JP2008201599A - フッ化物結晶及び真空紫外発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】真空紫外領域で高輝度発光するフッ化物結晶からなり、フォトリソグラフィー、半導体や液晶の基板洗浄、殺菌、次世代大容量光ディスク、及び医療(眼科治療、DNA切断)等に好適に使用できる真空紫外発光素子を提供する。
【解決手段】化学式La1−x−yBaNd3−xで表され、x及びyがそれぞれ0.01〜0.2及び0.001〜0.5の範囲にあるフッ化物結晶、好ましくはその単結晶を製造し、得られたフッ化物結晶を真空紫外発光素子に加工する。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なフッ化物結晶に関する。該フッ化物結晶は、フォトリソグラフィー、半導体や液晶の基板洗浄、殺菌、次世代大容量光ディスク、及び医療(眼科治療、DNA切断)等に用いられる真空紫外発光素子として好適に使用できる。
高輝度紫外発光素子は、半導体分野、情報分野、医療分野等における先端技術を支える材料であり、近年では、記録媒体への記録密度の向上を始めとする多くの需要に応えるべく、より短波長で発光する紫外発光素子の開発が進められている。この短波長で発光する紫外発光素子としては、窒化ガリウム等の材料による発光波長300nm台の発光素子が提案されており(非特許文献1参照)、また、近年では高純度六方晶窒化ホウ素結晶による発光波長215nm台の発光素子が提案されている(特許文献1参照)。
発光波長が200nm以下の真空紫外発光素子は、フォトリソグラフィー、半導体や液晶の基板洗浄、殺菌等にも好適に使用できるため、開発が望まれているが、かかる真空紫外発光素子を得ることは容易ではない。
真空紫外領域における発光特性は、材料中の不純物の影響を受けやすく、また、たとえ真空紫外領域に発光のエネルギー準位を有する材料であっても、より低いエネルギー準位に基づく長波長での発光が支配的であったり、非輻射遷移による損失が甚大である等の理由により、所望の真空紫外発光を得られない場合が数多く見受けられる。
したがって、真空紫外領域における発光特性を予め予測することは極めて困難であり、このことが真空紫外発光素子の開発における大きな障壁となっている。
さらに、真空紫外線は多くの物質に吸収される性質を有しており、発光素子からの発光を、発光素子自身が自己吸収するという問題があるため、材料の選択に著しい制限を受ける。
かかる現状において、真空紫外発光素子のわずかな例として、ネオジウムを含有するフッ化ランタン結晶が知られている(非特許文献2参照)。しかしながら、該フッ化ランタン結晶はその融点が1500℃と高く、不純物を含まない高品質な結晶を安定に製造することが困難であった。
特開2005−228886号公報 Iwaya.M et al、"High−power UV−light−emitting diode on sapphire" Japanese Journal of Applied Physics Part1−Regular Papers Short Notes & Review Papers 42,400(2003). A.C. Cefalas et al、"Intense vacuum ultraviolet emission at 172 nm from LaF3:Nd3+ crystals" Microelectronic Engineering 57,93(2001)
本発明は、真空紫外領域で高輝度発光するフッ化物結晶を提供することを目的とする。また、該フッ化物結晶からなり、フォトリソグラフィー、半導体や液晶の基板洗浄、殺菌、次世代大容量光ディスク、及び医療(眼科治療、DNA切断)等に好適に使用できる新たな真空紫外発光素子を提供することを目的とする。
本発明者等は、真空紫外領域で発光し、且つ発光した真空紫外線を自身が吸収しない材料につき種々検討した結果、フッ化ランタンに少量のフッ化バリウムを加えて固溶体とすることによって、結晶の融点が低下して安定に製造することができ、また、該固溶体に付活剤としてネオジウムを含有せしめることによって、真空紫外領域の波長において高輝度発光するフッ化物結晶を得られることを見出した。
さらに、該フッ化物結晶を適当な手段で励起することにより、真空紫外発光素子として適用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、組成式La1−x−yBaNd3−xで表されるフッ化物結晶であって、x及びyがそれぞれ0.01〜0.2及び0.001〜0.5の範囲にあることを特徴とするフッ化物結晶である。
更に他の発明は、上記フッ化物結晶からなることを特徴とする真空紫外発光素子である。
本発明によって得られるフッ化物結晶によれば、真空紫外領域において、高輝度な真空紫外発光を得ることができる。また、該フッ化物結晶からなる真空紫外発光素子は、フォトリソグラフィー、半導体や液晶の基板洗浄、殺菌、次世代大容量光ディスク、及び医療(眼科治療、DNA切断)等に好適に使用することができる。
以下、本発明のフッ化物結晶およびその真空紫外発光特性について説明する。
本発明のフッ化物結晶は、フッ化ランタンとフッ化バリウムとの固溶体に、賦活剤としてネオジウムを含有せしめた結晶であって、一般に化学式La1−x−yBaNd3−xで表される。
純粋なフッ化ランタンの融点は、1500℃と極めて高温であるが、フッ化バリウムを固溶化することによって、その融点を低下せしめることができる。フッ化ランタンとフッ化バリウムからなる固溶体の融点は、上記化学式におけるxが0〜0.2の範囲においては、フッ化バリウムの含有量に応じて連続的に低下し、xが0.2の場合における固溶体の融点は1390℃である。したがって、本発明において、フッ化バリウムの含有量が多いほど、結晶の融点を低下せしめることができる。しかしながら、上記化学式におけるxが0.2を超える場合には、フッ化ランタンとフッ化バリウムとの相分離が生じ、結晶が白濁する。上記化学式におけるxは、0.01〜0.2の範囲であり、より好ましくは、0.05〜0.15の範囲である。
一方、ネオジウムの含有量が高いほど、高輝度の発光を得ることができる。しかしながら、該含有量が高すぎる場合には、交差緩和過程や励起子エネルギー移動過程に基づく濃度消光、或いは結晶の真空紫外領域における透明性の低下に基づく自己吸収が生じ、結果として発光の輝度が低下する。上記化学式におけるyは、0.001〜0.5の範囲であり、より好ましくは、0.005〜0.2の範囲である。
尚、結晶中において、賦活剤であるNd原子はLa原子と置換されて存在すると考えられるが、正確な存在状態は明らかではない。
本発明において、フッ化物結晶は単結晶であることが好ましい。単結晶とすることによって、非輻射過程によるロスを生じることなく、高輝度で発光する発光素子を得ることができる。
本発明のフッ化物結晶は、無色ないしは薄紫色の透明な結晶であって、良好な化学的安定性を有しており、通常の使用においては短期間での性能の劣化は認められない。また、機械的強度、及び加工性も良好であり、所望の形状に加工して用いることが容易である。
当該フッ化物結晶の製造方法は特に限定されず、公知の結晶製造方法によって製造することができるが、マイクロ引き下げ法、またはチョクラルスキー法によって製造することが好ましい。
マイクロ引き下げ法で製造することにより、真空紫外領域における透明性等の品質に優れたフッ化物結晶を育成することが可能となる。また、高濃度のネオジウムを含有せしめることができ、高輝度発光を実現することができる。
マイクロ引き下げ法とは、図2に示すような装置を用いて、坩堝5の底部に設けた孔より原料融液を引き出して結晶を製造する方法である。
以下、マイクロ引き下げ法によって本発明のフッ化物結晶を製造する際の、一般的な方法について説明する。
まず、所定量の原料を、底部に孔を設けた坩堝5に充填する。坩堝底部に設ける孔の形状は、特に限定されないが、直径が0.5〜4mm、長さが0〜2mmの円柱状とすることが好ましい。
本発明において原料は特に限定されないが、純度がそれぞれ99.99%以上のフッ化ランタン、フッ化バリウム、及びフッ化ネオジウムを混合した混合原料を用いることが好ましい。かかる混合原料を用いることにより、フッ化物結晶の純度を高めることができ、発光の輝度等の特性が向上する。混合原料は、混合後に焼結或いは溶融固化させてから用いても良い。
次いで、上記原料を充填した坩堝5、アフターヒーター1、ヒーター2、断熱材3、及びステージ4を図2に示すようにセットする。真空排気装置を用いて、チャンバー6の内部を1.0×10−3Pa以下まで真空排気した後、高純度アルゴン等の不活性ガスをチャンバー内に導入してガス置換を行う。ガス置換後のチャンバー内の圧力は特に限定されないが、大気圧が一般的である。
該ガス置換操作によって、原料或いはチャンバー内に付着した水分を除去することができ、かかる水分に由来する結晶の劣化を妨げることができる。上記ガス置換操作によっても除去できない水分による影響を避けるため、フッ化亜鉛等の固体スカベンジャー或いは四フッ化メタン等の気体スカベンジャーを用いることが好ましい。固体スカベンジャーを用いる場合には原料中に予め混合しておく方法が好適であり、気体スカベンジャーを用いる場合には上記不活性ガスに混合してチャンバー内に導入する方法が好適である。
ガス置換操作を行った後、高周波コイル7、及びヒーター2によって原料を加熱して溶融せしめ、溶融した原料融液を坩堝底部の孔から引き出して、結晶の育成を開始する。
なお、本発明において、加熱方法は特に限定されず、例えば上記高周波コイルとヒーターの構成に替えて、抵抗加熱式のカーボンヒーター等を適宜用いることができる。
本発明のフッ化物結晶をマイクロ引き下げ法で製造する場合、原料融液の坩堝に対する濡れ性が悪く、坩堝底部の孔から融液が滲出しないため、以下の手段を採用することが好ましい。
即ち、金属ワイヤーを引き下げロッドの先端に設け、該金属ワイヤーを坩堝底部の孔から坩堝内部に挿入し、該金属ワイヤーに原料融液を付着せしめた後、原料融液を金属ワイヤーと共に引き下げることによって結晶の育成を可能とした。
具体的には、高周波の出力を調整し、原料の温度を結晶の融点近傍から徐々に上げながら、該金属ワイヤーを坩堝底部の孔に挿入し、引き出しを行う。この操作を、原料融液が金属ワイヤーと共に引き出されるまで繰り返して、結晶の育成を開始する。該金属ワイヤーの材質は、原料融液と実質的に反応しない材質であれば制限無く使用できるが、W−Re合金等の高温における耐食性に優れた材質が好適である。
上記金属ワイヤーによる原料融液の引き出しを行った後、一定の引き下げ速度で連続的に引き下げることにより、結晶を得ることができる。
該引き下げ速度は、特に限定されないが、0.5〜10mm/hrの範囲とすることが好ましい。
本発明のフッ化物結晶は、分解溶融する結晶であり、原料融液の化学組成がそのまま結晶の化学組成とはならない。しかしながら、予めLaF−BaF−NdFの三元系状態図を作成し、該状態図を基に原料組成を決定することによって、所望の化学組成を有する結晶を得ることが容易にできる
更に、本発明のフッ化物結晶はチョクラルスキー法で製造することにより、真空紫外領域における透明性に優れ、且つ結晶性に優れた単結晶を育成することが可能となる。かかる高品位のフッ化物単結晶は、真空紫外域において優れた発光特性を発揮する。
チョクラルスキー法とは、図3に示すような装置を用いて、坩堝12に充填した原料融液に種結晶を接触せしめ、その後に種結晶を回転させながら引き上げて結晶を製造する方法である。
以下、チョクラルスキー法によって本発明のフッ化物結晶を製造する際の、一般的な方法について説明する。
まず、所定量の原料を、坩堝12に充填する。使用する原料並びにその調整の方法は、マイクロ引き下げ法の項で述べた原料及び方法がそのまま採用される。
次いで、上記原料を充填した坩堝12、ヒーター9、断熱材10、及びステージ11を図3に示すようにセットする。真空排気装置を用いて、チャンバー13の内部を1.0×10−3Pa以下まで真空排気した後、高純度アルゴン等の不活性ガスをチャンバー内に導入してガス置換を行う。ガス置換後のチャンバー内の圧力は特に限定されないが、大気圧が一般的である。
該ガス置換操作によって、原料或いはチャンバー内に付着した水分を除去することができ、かかる水分に由来する結晶の劣化を妨げることができる。上記ガス置換操作によっても除去できない水分による影響を避けるため、フッ化亜鉛等の固体スカベンジャー或いは四フッ化メタン等の気体スカベンジャーを用いることが好ましい。固体スカベンジャーを用いる場合には原料中に予め混合しておく方法が好適であり、気体スカベンジャーを用いる場合には上記不活性ガスに混合してチャンバー内に導入する方法が好適である。
ガス置換操作を行った後、高周波コイル14、及びヒーター9で原料を加熱して溶融せしめ、溶融した原料融液に種結晶を接触せしめる。
なお、本発明において、加熱方法は特に限定されず、例えば上記高周波コイルとヒーターの構成に替えて、抵抗加熱式のカーボンヒーター等を適宜用いることができる。
次いで種結晶を回転させながら引き上げ、結晶の育成を開始する。結晶育成の開始直後は、一定の割合で結晶径を拡大し、所望の結晶径に調整する。
なお、かかる結晶径の拡大の操作においては、結晶の転位密度の減少を目的として、一旦結晶径を縮小した後に拡大するネッキング操作を施すことが好ましい。
所定の結晶径まで拡大せしめた後、一定の引き上げ速度で連続的に引き上げを続ける。該引き下げ速度は、特に限定されないが、0.5〜10mm/hrの範囲とすることが好ましい。
所定の長さまで引き上げた時点でヒーターの出力を上げて結晶を原料融液から切り離し、その後徐冷することによって結晶を得ることができる。
なお、かかる一連の結晶育成操作においては、引き上げロッドの上部に設けたロードセル、及び該ロードセルからの信号をヒーター出力にフィードバックする回路からなる結晶径制御装置を用いることが好ましい。該結晶径制御装置によれば、所望の形状の結晶を安定に製造することが容易となる。
本発明のフッ化物結晶の製造においては、熱歪に起因する結晶の結晶欠陥を除去する目的で、結晶の製造後にアニール操作を行っても良い。
得られたフッ化物結晶は、良好な加工性を有しており、所望の形状に加工して用いることが容易である。加工に際しては、公知のブレードソー、ワイヤーソー等の切断機、研削機、或いは研磨盤を何ら制限無く用いる事ができる。
本発明のフッ化物結晶は所望の形状に加工しての真空紫外発光素子とすることができる。この真空紫外発光素子は、電子線或いはFレーザー等の適当な励起源と組み合わせることにより、真空紫外光発生装置とすることができる。かかる真空紫外光発生装置は、フォトリソグラフィー、殺菌、次世代大容量光ディスク、及び医療(眼科治療、DNA切断)等の分野において、好適に使用できる。
以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
実施例1
図2に示す結晶製造装置を用いて、本発明のフッ化物結晶を製造した。原料としては、純度が99.99%のフッ化ランタン、フッ化バリウム、及びフッ化ネオジウムを用いた。アフターヒーター1、ヒーター2、断熱材3、ステージ4、及び坩堝5は、高純度カーボン製のものを使用し、坩堝底部に設けた孔の形状は直径2.2mm、長さ0.5mmの円柱状とした。
まず、フッ化ランタンの1.1g、フッ化バリウムの0.11g、及びフッ化ネオジウムの0.013gをそれぞれ秤量し、よく混合して得られた混合原料を坩堝5に充填した。この混合原料の融点は1440℃であった。
原料を充填した坩堝5を、アフターヒーター1の上部にセットし、その周囲にヒーター2、及び断熱材3を順次セットした。次いで、油回転ポンプ及び油拡散ポンプからなる真空排気装置を用いて、チャンバー6内を1.0×10−4Paまで真空排気した後、アルゴン−四フッ化メタン混合ガスをチャンバー6内に導入してガス置換を行った。
ガス置換後のチャンバー6内の圧力は大気圧とした後、高周波コイル7で原料を加熱して溶融せしめたが、原料融液の坩堝5底部の孔からの滲出は認められなかった。そこで、高周波の出力を調整して原料融液の温度を徐々に上げながら、引き下げロッド8の先端に設けたW−Reワイヤーを、上記孔に挿入し、引き下げる操作を繰り返したところ、原料の融液を上記孔より引き出すことができた。
この時点の温度が保たれるように高周波の出力を調整し、原料の融液を引き下げ、結晶化を開始した。3mm/hrの速度で連続的に20時間引き下げ、本発明のフッ化物結晶を得た。該結晶は直径が2.2mm、長さが60mmであり、白濁やクラックの無い良質な単結晶であった。
上記フッ化物結晶を、ダイヤモンド切断砥石を備えたブレードソーによって20mmの長さに切断し、結晶の長軸方向に沿って研削を行い、長さ20mm、幅2mm、厚さ1mmの形状に加工した。その後、各面を鏡面研磨して、フッ化物結晶からなる真空紫外発光素子とした。
上記真空紫外発光素子用結晶について、電子プローブX線マイクロアナリシス法による組成分析を行った。なお、組成分析は、真空紫外素子の長軸方向に沿った研磨面を測定面とし、下記の方法によって行った。
まず測定面にカーボン蒸着を施した後、測定面が上になるように試料台に載せ、カーボンテープで固定した。次いで試料台を電子プローブX線マイクロアナリシス測定装置(日本電子データム社製 JCMA−8600)にセットし、加速電圧20kV、照射電流50nA、及び照射時間60msecの条件下で、電子線を測定面に照射した。電子線の照射によって生じた特性X線を、分光結晶としてLIF及びPETを具備してなる波長分散X線スペクトロメータで分光し、測定面に存在する元素に応じた特性X線の強度を取得した。得られた特性X線の強度から、ZAF法を用いて各元素の含有量を求めた。
組成分析の結果、得られた結晶の組成は、化学式La1−x−yBaNd3−xにおけるxが0.1、yが0.01であった。
上記真空紫外発光素子の真空紫外発光特性を、図4に示す測定装置を用いて以下のようにして測定した。なお、測定は室温において行った。
測定装置内の所定の位置に本発明の真空紫外発光素子16をセットし、装置内部全体を窒素ガスで置換した。励起光源である重水素ランプ17からの励起光を、励起分光器18(分光計器製、KV201型極紫外分光器)で分光し、160nmの単色光とした。該160nmの励起光を真空紫外発光素子16に照射し、該真空紫外発光素子16からの発光を発光分光器19(分光計器製、KV201型極紫外分光器)で分光した。発光分光器19による分光の波長を、150〜250nmの範囲で掃引し、各発光波長における発光強度を光電子増倍管20で記録した。
上記測定の結果、図1に示す発光スペクトルが得られ、本発明のフッ化物結晶からなる真空紫外発光素子は、175nmの波長において充分な輝度で発光することが確認された。
実施例2
原料の量を、フッ化ランタンが1.2g、フッ化バリウムが0.55g、及びフッ化ネオジウムが0.013gとする以外は、実施例1と同様にして本発明のフッ化物結晶を得た。この混合原料の融点は1470℃であった。得られた結晶は直径が2.2mm、長さが60mmであり、白濁やクラックの無い良質な単結晶であった。
該フッ化物結晶を実施例1と同様に加工し、フッ化物結晶からなる真空紫外発光素子とした。
上記真空紫外発光素子用結晶について、実施例1と同様にして電子プローブX線マイクロアナリシス法による組成分析を行った結果、得られた結晶の組成は、化学式La1−x−yBa,Nd3−xにおけるxが0.05、yが0.01であった。
上記真空紫外発光素子の真空紫外発光特性を、実施例1と同様にして測定した結果、図1に示す発光スペクトルが得られ、本発明のフッ化物結晶からなる真空紫外発光素子は、174nmの波長において充分な輝度で発光することが確認された。
実施例3
原料の量を、フッ化ランタンが0.99g、フッ化バリウムが0.11g、及びフッ化ネオジウムが0.13gとする以外は、実施例1と同様にして本発明のフッ化物結晶を得た。この混合原料の融点は1430℃であった。得られた結晶は直径が2.2mm、長さが60mmであり、白濁やクラックの無い良質な単結晶であった。
該フッ化物結晶を実施例1と同様に加工し、フッ化物結晶からなる真空紫外発光素子とした。
上記真空紫外発光素子用結晶について、実施例1と同様にして電子プローブX線マイクロアナリシス法による組成分析を行った結果、得られた結晶の組成は、化学式La1−x−yBa,Nd3−xにおけるxが0.1、yが0.1であった。
上記真空紫外発光素子の真空紫外発光特性を、実施例1と同様にして測定した結果、図1に示す発光スペクトルが得られ、本発明のフッ化物結晶からなる真空紫外発光素子は、176nmの波長において充分な輝度で発光することが確認された。
本図は、本発明のフッ化物結晶からなる真空紫外発光素子の発光スペクトルである。 本図は、マイクロ引き下げ法による結晶製造装置の概略図である。 本図は、チョクラルスキー法による結晶製造装置の概略図である。 本図は、発光スペクトルの測定装置の概略図である。
符号の説明
1 アフターヒーター
2 ヒーター
3 断熱材
4 ステージ
5 坩堝
6 チャンバー
7 高周波コイル
8 引き下げロッド
9 ヒーター
10 断熱材
11 ステージ
12 坩堝
13 チャンバー
14 高周波コイル
15 引き上げロッド
16 本発明のフッ化物結晶
17 重水素ランプ
18 励起分光器
19 発光分光器
20 光電子増倍管

Claims (3)

  1. 化学式La1−x−yBaNd3−xで表されるフッ化物結晶であって、x及びyがそれぞれ0.01〜0.2及び0.001〜0.5の範囲にあることを特徴とするフッ化物結晶。
  2. フッ化物結晶が単結晶であることを特徴とする請求項1記載のフッ化物結晶。
  3. 請求項1または2記載のフッ化物結晶からなることを特徴とする真空紫外発光素子。
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