JP2008218299A - プロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜とその製造方法 - Google Patents

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光泰 川原
Masayoshi Takami
昌宜 高見
Masahiro Rikukawa
政弘 陸川
Hiroko Takeoka
裕子 竹岡
Masahiro Fujita
正博 藤田
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Abstract

【課題】プロトン伝導性の発現に関与するリン酸等の無機酸の含有を高めるという新たな観点に立脚してプロトン伝導性の向上を図る。
【解決手段】ポリ−2,2′−(m−フェニレン)−5,5′−ビベンズイミダゾールを用いて製膜形成したPBI膜を、アデニル酸とリン酸の混合溶液に含浸させる。得られたPBI膜では、リン酸と共にアデニル酸が含有されることから、このアデニル酸の有するイミダゾール基へのリン酸吸着、アデニル酸自体のリン酸基含有により、電解質膜におけるリン酸の含有が高まり、高いプロトン伝導性を達成できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、プロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜とその製造方法、およびこの固体高分子電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池に関する。
固体高分子型燃料電池の電池性能は、電解質膜に接合した電極における電気化学反応の進行状況のみならず、電解質の呈するプロトン伝導性にも依存する。近年では、イミダゾール基を有する高分子化合物(例えば、ポリベンズイミダゾール:PBI)は高い機械的強度および耐熱性を呈することから、当該高分子化合物に、プロトン伝導性の発現に関与する無機酸、例えばリン酸をドープ(含浸)させた固体高分子電解質膜(いわゆるPBI/リン酸複合膜)が提案されている(例えば、特許文献1等)。
特開2003−327826号公報 特開2000−38472号公報
ところで、PBI/リン酸複合膜でのプロトン伝導性はリン酸のドープが進めば高まると予想されるが、リン酸含有を高める観点からのプロトン伝導性の向上についての提案は未だ十分とはいえないのが実情である。
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決するためになされ、リン酸といったプロトン伝導性の発現に関与する無機酸の含有を高めるという新たな観点に立脚してプロトン伝導性の向上を図ることをその目的とする。
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明では、プロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜であって、イミダゾール基を有する高分子化合物(PBI)を用いて製膜形成されていると共に、前記プロトン伝導性の発現に関与する無機酸とアデニル酸とを含有することを特徴とする。
上記構成を有する本発明の固体高分子電解質膜では、含有させたアデニル酸がイミダゾール基を有する化学構造を有することから、固体高分子電解質膜におけるリン酸の吸着対象たるイミダゾール基は増加する。しかも、アデニル酸はリン酸基をも有する。よって、固体高分子電解質膜におけるリン酸の含有は高まるので、高いプロトン伝導性を得ることができる。更には、アデニル酸・リン酸・PBIの相互作用、即ち、リン酸とPBIのイミダゾール基に吸着したリン酸とアデニル酸のリン酸基とが近接することでプロトン伝導パスの連続性が高まり、この点からも、固体高分子電解質膜におけるプロトン伝導性向上の実効性が高まる。
そして、このような固体高分子電解質膜を製造するため、本発明では、イミダゾール基を有する高分子化合物を用いて形成された薄膜を、前記プロトン伝導性の発現に関与する無機酸とアデニル酸との混合溶液に含浸させる手順を取った。こうすれば、プロトン伝導性の発現に関与する無機酸(例えば、リン酸)の含有を高めて高いプロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜を容易に製造できる。
本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、アデニル酸を含有することで高いプロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜の両側に電極を接合して備える固体高分子型の燃料電池、その燃料電池の製造方法等の形態で実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、その実施例を図面に基づき説明する。図1は実施例の燃料電池の概略構成を説明する説明図である。本実施例における燃料電池は、固体高分子型燃料電池であり、図1に示す一つの発電単位(セル)を複数積層したスタック構造を有している。この発電単位は、電解質膜を含む膜−電極接合体21と、膜−電極接合体21を両側から挟持してサンドイッチ構造を形成するガス拡散層22、23とを備え、このサンドイッチ構造をさらに両側からセパレータ24、25にて挟持されている。
膜−電極接合体21は、電解質膜30と、電解質膜30を間に挟んでその両面に接合した一対の電極31、32とを備えている。電解質膜30は、イミダゾール基を有する高分子化合物であるポリベンズイミダゾール(PBI樹脂:ポリ−2,2′−(m−フェニレン)−5,5′−ビベンズイミダゾール)を用いた製膜形成した固体高分子電解質膜(PBI膜)であり、プロトン伝導性を、後述するように含有させたリン酸およびアデニル酸にて発現させる。電極31、32は、触媒を含み導電性の良好な材料で形成された多孔質体であり、ガス透過性を備えた触媒電極とされている。このような電極形成のために、本実施例では、電気化学反応を促進する触媒、例えば、白金、或いは白金と他の金属から成る合金を担持した粒状の担体(例えばカーボン粒子)と、電解質(本実施例では、perfluorosulfonic acid/PTFE共重合体を含むナフィオン溶液(ナフィオンは登録商標))と混合して触媒担体を分散させた電解質溶液を用い、当該電解質溶液から電極31、32を電解質膜30の両面に膜状に形成した。電解質膜30および電極31、32の形成の様子については後述する。
ガス拡散層22、23は、ガス透過性および電子伝導性を有する部材によって構成されており、例えば、カーボンペーパーなどの炭素材料や、発泡金属、金属メッシュなどの金属部材によって形成することができる。このようなガス拡散層22、23は、電気化学反応に供されるガスを電極31、32まで供給すると共に、集電を行なう。ここで、ガス拡散層22は、セパレータ24に接するガス拡散部材33と、膜−電極接合体21に接する電極側ガス拡散部材34とを備えている。このようなガス拡散層22は、膜−電極接合体21とセパレータ24との間で、水素を含有する燃料ガスが通過するセル内燃料ガス流路を形成してガスを供給する。ガス拡散層23は、セパレータ25に接するガス拡散部材35と、膜−電極接合体21に接する電極側ガス拡散部材36とを備えている。このようなガス拡散層23は、膜−電極接合体21とセパレータ25との間で、酸素を含有する酸化ガスが通過するセル内酸化ガス流路を形成してガスを供給する。
この場合、本実施例では、ガス拡散層22、23をセパレータ側のガス拡散部材と電極側ガス拡散部材の接合構成としたが、単一のガス拡散層とすることもできる。
上記のガス拡散層22、23において、セパレータ側のガス拡散部材33、35を電極側ガス拡散部材34、36に比べて、より硬い多孔質体によって形成することができる。ここでいう硬さとは、ガス拡散部材を構成する材料の硬さではなく、部材全体としての硬さであり、例えば圧縮弾性率によって表わすことができる。こうすることで、セルとしての形状維持にとって望ましい。
セパレータ24、25は、電子伝導性を有する材料で形成されたガス不透過な部材であり、例えば、ステンレス鋼等の金属部材や炭素材料によって形成することができる。本実施例のセパレータ24、25は、薄板状に形成されており、ガス拡散層22、23と接する面は、凹凸のない平坦面となっているが、燃料ガス流路や酸化ガス流路を有するセパレータとすることもできる。この場合は、ガス拡散層は、セル内燃料ガス流路やセル内酸化ガス流路の役割は有さず、拡散の役割を少なくとも有するだけでよい。
なお、図示する発電単位であるセルの外周部には、セル内燃料ガス流路およびセル内酸化ガス流路におけるガスシール性を確保するために、ガスケット等のシール部材が配設されている。また、セル外周部には、セル積層方向と平行であって燃料ガス或いは酸化ガスが流通する複数のガスマニホールドが設けられている(図示せず)。これら複数のガスマニホールドのうちの燃料ガス供給マニホールドを流れる燃料ガスは、各セルに分配され、電気化学反応に供されつつ各セル内燃料ガス流路(ガス拡散層22)内を通過し、その後、燃料ガス排出マニホールドに集合する。同様に、酸化ガス供給マニホールドを流れる酸化ガスは、各セルに分配され、電気化学反応に供されつつ各セル内酸化ガス流路(ガス拡散層23)内を通過し、その後、酸化ガス排出マニホールドに集合する。図1では、セル内燃料ガス流路における燃料ガス(H2)とセル内酸化ガス流路における酸化ガス(O2)とは並行に流れるように記載しているが、これらのガスの流れは、ガスマニホールドの配置によって、上記した並行の他、対向、直交など異なる向きに流れることとしても良い。
燃料電池に供給される燃料ガスとしては、炭化水素系燃料を改質して得られる水素リッチガスを用いても良いし、純度の高い水素ガスを用いても良い。また、燃料電池に供給される酸化ガスとしては、例えば空気を用いることができる。
なお、図示は省略しているが、スタック構造の内部温度を調節するために、各単セル間に、或いは所定数のセルを積層する毎に、冷媒の通過する冷媒流路を設けても良い。冷媒流路は、隣り合う単セル間において、一方のセルが備えるセパレータ24と、他方のセルが備えるセパレータ25との間に設ければよい。
セルは、図1に示した層構成に限られるものではなく、膜−電極接合体21をその両側のセパレータで挟持し、このセパレータにおける膜−電極接合体21の側の面に、水素ガス或いは空気の供給流路を設けた構成とすることもできる。
次に、上記した構成を有する燃料電池の製造工程について説明する。図2は本実施例の燃料電池の製造方法を表わす工程図、図3は電極形成に用いる電解質溶液の調合の様子を概略的に示す説明図である。
図2に示すように、燃料電池を製造するに当たり、本実施例では、まず、固体高分子電解質膜をリン酸とアデニル酸との混合溶液に含浸させ、この固体高分子電解質膜にリン酸とアデニル酸とを含有させる(ステップS100)。用いる固体高分子電解質膜は、既述したPBI膜である。このPBI膜の調達に際しては、膜製造メーカからの調達のほか、膜原材料であるポリ−2,2′−(m−フェニレン)−5,5′−ビベンズイミダゾールを用いて適宜な手法で製膜形成することができる。例えば、ジメチルアセトアミド溶液にポリ−2,2′−(m−フェニレン)−5,5′−ビベンズイミダゾールの粉末を溶解させ、ドクターブレード法にて製膜して、PBI膜を得るようにしてもよい。本実施例では、約50μmの膜厚のPBI膜とした。このPBI膜を含浸させる溶液は、下記の化学構造で示されるアデニル酸0.5gを、30体積%のリン酸水溶液(100cc)に溶解させたリン酸・アデニル酸混合液とし、このリン酸・アデニル酸混合液にPBI膜を、常温にて3日間攪拌しながら含浸させた。このステップを経ることで、図1に示す電解質膜30が得られることになる。
Figure 2008218299
次いで、電極形成用の電解質溶液を調合する(ステップS110)。このステップでは、白金合金を触媒とし、その触媒粒子を担持したカーボン粒子(触媒担持カーボン粒子/触媒担体)と、プロトン伝導性を有する電解質を分散させて含有する電解質溶液(電解質の分散液)と、適宜な溶媒とを混合して、触媒担持カーボン粒子が分散した電解質分散溶液(触媒担体・電解質の分散液)を調合する。カーボン粒子としては種々のものを選択可能であり、例えば、カーボンブラックやグラファイトを用いることができる。電解質溶液としては、ナフィオン溶液、例えば、Aldrich Chemical社、Nafion Solutionを用いた。溶媒としては、蒸留水と適当な有機溶剤、例えばエタノールとプロピレングリコールを用いた。触媒担持に際しては、通常採用されている手法、例えば、含浸法や共沈法、あるいはイオン交換法を行えばよい。また、触媒担持済みのカーボン粒子として流通しているものを入手することもできる。触媒担持カーボン粒子の分散に際しては、超音波ホモジナイザーを用いた。
なお、蒸留水と上記したその他の有機溶媒の混合比は、適宜決定できるが、1:2〜3:1程度の範囲であることが望ましい。エタノール等の有機溶媒は、電解質(ナフィオン)の溶媒中での移動を容易にするものの、触媒のカーボン粒子への担持を、カーボン粒子および電解質の分散時に行う場合には、触媒同士の凝集や沈降が起きやすくする。蒸留水はこうした触媒の凝集・沈降を抑制するので、上記した混合範囲であれば、電解質の移動のしやすさによる分散の促進や、不用意な触媒凝集・沈降抑制の上から、望ましい。
上記した電解質溶液調合に続いては、この電解質溶液を用いて膜−電極接合体21を作製する(ステップS200)。つまり、調合済みの電解質溶液を、ステップS100で得た電解質膜30の表裏面にドクターブレード法やスクリーン印刷手法等の膜形成手法により塗布することで、電解質膜30の両側に電極31、32を形成する。或いは、調合済みの電解質溶液を用いて膜成形してシートを作製し、このシートを電解質膜30上にプレスすることによって電極31、32を電解質膜30に接合して形成しても良い。また、調合済みの電解質溶液を剥離性を有するシート(例えば、テフロンシート:テフロンは登録商標)に塗布して乾燥させ、調合済みの電解質溶液から電極転写シートを作製する。そして、この2枚のテフロンシートで、電極転写シートが電解質膜30の両側に接合するよう、電解質膜30を挟み、所定温度・圧力で熱プレスした後にテフロンシートを剥離させ、電極転写シートを電解質膜30の両側に転写して接合するようにすることもできる。
続いて、ガス拡散部材33と電極側ガス拡散部材34とを接合させ、ガス拡散部材35と電極側ガス拡散部材36とを接合させて、ガス拡散層22およびガス拡散層23を作製する(ステップS300)。ガス拡散部材同士の接合は、適宜な接合手法、例えばプレス手法により、ガスの拡散機能を損なわないように行えばよい。
次に、膜−電極接合体21を挟持するよう、この膜−電極接合体21とガス拡散層22とガス拡散層23とを接合する(ステップS4000)。ここで、接合とは、単に2つの部材を積層する場合よりも接触面積が増加するように、2つの部材を積極的に固着させることをいう。膜−電極接合体21とその両側のガス拡散層22、23における電極側ガス拡散部材34、36との接合は、例えばホットプレスにより行なうことができる。このように、熱および圧力を加えることで、電極31、32を構成する電極形成ペースト(既述した調合済みの電解質溶液)が熱により軟化し、軟化した電極形成ペーストが電極側ガス拡散部材34、36の多孔質な表面全体に馴染んで接触面積が増加しつつ、両者が圧着される。
次に、膜−電極接合体21の両側のガス拡散層にセパレータ24、25を接合させつつ(ステップS500)、これらを所定の順序で(図1のセルが繰り返し形成されるように)所定数積層してスタック構造を組み立て、積層方向に所定の押圧力を加えて全体構造を保持する。これにより、燃料電池を完成する(ステップS600)。この場合、セパレータ24、25の接合対象は、ガス拡散層22、23におけるガス拡散部材33、35であることから、こうしたガス拡散部材との接合は、例えば溶接等の適宜な手法で行なえばよい。溶接は、ガス拡散部材33、35とセパレータ24、25のうちの少なくとも一方の溶融した母材により、および/または溶融した溶加材により、接触面積を増加させつつ両者を接合することを可能にする。また、ステップS600の組み立ての工程は、既述したガスケットなどのシール部材を積層体の外周部に配設したり、隣り合う単セル間に冷媒流路を形成するなどの工程を含む。
ここで、隣り合う単セル間に冷媒流路等を形成しない場合には、セパレータの両面にガス拡散層22、23のガス拡散部材33、34を接合するようにすることもできる。つまり、一つのセパレータをその両側のセルで共有るよう積層・接合すればよい。
次に、上記のようにして得た燃料電池に用いる電解質膜30の評価について説明する。評価に供する電解質膜30は、図2のステップS100を経て製造した本実施例の電解質膜30(以下、説明の便宜上これをリン酸・アデニル酸含有PBI膜と称する)と、PBI膜をアデニル酸を配合しないリン酸溶液にステップS100と同一の条件で含浸させた電解質膜(以下、これをリン酸含有PBI膜と称する)である。このリン酸・アデニル酸含有PBI膜は実施例品であり、リン酸含有PBI膜は比較例品である。両PBI膜の膜厚は共に50μmである。評価項目であるプロトン伝導性は、PBI膜の膜面に白金電極を離して配置し、両白金電極間のプロトン伝導度を交流インピーダンスにて測定した。測定に際しては、白金電極配置済みの上記両PBI膜を、120℃と80℃の温度環境下で水蒸気雰囲気に置き、プロトン伝導度を測定した。また、両PBI膜についてのリン酸のドープ率(含有率)についても、ステップS100の含浸に処する前でのPBI膜重量と含浸後のPBI膜重量との差を、含浸前のPBI膜重量で除算して算出した。これらの結果を図3に示す。
この図3から明らかなように、本実施例によれば、即ちアデニル酸とリン酸の混合溶液にPBI膜を含浸させた実施例品の電解質膜30によれば、リン酸溶液にPBI膜を含浸させただけの比較例品の電解質膜に比べて、高いプロトン伝導性を実現できると共に、リン酸の含有量についても高めることができた。つまり、実施例品の電解質膜30では、リン酸と共に含有させたアデニル酸の有するイミダゾール基へのリン酸吸着増加、アデニル酸自体のリン酸基含有により、電解質膜30におけるリン酸の含有を高めてプロトン伝導性を高めることができる。更には、リン酸とPBIのイミダゾール基に吸着したリン酸とアデニル酸のリン酸基との近接によるプロトン伝導パスの連続性向上により、プロトン伝導性を高まることができたと言える。このため、本実施例の電解質膜30を用いた燃料電池では、高いプロトン伝導性に基づいて電池性能を向上させることができる。
しかも、高いプロトン伝導性を有する電解質膜30、延いてはこれを用いた燃料電池を、リン酸とアデニル酸の混合溶液へのPBI膜の含浸という簡単な手法で容易に製造できる。
ここで、PBI膜を含浸させるリン酸・アデニル酸の混合溶液におけるアデニル酸の配合量について説明する。既述した30体積%のリン酸水溶液(100cc)に溶解させるアデニル酸は、12.0gの配合量までであると、リン酸・アデニル酸含有PBI膜(即ち電解質膜30)のプロトン伝導性を配合量に応じて増大させることができ、アデニル酸配合量が20gまでは、高いプロトン伝導性を維持できることが判明した。よって、30体積%のリン酸水溶液(100cc)に溶解させるアデニル酸配合量は、既述した実施例品で採用した0.5〜20wt%の範囲であることが望ましい。アデニル酸配合量が20wt%を超えると、添加したアデニル酸の吸着量が増加するため、膜内でのプロトン伝導度が低下する傾向が想定されるので、その配合量上限が20wt%という限られた量のアデニル酸の存在と適度なリン酸の吸着とが相まって膜内でのプロトン伝導性向上に寄与できると考えられることから、プロトン伝導性向上にとって上記範囲のアデニル酸配合量が望ましい。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、燃料電池における電解質膜として用いるほか、電気化学反応を利用した水素生成装置の電解質膜としても適用できる。
実施例の燃料電池の概略構成を説明する説明図である。 本実施例の燃料電池の製造方法を表わす工程図である。 電極形成に用いる電解質溶液の調合の様子を概略的に示す説明図である。
符号の説明
21...膜−電極接合体
22...ガス拡散層
23...ガス拡散層
24...セパレータ
25...セパレータ
30...電解質膜
31、32...電極
33...ガス拡散部材
34...電極側ガス拡散部材
35...ガス拡散部材
36...電極側ガス拡散部材

Claims (5)

  1. プロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜であって、
    イミダゾール基を有する高分子化合物を用いて製膜形成されると共に、前記プロトン伝導性の発現に関与する無機酸とアデニル酸とを含有する
    固体高分子電解質膜。
  2. プロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜の製造方法であって、
    イミダゾール基を有する高分子化合物を用いて形成された薄膜を、前記プロトン伝導性の発現に関与する無機酸とアデニル酸との混合溶液に含浸させる
    固体高分子電解質膜の製造方法。
  3. 請求項2に記載の固体高分子電解質膜の製造方法であって、
    前記無機酸はリン酸である
    固体高分子電解質膜の製造方法。
  4. 固体高分子型燃料電池であって、
    請求項1に記載の固体高分子電解質膜と、
    該固体高分子電解質膜に接合する電極とを備える
    固体高分子型燃料電池。
  5. 固体高分子型燃料電池の製造方法であって、
    固体高分子電解質膜を準備する工程(1)と、
    導電性粒子に触媒を担持した触媒担体と、プロトン伝導性を有する電解質と、溶媒とを混合した電解質分散液を用いて、前記固体高分子電解質膜の膜面に電極を形成する工程(2)とを備え、
    前記工程(1)では、
    イミダゾール基を有する高分子化合物を用いて形成された薄膜を、前記プロトン伝導性の発現に関与する無機酸とアデニル酸との混合溶液に含浸させた後に、前記薄膜を乾燥させる
    固体高分子型燃料電池の製造方法。
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