しかしながら、この著作権情報等の表示は、表示部に表示する、遊技に直接的に関与するメイン画像の表示の妨げとならないよう、時間が短く、表示領域も小さい。このため、十分な表示ができないという問題点がある。従って、上記著作権情報、工業所有権情報、並びにスタッフ情報等を含む表示するべき特定情報が、多々あるにも拘らず、限られた時間、限られた表示領域で全てを網羅することができず、必要最小限の表示にとどまっている。
本発明は上記事実を考慮し、著作権情報、工業所有権情報等の遊技には直接的には無関係な特定情報を、遊技の進行の妨げとなることなく、必要十分な情報量を表示することができる遊技機及び遊技機における特定情報表示時期制御方法を得ることが目的である。
上記課題を解決するために、本発明に係る遊技機においては、遊技の進行中の所定の契機に実行される抽選の結果を画像表示によって報知する表示装置を備えた遊技機において、当該遊技機の開発又は製作に関わったスタッフの情報、当該遊技機において実施される工業所有権の表記、当該工業所有権の権利者、当該遊技機において利用される著作物の著作権者、又は、当該著作物についての著作人格権者の少なくとも1つを含む複数の権利情報で構成される特定情報を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された上記特定情報を、上記抽選の結果が大当りの場合に進行する複数のラウンドで構成された大当り遊技中に表示される通常の大当りの演出情報と共に、上記表示装置に表示するための特定情報表示制御手段とを備え、上記特定情報表示制御手段は、上記特定情報を表示するのに必要な時間をt、各ラウンドの最小処理時間をtmin、ラウンド数をXとした場合に、t<tmin×Xが成り立つラウンド数X分を最終ラウンドから溯ったラウンドから上記特定情報の表示を開始する。
特定情報を表示するのに必要な時間tは既知である。一方、各ラウンドの処理時間は、遊技者の遊技の進行によって様々であり、最低5秒〜最大30秒の間で変動する。この場合、上記特定情報表示時間tを確実に確保するためには、ラウンドの処理時間の最低値(最小処理時間tmin)を使い、t<tmin×Xが成り立つラウンド数Xを演算し、最終ラウンドからXラウンド数分遡ったラウンド目から上記特定情報の表示を開始する。これにより、ラウンドが終了するまでにかならず、全ての特定情報の表示が可能となる。
特定情報としては、製作スタッフを含む権利情報があり、この製作スタッフを表示することで、スタッフのインセンティブを向上する。また、当該遊技機の開発又は製造に関わる責任を明確とする。この場合も、遊技の進行と調和を図ることで、遊技の進行の妨げとなることはない。
また、特定情報として、特許権等の工業所有権、工業所有権の権利者、著作権者、著作人格権があり、例えば、工業所有権の場合、実施されている特許等について特許法第187条の規定を満たす。また、特許表示義務を課した契約義務があれば、この契約義務の履行となる。
さらに、著作権等においても、表示義務を課した契約義務があればこれを履行することができる。
更に本発明に係る遊技機において、上記特定情報表示制御手段は、一連の特定情報の終了画面が静止画で構成されており、この静止画の表示時間によって、予め設定された特定情報の表示時間と、実際に決定した特定情報表示可能時間内との時間差を相殺する。
かかる構成により、一連の特定情報の終了画面は静止画で構成されているため、上記特定情報のうちの静止画以外の表示が全て終わると、終了画面として当該静止画が表示され、以後、最終ラウンドが終了するまで特定情報の終了画面である静止画が表示されることとなる。
更に本発明に係る遊技機において、上記特定情報と共に表示される上記大当りの演出情報は、上記大当り遊技中の先のラウンドで表示された演出情報である。
かかる構成により、メモリの量を節約することができる。
また、本発明に係る遊技機において、上記特定情報の内、契約上必須とされている表示を優先して表示する。
かかる構成により、大当り遊技での表示演出を用いて契約等の確実な履行が可能となる。
また、遊技の進行中の所定の契機に実行される抽選の結果を画像表示によって報知する表示装置を備えた遊技機にあって、前記表示装置に表示される画像に調和するように、当該表示装置の表示画面上に遊技に直接的には無関係な特定情報を表示する特定情報表示制御手段を有して構成している。
かかる構成により、遊技の進行に即した画像に調和するように特定情報を表示するようにしたため、遊技者の遊技の妨げにならずに必要な特定情報を表示が可能であり、特定情報の表示要請と、遊技性との調和を図ることができる。
更に上記構成において、前記特定情報が、当該遊技機の開発又は製作に関わったスタッフの情報を含む権利情報であることを特徴としている。
これにより、特定情報が、製作スタッフを含む権利情報であり、この製作スタッフを表示することで、スタッフのインセンティブを向上することができ、また、当該遊技機の開発又は製造に関わる責任を明確とすることができる。この場合も、遊技の進行と調和を図ることで、遊技の進行の妨げとなることはない。
更に上記構成において、前記特定情報が、当該遊技機において実施される工業所有権の表記、当該工業所有権の権利者、当該遊技機において利用される著作物の著作権者、当該著作物についての著作人格権者の少なくとも1つを含む権利情報であることを特徴としている。
これにより、特定情報が、特許権等の工業所有権、工業所有権の権利者、著作権者、著作人格権であり、例えば、工業所有権の場合、実施されている特許等について特許法第187条の規定を満たすことができ、また、特許表示義務を課した契約義務があればこれを履行することができる。
さらに、著作権等においても、表示義務を課した契約義務があればこれを履行することができる。
更に上記いずれかの構成において、前記表示装置で表示される物語の進行に合わせて、前記特定情報を表示することを特徴としている。
更に上記いずれかの構成において、前記表示装置で表示される物語が、前記抽選の結果が当りの場合に進行される当り遊技に沿って変化し、当該進行過程の1つとして前記特定情報を表示することを特徴としている。
これにより、例えば、表示される画像が映画の上映シーンの場合、上演開始又は上演終了時にスクロール形式で製作スタッフ名等を表示することで、全体の物語の1シーンとして特定情報の表示を行なうことができる。
更に上記いずれかの構成において、前記特定情報を、前記抽選の結果が当りの場合に進行される複数のラウンドで構成される当り遊技における、最終ラウンド又は最終ラウンドに近いラウンドから次の遊技開始までの間で表示することを特徴としている。
これにより、特定情報量は予め既知であるため、これを全て表示する場合に必要な時間を確保するべく、当りの処理中のラウンド数に換算し、次の遊技(通常遊技)の開始までの間で表示する。この場合、ラウンド間を跨って表示することもあるが、例えば、このラウンドの更新時に特定情報の表示を一時的に停止し、ラウンドの更新を示す画像を割り込ませた後、一時的状態から再スタートさせることで、遊技の進行を妨げることはない。
更に上記いずれかの構成において、前記特定情報の表示を、当該遊技機の電源投入時に行うことを特徴としている。
これにより、遊技者に直接、特定情報が目に触れることはないが、ホール関係者、業界関係者等には認識可能であり、表記義務を履行することができる。
また、遊技の進行中の所定の契機に実行される抽選の結果を画像表示によって報知する表示装置を備えた遊技機において、遊技とは直接的には無関係な特定情報を、前記抽選の結果が当りの場合に進行する複数のラウンドで構成された当り遊技中に表示するための特定情報表示制御手段を備え、前記特定情報表示手段は、前記特定情報を表示するのに必要な時間をt、各ラウンドの最小処理時間をtmin、ラウンド数をXとした場合に、t<tmin×Xが成り立つラウンド数Xを演算し、最終ラウンドからRラウンド数分遡ったラウンド目から前記特定情報の表示を開始することを特徴としている。
特定情報を表示するのに必要な時間tは既知である。一方、各ラウンドの処理時間は、遊技者の遊技の進行によって様々であり、最低5秒〜最大30秒の間で変動する。この場合、前記特定情報表示時間tを確実に確保するためには、ラウンドの処理時間の最低値(最小処理時間tmin)を使い、t<tmin×Xが成り立つラウンド数Xを演算し、最終ラウンドからXラウンド数分遡ったラウンド目から前記特定情報の表示を開始する.これにより、ラウンドが終了するまでにかならず、全ての特定情報の表示が可能となる。
また、遊技の進行中の所定の契機に実行される抽選の結果を画像表示によって報知する表示装置を備えた遊技機において、遊技とは直接的には無関係な特定情報を、前記抽選の結果が当りの場合に進行する複数のラウンドで構成された当り遊技中に表示するための特定情報表示制御手段を備え、前記特定情報表示制御手段は、ラウンドの開始から所定回数のラウンドの処理時間を計測し、当該計測したラウンドの各処理時間に基づいて、残りのラウンドの処理時間を予測し、予測した処理時間の合計が前記特定情報を表示するのに必要な時間を上回る時期のラウンド目から前記特定情報の表示を開始することを特徴としている。
かかる構成によれば、ラウンドの開始から所定回数のラウンドの処理時間を計測する。すなわち、遊技者毎にラウンド処理時間は異なるが、同一の遊技者であれば、各ラウンドの処理時間が近似する可能性が高い。そこで、当該計測したラウンドの各処理時間に基づいて、残りのラウンドの処理時間を予測する。この予測した処理時間の合計が前記特定情報を表示するのに必要な時間を上回る時期のラウンド目から前記特定情報の表示を開始する。上記予測は、大幅にずれることは稀であるため、例えば、1ラウンド分の余裕を持って特定情報の表示を開始することで、特定情報を確実に最終ラウンド付近で終了させることができる。
更に上記構成の画像表示器を有する遊技機において、当該遊技機に係る複数の権利情報を上記画像表示器に順次表示する表示制御手段を備えていることを特徴としている。
かかる構成によれば、遊技機の画像表示器に当該遊技機に係る複数の権利情報を順次表示することができるので、権利情報を複数表示しなければならない契約形態を有する遊技機においても迅速に契約を履行することができ、製品の出荷をそれだけ迅速に行うことが可能となる。
更に上記構成において、前記複数の権利情報は、当該遊技機において実施される工業所有権の表記、当該工業所有権の権利者、当該遊技機において利用される著作物の著作権者、当該著作物についての著作人格権に係る情報の少なくも1つを含むことを特徴としている。
かかる構成によれば、特許法の場合、特許法第187条の規定を著作権法の場合、同法第19条の規定等を満たすことができる。
更に上記構成において、前記著作人格権に係る情報には、当該遊技機の開発または製作に関わったスタッフの肖像又は氏名若しくは名称若しくは屋号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの略称を含むことを特徴としている。
かかる構成によれば、当該遊技機の開発又は製作に関わったスタッフの肖像又は氏名若しくは名称若しくは屋号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの略称等を表示することにより、スタッフのインセティブを向上することができる。
以上説明した如く本発明では、著作権情報等の遊技には直接的には無関係な特定情報を、遊技の進行の妨げとなることなく、必要十分な情報量を表示することができるという効果を有する。
図1には、第1の実施の形態に係るパチンコ機110が示されている。このパチンコ機110は、矩形の枠体113でその外形が構成されており、店側のベース面115に支持されている。また、枠体113には、装飾版113A、スピーカ162、キーシリンダ113B等が配設されている。
枠体113の内側正面には、透明ガラス板110Aがガラス枠110Bに嵌め込まれた状態で配設されている。この透明ガラス板110Aで仕切られた内側領域には、遊技盤111が配設されている。また、この遊技盤111における円弧状のレール112で囲まれた領域が遊技領域であるゲージ部114とされている。
図2に示される如く、ゲージ部114には、全面に渡って複数の釘116が打ち込まれ、レール112を通って打ち出されたパチンコ球がこの釘116に当たって跳ねたり、釘116によって形成される案内路に案内されながら、落下していくようになっている。また、この釘116の他、ゲージ部114に向かって左右対称の位置には、風車118が取り付けられており、パチンコ球を予期しない方向へ方向転換させるようになっている。
さらに、ゲージ部114には複数の位置に入賞口120が設けられ、この入賞口120にパチンコ球が入ることにより、所定数のパチンコ球が遊技者に払い出されるようになっている。
このようなゲージ部114は、ほぼ左右対称系とされており、この中央部には電動役物ユニット122が配置され、その表示部124が露出されている。この表示部124の下方には電動役物ユニット122を始動するための特別図柄始動入賞口126が設けられている。
特別図柄始動入賞口126のさらに下方には、大入賞口128が配置され、この大入賞口128を開閉する開閉部材129は、前記電動役物ユニット122での所謂大当りの表示状態が表示された後、所定個数又は所定時間の開放が各パチンコ機の仕様により1乃至16回の所定回数(以下、各回数をラウンド(ROUND)と称し、略して”R”で示す。)繰り返され、大量のパチンコ球を入賞させることができる構成となっている。
また、前記電動役物ユニット122の上部には、横1列に4個の保留ランプ200が配列されている。この保留ランプ200は、特別図柄始動入賞口126に入賞したパチンコ球が最大4球分保留されていることを点灯状態で報知するものであり、電動役物ユニット122による抽選結果の案内が終了した時点で、保留された分が消化されて消灯するようになっている。
また、ゲージ部114には、普通図柄始動入賞口130が設けられており、普通図柄始動入賞口130にパチンコ球が入賞すると、普通図柄表示部202の表示が変動し、所定当り数字になると、前記特別図柄始動入賞口126に設けられた可動部としての電動チューリップ134が所定時間開放するようになっている。この電動チューリップ134の開放により、特別図柄始動入賞口126への入賞の確率が物理的に高まることになる。
なお、普通図柄表示部202は表示部124の一部、例えば上下左右の何れかの片隅に表示させてもよい。
図1に示される如く、上記ゲージ部114の下部、すなわち、透明ガラス板110Aの下部は、パネル部140とされ、その上部パネル140Aには上皿141が設けられ、下部パネル140Bには、発射装置の操作部としてのハンドル136と、上皿141から落下するパチンコ球を受ける下皿138とが設けられている。なお、下部パネル140Bには、灰皿143も設けられている。
ハンドル136は、前記パネル140の内部から突出された回転軸に取付けられており、この回転軸を中心に回転可能とされている。すなわち、遊技者がこのハンドル136を把持して回転することで、発射装置が稼動すると共に、前記回転角度に基づいて発射強度が設定されるようになっている。なお、この回転には、復帰付勢力が付与されており、遊技者が手を離すと自動的に元の回転位置に戻る構造となっている。
図3には、パチンコ機110を制御するための制御系の概略が示されている。制御系は、主制御基板150を中心として、払出制御基板152、音声制御基板154、ランプ制御基板156、発射制御基板158、図柄表示制御基板160等、機能毎に分類されている(なお、以下これらを総称する場合、副制御基板151という)。
なお、主制御基板150並びに副制御基板151は、管理制御基板206を介してパチンコ店側のホールコンピュータ208に接続することにより、パチンコ機の稼動状況を管理することも可能となっている。
主制御基板150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御基板150からの命令信号に基づいて、その他の副制御基板151が独自に実行する。すなわち、主制御基板150は基本的に命令を出力するのみで、その結果等のフィードバックは受けない構成となっている。
払出制御基板152は、パチンコ球の払出し数を制御するものであり、音声制御基板154は、パチンコ機110に設けられたスピーカ162からの効果音等の出力を制御する。また、ランプ制御基板156は、パチンコ機110に取り付けられた電飾部材(遊技盤側表示灯)164の点灯・消灯を制御し、発射制御基板158は、遊技者によるパチンコ球の発射を制御する。
図柄表示制御基板160は、前記表示部124が表示ドライバ166を介して接続されており、主制御基板150からの命令信号に基づいて、所定の演出効果をもたらす表示を表示部124に実行する。なお、この図柄表示制御基板160は、普通図柄表示部202も制御する。
前記主制御基板150には、特別図柄始動入賞口126に設けられた特別図柄入賞センサ168及び普通図柄始動入賞口130に設けられた普通図柄入賞センサ170、各入賞口120に設けられた入賞センサ172、並びに大入賞口128に入賞したパチンコ球を検出する大入賞口センサ173が接続されている。なお、大入賞口128には、大入賞口の開閉動作を継続するためのVゾーンが設けられており、このVゾーンにもVゾーンセンサ171が設けられており、主制御基板150に接続されている。
また、この主制御基板150には、電動チューリップ134を開閉させるためのソレノイド174、大入賞口128の開閉部材129を開閉させるためのソレノイド175、保留ランプ200(図2参照)が接続されている。
また、主制御基板150では、特別図柄や普通図柄の抽選がなされ、この抽選結果に基づく表示部124での表示内容を選択し、図柄表示制御基板160へ命令信号を出力する。すなわち、図柄表示制御基板160には、複数種の命令信号に基づく異なる表示内容のデータが予め記憶されており、命令信号に基づいてデータが選択されて、起動するようになっている。
ここで、本実施の形態では、図柄表示制御基板160に、予め特定情報を記憶しておき、抽選の結果が当りのときに実行される大当り中の表示部124への表示演出中に、前記特定情報を付加して表示するようにしている。
この特定情報は、本実施の形態では、当該パチンコ機110を製作した製作スタッフと、製作会社であり、図4(A)〜図4(E)に示される如く、あたかも巻物を巻くように、その表示内容を画面の下から上に順次移動させながら表示する所謂スクロール形式で表示されていく。
この特定情報は、本実施の形態では、最終ラウンドよりも3ラウンド前、例えば15R仕様の場合は13Rの開始と共に表示が開始され、最終ラウンドである15Rが終了するまでに表示が完了するように制御される。また、特定情報の最終画像は静止画像(図4(E)参照)であり、当該最終ラウンドの大当りゲームが終了する前にその他の特定情報の表示が全て終了した場合には、この静止画像が最終ラウンドの終了まで表示されるようになっている。
また、この特定情報は、本実施の形態では13R〜15Rに跨って表示されるようになっており、ラウンドの更新時には、まず図5(A)乃至(C)に示されるようなラウンド表記画像が各ラウンド開始時に2秒程度表示される。その後、図4(A)から図4(E)に示されているような画像が次回のラウンドで前回のラウンド終了時から開始される方法で順次スクロール表示されるようになっている。
これは、特定情報を表示するのに必要な時間をt、各ラウンドの最小処理時間をtmin、ラウンド数をXとした場合に、t<tmin×Xが成り立つラウンド数Xを演算し、最終ラウンドからXラウンド数分遡ったラウンド目から前記特定情報の表示を開始するという概念に基づくものである。
以下、図6に従い、図柄表示制御基板160における特定情報の表示を行なうため機能をブロック化して説明する。
主制御基板150から送出される命令信号は、命令信号解析部250に入力され、命令信号の解析が実行される。命令信号解析部250は、図柄変動パターン読出部252、当/外判定部254並びにラウンド更新部256に接続されており、それぞれに該当する情報を送出する。
すなわち、図柄変動パターン読出部252には、図柄変動パターンを特定する情報が入力され、図柄変動パターンメモリ258から該当する図柄変動パターンを読出し、図柄変動パターン表示制御部260へ送出する。
また、当/外判定部254には、主制御基板150における内部抽選の結果が入力され、その内部抽選の結果が当りの場合に、処理が実行される大当り処理中での表示部124の演出画像を表示するべく、当り処理ラウンド画像読出部262を起動する信号を送出する。
さらに、ラウンド更新部256には、各ラウンドの開始及び終了を示す信号が入力され、当り処理ラウンド画像読出部262へ前記当り処理ラウンド画像の更新を指示する信号を送出する。
当り処理ラウンド読出部262には、ラウンド演出画像メモリ264が接続されている。このラウンド演出画像メモリ264には、各ラウンド毎の画像が記憶されている。当り処理ラウンド読出部262では、指定されたラウンドのラウンド演出画像が読み出され、ラウンド画像表示制御部266へ送出される。
ここで、本実施の形態では、13R〜最終ラウンドである15Rの3ラウンド分の画像が1つとなって記憶されている。この画像は、通常の演出画像に加え、製作スタッフ情報と製作会社情報がスクロール画面で表示される構成となっている(以下、スタッフロール付加画像268という)。
また、ラウンド画像表示制御部266には、14、15R表記画像メモリ270が接続されており、前記13Rから14Rへ更新、並びに14Rから15Rへ更新することを遊技者に報知するための画像(図5(B)、(C)参照)が記憶されている。
前記図柄変動パターン表示制御部260及びラウンド画像表示制御部266は、読み出したそれぞれの画像データを表示ドライバ166へ送出し、この表示ドライバ166によって表示部124に画像を表示する。
図7に示される如く、このスタッフロール付加画像268は、各ラウンド(13R〜15R)の演出画像領域272とスタッフロール画像領域274とで構成される画像領域と、このラウンド間に設けられた無画像(黒色)領域276と、会社名を静止画像で表示する変動領域278と、で構成されている。
前記無画像領域276には、所定のタイミングでラウンド表記画像が挿入されるようになっている。
また、このスタッフロール付加画像268は、全体として70秒で終了するように設定されている。しかし、ラウンド処理時間は、最小5秒〜最大30秒まで幅がある。
このため、最小5秒でラウンド処理が実行された場合でも全てのスタッフロールが表示可能となるように15秒間のスタッフロールを設定するのが最も好ましいが、このような状況は稀であり、本実施の形態では、以下のような設定としている。
すなわち、最小処理時間として、13R、14Rが各10秒、15Rが30秒、すなわち合計50秒と仮定し、スタッフロール画像は、この50秒の間に全て表示できる時間とした。
この状況で、最大30秒でラウンド処理が実行された場合には、13Rと14Rの全部と15Rの一部でスタッフ画像が終了し、以後会社名を静止画像で表示することになる。
以下に本実施の形態の作用を説明する。
まず、パチンコ球が発射されると、レール112に案内されてゲージ部114の釘116や風車118等に当接しながら、予測し得ない移動をしながら落下していく。ここで、入賞口120に入賞すると、予め定められた数のパチンコ球が払い出される(賞球)。また、普通図柄始動入賞口130に入賞するとこれを普通図柄入賞センサ170で検出する。
この検出により、主制御基板150では、普通図柄の抽選が開始される。すなわち、乱数カウンタを用いて、所定の確率で0〜9までの数字を抽選する。抽選の結果、外れの場合には、特に遊技状態に変化はない。一方、抽選の結果、当り(例えば、当り数字の7が抽選される)の場合には、主制御基板150は、特別図柄始動入賞口126に設けられた電動チューリップ134を開放状態とするべく、ソレノイド174へ通電する。これにより、特別図柄始動入賞口にパチンコ球が入り易い、高確率状態とすることができる。
前記特別図柄始動入賞口126にパチンコ球が入賞すると、主制御基板150では、乱数カウンタを用いて所定の確率下で大当り抽選が開始される。この大当り抽選の結果、当り/外れが決定すると、それぞれにおいて、予め準備された図柄変動パターン(図柄変動パターン)を選択(乱数カウンタで選択してもよい)し、図柄表示制御基板160を含む演出に関連する制御基板へコマンド信号を送出する。
図柄表示制御基板160では、受信したコマンド信号に基づいて、表示ドライバ166を介して表示部124に図柄変動パターンを表示する。この図柄変動パターンにおいては、リーチを経由した当り、外れリーチ、リーチを経由しない当り、リーチを経由しない外れ等、様々な演出があり、遊技者は期待感をもって抽選結果を待つことができる。
すなわち、当り時の図柄変動制御が終了すると、予め設定したラウンド数(例えば、15R)の大当たり処理が実行される。この大当たり処理中は、大入賞口128がほとんど開放状態であるため、遊技者にとって有利な状態とすることができる。所定ラウンドの大当たり処理が終了すると、大当り確率が大きい確率変動遊技に入るか、又は通常の遊技に戻る。
前記大当り処理の各ラウンドでは、大当り中であることを報知したり、遊技者に視覚的に優越感を抱かせるような演出画像を表示部124に表示する。
この場合、従来は、各ラウンド単位で画像が準備され(全て同一画像の場合や複数の画像を使いまわすこともある)、ラウンドの更新毎に表示を切り替えるようにしている。
これに対して、本実施の形態では、13R〜最終ラウンドである15Rまでの3ラウンド分の画像が1つとなって記憶されている。この画像は、通常の演出画像に加え、スタッフロール付加画像が付加されており、特定情報を遊技の進行に調和させて表示している。
このスタッフロール付加画像の表示に関する流れを図8のフローチャートに従い説明する。
ステップ300では、ラウンド数nを1とし、次いでステップ302へ移行して主制御基板150から命令信号が入力されたか否かが判断され、肯定判定されるとステップ304へ移行し図柄変動パターンを読み出す。
次のステップ306では、読み出された図柄変動パターンを表示部124に表示する。
次のステップ308では、この図柄変動パターンによる表示の結果が当りか否かが判断され、当りの場合には、ステップ310でnラウンド画像を読出し、次いでステップ312へ移行してこのnラウンド画像の表示を実行する。
次のステップ314では、ラウンドの更新があったか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ316でラウンド数nをインクリメントしてステップ318へ移行する。
ステップ318では、ラウンド数nが13Rとなったか否かが判断あれ、否定判定の場合には、ステップ310へ戻り、上記工程を繰り返す。
また、ステップ318で肯定判定されると、ステップ320へ移行して、予め準備した13〜15R共通のスタッフロール付加画像268を読出し、ステップ322へ移行して、図5(A)に示す13R表示画像の表示の後、図4(A)〜(E)に示すスタッフロール付加画像268の表示を図4(A)からスクロール形式で開始する。
次のステップ324ではVゾーンへのパチンコ球の入賞及び大入賞口128へのパチンコ球の所定個数(例えば10個)の入賞又は大入賞口128の開放時間である所定時間(例えば30秒)の経過により、ラウンドの更新があったか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ326で1回目は14ラウンド表示画像が読み出され、次いでステップ328でスタッフロール画像268の表示が一時的に中断され、当該14R表示画像が表示されて(ステップ330)、ステップ332へ移行する。ステップ332では、14R表示画像の表示が終了した時点で、スタッフロール付加画像268の表示が再開され、ステップ334へ移行する。
ステップ334では、全ラウンドが終了したか否かが判断され、否定判定の場合にはステップ324へ移行し、上記工程を繰り返す。このときは、2回目であるため、ステップ326では15R表示画像が読み出され、ステップ330でこの15R表示画像が表示されることになる。
ステップ334で肯定判定されると、全てのラウンドが終了したと判断され、このルーチンは終了する。
上記表示の流れに対して、より具体的に説明する。
スタッフロール付加画像268は大当りラウンドの13Rから開始する。13Rから15Rにかけて画像は連続しており、この画像は、合計70秒分の表示時間を持ち、最後の画像で停止(静止)する。
各ラウンドは最長で30秒であるため、13R、14Rを30秒ずつ使えば15Rは10秒後には静止画像となる。
また、13R、14Rにおいて、パチンコ球の大入賞口128への10個の入賞が早く、各10秒ほどで終了した場合、15Rで30秒消費したとしも残り20秒分を残してスタッフロールが終了する。
スタッフロール付加画像268は、13Rのタイトル表示の後に開始するが、13Rの30秒経過、あるいは10個の入賞のいずれか早い方の終了と共に、スタッフロール付加画像268の表示が一時的に中断する。
すなわち、13Rで1個以上のV入賞があれば、14Rに継続する。14Rが開始すると、図5(B)に示すようなそのタイトル表示の後に13Rで一時的に中断していたスタッフロール画像の表示が再開する。
このスタッフロール付加画像268の表示再開は、上述のように13Rで中断したところから開始してもよいし、若干時間的に戻して再開表示するようにしてもよい。
以後、15Rに関しても同様の制御がなされる。
スタッフロール付加画像268は画面下から上に向かって画像を順次スクロールしながら連続表示する。その背景は、スタッフ表示が見易いように黒背景を基本としているが、背景を表示する場合は、メモリの節約のために先のラウンドで使用した画像を使用してもよい。また、スタッフロール付加画像268を見易くするために、先のラウンドで使用したときよりもコントラスト、ブライトネスを落として表示するようにしてもよい。
また、スタッフロールは、契約上必須とされている表示を優先し、最後は図4(E)に示されるような製造販売に係る会社名等の表示をして終わるように構成すると契約の履行が担保し易い。契約上必須とされ得る表示としては、映画やアニメーション、キャラクタの画像の利用に係る場合は、それらの所有者や作者の氏名、或いはプロダクションの名称、すなわち著作権者、著作人格権者の氏名等があり、そのタイトル名称やキャラクタ名を表示する必要がある場合もある。
また、遊技盤に使用している商標の登録番号や商標権者名を表示することもできるし、契約で表示が義務付けられている特許権等がある場合はその登録番号や特許権者名等が自社のものよりも優先して記載される。
さらに、開発スタッフ名等は、実名でもよいが、プライバシー等諸般の事情を考慮し、図4(A)〜(D)に示す如く、ニックネーム等を用いてもよい。また、そのスタッフの肖像又は氏名若しくは名称若しくは屋号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの略称を用いてもよい。
以上説明したように、本実施の形態では、遊技に直接関係のない特定情報、例えば、製作スタッフ、製作会社、工業所有権の表記、工業所有権の権利者、著作権者、著作物についての著作人格権等の権利情報を遊技の進行に合わせて、スクロール形式で表示するようにしたため、遊技者は当該パチンコ機のテーマに即した演出の一部として見せることができ、画面いっぱいに当該特定情報を表示したとしても遊技の進行を妨げることがなくなる。また、スクロール形式での表示であるため、表示時間を多くとることができ、必要十分な多量の情報の表示が可能となる。
なお、本実施の形態では、予めスタッフロール付加画像268の処理時間を設定し(70秒)、これに見合うように13Rの開始からスタッフロール付加画像268の表示を開始するようにしたが、上述のように各ラウンドの処理時間は遊技者によって様々である。そこで、初期のラウンド(例えば、1R〜5R)の当該遊技者の処理時間を計測し、この計測した時間に基づいて(たとえば、平均値)、遊技者特有の処理時間を想定し、スタッフロール付加画像268の表示開始時期を設定するようにしてもよい。これは、異なる遊技者では、ラウンド処理時間が大きく異なるが、同一の遊技者であれば、ほとんど平均的にラウンド処理時間が決まるという前提に基づくものであり、正確さから言えば、ある程度の誤差が生じるが、大きな誤差はなく、ある程度の余裕を持ってスタッフロール付加画像268を表示させることで、確実に全ての特定情報を表示することができる。
また、上記実施の形態では、製作スタッフと製作会社を特定情報としたが、当然、著作権者、特許番号等の表示を特定情報として表示するようにしてもよく、この場合、表示の確実性をさらに高めるため、表示初期に重要な情報を配置し、万が一時間不足で表示できなくても問題ない情報は表示終期に配置することが好ましい。
また、上記実施の形態では特定情報を大当りラウンド中に表示させるようにしたが、本発明は、特定情報の表示をその遊技機の電源投入時の遊技機の立ち上げプロセスの一環として行ってもよい。この場合、特定情報は遊技者に見える可能性は少ないが、ホール関係者には見せることができる。
なお、上記実施の形態では、パチンコ機を例にして説明したが、本発明は、パチンコ機に限らず、パチスロ機、ポーカーゲーム機、マージャンゲーム機、スロットマシン等画像表示装置を備えた各種遊技機に広範囲に適用することができる。