JP2008232233A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オリフィス通路を通じての流体の流動作用による防振効果や衝撃的な荷重入力時の異音や振動の低減効果が有効に得られると共に、受圧室と平衡室の短絡構造や圧力変動吸収機構が簡単な構造とされて、低コスト化等が有利に図られ得る、新規な構造の流体封入式防振装置を提供する。
【解決手段】仕切部材30の収容領域56の外周壁部38に受圧室72と平衡室74を連通する短絡孔88が形成され、外周壁部38の内周面に可動板76の外周面が当接されて短絡孔88が覆蓋されていると共に、可動板76が仕切部材30に対して板厚方向で弾性的に位置決めされており、受圧室72と平衡室74の圧力差によって可動板76が受圧室72側に弾性的に変位して短絡孔88の可動板76による覆蓋状態が解除されて短絡孔88と収容領域56を通じて受圧室72と平衡室74が相互に連通される。
【選択図】図1

Description

本発明は、非圧縮性流体が封入された受圧室と平衡室を相互に連通せしめるオリフィス通路を通じての流体の共振作用等の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式防振装置に係り、特に、受圧室の圧力変動を吸収する機構を備えた流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体や防振支持体等の防振装置の一種として、内部に封入された非圧縮性流体の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式防振装置が知られている。この流体封入式防振装置は、第一の取付部材と第二の取付部材が互いに離隔配置されて、本体ゴム弾性体により弾性連結されていると共に、第二の取付部材の内側に非圧縮性流体が封入された流体封入領域が設けられた構造とされている。かかる流体封入領域には、第二の取付部材に固定的に支持された仕切部材が配設されて、仕切部材を挟んだ両側に壁部の一部が本体ゴム弾性体で構成された受圧室と壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室が形成されていると共に、それら受圧室と平衡室が、仕切部材に形成されたオリフィス通路によって相互に連通せしめられている。このような構造によれば、振動入力に伴い受圧室と平衡室の間に相対的な圧力変動の差が生じて、オリフィス通路を通じての流体の流動量が確保されることとなり、かかる流体の共振作用等の流動作用に基づいて防振効果が得られるようになっていることから、例えば自動車用のエンジンマウントやボデーマウント、デフマウントの他サスペンションメンバマウント等への適用が検討されている。
ところが、オリフィス通路を通じての流体の共振作用により発揮される防振効果が、予めオリフィス通路がチューニングされた比較的に狭い周波数域に限られるため、要求される高度な防振特性に対応することが難しいという問題があった。
そこで、例えば、オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域で問題となる振動が入力された際に、それに起因する急激な圧力変動の上昇を抑えて、防振効果を安定して得ることを目的として、圧力変動吸収機構を設けることが提案される。この圧力変動吸収機構は、特許文献1(特公平07−107416号公報)にも示されているように、受圧室と平衡室を仕切る仕切部材にゴム膜からなる可動部材を配設して、一方の面に受圧室の圧力が及ぼされ且つ他方の面に平衡室の圧力が及ぼされる構造を呈している。かかる高周波数域の振動入力に伴い、可動部材が変形して圧力変動が吸収されることによって、高動ばね化が回避されることとなる。
ところで、上述の流体封入式防振装置では、第一の取付部材と第二の取付部材の間に衝撃的に大きな振動荷重が入力されると、防振装置から異音が発せられる場合があった。具体的に、例えば、かかる流体封入式防振装置を自動車用のエンジンマントに採用して、波状路やスピードブレーカ等を走行した場合に、車室内で乗員が体感できる程の異音や衝撃が発せられることがあった。
このような異音や振動の発生原因には、キャビテーションと解せられる気泡の形成が挙げられる。かかる気泡は、衝撃的な荷重入力時に、オリフィス通路を通じての受圧室と平衡室の間での流体流動が追従しきれず、受圧室内に過大な負圧が生ぜしめられることに起因して、非圧縮性流体に溶存していた気体が流体から分離することにより発生する。気泡は、発生から成長に至る過程で略球状の安定状態を保つが、崩壊に際して変形し、爆発的な微小噴流を形成することとなり、これが水撃圧となって第一の取付部材や第二の取付部材に伝播し、自動車のボデー等に伝達されることによって、前述の如き問題となる異音や振動が生ぜしめられるに至るものと考えられている。
そこで、特許文献1には、上述の問題に対処するための一つの方策としての流体封入式防振装置が示されている。かかる流体封入式防振装置では、仕切部材に支持される可動部材に切り込みを入れることで、受圧室と平衡室との相対的な圧力差が過大となった場合に、かかる圧力差に基づく可動部材の弾性変形によって、切り込み部が開口せしめられ、かかる開口部分を通じて受圧室と平衡室が相互に連通せしめられる。これにより、受圧室の過負圧状態が解消されて、キャビテーションの発生が抑えられるようになっている。
ところが、可動部材に切り込み部が設けられていることにより、切り込み部を開口せしめる必要がない過大な正圧等が受圧室に生じた際にも、可動部材が大きく弾性変形して、切り込み部が開口せしめられるおそれがあった。その結果、防振すべきオリフィス通路のチューニング周波数域の振動入力時等にも、受圧室と平衡室の間で短絡が生ぜしめられて、受圧室と平衡室の間の相対的な圧力変動の差が有効に生ぜしめられないことによるオリフィス通路を通じての流体の不十分な流動量に起因して、オリフィス通路を通じての流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果(高減衰効果)が十分に発揮され難いおそれがあった。
なお、このような問題に対処するために、例えば、本出願人が先に出願した特許文献2(特願2006−52971号明細書および図面)にも示されているように、仕切部材に受圧室と平衡室を連通する短絡路を形成すると共に、短絡路を連通状態と遮断状態に切り換える弁体を設けて、その弁体を所定の初期弾性変形量で遮断状態に保持させる金属ばねを設けた構造を採用することも考えられる。これにより、受圧室が通常の大きさの圧力状態下、金属ばねの弾性変形作用により短絡路の遮断状態を保持して、オリフィス通路を通じての流体流動量を確保する一方、受圧室が問題となる過負圧状態では、金属ばねの弾性変形作用に抗して短絡路を連通状態として、受圧室の過負圧状態を抑える。要するに、金属ばねを利用して弁体の作動安定性を向上させるのである。
しかしながら、弁体の一部に金属ばねを採用する場合には、一般に、コストの低減化が期待され難くなると共に、弁体の構造が複雑になる等の問題があった。更に、弁体と共に上述の圧力変動吸収機構を仕切部材に設けるとなると、仕切部材を含む全体構造が複雑になることに加え、仕切部材において圧力変動吸収機構や弁体の配設スペースが十分に確保され難いことから、所期の防振効果や異音低減効果が安定して得られ難くなる可能性もあったのである。
特公平07−107416号公報 特願2006−52971号明細書および図面
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであり、その解決課題とするところは、目的とするオリフィス通路を通じての流体の流動作用による防振効果や衝撃的な荷重入力時の異音や振動の低減効果が有効に得られつつ、それらの効果を実現せしめる受圧室と平衡室の短絡構造や圧力変動吸収機構が、比較的に簡単な構造とされることによって、低コスト化やコンパクト化が有利に達成され得る、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
以下、前述の課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、本発明の特徴とするところは、第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結されており、第二の取付部材に固定的に支持された仕切部材を挟んだ両側に壁部の一部が本体ゴム弾性体で構成された受圧室と壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室が形成されて、受圧室と平衡室に非圧縮性流体が封入されていると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通せしめるオリフィス通路が仕切部材に形成されている一方、仕切部材に設けられた収容領域に可動板が変位可能に収容配置されており、可動板の一方の面に受圧室の圧力が及ぼされ且つ可動板の他方の面に平衡室の圧力が及ぼされるようにして圧力変動吸収機構が構成されている流体封入式防振装置において、仕切部材における収容領域の外周壁部に受圧室と平衡室を相互に連通せしめる短絡孔が形成されており、収容領域において短絡孔が形成された外周壁部の内周面に可動板の外周面が当接されて短絡孔が覆蓋されていると共に、可動板が仕切部材に対して板厚方向で弾性的に位置決めされており、可動板の両面に作用する受圧室と平衡室の圧力差によって可動板が受圧室側に弾性的に変位せしめられることにより短絡孔の可動板による覆蓋状態が解除されて短絡孔と収容領域を通じて受圧室と平衡室が相互に連通されるようになっている流体封入式防振装置にある。
このような本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、受圧室の通常の圧力状態下、可動板が仕切部材に弾性的に位置決めされて、可動板で短絡孔を覆蓋せしめる状態が保持されているので、受圧室の圧力が短絡孔を通じて漏れることが抑えられて、オリフィス通路を通じての流体流動量が十分に確保される。また、特に、オリフィス通路のチューニング周波数域よりも高周波数域の振動入力によりオリフィス通路が実質的に目詰まり状態となった場合にも、仕切部材に弾性的に位置決めされた可動板の変位に基づいて、受圧室の圧力が吸収される。即ち、受圧室の通常の大きさの圧力状態では、可動板が仕切部材の収容領域に確実に位置決め配置されて、可動板の目的とする変位量および短絡孔を流体密に覆蓋するシール性能が安定して確保されることから、オリフィス通路を通じての流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果や、オリフィス通路の目詰まり状態に起因する高動ばね化の回避効果が、有利に発揮され得る。
一方、衝撃的な荷重が第一の取付部材と第二の取付部材の間に入力されて、受圧室に過大な負圧が生ぜしめられると、可動板の表裏に作用する圧力差が大きくなって、可動板の仕切部材に対する弾性的な位置決め力に抗して可動板が受圧室側に変位して短絡孔が連通状態となり、受圧室と平衡室が短絡孔を通じて相互に連通せしめられる。その結果、受圧室の過大な負圧状態が解消されて、キャビテーション気泡の発生が抑えられ、気泡の発生に起因する問題となる異音が有利に抑制される。
なお、短絡孔が連通状態とされることで受圧室の大きな負圧が解消されると、可動板は、その表裏に作用する圧力差が小さくなることにより、可動板を仕切部材に弾性的に位置決めさせる部分による弾性復元力に基づき可動板が元の位置に復元されて、短絡孔が再び遮断状態になる。それ故、短絡孔を通じての受圧室の圧力逃げに起因して、オリフィス通路による流体流動作用に基づく防振効果の低下も大きな問題となることがない。
特に本構造によれば、圧力変動吸収機構の一部を構成する可動板が、可動板を仕切部材に弾性的に位置決めさせる部分の弾性変形に基づく可動板の変位により、受圧室と平衡室を遮断状態と連通状態に切り換える弁体としても機能することから、弁体の別途配設に伴う部品点数の増加が抑えられると共に、構造が簡単となる。
それ故、本構造の流体封入式防振装置においては、製造効率の向上や低コスト化やコンパクト化が有利に図られつつ、収容領域における可動板の安定した変位により、目的とするオリフィス通路を通じての流体流動作用による防振効果や衝撃的な荷重入力時の異音や振動の低減効果が有利に発揮され得るのである。
また、本発明に係る流体封入式防振装置では、可動板がゴム弾性体で形成されていると共に、可動板が収容領域の外周壁部に対して圧縮状態で当接されている構造が、好適に採用される。このような構造によれば、可動板を仕切部材に弾性的に位置決めさせる手段が可動板で構成されることとなり、可動板と別体構造の位置決め手段を特別に設ける必要もないことから、構造が一層簡単になる。また、可動板と収容領域の外周壁部の間の流体密性が向上されて、延いては可動板による短絡孔のシール性能が一層有利に発揮され得る。
さらに、かかる構造によれば、受圧室に過大な負圧が発生した際に、可動板の両面に作用する圧力差が大きくなり、可動板の収容領域の壁部に当接する部分の一部が壁部から離隔する方向に弾性変形することによって、可動板の仕切部材に対する位置決め作用が解除されて、可動板が受圧室側に変位して短絡孔を開口せしめることとなる。そこにおいて、かかる離隔した弾性変形量に相当する分だけ、当接する部分の少なくとも一部の圧縮変形量が一層大きくなり、それによって、可動板の両面に作用せしめられる圧力差が大きくなっても可動板の変位が安定し、可動板の仕切部材への衝撃的な打ち当たりが抑えられて、該打ち当たりに起因する異音問題が解消される。また、圧縮変形量が十分に確保されることにより、短絡孔が連通状態とされることで受圧室の過負圧状態が解消された後、可動板の弾性復元力が一層有利に発揮されて、短絡孔が遮断状態に速やかに戻される。
また、本発明に係る流体封入式防振装置では、可動板の板厚方向における可動板と収容領域の外周壁部との対向面の少なくとも一方には、収容領域の外周壁部に向かって突出する弾性保持突部が設けられている構造が、好適に採用される。このような構造によれば、可動板の収容領域の外周壁部に対する当接面積が実質的に小さくされることにより、可動板が外周壁部に過大に乃至は衝撃的に打ち当たることが抑えられて、かかる打ち当たりに起因する異音の発生が有利に低減され得る。しかも、凸形状の弾性保持突部を介して可動板が収容領域の外周壁部に当接せしめられることにより、可動板と収容領域の外周壁部の間の流体密性、延いては可動板による短絡孔のシール性能がより一層向上され得る。
ここにおいて、可動板が収容領域に配設された状態下、可動板が弾性保持突部を介して収容領域の外周壁部に当接されることで、可動板が収容領域の所定位置に弾性的に保持される結果、弾性保持突部が可動板の仕切部材に対する位置決め手段として構成される。また、弾性保持突部が、収容領域の外周壁部から離隔する方向に変位乃至は変形したり、可動板と外周壁部の間で圧縮変形したり、或いは外周壁部に当接しながら摺動変位すること等によって、可動板の収容領域における変位が許容される。
さらに、前述の本発明に係る流体封入式防振装置では、弾性保持突部が突出方向に向かって先細り形状とされている構造が、より好適に採用される。このような構造によれば、可動板の仕切部材に対する実質的な当接面積がより一層小さくされると共に、弾性保持突部の可動板から突設される基端部分の過大な応力が低減されて、耐久性が向上され得る。
更にまた、上述の本発明に係る流体封入式防振装置では、可動板の収容領域への配設状態下において、弾性保持突部が可動板の板厚方向で圧縮変形されている構造が、より好適に採用される。このような構造によれば、可動板の仕切部材に対する位置決めが一層安定すると共に、可動板の収容領域の外周壁部への衝撃的な打ち当たりが有利に防止され得る。
また、本発明に係る流体封入式防振装置では、可動板の外周面には、外周側に向かって突出する弾性蓋突部が設けられていると共に、可動板の収容領域への配設状態下において弾性蓋突部が収容領域の外周壁部の内周面に当接されている構造が、好適に採用され得る。このような構造によれば、可動板と収容領域の壁部の間のシール性能を向上させつつ、可動板の変位抵抗を抑えることが出来、それによって、短絡孔の遮断状態および連通状態が一層確実となる。
さらに、上述の本発明に係る流体封入式防振装置では、短絡孔が収容領域の外周壁部の周上で相互に離隔して複数形成されていると共に、弾性蓋突部が可動板の周方向の全周に連続して形成されている構造が、より好適に採用され得る。このような構造によれば、受圧室と平衡室の短絡許容領域が広い範囲に亘って実現されて、受圧室の過負圧状態が効率良く解消され得る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について説明する。先ず、図1には、本発明の流体封入式防振装置に係る一実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。この自動車用エンジンマウント10では、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16で連結されている。第一の取付金具12がパワーユニット側に取り付けられると共に、第二の取付金具14が車両ボデー側に取り付けられることにより、パワーユニットが車両ボデーに対して防振支持されるようになっている。
なお、図1では、自動車に装着する前のエンジンマウント10の単体での状態が示されているが、本実施形態では、装着状態において、パワーユニットの分担支持荷重がマウント軸方向(図1中、上下)に入力される。従って、マウント装着状態下では、本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づき第一の取付金具12と第二の取付金具14が軸方向で互いに接近する方向に変位する。また、かかる装着状態下、防振すべき主たる振動は、略マウント軸方向に入力されることとなる。以下の説明中、特に断りのない限り、上下方向は、マウント軸方向となる図1中の上下方向をいう。
より詳細には、第一の取付金具12が、略円板形状を有していると共に、その中央部分には固定用ボルト18が上方に向かって突設されている。第一の取付金具12は、固定用ボルト18を介して図示しないパワーユニット側の取付部材に螺着固定されるようになっている。
一方、第二の取付金具14が、大径の略円筒形状を有しており、その軸方向中間部分において軸直角方向に略円環形状に延びる段差部20が形成されていると共に、段差部20の内周縁部から上方に向かう部位が、上方から下方に向かって径寸法が次第に小さくなるテーパ状筒部22とされている。また、第二の取付金具14の段差部20の外周縁部から下方に向かう部位が、大径リング状のかしめ筒部24とされている。
このような第二の取付金具14のテーパ状筒部22の開口部側に第一の取付金具12が離隔配置されて、両金具12,14の中心軸が略同一線上に位置せしめられている。第一の取付金具12と第二の取付金具14の間には、本体ゴム弾性体16が配されている。
本体ゴム弾性体16は、略円錐台形状を有しており、その大径側端面には、逆すり鉢形状の凹所26が設けられている。本体ゴム弾性体16の小径側端面が第一の取付金具12の下端面に加硫接着されていると共に、本体ゴム弾性体16の大径側端部外周面が第二の取付金具14のテーパ状筒部22の内周面に加硫接着されている。また、本体ゴム弾性体16と一体形成された薄肉のシールゴム層28が、第二の取付金具14の段差部20の内周面(下端面)およびかしめ筒部24の周壁部分の内周面に被着形成されている。即ち、本体ゴム弾性体16は、第一の取付金具12と第二の取付金具14を備えた一体加硫成形品として形成されており、それによって、第一の取付金具12と第二の取付金具14が、本体ゴム弾性体16で相互に弾性的に連結されていると共に、第二の取付金具14の軸方向一方(図1中、上)の開口部が本体ゴム弾性体16で流体密に閉塞されている。
第二の取付金具14の軸方向他方(図1中、下)の開口部から仕切部材30が組み付けられている。仕切部材30は、アルミニウム合金や鉄鋼等の金属材を用いて形成されていると共に、第一仕切金具32と第二仕切金具34を含んで構成されている。
第一仕切金具32は、全体として下方に開口する段付きの略有底円筒形状を有している。第一仕切金具32の軸方向中間部分において軸直角方向に略円環板形状に延びる段差部36の内周縁部から上方に立ち上がるようにして、小径の円筒形状の小径筒壁部38が形成されていると共に、段差部36の外周縁部から下方に延びるようにして小径筒壁部38よりも大径の円筒形状の大径筒壁部40が形成されている。また、第一仕切金具32の中央部分には、小径筒壁部38の上方開口部を塞ぐようにして円板形状の上壁部42が形成されている一方、第一仕切金具32の外周部分には、大径筒壁部40の開口部分から軸直角方向外方に延びるようにして円環板形状の鍔状部44が形成されている。更に、第一仕切金具32の上壁部42には、複数の小孔からなる透孔46が貫設されている。
一方、第二仕切金具34は、浅底の略円形皿状を呈していて、その径方向中間部分に円筒形状の筒壁部48が形成されており、第二仕切金具34の中央部分において筒壁部48の上方開口部を塞ぐようにして円板形状の上壁部50が形成されていると共に、筒壁部48の開口部分から軸直角方向外方に延びるようにして円環板形状の鍔状部52が形成されている。また、第二仕切金具34の上壁部50には、複数の小孔からなる透孔54が貫設されている。
本実施形態では、第二仕切金具34の上壁部50の径寸法が、第一仕切金具32の小径筒壁部38の外径寸法、換言すれば第一仕切金具32の段差部36の内径寸法と同じかそれよりも僅かに大きくされている。また、第二仕切金具34の筒壁部48の外径寸法が、第一仕切金具32の段差部36の内径寸法に比して大きくされていると共に、第一仕切金具32の大径筒壁部40の内径寸法に比して十分に小さくされている。また、第一仕切金具32の鍔状部44の外径寸法と第二仕切金具34の鍔状部52の外径寸法が略同じとされている。即ち、第一仕切金具32の大径筒壁部40の外径寸法が、第二仕切金具34の鍔状部52の外径寸法に比して十分に小さくされている。
このような第一仕切金具32と第二仕切金具34が、互いの中心軸を同一線上(マウント10の中心軸上)に位置せしめて、軸方向に重ね合わせられていることによって、仕切部材30が構成されている。
特に、第一仕切金具32の小径筒壁部38の開口端部乃至は段差部36の内周部分が、第二仕切金具34の上壁部50の外周部分乃至は筒壁部48の上端部分に重ね合わせられていることで、第一仕切金具32の上壁部42と第二仕切金具34の上壁部50が、第一仕切金具32の小径筒壁部38の高さ寸法の分だけ軸方向に離隔して対向位置せしめられていると共に、第一仕切金具32の小径筒壁部38の開口部分が第二仕切金具34の上壁部50で覆蓋されている。これら第一仕切金具32の上壁部42や小径筒壁部38、第二仕切金具34の上壁部50で画設された空間が、仕切部材30の収容領域56として構成されている。かかる収容領域56は、厚肉の略円板形状を有している。
また、第一仕切金具32の鍔状部44と第二仕切金具34の鍔状部52が相互に重ね合わせられていると共に、第一仕切金具32の小径筒壁部38の開口端部乃至は段差部36の内周部分が、第二仕切金具34の上壁部50の外周部分乃至は筒壁部48の上端部分に重ね合わせられている。それによって、第一仕切金具32の段差部36と第二仕切金具34の鍔状部52が、第一仕切金具32の大径筒壁部40の高さ寸法乃至は第二仕切金具34の筒壁部48の高さ寸法の分だけ、軸方向に離隔して対向位置せしめられていると共に、第一仕切金具32の大径筒壁部40と第二仕切金具34の筒壁部48が、第一仕切金具32の段差部36の径寸法の分だけ径方向(軸直角方向)に離隔して対向位置せしめられている。
これら第一仕切金具32の段差部36および大径筒壁部40や第二仕切金具34の筒壁部48および鍔状部52で画設されて、仕切部材30における収容領域56の外周側を周方向に環状のトンネル状に延びる空間には、後述する受圧室72と平衡室74を相互に連通せしめるオリフィス通路58が形成されている。なお、図面上に明示されていないが、オリフィス通路58の周上の一部には、ゴム弾性材等からなる仕切壁部が充填配置されることによって、仕切壁部の形状や大きさに応じて、オリフィス通路58の周方向長さが、一周に満たない長さで設定変更される。オリフィス通路58の一方の端部が、第一仕切金具32の段差部36等に貫設された図示しない連通孔に接続されていると共に、オリフィス通路58の他方の端部が、第二仕切金具34の鍔状部52や筒壁部48等に貫設された図示しない連通孔に接続されている。
このような仕切部材30が、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品における第二の取付金具14の軸方向他方(図1中、下)の開口部から軸方向に嵌め込まれて、仕切部材30の第一仕切金具32の大径筒壁部40から上壁部42に至る部位が、第二の取付金具14の段差部20およびテーパ状筒部22の内側に位置せしめられていると共に、仕切部材30における第一仕切金具32と第二仕切金具34の両鍔状部44,52が、第二の取付金具14のかしめ筒部24に嵌め込まれて、第二の取付金具14の段差部20にシールゴム層28を介して重ね合わせられている。
また、第二の取付金具14の軸方向他方の開口部には、可撓性膜としてのダイヤフラム60が配設されている。ダイヤフラム60は、変形容易な薄肉のゴム膜からなり、軸方向に弛んだ略円板形状を有している。ダイヤフラム60の外周縁部には、大径の円環板形状の固定金具62が加硫接着されている。なお、固定金具62に固着されるダイヤフラム60の外周部分には、ダイヤフラム60よりも厚肉のシールゴム64が全周に亘って連続して一体形成されている。このようなダイヤフラム60の固定金具62が第二の取付金具14のかしめ筒部24に嵌め込まれて、固定金具62およびシールゴム64が、仕切部材30における第二仕切金具34の鍔状部52に重ね合わせられている。
さらに、第二の取付金具14の軸方向他方の開口部には、ブラケット金具66が配設されている。ブラケット金具66は、略有底円筒形状を有しており、その底壁部に一又は二以上の固定用ボルト68が貫通して固設されていると共に、開口端部から軸直角方向外方に延びる円環板形状のフランジ状部70が一体形成されている。かかるブラケット金具66のフランジ状部70が第二の取付金具14のかしめ筒部24に嵌め込まれて、ダイヤフラム60の固定金具62とシールゴム64に重ね合わせられている。
すなわち、仕切部材30における第一及び第二仕切金具32,34の両鍔状部44,52やダイヤフラム60の固定金具62、ブラケット金具66のフランジ状部70が軸方向にそれぞれ重ね合わせられた状態で、第二の取付金具14のかしめ筒部24に嵌め込まれており、かしめ筒部24にかしめ加工が施されている。
これにより、仕切部材30とダイヤフラム60とブラケット金具66が第二の取付金具14にかしめ固定されており、ブラケット金具66の固定用ボルト68が図示しない車両ボデー側の取付部材に螺着固定されることによって、第二の取付金具14が、ブラケット金具66を介して車両ボデーに固定されるようになっている。
また、かしめ固定に際して、第二の取付金具14の段差部20と第一仕切金具32の鍔状部44の間のシールゴム層28や、かしめ筒部24と両鍔状部44,52や固定金具62、フランジ状部70の間のシールゴム層28が圧縮変形しつつ、それら両鍔状部44,52や固定金具62、フランジ状部70に重ね合わせられている。更に、ダイヤフラム60と一体形成されたシールゴム64が、ブラケット金具66のフランジ状部70と第二仕切金具34の鍔状部52の間で圧縮変形しつつ、鍔状部52とフランジ状部70に重ね合わせられている。それによって、第二の取付金具14の段差部20と仕切部材30の両鍔状部44,52とダイヤフラム60の固定金具62とブラケット金具66のフランジ状部70が、それぞれ流体密に重ね合わせられていると共に、第二の取付金具14の軸方向他方の開口部が、仕切部材30やダイヤフラム60、ブラケット金具66で流体密に閉塞されている。
第二の取付金具14の内側における本体ゴム弾性体16とダイヤフラム60の軸方向対向面間が外部空間に対して密閉されており、かかる対向面間の中間部分には、仕切部材30が軸直角方向に広がるように配設されて第二の取付金具14に固定的に支持されている。
第二の取付金具14の内側において、仕切部材30を挟んだ一方(図1中、上)の側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づき圧力変動が生ぜしめられる受圧室72が形成されている。また、仕切部材30を挟んだ他方(図1中、下)の側には、壁部の一部がダイヤフラム60で構成されて、ダイヤフラム60の弾性変形に基づき容積変化が容易に許容される平衡室74が形成されている。これら受圧室72や平衡室74には、非圧縮性流体が封入されている。封入流体としては、例えば水やアルキレングリコール, ポリアルキレングリコール, シリコーン油等が採用されるが、特に流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果を有効に得るためには、0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。受圧室72や平衡室74への非圧縮性流体の封入は、例えば、第一及び第二の取付金具12,14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に対する仕切部材30やダイヤフラム60、ブラケット金具66の組み付けを非圧縮性流体中で行うことによって、好適に実現される。なお、この場合において、ブラケット金具66には、内部に充填された非圧縮性流体を排出するための通孔が形成されることが望ましい。
また、仕切部材30に設けられたオリフィス通路58の一方の端部が、第一仕切金具32に貫設された連通孔を通じて受圧室72に接続されていると共に、オリフィス通路58の他方の端部が、第二仕切金具34に貫設された連通孔を通じて平衡室74に接続されている。これにより、オリフィス通路58を通じて受圧室72と平衡室74が相互に連通せしめられて、それら両室72,74間で、オリフィス通路58を通じての流体流動が許容されるようになっている。
本実施形態では、オリフィス通路58を通じて流動せしめられる流体の共振周波数が、該流体の共振作用に基づいてエンジンシェイク等に相当する10Hz前後の低周波数域の振動に対して有効な防振効果(高減衰効果)が発揮されるようにチューニングされている。オリフィス通路58のチューニングは、例えば、受圧室72や平衡室74の各壁ばね剛性、即ちそれら各室72,74を単位容積だけ変化させるのに必要な圧力変化量に対応する本体ゴム弾性体16やダイヤフラム60等の各弾性変形量に基づく特性値を考慮しつつ、オリフィス通路58の通路長さと通路断面積を調節することによって行うことが可能であり、一般に、オリフィス通路58を通じて伝達される圧力変動の位相が変化して略共振状態となる周波数を、当該オリフィス通路58のチューニング周波数として把握することが出来る。
ここで、仕切部材30の収容領域56には、第一仕切金具32に形成された透孔46を通じて受圧室72の圧力が及ぼされるようになっていると共に、第二仕切金具34に形成された透孔54を通じて平衡室74の圧力が及ぼされるようになっており、そのような収容領域56に対して可動板としての弾性ゴム板76が収容配置されている。
弾性ゴム板76は、全体として厚肉の略円板形状を有しており、ゴム弾性体を用いて形成されている。弾性ゴム板76の厚さ方向(図1中、上下)の中央部分には、薄肉の円板形状の本体板部78が形成されている。
また、弾性ゴム板76の厚さ方向外方に位置する本体板部78の両面には、それぞれ外方に突出する弾性保持突部としての中央突部80や中間突部82、外側突部84が形成されている。中央突部80が、平面視略円形状とされ、弾性ゴム板76の中央部分に設けられていると共に、中間突部82が、中央突部80の周りを周方向に略一定の断面で連続して延びる円環形状とされて、弾性ゴム板76の径方向中間部分に設けられており、更に外側突部84が、中間突部82の周りを周方向に略一定の断面で連続して延びる円環形状とされて、弾性ゴム板76の外周部分に設けられている。
特に本実施形態では、弾性ゴム板76の中心を通る軸方向断面において、中央突部80や中間突部82、外側突部84が同様な山状とされている。これにより、各一対の突部80,82,84が、本体板部78の各表面に形成された基端部分から突出先端部分に向かって軸直角方向寸法が次第に小さくなる先細り形状とされている。また、各突部80,82,84の先端部分が、尖鋭形状とされておらず、丸みを帯びた山状とされている。
さらに、本体板部78の一方(図1中、上)の面に形成された中央突部80aや中間突部82a、外側突部84aの各突出高さが、それぞれ略同じとされている。また、本体板部78の他方(図1中、下)の面に形成された中央突部80bや中間突部82b、外側突部84bの各突出高さが、それぞれ略同じとされている。特に、本体板部78の一方の面に形成された各突部80a,82a,84aの突出高さが、本体板部78の他方の面に形成された各突部80b,82b,84bの突出高さに比して所定量だけ大きくされている。
また、弾性ゴム板76の厚さ寸法が、本体板部78の一方の面に形成された突部80a,82a,84aの突出高さと本体板部78の厚さ寸法と本体板部78の他方の面に形成された突部80b,82b,84bの突出高さを合わせた値とされており、弾性ゴム板76が収容領域56に配置される前の状態における弾性ゴム板76の厚さ寸法が、第一仕切金具32の上壁部42と第二仕切金具34の上壁部50の軸方向の対向面間距離、即ち収容領域56の高さ寸法に比して、所定量だけ大きくされている。
また、本体板部78の外周縁部には、弾性蓋突部としての径方向外方に突出する径方向突部86が形成されている。径方向突部86は、径方向外方に向かって厚さ寸法が次第に小さくなる略一定の台形断面で、本体板部78の周方向の全周に連続して延びている。これにより、径方向突部86が、突出方向に向かって先細り形状とされていると共に、その突出先端面が厚さ方向(図1中、上下)に平坦に延びる形状とされている。ここで、弾性ゴム板76の径寸法が、本体板部78の径寸法と径方向突部86の突出高さを合わせた値とされており、弾性ゴム板76の収容領域56への配置前の状態における弾性ゴム板76の径寸法が、第一仕切金具32の小径筒壁部38の内径寸法、即ち収容領域56の幅寸法に比して、所定量だけ大きくされている。
弾性ゴム板76が第一仕切金具32の小径筒壁部38の開口部から上壁部42に向かって嵌め込まれ、第二仕切金具34の上壁部50が第一仕切金具32の小径筒壁部38の開口端部乃至は段差部36の内周部分に重ね合わせられて収容領域56が構成されることによって、弾性ゴム板76が収容領域56に収容配置されている。
かかる収容状態下、弾性ゴム板76の厚さ寸法が収容領域56の高さ寸法よりも大きくされていることにより、弾性ゴム板76の一方の面に設けられた各突部80a,82a,84aが第一仕切金具32の上壁部42に当接すると共に、弾性ゴム板76の他方の面に設けられた各突部80b,82b,84bが第二仕切金具34の上壁部50に当接した状態で、各一対の突部80,82,84を含む弾性ゴム板76が板厚方向に圧縮変形している。なお、本実施形態では、各突部80,82,84の突出先端面が、上壁部42,50において透孔46,54(透孔46,54を構成する複数の小孔)を避けた内面に当接されているが、透孔46,54に当接して覆蓋せしめても良く、また、受圧室72と平衡室74の相対的な圧力差が透孔46,54を通じて突部80,82,84に大きく及ぼされることで、突部80,82,84が透孔46,54から離隔変位して、透孔46,54を開口せしめることも可能である。
特に、弾性ゴム板76の一方の面に設けられた各突部80a,82a,84aの突出高さが他方の面に設けられた各突部80b,82b,84bの突出高さに比して大きくされていることで、一方の各突部80a,82a,84aの圧縮代が他方の各突部80b,82b,84bの圧縮代よりも大きくされている。なお、この圧縮代は、突部80,82,84を単位容積だけ圧縮変形させるのに必要とされるばね定数の大きさに対応する値としても把握できる。
さらに、弾性ゴム板76の径寸法が収容領域56の幅寸法よりも大きくされていることによって、弾性ゴム板76の径方向突部86の突出先端面が第一仕切金具32の小径筒壁部38の内周面に全周に亘って当接した状態で、径方向突部86を含む弾性ゴム板76が径方向に圧縮変形している。
従って、弾性ゴム板76が、収容領域56に対して、各一対の中央突部80a,80bや中間突部82a,82b、外側突部84a,84bおよび径方向突部86で軸方向(図1中、上下)および径方向(図1中、左右)に弾性的に位置決めされており、その結果、弾性ゴム板76の本体板部78が、第一仕切金具32の上壁部42や小径筒壁部38、第二仕切金具34の上壁部50から何れも離隔した状態で、収容領域56の略中央部分において軸直角方向に広がるようにして変位可能に配置されている。このことからも明らかなように、弾性ゴム板76を仕切部材30に対して板厚方向(図1中、上下)で弾性的に位置決めさせる手段が、各突部80,82,84や径方向突部86を含んで構成されていると共に、弾性ゴム板76が、収容領域56の壁部を構成する第一及び第二仕切金具32,34の両上壁部42,50や第一仕切金具32の小径筒壁部38に対して圧縮状態で当接されている。
弾性ゴム板76の本体板部78における板厚方向および径方向の変位が制限された状態下、受圧室72と平衡室74の相対的な圧力差が、第一及び第二仕切金具32,34の透孔46,54を通じて弾性ゴム板76に及ぼされて、弾性ゴム板76の中央突部80や中間突部82、外側突部84、径方向突部86の弾性変形による本体板部78の変位に基づいて、受圧室72の圧力変動が吸収されるようになっている。即ち、本実施形態に係る圧力変動吸収機構が、弾性ゴム板76や第一及び第二仕切金具32,34の透孔46,54を含んで構成されている。特に本実施形態では、アイドリング振動や低速こもり音等に相当する20〜40Hz程度の中周波数域の振動入力に際して、弾性ゴム板76(本体板部78)の変位による受圧室72の圧力変動吸収効果に基づく防振効果(低動ばね特性による振動絶縁効果)が有効に発揮されるように、弾性ゴム板76の固有振動数がチューニングされている。
また、例えばエンジンシェイクやアイドリング振動、低速こもり音等を含む振幅が1mm以下の振動による受圧室72の圧力変動が発生した状態では、本体板部78の両面に突出する各突部80,82,84が第一及び第二仕切金具32,34の各上壁部42,50に当接する状態が維持されるように、弾性ゴム板76の収容領域56における軸方向及び径方向の圧縮代が設定されている。
そこにおいて、第一仕切金具32の小径筒壁部38には、受圧室72と収容領域56を相互に連通せしめる短絡孔88が形成されている。本実施形態に係る短絡孔88は、小径筒壁部38の周上で等間隔に離隔して複数形成されており、特に、エンジンシェイクやアイドリング振動、低速こもり音等を含む振幅が1mm以下の振動による受圧室72の圧力変動が発生した状態下、小径筒壁部38において弾性ゴム板76の径方向突部86との当接状態が維持されて、すべての短絡孔88が径方向突部86で覆蓋せしめられる位置(本実施形態では小径筒壁部38の略軸方向中央部分)に形成されている。換言すると、径方向突部86が、当該受圧室72の圧力状態下、弾性ゴム板76の本体板部78の外周縁部において短絡孔88が径方向突部86で覆蓋される状態が維持される位置(本実施形態では本体板部78の略軸方向中央部分)に形成されている。これにより、当該受圧室72の圧力状態下では、短絡孔88が径方向突部86で流体密に覆蓋されて、短絡孔88を通じての受圧室72と収容領域56が閉塞状態とされている。
一方、受圧室72にキャビテーション気泡が生ぜしめられる程に過大な負圧が発生する状態では、受圧室72と平衡室74の間の相対的な大きな圧力差が仕切部材30の透孔46,54を通じて弾性ゴム板76に及ぼされると、弾性ゴム板76の収容領域56における圧縮変形量に抗して、弾性ゴム板76の平衡室74側(図1中、下側)の面に形成された各突部80b,82b、84bが第二仕切金具34の上壁部50から離隔する方向(図1中、上)に弾性変形すると共に、弾性ゴム板76の径方向突部86が受圧室72側に向かって摺動変位するように(図2参照。)、弾性ゴム板76の収容領域56における圧縮代が設定されている。
上述の如き構造とされた自動車用エンジンマウント10が自動車に装着されて、走行時に問題となるエンジンシェイク等の低周波数域の振動が入力されると、受圧室72に比較的に大きな圧力変動が生ぜしめられる。この圧力は大きいため、微振幅にチューニングされた弾性ゴム板76では、受圧室72の圧力を実質的に吸収し得ない。しかも、弾性ゴム板76の径方向突部86で短絡孔88の開口部分が閉塞された状態が保持されている。従って、受圧室72と平衡室74の間に生ぜしめられる相対的な圧力変動の差によりオリフィス通路58を通じての流体の流動量が効果的に確保されて、該流体の共振作用等の流動作用に基づいて、エンジンシェイク等の低周波数域の振動に対して有効な防振効果(高減衰効果)が発揮されるのである。
また、停車時に問題となるアイドリング振動や走行時に問題となる低速こもり音等の中周波数域の振動の入力では、受圧室72に対して小さな振幅の圧力変動が惹起されることとなる。その際、当該振動の周波数域がオリフィス通路58のチューニング周波数よりも高いことから、オリフィス通路58が反共振的な作用によって流体流通抵抗が著しく大きくなって、実質的に閉塞状態となる。そこで、当該中周波数域にチューニングされた弾性ゴム板76の弾性変形に基づいて、受圧室72の圧力変動が吸収されることにより、オリフィス通路58の実質的な閉塞化に起因する著しい高動ばね化が回避されることとなる。それ故、中周波数域の振動に対する良好な防振効果(低動ばね特性に基づく振動絶縁効果)が発揮されるのである。
さらに、自動車が段差乗り越えや凹凸の大きな路面等を走行して、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に振幅が1mm以上の衝撃的な荷重が入力されて、本体ゴム弾性体16が急激に乃至は過大に弾性変形すると、受圧室72に過大な負圧が惹起される。そして、受圧室72と平衡室74の間の相対的に大きな圧力差が弾性ゴム板76に及ぼされると、図2にも示されているように、第二仕切金具34の上壁部50と当接状態にあった弾性ゴム板76の平衡室74側の各突部80b,82b、84bが上壁部50から受圧室72側に向かって離隔変位すると共に、弾性ゴム板76の受圧室72側の各突部80a,82a、84aが第一仕切金具32の上壁部42と弾性ゴム板76の本体板部78の間で一層大きく圧縮変形せしめられて、弾性ゴム板76が、全体として受圧室72側に弾性的に変位せしめられる。
かかる弾性ゴム板76の変位に伴い、弾性ゴム板76の径方向突部86が第一仕切金具32の小径筒壁部38を受圧室72側に向かって摺動変位して、径方向突部86で小径筒壁部38の短絡孔88を覆蓋せしめる状態が解除されることとなり、受圧室72が、短絡孔88および収容領域56を通じて平衡室74と相互に連通せしめられる。その結果、受圧室72の過負圧状態が解消されて、問題となる異音の発生要因のキャビテーション気泡が有利に抑えられるのである。
また、短絡孔88が連通状態とされることで受圧室72の大きな負圧が解消されると、弾性ゴム板76の両面に作用する圧力差が小さくなることにより、特に受圧室72側に大きく圧縮変形せしめられた弾性ゴム板76(各突部80a,82a,84a)の弾性復元力に基づき弾性ゴム板76が受圧室72側に大きく変位する前の状態に復元されて、短絡孔88が速やかに遮断状態になる。
なお、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に振幅が1mm以上の衝撃的な荷重が入力されて、受圧室72に過大な正圧が及ぼされると、第一仕切金具32の上壁部42と当接状態にあった弾性ゴム板76の受圧室72側の各突部80a,82a、84aが上壁部42から平衡室74側に向かって離隔変位すると共に、弾性ゴム板76の平衡室74側の各突部80b,82b、84bが第二仕切金具34の上壁部50と弾性ゴム板76の本体板部78の間で一層大きく圧縮変形せしめられる等して、弾性ゴム板76が、全体として平衡室74側に弾性的に変位せしめられる場合がある。かかる場合に、短絡孔88は、弾性ゴム板76の径方向突部86で常に遮断状態に維持されるようになっていても良いし、径方向突部86が第一仕切金具32の小径筒壁部38を平衡室74側に向かって摺動変位して、径方向突部86による覆蓋が外れて連通状態とされるようになっていても良い。
本実施形態に係る自動車用エンジンマウント10では、受圧室72と平衡室74を短絡する構造が、受圧室72の圧力変動吸収機構の一部を構成する弾性ゴム板76を利用して形成されていることから、短絡構造を仕切部材30や弾性ゴム板76と別途形成することに伴う部品点数の増加が抑えられて、製造効率の向上や低コスト化が有利に図られ得る。
また、弾性ゴム板76がゴム弾性体で形成されて、仕切部材30の収容領域56における上壁部(上壁部42)や下壁部(上壁部50)、周壁部(小径筒壁部38)に対して圧縮状態で当接されていることから、弾性ゴム板76を収容領域56内に安定して収容せしめつつ、有効面積の大きな本体板部78に受圧室72と平衡室74の相対的な圧力差が効率的に及ぼされるようになっている。それによって、弾性ゴム板76の効率的な変位により、前述の問題となるアイドリング振動や低速こもり音等の中周波数域の振動に対する防振効果が安定して得られることに加えて、弾性ゴム板76の径方向突部86で短絡孔88を覆蓋せしめることによる短絡孔88の遮断状態と、径方向突部86で短絡孔88の覆蓋状態を解除することによる短絡孔88の連通状態との作動切り換えが確実になるのである。
特に本実施形態では、弾性ゴム板76の径方向突部86が第一仕切金具32の小径筒壁部38で径方向に圧縮変形されつつ、径方向突部86により短絡孔88が覆蓋せしめられていることによって、弾性ゴム板76が収容領域56に一層安定して収容配置され、しかも短絡孔88のシール性能が一層有利に向上され得る。また、弾性ゴム板76の第一仕切金具32や第二仕切金具34への衝撃的な打ち当たりが防止されて、問題となる打音の発生が好適に抑制され得る。
さらに、径方向突部86が径方向に圧縮変形しつつ小径筒壁部38を軸方向に摺動変位して、短絡孔88を開口せしめるようにしたことから、径方向突部86の摺動摩擦抵抗が抑えられて、弾性ゴム板76の耐久性能が向上され得ると共に、径方向突部86の変位による短絡孔88の遮断状態と連通状態が一層確実となる。
また、弾性ゴム板76の板厚方向に突出する複数の突部80,82,84が第一仕切金具32の上壁部42と第二仕切金具34の上壁部50で軸方向に圧縮変形せしめられていることによって、収容領域56における弾性ゴム板76の位置決め状態が一層安定する。
特に、弾性ゴム板76の平衡室74側の突部80b,82b,84bの圧縮代が受圧室72側の突部80a,82a,84aの圧縮代よりも小さくされていることから、受圧室72の過負圧状態下、平衡室74側の突部80b,82b,84bを第二仕切金具34から速やかに離隔変位せしめると共に、受圧室72側の突部80a,82a,84aを大きく圧縮変形せしめて、弾性ゴム板76を受圧室72側に速やかに変位させて、短絡孔88が開口する。また、受圧室72の過負圧状態が解消した後は、受圧室72側の突部80a,82a,84aの大きな圧縮変形量に基づいて弾性ゴム板76を元の位置に速やかに戻して、短絡孔88が径方向突部86で覆蓋せしめられる。
それ故、本構造に係る自動車用エンジンマウント10においては、製造工程の短縮化や低コスト化、コンパクト化が有利に図られつつ、短絡孔88の遮断状態と開口状態が一層確実となり、所期のオリフィス通路58の流体流動作用による防振効果やキャビテーション気泡の発生防止による異音低減効果が有利に発揮され得る。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能であり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、弾性ゴム板76や仕切部材30、短絡孔88、オリフィス通路58等における形状や大きさ、構造、配置、数等の形態は例示の如きものに限定されない。
具体的に、前記実施形態では、弾性ゴム板76が全体的にゴム弾性体で形成されていたが、例えば本体板部を合成樹脂材や金属材等の硬質材で形成し、本体板部の外周面に前述の中央突部80や中間突部82、外側突部84、径方向突部86を被着形成したり、或いは薄肉のゴム層を外周面の全体に亘って被着形成しても良い。
また、前記実施形態では、弾性ゴム板76の弾性保持突部が、中央部分に設けられた中央突部80や中央突部80の周りに設けられた環状の中間突部82や外側突部84を含んで構成されていたが、これに限定されるものでなく、弾性保持突部が、弾性ゴム板の外周面において点在や散在、格子状、同心円状、放射線状或いはそれらの組み合わせのゴム突部で構成されても良い。また、突出高さの異なるゴム突部を複数種類組み合わせて設けることで、弾性保持突部を実現することも可能である。
さらに、前記実施形態では、弾性ゴム板76の中央突部80や中間突部82、外側突部84が、軸方向断面が山状の先細り形状とされ、且つ先端部分が丸みを帯びていたが、要求される製作性やシール性能、打音防止効果等に応じて、例えば突部の先端部分が尖鋭形状とされたり、円柱形状や矩形体状等とされても良い。
また、前記実施形態では、弾性ゴム板76の板厚方向に突設された各突部80,82,84が軸方向に圧縮変形することによって、弾性ゴム板76が収容領域56において軸方向で弾性的に位置決めされていたが、例えばそれらの突部80,82,84が圧縮変形せずに、適当な離隔距離をもって収容領域56の壁部に当接することによって、弾性ゴム板76が多少のがたつきをもって弾性的に位置決めされるようにしても良い。また、弾性ゴム板76における各突部80,82,84は、必須の構成要件でない。即ち、短絡孔を覆蓋せしめる弾性ゴム板が収容領域56で変位乃至は変形して、短絡孔88が連通するようになっていれば良く、例示の如き構造に限定されるものでない。
例えば、受圧室72に惹起される負圧が非常に大きい場合等においては、弾性ゴム板76の上面(受圧室72側の面)を、突部80,82,84を有していない平坦面形状とし、弾性ゴム板76の上面の全体的な当接による弾性変形に基づく弾性ゴム板76の変位により、短絡孔88が連通状態とされるようにすることも出来る。
また、弾性ゴム板76の外周面に対して先細状の突部86を形成することなく、弾性ゴム板76の外周面をその略全面に亘って収容領域56の外周壁部(小径筒壁部38)の内周面に当接させることにより、そこに開口形成された短絡孔88の開口を覆蓋遮断させるようにしても良い。
更にまた、弾性ゴム板76の外周面や突部86の突出先端面は、受圧室72の負圧が弾性ゴム板76に及ぼされていない状態下で収容領域56の外周壁部の内周面に当接せしめられて短絡孔88の開口を覆蓋し得るものであれば良く、弾性ゴム板76の収容領域56への配設状態下で、径方向で圧縮変形されて収容領域56の外周壁部の内周面に対して弾性的に予圧縮状態で当接密着されている必要はなく、そのような予圧縮が及ぼされていない当接状態であっても良い。
また、収容領域56の外周壁部に形成される短絡孔88は、前記実施形態のように同一高さ上で周方向に複数形成されている具体的態様に限定されるものでなく、例えば収容領域56の外周壁部の高さ方向で複数位置に形成することも可能であり、それにより、受圧室72の負圧が一層大きくなって弾性ゴム板76が受圧室側に一層大きく変位せしめられた場合に、短絡孔88の総開口面積が一層大きくなってより速やかな負圧解消を実現せしめることができる。更にまた、かかる短絡孔88の開口形状を円形以外の異形状とし、例えば収容領域56の外周壁部の高さ方向で受圧室72側への突出方向先端側に行くに従って次第に開口幅が大きくなるような開口形状を採用することにより、受圧室72の負圧が一層大きくなって弾性ゴム板76が受圧室側に一層大きく変位せしめられた場合に、短絡孔88の総開口面積が一層大きくなってより速やかな負圧解消を実現されるようにすることも可能である。
加えて、前記実施形態では、本発明を自動車用エンジンマウントに適用したものの具体例について説明したが、本発明は、自動車用ボデーマウントやデフマウント、サスペンションメンバマウント等の他、自動車以外の各種振動体の防振装置に対して、何れも、適用可能である。
本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウントの縦断面図。 同自動車用エンジンマウントの一作動形態を示す縦断面図。
符号の説明
10:自動車用エンジンマウント、12:第一の取付金具、14:第二の取付金具、16:本体ゴム弾性体、30:仕切部材、32:第一仕切金具、34:第二仕切金具、38:小径筒壁部、46:透孔、50:透孔、56:収容領域、58:オリフィス通路、72:受圧室、74:平衡室、76:弾性ゴム板、80:中央突部、82:中間突部、84:外側突部、86:径方向突部、88:短絡孔

Claims (7)

  1. 第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結されており、該第二の取付部材に固定的に支持された仕切部材を挟んだ両側に壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された受圧室と壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室が形成されて、該受圧室と該平衡室に非圧縮性流体が封入されていると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通せしめるオリフィス通路が該仕切部材に形成されている一方、該仕切部材に設けられた収容領域に可動板が変位可能に収容配置されており、該可動板の一方の面に該受圧室の圧力が及ぼされ且つ該可動板の他方の面に該平衡室の圧力が及ぼされるようにして圧力変動吸収機構が構成されている流体封入式防振装置において、
    前記仕切部材における前記収容領域の外周壁部に前記受圧室と前記平衡室を相互に連通せしめる短絡孔が形成されており、該収容領域において該短絡孔が形成された外周壁部の内周面に前記可動板の外周面が当接されて該短絡孔が覆蓋されていると共に、該可動板が該仕切部材に対して板厚方向で弾性的に位置決めされており、該可動板の両面に作用する該受圧室と該平衡室の圧力差によって該可動板が該受圧室側に弾性的に変位せしめられることにより該短絡孔の該可動板による覆蓋状態が解除されて該短絡孔と該収容領域を通じて該受圧室と該平衡室が相互に連通されるようになっていることを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記可動板がゴム弾性体で形成されていると共に、該可動板が前記収容領域の外周壁部に対して圧縮状態で当接されている請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記可動板の板厚方向における該可動板と前記収容領域の外周壁部との対向面の少なくとも一方には、該収容領域の外周壁部に向かって突出する弾性保持突部が設けられている請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記弾性保持突部が突出方向に向かって先細り形状とされている請求項3に記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記可動板の前記収容領域への配設状態下において、前記弾性保持突部が前記可動板の板厚方向で圧縮変形されている請求項3又は4に記載の流体封入式防振装置。
  6. 前記可動板の外周面には、外周側に向かって突出する弾性蓋突部が設けられていると共に、該可動板の前記収容領域への配設状態下において該弾性蓋突部が該収容領域の外周壁部の内周面に当接されている請求項1乃至5の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  7. 前記短絡孔が前記収容領域の外周壁部の周上で相互に離隔して複数形成されていると共に、前記弾性蓋突部が前記可動板の周方向の全周に連続して形成されている請求項3乃至5の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11536347B2 (en) * 2018-08-24 2022-12-27 Sumitomo Riko Company Limited Fluid-filled vibration damping device

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