JP2008184214A - ディスク収納体 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ディスク表面のキズや汚れが付くことを低減すること、収納体の内側にインク受理層が貼りつくトラブルを防止することが可能なディスク収納体を提供する。
【解決手段】ディスク状の記録媒体を収納する収納体であって、記録媒体に接触する収納体の一方の側または両側の内面に微小な凹凸が形成されており、前記微小な凹凸は、紫外線硬化型ワニスの塗布又は印刷により形成されていることを特徴とするディスク収納体。ここで、前記収納体の基材は内面側に紫外線硬化型ワニスを印刷若しくは塗布して形成された下刷り層及び上刷り層を有し、前記微小な凹凸は、前記上刷り層の紫外線硬化型ワニスが、下塗り層によってはじかれることによって形成されることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】ディスク状の記録媒体を収納する収納体であって、記録媒体に接触する収納体の一方の側または両側の内面に微小な凹凸が形成されており、前記微小な凹凸は、紫外線硬化型ワニスの塗布又は印刷により形成されていることを特徴とするディスク収納体。ここで、前記収納体の基材は内面側に紫外線硬化型ワニスを印刷若しくは塗布して形成された下刷り層及び上刷り層を有し、前記微小な凹凸は、前記上刷り層の紫外線硬化型ワニスが、下塗り層によってはじかれることによって形成されることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、CD(コンパクトディスク)やDVD等の記録媒体を収納し、保護するためのディスク収納体に関する。本明細書ではCDやDVD等の記録媒体を光ディスクとも称する。またこれら光ディスクを収納し保護する収納体には、袋状の収納袋のほか、厚紙やプラスチック材料を用いたケースや容器を含めるものとする。
光ディスクには、主として音声信号を記録したCDや、映画等の映像情報を記録したDVDなどがある。またCD−R、DVD−Rなどと呼ばれる、レーザー光によって音楽や映像等の情報を書き込むことが可能なタイプもある。例えばDVDは、0.6mm厚の透明な基板を2枚貼り合せて1.2mmの厚さにしており、有機色素で構成された記録層と金属反射層が基板に挟まれた構造を有する。CDの7枚分という大きな容量を持つDVDは、CDに比較してはるかに高密度(CD−Rのトラックピッチは1.5〜1.6μm、DVD−RやDVD−RWは0.74μm)である。また、ライトワンス型の光ディスク(CD−R、DVD−R、DVD−RWなど)には予めトラックピッチが彫られており、このトラックピッチに沿って強いレーザー光線を記録層にあてると、記録層の色素が熱によって分解されて記録マークが作られ、これによりデータが記録される。
光ディスクはレーザー光で記録を読み出すので、記録面にキズがあると読み出しエラーの原因になる。CDに比べて容量の大きなDVDは、再生・記録に用いるレーザー光もCDの場合より微細で、レーザー光を透過させる透明な基板にキズやヨゴレがつくと、レーザー光が記録層の正しい位置に照射されず、あるいは正確に記録層に届かず、DVDのPIエラー(補正可能な軽微なエラー)レートの規格値(280カウント/8ECC)を超えてしまい、再生エラーや記録エラーの原因となる。
また、DVDの中でも、片面ディスクは下面が透明基板で、上面は記録部のないダミー層になりレーベル(タイトル、曲名等の文字や絵柄等)が印刷されているが、両面ディスクの場合は上面にも記録部/基板が逆向きに貼り合わせられ、上下面が透明基板となっている。透明基板は一般にポリカーボネートからなり、鉛筆硬度(JIS K 5400)にしておよそHである。
CDの場合、レーベルの印刷してある面は、紫外線硬化型コーティング層の上に紫外線硬化型インキによってそれら絵柄等が印刷されている。
また、DVDの場合、ポリカーボネート基板の上に紫外線硬化型インキによってレーベルを印刷している。
レーベルの紫外線硬化型インキ層は、ディスク上で鉛筆硬度を測定すると、F以下になる。これは、ポリカーボネート基板の高度がHであるため、インキ層自体が硬くても、インキ層が基板ごと凹むことにより、基板より低い硬度となるためである。
前記の硬度F〜Hの材料(ポリカーボネート基板やインキ層)を用いるディスクは、従来の紙、プラスチック、不織布等で作られた袋やケースに入れておくと、こすれや接触等によってキズつく恐れがある、
CDの場合、レーベルの印刷してある面は、紫外線硬化型コーティング層の上に紫外線硬化型インキによってそれら絵柄等が印刷されている。
また、DVDの場合、ポリカーボネート基板の上に紫外線硬化型インキによってレーベルを印刷している。
レーベルの紫外線硬化型インキ層は、ディスク上で鉛筆硬度を測定すると、F以下になる。これは、ポリカーボネート基板の高度がHであるため、インキ層自体が硬くても、インキ層が基板ごと凹むことにより、基板より低い硬度となるためである。
前記の硬度F〜Hの材料(ポリカーボネート基板やインキ層)を用いるディスクは、従来の紙、プラスチック、不織布等で作られた袋やケースに入れておくと、こすれや接触等によってキズつく恐れがある、
さらに、今後販売される、ブルーレイディスクなどは、DVD以上に記録波長が短く、格段に狭いトラックピッチなど、より繊細な記録面を持ち、基板のキズやヨゴレの影響を受けやすいため、ディスクをカートリッジで保護した形状をとっているが、将来的には使い易さやレコーダの薄型化の点で、ベアディスク化(カートリッジレス化)の方向にある。
このように、光ディスクが進歩するに従って、ますます透明基板上のキズやヨゴレを防止する必要性が大きくなる。
このように、光ディスクが進歩するに従って、ますます透明基板上のキズやヨゴレを防止する必要性が大きくなる。
しかしながら、従来、光ディスクを収納する袋として使用されている、紙や不織布からなる袋を用いる場合は、前記したように、表面に微細に飛び出した繊維の断面が光ディスクの透明基板に触れてしまい、ディスクをキズつけるおそれがある。ディスクのキズつきとはならない場合でも、点状の汚れが生じるおそれがある。
特許文献1には、光ディスク等のディスク状記録媒体を収納するディスク保護袋の内面に、ディスク収納部内に収納した記録媒体の表面に貼り着くのを防止する貼着防止層を設けることが記載されている。その貼着防止層は、段落19〜22に説明されているように、微小な粒状体を混入したインキを塗布して形成される。その粒状体として、段落21には炭酸カルシウムやシリカを用いても良いことが記載されているが、これらの粉体が硬いことは当業者には周知であり、光ディスクにキズを付ける恐れがある。
特許文献2には、光ディスク類の出し入れがしやすく、該袋を段積みした際の安定性に優れる光ディスク収納袋が記載されている。その背景技術の説明には、光ディスクの収納袋として透明ポリオレフィンシートと不織布から構成されるものが挙げられ、光ディスクの記録面は該不織布に当接して、記録面に傷がつかないようにされていることが記載されている。前記したように、従来は、光ディスクを保護し、収納するための袋として、不織布で形成された袋が広く用いられている。しかしこれには容器が2重になる、しわが寄る、扱い方で完全にカバーできないという問題がある。
また、最近市場で多く見られるプリンタブルタイプのDVD−Rなどでは、レーベル面側に光沢写真に迫る美しさで印刷できるインクジェットプリンタ対応のインク受理層を設けているが、光沢感を表現する為にインク受理層の平滑度や艶度をアップしている。ゆえに収納体の内側にインク受理層が貼りつくトラブルを起こす恐れがある。貼りつきが起きると、ディスクの出し入れが困難になったり、インク受理層を傷めたりする恐れがある。
特開2001−130679号公報
特開2002−284278号公報
本発明は光ディスクの保存中や配送時に光ディスクの表面にキズや汚れが付くことを減らすことができるディスク収納体を提供することを課題とする。また、本発明は、レーベル面側にインク受理層を有する光ディスクを収納する場合でも、収納体の内側にインク受理層が貼りつくトラブルを防止するディスク収納体を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、ディスク状の記録媒体を収納する収納体であって、記録媒体に接触する収納体の一方の側または両側の内面に微小な凹凸が形成されており、前記微小な凹凸は、紫外線硬化型ワニスの塗布又は印刷により形成されていることを特徴とするディスク収納体を提供する。
本発明のディスク収納体を用いることにより、収納する光ディスクの表面にキズや汚れがつくことを防ぎ、また収納体の内面に光ディスクのインク受理層が貼りつくことを低減若しくは防止することができる。
以下、最良の形態に基づき、本発明を説明する。
<光ディスク収納体の基材、袋の構造について>
本発明の光ディスク収納体は、光ディスクに接触する収納体の一方の側または両側の内面に微小な凹凸が形成されている。
光ディスク収納体は、袋状の収納袋のほか、厚紙やプラスチック材料を用いたケースや容器等とすることもできる。収納袋の場合、例えば光ディスクの表裏各面に対応する2枚のシートの貼り合わせによって形成することができる。
<光ディスク収納体の基材、袋の構造について>
本発明の光ディスク収納体は、光ディスクに接触する収納体の一方の側または両側の内面に微小な凹凸が形成されている。
光ディスク収納体は、袋状の収納袋のほか、厚紙やプラスチック材料を用いたケースや容器等とすることもできる。収納袋の場合、例えば光ディスクの表裏各面に対応する2枚のシートの貼り合わせによって形成することができる。
収納袋の基材としては、プラスチックフィルム、紙、合成紙や不織布等が挙げられる。収納体は、複数の光ディスクを収納可能なように複数の光ディスク収納部を有するものでもよく、その場合は、それぞれの光ディスク収納部において、一方の側または両側の内面に微小な凹凸を形成する。光ディスク収納袋の収納部は、光ディスクが容易に動かずホールド性を保持する目的で、光ディスクと同じか若干大きい径で、光ディスクが収納される部分の周囲に半円形状の貼り合わせ部を有することが好ましい。
特に、少なくとも一方のシートとして、収納した光ディスクが可視となるように透明なプラスチックフィルムや半透明な紙である、例えばグラシン紙を用いることが好ましい。これにより、光ディスクのレーベル面が透明又は半透明な基材を透かして見える優れた閲覧性がある。
さらに紙基材を採用することにより、タイトルが自由に書き込める表示性や、印刷などによるインデックス性といった特徴や、オール紙製で面倒な分別廃棄が不要の低環境負荷性などの特徴を有する。紙基材の銘柄や坪量は、所望する透明度、印刷性や風合い、収納体加工適性を考慮し適宜選定することができる。
さらに紙基材を採用することにより、タイトルが自由に書き込める表示性や、印刷などによるインデックス性といった特徴や、オール紙製で面倒な分別廃棄が不要の低環境負荷性などの特徴を有する。紙基材の銘柄や坪量は、所望する透明度、印刷性や風合い、収納体加工適性を考慮し適宜選定することができる。
本発明においては、光ディスクに接触する微小な凹凸が、紫外線硬化型ワニスの印刷により形成されているため、光ディスクの柔らかい表面にキズをつけてしまうおそれがない。また、基材として紙や不織布等を使用した場合でも、繊維の突出高さよりも高い微小な凹凸を形成することにより、繊維が光ディスクに接触することはなく、汚れ等の付着を防止できる。
収納体の光ディスクが収納される領域において微小な凹凸が平均的に分布することにより、光ディスクが偏ること無く凸部先端部に平均的に支持される。このため、光ディスクは基材の表面から浮いた状態で収納され、光ディスクが基材の表面に接触することはない。
微小な凹凸の高さは、例えば20〜50μmであり、好ましくは30〜40μmである。凹凸間の距離は、例えば70〜100μmである。
微小な凹凸は、個々の凸部が点状に独立している方が、複数個の凸部が連続して連なっているよりも、好ましい。光ディスクに接触する凸部先端部の面積は、凹凸形成部の全面積に対して1〜6%程度が好ましい。
微小な凹凸は、個々の凸部が点状に独立している方が、複数個の凸部が連続して連なっているよりも、好ましい。光ディスクに接触する凸部先端部の面積は、凹凸形成部の全面積に対して1〜6%程度が好ましい。
微小な凹凸の形状は、半球状やレンズ状等、光ディスクに対する先端部の接触面積が小さい形状であることが好ましい。このような形状は、紫外線硬化型ワニスの塗布又は印刷によって微小な凹凸を形成する場合、基材上に付着した紫外線硬化型ワニスの表面が表面張力で収縮することにより、自然に形成される。
<スクリーン印刷による凹凸の形成方法>
前記微小な凹凸は、紫外線硬化型ワニスをスクリーン印刷によって収納体の基材に印刷することにより形成することができる。
スクリーンとして200〜270メッシュのものを用いることが好ましい。
紫外線硬化型ワニスとしては市販のものを用いることができるが、例示すれば、十条ケミカル株式会社のレイキュアーOP 4300シリーズが挙げられる。
前記微小な凹凸は、紫外線硬化型ワニスをスクリーン印刷によって収納体の基材に印刷することにより形成することができる。
スクリーンとして200〜270メッシュのものを用いることが好ましい。
紫外線硬化型ワニスとしては市販のものを用いることができるが、例示すれば、十条ケミカル株式会社のレイキュアーOP 4300シリーズが挙げられる。
<二層のワニスのハジキを利用した凹凸の形成方法>
また前記微小な凹凸を形成する方法として、紫外線硬化型ワニスであって、離型効果を有するシリコーンを添加した下刷り層を基材に印刷し、その上にレベリング剤としてシリコーン添加剤の添加量が比較的少ない紫外線硬化型ワニスを用いて上刷り層を印刷若しくは塗布し、前記上刷り層が下刷り層によってはじかれる現象を利用することができる。
基材に下刷り層を設ける方法としては、平版オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、樹脂凸版印刷等が挙げられる。
樹脂凸版印刷では、幅広い組成、粘度や流動性のワニスを用いることができる。
また前記微小な凹凸を形成する方法として、紫外線硬化型ワニスであって、離型効果を有するシリコーンを添加した下刷り層を基材に印刷し、その上にレベリング剤としてシリコーン添加剤の添加量が比較的少ない紫外線硬化型ワニスを用いて上刷り層を印刷若しくは塗布し、前記上刷り層が下刷り層によってはじかれる現象を利用することができる。
基材に下刷り層を設ける方法としては、平版オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、樹脂凸版印刷等が挙げられる。
樹脂凸版印刷では、幅広い組成、粘度や流動性のワニスを用いることができる。
上刷り層の印刷若しくは塗布には、ロールコーター、チャンバーコーター、フレキソコーター等を用いることができる。
下刷り層をオフセット印刷で形成する場合は、版を用いるので微細なパターンを形成することは容易である。その上に上刷り層となるワニスをコーターや印刷によって全面に塗布すれば、下刷り層の印刷された部分に上刷り層がはじかれてできた液滴が凸状部を形成する。この方法ではオフセット印刷機とコーターという一般的な装置を用いて、容易に微細な凹凸パターンを形成することができる。
前記下刷り層を形成する紫外線硬化型ワニス(OPニスとも呼ばれる)は離型効果を有するシリコーンを添加したもので、その上に印刷若しくは塗布される上刷り層のワニス(オーバーコートワニスとも呼ばれる)をはじく性質がある。下刷り層の印刷された部分に印刷若しくは塗布された上刷り層ははじかれて液滴状に集まって盛り上がり、凸部を形成する。
以下に上刷り層のワニス及び下刷り層のワニスのそれぞれについて詳細に説明する。
下刷り層をオフセット印刷で形成する場合は、版を用いるので微細なパターンを形成することは容易である。その上に上刷り層となるワニスをコーターや印刷によって全面に塗布すれば、下刷り層の印刷された部分に上刷り層がはじかれてできた液滴が凸状部を形成する。この方法ではオフセット印刷機とコーターという一般的な装置を用いて、容易に微細な凹凸パターンを形成することができる。
前記下刷り層を形成する紫外線硬化型ワニス(OPニスとも呼ばれる)は離型効果を有するシリコーンを添加したもので、その上に印刷若しくは塗布される上刷り層のワニス(オーバーコートワニスとも呼ばれる)をはじく性質がある。下刷り層の印刷された部分に印刷若しくは塗布された上刷り層ははじかれて液滴状に集まって盛り上がり、凸部を形成する。
以下に上刷り層のワニス及び下刷り層のワニスのそれぞれについて詳細に説明する。
<上刷り層を形成する紫外線硬化型ワニスについて>
上刷り層を形成するワニスの硬化皮膜は、その表面に適度の滑り性を有することが更に好ましい。その理由はCDを収納する際に、ディスク収納体とCD表面の摩擦係数が小さくなることで、更に傷つきの発生を抑制できるためである。
上刷り層の硬化皮膜の滑り性の調整は、その皮膜を形成する紫外線硬化型ワニスに添加するシリコーン及びワックスによって行う。
上刷り層を形成するワニスの硬化皮膜は、その表面に適度の滑り性を有することが更に好ましい。その理由はCDを収納する際に、ディスク収納体とCD表面の摩擦係数が小さくなることで、更に傷つきの発生を抑制できるためである。
上刷り層の硬化皮膜の滑り性の調整は、その皮膜を形成する紫外線硬化型ワニスに添加するシリコーン及びワックスによって行う。
上刷り層のワニスへのシリコーンの添加は、下刷り層上でのオーバープリント層のハジキ性に影響を与えるため、その添加量はハジキ性と滑り性の両方を考慮して決定することが好ましい。添加量が多いと滑り性は向上するが、ハジキ性は低下する。
ハジキ性を重視する場合はシリコーンは添加しない。ジメチルポリシロキサン誘導体が0質量%含有する場合である。シリコーンなしの方がハジキ性は最も優れるが、非常に滑り難くなるため、CDを収納する際、ディスク収納体とCD表面の摩擦係数が大きくなることで、CD表面に傷つきが発生しやすくなる。しかしながら、適度にシリコーンを添加することで、上刷り層の硬化皮膜に適度な滑り性を付与することができるため、CD表面の傷つきを抑制できるという好ましい効果が得られる。
ハジキ性を重視する場合はシリコーンは添加しない。ジメチルポリシロキサン誘導体が0質量%含有する場合である。シリコーンなしの方がハジキ性は最も優れるが、非常に滑り難くなるため、CDを収納する際、ディスク収納体とCD表面の摩擦係数が大きくなることで、CD表面に傷つきが発生しやすくなる。しかしながら、適度にシリコーンを添加することで、上刷り層の硬化皮膜に適度な滑り性を付与することができるため、CD表面の傷つきを抑制できるという好ましい効果が得られる。
故に本発明の上刷り層のワニスはシリコーンは0.01〜0.15質量%の範囲内で添加することが好ましく、下刷り層上での安定したハジキ性を考慮すると、0.01〜0.12質量%の範囲内で添加する方がより好ましい。ここで使用するジメチルポリシロキサンとはレベリング性かつ滑り性に効果を有するもので、好適に用いることができるものを例示すれば、ポリフローNo.75(共栄社化学株式会社製)、BYK−UV3500(ビックケミー・ジャパン株式会社)などが挙げられる。
また、滑り性を付与するためには、ポリエチレン系ワックス、パラフィン系ワックス、フロン系ワックス、などの固形ワックスを併用することがより好ましい。
ここで好適に使用できるパラフィンワックスとしてはアキュミスト1204(ハネウェル社製)などが挙げられる。
ここで好適に使用できるパラフィンワックスとしてはアキュミスト1204(ハネウェル社製)などが挙げられる。
前記のシリコーン、パラフィンワックスの配合量を最適化することで、ハジキ性と滑り性、及び光沢を好適にバランスさせることができる。
また、包装材自体に臭気が残留することが比較的敬遠される場合もあるため、ワニス皮膜の臭気が極力少ないことがより好ましい。
また、包装材自体に臭気が残留することが比較的敬遠される場合もあるため、ワニス皮膜の臭気が極力少ないことがより好ましい。
残留臭気を改善するためには、光重合開始剤として水素引き抜き型光重合開始剤とアミン化合物である増感剤を組み合わせて用いることが好ましい。
水素引き抜き型光重合開始剤として、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、メチルo−ベンゾイルベンゾエート(o−ベンゾイル安息香酸メチルエステル)及びベンジル等が挙げられるが、残留臭気、価格及び安全性などを考慮すると、メチルo−ベンゾイルベンゾエートが優れている。
また、増感剤としては、ジエタノールアミン、4,4−エチルアミノベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、アミン変性ポリエステルアクリレートオリゴマー、アミン変性エポキシアクリレートオリゴマー、アミン変性アクリレートモノマーなどが挙げられる。
これらの中では、残留臭気、価格、安全性、紫外線硬化型ワニス自体の着色及びその硬化皮膜の着色などを考慮すると、アミン変性ポリエステルアクリレートオリゴマーやアミン変性アクリレートモノマーが優れている。
水素引き抜き型光重合開始剤として、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、メチルo−ベンゾイルベンゾエート(o−ベンゾイル安息香酸メチルエステル)及びベンジル等が挙げられるが、残留臭気、価格及び安全性などを考慮すると、メチルo−ベンゾイルベンゾエートが優れている。
また、増感剤としては、ジエタノールアミン、4,4−エチルアミノベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、アミン変性ポリエステルアクリレートオリゴマー、アミン変性エポキシアクリレートオリゴマー、アミン変性アクリレートモノマーなどが挙げられる。
これらの中では、残留臭気、価格、安全性、紫外線硬化型ワニス自体の着色及びその硬化皮膜の着色などを考慮すると、アミン変性ポリエステルアクリレートオリゴマーやアミン変性アクリレートモノマーが優れている。
光重合開始剤であるメチルo−ベンゾイルベンゾエートは、紫外線硬化型オーバープリントワニス組成物の全量中に、0.1〜20質量%の範囲内で添加することが好ましい。
また増感剤としてアミン変性(ポリエステル)アクリレートオリゴマー及び又はアミン変性アクリレートモノマーはその合計量が、ワニス全量の0.1〜80質量%の範囲内で添加することが好ましい。
紫外線硬化型オーバープリントワニスをコーティングする際の適正な粘度及び流動性を考慮した場合には、前記の増感剤はワニスの全量中に0.1〜70質量%の範囲内で添加することがより好ましい。
また増感剤としてアミン変性(ポリエステル)アクリレートオリゴマー及び又はアミン変性アクリレートモノマーはその合計量が、ワニス全量の0.1〜80質量%の範囲内で添加することが好ましい。
紫外線硬化型オーバープリントワニスをコーティングする際の適正な粘度及び流動性を考慮した場合には、前記の増感剤はワニスの全量中に0.1〜70質量%の範囲内で添加することがより好ましい。
さらに箱等の包装材に擬似エンボス加工を施す場合は、包装材は箱等を作るために折り曲げ加工をされるが、その折り曲げによって表面に皮膜にクラック(割れ)が発生することは好ましくない。
紫外線硬化型ワニス組成物でオーバープリント層を形成した箱等が、折り曲げ加工などにより、その硬化皮膜が割れることを防ぐには、引張り強度が強いオリゴマー若しくはモノマーと、引張り伸度が大きいオリゴマー若しくはモノマーとを併用することが可能である。
紫外線硬化型ワニス組成物でオーバープリント層を形成した箱等が、折り曲げ加工などにより、その硬化皮膜が割れることを防ぐには、引張り強度が強いオリゴマー若しくはモノマーと、引張り伸度が大きいオリゴマー若しくはモノマーとを併用することが可能である。
引張り強度が強いオリゴマーとして、ポリエステルアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。
また同じくモノマーとして、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、ビスフェノールA・EO変性ジアクリレート、ビスフェノールF・EO変性ジアクリレート、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレートなどが挙げられる。尚、EOはエチレンオキサイドを示す。
また同じくモノマーとして、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、ビスフェノールA・EO変性ジアクリレート、ビスフェノールF・EO変性ジアクリレート、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレートなどが挙げられる。尚、EOはエチレンオキサイドを示す。
前記のオリゴマー若しくはモノマーの中で、引張り強度と、前記の増感剤としての効果を考慮すると、引張り強度が強いオリゴマー若しくはモノマーとしては、アミン変性(ポリエステル)アクリレートオリゴマー及び又はアミン変性アクリレートモノマーが優れている。
アミン変性(ポリエステル)アクリレートオリゴマー及び又はアミン変性アクリレートモノマーはその合計量が、ワニス全量の0.1〜80質量%の範囲内で添加することが好ましい。紫外線硬化型ワニスをコーティングする際の適正な粘度・流動性を考慮した場合には、0.1〜70質量%の範囲内で添加することがより好ましい。
アミン変性(ポリエステル)アクリレートオリゴマー及び又はアミン変性アクリレートモノマーはその合計量が、ワニス全量の0.1〜80質量%の範囲内で添加することが好ましい。紫外線硬化型ワニスをコーティングする際の適正な粘度・流動性を考慮した場合には、0.1〜70質量%の範囲内で添加することがより好ましい。
引張り伸度が大きいオリゴマーとして、ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。
同じくモノマーとして、パラクミルフェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールPO変性アクリレート、ポリエチレングリコール300ジアクリレート、ポリエチレングリコール400ジアクリレートなどが挙げられる。尚、POはプロピレンオキサイドを示す。また、パラクミルフェノールはp−(α−クミル)フェノールともいうものである。
同じくモノマーとして、パラクミルフェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールPO変性アクリレート、ポリエチレングリコール300ジアクリレート、ポリエチレングリコール400ジアクリレートなどが挙げられる。尚、POはプロピレンオキサイドを示す。また、パラクミルフェノールはp−(α−クミル)フェノールともいうものである。
これらの中で、引張り伸度、価格及び安全性などを考慮すると、引張り伸度が大きい原料としては、ポリエチレングリコール400ジアクリレートが優れている。
ポリエチレングリコール400ジアクリレートは、紫外線硬化型ワニスに0.1〜70質量%の範囲内で添加することが好ましいが、該ワニスをコーティングする際の適正な粘度・流動性を考慮した場合には、0.1〜50質量%の範囲内で添加することがより好ましい。
ポリエチレングリコール400ジアクリレートは、紫外線硬化型ワニスに0.1〜70質量%の範囲内で添加することが好ましいが、該ワニスをコーティングする際の適正な粘度・流動性を考慮した場合には、0.1〜50質量%の範囲内で添加することがより好ましい。
<下刷り層を形成する紫外線硬化型ワニスについて>
下刷り層を形成する紫外線硬化型ワニスは、オーバーコートワニスよりも表面張力の低い原材料であるほうが好ましい。
通常、簡単に表面張力を低下させる場合には、シリコーン添加剤を使用する。その中でも特に離型効果が高いシリコーン添加剤のほうが、よりオーバープリントワニスをハジかせやすい傾向がある。ワニスへのシリコーンの添加量は0.1〜10%程度が好ましい。
下刷り層を形成する紫外線硬化型ワニスは、オーバーコートワニスよりも表面張力の低い原材料であるほうが好ましい。
通常、簡単に表面張力を低下させる場合には、シリコーン添加剤を使用する。その中でも特に離型効果が高いシリコーン添加剤のほうが、よりオーバープリントワニスをハジかせやすい傾向がある。ワニスへのシリコーンの添加量は0.1〜10%程度が好ましい。
前記の離型効果を有するシリコーンとしては、KF96、KF410、KF412(いずれも信越化学工業株式会社製)、TSF451シリーズ、TSF4420、TSF4600(いずれも東芝シリコーン株式会社製)などを好ましく用いることができる。
下刷り層を形成する紫外線硬化型ワニスは、顔料、樹脂、オリゴマー、モノマー、光重合開始剤、助剤などから構成されており、それぞれ次のようなものが挙げられる。
顔料としては、無着色の場合には炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、二酸化ケイ素、有機ベントナイト、タルクなどを使用することが可能であり、また、着色する場合には、ジスアゾイエロー、カーミン6B、フタロシアニンブルー、カーボンブラック、レーキレッドC、酸化チタンなどを使用することが可能である。
樹脂としては、例えば不飽和ポリエステル樹脂、脂肪酸変性ポリエステル樹脂、塩素化ポリエステル樹脂、アミン変性ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、芳香族エポキシ樹脂、脂肪族ウレタン樹脂、脂肪族ウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、アクリル・スチレン共重合体樹脂、スチレン樹脂、石油樹脂などが挙げられる。
オリゴマーとしては、例えば不飽和ポリエステルアクリレートオリゴマー、脂肪酸変性ポリエステルアクリレートオリゴマー、アミン変性ポリエステルアクリレートオリゴマー、ビスフェノールA型エポキシアクリレートオリゴマー、ノボラック型エポキシアクリレートオリゴマー、脂肪酸変性エポキシアクリレートオリゴマー、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエーテルアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。
モノマーとしては、1,2及び3官能性モノマー並びに多官能性モノマーが挙げられる。このうち、1官能性モノマーとしては、例えば、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェニルポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ECH変性ブチル(メタ)アクリレート、ECH変性フェノキシ(メタ)アクリレート、EO変性フタル酸(メタ)アクリレート、EO変性コハク酸(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、EO変性リン酸(メタ)アクリレート等が挙げられる。尚、EOはエチレンオキサイド、ECHはエピクロロヒドリン、(メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレートを示す。
2官能性モノマーとしては、例えば、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ECH変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、アリルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ステアリル酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、EO変性ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジアクリル化イソシアヌレート等が挙げられる。尚、EOはエチレンオキサイド、POはプロピレンオキサイド、ECHはエピクロロヒドリン、(メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレートを示す。
3官能性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ECH変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ECH変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
多官能性モノマーとしては、例えば、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光重合開始剤としては、ベンジル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等の水素引抜き型光重合開始剤;ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチルフェニルケトン等の光開裂型光重合開始剤が挙げられ、これらの1種若しくは2種以上を組み合わせて使用することが可能である。又、光重合開始剤に光増感剤を併用しても差し支えない。このような光増感剤としては、例えば、n−ブチルアミン、n−ジブチルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンテトラミン、トリエタノールアミン、アミノアクリレート等が挙げられる。
助剤としては、ポリエチレン系ワックス、パラフィン系ワックス、フロン(フルオロカーボン)系ワックス、ジメチルポリシロキサン誘導体、電子線又は紫外線硬化型ジメチルポリシロキサン誘導体などが挙げられる。
下刷り層の印刷パターンは網点状、格子状、縞状、ベタなどが用いられる。下刷り層を設けた上に、上刷り層として全面的にオーバープリントワニスを塗布すると、下刷り層によってハジかれて微小な凹凸が形成される。
例えば下刷り層の印刷パターンを微細な網点状や格子状等とした場合、下刷り層と重なった部分の上刷り層の紫外線硬化型ワニスはハジキ現象によって粒状の凸部を形成し、下刷り層の無い部分の上刷り層は平滑な皮膜を形成する。
また、例えば下刷り層を基材上にベタ印刷した場合、下刷り層の上で上刷り層のワニスはハジキ現象によって全面に微小な凹凸を形成する。
また、例えば下刷り層を基材上にベタ印刷した場合、下刷り層の上で上刷り層のワニスはハジキ現象によって全面に微小な凹凸を形成する。
また最近市場で多く見られるプリンタブルタイプのDVD−Rなどでは、レーベル面側に光沢写真に迫る美しさで印刷できるインクジェットプリンタ対応のインク受理層を設けているが、光沢感を表現するために、インク受理層の平滑度や艶度をアップしている。
ゆえに収納袋内側にインク受理層が貼りつくトラブルを起こす恐れがある。貼りつきが起きると、ディスクの出し入れが困難になったり、インク受理層を傷めたりする恐れがある。
ゆえに収納袋内側にインク受理層が貼りつくトラブルを起こす恐れがある。貼りつきが起きると、ディスクの出し入れが困難になったり、インク受理層を傷めたりする恐れがある。
また、光ディスクの記録層には有機色素が使われ、この有機色素は自然光に含まれる紫外線の影響を受けやすく、場合によっては化学変化を起こして、ディスクに記録したデータが破壊されることさえある。
このため、本発明で用いる前記コーティングニスには、紫外線を透過しにくくしたUVプロテクト成分や濃い色をつけた成分を使用することが好ましい。これによって、収納袋に収納した光ディスクへの紫外線の影響を減じることも可能となる。
このため、本発明で用いる前記コーティングニスには、紫外線を透過しにくくしたUVプロテクト成分や濃い色をつけた成分を使用することが好ましい。これによって、収納袋に収納した光ディスクへの紫外線の影響を減じることも可能となる。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
(共通条件)
用紙として、上側基材(1pと称する)は王子特殊紙製「グラシン紙、70g/m2」、下側基材(2pと称する)は王子製紙製「片面アート紙84.9g/m2」、表紙は「高級白板紙310g/m2」を用いた。
(共通条件)
用紙として、上側基材(1pと称する)は王子特殊紙製「グラシン紙、70g/m2」、下側基材(2pと称する)は王子製紙製「片面アート紙84.9g/m2」、表紙は「高級白板紙310g/m2」を用いた。
印刷機は、三起機械製SKP350F−8を使用した。
胴(印刷ユニット)の構成は、印刷ユニット7胴・コーティングユニット1胴である。
インキの乾燥のための紫外線照射装置は、印刷ユニット間にメタルハライドを配置し、コーティングユニット後に設置されている紫外線照射装置は、水銀・メタルハライドのコンビネーション構成になっている。
胴(印刷ユニット)の構成は、印刷ユニット7胴・コーティングユニット1胴である。
インキの乾燥のための紫外線照射装置は、印刷ユニット間にメタルハライドを配置し、コーティングユニット後に設置されている紫外線照射装置は、水銀・メタルハライドのコンビネーション構成になっている。
<スクリーン印刷による凹凸の形成>
200メッシュのスクリーンを用い、紫外線硬化型ワニスとして十条ケミカル株式会社製レイキュアーOP 4300−2シリーズを使用して印刷を行った。
できた凹凸は、高さが31〜36μm、凹凸間の距離は84〜93μmであった。
200メッシュのスクリーンを用い、紫外線硬化型ワニスとして十条ケミカル株式会社製レイキュアーOP 4300−2シリーズを使用して印刷を行った。
できた凹凸は、高さが31〜36μm、凹凸間の距離は84〜93μmであった。
<二層のワニスのハジキによる凹凸の形成>
下刷り層のワニスの配合を次に示す。
ディックライトUE−8200(大日本インキ化学工業株式会社製) 45.0質量部、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 25.0質量部、
グリセリンプロポキシトリアクリレート 14.0質量部、
炭酸カルシウム 5.0質量部、
炭酸マグネシウム 2.0質量部、
2−メチル−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン 5.0質量部、
TSF451−50M(東芝シリコーン株式会社製) 4.0質量部、
以上合計100質量部からなる。
下刷り層のワニスの配合を次に示す。
ディックライトUE−8200(大日本インキ化学工業株式会社製) 45.0質量部、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 25.0質量部、
グリセリンプロポキシトリアクリレート 14.0質量部、
炭酸カルシウム 5.0質量部、
炭酸マグネシウム 2.0質量部、
2−メチル−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン 5.0質量部、
TSF451−50M(東芝シリコーン株式会社製) 4.0質量部、
以上合計100質量部からなる。
上刷り層のワニスの配合を次に示す。
アロニックス M−6500 55.0質量部、
EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート 37.0質量部、
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 8.0質量部、
アキュミスト1204 0.1質量部、
以上合計100.1質量部からなる。
アロニックス M−6500 55.0質量部、
EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート 37.0質量部、
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 8.0質量部、
アキュミスト1204 0.1質量部、
以上合計100.1質量部からなる。
1p及び2pは、スピード30m/分で連続移送しながら、収納袋の内面にあたる部分に、樹脂凸版印刷法にて前記の下刷り層となる紫外線硬化型ワニスを6.5g/m2塗工し、UV乾燥した。更にその上に樹脂凸版印刷法にて上刷り層となる紫外線硬化型ワニスを14.5g/m2塗工し、上刷り層のレベリングのために約4秒確保した後、水銀・メタルハライドのコンビネーション(80W/cm)によりUV乾燥し、微小な凹凸を形成した。
これにより微小な凹凸が形成された1pについて撮影した顕微鏡写真(計4箇所)を図1〜図4に示す。
これらの微小な凹凸における凸高さは30〜35μmの範囲にあり、凹凸形成後の1pの透明度は62%であった。
これらの微小な凹凸における凸高さは30〜35μmの範囲にあり、凹凸形成後の1pの透明度は62%であった。
また、1p及び2pの外面にあたる部分に、印刷1色を加飾印刷した。印刷後、1p及び2pを貼り合わせし、光ディスクの収納部を構成する袋体を形成した。加工後の袋体に扉をつけた6シートを製本工程で中綴じしたのち、中綴じ加工品をホットメルト接着剤で表紙(印刷・トムソン・グルワー成型品)に貼り付け、10枚分の光ディスク収納部を有する収納ファイルを製造した。又、製本工程で無線綴じ加工で収納ファイルを製造した。
本発明は、CD(コンパクトディスク)やDVD等の光ディスクを収納し、保護するために利用することができる。
Claims (4)
- ディスク状の記録媒体を収納する収納体であって、記録媒体に接触する収納体の一方の側または両側の内面に微小な凹凸が形成されており、前記微小な凹凸は、紫外線硬化型ワニスの塗布又は印刷により形成されていることを特徴とするディスク収納体。
- 前記収納体の基材は内面側に紫外線硬化型ワニスを印刷若しくは塗布して形成された下刷り層及び上刷り層を有し、前記微小な凹凸は、前記上刷り層の紫外線硬化型ワニスが、下刷り層によってはじかれることによって形成された請求項1に記載のディスク収納体。
- 前記の下刷り層を構成する紫外線硬化型ワニスは、シリコーンとして離型効果を有するシリコーンを0.01〜10質量%含有する紫外線硬化型オーバープリントワニス組成物であり、
前記の上刷り層を構成する紫外線硬化型ワニスは、ワックスとしてパラフィンワックスを0.1〜2質量%含有する請求項2に記載のディスク収納体。 - 更に前記の上刷り層を構成する紫外線硬化型ワニスは、シリコーンとしてジメチルポリシロキサン誘導体を0.01〜0.15質量%含有する請求項2に記載のディスク収納体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007021548A JP2008184214A (ja) | 2007-01-31 | 2007-01-31 | ディスク収納体 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011004463A1 (ja) * | 2009-07-07 | 2011-01-13 | 株式会社システムクリエイツ | スクリーン |
JP2017202574A (ja) * | 2016-05-09 | 2017-11-16 | Dicグラフィックス株式会社 | マット感を有する印刷物、及びその作製方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001130679A (ja) * | 1999-11-08 | 2001-05-15 | Sony Corp | ディスク保護袋 |
-
2007
- 2007-01-31 JP JP2007021548A patent/JP2008184214A/ja active Pending
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