JP2008255393A - 高剛性材料およびその製造方法 - Google Patents

高剛性材料およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008255393A
JP2008255393A JP2007097052A JP2007097052A JP2008255393A JP 2008255393 A JP2008255393 A JP 2008255393A JP 2007097052 A JP2007097052 A JP 2007097052A JP 2007097052 A JP2007097052 A JP 2007097052A JP 2008255393 A JP2008255393 A JP 2008255393A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nitride
nitriding
rigidity
powder
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007097052A
Other languages
English (en)
Inventor
Daien Yokoi
大円 横井
Yasushi Haruna
靖志 春名
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Special Steel Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Special Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Special Steel Co Ltd filed Critical Sanyo Special Steel Co Ltd
Priority to JP2007097052A priority Critical patent/JP2008255393A/ja
Publication of JP2008255393A publication Critical patent/JP2008255393A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

【課題】 本発明は、粉末を窒化処理し、高剛性の窒化物を均一に微細析出させた高剛性材料およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 窒化物形成元素を含有したFe基の粉末をキャニング前に窒化処理し、窒化物を均一に微細析出させた後、固化成形する高剛性材料の製造方法。上記窒化処理を350〜550℃、5時間以上、窒素含有量を1mass%以上で行う高剛性材料の製造方法。また、上記窒化物形成元素がAl,Ti,B,Cr,Nbのいずれかよりなる高剛性材料の製造方法およびその高剛性材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、粉末を窒化処理し、高剛性の窒化物を均一に微細析出させた高剛性材料およびその製造方法に関するものである。
近年、自動車部品、産業機械部品、金型などにおいて、素材の剛性を高めることにより、例えば自動車部品では、燃費向上を目的とする軽量化を図ることができる。また、この高剛性材料によって外力によるたわみ等の歪量が低減でき、その分だけ、部品形状を小型化できる。従って、自動車用部品だけでなく、あらゆる構造部材において、小さな形状で大きな歪量を吸収することの可能な高剛性材料に期待が集まっている。
一方、高剛性材料の製造には、溶製法や粉末法がある。この溶製法では製法上の制約が多く、所要の特性を得ることが難しい。また、粉末法は溶製法より高剛性材料を製造することが比較的容易であるが、高価、加工し難く、大きな部品に適用できないなどの問題点があった。そこで、例えば特開2005−42152号公報(特許文献1)には、溶製法による高剛性材料の製造方法が開示されている。
上記高剛性材料は、原料を溶解、凝固させて、Feを主成分とするマトリックスとこのマトリックス中に分散したマトリックスよりも高剛性な高剛性粒子とからなる溶製高剛性鉄合金であって、この高剛性粒子はNb,TaおよびCr,Mo,Wの中から選ばれた1種以上の主合金元素とFeとBとの複合ホウ化物からなる溶製高剛性鉄合金で、ヤング率が225GPa以上、実施例では250GPaを有するものである。
また、特開2002−60885号公報(特許文献2)には、粉末を利用した高剛性鋼が開示され、窒化物生成が容易な元素、炭化物生成が容易な元素、ほう化物生成が容易な元素をいずれかを含有したFe基合金粉末を窒化、浸炭、ほう化処理のいずれかの処理し、得られた粉末を固化成形する高剛性鋼の製造方法が提案されている。
さらに、特開平8−120395号公報(特許文献3)には、特許文献2と同様に、粉末を利用した高剛性鋼が開示され、この方法はFe−Al系またはFe−Si系フェライト鋼組成の溶鋼を急冷凝固して粉末化し、少なくとも押出比3以上の押出加工を含む成形加工を施した後、2次再結晶熱処理を行って、微細粒子を分散させた高剛性鋼の製造方法が提案されている。
特開2005−42152号公報 特開2002−60885号公報 特開平8−120395号公報
上述した特許文献1は、溶製法で、複合ホウ化物を分散させることにより高剛性化を図るもので、ヤング率が225GPa以上、実施例では250GPaを有するものであって、本発明が求める対象とは異なるものである。また、特許文献2は、カプセルに粉末を充填した後、窒化処理を行っており、窒素を均一に拡散させることが難かしいし、1000℃付近で処理するため、析出した窒化物が粗大化し、強度、靱性が低下し易いという問題がある。
さらに、特許文献3は、窒素または酸素を溶鋼中に過飽和に溶解後、または窒化または酸化性媒体の存在下で急冷凝固処理することで、5〜50nm程度の微細粒子を分散させた高剛性鋼であって、特殊な処理を必要とし、また、必ずしも5〜50nm程度の微細粒子を必要としない。
上述したように、高剛性鋼の製造において、溶製法は製法上の制約が多く、所要の特性を得ることが難しい。また、粉末法は溶製法より高剛性材料を製造することが比較的容易であるが、高価、加工し難く、大きい部品に適用できないなどの問題があり、さらに粉末法では高剛性の窒化物を均一に分散させることで高剛性鋼を得る試みがなされて来たが、しかし、窒素を均一に拡散させることが難しく、鋼剛性の窒化物を均一微細に分散させることが困難であった。
上記のような問題を解消するために、発明者らは鋭意開発を進めた結果、窒化物形成元素であるAl,Ti,B,Cr,Nbのいずれかを含有したFe基の粉末をキャニング前に窒化処理し、窒化処理中の粉末同志の焼結を防ぎ、十分な窒素含有量を確保するため、低温、長時間で処理することで、高剛性の窒化物を均一に微細析出させた後、固化成形することで、高剛性の窒化物を均一に微細析出させた高剛性材料およびその製造方法を提供する。
その発明の要旨とするところは、
(1)窒化物形成元素を含有したFe基の粉末をキャニング前に窒化処理し、窒化物を均一に微細析出させた後、固化成形することを特徴とする高剛性材料の製造方法。
(2)前記(1)に記載の窒化処理を350〜550℃、5時間以上、窒素含有量を1mass%以上で行うことを特徴とする高剛性材料の製造方法。
(3)前記(1)に記載の窒化物形成元素がAl,Ti,B,Cr,Nbのいずれかよりなることを特徴とする高剛性材料の製造方法。
(4)前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の方法で製造された高剛性材料にある。
以上述べたように、本発明により高剛性の窒化物を均一に微細析出させることによって、高剛性を有する高剛性鋼を安価に製造することを可能となる極めて優れた効果を奏するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
粉末組成としては、固化成形後の加工を容易にするために、Fe基とし、窒化物形成元素として、Al,Ti,B,Cr,Nbなどであり、1mass%以上を所要の高剛性が得られるように選択できる。これらの添加元素の窒化物としては、AlN、TiN、BN、CrN、NbNなどの1種または2種以上の窒化物または複合窒化物であることが望ましい。
さらに、固化成形後の加工を容易にするためのFe基として、Fe基マトリックスはFeを主成分とするもので、他元素が固溶した状態にある。特にCrは、Fe中に固溶し易く、マトリックス中でのCrの固溶量が多くなると、マトリックスがいわゆるステンレスに近くなって、耐食性等に優れたものとなる。その他、機械的特性や加工性等を向上させる観点から、高剛性粒子のヤング率の極端な低下を招来しない元素を含有してもよい。このような元素として、C、Co、Si、Mn等がある。いずれの元素をどの程度含有させるかは、高剛性鉄合金に要求される強度、靱性、伸び、加工性等の観点から適宜決定すればよい。
固化成形としては、HIP、熱間押出、ホットプレス等で行う。また、窒化処理としては、ガス窒化法、プラズマ窒化法、イオン窒化法、塩浴窒化法、真空窒化法等がある。
さらに、キャニング前に窒化処理する理由は、キャニング後に窒化処理する方法も提案されているが、キャニング後に窒化処理すると窒素を均一に拡散させることが難しく、結果として高剛性の窒化物を均一に微細析出させることが困難になる。
また、粉末の状態で窒化すると、粉末表面から粉末中心部までは数百μm以下であり、窒素を均一に拡散させ、より窒化物を均一に微細析出させることができる。望ましくは、窒化処理中に粉末を流動させるか、または振動を与えることにより、粉末の焼結を防ぎ、窒素をより均一に拡散させることができる。
窒化処理条件としては、窒化温度が低すぎると窒素含有量が不十分となり、また、窒化温度が高すぎると粉末同志の焼結が起こり、後に粉砕処理を必要とする。そこで、窒化処理温度の下限を350℃、上限の温度を550℃とした。好ましくは、370〜530℃とする。また、所要の窒素含有量を得るための処理時間は5時間以上とした。5時間未満では効果が十分でないので、その下限を5時間とした。好ましくは6〜20時間とする。さらに、高剛性鋼として必要な窒化物を得るためには、窒素含有量の下限を1mass%とした。1mass%未満ではその効果が十分でない。好ましくは1〜6mass%とする。
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
表1に示す窒化物形成元素である、Al,Ti,B,Cr,Nbを含有したFe基合金を真空誘導溶解炉にて30kgを真空溶解し、窒素ガス噴霧により粉末とした。窒化物形成元素がほぼ固溶した状態であった。窒化処理としては、アンモニアガスを導入し、処理温度300〜700℃、処理時間1〜20時間で行った。均一窒化を促進するため、一部には窒化処理中に振動を与えた。窒化後は、窒素と窒化物形成元素の結合により、AlN、TiN、BN、CrN、NbNが得られた。素地(マトリックス)は、主にFe、Fe−C、Fe−C−Crである。また、キャニング前窒化の効果を確認するために、比較鋼には、キャニング後ガス窒化した材料も供した。
上記した結果を表1に示す。また、上記のように得られた粉末は、キャニング後、1050℃でHIP処理し、1100℃の温度で押出により径60mmの鋼材を製造した。鋼材製造過程において若干脱窒は生じるが、ほぼ粉末に近い窒素含有量が得られた。窒化物の種類はX線回折法により分析し、窒化物の平均粒子径、面積率はEPMA(Electon Probe Micro Analyser)にて観察した結果、その種類を確認した後、画像解析により測定した。なお、各状態での窒素量は燃焼法により測定した。また、ヤング率は共振法により各3本測定し、その平均値を得た。上下限幅が±10GPa以上の場合には、バラツキ大としてその上下限値を表記した。
Figure 2008255393
表1に示すNo.1〜10は本発明例であり、No.11〜15は比較例である。比較例No.11は窒化温度が高いために、分散粒子の面積率にバラツキがあり、かつヤング率のバラツキが大きい。
比較例No.12は窒化時間が短いために、窒化後粉末の窒素量が低く、鋼材の窒素量が低いために、分散粒子の面積率が低く、かつヤング率が低い。比較例No.13は窒化方法がキャニング後のガス窒化であるために、分散粒子の面積率にバラツキがあり、かつヤング率のバラツキが大きい。比較例No.14は窒化温度が低いために、窒化後粉末の窒素量が低く、かつ鋼材の窒素量が低いために、ヤング率が低い。
比較例No.15は窒化時間が短いために、分散粒子の面積率にバラツキがあり、かつヤング率のバラツキが大きい。これに対し、本発明であるNo.1〜10は、窒化処理条件、窒化前後粉末、鋼材の窒素量が最適条件を満足していることから、その窒化物が均一に微細析出することになり、いずれの場合も優れた特性を有していることが分かる。
以上のように、キャニング前に窒化物形成元素を含有するFe基の粉末を窒化し、高剛性の窒化物を均一に微細析出させ、固化形成することにより高剛性を有する高剛性鋼を安価に製造することが可能となり、自動車をはじめとする各種構造部材等への適用が可能となる極めて優れた効果を奏するものである。


特許出願人 山陽特殊製鋼株式会社
代理人 弁理士 椎 名 彊

Claims (4)

  1. 窒化物形成元素を含有したFe基の粉末をキャニング前に窒化処理し、窒化物を均一に微細析出させた後、固化成形することを特徴とする高剛性材料の製造方法。
  2. 請求項1に記載の窒化処理を350〜550℃、5時間以上、窒素含有量を1mass%以上で行うことを特徴とする高剛性材料の製造方法。
  3. 請求項1に記載の窒化物形成元素がAl,Ti,B,Cr,Nbのいずれかよりなることを特徴とする高剛性材料の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法で製造された高剛性材料。
JP2007097052A 2007-04-03 2007-04-03 高剛性材料およびその製造方法 Withdrawn JP2008255393A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007097052A JP2008255393A (ja) 2007-04-03 2007-04-03 高剛性材料およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007097052A JP2008255393A (ja) 2007-04-03 2007-04-03 高剛性材料およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008255393A true JP2008255393A (ja) 2008-10-23

Family

ID=39979269

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007097052A Withdrawn JP2008255393A (ja) 2007-04-03 2007-04-03 高剛性材料およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008255393A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014507557A (ja) * 2010-12-24 2014-03-27 コミサーリャ ア レナジー アトミック エー オー エナジー アルタナティブ プラズマ窒化により強化された合金を製造するための方法
JP2021066933A (ja) * 2019-10-24 2021-04-30 日本製鉄株式会社 一体成形部品、鉄合金粉及び一体成形部品の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014507557A (ja) * 2010-12-24 2014-03-27 コミサーリャ ア レナジー アトミック エー オー エナジー アルタナティブ プラズマ窒化により強化された合金を製造するための方法
JP2021066933A (ja) * 2019-10-24 2021-04-30 日本製鉄株式会社 一体成形部品、鉄合金粉及び一体成形部品の製造方法
JP7401742B2 (ja) 2019-10-24 2023-12-20 日本製鉄株式会社 一体成形部品、鉄合金粉及び一体成形部品の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5958144B2 (ja) 粉末冶金用鉄基混合粉および高強度鉄基焼結体ならびに高強度鉄基焼結体の製造方法
JP3952006B2 (ja) 焼結用原料粉末又は焼結用造粒粉末およびそれらの焼結体
JP5972548B2 (ja) 高温強度に優れたFe基粉末緻密固化成形体の製造方法
TW201809315A (zh) 適用於塑膠模製工具的鋼
TW201000648A (en) Iron-based pre-alloyed powder
JP4900806B2 (ja) 成形機用シリンダ
JP2010090470A (ja) 鉄系焼結合金およびその製造方法
JP5270926B2 (ja) 鉄基焼結合金粉末
CN104583436A (zh) 用于合并到烧结合金中的硬粒子和耐磨铁基烧结合金及其制造方法
US10323306B2 (en) Austenitic steel matrix-nanoparticle composite and producing method thereof
JP4376826B2 (ja) Co−Cr合金ペレット及びその製造方法
JP2011094187A (ja) 高強度鉄基焼結体の製造方法
JP2007084858A (ja) 鉄基高硬度ショット材
JP5522854B2 (ja) 冷間工具鋼およびその製造方法
JP2008255393A (ja) 高剛性材料およびその製造方法
JP2017133046A (ja) 耐摩耗性鉄基焼結合金の製造方法、焼結合金用成形体、および耐摩耗性鉄基焼結合金
JP6741153B2 (ja) 部分拡散合金鋼粉
JP2017137535A (ja) 耐摩耗性鉄基焼結合金の製造方法、焼結合金用成形体、および耐摩耗性鉄基焼結合金
JP5929084B2 (ja) 粉末冶金用合金鋼粉ならびに鉄基焼結材料およびその製造方法
JP5451190B2 (ja) 圧延用ロール及びその製造方法
JP2009263756A (ja) 高硬度ショット材
US11035029B2 (en) Material for forming metal matrix composite and metal matrix composite bulk
JP6271310B2 (ja) 鉄基焼結材およびその製造方法
WO2000039353A1 (fr) Melange de poudre metallique destine a la metallurgie des poudres
US20200199722A1 (en) Metal matrix composite material and metal matrix composite bulk

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20100706