本発明に係る遊技機の最良の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、遊技機が遊技球体を遊技媒体とする回胴式遊技機(以下、「球式回胴遊技機」と称す)である場合を挙げるが、遊技球体やコイン等を遊技媒体とする遊技機一般に適用できる。また、回胴式遊技機であっても、以下で説明する具体的な形態には限定されず、本発明の主旨から逸脱しない限りにおいて、その設計を適宜に変更してもよい。
〔実施形態1〕
本実施形態の球式回胴遊技機の構成について説明する。図1は球式回胴遊技機の一例を表す正面図であり、図2は球式回胴遊技機の内部構成をブロック単位で開放した状態で示す斜視図である。
図1又は図2に示すように、球式回胴遊技機1010は、球式回胴遊技機1010の外殻を形成する外枠1011と、この外枠1011の一側部に開閉可能に支持されたドアブロック1012とを備えている。ドアブロック1012は、外枠1011に対してヒンジ1013,1013によって開閉可能に取り付けられており、その開閉軸線は球式回胴遊技機1010の正面からみて左側で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にしてドアブロック1012が前方側に十分に開放できる。ドアブロック1012は、図2に示すように、球式回胴遊技機1010の前面を構成する前面ブロック1020と、前面ブロック1020に対して後方側へ開閉可能に取着された払出ブロック1030と、前面ブロック1020に対して後方側へ開閉可能に取着され、前面ブロック1020及び払出ブロック1030にて被包される遊技ブロック1040とからなる。
(前面ブロックの構成)
前面ブロック1020は、図2に示されたように、前面パネル1100、前面ブロック枠1200、回胴表示パネル1022、表示パネル押え枠1024、上皿ユニット1300(図1参照)、及び、セレクタ1400(遊技球投入装置)を備える。
前面パネル1100は、図1に示されたように、遊技ブロック1040(図2参照)の前面に設けられた遊技領域を露出するための窓孔1102を有し、窓孔1102を囲むようにして上効果LEDカバー部1104、上スピーカ部1106,1106、右中効果LEDカバー部1108、左中効果LEDカバー部1110、中央パネル部1112、操作パネル部1122等が配設されている。
前面パネル1100の上効果LEDカバー部1104、右中効果LEDカバー部1108及び左中効果LEDカバー部1110は、それぞれ前面パネル1100の裏側から取り付けられた図示しない発光ダイオード(LED)等の発光装置を覆っている。この発光装置は、遊技の進行に伴い点灯したり、点滅したりして遊技の視覚的演出を行う。上スピーカ部1106,1106は、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりして遊技の聴覚的演出を行う。
前面パネル1100の中央パネル部1112は、無色透明のガラスで構成され、所定の入賞条件及び当該入賞条件を満たした場合に払い出される遊技球の個数(賞球数)や遊技方法などが記載された図示しない情報掲載パネルを視認できる窓である。情報掲載パネルの表示内容を見やすくするために、中央パネル部1112の奥側には蛍光灯1041k(図9参照)が設置される。中央パネル部1112の左側方には1ベットボタン1114が配設されている。中央パネル部1112の右側方には汎用ボタン1116,1118が配設されている。汎用ボタン1116,1118は例えば遊技モードの切替えや液晶画面における表示モードの切替えなど、遊技機の機種ごとにその用途を適宜設定可能なボタンである。中央パネル部1112の汎用ボタン1116等よりもさらに右側方には、前面ブロック開閉用のドアキーシリンダ1202の前面(鍵穴)を露出させるキーシリンダ挿通孔1120を設けてある。また、中央パネル部1112の下方には、前方側へ突出した操作パネル部1122が配設されている。
前面パネル1100の操作パネル部1122には、図1の左側から順に、後述する回胴L,M,R(図10参照)の回転を開始させるための始動レバー1124と、左回胴Lの回転を停止させるための左回胴停止ボタン1126Lと、中回胴Mの回転を停止させるための中回胴停止ボタン1126Mと、右回胴Rの回転を停止させるための右回胴停止ボタン1126Rと、上皿1302から下皿1128へ遊技球を流す操作をするための上皿球抜きレバー1386を露出させるための小窓孔1130とを設けてある。始動レバー1124は、遊技者がゲームを開始するときに手で押下して操作するレバーであり、手が離れた後に元の位置に自動復帰する。所定数の遊技球がベットされているときに始動レバー1124が操作されると、各回胴L,M,Rが一斉に回転し始める。始動レバー1124の基端部上方には、各回胴L,M,Rの回転準備が整った状態、つまり所定数の遊技球がセレクタ1400(図2参照)にて取り込まれ、始動レバー1124の操作受付可能な状態を報知するための始動レバーLED(図示せず)を埋設してある。また、各回胴停止ボタン1126L,1126M,1126Rの周囲には、それらの操作受付可能な状態を報知するための回胴停止ボタンLED134L,134M,134Rを埋設してある。各回胴停止ボタンLED1134L,1134M,1134Rは、それぞれ対応する回胴L,M,Rが等速回転しているときに点灯し、対応する回胴L,M,Rの回転が停止すると消灯する。操作パネル部1122の下方には、遊技球を貯留するための下皿1128が配設されている。
下皿1128の奥面には、前面ブロック枠1200に設けた下スピーカ部1204(図2参照)を覆う下スピーカカバー部1136と、上皿1302から下皿1128へ流れてくる遊技球の出口となり、かつ、後述する払出装置1033(図6参照)から直接遊技球が払い出されてくることもある下皿払出口1138とを設けてある。また、下皿1128の前面下部には、下皿1128から下皿1128の下方に配置した図示しない遊技球収容ケース(いわゆるドル箱)に遊技球を落とす操作をするための下皿球抜きレバー1140を設けてある。下皿球抜きレバー1140にて閉塞板1144をスライド操作して開口部1142を開口させることによって、下皿1128から遊技球を落下させることができる。また、下皿1128の左側方には灰皿1146を設けてある。操作パネル部1122及び下皿1128の両側には、それぞれ左下効果LEDカバー部1148及び右下効果LEDカバー部1150を設けてある。左下効果LEDカバー部1148及び右下効果LEDカバー部1150は、それぞれ前面パネル1100の裏側から取り付けられた図示しない発光ダイオード等の発光装置を覆っている。
前面ブロック枠1200は、図2に示すように、前面パネル1100よりも若干小さい矩形状の枠体で、前面パネル1100の裏側にネジ止めされる。前面ブロック枠1200の下部には聴覚的演出用の下スピーカ部1204を取り付けてある。上下にスピーカ部1106(図1参照)及びスピーカ部1204を設けることで臨場感あふれる聴覚的演出を行うことができる。また、前面ブロック枠1200にはドア開閉機構1208を設けてある。ドア開閉機構1208を構成するドアキーシリンダ1202(図1参照)に図示しない鍵を挿入して右側へ回転させると、外枠1011に対して係止する係止爪1210,1210が下方向に回動し、外枠1011に対する係止が解除される。逆に、ドアキーシリンダ1202に図示しない鍵を挿入して左側へ回転させると、払出ブロック1030に対して係止する係止爪1212,1212が下方向に回動し、払出ブロック1030に対する係止が解除される。また、前面ブロック枠1200には、下皿払出口1138に連なる誘導通路1214が設けられている。
回胴表示パネル1022は、無色透明のガラス板で、前面パネル1100の窓孔1102の形状に対応した形状の略台形状とされる。表示パネル押え枠1024は、前面パネル1100との間に回胴表示パネル1022を介在させて前面ブロック枠1200にネジ止めされる。表示パネル押え枠1024は、回胴表示パネル1022の形状に対応した略台形状とされ、所定の奥行きをもって形成される。つまり、前面パネル1100の窓孔1102が中央パネル部1112よりも前方に張り出しており、この張り出し長さに対応した奥行きをもって形成される。
上皿ユニット1300は、図1に示されたように、遊技球を貯留する上皿1302を有する部材で、中央パネル部1112と操作パネル部1122の間の開口を閉塞するように、操作パネル部1122の裏側に取り付けられる。上皿ユニット1300は、上皿ユニット本体1320と、CR操作部1350と、上皿球止め部1360(図4参照)と、上皿球抜き操作部1380から構成される。
上皿ユニット本体1320は、上記の如く上皿1302を有する部材で、所望の深さでかつ図示上左側から右側へと下る傾斜をもって形成される。上皿1302の下流側部分(CR操作部350の下方)には、複数(例えば3つ)に分岐した遊技球案内路1322(図4参照)を設けてある。遊技球案内路322は、遊技球を整列状態にしてセレクタ1400(図2及び図4参照)へ順次案内する。
CR操作部1350は、度数表示部1352、球貸出ボタン1306、球貸出ボタンLED(図示せず)、球貸出スイッチ(図示せず)、カード返却ボタン1308及びカード返却スイッチ(図示せず)を備える。度数表示部1352は、球式回胴遊技機1010に隣接して配置される図示しないCRユニットにカードを挿入することで当該カードの残額に相当する度数を表示する。球貸出ボタン1306、遊技球の貸し出し操作を行うためのボタンである。球貸出スイッチ1356は、球貸出ボタン1306による貸し出し操作を検出するスイッチである。球貸出ボタンLED1354は、遊技球の貸し出しを行える状態であることを点灯により遊技者に報知し、また、遊技球の貸し出しを行っているときには、球貸出ボタンLED1354を点滅させて、遊技球の貸し出しを行っている最中であることを報知する。球貸出ボタンLED1354の点灯中に球貸出ボタン1306が操作されると、所定数の遊技球が上皿1302に貸し出されることとなる。なお、球貸出ボタンLED1354点滅状態のときには球貸出ボタン1306の操作を受け付けない構成とされる。カード返却ボタン1308は、CRユニットに挿入されているカードの返却操作を行うためのボタンである。カード返却スイッチは、カード返却ボタン1308による返却操作を検出するスイッチである。カード返却ボタン1308が操作されると、CRユニットからカードが返却される。
上皿球抜き操作部1380は、回胴式遊技機1010の前面側に露出された球抜きレバー1386(図5参照)と、回胴式遊技機10の内部側に設けられたレバー操作伝達機構とを備える。球抜きレバー1386の操作に応じて、レバー操作伝達機構がセレクタ1400の返却シャッタ1420(図5参照)を移動させる。これにより、上皿1302に貯留された遊技球が下皿1128に払い戻されることとなる。
上皿球止め部1360は、遊技球案内路1322の下側に取り付けられ、遊技球案内路1322からセレクタ1400への入口を開閉するものである。詳しくは、上皿球止め部1360は、故障等によりセレクタ1400を取り替える必要が生じたときに、セレクタ1400を取り外しても、上皿1302から遊技球が毀れ落ちないようにする。
セレクタ1400は、上皿1302及びセレクタ1400の上面に貯留されている遊技球を、1ベットボタン1114(図1参照)及びマックベットボタン1304(図1参照)の操作に応じて所定数だけ球式回胴遊技機1010の内部に取り込んだり、上皿球抜き操作部1380の操作に応じて下皿1128に払い戻したりする。具体的には、セレクタ1400は、図3に示されたように、上皿1302の複数の遊技球案内路1322(図4参照)に1つずつ対応した複数の遊技球投入部1410a,1410b,1410cと、上皿1302から下皿1128への遊技球の流下を規制する返却シャッタ1420と、返却シャッタ1420の基準位置からの移動の有無を検知する返却スイッチ基板1440と、中空突出部1408を含み返却シャッタ1420の一端及び返却スイッチ基板1440を被覆する基板カバー1450と、中空突出部1480の内部に配置され返却シャッタ1420を基準位置に戻すコイルバネ(図示せず)と、主制御基板1045aと複数の遊技球投入部1410a,1410b,1410cとの間の電気信号の伝達を中継するセレクタ中継端子板1462及びセレクタ中継端子板1462を被覆する中継端子板カバー1464を含むセレクタ中継装置1460とを備えている。このセレクタ1400は、ベット操作に応じた所定数の遊技球を複数の遊技球投入部1410a,1410b,1410cに分散させて同時に投入することによって、単一の遊技球投入部のみを備える場合に比べて投入動作(ベット動作)を迅速に行える。
ここで、上皿球抜き操作部1380、上皿球止め部1360及びセレクタ1400について詳細に説明する。図4は、セレクタ1400及び上皿球止め部1360の一例を後方側から見た縦断面図である。図5は、セレクタ1400及び上皿球抜き操作部1380の一例の一部横断面図である。なお、以下において、遊技球投入部1410b,1410cは、遊技球投入部410aと略同一の構成であるため、その詳細な説明を省略する。
上皿球止め部1360は、図4に示されたように、ケーシング1361と、ケーシング1361に90度の回転範囲内で回動自在に設けられた軸部材1362と、軸部材1362の端に設けられた図示しない操作ハンドルと、軸部材1362の回動に応じて移動自在な開閉部材1363とを備えている。軸部材1362は、操作ハンドルと反対側の先端に、周方向に概ね90度の間隔を隔てて形成された押圧部1375a,1375bを備える。各押圧部1375a,1375bは舌片状に形成され、それぞれ軸部材1362の半径方向に突出している。開閉部材1363は、複数の貯留通路1402の各々を閉じるための複数の閉塞部376と、開閉部材を移動させる応力を受ける被押圧部1378a、1378bとを備える。
図4に示された状態は、押圧部1375aが被押圧部1378aを押圧して開閉部材1363が右側に移動させられている状態であり、この状態において、複数の貯留通路1402の各々への遊技球の流入が許可される。図4に示された状態から操作ハンドルの操作により軸部材1362が図4の紙面上方から見て時計回りに回転させられると、押圧部1375bが略水平方向を向いて開閉部材1363の被押圧部1378bを押圧する。これにより、開閉部材1363が左側に移動して、閉塞部1376が貯留通路1402の入口の大きさが狭まる。この状態において、複数の貯留通路1402の各々への遊技球の流入が禁止される。なお、この状態においては、上皿1302及び遊技球案内路1322に遊技球が貯留された状態でセレクタ1400を取り外してもそれらの遊技球は毀れ落ちない。逆に、この状態から操作ハンドルの操作により軸部材1362が反時計回りに回転させられると、複数の貯留通路1402の各々への遊技球の流入が許可される。
上皿球抜き部1380は、図5に示されたように、CR操作表示部1350を介して上皿ユニット本体1320の下側に取り付けられるベース部1381と、ベース部1381に立設した支軸1382,1383を中心に回動する回動片1384及び押圧片1385と、ベース部1381の前面に沿ってスライドする上皿球抜きレバー1386とを有する。回動片1384の基部1384aには上皿球抜きレバー1386に枢着される連結部1384bを設けてある。また、回動片1384の基部1384aは、コイルバネ1387を介してベース部1381に連結される。回動片1384の先端部には二又状の把持部1384cを設けてある。把持部1384cは、押圧片1385の基部1385aに設けた凸部1385bを摺動自在に把持する部位である。押圧片1385の先端部には、セレクタ1400の返却シャッタ1420を押圧する押圧部1385cを設けてある。セレクタ1400の中空突出部1408には、返却シャッタ1420を押圧片1385側へ押圧するコイルバネを格納してある。
図5に示された状態は、上皿球抜きレバー1386が操作されていない状態である。つまり、コイルバネ1387にて回動片1384が反時計回りに引っ張られると共に、回動片1384にて押圧片1385が時計回りに引っ張られて、押圧部1385cが返却シャッタ1420の片端部から離れている状態である。この状態では、返却シャッタ1420は中空突出部1408の内部に配置されたコイルバネ1430の付勢力により基準位置にある。この状態から上皿球抜きレバー1386を摘んで図の下向き(実際には球式回胴遊技機1010の正面から見て右側から左側)に動かすと、上皿球抜きレバー1386に随伴して回動片1384が時計回りに回転すると共に、回動片1384にて押圧片1385が反時計回りに回転させられ、押圧部1385cが返却シャッタ1420を押圧する。これによって返却シャッタ1420が移動する。この状態で上皿球抜きレバー1386から手を離すと、中空突出部1408に配置されたコイルバネの付勢力によって返却シャッタ1420が前方側へ押圧され、図5に示された状態に戻る。
セレクタ1400は、上記で図3を参照して説明したように、複数の遊技球投入部1410a,1410b,1410cと、返却シャッタ1420と、返却スイッチ基板1440と、基板カバー1450と、返却シャッタ1420を基準位置に戻すコイルバネ(図示せず)と、セレクタ中継装置1460とを備えている。
セレクタ1400の遊技球投入部1410aは、図3に示されたように、ケーシング1411とカバー1412からなる樹脂製の筐体を備える。ケーシング1411の外表面は、隣接する遊技球投入部1410bのカバー1412に対する取付面になっており、遊技球投入部1410aのカバー1412の外表面は、基板カバー1450に対する取付面になっている。ケーシング1411とカバー1412とを組み付けると、貯留通路1402を構成する樋状部1417が形成される。遊技球投入部1410aは、この筐体の内部に、図4に示されたように、投入フリッカ1413a(投入規制手段の一種)と、投入ソレノイド1414a(投入規制変更手段の一種)と、通過センサ1415aと、カウントセンサ1416aとを備える。また、遊技球投入部1410aの内部には、貯留通路1402の下流側には、斜め下方へ延びる案内通路1404と、ほぼ鉛直下向きに延びる排出通路1406とが形成されている。
投入フリッカ1413aは、貯留通路1402から排出通路1406への遊技球の流入を規制する。投入フリッカ1413aは、基端側部分1413a1と先端側部分1413a2が支軸1413a3にて回転可能に連結されている。投入フリッカ1413aの基端側部分1413a1及び先端側部分1413a2は、それぞれケーシング1411aの支軸1411a1,1411a2にて回転可能に支持される。投入フリッカ1413aの基端部には、投入ソレノイド1414aの舌片1414a1を把持する把持部1413a4を設けてある。また、投入フリッカ1413aの先端部には、排出通路1406aを開閉するための開閉部1413a5を設けてある。
投入ソレノイド1414aは、ベットボタン1114,1304の操作により通電されて作動し、ピストン(プランジャ)1414a2を上方へ縮まらせるものである。ピストン1414a2の先端には、つまみ部1414a3を装着してある。つまみ部1414a3はピストン1414a2の半径方向に延びる上記舌片1414a1を有する。また、ピストン1414a2には、コイルバネ1414a4を外装してある。コイルバネ1414a4は、投入ソレノイド1414aの本体部分1414a5とつまみ部1414a3とを離間させる方向に付勢している。つまり、投入ソレノイド1414aへの通電を切ったときに、コイルバネ1414a4の付勢力により、ピストン1414a2が下方へ伸びるようになっている。
ベットボタン1114,1304を押すと投入ソレノイド1414aに通電され、ピストン1414a2が縮まって投入フリッカ1413aの基端側部分1413a1を図示上反時計回りに回転させる。これと同時に投入フリッカ1413aの先端側部分1413a2は図示上時計回りに回転して排出通路1406aを開き、貯留通路1402aに待機している遊技球が自然落下可能な状態となる。逆に、投入ソレノイド1414aの通電を切ると、コイルバネ1414a4の付勢力によりピストン141a2が伸びて投入フリッカ1413aの基端側部分1413a1を図示上時計回りに回転させる。これと同時に投入フリッカ1413aの先端側部分1413a2は図示上反時計回りに回転して開閉部1413a5にて排出通路1406aを閉じ、遊技球が自然落下不可能な状態となる。
通過センサ1415aは、排出通路1406aであって投入フリッカ1413aの開閉部1413a5のすぐ下流側に配置され、遊技球が正常に取り込まれたか否かを検知するためのものである。通過センサ1415aは、投入フリッカ1413aの先端側部分1413a2を取り囲むように横断面略コ字形状とされ、投入フリッカ1413aよりも前面側又は背面側のいずれか一方側に発光素子を設け、他方側に受光素子を設けた構成とされる。また、発光素子及び受光素子はそれぞれ上下一対でかつ遊技球1個分の径よりも短い間隔で設けてある。上側素子1415a1にて遊技球を検知したのち上側及び下側素子1415a1,1415a2にて同時に遊技球を検知し、次いで下側素子1415a2のみ遊技球を検知することが所定時間内に行われたときは、遊技球が正規に取り込まれたと判定される。逆に、上側素子1415a1にて遊技球を検知したのち所定時間経過しても下側素子1415a2が遊技球を検知しないときや、下側素子1415a2にて遊技球を検知したのち上側及び下側素子1415a1,1415a2にて同時に遊技球を検知し、次いで上側素子1415a1のみ遊技球を検知したときは、遊技球が不正な手段にて投入されたと判定し、球式回胴遊技機1010にエラーが発生した旨を報知すると共に遊技が禁止されるようになっている。故に、例えば、不正具を用いてあたかも遊技球が取り込まれたようにするなどの不正行為が防止できるようになっている。通過センサ1415aにて正常な通過を検知した遊技球の個数が遊技球投入部1410aにて投入される投入許可数よりも1つ少ない状態(例えば4個、9個又は14個)で上側素子1415a1が最終の遊技球を検知した場合に、投入ソレノイド1414aの通電が切られ、投入フリッカ1413aの開閉部1413a5が排出通路1406に突出し、貯留通路1402から排出通路1406への遊技球の構成になっている。
カウントセンサ1416aは、遊技球投入部1410aにて投入された遊技球を通過センサ1415aとは別個に計数する。カウントセンサ1416aは、通過センサ1415aとは異なる作用によって遊技球の通過を検出する。カウントセンサ1416aによって計数された遊技球の個数が通過センサ1415aによって正常な通過と判定された遊技球の個数未満である場合には、ベットエラーとされることとなる。これにより不正行為を更に防止できるようになっている。具体的には、通過センサ1415aは光学センサであるが、カウントセンサ1416aは磁気センサである。カウントセンサ1416aとして磁気センサを用いた場合、通過したものが鉄材料であるか否かを判定できる。これにより、正常な遊技球と異なる安価な樹脂製の遊技球等が投入することによって遊技を行う不正行為を更に良好に防止できる。
返却シャッタ1420は、複数の遊技球案内路1322の各々に1つずつ対応した複数の窓孔1422を有し、各窓孔1422の側方に各貯留通路1402と案内通路1404a,1404b,1404cを遮断する遮断壁1424a,1424b,1424cを有する。また、各窓孔1422a,1422b,1422cの下部には貯留通路1402a,1402b,1402c側へ延在する舌片1426a,1426b,1426cを設けてある。各舌片1426a,1426b,1426cは、貯留通路1402a,1402b,1402cから各窓孔1422a,1422b,1422cに遊技球を案内する部位である。上皿球抜きレバー1386が操作されていない場合には、返却シャッタ1420は基準位置にあり、返却シャッタ1420の遮断壁1424にて複数の貯留通路1402の各々から複数の案内通路1404への遊技球の流入が禁止されている。一方、上皿球抜きレバー1386が操作されて返却シャッタ1420の押圧部1385cが押圧されると、返却シャッタ1420が基準位置から移動し、返却シャッタ1420の各窓孔1422a,1422b,1422cを介しての貯留通路1402から案内通路1404への遊技球の流入が許可される。これによって、遊技球が上皿1302から案内通路1404a,1404b,1404cを経て下皿1128へ流れる。このとき、返却シャッタ1420の基準位置からの移動が返却スイッチ基板1440の返却スイッチ(図示せず)にて検知され、この検知結果に基づき、1ベットボタン1114及びマックスベットボタン1304の操作受付を不能にする状態が発生する。
セレクタ中継端子板1462は、通過センサ1415aやカウントセンサ1416aの検出結果を後述する主制御装置1045に送信するものである。
(払出ブロックの構成)
払出ブロック1030は、図2に示されたように、前面ブロック1020に対して開閉自在に取り付けられている。払出ブロック1030の開閉軸線は球式回胴遊技機1010の正面からみて左側で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして払出ブロック1030が後方側に十分に開放できるようになっている。払出ブロック1030は、ドア開閉機構1208にて前面ブロック1020とロックされる。詳しくは、ドア開閉機構1208の係止爪1212,1212が払出ブロック1030の係合部1031a,1031aに係止しており、図示しないドアキーをドアキーシリンダ1202に差し込んで左に回転させることで係止爪1212,1212の係止を解除する構成とされる。また、払出ブロック1030は、ワンタッチ式の止め具1031bを有し、この止め具1031bによっても前面ブロック1020と連結される。
図6は払出ブロック1030の一例を表す部分分解斜視図である。払出ブロック1030は、図6に示されたように、払出ブロック本体1031に、貸出用及び賞球用としての遊技球を貯留する遊技球タンク1032と、遊技球を払い出す払出装置1033と、遊技球タンク1032から払出装置1033へと遊技球を案内するタンクレール1034及びケースレール1035と、払出中継端子板1036と、遊技球の払出動作を制御する払出制御装置1037と、遊技球の電源を制御する電源制御装置1038と、球式回胴遊技機1010を前記CRユニットに接続するためのCRユニット接続端子板1039と、を取り付けた構成とされる。
払出ブロック本体1031は、その中央に後方側へ張り出して遊技ブロック1040(図2参照)を被包する保護カバー部1031cと、この保護カバー部1031cを取り囲むように、遊技球タンク1032、タンクレール1034、ケースレール1035、払出装置1033、払出中継端子板1036、CRユニット接続端子板1039、払出制御装置1037及び電源制御装置1038が装着されている。払出ブロック本体1031には、払出装置1033から遊技球を上皿1302へ案内する上皿誘導通路1031dと、払出装置1033から遊技球を下皿1128へ案内する下皿誘導通路1031eと、払出装置1033から遊技球を球式回胴遊技機1010の外部へ排出する排出通路1031fが形成されている。下皿誘導通路1031eは、上皿誘導通路1031dが遊技球で溢れたときに、払出装置1033から遊技球が導入される。上皿誘導通路1031d及び下皿誘導通路1031eは、それぞれ、上皿払出口1312及び下皿払出口1138に連通している。
払出ブロック本体1031には、回転軸部1031gは上下一対で設けてある。各回転軸部1031gは、払出ブロック本体1031からブラケット1031hが略水平方向に延び出しており、このブラケット1031hから下方に突出している。前面ブロック1020には、この回転軸部1031gを落とし込む環状の軸受部(図示せず)を設けてあり、前面ブロック1020と払出ブロック1030の着脱が容易な構成となっている。
遊技球タンク1032は、上方に開口した横長の箱型容器で、遊技機設置島内の遊技球循環設備から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク1032の底部は緩やかに傾斜している。遊技球タンク1032の底部の下流側端部はタンクレール1034へ遊技球を送るために開口している。
タンクレール1034は、遊技球タンク1032の下方に取り付けられ、横方向4列の樋状通路(図示せず)を有する。樋状通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜している。タンクレール1034には、遊技球が積み重なって流れないように整流する4つの振り子1034a,1034bが2行2列で取り付けられている。振り子1034a,1034bの下流側には、タンクレール1034からケースレール1035へ遊技球が流れるのを阻止するための球止めレバー1034cを取り付けてある。
ケースレール1035は、タンクレール1034の下流側に縦向きに配置されている。ケースレール1035は、遊技球が勢いよく流れないように波状のうねりをもって左右に湾曲した球通路1035aを有し、その上部には、球切れ検出装置35bを組み付けてある。球切れ検出装置1035bは、ケースレール1035の内部に遊技球が十分にないこと、つまりケースレール1035よりも上流側で球詰りが発生してケースレール1035に遊技球が十分に補給されていないことを検出する。この球切れ検出装置1035bの検出結果に基づき、球詰りエラーが報知される。なお、ケースレール1035は、タンクレール1034の樋状通路の個数に対応して前後方向に複数(例えば4つ)連結させた状態で配設してある。
払出装置1033は、所定の入賞条件を満たすことで、或いは図示しないCRユニットにカードを挿入した状態で球貸出ボタン1306を押すことで、所定数の遊技球を払い出すためのものである。この実施形態では、パチンコ機の最大の賞球数が15球であるのに対し、球式回胴遊技機1010の最大の賞球数は75球であり、パチンコ機に比べて球式回胴遊技機10の最大の賞球数が多いという観点から、パチンコ機よりも払出装置1033を多く設け、賞球の払い出しを迅速に行えるようにしている。つまり、パチンコ機は2つの払出装置1033を備えていれば遊技を迅速に進行できたが、球式回胴遊技機1010の場合は賞球数が多くかつ賞球が全て払い出されなければ次のゲームを開始できないという制約があるので、本実施形態では、4つの払出装置1033を前後方向に併設して賞球の払い出しの迅速化を図り、遊技を遅滞なく進行できるようにしてある。
取付台1036a,1036bは、2つ割りの構成とされ、上皿誘導通路1031d及び下皿誘導通路1031eに連なる球通路1036a1,1036b1を有し、右側に排出通路1031fに連なる球通路1036a2,1036b2を有する。一方の球通路1036a1,1036b1の上部は、それぞれ上皿誘導通路1031d側にやや傾いて下皿誘導通路1031eよりも上皿誘導通路1031dに遊技球を導きやすくなっている。また、一方の球通路1036a1,1036b1の下部は、上皿誘導通路1031d及び下皿誘導通路1031eを跨ぐように、テーパー状に末広がりとなっている。他方の球通路1036a2,1036b2は、背面側の球通路1036a2が前面側の球通路1036b2に合流し、前面側で排出通路1031fに連なるよう構成されている。
図7(A)〜図7(C)は払出装置の構成の一例を示す縦断面図である。図7(A)が払出中でない場合、図7(B)が上皿へ遊技球を払出中である場合、図7(C)が遊技機の外部へ遊技球を排出中である場合を表している。
払出装置1033は、図7(A)に示されたように、ケーシング1033aと図示しないカバーからなる樹脂製の筐体を有し、この筐体の内部に、払出フリッカ1033bと、払出ソレノイド1033cと、切換片1033gとを備える。ケーシング1033aの内部には、球通路1033dと、球通路1033dの下流側でほぼ鉛直下向きに延びる払出通路1033eと、払出通路1033eの途中から分岐して斜め下方へ延びる排出通路1033fとが形成されている。切替片1033gは、払出通路1033eから排出通路1033fへの分岐部に配設されている。通常は切替片1033gはほぼ鉛直上向きに維持されているために、遊技球は排出通路1033fには流入しない。
払出フリッカ1033bは、球通路1033dを開閉するための部材である。払出フリッカ1033bは、基端側部分1033b1と先端側部分1033b2が支軸1033b3にて回転可能に連結されている。払出フリッカ1033bの基端側部分1033b1及び先端側部分1033b2は、それぞれケーシング1033aの支軸1033a1,1033a2にて回転可能に支持される。払出フリッカ1033bの基端部には、払出ソレノイド1033cの舌片1033c1を把持する把持部1033b4を設けてある。また、払出フリッカ1033bの先端部には、球通路1033dを開閉するための開閉部1033b5を設けてある。
払出ソレノイド1033cは、所定の入賞条件を満たすことにより、或いは図示しないCRユニットにカードを挿入した状態で球貸出ボタン1306を押すことにより通電されて作動し、ピストン(プランジャ)1033c2を上方へ縮まらせるものである。ピストン1033c2の先端には、つまみ部1033c3を装着してある。つまみ部1033c3はピストン1033c2の半径方向に延びる上記舌片1033c1を有する。また、ピストン1033c2には、コイルバネ1033c4を外装してある。コイルバネ1033c4は、払出ソレノイド1033cの本体部分1033c5とつまみ部1033c3とを離間させる方向に付勢している。つまり、払出ソレノイド1033cへの通電を切ったときには、ピストン1033c2は、コイルバネ1033c4の付勢力により下方へ移動する。
図7(A)に示すように、球通路1033dが払出フリッカ1033bの開閉部1033b5にて閉鎖された状態で、所定の入賞条件が成立したり、或いは度数表示部1352に残度数がある状態で球貸出ボタン1306が押されたりすると、払出ソレノイド1033cに通電される。そうすると、図7(B)に示すように、ピストン1033c2が縮まって払出フリッカ1033bの基端側部分1033b1を図示上反時計回りに回転させる。これと同時に払出フリッカ1033bの先端側部分1033b2は図示上時計回りに回転して球通路1033dを開き、遊技球が自然落下可能な状態となる。逆に、払出ソレノイド1033cの通電を切ると、コイルバネ1033c4の付勢力によりピストン1033c2が伸びて払出フリッカ1033bの基端側部分1033b1を図示上時計回りに回転させる。これと同時に払出フリッカ1033bの先端側部分1033b2は図示上反時計回りに回転して球通路1033dを閉じ、遊技球が自然落下不可能な状態、つまり図7(A)に示す状態に戻る。
また、払出装置1033には、横断面略コ字形状のカウントセンサ1033hを装着してある。カウントセンサ1033hは、払出フリッカ1033bの開閉部1033b5のすぐ下流側に配置され、球通路1033dを落下する遊技球を計数するためのものである。カウントセンサ1033hにて検知した遊技球の個数が所定値(例えば35個、75個、125個又は250個)に達すると、払出ソレノイド1033cの通電が切られ、払出フリッカ1033bにて球通路33dを閉鎖する構成になっている。
また、払出ソレノイド1033cの下方には、つまみ部1033c3を上下動させるための略L字形状の押圧片1033iを設けてある。押圧片1033iは、ケーシング1033aの支軸1033a3に回転自在に取り付けられており、先端部1033i1にてつまみ部1033c3を上方へ押圧するものである。
ケーシング1033aの外部には、略扇形状の操作レバー1033j(図6参照)を配設してある。図7(A)〜図7(C)において、操作レバー1033jは回転軸33a4を中心に回転可能である。操作レバー1033jには、切替片1033gの中間部に設けた突起部1033g1と、押圧片1033iの基端部に設けた突起部1033i2とを連結してある。つまり、操作レバー1033jを回転操作すると、切替片1033gと押圧片1033iが連動する構成になっている。操作レバー1033jを図示上反時計回りに操作すると、図7(C)に示すように、切替片1033gにて払出通路1033eが閉鎖されると共に球通路1033dと排出通路1033fが連通する。一方で、押圧片1033iにて払出ソレノイド1033cのつまみ部1033c3が押し上げられ、払出フリッカ1033bが球通路1033dを開く。タンクレール1034に設けた球止めレバー1034cにて遊技球が流れるのを阻止しつつ操作レバー1033jを上記の如く操作すると、球止めレバー1034cから下流側の遊技球が球式回胴遊技機1010の外部に排出される。払出装置1033やケースレール1035が故障した場合には、上記のように球止めレバー1034cから下流側の遊技球を球式回胴遊技機1010の外部に排出した状態で払出装置1033やケースレール1035(図6参照)を取り替えることができる。
図6に示された払出制御装置1037、電源制御装置1038及びCRユニット接続端子板1039について説明する。払出制御装置1037は、賞球や貸出球の払い出しを制御するもので、周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む払出制御基板1037a(図12参照)を具備している。
電源制御装置1038は、各種制御装置等で要する所定の電源電圧を生成し出力するものである。また、電源制御装置1038には、電源制御基板1038’と、電源スイッチ1038aと、RAM消去用のリセットスイッチ1038b、打止切替スイッチ1038c、及び、設定変更キーシリンダ(図示せず)が設けられている。電源スイッチ1038aは、オンされるとCPUを始めとする各部に電源を供給する。リセットスイッチ1038bはこれを押しながら同時に電源スイッチ1038aをオンするとRAMの内容がリセットされ、電源スイッチ1038aがオンされている状態で押されるとエラー状態がリセットされる。打止切替スイッチ1038cは、ビッグボーナスの終了時点で遊技を一時停止するか否かを切り替えるためのものである。設定変更キーシリンダ1038dは、設定変更装置を構成するものである。前記設定変更装置は、球式回胴遊技機1010の出球率が予め複数段階(例えば6段階)に定められており、出球率をいずれかの段階に設定するものである。設定変更の手順は次の通りである。まず、電源スイッチ1038aをオフにした状態で、設定変更キーシリンダに図示しない設定変更キーを挿入して時計回りに90度回転させる。この状態で、電源スイッチ1038aをオンにすると、後述する遊技ブロック1040の前面の7セグメントLED表示部1041g(図9参照)に現在の出球率(設定)が数値「1」〜「6」のいずれかで表示される。次いで、リセットスイッチ1038bを押していくと、7セグメントLED表示部1041gに表示される数字が変化して1ずつ増加していく(但し、「6」の場合には「1」に戻る。)。7セグメントLED表示部1041gに「1」〜「6」のいずれかの数字を表示させた状態で、始動レバー1124(図1参照)を押下すると、出球率(設定)が確定される。
CRユニット接続端子板1039は、球式回胴遊技機1010の前面の球貸出ボタン1306(図1参照)及び図示しないCRユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置1037に出力するものである。なお、CRユニットを介さずに球貸し装置等から上皿1302(図1参照)に遊技球が直接貸し出される現金機では、CRユニット接続端子板39は不要である。
払出制御装置1037及び電源制御装置1038は、透明樹脂材料等よりなる基板ケースにそれぞれ制御基板を収容した構成とされる。
(遊技ブロックの構成)
遊技ブロック1040は、図2に示されたように、前面ブロック1020に対して開閉自在に取り付けられている。遊技ブロック1040の開閉軸線は払出ブロック1030の開閉軸線と同じで、払出ブロック1030と同様に、落とし込み構造にて開閉自在及び着脱自在に取り付けてある。また、遊技ブロック1040は、ワンタッチ式の止め具1040aを有し、この止め具1040aによって払出ブロック1030と連結固定される。なお、払出ブロック1030側には、止め具1040aを引っ掛けるための止め金具1031iを固着してある。つまり、遊技ブロック1040は、払出ブロック1030と一体になって前面ブロック1020に対して開閉され、払出ブロック1030との連結を解除してから払出ブロック1030に対して前方側へ回動する構成とされる。遊技ブロック1040は、球式回胴遊技機1010の中核をなす主要なブロックで、このような遊技ブロック1040を上記の如く着脱容易な構成とすることで、遊技ブロック1040の取り替えが可能となる。遊技ブロック1040を取り替えることで、全く別の遊技性をもった遊技機に変えることができ、遊技機の新台入替えの低コスト化を図ることができる。
図8は遊技ブロック1040の分解斜視図である。遊技ブロック1040は、図8に示されたように、前面パネル1100の窓孔1102(図1参照)を介して視認される遊技パネル1041を有する。遊技パネル1041は、上下一対の窓孔1041a,1041bを含む。上側の窓孔1041aに対応して遊技パネル1041の裏側に液晶表示装置1042が取り付けられており、液晶表示装置1042の表示画面は上側の窓孔1041aを介して視認できる。また、下側の窓孔1041bに対応して遊技パネル1041の裏側に回胴ユニット1043が取り付けられており、回胴ユニット1043による図柄表示が下側の窓孔1041bを介して視認できる。また、遊技パネル1041の裏側には、回胴ユニット1043の一側方に主取付台1044を介して主制御装置1045が取り付けられ、液晶表示装置1042の後方に副取付台1046を介して副制御装置1047が取り付けられている。主制御装置1045は、遊技パネル1041と直交するように縦長状に配置される。
図9は遊技ブロック1040の正面図である。なお、図9では便宜上回胴ユニット1043から複数(例えば21個)の図柄を一列に付した、帯状の図柄シール1043L,1043M,1043R(図11参照)を取り外した状態を示している。
遊技パネル1041の下側の窓孔1041bからは、各回胴L,M,Rに貼り付けられる図柄シール1043L,1043M,1043Rの図柄のうちそれぞれ3つずつ下側の窓孔1041bから露出される。なお、図9においては、左右一対の9組のLED1043L1,1043M1,1043R1が3行3列で露出している。
遊技パネル1041の下側の窓孔1041bの左側方には、有効ライン表示部1041cを設けてある。有効ライン表示部1041cは、1ベット表示部1041c1と、その上下に配置された2ベット表示部1041c2,1041c2と、最上段と最下段に配置された3ベット表示部1041c3,1041c3とを含む。遊技球のベット数に応じて、所定のベット表示部1041c1〜1041c3が点灯する。
遊技パネル1041の上側の窓孔1041aの両側には、電動役物1041d,1041eが配設されている。また、下側の窓孔1041bの右側方には、上から順に、電動役物1041f、7セグメントLED表示部1041g、LED表示部1041hが配設されている。これらの電動役物1041d,1041e,1041fは、遊技上の演出やビッグボーナス又はレギュラーボーナスの確定報知などに使用される。7セグメントLED表示部1041gは、遊技球のベット数や払出数、エラーコード、ボーナス中の総払出数、設定変更時の6段階の設定などを表示する部位である。LED表示部1041hには、4つのLEDが配設されている。そのうち上3つのLEDはベット数表示部1041h1を構成する。ベット数表示部1041h1は、セレクタ1400に投入された遊技球数に対応する個数のLEDを点灯させてベット数を「1」〜「3」の範囲内で表示するものである。残る1つのLEDは、再遊技表示部1041h2である。再遊技表示部1041h2は、図11に示す図柄シール1043L,1043M,1043Rの図柄のうちリプレイ図柄(略扇形の枠内に「再」と表示した図柄)が有効ライン上に揃ったときに点灯し、次の単位遊技を遊技球のベットなしで遊技できることを報知するものである。なお、リプレイ図柄が有効ライン上に揃ったのち所定時間経過後に始動レバー1124を押下すると回胴L,M,Rの回転に伴って、再遊技表示部1041h2は消灯する。
また、下側の窓孔1041bの下方には、中央パネル部1112から露出される情報掲載パネル(図示せず)が取り付けられる。この情報掲載パネルの片端には、証紙1041iと型式名シール1041jが貼付される。また、この情報掲載パネルの内側には、破線で示すように、前記情報掲載パネルを後方側から照らすための蛍光灯1041kが配設される。
液晶表示装置1042は、通常遊技中の小役当選の報知演出や遊技状態が通常遊技状態からボーナス状態に遷移することを示唆するための示唆演出、ビッグボーナス又はレギュラーボーナス中の演出、ボーナス中の小役ゲーム数やJACゲーム数の表示、特定の遊技状態(例えば、リプレイが当選しやすいRT状態)であることを報知する演出、回胴停止ボタン1126L,1126M,1126Rの押下のタイミングや押下順を報知する演出などを行う。
図10は、回胴ユニット1043の一例の部分解斜視図である。回胴ユニット1043は、図10に示されたように、3つの回胴(いわゆるリール)L,M,Rを有し、各回胴L,M,Rを回胴ユニット枠1043aに収納したものである。各回胴L,M,Rは、実質的に同一の構成であるために、右回胴Rを例に挙げて説明する。
右回胴Rは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材1043R2の外周面に21個の図柄(識別要素)が等間隔で描かれた図柄シール1043Rを巻き付けたものであり、円筒骨格部材1043R2を円盤状の補強板1043R3を介して右回胴用ステッピングモータ1043R4の回転軸1043R5に取り付けてある。
右回胴用ステッピングモータ1043R4は、回胴ユニット枠1043aの内部に垂設されるモータプレート1043R6にネジ止めされており、このモータプレート1043R6には発光素子と受光素子とが一対となった回胴位置検出センサ1043R7が設置されている。回胴位置検出センサ1043R7を構成する一対のフォトセンサ素子(図示はしない)は、所定の間隔を保持してセンサ筐体内に配される。
円筒骨格部材1043R2の5つの車輻1043R8のうちの1つには、軸方向に延び出したセンサカットバン1043R9を取り付けてある。このセンサカットバン1043R9は、回胴位置検出センサ1043R7の両素子の間隙を通過できるように位置合わせがなされている。そして、右回胴Rが1回転するごとにセンサカットバン1043R9の先端部の通過を回胴位置検出センサ1043R7が検出し、検出ごとに主制御装置1045に検出信号を出力する。主制御装置1045はこの検出信号に基づいて右回胴Rの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ1043R4は、504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)により右回胴Rが1周するように設定されており、この励磁パルスによって回転位置が制御される。すなわち、右回胴Rが1周すると21図柄が順々に遊技パネル1041の下側の窓孔1041bから露出するため、ある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、回胴位置検出センサ1043R7の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が窓孔1041bから露出しているかを認識したり、任意の図柄を窓孔1041bから露出させたりする制御を行うことができる。ステッピングモータ1043R4として、この実施形態では、1−2相励磁方式を採用したハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータを使用している。ステッピングモータ1043R4はハイブリッド型や2相に限らず、3相のステッピングモータや5相のステッピングモータなど、種々のステッピングモータを使用することができる。ステッピングモータ1043R4に対する駆動信号(駆動信号用データ)は、励磁データとしてモータドライバ1070(図13参照)に与えられる。
主制御装置1045は、球式回胴遊技機1010の主たる制御を司るもので、具体的には、始動レバー1124からの信号を受信して成立役(ビッグボーナス、レギュラーボーナス、小役、リプレイ)の抽選を行い、当該抽選結果に基づき副制御装置1047及び払出制御装置1037に指令信号を発する。主制御装置1045の構成は、図15に示すように、主たる制御を司るCPU1045a1、遊技プログラムを記憶したROM1045a2、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM1045a3、各種機器との連絡をとる入出力ポート1045a4、各種抽選の際に用いられる乱数発生回路1045a5、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路1045a6等を含む主制御基板1045aと、この主制御基板1045aを収容する透明樹脂材料等よりなる基板ケース1045b(1045b1,1045b2)(図8参照)とからなる。
副制御装置1047は、主制御装置1045から発せられる指令信号(コマンド)に基づき、LEDカバー部1104(図1参照)等の各種LEDカバー部にて被覆される図示しない遊技演出用の発光装置(LED)の点灯・点滅や上下スピーカ1106,1204(図1参照)から発せられる効果音、液晶表示装置1042にて表示される表示態様などの制御を行う。副制御装置1047の構成は、主制御装置1045と同様、上記の各種LED、上下スピーカ1106,1204及び液晶表示装置1042の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、入出力ポート等を含む副制御基板1047aと、この副制御基板1047aを収容する透明樹脂材料等よりなる基板ケース1047b(1047b1,1047b2)とからなる。
(球式回胴遊技機の制御系)
球式回胴遊技機1010の制御系について説明する。図12は球式回胴遊技機の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
主制御基板1045aは、図12に示すように、演算処理手段であるCPU1045a1を中心とするマイクロコンピュータとして構成された制御手段として機能し、処理プログラムを記憶するROM(あるいはフラッシュメモリ)1045a2、一時的にデータを記憶する作業用(ワーキング用)のRAM1045a3、入出力ポート1045a4などが内部バスを介してこのCPU1045a1に接続されている。
主制御基板1045aの入出力ポート1045a4には、リセットスイッチ1038bからのリセット信号、設定キースイッチ1038d1からの設定信号、ベットボタン1114からの1ベット信号、マックスベットボタン1304からの最大ベット信号、セレクタ1400に取り込まれた遊技球を検出するカウントセンサ1416a1,1416b1,1416c1からの補助通過検出信号、セレクタ1400に取り込まれた遊技球を検出する通過センサ1415a,1415b,1415cにおける上側素子1415a1,1415b1,1415c1からの上流通過検出信号及び通過センサ1415a,1415b,1415cにおける下側素子1415a2,1415b2,1415c2からの下流通過検出信号、始動レバー1124からの変動開始信号、各回胴停止ボタン1126L,1126M,1126Rからの停止信号、回胴位置検出センサ1043L7,1043M7,1043R7からの検出信号、払出装置1033から払い出される遊技球を検出するカウントセンサ1033hからのカウントスイッチ信号に基づくカウント信号、ケースレール1035内の遊技球を検出する球切れ検出装置1035bからの遊技球検出信号、払出期間中を表す払出中信号などが入力される。
また、主制御基板1045aの入出力ポート1045a4からは、ベットボタン1114,1304からのベット信号に基づく投入ソレノイド1414a,1414b,1414cの駆動信号、通過センサ1415a,1415b,1415cの計数値に基づく投入ソレノイド1414a,1414b,1414cの駆動停止信号、始動レバー1124からの変動開始信号及び回胴停止ボタン1126L,1126M,1126Rからの停止指令信号に基づく回胴用ステッピングモータ1043L4,1043M4,1043R4の駆動信号などが出力される。また、液晶表示装置1042にて表示される演出内容やスピーカ1106,1204から発せられる効果音、上LEDカバー部1104等で被覆された各種発光装置(LED)の点灯・点滅などを制御する制御信号が副制御基板1047aに出力される。
上述したCPU1045a1は、このCPU1045a1によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM1045a2と、このROM1045a2内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのワーキング用のRAM1045a3の他に、図示はしないが周知のように割り込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路など球式回胴遊技機1010において必要な各種の処理回路が内蔵されている。
ROM1045a2とRAM1045a3とによってメインメモリが構成され、各種の処理を実行するための処理プログラム(出力制御情報生成用処理プログラムを含む)は、処理プログラムの一部として上述したROM1045a2に記憶されている。RAM1045a3内は、機能的には複数の作業エリアが確保されている。周知のようにCPU1045a1内に設けられたプログラムカウンタの値を保存するためのスタックメモリ(スタックメモリ用のエリア)の他に、この例では停電フラグを記憶する停電フラグメモリ、スタックポインタを保存するスタックポインタ保存用メモリ、RAM45a3に保存されているデータのチェックサムに関連した補正値を保存するチェックサム補正値用メモリ、さらには復電時に使用される復電コマンドバッファや復電コマンドカウンタなどのメモリエリアが確保されている。
入出力ポート1045a4には、副制御基板1047aなどのI/O装置の他に、ホール管理者用のコンピュータ等の遊技機管理装置(図示せず)や外部情報表示装置などに情報を送信できる外部集中端子板や、電源制御基板1038’に設けられた停電監視回路1038f、さらには投入ソレノイド1414a,1414b,1414cや払出制御基板1037aなどが電気的に接続されている。
電源制御基板1038’には、主制御基板1045aを始めとして球式回胴遊技機1010の各電子機器に駆動電力を供給する電源部1038eや、上述した停電監視回路1038fなどが搭載されている。停電監視回路1038fは電源の切断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ1038aによる電源切断時に停電信号を生成する。そのため停電監視回路1038fは、電源部1038eから出力される直流24ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば22ボルト未満まで低下したときに電源が切断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU1045a1と入出力ポート1045a4のそれぞれに供給され、CPU1045a1ではこの停電信号を認識することで、停電時処理が実行される。電源部1038eからは出力電圧が22ボルト未満まで低下した場合でも、主制御基板1045aなどの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間として、主制御基板1045aによる停電時処理を実行するのに十分な時間が確保されている。
また、主制御基板1045aは、電源部1038eから安定化駆動電圧が供給されるのと同時にリセットスイッチ1038bからリセット信号が送信されると、RAM1045a3に書き込まれた情報を消去し、電源部1038eから安定化駆動電圧が供給されている状態でリセットスイッチ1038bからリセット信号が送信されると、エラー状態をリセットする。
さらに、電源オフ時に設定キースイッチ1038d1をオンにしてから電源オンにした状態、つまり電源オフ時に設定変更キーシリンダ1038dに設定キーを差し込んで回転させてから電源オンにした状態にすると、球式回胴遊技機10の出球率を変更可能な状態が発生する。この状態で、リセットスイッチ1038bからリセット信号が送信されると、球式回胴遊技機1010のボーナス確率や小役確率を変更し、当該変更結果を設定値「1」〜「6」の数字で7セグLED表示部1041g(図9参照)に出力する。そして、7セグメントLED表示部1041gに「1」〜「6」のいずれかの数字を表示させた状態で、始動レバー1124から設定確定信号を受信すると、球式回胴遊技機1010の出球率(設定)を確定する。
払出制御基板1037aは、概ね主制御基板1045aと同様の構成であり、CPUを備え、処理プログラムを記憶するROM(あるいはフラッシュメモリ)、一時的にデータを記憶する作業用(ワーキング用)のRAM、入出力ポートなどが内部バスを介してこのCPUに接続されている。
主制御基板1045aにおいて実行される制御処理について説明する。主制御基板1045aの制御処理は、外部電力の供給再開や電源スイッチ1038aのオン操作等による復電に伴って起動されるメイン処理と、メイン処理に対して割り込みをかける割込み処理とに大別される。説明の便宜上、割り込み処理について説明した後に、メイン処理について説明する。なお、割込み処理としては、NMI端子における停電信号の受信に応じて割込みをかける停電割込み処理と、タイマによる時間計測によって定期的に割込みをかけるタイマ割込み処理とがある。
まず、停電割込み処理について説明する。停電状態が発生した場合、電源制御基板1038’の停電監視回路1038fで停電信号が生成され、主制御基板1045aに対して出力される。主制御基板1045aにおいては、CPU1045a1のNMI端子が停電信号を受信し、停電信号の受信に応じて停電フラグを設定する図示しない割込み処理(以下、「停電割込み処理」と称する)が実行される。停電割込み処理においては、まず、現在使用しているレジスタのデータをRAM1045a3内のバックアップ領域に退避させる(「レジスタ退避処理」)。レジスタ退避処理の後に、停電フラグが設定される(「停電フラグ設定処理」)。停電フラグは、RAM45a3内の特定の領域に保持される停電状態の発生を表す情報である。停電フラグ設定処理の後に、自身の割込みにおける処理の終了がCPU1045a1に知らせられる(「割込み終了宣言処理」)。割込み終了宣言処理の後に、レジスタ退避処理においてRAM1045a3のバックアップ領域に退避させたレジスタのデータをCPU1045a1のレジスタに復帰させる(「レジスタ復帰処理」)。レジスタ復帰処理の後に、新たな割込みが許可される(「割込み許可処理」)。割込み許可処理の完了によって停電割込み処理が終了する。なお、使用中のレジスタのデータを破壊せずに停電フラグ設定処理が行える場合には、レジスタ退避処理及びレジスタ復帰処理を省くことができる。
次に、タイマ割込み処理について説明する。図14は、主制御基板1045aにおけるタイマ割り込み処理の一例を表すフローチャートである。主制御基板1045aにおいては、定期的にタイマ割込み処理が行われる。本形態においては、タイマ割込み処理は、実質的に1.49ms[ミリ秒]の周期で行われる。
タイマ割込み処理において、まず、後述するメイン処理における通常処理で使用している全てのレジスタの情報が、RAM1045a3のバックアップ領域に格納される(「レジスタ退避処理」S2101)。レジスタ退避処理S2101の後に、停電フラグが設定されているか否かが確認される(S2102)。停電フラグが設定されている場合には、バックアップ処理S2103が実行される。
バックアップ処理S2103では、まず、リングバッファに蓄積されている各種のコマンドの送信が終了しているか否かが判定される。それらのコマンドの送信が終了していない場合には、バックアップ処理S2103が一旦終了されて、制御がタイマ割込み処理に復帰する。なお、これは、バックアップ処理S2103の開始前に、コマンドの送信を完了させるための制御である。一方、それらのコマンドの送信が完了している場合には、CPU1045a1のスタックポインタの値が、RAM1045a3内のバックアップ領域に保存される(「スタックポインタ保存処理」)。スタックポインタ保存処理S2102の後に、後述するRAM判定値がクリアされると共に、入出力ポート45a4における出力ポートの出力状態がクリアされて図示しない全てのアクチュエータがオフ状態になる(「停止処理」)。停止処理の後に、RAM判定値が新たに算出されてバックアップ領域に保存される(「RAM判定値保存処理」)。RAM判定値は、RAM1045a3のワーク領域におけるチェックサム値の2の補数である。ここで、チックサム値の2の補数とは、2進数表現においてチェックサム値の各桁(ビット)を反転した場合に生成される値である。この場合、RAM1045a3のチェックサム値とRAM判定値との排他的論理和(「FFFF」)に1加算した値は「0」である。本形態では、RAM判定値としてチェックサム値の補数を用いたが、本発明においては、RAM判定値としてチェックサム値そのものを用いてもよい。RAM判定値保存処理の後に、RAM1045a3へのアクセスが禁止される(「RAMアクセス禁止処理」)。その後は、内部電力の完全な遮断によって処理が実行できなくなるのに備えて、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤って設定される場合等を考慮して、図示しないが、無限ループに入る前には停電信号がまだ入力されているか否かが確認される。停電信号が出力されていなければ、内部電源が復旧していることになるために、RAM1045a3の書き込みが許可されると共に停電フラグが解除され、タイマ割込み処理に復帰する。一方、停電信号が継続して入力されていれば、そのまま無限ループに入る(図示せず)。
上記のように、バックアップ処理S2103の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かが判断され、それらの送信が未完であるときには送信処理を優先させている。コマンドの送信処理終了後にバックアップ処理S2103を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中でバックアップ処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果、停電時の処理に関するプログラムを簡略化してROM1045a2の小容量化を図ることができる。電源制御基板1038’の電源部1038eは、停電状態が発生した後においても、停電割込み処理及びバックアップ処理を完了するために十分な時間にわたって、制御系の駆動電力として使用されるバックアップ電力を出力する。このバックアップ電力によって、停電割込み処理及びタイマ割込み処理のバックアップ処理が行われる。本形態では、停電発生後の30ms[ミリ秒]の間、バックアップ電力が出力され続けるようになっている。
判定処理S2102において停電フラグが設定されていないと判定された場合には、誤動作の発生を監視するためのウォッチドッグタイマが初期化され、CPU1045a1自身に対して割込み許可が出される(「割込み終了宣言処理」S2104)。割込み終了宣言処理S2104の後に、左回胴Lを回転させるための左ステッピングモータ1043L4、中回胴Mを回転させるための中ステッピングモータ1043M4及び右回胴Rを回転させるための右ステッピングモータ1043R4の駆動が制御される(「左ステッピングモータ制御処理」S2105、「中ステッピングモータ制御処理」S2106、「右ステッピングモータ制御処理」S2107)。各種のステッピングモータ制御処理S2105〜S2107の後に、入出力ポート1045a4に接続された各種の装置におけるスイッチの状態変化が監視される(「スイッチ読込処理」S2108)。スイッチ読込処理S2108の後に入出力ポート1045a4に接続された各種の装置におけるセンサの状態変化が監視される(「センサ監視処理」S2109)。センサ監視処理S2109の後に、各種のカウンタの値や各種のタイマの値が減算される(「タイマ減算処理」S2110)。タイマ減算処理S2110の後に、差球数(ベット総数と獲得総数との差分)を集計するためにベット数や獲得球数が、外部集中端子板へ出力される(「差球カウント処理」S2111)。差球カウント処理S2111の後に、リングバッファに蓄積された各種のコマンドが、副制御基板47aに送信される(「コマンド出力処理」S2112)。コマンド出力処理S2112の後に、7セグメントLED表示部1041g、獲得数表示装置等に表示されるセグメントデータが設定される(「セグメントデータ設定処理」S2113)。セグメントデータ設定処理S2113で設定されたセグメントデータが7セグメントLED表示部1041g等のうち所定のセグメントデータ表示装置に送信される(「セグメントデータ表示処理」S2114)。これにより、7セグメントLED表示部1041g等は、受信したセグメントデータに対応する数字、文字、記号などを表示する。入出力ポート1045a4からI/O装置へのデータが出力される(「ポート出力処理」S2115)。ポート出力処理S2115の後に、レジスタ退避処理S2101においてバックアップ領域に退避させた各レジスタのデータがそれぞれCPU1045a1内の所定のレジスタに復帰される(「レジスタ復帰処理」S2116)。レジスタ復帰処理S2116の後に、次回のタイマ割込みが許可される(「割込み許可処理」S2117)。以上の処理を経て一連のタイマ割込み処理が終了する。
主制御基板1045aにおけるメイン処理について説明する。図14は、主制御基板1045aのメイン処理を表すフローチャートである。主制御基板1045aのメイン処理は、停電状態から復帰した場合に実行される。
主制御基板1045aのメイン処理では、まず、スタックポインタの初期値が設定される(「スタックポインタ初期設定処理」S2201)。スタックポインタ初期設定処理S1201の後に、割込み処理を許可する割込みモードが設定される(「割込みモード設定処理」S2202)。割込みモード設定処理S2202の後に、CPU45a1内のレジスタ群やI/O装置等に対する各種の設定等が行われる(「レジスタ設定処理」S2203)。レジスタ設定処理S2203の後に、設定キーが設定キースイッチ1038d1に挿入され、所定の操作(右回転操作等)がされているか否かが判定される(S2204)。
設定キースイッチ1038d1の操作がされていると判定された場合には、所定の複数種類の確率設定(本形態では「設定1」〜「設定6」の6段階設定)のうちから選択される1つの確率設定の設定値を保持する所定の領域を除くRAM1045a3の全領域のデータが、強制的にクリアされる(「強制的RAMクリア処理」S2205)。強制的RAMクリア処理S2205の後に、現在の設定値の再設定(設定の打ち直し)を行うことができる(「確率設定選択処理」S2206)。なお、設定値の変更においては、リセットスイッチ1038bの操作及び始動レバー1124の操作が援用される。確率設定選択処理S2206の後に、通常遊技処理へ移行する。
判定処理S2204において設定キースイッチ1038d1の操作がされていないと判定された場合には、選択されている確率設定の設定値が所定の範囲(「1」〜「6」)内の値であるか否かが判定される(S2207)。なお、停電状態の発生時から停電状態からの復帰時までの間に、RAM45a3が機械的又は電気的に破壊される等の異常事態が発生しない限り、設定値は所定の範囲内の値しかとらない。設定値が所定の範囲内の値である場合には、停電フラグが設定されているか否かが判定される(S2208)。停電フラグが設定されている場合には、RAM45a3のワーク領域のチェックサム値が新たに算出され、新たなチェックサム値が正常であるか否かが判定される(S2209)。新たなチェックサム値が正常とは、新たなチェックサム値と停電状態の発生前のチェックサム値が同一であること、つまり、新たなチェックサム値とRAM45a3のバックアップ領域に保持されているRAM判定値との排他的論理和に1加算した値が「0」であることを意味する。この値は、新たなチェックサム値と停電状態の発生前のチェックサム値とが同一である場合には「0」となり、異なる場合には「0」以外となる。停電状態の発生時から停電状態からの復帰時までの間に、RAM45a3が機械的又は電気的に破壊される等の異常事態が発生しない限り、この値は「0」以外にはならない。判定処理S2207において確率設定の設定値が所定の範囲内の値でないと判定された場合、判定処理S2208において停電フラグが設定されていないと判定された場合、又は、判定処理S2209において新たなチェックサム値とRAM判定値との排他的論理和に1加算した値が「0」以外であると判定された場合には、割込みが禁止される(「割込み禁止設定処理」S2216)。割込み禁止設定処理S2216の後に、入出力ポート1045a4の全ての出力ポートがクリアされて、入出力ポート1045a4に接続された全てのアクチュエータがオフ状態になる(「全出力ポートクリア処理」S2217)。全出力ポートクリア処理S2217の後に、エラーの発生を報知させるための処理が行われる(「エラー報知処理」S2218)。なお、このエラー報知状態は、リセットスイッチ1038bが操作されるまで継続する。
判定処理S2209において新たなチェックサム値が正常であると判定された場合には、バックアップ領域に保存されたスタックポインタの値がCPU1045a1のスタックポインタに書き込まれ、スタックポインタの値が停電状態の発生前の値に復帰する(「スタックポインタ復帰処理」S2210)。これによって、停電状態からの復帰後において、停電状態の発生により中断された処理から再開できるようになる。スタックポインタ復帰処理S2210の後に、停電状態からの復帰を表す復電コマンドが設定される(「復電コマンド設定処理」S2211)。これにより、復電コマンドが副制御基板1047aに送信されることとなる。復電コマンド設定処理S2211の後に、打止切換スイッチ1038cの状態が、RAM1045a3の所定の領域に格納される(「遊技形態設定処理」S2212)。遊技形態設定処理S2212の後に、各種の装置のセンサの値が初期化される(「センサ初期化処理」S2213)。センサ初期化処理S2213の後に、停電フラグが解除される(「停電フラグ解除処理」S2214)。停電フラグ解除処理S2214の後に、払出中に停電が発生した等の場合、払出を再開させるための払出コマンドを設定する(「払出コマンド設定処理」S2215)。払出コマンド設定処理S2215の後に、スタックポインタの示す停電状態の発生前の番地における処理から再開される。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理におけるバックアップ処理S2103(図13参照)後の割込み終了宣言処理S2104が実行される。
通常時の遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について説明する。図15は、主制御基板1045aで実行される通常遊技処理の一例を表すフローチャートである。主制御基板1045aの通常遊技処理は、メイン処理における確率設定処理S2206(図14参照)の終了後に実行される。また、払出コマンド設定処理S2215の終了後に、通常遊技処理の中途から実行される
通常遊技処理では、図15に示されたように、まず、割込み許可を設定する(「割込み許可設定処理」S2301)。割込み許可設定処理S2301の後に、遊技形態を決定する打止切換スイッチ1038cの状態がRAM1045a3の所定の領域に格納される(「遊技形態設定処理」S2302)。なお、遊技形態設定処理S2302は、メイン処理における遊技形態設定処理S2212(図19参照)と同一の処理である。遊技形態設定処理S2302の後には、下述のループ処理に移行する。なお、以下においては、連続遊技中である場合について説明する。
ループ処理において、また、RAM1045a3において一回の遊技ごとに変化する情報を保持する領域のデータをクリアする(「遊技情報クリア処理」S2303)。具体的には、前回の遊技に関連する情報をクリアする。クリアされる情報としては、例えば、乱数に関連する情報、回胴L,M,Rの制御に関連する情報、入賞に関連する情報及びエラーに関連する情報が挙げられる。入賞に関連する情報には、入賞図柄、入賞ライン及び獲得遊技球数等の情報が含まれる。
遊技情報クリア処理S2303の後に、変動開始信号が入力されるまで、所定の処理を行いながら待機する(「変動待機処理」S2304)。ここで、変動待機処理S2304について詳細に説明する。図21は、変動待機処理の一例を表すフローチャートである。
変動待機処理S2304では、まず、遊技監視タイマが設定される(「遊技監視タイマ設定処理」S2401)。ここで、遊技監視タイマが設定されるとは、そのタイマの値がリセットされ、かつそのタイマによる新たな時間計測がスタートすることを意味する。遊技監視タイマは、遊技間隔を測定するタイマであって、遊技者によって遊技されていない時間が所定の時間を経過した場合に、液晶表示装置42の画像を所定の画像(デモストレーション画像)に移行させるために用いられる。
遊技監視タイマ設定処理S2401の後に、前回の遊技で再遊技に入賞したか否かが判定され、再遊技に入賞していた場合には、自動的に、前回の遊技のベット数と同数の遊技球が自動的にベットされる(「自動ベット処理」S2402)。
自動ベット処理S2402の後に、セレクタ1400においてエラーが発生しているか否かが確認され、エラーが発生している場合には、スピーカ1106、1204、発光装置1132、1134L1、各種のLEDカバー部で被覆されるLED、液晶表示装置1042等にエラーを報知させるための投入エラーコマンドが設定される(「投入エラー報知処理」S2403)。例えば、遊技球の投入期間中以外において、通過センサ1415a、1415b,1415cから上流通過検出信号や下流通過検出信号を受信した場合が挙げられる。なお、リングバッファに格納された投入エラーコマンドは、その格納後に実行されるタイマ割込み処理のコマンド出力処理S2112において副制御基板1047aに出力される。また、以下において、リングバッファに格納される各種のコマンドは、投入エラーコマンドの場合と同様に、それらの格納後に実行されるタイマ割込み処理のコマンド出力処理S2112において副制御基板1047aに出力される。
投入エラー報知処理S2403の後に、払出装置1033でエラーが発生しているか否かが判定され、払出装置1033でエラーが発生している場合には、スピーカ1106,1204発光装置132、134L1等、液晶表示装置42等にエラーを報知させるための払出エラーコマンドが設定される(「払出エラー報知処理」S2404)。具体的には、払出基板1037aからの払出中信号がオン状態であるか否か、及び、各種のカウントセンサ1033hからのカウントスイッチ信号に基づく払出基板1037aからのカウント信号がオン状態であるか否かが判定される。この判定結果が、払出中信号がオン状態(払出期間中)でないにも関わらず、いずれかのカウント信号がオン状態である場合には、エラー処理が実行されると共に、払出エラーコマンドが設定される。これによって、遊技を進行できない状態となり、エラー発生が報知される。なお、同様の払出エラー報知処理は、他の処理中においても遊技者からの何らかの入力を待っている状態、例えば、リール回転中におけるリール停止待ち状態においても実行される。
払出エラー報知処理S2404の後に、返却ボタン1308の操作が行われているか否かを判定して、返却中であれば他のボタン等の操作による入力が禁止される(「返却処理」S2405)。
返却処理S2405の後に、1ベットボタン1114又はマックスベットボタン1304が操作されているか否かが確認され、いずれかのベットボタンが操作されている場合には所定数の遊技球がベットされる(「遊技球ベット処理」S2406)。なお、投入された遊技球の個数が、通過センサ1415a,1415b,1415cで計数される。かつ、別途に、カウントセンサ1416a,1416b,1416cによっても計数される。
ここで、遊技球ベット処理S2406について詳細に説明する。図17は、遊技球ベット処理S2406の一例を表すフローチャートである。遊技球ベット処理S2406では、まず、投入が完了しているか否かが判定される(S2501)。具体的には、通常遊技状態等においては、ベット数が「3」(投入球数が15)である場合には投入完了と判定し、JAC中等においては、ベット数が「1」(投入球数が5)である場合には投入完了と判定する。投入が完了している場合には、遊技球ベット処理S2406が終了し、投入が完了していない場合には、最大ベット信号が受信されているか否かが判定される(S2502)。最大ベット信号が受信されている場合には、総投入個数カウンタの値が、通常遊技状態等においては「15」に、JAC中等においては「5」に設定される(「総投入個数カウンタ設定処理」S2503)。一方、最大ベット信号が受信されていない場合には、1ベット信号が受信されているか否かが判定される(S2504)。1ベット信号が受信されている場合には、総投入個数カウンタの値が「5」に設定され(「総投入個数カウンタ設定処理」S2505)、受信されていない場合には、遊技球ベット処理S2406が終了する。
総投入個数カウンタ設定処理S2503,S2505において、総投入個数カウンタの値が設定されると、第1条〜第3条の投入リトライフラグをそれぞれ設定して(「全投入リトライフラグ設定処理」S2506)、3つの遊技球投入部1410a〜1410cのすべてにおいて、投入処理が行われるように初期設定する。全投入リトライフラグ設定処理S2506の後に、いずれかの条の投入リトライフラグが設定されているか否かを判定し(S2507)、全ての条の払出リトライフラグが設定されていなければ、遊技球ベット処理S2406が終了する。一方、いずれかの条の投入リトライフラグが設定されていれば、総投入個数カウンタの値が「0」であるか否かが判定され(S2508)、総投入個数カウンタの値が「0」であれば、遊技球ベット処理S2406が終了する。
判定処理S2508において総投入個数カウンタの値が「0」でなければ、全条の払出リトライフラグが設定されているか否かが判定される(S2509)。判定処理2509において、いずれかの条の投入リトライフラグが解除されていれば、後述するようにいずれかの条において遊技球の払い出しが滞ったこととなるので、遊技球を再振り分けする前に所定時間待機し(「ウェイト処理」S2510)、その後に、投入個数振分処理S2511へ移行する。なお、本形態では、ウェイト処理S2510におけるウェイト時間は、80msである。このウェイト処理S2510は、貯留通路1402a〜1402cにおいて、投入フリッカ1413a〜1413cによって排出通路1406a〜1406cへの遊技球の流下が禁止された場合に、遊技球のばたつきを抑制するために設けられている。また、投入フリッカ1413a〜1413cを作動させる投入ソレノイド1414a〜1414cの駆動における電圧の過渡応答を正確に判定するために設けられる。
複数の遊技球投入部1410a〜1410cで可能な限り均等に遊技球の投入を行うために、各遊技球投入部がそれぞれ何個ずつ投入するかを振り分けて、各遊技球に対応する投入予定個数を決定する(「投入個数振分処理」S2511)。
ここで、投入個数振分処理S2511について説明する。図18は、投入個数振分処理S2511の一例を示したフローチャートである。投入個数振分処理S1511では、図18に示されたように、まず、吊球フラグが設定されているか否かが判定される(S1601)。吊球フラグは、吊球が発生しているか否かを表すフラグであって、吊球フラグが設定されている場合には、吊球が発生しており、吊球フラグが解除されている場合には吊球が発生していないことを表している。
判定処理S1601において吊球フラグが設定されていないと判定された場合には、総投入個数カウンタの値をスタックエリアヘ退避する(「総投入個数カウンタ値退避処理」S1602)。次に、3つの貯留通路1402a〜1402cでの投入予定個数を記憶する第1条〜第3条の投入予定個数カウンタの値をそれぞれ「0」にクリアし(「全条の投入予定個数カウンタ初期化処理」S1602)、更に、投入条ポインタ905へ最大値「3」を設定する(「投入条ポインタ最大値設定処理」S1603)。投入条ポインタ905は、3つの貯留通路1402a〜1402cのうち、遊技機1010の前面側に配設される貯留通路1402aから遊技機1010の背面側に配設される貯留通路1402cまでを順次に繰返し指定する(3,2,1,3,・・・と更新される)。
投入条ポインタの値が示す条の投入リトライフラグが設定されているか否かを判定し(S1605)、その条の投入リトライフラグが設定されていれば、その条に対応する貯留通路1402a〜1402cを使用しての遊技球の投入は可能であるので、当該条の投入予定個数カウンタの値を「1」だけ加算して、1個の遊技球を当該条に対応する貯留通路1402a〜1402cから投入するように振り分ける(「当該条の投入予定個数カウンタ加算処理」S1606)。更に、当該条の投入ソレノイド作動フラグを設定し(「当該条の投入ソレノイド作動フラグ設定処理」S1607)、最初の遊技球が投入されるまでの最大の待ち時間(タイムアウト時間、検出時間)に対応した値「180」を当該条の通過センサカウンタに設定し(「当該条の通過センサカウンタ設定処理」S1608)、総投入個数カウンタの値を「1」だけ減算する(「総投入個数カウンタ減算処理」S1609)。なお、本実施形態では、各条において、投入フリッカ1413a〜1413cの開放によって貯留通路1402a〜1402cにおける排出通路1406a〜1406cへの通路が開放され、排出通路1406a〜1406cへ流下する最初の遊技球が正常に通過センサ1415a〜1415cの上側素子1415a1,1415b1,1415c1に到達するまでの時間が約10msであるために、より十分余裕をもった時間として360msが最大の待ち時間として設定される。このように十分余裕を持った時間を設定するのは、遊技球の流下時に生じるばたつきを考慮しているからである。また、各条の通過センサカウンタの値は、タイマ割込み処理が実行される毎に「1」だけ減算される。そのタイマ割込み処理(図13参照)は上述したように約1.49ms毎に繰り返し実行されるために、各通過センサカウンタを「180」にすることによって約270msを指定したことになる。
また、当該条の投入ソレノイド作動フラグ設定処理S1607において、当該条の投入ソレノイド作動フラグを設定することにより、全条の払出ソレノイド作動制御処理S2518(図17参照)において当該条の払出ソレノイド1414a〜1414cがオン状態になり、投入フリッカ1413a〜1413cによって貯留通路1402a〜1402cから排出通路1406a〜1406cが開放されてその条における投入動作が開始されることとなる。
次に、総投入個数カウンタの値が「0」であるか否かを判定して(S1610)、総投入個数カウンタの値が「0」でなければ、遊技球の振り分けは完了していないので、投入条ポインタの値を更新する。具体的には、投入条ポインタが最小値「1」であるか否かを判定して(S1611)、投入条ポインタの値が最小値「1」でなく「3」又は「2」であれば、投入条ポインタの値を「1」だけ減算して(「投入条ポインタ減算処理」S1613)、判定処理S1605に戻る。一方、投入条ポインタの値が「1」であれば、投入条ポインタ最大値設定処理S1604に戻る。
判定処理S1610において総投入個数カウンタの値が「0」であると判定された場合には、投入すべき全ての遊技球の振り分けが完了したことになるので、総投入個数カウンタ値退避処理S1601で退避しておいた総投入個数カウンタの値を復帰する(「総投入個数カウンタ値復帰処理」S1614)。
また、判定処理S1604において投入条ポインタ905の値が示す条の投入リトライフラグが設定されていなければ、当該条を使用しての遊技球の投入は不可能であるために、当該条への遊技球の振り分けを行わないように、当該条の投入予定個数カウンタ加算処理S1605から判定処理S1609までをスキップすると共に、当該条に対応した各情報や値を初期化して(「当該条の初期化処理」S1610)、判定処理S1611へ移行する。当該条の初期化処理S1610では、当該条の投入予定個数カウンタ、投入ソレノイド作動フラグ、通過センサカウンタなどの、投入実行処理S1514で使用される情報や値が初期化される。
また、判定処理S1601において吊球フラグが設定されている場合には、吊球フラグが設定されている条の投入ソレノイド作動フラグが設定されて(「吊球発生条の投入ソレノイド作動フラグ設定処理」S1615)、通過センサカウンタの値が吊球発生時の所定の初期値に設定され(S1616)、投入個数振分処理S2511が終了する。
投入個数振分処理S2511の後に、図17に示されたように、投入タイマ割込実行フラグが設定されているか否かが判定される(S2512)。投入タイマ割込実行フラグが設定されていれば、投入条ポインタへ最大値「3」を設定する(「投入条ポインタ最大値設定処理」S2513)。投入条ポインタ最大値設定処理S2513の後に、投入個数振分処理S2511によって遊技球投入部1410a〜1410cの各々に対して振り分けられ、各遊技球投入部1410a〜1410cにおいて投入が開始された際の遊技球の投入個数を計数すると共に、その投入の終了を管理する処理を実行する(「投入実行処理」S2514)。
ここで、投入実行処理S2514について説明する。図19は、投入実行処理S2514の一例を表すフローチャートである。図19に示されたように、投入実行処理S2514では、まず、当該条の通過センサカウンタの値が「0」であるか否かが判定される(S1702)。判定処理S1702において当該条の通過センサカウンタの値が「0」でない場合には、当該条に対応する通過センサ1415a〜1415cからの上流通過検出信号及び下流通過検出信号の少なくとも一方が変化したか否かが判定される(S1702)。ここで、上流通過検出信号の変化とは、オフ状態からオン状態への変化又はその逆の変化を意味する。具体的には前回の上流通過検出信号の出力状態(オン状態又はオフ状態)が保持されており、上流通過検出信号の今回の出力状態と前回の出力状態との比較によって変化したか否かを判定している。下流通過検出信号についても同様である。通過センサ1415a〜1415cからの上流通過検出信号及び下流通過検出信号の双方に変化がない場合には、投入実行処理S2514が終了する。一方、上流通過検出信号及び下流通過検出信号の少なくとも一方が変化している場合には、上流通過検出信号の出力状態と下流通過検出信号の出力状態との組合せによって識別される位相が正常に変化したか否かが判定される(S1703)。なお、上流通過検出信号の出力状態と下流通過検出信号の出力状態との組合せによって4種の位相のうちいずれの位相であるかが特定される。具体的には、前回の位相に対応する位相識別子(「0」〜「3」の整数)が保持されており、前回の識別子から今回の位相識別子への変化がROM1045a2に記憶している位相識別子の正常な変化の組合せと合致するか否かが判定されている。
判定処理S1703において位相変化が正常であると判定された場合は、後述するように遊技球の通過状態に応じた処理に移行する。一方、位相変化が正常でない場合には、エラー処理(通過順序エラー処理)が実行され(S1704)、位相変化の異常の発生が報知される。このエラー処理S1704は無限ループとなっており、球式回胴遊技機1010がリセットされるまで継続する。これにより、何らかの不正行為によって一旦エラーが発生すれば不正行為を継続できないようにできる。なお、後述する通過時間エラー及び補助通過時間エラーについても同様である。吊球が発生した場合には、投入処理において位相変化は中途で終了し、再投入処理において位相変化は中途から開始されるが、吊球が発生するまでの位相変化と再投入における位相変化と合わせた位相変化は正常な位相変化であるためにこのエラー処理は実行されない。
判定処理1705において位相変化が正常であると判定された場合は、遊技球が当該条の通過センサ1415a〜1415cの通過を完了したか否かが判定される(S1705)。具体的には、上流通過検出信号がオフ状態であり下流通過検出信号がオン状態である位相から上流通過検出信号及び下流通過検出信号がオフ状態である位相に変化したか否かが判定される。当該条の通過センサ1415a〜1415cの通過完了である場合、総投入個数カウンタの値が現在値から1だけ減じた値に更新され(「総投入個数カウンタ減算処理」S1706)、当該条の投入予定個数カウンタの値が現在値から1だけ減じた値に更新され(「当該条の投入予定個数カウンタ減算処理」S1707)、投入済個数カウンタの値が現在値に1だけ加えた値に更新される(「投入済個数カウンタA加算処理」S1708)。投入済個数カウンタA加算処理S1708の後に、当該条のカウントセンサカウンタが所定の値(本形態では、「250」)に設定され(「当該条のカウントセンサカウンタ設定処理」S1709)、投入実行処理S2514が終了する。なお、本形態においては、カウントセンサカウンタの値を「250」に設定することは、約370msの時間の計測を開始させることを意味する。
判定処理S1705において当該条の通過センサ1415a〜1415cの通過完了でないと判定された場合には、遊技球が当該条の通過センサ1415a〜1415cの通過を開始したか否かが判定される(S1710)。具体的には、上流通過検出信号及び下流通過検出信号がオフ状態である位相から上流通過検出信号がオン状態であり下流通過検出信号がオフ状態である位相に変化したか否かが判定される。当該条の通過センサ1415a〜1415cの通過開始でない場合には、投入実行処理S2514が終了する。一方、当該条の通過センサ1415a〜1415cの通過開始である場合には、通過センサカウンタの値が所定の値(本形態では、「140」)に設定される(「当該条の通過センサカウンタ設定処理」S1711)。本形態においては、通過センサカウンタの値を「140」に設定することは、約200msの時間の計測を開始させることを意味する。
当該条の通過センサカウンタ設定処理S1711の後に、当該条の投入予定個数カウンタの値が「1」であるか否かが判定される(S1712)。当該条の投入予定個数カウンタの値が「1」でない場合には、投入実行処理S2514が終了する。一方、当該条の投入予定個数カウンタの値が「1」である場合には、通過センサ1415a〜1415cの通過を開始した遊技球は、投入すべき最終の遊技球であるために、過剰の遊技球が投入されることを防止するために、当該条の投入ソレノイド作動フラグが解除され(「当該条の投入ソレノイド作動フラグ解除処理」S1713)、投入実行処理S2514が終了する。
判定処理S1701において、当該条の通過センサカウンタが「0」であると判定された場合は、遊技球が当該条の通過センサ1415a〜1415cを通過中であるか否かが判定される(S1714)。具体的には、上流通過検出信号及び下流通過検出信号の少なくとも一方がオン状態であるか否かが判定される。当該条の通過センサカウンタが「0」である場合は、遊技球の投入間隔が長過ぎてタイムアウトとなったり、最初の遊技球の通過開始までの時間が長過ぎてタイムアウトとなったり、吊球が発生したりした場合である。遊技球が当該条の通過センサ1415a〜1415cを通過中であると判定された場合には、吊球が発生しているか否かが判定される(S1715)。吊球が発生していない場合には、所定の時間内に通過が完了しなかったこととなるために、エラー処理(通過時間エラー処理)が実行され(S1717)、通過時間及び通過タイミングの異常の発生が報知される。このエラー処理S1722は無限ループとなっており、球式回胴遊技機1010がリセットされるまで継続する。一方、吊球が発生している場合には、吊球フラグが設定される。
判定処理S1714において遊技球が当該条の通過センサ1415a〜1415cを通過中でないと判定された場合及び吊球フラグが設定された場合に、当該条の投入ソレノイド作動フラグが設定されているか否かが判定される(S1718)。当該条の投入ソレノイド作動フラグが設定されていない場合には、投入実行処理S2514が終了する。一方、当該条の投入ソレノイド作動フラグが設定されている場合には、当該条の投入ソレノイド作動フラグを解除し(「当該条の投入ソレノイド作動フラグ解除処理」S1719)、当該条の投入リトライフラグを解除し(「当該条の投入リトライフラグ解除処理」S1720)、かつ、当該条の通過センサカウンタの値を所定の値(本形態では、「50」)に設定する(「当該条の通過センサカウンタ設定処理」S1721)。これによって、当該条の投入処理が実質的に終了することとなる。なお、通過センサカウンタの値「50」に相当する約75ms後に投入ソレノイド1414a〜1414cがオフ状態に移行され、遊技球の投入が終了する。このように約75ms待機した後に投入ソレノイド1414a〜1414cをオフ状態に移行させることによって、吊球が発生することを極力抑制している。以上の過程を経て投入実行処理S2514が完了する。
投入実行処理S2514の後に、図17に示されたように、各カウントセンサ1416a〜1416cを通過する遊技球の個数の計数を管理する処理を実行する(「カウントセンサ通過個数計数処理」S2515)。カウントセンサ通過個数計数処理S2515の後に、投入条ポインタが最小値「1」であるか否かが判定される(S2516)。投入条ポインタが「1」でなければ、払出条ポインタの値を「1」だけ減少させて(「投入条ポインタ減算処理」S2517)、投入実行処理S1514に戻る。一方、投入条ポインタが「1」であれば、各投入ソレノイド作動フラグに基づいて各投入ソレノイド1414a〜1414cの駆動が制御される(「全条の投入ソレノイド作動制御処理」S2518)。具体的には、投入ソレノイド作動フラグが新たに設定された投入ソレノイド1414a〜1414cはオン状態に変更され、投入ソレノイド作動フラグが既に設定されている投入ソレノイド1414a〜1414cはオン状態を維持し、投入ソレノイド作動フラグが新たに解除された投入ソレノイド1414a〜1414cがオフ状態に変更され、投入ソレノイド作動フラグが既に解除されていた投入ソレノイド1414a〜1414cはオフ状態を維持する。
全条の投入ソレノイド作動制御処理S2518の後に、全条の通過センサカウンタの値が「0」であるか否かが判定される(S2519)。全条の通過センサカウンタの値が「0」である場合には、判定処理S2507に戻る。一方、いずれかの通過センサカウンタの値が「0」でなければ、投入タイマ割込実行フラグを解除して(「投入タイマ割込実行フラグ解除処理」S2520)、判定処理S2512に戻る。以上のように、遊技球ベット処理S2406は、判定処理S2501〜投入タイマ割込実行フラグ解除処理S2520によって実現される。
図16に戻って、遊技球ベット処理S2406の終了後に、ベット数が最小規定数未満であるか否かが判定される(S2407)。ベット数が最小規定数未満である場合には、投入エラー報知処理S2403から判定処理S2407までが繰り返される。一方、ベット数が最小規定数未満でない場合には、始動レバー1124の操作に応じた変動開始信号が受信されているか否かが判定される(S2408)。変動開始信号が受信されていない場合には、投入エラー報知処理S2403から判定処理S2408までが繰り返される。一方、変動開始信号が受信されている場合には、遊技球ベット処理S2406において通過センサ1415a〜1415cによって計数された遊技球の個数とカウントセンサ1416a〜1416cによって計数された遊技球の個数とが比較され、カウントセンサ1416a〜1416cによって計数された遊技球の個数が通過センサ1415a〜1415cによって計数された遊技球の個数未満である場合にはエラー処理(個数エラー処理)が実行される(「投入球数比較処理」S2409)。以上で説明したように処理過程(S2401〜S2409)を経て、変動待機処理S2304が完了する。
変動待機処理S2304の後に、図15に示されたように、始動レバー1124が操作された際にハードウェア的にラッチされた乱数カウンタの値が読み出されてRAM1045a3に格納される(「乱数作成処理」S2305)。始動レバー1124が操作された際に乱数カウンタをハードウェア的にラッチすることによって、始動レバー1124の操作と乱数値の取得とを時間的に同期させている。なお、ソフトウェアで乱数カウンタの値を読み出すこともできるが、この場合には、始動レバー1124の操作から乱数値の取得までの時間が、ハードウェア的にラッチする場合よりも不均一になる。
乱数作成処理S2305の後に、確率設定、ベット数及び遊技状態に応じた乱数テーブルを参照して、乱数作成処理S2305で取得した乱数値に応じた当選役が決定され、当選役の種別に応じた当選フラグ(例えば、ビッグボーナス当選フラグ、レギュラーボーナス当選フラグ、チェリー当選フラグ、ベル当選フラグ、スイカ当選フラグ、再遊技当選フラグ)が設定され、当選役の種別を表す当選役コマンドと確率設定の設定値を表す設定値コマンドとが設定される(「内部抽選処理」S2306)。当選役として、例えば、ビックボーナス役(以下、「BB」とも称す)、レギュラーボーナス役(以下、「RB」とも称す)、各種の小役(本形態では、チェリー役、ベル役、スイカ役)、再遊技役及びハズレ役が挙げられる。なお、一回の遊技において複数種類の当選役が選択されてもよい。
内部抽選処理S2306の後に、当選役、ベット数及び遊技状態に基づいて、ROM1045a2に保持された手動停止制御テーブル群から各回胴L,M,Rの制御に用いる1つの手動停止制御テーブルが参照制御テーブルとして選択され、参照制御テーブルのテーブル番号がRAM1045a3の所定の領域に格納される(「回転初期化処理」S2307)。当選役がハズレ以外のときには、この参照制御テーブルに従って、当選役を可能な限り入賞させるために所定の範囲(5図柄)内で余分に回胴を回転させるスベリ制御が行われる。当選役がハズレの場合にも、他の当選役を入賞させないために、同様のスベリ制御が行われる。この参照制御テーブルは、必要に応じて手動停止制御テーブル群から再選択される。本形態では、各回胴停止ボタン1126L,1126M,1126Rが所定の順序(例えば、「左回胴停止ボタン1126L→中回胴停止ボタン1126M→右回胴停止ボタン1126R」及び「左回胴停止ボタン1126L→右回胴停止ボタン1126R→中回胴停止ボタン1126M」の順序)で操作された場合に参照され、他の操作順序の場合には、手動停止制御テーブル群からの参照制御テーブルの再選択や他の制御方法によって又はそれらを援用して所定の図柄パターンを停止させる。更に、自動的に図柄表示の変動を停止する場合には、ROM1045a2に保持された自動停止制御テーブルを参照して、所定の図柄パターンで停止させる。
回転初期化処理S2307の後に、図柄変動待機処理S2308が実行される。図柄変動待機処理S2308では、まず、図柄変動監視タイマによる測定時間が所定の規定時間(例えば、4.1秒)以上であるか否かが判定される。ここで、「図柄変動監視タイマ」は、前回の図柄表示の変動開始時点からの経過時間を測定するタイマである。図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間未満である場合には、規定時間の経過を待つ状態(以下、「変動待機状態」と称する)であることを表す変動待機コマンド(内部状態コマンドの一種)がリングバッファに格納される。なお、変動待機状態であることが変動待機状態表示装置(図示せず)によって遊技者に報知される。その後、図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間以上となるまで、変動待機状態の報知が行われたまま、図柄変動監視タイマによる測定時間が所定の規定時間以上であるか否かの判定が繰り返される。一方、図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間以上である場合には、図柄変動監視タイマがリセットスタートされ、規定時間待機状態の報知を停止し、所定の規定時間が経過した状態であることを表す規定時間経過コマンド(内部状態コマンドの一種)と、外部集中端子板に出力するためのベット数コマンドとがリングバッファに格納される。その後、RAM1045a3の所定の領域における回胴ユニット1043の各ステッピングモータ1043L4,1043M4,1043R4の駆動制御に関連する情報が回転開始用に初期設定される。例えば、ウェイトタイマの値が「0」に設定され、加速カウンタの値が「26」に設定される。なお、各ステッピングモータ1043L4,1043M4,1043R4の実際の駆動は、タイマ割込み処理の各種のステッピングモータ制御処理S2105〜S2107(図13参照)で制御される。
図柄変動待機処理S2308の後に、回胴ユニット1043における各回胴L,M,Rの回転を制御する回転制御処理S2309が実行される。ここで、回転制御処理S2309について詳細に説明する。図20は、回転制御処理の一例を表すフローチャートである。
回転制御処理S2309において、RAM45a3の所定の領域における各回胴L,M,Rの回転に関する情報が初期化され、全ての回胴L,M,Rが回転中であることを表す全回胴回転コマンド(回胴回転情報コマンドの一種)と回胴ユニット1043において図柄表示変動状態であることを表す図柄変動状態コマンド(内部状態コマンドの一種)とがリングバッファに格納される(「回転開始処理」S2601)。回転開始処理S2601の後に、所定の停止待機時間が経過するまで待機する(「図柄停止待機処理」S2602)。図柄停止待機処理S2602における「所定の停止待機時間」は、各回胴L,M,Rの回転開始から一定速度の定常回転に至るまでに要する平均時間と概ね同一の時間である。図柄停止待機処理S2602の後に、全ての回胴L,M,Rの回転が定常回転である否かが判定される(S2603)。具体的には、それらの回転が定常回転であるか否かは、最後に回転を開始した回胴に対応する回胴位置検出センサ1043R7からの検出信号が受信されているか否かで判定されており、その検出信号が受信されている場合にはそれらの回転は定常回転であると判断し、その検出信号が受信されていなければいずれかの回胴の回転は定常回転でないと判断している。それらの回転が定常回転でない場合には、判定処理S2603が繰り返し実行される。なお、本形態では全ての回胴L,M,Rは同時に回転を開始する。
判定処理S2603において全ての回胴の回転が定常回転であると判定された場合には、自動停止までの図柄表示の変動時間を測定する自動停止タイマを設定する(「自動停止タイマ設定処理」S2604)。自動停止タイマ設定処理S2604の後に、自動停止タイマによる計測時間が規定回転時間を超えているか否かが判定される(S2605)。自動停止タイマによる計測時間が規定回転時間を越えていなければ、以下の手動により図柄表示の変動を停止させる処理が実行される。
左回胴停止ボタン1126Lの操作に応じた左停止信号が受信されているか否かが判定される(S2606)。左停止信号が受信されていない場合には、中回胴停止ボタン1126Mの操作に応じた中停止信号が受信されているか否かが判定される(S2607)。中停止信号が受信されていない場合には、右回胴停止ボタンの操作に応じた右停止信号が受信されているか否かが判定される(S2608)。右停止信号が受信されていない場合、つまり、左停止信号、右停止信号及び右停止信号のいずれもが受信されていない場合には、判定処理S2606が実行される。
判定処理S2606において左停止信号が受信されていると判定された場合には、左停止フラグが設定されているか否かが判定される(S2609)。「左停止フラグ」は、左回胴Lが回転しているか停止しているかを識別するフラグであり、回転初期化処理S2307において解除されている。左停止フラグが設定されている場合は、左回胴Lが既に停止していることを表し、左停止フラグが解除されている場合は、左回胴Lが回転していることを表す。左停止フラグが設定されている場合には、判定処理S2606が実行され、一方、左停止フラグが解除されている場合には、左回胴停止処理S2610が実行される。左回胴停止処理S2610において、まず、参照制御テーブルを参照して、左回胴Lを回転させる左ステッピングモータ1043L4が停止される。左ステッピングモータ1043L4の停止後に、左停止フラグが設定され、停止回胴数がインクリメントされ、左回胴Lが停止していることを表す左回胴停止コマンド(回胴回転情報コマンドの一種)及び左回胴Lの停止図柄を表す左回胴図柄コマンド(停止図柄コマンドの一種)がリングバッファに格納される。「停止回胴数」は、停止している回胴の個数を表し、回転開始処理S2601において「0」にリセットされる。
ここで、左回胴停止処理S2610について詳細に説明する。左回胴停止処理S2610では、まず、RAMに1045a3に保持された現在の図柄番号を参照して、停止基準図柄番号が現在の図柄番号に1だけ加算した値に設定される。停止基準図柄番号が設定された後に、左回胴Lが2番目に停止された回胴である場合には、必要に応じて、現在選択されている参照制御テーブルを他の制御テーブルに変更する。なお、左回胴Lが2番目に停止された回胴でない場合には、制御テーブルの変更は行われない。その後、参照制御テーブルを参照して、停止基準図柄番号に応じたスベリ量が抽出され、停止図柄番号にスベリ量を加算した値が停止図柄番号として設定される。なお、停止図柄番号が20(最大図柄番号)を超える場合には、停止図柄番号が現在の値から21だけ減算した値に変更される。停止図柄番号が設定された後に、停止間隔タイマが設定される。停止間隔タイマは、次の回胴に対する停止指示を受け付けない期間を計測するタイマである。なお、停止間隔タイマの値は、スベリ量に対応する回転及びその後の回胴の停止までに要する時間を考慮して、それらの最大時間を越える所定の時間に設定される。その後、停止間隔タイマの計測時間が所定の時間を超えた場合に、左停止フラグが設定されて、左回胴停止処理S2610が終了する。
左回胴停止処理S2610の後に、停止回胴数が3であるか否かが判定される(S2611)。停止回胴数が3でない場合、つまり、少なくとも1つの回胴が回転中である場合には、参照制御テーブルの変更が必要であるか否かが判定される(S2612)。未停止の回胴の停止において参照制御テーブルの変更が必要な場合には、参照制御テーブルが手動停止制御テーブル群から選択された他の手動停止制御テーブルに変更される(「制御テーブル変更処理」S2613)。制御テーブル変更処理S2613においては、左回胴Lの停止位置と共に中回胴M及び右回胴Rのうちの既に停止している回胴の停止位置が参照される。参照制御テーブルの変更が必要な場合としては、例えば、当選役以外の役が入賞する場合が挙げられる。
判定処理S2607において中停止信号が受信されていると判定された場合には、中停止フラグが設定されているか否かが判定される(S2614)。「中停止フラグ」は、左停止フラグの場合と同様に、中回胴Mが回転しているか停止しているかを識別するフラグであり、回転開始処理S2601において解除されている。中停止フラグが設定されている場合には、判定処理S2606が実行される。一方、中停止フラグが解除されている場合には、停止回胴数が0であるか否かが判定される(S2615)。停止回胴数が0でない場合には、中回胴停止処理S2617が実行される。一方、停止回胴数が0である場合には、手動停止制御テーブル群のうち所定の手動停止制御テーブルが参照制御テーブルとして再設定され(「制御テーブル再設定処理」S2616)、制御テーブル再設定処理S2616の後に、中回胴停止処理S2617が実行される。なお、中回胴停止処理S2617は、左回胴停止処理S2610の場合と同様の処理である。中回胴停止処理S2617において、まず、参照制御テーブルを参照して、中回胴Mを回転させる中ステッピングモータ1043M4が停止される。中ステッピングモータを停止させる際の制御は、左ステッピングモータ43L4を停止させる際の制御と実質的に同一である。中ステッピングモータ1043M4の停止後に、中停止フラグが設定され、停止回胴数がインクリメントされ、かつ、中回胴Mが停止していることを表す中回胴停止コマンド(回胴回転情報コマンドの一種)及び中回胴Mの停止図柄を表す中回胴図柄コマンド(停止図柄コマンドの一種)がリングバッファに格納される。
中回胴停止処理S2617の後に、停止回胴数が3であるか否かが判定される(S2618)。停止回胴数が3でない場合には、未停止の回胴の停止において参照制御テーブルの変更が必要であるか否かが判定される(S2619)。参照制御テーブルの変更が必要な場合には、参照制御テーブルが手動停止制御テーブル群から選択された他の手動停止制御テーブルに変更される(「制御テーブル変更処理」S2620)。制御テーブル変更処理S2620においては、中回胴Mの停止位置と共に左回胴L及び右回胴Rのうちの既に停止している全ての回胴の停止図柄番号が参照される。
判定処理S2608において右停止信号が受信されていると判定された場合には、右停止フラグが設定されているか否かが判定される(S2621)。「右停止フラグ」は、左停止フラグ及び中停止フラグの場合と同様に、右回胴Rが回転しているか停止しているかを識別するフラグであり、回転開始処理S2601において解除されている。右停止フラグが設定されている場合には、判定処理S2606が実行される。一方、右停止フラグが解除されている場合には、停止回胴数が0であるか否かが判定される(S2622)。停止回胴数が0でない場合には、右回胴停止処理S2624が実行される。一方、停止回胴数が0である場合には、手動停止制御テーブル群のうち所定の手動停止制御テーブルが参照制御テーブルとして再設定され(「制御テーブル再設定処理」S2623)、制御テーブル再設定処理S2623の後に、右回胴停止処理S2624が実行される。なお、右回胴停止処理S2617は、左回胴停止処理S2610と同様の処理である。右回胴停止処理S2617において、まず、参照停止制御テーブルを参照して、右回胴Rを回転させる右ステッピングモータ1043R4が停止される。右ステッピングモータを停止させる際の制御は、左ステッピングモータ1043L4を停止させる際の制御と概ね同一である。右ステッピングモータ1043R4の停止後に、右停止フラグが設定され、停止回胴数がインクリメントされ、かつ、右回胴Rが停止していることを表す右回胴停止コマンド(回胴回転情報コマンドの一種)及び右回胴の停止図柄を表す右回胴図柄コマンド(停止図柄コマンドの一種)がリングバッファに格納される。
右回胴停止処理S2624の後に、停止回胴数が3であるか否かが判定される(S2625)。停止回胴数が3でない場合には、未停止の回胴の停止において参照制御テーブルの変更が必要であるか否かが判定される(S2626)。参照制御テーブルの変更が必要な場合には、参照制御テーブルが手動停止制御テーブル群から選択された他の手動停止制御テーブルに変更される(「制御テーブル変更処理」S2627)。制御テーブル変更処理S2627においては、右回胴Rの停止位置と共に左回胴L及び中回胴Mのうちの既に停止している全ての回胴の停止図柄番号が参照される。
判定処理S2605において、自動停止タイマによる計測時間が規定回転時間を越えている場合には、現在回転中の全回胴L,M,Rの回転を停止させる(「自動停止処理」S2628)。自動停止処理S2628の後、並びに、判定処理S2611、判定処理S2618及び判定処理S2625において停止回胴数が「3」であると判定された場合に、自動停止タイマを解除する。
ここで、自動停止処理S2628について詳細に説明する。自動停止処理S2628では、まず、既に停止している回胴の停止図柄番号(停止位置)を参照して、ROM1045a2に保持された自動停止制御テーブル群から1つのテーブルが参照制御テーブルとして設定される。その後に、左停止フラグが設定されているか否かが判定され、左停止フラグが設定されていない場合には、左回胴Lの回転が停止される。次に、中停止フラグが設定されているか否かが判定され、中停止フラグが設定されていない場合には、中回胴Mの回転が停止される。その後に、右停止フラグが設定されているか否かが判定されて、中停止フラグが設定されていない場合には、中回胴Rの回転が停止される。
回転制御処理S2309の後に、図15に示されたように、入賞確認処理S2310が実行される。入賞確認処理S2310において、まず、有効ラインごとの図柄パターンを確認して、当選役以外の役が1つでも入賞している場合には、入賞エラーの発生を報知させるためのエラー処理が実行される。一方、当選役のみが入賞している場合には、入賞した全ての当選役に対応する入賞フラグ(例えば、ビッグボーナス入賞フラグ、レギュラーボーナス入賞フラグ、チェリー入賞フラグ、ベル入賞フラグ、スイカ入賞フラグ、再遊技入賞フラグ)が設定される。また、入賞した各当選役に対応する獲得遊技球数が最大獲得遊技球数を超えない範囲内において加算されることによって、最終的に獲得遊技球数が決定される。更に、入賞確認処理S2310においては、入賞役の種類の情報を含む入賞役コマンド、入賞ラインの種類の情報を含む入賞ラインコマンド及び入賞エラーの情報を含む入賞役エラーコマンドがリングバッファに格納される。
入賞確認処理S2310の後に、獲得遊技球数の情報を含む払出コマンドが設定される(「獲得球払出処理」S2311)。獲得遊技球払出処理S2311の後に、再遊技処理S2312が行われる。再遊技処理S2312では、入賞確認処理S2310において再遊技入賞フラグが設定されている場合に、内部状態を再遊技に設定する等の各種の処理が行われる。また、次回の遊技が再遊技であることを表す再遊技コマンド(内部状態コマンドの一種)がリングバッファに格納される。
再遊技処理S2312の後に、役物作動中処理S2313が行われる。役物作動中処理S2313では、ビッグボーナス(BB)役及びレギュラーボーナス(RB)役等の役物作動中の処理が行われる。内部状態がビッグボーナス遊技状態である場合には、小役ゲーム中の制御、小役ゲームからJACゲームへの移行制御、JACゲーム中の制御、JACゲームから小役ゲームへの移行制御及びビッグボーナス遊技状態の終了制御等が行われる。ビッグボーナス遊技状態の終了判定は、その状態中に獲得した遊技球の獲得総数が所定数以上であるか否かによって決定される。獲得総数が獲得規定数以上である場合には、ビッグボーナスの終了処理が行われる。一方、獲得総数が獲得規定数未満である場合には、ビッグボーナスの終了処理がスキップされる。一方、内部状態がレギュラーボーナスである場合には、JACゲーム中の制御及びレギュラーボーナス遊技状態の終了制御等が行われる。レギュラーボーナスの終了条件も、獲得総数が獲得規定数以上であるか否かによって決定される。
役物作動中処理S2313の後に、役物作動判定処理S2314が行われる。役物作動判定処理S2314では、ビッグボーナス役に当選したことを表すビッグボーナス役の当選フラグが設定されており、かつ、ビッグボーナス役が入賞したことを表すビッグボーナス役の入賞フラグが設定されている場合には、ビッグボーナスを開始するための処理を実行する(「BB開始処理」)。また、レギュラーボーナス役に当選したことを表すレギュラーボーナス役の当選フラグが設定されており、かつレギュラーボーナス役が入賞したことを表すレギュラーボーナスの入賞フラグが設定されている場合には、レギュラーボーナス役を開始するための処理を実行する(「RB開始処理」)。
役物作動判定処理S2314の後に、遊技進行表示処理S2315が実行される。遊技進行表示処理S2315では、内部状態がビッグボーナス遊技状態やレギュラーボーナス遊技状態である場合には、JACゲームの残りゲーム数や1回のビッグボーナスにおける獲得遊技球の総数等を表示するためのデータが設定される。また、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の終了後に、再遊技の当選確率が通常遊技状態よりも高いリプレイタイム(「RT」)等の特定遊技状態に移行させる場合には、内部状態を特定遊技状態に設定し、特定遊技状態であることを表す特定遊技状態コマンド(内部状態コマンドの一種)をリングバッファに格納する。
払出制御基板1037aにより実行される制御処理について説明する。払出制御基板1037aの制御処理は、外部電力の供給再開や電源スイッチ1038aのオン操作等による復電に伴って起動されるメイン処理と、メイン処理に対して割り込みをかける割込み処理とに大別される。説明の便宜上、割り込み処理について説明した後に、メイン処理について説明する。なお、割込み処理としては、主制御基板1045aからの各種のコマンドの受信に応じて割込みをかけるコマンド割込み処理と、定期的(本形態では2ms)に繰返し実行されるタイマ割込み処理がある。説明の便宜上、まず、割込み処理について説明した後にメイン処理について説明する。
まず、コマンド割込み処理について説明する。図21、払出制御基板1037aのコマンド割込処理の一例を表すフローチャートである。コマンド割込処理は、払出制御基板1037aが主制御基板1045aからのコマンドを受信した場合に実行される。コマンド割込処理が実行されると、図21に示されたように、まず、受信したコマンドが受信用のデータバッファに格納される(「受信コマンド格納処理」S3001)。コマンド受信処理S3001の後に、コマンド受信フラグが設定される(「コマンド受信フラグ設定処理」S3002)。コマンド受信フラグ設定処理S3002の終了により外部割込み処理は終了する。
次に、タイマ割込み処理について説明する。図22は、払出制御基板1037aのタイマ割込み処理の一例を表すフローチャートである。タイマ割込み処理において、図22に示されたように、まず、コマンド受信フラグが設定されているか否かが判定される(S3101)。コマンド受信フラグが設定されている場合、受信用のデータバッファに格納されているコマンドを読み出す(「コマンド読出処理」S3102)。コマンド読出処理S3102の後に、コマンド受信フラグが解除される(「コマンド受信フラグ解除処理」S3103)。コマンド受信フラグ解除処理S3103の後に、読み出されたコマンドが払出コマンドであるか否かが判定される(S3104)。払出コマンドである場合には、払出コマンドの種類に応じた賞球個数(払出個数)を賞球個数カウンタに設定する(「賞球個数カウンタ設定処理」S3105)。一方、読み出されたコマンドが払出コマンドでない場合には、賞球個数カウンタ設定処理S3105がスキップされる。判定処理S3101においてコマンド受信フラグが設定されていないと判定された場合には、コマンド読出処理S3102〜賞球個数カウンタ設定処理S3105がスキップされる。
次に、オーバーフロー検出スイッチ(図示せず)からの検出信号の状態が確認され、その受信状態に基づいて下皿満タン状態の設定制御がなされる(「下皿満タン状態設定処理」S3106)。具体的には、オーバーフロー検出スイッチが200msの間継続して検出されている「下皿満タン中」の場合には、下皿満タン状態が設定され、その他の場合においては下皿満タン状態が解除される。
下皿満タン状態設定処理S3106の後に、各球切れ検出装置1035bからの遊技球検出信号の受信状態が確認され、その受信状態に基づいて球有り状態の設定制御がなされる(「球有り状態設定処理」S3107)。具体的には、以下のようにして球有り状態の設定制御がなされる。まず、全ての遊技球検出信号がオン状態であるか否かが判定され、つまり、球通路1033d,1035a内の全てに所定数以上の遊技球が貯留されているか否かが判定される。全ての遊技球検出信号がオン状態である場合には、その状態が2000ms継続しているか否かが確認される。遊技球検出信号のオン状態が2000ms経過している場合には、全ての球通路1035a内に所定数(本形態では20個)以上の遊技球があることになるので、球有りフラグが設定されて球有り状態設定処理S4007が終了し、遊技球検出信号のオン状態が2000ms経過していない場合には、そのまま球有り状態設定処理S3106が終了する。一方、遊技球検出信号のうち少なくとも1つがオフ状態である場合には、その状態が200ms継続しているか否かが判定され、その状態が200ms経過している場合には、球有りフラグが解除されて球有り状態設定処理S3107が終了し、その状態が200ms継続していない場合には、そのまま球有り状態設定処理S3107が終了する。
球有り状態設定処理S3107の後に、下皿満タン状態設定処理S3106又は球有り状態設定処理S3107における状態が報知すべき状態である場合に、その状態が報知される(「状態報知処理」S3108)。具体的には、「下皿球満タン中」の場合に、スピーカ1106,1204からの音声によりその旨を遊技者に知らせたり、液晶表示装置1042により画像によりその旨を遊技者に知らせたりする。また、遊技球タンク1032内に遊技球が貯留されてない場合(球有りフラグが解除されている場合)にも同様にその旨を遊技者に知らせたりする。
状態報知処理S3108の後に、賞球払出不可状態か否かが判定される(S3109)。なお、賞球払出不可状態とは、貸球の払い出しが現在実行中の場合である。賞球払出不可状態でない場合には、賞球個数カウンタの値が「0」であるか否かが判定される(S3110)。賞球個数カウンタの値が「0」である場合には、払出コマンドに基づいて払い出す遊技球がないので、S3112の処理へ移行し、賞球個数カウンタの値が「0」でなければ、払出コマンドに基づいて払い出す遊技球があるので、払出状態カウンタに「1」を設定する(「払出状態カウンタ設定処理」S3111)。判定処理S3109において賞球払出不可状態であると判定された場合や判定処理S3110において賞球個数カウンタの値が「0」である場合には、次の処理S3112に移行する。
次に、貸球払出不可状態であるか否かが判定される(S3112)。なお、貸球払出不可状態とは、賞球の払い出しが現在実行中の場合である。貸球払出不可状態でない場合、カードユニットから貸球払出要求信号を受信しているか否かが判定される(S3113)。貸球払出要求信号を受信している場合には、賞球の払い出しを行うために払出状態カウンタに「2」を設定する(「払出状態カウンタ設定処理」S3114)。一方、貸球払出要求信号を受信していない場合には、払出状態カウンタ設定処理S3114がスキップされる。また、S3112において貸球払出不可状態であると判定された場合、判定処理S3113及び払出状態カウンタ設定処理S3114がスキップされる。その後に、払出タイマ割込実行フラグを設定する(「払出タイマ割込実行フラグ設定処理」S3115)。
払出制御基板1037aにおけるメイン処理について説明する。図23は、払出制御基板のメイン処理の一例を表すフローチャートである。メイン処理では、まず、図23に示されたように、CPU周辺のレジスタ群やI/O装置等に対する各種の設定が行われる(「初期設定処理」S3201)。初期設定処理S3201の後に、RAM1037a3へのアクセスが許可され(「RAMアクセス許可処理」S3202)、外部割込みベクタが設定される(「外部割込みベクタ設定処理」S3203)。外部割込みベクタ設定処理S3203の後に、RAM1037a3の全ての領域を「0」にクリアした(S3204)後に、RAM1037a3に初期値が設定され(「RAM初期設定処理」S4105)、CPU37a1の他の周辺デバイスの初期設定が行われる(「CPU周辺デバイス初期設定処理」S3206)。CPU周辺デバイス初期設定処理S3206の後に、割込み許可が設定され(S3207)、遊技球払出処理S3208が繰り返し実行される。通常ゲーム時には主制御基板1045aからの払出コマンドの受信に応じて払出コマンドの種類に基づいた賞球数の遊技球を払い出すと共に、貸球払出要求がされた場合に25個の遊技球を払い出す処理である。
ここで、遊技球払出処理S3208について詳細に説明する。図24は、遊技球払出処理の一例を表すフローチャートである。遊技球払出処理S3208では、図24に示されたように、まず、払出状態カウンタの値が「0」であるか否かが判定される(S3301)。払出状態カウンタが「0」である場合、つまり、払出コマンドが受信されていない場合、カウントセンサ33hからのカウントスイッチ信号の受信が検知されているか否かが判定される(S3302)。カウントスイッチ信号の受信が検知されている場合には、主制御基板1045aにカウント信号の出力するための処理を行う(「カウント信号出力処理」S3303)。一方、カウントスイッチ信号の受信が検知されていない場合には、カウント信号出力処理S3303がスキップされる。また、判定処理S3301において払出状態カウンタの値が「0」以外であると判定された場合には、判定処理S3302及びカウント信号出力処理S3303がスキップされる。
次に、球有りフラグが設定されているか否かが判定される(S3304)。球有りフラグが設定されていない場合、ケースレール1035の球通路1035a内に所定数以上の遊技球が貯留されていない状態であるために遊技球の払い出しを行えないので、遊技球払出処理S3208が終了する。一方、球有りフラグが設定されている場合、遊技球の払い出しを行うためにS3305以降の処理へ移行する。
判定処理S3304において球有りフラグが設定されていると判定された場合には、払出状態カウンタの値が確認され(S3305,S3307)、その値が「1」でもなく「2」でもない場合には、遊技球を払い出す状況でないので、遊技球払出処理S3208が終了する。払出状態カウンタの値が「1」である場合には、払出コマンドに基づいた遊技球の払い出しを行う状態であるので、賞球個数カウンタの値を総払出個数カウンタに設定する(「総払出個数カウンタ設定処理」S3306)。一方、払出状態カウンタの値が「2」である場合には、総払出個数カウンタの値に「25」を設定する(「総払出個数カウンタ設定処理」S3308)。総払出個数カウンタの値として「25」を設定するのは、本実施形態では、貸球払出要求信号を1回受信する毎に、遊技球を25個ずつ払い出すからである。
総払出個数カウンタ設定処理S3306,S3308において、総払出個数カウンタの値が設定されると、第1条〜第4条の払出リトライフラグをそれぞれ設定して(「全条のリトライフラグ設定処理」S3309)、4つの球通路1033dのすべてについて、払出処理が行われるように初期設定する。全条の払出リトライフラグ設定処理S3309の後に、主制御基板1045aへの払出中信号の出力が開始される(「払出中信号出力開始処理」S3310)。
払出中信号出力開始処理S3310の後に、いずれかの払出リトライフラグが設定されているか否かを判定し(S3311)、全ての払出リトライフラグが設定されていなければ、エラー処理を実行して、遊技球の未払出がある状態で払出が不能となったことを報知する(「エラー処理」S3312)。エラー処理S3312は無限ループとなっており、該エラーは、球式回胴遊技機10をリセットすることによって解消できる。一方、いずれかの払出リトライフラグが設定されていれば、総払出個数カウンタの値が「0」であるか否かが判定され(S3313)、総払出個数カウンタの値が「0」であれば、払出状態カウンタの値が「2」であるか否かが判定される(S3314)。払出状態カウンタの値が「2」であれば、貸出終了信号をCRユニットに出力し(「貸出終了信号出力処理」S3315)、一方、払出状態カウンタの値が「2」でなければ、貸球払出要求信号に基づく払い出しでないので、貸出終了信号出力処理S3315がスキップされる。次に、払出状態カウンタの値に「0」が設定され(「払出状態カウンタ初期化処理」S3316)、払出中信号の出力を停止させて(「払出中信号出力停止処理」S3328)、遊技球払出処理S3308が終了する。なお、払出状態カウンタの値に「0」が設定されると、賞球払出が禁止状態となると共に貸球払出が禁止状態となる。
なお、判定処理S3313の前に、いずれかの条の払出リトライフラグが解除されているか否かを確認し、1つの条でも払出リトライフラグが設定されていなければ、球詰まりなどの異常が発生している可能性があるので、エラー処理を行うよう構成しても良い。即ち、払出装置1033の球通路1033dのうち1つでも詰まっていれば、ケースレール1035の球通路1035aに80個以上の遊技球が貯留されていたとしても、遊技球の払い出しが確実に行えない場合があるが、エラー処理を実行して異常を解除するよう促すことで、遊技球の払い出しを確実に行うことができる。
判定処理S3313において総払出個数カウンタの値が「0」でなければ、全条の払出リトライフラグが設定されているか否かを判定する(S3317)。判定処理3317において、いずれかの払出リトライフラグが解除されていれば、後述するようにいずれかの条において遊技球の払い出しが滞ったこととなるので、遊技球を再振り分けする前に所定時間待機し(「ウェイト処理」S3318)、その後に、払出個数振分処理S3319へ移行する。なお、本形態では、ウェイト処理S4218におけるウェイト時間は、80msである。このウェイト処理S4218は、払出フリッカ1033bによって遊技球の球通路1033dが閉鎖された場合における払出通路1033eよりも上流側にある遊技球のばたつきを抑制するために設けられている。また、払出フリッカ1033bを作動させる払出ソレノイド1033cの駆動における電圧の過渡応答を正確に判定するために設けられる。一方、全条の払出リトライフラグが設定されている場合には、ウェイト処理S3318を行わずに払出個数振分処理S3319へ移行する。
遊技球の払出が行われる4つの球通路1033dで均等に遊技球の払い出しを行うために、各球通路がそれぞれ何個ずつ払い出すかの払出予定個数を振り分ける(「払出個数振分処理」S4219)。払出個数振分処理S3319の後に、払出タイマ割込実行フラグが設定されているか否かが判定される(S3320)。払出タイマ割込実行フラグが設定されていれば、払出条ポインタへ最大値「4」を設定する(「払出条ポインタ最大値設定処理」S3321)。払出条ポインタ最大値設定処理S3321の後に、払出個数振分処理S3319によって各球通路に対して振り分けられ、各球通路33dにおいて払い出しが開始された際の遊技球の個数をカウントすると共に、その払い出しの終了を管理する処理を実行する(「払出実行処理」S3322)。払出実行処理S3322の後に、払出条ポインタが最小値「1」であるか否かが判定される(S3323)。払出条ポインタが「1」でなければ、払出条ポインタの値を「1」だけ減少させて(「払出条ポインタ減算処理」S3324)、払出実行処理S4222に戻る。一方、払出条ポインタが「1」であれば、各払出ソレノイド作動フラグに基づいて各払出ソレノイド1033cが駆動される(「全条の払出ソレノイド作動制御処理」S3325)。具体的には、各条において、払出ソレノイド作動フラグが新たに設定された場合には払出ソレノイド1033cがオン状態に変更され、払出ソレノイド作動フラグが既に設定されていた場合には払出ソレノイド1033cのオン状態が維持され、払出ソレノイド作動フラグが新たに解除された場合には払出ソレノイド1033cがオフ状態に変更され、払出ソレノイド作動フラグが既に解除されていた場合には払出ソレノイド1033cのオフ状態が維持される。
全条の払出ソレノイド作動制御処理S3325の後に、払出し全条の払出遊技球カウンタの値が「0」であるか否かが判定される(S3326)。全ての払出遊技球カウンタの値が「0」である場合には、判定処理S3311に戻る。一方、いずれかの払出遊技球カウンタの値が「0」でなければ、払出タイマ割込み実行フラグを解除して(「払出タイマ割込実行フラグ解除処理」S3328)、判定処理S3320に戻る。以上のように、遊技球払出処理S3208は、判定処理S3301〜払出中信号送信停止処理S3328によって実現される。
副制御基板1047aにより実行される制御処理について説明する。副制御基板1047aの制御処理は、外部電力の停電からの復帰や電源のオン等による電源復帰に伴い起動されるメイン処理と、メイン処理に対して割り込みをかける割込み処理とに大別される。説明の便宜上、割り込み処理について説明した後に、メイン処理について説明する。CPUにおける割込み処理としては、定期的なタイマ割込み処理と、定期的なコマンド割込み処理とがある。
タイマ割込み処理について説明する。図25は、副制御基板1047aにおけるタイマ割込み処理の一例を表すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、概ね1msの周期で実行される。タイマ割込み処理では、まず、割込みフラグが読み込まれる(「割込みフラグ読み込み処理」S4001)。割込みフラグ読み込み処理S4001の後に、割込みフラグが有効であるか否かが判定される(S4002)。具体的には、CPUに対する各種の割込みのうちのタイマ割込みであることを確認する。割込みフラグが有効である場合には、割込みタイマカウンタのインクリメントが行われて割込みタイマカウンタが更新される(「割込みタイマカウンタ更新処理」S4003)。割込みタイマカウンタ更新処理S4003の後に、タイマ割込みに関する割込みフラグが解除される(「割込みフラグ解除処理」S4004)。これによって、CPUに対する次回のタイマ割込み処理が実行できるようになる。判定処理S4002において割込みフラグが有効でないと判定された場合は、他の割込み処理であるために、割込みタイマカウンタ更新処理S4003及び割込みフラグ解除処理S4004がスキップされる。
コマンド割込み処理について詳細に説明する。図26は、副制御基板1047aにおけるコマンド割込み処理の一例を表すフローチャートである。コマンド割込み処理は、主制御基板1045aからのコマンドの送信に応じて実行される。主制御基板45aにおけるコマンド送信は概ね1.49msの周期で行われるために、本処理は、概ね1.49msの周期で実行される。
コマンド割込み処理では、まず、主制御基板45aからのストローブ信号が正常であるか否かが判定される(S4101)。ストローブ信号が正常であれば、コマンドデータを取得する(「コマンドデータ取得処理」S4102)。コマンドデータ取得処理S4102の後に、その内容が正常であるか否かが判定される(S4103)。コマンドデータが正常である場合には、コマンドを受信し(「コマンド受信処理」S4104)、コマンド受信処理S4104の後に、リトライカウンタ値が所定のリトライ最大値に変更される(「リトライカウンタ最大値設定処理」S4105)。
判定処理S4101においてストローブ信号が正常でないと判定された場合には、リトライカウンタ値が所定のリトライ最大値に変更される(S4106)。また、判定処理S4103においてコマンドデータが正常でないと判定された場合には、リトライカウンタ値が変更される(「リトライカウンタ更新処理」S4107)。この変更においては、リトライカウンタ値が1だけ増加する。リトライカウンタ値を変更する処理(S4105,S4106,S4107)の後に、リトライカウンタ値が最大値であるか否かが判定される(S4108)。リトライカウンタ値が最大値である場合には、割込みフラグを読み込む(「割込みフラグ読込処理」S4109)。割込みフラグ読込処理S4109の後に、リトライカウンタの値が初期値「0」にクリアされる(「リトライカウンタクリア処理」S4110)。リトライカウンタクリア処理S4110の後に、割込みフラグが解除される(「割込みフラグ解除処理」S4111)。割込みフラグの解除によって、次回のコマンド割込み処理が実行できるようになる。
リトライカウンタ値が最大値でない場合、つまり、ストローブ信号は正常であるがコマンドデータが正常でない場合には、割込みフラグ読込処理S4109、リトライカウンタクリア処理S4110及び割込みフラグ解除処理S4111がスキップされる。なお、所定のタイミングでのコマンドデータの取得は、リトライカウンタ値が所定のリトライ最大値に到達するまで繰り返される。
副制御基板1047aで実行されるメイン処理について詳細に説明する。図27は、副制御基板のメイン処理の一例を表すフローチャートである。
メイン処理では、まず、電源制御基板1038’からの内部電力の供給に応じて、副制御基板1047a自身の初期化及び副制御基板1047aに接続された液晶表示装置1042等の周辺装置の初期化が行われる(「初期化処理」S4201)。初期化処理S4201の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定される(S4202)。ここで、システム状態は、供給電圧が所定の電圧以下であることを表す電圧低下状態と、副制御基板1047a及び副制御基板1047aに接続された周辺装置が初期化中であることを表す初期化状態と、供給電圧が所定の電圧であって通常遊技を行えることを表す通常状態とを含意する。なお、初期化状態は、初期化処理S4201中に選択される。
判定処理S4202においてシステム状態が電圧低下状態であると判定された場合には、後述するバックアップ処理S4210が実行される。一方、システム状態が電圧低下状態でない場合には、割込みタイマカウンタの値に変更があるか否かが判定される(S4203)。割込みタイマカウンタの値に変更がある場合には、割込みタイマカウンタが更新される(「割込みタイマカウンタ更新処理」S4204)。割込みタイマカウンタ更新処理S4204において、割込みタイマカウンタの値は1だけ減少する。割込みタイマカウンタ更新処理S4204の後に、後述する周期タイマ処理S4205が行われる。周期タイマ処理S4205の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定される(S4206)。システム状態が電圧低下状態でない場合には、主制御基板1045aからの何らかのコマンドが受信されているか否かが判定される(S4207)。コマンドが受信されている場合には、後述する受信コマンド確認処理S4208が行われる。一方、コマンドが受信されていない場合には、受信コマンド確認処理S4208がスキップされる。受信コマンド確認処理S4208の後に、演出の詳細を決定する乱数のベース値が更新される(「乱数ベース値更新処理」S4209)。乱数ベース値更新処理S4209の後は、判定処理S4202に移行する。システム状態が電圧低下状態でない場合には、上記の各処理(S4202〜S4209)が順次に繰り返し実行される。
判定処理S4202及び判定処理S4206においてシステム状態が電圧低下状態であると判定された場合には、レジスタデータやスタックデータが外部RAMに保存される(「バックアップ処理」S4210)。バックアップ処理S4210の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定される(S4211)。システム状態が電圧低下状態である場合には、判定処理S4211が繰り返し実行される。一方、電圧低下状態でない場合には、電圧低下状態の解消がノイズ等による誤作動でないことを確認するために所定の時間(本形態においては30ms)待機する(「ウェイト処理」S4212)。ウェイト処理S4212の後に、再度、システム状態が電圧低下状態であるか否かを再度判定する(S4213)。システム状態が電圧低下状態である場合には、判定処理S4211に戻る。一方、システム状態が電圧低下状態でない場合には、内部電力の供給が正常に再開したと判断して、メイン処理を起動するための処理を行う(「起動処理」S4214)。起動処理S4214の後に、初期化処理S4201に戻り、メイン処理が再開される。
副制御基板1047aのメイン処理における周期タイマ処理S4205について詳細に説明する。図28は、周期タイマ処理の一例を表すフローチャートである。タイマ割込み処理が実質的に1msごとに実行されることによって、周期タイマ処理S4205も実質的に1msごとに実行される。周期タイマ処理4205では、図28に示されたように、まず、起動時コマンド確認処理S4301が実行される。起動時コマンド確認処理S4301では、起動処理S4214の実行後の2秒以内に主制御基板1045aから何らかのコマンドを受信しているか否かが確認される。主制御基板45aから何らのコマンドも受信していない場合には、主制御基板1045aの起動が正常に行われなかったと判断してエラー発生を報知する処理が行われる。一方、主制御基板1045aから何らかのコマンドを受信している場合には、本処理を終了し、デバイス制御処理S4302に移行する。
デバイス制御処理S4302では、下述する受信コマンド確認処理S4208(図27参照)において受信が確認された各種のコマンドに応じて、液晶表示装置1042、スピーカ1106,1204、各種の効果LEDカバー部1104,1108,1110で被覆された発光装置(図示せず)、各種の発光装置1132、1134L1等の駆動制御が行われる。
システム状態変更処理S4303では、システム状態に変化があるか否かが判定され、判定結果に応じて、電圧低下状態を表す電圧低下フラグ及び初期化状態を表す初期化中フラグが設定又は解除される。システム状態に変化があればその変化に応じた処理が実行される。なお、電圧低下フラグ及び初期化中フラグが解除されている場合には、システム状態は通常状態であるとみなされ、本処理は終了する。システム状態変更処理S4303の後に、電圧監視処理S4304が実行される。
電圧監視処理S4304では、電源基板1038’から供給される内部電力の電圧が所定の電圧以下であるか否かが判定され、内部電圧が所定の電圧以下の場合には、電圧低下フラグが解除されていれば電圧低下フラグが設定され、一方、内部電圧が所定の電圧以下でない場合には、電圧低下フラグが設定されていれば電圧低下フラグが解除される。電圧監視処理S4304の後に、長周期タイマカウンタの値に周期タイマカウンタの値が加算され、長周期タイマカウンタが更新される(「長周期タイマカウンタ加算処理」S4305)。長周期タイマカウンタ更新処理S4305の後に、長周期タイマカウンタの値が10以上であるか否かが判定される(S4306)。判定処理S4305によって、概ね周期タイマカウンタの10回の更新ごとに、以下の処理(S4307〜S4312)が実行されることになる。周期タイマカウンタの更新が概ね1msごとに行われるために、以下の処理は、概ね10msごとに実行されることになる。
判定処理2402において長周期タイマカウンタの値が10未満であると判定された場合には、本処理は終了する。一方、長周期タイマカウンタの値が10以上である場合には、長周期タイマカウンタの値が10だけ減少され、長周期タイマカウンタの値が更新される(「長周期タイマカウンタ減算処理」S4307)。長周期タイマカウンタ減算処理S4307の後に、副制御基板1047aのROMに保持されている各種の発光装置(発光装置132、134L1等)に対する複数の発光パターンを含む発光データテーブルから所望の発光パターンのデータを取り出し、出力用のデータバッファに格納する(「発光データ更新処理」S4308)。なお、格納されたデータは次回の周期タイマ処理S4206におけるデバイス制御処理4302によって出力される。
発光パターンデータ更新処理S4308の後に、発光演出と音響演出とを同期させるための処理が実行される(「発光・音響同期処理」S4309)。発光・音声同期処理S2405の後に、音声演出が行われている状況下において、遊技者によって何らかの入力が行われることなく所定の時間(本形態では30秒)以上にわたって放置されている場合には、音声演出の音量が小音量に変更される(「音響フェードアウト処理」S4310)。また、遊技者によって何らかの入力が行われることなく、所定の時間(本形態では50秒)以上経過しているかを確認して、デモストレーションフラグを設定する(「デモストレーション開始確認処理」S4311)。なお、デモストレーションフラグの設定によって、液晶表示装置1042において所定のデモストレーション演出が開始される。デモストレーション開始確認処理S4311の後に、音量変更操作装置(図示せず)における音量調節スイッチ(図示せず)の音量設定が確認され、スピーカ1106,1204に対するエラー報知時や演出時の音量が更新される(「音量設定処理」S4312)。音量設定処理S4312の後に、液晶表示装置1042、スピーカ1106,1204、発光装置132,134L1等を制御するためのデータが更新される(「報知データ変更処理」S4313)。
〔本発明に関連する主たる構成〕
本発明の球式回胴遊技機1010の主たる特徴部分の構成について説明する。球式回胴遊技機1010は、3つの投入系統により遊技球を分散して投入する。球式回胴遊技機1010は、3つの投入系統の各々に1つずつ対応する3つの遊技球投入部1410a〜1410cを備える。ここで、遊技球投入部1410a〜1410cについて説明する。なお、3つの投入系統は、「第1条」、「第2条」、「第3条」との表記によって識別することとする。また、3つの遊技球投入部1410a〜1410cは実質的に同一の構成であるために、以下においては、第1条の投入球投入部1410aについてのみ詳細に説明する。第1条の投入球投入部1410aは、第1条の投入フリッカ1413a及び第1条の投入ソレノイド1414a(振分投入規制手段)と、遊技球の流下方向に配設した第1条の上側素子1415a1及び下側素子1415a2からなる一対の通過センサ1415a(振分媒体検出手段)とを含んでいる。第1条における貯留通路1402a(媒体通路の一部)から排出通路1406a(媒体通路の一部)への遊技媒体の流入は、第1条の投入フリッカ1413aの先端部1413a5が通路内に配置された通過禁止状態と通路外に配置された通過許可状態とを移行させることによる実質的な通路幅の変化に応じて規制される。通過禁止状態において、第1条の投入フリッカ1413aの先端部1413a5は、一対の通過センサ1415aの上側素子1415a1の上流側に配置される。貯留通路1402a及び排出通路1406aは水平方向(鉛直方向と垂直な方向)に対して傾斜している。なお、排出通路1406は、実質的に鉛直方向と同一であり、水平方向に対して実質的に90度傾斜している。
第1条の投入フリッカ1413aが通過許可状態から通過禁止状態に移行するときに、貯留通路1402aと排出通路1406aと境界部位において第1条の投入フリッカ1413aによって遊技球が捕捉される場合がある。第1条の一対の通過センサ1415aの上側素子1415a1は、捕捉された遊技球(以下、「吊球」と称す)を検出できる位置に配置されており、下側素子1415a2は、吊球を検出できない位置に配置されている。
遊技球をベットする際の遊技球の投入制御について概ね時系統に沿って説明する。なお、マックスベットボタン1304が操作された場合も1ベットボタン1114が操作された場合も投入許可数が異なる以外は概ね投入動作及び投入制御が同一であるために、以下において、マックスベットボタン1304が操作された場合についてのみ説明する。また、各遊技球投入部1410a〜1410cおける遊技球の投入動作及び投入時の制御は、概ね同一であるために、第2条及び第3遊技球投入部1410b,1410cについての詳細な説明を省略する。
遊技者によるマックスベットボタン1304の操作に基づく最大ベット信号(ベット指示)の検知(S2502:Y)に応じて、まず、通常遊技状態の場合には「15」から投入済個数Aを減じた値が、一方、特別遊技状態におけるJACゲームの場合には「5」から投入済個数Aを減じた値が、投入予定個数(投入許可数)として設定される(S2503)。前回の投入制御で投入予定個数の投入が完了しなかったような特殊な場合以外、投入済個数Aは「0」である。なお、前回の投入制御で投入予定個数の投入が完了している場合(S2501)には、最大ベット信号(ベット指示)を検知しても実質的な処理を行わない。投入予定個数の設定後に、前回の投入制御で捕捉球が発生していない場合には、投入予定個数を第1条、第2条及び第3条のうち投入可能な条(リトライフラグが設定されている条)に振り分けて条別の投入予定個数(振分投入許可数)を設定し、一方、前回の投入制御で捕捉球が発生している場合(いずれかの条に対応する吊球フラグが設定されている場合)には、再度の振分を行わない(S2511)。この振分において、全ての条が投入可能である場合には、第1条、第2条及び第3条の各々の振分投入許可数は、2つ以上異ならないように均一に振り分けられる。なお、第1投入系統の優先順位が最も低く、第3投入系統の優先順位が最も高く設定されている。具体的には、1球を投入する場合には、第1投入系統の振分投入許可数、第2投入系統の振分投入許可数及び第3投入系統の振分投入許可数は、それぞれ、1球を投入する場合には「0」、「0」及び「1」であり、2球を投入する場合には「0」、「1」及び「1」であり、3球を投入する場合には「1」、「1」及び「1」である。これによって、各条の遊技球投入部1410a〜1410cにおいて、決定された条別の振分投入許可数の遊技球が投入されることとなる。
具体的には、吊球フラグが設定されていない場合(S1601:N)には、第3条〜第1条の投入予定個数カウンタのいずれか1つの値を1だけ増加させる毎に総投入個数カウンタの値を1だけ減少させる振り分けを、総投入個数カウンタの値が0になるまで第3条、第2条、第1条の順で繰返す(S1604〜S1613)。また、第1条の投入予定個数が「0」以上である場合に、第1条の投入ソレノイド作動フラグを設定し(S1607)、第1条における遊技球の投入を実質的に開始させる。なお、いずれかの条において遊技球の投入が不可能な状態である(投入リトライフラグが解除されている)場合(S1605:N)には、その条による遊技球の投入を行わせないために、その条には投入すべき遊技球を割り当てず、また、その条の投入ソレノイド作動フラグも設定しない(S1606〜S1610のスキップ)。なお、吊球フラグが設定されている場合(S1601:Y)には、吊球が発生している条の投入ソレノイド作動フラグが設定され(S1615)、通過センサカウンタの値が所定の値に設定される(S1616)。
第1条の投入ソレノイド作動フラグの設定に応じて、第1条の投入ソレノイド1414aへの通電が開始されて第1条の投入フリッカ1413aが作動し、貯留通路1402aにおける遊技球の通過が許可され、第1条における遊技球の投入が実際的に開始される(S2518)。なお、第1条投入ソレノイド作動フラグ907aが解除されるまで、第1条の投入ソレノイド1413aへの通電を維持。同様に、第2条及び第3条における遊技球の投入が実際的に開始される(S2518)。以下においては、第1条、第2条及び第3条の振分投入許可数の各々が「5」である場合を例にしてについて説明する。
第1条の投入ソレノイド作動フラグの設定と実質的に同時に、何らかの原因で遊技球の流下が所定の時間にわたって滞った場合の再投入、吊球が発生した場合の再投入及び遊技球が通過センサ415aを所定の時間内に通過しなかった場合の通過エラーを判定するために時間計測を開始させる。具体的には、主制御基板1045aにおけるタイマ割込み処理の実行に応じて更新される第1条〜第3条の通過センサカウンタに各条において投入ソレノイド414a〜414cの作動から第1球が通過センサ1415aの通過を開始するまでの時間として許容される最大許容時間(本形態では、約370ms)に対応し、タイマ割込み処理の周期を考慮して算出された値(本形態では、250)を設定する。これにより、第1条の通過センサカウンタが「0」以外の整数となり、タイマ割込み処理において各通過センサカウンタの更新(S2210)が開始されることとなる。
遊技球の通過を監視する処理について説明する。遊技球の通過が許可されると、貯留通路1402aから排出通路1406aへの遊技球の流下が開始される。このとき、第1番目の遊技球(以下、「第1球」と略記する)は通過センサ1415aの上側素子1415a1及び下側素子1415a2のいずれにも到達していないために、上流通過検出信号(上側素子1415a1からの出力信号)及び下流通過検出信号(下側素子1415a2からの出力信号)の双方はオフ状態である。なお、上流通過検出信号及び下流通過検出信号の出力状態は、定期的に監視されている(S2109)。タイマ割込み処理の実行に応じて、上流通過検出信号及び下流通過検出信号の前々回の監視時の出力状態と前回の監視時の出力状態とを、前回の監視時の出力状態と今回の監視時の出力状態とに更新すると共に、上流通過検出信号及び下流通過検出信号の少なくとも一方の出力状態の変化(立上り及び立下り)を検知する。その出力状態の変化が検知されると、前々回の検出位相情報の値及び前回の検出位相情報の値を前回の検出位相情報の値及び今回の検出位相情報の値に更新する。
ここで、検出位相情報の値について説明する。図29は、検出位相及び検出位相情報を説明するための説明図である。検出位相情報の値は遊技球の通過状態を識別する4つの位相情報の値(位相識別子)のいずれか1つである。4つの位相情報の値は、上流通過検出信号の出力状態及び下流通過検出信号の出力状態(オン状態又はオフ状態)の組合せによって異なる。上流通過検出信号と下流通過信号との出力状態の組合せを(上流通過検出信号の出力状態,下流通過検出信号の出力状態)で表した場合、位相情報の値は、図29に示されたように、第1位相(オフ状態,オフ状態)である場合が「0」であり、第2位相(オン状態,オフ状態)である場合が「2」であり、第3位相(オン状態,オン状態)である場合が「3」であり、第4位相(オフ状態,オン状態)である場合が「1」である。なお、検出位相情報の値が「0(第1位相)→2(第2位相)→3(第3位相)→1(第4位相)→0→2→・・・→1→0」と繰り返し更新されるのが、投入予定個数の遊技球の全てが正常な通過順序によって通過した場合(正常な通過の場合)の位相変化である。この位相変化を識別するために、検出位相変化パターンを位相情報の値の変化(「0→2」、「3→1」等)により表すものとして、「0→2」、「2→3」、「3→1」及び「1→0」という4つの位相変化パターンを正常判定用位相変化パターンが記憶されている。
第1番目の遊技球(以下、「第1球」と略記する)が通過センサ1415aの上側素子1415a1の通過を開始すると、上流通過検出信号がオフ状態からオン状態に移行する。上流通過検出信号の立上りの検知に応じて、前回及び今回の検出位相情報の値が、それぞれ、「0」及び「0」から「0」及び「2」に更新される(S2207)。
検出位相情報の更新に応じて、前回の検出位相情報の値「0」と今回の検出位相情報の値「2」とで決定される検出位相変化パターン「0→2」が、正常判定用位相変化パターンに合致するか否かが判定される(S1703)と共に、通過開始時の位相変化パターン「0→2」に合致するかの判定(S1710)や通過完了時の位相変化パターン「1→0」に合致するかの判定(S1705)が行われる。この場合、検出位相変化パターンは正常判定用位相変化パターンとして含まれる1つの位相変化パターン(「0→2」)に合致すると共に通過開始時の位相変化パターンに合致するために、正常な位相変化と判定されると共に、第1球の通過センサ1415aの通過開始と判定される。なお、正常な位相変化と判定されない場合(S1703:N)には、通過順序エラーの発生と判定する。通過順序エラーの発生の検知に応じて、通過順序エラー処理が実行される(S1704)。
通過センサ1415aの通過開始が検知されると、第1球が通過センサ1415aを通過する時間の計測を開始する。具体的には、第1条の通過センサカウンタが、遊技球が通過センサ1415aの通過時間として許容される最大通過許容時間(本形態では、約200ms)に対応し、タイマ割込み処理の周期を考慮して算出された値(本形態では、140)に設定される(S1718)。これにより、タイマ割込み処理における第1条の通過センサカウンタの減算(S217)が開始されることとなる。なお、第1条の通過センサカウンタの値が「0」以外の値である期間が、第1条の投入許可期間(振分投入許可期間)である。
また、第1条の通過センサ1415aの通過開始が検知されると(S1710)、現在の第1条の投入予定個数を参照して、通過を開始した遊技球が、第1条によって投入すべき最終の遊技球(最終球)であるかが判定される(S1712)。第1球は最終球ではないので、特別な処理は行われない。なお、通過を開始した遊技球が最終球である場合(1712:Y)には、第1条の投入ソレノイド作動フラグを解除し(S1719)、これによって、第1条の投入ソレノイド1414aへの通電が停止され、第1条の投入フリッカ1413aの作動が停止されることとなる。その結果、最終球より後続の遊技球の流下が禁止される。
第1球の流下が進行すると、第1球は通過センサ1415aの下側素子1415a2を通過し始め、下流通過検出信号がオフ状態からオン状態に移行する。このとき、第1球はまだ上側素子1415a1を通過中であり、上流通過検出信号はオン状態のままである。下流通過検出信号の立上りの検知に応じて、前回及び今回の検出位相情報の値が、それぞれ、「0」及び「2」から「2」及び「3」に更新される(S2109)。上記の上流通過検出信号の立上りの検知に応じた処理と同様にして、位相変化は正常であるが、通過開始時の位相変化でも通過完了時の位相変化でもないと判定する(S1705:N及びS1710:N)。
更に第1球の流下が進行すると、第1球は上側素子1415a1の通過を完了し、その通過完了に伴って上流通過検出信号がオン状態からオフ状態に移行する。このとき、第1球は下側素子415a2を通過中であり、下流通過検出信号はオン状態のままである。上流通過検出信号の立下りの検知に応じて、前回及び今回の検出位相情報の値を、それぞれ、「2」及び「3」から「3」及び「1」に更新する(S2109)。検出位相情報が更新されると、上記の上流通過検出信号の立上りの検知に応じた処理と同様にして、位相変化は正常であるが、通過開始時の位相変化でも通過完了時の位相変化でもないと判定する(S1705:N及びS1710:N)。
最終的に、下側素子1415a2の通過を完了し、その通過完了に伴って下流通過検出信号がオン状態からオフ状態に移行する。このとき、第1球の後続の遊技球(「第2球」と略記する)は、まだ、上側素子1415a1には到達しておらず、上流通過検出信号はオフ状態のままである。下流通過検出信号の立下りの検知に応じて、前回及び今回の検出位相情報の値を、それぞれ、「3」及び「1」から「1」及び「0」に更新する(S2109)。上記の上流通過検出信号の立上りの検知に応じた処理と同様にして、位相変化が正常であり、通過完了時の位相変化であると判定する(S1705:Y)。
第1球が通過センサ1415aの通過を完了したと検知されると(S1705:Y)、総投入予定個数を現在値から「1」だけ減じた値に更新し(S1706)、第1条の投入予定個数を1だけ減少させた値に更新し(S1707)、通過済個数Aを現在値に「1」だけ加算した値に更新する(S1708)。以上の過程を経て通過センサ1415aにおける第1球の通過検出が終了する。
通過センサ1415aにおける第1球の通過検出過程において、最大許容時間Tfが経過して又は最大許容時間Tmが経過して通過センサカウンタの値が「0」であるときであって、上流通過検出信号のみがオン状態である場合には、吊球の発生と認識して吊球フラグを設定し、一方、上流通過検出信号のみがオン状態である場合以外には、通過時間エラーの発生と判定する。通過時間エラーの発生の検知に応じて、通過時間エラー処理が実行される(S1716)。なお、吊球は最終球以外では発生しないために、実質的に吊球フラグが設定されることはない。
第2条及び第3条についても第1条の場合と同様の過程を経て、第2条及び第3条に対する第1球の投入が完了する。また、第1条、第2条及び第3条に対する第2球〜第4球も第1球と同様の過程を経ることによってそれらの投入が完了する。
第1条に対する最終球(第5球)が流下して、最終球が通過センサ1415aの上側素子1415a1の通過を開始すると、上流通過検出信号の立上りを検知し、位相変化が正常であり、かつ、通過開始時の位相変化であると判定する。また、通過センサ1415aの通過開始が検知されると、最終球が通過センサ1415aを通過する時間の計測を開始する。また、通過を開始した遊技球が最終球であるか否かが判定される。ここまでは、最終球よりも先行して投入された他の遊技球の場合と実質的に同一である。通過センサ1415aの通過開始が検知されると、通過センサ1415aの通過を開始した遊技球は最終球であるので(S1712:Y)、第1条の投入ソレノイド作動フラグが解除される(S1713)。これによって、第1条の投入ソレノイド1414aへの通電が停止され、第1条の投入フリッカ1413aが通過禁止状態に移行することとなる。その結果、排出通路1406aへの最終球より後続の遊技球の流下が禁止される。以後は、第1球の場合と実質的に同一の過程を経て最終球の投入が進行する。その後、第1条の通過センサカウンタの値が「0」になるのを待って、吊球が発生しているか否かが判定される。具体的には、今回の検出位相情報が「2」(上流通過検出信号のみがON状態)であるかが判定される。吊球が発生している場合には第1条の吊球フラグが設定されて、吊球を解除するための再投入制御に移行する。なお、第2条及び第3条の場合も同様である。
その後、いずれかの条の投入リトライフラグが設定されているか否かが判定されて、全ての条の投入リトライフラグが設定されていない場合(S2507)には、投入可能な条がないこととなり、投入処理を続行できないので、投入処理を一旦終了する。また、投入予定個数の遊技球の投入が完了しているか否かが判定され、その投入が完了している場合には、投入処理を終了する。これら以外の場合、つまり、いずれかの条の投入リトライフラグが設定されているにも関わらず、投入予定個数の遊技球の投入が完了していない場合には、再投入の処理が実行される。具体的には、貯留通路1402a〜1402cに遊技球がない場合、吊球が発生している場合には、再投入の処理が実行される。
吊球が発生している場合の再投入処理においては、投入予定個数の再振分が実質的に実行されず(S1602〜S1614のスキップ)、第1条の投入ソレノイド作動フラグが設定され(S1615)、かつ第1条の通過センサカウンタの値が吊球時の再投入時間として許容される時間(本形態では、約20ms)に対応する値に再設定される。これによって、実質的に第1条における再投入が開始される。吊球の流下が開始されると、通過センサ1415aの通過開始が検知される(S1710)。以下は、再投入を行わない場合の正常な投入の場合と同様に吊球の投入が監視される。
遊技球がなく投入予定個数の投入が完了しない場合には、再投入の際には、再振分において、第1条の投入リトライフラグが解除されている(S1605:N)ために、第1条による遊技球の投入は行われない。一方、吊球が発生したために投入予定個数の投入が完了しない場合には、吊球が発生した第1条においてのみ再投入が実施される。
〔実施形態2〕
本実施形態2においては、再投入動作が異なること以外は実質的に同一の動作を実現する遊技機について説明する。具体的には、上記の実施形態1の遊技機は、吊球が発生した場合の再投入動作において、吊球の発生している条の投入フリッカ1413a〜1413cを投入禁止状態から投入許可状態へ移行させた後の一定時間の経過後にその投入フリッカ1413a〜1413cを投入許可状態から投入禁止状態に移行させる構成であったが、本実施形態2の遊技機は、吊球の発生している条の投入フリッカを投入禁止状態から投入許可状態へ移行させた後の通過センサ1415a〜1415cの下側素子1415a2〜1415c2による遊技球の通過開始の検知に応じて投入フリッカ1413a〜1413cを投入許可状態から投入禁止状態に移行させる構成であり、また、吊球が発生すると共に球切れや球詰まりにより遊技球の投入が完了しなかった場合に、吊球のみを投入する再投入動作に引き続き球切れや球詰まりによる未完払出の遊技球のみを投入する再投入動作を行う構成である。なお、以下においては、上記の実施形態1と異なる部分についてのみ詳細に説明する。
なお、本実施形態の遊技機では、通過センサ1415a〜1415cの上側素子1415a1〜1415c1(〔上流検出手段〕)のみが吊球(〔捕捉媒体〕)を検出できる構成である。図30は、本実施形態2における吊球の発生状況を説明するための説明図である。図30に示されたように、吊球が発生した場合には、上側素子1415a1〜1415c1(〔上流検出手段〕)の検出領域に吊球が滞留し、上側素子1415a1〜1415c1(〔上流検出手段〕)からは上流媒体検出信号が出力される。
本実施形態の遊技球ベット処理について詳細に説明する。なお、遊技球ベット処理(実施形態1の遊技球ベット処理S1406に対応)以外の各処理は概ね上記の実施形態1と同一である。図31は、遊技球ベット処理の一例を表すフローチャートである。遊技球ベット処理S5406では、まず、マックスベットボタン1304の操作可否を報知する発光装置(図示せず)や始動レバー1124の操作可否を報知する発光装置1132の発光を制御する(「スイッチLED発光制御処理」S6101)。具体的には、スイッチ点灯フラグの設定に応じて発光を制御する。
スイッチLED発光制御処理S6101の後に、投入操作許可状態であるか否かが判定される(S6102)。具体的には、マックスベットボタン1304の操作可否を表す発光装置の点灯フラグが設定されているか否かが判定される。投入操作許可状態でない場合(投入操作禁止状態である場合)には、本遊技球ベット処理S5406が終了する。一方、投入操作許可状態である場合には、投入開始か否かが判定される(S6103)。具体的には、1ベットボタン1114又はマックスベットボタン1304の操作に応じた1ベット信号又は最大ベット信号が立上り状態(オフ状態からオン状態への移行)であるか否かが判定される。なお、実際的な1ベット信号又は最大ベット信号のオン・オフ状態は、タイマ割込み処理のスイッチ読込処理S2108(図16参照)で監視されており、判定処理S6103では、スイッチ読込処理S2108で取得された情報を参照している。1ベット信号又は最大ベット信号が立上り状態でない場合には、本遊技球ベット処理S5406が終了する。
1ベット信号又は最大ベット信号が立上り状態である場合には、ベットが完了しているか否かが判定される。具体的には、特別遊技状態におけるJACゲーム状態である場合には1ベット(5球の投入)が完了しているか否かが判定され、その他の遊技状態である場合には3ベット(15球の投入)が完了しているか否かが判定される(S6104)。ベットが完了していない場合には、投入すべき遊技球の個数(投入許可数)が決定され、その値が総投入個数カウンタに設定される(「投入許可数決定処理」S6105)。具体的には、既に投入が完了している遊技球の個数(投入済数)と、ベット信号の種類と、遊技状態の種類(JACゲーム状態か否か)とを参照して、投入許可数が決定される。例えば、投入済数が「0」であり、最大ベット信号の立上りが検知されている場合には、JACゲーム状態においては投入許可数が「5」に設定され、JACゲーム状態以外においては投入許可数が「15」に設定される。また、1ベットボタン1114が操作されて5球が投入されたときやマックスベットボタン1304が操作されたにも関わらず球切れ等によって前回の投入動作で5球しか投入できなかったときに、最大ベット信号の立上りが検知された場合には、「15」から投入済数「5」を減じた「10」が総投入個数カウンタに設定される。投入許可数決定処理S6105の後に、遊技球の投入を実質的に管理する処理が実行される(「投入監視処理」S6106)。
ここで、投入監視処理S6106について詳細に説明する。図32は、投入監視処理の一例を表すフローチャートである。投入監視処理S6106では、まず、投入許可数を投入残数として設定し(「投入残数決定処理」S6201)、第1条の遊技球投入部1410a(以下、「第1条」と略記する)、第2条の遊技球投入部1410b(以下、「第2条」と略記する)及び第3条の遊技球投入部1410c(以下、「第3条」と略記する)の全てにおける投入動作の許可設定が行われる(「全条投入許可設定処理」S6202)。具体的には、投入動作の許可設定においては、各条の投入リトライフラグが設定される。各条の投入リトライフラグが「1」の場合は投入が許可された投入許可状態を表し、「0」の場合は投入禁止状態を表している。
全条投入許可設定処理S6202の後に、投入監視情報が初期化される(「投入監視情報初期化処理」S6203)。具体的には、各条の投入許可数(〔振分投入許可数〕)の各々が「0」に設定され、各条の投入ソレノイド作動フラグ(投入規制情報)の各々が解除され、条別の通過許容期間(〔振分通過許容期間〕)の各々の残り時間に相当するか各条の通過許可残時間情報(各条の通過センサカウンタ)の全ての値が「0」に設定され、条別の参照通過位相の各々として第1通過位相(「0」)が選択される。
参照通過位相は、正規の通過位相パターン〔正規の通過位相推移〕から選択される通過位相である。ここで、正規の通過位相パターンについて説明する。正規の通過位相パターンは、図29に示されたように、第1通過位相(「0」)、第2通過位相(「2」)、第3通過位相(「4」)及び第4通過位相(「3」)のこの順序での順序列である。なお、各通過位相は、同一条における上流通過検出信号の検出状態(オン状態又はオフ状態)と下流通過検出信号の検出状態(オン状態又はオフ状態)との組合せであり、各通過位相を〔上流通過検出信号の検出状態,下流通過検出信号の検出状態〕で表せば、第1通過位相が〔オフ状態,オフ状態〕であり、第2通過位相が〔オン状態,オフ状態〕であり、第3通過位相が〔オン状態,オン状態〕であり、第4通過位相が〔オフ状態,オン状態〕である。なお、全条に対して同一の正規の通過位相パターンが参照されるが、各条の参照通過位相は個別に変化する。
投入監視情報初期化処理S6203の後に、初回の投入動作である初投入動作時に実行されると共に、必要に応じて初投入動作に引き続き行われる再投入動作時に実行されるループ処理(S6204〜S6220)に移行する。
ループ処理では、まず、投入動作(初投入動作、吊球を投入時や供給異常時の再投入動作)を終了するか否かを、投入許可数の遊技球の投入が完了しているか否かの判定(S6204)と、前回の初投入動作又は再投入動作によって条別に割り当てられた個数(振分投入許可数)の遊技球の投入が正常に終了して更なる再投入が許可されている条があるか否かの判定(S6205)とによって判断する。投入許可数の遊技球の投入が完了しておらず、かつ、投入が許可されている条がある場合には、次の処理に移行する。一方、それ以外の場合、つまり、投入許可数の遊技球が投入されていれば再投入動作を行う必要がないために、また、投入が許可されている条がない場合には投入動作自体が続行できないために、本投入監視処理S6106が終了する。
判定処理S6205の後に、初投入動作であるか否かが判定される(S6206)。初投入動作である場合には、投入許可数振分処理S6209に移行する。一方、初投入動作でない場合(吊球を投入時や供給異常時の再投入動作である場合)には、所定の待機時間(本形態では、約80msに相当するタイマ割込みの回数「54」)だけ待機する(「再投入開始待機処理」S6207)。再投入開始待機処理S6207の後に、吊球の捕捉が発生しているか否かが判定される(S6208)。吊球の捕捉が発生していない場合には、投入許可数振分処理S6209に移行する。投入許可数振分処理S6209は、図33に示されたように、上記の実施形態1における投入個数振分処理S1511(図18参照)に示された判定処理S1601及び吊球発生条の投入ソレノイド作動フラグ設定処理S1615及び吊球発生条の通過センサカウンタ設定処理S1616以外は同一である。なお、処理S6301〜処理S6313が、それぞれ、処理S1602〜S1614に対応する。
投入許可数振分処理S6209では、投入許可数を投入許可条の各々で個数が2以上異ならないように実質的に均等に振り分けて、各投入許可条で投入すべき遊技球の個数(投入残数)が決定されて投入予定個数カウンタに設定されると共に、他の投入監視情報の各々が所定の投入開始時用の初期情報に設定される。投入残数の決定においては、上皿1302に流入した遊技球は、構造的に、第3条の遊技球投入部1410aに最も流入し易く、第1条の遊技球投入部1410aに最も流入し難くなっているために、第3条に振り分けられる遊技球の個数が第1条及び第2条に振り分けられる遊技球の個数以上であり、かつ、第2条に振り分けられる遊技球の個数が第1条に振り分けられる遊技球の個数以上となるように優先順位を付けて振り分けている。また、投入残数が「1」以上であるすべての条に対して、投入ソレノイド作動フラグが設定され、通過許可残時間情報に「203」が設定され、参照通過位相が第1通過位相に設定される。通過許可残時間情報は1.49ms間隔のタイマ割込みごとに「1」だけ減算されることとなるために、通過許可残時間として約300msを設定したことになる。本実施形態では、各条において、投入フリッカ1413a〜1413cの開放によって貯留通路1402a〜1402cから排出通路1406a〜1406cへの通路が開放され、排出通路1406a〜1406cへ流下する最初の遊技球が正常に通過センサ1415a〜1415cの上側素子1415a1,1415b1,1415c1に到達するまでの平均的な時間が約10msであり、上側素子1415a1,1415b1,1415c1の通過を開始してから下側素子1415a2,1415b2,1415c2の通過を完了するまでの平均的な時間が約40msであるために、より十分余裕をもった時間として約300msが通過許容時間として設定される。
判定処理S6208において吊球の捕捉が発生していると判定された場合には、吊球フラグ(捕捉検知情報)が設定される(「吊球検知情報設定処理」S6210)。吊球検知情報設定処理S6210の後に、投入監視情報の各々が吊球の投入開始時用の初期情報に設定される(「投入監視情報設定処理」S6211)。具体的には、吊球が発生している条の投入ソレノイド作動フラグが設定され、吊球が発生している条の通過許可残時間情報に「203」が設定される。
投入許可数振分処理S6209及び投入監視情報設定処理S6211の後に、タイマ割込みが実行されるまで待機して(「タイマ割込み待機処理」S6212)、一回のタイマ割込みの完了に応じて、返却操作が開始されたか否かが判定される(S6213)。返却操作の開始と判定された場合には、投入を中止する処理が実行される(「投入中止処理」S6214)。具体的には、遊技者による上皿球返却レバー1386の操作に基づく返却スイッチ1441からの返却スイッチ信号がオン状態へ移行した場合に返却操作の開始と判定する。
判定処理S6213において返却操作の開始ではないと判定された場合には、いずれかの条が通過許容期間中であることを表す投入動作中フラグ(投入中情報)が解除される(「投入動作中情報初期化処理」S6215)。なお、投入動作中フラグは、後述する第1条投入制御処理S6216、第2条投入制御処理S6217、第3条投入制御処理S6218において各条の通過許容期間が終了していない場合に設定される。投入動作中情報初期化処理S6215の後に、第1条〜第3条に対する投入制御処理が実行される(「第1条投入制御処理」S6216,「第2条投入制御処理」S6217,「第3条投入制御処理」S6218)。投入動作中情報初期化処理S6215及び第1条〜第3条の投入制御処理S6216〜S6218は、タイマ割込み間隔内で1度ずつ実行される。なお、第1条投入制御処理S6216、第2条投入制御処理S6217及び第3条投入制御処理S6218の詳細については、本投入監視処理S6106の全体的な説明の後に記載する。
第3条投入制御処理S6218の後に、各条の投入ソレノイド作動フラグを参照して、全条の投入ソレノイドの駆動を制御する(「投入ソレノイド駆動制御処理」S6219)。具体的には、投入ソレノイド作動フラグが新たに設定された条の投入ソレノイド1414a〜1414cはオン状態(投入許容状態)に変更され、投入ソレノイド作動フラグが既に設定されている投入ソレノイド1414a〜1414cはオン状態を維持し、投入ソレノイド作動フラグが新たに解除された条の投入ソレノイド1414a〜1414cがオフ状態(投入禁止状態)に変更され、投入ソレノイド作動フラグが既に解除されていた条の投入ソレノイド1414a〜1414cはオフ状態を維持する。各条の投入ソレノイド作動フラグは、投入許可数振分処理S6208や投入監視情報設定処理S6211において解除から設定に変更される場合があり、第1条投入制御処理S6216、第2条投入制御処理S6217、第3条投入制御処理S6218において設定から解除に変更される場合がある。
全条投入ソレノイド駆動処理S6219の後に、全条の投入動作が終了したか否かが判定される(S6220)。具体的には、投入動作中フラグが設定されていない場合に全条の投入動作が終了したと判定される。実質的に全ての条の通過許容期間が終了していることと同義である。
ここで、第1条投入制御処理S6216、第2条投入制御処理S6217、第3条投入制御処理S6218について詳細に説明する。なお、第2条投入制御処理S6217、第3条投入制御処理S6218は、第1条投入制御処理S6216と実質的に同一であるために、第1条投入制御処理S6216の説明における「第1条」なる文言を第2条投入制御処理S6217では「第2条」と、第3条投入制御処理S6218では「第3条」と読み替えることとして、その詳細な説明を省略する。図34は、第1条投入制御処理の一例を表すフローチャートである。
第1条投入制御処理S6216では、まず、第1条の通過許容期間中であるか否かが判定される。具体的には第1条の通過許可残時間情報が「0」であるか否かが判定される(S6401)。第1条の通過許可残時間情報が「0」である場合は第1条の通過許容期間外を意味し、第1条の通過許可残時間が「0」を超えて大きい場合は第1条の通過許容期間内を意味する。判定処理S6401の後に、第1条の通過位相が変化したか否かが判定される(S6402)。具体的には、直前のタイマ割込み処理のスイッチ読込処理S2108(図13参照)で読み込まれた第1条の通過位相が正規の通過位相パターンのうちの現在選択されている第1条の通過位相(以下、第1条の参照通過位相と称す)と同一であるか否かが判定される。
判定処理S6402において第1条の通過位相に変化がないと判定された場合には、第1条の通過許容期間が今回の第1条投入制御処理S6216において満了するか否かが判定される(S6403)。具体的には、第1条の通過許可残時間情報の現在値から「1」だけ減算した値が「0」であるかによって判定される。なお、ここでは、第1条の通過許可残時間情報は更新されない。第1条の通過許容期間が終了しないと判定された場合には、第1条の通過許可残時間情報が「1」だけ減算された値に更新される(「通過許可時間更新処理」S6404)。一方、第1条の通過許容期間が終了すると判定された場合には、第1条の投入フリッカ1413aが通過禁止状態であるか否かが判定される(S6405)。具体的には、第1条の投入ソレノイド作動フラグが設定されているか否かが判定される。第1条の投入ソレノイド作動フラグが設定されていない場合は、通過許可時間更新処理」S6404によって、第1条の通過許可残時間情報が「1」だけ減算された値に更新される。
なお、第1条の投入ソレノイド作動フラグが設定されている場合は、第1条の投入フリッカ1413aが既に遊技球の流下を禁止しているか、禁止するために移動中であるかを意味し、第1条の投入ソレノイド作動フラグが設定されていない場合は、第1条の投入フリッカ1413aが遊技球の流下を許可しているか、許可するために移動中であるかを意味している。判定処理S6403において肯定判定される場合としては、例えば、(1)第1番目に投入されるべき遊技球が投入許可数振分処理S6209で設定された第1条の通過許容期間内に第1条の通過センサ1415aの通過を開始しない場合(球切れの場合)や、(2)第1番目に投入されるべき遊技球が投入許可数振分処理S6209で設定された第1条の通過許容期間内に第1条の通過を開始しない場合(球詰まりの場合)や、先行投入された遊技球(以下、先行球とも称す)の第1条の通過センサ1415aの通過開始時に延長された第1条の通過許容期間(後述する通過許容期間延長処理S6420)内に先行球に引き続き投入されるべき遊技球(以下、後続球とも称す)が第1条の通過センサ1415aの通過を開始しない場合(球切れの場合)や、(4)先行球の通過開始時に延長された第1条の通過許容期間(後述する通過許容期間延長処理S6420)内に後続球が第1条の通過センサ1415aの通過を完了しない場合(球詰まりの場合)が挙げられる。
判定処理S6405において第1条が投入禁止状態でないと判定された場合には、第1条による再投入を禁止するために第1条の投入リトライフラグが解除される(「再投入禁止設定処理」S6406)。なお、第1条の通過許容期間が満了予定であるにも関わらず通過許可状態である場合、第1条において投入されるべきであった少なくとも最後の遊技球の通過が開始されていないために全体としての再投入動作は実行されることとなるが、第1条による再投入動作は行われないこととなる。
再投入禁止設定処理S6406の後に、遊技球が第1条の通過センサ1415aを通過中であるか否かが判定される(S6407)。遊技球が第1条の通過センサ1415aを通過中である場合は、球詰まりや不正投入装置(図示せず)を用いた不正行為等によって遊技球が第1条の通過許容期間内に第1条の通過センサ1415aの通過を完了していない場合であるので、球式回胴遊技機1010の遊技進行を停止させると共にエラー(通過時間エラー)の発生を報知するために通過時間エラーコマンドがリングバッファに格納される(「通過時間エラー処理」S6408)。通過時間エラー処理S6408は無限ループとなっており、リセットスイッチ1038bの操作に応じて球式回胴遊技機1010がリセットされるまで継続する。一方、遊技球が通過中でない場合は、第1条における球切れによる第1条の通過許容期間満了予定であるためにエラーとはせずに、第1条の投入ソレノイド作動フラグを解除し(「通過規制情報変更処理」S6409)、第1条の通過許可残時間情報に「140」を設定することによって実質的に約200msに相当する時間だけ第1条の通過許可時間を延長する(「通過許容期間延長処理」S6410)。
第1条の通過許可時間更新処理S6404及び通過許可時間延長処理S6410の後に、第1条の通過許容期間が終了しているか否かが判定される(S6411)。具体的には、第1条の通過許可残時間情報が「0」である場合には第1条の通過許容期間が終了している(通過許容期間外)と判定し、それが「0」でない場合には第1条の通過許容期間が終了していない(通過許容期間内)と判定する。第1条の通過許容期間が終了している場合には、本第1条投入制御処理S6216が終了し、第1条の通過許容期間が終了していない場合には、投入動作中フラグが設定されて(「投入動作中情報設定処理」S6412)、その後、本第1条投入制御処理S6216が終了する。
判定処理S6402で第1条の通過位相に変化があると判定された場合には、正常な位相変化であるか否かが判定される(S6413)。具体的には、直前のタイマ割込み処理のスイッチ読込処理S2108(図13)で検知された第1条の通過位相が、正規の通過位相パターンにおいて第1条の参照通過位相の次に順序付けられた通過位相と同一である場合に正常な位相変化であると判定され、それらが異なる場合に正常な位相変化でないと判定する。判定処理S6413において第1条の通過位相変化が正常でないと判定された場合には、球式回胴遊技機1010の遊技進行を停止させると共に、エラー(通過順序エラー)の発生を報知するために通過順序エラーコマンド(エラーコマンドの一種)がリングバッファに格納される(「通過順序エラー処理」S6414)。通過順序エラー処理S6414は無限ループとなっており、リセットスイッチ1038bの操作に応じて球式回胴遊技機1010がリセットされるまで継続する。これにより、何らかの不正行為によって一旦エラーが発生すれば不正行為を継続できないようにできる。一方、第1条の位相変化が正常であると判定された場合には、第1条の参照通過位相が、正規の通過位相パターンにおける順序に従って現在選択されている通過位相から次の通過位相に循環的に更新される(「参照通過位相更新処理」S6415)。例えば、第1条の参照通過位相は、現在選択されている通過位相が第1通過位相である場合には第2通過位相に更新され、現在選択されている通過位相が第4通過位相である場合には第1通過位相に更新される。
参照通過位相更新処理S6415の後に、遊技球の通過完了であるか否かと、遊技球の通過開始であるか否かと、が判定される(S6416,S6417)。具体的には、判定処理S6416において、第1条の通過位相が第1通過位相である場合に通過完了であると判定され、第1条の通過位相が第1通過位相である場合に通過完了でないと判定される。また、判定処理S6417において、第1条の通過位相が第2通過位相である場合に通過開始であると判定され、第1条の通過位相が第2通過位相でない場合に通過開始であると判定される。
判定処理S6417において遊技球の通過開始であると判定された場合には、第1条の通過センサ1415aの通過を開始した遊技球が第1条の最終球(振分最終媒体)であるか否かが判定される(S6418)。具体的には、第1条の投入残数を「1」だけ減じた値が「0」である場合には通過を開始した遊技球は第1条の最終球であると判定され、その値が「0」でない場合には通過を開始した遊技球は第1条の最終球でないと判定される。なお、この時点では第1条の投入残数の値は更新されない。第1条の最終球の通過開始である場合には、第1条のフリッカ1413aによる流入を禁止させるために第1条の投入ソレノイド作動フラグを解除して(「通過規制情報変更処理」S6419)、第1条の通過許可残時間情報に「203」が設定されて第1条の通過許容期間が延長される(「通過許容期間延長処理」S6420)。なお、第1条のフリッカ1413aの流入許可状態から流入禁止状態への状態移行の駆動は、第1条の投入ソレノイド作動フラグの解除後に実行される全条投入ソレノイド駆動制御処理S6219(図32参照)において行われる。一方、第1条の最終球の通過開始でない場合には、通過規制情報変更処理S6419がスキップされて、通過許容期間延長処理S6420が実行される。その後、判定処理S6411に移行する。
判定処理S6417において遊技球の第1条の通過開始でないと判定された場合には、吊球フラグが設定されているか否かと、通過位相が第3通過位相であるか否かとが、判定される(S6427,S6428)。吊球フラグが設定されており、かつ第1条の通過位相が第3通過位相である場合には、第1条の投入ソレノイド作動フラグが解除される(「通過規制情報変更処理」S6429)、その他の場合には、通過規制情報変更処理S6429がスキップされる。その後、判定処理S6402において第1条の通過位相に変化がないと判定された場合と同様に、通過判定処理S6403〜投入動作中情報設定処理S6412が実行される。
判定処理S6416において遊技球の第1条の通過完了であると判定された場合には、全投入残数(総投入個数カウンタ)が現在値から「1」だけ減算した値に更新され(「全投入残数更新処理」S6421)、全投入済数(投入済個数カウンタA)が現在値に「1」だけ加算した値に更新され(「全投入済数更新処理」S6422)、ベット数やベット数の表示等のベット情報を必要に応じて更新し(「ベット情報更新処理」S6423)、第1条の投入残数(第1条の投入予定個数カウンタ)を現在値から「1」だけ減算した値に更新する(「投入残数更新処理」S6424)。投入残数更新処理S6424の後に、第1条の通過センサ1415aの通過を完了した遊技球が第1条の最終球であるか否かが判定される(S6425)。具体的には、第1条の投入残数が「0」である場合に通過を完了した遊技球は第1条の最終球であると判定され、第1条の投入残数が「0」でない場合に通過を完了した遊技球は第1条の最終球でないと判定される。判定処理S6425において第1条の最終球の通過完了であると判定された場合には、第1条の通過許可残時間情報に「0」が設定される。これによって、第1条の通過許容期間が終了する。一方、第1条の最終球の通過完了でない場合には、判定処理S6402において第1条の通過位相に変化がないと判定された場合や判定処理S6417において遊技球の第1条の通過開始でないと判定された場合と同様に、通過判定処理S6403〜投入動作中情報設定処理S6412が実行される。
第1条の通過許容期間に関する処理(通過許可時間更新処理S6404、通過許容期間延長処理S6412,S6420及び通過許容期間終了処理S6426)の後に、第1条の通過許容期間が終了しているか否かが判定される。具体的には、第1条の通過許可残時間情報が「0」である場合には第1条の通過許容期間が終了している(通過許容期間外)と判定し、それが「0」でない場合には第1条の通過許容期間が終了していない(通過許容期間内)と判定する。第1条の通過許容期間が終了している場合には、本第1条投入制御処理S6216が終了し、第1条の通過許容期間が終了していない場合には、投入動作中フラグが設定されて(「投入動作中情報設定処理」S6428)、その後、本第1条投入制御処理S6216が終了する。上記のように、第1条投入制御処理S6216は、判定処理S6401〜通過規制情報変更処理S6429を含んでいる。
投入監視処理S6106の後に、上記の投入監視処理S6106内での制御に応じてベットボタンLEDや始動レバーLEDの設定を変更する必要が生じた場合には、図31に示されたように、これらの表示を変更させるために各種のLEDの設定を更新する(「スイッチ点灯フラグ更新処理」S6107)。スイッチ点灯フラグ更新処理S6107の後に、投入中返却状態であるか否かが判定される(S6108)。具体的には、遊技者による上皿球返却レバー1386の操作に基づく返却スイッチ1441からの返却スイッチ信号がオン状態である場合に投入中返却状態と判定されて、返却スイッチ信号がオン状態である場合に単なる投入中返却状態でないと判定される。投入中返却状態である場合には、返却スイッチ信号がオフ状態に移行するまで待機すると共に、オフ状態への移行後に所定の時間だけ更に経過するまで待機する(「上皿貯留球返却完了待機処理」S6109)。待機が完了すると、既に遊技球の投入が行われている場合には、具体的には、投入済数が「0」でない場合には、投入された個数と同数の遊技球を払い出させるために、投入球払出コマンドが設定される(「投入球返却処理」S6110)。なお、投入球返却処理S6110は返却処理S2405と同一の処理である。投入球払出コマンドは払出制御基板1037aに送信されることとなり、払出制御基板1037aでは投入球払出コマンドの受信に応じて払出装置1033から投入済数と同数の遊技球を払い出させる。
その後、各種のベットボタン1114,1304が操作されたとしてもその操作に応じた処理を実行させない期間を決定する投入禁止タイマが設定される(「投入禁止タイマ設定処理」S6111)。これによって、所定の時間が経過するまでは各種のベットボタンの操作が無効化される。投入禁止タイマ設定処理S6111の後に、補助通過許容期間が設定される(「補助通過許容期間設定処理」S6112)。具体的には、補助通過許可残時間情報に「203」(約300msに相当)が設定される。なお、補助通過許可残時間情報は、タイマ割込み処理におけるセンサ監視処理S2109(図13)において、補助通過許可時間情報が「0」を越えて大きい場合に、タイマ割込み処理の実行ごとに「1」だけ減算された値に更新される。補助通過許容期間は遊技球の通過を正常な通過として許容し、その通過個数(補助投入数)が計数される期間である。なお、投入動作中においては、遊技球の通過を正常な通過として許容し、その通過個数が計数される。補助通過許容期間設定処理S6112の後に、投入中又は投入期間返却中である場合にはそれぞれ、投入制御中フラグ、投入期間中返却中フラグが解除されて、投入制御作動期間が終了する(「球処理状態更新処理」S6113)。上記のように、遊技球ベット処理S5406は、スイッチLED発光制御処理S6101〜球処理状態更新処理S6113を含んでいる。
遊技球ベット処理S5406の終了後に、図16に示されたのと同様に、ベット数が最小規定数未満であるか否かが判定される(S2407に相当)。ベット数が最小規定数未満である場合には、投入エラー処理S2403から判定処理S2407までが繰り返される。一方、ベット数が最小規定数未満でない場合には、始動レバー1124の操作に応じた変動開始信号が受信されているか否かが判定される(S2408に相当)。変動開始信号が受信されていない場合には、投入エラー処理S2403から判定処理S2408までが繰り返される。一方、変動開始信号が受信されている場合には、本変動待機処理S2304が終了する。なお、本実施形態においては、図16に示された投入球比較処理S2409と同様の処理は、タイマ割込み処理におけるセンサ監視処理S2109において実行される。また、投入球比較の判定は、変動開始信号の受信から所定の一定期間後に実行される。
ここで、上記の遊技球ベット処理S5406のフローチャートに従った投入動作について、概ね時系列に沿って参照して説明する。再投入動作を行うことなく投入動作が完了する場合及び球切れの発生に起因する再投入動作が行われる場合について説明する。なお、吊球状態の発生により再投入動作を行う場合については本発明の特徴部分であるために別途に詳細に説明する。図35は、再投入動作が行われずに投入が完了する投入動作の一例を表すタイミングチャートである。図36は、球切れによる再投入が実行される投入動作の一例を表すタイミングチャートである。
投入操作許可状態(S6103:Y)における遊技者によるマックスベットボタン1304の操作に基づくマックスベット操作信号(「ベット指示」の一種)の立上りの検知(ta)に応じて(S6103:Y)、まず、通常遊技状態の場合には「15」から投入済数を減じた値が、一方、特別遊技状態におけるJACゲームの場合には「5」から投入済数を減じた値が、投入許可数として設定される(S6105)。なお、前回の投入制御で投入許可数の投入が完了している場合には、マックスベット操作信号を検知しても実質的な処理を行わない。投入許可数を第1条、第2条及び第3条のうち投入可能な条(以下、「投入許可条」と称す)に振り分けて条別の投入残数(〔振分投入許可数〕)の値が決定される。
投入許可数の振り分けの完了後に、第1条の通過許可残時間情報(第1条の通過センサカウンタ)の更新を実質的に開始させる(tb)。具体的には、第1条の通過許可残時間情報の値に所定の許可時間に対応する値(本形態では、本形態では、約300msに相当する「203」)が設定される。なお、通過許可残時間情報の値は、「0」以上の値である場合にタイマ割込みごとに、つまり、実質的に1.49msごとに「1」だけ減算される(S6404)。また、第1条の投入ソレノイド作動フラグの設定に応じて、第1条の投入ソレノイド1414aへの通電が開始されて第1条の投入フリッカ1413aが作動することとなり(S6119)、貯留通路1402aにおける遊技球の投入が許容されて第1条における遊技球の投入が実際的に開始される。なお、第1条の投入ソレノイド作動フラグが解除されるまで、第1条の投入ソレノイド1413aへの通電を維持する。同様に、第2条及び第3条における遊技球の初投入動作が実際的に開始される(S6416)。以下においては、図35に示されたように、第1条、第2条及び第3条の投入残数の各々の値が「5」である場合について説明する。
遊技球の投入が許可されると、貯留通路1402aから排出通路1406aへの遊技球の流下が開始される。なお、第1条の上流通過検出信号及び下流通過検出信号の出力状態は、定期的に監視されており(S2108)、タイマ割込みごとに、前々回の第1条の検出位相及び前回の第1条の検出位相を前回の第1条の検出位相及び今回の第1条の検出位相が更新される。
遊技球の流下が開始されると、第1条の検出位相が変化するまで(S6402:Y)、タイマ割込み間隔ごとに第1条投入制御処理(S6216)が実行されて、その度に通過許可残時間情報の値が「1」だけ減算される(S6404)。また、第1条の通過許可残時間情報の値は「0」ではない(S6427)ために、投入動作中フラグ(投入動作中情報)が設定される。投入動作中フラグは、第1条に固有の情報ではなく、第2条及び第3条に共通の情報であり、投入動作中フラグが判定時(S6220)に「0」であれば、全条における通過許可残時間情報の値が「0」であることを意味する。また、投入動作中フラグは、全条に対する投入制御処理S6216〜S6218の一巡に応じて「0」に初期化される。なお、実施形態1においてはこのフラグは使用されていない。投入作動中フラグが設定された後に、今回の第1条投入制御処理(S6216)において投入ソレノイド作動フラグが解除されていないために第1条の投入ソレノイド1413aの状態は変化しない(S6219)。また、投入動作中フラグが設定されているために、全条における通過許容期間が終了したとは判定されず(S6220:N)、タイマ割込み処理の実行を待って次回の第1条投入制御処理(S6216)が実行される。
なお、図35とは異なり、第1条の検出位相が変化しないまま(S6402:N)、第1条の通過許容期間が終了する場合(通過許可残時間情報の値が「1」である場合)(S6403)には、第1条の投入フリッカ1413aが通過禁止状態でないために、投入されるべき遊技球が第1条の貯留通路1402aに無いと判断して、後述する球切れ時の処理が実行される。なお、球切れ時の処理の詳細については図36を参照して後述する。また、第1条の通過許可残時間情報の値が「0」である場合(S6411:Y)には、投入動作中フラグは設定されない(S6412のスキップ)。また、第1条の投入ソレノイド作動フラグが解除された場合(S6409)には第1条の投入ソレノイド1413aが投入禁止状態に移行する(S6219)。また、投入動作中フラグが設定されていない場合には、全条における通過許容期間が終了したと判定して(S6220:Y)、初投入動作期間が終了する。なお、所定の条件を満たす(S6204:N,S6205:Y)場合に再投入動作に移行し、所定の条件を満たさない場合には投入動作が終了する。
第1条の通過許容期間内(S6401:Y)に第1条の上流通過検出信号がオフ状態からオン状態に移行し(t11)、この位相変化は正常な位相変化であるので(S6413:Y)、第1条の参照通過位相が第1通過位相から第2通過位相(基本投入禁止移行位相)に更新される(S6415)。また、最終球でない(S6418:N)第1球の通過開始(S6417:Y)であるので、第1条の通過許可残時間情報の値が所定の時間Ta(約300ms)に対応する値に再設定される(S6420)。第1球の通過開始後において通過許可残時間情報の値が「0」となるまでの期間が第1条の通過許容期間(〔振分通過許容期間〕)である。なお、この期間は、第1条における第1球の通過開始の時点から第1条の第2球の通過センサ1415aの通過開始の時点までの通過許容期間を兼ねている。第1条の通過許可残時間情報の値は「0」ではない(S6411:N)ために、投入動作中フラグが設定される(S6412)。
なお、図35とは異なり、検出位相に位相変化があったにも関わらず、正常な位相変化と判定されない場合(S6413:N)には通過順序エラー処理が実行される(S6414)。
その後、第1条の通過許容期間内(S6401:Y)に第1条の下流通過検出信号がオフ状態からオン状態に移行し(t12)、この位相変化は正常な位相変化であるので(S6413:Y)、第1条の参照通過位相が第2通過位相から第3通過位相に更新される(S6414)。また、第1条の通過センサ1415aの通過開始でも通過完了でもなく(S6416:N,S6417:N)、通過許容期間の終了でもない(S6403:N)ために、第1条の通過許可残時間情報の値が「1」だけ減算される(S6404)。また、減算後の第1条の通過許可残時間情報の値は「0」ではない(S6411)ために、投入動作中フラグが設定される(S6412)。
その後、第1条の通過許容期間内(S6401:Y)に第1条の上流通過検出信号がオン状態からオフ状態に移行し(t13)、この位相変化は正常な位相変化であるので(S6411:Y)、第1条の参照通過位相が第3通過位相から第4通過位相に更新される(S6414)。また、第1条の通過センサ1415aの通過開始でも通過完了でもなく(S6416:N,S6417:N)、通過許容期間の終了でもない(S6403:N)ために、第1条の通過許可残時間情報の値が「1」だけ減算される(S6404)。また、減算後の第1条の通過許可残時間情報の値は「0」ではない(S6429)ために、投入動作中フラグが設定される(S6430)。
なお、図35とは異なり、正常な位相変化でないと判定された場合(S6413:N)には、通過順序エラー処理が実行される(S6414)。また、通過許容期間の終了であると判定された場合(S6403:Y)には、第1条を投入許可条としないために投入リトライフラグが解除され(S6409)、第1条の通過センサ1415aを通過中である(S6407:Y)ために通過時間エラー処理が実行される(S6408)。
その後、第1条の通過許容期間内(S6401:Y)に第1条の下流通過検出信号がオン状態からオフ状態に移行する(t14)、この位相変化は正常な位相変化であるので(S6411:Y)、第1条の参照通過位相が第4通過位相から第1通過位相に更新される(S6414)。このとき、第2球は、まだ、第1条の上側素子1415a1には到達しておらず、第1条の上流通過検出信号はオフ状態を維持している。また、第1球の通過センサ1415aの通過完了が検知された(S6416:Y)ために、全条共通の投入残数が「1」だけ減算され(S6421)、全条共通の投入済数が「1」だけ加算され(S6422)、かつ、第1条の投入残数の値が「1」だけ減算される(S6424)。また、ベット数やベット数表示が必要に応じて更新される(S6423)。その後、第1球は最終球でなく(S6425:N)、また、第1条の通過許容期間の終了でもない(S6403:N)ために、第1条の通過許可残時間情報の値が「1」だけ減算される(S6404)。また、減算後の第1条の通過許可残時間情報の値は「0」ではない(S6411)ために、投入動作中フラグが設定される(S6411)。
なお、図35とは異なり、第1条の通過許容期間の終了であると判定された場合(S6403:Y)であっても、第1条の投入フリッカ1413aが既に通過禁止状態であるために、通過時間エラー処理(S6408)が実行されることなく、第1条の通過許可残時間情報の値が「1」だけ減算される。また、第1条において第1球が最終球である場合(S6425:Y)には、第1条の通過許可残時間情報の値が強制的に「0」に設定されて、第1条の投入許可期間が終了する(S6426)。これによって、第1条における初投入動作(投入動作)が完了することとなる。
第1条の通過センサ1415aの通過を完了した第1球は、排出通路1406aを更に流下して、第1条のカウントセンサ1416aに向かう。第1条のカウントセンサ1416aの通過が開始されるとカウントセンサ信号がオフ状態からオン状態に移行する(t15)。カウントセンサ信号がオン状態からオフ状態への移行(t16)によって第1条のカウントセンサ1416aの通過完了が検知されると、補助投入済数が「1」だけ加算される。なお、本形態では、条別にカウントセンサ1416a〜1416cを通過する遊技球の個数は計測しておらず、各カウントセンサ1416a〜1416cを通過する遊技球の総数を一括して計測している。
第2条及び第3条についても第1条の場合と実質的に同一の過程を経て、第2条及び第3条に対する第1球の投入が完了する(t14’,t14”)。また、第1条、第2条及び第3条に対する第2球〜第4球も第1条の第1球と同様の過程を経ることによってそれらの投入が完了する(t24〜t44,t14’〜t44’,t14”〜t44”)。以下においては、最終球である第5球の投入について、最終球でない場合と相違する処理についてのみ詳細に説明する。
第1条の通過許容期間内(S6401:Y)に第1条の上流通過検出信号がオフ状態からオン状態に移行し(t51)、この位相変化は正常な位相変化であるので(S6413:Y)、第1条の参照通過位相が第1通過位相から第2通過位相に更新される(S6415)。また、最終球である(S6418:Y)第1球の通過開始(S6417:Y)であるので、第1条の投入ソレノイド作動フラグが解除された後に(S6419)、第1条の通過許可残時間情報の値が所定の時間Taに対応する値に再設定され(S6420)、投入動作中フラグが設定される(S6412)。
その後、第1球の場合と同様に、第1条の通過許容期間内(S6401:Y)に第1条の下流通過検出信号がオフ状態からオン状態に移行し(t52)、その後、第1条の通過許容期間内(S6401:Y)に第1条の上流通過検出信号がオン状態からオフ状態に移行し(t53)、更にその後、第1条の通過許容期間内(S6401:Y)に第1条の下流通過検出信号がオン状態からオフ状態に移行する(t54)。第1球の場合と同様に、第5球の通過センサ1415aの通過完了の検知(S6416:Y)に応じて、全条共通の投入残数の更新(S6421)、全条共通の投入済数の更新(S6422)、必要に応じたベット数やベット数表示の更新(S6423)及び第1条の投入残数の更新(S6424)が行われる。更に、第5球は最終球である(S6425:Y)ために、第1条の通過許可残時間情報の値が強制的に「0」に設定され(S6426)、投入動作中フラグが解除された状態を維持することとなる(S6412)。
第1条における初投入動作が完了した時点において、図35に示された場合であれば、既に第2条及び第3条における初投入動作は完了しているために、今回の第2条投入制御処理S6217及び第3条投入制御処理S6218においても投入動作中フラグが設定されないために、全条の通過許容期間が終了したと判定される(S6220:Y)。これによって、初投入動作期間が終了し、実質的に同時に投入制御中フラグが解除されて投入制御作動期間が終了する(tc;S6113)。なお、投入制御作動期間の終了に先立ち、マックスベットボタン1304の操作に応じた処理を実行しない投入操作禁止期間を設け(S6111)、また、第1条のカウントセンサ1416aを通過する遊技球の個数を計数する期間を所定の時間Tbだけ延長させるために、補助通過許容期間が設定される(S6112)。なお、第1条の第5球は投入動作期間が終了した後に、第1条のカウントセンサ1416aを通過完了する(t56)が、補助通過許容期間内であるために期間外投入エラーフラグが設定されることはない。
所定数の投入許可数の遊技球の投入が完了した後の始動レバー1124の操作(te)に応じて個数比較タイマが設定され、始動レバー1124の操作(te)から所定の時間Tcが経過した際(tf)に、投入済数と補助投入済数とが所定の条件(投入済数≦補助投入済数や投入済数≦補助投入済数+3(条数))を満たすかが判定され、所定の条件を満たさない場合には、個数エラーと判断して個数エラーフラグが設定される。個数エラーフラグが設定されると今回の単位遊技の終了後に、遊技進行が強制的に停止されると共に個数エラーの報知が行われる(S2403)。
ここで、球切れや球詰まりの発生によって再投入動作が行われる場合について説明する。図36は、球切れや球詰まりの発生によって再投入動作を行う場合の投入動作の一例を表すタイミングチャートである。図36においては、第2条において、第2球の投入で球切れが発生した場合が表されている。なお、以下においては、再投入動作が行われない場合と相違する動作についてのみ詳細に説明する。
図36に示されたように、第2条の通過許容期間内(S6401:Yに相当)において、第3球が第2条の通過センサ1415aの通過を開始せずに第2球の第2条の通過センサ1415aの通過開始からの時間が所定の時間Taに到達する場合(t27’;S6403:Yに相当)、第2条を投入許可条としないために第2条の投入リトライフラグが解除される(S6406)。第2条の投入リトライフラグの解除後に、第2条において第3球が通過センサ1415bを通過中でないために(S6407:Nに相当)、第2条の投入フリッカ1413bを通過禁止状態に戻すために第2条の投入ソレノイド作動フラグが解除される。第2条の投入ソレノイド作動フラグの解除後に、第2条の通過許可残時間情報が所定の球切れ待機時間Td(本形態では、約200ms)に対応する値(「75」)に再設定される。これによって、第1条における通過許容期間が球切れ待機時間だけ延長される。所定の球切れ待機時間Tdの後に第2条における通過許容期間が終了し(S6403:Yに相当)、また、既に第2条の投入ソレノイド作動フラグは解除されている(S6405:Y)ために、第2条に割り当てられた5球のうち2球の投入しか完了しておらず、かつ、第1条及び第3条は投入許可条であるために、投入制御動作の完了でないと判定される(S6204:N,S6205:Y)。
初投入動作期間後であって、所定の時間Te(約80ms)だけ待機した後に(S6207)、吊球フラグが設定されていないことが検知され(S6208:N)、第1条及び第3条において再投入動作が開始される(th)。第2条で投入すべきであったが投入されなかった遊技球の個数(図36においては「3」)が投入許可条である第1条及び第3条のみに振り分けられる(S6209)。具体的には、振分における条別の優先度を考慮して、第3条に2球の投入が割り当てられ、第1条に1球の投入が割り当てられる。この場合の再投入動作においては、第3条における第2球及び第1条における第1球が最終球である。再投入動作が開始されると(th)、初投入動作の場合と同様にして第3条において2球及び第1条において1球の遊技球が投入される。再投入動作において、第1条の通過許容期間が終了し(t64)、かつ、第3条の通過許容期間が終了する(t74”)と、再投入動作期間が終了し、この場合には投入許可数の遊技球の投入が完了しているので全条の通過許容期間が終了したと判定され(S6220:Y)、実質的に同時に投入制御中フラグが解除されて投入制御作動期間が終了する(tc;S6113)。
ここで、吊球が発生した際の遊技球の投入制御について概ね時系統に沿って説明する。図37は、吊球の捕捉に基づいて投入が再実行される再投入動作の一例を表すタイミングチャートである。なお、図35に示された投入動作の初期条件と同一条件である場合において、図35に示された投入動作と異なる動作についてのみ詳細に説明する。
第1条において第1球〜第4球は、図35に示された場合と同様にして投入が完了する。図37に示されたように、第1条における第5球(最終球)が第1条の上側素子1415a1の通過を開始すると、第1条の上流通過検出信号がオフ状態からオン状態に移行する(t51)。このとき、第1条の下流通過検出信号はオフ状態を維持している。
第1条において第5球の通過センサ1415aの通過開始が検知されると(S6416:N,S6417:Y)、通過を開始した第5球が最終球である(S6418:N)ために、第1条の投入ソレノイド作動フラグが解除され、第1条の通過許可残時間情報が所定の時間Ta(約300ms)に対応する値(「203」)に再設定される(t51;S6420)。第1条の通過許容期間が延長されると第1条の通過許可残時間情報は「0」ではない(S6411:N)ために、投入動作中フラグが設定される(S6412)。投入動作中フラグの設定後に、今回の第1条投入制御処理(S6216)で投入ソレノイド作動フラグが解除されたために、第1条の投入フリッカ1413aの投入許可状態から投入禁止状態への実際的な移行が行われる(S6219)。その後、第1球の上側素子1415a1の通過開始を待つ場合と同様にして、第1条の上流通過検出信号又は下流通過検出信号の出力が変化するのを待つ。しかし、この第1条の投入フリッカ1413aの移動途中において、第1条における第5球が吊球となり、第5球の流下が停止される。
第5球が吊球となると、検出通過位相が変化せず(S6402:N)、第1条の通過許容期間が満了予定となり(S6403:Y)、既に第1条の投入ソレノイド作動フラグが解除されており(S6405:Y)、かつ、第1条の上流通過検出信号がオン状態である(S6406:Y)ために、最終的に第1条の通過許容期間が終了する(S6404)。これによって、第1条における初投入動作が終了する。第1条の通過許容期間が終了している(S6411:Y)ので、投入動作中フラグは設定されない(S6412)。なお、図37に示されたように、第2条及び第3条の投入許可数の遊技球の投入は完了しているために、全条の通過許容期間が終了したと判定される(S6220:Y)。これによって、初投入動作期間が終了する(tg)。
初投入動作期間後において、第1条の吊球は投入済として計数されないために全条の投入許可数の投入は完了しておらず(S6204:N)、第1条から第3条は投入許可条であり(S6205:Y)、かつ初投入動作は完了している(S6206:N)ので、投入制御動作は終了せず、再投入動作に移行する。再投入動作において、まず、所定の時間Te(約80ms)だけ待機する(S6207)。その後、上流通過検出信号がオン状態であり、かつ下流通過検出信号がオフ状態である(S6208:Y)ために、吊球の発生が検知されて、吊球フラグが設定される(th;S6210)。また、第1条の投入ソレノイド作動フラグが再設定され、通過許可残時間情報が所定の時間Taに対応する値に設定されることによって第1条の通過許容期間が設定される(S6211)。なお、球切れ等による再投入動作の場合と異なり、参照通過位相は変更されない。
第1条の投入ソレノイド作動フラグのみが設定されているために、第1条のみによって再投入動作が実行される。第1条の投入ソレノイド1414aが駆動されて(S6219)、投入フリッカ1413aが投入許可状態へ移行し、貯留通路1402aから排出通路1406aへの吊球の流下が再開される。なお、再投入動作の開始時において、第1条の上流通過検出信号はオン状態であり、第1条の下流通過検出信号はオフ状態である。
その後、第1条の通過許容期間内(S6401:Y)に第1条の下流通過検出信号がオフ状態からオン状態に移行する(t52;S6402:Y)。この位相変化は、初投入動作から再投入動作に移行する際に参照通過位相を初期化しなかったために正常な位相変化となる。位相変化が正常であるために(S6413:Y)、第1条の参照通過位相が第2通過位相から第3通過位相(変則投入禁止移行位相)に更新される(S6414)。また、第1条の通過センサ1415aの通過開始でも通過完了でもない(S6416:N,S6417:N)が、吊球フラグが設定されており(S6427:Y)、通過位相が第3通過位相である(S6428:Y)ために、第1条の投入ソレノイド作動フラグが解除される(S6429)。その後は、初投入動作の場合と同様に再投入動作が進行し、最終的に再投入動作が終了する。
ここで、吊球が発生すると共に球切れや球詰まりが発生した際の遊技球の投入制御について概ね時系統に沿って説明する。図38は、吊球の捕捉に基づく再投入動作及び球切れや球詰まりに基づく再投入動作が実行される投入制御動作の一例を表すタイミングチャートである。なお、図37に示された投入動作の初期条件と同一条件である場合において、図37に示された投入動作と異なる動作についてのみ詳細に説明する。図38には、第1条において吊球が発生し、第2条において球切れが発生した場合が示されている。
第1条において第5球による吊球が発生しているために、第1条の通過許容期間が終了する(S6404)、これによって、全条の通過許容期間が終了したと判定されて(S6220:Y)、初投入動作期間が終了する(tg1)。なお、図38に示された場合には、第2条において第2球の投入後に球切れが発生し、第2条の通過許容期間が終了しており、また、第3条においては遊技球の投入が完了して第3条の通過許容期間が終了している。初投入動作期間後において、第1条における吊球の投入及び第2条における3球分の遊技球の投入が完了していないために全条に対応する投入許可数の投入は完了しておらず(S6204:N)、第1条及び第3条は投入許可条であり(S6205:Y)、かつ初投入動作は完了している(S6206:N)ので、投入制御動作は終了せず、再投入動作に移行することとなる。
初投入動作期間後であって、所定の時間Te(約80ms)だけ待機した後に(S6207)、吊球の発生が検知されて、第1条における吊球のみを投入する再投入動作が開始される(th1)。吊球の投入が終了しても(tg2)、初投入動作において第2条で投入されるべきであった3球分の遊技球の投入が完了しておらず(S6204:N)、第1条及び第3条は投入許可条であり(S6205:Y)、かつ初投入動作は完了している(S6206:N)ので、投入制御動作は終了せず、再度、再投入動作に移行することとなる。
吊球に起因する再投入動作後であって、所定の時間Te(約80ms)だけ待機した後に(S6207)、第1条及び第3条によって3球の遊技球を投入する再投入動作が開始される(th2)。3球の遊技球の投入が完了すると、全条に対応する投入許可数の遊技球の投入が完了したと判定され(S6204:Y)、再投入動作が終了し、実質的に同時に投入制御期間が終了する(tc)。
上記の構成であれば、遊技球を自重によって媒体通路を流下させることができると共に、遊技球の流下を媒体通路の実質的な幅によって規制することによって、所定数の遊技球を高速で取り込むことができ、円滑な単位遊技の進行が実現できる。更に、吊球を本来投入数の計測に用いる通過センサ1415a〜1415cの上側素子1415a1〜1415c1で兼用して検出させるために、吊球を検出させるための専用の検出手段が不要となり、構成の複雑化を防止できると共に、投入通路の実質的な幅が変化する部位の近くで遊技球を検出でき、遊技球が過剰に取り込まれることを防止できる。更に、吊球を自動的に再投入させて除去するために、捕捉媒体に起因する遊技進行の中断を抑制できる。
また、上記の構成であれば、複数条で同時に投入させることによって更に高速で所定数の遊技球を取り込むことができる。
上記の構成であれば、全条における遊技媒体の捕捉の発生を同一タイミングで一括して検知できる。これによって、投入制御やその制御プログラムを簡素化できる。また、所定の再投入待機期間だけ待機することによって、全ての振分媒体通路(全条の投入通路)に遊技球が存在しない状態で吊球の投入が行える。また、吊球の投入の直前に吊球の捕捉を検知するために、吊球を確実にかつ円滑に投入できる。これは、一旦吊球が発生したとしてもその捕捉が時間の経過と伴に解除されて、吊球が正常に投入できなくなる場合があるからである。
また、上記の構成であれば、第1条〜第3条の通過センサ1415a〜1415cによる遊技媒体の検出状態を確認して第1条〜第3条の投入フリッカ1413a1〜1413c1を投入許容状態から投入禁止状態へ移行させることができるために、捕捉遊技媒体を確実に投入できる。これは、遊技球は空間的に様々な態様で捕捉されるために、吊球を投入するために要する時間に不確定性があり、実施形態1のように一定時間後に第1条〜第3条の投入フリッカ1413a1〜1413c1を投入禁止状態に移行させる場合よりも、その影響を受け難いからである。
また、上記の構成であれば、初投入動作において、第1条〜第3条の投入フリッカ1413a1〜1413c1を通過禁止状態に移行させる第2通過位相(基本通過位相)が最終球の通過を最も早く検出される検出状態に基づく通過位相と同一であるために、最終球に後続する遊技球の投入を確実に遮断でき、過剰な遊技球の投入が確実に防止できる。また、吊球の発生による再投入動作において、第1条〜第3条の投入フリッカ1413a1〜1413c1を通過禁止状態に移行させる第3通過位相(変則通過位相)が最終球の通過が第2番目に早く検出される検出状態に基づく通過位相と同一であるために、捕捉媒体に後続する遊技球の投入を確実に遮断でき、過剰な遊技球の投入が確実に防止できる。なお、吊球が第1条〜第3条の通過センサ1415a〜1415cを通過する速度は初投入動作における最終球の速度よりも遅く、また、吊球に後続する遊技媒体が第1条〜第3条の通過センサ1415a〜1415cに流入する速度は初投入動作における最終球が系統別媒体検出手段に流入する速度よりも遅いために、第1条〜第3条の投入フリッカ1413a1〜1413c1を通過禁止状態に移行させるタイミングが初投入動作の場合と吊球に起因する再投入動作の場合とで異なっても同等に過剰な遊技媒体の投入を防止できることとなる。
また、上記の構成であれば、吊球に起因する再投入動作において第1条〜第3条の投入フリッカ1413a1〜1413c1を通過位相の変化に応じて通過禁止状態へ移行させることによって、上流捕捉の吊球を投入させるための第1条〜第3条の投入フリッカ1413a1〜1413c1の作動を制御するために別途の構成を設けるような構造の複雑化が防止でき、また、その制御をするための期間を別途に管理する場合のような制御プログラムの複雑化や制御処理負担の増大を防止できる。
また、上記の構成であれば、第1条〜第3条の投入フリッカ1413a1〜1413c1の投入許容状態への移行から投入禁止状態への移行までの一回の規制動作において各条の通過許可数と同数の遊技球が投入されなかった場合には、未完投入数(投入が完了しなかった個数)と同数の遊技球を投入が完了しなかった条と異なる条において自動的に再投入させることができるために、全条の貯留通路に投入許可数と同数の遊技球が貯留されている限りにおいて、それらを確実に投入できる。
また、上記の構成であれば、吊球の投入と未完投入数の遊技球の投入とを個別に実行するために、それらの投入を確実に実行できる。これは、吊球と未完投入数の遊技媒体との投入を一括して行う場合には、吊球の発生している投入系統において吊球と未完投入数の遊技球の少なくとも1つが連続して投入されたときに、吊球とそれに後続する遊技媒体との間隔が通常時よりも狭くなり正常に投入できない場合が発生するが、上記の構成であれば、このような問題が発生しないからである。
また、上記の構成であれば、初投入動作期間の満了から所定の時間後に吊球の発生を判定することによって、遊技球が弱い応力で一旦捕捉されたがその後に投入が完了される場合であれば吊球の発生に起因する再投入を行わないことができる。したがって、捕捉媒体の発生に起因する再投入においては捕捉媒体のみを確実に投入できる。
また、上記の構成であれば、吊球に起因する通過許容期間外の投入媒体検出手段による遊技媒体の検出によっては遊技進行を中断させることなく、不正投入装置を用いた不正行為を抑制できる。
また、上記の構成であれば、遊技球の投入において通過センサ1415の上側素子1415a1〜1415c1及び下側素子1415a2〜1415c2の通過順序を監視して、遊技球の通過順序が所定の規定通過順序と異なるときであって吊球が検知されていない場合に、遊技球の通過順序異常と判定することによって、遊技進行が中断されることなく、不正投入装置を用いた不正行為を抑制できる。また、上記の構成であれば、上側素子1415a1〜1415c1の通過を開始してから下側素子1415a2〜1415c2の通過を完了するまでの通過時間を監視して、所定の通過許容期間外に通過センサ1415によって遊技球が検出されたときであって吊球が検知されていない場合に、遊技球の通過時間異常と判定することによって、遊技進行が中断されることなく、不正投入装置を用いた不正行為を抑制できる。
上記においては、所定数の遊技球の投入を3条で協同して行ったが、本発明においては、3条と異なる複数条で共同して行ってもよいし、1条のみで行ってもよい。