しかしながら、図51のような上部挿入方式においては、炉心5から流出し冷却水(軽水)が、矢印Y1の如く、上部炉心板3の開口部3a及び上部炉心支持柱4の脚部6の間を通って上部プレナム7内へ流入する際、この冷却材の流動によって矢印Y2の如く流動振動が計装案内管1に励起される。このため、計装案内管1が上部炉心支持柱4や炉心5の構造物などに繰り返し当たって摩耗することが懸念されている。
従って本発明は上記の事情に鑑み、計装案内管の流動振動を抑制して計装案内管の摩耗するのを防止することができる計装案内管流動振動抑制構造を提供することを課題とする。
上記課題を解決する第1発明の計装案内管流動振動抑制構造は、原子炉容器内の上部炉心支持板と上部炉心板の間に介設された中空の上部炉心支持柱の内部に設けられた案内管と、前記上部炉心支持柱の下端に設けられた先端ノズルとを有し、前記案内管と前記先端ノズルと前記上部炉心板の開口部とに順に上方から下方へと挿通されて下端部が、炉心内に挿入される計装案内管の流動振動抑制構造であって、前記案内管の側面の少なくとも下部には下部穴を設け、この下部穴の内側と外側の冷却材の圧力差によって前記計装案内管を前記案内管の内周面に押し付ける構成としたことを特徴とする。
また、第2発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第1発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記上部炉心支持柱の側面に圧力調整穴を設け、前記案内管の下端から前記案内管内に流入した冷却材が、前記計装案内管と前記下部穴の間の隙間を通って前記案内管の内側から外側へと流出した後、前記圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出する構成としたことを特徴とする。
また、第3発明の計装案内管流動振動抑制構造は、原子炉容器内の上部炉心支持板と上部炉心板の間に介設された中空の上部炉心支持柱の内部に設けられた案内管と、前記上部炉心支持柱の下端に設けられた先端ノズルとを有し、前記案内管と前記先端ノズルと前記上部炉心板の開口部とに順に上方から下方へと挿通されて下端部が、炉心内に挿入される計装案内管の流動振動抑制構造であって、前記案内管の側面の上部と下部の2箇所に上部穴と下部穴を設け、これらの上部穴及び下部穴の内側と外側の冷却材の圧力差によって前記計装案内管を前記案内管の内周面に押し付ける構成としたことを特徴とする。
また、第4発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第3発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記上部炉心支持柱の側面の上部と下部の2箇所に上部圧力調整穴と下部圧力調整穴を設け、前記案内管の上端から前記案内管内に流入した冷却材が、前記計装案内管と前記上部穴の間の隙間を通って前記案内管の内側から外側へ流出し、且つ、前記上部圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出し、前記案内管の下端から前記案内管内に流入した冷却材が、前記計装案内管と前記下部穴の間の隙間を通って前記案内管の内側から外側へ流出し、且つ、前記下部圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出する構成としたことを特徴とする。
また、第5発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第2発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記圧力調整穴は、前記上部炉心支持柱の側面に着脱可能に設けたプラグの穴であることを特徴とする。
また、第6発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第4発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記上部圧力調整穴及び前記下部圧力調整穴は、前記上部炉心支持柱の側面に着脱可能に設けたプラグの穴であることを特徴とする。
また、第7発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第2発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記下部穴よりも上の位置で前記案内管の側面に圧力導入孔を設け、前記案内管の下端から前記案内管内に流入した冷却材の一部が、前記圧力導入孔を通って前記案内管の内側から外側へ流出し、且つ、前記圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出する構成としたことを特徴とする。
また、第8発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第4発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記上部穴と前記下部穴との間の位置で前記案内管の側面に上側の第1圧力導入孔と下側の第2圧力導入孔を設け、前記案内管の上端から前記案内管内に流入にした冷却材の一部が、前記第1圧力導入孔を通って前記案内管の内側から外側へ流出し、且つ、前記上部圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出し、前記案内管の下端から前記案内管内に流入にした冷却材の一部が、前記第2圧力導入孔を通って前記案内管の内側から外側へ流出し、且つ、前記下部圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出する構成としたことを特徴とする。
また、第9発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第8発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記第1圧力導入孔と前記第2圧力導入孔の間の位置で前記案内管の内周面に絞り部を設けたことを特徴とする。
また、第10発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第2発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記圧力調整穴から流出した冷却材を下方へと導くカバーを、前記上部炉心支持柱の側面に設けたことを特徴とする。
また、第11発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第4発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記下部圧力調整穴から流出した冷却材を下方へと導くカバーを、前記上部炉心支持柱の側面に設けたことを特徴とする。
また、第12発明の計装案内管流動振動抑制構造は、原子炉容器内の上部炉心支持板と上部炉心板の間に介設された中空の上部炉心支持柱の内部に設けられた案内管と、前記上部炉心支持柱の下端に設けられた先端ノズルとを有し、前記案内管と前記先端ノズルと前記上部炉心板の開口部とに順に上方から下方へと挿通されて下端部が、炉心内に挿入される計装案内管の流動振動抑制構造であって、前記計装案内管が挿通される前記先端ノズルの内周面の形状が、逆円錐台状であることを特徴とする。
また、第13発明の計装案内管流動振動抑制構造は、原子炉容器内の上部炉心支持板と上部炉心板の間に介設された中空の上部炉心支持柱の内部に設けられた案内管と、前記上部炉心支持柱の下端に設けられた先端ノズルとを有し、前記案内管と前記先端ノズルと前記上部炉心板の開口部とに順に上方から下方へと挿通されて下端部が、炉心内に挿入される計装案内管の流動振動抑制構造であって、前記計装案内管が挿通される前記先端ノズルは、外周面の形状が逆円錐台状であり、且つ、外周面の下端と内周面の下端とが連続していることを特徴とする。
また、第14発明の計装案内管流動振動抑制構造は、原子炉容器内の上部炉心支持板と上部炉心板の間に介設された中空の上部炉心支持柱の内部に設けられた案内管と、前記上部炉心支持柱の下端に設けられた先端ノズルとを有し、前記案内管と前記先端ノズルと前記上部炉心板の開口部とに順に上方から下方へと挿通されて下端部が、炉心内に挿入される計装案内管の流動振動抑制構造であって、前記先端ノズルの側面に穴を設け、この穴の内側と外側の冷却材の圧力差によって前記計装案内管を前記先端ノズルの内周面に押し付ける構成としたことを特徴とする。
また、第15発明の計装案内管流動振動抑制構造は、原子炉容器内の上部炉心支持板と上部炉心板の間に介設された中空の上部炉心支持柱の内部に設けられた案内管と、前記上部炉心支持柱の下端に設けられた先端ノズルとを有し、前記案内管と前記先端ノズルと前記上部炉心板の開口部とに順に上方から下方へと挿通されて下端部が、炉心内に挿入される計装案内管の流動振動抑制構造であって、前記上部炉心板の開口部に整流板を設け、この整流板によって前記上部炉心板の開口部を通る冷却材の一部を整流することにより、前記冷却水の一部が前記先端ノズルに上方に向かって流れ込むように構成したことを特徴とする。
また、第16発明の計装案内管流動振動抑制構造は、原子炉容器内の上部炉心支持板と上部炉心板の間に介設された中空の上部炉心支持柱の内部に設けられた案内管と、前記上部炉心支持柱の下端に設けられた先端ノズルとを有し、前記案内管と前記先端ノズルと前記上部炉心板の開口部とに順に上方から下方へと挿通されて下端部が、炉心内に挿入される計装案内管の流動振動抑制構造であって、前記先端ノズルの下端に延長管を設け、且つ、この延長管の側面に穴を設けて、この穴の内側と外側の冷却材の圧力差によって前記計装案内管を前記延長管の内周面に押し付ける構成としたことを特徴とする。
また、第17発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第8発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記第1圧力導入孔と前記第2圧力導入孔の間の位置で前記案内管を、上側の第1案内管部と下側の第2案内管部とに2分割し、且つ、前記第1案内管部の下端と前記第2案内管部の上端の間が離れていることを特徴とする。
また、第18発明の計装案内管流動振動抑制構造は、原子炉容器内の上部炉心支持板と上部炉心板の間に介設された中空の上部炉心支持柱の内部に設けられた案内管と、前記上部炉心支持柱の下端に設けられた先端ノズルとを有し、前記案内管と前記先端ノズルと前記上部炉心板の開口部とに順に上方から下方へと挿通されて下端部が、炉心内に挿入される計装案内管の流動振動抑制構造であって、前記計装案内管の形状は波形状であり、この波形状の計装案内管の各湾曲部が前記案内管の内周面に当接していることを特徴とする。
また、第19発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第1発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記下部穴を前記案内管の側面の周方向に複数設け、且つ、前記上部炉心支持柱の側面に圧力調整穴を設けて、前記複数の下部穴のうちの何れかの1つの下部穴の内側と外側の冷却材の圧力差によって前記計装案内管を前記案内管の内周面に押し付け、前記案内管の下端から案内管内に流入した冷却材が、前記複数の下部穴のうちの前記1つの下部穴以外の下部穴を通って前記案内管の内側から外側へと流出し、且つ、前記圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出する構成としたことを特徴とする。
また、第20発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第3発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記上部穴及び下部穴を前記案内管の側面の周方向に複数設け、且つ、前記上部炉心支持柱の側面の上部と下部の2箇所に上部圧力調整穴と下部圧力調整穴を設けて、前記複数の上部穴及び下部穴のうちの何れかの1つの上部穴及び下部穴の内側と外側の冷却材の圧力差によって前記計装案内管を前記案内管の内周面に押し付け、前記案内管の上端から案内管内に流入した冷却材が、前記複数の上部穴のうちの前記1つの上部穴以外の上部穴を通って前記案内管の内側から外側へと流出し、且つ、前記上部圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出し、前記案内管の下端から案内管内に流入した冷却材が、前記複数の下部穴のうちの前記1つの下部穴以外の下部穴を通って前記案内管の内側から外側へと流出し、且つ、前記下部圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出する構成としたことを特徴とする。
また、第21発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第2発明の計装案内管流動振動抑制構造において、冷却材の流動方向を前記下部穴の方向へ向ける凸部を、前記先端ノズルの下端に設けた延長管の内周面もしくは前記案内管の内周面、又は、前記延長管の内周面及び前記案内管の内周面に設けたことを特徴とする。
また、第22発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第4発明の計装案内管流動振動抑制構造において、冷却材の流動方向を前記上部穴及び前記下部穴の方向へ向ける凸部を、前記先端ノズルの下端に設けた延長管の内周面もしくは前記案内管の内周面、又は、前記延長管の内周面及び前記案内管の内周面に設けたことを特徴とする。
また、第23発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第2発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記下部穴の反対側の位置に前記案内管の長手方向に沿って圧力導入管を設け、この圧力導入管内と前記案内管内とを連通させたことを特徴とする。
また、第24発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第4発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記上部穴及び前記下部穴の反対側の位置に前記案内管の長手方向に沿って圧力導入管を設け、この圧力導入管内と前記案内管内とを連通させたことを特徴とする。
また、第25発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第23又は第24発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記圧力導入管内に連通する凹部を前記先端ノズルの内周面に形成したことを特徴とする。
また、第26発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第23発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記圧力導入管内と前記案内管内とを連通させる連通穴を、前記下部穴に対応した位置に設けたことを特徴とする。
また、第27発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第24発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記圧力導入管内と前記案内管内とを連通させる連通穴を、前記上部穴と前記下部穴に対応した位置に設けたことを特徴とする。
また、第28発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第23発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記下部穴を前記案内管の側面の周方向に複数設けて、前記複数の下部穴のうちの何れかの1つの下部穴の内側と外側の冷却材の圧力差によって前記計装案内管を前記案内管の内周面に押し付け、前記案内管の下端から案内管内に流入した冷却材が、前記複数の下部穴のうちの前記1つの下部穴以外の下部穴を通って前記案内管の内側から外側へと流出し、且つ、前記圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出する構成としたことを特徴とする。
また、第29発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第24発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記上部穴及び前記下部穴を前記案内管の側面の周方向に複数設けて、前記複数の上部穴及び下部穴のうちの何れかの1つの上部穴及び下部穴の内側と外側の冷却材の圧力差によって前記計装案内管を前記案内管の内周面に押し付け、前記案内管の上端から案内管内に流入した冷却材が、前記複数の上部穴のうちの前記1つの上部穴以外の上部穴を通って前記案内管の内側から外側へと流出し、且つ、前記上部圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出し、前記案内管の下端から案内管内に流入した冷却材が、前記複数の下部穴のうちの前記1つの下部穴以外の下部穴を通って前記案内管の内側から外側へと流出し、且つ、前記下部圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出する構成としたことを特徴とする。
また、第30発明の計装案内管流動振動抑制構造は、原子炉容器内の上部炉心支持板と上部炉心板との間に介設された上部炉心支持柱と、前記上部炉心支持柱の軸方向に貫通して、前記上部炉心板に設けられた開口部と連通する支持柱貫通孔と、炉心側における前記上部炉心支持柱の端部に設けられる先端ノズルと、前記先端ノズルの軸方向に貫通して、前記支持柱貫通孔と連通する先端ノズル貫通孔と、前記支持柱貫通孔と前記先端ノズル貫通孔とに挿通されて、一端部が炉心内に挿入される計装案内管と、前記上部炉心支持柱の側部に設けられて、前記支持柱貫通孔と前記上部炉心支持柱の外部とを連通する側部穴と、を有し、前記先端ノズルの開口部における冷却材と前記側部穴の外側の冷却材との圧力差によって、前記計装案内管を前記先端ノズルの内周に押し付けることを特徴とする。
また、第31発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第30発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記先端ノズルの炉心側に設けられて前記冷却材を前記先端ノズル貫通孔に導入する冷却材入口と、前記先端ノズルの前記上部炉心支持柱側、かつ前記先端ノズルの軸に対して反対側に設けられて、前記先端ノズル貫通孔に導入された前記冷却材を、前記支持柱貫通孔へ流出させる冷却材出口と、を有することを特徴とする。
また、第32発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第30発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記冷却材入口及び前記冷却材出口は、それぞれ複数設けられることを特徴とする。
また、第33発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第30発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記先端ノズルの内部には、前記冷却材入口と連通し、かつ前記支持柱貫通孔側から炉心側に向かって、前記先端ノズルの軸と直交する断面の開口面積が徐々に大きくなる入口側冷却材通路が設けられることを特徴とする。
また、第34発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第30発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記先端ノズルの炉心側の内面は、前記上部炉心支持柱側から炉心側における前記先端ノズルの端部に向かって、前記先端ノズルの軸と直交する断面の開口面積が大きくなることを特徴とする。
また、第35発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第30発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記先端ノズルは、前記計装案内管の外周部に配置される計装案内管保持体と、前記計装案内管保持体の外側に設けられるノズル内空間と、前記先端ノズル内空間の内面と前記計装案内管保持体との間に設けられて、前記ノズル内空間を前記冷却材入口側と前記冷却材出口側とに区画する隔壁と、前記計装案内管保持体の外周部に設けられて、区画された前記冷却材入口側の前記ノズル内空間と連通する冷却材導入口と、前記計装案内管保持体の外周部に設けられて、区画された前記冷却材出口側の前記ノズル内空間と連通する冷却材流出口と、を有しており、区画された前記冷却材入口側の前記ノズル内空間と前記冷却材入口とが連通し、区画された前記冷却材出口側の前記ノズル内空間と前記冷却材出口とが連通することを特徴とする。
また、第36発明の計装案内管流動振動抑制構造は、原子炉容器内の上部炉心支持板と上部炉心板との間に介設された上部炉心支持柱と、前記上部炉心支持柱の軸方向に貫通して、前記上部炉心板に設けられた開口部と連通する支持柱貫通孔と、前記支持柱貫通孔に挿通されて、一端部が炉心内に挿入される計装案内管と、前記上部炉心支持柱の側面に設けられて、前記支持柱貫通孔と前記上部炉心支持柱の外部とを連通する側部穴と、前記計装案内管を挿通させる挿通孔が形成されるとともに、前記支持柱貫通孔内の前記側部穴よりも上部炉心支持板側に設けられて前記支持柱貫通孔内を流れる冷却材をせき止める冷却材せき止め部材と、前記計装案内管と前記支持柱貫通孔との間、かつ前記冷却材せき止め部材よりも炉心側に配置される計装案内管保持体と、前記支持柱貫通孔と前記計装案内管保持体との間、かつ前記冷却材せき止め部材よりも炉心側に設けられて、前記支持柱貫通孔の内部を前記側部穴が設けられる側の空間と前記側部穴が設けられない側の空間とに区画する隔壁と、前記側部穴が設けられない側の空間と前記計装案内管保持体の内部とを連通する冷却材導入口と、前記側部穴が設けられる側の空間と前記計装案内管保持体の内部とを連通する冷却材流出口と、を有し、前記側部穴が設けられる側の空間に存在する冷却材と前記側部穴が設けられない側に存在する冷却材との圧力差によって、前記計装案内管を前記計装案内管保持体の内周に押し付けることを特徴とする。
また、第37発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第36発明の計装案内管流動振動抑制構造において、炉心側における前記隔壁の端部は、曲面を有することを特徴とする。
また、第38発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第36発明の計装案内管流動振動抑制構造において、炉心側における前記計装案内管保持体の端部は、曲面を有することを特徴とする。
また、第39発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第36発明の計装案内管流動振動抑制構造において、炉心側における前記支持柱貫通孔の内面は、ベルマウス状に形成されることを特徴とする。
また、第40発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第36発明の計装案内管流動振動抑制構造において、かつ炉心側における前記上部炉心支持柱の端部には、前記隔壁によって区画された前記側部穴が設けられる側の空間を塞ぐ閉止部材が設けられることを特徴とする。
また、第41発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第36発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記支持柱貫通孔の炉心側には、前記支持柱貫通孔へ流入する前記冷却材を整流する冷却材整流手段が設けられることを特徴とする。
また、第42発明の計装案内管流動振動抑制構造は、第36発明の計装案内管流動振動抑制構造において、前記支持柱貫通孔の内面は、炉心側における前記上部炉心支持柱の端部に向かって、前記上部炉心支持柱の軸と直交する断面の開口面積が徐々に大きくなることを特徴とする。
なお、上記の各発明の構成は任意に組み合わせてもよい。例えば、第5発明のプラグを他の発明の構成と組み合わせてもよい。
第1発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記計装案内管を、前記案内管により先端ノズルへと案内して円滑に前記先端ノズルに挿入することができ、且つ、先端ノズルに挿通させることによって円滑に炉心内に挿入することができる。そして、前記案内管の側面の少なくとも下部には下部穴を設け、この下部穴の内側と外側の冷却材の圧力差によって前記計装案内管を前記案内管の内周面に押し付ける構成としたことを特徴とするため、炉心から流出した冷却材の流動によって生じる計装案内管の流動振動を、前記下部穴の内側と外側の冷却材の圧力差による押し付け力によって抑制することができる。
第2発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記上部炉心支持柱の側面に圧力調整穴を設け、前記案内管の下端から前記案内管内に流入した冷却材が、前記計装案内管と前記下部穴の間の隙間を通って前記案内管の内側から外側へと流出した後、前記圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出する構成としたことを特徴としており、上部炉心支持柱の外側(上部プレナム内)は冷却材の圧力が低いため、上部炉心支持柱に圧力調整穴を設けたことによって上部炉心支持柱内(案内管と上部炉心支持柱の間)の圧力を更に低下させることができる。従って、前記下部穴の内側と外側の冷却材の圧力差による押し付け力を増大させることができるため、前記計装案内管の流動振動を、より確実に抑制することができる。
第3発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記計装案内管を、前記案内管により先端ノズルへと案内して円滑に前記先端ノズルに挿入することができ、且つ、先端ノズルによって円滑に炉心内に挿入することができる。そして、前記案内管の側面の上部と下部の2箇所に上部穴と下部穴を設け、これらの上部穴及び下部穴の内側と外側の冷却材の圧力差によって前記計装案内管を前記案内管の内周面に押し付ける構成としたことを特徴とするため、炉心から流出した冷却材の流動によって生じる計装案内管の流動振動を、前記上部穴及び下部穴の内側と外側の冷却材の圧力差による押し付け力によって抑制することができる。
第4発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記上部炉心支持柱の側面の上部と下部の2箇所に上部圧力調整穴と下部圧力調整穴を設け、前記案内管の上端から前記案内管内に流入した冷却材が、前記計装案内管と前記上部穴の間の隙間を通って前記案内管の内側から外側へ流出し、且つ、前記上部圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出し、前記案内管の下端から前記案内管内に流入した冷却材が、前記計装案内管と前記下部穴の間の隙間を通って前記案内管の内側から外側へ流出し、且つ、前記下部圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出する構成としたことを特徴としており、上部炉心支持柱の外側(上部プレナム内)は冷却材の圧力が低いため、上部炉心支持柱に上部圧力調整穴と下部圧力調整穴を設けたことによって上部炉心支持柱内(案内管と上部炉心支持柱の間)の冷却材圧力を更に低下させることができる。従って、前記冷却材の圧力差による押し付け力を増大させることができるため、前記計装案内管の流動振動を、より確実に抑制することができる。
第5発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記圧力調整穴は、前記上部炉心支持柱の側面に着脱可能に設けたプラグの穴であることを特徴としており、穴の大きさが異なる複数のプラグから任意のプラグを選択して前記上部炉心支持柱の側面に取り付けることができるため、圧力調整穴の大きさを任意に調整して上部炉心支持柱内(案内管と上部炉心支持柱の間)の冷却材圧力を任意に調節することができる。このため、前記冷却材の圧力差による押し付け力を任意に調整することができ、且つ、炉心から流出した冷却材の案内管内への流入量とを任意に調整することができる。
第6発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記上部圧力調整穴及び前記下部圧力調整穴は、前記上部炉心支持柱の側面に着脱可能に設けたプラグの穴であることを特徴としており、穴の大きさが異なる複数のプラグから任意のプラグを選択して前記上部炉心支持柱の側面に取り付けることができるため、上部圧力調整穴及び下部圧力調整穴の大きさを任意に調整して上部炉心支持柱内(案内管と上部炉心支持柱の間)の冷却材圧力を任意に調節することができる。このため、前記冷却材の圧力差による押し付け力を任意に調整することができ、且つ、頂部(上部炉心支持板の上部空間)からの案内管内への冷却材の流入量と、炉心から流出した冷却材の案内管内への流入量とを任意に調整することができる。
第7発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記下部穴よりも上の位置で前記案内管の側面に圧力導入孔を設け、前記案内管の下端から前記案内管内に流入した冷却材の一部が、前記圧力導入孔を通って前記案内管の内側から外側へ流出し、且つ、前記圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出する構成としたことを特徴とするため、前記案内管の下端から前記案内管に流入する冷却材(炉心から流出した冷却材)の圧力が圧力導入孔の位置まで導入される。その結果、前記下部穴の位置における前記案内管内の冷却材圧力を高めることができるため、前記冷却材の圧力差による押し付け力を増大させて、前記計装案内管の流動振動をより確実に抑制することができる。
第8発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記上部穴と前記下部穴との間の位置で前記案内管の側面に上側の第1圧力導入孔と下側の第2圧力導入孔を設け、前記案内管の上端から前記案内管内に流入した冷却材の一部が、前記第1圧力導入孔を通って前記案内管の内側から外側へ流出し、且つ、前記上部圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出し、前記案内管の下端から前記案内管内に流入にした冷却材の一部が、前記第2圧力導入孔を通って前記案内管の内側から外側へ流出し、且つ、前記下部圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出する構成としたことを特徴とするため、前記案内管の上端から前記案内管に流入する冷却材(前記頂部の冷却材)の圧力が前記第1圧力導入孔の位置まで導入され、前記案内管の下端から前記案内管に流入する冷却材(炉心から流出した冷却材)の圧力が前記第2圧力導入孔の位置まで導入される。その結果、前記上部穴及び前記下部穴の位置における前記案内管内の冷却材圧力を高めることができるため、前記冷却材の圧力差による押し付け力を増大させて、前記計装案内管の流動振動をより確実に抑制することができる。また、前記案内管の上端から前記案内管に流入する低温の冷却材(前記頂部の冷却材)と、前記案内管の下端から前記案内管に流入する高温の冷却材(炉心から流出した冷却材)とが、それぞれ前記第1圧力導入孔と前記第2圧力導入孔とから別々に流出するため、これらの低温冷却材と高温冷却材の界面移動による熱応力の発生を抑制することができる。
第9発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記第1圧力導入孔と前記第2圧力導入孔の間の位置で前記案内管の内周面に絞り部を設けたことを特徴とするため、前記絞り部によって、前記案内管の上端から前記案内管に流入する低温の冷却材(前記頂部の冷却材)と、前記案内管の下端から前記案内管に流入する高温の冷却材(炉心から流出した冷却材)とが混合するのをより確実に抑制することができ、その結果、これらの低温冷却材と高温冷却材の界面移動による熱応力の発生をより確実に抑制することができる。
第10発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記圧力調整穴から流出した冷却材を下方へと導くカバーを、前記上部炉心支持柱の側面に設けたことを特徴とするため、隣接する上部炉心支持柱からの冷却材の横流れの影響で前記圧力調整穴の設置位置における上部炉心支持柱の外側の圧力が高くなっていても、前記圧力調整穴から流出した冷却材を、前記カバーによって、圧力の低い下方へ導くことができる。このため、前記冷却材の圧力差による押し付け力を確保して、前記計装案内管の流動振動を確実に抑制することができる。
第11発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記下部圧力調整穴から流出した冷却材を下方へと導くカバーを、前記上部炉心支持柱の側面に設けたことを特徴とするため、隣接する上部炉心支持柱からの冷却材の横流れの影響で前記下部圧力調整穴の設置位置における上部炉心支持柱の外側の圧力が高くなっていても、前記下部圧力調整穴から流出した冷却材を、前記カバーによって、圧力の低い下方へ導くことができる。このため、前記冷却材の圧力差による押し付け力を確保して、前記計装案内管の流動振動を確実に抑制することができる。
第12発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記計装案内管が挿通される前記先端ノズルの内周面の形状が、逆円錐台状であることを特徴とするため、前記先端ノズルによって前記計装案内管を、より円滑に炉心内に挿入することができる。しかも、前記先端ノズルの下端では、前記先端ノズルの内周面と前記計装案内管との隙間が小さくなるため、冷却材が前記先端ノズルの下端で乱されることによって生じる冷却材の乱れ成分が、前記先端ノズル内に流入するのを抑制すことができる。前記冷却材の乱れ成分は前記計装案内管の流動振動の原因(励振力)となるため、前記冷却材の乱れ成分が前記先端ノズル内に流入するのを抑制することによって、前記計装案内管の流動振動を抑制することができる。
第13発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記計装案内管が挿通される前記先端ノズルは、外周面の形状が逆円錐台状であり、且つ、外周面の下端と内周面の下端とが連続していることを特徴とするため、即ち、前記先端ノズルは外形が流線形状となっているため、冷却材が先端ノズルの下端で乱されにくい。従って、前記計装案内管の流動振動の原因となる冷却材の乱れ成分(励振力)が生じにくいため、前記計装案内管の流動振動の発生を抑制することができる。
第14発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記先端ノズルの側面に穴を設け、この穴の内側と外側の冷却材の圧力差によって前記計装案内管を前記先端ノズルの内周面に押し付ける構成としたことを特徴とするため、前記計装案内管の流動振動を、前記穴の内側と外側の冷却材の圧力差による押し付け力によって抑制することができる。
第15発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記上部炉心板の開口部に整流板を設け、この整流板によって前記上部炉心板の開口部を通る冷却材の一部を整流することにより、前記冷却水の一部が前記先端ノズルに上方に向かって流れ込むように構成したことを特徴とするため、前記先端ノズルの下端において冷却材の横流れが乱されるのを抑制することができる。従って、前記計装案内管の流動振動の原因となる冷却材の乱れ成分(励振力)が生じにくいため、前記計装案内管の流動振動の発生を抑制することができる。
第16発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記先端ノズルの下端に延長管を設け、且つ、この延長管の側面に穴を設けて、この穴の内側と外側の冷却材の圧力差によって前記計装案内管を前記延長管の内周面に押し付ける構成としたことを特徴とするため、前記計装案内管の流動振動を、前記穴の内側と外側の冷却材の圧力差による押し付け力によって抑制することができる。
第17発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記第1圧力導入孔と前記第2圧力導入孔の間の位置で前記案内管を、上側の第1案内管部と下側の第2案内管部とに2分割し、且つ、前記第1案内管部の下端と前記第2案内管部の上端の間が離れていることを特徴とするため、前記案内管の熱伸びによる熱応力の発生を抑制することができる。
第18発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記計装案内管の形状は波形状であり、この波形状の計装案内管の各湾曲部が前記案内管の内周面に当接していることを特徴とするため、前記計装案内管の流動振動を、前記計装案内管の各湾曲部が当接する前記案内管の内周面によって抑えることができる。
第19発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記下部穴を前記案内管の側面の周方向に複数設け、且つ、前記上部炉心支持柱の側面に圧力調整穴を設けて、前記複数の下部穴のうちの何れかの1つの下部穴の内側と外側の冷却材の圧力差によって前記計装案内管を前記案内管の内周面に押し付け、前記案内管の下端から案内管内に流入した冷却材が、前記複数の下部穴のうちの前記1つの下部穴以外の下部穴を通って前記案内管の内側から外側へと流出し、且つ、前記圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出する構成としたことを特徴としているため、例えば前記計装案内管に曲がりぐせがついていて、前記案内管内における前記計装案内管の位置にバラツキがあっても、複数の下部穴の何れかにおいて前記計装案内管を前記案内管の内周面に押し付けることができる。
第20発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記上部穴及び下部穴を前記案内管の側面の周方向に複数設け、且つ、前記上部炉心支持柱の側面の上部と下部の2箇所に上部圧力調整穴と下部圧力調整穴を設けて、前記複数の上部穴及び下部穴のうちの何れかの1つの上部穴及び下部穴の内側と外側の冷却材の圧力差によって前記計装案内管を前記案内管の内周面に押し付け、前記案内管の上端から案内管内に流入した冷却材が、前記複数の上部穴のうちの前記1つの上部穴以外の上部穴を通って前記案内管の内側から外側へと流出し、且つ、前記上部圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出し、前記案内管の下端から案内管内に流入した冷却材が、前記複数の下部穴のうちの前記1つの下部穴以外の下部穴を通って前記案内管の内側から外側へと流出し、且つ、前記下部圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出する構成としたことを特徴とするため、例えば前記計装案内管に曲がりぐせがついていて、前記案内管内における前記計装案内管の位置にバラツキがあっても、複数の上部穴及び下部穴の何れかにおいて前記計装案内管を前記案内管の内周面に押し付けることができる。
第21発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、冷却材の流動方向を前記下部穴の方向へ向ける凸部を、前記先端ノズルの下端に設けた延長管の内周面もしくは前記案内管の内周面、又は、前記延長管の内周面及び前記案内管の内周面に設けたことを特徴とするため、前記下部穴へ向かう流れ(横方向の流れ)によって前記計装案内管を前記下部穴の方向へ押す力が前記計装案内管に作用する。このため、例えば前記計装案内管に曲がりぐせがついていて、前記案内管内における前記計装案内管の位置にバラツキがあっても、前記計装案内管をより確実に前記下部穴において前記案内管の内周面に押し付けることができる。
第22発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、冷却材の流動方向を前記上部穴及び前記下部穴の方向へ向ける凸部を、前記先端ノズルの下端に設けた延長管の内周面もしくは前記案内管の内周面、又は、前記延長管の内周面及び前記案内管の内周面に設けたことを特徴とするため、前記上部穴及び前記下部穴へ向かう流れ(横方向の流れ)によって前記計装案内管を前記上部穴及び前記下部穴の方向へ押す力が前記計装案内管に作用する。このため、例えば前記計装案内管に曲がりぐせがついていて、前記案内管内における前記計装案内管の位置にバラツキがあっても、前記計装案内管を確実に前記上部穴及び前記下部穴において前記案内管の内周面に押し付けることができる。
第23発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記下部穴の反対側の位置に前記案内管の長手方向に沿って圧力導入管を設け、この圧力導入管内と前記案内管内とを連通させたことを特徴とするため、前記圧力導入管によって前記下部穴の反対側に冷却材の圧力が導入されて前記下部穴の反対側の圧力が高くなる。このため、前記案内管内に前記計装案内管を挿通したときに前記計装案内管が前記下部穴から離れていても、前記下部穴の反対側の圧力によって前記計装案内管が前記下部穴の方向に押されるため、確実に前記下部穴において前記計装案内管を前記案内管の内周面に押し付けることができる。
第24発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記上部穴及び前記下部穴の反対側の位置に前記案内管の長手方向に沿って圧力導入管を設け、この圧力導入管内と前記案内管内とを連通させたことを特徴とするため、前記圧力導入管によって前記上部穴及び前記下部穴の反対側に冷却材の圧力が導入されて前記上部穴及び前記下部穴の反対側の圧力が高くなる。このため、前記案内管内に前記計装案内管を挿通したときに前記計装案内管が前記上部穴及び前記下部穴から離れていても、前記上部穴及び前記下部穴の反対側の圧力によって前記計装案内管が前記上部穴及び前記下部穴の方向に押されるため、確実に前記上部穴及び前記下部穴において前記計装案内管を前記案内管の内周面に押し付けることができる。
第25発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記圧力導入管内に連通する凹部を前記先端ノズルの内周面に形成したことを特徴とするため、前記凹部を介して冷却材の上昇流を前記圧力導入管内に導くことができるため、前記圧力導入管による冷却材圧力の導入をより確実に行うことができる。
第26発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記圧力導入管内と前記案内管内とを連通させる連通穴を、前記下部穴に対応した位置に設けたことを特徴とするため、前記圧力導入管内と前記案内管内とが全体的に連通している場合に比べて、より確実に前記圧力導入管により、前記下部穴に対応する位置において前記下部穴の反対側に冷却材圧力を導入することができる。このため、前記圧力導入管内と前記案内管内とが全体的に連通している場合に比べて、より確実に前記下部穴の反対側に導入した冷却材圧力により、前記計装案内管を前記下部穴の方向に押し付けることができる。
第27発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記圧力導入管内と前記案内管内とを連通させる連通穴を、前記上部穴と前記下部穴に対応した位置に設けたことを特徴とするため、前記圧力導入管内と前記案内管内とが全体的に連通している場合に比べて、より確実に前記圧力導入管により、前記上部穴及び前記下部穴に対応する位置において前記上部穴及び前記下部穴の反対側に冷却材圧力を導入することができる。このため、前記圧力導入管内と前記案内管内とが全体的に連通している場合に比べて、より確実に前記上部穴及び前記下部穴の反対側に導入した冷却材圧力により、前記計装案内管を前記上部穴及び前記下部穴の方向に押し付けることができる。
第28発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記下部穴を前記案内管の側面の周方向に複数設けて、前記複数の下部穴のうちの何れかの1つの下部穴の内側と外側の冷却材の圧力差によって前記計装案内管を前記案内管の内周面に押し付け、前記案内管の下端から案内管内に流入した冷却材が、前記複数の下部穴のうちの前記1つの下部穴以外の下部穴を通って前記案内管の内側から外側へと流出し、且つ、前記圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出する構成としたことを特徴とするため、前記計装案内管が前記案内管内の片寄った位置にある場合にも、複数の下部穴の何れかにおいて前記計装案内管を前記案内管の内周面に押し付けることができる。
第29発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、前記上部穴及び前記下部穴を前記案内管の側面の周方向に複数設けて、前記複数の上部穴及び下部穴のうちの何れかの1つの上部穴及び下部穴の内側と外側の冷却材の圧力差によって前記計装案内管を前記案内管の内周面に押し付け、前記案内管の上端から案内管内に流入した冷却材が、前記複数の上部穴のうちの前記1つの上部穴以外の上部穴を通って前記案内管の内側から外側へと流出し、且つ、前記上部圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出し、前記案内管の下端から案内管内に流入した冷却材が、前記複数の下部穴のうちの前記1つの下部穴以外の下部穴を通って前記案内管の内側から外側へと流出し、且つ、前記下部圧力調整穴を通って前記上部炉心支持柱の内側から外側へ流出する構成としたことを特徴とするため、前記計装案内管が前記案内管内の片寄った位置にある場合にも、複数の上部穴及び下部穴の何れかにおいて前記計装案内管を前記案内管の内周面に押し付けることができる。
第30発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、先端ノズルの開口部における冷却材と上部炉心支持柱に設けられる側部穴の外側の冷却材との圧力差によって、計装案内管を先端ノズルの内周に押し付ける。これによって、炉心から流出した冷却材の流動によって生じる計装案内管の流動振動を、先端ノズルの開口部における冷却材と上部炉心支持柱に設けられる側部穴の外側の冷却材との圧力差による押し付け力によって抑制することができる。また、先端ノズルを利用するため、構造が簡単になり、コスト増加を抑制できる。
第31発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、先端ノズル貫通孔に冷却材を導入する冷却材入口と、先端ノズル貫通孔に導入された冷却材を支持柱貫通孔へ流出させる冷却材出口とを先端ノズルの軸に対して略対称の位置に配置する。これによって、冷却材の圧力を効率的に計装案内管へ伝えて、計装案内管を先端ノズルの内周に押し付けることができる。その結果、炉心から流出した冷却材の流動によって生じる計装案内管の流動振動を、より効果的に抑制できる。
第32発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、冷却材入口及び前記冷却材出口をそれぞれ複数設ける。これによって、計装案内管を先端ノズルの内周に押し付ける力をより大きくできるので、炉心から流出した冷却材の流動によって生じる計装案内管の流動振動を、より効果的に抑制できる。
第33発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、先端ノズルの内部に、炉心側の冷却材入口と連通し、かつ支持柱貫通孔側から炉心側に向かって、先端ノズルの軸と直交する断面の開口面積が徐々に大きくなる入口側冷却材通路を備える。これによって、計装案内管に対する押し付け力を、冷却材入口側から支持柱貫通孔側に向かって同程度の大きさにすることができるので、前記押し付け力のアンバランスを抑制できる。その結果、より安定して計装案内管の流動振動を抑制できる。
第34発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、先端ノズルの炉心側の内面を、上部炉心支持柱側から炉心側における先端ノズルの端部に向かって、先端ノズルの軸と直交する断面の開口面積が大きくなるように構成する。これによって、炉心からの冷却材を、先端ノズル貫通の冷却材通路へ効率的に取り込む。その結果、冷却材によって計装案内管を先端ノズルの内周へより確実に押し付けることができるので、より確実に、計装案内管の流動振動を抑制できる。
第35発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、先端ノズルは、計装案内管を保持する計装案内管保持体と、先端ノズルのノズル内空間の内面と計装案内管保持体との間に設けられて、ノズル内空間を冷却材入口側と冷却材出口側とに区画する隔壁とを含んで構成される。そして、先端ノズルの開口部における冷却材と上部炉心支持柱に設けられる側部穴の外側の冷却材との圧力差による押し付け力によって、計装案内管を先端ノズルの一部を構成する計装案内管保持体に押し付ける。その結果、炉心から流出した冷却材の流動によって生じる計装案内管の流動振動を抑制できる。
第36発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、側部穴が設けられた上部炉心支持柱の支持柱貫通孔内に、計装案内管を保持する計装案内管保持体と、先端ノズルのノズル内空間の内面と計装案内管保持体との間に設けられて、ノズル内空間を冷却材入口側と冷却材出口側とに区画する隔壁とを設ける。そして、隔壁によって区画された、側部穴が設けられる側の空間に存在する冷却材と前記側部穴が設けられない側に存在する冷却材との圧力差によって、計装案内管を計装案内管保持体の内周に押し付ける。これによって、炉心から流出した冷却材の流動によって生じる計装案内管の流動振動を抑制できる。また、先端ノズルを必要としないので、構造がより簡単になり、コスト増加を抑制できる。
第37発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、炉心側における隔壁の端部は、曲面を有して構成される。また、第38発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、炉心側における計装案内管保持体の端部は、曲面を有して構成される。これによって、支持柱貫通孔内へ流入する冷却材が、隔壁の端部や計装案内管保持体の端部で剥離することを抑制できる。これによって、計装案内管の流動振動を更に効果的に抑制できる。
第39発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、炉心側における支持柱貫通孔の内面は、ベルマウス状に形成される。これによって、これによって、支持柱貫通孔内へ流入する冷却材が、上部炉心支持柱の炉心側における端部で剥離することを抑制できるので、計装案内管の流動振動を更に効果的に抑制できる。
第40発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、炉心側における上部炉心支持柱の端部に、隔壁によって区画された側部穴が設けられる側の空間を塞ぐ閉止部材が設けられる。これによって、側部穴が設けられる側の空間へ冷却材が流入することを抑制できるので、側部穴が設けられる側の空間における冷却材の圧力をより低下させることができる。その結果、計装案内管はより大きな押し付け力で計装案内管保持体に押し付けられるので、計装案内管の流動振動をより効果的に抑制できる。
第41発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、支持柱貫通孔の炉心側には、支持柱貫通孔へ流入する冷却材を整流する冷却材整流手段を設ける。これによって、冷却材は、多孔板等の冷却材整流手段で整流されてから支持柱貫通孔へ流入するので、支持柱貫通孔での渦の発生が抑制される。その結果、計装案内管の流動振動を更に効果的に抑制できる。
第42発明の計装案内管流動振動抑制構造によれば、支持柱貫通孔の内面は、炉心側における上部炉心支持柱の端部に向かって、上部炉心支持柱の軸と直交する断面の開口面積が徐々に大きくなるように構成される。これによって、これによって、計装案内管に対する押し付け力を、冷却材入口側から支持柱貫通孔に設けられる冷却材せき止め部材に向かって同程度の大きさにすることができるので、前記押し付け力のアンバランスを抑制できる。その結果、より安定して計装案内管の流動振動を抑制できる。
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。本発明は、PWR(Pressurized Water Reactor)式の原子炉に好適であるが、本発明の適用対象は、これに限定されるものではなく、BWR(Boiling Water Reactor)式の原子炉に本発明を適用してもよい。
<実施の形態例1> 図1は本発明の実施の形態例1に係る計装案内管流動振動抑制構造を備えたPWRの原子炉容器の内部構造の概要を示す断面図、図2は図1から前記計装案内管流動振動抑制構造を抽出して示す拡大断面図である。また、図3(a)は図2のA1−A1線矢視断面拡大図、図3(b)は図2のA2−A2線矢視断面拡大図、図3(c)は図2のA3−A3線矢視断面拡大図、図3(d)は図2のA4−A4線矢視断面拡大図、図3(e)は図2のA5−A5線矢視断面拡大図、図3(f)は図2のA6−A6線矢視断面拡大図、図3(g)は図2のA7−A7線矢視断面拡大図、図3(h)は図2から案内管を抽出して示す図2のA8方向矢視拡大図である。
図1に示すように、原子炉容器11は上部が原子炉容器蓋12によって塞がれており、内部に炉心槽13を有している。炉心槽13は上部が上部炉心支持板14によって塞がれ、下部が下部炉心支持板26によって塞がれている。炉心槽13の内部には上部炉心板15と、下部炉心板16と、これらの炉心板15,26の間に設けられた炉心17とを有している。炉心17は多数の燃料集合体18からなるものである。また、原子炉容器11には原子炉容器入口ノズル19が接続され、炉心槽13には原子炉容器出口ノズル20が接続されている。原子炉容器出口ノズル20は原子炉容器11を貫通して原子炉容器11の外側に突出している。
そして、詳細は後述するが、上部炉心支持板14と上部炉心板15との間には中空の上部炉心支持柱21が介設されており、上部炉心支持柱21内には案内管27が設けられ、上部炉心支持板21の下端には先端ノズル28が設けられている。計装案内管であるシンブルチューブ22は、案内管27と、先端ノズル28と、上部炉心板15の開口部15aとに順に上方から下方へと挿通されて下端部22aが、炉心17内に挿入されている。中性子検出器23は、これに接続されたケーブル24とともにシンブルチューブ22により上方から下方へと案内されて炉心17内に挿入されている。
また、上部炉心支持板14の上部空間である頂部32にはシンブルチューブ支持板33が設けられ、原子炉容器蓋12には案内管34が貫通している。従って、シンブルチューブ22は案内管34に案内されて頂部32内に挿入された後、シンブルチューブ支持板33を経て案内管27内に挿入される。
なお、図1には1体の上部炉心支持柱21のみを実線で示しているが、図1に一点鎖線で示すように上部炉心支持板14と上部炉心板15の間の上部プレナム25には複数の上部炉心支持柱21が設けられており、シンブルチューブ22も複数設けられている。一方、下部炉心板16の下の下部プレナム29などには複数の下部炉心支持柱30などが設けられている。なお、制御棒駆動装置や制御棒クラスタ案内管などは図示を省略している。
矢印Y3の如く、冷却材(軽水)は原子炉容器入口ノズル19から原子炉容器11内に流入し、原子炉容器11と炉心槽13との間を通って下方へと流れた後、炉心17を上方へと流れ、この間に炉心17を冷却し、自らは加熱されて高温になる。更に、冷却材は炉心17から流出した後、上部炉心板15の開口部15a及び上部炉心支持柱21の脚部31の間を通って上部プレナム25内へ流入し、原子炉容器出口ノズル20から原子炉容器11外へと流出する。また、このときに僅かではあるが、矢印Y4の如く、原子炉容器入口ノズル19から原子炉容器11内へ流入した冷却材の一部が、図示しないバイパス流路を通って頂部32内へ流入する。
次に図2及び図3に基づき、本実施の形態例1の計装案内管流動振動抑制構造について説明する。
図2及び図3に示すように、上部炉心支持柱21は円筒状の部材であり、下端部に設けられた複数の脚部21を介して上部炉心板15に支持され、上部炉心板15の開口部15aの真上に鉛直に立設されている。上部炉心支持柱21の上端部は上部炉心支持板14を貫通し、ナット35が螺合されて上部炉心支持板14に固定されている。
先端ノズル28は下方にいくほど幅が狭い逆円錐台状の部材であり、上部炉心支持柱21の下端に固定されている。先端ノズル28はシンブルチューブ22を挿通するための挿通孔28aを有している。案内管27は円筒状の部材であり、上部炉心支持柱21の内部21aに挿入され、その下端部が、先端ノズル28の上端部に嵌合している。なお、案内管27は先端ノズル28に差し込まれているだけであり、先端ノズル28に固定されてはいない。これは案内管27と先端ノズル28との間に熱応力が発生するのを抑制するためである。
案内管21の内部と先端ノズル28の内部(挿通孔28a)は連通しており、同径となっている。また、案内管27の上端部には、上方にいくほど幅が広い逆円錐台状のチャンファー36が設けられている。従って、シンブルチューブ22は、チャンファー36によって円滑に案内管27内に挿入され、且つ、案内管27に案内されて円滑に先端ノズル28の挿通孔28aに挿入される。
また、案内管27の外周面の上部と下部にはそれぞれ、上部ポジショナー38Aと下部ポジショナー38Bとが設けられており、これらのポジショナー38A,38Bによって、上部炉心支持柱21内で案内管27が振れるのを防止している。
そして、本実施の形態例1では案内管27の側面の上部と下部の2箇所に上部穴37Aと下部穴37Bとがそれぞれ形成されている。これらの上部穴37A及び下部穴37Bは何れも、案内管27の軸方向に長いスリット状になっている。なお、上部穴37A,37Bの形状はスリット状に限定するものではなく、例えば楕円形状や円形状などであってもよい。
シンブルチューブ22は案内管27の側面に上部穴37A及び下部穴37bを設けたことにより、これらの上部穴37A及び下部穴37Bの内側(即ち案内管27の内側)と外側(即ち案内管27の外側)の冷却材の圧力差によって案内管27の内周面に押し付けられている。
即ち、案内管27内には、炉心17から流出した冷却材が先端ノズル28を介して案内管27の下端から流入可能であり、且つ、頂部32内の冷却材が案内管27の上端から流入可能であるため、図3(a)及び図3(e)に示す案内管27の内側の冷却材の圧力P1は、炉心17から流出した冷却材の圧力や、頂部32内の冷却材の圧力に略等しい圧力となる。これに対して案内管27の外側の冷却材の圧力P2は案内管27の内側の圧力P1より小さい。このため、上部穴37A及び下部穴37Bでは、これらの冷却材圧力P1,P2の差圧(ΔP=P1−P2)によってシンブルチューブ22が、案内管27の内周面に押し付けられている。
以上のように、本実施の形態例1の計装案内管流動振動抑制構造によれば、シンブルチューブ22を、案内管27により先端ノズル28へと案内して円滑に先端ノズル28に挿入することができ、且つ、先端ノズル28によって円滑に炉心内に挿入することができる。そして、案内管27の側面の上部と下部の2箇所に上部穴37Aと下部穴37Bを設け、これらの上部穴37A及び下部穴37Bの内側と外側の冷却材の圧力差によってシンブルチューブ22を案内管27の内周面に押し付ける構成としたことを特徴とするため、炉心17から流出した冷却材の流動によって生じるシンブルチューブ22の流動振動を、上部穴37A及び下部穴37Bの内側と外側の冷却材の圧力差による押し付け力によって抑制することができる。
<実施の形態例2> 図4は本発明の実施の形態例2に係る計装案内管流動振動抑制構造の構成を示す断面図、図5(a)は図4のB1−B1線矢視断面拡大図、図5(b)は図4のB2−B2線矢視断面拡大図、図5(c)は図4のB3−B3線矢視断面拡大図、図5(d)は図4のB4−B4線矢視断面拡大図、図5(e)は図4から案内管を抽出して示す図4のB5方向矢視拡大図、図5(f)は図4のB6方向矢視拡大図である。
なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。また、図4,図5の計装案内管流動振動抑制構造に関しても、上記実施の形態例1(図2,図3参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図4及び図5に示すように、本実施の形態例2では案内管27の側面の上部と下部の2箇所に上部穴41Aと下部穴41Bとがそれぞれ形成されている。これらの上部穴41A及び下部穴41Bは何れも、案内管27の軸方向に長いスリット状であり、且つ、このスリット形状の中央部が楕円形状に膨らんだ拡幅部41A−1,41B−1となっている。即ち、本実施の形態例2の穴41A,41Bは上記実施の形態例2の穴37A,37B(図3参照)に比べて案内管27の周方向の幅が、上下の部分では同じであるのに対して中央部では広くなっている。
このため、上記実施の形態例1(図3参照)では穴37A,37B(案内管27)の内側と外側の冷却材の圧力差によってシンブルチューブ22が案内管27の内周面に押し付けられているとき、穴37A,37B全体がシンブルチューブ22によって塞がれてしまうのに対して、本実施の形態例2(図5参照)では穴41A,41B(案内管27)の内側と外側の冷却材の圧力差によってシンブルチューブ22が案内管27の内周面に押し付けられているとき、穴41A,41Bの拡幅部41A−1,41B−1では穴41A,41Bとシンブルチューブ22との間に隙間Sを有している。
また、上部炉心支持柱21の上部と下部の2箇所には、上部圧力調整穴42Aと下部圧力調整穴42Bとがそれぞれ形成されている。上部圧力調整穴42Aは上部穴41Aに対応する位置(上部穴41Aの前)に設けられ、下部圧力調整穴42Bは下部穴41Bに対応する位置(下部穴41Bの前)に設けられている。
従って、図4に矢印Y5で示す如く、案内管27の上端から案内管27内に流入した冷却材(頂部32内の冷却材)は、上部穴41Aとシンブルチューブ22との隙間Sを通って案内管27の内側から外側へ流出し、且つ、上部圧力調整穴42Aを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出する。一方、図4に矢印Y6で示す如く、案内管27の下端から案内管27内に流入した冷却材(炉心17から流出した冷却材)は、下部穴41Bとシンブルチューブ22との隙間Sを通って案内管27の内側から外側へ流出し、且つ、下部圧力調整穴42Bを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出する。
なお、図4,図5のその他の構成については上記実施の形態例1(図2,図3参照)と同様である。
以上のように、本実施の形態例2の計装案内管流動振動抑制構造によれば、上部炉心支持柱21の側面の上部と下部の2箇所に上部圧力調整穴42Aと下部圧力調整穴42Bを設け、案内管27の上端から案内管27内に流入した冷却材が、シンブルチューブ22と上部穴41Aの間の隙間Sを通って案内管27の内側から外側へ流出し、且つ、上部圧力調整穴42Aを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出し、案内管27の下端から案内管27内に流入した冷却材が、シンブルチューブ22と下部穴41Bの間の隙間Sを通って案内管27の内側から外側へ流出し、且つ、下部圧力調整穴42Bを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出する構成としたことを特徴としており、上部炉心支持柱21の外側(上部プレナム25内)の冷却材の圧力P3が案内管27と上部炉心支持柱21の間の冷却材圧力P2よりも低いため、上部炉心支持柱21に上部圧力調整穴42Aと下部圧力調整穴42Bを設けたことによって上部炉心支持柱21内の冷却材圧力P2を更に低下させることができる。従って、冷却材の圧力差(ΔP=P1−P2)による押し付け力を増大させることができるため、シンブルチューブ22の流動振動を、より確実に抑制することができる。
なお、上部穴41A及び下部穴41Bの形状は図示例のような形状に限定するものではなく、シンブルチューブ22が案内管27の内周面に押し付けられたときにシンブルチューブ22と穴41A,41Bの間に隙間を有していればよく、例えば単なる楕円形状や円形状などであってもよい。
<実施の形態例3> 図6は本発明の実施の形態例3に係る計装案内管流動振動抑制構造の構成を示す断面図、図7(a)は図6のC1−C1線矢視断面拡大図、図7(b)は図6のC2−C2線矢視断面拡大図、図7(c)は図6のC3方向矢視拡大図である。
なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。また、図6,図7の計装案内管流動振動抑制構造に関しても、上記実施の形態例2(図4,図5参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図6及び図7に示すように、本実施の形態例3では案内管27の側面の上部と下部の2箇所に上部プラグ51Aと下部プラグ51Bとがそれぞれ着脱可能に設けられている。そして、上部プラグ51Aの穴51A−1が上部圧力調整穴であり、下部プラグ51Bの穴51B−1が下部圧力調整穴である。上部圧力調整穴51A−1は上部穴41Aに対応する位置に設けられ、下部圧力調整穴51B−1は下部穴41Bに対応する位置に設けられている。プラグ51A,51Bは外周面にネジが形成されており、上部炉心支持柱21の側面に形成されたネジ穴21b,21cに螺合されている。プラグ51A,51Bは穴径の異なるものが複数用意されており、所望の穴径を有するプラグ51A,51Bを任意に選択して、上部炉心支持柱21の側面に取り付けることができる。
冷却材の流れについては上記実施の形態例2の場合と同様であり、図6に矢印Y7で示す如く、案内管27の上端から案内管27内に流入した冷却材(頂部32内の冷却材)は、上部穴41Aとシンブルチューブ22との隙間Sを通って案内管27の内側から外側へ流出し、且つ、上部プラグ51Aの上部圧力調整穴51A−1を通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出する。一方、図6に矢印Y8で示す如く、案内管27の下端から案内管27内に流入した冷却材(炉心17から流出した冷却材)は、下部穴41Bとシンブルチューブ22との隙間Sを通って案内管27の内側から外側へ流出し、且つ、下部プラグ51Bの下部圧力調整穴51B−1を通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出する。
図6,図7のその他の構成については上記実施の形態例2(図4,図5参照)と同様である。
以上のように、本実施の形態例3の計装案内管流動振動抑制構造によれば、上記実施の形態例2の場合と同様、プラグ51A,51B(圧力調整穴51A−1,51B−1)を設けたことによって上部炉心支持柱21内の冷却材圧力P2を更に低下させることができるため、冷却材の圧力差による押し付け力を増大させて、シンブルチューブ22の流動振動を、より確実に抑制することができる。
しかも、本実施の形態例3の計装案内管流動振動抑制構造によれば、穴の大きさが異なる複数のプラグ51A,51Bから任意のプラグ51A,51Bを選択して上部炉心支持柱21の側面に取り付けることができるため、上部圧力調整穴51A−1及び下部圧力調整穴51B−1の大きさを任意に調整して上部炉心支持柱21内(案内管27と上部炉心支持柱21の間)の冷却材圧力を任意に調節することができる。このため、冷却材の圧力差による押し付け力を任意に調整することができ、且つ、頂部32からの案内管27内への冷却材の流入量と、炉心17から流出した冷却材の案内管27内への流入量とを任意に調整することができる。
<実施の形態例4> 図8(a)は本発明の実施の形態例4に係る計装案内管流動振動抑制構造の構成を示す断面図、図8(b)は図8(a)のD1−D1線矢視断面拡大図、図8(c)は図8(a)から案内管を抽出して示す図8(a)のD2方向矢視拡大図である。
なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。また、図8の計装案内管流動振動抑制構造に関しても、上記実施の形態例2(図4,図5参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図8に示すように、本実施の形態例4では案内管22の側面に圧力導入孔61が形成されている。この圧力導入孔61は上部穴41Aと下部穴41Bの間に位置している。即ち、下部穴41aよりも上の位置に圧力導入孔61が設けられている。
従って、上記実施の形態例2と同様に図8に矢印Y9で示す如く、案内管27の上端から案内管27内に流入した冷却材(頂部32内の冷却材)は、上部穴41Aとシンブルチューブ22との隙間Sを通って案内管27の内側から外側へ流出し、且つ、上部圧力調整穴42Aを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出する。一方、図8に矢印Y10で示す如く、案内管27の下端から案内管27内に流入した冷却材(炉心17から流出した冷却材)は、下部穴41Bとシンブルチューブ22との隙間Sを通って案内管27の内側から外側へ流出し、且つ、下部圧力調整穴42Bを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出する。
そして更には、図8に矢印11で示す如く、案内管27の下端から案内管27内に流入した冷却材の一部が、圧力導入孔61を通って案内管27の内側から外側へ流出し、且つ、下部ポジショナー38Bの流通孔38B−1を通って下方へと流れた後、下部圧力調整穴42Bを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出する。
図8のその他の構成については上記実施の形態例2(図4,図5参照)と同様である。
以上のように、本実施の形態例4の計装案内管流動振動抑制構造によれば、下部穴41Bよりも上の位置で案内管27の側面に圧力導入孔61を設け、案内管27の下端から案内管27内に流入した冷却材の一部が、圧力導入孔61を通って案内管27の内側から外側へ流出し、且つ、下部圧力調整穴42Bを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出する構成としたことを特徴とするため、案内管27の下端から案内管27に流入する冷却材(炉心から流出した冷却材)の圧力が圧力導入孔61の位置まで導入される。その結果、下部穴42の位置における案内管27内の冷却材圧力を高めることができるため、冷却材の圧力差による押し付け力を増大させて、シンブルチューブ22の流動振動をより確実に抑制することができる。
<実施の形態例5> 図9(a)は本発明の実施の形態例5に係る計装案内管流動振動抑制構造の構成を示す断面図、図9(b)は図9(a)のE1−E1線矢視断面拡大図、図9(c)は図9(a)のE2−E2線矢視断面拡大図、図9(d)は図9(a)から案内管を抽出して示す図9(a)のE3方向矢視拡大図である。
なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。また、図9の計装案内管流動振動抑制構造に関しても、上記実施の形態例2(図4,図5参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図9に示すように、本実施の形態例5では案内管22の側面に上側の第1圧力導入孔71Aと下側の第2圧力導入孔71Bとが形成されている。これらの圧力導入孔71A,71Bは上部穴41Aと下部穴41Bの間に位置している。
従って、上記実施の形態例3と同様に図9に矢印Y12で示す如く、案内管27の上端から案内管27内に流入した冷却材(頂部32内の冷却材)は、上部穴41Aとシンブルチューブ22との隙間Sを通って案内管27の内側から外側へ流出し、且つ、上部圧力調整穴42Aを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出する。一方、図9に矢印Y13で示す如く、案内管27の下端から案内管27内に流入した冷却材(炉心17から流出した冷却材)は、下部穴41Bとシンブルチューブ22との隙間Sを通って案内管27の内側から外側へ流出し、且つ、下部圧力調整穴42Bを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出する。
そして更には、図9に矢印Y14で示す如く、案内管27の下端から案内管27内に流入した冷却材の一部が、第2圧力導入孔71Bを通って案内管27の内側から外側へ流出し、且つ、下部ポジショナー38Bの流通孔38B−1を通って下方へと流れた後、下部圧力調整穴42Bを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出する。また、図9に矢印Y15で示す如く、案内管27の上端から案内管27内に流入した冷却材の一部が、第1圧力導入孔71Aを通って案内管27の内側から外側へ流出し、且つ、上部ポジショナー38Aの流通孔38A−1を通って上方へと流れた後、下部圧力調整穴42Bを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出する。
図9のその他の構成については上記実施の形態例2(図4,図5参照)と同様である。
以上のように、本実施の形態例5の計装案内管流動振動抑制構造によれば、上部穴41Aと下部穴41Bとの間の位置で案内管27の側面に上側の第1圧力導入孔71Aと下側の第2圧力導入孔71Bを設け、案内管27の上端から案内管27内に流入にした冷却材の一部が、第1圧力導入孔71Aを通って案内管27の内側から外側へ流出し、且つ、上部圧力調整穴42Aを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出し、案内管27の下端から案内管27内に流入した冷却材の一部が、第2圧力導入孔71Bを通って案内管27の内側から外側へ流出し、且つ、下部圧力調整穴42Bを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出する構成としたことを特徴とするため、案内管27の上端から案内管27に流入する冷却材(頂部32の冷却材)の圧力が第1圧力導入孔71Aの位置まで導入され、案内管27の下端から案内管27に流入する冷却材(炉心17から流出した冷却材)の圧力が第2圧力導入孔71Bの位置まで導入される。その結果、上部穴41A及び下部穴41Bの位置における案内管27内の冷却材圧力を高めることができるため、冷却材の圧力差による押し付け力を増大させて、シンブルチューブ22の流動振動をより確実に抑制することができる。
また、案内管27の上端から案内管27に流入する低温の冷却材(頂部32の冷却材)と、案内管27の下端から案内管27に流入する高温の冷却材(炉心17から流出した冷却材)とが、それぞれ第1圧力導入孔71Aと第2圧力導入孔71Bとから別々に流出するため、これらの低温冷却材と高温冷却材の界面移動による熱応力の発生を抑制することができる。
<実施の形態例6> 図10(a)は本発明の実施の形態例6に係る計装案内管流動振動抑制構造の構成を示す断面図、図10(b)は図10(a)のF部断面拡大図である。
なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。また、図10の計装案内管流動振動抑制構造に関しても、上記実施の形態例5(図9参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図10に示すように、本実施の形態例6では第1圧力導入孔71Aと第2圧力導入孔71Bの間の位置において、案内管27の内周面27aに絞り部81を設けている。図示例では、案内管27の一部を内側に湾曲させることによって絞り部81を形成している。
図10のその他の構成については上記実施の形態例5(図9参照)と同様である。
以上のように、本実施の形態例6の計装案内管流動振動抑制構造によれば、第1圧力導入孔71Aと第2圧力導入孔71Bの間の位置で案内管27の内周面に絞り部81を設けたことを特徴とするため、この絞り部81によって、案内管27の上端から案内管27に流入する低温の冷却材(頂部32の冷却材)と、案内管27の下端から案内管27に流入する高温の冷却材(炉心17から流出した冷却材)とが混合するのをより確実に抑制することができ、その結果、これらの低温冷却材と高温冷却材の界面移動による熱応力の発生をより確実に抑制することができる。
<実施の形態例7> 図11(a)は本発明の実施の形態例7に係る計装案内管流動振動抑制構造の構成を示す断面図、図11(b)は図11(a)のG方向矢視図である。
なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。また、図11の計装案内管流動振動抑制構造に関しても、上記実施の形態例5(図9参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図11に示すように、本実施の形態例7では上部炉心支持柱21の側面にカバー91が設けられている。カバー91は上部炉心支持柱21の外周面の下部に下部圧力調整穴42Bを覆うようして取り付けられており、下端が開口している。このため、下部圧力調整穴42Bから流出した冷却材は、カバー91によって下方へと脚部31の近傍まで導かれた後、カバー91の下端から上部プレナム25内へと流出する。
図11のその他の構成については上記実施の形態例5(図9参照)と同様である。
以上のように、本実施の形態例7の計装案内管流動振動抑制構造によれば、下部圧力調整穴42Bから流出した冷却材を下方へと導くカバー91を、上部炉心支持柱21の側面に設けたことを特徴とするため、隣接する上部炉心支持柱21(図1参照)からの冷却材の横流れの影響で下部圧力調整穴42Bの設置位置における上部炉心支持柱21の外側の圧力が高くなっていても、下部圧力調整穴42Bから流出した冷却材を、カバー91によって、圧力の低い下方へ導くことができる。このため、冷却材の圧力差による押し付け力を確保して、シンブルチューブ22の流動振動を確実に抑制することができる。
<実施の形態例8> 図12は本発明の実施の形態例8に係る計装案内管流動振動抑制構造の要部構成を示す断面図である。
なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。また、図12の計装案内管流動振動抑制構造に関しても、上記実施の形態例5(図9参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
上記実施の形態例5(図9参照)などでは先端ノズル28の内周面(挿通孔28a)の形状が円筒状(一定幅)である。これに対して、図12示すように本実施の形態例8では、先端ノズル28の内周面28b(挿通孔28a)の形状が、下方にいくほど幅が狭い逆円錐台状となっている。
図12のその他の構成については上記実施の形態例5(図9参照)と同様である。
以上のように、本実施の形態例8の計装案内管流動振動抑制構造によれば、シンブルチューブ22が挿通される先端ノズル28の内周面28bの形状が、逆円錐台状であることを特徴とするため、この先端ノズル28によってシンブルチューブ22を、より円滑に炉心17内に挿入することができる。しかも、先端ノズル28の下端では、先端ノズル28の内周面28bとシンブルチューブ22との隙間が小さくなるため、冷却材が先端ノズル28の下端で乱されることによって生じる冷却材の乱れ成分が、先端ノズル28内に流入するのを抑制すことができる。前記冷却材の乱れ成分はシンブルチューブ22の流動振動の原因(励振力)となるため、前記冷却材の乱れ成分が先端ノズル28内に流入するのを抑制することによって、シンブルチューブ22の流動振動を抑制することができる。
<実施の形態例9> 図13は本発明の実施の形態例9に係る計装案内管流動振動抑制構造の要部構成を示す断面図である。
なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。また、図13の計装案内管流動振動抑制構造に関しても、上記実施の形態例5(図9参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
上記実施の形態例5(図9参照)など先端ノズル28では外周面の形状が下方にいくほど幅が狭い逆円錐台状にはなっているが、外周面の下端と内周面の下端とが連続しておらず、外周面の下端と内周面の下端との間に下端面(水平面)を有している。これに対して、図13に示すように本実施の形態例9の先端ノズル28は、外周面28cの形状が下方にいくほど幅が狭い逆円錐台状となっており、しかも、外周面28cの下端28c−1と内周面28bの下端28b−1とが連続している。即ち、本実施の形態例9の先端ノズル28は外形が流線形状となっている。
なお、図示例の先端ノズル28の内周面28bは、上部が上記実施の形態例8の先端ノズル28と同様の逆円錐台状となっており、下部が前記上部(逆円錐台)の下端と同径の円筒状となっている。但し、これに限定するものではなく、先端ノズル28の内周面28bの形状は、例えば全体が逆円錐台状であってもよく、全体が円筒状であってもよい。
図13のその他の構成については上記実施の形態例5(図9参照)と同様である。
以上のように、本実施の形態例9の計装案内管流動振動抑制構造によれば、シンブルチューブ22が挿通される先端ノズル28は、外周面28cの形状が逆円錐台状であり、且つ、外周面28cの下端28c−1と内周面28bの下端28b−1とが連続することより、外形が流線形状となっているため、冷却材が先端ノズル28の下端で乱されにくい。従って、シンブルチューブ22の流動振動の原因となる冷却材の乱れ成分(励振力)が生じにくいため、シンブルチューブ22の流動振動の発生を抑制することができる。
<実施の形態例10> 図14(a)は本発明の実施の形態例10に係る計装案内管流動振動抑制構造の要部構成を示す断面図、図14(b)は図14(a)から先端ノズルを抽出して示す図14(a)のH方向矢視図である。また、図15は先端ノズルの他の構成例を示す断面図である。
なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。また、図14の計装案内管流動振動抑制構造に関しても、上記実施の形態例5(図9参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図14に示すように、本実施の形態例10の先端ノズル28は上記実施の形態例2(図4参照)の先端ノズル28などと同様の逆円錐台状であり、上部炉心板15の開口部15a内まで延びている。そして、この先端ノズル28の側面には、下側の第1穴101Aと、上側の第2穴101Bとが形成されている。なお、第2穴101Bが形成されている位置では、先端ノズル28の内側に案内管27の下端部が存在しているため、この案内管27の下端部の側面にも穴102が形成されている。これらの穴101A,101B,102は円形のものである。
先端ノズル28の側面に第1穴101A及び第2穴102Bを設けたことにより、シンブルチューブ22は第1穴101A及び第2穴101Bの内側(即ち先端ノズル28の内側)の冷却材の圧力P4と、外側(即ち先端ノズル28の外側)の冷却材の圧力P5との圧力差によって案内管27の内周面に押し付けられている。
図14のその他の構成については上記実施の形態例5(図9参照)と同様である。
以上のように、本実施の形態例10の計装案内管流動振動抑制構造によれば、先端ノズル28の側面に穴101A,101Bを設け、これらの穴101A,101Bの内側と外側の冷却材の圧力差によってシンブルチューブ22を先端ノズル28の内周面に押し付ける構成としたことを特徴とするため、シンブルチューブ22の流動振動を、穴101A,101Bの内側と外側の冷却材の圧力差による押し付け力によって抑制することができる。
なお、図示例では先端ノズル28の内周面に押し付けられた案内管27によって第1穴101A及び第2穴101Bが塞がれているが、これに限定するものではなく、シンブルチューブ22と第1穴101A及び第2穴101Bの間の隙間を通って先端ノズル28の内側から外側へ冷却材が流れるようにしてもよい。
また、図示例では2つの第1穴101A及び第2穴101Bを先端ノズル28に設けているが、これに限定するものではなく、例えば第1穴101Aを1つだけ設けてもよい。更には、図示例の第1穴101A及び第2穴101Bは円形になっているが、これに限定するものではなく、例えば図15に示すようなスリット状の穴103を先端ノズル28に設けてもよい。
<実施の形態例11> 図16(a)は本発明の実施の形態例11に係る計装案内管流動振動抑制構造の要部構成を示す断面図、図16(b)は図16(a)のI−I線矢視断面図である。
なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。また、図16の計装案内管流動振動抑制構造に関しても、上記実施の形態例5(図9参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図16に示すように、本実施の形態例11では上部炉心板15の下端部15aに整流板111が設けられている。整流板111は円環状のものであり、先端ノズル28の下方に位置し、外周面に接続された複数の支持部材112を介して上部炉心板15に支持されている。炉心17から流出して上部炉心板15の開口部15を通る冷却材の一部は、整流板111で整流されることにより、矢印Y13で示す如く上方に向かう流れとなるため、先端ノズル28の挿通孔28aに真直ぐ上方に向かって流入する。
図16のその他の構成については上記実施の形態例5(図9参照)と同様である。
以上のように、本実施の形態例11の計装案内管流動振動抑制構造によれば、上部炉心板15の開口部15aに整流板111を設け、この整流板111によって上部炉心板15の開口部15aを通る冷却材の一部を整流することにより、前記冷却水の一部が先端ノズル28に上方に向かって流れ込むように構成したことを特徴とするため、先端ノズル28の下端において冷却材の横流れが乱されるのを抑制することができる。従って、シンブルチューブ22の流動振動の原因となる冷却材の乱れ成分(励振力)が生じにくいため、シンブルチューブ22の流動振動の発生を抑制することができる。
<実施の形態例12> 図17(a)は本発明の実施の形態例12に係る計装案内管流動振動抑制構造の要部構成を示す断面図、図17(b)は図17(a)のJ1−J1線矢視断面拡大図、図17(c)は図17(a)から延長管を抽出して示す図17(a)のJ2方向矢視拡大図である。
なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。また、図17の計装案内管流動振動抑制構造に関しても、上記実施の形態例5(図9参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図17に示すように、本実施の形態例12では先端ノズル28の下端に延長管121が設けられている。そして、延長管121の側面には、上下方向に長いスリット状の穴121aが形成されている。延長管121の外側は冷却材の流れが高速であり、延長管121の内部に比べて圧力が低い。このため、シンブルチューブ121は、穴121aの内側(即ち延長管121の内側)と外側(即ち延長管121の外側)の冷却材の圧力差(内側の冷却材圧力P6と外側の冷却材圧力P7の差)によって、延長管121の内周面に押し付けられている。
なお、図示例ではシンブルチューブ22によって穴121aが塞がれているが、これに限らず、シンブルチューブ22と穴121aの隙間を通って延長管121の内側から外側に冷却材が流れるようにしてもよい。また、穴121aの形状はスリット状に限定するものではなく、例えば楕円形状や円形状などであってもよい。
図17のその他の構成については上記実施の形態例5(図9参照)と同様である。
以上のように、本実施の形態例12の計装案内管流動振動抑制構造によれば、先端ノズル28の下端に延長管121を設け、且つ、この延長管121の側面に穴121aを設けて、この穴121aの内側と外側の冷却材の圧力差によってシンブルチューブ22を延長管121の内周面に押し付ける構成としたことを特徴とするため、シンブルチューブ22の流動振動を、穴121aの内側と外側の冷却材の圧力差による押し付け力によって抑制することができる。
<実施の形態例13> 図18は本発明の実施の形態例13に係る計装案内管流動振動抑制構造の構成を示す断面図である。
なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。また、図18の計装案内管流動振動抑制構造に関しても、上記実施の形態例5(図9参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図18に示すように、本実施の形態例13では第1圧力導入孔71Aと第2圧力導入孔71Bの間の位置で案内管27が、上側の第1案内管部27Aと第2案内管部27Bとに2分割されており、且つ、第1案内管部27Aの下端と第2案内管部27Bの上端の間が離れている。また、第1案内管部27Aの下端部及び第2案内管部27Bの上端部の外周面にはポジショナー38C,38Dがそれぞれ設けられており、これら中央部のポジショナー38C,38Dと上下のポジショナー38A,38Bによって上下の案内管部27A,27Bが、上部炉心支持柱21内で振れるのを防止している。
図18のその他の構成については上記実施の形態例5(図9参照)と同様である。
以上のように、本実施の形態例13の計装案内管流動振動抑制構造によれば、第1圧力導入孔71Aと第2圧力導入孔71Bの間の位置で案内管27を、上側の第1案内管部27Aと下側の第2案内管部27Bとに2分割し、且つ、第1案内管部27Aの下端と第2案内管部27Bの上端の間が離れていることを特徴とするため、案内管27の熱伸びによる熱応力の発生を抑制することができる。
また、中央部のポジショナー38C,38Dによって、上下の案内管部27A,27Bの揺れを防止するとともに案内管27の外側で低温冷却材と高温冷却材が混合するのを防止することもできる。なお、中央部のポジショナーは、例えば図9の構成などにおいて第1圧力導入孔71Aと第2圧力導入孔71Bの間の位置に設けてもよい。
<実施の形態例14> 図19は本発明の実施の形態例14に係る計装案内管流動振動抑制構造の構成を示す断面図である。
なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。また、図19の計装案内管流動振動抑制構造に関しても、上記実施の形態例1(図2,図3参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図19に示すように、本実施の形態例14ではシンブルチューブ22が波形状に形成されており、且つ、この波形状のシンブルチューブ22の各湾曲部22bが案内管27の内周面27aに当接している。
図19のその他の構成については上記実施の形態例1(図2,図3参照)と同様である。なお、図19では案内管27に穴37A,37Bは設けられていない。
以上のように、本実施の形態例14の計装案内管流動振動抑制構造によれば、シンブルチューブ22の形状は波形状であり、この波形状のシンブルチューブ22の各湾曲部22bが案内管27の内周面27aに当接していることを特徴とするため、シンブルチューブ22の流動振動を、シンブルチューブ22の各湾曲部22bが当接する案内管27の内周面27aによって抑えることができる。
なお、シンブルチューブ22の流動振動をより確実に防止するには、シンブルチューブ22の湾曲部22bを案内管27の内周面に単に当接させるだけでなく、案内管27の内周面27aに対して押圧力が働き、その反力を前記内周面27aから受けるようにすることが好ましい。但し、前記反力が大きすぎると案内管27に対するシンブルチューブ22の挿通性が悪くなってしまうため、前記流動振動の防止と前記挿通性の確保との兼ね合いを考慮した適正な反力が得られるようにする必要がある。この場合、前記反力は案内管27の波形の振幅の大きさに比例して大きくなるため、適正な反力が得られる振幅の値を、例えば有限要素法による応力解析(FEM)などによって求めればよい。
<実施の形態例15> 図20は本発明の実施の形態例15に係る計装案内管流動振動抑制構造の構成を示す断面図、図21(a)は図20のK1−K1線矢視断面拡大図、図21(b)は図20のK2−K2線矢視断面拡大図、図21(c)は図20から案内管を抽出して示す図20のK3方向矢視拡大図、図21(d)は図20から案内管を抽出して示す図20のK4方向矢視拡大図である。
なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。また、図20,図21の計装案内管流動振動抑制構造に関しても、上記実施の形態例5(図9参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図20及び図21に示すように、本実施の形態例15では案内管27の側面上部の周方向の2箇所に第1上部穴131A−1と第2上部穴131A−1とが形成されている。図示例では第1上部穴131A−1と第2上部穴131A−2は何れも上下方向に長いスリット状であり、互いに案内管27の軸回りに180度回転対称の位置に設けられている。同様に、案内管27の側面下部の周方向の2箇所にも、第1下部穴131B−1と第2下部穴131B−1とが形成されている。図示例では第1上部穴131B−1と第2上部穴131B−2は何れも上下方向に長いスリット状であり、互いに案内管27の軸回りに180度回転対称の位置に設けられている。
シンブルチューブ22は、複数の上部穴131A−1,131A−2及び下部穴131B−1,131B−2のうちの何れか1つの上部穴及び下部穴(図示例では第1上部穴131A−1及び第1下部穴131B−1)の内側(即ち案内管27の内側)と外側(即ち案内管27の外側)の冷却材の圧力差(内側の冷却材圧力P1と外側の冷却材圧力P2の差圧ΔP)によって案内管27の内周面に押し付けられる。
一方、矢印Y16の如く、案内管27の上端から案内管27内に流入した冷却材は、前記複数の上部穴131A−1,131A−2のうちの前記1つの上部穴(図示例第1上部穴131A)以外の上部穴(図示例では第2上部穴131A−2)を通って案内管27の内側から外側へと流出し、且つ、上部圧力調整穴42Aを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出する。また、矢印Y17の如く、案内管27の下端から案内管27内に流入した冷却材は、前記複数の下部穴131B−1,131B−2のうちの前記1つの下部穴(図示例では131B−1)以外の下部穴(図示例では第2下部穴131B−2)を通って案内管27の内側から外側へと流出し、且つ、下部圧力調整穴42Bを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出する。
なお、図20,図21のその他の構成については上記実施の形態例5(図9参照)と同様である。
以上のように、本実施の形態例15の計装案内管流動振動抑制構造によれば、案内管27の側面の上部と下部の周方向に複数の上部穴131A−1,131A−2と下部穴131B−1,131B−2を設け、且つ、上部炉心支持柱21の側面の上部と下部の2箇所に上部圧力調整穴42Aと下部圧力調整穴42Bを設けて、複数の上部穴131A−1,131A−2及び下部穴131B−1,131B−2のうちの何れかの1つの上部穴及び下部穴の内側と外側の冷却材の圧力差によってシンブルチューブ22を案内管27の内周面に押し付け、案内管27の上端から案内管27内に流入した冷却材が、複数の上部穴131A−1,131A−2のうちの前記1つの上部穴以外の上部穴を通って案内管27の内側から外側へと流出し、且つ、上部圧力調整穴42Aを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出し、案内管27の下端から案内管27内に流入した冷却材が、複数の下部穴131B−1,131B−2のうちの前記1つの下部穴以外の下部穴を通って案内管27の内側から外側へと流出し、且つ、下部圧力調整穴42Bを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出する構成としたことを特徴とするため、例えばシンブルチューブ22に曲がりぐせがついていて、案内管27内におけるシンブルチューブ22の位置にバラツキがあっても、複数の上部穴131A−1,131A−2及び下部穴131B−1,131B−2の何れかにおいてシンブルチューブ22を案内管27の内周面に押し付けることができる。
なお、本実施の形態例15の上部穴131A−1,131A−2及び下部穴131B−1,131B−2は何れも、案内管27の内側から外側への冷却材の流出流量が多くなり過ぎて案内管27内の圧力が低下し過ぎることがないようにするため、上記実施の形態例1の上部穴37A,37Aなどに比べて細く(流路面積が小さく)なっている。なお、具体的にどの程度の細さ(流路面積)にするかは、解析や試験などによって適宜設定すればよい。
また、上部穴131A−1,131A−2及び下部穴131B−1,131B−2の形状はスリット状に限定するものではなく、例えば楕円形状や円形状などであってもよい。
<実施の形態例16> 図22は本発明の実施の形態例16に係る計装案内管流動振動抑制構造の構成を示す断面図である。
なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。また、図22の計装案内管流動振動抑制構造に関しても、上記実施の形態例5(図9参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図22に示すように、本実施の形態例16では冷却材の流動方向を矢印Y13の如く上部穴41A及び下部穴41Bの方向へ向けるための凸部141A,141B,141Cが、先端ノズル28の下端に設けた円筒状の延長管142の内周面142a及び案内管27の内周面27aに設けられている。図示例では延長管142の一部を内側に湾曲させることによって第1凸部141Aが形成されている。同様に第2凸部141Bは上部穴42Aよりも上側の位置で案内管27の一部を内側に湾曲させることによって形成され、第3凸部141Cは下部穴42Bよりも下側の位置で案内管27の一部を内側に湾曲させることによって形成されている。
なお、図22のその他の構成については上記実施の形態例5(図9参照)と同様である。
以上のように、本実施の形態例16の計装案内管流動振動抑制構造によれば、冷却材の流動方向を上部穴41A及び下部穴41Bの方向へ向ける凸部141A,141B,141Cを、延長管142の内周面142a及び案内管27の内周面27aに設けたことを特徴とするため、上部穴41A及び下部穴41Bへ向かう流れ(横方向の流れ)によってシンブルチューブ22を上部穴41A及び下部穴41Bの方向へ押す力がシンブルチューブ22に作用する。このため、例えばシンブルチューブ22に曲がりぐせがついていて、案内管27内におけるシンブルチューブ22の位置にバラツキがあっても、シンブルチューブ22を確実に上部穴41A及び下部穴41Bにおいて案内管27の内周面に押し付けることができる。
<実施の形態例17> 図23は本発明の実施の形態例17に係る計装案内管流動振動抑制構造の構成を示す断面図、図24(a)は図23のL1−L1線矢視断面拡大図、図24(b)は図23のL2−L2線矢視断面拡大図、図24(c)は図23のL3−L3線矢視断面拡大図、図24(d)は図23から案内管を抽出して示す拡大斜視図である。
なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。また、図23,図24の計装案内管流動振動抑制構造に関しても、上記実施の形態例5(図9参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図23及び図24に示すように、本実施の形態例17では案内管27に圧力導入管151が設けられている。圧力導入管151は上部穴41A及び下部穴41Bの反対側の位置(図示例では案内管27の軸回りに180度回転した位置)に設けられ、案内管27の長手方向(軸方向)に沿って設けられている。
圧力導入管151内と案内管27内は連通しているため、炉心17を流出した冷却材の圧力や頂部32内の冷却材の圧力が、圧力導入管151を介して圧力導入管27内の上部穴41A及び下部穴41Bの反対側の領域に導入される。なお、図示例では圧力導入管151の横断面は矩形状のものであるが、これに限定するものではなく、例えば円形状などでもよい。
なお、図23,図24のその他の構成については上記実施の形態例5(図9参照)と同様である。
以上のように、本実施の形態例17の計装案内管流動振動抑制構造によれば、上部穴41A及び下部穴41Bの反対側の位置に案内管27の長手方向に沿って圧力導入管151を設け、この圧力導入管151内と案内管27内とを連通させたことを特徴とするため、圧力導入管151によって上部穴41A及び下部穴41Bの反対側に冷却材の圧力が導入されて上部穴41A及び下部穴41Bの反対側の圧力が高くなる。このため、案内管27内にシンブルチューブ22を挿通したときにシンブルチューブ22が上部穴41A及び下部穴41Bから離れていても、上部穴41A及び下部穴41Bの反対側の圧力によってシンブルチューブ22が上部穴41A及び下部穴41Bの方向に押されるため、確実に上部穴41A及び下部穴41Bにおいてシンブルチューブ22を案内管27の内周面に押し付けることができる。
<実施の形態例18> 図25(a)は本発明の実施の形態例18に係る計装案内管流動振動抑制構造の要部構成を示す断面図、図25(b)は図25(a)のM1−M1線矢視断面図、図25(b)は図25(a)のM2−M2線矢視断面図である。
なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。また、図25の計装案内管流動振動抑制構造に関しても、上記実施の形態例17(図23,図24参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図25に示すように、本実施の形態例18では先端ノズル28の内周面28aに凹部161が形成されている。即ち、先端ノズル28の挿通孔28aの開口面積が大きくなっている。凹部161は圧力導入管27に設けられた圧力導入管151の真下に位置して圧力導入管151内に連通している。
なお、図25のその他の構成については上記実施の形態例17(図23,図24参照)と同様である。
以上のように、本実施の形態例18の計装案内管流動振動抑制構造によれば、圧力導入管151内に連通する凹部161を先端ノズル28の内周面28bに形成したことを特徴とするため、この凹部161を介して冷却材の上昇流を圧力導入管151内に導くことができるため、圧力導入管151による冷却材圧力の導入をより確実に行うことができる。このため、上部穴41A及び下部穴41Bの反対側の圧力をより高くすることができる。
<実施の形態例19> 図26は本発明の実施の形態例19に係る計装案内管流動振動抑制構造の構成を示す断面図、図27(a)は図26のN1−N1線矢視断面拡大図、図27(b)は図26のN2−N2線矢視断面拡大図、図27(c)は図26のN3−N3線矢視断面拡大図、図27(d)は図26から案内管を抽出して示す拡大斜視図である。
なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。また、図26,図27の計装案内管流動振動抑制構造に関しても、上記実施の形態例17,18(図23〜図25参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
上記実施の形態例17では圧力導入管151内と案内管27内がこれらの全長に亘って連通していたのに対して、図25に示すように、本実施の形態例19では案内管27と圧力導入管151との間の境界壁172に圧力導入管151内と案内管27内とを連通させる連通穴171A,171Bが設けられている。これらの連通穴171Aと連通穴171Bはスリット状のものであり、上部穴41Aと下部穴41Bとにそれぞれ対応した位置に設けられている。
なお、図26,図27のその他の構成については上記実施の形態例17,18(図23〜図25参照)と同様である。
以上のように、本実施の形態例19の計装案内管流動振動抑制構造によれば、圧力導入管151内と案内管27内とを連通させる連通穴171A,171Bを、上部穴41Aと下部穴41Bに対応した位置に設けたことを特徴とするため、圧力導入管151内と案内管27内とが全体的に連通している場合に比べて、より確実に圧力導入管151により、上部穴41A及び下部穴41Bに対応する位置において上部穴41A及び下部穴41Bの反対側に冷却材圧力を導入することができる。このため、圧力導入管151内と案内管27内とが全体的に連通している場合に比べて、より確実に上部穴41A及び下部穴41Bの反対側に導入した冷却材圧力により、シンブルチューブ22を上部穴41A及び下部穴41Bの方向に押し付けることができる。
なお、連通穴171A,171Bの形状はスリット状に限定するものではなく、例えば楕円形状や円形状などであってもよい。
<実施の形態例20> 図28は本発明の実施の形態例20に係る計装案内管流動振動抑制構造の構成を示す断面図、図29(a)は図28のO1−O1線矢視断面拡大図、図29(b)は図28のO−O2線矢視断面拡大図、図29(c)は図28のO3−O3線矢視断面拡大図、図29(d)は図28から案内管を抽出して示す図28のO4方向矢視拡大図である。
なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。また、図28,図29の計装案内管流動振動抑制構造に関しても、上記実施の形態例19(図26,図27参照)と同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図25に示すように、本実施の形態例20では案内管27の側面上部の周方向の2箇所に第1上部穴181A−1と第2上部穴181A−2とが形成され、案内管27の側面下部の周方向の2箇所に第1下部穴181B−1と第2下部穴181B−2とが形成されている。なお、上部穴181A−1,181A−2及び下部穴181B−1,181B−2の形状はスリット状に限定するものではなく、例えば楕円形状や円形状などであってもよい。
シンブルチューブ22は、複数の上部穴181A−1,181A−2及び下部穴181B−1,181B−2のうちの何れか1つの上部穴及び下部穴(図示例では第1上部穴181A−1及び第1下部穴181B−1)の内側(即ち案内管27の内側)と外側(即ち案内管27の外側)の冷却材の圧力差(内側の冷却材圧力P1と外側の冷却材圧力P2の差圧ΔP)によって案内管27の内周面に押し付けられる。
一方、矢印Y12の如く、案内管27の上端から案内管27内に流入した冷却材は、前記複数の上部穴181A−1,181A−2のうちの前記1つの上部穴(図示例第1上部穴181A)以外の上部穴(図示例では第2上部穴181A−2)を通って案内管27の内側から外側へと流出し、且つ、上部圧力調整穴42Aを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出する。また、矢印Y17の如く、案内管27の下端から案内管27内に流入した冷却材は、前記複数の下部穴181B−1,181B−2のうちの前記1つの下部穴(図示例では181B−1)以外の下部穴(図示例では第2下部穴181B−2)を通って案内管27の内側から外側へと流出し、且つ、下部圧力調整穴42Bを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出する。
なお、図28,図29のその他の構成については上記実施の形態例19(図26,図27参照)と同様である。
以上のように、本実施の形態例20の計装案内管流動振動抑制構造によれば、案内管27の側面の上部と下部の周方向に複数の上部穴181A−1,181A−2及び下部穴181B−1,181B−2を設けて、これら複数の上部穴181A−1,181A−2及び下部穴181B−1,181B−2のうちの何れかの1つの上部穴及び下部穴の内側と外側の冷却材の圧力差によってシンブルチューブ22を案内管27の内周面に押し付け、案内管27の上端から案内管27内に流入した冷却材が、複数の上部穴181A−1,181A−2のうちの前記1つの上部穴以外の上部穴を通って案内管27の内側から外側へと流出し、且つ、上部圧力調整穴42Aを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出し、案内管27の下端から案内管27内に流入した冷却材が、複数の下部穴181B−1,181B−2のうちの前記1つの下部穴以外の下部穴を通って案内管27の内側から外側へと流出し、且つ、下部圧力調整穴42Bを通って上部炉心支持柱21の内側から外側へ流出する構成としたことを特徴とするため、シンブルチューブ22が案内管27内の片寄った位置にある場合にも、複数の上部穴181A−1,181A−2及び下部穴181B−1,181B−2の何れかにおいてシンブルチューブ22を案内管27の内周面に押し付けることができる。
<実施の形態例21> 図30は、本発明の実施の形態例21に係る計装案内管流動振動抑制構造の構成を示す断面図である。図31は、図30に示す先端ノズルの拡大図である。図32−1は、図31のQ1−Q1矢視図、図32−2は、図31のQ2−Q2矢視図、図32−3は、図31のQ3−Q3矢視図である。なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。
本実施の形態例に係る計装案内管流動振動抑制構造は、炉心17側における端部に取り付けられる先端ノズル28Aの開口部における冷却材と、上部炉心支持柱21の側部に設けられる側部穴210a,210bの外側の冷却材との圧力差によって、先端ノズル28Aの内周に、シンブルチューブ22を押し付ける点に特徴がある。
図30に示すように、本実施の形態例に係る計装案内管流動振動抑制構造において、上部炉心支持柱21は、上部炉心支持柱21の軸Zs方向、すなわち上部炉心支持柱21の長手方向に貫通して、上部炉心板15に設けられた開口部15aと連通する支持柱貫通孔21aを備える。また、上部炉心支持柱21の側部には、支持柱貫通孔21aと上部炉心支持柱21の外部とを連通する側部穴210a,210bが設けられる。本実施の形態例では、2個の側部穴210a,210bが上部炉心支持柱21の側部に設けられるが、側部穴の個数はこれに限定されるものではない。
上部炉心支持柱21の下端、すなわち、炉心17側における上部炉心支持柱21の端部は、脚部31に取り付けられる。また、上部炉心支持柱21の下端には、先端ノズル28Aが設けられる。先端ノズル28Aには、先端ノズル28Aの軸Zn方向に貫通して、支持柱貫通孔21aと連通する先端ノズル貫通孔280(図32−1〜図32−3参照)が設けられる。先端ノズル貫通孔280は、支持柱貫通孔21aに挿通されたシンブルチューブ22を挿通し、シンブルチューブ22を炉心17の内部に導く。これによって、シンブルチューブ22の一端部が炉心17の内部に挿入される。
図31、図32−1〜図32−3に示すように、先端ノズル28Aの炉心17側には、冷却材を先端ノズル貫通孔280に導入する冷却材入口281が設けられる。先端ノズル28Aの冷却材入口281は、上部炉心板15の開口部15aと連通している。また、先端ノズル28Aには、先端ノズル28Aの上部炉心支持柱21側、かつ先端ノズル28Aの軸Znに対して反対側(すなわち軸対象の位置)に、先端ノズル貫通孔280に導入された冷却材を、支持柱貫通孔21aへ流出させる冷却材出口284が設けられる。冷却材出口284は、支持柱貫通孔21aに開口している。
先端ノズル28Aの内部には、先端ノズル貫通孔280に連通する入口側冷却材通路282、及び先端ノズル貫通孔280に連通する出口側冷却材通路283が形成される。冷却材入口281は、先端ノズル28Aの炉心17側における入口側冷却材通路282の開口部である。また、冷却材出口284は、上部炉心支持柱21側における出口側冷却材通路283の開口部である。入口側冷却材通路282の上部炉心支持柱21側には、出口側封止部286が設けられる。また、出口側冷却材通路283の炉心17側には、入口側封止部285が設けられる。
炉心17側における冷却材の圧力P1は、上部炉心板15を隔てた上部炉心支持柱21の外側における冷却材の圧力P2よりも高い。従って、先端ノズル28Aの開口部、すなわち冷却材入口281における冷却材(先端ノズル28Aの開口部よりも炉心17側における冷却材)と、側部穴210a,210bの外側の冷却材との圧力差によって、炉心17の冷却材は、冷却材入口281から入口側冷却材通路282を通って先端ノズル貫通孔280に流入し、出口側冷却材通路283へ流出する。そして、冷却材は、出口側冷却材通路283の冷却材出口284から支持柱貫通孔21a内へ流出した後、側部穴210a,210bから上部炉心支持柱21の外側へ流出する。
炉心17側の冷却材は、出口側封止部286によって出口側冷却材通路283への流入が阻止される。これによって、冷却材を入口側冷却材通路282内へ効率よく導入できる。また、入口側冷却材通路282内の冷却材は、出口側封止部286によって支持柱貫通孔21aへの流出が阻止される。これによって、入口側冷却材通路282内の冷却材を、先端ノズル貫通孔280内へ効率よく導入できる。
冷却材が入口側冷却材通路282を通って先端ノズル貫通孔280に流入し、出口側冷却材通路283へ流出する過程で、シンブルチューブ22は、出口側冷却材通路283側へ向かう押し付け力を受ける(図31、図32−1〜図32−3の矢印K方向)。これによって、シンブルチューブ22は、出口側冷却材通路283側における先端ノズル28Aの内周、すなわち、先端ノズル貫通孔280の内周に押し付けられる。このように、本実施の形態例では、先端ノズル28Aの開口部側における冷却材と、側部穴210a,210bの外側の冷却材との圧力差によって、シンブルチューブ22を出口側冷却材通路283側における先端ノズル28Aの内周に押し付けるので、シンブルチューブ22の流動振動が抑制され、その結果、シンブルチューブ22の摩耗が抑制される。
図32−1〜図32−3に示すように、本実施の形態例において、冷却材入口281と冷却材出口284とは、それぞれ先端ノズル28Aの軸Znに対して反対側(軸対象の位置)に設けられる。これによって、入口側冷却材通路282と出口側冷却材通路283とは、それぞれ先端ノズル28Aの軸Znに対して反対側(軸対象の位置)に設けられる。このように構成することで、入口側冷却材通路282と出口側冷却材通路283とが略同一直線上に配置されるので、先端ノズル貫通孔280内のシンブルチューブ22へ効率的に冷却材の圧力を作用させて、シンブルチューブ22を出口側冷却材通路283側における先端ノズル28Aの内周に押し付けることができる。その結果、より確実にシンブルチューブ22の流動振動を抑制して、シンブルチューブ22の摩耗を抑制できる。
図31に示すように、冷却材入口281から出口側封止部286までの距離Hを変更することにより、シンブルチューブ22が冷却材の圧力を受ける面積(受圧面積)を変更することができる。これによって、シンブルチューブ22が冷却材から受ける力の絶対値を変更することができる。このように、本実施の形態例では、シンブルチューブ22に対する押し付け力を簡易に変更できる。
<第1変形例> 図33−1〜図33−3は、実施の形態例21の第1変形例に係る計装案内管流動振動抑制構造を示す説明図である。本変形例は、実施の形態例21に係る計装案内管流動振動抑制構造と略同様であるが、冷却材入口281及び入口側冷却材通路282と、冷却材出口284及び出口側冷却材通路283とを、先端ノズル28Aにそれぞれ複数設ける点が異なる。他の構成は実施の形態例21と同様であるので、同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図33−1に示すように、入口側冷却材通路282及び炉心側における入口側冷却材通路282の開口部である冷却材入口281(図31参照)は、先端ノズル28Aに2個設けられる。また、図33−3に示すように、出口側冷却材通路283及び支持柱貫通孔21aにおける出口側冷却材通路283の開口部である冷却材出口284(図31参照)は、先端ノズル28Aに2個設けられる。それぞれの入口側冷却材通路282の上部炉心支持柱21側には、それぞれ出口側封止部286が設けられる。また、それぞれの出口側冷却材通路283の炉心17側には、それぞれ入口側封止部285が設けられる。このように、本変形例において、先端ノズル28Aは、2対の入口側冷却材通路282、出口側冷却材通路283を備える。
一対の入口側冷却材通路282、出口側冷却材通路283は、それぞれ先端ノズル28Aの軸Znに対して反対側(軸対象の位置)に設けられる。また、2個の入口側冷却材通路282は、先端ノズル28Aの軸Znを通る平面に対して同じ側に設けられ、2個の出口側冷却材通路283は、前記平面に対して反対側に設けられる。これによって、入口側冷却材通路282から先端ノズル貫通孔280内へ導入された冷却材によって、入口側冷却材通路282から出口側冷却材通路283へ向かう押し付け力(図33−1〜図33−3に示す矢印K方向の力)をシンブルチューブ22へ作用させることができる。そして、先端ノズル貫通孔280内のシンブルチューブ22を出口側冷却材通路283側へ押し付けることができる。
本変形例に係る計装案内管流動振動抑制構造は、複数の冷却材入口281及び入口側冷却材通路282と、複数の冷却材出口284及び出口側冷却材通路283とを備える。これによって、シンブルチューブ22の受圧面積を増加させることができるので、シンブルチューブ22が冷却材から受ける押し付け力をより大きくすることができる。その結果、シンブルチューブ22を先端ノズル28Aの内周、すなわち先端ノズル貫通孔280の内周へより大きな力で押し付けるので、より確実にシンブルチューブ22の流動振動を抑制して、シンブルチューブ22の摩耗を抑制できる。
<第2変形例> 図34は、実施の形態例21の第1変形例に係る計装案内管流動振動抑制構造が備える先端ノズルの構成を示す断面図である。図35−1は、図34のR1−R1矢視図、図35−2は、図34のR2−R2矢視図、図35−3は、図34のR3−R3矢視図である。
本変形例は、実施の形態例21に係る計装案内管流動振動抑制構造と略同様であるが、先端ノズル貫通孔280と出口側冷却材通路283との間に、仕切り部材287を設ける点が異なる。他の構成は実施の形態例21と同様であるので、同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図34、図35−2、図35−3に示すように、先端ノズル28Bに設けられる先端ノズル貫通孔280と出口側冷却材通路283との間には、両者を区画する仕切り部材287が設けられる。仕切り部材287には、先端ノズル貫通孔280から出口側冷却材通路283へ冷却材を流すための仕切り部材開口部287nが複数設けられる。これによって、入口側冷却材通路282から先端ノズル貫通孔280へ流入した冷却材は、仕切り部材開口部287nを通過して出口側冷却材通路283へ流出して、冷却材出口284から支持柱貫通孔21aへ流出する。
このような構成により、入口側冷却材通路282から先端ノズル貫通孔280内へ導入された冷却材によって、入口側冷却材通路282から出口側冷却材通路283へ向かう押し付け力をシンブルチューブ22へ作用させる。そして、先端ノズル貫通孔280内のシンブルチューブ22を先端ノズル28Bの内周、より具体的には仕切り部材287へ押し付けて、シンブルチューブ22の流動振動を抑制し、シンブルチューブ22の摩耗を抑制できる。また、本変形例では、仕切り部材287の表面でシンブルチューブ22を受けるので、シンブルチューブ22の局所的な応力集中を抑制できる。
<第3変形例> 図36は、実施の形態例21の第3変形例に係る計装案内管流動振動抑制構造の構成を示す断面図である。本変形例は、実施の形態例21に係る計装案内管流動振動抑制構造と略同様であるが、先端ノズル28Cが備える入口側冷却材通路282cを、上部炉心支持柱21側から炉心側における先端ノズル28Cの端部に向かって、先端ノズル28Cの軸Znと直交する断面の開口面積が徐々に大きくなるように構成する点が異なる。他の構成は実施の形態例21と同様であるので、同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
実施の形態例21に示す入口側冷却材通路282(図31参照)のように、先端ノズル28Cの軸Znと直交する断面の開口面積が一定である場合、入口側冷却材通路282内の冷却材の圧力は、図31に示す出口側封止部286側に向かって高くなる。これによって、シンブルチューブ22に対する押し付け力は、冷却材入口281側から出口側封止部286側に向かって大きくなり、前記押し付け力のアンバランスが発生するおそれがある。
本変形例では、先端ノズル28Cの軸Znと直交する入口側冷却材通路282cの断面の開口面積を、上部炉心支持柱21の支持柱貫通孔21aから冷却材入口281側に向かって徐々に大きくなるように構成する。これによって、シンブルチューブ22に対する押し付け力を、冷却材入口281側から出口側封止部286側に向かって同程度の大きさにすることができるので、前記押し付け力のアンバランスを抑制できる。その結果、より安定してシンブルチューブ22の流動振動を抑制し、シンブルチューブ22の摩耗を抑制できる。
<第4変形例> 図37は、実施の形態例21の第4変形例に係る計装案内管流動振動抑制構造が備える先端ノズルの構成を示す断面図である。本変形例は、実施の形態例21に係る計装案内管流動振動抑制構造と略同様であるが、先端ノズル28Dの炉心側(炉心側先端ノズル)290の内面を、上部炉心支持柱21側から炉心17側における先端ノズル28Dの端部に向かって、先端ノズル28Dの軸Znと直交する断面の開口面積が徐々に大きくなるように構成する点が異なる。他の構成は実施の形態例21と同様であるので、同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
炉心側先端ノズル290を上述したように構成することで、炉心17からの冷却材を、先端ノズル28Dの入口側冷却材通路282へ効率的に取り込む。これによって、冷却材によってシンブルチューブ22を先端ノズル28Dの内周へより確実に押し付けることができるので、より確実に、シンブルチューブ22の流動振動を抑制し、シンブルチューブ22の摩耗を抑制できる。
<実施の形態例22> 図38は、本発明の実施の形態例22に係る計装案内管流動振動抑制構造の構成を示す断面図である。図39−1は、図38のS1−S1矢視図、図39−2は、図38のS2−S2矢視図、図39−3は、図38のS3−S3矢視図である。図40は、本発明の実施の形態例22に係る計装案内管流動振動抑制構造が備えるシンブルチューブの支持構造を示す斜視図である。
実施の形態例22は、実施の形態例21に係る計装案内管流動振動抑制構造と略同様であるが、先端ノズル28Eの内部に形成されるノズル内空間に配置される計装案内管保持体300と、ノズル内空間の内面と計装案内管保持体300との間に設けられて、ノズル内空間を冷却材入口281側と冷却材出口284側とに区画する隔壁301と、を含んで構成される点が異なる。他の構成は実施の形態例21と同様であるので、同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。
図38に示すように、本実施の形態例に係る計装案内管流動振動抑制構造を構成する先端ノズル28Eは、計装案内管であるシンブルチューブ22を保持する計装案内管保持体300を内部に備える。そして、計装案内管保持体300の外側かつ先端ノズル28Eの内部には、ノズル内空間が設けられる。本実施の形態例では、入口側冷却材通路282E及び出口側冷却材通路283Eが前記ノズル内空間に相当する。入口側冷却材通路282Eは冷却材入口281と連通し、また、出口側冷却材通路283Eは、冷却材出口284と連通する。
図39−1〜図39−3、図40に示すように、計装案内管保持体300は、第1保持体300Aと第2保持体300Bとで構成される。第1保持体300A及び第2保持体300Bは、長手方向に直交する断面の形状が円弧状の曲板である。計装案内管保持体300は、第1保持体300A及び第2保持体300Bの長手方向側の端部同士を対向させ、かつ所定の間隔を設けて先端ノズル28Eのノズル内空間へ配置される。
前記先端ノズル内空間の内面と、計装案内管保持体300との間には、前記ノズル内空間を冷却材入口281側と冷却材出口284側とに区画する隔壁301が設けられる。隔壁301は、板状の部材である第1隔壁301Aと第2隔壁301Bとで構成される。第1隔壁301A及び第2隔壁301Bは、それぞれ第1保持体300A及び第2保持体300Bに取り付けられ、かつ前記ノズル内空間の内面に取り付けられる。これによって、第1隔壁301A及び第2隔壁301B、すなわち隔壁301は、第1保持体300A及び第2保持体300B、すなわち計装案内管保持体300を先端ノズル28Eのノズル内空間に保持する。図39−1〜図39−3、図40に示すように、第1保持体300Aと第2保持体300Bとで囲まれる空間が、先端ノズル貫通孔280Eとなり、ここにシンブルチューブ22が挿通される。
本実施の形態例では、計装案内管保持体300と隔壁301とは、溶接等の接合手段によって接合されて一体化される。また、隔壁301は、先端ノズル28Eのノズル内空間の内面に、溶接等の接合手段によって接合され、一体化される。このように、本実施の形態例では、計装案内管保持体300及び隔壁301が先端ノズル28Eと接合され、一体化されて、先端ノズル28Eの一部を構成する。
第1保持体300A及び第2保持体300Bの一方の長手方向側の端部同士が所定の間隔をもって対向する部分は、冷却材導入口303となる。また、第1保持体300A及び第2保持体300Bの他方の長手方向側の端部同士が所定の間隔をもって対向する部分は、冷却材流出口304となる。このように、冷却材導入口303及び冷却材流出口304は、計装案内管保持体300の外周部に設けられる。
冷却材導入口303は、隔壁301によって区画された冷却材入口281側のノズル内空間、すなわち入口側冷却材通路282Eと連通する。また、冷却材流出口304は、隔壁301によって区画された冷却材出口284側のノズル内空間、すなわち出口側冷却材通路283Eと連通する。
図38、図39−1〜図39−3に示すように、入口側冷却材通路282Eの上部炉心支持柱21(図30参照)側には、出口側封止部286が設けられる。また、出口側冷却材通路283の炉心17側には、入口側封止部285が設けられる。炉心側の冷却材は、出口側封止部286によって出口側冷却材通路283への流入が阻止されて、冷却材入口281を通り、入口側冷却材通路282Eへ流入する。このとき、隔壁301によって入口側冷却材通路282Eと出口側冷却材通路283Eとが仕切られているので、入口側冷却材通路282Eへ流入した冷却材は、出口側冷却材通路283Eへ流出することが回避される。入口側冷却材通路282Eへ流入した冷却材は、冷却材は、冷却材導入口303から計装案内管保持体300の内部、すなわち先端ノズル貫通孔280E内へ流入する。
先端ノズル貫通孔280内へ流入した冷却材は、冷却材流出口304から出口側冷却材通路283Eへ流出する。このとき、冷却材は、先端ノズル貫通孔280E内に挿通されたシンブルチューブ22に対して、冷却材流出口304へ向かう押し付け力を与える。これによって、シンブルチューブ22は冷却材流出口304、すなわち、第1保持体300A及び第2保持体300Bの長辺側端部に押し付けられる。第1保持体300A及び第2保持体300Bは、先端ノズル28Eの一部を構成するので、シンブルチューブ22は、先端ノズル28Eの内周へ押し付けられる。これによって、本実施の形態例では、シンブルチューブ22の流動振動を抑制し、シンブルチューブ22の摩耗を抑制できる。
<実施の形態例23> 図41は、本発明の実施の形態例23に係る計装案内管流動振動抑制構造の構成を示す断面図である。図42は、図41のT1−T1矢視図である。図43は、本発明の実施の形態例23に係る計装案内管流動振動抑制構造が備えるシンブルチューブの支持構造を示す斜視図である。
実施の形態例23は、実施の形態例21に係る計装案内管流動振動抑制構造と略同様であるが、上部炉心支持柱21の内部に設けられる支持柱貫通孔21a内にシンブルチューブ22を挿通する計装案内管保持体300を配置し、支持柱貫通孔21a内を流れる冷却材の圧力差を利用して、シンブルチューブ22を計装案内管保持体300に押し付ける点に特徴がある。他の構成は実施の形態例21と同様であるので、同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。なお、原子炉容器内の全体的な構成については上記実施の形態例1(図1参照)と同様であるため、ここでの図示及び説明は省略する。
図41に示すように、本実施の形態例に係る計装案内管流動振動抑制構造を構成する上部炉心支持柱21は、計装案内管であるシンブルチューブ22を保持する計装案内管保持体300を、支持柱貫通孔21a内に備える。支持柱貫通孔21a内には、側部穴210a,210bよりも上部炉心支持板14側に配置され、支持柱貫通孔21a内を流れる冷却材をせき止める冷却材せき止め部材215が設けられる。冷却材せき止め部材215には、シンブルチューブ22を挿通させる挿通孔215Hが形成されており、支持柱貫通孔21aに挿通されるシンブルチューブ22は、挿通孔215Hに挿通された後、一端部が炉心17へ挿入される。
図42、図43に示すように、計装案内管保持体300は、第1保持体300Aと第2保持体300Bとで構成される。第1保持体300A及び第2保持体300Bは、長手方向に直交する断面の形状が円弧状の曲板である。計装案内管保持体300は、第1保持体300A及び第2保持体300Bの長手方向側の端部同士を対向させ、かつ所定の間隔を設けて支持柱貫通孔21a内へ配置される。
支持柱貫通孔21aの内面と計装案内管保持体300との間には、支持柱貫通孔21aの内部を、側部穴210a,210bが設けられる側の空間(第2支持柱内空間)21a2と側部穴210a,210bが設けられない側の空間(第1支持柱内空間)21a1とに区画する隔壁301が設けられる。隔壁301は、板状の部材である第1隔壁301Aと第2隔壁301Bとで構成される。
計装案内管保持体300及び隔壁301は、冷却材せき止め部材215よりも炉心17側に設けられる。このように、冷却材せき止め部材215よりも炉心17側においては、支持柱貫通孔21aは、第1支持柱内空間21a1及び第2支持柱内空間21a2で構成される。
第1隔壁301A及び第2隔壁301Bは、それぞれ第1保持体300A及び第2保持体300Bに取り付けられ、かつ支持柱貫通孔21aの内面に取り付けられる。これによって、第1隔壁301A及び第2隔壁301B、すなわち隔壁301は、第1保持体300A及び第2保持体300B、すなわち計装案内管保持体300を支持柱貫通孔21a内に保持する。図42、図43に示すように、第1保持体300Aと第2保持体300Bとで囲まれる空間(保持体内空間)212にシンブルチューブ22が挿通される。
本実施の形態例では、計装案内管保持体300と隔壁301とは、溶接等の接合手段によって接合されて一体化される。また、隔壁301は、支持柱貫通孔21aの内面に、溶接等の接合手段によって接合され、一体化される。このように、本実施の形態例では、計装案内管保持体300及び隔壁301が上部炉心支持柱21と接合され、一体化されて、上部炉心支持柱21の一部を構成する。
第1保持体300A及び第2保持体300Bの一方の長手方向側の端部同士が所定の間隔をもって対向する部分は、冷却材導入口303となる。また、第1保持体300A及び第2保持体300Bの他方の長手方向側の端部同士が所定の間隔をもって対向する部分は、冷却材流出口304となる。このように、冷却材導入口303及び冷却材流出口304は、計装案内管保持体300の外周部に設けられる。
冷却材導入口303は、隔壁301によって区画された第1支持柱内空間21a1と連通する。また、冷却材流出口304は、隔壁301によって区画された第2支持柱内空間21a2と連通する。図41に示す炉心17側の冷却材は、炉心17側における上部炉心支持柱21の端部の開口部から、支持柱貫通孔21aを構成する第1支持柱内空間21a1及び第2支持柱内空間21a2へ流入する。
第2支持柱内空間21a2は、側部穴210a,210bが設けられる側の空間なので、内部の冷却材は側部穴210a,210bから第2支持柱内空間21a2の外部へ流出する。これによって、第2支持柱内空間21a2内の冷却材の圧力は、上部炉心板15の開口部15aにおける冷却材の圧力よりも小さくなる。一方、第1支持柱内空間21a1は、側部穴210a,210bが設けられない側の空間であるので、内部の冷却材の圧力は、第2支持柱内空間21a2内の冷却材の圧力よりも大きくなる。
これによって、第1支持柱内空間21a1内の冷却材は、冷却材導入口303を通って計装案内管保持体300の保持体内空間212へ流入した後、冷却材流出口304から第2支持柱内空間21a2へ流出する。そして、冷却材は、側部穴210a,210bから第2支持柱内空間21a2の外部へ流出する。この過程で、冷却材は、計装案内管保持体300の保持体内空間212内に挿通されたシンブルチューブ22に対して、冷却材流出口304へ向かう押し付け力を与える。これによって、シンブルチューブ22は冷却材流出口304、すなわち、計装案内管保持体300の内周、より具体的には第1保持体300A及び第2保持体300Bの長辺側端部かつ内周側に押し付けられる。その結果、本実施の形態例では、シンブルチューブ22の流動振動を抑制し、シンブルチューブ22の摩耗を抑制できる。また、実施の形態例21等で用いた先端ノズル28等が不要になるので、計装案内管流動振動抑制構造を簡素化できる。
ここで、炉心17側における上部炉心支持柱21の端部から冷却材せき止め部材215までの距離H1を変更することにより、シンブルチューブ22が冷却材の圧力を受ける受圧面積を変更することができる。これによって、シンブルチューブ22が冷却材から受ける力の絶対値を変更することができる。このように、本実施の形態例では、シンブルチューブ22に対する押し付け力を簡易に変更できる。
また、冷却材せき止め部材215で冷却材がせき止められるため、支持柱貫通孔21a内では、冷却材せき止め部材215の部分で冷却材の圧力が上昇し、炉心17側、すなわち冷却材の入口側で冷却材の圧力が低くなる。従って、冷却材せき止め部材215の位置を調整することで、冷却材の入口側における冷却材の圧力を上昇させる。これによって、冷却材せき止め部材215から冷却材入口までの距離をコンパクトにすることができる。
<第1変形例> 図44−1、図44−2は、実施の形態例23の第1変形例に係る計装案内管流動振動抑制構造を示す説明図である。本変形例は、実施の形態例23に係る計装案内管流動振動抑制構造と略同様であるが、炉心側、すなわち冷却材が上部炉心支持柱21の支持柱貫通孔21a内へ流入する側における隔壁301の端部301Atr,301Btrと計装案内管保持体300の端部300Atr,300Btrとの少なくとも一方を曲面で構成する点が異なる。他の構成は実施の形態例23と同様であるので、同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図44−1に示すように、炉心17(図41参照)側における隔壁301の端部301Atr,301Btr(図43、図44−1)は、曲面で構成されている。より好ましくは、端部301Atr,301Btrを流線形とする。また、図44−2に示すように、炉心17(図41参照)側における計装案内管保持体300の端部300Atr,300Btr(図43、図44−2)を曲面で構成する。より好ましくは、端部300Atr,300Btrを流線形とする。
このようにすることで、支持柱貫通孔21a(第1支持柱内空間21a1及び第2支持柱内空間21a2)内へ流入する冷却材が、隔壁301の端部301Atr,301Btrや計装案内管保持体300の端部300Atr,300Btrで剥離することを抑制できる。これによって、シンブルチューブ22の流動振動を更に効果的に抑制できる。
<第2変形例> 図45は、実施の形態例23の第2変形例に係る計装案内管流動振動抑制構造を示す説明図である。本変形例は、実施の形態例23に係る計装案内管流動振動抑制構造と略同様であるが、上部炉心支持柱21Aの炉心側における支持柱貫通孔21aの内面21AIは、ベルマウス状に形成される点が異なる。他の構成は実施の形態例23と同様であるので、同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。本変形例において、炉心側における支持柱貫通孔21aは、第1支持柱内空間21a1及び第2支持柱内空間21a2で構成される。
図45に示すように、上部炉心支持柱21Aの炉心側における支持柱貫通孔21aの内面21AIは、ベルマウス状に形成される。すなわち、支持柱貫通孔21aの内面21AIは、炉心に向かうに従って上部炉心支持柱21の軸Zsに直交する断面の開口面積が大きくなる。これによって、支持柱貫通孔21a内へ流入する冷却材が、上部炉心支持柱21の炉心側における端部で剥離することを抑制できるので、シンブルチューブ22の流動振動を更に効果的に抑制できる。
<第3変形例> 図46は、実施の形態例23の第3変形例に係る計装案内管流動振動抑制構造の構成を示す断面図である。図47は、図46のU1−U1矢視図である。本変形例は、実施の形態例23に係る計装案内管流動振動抑制構造と略同様であるが、上部炉心支持柱21の支持柱貫通孔21aを構成する第2支持柱内空間21a2の炉心側に、第2支持柱内空間21a2を塞ぐ閉止部材213が設けられる点が異なる。他の構成は実施の形態例23と同様であるので、同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
上部炉心支持柱21は、第1隔壁301A及び第2隔壁301Bで構成される隔壁301によって区画された、側部穴210a,210bが設けられる側の空間、すなわち、第2支持柱内空間21a2の炉心側に、この第2支持柱内空間21a2を塞ぐ閉止部材213を備える。この閉止部材213によって、冷却材の第2支持柱内空間21a2への流入を抑制できるので、第2支持柱内空間21a2における冷却材の圧力をより低下させることができる。その結果、シンブルチューブ22はより大きな押し付け力で計装案内管保持体300の内周、より具体的には第1保持体300A及び第2保持体300Bの長辺側端部かつ内周側に押し付けられる。その結果、本変形例では、シンブルチューブ22の流動振動をより効果的に抑制して、シンブルチューブ22の摩耗を抑制できる。
<第4変形例> 図48は、実施の形態例23の第4変形例に係る計装案内管流動振動抑制構造の構成を示す断面図である。図49−1、図49−2は、実施の形態例23の第4変形例に係る計装案内管流動振動抑制構造を炉心側から見た状態の平面図である。本変形例は、実施の形態例23の第3変形例に係る計装案内管流動振動抑制構造と略同様であるが、支持柱貫通孔21aの炉心側には、支持柱貫通孔21aへ流入する冷却材を整流する冷却材整流手段が設けられる点が異なる。他の構成は実施の形態例23の第3変形例と同様であるので、同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
本変形例では、支持柱貫通孔21aを構成する第2支持柱内空間21a2の炉心側に、第2支持柱内空間21a2を塞ぐ閉止部材213が設けられる。また、支持柱貫通孔21aを構成する第1支持柱内空間21a1の炉心側に、第1支持柱内空間21a1へ流入する冷却材を整流する冷却材整流手段として、多孔板216が設けられる。また、図49−2に示すように、冷却材整流手段として、複数の冷却材通過孔217を穿孔した多孔板216Aを用いてもよい。冷却材は、多孔板216や多孔板216Aで整流されてから第1支持柱内空間21a1へ流入するので、第1支持柱内空間21a1での渦の発生が抑制される。その結果、シンブルチューブ22の流動振動を更に効果的に抑制できる。なお、冷却材整流手段としては、多孔板216等の他、金属のメッシュやハニカム材等を用いてもよい。
<第5変形例> 図50は、実施の形態例23の第5変形例に係る計装案内管流動振動抑制構造の構成を示す断面図である。本変形例は、実施の形態例23に係る計装案内管流動振動抑制構造と略同様であるが、支持柱貫通孔21aの内面は、炉心側における上部炉心支持柱21の端部に向かって、上部炉心支持柱21の軸Zsと直交する断面の開口面積が徐々に大きくなるように構成される点が異なる。他の構成は実施の形態例23と同様であるので、同様の部分については同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
本変形例において、炉心側における支持柱貫通孔21aは、第1支持柱内空間21a1及び第2支持柱内空間21a2で構成される。本変形例においては、側部穴210a,210bが設けられない側の空間である第1支持柱内空間21a1に、上部炉心支持柱21の軸Zsを通る断面形状が略三角形状のスペーサ214を設ける。これによって、第1支持柱内空間21a1は、炉心側における上部炉心支持柱21の端部に向かって、上部炉心支持柱21の軸Zsと直交する断面の開口面積が徐々に大きくなるように構成される。
これによって、シンブルチューブ22に対する押し付け力を、第1支持柱内空間21a1の炉心側における開口部211a1から冷却材せき止め部材215に向かって同程度の大きさにすることができるので、前記押し付け力のアンバランスを抑制できる。その結果、より安定してシンブルチューブ22の流動振動を抑制し、シンブルチューブ22の摩耗を抑制できる。
なお、上記の各実施の形態例の構成は任意に組み合わせてもよい。例えば、実施の形態例3のプラグ51A,51Bを他の実施の形態例の構成と組み合わせてもよい。
また、上記の各実施の形態例ではシンブルチューブを押し付けるための穴(上部穴,下部穴)を案内管の上部と下部に設けているが、必ずしもこれに限定するものではなく、少なくとも案内管の下部に下部穴が設けられていれば、案内管の下端側で生じるシンブルチューブの流動振動を効果的に抑制することができる。