JP2008186564A - 磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触を検出する方法及び同方法を適用する磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触を検出する方法及び同方法を適用する磁気ディスク装置 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気ヘッドが磁気ディスクと接触したことを、より速やかに検出できるようにする。
【解決手段】HDDの主コントローラは、磁気ディスクからのデータの読み込みを行ってBER(ビットエラー率)を測定する動作(S6)を、当該測定されたBERが基準のBERを超えるまで(S7)、磁気ヘッドの発熱体に供給される電力の量を最低レベルから(S1)段階的に増やしながら(S5)、繰り返し実行する。主コントローラは、測定されたBERが基準のBERを超えたことをもって(S7)、磁気ヘッドが磁気ディスクのディスク面に接触したことを検出する(S8)。
【選択図】 図4

Description

本発明は、磁気ヘッドに設けられた発熱体に供給される電力の量を制御して当該ヘッドの一部の熱膨張量を可変することにより当該ヘッドと磁気ディスクのディスク面との距離を調整する磁気ディスク装置に係り、特に、当該ヘッドと磁気ディスクとの接触を検出する方法及び同方法を適用する磁気ディスク装置に関する。
近年、磁気ヘッド(磁気ヘッドスライダ)に発熱体(ヒータ)を設け、当該発熱体に供給される電力の量を制御して当該ヘッドの一部の熱膨張量(変形量)を可変することにより当該ヘッドと磁気ディスク(のディスク面)との距離を調整する磁気ディスク装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。このような発熱体は、DFH(Dynamic Fly Height)ヒータと呼ばれる。また、近年の磁気ディスク装置では、磁気ディスクの両ディスク面にそれぞれ磁気ヘッドが配置されるのが一般的である。
DFHヒータを有する磁気ヘッドを複数備えた磁気ディスク装置では、当該複数の磁気ヘッドのDFHヒータに供給される電力を個々に制御することにより、当該複数の磁気ヘッド(にそれぞれ搭載された記録再生素子)と、当該複数の磁気ヘッドがそれぞれ対向するディスク面との距離が同一となるように調整される。従来、この距離の調整は次のように行われる。
まず、DFHヒータに供給される電力の量を段階的に上げながら、つまり磁気ヘッドの熱膨張量(変形量)を増やしながら、当該ヘッドが磁気ディスク(のディスク面)と接触する際の電力量を最大電力量として検出する。その後、目的の距離になるように、DFHヒータに供給される電力を最大電力量から段階的に下げる。
従来、磁気ヘッドが磁気ディスクと接触したことを電気的に検出する方法として、次のような方法が知られている。まず、DFHヒータに供給される電力を上げながら、磁気ヘッドの出力、つまり磁気ヘッドに搭載された記録再生素子(再生素子)の出力(リード信号)がモニターされる。そして、磁気ヘッドの出力が飽和したことを確認することによって、当該ヘッドが磁気ディスクと接触したと判定される。
特開2005−276284号公報
上記したように従来技術においては、磁気ヘッドが磁気ディスクと接触したことを、当該ヘッドの出力の飽和を確認することによって検出している。ところが、磁気ヘッドの出力の飽和を確認するためには、当該ヘッドが磁気ディスクと接触した後も、DFHヒータに供給される電力を上げる必要がある。しかし、このようにすると、即ち磁気ヘッドが磁気ディスクと接触した後も当該ヘッドを変形させると、当該ヘッドにダメージを与えてしまう。
本発明は上記事情を考慮してなされたものでその目的は、磁気ヘッドが磁気ディスクと接触したことを、より速やかに検出できる、磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触を検出する方法及び同方法を適用する磁気ディスク装置を提供することにある。
本発明の1つの態様によれば、磁気ヘッドに設けられた発熱体に供給される電力の量を制御することにより当該ヘッドと磁気ディスクのディスク面との距離を調整する磁気ディスク装置に適用される、磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触を検出する方法が提供される。この方法は、前記磁気ディスクからのデータの読み込みを行ってエラー率を測定する動作を、当該エラー率が基準のエラー率を超えるまで、前記電力の量を最低レベルから段階的に増やしながら繰り返すステップと、前記エラー率が前記基準のエラー率を超えたことをもって、前記磁気ヘッドが前記磁気ディスクのディスク面に接触したことを検出するステップとを具備する。
本発明によれば、磁気ヘッドと磁気ディスクとが接触すると、その接触に起因して発生する当該ヘッドの振動のために磁気ディスクからのデータの読み込み時のエラー率が悪化することに着目し、磁気ヘッドに設けられた発熱体に供給される電力の量を段階的に増やしながら、その都度測定されたエラー率を基準のエラー率と比較することで、当該測定されたエラー率が基準のビットエラー率を超えたことをもって、直ちに磁気ヘッドが磁気ディスクと接触したことを検出することができ、その際の電力量も確認できる。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置(以下、HDDと称する)の構成を示すブロック図である。図1において、ディスク(磁気ディスク)11は上側と下側の2つのディスク面を有している。ディスク11の2つのディスク面の少なくとも一方のディスク面は、データが磁気記録される記録面をなしている。
ディスク11の記録面に対応してヘッド(磁気ヘッド)12が配置されている。ヘッド12には、ディスク11へのデータ書き込み(データ記録)及びディスク11からのデータ読み出し(データ再生)に用いられる記録再生素子(図示せず)が搭載されている。本実施形態では、ヘッド12は複合ヘッドであり、記録再生素子は記録素子と再生素子とから構成される。ヘッド12は、前記特許文献1に記載されているような発熱体(DFHヒータ)120を有する。DFHヒータ120は、当該ヒータ120に電力(電流)が供給されることにより発熱してヘッド12の一部を熱膨張させることにより、当該ヘッド12(の記録再生素子)とディスク11のディスク面との距離を調整するのに用いられる。
ディスク11はスピンドルモータ(SPM)13により高速に回転させられる。ヘッド12はアクチュエータ(キャリッジ)14の先端に取り付けられている。アクチュエータ14は、当該アクチュエータ14の駆動源となるボイスコイルモータ(VCM)15を有している。アクチュエータ14は、このVCM15により駆動されて、ヘッド12をディスク11の半径方向に移動する。これにより、ヘッド12は、目標トラック上に位置付けられる。
なお図1では、作図の都合上、ヘッド12が1つの場合が示されている。しかし、一般には、ディスク11の2つのディスク面が共に記録面をなしており、各々の記録面に対応してヘッドが配置される。また図1の構成では、単一枚のディスク11を備えたHDDを想定している。しかし、ディスク11が複数枚積層配置されたHDDであっても構わない。
SPM13及びVCM15は、モータドライバ(モータドライバIC)16からそれぞれ供給される駆動電流(SPM電流及びVCM電流)により駆動される。つまりモータドライバ16は、SPM13及びVCM15をそれぞれ駆動するSPMドライバ及びVCMドライバ(図示せず)を含む。
ヘッド12はヘッドIC(Integrated Circuit)17と接続されている。ヘッドIC17は、例えば、リードアンプ171、ライトドライバ172及びヒータ制御回路173を含む1チップのICである。
リードアンプ171は、ヘッド12(の再生素子)により読み出された(再生された)リード信号を増幅する。ライトドライバ172は、後述するリード/ライトチャネル18(内のライトチャネル182)から転送されるライトデータをライト電流に変換してヘッド12(の記録素子)に出力する。
ヒータ制御回路173は、後述するCPU21によって指定された電力(以下、DFHパワーと称する)をヘッド12に含まれているDFHヒータ120に供給する。本実施形態では、ヒータ制御回路173によってDFHヒータ120に供給されるDFHパワーの値は、ヘッドIC17に設けられた専用のレジスタに、その値を示すパラメータ(DFHパワーパラメータ)を設定することによって指定される。この専用レジスタへのパラメータの設定は、CPU21によってHDC19経由でシリアルインタフェースを介して行われる。但し、以降の説明では簡略化のために、CPU21がヒータ制御回路173に対してDFHパワーを指定するパラメータを設定すると表現する。
ヘッドIC17は、リード/ライトチャネル18と接続されている。リード/ライトチャネル18は、リード/ライトに関連する信号処理を行う信号処理デバイスである。本実施形態においてリード/ライトチャネル18は1チップのICであり、リードチャネル181及びライトチャネル182を含む。リードチャネル181は、ヘッドIC17内のヘッドアンプ171によって増幅されたリード信号をA/D(アナログ/デジタル)変換する処理、リードデータを復号化する処理等の信号処理を実行する。ライトチャネル182は、ライトデータを符号化する処理、符号化されたデータ(1セクタ分のデータ)の始端側にプリアンブル(プリアンブルパターン)を付加する処理等を行う。プリアンブルは、周知のように予め定められた周波数の同期パターンからなるデータであり、例えばクロック信号の生成のための同期信号に用いられる。
モータドライバ16、リード/ライトチャネル18、及びヘッドIC17内のヒータ制御回路173は、ディスクコントローラ(HDC)19と接続されている。HDC19は、バッファRAM20及びCPU21と接続されている。
HDC19は、HDDを利用するパーソナルコンピュータのようなホスト(ホストシステム)から転送されるコマンド(ライトコマンド、リードコマンド等)を受信すると共にホストと当該HDC19との間のデータ転送を制御するホストインタフェース制御機能を有する。HDC19はまた、リード/ライトチャネル18を介して行われるディスク11と当該HDC19との間のデータ転送を制御するディスクインタフェース制御機能を有する。HDC19はまた、バッファRAM20を制御するバッファ制御機能を有する。HDC19はまたCPU21とのインタフェースを有する。
HDC19は、ECC(エラー訂正符号)生成器191及びエラー訂正回路192を含む。ECC生成器191は、リード/ライトチャネル18(内のライトチャネル182)及びヘッドIC17を介してディスク111に書き込まれるべき1セクタのデータ(ライトデータ)単位に、当該データに付加される例えば一定長のエラー訂正符号(ECC:Error Correction Code)を生成する。本実施形態では、1セクタのデータ(ユーザデータ)は512バイトである。エラー訂正回路192は、ヘッドIC17及びリード/ライトチャネル18(内のリードチャネル181)を介してディスク11から読み出されたデータのエラー検出及びエラー訂正を、当該データに付加されているECCを用いて実行する。
バッファRAM20は、RAMによって構成されるバッファメモリである。バッファRAM20の記憶領域の一部は、ディスク11に書き込まれるべきデータ(ライトデータ)をセクタ単位で一時格納するためのライトバッファ201として用いられる。バッファRAM20の記憶領域の別の一部は、リード/ライトチャネル18を介してディスク11から読み出されてエラー訂正回路192によるエラー訂正処理が行われたデータ(リードデータ)をセクタ単位で一時格納するためのリードバッファ202として用いられる。
CPU21は、ROM22及びRAM23と接続されている。ROM22は、CPU21が実行すべき制御プログラム(ファームウェア)を予め格納する。RAM23は、CPU21の作業領域を提供する。CPU21は、ROM22に格納されている制御プログラムを実行することにより、図1に示されるHDDの主コントローラとして機能する。
図2は、図1に示されるリード/ライトチャネル18の構成を示すブロック図である。リード/ライトチャネル18は、可変ゲインアンプ(VGA:Variable Gain Amplifier)211、連続時間フィルタ(CTF:Continuous Time Filter)212、アナログ/デジタル(A/D)コンバータ213、有限インパルス応答(FIR:Finite Impulse Response)フィルタ214、ビタビ復号器215及びタイミングリカバリ回路216を含む。
VGA211は、リードアンプ171によって増幅されたリード信号の振幅値の変動を抑えて、信号振幅を一定に保つようにフィードバック制御するAGC(Automatic Gain Control)機能を有する。CTF212は、VGA211によって信号振幅が一定に揃えられたリード信号をA/Dコンバータ213で量子化する前の処理に用いられるアナログフィルタ(ローパスフィルタ)である。CTF212は、リード信号のノイズ帯域を制限し(つまりノイズを除去し)、且つ当該信号の波形を初期的に等化して当該信号の量子化歪を抑圧する。
A/Dコンバータ213は、CTF212の出力信号(リード信号)を、サンプリングクロック(再生クロック)CLKに同期して、量子化された離散時間サンプル値系列(デジタルサンプル値系列)に変換する。この信号のサンプリング(量子化)に用いられるサンプリングクロックCLKは、タイミングリカバリ回路216から供給される。FIRフィルタ214は、A/Dコンバータ213の出力データ(サンプル値系列)をパーシャルレスポンス(PR)のクラスに合わせて波形等化して、当該サンプル値系列のノイズを低下させる。
ビタビ復号器215は、FIRフィルタ214の出力データに対して最尤推定に基づくビタビ復号処理により、当該データから最尤の2値化データ系列(最も確からしい系列)を検出する。ビタビ復号器215によって検出されたデータ系列は、図示せぬ復調器で元のデータ(例えばNRZデータ)に復号されてリードデータとしてHDC19に転送される。
タイミングリカバリ回路216は、ビタビ復号器215によって検出されたデータ系列に基づき、A/Dコンバータ213のサンプリングクロックCLKのタイミング調整(タイミングリカバリ)のためのフィードバック制御を行う。タイミングリカバリ回路216は、このフィードバック制御により、サンプリングクロックCLKを各セクタ(データセクタ)のプリアンブル(同期パターン)からサンプリングされるクロック(つまりディスク11に記録されているクロック)に位相同期させる引き込み制御と、ビタビ復号器215によって検出されたデータ系列に含まれているユーザデータ部分からサンプリングされるクロックに、サンプリングクロックCLKを追従させるトラッキング制御とを行う。このユーザデータ部分からサンプリングされるクロックの周波数は、ディスク11の回転変動、ヘッド12の振動等に起因して変動する。
タイミングリカバリ回路216のタイミング調整の感度を決めるフィードバックゲイン(以下、PLLゲインと称する)は可変設定可能なようになっている。本実施形態では、リード/ライトチャネル18内に、PLLゲイン設定用の専用のレジスタが設けられている。CPU21は、このレジスタに、HDC19経由でシリアルインタフェースを介して、目標のPLLゲインを表す値のパラメータ(PLLゲインパラメータ)を設定することで、タイミングリカバリ回路216のPLLゲインを設定する。但し、以降の説明では簡略化のために、CPU21がタイミングリカバリ回路216に対して目標のPLLゲインを指定するPLLゲインパラメータを設定すると表現する。
通常、タイミングリカバリ回路216のPLLゲインは最適値に設定される。もし、タイミングリカバリ回路216のPLLゲインが最適値と比較してより低い値に設定されると、フィードバックの感度が低くなるために、サンプリングクロックCLKを上述の周波数からのずれに速やかに追従させることができなくなる。この場合、リードエラーの発生率(エラー率)、例えばビットエラー率(BER:Bit Error Rate)が増加する。一方、PLLゲインが最適値と比較してより高い値に設定されると、フィードバックの感度が高くなりすぎるために、例えばディスク11上の本来データが記録されていない箇所に存在する微少な傷等に追従してサンプリングクロックCLKの周波数が変えられてしまう。
本実施形態の特徴は、DFHヒータ120に供給されるDFHパワーを上げながら、ヘッド12がディスク11(のディスク面)と接触(タッチダウン)したことを検出するのに、リードエラーのエラーレート(エラー率)、例えばビットエラーレート(BER)を用いることにある。以下、上述の接触の検出に、BERを用いることの利点を、従来技術と比較して説明する。ここで従来技術で適用されるTDの検出手法は、ヘッド12の出力レベル、例えばリードアンプ171の出力のレベル、つまりVGA211の入力のレベル(振幅)を用いることである。ここで、VGA211は、リードアンプ171の出力(リード信号)の信号振幅を一定に保つようにフィードバック制御する。したがって、ヘッド12の出力レベルはVGA211のゲイン(VGAゲイン)に対応する。
図3は、DFHパワー(を指定するパラメータ値)を例えば「0」から段階的に上げながらVGAゲイン及びBERを測定した結果、つまりDFHパワーに対するVGAゲイン及びBERの特性を示す。
図3において特性31は、DFHパワーに対するVGAゲインの測定結果を示す。この特性31からは、DFHパワーを上げるにつれてVGAゲインが低下し(つまりヘッド12の出力レベルが高くなり)、矢印34で示されるDFHパワー「29」のポイント以降の領域で、VGAゲイン(ヘッド12の出力レベル)が飽和していると推定される。このため、DFHパワーが「29」のときに、ヘッド12がディスク11にタッチダウン(接触)したと推定される。しかし、VGAゲイン(ヘッド12の出力レベル)が飽和していることを確認するためには、ヘッド12がディスク11にタッチダウンした後も、タッチダウン時のDFHパワー(=29)よりも更にDFHパワーを上げ続ける必要がある。この場合、ヘッド12に対するダメージが大きくなる問題がある。
一方、図3において、特性32及び特性33は、DFHパワーに対するBERの測定結果を示す。BERは次式
BER=log(エラービット数/転送ビット数)
のように、対数表現で示されるものとする。
特性32及び特性33の違いは、タイミングリカバリ回路216のPLLゲインである。特性32はPLLゲインが最適PLLゲインGoptの場合、特性33はPLLゲインが最適PLLゲインGoptより低いGt(Gt<Gopt)の場合である。ここでは、最適PLLゲインGoptは、PLLゲインGtを決定する際の上限PLLゲインであるといえる。更に詳細に述べるならば、特性33はPLLゲインが最適PLLゲイン(上限PLLゲイン)Goptより低く、下限PLLゲインGminよりも低いGt(Gmin<Gt<Gopt)の場合である。下限PLLゲインGminは、DFHパワー(のパラメータ値)が「0」の場合のBERが、予め定められたBERよりも悪化し始める際のPLLゲインである。
図3において特性32を特性31と比較すると、特性31においてVGAゲイン(ヘッド12の出力レベル)が飽和し始める推定されるDFHパワーで、特性32においてBERが悪化し始めていることが推定できる。このBERの悪化は、ヘッド12がディスク11にタッチダウンしたことで、当該ヘッド12がディスク11の回転方向(つまりヘッド12の相対的な進行方向)に対して前後に揺れることに起因すると考えられる。ヘッド12の揺れ(振動)の周波数はヘッド毎に異なるが、50〜150kHzである。このヘッド12の揺れにより、ビタビ復号器215によって検出されたデータ系列に含まれているユーザデータ部分からサンプリングされるクロックの周波数が変動する。そのため、この周波数変動にタイミングリカバリ回路216がサンプリングクロックCLKを追従させること(つまりタイミング調整)が難しくなって、BERの悪化を招くと考えられる。
そこで、DFHパワーを段階的に上げながら、その都度BERを測定して、当該BERの悪化を検出することにより、ヘッド12がディスク11にタッチダウンしたと検出(判定)することができる。但し、特性32の測定条件では、タイミングリカバリ回路216が最適PLLゲインGoptに設定されているため、BERの急激な悪化は発生しない。このため特性32に基づいて、矢印34で示されるDFHパワー「29」のポイントでヘッド12がディスク11にタッチダウンしたと検出(判定)するには、閾値(基準値)を高精度に設定する必要がある。
これに対し、特性33では、矢印34で示されるDFHパワー「29」のポイントで、つまりヘッド12がディスク11にタッチダウンしたポイントで、BERが急激に悪化している。このBERの急激な悪化は、特性33の測定条件として、タイミングリカバリ回路216が最適PLLゲインGoptではなくて、当該最適PLLゲインGoptより低いGtに設定されているためである。但し、本実施形態では、PLLゲインGtを、最適PLLゲインGoptより低く、且つ上記下限PLLゲインGminよりも高い値に設定している。これにより、PLLゲインGtを下げすぎて、DFHパワーが「0」の場合でもBERが悪化するのを防止すること、つまりヘッド12がディスク11にタッチダウンしたポイントとそれ以前のポイントとの間でBERに大きな差がない状態となるのを防止することができる。ここでは、PLLゲインGtはGmin<Gt<Goptの範囲内で、Gminにより近いほど、ヘッド12がディスク11にタッチダウンしたポイントで、BERが急激に悪化することが期待される。
特性33では、DFHパワーが「0」の場合のBERを基準Aとするならば、DFHパワーを段階的に増加しながらBERを測定して、その測定されたBERが、基準AにあるマージンΔMを加えた値(基準A+ΔM)を超えた時点で、ヘッド12がディスク11にタッチダウンしたこと(による周波数ずれ)を直ちに検出(判定)できる。また、特性33の場合、測定されたBERが「基準A+ΔM」を超えたことを検出した以降、更にDFHパワーを上げる必要がないため、ヘッド12に対するダメージも低減できる。
次に、上記特性33を取得して、ヘッド12がディスク11にタッチダウンしたことを検出するための処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。
まずCPU21は、ヘッドIC17内のヒータ制御回路173に対して、HDC19経由でDFHパワー=0(最低パワーレベル)を指定する(ステップS1)。これによりヒータ制御回路173は、ヘッド12に設けられているDFHヒータ120に供給するDFHパワーを「0」(最低パワーレベル)にする。
またCPU21は、リードチャネル181内のタイミングリカバリ回路216に対して、HDC19経由でPLLゲイン=Gt(特定フィードバックゲイン)を指定する(ステップS2)。これによりタイミングリカバリ回路216は、PLLゲイン=Gtでフィードバック制御することにより、サンプリングクロックCLKのタイミングを調整する。
次にCPU21は、DFHパワー=0、PLLゲイン=Gtの測定条件下で、BERを測定するための処理(BER測定処理)を次のように実行する(ステップS3)。まずCPU21は、一定量のテストデータ(例えば109ビット程度のテストデータ)をディスク11に書き込むための制御を行う(ステップS3a)。このテストデータはセクタ(512バイト=4,096ビット)単位に分割されて、バッファRAM20のライトバッファ201に一時格納される。HDC19内のECC生成器191は、CPU21による制御(書き込み指定)に従い、セクタ毎に、対応するデータ(テストデータ)に基づいてECCを生成する。生成されたセクタ毎のECCは、対応するデータの終端側に付加されて、ライトチャネル182に転送される。このセクタ毎のデータ(テストデータ)の転送のタイミングは、HDC19によって制御される。これにより、セクタ毎のデータは、後述するように当該データにプリアンブルが付加された後に、ディスク11上の目標トラックの目標セクタに書き込まれる。
ライトチャネル182は、HDC19から転送される、ECCが付加されたセクタ毎のデータ(テストデータ)を符号化すると共に、その始端側にプリアンブルを付加して、ヘッドIC17のライトドライバ172に転送する。ライトドライバ172は、ライトチャネル182からセクタ単位で転送される(プリアンブル及びECCが付加された)データをライト電流に変換して、ヘッド12の記録素子に出力する。これにより、ライトチャネル182からセクタ単位で転送されるデータ(テストデータ)はディスク11の目標トラック(シリンダ)の目標セクタに書き込まれる。このようにして、一定量のテストデータがディスク11に書き込まれる(ステップS3a)。
次にCPU21は、ディスク11に書き込まれた一定量のテストデータを読み込むための制御を行う(ステップS3b)。これにより、ディスク11に書き込まれた一定量のテストデータがセクタ単位に、ヘッド12の再生素子、ヘッドIC17のリードアンプ171及びリードチャネル181(内のVGA211、CTF212、A/Dコンバータ213、FIRフィルタ214及びビタビ復号器215)を介して読み出されて、HDC19に転送される。このHDC19にセクタ単位で転送されたデータ(リードデータ)は、HDC19内のエラー訂正回路192によるエラー訂正処理を経て、バッファRAM20内のリードバッファ202に一時格納される。このようにして、ステップS3aでディスク11に書き込まれた一定量のテストデータが、セクタ単位にリードバッファ202に読み出される(ステップS3b)
次にCPU21は、ライトバッファ201にセクタ単位に格納されているテストデータ(書き込み用のテストデータ)と、リードバッファ202にセクタ単位に格納されているテストデータ(読み出されたテストデータ)とを比較することで、BERを計算する(ステップS3c)。
BERの計算に必要なエラー検出方式として、セクタエラー検出方式とシンボルエラー検出方式とが知られている。セクタエラー検出方式では、1セクタリードした場合に、当該1セクタ(本実施形態では512バイト)のうち実際にエラーしたバイト数Nに無関係に1回のエラー(リードエラー)として検出(カウント)される。したがってセクタエラー検出方式では、1回のエラーは512バイトのエラー、つまり4,096ビットのエラーと見なされる。
一方、シンボルエラー検出方式では、1セクタのうちエラーしたバイト毎にエラーとして検出される。つまり、シンボルエラー検出方式では、実際にエラーしたバイト数がNの場合、N回のエラー(リードエラー)として検出(カウント)される。したがってシンボルエラー検出方式では、1回のエラーは1バイトのエラー、つまり8ビットのエラーと見なされる。
ヘッド12がディスク11にタッチダウンしてヘッド12が揺れたために、現在のPLLゲインでは、タイミングリカバリ回路216によるタイミング調整が難しい状況では、1セクタ内で数バイト連続してエラーすることが多い。シンボルエラー検出方式では、このような数バイト連続して発生するエラーが、バイト単位でエラーとして検出される。これに対してセクタエラー検出方式では、1セクタ内で数バイト連続して発生するエラーも、例えば1バイトのみのエラーでも、1回のエラーとして検出される。このため、シンボルエラー検出方式を適用してBERを計算する方が、セクタエラー検出方式を適用するよりも、BERが悪化したことをもってヘッド12がディスク11にタッチダウンしたことを検出する場合の検出感度を上げることができる。
そこでCPU21は、上記ステップS3cにおいて、シンボルエラー検出方式を適用してBERを計算する。ここでは、1セクタ内でNバイト連続してエラーが発生して、N回のエラーとして検出された場合、8Nビットのエラーとしてカウントされる。
CPU21は、ステップS3cにおいてBERを計算してBER測定処理(ステップS3)を終了すると、当該計算されたBERを基準Aとして設定する(ステップS4)。この基準Aは、前記したように、BERが悪化したことをもってヘッド12がディスク11にタッチダウンしたことを検出するための閾値として用いられる。但し、実際には後述するように、基準Aに一定のマージンΔMを加えた値が、閾値として用いられる。図3に示される特性33の例であれば、DFHパワーが「0」の場合のBER、つまり基準Aは、ほぼ「−6.5」となる。
次にCPU21は、ヒータ制御回路173に対して、DFHパワーを現在の値より一定値ΔDFHだけ増加することを指定する(ステップS5)。これによりヒータ制御回路173は、DFHヒータ120に供給するDFHパワーを現在の値よりΔDFHだけ上げる。この状態でCPU21は、ステップS3と同様のBER測定処理を実行し、測定(計算)されたBERを、現在設定されているDFHパワーでの測定値(BER測定値)Bとする(ステップS6)。なお、ステップS6では、ステップS3(に含まれているステップS3a)においてディスク11に書き込まれたテストデータを読み出すようにすることで、テストデータの書き込みを省略することも可能である。また、ステップS3からテストデータの書き込み(ステップS3a)を削除して、例えば図4のフローチャートの開始時に、DFHパワー=0、PLLゲイン=Gopt(つまりHDDの通常時の状態)で一定量のテストデータを書き込んでおき、当該テストデータをステップS3及びS6のBER測定処理で読み出してBERを測定しても構わない。
CPU21は、測定値Bが基準A(つまり、DFHパワー=0でのBER測定値)にマージンΔMを加算した値(基準A+ΔM)を超えているかを判定する(ステップS7)。もし、Bが基準A+ΔM以下であるならば、CPU21は、ヘッド12は未だディスク11にタッチダウンしていないと判定する。この場合、CPU21は再びステップS5及びS6を実行する。
このようにCPU21は、DFHパワーをΔDFHずつ段階的に増加させながら(ステップS5)、その都度BERを測定するためのBER測定処理(ステップS6)を、測定されたBER(B=BER)が基準A+ΔMを超えるまで(ステップS7)、繰り返し実行する。
そして、ステップS5及びS6が繰り返された結果、測定されたBER(B=BER)が基準A+ΔMを超えたものとする(ステップS7)。この場合、CPU21は現在のDFHパワーでヘッド12がディスク11にタッチダウンしたと判定する(ステップS8)。図3に示される特性33の例であれば、ΔM=0.5とすると、DFHパワー=29でBER測定値Bは「−5.6」程度となって、基準A+ΔM=−6.5+0.5=−6.0を超える。なお、基準A+ΔM、つまりDFHパワーが「0」の場合のBERにΔMを加えた値を、測定されたBER(B=BER)と比較する基準値と見なすこともできる。
CPU21は、ヘッド12のタッチダウンを判定(検出)した場合、その際に設定されているDFHパワーの値から所定値を差し引いた値を、ヘッド12(の記録再生素子)とディスク11のディスク面との距離を最適距離に設定するための最適DFHパワーとして決定する。以後、図1のHDDが使用される場合、CPU21はヒータ制御回路173に対して、上記決定された最適DFHパワーを指定する。これにより、ヒータ制御回路173はDFHヒータ120に指定の最適DFHパワーを供給する。
なお、ディスク11の各面に対応してヘッド12が配置されている場合、CPU21は、ヘッド12毎に図4のフローチャートに示される処理を行えば良い。これによりCPU21は、ヘッド12毎に、当該ヘッド12がディスク11にタッチダウンした際のDFHパワーを検出して、各ヘッド12とディスク11のディスク面との距離を最適距離に設定するための最適DFHパワーを決定することができる。
上記実施形態では、図4のフローチャートに示される処理が、CPU21の制御によりHDD内だけで実行される場合(手法1)を想定している。しかし、図4のフローチャートに示される処理を、HDDを利用するホストからの指示(例えばステップS1,S2,S3a,S3b及びS5とステップS6におけるテストデータの書き込み/読み出しに対応する指示)及び当該ホスト自体の処理(ステップS3c,S4,S7及びS8とステップS6におけるBER計算に対応する処理)によって、当該ホスト及びHDDが協同して行うこと(手法2)も可能である。
手法1及び手法2(特に手法2)は、HDDの出荷時にヘッド毎の最適DFHパワーを設定するのに適用可能である。また手法1は、ヘッド毎の最適DFHパワーの経時変化を考慮して、HDD内で自律的に行われる自己診断テストとして適用可能である。
[変形例]
次に、エラー訂正回路192のエラー訂正能力を、ヘッド12がディスク11にタッチダウンしたことを検出する処理に最適な値に設定するようにした上記実施形態の変形例について説明する。
エラー訂正回路192は、セクタデータに付加されているECCを全て利用して当該データのエラー訂正を行う場合に、最大のエラー訂正能力を発揮する。もし、ECCの一部を利用してエラー訂正を行う場合、利用するECC部分の長さが短くなるほどエラー訂正能力は低下する。エラー訂正回路192を、どのようなレベルのエラー訂正能力で動作させるかは、当該エラー訂正回路192の外部、例えばCPU21から指定可能である。
エラー訂正回路192を高いエラー訂正能力、例えば最大レベルの訂正能力で動作させた場合、BERが著しく低くなること(つまりBERが飽和すること)が考えられる。このような場合、BERに基づくタッチダウンの検出(判定)のためには、テストデータのサイズ(転送ビット数)を大きくする必要がある。例えば、BERが−9程度の場合、つまりエラービット数/転送ビット数が1/109程度の場合、そのBERを確実に測定するには、テストデータの転送ビット数を109ビットよりも少なくとも1桁(一般には3桁程度)多くする必要がある。
したがって、エラー訂正回路192を通常と同様に最大レベルの訂正能力で動作させて、図4のフローチャートで示される処理を実行しようとすると、段階的に増加設定されるDFHパワー毎に行われるBER測定処理に、サイズの大きいテストデータの転送に起因して多大な時間を要する。この場合、ヘッド12のDFHヒータ120にDFHパワーが供給される時間も長くなるため、当該ヘッド12に加えられるダメージが増加する。
そこで本変形例では、DFHパワー=0、PLLゲイン=GoptでのBERが、エラー訂正回路192を最大レベルの訂正能力で動作させる場合に比べて十分低い値、例えば−6程度となるように、つまりエラービット数/転送ビット数が1/106程度となるように、当該エラー訂正回路192のエラー訂正能力(使用するECC部分の長さ)を調整するようにしている。
以下、本変形例で適用される、ヘッド12がディスク11にタッチダウンしたことを検出するための処理について、図5A及び図5Bのフローチャートを参照して説明する。
まずCPU21は、ヒータ制御回路173に対してDFHパワー=0(最低パワーレベル)を指定する(ステップS11)。これによりヒータ制御回路173は、ヘッド12のDFHヒータ120に供給するDFHパワーを「0」(最低パワーレベル)にする。
またCPU21は、リードチャネル181内のタイミングリカバリ回路216に対して、PLLゲイン=Goptを指定する(ステップS12)。更にCPU21は、エラー訂正回路192が最低レベルのエラー訂正能力でエラー訂正処理を行うように、当該エラー訂正回路192に対して指示する(ステップS13)。つまりCPU21は、エラー訂正回路192のエラー訂正能力を最低レベルに設定する。
次にCPU21は、図4のステップS3と同様のBER測定処理を実行する(ステップS14)。このBER測定処理におけるテストデータの読み出し(図4のステップS3bに相当)では、エラー訂正回路192は、リードチャネル181を介してセクタ単位に読み込まれたデータのエラーを現在設定されているエラー訂正能力で訂正するためのエラー訂正処理を行う。ここでは、読み込まれたセクタデータに付加されているECCのうちの、現在設定されているエラー訂正能力に対応するECC長部分を利用してエラー訂正処理が行われる。
エラー訂正回路192によるエラー処理後のデータは、バッファRAM20内のリードバッファ202に格納される。つまり、ディスク11に書き込まれた一定量のテストデータは、セクタ単位に読み出されて、エラー訂正回路192によって現在のエラー訂正能力で訂正処理された後リードバッファ202に格納される。CPU21は、ライトバッファ201にセクタ単位に格納されているテストデータと、リードバッファ202にセクタ単位に格納されているエラー訂正回路192によるエラー訂正処理後のテストデータとを比較することで、BERを計算する。なお、エラー訂正回路192のエラー訂正能力が最低レベルに設定されている場合、当該エラー訂正回路192は、リードチャネル181を介して読み込まれたデータをエラー訂正を行わずに出力する。
CPU21は、BER測定処理(ステップS14)で測定(計算)されたBERが目標BERの範囲内であるかを判定する(ステップS15)。本実施形態では、目標BERは−6(つまり目標とするエラービット数/転送ビット数は1/106)に設定されており、目標BERの範囲は−6−ΔBER<BER<−6+ΔBER(ΔBERはマージンを表す)に設定されている。通常、エラー訂正回路192によるエラー訂正処理が最低のエラー訂正能力で行われた場合、測定(計算)されたBERは目標BERの範囲の上限を超える。
測定(計算)されたBERが目標BERの範囲から外れている場合、CPU21はエラー訂正回路192のエラー訂正能力を一定レベル上げる(ステップS16)。この状態でCPU21は、BER測定処理(ステップS14)を再び実行する。
このようにCPU21は、エラー訂正回路192のエラー訂正能力を一定レベルずつ段階的に上げながら(ステップS16)、その都度、BER測定処理(ステップS14)を、測定されたBERが目標BERの範囲内に入るまで(ステップS15)、繰り返し実行する。
そして、これらの処理が繰り返された結果、測定されたBERが目標BERの範囲内に入ったものとする(ステップS15)。この場合、CPU21は今回測定されたBERを、エラー訂正回路192の現在設定されているエラー訂正能力での基準Aとして設定する(ステップS17)。
するとCPU21は、PLLゲイン(特定フィードバックゲイン)Gtを決定するための処理を次のように行う。まずCPU21は、タイミングリカバリ回路216のPLLゲインを現在のレベル(最初はGopt)から一定レベル下げる(ステップS18)。この状態、つまりステップS17で基準Aが設定された際のECC生成器191のエラー訂正能力、及び最も最近に設定されたPLLゲインの状態で、CPU21はステップS14と同様のBER測定処理を実行し、測定(計算)されたBERを測定値(BER測定値)Cとする(ステップS19)。
CPU21は、測定値Cが基準AにマージンΔM’を加算した値(基準A+ΔM’)を超えているかを判定する(ステップS20)。このマージンΔM’に前記マージンΔMを用いても構わない。もし、Bが基準A+ΔM’以下であるならば、CPU21は再びステップS18及びS19を実行する。なお、基準A+ΔM’を、測定されたBER(B=BER)と比較する基準値と見なすこともできる。
このようにCPU21は、PLLゲインを一定レベルずつ段階的に下げながら(ステップS18)、その都度BER測定処理(ステップS19)を、測定されたBER(C=BER)が基準A+ΔM’を超えるまで(ステップS20)、繰り返し実行する。
そして、ステップS18及びS19が繰り返された結果、測定されたBER(B=BER)が基準A+ΔM’を超えたものとする(ステップS20)。この場合、CPU21はDFHパワー=0でも、現在のPLLゲインでBERが急激に悪化すると判定する。そこでCPU21は、前回のPLLゲイン、つまり現在のPLLゲインよりも一定レベル高いPLLゲインを、前記PLLゲインGtとして決定する(ステップS21)。ここで、現在のPLLゲイン、即ち測定されたBER(B=BER)が基準A+ΔM’を超えた際のPLLゲインは、前述の下限PLLゲインGminに相当する。したがって本変形例では、PLLゲインGtとして、Gmin<Gt<Goptを満足し、且つGminより一定レベルだけ高いゲインに決定される。
CPU21は、PLLゲインGtを決定すると、タイミングリカバリ回路216に対して、PLLゲイン=Gtを指定する(ステップS22)。以降、上記実施形態において基準Aが設定された後の動作(図4のステップS5〜S8)と同様の動作(ステップS23〜S26)が行われる。但し本変形例では、上記実施形態と異なってエラー訂正回路192のエラー訂正能力が最大のエラー訂正能力よりも下げられているため、上記実施形態よりも少ないテストデータ転送量でも高精度にBERを測定して、BERの悪化を検出できる。この場合、BER測定処理時間が短くなって、DFHヒータ120にDFHパワーが供給される時間も短くなるため、当該ヘッド12に加えられるダメージを低減できる。
なお、本発明は、上記実施形態またはその変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態またはその変形例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態またはその変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の構成を示すブロック図。 図1に示されるリード/ライトチャネルの構成を示すブロック図。 同実施形態で測定されるDFHパワーに対するビットエラー率(BER)の特性を、DFHパワーに対するVGAゲインの特性と対比して示す図。 同実施形態で適用される、ヘッドがディスクにタッチダウンしたことを検出するための処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態の変形例で適用される、ヘッドがディスクにタッチダウンしたことを検出するための処理の手順を示すフローチャートの一部を示す図。 同実施形態の変形例で適用される、ヘッドがディスクにタッチダウンしたことを検出するための処理の手順を示すフローチャートの残りを示す図。
符号の説明
11…ディスク(磁気ディスク)、12…ヘッド(磁気ヘッド)、18…リード/ライトチャネル、19…HDC(ディスクコントローラ)、21…CPU(主コントローラ)、120…DFHヒータ(発熱体)、171…リードアンプ、173…ヒータ制御回路(発熱体制御回路)、181…リードチャネル、191…ECC(エラー訂正符号)生成器、192…エラー訂正回路、201…ライトバッファ、202…リードバッファ、213…A/Dコンバータ、216…タイミングリカバリ回路。

Claims (8)

  1. 磁気ヘッドに設けられた発熱体に供給される電力の量を制御することにより当該ヘッドと磁気ディスクのディスク面との距離を調整する磁気ディスク装置に適用される、磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触を検出する方法であって、
    前記磁気ディスクからのデータの読み込みを行ってエラー率を測定する動作を、当該エラー率が基準のエラー率を超えるまで、前記電力の量を最低レベルから段階的に増やしながら繰り返すステップと、
    前記エラー率が前記基準のエラー率を超えたことをもって、前記磁気ヘッドが前記磁気ディスクのディスク面に接触したことを検出するステップと
    を具備することを特徴とする磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触を検出する方法。
  2. 前記エラー率が、エラーしたバイト毎にエラーとして検出されるシンボルエラー検出方式に基づいて測定されることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触を検出する方法。
  3. 前記磁気ディスク装置に設けられた、前記磁気ヘッドにより読み出された信号を2値化して復号するリードチャネル内の、当該2値化のためのサンプリングタイミングを調整するタイミングリカバリ回路のフィードバックゲインを、前記磁気ディスク装置が通常に使用される際に設定される最適フィードバックゲインよりも低い特定フィードバックゲインに設定するステップを更に具備し、
    前記繰り返すステップが、前記タイミングリカバリ回路のフィードバックゲインが前記特定フィードバックゲインに設定されている状態で実行される
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触を検出する方法。
  4. 前記特定フィードバックゲインが、前記最適フィードバックゲインに一致する上限フィードバックゲインよりも低く、且つ前記電力の量が前記最低レベルの場合のエラー率が予め定められたエラー率より悪化し始める際のフィードバックゲインに一致する下限フィードバックゲインよりも高く設定されることを特徴とする請求項3記載の磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触を検出する方法。
  5. 前記電力の量が前記最低レベルに設定され且つ前記タイミングリカバリ回路のフィードバックゲインが前記特定ゲインに設定されている特定状態で前記磁気ディスクからのデータの読み込みを行ってエラー率を測定するステップと、
    前記特定状態で測定されたエラー率に一定のマージンを加えた値を前記基準のエラー率として設定するステップと
    を更に具備することを特徴とする請求項4記載の磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触を検出する方法。
  6. 前記電力の量が前記最低レベルに設定され且つ前記タイミングリカバリ回路のフィードバックゲインが前記最適フィードバックゲインに設定されている特定状態で、前記磁気ディスクからのデータの読み込みを行ってエラー率を測定する動作を、当該測定されたエラー率が目標エラー率の範囲に入るまで、前記磁気ディスク装置に設けられた、前記リードチャネルによって復号されたデータの誤りを当該データに付加されている誤り訂正符号に基づいて訂正するエラー訂正回路のエラー訂正能力を、最低レベルから段階的に上げながら繰り返すステップと、
    前記特定状態で測定されたエラー率が前記目標エラー率の範囲に入った際の当該エラー率に一定のマージンを加えた値を前記基準のエラー率として設定するステップと
    を更に具備することを特徴とする請求項4記載の磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触を検出する方法。
  7. 前記電力の量が前記最低レベルに設定され且つ前記エラー訂正回路のエラー訂正能力が前記基準のエラー率の設定時のレベルに設定されている、前記特定状態とは別の特定状態で、前記磁気ディスクからのデータの読み込みを行ってエラー率を測定する動作を、当該別の特定状態で測定されたエラー率が前記基準のエラー率を超えるまで、前記タイミングリカバリ回路のフィードバックゲインを前記最適レベルから段階的に下げながら繰り返すステップと、
    前記別の特定状態で測定されたエラー率が前記基準のエラー率を超えた場合、現在のフィードバックゲインに下げられる直前のフィードバックゲインを前記特定フィードバックゲインとして設定するステップとを更に具備し、
    前記判定するステップで用いられる前記エラー率を測定する動作の期間、前記エラー訂正回路のエラー訂正能力が前記基準のエラー率の設定時のレベルに設定されている
    ことを特徴とする請求項6記載の磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触を検出する方法。
  8. 磁気ヘッドに設けられた発熱体に供給される電力の量を制御することにより当該ヘッドと磁気ディスクのディスク面との距離を調整する磁気ディスク装置において、
    前記磁気ヘッドにより読み出された信号を増幅するリードアンプと、
    前記リードアンプによって増幅された信号を2値化して復号するリードチャネルと、
    前記リードチャネルによって復号されたデータの誤りを当該データに付加されている誤り訂正符号に基づいて訂正するエラー訂正回路と、
    前記発熱体に供給される電力の量を制御する発熱体制御回路と、
    前記磁気ディスクからのデータの読み込みを行ってエラー率を測定する動作を、当該エラー率が基準のエラー率を超えるまで、前記発熱体制御回路によって前記発熱体に供給される電力の量を最低レベルから段階的に増やしながら繰り返し、前記エラー率が前記基準のエラー率を超えたことをもって、前記磁気ヘッドが前記磁気ディスクのディスク面に接触したことを検出する主コントローラと
    を具備することを特徴とする磁気ディスク装置。
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