JP2008163883A - 自動変速機を搭載した車両の制御装置 - Google Patents

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中央人 米野
Shinji Kato
伸二 加藤
Akio Murasugi
明夫 村杉
Hiroyuki Otsuki
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Abstract

【課題】降坂制御の終了に基づいて発生した変速に起因するショックを回避する。
【解決手段】ECUは、車両が走行中に(S1000にてYES)、路面勾配Gを検出して(S1100)、降坂路であると(S1200にてYES)、降坂制御を開始するステップ(S1300)と、アクセル開度αを検出して(S1400)、αがしきい値よりも大きく(S1500にてYES)、降坂路が継続していると(S1600にてYES)、アクセル開度変化の変化よりも緩やかな変化の目標駆動力を算出するステップ(S1700)と、降坂制御が終了して(S1800にてYES)、降坂制御終了に伴うアップシフト変速があると(S1900にてYES)、変速時の駆動力を低減して目標駆動力を算出するステップ(S2000)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動変速機を搭載した車両の制御に関し、特に、降坂路においてエンジンブレーキを作用させるためにアップシフトを制限して低速側の大きな変速比で走行する降坂路制御の終了に伴う変速ショックの発生を回避する車両の制御に関する。
車両のパワートレーンを構成する要素として、自動変速機がある。この自動変速機は、エンジンの出力側に設けられたトルクコンバータと、その駆動輪側に設けられた歯車式の有段の変速機構や、ベルト式やトラクション式などの無段の変速機構とから構成される。
有段の変速機構は、たとえば、アクセル開度および車速をパラメータとした変速マップに基づいて自動的に動力伝達経路を切換え、自動的に変速ギヤ段を切換える。ベルト式の無段の変速機構は、たとえば、アクセル開度および車速をパラメータとした変速マップに基づいて自動的にベルトが巻き掛けられたプーリの径を変化させて、自動的に変速比を切換える。
このような自動変速機を有した車両にはドライバーにより操作されるシフトレバーが設けられ、シフトレバー操作に基づいて変速ポジション(たとえば、後進走行ポジション、ニュートラルポジション、前進走行ポジション)が設定され、このように設定された変速ポジション内(通常は、前進走行ポジション内)において自動的に変速制御が行なわれる。前進走行ポジションにおいては、車速とスロットル開度(アクセル開度)とをパラメータとしたアップシフト変速線およびダウンシフト変速線とを規定した変速マップに基づいて変速ギヤ段(有段式)を切換える変速制御が実行される。
このような変速制御において、登坂路または降坂路と判定されると、平坦路用の変速マップから登坂路用のマップまたは降坂路用のマップに切換える技術が、特許文献1に開示されている。登坂路用のマップはダウンシフトしやすく変更して車両の駆動力を増加させて、降坂路用のマップはダウンシフトしやすく変更してエンジンブレーキ効果を得ることができる。
また、ドライバーのアクセルペダル操作とは独立にエンジン出力トルクを制御することが可能なエンジンと自動変速機とを備えた車両において、ドライバーのアクセルペダル操作量や車両の運転条件等に基づいて算出された正負の目標駆動トルクを、エンジントルクと自動変速機の変速ギヤ比で実現する「駆動力制御」という考え方がある。また、「駆動力要求型」や「駆動力ディマンド型」や「トルクディマンド方式」などと呼ばれる制御手法も、これに類する。
トルクディマンド方式のエンジン制御装置は、アクセル操作量とエンジン回転数と外部負荷とに基づき、エンジンの目標トルクを算出し、この目標トルクに応じて燃料噴射量と供給空気量とを制御する。このようなトルクディマンド方式のエンジン制御装置では、実際は、要求出力トルクに対し、エンジンやパワートレーン系でロスとなる摩擦トルクなどの損失負荷トルクを加えて、目標発生トルクとして算出し、これを実現するように燃料噴射量と供給空気量を制御することになる。このトルクディマンド方式のエンジン制御装置によると、車両の制御に直接作用する物理量であるエンジンのトルクを制御の基準値とすることにより、常に一定の操縦感覚を維持できる等、運転性を向上させることができる。
このような駆動力制御において、登坂路を走行中には目標駆動軸トルクを増加させ、降坂路を走行中には目標駆動軸トルクを減少させ、良好な運転性を得るように目標駆動軸トルクのテーブルデータを設定する技術が、特許文献2に開示されている。また、車両走行状態のパラメータである路面傾斜度に基づいて、駆動軸トルクの応答性を規定する規範モデルを、予め設定された幾つかの規範モデルの中から選択するようにして、降坂路を走行中にはより緩やかな応答特性を有する規範モデルを選択されるように制御して、走行安定性が確保されることも開示されている。
特開平6−137418号公報 特開平3−182662号公報(特許第2639143号公報)
しかしながら、降坂路を走行中に実行される、アップシフトを制限して変速比の大きな変速ギヤ段を用いてエンジンブレーキを作用し易くする降坂制御が実行された後において、通常制御に復帰する場合に以下のような問題が発生する。たとえば、降坂路を走行中においてアップシフト変速線を交錯しても、降坂制御が実行されているためにアップシフトが実行されない。降坂制御から通常制御に復帰すると、通常制御(変速マップに基づく制御)に切換えられるが、このときに、通常制御によるアップシフトとは異なる状態で、アップシフト変速が実行される。すなわち、降坂路から平坦路に移行したときにアクセルペダルが踏まれていて目標駆動力が上昇されてエンジンの出力が上昇されている状態で、変速マップによらない降坂制御からの復帰に基づくアップシフト変速が実行される。このようなアップシフト変速が実行されると、変速ショックが発生する可能性がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、降坂制御の終了に基づいて発生した変速に起因するショックを回避する、自動変速機を搭載した車両の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る制御装置は、少なくともエンジンを走行源として、自動変速機を搭載した車両を制御する。この制御装置は、車両が降坂路を走行中において、低速側の変速比を用いてエンジンブレーキを作用させる降坂制御を実行するように自動変速機を制御するための降坂制御手段と、降坂制御が終了して高速側の変速比への変速が実行される場合に、車両の走行源から発生する駆動力を低減するように、走行源を制御するための制御手段とを含む。
第1の発明によると、車両が降坂路を走行中であると実行される、低速側の変速比を用いてエンジンブレーキを作用させる降坂制御が終了して高速側の変速比への変速が実行されるときの変速ショックを回避できる。詳しくは、降坂制御終了に伴うアップシフト変速が発生すると(この変速は変速線図に起因するものではない)、走行源(たとえばエンジン)から発生する目標駆動力が、変速期間中においては低減されるようにエンジンが制御される。このように走行源であるエンジンが制御されると、従来において、アップシフト変速時において発生していた変速ショックが回避できる。その結果は、降坂制御の終了に基づいて発生した変速に起因するショックを回避する、自動変速機を搭載した車両の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、制御手段は、変速線図に起因しない高速側の変速比への変速が実行される場合に、変速中における駆動力を低減するように、走行源を制御するための手段を含む。
第2の発明によると、変速線図(アップシフト変速線)に起因しないアップシフトが、降坂制御終了に伴い発生した場合であっても、変速ショックを回避することができる。
第3の発明に係る制御装置は、第1または2の発明の構成に加えて、降坂制御中において、運転者によるアクセル操作に対する応答性を低減させて、車両の走行源から発生する駆動力を制御するための手段をさらに含む。
第3の発明によると、降坂制御中は、低速側の大きな変速比が用いられる。このため、アクセル操作に則して目標駆動力を変化させると(たとえば大きく変化させると)、車両には過大な加速が発生して、滑らかな加速を実現できない。運転者によるアクセル操作に対する応答性を低減させて、目標駆動力を制御することにより、低速側の大きな変速比であっても、滑らかな加速を実現することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1に、本発明の実施の形態に係る制御装置であるECUを含む車両のパワートレーンについて説明する。
図1に示すように、この車両には、エンジン100と、自動変速機200(トルクコンバータ210および変速機構220)と、これらを制御するECU(Electronic Control Unit)500と、ECU500に入力される、アクセルペダルの開度を検出してECU500に出力するアクセル開度センサ600と、ECU500に入力される、車両が走行している路面の傾斜を検出してECU500に出力する路面勾配検出センサ(Gセンサであってもよい)700とを含む。このとき、路面勾配検出センサ700は、登坂側を正値の路面勾配として、降坂側を負値の路面勾配として、検出するものとする。
また、アクセル開度センサ600は、アクセルペダルの開度を検出することに加えて、アイドルオン状態およびアイドルオフ状態のいずれであるのかを判定する機能を含むものであっても構わない。
なお、本実施の形態に係る制御装置は、このようなパワートレーンを有する車両に限定されて適用されるものではない。このパワートレーンの構成要素に加えて、エンジンをアシストするモータ(モータジェネレータ)を有していてもかまわない。
以下においては、本発明の実施の形態に係る制御装置が、図1に示す、エンジン100、トルクコンバータ210および変速機構220と有する自動変速機200を有するパワートレーンについて適用される場合について説明する。
ECU500は、エンジン100に対して、スロットル開度指令信号などの制御信号を出力し、エンジン回転数信号などの検出信号を受信する。
また、ECU500は、トルクコンバータ210のロックアップクラッチに係合(ロックアップオン)または解放(ロックアップオフ)を指令する制御信号を出力する。また、ECU500は、変速機構220に対して油圧指令信号である制御信号を出力したり、変速機構220から変速機構への入力軸回転数信号(=トルクコンバータ210の出力軸であるタービン回転数信号)や、自動変速機200の出力軸回転数信号などの検出信号が入力されたりする。
上述のように、自動変速機200は、流体継手であるトルクコンバータ210と、変速機構である、(1)歯車式の有段変速機構、(2)ベルト式の無段変速機構、(3)トラクション式の無段変速機構のいずれかとから構成される。以下においては、変速機構は、(1)歯車式の有段変速機構として説明するが、本発明の無段変速機構への適用を排除するものではない。
この流体継手であるトルクコンバータ210は、ロックアップクラッチを備える。ロックアップクラッチはトルクコンバータ210の駆動側の部材(エンジン100側のポンプインペラー)と従動側の部材(変速機構220側のタービンランナー)とを機械的に直接連結するものである。このようなロックアップクラッチを係合させるロックアップ領域を、通常、たとえば車速とスロットル開度とに基づいて設定している。
なお、エンジン100の回転数をエンジン回転数NE(トルクコンバータ210の入力軸回転数であるポンプ回転数NPに等しい)、トルクコンバータ210の出力軸回転数をタービン回転数NT、自動変速機200の出力軸回転数を出力軸回転数NOUTと記載する場合がある。なお、変速機構220の変速ギヤ比は、タービン回転数NT/出力軸回転数NOUTになる。
本実施の形態に係る制御装置は、車両が降坂路を走行中にアップシフト変速を制限して、変速ギヤ比の大きな低速側の変速ギヤ段にダウンシフト変速したり、変速ギヤ比の大きな低速側の変速ギヤ段をホールドしたりして、エンジンブレーキを作用させる。本実施の形態に係る制御装置は、このような降坂制御が実行されて変速ギヤ比が大きい場合に、運転者がアクセルペダルを操作した時に目標駆動力を適切に算出する。すなわち、車両に発生する駆動力の変化が大きくなる変速ギヤ比の大きな低速側の変速ギヤ段で走行しているので、アクセル操作に則して目標駆動力を算出したのでは、駆動力変化が大きく車両に作用する加速度(あるいは加速度の変化)が大き過ぎることがある。これに鑑み、本実施の形態に係る制御装置は、滑らかな加速度が得られるように、エンジンの目標駆動力を算出する。
さらに、このような降坂制御が終了したときに降坂制御により制限されていたアップシフト変速が実行される場合の目標駆動力を適切に算出する。すなわち、降坂制御の終了に基づいて実行されるアップシフト変速は変速マップに基づく変速ではない場合がある。このため、運転者のアクセル開度(延いてはスロットル開度)に関連して判断されるアップシフト変速とは異なる状態でアップシフト変速が判断される。このときに、アクセル操作に則して目標駆動力を算出したのでは、駆動力が大きく変速ショックを発生することがある。これに鑑み、本実施の形態に係る制御装置は、降坂制御の終了に基づくアップシフト変速の変速ショックを回避するように、エンジンの目標駆動力を算出する。
このような本実施の形態に係る制御装置は、デジタル回路やアナログ回路の構成を主体としたハードウェアでも、ECU500に含まれるCPU(Central Processing Unit)およびメモリとメモリから読み出されてCPUで実行されるプログラムとを主体としたソフトウェアでも実現することが可能である。一般的に、ハードウェアで実現した場合には動作速度の点で有利で、ソフトウェアで実現した場合には設計変更の点で有利であると言われている。以下においては、ソフトウェアとして制御装置を実現した場合を説明する。なお、このようなプログラムを記録した記録媒体についても本発明の一態様である。
図2を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU500で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、予め定められたサイクルタイム(たとえば、数msec〜数十msec)で繰返し実行される。
ステップ(以下、ステップをSと略す。)1000にて、ECU500は、この車両が走行中であるか否かを判断する。このとき、たとえば、ECU500は、自動変速機200の出力軸回転数NOUTに最終ギヤ比を乗算して算出した車速に基づいて、この車両が走行中であるか否かを判断する。この車両が走行中であると(S1000にてYES)、処理はS1100へ移される。もしそうでないと(S1000にてNO)、この処理は終了する。
S1100にて、ECU500は、この車両が走行中している路面の勾配Gを検出する。このとき、ECU500は、路面勾配検出センサ700から入力された信号に基づいて路面勾配Gを検出する。なお、路面勾配の符号(正負)は、上述したように、登坂側が正値であって、降坂側が負値である。
S1200にて、ECU500は、走行中の路面が降坂路であるか否かを判断する。このとき、ECU500は、たとえば、S1100にて検出した路面勾配G(降坂側であるので負値)が降坂しきい値(負値)よりも小さいと(路面勾配Gが負値であって、路面勾配Gの絶対値が降坂しきい値の絶対値よりも大きいと)、走行中の路面が降坂路であると判断する。走行中の路面が降坂路であると(S1200にてYES)、この処理はS1300へ移される。もしそうでないと(S1200にてNO)、この処理は終了する。
S1300にて、ECU500は、降坂制御を開始する。このとき、ECU500は、変速ギヤ段を制限して(アップシフト変速を制限して)、変速ギヤ比の大きな低速側の変速ギヤ段にダウンシフト変速したり、変速ギヤ比の大きな低速側の変速ギヤ段をホールドしたりして、エンジンブレーキを作用させる。
S1400にて、ECU500は、アクセル開度αを検出する。このとき、ECU500は、アクセル開度センサ600から入力された信号に基づいて、アクセル開度αを検出する。
S1500にて、ECU500は、アクセル開度αがしきい値以上であるか否かを判断する。このしきい値は、たとえば、運転者に明確な加速要求があると判断できる値等が採用される。アクセル開度αがしきい値以上であると(S1500にてYES)、処理はS1600へ移される。もしそうでないと(S1500にてNO)、この処理は終了する。
S1600にて、ECU500は、S1200と同様に、走行中の路面が降坂路であるか否かを判断する。走行中の路面がまだ降坂路であると(S1600にてYES)、この処理はS1700へ移される。もしそうでないと(S1600にてNO)、この処理はS1800へ移される。
S1700にて、ECU500は、目標駆動力を算出する。このとき、ECU500は、スロットル開度、車速、路面勾配、変速ギヤ段、アクセル開度変化に基づいて、目標駆動力を算出する。特に、降坂制御中であるので、変速ギヤ比の大きな低速側の変速ギヤ段であることが多い。このような場合であってアクセル開度(あるいはアクセル開度の時間変化)に則して大きな目標駆動力を算出したのでは、変速ギヤ比が大きいので、車両に大きな駆動力を発生させてしまう。このため、このS1700の処理においては、たとえば、降坂制御中の変速ギヤ段であって(エンジンブレーキが作用し易いように変速ギヤ比が大きく)、スロットル開度があまり開かれていない状態であって(今後大きく開かれる余地がある)、アクセル開度変化が大きくても(勢いよく踏み込まれても)、目標駆動力をアクセル開度に則して大きな値として算出しない。すなわち、アクセル開度変化よりも緩やかにかつ小さくなるように目標駆動力を算出する。さらに、この目標駆動力を算出する時に路面勾配Gを考慮して算出するようにしても構わない。この処理の後、処理はS2100へ移される。
S1800にて、ECU500は、降坂制御が終了したか否かを判断する。たとえば、降坂路でなく、他の降坂制御実行条件が不成立であると、降坂制御が終了したと判断する。なお、他の降坂制御実行条件を考慮しなくても構わない場合には、このS1800の処理を実行しないことも可能である。降坂制御が終了すると(S1800にてYES)、処理はS1900へ移される。もしそうでないと(S1800にてNO)、この処理は終了する。
S1900にて、ECU500は、降坂制御終了に伴うアップシフト変速が実行されるか否かを判断する。このとき、たとえば、降坂制御中にアップシフト変速線と交錯してもアップシフトが制限されて実行されないが、この状態で降坂制御が終了するとアップシフト変速線を交錯した領域であるので、アップシフト変速が実行されると判断する。このアップシフトのタイミングは、変速マップのアップシフト変速線を交錯したタイミングではないことになる。降坂制御終了に伴うアップシフト変速が実行されると判断されると(S1900にてYES)、処理はS2000へ移される。もしそうでないと(S1900にてNO)、この処理は終了する。
S2000にて、ECU500は、アップシフト変速時の駆動力が低減された目標駆動力を算出する。このとき、ECU500は、スロットル開度、車速、路面勾配、変速ギヤ段、アクセル開度変化に基づいて、目標駆動力を算出する。特に、降坂制御の終了に伴う(変速マップに基づかない)アップシフト変速中における駆動力が小さくなるように、目標駆動力を算出する。すなわち、降坂路から平坦路や登坂路に移行して降坂制御がの終了してアクセル開度が大きくなっても、アクセル開度(あるいはアクセル開度の時間変化)に則して大きな目標駆動力を算出したのでは、アップシフト変速時に大きな変速ショックを発生する可能性がある。このため、このS2000の処理においては、たとえば、降坂制御が終了してアップシフト変速が実行されると判断され、スロットル開度があまり開かれていない状態であって(今後大きく開かれる余地がある)、アクセル開度変化が大きくても(勢いよく踏み込まれても)、アップシフト変速時における目標駆動力をアクセル開度に則して大きな値として算出しない。すなわち、アクセル開度変化よりも緩やかにかつ小さくなるように、アップシフト変速時における目標駆動力を算出する。この処理の後、処理はS2100へ移される。
S2100にて、ECU500は、目標駆動力を実現するようにエンジン100を制御する。たとえば、点火時期を遅角させたり、燃料噴射量を減少させたり、スロットル開度を閉じて吸入空気量を減少させたりして、エンジン100が発生する駆動力を低減させる。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるECU500により制御される車両の動作について、図3(降坂制御を開始した場合)および図4(降坂制御が終了した場合)を参照して説明する。
[降坂制御を開始した場合]
車両の走行中に(S1000にてYES)、路面勾配Gが検出され(S1100)、降坂路であると(S1200にてYES)、降坂制御が開始される。図3に示すように、時刻t(1)において降坂であると判断されて、時刻t(2)において降坂制御が開始されて、降坂制御実行中フラグがセットされる。この降坂制御の開始により、時刻t(3)において、変速ギヤ段が3速から2速へダウンシフトされて、エンジンブレーキが作用する。
このような状態で、時刻t(4)においてアクセルペダルが踏ま込まれ(S1500にてYES)、まだ降坂路を走行中であると(S1600にてYES)、目標駆動力が図3の実線で示すように算出される。この時刻t(4)において、アクセルペダルの開度はステップ状に急激に大きく変化しているが、目標駆動力は滑らかにしか増加していない。このように算出された目標駆動力を実現するようにエンジン100が制御される(S2100)。なお、点線で示す目標駆動力が、アクセルペダル開度のステップ状の急激な変化に即した、従来の目標駆動力である。
このようにエンジン100が制御されると、図3に示すように、従来において、車両の前後方向加速度は急激に変化(点線)してショックを発生していた。本実施の形態に係る制御装置では、多少のオーバーシュートはあるものの車両は滑らかに加速する(実線)。
[降坂制御が終了した場合]
車両の走行中に降坂制御が実行されている状態が終了して(S1800にてYES)、この降坂制御終了に伴うアップシフト変速があるか否かが判断される(S1900)。図4に示すように、時刻t(5)において降坂が終了して、時刻t(6)において降坂制御が終了して、降坂制御実行中フラグがリセットされる。この降坂制御の終了により、時刻t(7)において、変速ギヤ段が2速から3速へアップシフトされると判断される(S1900にてYES)。なお、アクセル開度は、ほぼ一定の開度が保たれていると想定する。
時刻t(7)におけるアップシフト変速指令は、変速マップに基づく指令ではなく、降坂制御の終了(降坂制御中にダウンシフト変速されていると想定する)に伴う指令である。変速指令後、アップシフト変速が実行されるタイミングにおいては、目標駆動力が低減されて算出される(S2000)。より詳しくは、アップシフト変速指令後、自動変速機内の摩擦継合要素(クラッチやブレーキ)の係合および解放を変化させて変速が実行される。この変速のイナーシャフェーズ(トルクフェーズが終了してエンジン100の回転数が変化し始めてから3速同期回転数に到達するまで)において、エンジン100の目標駆動力を低減させている。このイナーシャフェーズは、図4において「変速開始」から「変速終了」までの期間に対応する。
すなわち、アクセルペダルが踏まれて(S1500にてYES)、もう降坂路を走行中でなく(S1600にてNO)、降坂制御が終了して(S1800にてYES)、降坂制御終了に伴うアップシフト変速が発生すると(S1900にてYES)、目標駆動力が図4の実線で示すように算出される。この時刻t(7)において、アクセルペダルの開度はほぼ一定であるにもかかわらず、目標駆動力は変速期間中においては低減させている。このように算出された目標駆動力を実現するようにエンジン100が制御される(S2100)。なお、変化させていない目標駆動力(点線)が、アクセルペダル開度に即した、従来の目標駆動力である。
このようにエンジン100が制御されると、図4に示すように、従来において、アップシフト変速時において車両の前後方向加速度は急激に変化(点線)して変速ショックを発生していた。本実施の形態に係る制御装置では、車両に変速ショックは発生していない(実線)。
以上のようにして、本実施の形態に係る制御装置によると、降坂路を走行中に降坂制御が実行されている場合には、アクセル開度が大きく変化しても、目標駆動力を大きく変化させない。これにより、降坂制御中であって変速ギヤ比が大きくエンジンの駆動力変化が車両の駆動力変化に大きく影響する場合に、過度の加速を回避して滑らかな加速を実現することができる。また、降坂制御の終了に伴い、変速ギヤ比が小さい変速ギヤ段への変速指令が発生した場合(変速マップに起因しない)、アップシフト変速時における変速ショックの発生を回避することができる。その結果、自動変速機を搭載した車両において、降坂制御を実行するとともに、降坂制御の終了に基づいて発生した変速に起因するショックを回避することができる。
なお、降坂制御の終了後において、アップシフト変速時の目標駆動力を低下せしめて算出することに加えて、降坂制御終了に基づいて発生するであろうアップシフト変速を考慮して、変速前後において車両に作用する加速度を滑らかにすべく、目標駆動力を算出するようにしても構わない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施の形態に係る自動変速機を搭載した車両の制御装置であるECUを含む制御ブロック図である。 ECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 ECUにより制御された車両の動作であって、降坂制御を開始した場合のタイミングチャートである。 ECUにより制御された車両の動作であって、降坂制御が終了した場合のタイミングチャートである。
符号の説明
100 エンジン、200 自動変速機、210 トルクコンバータ、220 変速機構、500 ECU、600 アクセル開度センサ、700 路面勾配検出センサ。

Claims (3)

  1. 少なくともエンジンを走行源として、自動変速機を搭載した車両の制御装置であって、
    前記車両が降坂路を走行中において、低速側の変速比を用いてエンジンブレーキを作用させる降坂制御を実行するように前記自動変速機を制御するための降坂制御手段と、
    前記降坂制御が終了して高速側の変速比への変速が実行される場合に、前記車両の走行源から発生する駆動力を低減するように、前記走行源を制御するための制御手段とを含む、制御装置。
  2. 前記制御手段は、変速線図に起因しない高速側の変速比への変速が実行される場合に、前記変速中における前記駆動力を低減するように、前記走行源を制御するための手段を含む、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記制御装置は、降坂制御中において、運転者によるアクセル操作に対する応答性を低減させて、前記車両の走行源から発生する駆動力を制御するための手段をさらに含む、請求項1または2に記載の制御装置。
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