用したが、設定値を2段階,3段階,4段階,5段階又は7段階以上有するスロットマシンに対して本発明を適用してもよい。
(33)演出表示の態様として、ストップスイッチの操作ごとに画面が切り換わる停止操作に対応した演出表示や、複数遊技回に亘って実行される連続演出表示を具備するスロットマシンに対して本発明を適用してもよい。この場合、停止操作に対応した演出表示の所定のタイミングで示唆演出表示を行ったり、連続演出表示の所定の遊技回目に示唆演出表示を行ったりする構成としてもよい。
(34)第2示唆演出表示について、通常ゲームにおいて特定ステージ表示がなされている状況でBBゲームに当選し、且つそのBBゲームの前半ステージ表示がなされている状況において特定役の当選が示唆基準回数以上発生した場合に、当該BBゲームにおける後半ステージ表示にて示唆抽選処理が行われる構成としたが、これを変更してもよい。例えば、BBゲームの前半ステージ表示における遊技結果に関係なく、示唆抽選処理が行われる構成としてもよい。また、BBゲームを前半ステージ表示と後半ステージ表示とで区別することなく、BBゲーム中のいずれの遊技回においても示唆抽選処理が行われる構成としてもよいし、BBゲームにおいて特定役に当選した遊技回において、示唆抽選処理が行われる構成としてもよい。
(35)リールユニット41の各リール42L,42M,42Rは識別情報を可変表示する絵柄表示装置の一例であり、図柄を周方向に可変表示する構成であれば、これ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に代えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
(36)上記実施の形態では、円筒骨格部材50の外周面に、図柄が印刷されたベルトを貼付する構成としたが、円筒骨格部材とベルトとを一体形成し、このベルトの外周面に図柄を個別に貼付する構成としてもよい。かかる場合には、この一体形成の外周面が無端状ベルトに相当する。
(37)上記実施の形態では、「赤7」図柄や「白7」図柄や「青年」図柄といった移行契機図柄が有効ライン上に揃った場合にメダル払出を行わない構成としたが、メダル払出を行う構成としてもよい。
(38)上記実施の形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして5ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。
(39)各リール42L,42M,42Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
(40)上記実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
10…スロットマシン、15…示唆手段としての補助表示部、41…遊技実行手段としてのリールユニット、71…スタートレバー、72〜74…ストップスイッチ、91…特典付与手段を構成するホッパ装置、111…表示制御装置、131…主制御装置、151…設定値決定手段などの機能を有するCPU、152…ROM、153…RAM、181…第1示唆制御手段や第2示唆制御手段などの機能を有するCPU、182…ROM、183…RAM。