JP2008285768A - 木質繊維板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 軽量で断熱性に優れたいるにもかかわらず、高硬度、高強度を有する木質繊維板を湿式抄造法によって生産性よく製造する。
【解決手段】 木質繊維を主体とし、少なくとも接着剤として水分や木質繊維の水酸基と反応して一次強度を発生するイソシアネート基を含有する接着剤を使用し、この接着剤を水に添加、分散させてなるスラリーを抄造して湿潤マットを形成する際に、該湿潤マットの含水率が170%以上とし、且つ、このように高い含水率にもかかわらず、上記イソシアネート基を含有する接着剤による一次強度の発生によって湿潤マットを保形し、この状態にして加熱乾燥することにより、密度が低いにもかかわらず、高硬度、高強度の木質繊維板を得る。
【選択図】 図1
【解決手段】 木質繊維を主体とし、少なくとも接着剤として水分や木質繊維の水酸基と反応して一次強度を発生するイソシアネート基を含有する接着剤を使用し、この接着剤を水に添加、分散させてなるスラリーを抄造して湿潤マットを形成する際に、該湿潤マットの含水率が170%以上とし、且つ、このように高い含水率にもかかわらず、上記イソシアネート基を含有する接着剤による一次強度の発生によって湿潤マットを保形し、この状態にして加熱乾燥することにより、密度が低いにもかかわらず、高硬度、高強度の木質繊維板を得る。
【選択図】 図1
Description
本発明は、畳床や断熱材、或いは壁材などのパネルの芯材等としての使用に適した軽量で高硬度の木質繊維板の製造方法に関するものである。
従来より、湿式抄造法によって製造される木質繊維板は、軽量で且つ断熱性を有するために、畳床や断熱材、パネル芯材等として広く使用されているが、軽量で断熱性を有する木質繊維板は強度や硬度において劣るものであり、その密度を高めると、高強度、高硬度を実現することができるが、重量が増加して断熱性が低下することになる。密度を高めることなく木質繊維板に高強度、高硬度の物性を付与するには、木質繊維板に対する接着剤の使用割合を相対的に多くしたり、高性能の接着剤を使用して木質繊維との結合力を上げることが考えられるが、湿式抄造法では、湿潤マットの成形、脱水時に多くの接着剤が水分と共に流出し、接着剤の歩留りが悪くなって硬度の増大等の所望の効果が十分に得られず、製造コストも上昇する共に生産性が低いといった問題点がある。
このため、例えば、特許文献1に記載されているように、湿式抄造工程において得られる湿潤マットの表面に接着剤としてレゾール型フェノール樹脂乳濁液を塗布したのち、加熱乾燥させることにより接着剤をマット表面に定着させ、軽量であるにもかかわらず、曲げ強度や表面硬度等に優れた木質繊維板を製造する方法が開発されている。
しかしながら、上記のような木質繊維板の製造方法によれば、湿潤マットを加熱乾燥する前に接着剤の塗布工程を必要として生産性が低下するばかりでなく、木質繊維からなる湿潤マットはポーラスであるため、単に湿潤マットの表面に接着剤を塗布するだけでは表面の木質繊維に接着剤を均等に浸透付着させることが困難であり、得られる木質繊維板の品質が不均一になる虞れがあった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、軽量で断熱性に優れ、且つ、高硬度、高強度の木質繊維板を生産性よく製造することができる木質繊維板の製造方法を提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明の木質繊維板の製造方法は、請求項1に記載したように、木質繊維を主体とし、少なくともイソシアネート基を含有する接着剤を水に添加、分散させてスラリーを調製し、このスラリーを湿式抄造して得た湿潤マットを脱水、乾燥させることにより木質繊維板を製造する方法において、上記イソシアネート基を含有する接着剤と水及び木質繊維の水酸基との反応による一次強度の発生により湿潤マットに保形性を付与し、湿潤マットをその含水率が170%以上の状態から加熱乾燥することを特徴とする。
上記請求項1に記載の木質繊維板の製造方法において、請求項2に係る発明は、イソシアネート基を含有する接着剤のイソシアネート基と反応する物質を、スラリーまたは該スラリーから抄造して得られた湿潤マットに添加することを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、水の存在下で速やかに接着力を発揮するイソシアネート基を含有する接着剤を木質繊維と共に水に添加してスラリーを調製し、このスラリーから木質繊維の湿潤マットを抄造し、この湿潤マットの含水率を170%以上に保持するので、プレスによる湿潤マット成形時における水分と共に流出する接着剤の流出量を少なくしてイソシアネート基を含有する該接着剤を歩留り良く湿潤マット内に含有させることができる。そして、湿潤マットの含水率を上記のように170%以上に保持した状態で加熱乾燥するので、接着剤の添加量が少量であっても、木質繊維同士の結合力を大きくすることができ、軽量で高強度、高硬度の木質繊維板を得ることができる。
また、湿潤マットの抄造時には、上記イソシアネート基を含有する接着剤が湿潤マット内の含有水及び木質繊維の水酸基と反応してウエア基を生成し、早期に一次強度を発生させることができるものであり、そのため、従来から保形性が低くてロールコンベア等での搬送が困難であった低密度で高含水率の湿潤マットであっても、変形させることなく搬送することができ、生産性の効率化を図ることができる。
さらに、イソシアネート基を含有する接着剤を水及び木質繊維の水酸基と反応させてウレア基を生成することにより一次強度を発生させる上記工程に引き続いて、該湿潤マットを加熱乾燥して上記イソシアネート基を含有する接着剤およびその他の含有する接着剤を最終硬化させて二次強度を発生させるので、軽量で高強度、高硬度の木質繊維板を能率よく製造することができる。
請求項2に係る発明によれば、上記イソシアネート基を含有する接着剤のイソシアネート基と反応する物質を、スラリーまたは該スラリーから抄造して得られた湿潤マットに添加するものであるから、請求項1に係る発明の効果に加えて、イソシアネート基と反応する物質を同時に添加することによりイソシアネート基を含有する接着剤の反応を高めて短時間の熱圧反応でより強固な結合を可能とし、木質繊維板の強度や硬度の向上を図ることができる。
次に、本発明の木質繊維板の製造方法を具体的に説明すると、湿式抄造法によって木質繊維を主体とし、少なくともイソシアネート基を含有する接着剤を水に添加してなるスラリーを調製したのち、このスラリーを抄造して湿潤マットを形成し、この湿潤マットを脱水、乾燥させることにより木質繊維板を製造する。この際、木質繊維板を構成する木質繊維としてはその種類を限定するものではなく、針葉樹、広葉樹を問わないし、建築廃材・パレット廃材等、由来の繊維あるいはパルプ、麻、亜麻等の植物繊維も利用できる。尚、木質繊維はイソシアネート基と反応しやすい水酸基を有するので、無機質等を使用する場合には得られない、より強い結合力を得ることができる。
上記イソシアネート基を含有する接着剤としては、モノメリックMDI(4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート)、ポリメリックMDI、TDI(トリレンジイソシアネート)、XDI(キシリレンジイソシアネート)、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、H12MDI(4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート))、IPDI(イソホロンジイソシアネート)およびそれらの各種ポリオール(低分子量ポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートジオール類、アクリルポリオール類、シリコンポリオール類、2−ヒドロキシエチルアクリレート類)や、二塩基酸(アゼライン酸、アジピン酸、セバチン酸、イソフタル酸、テレフタル酸等)、各種エポキシ樹脂、ひまし油、液状ポリブタジエン、ネオプレンなどの活性水素化合物などとの反応物、または、各種変性を加えることや各種界面活性剤との混合により水への分散性を向上させたものや、ポットライフを長くするためにイソシアネート基をブロックしたものを含む各種変性品があげられ、これらを単独あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
このイソシアネート基を含有する接着剤の添加量は、3〜7重量%であることが好ましい。添加量が3重量%よりも少ないとこの接着剤による接着効果が発現し難くなり、7重量%より多いと湿潤マットの成形、脱水の際に流出する接着剤の量が多くなるだけで接着効果が上がらず、生産性が低くなるからである。
また、イソシアネート基を含有する接着剤の反応を高めて短時間の加熱反応で強固な結合を可能とするために、水以外のイソシアネート基反応性物質を添加して湿潤マットを加熱乾燥する工程中で反応させ、ウレタン、ウレア、アミド、ビューレット、アシルウレア、アロファネート等を生成するようにしてもよい。
このようなイソシアネート基反応性物質としては、各種ポリオール(低分子量ポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートジオール類、アクリルポリオール類、シリコンポリオール類等)、一般には各種ポリプロピレングリコール(以下PPGという)(エチレンオキサイド変性PPG、一級OH化PPG、ビスフェノールA変性PPG、ロジン変性PPG等)、各種ポリエチレングリコール、各種ポバール、ポリブタジエンポリオール、水素添加ポリブタジエンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエステルポリオール、ひまし油系ポリオール、アクリルポリオール等であり、また、2−ヒドロキシエチルアクリレートやアミノ基をもつ化合物(アクリルアマイド類、尿素化合物類、各種ジアミン類等)や、二塩基酸類(アゼライン酸、アジピン酸、セバチン酸、イソフタル酸、テレフタル酸等)、酢酸ビニール類等のカルボキシル基をもつ化合物や、各種エポキシ樹脂化合物、ひまし油、液状ポリブタジエン、ネオプレン等の活性水素化合物等があげられる。また、これらを単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することが可能であることは勿論である。
一方、二次強度を発現して木質繊維板に強度を付加する接着剤として、例えばフェノール、ポバール、エポキシ、スターチ等が単独あるいは2種以上組み合わせて使用し、上記イソシアネート基を含有する接着剤やイソシアネート基反応性物質と共に水に添加、分散させてスラリーを調製してもよい。なお、イソシアネート基を含有する接着剤においても一次強度を発現した後、加熱乾燥によりさらに二次強度を発現するものである。また、ポバール、スターチ等の水中でゲル化する物質は一次強度を付加する作用も併せ持っている。これらの接着剤は十分に熱硬化させなければ強度が発現されないが、前記イソシアネート基を含有する接着剤によって一次強度を発現し、この一次強度によって形状を保持した湿潤マットを加熱乾燥することにより、効率的かつ十分に熱硬化させ、木質繊維板として必要な二次強度を発現させることができる。
なお、スラリーから湿式抄造するため、必要に応じてサイズ剤、凝集剤、消泡剤等の抄造用添加剤を適宜添加しても良い。さらに必要に応じて、接着剤としての機能を兼ね備えた熱融着繊維を使用してもよい。
木質繊維板の製造方法としては、上記木質繊維とイソシアネート基を含有する接着剤、上記二次強度を発現するフェノール、ポバール、エポキシ、スターチ等の接着剤、及びイソシアネート基と反応する物質を水中に適宜投入、攪拌して所定の手順で凝集剤およびその他の抄造用添加剤を加えて固形分が数%のスラリーを調製し、長網式または丸網式等の抄造機、例えば、図1に示すように、丸網式湿式抄造機1によって上記スラリー2を抄造して湿潤マット3を形成する。即ち、スラリー2を丸網式湿式抄造機1のドラムにより吸着しながらフォーミングプレス4によって浸潤マット3を形成する。
フォーミングプレス4によって形成される湿潤マット3の含水率は特に制限を受けないが、250%以下が望ましい。含水率が250%より高いと、湿潤マット3の保形性が悪くなって、フォーミングプレス4からロールコンベア5によりウェットプレス6に搬送することが困難となるからである。
このように抄造された湿潤マット3はロールコンベア5上を搬送されてウェットプレス6に搬入され、ウェットプレス6によりその表面形状が整えられる。この際、この湿潤マット3の含水率は少なくとも170%以上を保持するように成形する。ウェットプレス6によって形成される湿潤マット3の含水率は、170%よりも低いと、プレス時における水分と共に流出する接着剤の量が多くなって接着効果が低下することになる。なお、ウェットプレス6によって形成される湿潤マット3の含水率の上限は特に制限を受けないが、230%より高いと、湿潤マット3の保形性が悪くなって、次の乾燥工程となる熱風ドライヤに搬送することが困難となり、また、乾燥時間も長時間必要となって生産性が低下するので、230%以下の含水率としておくことが望ましい。
なお、イソシアネート基を含有する接着剤を投入、添加してスラリーを調製したのちウェットプレス6に搬入するまでに要する時間中に、スラリーに添加しているイソシアネート基を含有する接着剤が水及び木質繊維の水酸基と反応し、一次強度を発現させて湿潤マットとして十分な強度と形状を保持できる保形性とを付与できるように、時間等を調整することが製造上、好ましい。なお、ウェットプレス6は熱圧プレスとしてもよい。この場合、湿潤マット中のイソシアネート基を含有する接着剤の反応が促進されるので、プレス処理時間の短縮が可能となる。
このようにして得た湿潤マット3をウェットプレス6からさらに熱風ドライヤ(図示せず)側に連続的に搬送し、該熱風ドライヤによって100 ℃〜250 ℃で乾燥し、イソシアネート基を含有する接着剤のみならず、湿潤マット3に含まれた他の接着剤、例えばフェノール系接着剤などの脱水縮合系を含めた接着剤の反応を十分に行うことで、より強固な乾燥体である木質繊維板を生産性良く得ることができる。
また、イソシアネート基を含有する接着剤、および、イソシアネート基と反応する物質の添加方法については、上記に示したようにスラリー中に全部を投入したのち、凝集剤で凝集させる方法が歩留りも良く好ましいが、それ以外に他の材料を投入して凝集剤を加えた後に添加をしても良いし、抄造して得た湿潤マットにイソシアネート基を含有する接着剤を噴霧等の手法で添加しても良い。湿潤マットにこのイソシアネート基を含有する接着剤を添加する場合は、該湿潤マットの下面側から吸引すると噴霧液が湿潤マットの内部まで浸透し好ましい。これらの手法によれば、イソシアネート基を含有する接着剤を添加したスラリー中での、イソシアネート基のポットライフの低下を考慮しなくても済む利点がある。なお、液状にした結合剤、イソシアネート基と反応する物質等も上記噴霧等の手法により同様に添加することが可能であることは勿論である。次に、本発明の実施例と比較例とを示す。
〔実施例1〕
木質繊維を78重量%と、イソシアネート基を含有する接着剤としてポリメリックMDIを5重量%、その他の接着剤として粉末フェノールを5.3重量%、石油樹脂を4.2重量%、アスファルトを1.1重量%、スターチを5重量%、サイズ剤を0.9重量%とを水中で攪拌混合してスラリーを調製し、このスラリー中に凝集剤を0.5重量%添加して凝集させた後、抄造して湿潤マットを得た。この湿潤マットをロールプレス機でウェットプレスをかけて成形した。このときの湿潤マットの含水率は173%であった。次いで、この湿潤マットを180℃のドライヤーで加熱乾燥して密度が0.37g/cm3 、厚さが12mmの木質繊維板を得た。得られた木質繊維板をJIS A 5905に準じて曲げ試験を行った。さらに圧縮硬度試験として、木質繊維板に直径20mmの鋼製円柱を2.0mm押し込むのに必要な力を測定した。これらの結果を下記表1に示す。
木質繊維を78重量%と、イソシアネート基を含有する接着剤としてポリメリックMDIを5重量%、その他の接着剤として粉末フェノールを5.3重量%、石油樹脂を4.2重量%、アスファルトを1.1重量%、スターチを5重量%、サイズ剤を0.9重量%とを水中で攪拌混合してスラリーを調製し、このスラリー中に凝集剤を0.5重量%添加して凝集させた後、抄造して湿潤マットを得た。この湿潤マットをロールプレス機でウェットプレスをかけて成形した。このときの湿潤マットの含水率は173%であった。次いで、この湿潤マットを180℃のドライヤーで加熱乾燥して密度が0.37g/cm3 、厚さが12mmの木質繊維板を得た。得られた木質繊維板をJIS A 5905に準じて曲げ試験を行った。さらに圧縮硬度試験として、木質繊維板に直径20mmの鋼製円柱を2.0mm押し込むのに必要な力を測定した。これらの結果を下記表1に示す。
〔実施例2〕
上記実施例と同一のスラリーを抄造して得た湿潤マットをウェットプレスによって成形して含水率が175%の湿潤マットとし、この湿潤マットを180℃のドライヤーで加熱乾燥することにより密度が0.33g/cm3 、厚さが12mmの木質繊維板を得た。得られた木質繊維板をJIS A 5905に準じて曲げ試験を、JIS A 1412に準じて熱伝導率試験を行った。さらに圧縮硬度試験として、木質繊維板に直径20mmの鋼製円柱を2.0mm押し込むのに必要な力を測定した。これらの結果を下記表1に示す。
上記実施例と同一のスラリーを抄造して得た湿潤マットをウェットプレスによって成形して含水率が175%の湿潤マットとし、この湿潤マットを180℃のドライヤーで加熱乾燥することにより密度が0.33g/cm3 、厚さが12mmの木質繊維板を得た。得られた木質繊維板をJIS A 5905に準じて曲げ試験を、JIS A 1412に準じて熱伝導率試験を行った。さらに圧縮硬度試験として、木質繊維板に直径20mmの鋼製円柱を2.0mm押し込むのに必要な力を測定した。これらの結果を下記表1に示す。
〔実施例3〕
上記実施例と同一のスラリーを抄造して得た湿潤マットをウェットプレスによって成形して含水率が192%の湿潤マットとし、この湿潤マットを180℃のドライヤーで加熱乾燥することにより密度が0.29g/cm3 、厚さが12mmの木質繊維板を得た。得られた木質繊維板をJIS A 5905に準じて曲げ試験を行った結果を下記表1に示す。
上記実施例と同一のスラリーを抄造して得た湿潤マットをウェットプレスによって成形して含水率が192%の湿潤マットとし、この湿潤マットを180℃のドライヤーで加熱乾燥することにより密度が0.29g/cm3 、厚さが12mmの木質繊維板を得た。得られた木質繊維板をJIS A 5905に準じて曲げ試験を行った結果を下記表1に示す。
〔比較例1〕
上記実施例1〜3と同様に、木質繊維を78重量%と、イソシアネート基を含有する接着剤としてポリメリックMDIを5重量%、その他の接着剤として粉末フェノールを5.3重量%、石油樹脂を4.2重量%、アスファルトを1.1重量%、スターチを5重量%、サイズ剤を0.9重量%とを水中で攪拌混合してスラリーを調製し、このスラリー中に凝集剤を0.5重量%添加して凝集させた後、抄造して湿潤マットを得た。この湿潤マットをロールプレス機でウェットプレスをかけて水分を絞り出しながら成形した。このときの湿潤マットの含水率は110%であった。次いで、この湿潤マットを180℃のドライヤーで加熱乾燥して密度が0.39g/cm3 、厚さが12mmの木質繊維板を得た。得られた木質繊維板をJIS A 5905に準じて曲げ試験を、JIS A 1412に準じて熱伝導率試験を行った。さらに圧縮硬度試験として、木質繊維板に直径20mmの鋼製円柱を2.0mm押し込むのに必要な力を測定した。これらの結果を下記表1に示す。
上記実施例1〜3と同様に、木質繊維を78重量%と、イソシアネート基を含有する接着剤としてポリメリックMDIを5重量%、その他の接着剤として粉末フェノールを5.3重量%、石油樹脂を4.2重量%、アスファルトを1.1重量%、スターチを5重量%、サイズ剤を0.9重量%とを水中で攪拌混合してスラリーを調製し、このスラリー中に凝集剤を0.5重量%添加して凝集させた後、抄造して湿潤マットを得た。この湿潤マットをロールプレス機でウェットプレスをかけて水分を絞り出しながら成形した。このときの湿潤マットの含水率は110%であった。次いで、この湿潤マットを180℃のドライヤーで加熱乾燥して密度が0.39g/cm3 、厚さが12mmの木質繊維板を得た。得られた木質繊維板をJIS A 5905に準じて曲げ試験を、JIS A 1412に準じて熱伝導率試験を行った。さらに圧縮硬度試験として、木質繊維板に直径20mmの鋼製円柱を2.0mm押し込むのに必要な力を測定した。これらの結果を下記表1に示す。
〔比較例2〕
木質繊維を77.6重量%と、接着剤として粉末フェノールを10重量%、石油樹脂を8重量%、アスファルトを2重量%、スターチを1重量%、サイズ剤を0.9重量%とを水中で攪拌混合してスラリーを調製し、このスラリー中に凝集剤を0.5重量%添加して凝集させた後、抄造して湿潤マットを得た。この湿潤マットをロールプレス機でウェットプレスをかけて水分を絞り出しながら成形した。このときの湿潤マットの含水率は120%であった。次いで、この湿潤マットを180℃のドライヤーで加熱乾燥して密度が0.35g/cm3 、厚さが12mmの木質繊維板を得た。得られた木質繊維板をJIS A 5905に準じて曲げ試験を行った結果を下記表1に示す。
木質繊維を77.6重量%と、接着剤として粉末フェノールを10重量%、石油樹脂を8重量%、アスファルトを2重量%、スターチを1重量%、サイズ剤を0.9重量%とを水中で攪拌混合してスラリーを調製し、このスラリー中に凝集剤を0.5重量%添加して凝集させた後、抄造して湿潤マットを得た。この湿潤マットをロールプレス機でウェットプレスをかけて水分を絞り出しながら成形した。このときの湿潤マットの含水率は120%であった。次いで、この湿潤マットを180℃のドライヤーで加熱乾燥して密度が0.35g/cm3 、厚さが12mmの木質繊維板を得た。得られた木質繊維板をJIS A 5905に準じて曲げ試験を行った結果を下記表1に示す。
〔比較例3〕
木質繊維を90重量%と、接着剤として石油樹脂を6.1重量%、アスファルトを1.5重量%、スターチを1重量%、サイズ剤を0.9重量%とを水中で攪拌混合してスラリーを調製し、このスラリー中に凝集剤を0.5重量%添加して凝集させた後、抄造して湿潤マットを得た。この湿潤マットをロールプレス機でウェットプレスをかけて水分を絞り出しながら成形した。このときの湿潤マットの含水率は120%であった。次いで、この湿潤マットを180℃のドライヤーで加熱乾燥して密度が0.31g/cm3 、厚さが12mmの木質繊維板を得た。得られた木質繊維板をJIS A 5905に準じて曲げ試験を行った結果を下記表1に示す。
木質繊維を90重量%と、接着剤として石油樹脂を6.1重量%、アスファルトを1.5重量%、スターチを1重量%、サイズ剤を0.9重量%とを水中で攪拌混合してスラリーを調製し、このスラリー中に凝集剤を0.5重量%添加して凝集させた後、抄造して湿潤マットを得た。この湿潤マットをロールプレス機でウェットプレスをかけて水分を絞り出しながら成形した。このときの湿潤マットの含水率は120%であった。次いで、この湿潤マットを180℃のドライヤーで加熱乾燥して密度が0.31g/cm3 、厚さが12mmの木質繊維板を得た。得られた木質繊維板をJIS A 5905に準じて曲げ試験を行った結果を下記表1に示す。
この表から明らかなように、実施例1と比較例1とを比較すると、実施例1の木質繊維板はその密度が比較例1の木質繊維板よりも低いにもかかわらず、圧縮強度が高いものとなっている。また、実施例2と比較例2、及び、実施例3と比較例3を比較すると、実施例2と実施例3の木質繊維板は、密度が比較例2、比較例3の木質繊維板よりも低いにもかかわらず、曲げ強度がそれぞれ高いものとなっている。さらに、実施例2の木質繊維板は、比較例1の木質繊維板よりも熱伝導率が低く、断熱性が高いものとなっていることが理解できる。
1 丸網式湿式抄造機
2 スラリー
3 湿潤マット
4 フォーミングプレス
6 ウェットプレス
2 スラリー
3 湿潤マット
4 フォーミングプレス
6 ウェットプレス
Claims (2)
- 木質繊維を主体とし、少なくともイソシアネート基を含有する接着剤を水に添加、分散させてスラリーを調製し、このスラリーを湿式抄造して得た湿潤マットを脱水、乾燥させることにより木質繊維板を製造する方法において、上記イソシアネート基を含有する接着剤と、水及び木質繊維の水酸基との反応による一次強度の発生により湿潤マットに保形性を付与し、湿潤マットをその含水率が170%以上の状態から加熱乾燥することを特徴とする木質繊維板の製造方法。
- イソシアネート基を含有する接着剤のイソシアネート基と反応する物質を、スラリーまたは該スラリーから抄造して得られた湿潤マットに添加することを特徴とする請求項1に記載の木質繊維板の製造方法。
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