JP2008253804A - 運動管理システム - Google Patents

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崇 平田
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謙 安原
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Abstract

【課題】人間等の動物およびこの動物の運動を異なる形で誘導する2つの装置のそれぞれの動きの調和を図りながら、適当なスケールおよびリズムで運動するようにこの動物を訓練しうるように当該動物の運動を管理するシステム等を提供する。
【解決手段】本発明の運動管理システム1によれば、トレッドミル(第1運動誘導装置)10の動作によりユーザの歩行運動の速さが調節される。また、歩行運動誘導装置(第2運動誘導装置)20の動作により動物の運動リズムと調和したリズムで運動スケールが調節されながら当該ユーザの歩行運動が誘導される。このとき、歩行速度v(必要に応じて歩行率p)に基づいて歩行運動誘導装置20の動作が制御される。これにより、ユーザの歩行運動、トレッドミル10の動作および歩行運動誘導装置20のそれぞれの動作の調和を図りながら、適当なスケールおよびリズムで歩行運動するようにこのユーザを訓練することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、動物の運動を管理するシステムに関する。
ユーザの体力や体調に鑑みて歩行速度や歩幅が適当なものとなるようにトレッドミルの速度が設定されることで、当該ユーザの歩行訓練を実施する手法が提案されている(たとえば、特許文献1、2参照)。
特開2001−238982号公報 特開2001−346906号公報
しかし、脚の動きを誘導(または補助)するように身体に力を作用させる装置がユーザに装着されている場合、ユーザ、トレッドミルおよび当該装置の三者の動きを調和させながら、適当な歩幅等で歩行するようにユーザの歩行を訓練することは考慮されていなかった。
そこで、本発明は、人間等の動物およびこの動物の運動を異なる形で誘導する2つの装置のそれぞれの動きの調和を図りながら、適当なスケールおよびリズムで運動するようにこの動物を訓練しうるように当該動物の運動を管理するシステムを提供することを解決課題とする。
第1発明の運動管理システムは、動物の運動を管理するシステムであって、前記動物に力を作用させることによって該動物の運動を誘導するように作動する第1運動誘導装置と、前記動物に装着される第1装具および第2装具と、該第1装具に取り付けられたアクチュエータと、該アクチュエータおよび該第2装具に連結されている力伝達部材とを備え、かつ、該アクチュエータが該力伝達部材および該第2装具を介して該動物に力を作用させることによって前記動物の運動スケールおよび運動リズムを調節しながら該動物の運動を誘導するように作動する第2運動誘導装置と、前記第1運動誘導装置の動作により誘導されるように前記動物が運動している状態において、前記動物の運動スケールおよび運動リズムのうち一方または両方を表す運動変数を、該第1運動誘導装置に設けられているセンサからの出力信号に基づいて測定する運動変数測定部と、前記第2運動誘導装置の動作を、該運動変数測定部により測定された該運動変数に基づいて前記動物の運動スケールおよび運動リズムを調節しながら該動物の運動を誘導するように制御する制御部とを備えていることを特徴とする。
第1発明の運動管理システムによれば、第1運動誘導装置の動作により運動の速さが調節され、かつ、第2運動誘導装置の動作により動物の運動リズムと調和したリズムで運動スケールが調節されながら当該動物の運動が誘導される。このとき、第1運動誘導装置の動作により誘導されている動物の運動リズムおよび運動スケールのうち一方または両方を表す運動変数に基づいて第2運動誘導装置の動作が制御される。運動変数は第1運動誘導装置の動作の速さに基づいて測定されることによりその測定精度の向上が図られうる。これにより、動物の運動スケールおよび運動リズムの関係を目標とする関係に維持する等、適当に調節しながらその運動を動物に継続させることができる。したがって、動物の運動ならびに第1および第2運動誘導装置のそれぞれの動作の調和を図りながら、適当なスケールおよびリズム(または目標とするスケールおよびリズム)で運動するようにこの動物を訓練することができる。
第2発明の運動管理システムは、第1発明の運動管理システムにおいて、前記第1運動誘導装置が有する回動体の回動に伴って該回動体に接触する前記動物の身体部分が該回動体から力を受ける方向の反対方向に前記動物の運動が誘導されている状態において、前記運動変数測定部が前記動物の運動の速さを表す前記運動変数としての第1運動変数を、当該回動体の回動速度に応じた信号を出力する前記センサとしての速度センサの出力信号に基づいて測定することを特徴とする。
第2発明の運動管理システムによれば、第1運動誘導装置の動作により誘導されている動物の運動の速さ(運動スケールおよび運動リズムに基づいて特定される。)を表す「第1運動変数」に基づいて第2運動誘導装置の動作が制御される。第1運動変数は第1運動誘導装置の回動体の回動速度に基づいて測定されることによりその測定精度の向上が図られうる。これにより、動物の運動スケールおよび運動リズムの関係を目標とする関係に維持する等、適当に調節しながらその運動を動物に継続させることができる。
また、第1運動誘導装置が有する回動体を回動させることにより、回動体と身体部分が接触する動物の、回動体の回動方向とは逆向きの運動が誘導される。「回動体」には、複数のローラに掛け渡された無端ベルト、中心または中心から外れた点を通る軸回りに回転される球体、楕円球体、中心軸または中心軸から離れた中心軸に平行な軸回りに回転する円筒、四角筒等の筒体、その他任意の軸回りに回転される一塊の物体が含まれる。これにより、当該運動に伴う動物またはその身体部分の移動が無端回動体の回動によって相殺されるので、第1運動誘導装置の設置スペースさえあれば比較的狭い場所でも動物の運動訓練が可能となる。
第3発明の運動管理システムは、第2発明の運動管理システムにおいて、前記第1運動誘導装置としてのトレッドミルが有する、複数のローラに掛け渡された前記回動体としての無端ベルトの動きに逆らう方向に前記動物の歩行運動が誘導されている状態において、前記運動変数測定部が前記動物の歩行または走行速度を、当該無端ベルトの駆動速度に基づいて前記第1運動変数として測定することを特徴とする。
第3発明の運動管理システムによれば、トレッドミル(第1運動誘導装置)の動作により誘導されている動物の歩行または走行速度(第1運動変数)に基づいて第2運動誘導装置の動作が制御される。歩行速度はトレッドミルの無端ベルト(回動体)の駆動速度に基づいて測定されることによりその測定精度の向上が図られうる。これにより、動物の歩幅(運動スケール)および歩行率(運動リズム)の関係を目標とする関係に維持する等、適当に調節しながらその歩行運動を動物に継続させることができる。
また、トレッドミル(第1運動誘導装置)の無端ベルト(回動体)を回動させることにより、この無端ベルトの回動方向とは逆向きの歩行または走行が誘導される。これにより、当該歩行または走行に伴う動物の移動が無端ベルトの回転によって相殺されるので、第1運動誘導装置の設置スペースさえあれば比較的狭い場所でも動物の歩行/走行訓練が可能となる。
第4発明の運動管理システムは、第1発明の運動管理システムにおいて、前記運動変数測定部が前記動物と前記第1運動誘導装置との相互作用力に応じた信号を出力する前記センサとしての力センサの出力信号の時間変化パターンに基づいて該動物の運動リズムを表す前記運動変数としての第2運動変数をさらに測定し、前記制御部が該運動変数測定部により測定された該第2運動変数に基づいて前記第2運動誘導装置の動作を制御することを特徴とする。
第4発明の運動管理システムによれば、第1運動誘導装置の動作により誘導されている動物の運動リズムを表す「第2運動変数」に基づいて第2運動誘導装置の動作が制御される。第2運動変数は動物と第1運動誘導装置との相互作用力の時間変化パターンに基づいて測定されることによりその測定精度の向上が図られうる。これにより、動物の運動スケールおよび運動リズムの関係を目標とする関係に維持する等、適当に調節しながらその運動を動物に継続させることができる。
第5発明の運動管理システムは、第4発明の運動管理システムにおいて、前記運動変数測定部が、前記第1運動誘導装置としてのトレッドミルが有する複数のローラに掛け渡された無端ベルトを支持する踏板が前記動物から受ける圧力の時間変化パターンに基づき、該動物の歩行率(単位時間当たりの歩数を意味する。)を前記第2運動変数として測定することを特徴とする。
第5発明の運動管理システムによれば、トレッドミル(第1運動誘導装置)の動作により誘導されている動物の歩行率(第2運動変数)に基づいて第2運動誘導装置の動作が制御される。動物が歩行運動時にトレッドミルの無端ベルトに着床するたび、このベルトを支持する踏板に圧力が作用する。このため、当該圧力の時間変化パターンに基づいて歩行率が測定されることによりその測定精度の向上が図られうる。これにより、動物の歩幅(運動スケール)および歩行率(運動リズム)の関係を目標とする関係に維持する等、適当に調節しながらその歩行運動を動物に継続させることができる。
また、トレッドミル(第1運動誘導装置)の無端ベルト(回動体)を回動させることにより、この無端ベルトの回動方向とは逆向きの歩行または走行が誘導される。これにより、当該歩行または走行に伴う動物の移動が無端ベルトの回転によって相殺されるので、第1運動誘導装置の設置スペースさえあれば比較的狭い場所でも動物の歩行/走行訓練が可能となる。
第6発明の運動管理システムは、請求項1記載の運動管理システムにおいて、前記運動変数測定部が前記運動変数として第1運動変数と第2運動変数として測定し、前記動物の歩行または走行速度を該第1運動変数として測定し、かつ、前記動物の歩幅または歩行率を該第2運動変数として測定し、前記制御部が、該第1運動変数としての歩行速度に対する該第2運動変数としての歩幅の二乗の比率、または該第2運動変数としての歩行率の二乗に対する該第1運動変数としての歩行速度の比率である歩行比を目標歩行比に一致させるように前記第2運動誘導装置の動作を制御することを特徴とする。
第6発明の運動管理システムによれば、動物の歩行または走行運動ならびに第1および第2運動誘導装置のそれぞれの動作の調和を図りながら、適当な歩行比で歩行または走行するようにこの動物を訓練することができる。
第7発明の運動管理システムは、第1発明の運動管理システムにおいて、前記制御部が、前記動物の身体運動に応じて時間変化するパラメータとして、該動物の第1運動振動子および第2運動振動子を測定する運動振動子測定部と、入力振動信号と相互に引き込み合うことで固有角速度に基づいて定まる角速度で時間変化する出力振動信号を生成する第1モデルに、前記運動振動子測定部により測定された前記第1運動振動子を該入力振動信号として入力することにより、該出力振動信号として1次振動子を生成する1次振動子生成部と、該運動振動子測定部により測定された該第1運動振動子と該1次振動子生成部により生成された該1次振動子との位相差である第1位相差が、仮想モデルにおいて定義されている第1仮想振動子と第2仮想振動子との位相差である第2位相差に近づくように該第1仮想振動子と該第2仮想振動子との相関係数および該第1仮想振動子の角速度を設定した上で、該第2位相差が目標位相差に近づくように該第2仮想振動子の角速度を新たな該固有角速度として設定する固有角速度設定部と、入力振動信号に基づき、該固有角速度設定部により設定された該固有角速度に基づいて定まる角速度で時間変化する出力振動信号を生成する第2モデルに、該運動振動子測定部により測定された該第2運動振動子を該入力振動信号として入力することにより、該出力振動信号として2次振動子を生成する2次振動子生成部と、該2次振動子生成部により生成された該2次振動子に加え、前記運動変数測定部により測定された前記運動変数に基づいて前記第2運動誘導装置の動作のスケールおよびリズムを特定する誘導振動子を生成する誘導振動子生成部とを備え、かつ、該誘導振動子生成部により生成された該誘導振動子に基づいて前記アクチュエータの動作を制御することを特徴とする。
第7発明の運動管理システムによれば、第1および第2運動誘導装置のそれぞれの動作によって誘導される動物の運動リズムと、第2運動誘導装置の動作リズム(誘導リズム)との相互の歩み寄り(調和)が図られる。これにより、動物の運動ならびに第1および第2運動誘導装置のそれぞれの動作の調和を図りながら、適当なスケールおよびリズムで運動するように動物を訓練することができる。なお、ここで「振動」は、現実的または仮想的なもの(物体)がほぼ一定の周期をもって揺れ動くことのほか、広く時間変化することを意味する。また「振動子」は、値が時間変化する電気信号や、ソフトウェアにおいて値が時間変化するものとして定義される関数等を意味する。
第8発明の運動管理システムは、第7発明の運動管理システムにおいて、前記運動振動子測定部が前記動物の運動スケールに応じた前記運動振動子を第3運動振動子として測定し、前記誘導振動子生成部が、前記2次振動子生成部により生成された前記2次振動子と、前記固有角速度設定部により設定された前記固有角速度とに加え、前記運動変数測定部により測定された前記運動変数に基づき、前記運動振動子測定部により測定された前記第3運動振動子を前記動物の目標運動スケールに応じた目標値に近付けるように前記動物の運動を誘導するための仮想的な弾性要素による弾性力を表す第1誘導振動子を含む前記誘導振動子を生成することを特徴とする。
第8発明の運動管理システムによれば、動物の運動スケールが仮想的な弾性要素の弾性力を表す第1誘導振動子によって目標スケールに近付けられるようにこの運動が誘導される。第1誘導振動子は固有角速度と、運動変数とに基づいて生成されるが、「固有角速度」はユーザの運動リズムを目標リズムに一致させる観点から適当に設定され、「運動変数」は動物の運動スケールおよび運動リズムのうち一方または両方を表している。したがって、第1誘導振動子を包含する誘導振動子によって動物の運動が誘導されることにより、動物の運動ならびに第1および第2運動誘導装置のそれぞれの動作の調和を図りながら、適当なスケールおよびリズムで運動するように動物を訓練することができる。
第9発明の運動管理システムは、第8発明の運動管理システムにおいて、前記運動振動子測定部が前記第3運動振動子の時間微分値である前記運動振動子を第4運動振動子として測定し、前記誘導振動子生成部が、前記2次振動子生成部により生成された前記2次振動子と、前記固有角速度設定部により設定された前記固有角速度と、前記運動振動子測定部により測定された前記第4運動振動子の時間微分値とに加え、前記運動変数測定部により測定された前記運動変数に基づき、該第3運動振動子の絶対値の増大を抑制するように前記動物の運動を誘導するための仮想的な減衰要素による減衰力を表す第2誘導振動子を含む誘導振動子を生成することを特徴とする。
第9発明の運動管理システムによれば、動物の運動スケールが目標スケールから乖離することが、仮想的な減衰要素の減衰力を表す第2誘導振動子によって抑制されるようにこの運動が誘導される。第2誘導振動子も固有角速度と、運動変数とに基づいて生成されるが、「固有角速度」はユーザの運動リズムを目標リズムに一致させる観点から適当に設定され、「運動変数」は動物の運動スケールおよび運動リズムのうち一方または両方を表している。したがって、第2誘導振動子を包含する誘導振動子によって動物の運動が誘導されることによって、動物の運動、第1運動誘導装置の動作および第2運動誘導装置の動作の調和を図りながら、適当なスケールおよびリズムで運動するように動物を訓練することができる。
第10発明の運動管理システムは、第7発明の運動管理システムにおいて、前記2次振動子生成部が、前記運動振動子測定部により測定された前記第1運動振動子または前記第2運動振動子の周期変化の大きさが閾値を超えた場合、前記固有角速度設定部により設定された前記固有角速度に代えて、前記運動振動子測定部により測定された前記第1運動振動子または前記第2運動振動子の角速度と、前記1次振動子生成部により生成された前記1次振動子の角速度とのうち一方または両方に基づいて定まる角速度で時間変化する前記2次振動子を生成することを特徴とする。
第10発明の運動管理システムによれば、動物の運動リズムが急に変化した場合でも、この変化後の運動リズムに応じた適当なリズムをもって動物の運動が誘導されうる。これにより、動物の運動ならびに第1および第2運動誘導装置のそれぞれの動作の調和を図りながら、適当なスケールおよびリズムで運動するように動物を訓練することができる。
第11発明の運動管理システムは、第7発明の運動管理システムにおいて、前記運動振動子測定部が、前記第1振動子および前記第2振動子のそれぞれとして、前記動物の2つの異なる身体部分のそれぞれの動きに応じて時間変化するパラメータを測定することを特徴とする。
第11発明の運動管理システムによれば、動物の異なる身体部分のそれぞれの運動リズムと、この運動を誘導するリズムとの調和を図りながら、動物の運動リズムが目標運動リズムに近づくようにこの運動が誘導されうる。これにより、動物の運動ならびに第1および第2運動誘導装置のそれぞれの動作の調和を図りながら、適当なスケールおよびリズムで運動するように動物を訓練することができる。
本発明の運動管理システムの実施形態について図面を用いて説明する。以下、歩行者の脚体等について左右を区別するためにパラメータに添字L、Rを添付するが、表記の簡単のため左右を区別する必要が特にない場合には添字L、Rを省略する。
本発明の運動管理システムの構成について図1を用いて説明する。図1に示されている運動管理システム1は、トレッドミル(第1運動誘導装置)10と、歩行運動誘導装置(第2運動誘導装置)20とを備えている。運動管理システム1は、ユーザ(人間(動物))の動きと、トレッドミル(第1運動誘導装置)10の動作と、歩行運動誘導装置(第2運動誘導装置)20の動作との調和を図りながら、適当なスケールおよびリズムで歩行(または走行)するようにこのユーザを訓練するためのものである。
トレッドミル10は、人間の標準的な横幅よりも若干広い程度の幅の駆動ローラ11と、駆動ローラ11とほぼ同じ幅の従動ローラ12と、駆動ローラ11および従動ローラ12に掛け渡されている無端ベルト(無端回動体)13と、無端ベルト13のうちユーザが乗る部分を下から支える踏板14とを備えている。駆動ローラ11は、モータ、変速機等より構成される駆動機構101によって駆動される。駆動ローラ11が図中時計回りに駆動されることにより、従動ローラ12の同方向への従動を伴ってベルト13も時計回りに回る。これによりベルト13に乗っているユーザの図中左への歩行(または走行)が誘導される。また、ベルト13の移動速度に応じた信号を出力する速度センサ102と、踏板14が受ける圧力に応じた信号を出力する圧力センサ104とが設けられている。なお、トレッドミル10としては、一般に市販されているもの等、公知のあらゆる構成のトレッドミルが採用されてもよい。
歩行運動誘導装置20は、腰部装具(第1装具)21と、大腿部装具(第2装具)22と、力伝達部材23と、バッテリ24と、アクチュエータ(電動モータ)25と、股関節角度センサ26とを備えている。腰部装具21は剛性のある素材と柔軟性のある素材とが組み合わせられて作られており、ユーザの腰部に装着される。大腿部装具22も剛性のある素材と柔軟性のある素材とが組み合わせられて作られており、ユーザの大腿部の前後それぞれに装着される。力伝達部材23は、軽量の硬質プラスチック等の定形性のある素材より作られており、ユーザの大腿部に沿って、ユーザの腰部の横から下方に延びた後で大腿部の前後に向けて二股に分かれた形状であり、アクチュエータ25および前後の大腿部装具22のそれぞれに連結されている。バッテリ24は腰部装具21に収納されており(たとえば、腰部装具21を構成する複数枚の素材の間に固定されており)、アクチュエータ25等に対して電力を供給する。アクチュエータ25は腰部装具21に取り付けられており、力伝達部材23および大腿部装具22を介してユーザの大腿部に力を作用させる。股関節角度センサ26はユーザの腰部の横に設けられたロータリエンコーダ等により構成され、股関節角度に応じた信号を出力する。
運動管理システム1は、第1制御部100と、第2制御部200とを備えている。
第1制御部100は、トレッドミル10に付属するマイクロコンピュータ等のコンピュータにより構成されており、駆動機構102による駆動ローラ11の駆動速度等を制御する。第1制御部100は運動変数測定部110を備えている。運動変数測定部110はハードウェアとしてのコンピュータ(CPU、ROM、RAM、I/O(入出力装置)等により構成されている。)と、このコンピュータに機能を付与するソフトウェアとしての本発明の「運動管理プログラム」の一部とにより構成されている。運動変数測定部110は第1運動変数測定部111と、第2運動変数測定部112とを備えている。第1運動変数測定部111は速度センサ102の出力に基づいてユーザの歩行速度vを当該ユーザの運動の速さを表す第1運動変数として測定する。第2運動変数測定部112は圧力センサ104の出力に基づいてユーザの歩行率(単位時間当たりの歩数)pを当該ユーザの運動のリズムを表す第2運動変数として測定する。
第2制御部(本発明の「制御部」に該当する。)200は、歩行運動誘導装置20の腰部装具21に収納されたコンピュータと、このコンピュータに対して歩行運動誘導装置20の制御機能等を付与するソフトウェアとしての本発明の「運動管理プログラム」とにより構成されている。第2制御部200は、運動振動子測定部210と、1次振動子生成部220と、固有角速度設定部230と、2次振動子生成部240と、誘導振動子生成部250とを備えている。
運動振動子測定部210は、股関節角度センサ26の出力に基づき、ユーザの第2運動振動子として股関節角度φH(ユーザの運動スケールに応じた運動振動子である「第3運動振動子」にも該当する。)を測定する。また、運動振動子測定部210は、股関節角度センサ26の出力に基づき、ユーザの第1運動振動子として股関節角速度dφH/dt(第3運動振動子の時間微分値である「第4運動振動子」にも該当する。)を測定する。1次振動子生成部220は運動振動子測定部210により測定された第1運動振動子としての股関節角速度dφH/dtと、固有角速度ωMとに基づき、「第1モデル」にしたがって1次振動子xを生成する。
固有角速度設定部230は、第1位相差設定部231と、第2位相差設定部232と、相関係数設定部233と、第1角速度設定部234と、第2角速度設定部235とを備えている。第1位相差設定部231は股関節角速度dφH/dtの角速度ωHと、ファン・デル・ポル方程式に含まれる固有角速度ωMに基づいて定まる角速度で時間変化する1次振動子xとの位相差を第1位相差δθ1として設定する。第2位相差設定部232は仮想運動振動子θhと仮想誘導振動子(仮想誘導振動子)θmとの関係を表す「仮想モデル」にしたがって、仮想運動振動子θhと仮想誘導振動子θmとの位相差を第2位相差δθ2(=θh−θm)として設定する。相関係数設定部233は、第2位相差設定部232により設定された第2位相差δθ2が、第1位相差設定部231により設定された第1位相差δθ1に近づくように仮想運動振動子θhと仮想誘導振動子θmとの相関係数εを設定する。第1角速度設定部234は、相関係数設定部233により設定された相関係数εに基づき、仮想運動振動子θhの角速度ωhを設定する。第2角速度設定部235は、第1角速度設定部234により設定された仮想運動振動子θhの角速度ωhに基づき、第2位相差設定部232により設定された第2位相差δθ2が、目標位相差設定部212により設定された目標位相差δθに近づくように仮想誘導振動子θmの角速度ωmを新たな固有角速度ωMとして設定する。
2次振動子生成部240は、運動振動子測定部210により測定された第2運動振動子としての股関節角度φHと、固有角速度設定部230により設定された新たな固有角速度ωMとに基づき「第2モデル」にしたがって2次振動子yを生成する。
誘導振動子生成部250は、第1誘導振動子生成部251と、第2誘導振動子生成部252とを備えている。
第1誘導振動子生成部251は2次振動子生成部240により生成された2次振動子yと、固有角速度設定部230により設定された固有角速度ωMとに基づき、運動振動子測定部210により測定された股関節角度φH(第3運動振動子)をその目標値φ0に近付けるための仮想的な弾性要素の弾性力を表す第1誘導振動子z1を生成する。第2誘導振動子生成部252は2次振動子生成部240により生成された2次振動子yと、固有角速度設定部230により設定された固有角速度ωMとに基づき、運動振動子測定部210により測定された股関節角速度dφH/dt(第4運動振動子)に応じて股関節角度φH(第3運動振動子)の絶対値の増大を抑制するための仮想的な減衰要素の減衰力を表す第2誘導振動子z2を生成する。そして、誘導振動子生成部250は、第1誘導振動子z1および第2誘導振動子z2に基づき、歩行運動誘導装置20によりユーザに作用させられる股関節回りのトルクTを特定する誘導振動子zを生成する。
第1制御部100および第2制御部200は無線通信が可能とされている。なお、第1制御部100に代えて第2制御部200が目標歩行比設定部130を備えている等、運動管理システムを構成する複数の処理部111,112,210,220,‥が第1制御部100および第2制御部200に任意のパターンで配設されていてもよい。また、第1制御部100および第2制御部200は同一のコンピュータにより構成されていてもよい。第1制御部100および第2制御部200の通信は有線通信であってもよい。
前記構成の運動管理システム1の機能につき図2〜図4を用いて説明する。
第1運動変数測定部111はトレッドミル10のベルト13の速度に応じた速度センサ102の出力に基づき、ユーザの歩行速度vを測定する(図2/S111)。また、第2運動変数測定部112はトレッドミル10の踏板14が受ける圧力に応じた圧力センサ104の出力がピークを示す単位時間当たりの回数に基づき、ユーザの歩行率(単位時間当たりの歩数)pを測定する(図2/S112)。なお、歩行運動誘導装置20によりユーザに作用させられる股関節回りのトルクTの時間変化に基づいて歩行率pが測定されてもよい。また、ユーザの身体に加速度センサが取り付けられ、ユーザの鉛直方向の加速度に応じた加速度センサの出力に基づいて歩行率pが測定されてもよい。
第1運動変数測定部111により測定された歩行速度vおよび第2運動変数測定部112により測定された歩行率pは、第1制御部100から第2制御部200に無線送信され、第2制御部200を構成するRAM等に保存(または記憶)される。
さらに、運動振動子測定部210は股関節角度センサ26の出力に基づき、ユーザの左右の股関節角度φH=(φHL,φHR)(第3運動振動子および第2運動振動子に相当する。)を測定し(図2/s211)。また、運動振動子測定部210は股関節角度センサ26の出力に基づき、ユーザの左右の股関節角速度dφH/dt=(dφHL/dt,dφHR/dt)(第4運動振動子および第1運動振動子に相当する。)を測定する(図2/s212)。
さらに、1次振動子生成部220が、運動振動子測定部210により測定された股関節角速度dφH/dtおよびメモリに記憶されている最新の固有角速度ωM=(ωML,ωMR)に基づき「第1モデル」にしたがって1次振動子x=(xL,xR)を設定する(図2/s220)。第1モデルは、股関節角速度dφH/dt等の第1運動振動子に応じて出力が変動する仮想的な左右の脚体等、複数の第1要素の相関関係を表現するモデルである。具体的には、「第1モデル」は入力振動信号と相互に引き込みあうことで、固有角速度に基づいて定まる角速度で時間変化する出力振動信号(すなわち、当該第1要素のそれぞれの出力振動信号)を生成するモデルである。第1モデルは、たとえば次式(1)で表されるファン・デル・ポル(van der Pol)方程式によって表現される。1次振動子生成部220によって股関節角速度dφH/dt(第1運動振動子)が当該入力振動信号として第1モデルに入力されることにより、当該出力振動信号として1次振動子x=(xL,xR)が生成される。
(d2L/dt2)=ξ(1−xL 2)(dxL/dt)−ωML 2L
+g(xL−xR)+K(dφHL/dt),
(d2R/dt2)=ξ(1−xR 2)(dxR/dt)−ωMR 2R
+g(xR−xL)+K(dφHR/dt) ‥(1)
ここで「ξ」は1次振動子xおよびその1回時間微分(dx/dt)がx−(dx/dt)平面で安定なリミットサイクルを描くように設定される係数(>0)である。gは第1モデルにおいて左右の脚体(第1要素)の相関関係を表す第1相関係数である。Kはフィードバック係数である。なお、固有角速度ωMは、歩行運動誘導装置20による実際の歩行補助リズム(歩行誘導リズム)から大きく外れない範囲で任意に設定されてよい。
1次振動子x=(xL,xR)はルンゲ・クッタ法により算定(設定)される。1次振動子xの成分xLおよびxRはそれぞれ左右の脚体に関する仮想的な歩行補助リズムを表す。また、振動子xはファン・デル・ポル方程式の1つの性質である「相互引き込み」により、実際の歩行運動リズムとほぼ同じリズム(角速度)で時間変化する股関節角速度dφH/dtのリズムと調和しながらも「固有角速度」ωMに基づいて定まる自律的なリズムまたは角速度をもって時間変化または振動するという性質がある。
なお、股関節角速度dφH/dtに代えてまたは加えて、股関節角度φHや、膝関節、足関節、肩関節、肘関節の角度や角速度、さらには歩行者の着地音、呼吸音、断続的な発声音等、ユーザの歩行運動リズム(運動リズム)が反映されたリズムで変動する種々の第1運動振動子に基づき、1次振動子xが生成されてもよい。
また、式(1)で表現されるファン・デル・ポル方程式とは異なる形のファン・デル・ポル方程式によって第1モデルが表現されてもよく、股関節角速度dφH/dt等の入力振動信号と相互引き込み効果をもって出力振動信号が生成され得るあらゆる方程式によって第1モデルが表現されてもよい。
前記のように股関節角速度dφH/dt等の第1運動振動子に応じて出力が変動する複数の第1要素(左右の脚体)の関係を表現する第1モデルにしたがって、第1要素の出力として1次振動子xが生成される(式(1),図2/s220)。これにより、ユーザの実際の運動に関係する複数の第1要素の関係を第1相関係数g等により表される、第1モデルにおける複数の第1要素の相関関係に反映させることで、当該複数の第1要素間の関係に鑑みて適当な1次振動子xが生成され得る。たとえば、複数の第1要素として左右の脚体や同一脚体の複数の関節が想定された場合、交互に前後に動く等の左右の脚体の定性的関係や股関節回りの脚体運動と膝関節回りの脚体運動との周期や位相差等の同一脚体の関節間の定性的関係等が反映された形で1次振動子xが生成される。したがって、ユーザの運動を誘導する誘導振動子のリズムおよびスケールを当該関係に鑑みて適当なものとすることができる。
続いて、固有角速度設定部230がメモリに記憶されている目標位相差δθdと、1次振動子設定部210により生成された1次振動子xとに基づき、仮想的な2つの振動子が含まれている仮想モデルにしたがって固有角速度ωMを新たに設定する(図2/s230)。
具体的には、まず、第1位相差測定部231が、左右各成分について、運動振動子測定部210により測定された股関節角速度dφH/dt(第1運動振動子)の位相θHと、1次振動子設定部210により生成された1次振動子xの位相θMとの位相差θH−θMを、第1位相差δθ1として設定する(図2/s231)。
次に、第2位相差設定部232が、過去3歩行周期にわたって第1位相差設定部231により設定された第1位相差δθ1が一定であったことを要件として、左右各成分について、次式(2.1)および(2.2)によって表される「仮想モデル」にしたがって、次式(2.3)によって表される仮想運動振動子(第1仮想振動子)θhと仮想誘導振動子(第2仮想振動子)θmとの位相差θh−θmを第2位相差δθ2として設定する(図2/s232)。
dθh/dt=ωh+ε・sin(θm−θh) ‥(2.1)
dθm/dt=ωm+ε・sin(θh−θm) ‥(2.2)
δθ2=arcsin[(ωh−ωm)/2ε] ‥(2.3)
ここで、ε=(εL,εR)は仮想モデルにおける仮想運動振動子θh=(θhL,θhR)および仮想誘導振動子θm=(θmL,θmR)の左右成分ごとの相関係数である。また、ωhは仮想運動振動子θhの角速度であり、ωmは仮想誘導振動子θmの角速度である。
続いて、相関係数設定部233が、第1位相差設定部231により設定された第1位相差δθ1と、第2位相差設定部232により設定された第2位相差δθ2との差δθ1−δθ2が最小になるように、相関係数εを設定する(図2/s233)。
具体的には次式(2.4)にしたがって、左右各成分について、股関節角速度(運動振動子)dφH/dt(第1運動振動子)が0となる離散的な時間tid(d=1,2,・・)における相関係数εが逐次設定される。
ε(tid+1)=
ε(tid)−η{V1(tid+1)−V1(tid)}/{ε(tid)−ε(tid-1)},
V(tid+1)≡(1/2){δθ1(tid+1)−δθ2(tid)}2 ‥(2.4)
ここで、η=(ηL,ηR)の各成分は、第1位相差δθ1の左右各成分と、第2位相差δθ2の左右各成分とを近づけるポテンシャルV=(VL,VR)の安定性を表す係数である。
次に、第1角速度設定部234が、相関係数設定部233により設定された相関係数εに基づき、仮想誘導振動子θmの固有角速度ωmが一定であるという条件下で、左右各成分について第1および第2位相差の差δθ1−δθ2の各成分が最小となるように仮想運動振動子θhの角速度ωhを次式(2.5)にしたがって設定する(図2/s234)。
ωh(tid)=−α∫dt・([4ε(tid2−{ωh(t)−ωm(tid)}21/2
×sin[sin-1{(ωh(t)−ωm(tid-1))/2ε(tid)}−δθ1(tid)])
‥(2.5)
ここで、α=(αL,αR)の各成分は系の安定性を表す係数である。
続いて、第2角速度設定部235が、左右各成分について、第1角速度設定部234により設定された仮想運動振動子θhの角速度ωhに基づき、仮想誘導振動子θmの角速度ωmを新たな固有角速度ωMとして設定する(図2/s235)。具体的には、第2角速度設定部235が、左右各成分について、第2位相差δθ2が目標位相差δθdに近づくように、次式(2.6)にしたがって仮想誘導振動子θmの角速度ωm=(ωmL,ωmR)を設定する。
ωm(tid)=β∫dt・([4ε(tid2−{ωh(tid)−ωm(t)}2
×sin[sin-1{(ωh(tid)−ωm(t))/2ε(tid)}−δθd])
‥(2.6)
ここで、β=(βL,βR)の各成分は系の安定性を表す係数である。
続いて、2次振動子生成部240が、運動振動子測定部210により測定された股関節角度φH(第2運動振動子)と、固有角速度設定部230により設定された新たな固有角速度ωMとに基づき、「第2モデル」にしたがって、2次振動子y=(yL+,yL-,yR+,yR-)を生成する(図2/s240)。第2モデルは、股関節角度φH等の運動振動子に応じて出力が変動する複数の神経要素等、複数の第2要素の相関関係を表現するモデルである。具体的には「第2モデル」は、入力振動信号に応じて当該新たな固有角速度に基づいて定まる角速度で時間変化する出力振動信号(すなわち、当該第2要素のそれぞれの出力振動信号)を生成するモデルである。第2モデルは次式(3)の連立微分方程式により表現される。当該連立微分方程式には、左大腿部の屈曲方向(前方)および伸展方向(後方)のそれぞれへの運動を支配する神経要素L+およびL-、並びに右大腿部の屈曲方向および伸展方向のそれぞれへの運動を支配する神経要素R+およびR-の膜電位の変動に対応する状態変数ui(i=L+,L-,R+,R-)と、神経要素iの順応効果が反映される自己抑制因子viとが含まれている。
τ1L+・duL+/dt=−uL++wL+/L-L-+wL+/R+R+−λLL+
+f1(ωML)+f2(ωML)K(φL),
τ1L-・duL-/dt=−uL-+wL-/L+L++wL-/R-R-−λLL-
+f1(ωML)+f2(ωML)K(φL),
τ1R+・duR+/dt=−uR++wR+/L+L++wR+/R-R-−λRR+
+f1(ωMR)+f2(ωMR)K(φR),
τ1R-・duR-/dt=−uR-+wR-/L-L-+wR-/R+R+−λRR-
+f1(ωMR)+f2(ωMMR)K(φR),
τ2i・dvi/dt=−vi+yi
i=H(ui−uth),H≡0(ui<uth),1(ui≧uth)または
i=fs(ui)≡1/{1+exp(−ui/ξ)} ‥(3)
ここで、τ1iは状態変数uiの変化特性を規定する時定数であり、左右各成分について、次式(3.1)によって表されているように、新たな固有角速度ωMへの依存性を有する。
τ1i≡t(ωML)/ωML−γL(i=L+,L-),
t(ωMR)/ωMR−γR(i=R+,R-)‥(3.1)
t(ω)はω依存性を有する係数である。γ=(γL,γR)は定数である。τ2iは自己抑制因子viの変化特性を規定する時定数である。wi/j(<0)は複数の第2要素(神経要素)iおよびjの相関関係を第2モデルにしたがって生成される複数の(第2要素の)出力振動信号に反映させるための第2相関係数(定数)である。「λL」および「λR」は慣れ係数である。Kは股関節角度φHに応じたフィードバック係数である。
「f1」および「f2」はそれぞれ次式(3.2)および(3.3)により定義される関数である。
1(ω)≡c・ω(c>0) ‥(3.2)
2(ω)≡c0+c1ω+c2ω2 ‥(3.3)
新たな固有角速度ωMの関数であるf1(ωM)およびf2(ωM)の係数c,c0,c1,c2は、目標運動設定部211によって設定された目標となる運動リズムに応じた係数として設定され得る。
なお、股関節角度φHに代えてまたは加えて、股関節角速度dφH/dtや、膝関節、足関節、肩関節、肘関節の角度や角速度、さらには歩行者の着地音、呼吸音、意図的な発声音等、歩行運動リズムと連関したリズムで変動する種々の振動子に基づき、2次振動子yiが生成されてもよい。
2次振動子yiは、状態変数uiの値が閾値uth未満である場合は0、状態変数uiの値が閾値uth以上である場合は1となる。或いは、2次振動子yiは、シグモイド関数fsによって定義されている(式(3)参照)。これにより、大腿部の屈曲方向(前方)への動きについてはこの動きを支配する第2要素(神経要素)L+、R+の出力である2次振動子yL+およびyR+が、他の第2要素の出力よりも大きくなる。また、大腿部の伸展方向(後方)への動きについてはこの動きを支配する第2素子L-、R-の出力である2次振動子yL-およびyR-が、他の第2要素の出力よりも大きくなる。脚体(大腿部)の前方または後方への動きは、たとえば、股関節角速度dφH/dtの極性によって識別される。
前記のように股関節角度φH等の第2運動振動子に応じて出力が変動する複数の第2要素の相関関係を表現する第2モデルにしたがって、第2要素の出力として2次振動子yiが生成される(式(3),図2/s240参照)。これにより、ユーザの実際の運動に関係する複数の第2要素の関係を第2相関係数wi/jにより表される、第2モデルにおける複数の第2要素の相関関係に反映させることで、当該複数の第2要素の相関関係に鑑みて適当な2次振動子yiが生成され得る。たとえば、複数の第2要素としてユーザの複数の神経(ニューロン)が想定された場合、左右の脚体による歩行を支配するニューロン間の定性的関係等が反映された形で2次振動子yiが生成される。したがって、ユーザの運動を誘導する誘導振動子のリズムおよびスケールを当該関係に鑑みて適当なものとすることができる。
次に、誘導振動子生成部250が、第1運動変数測定部111により測定された歩行速度vと、第2運動変数測定部112により測定された歩行率pと、運動振動子測定部210によって測定された股関節角度φH(第3運動振動子)と、運動振動子測定部210によって測定された股関節角速度dφH/dt(第4運動振動子)と、2次振動子生成部240により生成された2次振動子yiと、固有角速度設定部230によって設定された新たな固有角速度ωMとに基づき、誘導振動子zを設定する(図3/s250)。
具体的には、次式(4)にしたがって第1誘導振動子z1が生成される(図3/s251)。
1L=g1+(p0,ωmL)g+(q0,φHL)yL+−g1-(p0,ωmL)g-(q0,φHL)yL-
1R=g1+(p0,ωmR)g+(q0,φHR)yR+−g1-(p0,ωmR)g-(q0,φHR)yRR-
0≡(v/k01/2,q0≡(vk01/2‥(4)
ここで「g1+」「g1-」「g+」および「g-」は次式(4.1)〜(4.4)のそれぞれによって定義される関数である。
1+(p0,ω)≡Σkk+(p0)ωk(ak+(p0):係数,k=0〜3)‥(4.1)
1-(p0,ω)≡Σkk-(p0)ωk(ak-(p0):係数,k=0〜3)‥(4.2)
+(q0,φ)≡c1+(φ−φ0+(q0))+c2+(φ−φ0+(q0))3
(c1+,c2;:係数,φ0+:屈曲方向の股関節角度φHの目標値)‥(4.3)
-(q0,φ)≡c1-(φ−φ0-(q0))+c2-(φ−φ0-(q0))3
(c1-,c2-:係数,φ0-:伸展方向の股関節角度φHの目標値)‥(4.4)
股関節角度φHの目標角度φ0+(q0),φ0-(q0)は目標歩行比k0および歩行速度vに応じた推奨歩幅q0(=(vk01/2)関数であり、ユーザの歩幅q(=v/p)と推奨歩幅q0との偏差δqに基づいて補正されうる。また、第1係数g1+(p0,ωM),g1-(p0,ωM)に含まれる係数ak+(p0),ak-(p0)は目標歩行比k0および歩行速度vに応じた推奨歩行率p0(=(v/k01/2)の関数であり、ユーザの歩行率p(=v/q)と推奨補効率p0との偏差δpに基づいて補正されうる。
第1誘導振動子z1は、第1係数g1+およびg1-をそれぞれバネ係数(弾性係数)とする、図4に示されている2つの仮想的なバネG1+およびG1-の弾性力として表現されている。第1係数g1+およびg1-は、歩行速度(第1運動変数)vおよび固有角速度ωMに応じて、股関節角度φH(ユーザの運動スケールに応じた運動振動子である第3運動振動子)を目標運動スケールに応じた目標角度φ0+(>0)およびφ0-(<0)に近付ける第1ポテンシャル(仮想的なバネ(弾性要素)のポテンシャル)のグラディエントを表現している(式(4.1)(4.2)参照)。すなわち、第1誘導振動子z1は、第1ポテンシャルに応じた第1係数g1+,g1-を弾性係数(バネ係数)とし、かつ、股関節角度φHの値を目標角度φ0+およびφ0-に復元させる仮想的なバネ等の弾性要素による弾性力として表現される。これにより、第1誘導振動子z1により、股関節角度φH(第3運動振動子)が目標歩行比k0および歩行速度vに応じた目標角度φ0+,φ0-に一致するように、かつ、筋肉の収縮状態から伸展状態への移行時の弾性力等、ユーザの身体の弾性要素が反映されたリズムおよびスケールをもってユーザの運動が誘導されうる。
仮想的なバネG1+による弾性力は、そのバネ係数g1+に応じて股関節角度φH(第3運動振動子)をその目標角度φ0+に近付けるようにユーザの大腿部に作用する(式(4)参照)。すなわち、股関節角度φHが目標角度φ0+未満である場合、バネG1+による弾性力が、股関節角度φHを増加させる方向(前方)に大腿部を動かすようにこの大腿部に作用する。また、股関節角度φHが目標角度φ0+を超えた場合、バネG1+による弾性力が、股関節角度φHを減少させる方向(後方)に大腿部を動かすようにこの大腿部に作用する。
また、他の仮想的なバネG1-による弾性力は、そのバネ係数g1-に応じて、股関節角度φH(第3運動振動子)をこの目標角度φ0-に近付けるようにユーザの大腿部に作用する(式(4)参照)。すなわち、股関節角度φHが目標角度φ0-を超えている場合、バネG1-による弾性力が、股関節角度φHを減少させる方向(後方)に大腿部を動かすようにこの大腿部に作用する。また、股関節角度φHが目標角度φ0-を下回った場合、バネG1-による弾性力が、股関節角度φHを増加させる方向(前方)に大腿部を動かすようにこの大腿部に作用する。
また、前記のように大腿部の前方への動きおよび後方への動きの別に応じて、複数の第2要素i(=L+,L-,R+,R-)のうち一部から偏重的に出力があるので、2つの仮想的なバネG1+およびG1-のそれぞれの弾性力が相殺される事態が回避される。
すなわち、左の大腿部が前方に動いているとき、この動きを支配する第2要素L+に応じた2次振動子yL+の値が他の第2要素L-に応じた2次振動子yL-の値より大きくなって、式(4)により表されている第1誘導振動z1Lが次式(4a)のように表される(または近似される)。
1L=g1+(ωmL)g+(φHL)yL+ ‥(4a)
このため、左の大腿部が前方に動いているとき、2つの仮想的なバネG1+およびG1-のそれぞれの弾性力のうち、股関節角度φHを前側の目標角度φ0+に近付けるようにユーザの大腿部に作用するバネG1+の弾性力が偏重的に反映されることとなる。これにより、2つの仮想的なバネG1+およびG1-のそれぞれの弾性力が相殺される事態が回避される。
また、左の大腿部が後方に動いているとき、この動きを支配する第2要素L-の出力が他の第2要素L+の出力より大きくなり、これによって第2要素L-に応じた2次振動子yL-の値が第2要素L+に応じた2次振動子yL+の値より大きくなり、式(4)によって表されている第1誘導振動子z1Lは次式(4b)のように表される(または近似される)。
1L=−g1-(ωmL)g-(φHL)yL- ‥(4b)
このため、左の大腿部が後方に動いているとき、2つの仮想のバネG1+およびG1−のそれぞれの弾性力のうち、股関節角度φHを後側の目標角度φ0-に近付けるようにユーザの大腿部に作用する仮想のバネG1-の弾性力が偏重的に反映されることとなる。これにより、2つの仮想的なバネG1+およびG1-のそれぞれの弾性力が相殺される事態が回避される。これは、右の脚体(大腿部)の動きについても同様である。
なお、股関節角速度dφH/dtを変数とするシグモイド関数fs(式(3)参照)が第1係数g1+,g1-に組み込まれ、これにより股関節角速度dφH/dtの極性により特定される大腿部の前後への動きの別に応じて、複数の第2要素iの出力としての2次振動子yiのうち一部が偏重的に反映された形で第1トルクT1が生成されてもよい。これによっても、2つの仮想的なバネG1+およびG1-のそれぞれの弾性力が相殺される事態が回避され得る。
さらに、次式(5)にしたがって第2誘導振動子z2が設定される(図3/s252)。
2L=−g2+(p0,ωmL)(dφHL/dt)H+(φHL)yL+
+g2-(p0,ωmL)(dφHL/dt)H-(φHL)yL-
2R=−g2+(p0,ωmR)(dφHR/dt)H+(φHR)yR+
+g2-(p0,ωmR)(dφHR/dt)H-(φHR)yR-‥(5)
ここで「g2+」「g2-」は次式(5.1)〜(5.4)のそれぞれによって定義される関数である。
2+(p0,ω)≡Σkk+(p0)ωk
(bK+(p0):係数,k=0〜3)‥(5.1)
2-(p0,ω)≡Σkk-(p0)ωk
(bk-(p0):係数,k=0〜3)‥(5.2)
+(φ)≡0(φ≦0),1(φ>0) ‥(5.3)
-(φ)≡0(φ>0),1(φ≦0) ‥(5.4)
第2係数g2+(p0,ωM),g2-(p0,ωM)に含まれる係数bk+(p0),bk-(p0)は目標歩行比k0および歩行速度vに応じた推奨歩行率p0(=(v/k01/2)の関数であり、ユーザの歩行率p(=v/q)と推奨補効率p0との偏差δpに基づいて補正されうる。
第2誘導振動子z2は、第2係数g2+およびg2-をそれぞれダンパ係数(減衰係数)とする、図4に示されている2つの仮想的なダンパG2;およびG2-の減衰力として把握される。第2係数g2+およびg2-は、固有角速度ωMに応じて股関節角度φHの絶対値の増大を抑制する第2ポテンシャル(仮想的なダンパ(減衰要素)のポテンシャル)のグラディエントを特定するものである(式(5.1)(5.2)参照)。すなわち、第2誘導振動子z2は、第2ポテンシャルに応じた第2係数g2+,g2-を減数係数(ダンパ係数)とし、かつ、股関節角速度dφH/dt(第4運動振動子)に応じて股関節角度φH(第3運動振動子)の絶対値の増大を抑制する仮想的なダンパ等の減衰要素による減衰力として表現される。第2誘導振動子z2により、股関節角速度dφH/dtに応じて股関節角度φHの絶対値の増大が抑制されるように、かつ、筋肉の伸展状態から屈曲状態への移行時の粘性力等、ユーザの身体の減衰要素が反映されたリズムおよびスケールをもってユーザの運動が誘導され得る。
一方の仮想的なダンパG2+による減衰力は、そのダンパ係数g2+および股関節角速度dφH/dt(第4運動振動子)に応じて、前側(屈曲側)への股関節角度φの絶対値の増大を抑制するようにユーザの大腿部に作用する(式(5)参照)。すなわち、仮想的なダンパG2+による減衰力は、大腿部の前方への過剰な動きを抑制するようにこの大腿部に作用する。
また、他方の仮想的なダンパG2-による弾性力は、そのダンパ係数g2-および股関節角速度dφH/dt(第4運動振動子)に応じて、後側(伸展側)への股関節角度φHの絶対値の増大を抑制するようにユーザの大腿部に作用する(式(5)参照)。すなわち、仮想的なダンパG2-による減衰力は、大腿部の後方への過剰な動きを抑制するようにこの大腿部に作用する。
また、第2誘導振動子z2には、股関節角度φHの関数としての階段関数H+,H-が含まれている。したがって、2つの仮想的なダンパG2+およびG2-のそれぞれの減衰力が相殺される事態が回避される。
そして、誘導振動子生成部250により生成された第1誘導振動子z1=(z1L,z1R)と、第2誘導振動子z2=(z2L,z2R) とを含む誘導振動子z(=z1+z2)に応じた電流I=(IL,IR)が電池206から左右のアクチュエータ210にそれぞれ供給され、ユーザの大腿部に力(股関節回りのトルク)Tが作用する。
以後、前記処理(図2/s111,s112,s210,・・,s240,図3/s250)が繰り返されることで、ユーザは歩行運動誘導装置20の動作によって股関節回りのトルクTが作用している状態で歩行する。
前記機能を発揮する運動管理システム1によれば、トレッドミル(第1運動誘導装置)10の動作によりユーザの歩行速度(歩行運動の速さ)が調節され、かつ、歩行運動誘導装置(第2運動誘導装置)20の動作によりユーザの歩行率(運動リズム)と調和したリズムで運動スケールが調節されながら当該ユーザの歩行(または走行)運動が誘導される。このとき、トレッドミル10の動作により誘導されているユーザの歩行速度(第1運動変数)vと歩行率(第2運動変数)pとに基づいて歩行運動誘導装置20の動作が制御される。歩行速度vはトレッドミル10のベルト13の速度に基づいて測定され、歩行率pは歩行運動しているユーザの脚体からトレッドミル10の踏板14に作用する圧力に基づいて測定されることで、歩行速度vおよび歩行率pの測定精度の向上が図られうる。
これにより、ユーザの歩行速度vおよび歩行率(運動リズム)p(または歩幅(運動スケール)q=v/p)の関係を表す歩行比v/p2を目標歩行比に維持しながら歩行運動をユーザに継続させることができる。これは、図5に示されているp(歩行率)−q(歩幅)平面において原点を通る直線q=k+p,q=k-q等の傾きとして表現される歩行比k=q/pが、目標とする歩行比に一致することを意味する。
たとえば図5に示されている点s0により表される歩行率p0および歩幅q0でユーザが歩行運動している状態から、トレッドミル10の動作によって双曲線q=v/pで表される一定速度v(=p00)での歩行運動が誘導されながら歩行率が調節される場合を考える。
直線q=k+pの傾きk+(>q0/p0)により表される歩行比が目標として設定されている場合、当該直線q=k+pおよび双曲線q=v/pの交点s+により表される歩行率p+(<p0)および歩幅q+(>q0)をもってユーザが歩行するように、歩行運動誘導装置20によってユーザの動きが誘導される(図5/矢印A+参照)。すなわち、ユーザの歩行運動は歩行速度vが一定に維持されたまま、大股でゆっくりと歩行する状態へと徐々に誘導される。
また、直線q=k-pの傾きk-(<q0/p0)により表される歩行比が目標として設定されている場合、当該直線q=k-pおよび双曲線q=v/pの交点s-により表される歩行率p-(>p0)および歩幅q-(<q0)をもってユーザが歩行するように、歩行運動誘導装置20によってユーザの動きが誘導される(図5/矢印A-参照)。これにより、ユーザの歩行状態は歩行速度vが一定に維持されたまま、小股でせわしなく歩行する状態へと徐々に誘導される。
図6に示されているように歩行比kの変化δkは、歩行率pの変化δpと、歩幅qの変化δqとに分解されるが、歩行率pおよび歩幅qはそれぞれ次の理由により、ユーザの歩行運動リズムと、誘導振動子zに応じた歩行運動誘導装置20の誘導リズムとを調和させながら変化させられる。
ユーザの歩行率pは次の理由により、ユーザの歩行運動リズムと、誘導振動子zに応じた歩行運動誘導装置20の誘導リズムとを調和させながら目標歩行率に一致するように変化させられうる。
すなわち、ファン・デル・ポル方程式(式(1)参照)の性質である「相互引き込み」の効果によって1次振動子xは、ユーザの股関節角速度(第1運動振動子)dφH/dtのリズムと調和しながら固有角速度ωMに基づいて定まる自律的なリズムまたは角速度をもって振動または時間変化するものとして生成される。
1次振動子xは、ユーザの歩行運動リズムと装置によるその運動の誘導リズムとの調和を図りながら、ユーザの歩行運動リズムを目標リズムに一致させる観点から、ユーザの股関節角速度dφH/dtと不適当な位相差を有している可能性がある。したがって、1次振動子xから直接的に誘導振動子zが生成された場合、この誘導振動子zに応じた股関節回りのトルクTによって誘導されたユーザの歩行運動リズムが、目標リズムから乖離してしまうおそれがある。
そこで、仮想的な2つの振動子θhおよびθmの関係がユーザの股関節角速度dφH/dt(第1運動振動子)と1次振動子xとの位相差(第1位相差)δθ1に応じたものに設定される。詳細には、第1位相差δθ1に基づき、仮想モデルにおける相関係数εが設定される(図2/s233)。また、当該2つの振動子θhおよびθmの位相差(第2位相差)δθ2を目標位相差δθdに近づけるように2つの振動子θhおよびθmの角速度ωhおよびωmが設定され、後者が新たな固有角速度ωMとして設定される(図2/s234,s235)。これにより、新たな固有角速度ωMは、ユーザの歩行運動リズムと目標位相差δθdに応じた調和を図りながら、ユーザの歩行率を目標歩行率に一致させるようにユーザの歩行運動を誘導するという観点から適当な振動子の角速度となる。その後、新たな固有角速度ωMが反映されて1次振動子xの生成(図2/s210)が繰り返されることにより、1次振動子xのリズムと股関節角速度φH等の第1運動振動子のリズムとの調和を図りながら、第1位相差δθ1と目標位相差δθdとの偏差を徐々に減少させることができる。これにより、ユーザの運動リズムが急に変化した場合でも、この変化への誘導振動子zおよびトルクTの追従性を、ユーザに違和感等を与えない観点から適当なものとし、ユーザの運動リズムを目標リズムに適度なペースで徐々に一致させることができる。
続いて、新たに設定された固有角速度ωMに基づいて定まる角速度で時間変化する2次振動子yiが生成され(図3/s240)、さらに2次振動子yiを含む誘導振動子zが生成される(図3/s250)。これにより、ユーザの歩行運動リズムと、誘導振動子zに応じた歩行運動誘導装置20の誘導リズムとを調和させながら、ユーザの歩行率pを目標歩行率に一致させるように微小変化させることができる。これは、歩行運動誘導装置20による誘導リズムがユーザの運動リズムに調和し、かつ、ユーザの運動リズムも歩行運動誘導装置20による誘導リズムに調和するという形のユーザ(ユーザ)と装置(機械)との調和(相互の歩み寄り)を意味する。
なお、目標位相差δθdが負に設定されている場合、ユーザは歩行運動誘導装置20を先導する形で歩行運動することができる。一方、目標位相差δθdが正に設定されている場合、ユーザは歩行運動誘導装置20によって先導される形で歩行運動することができる。
また、ユーザの歩幅qは次の理由により、ユーザの歩行運動リズムと、誘導振動子zに応じた歩行運動誘導装置20の誘導リズムとを調和させながら目標歩幅に一致するように変化させられうる。
すなわち、第1誘導振動子z1に含まれている第1係数g1+,g1-は、ユーザの股関節角度φHをその目標角度φ0+,φ0-に近付けるための第1ポテンシャル(仮想的な弾性要素のポテンシャル)に応じたものである。また、第1係数g1+,g1-は歩行率pおよび固有角速度ωM(=仮想誘導振動子θmの角速度ωm)に応じたものである(式(4.1)(4.2)参照)。固有角速度ωMは前記のようにユーザの歩行運動リズムとの調和を図りつつ、ユーザの歩行率を目標歩行率に一致させるようにユーザの歩行運動を誘導するという観点から適当な振動子の角速度に相当する。さらに、目標角度φ0+,φ0-は歩行速度vおよび歩行率pの関数である(式(4.3)(4.4)参照)。
また、第2誘導振動子z2に含まれている第2係数g2+,g2-は、股関節角度φHの絶対値の増大を抑制する第2ポテンシャル(仮想的な減衰要素のポテンシャル)に応じたものである。さらに、第2係数g2+,g2-は歩行率pおよび固有角速度ωMに応じたものである(式(5.1)(5.2)参照)。固有角速度ωMは前記のようにユーザの運動リズムとの調和を図りつつ、ユーザの運動リズムを目標リズムに一致させるようにユーザの運動を誘導するという観点から適当な振動子の角速度に相当する。
したがって、歩行率pおよび新たな固有角速度ωMに応じた第1係数g1+(p,ωM),g1-(p,ωM)が反映された形で第1誘導振動子z1が生成され、かつ、固有角速度ωMに応じた第2係数g2+(p,ωM),g2-(p,ωM)が反映された形で第2誘導振動子z2が生成されることで、ユーザの歩行運動リズムと誘導振動子zのリズムとの調和、およびユーザの歩行率と目標歩行率との一致を図りながら、ユーザの運動スケールが目標スケールに近付くようにユーザの運動が誘導され得る。
また、目標角度φ0+,φ0-はユーザの測定歩幅(=歩行速度v/歩行率p)と目標歩幅との偏差に基づいて補正されうる。さらに、第1係数g1+,g1-の係数ak+,ak-、および第2係数g2+,g2-の係数bk+,bk-はユーザの測定歩行率pと目標歩行率との偏差に基づいて補正されうる。また、前記のように歩行速度vおよび歩行率pの測定精度の向上が図られている。したがって、ユーザの歩行速度vおよび歩行率pの関係を表す歩行比が目標歩行比に一致するように、適当なリズムおよびスケールをもってユーザの運動が誘導され得る。
以上により、ユーザの歩行運動、トレッドミル10の動作、および歩行運動誘導装置20の動作の調和を図りながら、目標とするスケールおよびリズムで運動するようにこのユーザを訓練することができる。なお、ユーザの歩行比が目標歩行比に一致するように歩行運動誘導装置20の動作が制御されたが、歩行速度(第1運動変数)vおよび歩行率(第2運動変数)pの任意の関係が目標とする関係となるように歩行運動誘導装置20の動作が制御されてもよい。
続いて、本発明の歩行運動管理システム1の前記作用効果に関する実験結果について図7〜図10を用いて説明する。
この実験に先立ち、図7に示されているように歩行比kとユーザの歩行運動に伴う消費エネルギーとの関係が測定された。そして、ユーザの消費エネルギーが最小となった状態での歩行比k(=0.0075)が、身体負荷の軽減の観点から目標歩行比k0として設定された。なお、目標歩行比は、歩行運動誘導装置20に設けられている設定ボタン(図示略)の操作を通じてユーザによって設定されてもよい。また、トレッドミル10のベルト13の速度は5[km/s]に固定された。すなわち、ユーザは一定速度(5[km/h])を維持しながら歩行するようにトレッドミル10の動作によりその歩行運動が誘導された。
図8に示されているように、歩行運動誘導装置20による歩行運動の誘導の有無に応じて同一のユーザが同一の速度vで歩行した場合の歩行比kが異なる。すなわち、ユーザが歩行補助装置20を装着せずに歩行した場合の歩行比kは約0.0065に制御されている。これに対して、ユーザが歩行運動誘導装置20を装着して歩行運動が誘導された状態で歩行した場合の歩行比kは、前記のように設定された目標歩行比k(=0.0075)に制御されている。このユーザは、歩行運動誘導装置20の動作によって歩行比k、ひいては歩幅qが大きくなるように歩行運動が誘導されている。これにより、目標歩行比k0で走行する感覚が身につくようにユーザを訓練することができる。そして、ユーザが歩行運動誘導装置20を装着した状態で通常の歩道等を速度5[km/h]前後で歩行した場合、その歩行比は目標歩行比0.0075に維持されることが確認された。このように、目標とする歩幅(スケール)および歩行率(リズム)で歩行運動するようにこのユーザを訓練することができる。
また、図9に示されているように、歩行運動誘導装置20による歩行運動の誘導の有無に応じて同一のユーザが同一の速度vで歩行した場合の心拍数(生理変数)が異なる。すなわち、ユーザが歩行補助装置20を装着せずに歩行した場合の心拍数は、ユーザが歩行運動誘導装置20を装着して歩行運動が誘導された状態で歩行した場合の心拍数よりも高い。これは、図8に示されているように、ユーザの歩幅が大きくなるように歩行運動が誘導されている状態で、その心拍数が低く抑えられており、身体への負荷が軽減されていることを意味する。
また、図10に示されているように、歩行運動誘導装置20による歩行運動の誘導の有無に応じて同一のユーザが同一の速度vで歩行した場合の筋群活性度(生理変数)が異なる。図10(b)に示されているユーザが歩行運動誘導装置20を装着して歩行運動が誘導された状態で歩行した場合のその股関節周囲の筋群活性度は、図10(a)に示されているユーザが歩行補助装置20を装着せずに歩行した場合の同じ箇所の筋群活性度よりも高い。これは、図8に示されているように、ユーザは歩幅が大きくなるように歩行運動が誘導されることで、ユーザの身体機能が活性化されていることを意味する。
図7〜図10に示されている実験結果から、たとえば、運動管理システム1が高齢者等、歩行運動機能が低下しているユーザの運動管理に利用された場合の意義が大きいことがわかる。すなわち、本発明の運動管理システム1が利用されることで、高齢者等の身体負荷を軽減しながら、その身体機能の低下抑制、さらには活性化を促すことができる。
また、トレッドミル10の設置スペースさえあれば比較的狭い場所でもユーザの歩行または走行訓練が可能である。
なお、運動管理システム1は、ユーザの歩行運動以外のあらゆる運動の訓練に利用されてもよい。たとえば、車椅子の左右の車輪に手で力を加える運動の訓練等、他の運動の訓練に利用されてもよい。運動管理システム1は馬の走行等、人間以外の動物の運動の訓練に利用されてもよい。
また、トレッドミル10のほか、複数のローラに掛け渡された無端ベルト、中心または中心から外れた点を通る軸回りに回転される球体、楕円球体、中心軸または中心軸から離れた中心軸に平行な軸回りに回転する円筒、四角筒等の筒体、その他任意の軸回りに回転される一塊の物体等の無端回動体を回転させることでこの回動体に接触するユーザの腕や脚などの身体部分の運動を誘導する装置が第1運動誘導装置として採用されてもよい。
前記実施形態では誘導振動子zに応じた左右の股関節回りのトルクT=(TL,TR)がユーザの身体に作用させられたが、他の実施形態として膝関節、足関節、肩関節、肘関節、手根関節等、種々の関節回りのトルクがユーザの身体に作用させされてもよい。トルク作用対象となる関節の組合せは、ユーザに応じてさまざまに変更されてもよい。
また、第2制御部200の2次振動子生成部240が、運動振動子測定部210により測定された股関節角度φH(第2運動振動子)または股関節角速度dφH/dt(第1運動振動子)の周期変化の大きさが閾値を超えた場合、固有角速度設定部230により設定された新たな固有角速度ωMに代えて、運動振動子測定部210により測定された股関節角度φH等の角速度(位相の時間変化)と、1次振動子生成部220により生成された1次振動子xの角速度とのうち一方または両方が反映されたリズムで振動する2次振動子yを生成してもよい。
当該構成によれば、ユーザの運動リズムが急に変化した場合でも、この変化後の運動リズムに応じた適当なリズムをもってユーザの運動が誘導されうる。これにより、ユーザの歩行運動、トレッドミル(第1運動誘導装置)10の動作および歩行運動誘導装置(第2運動誘導装置)20のそれぞれの動作の調和を図りながら、適当なスケールおよびリズムで歩行運動するようにユーザを訓練することができる。
また、特開2004−73649号公報に開示されている方法にしたがって誘導振動子zが生成されてもよい。
さらに、次のような形で誘導振動子zが生成されてもよい。すなわち、運動振動子測定部210がユーザの2つの異なる身体部分の動きに応じて時間変化するパラメータとしての運動振動子(たとえば肩関節角速度および股関節角度)のそれぞれを「第1運動振動子」および「第2運動振動子」として測定する。また、1次振動子生成部220が第1運動振動子と相互に引き込み合い、固有角速度ωMに基づいて定まる角速度で時間変化する1次振動子xを生成する。さらに、固有角速度設定部230が第1運動振動子と1次振動子xとの位相差に基づき、新たな固有角速度ωMを設定する。また、2次振動子生成部240が第2運動振動子に基づき、新たな固有角速度ωMに基づいて定まる角速度で時間変化する2次振動子yを生成する。そして、誘導振動子生成部250が2次振動子yに加え、第1運動変数測定部111により測定された歩行速度v(第1運動変数)と、第2運動変数測定部112により測定された歩行率p(第2運動変数)とのうち一方または両方に基づいて誘導振動子zを生成する。
当該構成によれば、ユーザの異なる身体部分のそれぞれの運動リズムと、この運動を誘導するリズムとの調和を図りながら、ユーザの運動リズムが目標運動リズムに近づくようにこの運動が誘導されうる。これにより、ユーザの運動ならびに第1および第2運動誘導装置のそれぞれの動作の調和を図りながら、適当なスケールおよびリズムで運動するようにユーザを訓練することができる。
本発明の運動管理システムの構成例示図 本発明の運動管理システムの機能に関する説明図 本発明の運動管理システムの機能に関する説明図 歩行運動を誘導する仮想的なバネおよびダンパの説明図 本発明の運動管理システムの作用効果に関する概念説明図 本発明の運動管理システムの作用効果に関する概念説明図 本発明の運動管理システムによる作用効果を示す実験結果の説明図 本発明の運動管理システムによる作用効果を示す実験結果の説明図 本発明の運動管理システムによる作用効果を示す実験結果の説明図 本発明の運動管理システムによる作用効果を示す実験結果の説明図
符号の説明
1‥運動管理システム、10‥トレッドミル(第1運動誘導装置)、13‥無端回動体、20‥歩行運動誘導装置(第2運動誘導装置)、21‥腰部装具(第1装具)、22‥大腿部装具(第2装具)、25‥アクチュエータ、26‥股関節角度センサ、100‥第1制御部、111‥第1運動変数測定部、112‥第2運動変数測定部、200‥第2制御部(制御部)、210‥運動振動子測定部、220‥1次振動子生成部、230‥固有角速度設定部、231‥第1位相差設定部、232‥第2位相差設定部、233‥相関係数設定部、234‥第1角速度設定部、235‥第2角速度設定部、240‥2次振動子生成部、250‥誘導振動子生成部

Claims (11)

  1. 動物の運動を管理するシステムであって、
    前記動物に力を作用させることによって該動物の運動を誘導するように作動する第1運動誘導装置と、
    前記動物に装着される第1装具および第2装具と、該第1装具に取り付けられたアクチュエータと、該アクチュエータおよび該第2装具に連結されている力伝達部材とを備え、かつ、該アクチュエータが該力伝達部材および該第2装具を介して該動物に力を作用させることによって前記動物の運動スケールおよび運動リズムを調節しながら該動物の運動を誘導するように作動する第2運動誘導装置と、
    前記第1運動誘導装置の動作により誘導されるように前記動物が運動している状態において、前記動物の運動スケールおよび運動リズムのうち一方または両方を表す運動変数を、該第1運動誘導装置に設けられているセンサからの出力信号に基づいて測定する運動変数測定部と、
    前記第2運動誘導装置の動作を、該運動変数測定部により測定された該運動変数に基づいて前記動物の運動スケールおよび運動リズムを調節しながら該動物の運動を誘導するように制御する制御部とを備えていることを特徴とする運動管理システム。
  2. 請求項1記載の運動管理システムにおいて、
    前記第1運動誘導装置が有する回動体の回動に伴って該回動体に接触する前記動物の身体部分が該回動体から力を受ける方向の反対方向に前記動物の運動が誘導されている状態において、前記運動変数測定部が前記動物の運動の速さを表す前記運動変数としての第1運動変数を、当該回動体の回動速度に応じた信号を出力する前記センサとしての速度センサの出力信号に基づいて測定することを特徴とする運動管理システム。
  3. 請求項2記載の運動管理システムにおいて、
    前記第1運動誘導装置としてのトレッドミルが有する、複数のローラに掛け渡された前記回動体としての無端ベルトの動きに逆らう方向に前記動物の歩行運動が誘導されている状態において、前記運動変数測定部が前記動物の歩行または走行速度を、当該無端ベルトの駆動速度に基づいて前記第1運動変数として測定することを特徴とする運動管理システム。
  4. 請求項1記載の運動管理システムにおいて、
    前記運動変数測定部が前記動物と前記第1運動誘導装置との相互作用力に応じた信号を出力する前記センサとしての力センサの出力信号の時間変化パターンに基づいて該動物の運動リズムを表す前記運動変数としての第2運動変数をさらに測定し、
    前記制御部が該運動変数測定部により測定された該第2運動変数に基づいて前記第2運動誘導装置の動作を制御することを特徴とする運動管理システム。
  5. 請求項4記載の運動管理システムにおいて、
    前記運動変数測定部が、前記第1運動誘導装置としてのトレッドミルが有する複数のローラに掛け渡された無端ベルトを支持する踏板が前記動物から受ける圧力の時間変化パターンに基づき、該動物の歩行率(単位時間当たりの歩数を意味する。)を前記第2運動変数として測定することを特徴とする運動管理システム。
  6. 請求項1記載の運動管理システムにおいて、
    前記運動変数測定部が前記運動変数として第1運動変数と第2運動変数として測定し、前記動物の歩行または走行速度を該第1運動変数として測定し、かつ、前記動物の歩幅または歩行率を該第2運動変数として測定し、
    前記制御部が、該第1運動変数としての歩行速度に対する該第2運動変数としての歩幅の二乗の比率、または該第2運動変数としての歩行率の二乗に対する該第1運動変数としての歩行速度の比率である歩行比を目標歩行比に一致させるように前記第2運動誘導装置の動作を制御することを特徴とする運動管理システム。
  7. 請求項1記載の運動管理システムにおいて、
    前記制御部が、前記動物の身体運動に応じて時間変化するパラメータとして、該動物の第1運動振動子および第2運動振動子を測定する運動振動子測定部と、
    入力振動信号と相互に引き込み合うことで固有角速度に基づいて定まる角速度で時間変化する出力振動信号を生成する第1モデルに、前記運動振動子測定部により測定された前記第1運動振動子を該入力振動信号として入力することにより、該出力振動信号として1次振動子を生成する1次振動子生成部と、
    該運動振動子測定部により測定された該第1運動振動子と該1次振動子生成部により生成された該1次振動子との位相差である第1位相差が、仮想モデルにおいて定義されている第1仮想振動子と第2仮想振動子との位相差である第2位相差に近づくように該第1仮想振動子と該第2仮想振動子との相関係数および該第1仮想振動子の角速度を設定し、該第2位相差が目標位相差に近づくように該第2仮想振動子の角速度を新たな該固有角速度として設定する固有角速度設定部と、
    入力振動信号に基づき、該固有角速度設定部により設定された該固有角速度に基づいて定まる角速度で時間変化する出力振動信号を生成する第2モデルに、該運動振動子測定部により測定された該第2運動振動子を該入力振動信号として入力することにより、該出力振動信号として2次振動子を生成する2次振動子生成部と、
    該2次振動子生成部により生成された該2次振動子に加え、前記運動変数測定部により測定された前記運動変数に基づいて前記第2運動誘導装置の動作のスケールおよびリズムを特定する誘導振動子を生成する誘導振動子生成部とを備え、
    かつ、該誘導振動子生成部により生成された該誘導振動子に基づいて前記アクチュエータの動作を制御することを特徴とする運動管理システム。
  8. 請求項7記載の運動管理システムにおいて、
    前記運動振動子測定部が前記動物の運動スケールに応じた前記運動振動子を第3運動振動子として測定し、
    前記誘導振動子生成部が、前記2次振動子生成部により生成された前記2次振動子と、前記固有角速度設定部により設定された前記固有角速度とに加え、前記運動変数測定部により測定された前記運動変数に基づき、前記運動振動子測定部により測定された前記第3運動振動子を前記動物の目標運動スケールに応じた目標値に近付けるように前記動物の運動を誘導するための仮想的な弾性要素による弾性力を表す第1誘導振動子を含む前記誘導振動子を生成することを特徴とする運動管理システム。
  9. 請求項8記載の運動管理システムにおいて、
    前記運動振動子測定部が前記第3運動振動子の時間微分値である前記運動振動子を第4運動振動子として測定し、
    前記誘導振動子生成部が、前記2次振動子生成部により生成された前記2次振動子と、前記固有角速度設定部により設定された前記固有角速度と、前記運動振動子測定部により測定された前記第4運動振動子の時間微分値とに加え、前記運動変数測定部により測定された前記運動変数に基づき、該第3運動振動子の絶対値の増大を抑制するように前記動物の運動を誘導するための仮想的な減衰要素による減衰力を表す第2誘導振動子を含む誘導振動子を生成することを特徴とする運動管理システム。
  10. 請求項7記載の運動管理システムにおいて、
    前記2次振動子生成部が、前記運動振動子測定部により測定された前記第1運動振動子または前記第2運動振動子の周期変化の大きさが閾値を超えた場合、前記固有角速度設定部により設定された前記固有角速度に代えて、前記運動振動子測定部により測定された前記第1運動振動子または前記第2運動振動子の角速度と、前記1次振動子生成部により生成された前記1次振動子の角速度とのうち一方または両方に基づいて定まる角速度で時間変化する前記2次振動子を生成することを特徴とする運動管理システム。
  11. 請求項7記載の運動管理システムにおいて、
    前記運動振動子測定部が、前記第1振動子および前記第2振動子のそれぞれとして、前記動物の2つの異なる身体部分のそれぞれの動きに応じて時間変化するパラメータを測定することを特徴とする運動管理システム。
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