JP2008265602A - 車両の速度制御システム、及び速度制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の自動速度制御において、道路勾配及び車両質量の両者に配慮した速度制御を行う。
【解決手段】車両の速度制御システムは、車両に加わる力であって車両の安定走行が可能とされる力の限界である限界値を記憶する限界値記憶手段と、道路勾配を算出する勾配算出手段と、車両質量を算出する質量算出手段と、前記道路勾配と前記車両質量と前記限界値とを用いて、車両速度を決定する車両速度決定手段とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】車両の速度制御システムは、車両に加わる力であって車両の安定走行が可能とされる力の限界である限界値を記憶する限界値記憶手段と、道路勾配を算出する勾配算出手段と、車両質量を算出する質量算出手段と、前記道路勾配と前記車両質量と前記限界値とを用いて、車両速度を決定する車両速度決定手段とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両の速度制御技術に関する。
車両の自動速度制御の方法として、道路の勾配を考慮して減速度を決定する技術がある(特許文献1参照)。
しかし、走行速度をより適切に制御するためには、道路の勾配だけでなく、車両の質量も考慮しなければならない。従来の技術では、道路勾配及び車両質量の両者に配慮することは行っておらず、カーブ前や一時停止線前の速度制御が十分達成できるとは言えない。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的は、道路勾配及び車両質量の両者に配慮した速度制御を行うことにある。
上記課題を解決すべく、本発明は、道路勾配と車両質量とを推定し、速度制御に用いる。
例えば、本発明の車両の速度制御システムは、車両に加わる力であって車両の安定走行が可能とされる力の限界である限界値を記憶する限界値記憶手段と、道路勾配を算出する勾配算出手段と、車両質量を算出する質量算出手段と、前記道路勾配と前記車両質量と前記限界値とを用いて、速度制御に用いる車両速度を決定する車両速度決定手段とを備える。
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態が適用された車両速度制御システムの概略構成図である。
車両速度制御システムは、車両電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)100と、ナビゲーション装置200と、勾配・質量計算装置300と、速度制御装置400と、を備えて構成される。
ECU100は、エンジン制御を主目的として車両に搭載され、車両内の電子装置の制御を行う装置である。ECU100は、車載LANによって、他の装置(ナビゲーション装置200、勾配・質量計算装置300)とネットワーク化されており、車両トルクTや車両速度vを、ECUデータとして出力する。
ナビゲーション装置200は、現在位置を算出して、ユーザにより設定された目的地までの経路を探索し、液晶ディスプレイ等の表示装置を介して経路誘導情報を出力する装置である。そのため、GPS(Global Positioning System)受信装置からGPS信号(GPSデータ)を受信する機能を備えている。また、車両の周囲の状況を撮像するカメラ(例えば、車両前方を撮像するフロントビューカメラ)から撮像画像を取得する機能を備えている。また、道路に設置され交通情報を配信するビーコンからのビーコン信号を受信するための機能を備えている。また、ネットワークを通じて、いわゆるテレマティクスにより、天気を配信するセンタサーバ装置から天気情報を取得する機能も備えている。
また、ナビゲーション装置200は、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスクなどの記憶装置に、地図上の道路を構成するリンクの始点・終点の座標位置、リンク長などを含むリンクデータが格納された地図データ203を記憶している。
ナビゲーション装置200は、その機能部として、ナビゲーション処理部201と、速度プラン生成部202とを備える。ナビゲーション処理部201は、現在位置算出、経路探索、経路誘導などの、一般的なナビゲーション処理行う。また、ナビゲーション処理部201は、カメラ画像を取得して表示装置に表示したり、ビーコンやネットワークを通じて取得した天気情報を表示装置に表示したりする。また、ナビゲーション処理部201は、GPSデータを勾配・質量計算装置300に送ったり、天気情報を速度プラン生成部202に送ったりする。
速度プラン生成部202は、勾配・質量計算装置300から、車両質量Mと、路面抵抗(転がり抵抗)μと、道路勾配θとを受信し、これらを用いて、車両の速度制御に用いられる速度プランを生成する。速度プランには、経過時間に対応して車両の達成するべき速度が指定されている。速度プラン生成部202は、生成した速度プランを速度制御装置400に送る。
勾配・質量計算装置300は、車両トルクT及び車両速度vを含むECUデータと、道路高度を含むGPSデータとを受信し、これらに基づいて、車両質量M、路面抵抗μ、道路勾配θを求め、ナビゲーション装置200の速度プラン生成部202に出力する。そのため、勾配・質量計算装置300は、同期積分部301と、積分値記憶部302と、高度差記憶部303と、質量推定部304と、勾配計算部305とを備えている。
同期積分部301は、ECUデータから得られる物理量を、GPSデータの更新タイミングで積分し、積分値記憶部302に蓄積する処理を行う。また、GPSデータから得られる高度データから、道路の高度差を求め、高度差記憶部303に蓄積する処理を行う。
積分値記憶部302は、ECUデータに基づいて同期積分部301で生成した所定の物理量の積分値を蓄積する。
高度差記憶部303は、GPSデータに基づいて同期積分部301で生成した道路の高度差を蓄積する。
質量推定部304は、積分値記憶部302に蓄積された値と、高度差記憶部303に蓄積された値を用いて、予め定められた連立方程式を解くことにより、車両の質量を算出する処理を行う。
勾配計算部305は、ECUデータから得られる車両トルクT、車両速度v、質量推定部304で求められた車両質量M及び路面抵抗μ等と用いて、予め定められた式を解くことにより、道路勾配θを求める。
速度制御装置400は、ナビゲーション装置200の速度プラン生成部202から速度プランを受信し、受信した速度プランで指定された速度で車両が走行するように、車両のブレーキやアクセルの制御を行う。
これらの、ECU100、ナビゲーション装置200、勾配・質量計算装置300、速度制御装置400は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、他の装置とのインターフェース、これらを接続するバス、などからなるコンピュータシステムにより構成される。また、各装置の構成及び機能は、CPUがメモリにロードしたプログラムを実行することにより達成される。そのため、ROMには、各処理を行うためのプログラムが記憶されている。
<動作の説明> 次に、上記のように構成される速度制御システムの動作について説明する。
図2は、同期積分部301が行う積分値・高度差記憶処理の流れを示すフロー図である。
車両のエンジンが始動後(S11)、同期積分部301は、各種パラメータを初期化した後、ECU100からのECUデータの取得と、ナビゲーション装置200を介したGPSデータの取得とを開始する(S12)。
なお、GPSデータ(道路高度が含まれている)は、1秒毎に更新される。一方、ECUデータ(トルクT、車両速度vが含まれている)は、GPSデータの更新より短い間隔、ここでは10ミリ秒毎に更新される。勾配・質量計算装置300は、それぞれのデータを、更新されるたびに受信する。
同期積分部301は、GPSデータ(高度)が更新されるまでの間(S15でN)、更新周期の短いECUデータを更新される毎に取得して(S13)、次の物理量(1)〜(3)について積分値を求める(S14)。
(1)T/R−F
(2)v
(3)v×α
T:トルク(車輪軸)[N・m]
v:車両速度[m/s]
α:加速度[m/s2]=速度vの時間微分値
R:ギアとタイヤの半径込みの定数[m]
F:空気抵抗[N]=(車両速度v)2×(空気密度)×(断面積)×(定数Cd)/2
なお、空気密度、断面積、定数R、及び定数Cdは、予め定められているものとする。
(1)T/R−F
(2)v
(3)v×α
T:トルク(車輪軸)[N・m]
v:車両速度[m/s]
α:加速度[m/s2]=速度vの時間微分値
R:ギアとタイヤの半径込みの定数[m]
F:空気抵抗[N]=(車両速度v)2×(空気密度)×(断面積)×(定数Cd)/2
なお、空気密度、断面積、定数R、及び定数Cdは、予め定められているものとする。
GPSデータが更新されると(S15でY)、同期積分部301は、前回のGPSデータの高度と今回のGPSデータの高度との差(高度差)を求めて、高度差記憶部303に記憶させる(S16)。さらに、上述の物理量(1)〜(3)の積分値を、積分値記憶部302に記憶させる(S17)。
図3は、高度差記憶部303のGPSデータテーブル3030の構成を示す図である。高度差記憶部303は、GPSデータテーブル3030に、GPSデータの更新時刻t(1秒毎)3031に対応させて、高度差3032を格納する。
図4は、積分値記憶部302のECUデータテーブル3020の構成を示す図である。積分値記憶部302は、ECUデータテーブル3020に、GPSデータの更新時刻t(1秒毎)3021に対応させて、各物理量(T/R−F、v、v×α)の積分値3022を格納する。
こうして、GPSデータテーブル3030と、ECUデータテーブル3020への書き込みが終了すると、同期積分部301は、S13に戻って処理を続ける。
以上、図2の積分値・高度差記憶処理のフローについて説明した。かかるフローにより、GPSデータテーブル3030、及びECUデータテーブル3020には、次々とデータが蓄積される。
次に、道路勾配θと車両質量Mを求める処理について説明する。
図5は、勾配・質量計算処理のフロー図である。エンジン始動後(S21)、勾配計算部305は、ECUデータを受信するたびに(S22でY)、下記式により、道路勾配θの計算を行う(S23)。このとき、勾配計算部305は、質量推定部304により推定された最新の車両質量Mと路面抵抗μとを用いて道路勾配θを求める。
現在の道路勾配θ:
sinθ=T/MgR−α/g−μ−F/Mg
g:重力加速度=9.8[m/s2]
M:車両質量
μ:路面抵抗
(T,R,α,及びFは、上記と同じ意味を表す。)
そして、勾配計算部305は、計算した道路勾配θをナビゲーション装置200に出力する(S24)。すなわち、勾配計算分305は、ナビゲーション装置200に、ECUデータの更新周期である10ミリ秒ごとに、道路勾配θを出力することになる。
sinθ=T/MgR−α/g−μ−F/Mg
g:重力加速度=9.8[m/s2]
M:車両質量
μ:路面抵抗
(T,R,α,及びFは、上記と同じ意味を表す。)
そして、勾配計算部305は、計算した道路勾配θをナビゲーション装置200に出力する(S24)。すなわち、勾配計算分305は、ナビゲーション装置200に、ECUデータの更新周期である10ミリ秒ごとに、道路勾配θを出力することになる。
なお、車両質量Mと路面抵抗μとが求められていない場合、勾配計算部305は、S23、S24の処理をスキップする。
次に、勾配計算部305は、現時点が車両質量Mを計算するタイミングであるか否か判定する(S25)。なお、車両質量Mの計算タイミングは、予め定められており、例えば、エンジン始動後、30分ごとである。ただし、勾配計算部305は、カーブや停止線の所定距離手前(例えば、500m以内)を、車両質量Mの計算タイミングとしないようにしてもよい。
車両質量Mの計算タイミングでない場合(S25でN)、勾配計算分305は、S22に戻って処理を続行する。
一方、車両質量Mの計算タイミングである場合(S25でY)、勾配計算部305は、質量推定部304に、車両質量Mの推定を行うように指示する。これを受けて、質量推定部305は、車両質量Mの推定を行う(S26)。
質量推定部304は、GPSデータテーブル3030及びECUデータテーブル3020に格納されている値を用いて、次の連立方程式を解くことにより、車両質量M及び路面抵抗μを求める。
かかる連立方程式において、導変数は、MとMμの2つである。したがって、質量推定部304は、まず、MとMμを求めた後、μを求める。
なお、上記連立方程式の根拠は、次の通りである。
MとMμを求めるために、上記式に対して最小二乗(質量偏微分と路面抵抗偏微分)を行うと、上記式となる。
こうして、車両質量Mと路面抵抗μが求められる。質量推定部304は、推定した車両質量M及び路面抵抗μを、ナビゲーション装置200の速度プラン生成部202に出力する(S27)。そして、S22に戻って処理が続行されるようにする。
以上、図5のフローについて説明した。
次に、ナビゲーション装置200が行う速度プランの生成処理について説明する。図6は、かかる処理のフロー図である。速度プラン生成部202は、ナビゲーション装置の電源がONされると、かかるフローを開始する。なお、上記の通り、ナビゲーション装置200の速度プラン生成部202は、勾配・質量計算装置200から、車両質量M、路面抵抗μ、および道路勾配θを取得するものとする。
速度プラン生成部202は、車両の前方に減速ポイントがあるか否かを判定する(S31)。具体的には、ナビゲーション処理部201から、車両の現在位置を取得し、取得した現在位置の存在するリンクの前方の所定距離(例えば、500m)内に、減速ポイントがあるか否かにより判定する。なお、減速ポイントは、カーブの開始位置や停止線である。地図データには、減速ポイントの位置とその種類(例えば、カーブ開始位置か、停止線か)が予め格納されている。
前方に減速ポイントがある場合(S31でY)、速度プラン生成部202は、地図データを用いて、現在位置から減速ポイントまでの距離を計算する(S32)。
次に、速度プラン生成部202は、減速ポイントがカーブの開始位置であるか一時停止線であるかを判定する。
減速ポイントがカーブの開始位置である場合のみ(S33でY)、速度プラン生成部202は、カーブの曲率半径を求める(S34)。具体的には、地図データにそのカーブの曲率半径が格納されている場合は、その曲率を取得する。また、ビーコン信号に曲率半径が含まれている場合は、その曲率半径を取得する。また、カメラ画像を取得し、カメラ画像に含まれている前方道路の形から、そのカーブの曲率半径を算出して求めてもよい。なお、カメラ画像からカーブの曲率半径を求める方法は、既存の技術を用いることができる。
次に、速度プラン生成部202は、減速ポイントに到達するまでに車両に望まれる速度(目標速度)と、かかる目標速度まで減速する際の減速度の最大限度(最大減速度)を求める(S35)。
具体的には、速度プラン生成部202は、減速ポイントが一時停止線の場合、目標速度を、0km/hに設定する。なお、徐行速度(例えば、10km/h)に設定してもよい。
一方、減速ポイントがカーブの開始位置である場合は、速度プラン生成部202は、次のようにして目標速度を設定する。
図7は、目標速度を求める方法を説明するための図である。
車両がカーブを走行する場合、カーブの手前までには、車両速度は、カーブをスリップすることなく走行可能な速度まで減速している必要がある。カーブをスリップすることなく走行することが可能な速度は、車両をスリップさせようとする力に対して、タイヤと路面の摩擦力が勝っている場合である。ここで、道路勾配θがある場合、車両には、Mgsinθ(M:車両質量、g:重力加速度)の力が加わる。また、カーブを走行するときの遠心力は、Mv2/r(r:曲率半径、v:車両速度)である。したがって、車両をスリップさせようとする力は、図7に示すように、縦方向(車両進行方向)の力(Mgsinθ)と、遠心力(Mv2/r)の合力である。
一方、図7に示すように、タイヤがスリップしない限界の力は、半径Aのスリップ限界円で表すことができる。
すなわち、カーブの開始位置までには、車両の速度vは、下記式を満たす必要がある。
A2>(Mgsinθ)2+(Mv2/r)2
(M、g、θ、v、rは、上記と同じ意味を表す。)
なお、スリップ限界円の半径Aは、予め定められている。または、天気に応じて、用いる半径を変更してもよい。例えば、速度プラン生成部202は、「晴れ」と「雨」の場合の半径Aを予め保持している。そして、速度プラン生成部202は、ECU100から車両のワイパーの動作状況を取得して、ワイパーが動作していない場合、「晴れ」のスリップ限界円の半径Aを用いる。一方、ワイパーが動作している場合、「雨」のスリップ限界円の半径Aを用いる。または、テレマティクスにより、天気情報を配信するセンタサーバ装置からネットワークを通じて天気情報を取得している場合、速度プラン生成部202は、その天気情報に基づいて、タイヤスリップ限界円の半径Aを選択してもよい。
(M、g、θ、v、rは、上記と同じ意味を表す。)
なお、スリップ限界円の半径Aは、予め定められている。または、天気に応じて、用いる半径を変更してもよい。例えば、速度プラン生成部202は、「晴れ」と「雨」の場合の半径Aを予め保持している。そして、速度プラン生成部202は、ECU100から車両のワイパーの動作状況を取得して、ワイパーが動作していない場合、「晴れ」のスリップ限界円の半径Aを用いる。一方、ワイパーが動作している場合、「雨」のスリップ限界円の半径Aを用いる。または、テレマティクスにより、天気情報を配信するセンタサーバ装置からネットワークを通じて天気情報を取得している場合、速度プラン生成部202は、その天気情報に基づいて、タイヤスリップ限界円の半径Aを選択してもよい。
速度プラン生成部202は、かかる式を満たす最大の車両速度vを求め、目標速度として設定する。
さらに、速度プラン生成部202は、ユーザにより予め設定された減速度βから道路勾配により生じる減速度(gsinθ)を引いた値を、最大減速度に設定する。
最大減速度=β−gsinθ
このように設定するのは、ユーザが体感する減速度(車両の実際の減速度と勾配による影響とを足した減速度)が、ユーザが許容する減速度の範囲を超えないようにするためである。
最大減速度=β−gsinθ
このように設定するのは、ユーザが体感する減速度(車両の実際の減速度と勾配による影響とを足した減速度)が、ユーザが許容する減速度の範囲を超えないようにするためである。
図6に戻って説明する。次に、速度プラン生成部202は、速度プランを用いた速度制御の起動タイミングを決定する(S36)。例えば、現在位置が減速ポイントの所定距離(例えば、100m)手前に移動した時点を、起動タイミングと決定する。なお、かかる所定距離は、起動タイミングを決定する時点の車両速度に応じて定めてもよい。例えば、車両速度が速いほど、速度プランを用いた速度制御が早く起動されるように、上記の所定距離を長く定める。
そして、速度プラン生成部202は、起動タイミングとなったか否か監視し、起動タイミングとなった場合(S37でY)、自動速度制御を行う旨を表示装置に出力するなどして、ユーザへ警告する(S38)。
次に、速度プラン生成部202は、速度プランを設定する(S39)。
図8は、速度プラン生成部202が予め保持している速度プランデータ2020の構成を示す図である。
速度プランデータ2020には、速度プランごとに、レコードが格納されている。各レコードには、現在速度2021と、目標速度2022と、最大減速度2023と、速度プラン2024とが格納されている。速度プラン2024には、起動タイミングである減速開始地点から減速ポイントに至るまでに車両がとるべき速度の経時変化2025が格納されている。速度の経時変化2025は、減速開始時点(起動タイミング)において現在の速度であり、減速ポイントにおいて目標速度となる。
速度プラン生成部202は、かかる速度プランデータ2020の中から、ECU100から取得された最新の現在の車両速度と、S35で求めた目標速度と、同じくS35で求めた最大減速度とに対応する、速度プラン2024を取得し、速度制御装置400に送る速度プランとして設定する。そして、速度プラン生成部202は、設定した速度プランを速度制御装置400に送る(S40)。
その後、速度プラン生成部202は、現在位置が減速ポイントを通過したことを検知した後、S31に戻って処理を続ける。
以上、図6の速度プラン生成処理のフローについて説明した。
速度制御装置400は、速度プラン生成部202から受信した速度プランに従って、ブレーキアクチュエータ、スロットルアクチュエータを制御する。すなわち、速度制御装置400は、車両の速度を、速度プランで規定された速度の経時変化に従うように制御することになる。
以上、本発明の一実施形態について説明した。
上記実施形態によれば、道路勾配と車両質量とに配慮して、カーブ前や停止線前の車両速度の自動制御を行うことができる。
また、道路勾配及び車両質量は、更新周期の異なるデータ(ECUデータ、GPSデータ)を用いて、積分処理、及び所定の計算処理によって、求められる。そのため、センサを用いて道路勾配や車両質量を求める場合に比べて、精度が高い。
なお、上記実施形態では、ナビゲーション装置200が速度プランの生成を行っているが、これに限定されない。速度制御装置400が速度プランの生成を行ってもよい。また、ナビゲーション装置200が勾配・質量計算装置300を兼ねていてもよい。
100…ECU、200…ナビゲーション装置、201…ナビゲーション処理部、202…速度プラン生成部、203…地図データ、300…勾配・質量計算装置、301…同期積分部、302…積分値記憶部、303…高度差記憶部、304…質量推定部、305…勾配計算部、400…速度制御装置
Claims (7)
- 車両の速度制御システムであって、
車両に加わる力であって車両の安定走行が可能とされる力の限界である限界値を記憶する限界値記憶手段と、
道路勾配を算出する勾配算出手段と、
車両質量を算出する質量算出手段と、
前記道路勾配と前記車両質量と前記限界値とを用いて、速度制御に用いる車両速度を決定する車両速度決定手段と
を備えることを特徴とする速度制御システム。 - 請求項1に記載の速度制御システムであって、
前記質量算出手段は、
車両トルクと車両速度に基づく物理量を道路高度の更新周期で積分した値と、前記道路高度から算出される道路高度差とを蓄積し、
蓄積した値を用いて、前記車両質量と路面抵抗とを算出し、
前記勾配算出手段は、
前記質量算出手段により求められた車両質量と路面抵抗とを用いて、前記道路勾配を算出する
ことを特徴とする速度制御システム。 - 請求項2に記載の速度制御システムであって、
前記車両トルクと前記車両速度とを車両の電子制御装置から取得する手段と、
前記高度差をGPS(Global Positioning System)データから取得する手段と
を備える
ことを特徴とする速度制御システム。 - 請求項1に記載の速度制御装置であって、
前記限界値は、タイヤスリップ限界を示すものであり、
前記車両速度決定手段は、
カーブの曲率半径と道路勾配と車両質量とを用いて、カーブにおける遠心力と、道路勾配により生じる力とを求め、これらの合力が、タイヤスリップ限界を超えないように、車両の速度を決定する
ことを特徴とする速度制御システム。 - 請求項4に記載の速度制御装置であって、
天気を判定する天気判定手段を備え、
前記限界値記憶手段は、
天気に対応したタイヤスリップ限界を記憶しており、
前記車両速度決定手段は、
前記天気判定手段で判定された天気に対応した前記限界値記憶手段のタイヤスリップ限界を用いて、前記速度制御に用いる車両速度を決定する
ことを特徴とする速度制御システム。 - 請求項1に記載の速度制御装置であって、
前記車両速度決定手段は、
予め定められた減速度から、前記道路勾配により生じる減速度を引いて、最大減速度を求め、前記車両の減速度が当該最大減速度を超えないように、前記速度制御に用いる車両速度を決定する
ことを特徴とする速度制御システム。 - 車両の速度制御システムの速度制御方法であって、
前記速度制御システムは、
車両に加わる力であって車両の安定走行が可能とされる力の限界である限界値を記憶する限界値記憶装置を備え、
道路勾配とともに車両質量を算出し、
前記道路勾配と前記車両質量と前記限界値とを用いて、速度制御に用いる車両速度を決定する
ことを特徴とする速度制御システムの速度制御方法。
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