JP2008173055A - アダマンタンポリオールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微生物を用いたアダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールの位置選択的水酸化反応によるアダマンタンポリオール製造方法を提供する。
【解決手段】本発明者らは、アダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールを位置選択的に水酸化する微生物について鋭意探索を行った。その結果本発明者らは、従来アダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールの位置選択的水酸化活性が知られていなかったストレプトマイセス(Streptomyces)属及びキタサトスポラ(Kitasatospora)属に、高い上記活性を見出し、微生物を用いたアダマンタンポリオールの製造方法を完成させた。即ち本発明は、アダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールをストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物もしくはその処理物、又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物もしくはその処理物に作用させる工程を含む、アダマンタンポリオールの製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、微生物を用いたアダマンタンポリオールの製造方法に関する。また本発明は、アダマンタンポリオールの生成活性を有する微生物に関する。
三環性の脂環式炭化水素であるアダマンタンは、いす形構造のシクロヘキサン環4個がかご形に縮合した分子構造をとる化合物である。アダマンタンを出発物質として変換されたアルコール類やケトン類は、医薬品の合成中間体や樹脂、液晶材料など幅広い用途に使用されている。例えば、アダマンタンの1位にアミノ基が導入された塩酸アマンタジンは、抗パーキンソン病治療薬やA型インフルエンザ治療薬として使用されている。また、アダマンタン骨格を有するアクリル酸やメタクリル酸エステル類には、次世代のフォトレジスト材料(感光性樹脂)として期待されているものがある。これらアダマンタン誘導体は、アダマンタノールから合成することができるため、中間体としてのアダマンタノールの重要性は大きいものがある。
アダマンタノールは、アダマンタン骨格に水酸基が一つ結合したアルコールであり、1-アダマンタノールと2-アダマンタノールの2つの異性体がある。従来のアダマンタノールの製造方法としては、化学的合成によってアダマンタンを水酸化する方法が挙げられる。例えば、鉄やルテニウム等の遷移金属を用いた酸素酸化(非特許文献1、2)や、酸素存在下でN-ヒドロキシフタルイミドを用いたラジカル反応(非特許文献3、4)が、アダマンタンを水酸化する方法として試みられてきた。しかし、これらの方法は反応の収率が低いうえ、水酸化の位置選択性の点で問題があった。
一方、微生物による反応は一般に位置選択性が高いことが知られている。これまでに、アダマンタンに微生物を作用させた例として、Pseudomonas PutidaのシトクロムP-450camが知られている。P-450camは高い位置選択性をもってアダマンタンを1-アダマンタノールに変換する。しかしながら、アイソザイムのP-450LM2による反応は位置選択性が低く、P-450LM2はアダマンタンを、1-アダマンタノールのほか、2-アダマンタノール等、計4種の化合物に変換したことが報告されている(非特許文献5、6)。また、Aspergillus cellulosae、Botoryosphaeria dothideaをアダマンタンに作用させた結果、1-アダマンタノール:2-アダマンタノールが、それぞれ、81:19、70:30の比率で得られたという報告がある(非特許文献7)。さらにChlorella pyrenoidosaにより1-アダマンタノール:2-アダマンタノール:アダマンタノンが74:16:10の比率で得られたという報告がある(非特許文献7)。このように、微生物反応における位置選択性は様々であって、必ずしも実用化に満足が得られるものばかりではない。また、微生物によるアダマンタンジオールの生産(非特許文献8−10)は知られているが、アダマンタントリオールの生産は知られていない。
なお、本出願の発明に関連する先行技術文献情報を以下に示す。
Mastrorilli,P. and Nobile,C.F. Terahedron Lett. 1994,35,4193-4196 Lau T-C. and Mak C-K. J.Chem.Soc.Chem.Commun. 1995,115,943-944 Ishii,Y. et al. J.org.Chem.1995,60,3934-3935 Ishii,et al. Tetrahedron Lett.1996,37,4993-4996 Regioselectivity in the Cytochromes P450: Control by Protein Constraints and by Chemical Reactivities. Ronald E. White, Mary-Beth McCarthy, Karen D. Egeberg and Stephen G. Sligar, Archieves of Biochemistry and Biophysics 1984, 228(2), 493-502 Microbial oxidation of adamantane by Pseudomonas putida carrying the camphor catabolic plasmid. Sergey A. Selifonov, Biochemical and BiophysicalResearch Communications 1992, 186(3) 1429-1436 第43回香料・テルペン及び精油化学に関する討論会(1999)1IV-09 アダマンタンの微生物代謝(1)野間義明・橋本敏弘・赤松由実子・高岡 茂・浅川義範 p199-201 Microbiological hydroxylation of some adamantane derivatives by Cephalosporium aphidicola Farooq A. and Hanson J.R. J. Chem. Research (S), 150-151, 1995 Selective hydroxylation of 1-substituted adamantanes using Absidia cylindrospora (I.M.I. 342950)Bailey P.D.et al. Chem. Commun., 1833-1834, 1996 Site selective oxidation of tricyclo[3.3.1.13,7]decane (adamantane) and some of its derivatives using fungi of the genus Absidia Ridyard C.H. et al. J. Chem. Soc., Perkin Trans. 2 1811-1819, 1996
本発明はこのような状況を鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、微生物を用いたアダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールの位置選択的水酸化反応による、効率的なアダマンタンポリオールの製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく、アダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールを位置選択的に水酸化する微生物について鋭意探索を行った。その結果、本発明者らは、従来アダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールに対する位置選択的水酸化活性が知られていなかったストレプトマイセス(Streptomyces)属、及びキタサトスポラ(Kitasatospora)属に、高い上記活性を初めて具体的に見出すことに成功した。さらに本発明者らは、これらの微生物の培養条件の最適化も併せて実施し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、微生物を用いた以下〔1〕〜〔14〕に記載のアダマンタンポリオールの製造方法、アダマンタンポリオールを生成する活性を有する微生物、並びにアダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールに水酸基を付加する方法に関する。
〔1〕アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物に、ストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物もしくはその処理物、又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物もしくはその処理物を作用させる工程を含む、該化合物に1又は複数の水酸基が追加された化合物の製造方法、
〔2〕アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物が、アダマンタノール又はアダマンタンジオールである、〔1〕に記載の方法、
〔3〕アダマンタノールにストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物もしくはその処理物、又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物もしくはその処理物を作用させる工程を含む、アダマンタンポリオールの製造方法、
〔4〕アダマンタンポリオールがアダマンタンジオールである、〔3〕に記載の方法、
〔5〕アダマンタンポリオールがアダマンタントリオールである、〔3〕に記載の方法、
〔6〕アダマンタンジオールにストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物もしくはその処理物、又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物もしくはその処理物を作用させる工程を含む、アダマンタンポリオールの製造方法、
〔7〕アダマンタンポリオールがアダマンタントリオールである、〔6〕に記載の方法、
〔8〕ストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物がStreptomyces sp. SA-8である、〔1〕から〔7〕のいずれかに記載の方法、
〔9〕キタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物がKitasatospora sp. SA-12である、〔1〕から〔7〕のいずれかに記載の方法、
〔10〕ストレプトマイセス(Streptomyces)属又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物であって、アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物に、1又は複数の水酸基を付加する活性を有する微生物、
〔11〕アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物がアダマンタノール又はアダマンタンジオールである、〔10〕に記載の微生物、
〔12〕ストレプトマイセス(Streptomyces)属又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物であって、下記(i)から(iii)より選択される少なくとも1つの活性を有する微生物;
(i)アダマンタノールからアダマンタンジオールを生成する活性、
(ii)アダマンタノールからアダマンタントリオールを生成する活性、及び
(iii)アダマンタンジオールからアダマンタントリオールを生成する活性、
〔13〕受領番号FERM AP-21142又はFERM AP-21143のいずれかで示される微生物、
〔14〕アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物に、ストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物もしくはその処理物、又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物もしくはその処理物を作用させる工程を含む、該化合物に1又は複数の水酸基を付加する方法。
本発明により、アダマンタンポリオールの新たな製造方法が提供された。本発明の製造方法によれば、位置選択的にアダマンタンポリオールを製造することができ、所望のアダマンタン誘導体を効率的に得ることができる。アダマンタンを出発物質として変換されたアダマンタン誘導体(例えばアルコール類やケトン類)は、医薬品の合成中間体や樹脂、液晶材料など幅広い用途に使用されている。従って、アダマンタン誘導体を効率的に得ることが出来れば、医薬品の合成中間体や樹脂、液晶材料の製造等に有用である。
〔発明の実施の形態〕
本発明は、アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物に1又は複数の水酸基が追加された化合物を製造する方法に関する。本発明の製造方法は、アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物に、ストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物もしくはその処理物、又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物もしくはその処理物を作用させる工程を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法においては、反応物質として、アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物が用いられる。本発明において「アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物」とは、アダマンタン骨格の1つ以上の水素原子が水酸基に置換された化合物を意味する。このような化合物としては、これらに限定されるものではないが、例えばアダマンタン骨格の1つの水素原子が水酸基に置換されたアダマンタノール、2つの水素原子が水酸基に置換されたアダマンタンジオールなどが挙げられる。また本発明のアダマンタノールとしては、これらに限定されるものではないが、好ましくは1−アダマンタノール及び2-アダマンタノール、さらに好ましくは1−アダマンタノールが挙げられる。また、アダマンタンジオールの好ましい例としては、これに限定されるものではないが、1,3-アダマンタンジオールが挙げられる。
また本発明において「アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物に1又は複数の水酸基が追加された化合物」とは、アダマンタン骨格の1つ以上の水素原子が水酸基に置換された化合物において、さらに1つ以上の水素原子が水酸基に置換された化合物を意味する。例えば、アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物がアダマンタノールである場合、「アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物に1又は複数の水酸基が追加された化合物」として、例えば、アダマンタンジオール又はアダマンタントリオールを挙げることが出来る。
また、例えばアダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物がアダマンタンジオールである場合、「アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物に1又は複数の水酸基が追加された化合物」としては、例えばアダマンタントリオールを挙げることが出来る。
なお本明細書においては、「アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物に1又は複数の水酸基が追加された化合物」を「アダマンタンポリオール」と表記する場合がある。
本発明は、より具体的には、下記(1)から(3)を提供する。
(1)アダマンタノールにストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物もしくはその処理物、又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物もしくはその処理物を作用させる工程を含む、アダマンタンジオールの製造方法。
(2)アダマンタノールにストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物もしくはその処理物、又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物もしくはその処理物を作用させる工程を含む、アダマンタントリオールの製造方法。
(3)アダマンタンジオールにストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物もしくはその処理物、又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物もしくはその処理物を作用させる工程を含む、アダマンタントリオールの製造方法。
上記(1)に記載の方法において、反応物質であるアダマンタノール及び生成物質であるアダマンタジオールの組み合わせとしては、以下のものが挙げられる。
Figure 2008173055
また上記(2)に記載の方法において、反応物質であるアダマンタノール及び生成物質であるアダマンタトリオールの組み合わせとしては、以下のものが挙げられる。
Figure 2008173055
なお、本発明においてアダマンタノールからアダマンタントリオールを製造する場合、アダマンタノールから直接アダマンタントリオールを製造することが可能である。また、例えばアダマンタノールからアダマンタンジオールを製造する工程(工程1)とアダマンタンジオールからアダマンタントリオールを製造する工程(工程2)のように、2つ以上の工程を経てアダマンタノールからアダマンタントリオールを製造することも可能である。後者の場合、工程1と工程2で使用する微生物は、それぞれの工程における目的が達成される限り、同一の属や種に属する微生物であっても、異なる属や種に属する微生物であってもよい。また、使用する培養液の組成や反応温度等の反応条件も、工程1及び工程2との間で同一であっても、一部相違するものであっても、又は完全に相違するものであってもよい。さらに、工程2で使用する培養液は、工程1で使用したものでも、新たに調製したものでもよい。
一方、上記(3)に記載の方法において、反応物質であるアダマンタンジオール及び生成物質であるアダマンタトリオールの組み合わせとしては、以下のものが挙げられる。
Figure 2008173055
本発明の反応物質であるアダマンタノールは、これらに限定されるものではないが、以下の方法によって取得することが可能である。即ち、例えば、アダマンタノール鉄やルテニウム等の遷移金属を用いた酸素酸化(Mastrorilli,P. and Nobile,C.F. Terahedron Lett. 1994,35,4193-4196、Lau T-C. and Mak C-K. J.Chem.Soc.Chem.Commun. 1995,115,943-944)や、酸素存在下でN-ヒドロキシフタルイミドを用いたラジカル反応(Ishii,Y. et al. J.org.Chem.1995,60,3934-3935、Ishii,et al. Tetrahedron Lett.1996,37,4993-4996)によって取得することが可能である。また、ストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物やドシオラ(Dothiora)属に属する微生物を用いてアダマンタンを位置選択的に水酸化することにより、アダマンタノールを取得することも可能である(特開2005−229859)。
一方、本発明の反応物質であるアダマンタンジオールは、アダマンタノールを、含フッ素アジリジン酸化剤やルテニウム‐過ヨウ素酸ナトリウムを用いて酸化することにより、取得することが可能である。また、本発明の方法を使用して取得することも可能である。
本発明方法において使用される微生物は、アダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールからアダマンタンポリオールを生成することが出来るか、又は、アダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールを位置選択的に水酸化することが出来る微生物であれば特に制限されるものではないが、好ましくはストレプトマイセス(Streptomyces)属、又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物から選択することができる。これらの属に属する微生物であって、アダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールからアダマンタンポリオールを生成することが出来るか、又は、アダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールを位置選択的に水酸化することが出来る微生物であれば、種類を問わず、本発明の方法に使用することができる。このような微生物の例として、例えば、treptomyces sp. SA-8、 Kitasatospora sp. SA-12を挙げることができる。本発明において使用する微生物には、野生株、変異株、又は細胞融合もしくは遺伝子操作などの遺伝的手法より誘導される組換え株などが含まれ、これらいずれの株も、本発明の方法に好適に用いることができる。
より具体的には、本発明の微生物は、ストレプトマイセス(Streptomyces)属又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物であって、下記(i)から(iii)のいずれかに記載の活性を有する微生物である。
(i)アダマンタノールからアダマンタンジオールを生成する活性、
(ii)アダマンタノールからアダマンタントリオールを生成する活性、及び
(iii)アダマンタンジオールからアダマンタントリオールを生成する活性。
(i)において、アダマンタノール及びアダマンタンジオールの具体例は特に限定されるものではないが、好ましくは表1に記載の組み合わせが挙げられる。
また、(ii)においてアダマンタノール及びアダマンタントリオールの具体例は特に限定されるものではないが、好ましくは表2に記載の組み合わせが挙げられる。
また、(iii)においてアダマンタンジオール及びアダマンタントリオールの具体例は特に限定されるものではないが、好ましくは表3に記載の組み合わせが挙げられる。
さらに本発明の微生物には、これらいくつかの異性体を生成するものも含まれる。また本発明の微生物は、アダマンタンポリオール以外にアダマンタノン等の他の物質を生成する活性を有していてもよい。
本発明に使用する微生物として具体的には、Streptomyces sp. SA-8及びKitasatospora sp. SA-12を挙げることができる。これらの微生物は、アダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールを位置選択的に水酸化してアダマンタンポリオールを生成する能力を有することが、本発明者らによって初めて具体的に明らかにされた微生物である。このうち新規菌株は、本発明者らによって独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託された。以下に、寄託を特定する内容を記載する。
(a)寄託機関の名称・あて名
名称:独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
あて名:日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号中央第6(郵便番号305-8566)
(b)受領日:平成18年12月25日
(c)受領番号:
Streptomyces sp. SA-8(受領番号 FERM AP-21142)
Kitasatospora sp. SA-12(受領番号 FERM AP-21143)
本発明の微生物は、例えば、土壌、河川、あるいは湖沼などの材料から採取することが可能である。微生物の属又は種の同定は、例えば、細菌であればBergey's Manual of Determinative Bacteriology, 9th Edition, Edited by John G. Holt, Williams & Wilkins, Baltimore、カビであれば"The Genera of Hyphomycetes from soil", G.L.Barron, Baltimore, Maryland, Williams and Wilkins(1968)、"Compendium of soil Fungi", K.H. Domsh, W. Gams, T. Anderson, New York, AcademicPress(1980)等の文献を参照することによって行うことができる。本発明の微生物は、これらの文献に記載の方法によって同定される微生物が含まれる。
本発明の微生物がアダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールからアダマンタンポリオールを生成する能力を有するか否かの確認、又は、アダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールを位置選択的に水酸化することが出来るか否かの確認は、例えば、実施例に記載の方法により行うことができる。すなわち、アダマンタノール及び/又はアダマンタンジオール存在下で微生物を培養した後、培養液を酢酸エチルで抽出し、抽出液中のアダマンタンポリオールをガスクロマトグラフィー法などを用いて同定することによって確認することが可能である。
上記微生物を培養するための培地は、該微生物が増殖しうるものであれば特に制限はない。例えば炭素源としては、上記微生物が利用可能であればいずれのものも使用することができる。具体的には、グルコース、フルクトース、シュクロース、デキストリンなどの糖類、ソルビトール、グリセロールなどのアルコール類、フマル酸、クエン酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類及びその塩類、パラフィンなどの炭化水素類などあるいはこれらの混合物を使用することができる。窒素源としては例えば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウムなどの無機酸のアンモニウム塩、フマル酸アンモニウム、クエン酸アンモニウムなどの有機酸のアンモニウム塩、肉エキス、酵母エキス、コーンスティープリカー、カゼイン加水分解物、尿素などの無機有機含窒素化合物、あるいはこれらの混合物を使用することができる。他に無機塩、微量金属塩、ビタミン類など、通常の培養に用いられる栄養源を適宜混合して用いることができる。また、必要に応じて微生物の増殖を促進する因子、本発明の目的化合物の生成能力を高める因子、あるいは培地のpH保持に有効なCaCO3などの物質も添加できる。
培養方法としては、培地pHは3〜11、好ましくは4〜8、培養温度は15〜60℃、好ましくは20〜45℃で、嫌気的あるいは好気的に、その微生物の生育に適した条件下で、5〜240時間程度培養する。
本発明においては、微生物の代わりにその処理物を使用することも可能である。本発明で用いる処理物とは、生細胞に対して物理処理、生化学的処理、あるいは化学的処理等を行った産物を指す。処理物を得るための物理処理には、凍結融解処理、超音波処理、加圧処理、浸透圧差処理、あるいは磨砕処理等が含まれる。また生化学的処理とは、具体的にはリゾチームなどの細胞壁溶解酵素処理を示すことができる。更に、化学的処理としては、界面活性剤、トルエン、キシレン、又はアセトンなどの有機溶媒との接触処理などが挙げられる。このような処理によって細胞膜の透過性を変化させた微生物、あるいはガラスビーズや酵素処理によって菌体を破砕した無細胞抽出液やそれを部分精製したものなどは、本発明の処理物に含まれる。
また、本発明で用いる微生物及びその処理物は、たとえばカラギーナンゲル、アルギン酸ゲル、ポリアクリルアミドゲル、セルロース、寒天などに公知の方法で固定化させることも可能であり、限外ろ過膜などを用いて反応器中で反応させることもできる。
本発明の方法において、微生物をアダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールに作用させる方法は、特に制限されない。例えば、あらかじめアダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールが添加された培地を用いて上記微生物を培養する方法や、上記微生物を培養中の培養液に後からアダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールを添加する方法が挙げられる。また、上記微生物を含む培地とアダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールを含む溶液を同時に第3の容器に添加し、混合することも可能である。本発明においては、上記微生物を培養した培養液から遠心分離等により菌体を分離し、これをそのまま使用することも出来る。又は、分離された菌体を洗浄した後、緩衝液、水などに再懸濁したものを使用することも出来る。
一方、微生物の処理物をアダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールに作用させる場合には、微生物の処理物を含む溶液にアダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールを添加する方法、及び、アダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールを含む溶液に微生物の処理物を添加する方法の両方が可能である。さらに、微生物の処理物を含む溶液とアダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールを含む溶液を同時に第3の容器に添加し、混合することも可能である。
なお本発明においては、反応物質であるアダマンタノールとアダマンタンジオールは、同一の系で同時に使用することも可能である。即ち、本発明においては、例えばアダマンタノールからアダマンタントリオールの製造と、アダマンタンジオールからアダマンタントリオールの製造を、同一の系で同時に行うことが可能である。この場合、アダマンタノール、アダマンタンジオール、及び本発明の微生物又はその処理物の3者を作用させる方法や順序は、何ら制限されない。
アダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールは、反応阻害が起らない濃度範囲で、一括もしくは間欠的に、又は連続して添加することができる。アダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールは通常0.001から10%(wt/wt)程度添加する。アダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールは、培地にそのまま添加することもできるが、反応に影響を与えないような有機溶媒に溶解したり、界面活性剤などに分散させたりしてから添加することもできる。
上述のアダマンタノール及び/又はアダマンタンジオール添加の際に使用する界面活性剤は、アダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールを溶解でき、かつアダマンタンポリオールの生成を低下させない限り、その種類及び使用濃度を問わない。本発明において好適な界面活性剤の例として、非イオン性界面活性剤を挙げることができ、より好適な例としては、Tween60、Tween80を挙げることができる。これら界面活性剤の使用により、アダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールからアダマンタンポリオールへの変換活性の向上を図ることが可能である。Tween60の濃度は、好ましくは4%(終濃度)未満である。
反応温度は5〜70℃、望ましくは15〜60℃とすることが可能である。反応pHは酵素が反応する範囲で適宜選択すればよいが、通常pH5〜10、望ましくはpH6〜9である。pHのコントロールは、緩衝液中あるいはpHスタットを用いて行うことが可能である。反応は静置あるいは振とう、攪拌いずれでも行うことができる。反応に用いる溶媒は通常水であるが、反応に影響を与えない範囲でアルコールなどの有機溶媒を加えることができる。生成したアダマンタンポリオールは限外ろ過、濃縮、カラムクロマトグラフィー、抽出、活性炭処理、晶析など通常の方法を組み合せることで回収、精製できる。
また本発明は、アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物に、ストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物もしくはその処理物、又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物もしくはその処理物を作用させる工程を含む、アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物に1又は複数の水酸基を付加する方法に関する。上述したように、本発明の微生物は、アダマンタノール及び/又はアダマンタンジオールを位置選択的に水酸化する活性を有する。従って本発明の微生物を用いれば、アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物に、1又は複数の水酸基を位置選択的に付加することが可能である。すなわち本方法には、下記(a)及び(b)に記載の方法が含まれる。
(a)アダマンタノールにストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物もしくはその処理物、又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物もしくはその処理物を作用させる工程を含む、アダマンタノールに1又は複数の水酸基を付加する方法。
(b)アダマンタンジオールにストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物もしくはその処理物、又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物もしくはその処理物を作用させる工程を含む、アダマンタンジオールに1又は複数の水酸基を付加する方法。
上記(a)において、アダマンタノールに1つの水酸基が付加された場合、アダマンタンジオールが得られる。ここで、反応物質であるアダマンタノールと生成物質であるアダマンタンジオールの組み合わせは特に限定されるものではないが、好ましくは上記表1に記載のものが挙げられる。
また上記(a)において、アダマンタノールに2つの水酸基が付加された場合、アダマンタントリオールが得られる。ここで、反応物質であるアダマンタノールと生成物質であるアダマンタントリオールの組み合わせは特に限定されるものではないが、好ましくは上記表2に記載のものが挙げられる。
さらに上記(b)において、アダマンタンジオールに1つの水酸基が付加された場合、アダマンタントリオールが得られる。ここで、反応物質であるアダマンタンジオールと生成物質であるアダマンタントリオールの組み合わせは特に限定されるものではないが、好ましくは上記表3に記載のものが挙げられる。
なお、アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物と本発明の微生物又はその処理物との作用は、上述した方法によって行うことが出来る。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕1,3-アダマンタンジオール変換活性菌の探索
集積培養
1,3-アダマンタンジオールを分解資化する菌株を得るために、1,3-アダマンタンジオール、又はカンファーを単一炭素源又は主要な炭素源として集積培養を行った。
集積培養で得られた菌株の1,3-アダマンタンジオール水酸化活性
1-アダマンタノール又はカンファーを単一炭素源又は主要な炭素源とした培地(表4)(太試験管5 mL)にさまざまな場所から採取してきた土壌サンプル(約5 g)を加え、28 ℃で2週間振とう培養した。同じ培地でリフレッシュメントを二回行った(10日毎)。その溶液を可溶性デンプン培地(表5)に広げ、12株単離した。1,3-アダマンタンジオールを14.9 mM(10.0 mg)を培地に加え、28 ℃で5日間振とう培養し、分離菌の水酸化活性を評価したところ、5菌株が1,3-アダマンタンジオールに対して水酸化活性を示した。
Figure 2008173055
土壌分離菌株の1,3-アダマンタンジオール水酸化活性
土壌サンプルを5〜10種類(約5g)を0.85 %塩化ナトリウム水溶液5mL中に加え懸濁させ、可溶性デンプン培地(表5)に広げ菌体を136菌株得た。分離菌の1,3-アダマンタンジオールに対する水酸化活性を評価したところ、16菌株が活性を示した。それらの中で、SA-12が最も高い水酸化活性を示した(表6)。
Figure 2008173055
Figure 2008173055
〔実施例2〕1,3-アダマンタンジオール変換活性菌の反応生成物の確認
1,3-アダマンタンジオールに対して、高い変換活性を示した放線菌Kitasatospora sp. SA-12株について反応生成物の構造決定を行った。
1,3-アダマンタンジオール5.2g存在下おいてKitasatospora. SA-12株を28℃で5日間回転培養した(170 rpmでロータリーシェーカーによる培養)。培養液を遠心分離して菌体を除去した後、活性炭処理した。さらに培養液を濃縮し、メタノールを加えて、反応生成物溶液とした。シリカゲルクロマトグラフィーは、n-hexane : ethyl acetateを順に、1:0(300 ml)、1:1(400 ml)、1:2 (300 ml)、0:1(1050 ml)、ついでethyl acetate: ethanolを1:9(700 ml)の割合で流して実施した。1,3-アダマンタンジオール(基質)は、n-hexane : ethyl acetateの比を0:1にしたとき溶出した。1,3,5-アダマンタントリオールは、ethyl acetate : ethanolの比が 1:9の溶媒で溶出した。その後に、ガスクロマトグラフィーを行い、精製・単離した。
単離収率1.2% (0.416 mmol)であった。得られたアダマンタン変換生成物について1H-NMR,13C-NMR及びEI-MS分析を行った。結果を図1(a)〜(c)に示す。図1(a)〜(c)より、1,3-アダマンタンジオールをSA-12株に作用させることによって、1,3,5-アダマンタントリオールが生成されることが確認された。
〔実施例3〕Streptomyces sp. SA-8の胞子の調製と1,3-アダマンタンジオール変換活性の確認
放線菌Streptomyces sp. SA-8は、スラントから培養すると1,3-アダマンタンジオール生成活性がばらつくため、胞子を調製したのち培養した。
ISP No. 2培地4mLを入れた試験管 (φ25×200 mm)で、Streptomyces sp. SA-8を28℃で2日間振とう培養した。次に、胞子を形成させるため、16 gの押麦と20 mLの水道水を500 mL容三角フラスコへ入れ、シリコ栓(大)をしてオートクレーブを行った。放冷後、培養後の培地(4 mL)をこの三角フラスコへ加え、10日間28℃で静置し、押麦の表面に胞子を形成させた。SA-8株の胞子は、4 ℃で約3ヶ月間、1,3-アダマンタンジオール生成活性を保持できる。
分析条件
GC分析条件は下記表7に記載の通りである。
Figure 2008173055
培養及び反応条件
胞子が付着した押麦1粒を培地5 mL(ISP No.2)が入った太試験管に加えてSA-8株を28℃で2日間振とう培養した後、1,3-アダマンタンジオールを14.9 mM(10.0 mg)を加え、28℃で5日間反応させた。反応生成物はGCで分析した。その結果、0.64 mM (モル変換率4.3%)の1,3,5-アダマンタントリオールの生成を確認した。
〔実施例4〕培養反応と反応生成物の単離精製
Streptomyces sp. SA-8を0.8% (w/v) グルコースを含むISP No.2の培地(バッフル付き三角フラスコ 80 mL)で28℃、2日間培養し、菌が十分に生育した培地に1-アダマンタノール 500 mg(3.28 mmol)を添加して28℃で5日間反応させた。反応生成物は、培養液640 mL(添加した1-アダマンタノール 4 g)から精製単離した後、NMR及びMSにより構造決定を行った(このとき反応生成物である1,3-アダマンタンジオールと1,4-アダマンタンジオールの生成割合は、GCのエリア比で約80:20であった)。基質の1-アダマンタノールを培養液から酢酸エチルで抽出して除去した後、反応生成物を含む培地を活性炭処理し、エバポレーターで濃縮・乾固した。その固形物にエタノールを加えた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。
使用した溶媒は以下の通りである。
n-ヘキサン:酢酸エチル=1:0、8:1、3:1、0:1 (1,4-アダマンタンジオール及び1,3-アダマンタンジオールと1,4-アダマンタンジオールの混合物が溶出)、
酢酸エチル:エタノール=1:1(1,3-アダマンタンジオールと1,4-アダマンタンジオールの混合物及び1,3-アダマンタンジオールが溶出)
反応生成物の収量を以下に示す。
1,3-アダマンタンジオール及び 1,4-アダマンタンジオール混合物 (994.7 mg)
1,3-アダマンタンジオール (25.9 mg)
1,4-アダマンタンジオール(axial) (15.4 mg)
構造は、CD3ODで13C NMR分析し、文献(Ref. J. Chem. Soc., Perkin Trans. 2, 1811-1819 (1996))との比較により決定した。図2(a)及び(b)に、それぞれ、1,3-アダマンタンジオールの13C NMR及びEI-MSの測定結果を示した。また図3(a)及び(b)に、それぞれ、1,4-アダマンタンジオールの13C NMR及びEI-MSの測定結果を示した。これらの結果から、SA-8が1-アダマンタノールに対する水酸化活性を有することが確認された。
1,3,5-アダマンタントリオールの1H-NMRの分析結果を示す図である。 1,3,5-アダマンタントリオールの13C-NMRの分析結果を示す図である。 1,3,5-アダマンタントリオールのEI-MSの分析結果を示す図である。 1,3-アダマンタンジオールの13C NMRの測定結果を示す図である。 1,3-アダマンタンジオールのEI-MSの測定結果を示す図である。 1,4-アダマンタンジオールの13C NMRの測定結果を示す図である。 1,4-アダマンタンジオールのEI-MSの測定結果を示す図である。

Claims (14)

  1. アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物に、ストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物もしくはその処理物、又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物もしくはその処理物を作用させる工程を含む、該化合物に1又は複数の水酸基が追加された化合物の製造方法。
  2. アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物が、アダマンタノール又はアダマンタンジオールである、請求項1に記載の方法。
  3. アダマンタノールにストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物もしくはその処理物、又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物もしくはその処理物を作用させる工程を含む、アダマンタンポリオールの製造方法。
  4. アダマンタンポリオールがアダマンタンジオールである、請求項3に記載の方法。
  5. アダマンタンポリオールがアダマンタントリオールである、請求項3に記載の方法。
  6. アダマンタンジオールにストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物もしくはその処理物、又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物もしくはその処理物を作用させる工程を含む、アダマンタンポリオールの製造方法。
  7. アダマンタンポリオールがアダマンタントリオールである、請求項6に記載の方法。
  8. ストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物がStreptomyces sp. SA-8である、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. キタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物がKitasatospora sp. SA-12である、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  10. ストレプトマイセス(Streptomyces)属又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物であって、アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物に、1又は複数の水酸基を付加する活性を有する微生物。
  11. アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物がアダマンタノール又はアダマンタンジオールである、請求項10に記載の微生物。
  12. ストレプトマイセス(Streptomyces)属又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物であって、下記(i)から(iii)より選択される少なくとも1つの活性を有する微生物;
    (i)アダマンタノールからアダマンタンジオールを生成する活性、
    (ii)アダマンタノールからアダマンタントリオールを生成する活性、及び
    (iii)アダマンタンジオールからアダマンタントリオールを生成する活性。
  13. 受領番号FERM AP-21142又はFERM AP-21143のいずれかで示される微生物。
  14. アダマンタンに1つ以上の水酸基が結合した化合物に、ストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物もしくはその処理物、又はキタサトスポラ(Kitasatospora)属に属する微生物もしくはその処理物を作用させる工程を含む、該化合物に1又は複数の水酸基を付加する方法。
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