JP2008164370A - パルス信号処理装置、パルス位置検出方法及びdme受信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ダイナミックレンジの広いパルス入力に対し、簡単な構成回路を用いて高い精度でパルス位置を検出する。
【解決手段】IF帯受信パルス信号aは、分配器14で2系統に分配され、一方は増幅器15で増幅されてリニアビデオ検波器16でリニアビデオ検波され、他方は対数ビデオ検波器17で対数ビデオ検波される。それぞれの検波出力b,dは半振幅検出回路18,19に送られ、半振幅となるタイミングが検出される。レベル検出回路21では、対数ビデオパルス信号dの振幅レベルを検出し、そのレベル検出結果が規定値以上か否かを示すレベル検出信号fを発生する。パルス信号dが規定値より低い場合、レベル検出信号fにより、切換回路20はリニアビデオ検波側のタイミング検出信号cを選択出力する。これに対し、パルス信号dが規定値より高い場合、レベル検出信号fにより、切換回路20は対数ビデオ検波側のタイミング検出信号eを選択出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】IF帯受信パルス信号aは、分配器14で2系統に分配され、一方は増幅器15で増幅されてリニアビデオ検波器16でリニアビデオ検波され、他方は対数ビデオ検波器17で対数ビデオ検波される。それぞれの検波出力b,dは半振幅検出回路18,19に送られ、半振幅となるタイミングが検出される。レベル検出回路21では、対数ビデオパルス信号dの振幅レベルを検出し、そのレベル検出結果が規定値以上か否かを示すレベル検出信号fを発生する。パルス信号dが規定値より低い場合、レベル検出信号fにより、切換回路20はリニアビデオ検波側のタイミング検出信号cを選択出力する。これに対し、パルス信号dが規定値より高い場合、レベル検出信号fにより、切換回路20は対数ビデオ検波側のタイミング検出信号eを選択出力する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、パルス信号の時間的位置を検出するパルス信号処理装置とパルス位置検出方法に係り、特に航空電波航法援助施設の一つである距離測定装置(DME:Distance Measuring Equipment)の受信装置に適用可能なものに関する。
周知のように、DMEは、地上局において航空機から送信される質問パルス信号を受信してその時間的位置を検出し、所定内に応答パルス信号を送信することによってその航空機に距離情報を判別させる(例えば特許文献1参照)。このため、パルス位置の検出精度が直接にシステム精度に大きな影響を与える。DMEでは定められた送受信周波数チャンネルにおけるパルススペクトラムの帯域幅を狭くするため、使用する変調パルスの波形をガウス誤差関数に近似したものとすることが多い。そして、パルス位置検出のタイミング基準点としてパルス立ち上がり部分の半振幅点を採用し、距離測定を行っている。
ここで、DME地上局の受信装置において、距離が異なる多数の航空機から送られてくる質問パルスの振幅は多種多様であり、そのダイナミックレンジは80dB以上が要求されている。これに対し、従来では、検波器の直線性のよい部分のみを利用して精度の高いタイミング検出を行うため、受信パルスを中間周波(IF)信号に変換した段階で4つのレベルに分割し、それぞれのレベルに対応して検波を行い、パルス位置の検出を行っている。ところが、このようなレベル分割による手法は、精度を上げるために分割数を増大するに従って部品点数が多くなるという問題、レベル切換部分の調整作業等が複雑なために保守作業にかかるコストも高くなるという問題が生じている。
特願平08−068843号公報
以上述べたようにDME受信装置に用いられるパルス信号処理装置においては、広いダイナミックレンジに対応すること、入力パルスの高い位置検出精度が要求される。これに対し、従来では、入力パルスを検波する段階でレベル毎に複数系統に分割して個別にリニア検波する方式をとっている。このため、精度の要求に応じて分割数を増大するに従って、必然的に部品点数が増大し、切換調整等の保守作業にかかるコストも増大してしまう。
本発明は上記の問題を解決するためになされたもので、広いダイナミックレンジのパルス入力に対し、簡単な構成回路を用いて、高い精度でパルス位置を検出することのできるパルス信号処理装置、パルス位置検出方法及びDME受信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような特徴的構成を有する。
(1)パルス信号の時間的位置を検出するパルス信号処理装置において、前記パルス信号を第1及び第2の系統に分配する分配器と、前記第1の系統に分配されたパルス信号を増幅する増幅器と、この増幅器で増幅されたパルス信号をリニア特性でビデオ検波してリニアビデオ信号に変換するリニアビデオ検波器と、前記リニアビデオ信号から、その振幅最大値に対して一定の比率のポイントでタイミング検出を行って第1のタイミング検出信号を得る第1のタイミング検出器と、前記第2の系統に分配されたパルス信号を対数特性でビデオ検波して対数ビデオ信号に変換する対数ビデオ検波器と、前記対数ビデオ信号から、その振幅最大値に対して一定の比率のポイントでタイミング検出を行って第2のタイミング検出信号を得る第2のタイミング検出器と、前記対数ビデオ信号の振幅レベルを検出するレベル検出器と、前記レベル検出器の検出結果に基づいて前記第1及び第2のタイミング検出信号を選択的に切換出力する切換器とを具備することを特徴とする。
(2)パルス信号の時間的位置を検出するパルス位置検出方法において、前記パルス信号を第1及び第2の系統に分配し、前記第1の系統に分配されたパルス信号を増幅してリニア特性でビデオ検波してリニアビデオ信号に変換し、前記リニアビデオ信号から、その振幅最大値に対して一定の比率のポイントでタイミング検出を行って第1のタイミング検出信号を求め、前記第2の系統に分配されたパルス信号を対数特性でビデオ検波して対数ビデオ信号に変換し、前記対数ビデオ信号から、その振幅最大値に対して一定の比率のポイントでタイミング検出を行って第2のタイミング検出信号を求め、前記対数ビデオ信号の振幅レベルを検出し、このレベル検出結果に基づいて前記第1及び第2のタイミング検出信号を選択的に切換出力することを特徴とする。
(3)航空機から送信されるパルス信号を受信してその時間的位置を検出することによって前記航空機の距離情報を得る距離測定装置において、前記航空機から送信されるパルス信号を受信して中間周波のパルス信号を検波する受信検波手段と、この手段で得られたパルス信号を第1及び第2の系統に分配する分配器と、前記第1の系統に分配されたパルス信号を増幅する増幅器と、この増幅器で増幅されたパルス信号をリニア特性でビデオ検波してリニアビデオ信号に変換するリニアビデオ検波器と、前記リニアビデオ信号から、その振幅最大値に対して一定の比率のポイントでタイミング検出を行って第1のタイミング検出信号を得る第1のタイミング検出器と、前記第2の系統に分配されたパルス信号を対数特性でビデオ検波して対数ビデオ信号に変換する対数ビデオ検波器と、前記対数ビデオ信号から、その振幅最大値に対して一定の比率のポイントでタイミング検出を行って第2のタイミング検出信号を得る第2のタイミング検出器と、前記対数ビデオ信号の振幅レベルを検出するレベル検出器と、前記レベル検出器の検出結果に基づいて前記第1及び第2のタイミング検出信号を選択的に切換出力する切換器とを具備することを特徴とする。
上記構成によるパルス信号処理装置、パルス位置検出方法及びDME受信装置では、入力パルス信号のレベルに応じてSN比が増減することに着目し、パルス入力が一定レベルより低いレベルでは、信号のSN比が小さく、リニアビデオ検波によってパルス位置を検出し、パルス位置検出精度を高くする。一方、パルス入力レベルが一定レベル以上大きい場合には、信号のSN比が大きいことから、対数ビデオ検波で精度の高いパルス位置を検出するようにしている。
以上のように、本発明では、入力パルス信号のレベルに応じてSN比が増減することを利用して、リニアビデオ検波と対数ビデオ検波を併用するようにしている。したがって、本発明によれば、広いダイナミックレンジのパルス入力に対し、簡単な構成回路を用いて、高い精度でパルス位置を検出することのできるパルス信号処理装置、パルス位置検出方法及び距離測定装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係るパルス信号処理装置をDME地上局の、例えばスーパーヘテロダイン方式の受信装置に適用した場合の構成を示すブロック図である。図1において、アンテナ11で受けた航空機からのパルス信号は増幅器12で増幅された後、周波数変換器13で所定の中間周波(IF)帯のパルス信号に変換される。このIF帯に変換されたパルス信号aは、ガウス誤差関数に近似したパルス変調波であり、分配器14で2系統に分配される。
一方の分配信号は増幅器15で増幅されてリニアビデオ検波器16に送られ、他方の分配信号は対数ビデオ検波器17に送られる。リニアビデオ検波器16に入力された信号は、リニア特性に基づいてビデオ検波される。これに対し、対数ビデオ検波器17は、対数特性に基づいてビデオ検波される。それぞれの検波出力(ビデオパルス信号)は半振幅検出回路18,19にそれぞれビデオパルス信号bと、対数ビデオパルス信号dとして送られる。半振幅検出回路18,19は、入力パルス信号の最大ピーク値から半分のレベルに達したタイミングを検出するもので、それぞれのタイミング検出信号c,eはそれぞれ切換回路20に送られる。
一方、対数ビデオパルス信号dはレベル検出回路21にも送られる。このレベル検出回路21は、対数ビデオパルス信号dのレベルを検出し、規定値以上の場合は切換回路20に対数ビデオ検波側のタイミング検出信号eを選択させ、規定値に満たない場合は切換回路20にリニアビデオ検波側のタイミング検出信号cを選択させるように制御する。切換回路21は、レベル検出回路21からの検出信号fに応じて2系統のタイミング検出信号c,eを選択的に出力するものである。
上記構成によるDME受信装置の処理動作を説明する。
まず、アンテナ11で受けたパルス信号は増幅器12で増幅され、周波数変換器13でIFパルス信号に変換される。このIFパルス信号aは、分配器14で2系統に分配される。一方の分配信号は増幅器15で増幅され、リニアビデオ検波器16に送られてリニア特性に基づいてビデオ検波される。他方の分配信号は対数ビデオ検波器17に送られ、対数特性に基づいてビデオ検波される。それぞれの検波出力b,dは半振幅検出回路18,19に送られ、立ち上がりから半振幅となるタイミングが検出される。
ここで、レベル検出回路21では、対数ビデオパルス信号dの振幅レベルを検出し、そのレベル検出結果が規定値(ここでは例として−60dBm)以上か否かを示すレベル検出信号を発生する。今、IFパルス信号aが低い信号レベル(例えば−90dBm以上−60dBm以下)で入力された場合、レベル検出回路21から出力されるレベル検出信号fにより、切換回路20は、リニアビデオ検波側のタイミング検出信号cを切換選択して、タイミング検出信号gとして出力する。これに対し、IFパルス信号aが高い信号レベル(例えば−60dBm以上−10dBm以下)で入力された場合、レベル検出回路21から出力されるレベル検出信号fにより、切換回路20は、対数ビデオ検波側のタイミング検出信号eを切換選択してタイミング検出信号gとして出力する。
上記のように、上記構成によるDME受信装置では、広いダイナミックレンジのパルス入力に対し、リニアビデオ検波器と対数ビデオ検波器の2種類の簡単な構成回路を用いて、入力パルス信号の信号レベルに応じてそれぞれの検波出力の半振幅検出タイミング信号を選択的に出力するようにしているので、入力パルス信号の信号レベルによらず、高精度でパルス位置を検出することができる。特に、分割数は2系統で済むため、従来の構成に比較して部品点数を飛躍的に削減することができ、回路構成も簡素になることから、装置調整も簡単になり、全体の装置コストを大幅に低減することができる。
尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、上記実施形態では、タイミング検出として半振幅を検出するようにしたが、他の比率であっても同様に実施可能である。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
11…アンテナ、12…増幅器、13…周波数変換器、14…分配器、15…増幅器、16…リニアビデオ検波器、17…対数ビデオ検波器、18,19…半振幅検出回路、20…切換回路、21…レベル検出回路。
Claims (3)
- パルス信号の時間的位置を検出するパルス信号処理装置において、
前記パルス信号を第1及び第2の系統に分配する分配器と、
前記第1の系統に分配されたパルス信号を増幅する増幅器と、
この増幅器で増幅されたパルス信号をリニア特性でビデオ検波してリニアビデオ信号に変換するリニアビデオ検波器と、
前記リニアビデオ信号から、その振幅最大値に対して一定の比率のポイントでタイミング検出を行って第1のタイミング検出信号を得る第1のタイミング検出器と、
前記第2の系統に分配されたパルス信号を対数特性でビデオ検波して対数ビデオ信号に変換する対数ビデオ検波器と、
前記対数ビデオ信号から、その振幅最大値に対して一定の比率のポイントでタイミング検出を行って第2のタイミング検出信号を得る第2のタイミング検出器と、
前記対数ビデオ信号の振幅レベルを検出するレベル検出器と、
前記レベル検出器の検出結果に基づいて前記第1及び第2のタイミング検出信号を選択的に切換出力する切換器と
を具備することを特徴とするパルス信号処理装置。 - パルス信号の時間的位置を検出するパルス位置検出方法において、
前記パルス信号を第1及び第2の系統に分配し、
前記第1の系統に分配されたパルス信号を増幅してリニア特性でビデオ検波してリニアビデオ信号に変換し、
前記リニアビデオ信号から、その振幅最大値に対して一定の比率のポイントでタイミング検出を行って第1のタイミング検出信号を求め、
前記第2の系統に分配されたパルス信号を対数特性でビデオ検波して対数ビデオ信号に変換し、
前記対数ビデオ信号から、その振幅最大値に対して一定の比率のポイントでタイミング検出を行って第2のタイミング検出信号を求め、
前記対数ビデオ信号の振幅レベルを検出し、このレベル検出結果に基づいて前記第1及び第2のタイミング検出信号を選択的に切換出力することを特徴とするパルス位置検出方法。 - パルス信号を受信してその時間的位置を検出し、その位置情報を距離情報の指標とするDME(Distance Measuring Equipment:距離測定装置)受信装置において、
前記パルス信号を受信して中間周波のパルス信号を検波する受信検波手段と、
この手段で得られたパルス信号を第1及び第2の系統に分配する分配器と、
前記第1の系統に分配されたパルス信号を増幅する増幅器と、
この増幅器で増幅されたパルス信号をリニア特性でビデオ検波してリニアビデオ信号に変換するリニアビデオ検波器と、
前記リニアビデオ信号から、その振幅最大値に対して一定の比率のポイントでタイミング検出を行って第1のタイミング検出信号を得る第1のタイミング検出器と、
前記第2の系統に分配されたパルス信号を対数特性でビデオ検波して対数ビデオ信号に変換する対数ビデオ検波器と、
前記対数ビデオ信号から、その振幅最大値に対して一定の比率のポイントでタイミング検出を行って第2のタイミング検出信号を得る第2のタイミング検出器と、
前記対数ビデオ信号の振幅レベルを検出するレベル検出器と、
前記レベル検出器の検出結果に基づいて前記第1及び第2のタイミング検出信号を選択的に切換出力する切換器と
を具備することを特徴とするDME受信装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006352720A JP2008164370A (ja) | 2006-12-27 | 2006-12-27 | パルス信号処理装置、パルス位置検出方法及びdme受信装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006352720A Pending JP2008164370A (ja) | 2006-12-27 | 2006-12-27 | パルス信号処理装置、パルス位置検出方法及びdme受信装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010281650A (ja) * | 2009-06-03 | 2010-12-16 | Nec Corp | 受信装置及びその方法並びにレーダ装置及びその受信方法 |
JP2010286335A (ja) * | 2009-06-11 | 2010-12-24 | Toshiba Corp | パルス検出装置 |
JP2015079005A (ja) * | 2007-08-31 | 2015-04-23 | レイマリン・ユー・ケイ・リミテッドRaymarine Uk Limited | デジタルレーダーまたはソナー装置 |
-
2006
- 2006-12-27 JP JP2006352720A patent/JP2008164370A/ja active Pending
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