JP2008290209A - 研磨装置およびこれに用いる定盤の製作方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の研磨工程を備える研磨加工を施す際に、研磨工程ごとに別個の研磨装置を使用することなく、高精度にかつ効率的に研磨加工することを可能にする研磨装置およびこの研磨装置に使用する定盤の製作方法を提供する。
【解決手段】研磨用の定盤10を備えた研磨装置であって、前記定盤10は、該定盤10を厚さ方向にくり抜いて形成された2個以上の分割定盤11a、11b、11c、11dを、前記定盤10のくり抜き穴に各々挿入して組み立てられ、前記分割定盤11a、11b、11c、11dは、研磨面にスラッジを排出する排出溝10aが多数本形成され、前記定盤10は、少なくとも2種類の研磨粗さの異なる研磨面16a、16b、16c、16dを有する分割定盤11a、11b、11c、11dを備えていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は研磨装置およびこれに用いる定盤の製作方法に関し、より詳細にはワークに研磨加工を施す際に、複数段の研磨工程を1台の研磨装置によって高精度に行うことを可能にする研磨装置およびこれに用いる定盤の製作方法に関する。
電子部品の製造工程においては、製品表面の平坦度を高精度に確保する等の目的で、ワークの表面を研磨加工する処理が常法として行われている(たとえば、特許文献1、2、3参照)。
図4は、セラミックウエハから細幅のバー状に切り出ししたロウバーを研磨する研磨装置に用いられる研磨定盤を製作する(調製する)方法と、研磨装置を用いてワークを研磨する従来方法を示す。図4(a)は、研磨に使用する定盤10の表面を研磨面に加工する前の状態で、上面が平坦面に加工された定盤10を示す。研磨加工に際しては、まず、ダイヤモンドバイト12を使用して、定盤10の研磨面に研磨時に生じるスラッジを排出する排出溝10aを形成する。この排出溝10aは定盤を回転させながらダイヤモンドバイト12を径方向に移動させて形成する。これによって、定盤10の研磨面に渦巻き状に排出溝10aが形成される(図4(b))。
定盤10に形成する排出溝のピッチは10μm程度であり、ダイヤモンドバイト12によって深さ10μm程度の断面形状が三角形の溝が形成される。このように定盤10の表面に排出溝10aを形成すると、定盤10の表面には断面が三角形状の山が並列して形成されるから、排出溝10aを形成した後、定盤10の表面を研磨して、三角形の尖った山の頂部が平坦面になるようにする。この平坦面に研磨された山の頂部が研磨に作用する部位であり、山と山の間がスラッジを排出する排出溝となる。なお、ダイヤモンドバイト12によって排出溝10aを形成する際に、溝間隔が広くなるように設定した場合は、隣り合う排出溝10aの中間部分は平坦になるから、定盤10の表面を平坦面に加工する必要はない。
排出溝10aを加工した後、図4(c)に示すように、セラミックリング14を用いて定盤10の上面(断面形状が三角形の山の頂部を平坦に加工した部位)に研磨砥粒16を埋め込む。セラミックリング14には、セラミックリング14の上部に供給された研磨砥粒16を定盤10との摺接面に供給する連通孔が形成されており、定盤10を回転させながらセラミックリング14を回転することによって、セラミックリング14と定盤10の上面とが擦られて、定盤10の上面に研磨砥粒16が埋め込まれ、定盤10の上面が研磨面に調えられる。
図4(d)は、上面が研磨面として調えられた定盤10を使用してワーク20を研磨加工している状態を示す。定盤10が回転駆動され、定盤10の研磨面に潤滑液19が供給され、ワーク20を定盤10の径方向に往復動させる往復動機構18aとワーク20を支持する支持機構18bとを備える揺動機構18によりワーク20が定盤10上で揺動されて研磨される。
磁気ヘッドのロウバーの研磨加工では粗研磨と仕上げ研磨を施すから、はじめに粗い研磨砥粒を埋め込んだ定盤を使用して研磨加工し、次に、細かい研磨砥粒を埋め込んだ定盤を使用して研磨加工する。
特開2000−42914号公報 特開2000−176829号公報 特開2003−309092号公報
研磨加工の際には粗研磨から仕上げ研磨まで、複数の研磨工程を段階を追って施す方法が一般的である。このように複数の研磨工程により研磨加工を施す際には、上述したように別個に研磨定盤を用意して加工するから、研磨装置も別個に用意される。したがって、量産品を製造する場合や、いくつもの研磨工程がある場合には、何台も研磨装置を用意しなければならないという問題がある。
また、粗研磨、仕上げ研磨といったように、別の研磨装置を使用する場合は、異なる定盤を使用してワークを研磨するから、研磨装置によって定盤の表面状態が微妙に異なり、必ずしも、ねらいとする精度の研磨ができないという問題もある。定盤の表面は高精度の平坦面に形成されているが、定盤ごとに微妙なうねり等の形態上のばらつきが生じることは避けられない。磁気ヘッドのような、きわめて高精度の研磨加工(寸法出し)が求められる製品では、このような定盤自体の形態上のばらつきが加工精度に影響を及ぼすことがある。たとえば、粗研磨の際の研磨面とワークとの当接状態と、仕上げ研磨の際の研磨面とワークとの当接状態が変わることによって、ワークが研磨面に片当たりして研磨精度が低下するといった問題が起こり得る。
本発明は、このような複数の研磨工程を備える研磨加工を施す際に、高精度に研磨加工することを可能とし、また研磨工程ごとに別個の研磨装置を用意することなく加工することを可能にする研磨装置およびこの研磨装置に使用する定盤の好適な製作方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を備える。
すなわち、研磨用の定盤を備えた研磨装置であって、前記定盤は、該定盤を厚さ方向にくり抜いて形成された2個以上の分割定盤を、前記定盤のくり抜き穴に各々挿入して組み立てられ、前記分割定盤は、研磨面にスラッジを排出する排出溝が多数本形成され、前記定盤は、少なくとも2種類の研磨粗さの異なる研磨面を有する分割定盤を備えていることを特徴とする。なお、定盤からくり抜いて形成する分割定盤は平面形状が円形に限らず、任意の形状に形成することができる。
また、前記分割定盤は、前記研磨面に前記排出溝が交差状に形成されていることによって、ワークを研磨加工した際に生じるスラッジを効率的に排出して研磨加工することができる。また、前記分割定盤は、上面に研磨砥粒が埋め込まれて研磨面に形成されていることにより、適宜研磨粗さの研磨面に形成することができる。
また、前記定盤を支持するバックプレートを備え、前記バックプレートに、前記分割定盤と同一の平面形状に形成され、前記分割定盤を位置合わせして支持する支持プレートが設けられていることによって、分割定盤を的確に支持することができる。
また、研磨装置に用いられる研磨用の定盤の製作方法であって、上面が平坦面に形成された定盤から、2個以上の分割定盤を、該定盤を厚さ方向にくり抜いて形成する工程と、前記定盤に形成されたくり抜き穴に前記分割定盤をセットし、該定盤を回転させながらダイヤモンドバイトを径方向に移動させ、前記定盤および分割定盤の上面に渦巻き状に排出溝を形成する工程と、前記排出溝が形成された分割定盤について、個別にその上面に研磨砥粒を埋め込み、分割定盤の上面を研磨面に形成する工程と、前記研磨面が形成された分割定盤を前記定盤のくり抜き穴にセットする工程とを備えていることを特徴とする。
また、前記分割定盤の上面に排出溝を形成した後、前記分割定盤を軸線のまわりに所定角度偏位させて前記定盤のくり抜き穴にセットする工程と、定盤を回転させながらダイヤモンドバイトを径方向に移動させ、分割定盤の上面に先に形成された排出溝と溝方向を交差させる配置として排出溝を形成する工程とを備えていることにより、分割定盤の上面に任意の角度で交差する形態に排出溝を形成することができる。
本発明に係る研磨装置によれば、定盤をくり抜いて2以上の分割定盤を形成し、研磨粗さの異なる少なくとも2種の分割定盤を定盤のくり抜き穴にセットしたことによって、一つの定盤に研磨粗さの異なる研磨領域を容易に設けることができ、1台の研磨装置を用いて複数の異なる研磨加工を施すことができる。また、定盤からくり抜いた分割定盤を定盤に再セットすることにより、別の研磨装置を使用して研磨加工する場合と比較して、定盤の面精度が均一にでき、ワークの片当たり等の問題を抑えて、的確な研磨加工が可能になる。また、本発明に係る定盤の製作方法によれば、研磨粗さが異なる複数の研磨領域を備えた定盤を容易に製作することができる。
以下、本発明に係る研磨装置に用いられる研磨定盤の製作方法および、この研磨定盤を用いてワークを研磨加工する方法について説明する。
図1および図2は、研磨定盤の製作方法と研磨定盤を用いてワークを研磨加工する方法を示す。本発明方法によって製作する研磨定盤は、一つの定盤に、砥粒の粗さ(研磨粗さ)の異なる複数の研磨領域を設け、一つの定盤で複数の異なる研磨加工を可能にしたものである。図1、2では研磨装置の主要部である定盤10の構成について説明する。研磨装置は定盤10を回転駆動する駆動部、および駆動部を制御する制御部を備える。
図1は、研磨定盤に複数の研磨領域を設けるため、定盤10の上面を平坦面に形成した後、定盤10から4つの分割定盤11a、11b、11c、11cをくり抜いた状態を示す。分割定盤11a、11b、11c、11dは、定盤10の中心に配される駆動軸のまわりで周方向に均等に配置し、できるだけ広い研磨領域が確保できるように配置する。本実施形態では分割定盤11a〜11dの平面形状を円形とした。分割定盤11a〜11dは、円筒カッタを用いて、定盤10を厚さ方向にくり抜いて形成することができる。
本実施形態では、定盤10の中心の回りに4つの分割定盤11a〜11dを配置しているが、定盤10の中心のまわりに、2つあるいは3つ、もしくは5つ以上の分割定盤を配置することもできる。また、分割定盤は平面形状を円形以外とすることもできる。
図1(b)は、定盤10と分割定盤11a〜11dの上面に、研磨加工時に発生するスラッジを排出する排出溝10aを加工する工程を示す。定盤10の上面に排出溝10aを加工する方法は、図4(b)に示した従来方法と同様に、定盤10を回転させながらダイヤモンドバイト12を定盤10の径方向に移動させて渦巻き状の排出溝10aを形成する方法による。本実施形態では、定盤10に4つの分割定盤11a、11b、11c、11dを配置した状態で排出溝10aを形成するから、定盤10が回転することにより、ダイヤモンドバイト12は各々の分割定盤11a〜11dの上面領域を横切りながら排出溝10aを形成する。
なお、図1では、定盤10を支持するバックプレートを図示していないが、実際には、定盤10はバックプレートによって下面側から支持され、バックプレートとともに定盤10が回転駆動される。
図3に、バックプレート30によって定盤10および分割定盤11aを支持する構成を示す。バックプレート30は定盤10を支持する支持面を水平面として構成され、定盤10で分割定盤11a〜11dをくり抜いたそれぞれのくり抜き穴に位置合わせして、分割定盤11a〜11dを支持する支持プレート32が配置されている。
本実施形態においては、支持プレート32は、平面形状が分割定盤11a〜11dと同一の外径となる円形に形成され、分割定盤11a〜11dはこの支持プレート32に下面を当接させてセットされる。図では、一つの分割定盤11aのセット位置を示す。定盤10から分割定盤11a〜11dをくり抜く際に、カッタの厚さ分の隙間が生じ、分割定盤11aを支持プレート32にセットした状態で、分割定盤11aおよび支持プレート32の周側面とくり抜き穴の内周面との間に加工厚さ分の隙間36が存在する。
分割定盤11a〜11dと支持プレート32との位置合わせは、支持プレート32の上面に設けた突起32aと分割定盤11a〜11dの下面に設けた凹孔110とを凹凸嵌合することによってなされる。分割定盤11a〜11dは、次の、第2回目の排出溝10aを加工する工程の際に、周方向(軸線の周り)にまわすようにして、定盤10のくり抜き穴にセットし直しするから、分割定盤11a〜11dを中心線のまわりで回転させる角度を想定して突起32aおよび凹孔110を形成する。
バックプレート30には支持プレート32の高さを調節する位置調整機構として調節ねじ34が取り付けられている。この調節ねじ34は支持プレート32に分割定盤11a〜11dをそれぞれ再セットした際に、分割定盤11a〜11dの研磨面の高さおよび分割定盤11a〜11dの研磨面が水平面になるように調節するためのものである。調節ねじ34は必要数配置される。
図1(b)は、定盤10と分割定盤11a〜11dの上面に排出溝10aを形成した後、分割定盤11bを定盤10の上方に取り出す操作をあわせて示している。
定盤10の上面に排出溝10aを形成する工程として、本実施形態では、定盤10の上面に1回目の排出溝10aを形成する加工を行った後、定盤10の上面に2回目の排出溝10aを形成する工程を行う。これは、分割定盤11a〜11dの上面に溝の向きが異なる2種類の排出溝10aを形成するためである。
定盤10から上方に抜き出した分割定盤11a〜11dは、それぞれ所定の角度、たとえば90°、軸線の周りに回して再度、定盤10のくり抜き穴に挿入し、バックプレート30の支持プレート32上に位置合わせしてセットする。図1(b)では、例として分割定盤11bを抜き出して、軸線のまわりで回転することを示すが、他の分割定盤11a、11c、11dについてもまったく同様の操作を行う。
本発明の研磨装置に用いる定盤は、分割定盤11a〜11dについて、このように定盤10から取り外して、θ軸方向に偏位させて装着しなおしする操作を行うから、分割定盤11a〜11dを円形以外に形成する場合は、平面形状で正多角形に形成する必要がある。
図1(c)は、分割定盤11a〜11dを軸線の周りに所定角度まわして、くり抜き穴にセットした後、ダイヤモンドバイト12を用いて定盤10の上面に排出溝10aを形成している第2回目の排出溝形成工程を示す。分割定盤11a〜11dを定盤10に再セットした際に、分割定盤11a〜11dの高さ等を調整する必要がある場合には、バックプレート30に取り付けた調節ねじ34で分割定盤11a〜11dを支持する支持プレート32を調節する。
定盤10を回転させながらダイヤモンドバイト12を定盤10の径方向に移動させて渦巻き状の排出溝10aを形成する。この操作によって、定盤10の上面には第1回目の排出溝形成工程で排出溝10aを形成したと同様に、排出溝10aが上書きされるようにして形成される。各々の分割定盤11a〜11dでは、第1回目による排出溝10aの溝の向きとは交差するように第2回目の排出溝10aが形成され、分割定盤11a〜11dの研磨面には網目状に排出溝10aが形成される。
第1回目と第2回目の排出溝形成工程においては、分割定盤11a〜11bの領域外にある定盤10の上面にも排出溝10aが形成されるが、定盤10の上面に形成される排出溝10aは実際のワークの加工には使用されない。第1回目と第2回目の排出溝形成工程は、分割定盤11a〜11dの上面(研磨面)に排出溝10aを形成することを目的としている。
なお、分割定盤11a〜11dの上面に排出溝10aを形成する際には、ワークを研磨加工した際にワークの研磨面になるべく加工痕が残らないようなピッチで排出溝10aを形成するのがよい。磁気ヘッドの製造に用いられるロウバーの加工では10μ〜20μm程度の間隔で排出溝10aを形成している。
第2回目の排出溝形成工程の後、定盤10から分割定盤11a〜11dを取り出し、図2(a)に示すように、それぞれの分割定盤11a〜11dの研磨面に研磨砥粒16を埋め込む処理を行う。
分割定盤11a〜11dの研磨面に研磨砥粒16を埋め込む方法は、図4に示す従来の方法と同様であり、分割定盤11a〜11dを回転させながら、分割定盤の研磨面にのせたセラミックリング14に研磨砥粒16を供給し、セラミックリング14と分割定盤の研磨面とを摺り合わせて研磨砥粒16を埋め込む。
分割定盤11a〜11dの研磨面に研磨砥粒16を埋め込む操作は、各々の分割定盤11a〜11dごとに別個に行われる。したがって、分割定盤11a〜11dに研磨砥粒16を埋め込む際に、粗さの異なる研磨砥粒を別個に各々の分割定盤11a〜11dに埋め込むことができる。すべての分割定盤11a〜11dの研磨面を、互いに異なる粗さの研磨面に形成する必要はないが、たとえば、分割定盤11aから11b、11c、11dの順に、粗い砥粒から細かい仕上げ砥粒に、段階別に粗さの異なる研磨砥粒を埋め込めば、4段階に粗さの異なる研磨面が形成される。
なお、分割定盤11a〜11dの研磨面に研磨砥粒16を埋め込む際に、必要に応じて、その前工程で分割定盤11a〜11dの上面を研磨し、排出溝10aを形成した際に分割定盤11a〜11dの上面に形成された尖った山形の頂部を平坦化し、研磨砥粒が埋め込まれる研磨面を形成するようにすることができる。
本発明のように、分割定盤11a〜11dの研磨面に研磨砥粒16を埋め込む方法は、定盤10の全体に研磨砥粒16を埋め込む操作と比較して簡単であるという利点もある。
図2(b)は、分割定盤11a〜11dの各々の研磨面に異なる粗さの研磨砥粒16a、16b、16c、16dを埋め込んだ後、これらの分割定盤11a〜11dを定盤10に再セットした状態を示す。各々の分割定盤11a〜11dの研磨面には互いに交差する配置に多数本の排出溝10aが形成され、分割定盤11a〜11dの研磨面には粗さの異なる研磨砥粒16a、16b、16c、16dが埋め込まれている。
定盤10に分割定盤11a〜11dをセットした際に、必要に応じて調節ねじ34により分割定盤11a〜11dを位置調整する。分割定盤11a〜11dには排出溝10aが交差する網目状の排出溝が形成されているから、定盤10に分割定盤11a〜11dをセットする際の分割定盤11a〜11dの向きはさほど問題にならない。
定盤10に分割定盤11a〜11dをセットした後、ワーク20を研磨する。たとえば、磁気ヘッドを形成する工程でロウバーを研磨加工する際には、図2(b)に示すように、定盤10を回転させながら、揺動機構18によってワーク20を揺動させながら研磨する。揺動機構18に設けられた往復動機構18aによってワーク20を定盤10の径方向に往復動させつつ、支持機構18bによりワーク20を支持しながら定盤10に向けてワーク20を押接して研磨することができる。
実際には、分割定盤11a、11b、11c、11dが配置されている各々の研磨領域でワーク20を径方向に往復動させ、潤滑液19を滴下しながら研磨する。定盤10の回転速度は遅いから、分割定盤11a、11b、11c、11dが通過する時間内(研磨領域内)で研磨することができる。ロウバーなどの加工では、粗研磨と仕上げ研磨の2段階の研磨となるから、粗い研磨面を備える分割定盤で研磨を行った後、仕上げ用の研磨面を備える分割定盤で仕上げ研磨を行えばよい。この場合は、4つの分割定盤11a〜11dのうち、2つの分割定盤11a、11cを粗研磨用とし、残りの2つの分割定盤11b、11dを仕上げ研磨用とすればよい。
ワークを研磨する際に一つの研磨領域では研磨量が不足する場合には、4つの分割定盤11a〜11dのうち、2つの分割定盤11a、11bを続けて粗研磨用とし、残りの分割定盤11c、11dを仕上げ研磨用とすることもできる。また、研磨量がさらに不足する場合には、定盤10を1周させて所用の研磨領域が戻ってきたところで再度、研磨加工を施すように制御することもできる。
本研磨装置において特徴的な構成は、一つの研磨用の定盤に、研磨粗さの異なる複数の研磨領域が設けられていることであり、これらの研磨領域が定盤をくり抜いて形成した分割定盤11a〜11dを、定盤10のくり抜き穴に再セットして設けられていることにある。分割定盤11a〜11dには研磨面に排出溝10aが交差する網状の形態に形成されていること、分割定盤11a〜11dは研磨面に研磨砥粒が埋設されて設けられていることが特徴である。
したがって、本研磨装置を用いて研磨加工する際には、粗研磨と仕上げ研磨といった粗さが異なる研磨加工を段階を追って施す場合でも1台の研磨装置によって加工することができ、研磨工程ごとに別の研磨装置にワークをのせかえるといた必要がなく、きわめて効率的にワークを研磨加工することが可能になる。また、複数の研磨加工工程がある場合でも1台の研磨装置で加工でき研磨装置を何台も用意する必要がないという利点もある。
また、一つの定盤からくり抜いた分割定盤11a〜11dを定盤10に再セットして研磨定盤とすることで、研磨工程ごとにまったく別の研磨定盤を使用する場合と比較して、定盤の面精度、形態が均一となり、ワークの片当たりといった研磨装置に起因するばらつきを抑えることができ、研磨研磨工程ごとに安定した研磨加工ができるという利点もある。
また、本実施形態では、各々の分割定盤11a〜11dの研磨面に形成する排出溝10aを交差状(網目状)に形成したが、これは、定盤10から分割定盤11a〜11dをくり抜き、分割定盤11a〜11dの向きを変えて排出溝形成工程を施す操作を行うことで形成したものである。排出溝10aを交差状(網目状)に形成すると、単なる平行線状に排出溝10aを形成した場合と比較して、ワーク20を研磨加工した際に生じるスラッジが排出溝10aに排出されるまでの距離が短縮でき、いいかえればスラッジが容易に排出溝10aに排出されることによって、効率的な研磨加工が可能となる。
分割定盤11a〜11dの研磨面に第2回目の排出溝10aを形成する際に、分割定盤11a〜11dをまわす角度(偏位させる角度)を調節することによって排出溝10aの交差角度を変えることができる。研磨加工の内容によっては、排出溝10aの交差角度を調節することによって、製品の表面に残る加工痕の表れかたを変えることができ、本発明の研磨装置では排出溝10aの交差角度を変えることも容易であり、これによってさらに的確な研磨加工が可能になる。
また、上述した実施形態では、排出溝10aを形成する工程を2回としたが、排出溝形成工程を3回以上設定することも可能である。また、製品によっては排出溝10aを交差状に形成せず、従来のような平行状に排出溝10aを形成することで十分な研磨加工を施すことができる場合がある。そのような場合には、分割定盤の研磨面に交差状に排出溝10aを設けなくてもよく、定盤10に複数の研磨粗さの異なる研磨領域を配置するだけでも有効である。
また、図3に示すように、バックプレート30に分割定盤11a〜11dをセットした状態で、くり抜き穴の内周面と分割定盤11a〜11dの周側面との間に形成された隙間36は、ワーク20を研磨加工する際に生じたスラッジを排出する排出路として利用される。また、分割定盤11a〜11dを定盤10のくり抜き穴にセットする際には、隙間36に潤滑液を流しながらセットするようにすると簡単にセットできる。
前述したように、定盤10に形成する分割定盤の配置数は適宜選択可能であり、研磨工程にあわせてもっとも効率的な配置に分割定盤を配置することができる。また、分割定盤の研磨面に埋め込む研磨砥粒も適宜選択することが可能であり、研磨工程また製品に応じて種々の形態の研磨装置として容易に提供できる点においても有効である。
(付記1)
研磨用の定盤を備えた研磨装置であって、
前記定盤は、該定盤を厚さ方向にくり抜いて形成された2個以上の分割定盤を、前記定盤のくり抜き穴に各々挿入して組み立てられ、
前記分割定盤は、研磨面にスラッジを排出する排出溝が多数本形成され、
前記定盤は、少なくとも2種類の研磨粗さの異なる研磨面を有する分割定盤を備えていることを特徴とする研磨装置。
(付記2)
前記分割定盤は、前記定盤の中心線の回りの周方向に均等に配置されていることを特徴とする付記1記載の研磨装置。
(付記3)
前記分割定盤は、前記研磨面に前記排出溝が交差状に形成されていることを特徴とする付記1または2記載の研磨装置。
(付記4)
前記分割定盤は、上面に研磨砥粒が埋め込まれて研磨面に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の研磨装置。
(付記5)
前記定盤を支持するバックプレートを備え、
前記バックプレートに、前記分割定盤と同一の平面形状に形成され、前記分割定盤を位置合わせして支持する支持プレートが設けられていることを特徴する請求項1〜3のいずれか一項記載の研磨装置。
(付記6)
前記支持プレートには、位置調節機構が設けられていることを特徴とする付記5記載の研磨装置。
(付記7)
研磨装置に用いられる研磨用の定盤の製作方法であって、
上面が平坦面に形成された定盤から、2個以上の分割定盤を、該定盤を厚さ方向にくり抜いて形成する工程と、
前記定盤に形成されたくり抜き穴に前記分割定盤をセットし、該定盤を回転させながらダイヤモンドバイトを径方向に移動させ、前記定盤および分割定盤の上面に渦巻き状に排出溝を形成する工程と、
前記排出溝が形成された分割定盤について、個別にその上面に研磨砥粒を埋め込み、分割定盤の上面を研磨面に形成する工程と、
前記研磨面が形成された分割定盤を前記定盤のくり抜き穴にセットする工程とを備えていることを特徴とする定盤の製作方法。
(付記8)
前記分割定盤の上面に排出溝を形成した後、分割定盤の上面を研磨し、前記排出溝を形成した際に分割定盤の上面に形成された尖った山形の頂部を平坦化する工程を備えていることを特徴とする付記7記載の定盤の製作方法。
(付記9)
前記分割定盤の上面に排出溝を形成した後、前記分割定盤を軸線のまわりに所定角度偏位させて前記定盤のくり抜き穴にセットする工程と、
定盤を回転させながらダイヤモンドバイトを径方向に移動させ、分割定盤の上面に先に形成された排出溝と溝方向を交差させる配置として排出溝を形成する工程とを備えていることを特徴とする付記7記載の定盤の製作方法。
研磨装置に用いる定盤の製作工程を示す説明図である。 研磨装置に用いる定盤の製作工程と研磨装置を用いてワークを研磨する方法を示す説明図である。 定盤を支持するバックプレートの構成を示す断面図である。 研磨装置に用いる定盤の従来の製作工程を示す説明図である。
符号の説明
10 定盤
10a 排出溝
11a、11b、11c、11c 分割定盤
12 ダイヤモンドバイト
14 セラミックリング
16 研磨砥粒
16a、16b、16c、16d 研磨砥粒
18 揺動機構
18a 往復動機構
18b 支持機構
19 潤滑液
20 ワーク
30 バックプレート
32 支持プレート
32a 突起
34 調節ねじ
110 凹孔

Claims (6)

  1. 研磨用の定盤を備えた研磨装置であって、
    前記定盤は、該定盤を厚さ方向にくり抜いて形成された2個以上の分割定盤を、前記定盤のくり抜き穴に各々挿入して組み立てられ、
    前記分割定盤は、研磨面にスラッジを排出する排出溝が多数本形成され、
    前記定盤は、少なくとも2種類の研磨粗さの異なる研磨面を有する分割定盤を備えていることを特徴とする研磨装置。
  2. 前記分割定盤は、前記研磨面に前記排出溝が交差状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の研磨装置。
  3. 前記分割定盤は、上面に研磨砥粒が埋め込まれて研磨面に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の研磨装置。
  4. 前記定盤を支持するバックプレートを備え、
    前記バックプレートに、前記分割定盤と同一の平面形状に形成され、前記分割定盤を位置合わせして支持する支持プレートが設けられていることを特徴する請求項1〜3のいずれか一項記載の研磨装置。
  5. 研磨装置に用いられる研磨用の定盤の製作方法であって、
    上面が平坦面に形成された定盤から、2個以上の分割定盤を、該定盤を厚さ方向にくり抜いて形成する工程と、
    前記定盤に形成されたくり抜き穴に前記分割定盤をセットし、該定盤を回転させながらダイヤモンドバイトを径方向に移動させ、前記定盤および分割定盤の上面に渦巻き状に排出溝を形成する工程と、
    前記排出溝が形成された分割定盤について、個別にその上面に研磨砥粒を埋め込み、分割定盤の上面を研磨面に形成する工程と、
    前記研磨面が形成された分割定盤を前記定盤のくり抜き穴にセットする工程とを備えていることを特徴とする定盤の製作方法。
  6. 前記分割定盤の上面に排出溝を形成した後、前記分割定盤を軸線のまわりに所定角度偏位させて前記定盤のくり抜き穴にセットする工程と、
    定盤を回転させながらダイヤモンドバイトを径方向に移動させ、分割定盤の上面に先に形成された排出溝と溝方向を交差させる配置として排出溝を形成する工程とを備えていることを特徴とする請求項5記載の定盤の製作方法。
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