JP2008163787A - ベーンポンプ - Google Patents

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Takaya Yagyu
貴也 柳生
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Abstract

【課題】 両吐出ポートから吐出する圧油の圧力差を小さくすることで、脈動や衝撃音の発生を低減したベーンポンプを提供する。
【解決手段】 ボディ16内に設けたカムリング18と、カムリング18内に回転自在に収容されたロータ4と、ロータ4から突出するベーン5によって区画された室が高圧になる一対の高圧部15a,15bと、サイドプレート11に形成し、高圧部15a,15bに連通する一対の吐出ポート13a,13bとを備え、ボディ16には、一対の吐出ポート13a,13bの差圧に応じて、カムリング18を円周方向に回転させる駆動機構を設け、一対の吐出ポート13a,13bに差圧が生じたとき、この差圧に応じて駆動機構が動作するとともに、この駆動機構の動作によってカムリング18を円周方向に回転させ、上記一対の高圧部15a,15bと一対の吐出ポート13a,13bとの相対位置関係を可変にする。
【選択図】 図2

Description

この発明は、ロータに設けたベーンをカムリングに沿って出没させるベーンポンプに関する。
従来のベーンポンプを図3,4に示す。
このベーンポンプは、ボディ1の側面をカバー2でふさぐとともに、このボディ1に楕円形の内壁を持つカムリング3を設けている。このカムリング3内にはロータ4を設けるとともに、このロータ4には複数のベーン5を突出自在にして、放射状に組み込んでいる。
さらに、上記ボディ1およびカバー2内には、軸穴6を形成している。この軸穴6におけるボディ1側内周にはブッシュ7を設け、カバー2側の内周にはブッシュ8を設けている。そして、これらブッシュ7、8によって、シャフト9を回転自在に支持している。このシャフト9は、上記ロータ4の中心部分を貫通するとともに、この貫通部分に形成したセレーションを介してロータ4に固定されている。したがって、このシャフト9が上記ロータ4の駆動軸となる。なお、上記ボディ1およびカバー2には、後述するポンプ室P,Pに油を導く吸入通路10を形成している。
そして、ロータ4およびカムリング3の側面には、サイドプレート11を設けるとともに、このサイドプレート11の背面側、すなわちボディ1側に高圧室12を形成している。また、上記サイドプレート11には、一対の吐出ポート13a,13bを形成しており、この吐出ポート13a,13bによってポンプ室P,Pおよび高圧室12が連通し、高圧室12から図示しないアクチュエータに圧油を導くようにしている。
なお、上記カムリング3には、図4に示すように、ピン30,30を貫通させており、当該カムリング3がボディ1に対して円周方向に回転しないように固定している。このピン30,30は、カバー2の開口から突出させており、上記カムリング3を貫通するとともに、サイドプレート11も貫通させて、サイドプレート11の円周方向への回転も阻止している。
そして、吸入通路10から吸い込んだ油は、次のようにして高圧室12側に吐出される。
すなわち、図4に示すように、カムリング3とロータ4との間には一対のポンプ室P,Pが180度位相をずらして形成されている。また、カバー2およびサイドプレート11には、それらとカムリング3との接触面に一対の吸入ポート14a,14bを形成するとともに、これら吸入ポート14a,14bを上記吸入通路10に連通させている。そして、上記一対の吸入ポート14a,14bは、180度位相をずらした位置において、上記ポンプ室P,Pに開口させている。
また、上記カムリング3には、上記吸入ポート14a,14bに対向する範囲内に穴31を形成している。この穴31は、カバー2に形成した吸入ポート14a,14bと、サイドプレート11に形成した吸入ポート14a,14bとを連通させるものである。
したがって、吸入通路10に導かれた油は、カバー2に形成した吸入ポート14a,14bを介してポンプ室P,Pに吸い込まれる。また、当該カバー2側の吸入ポート14a,14bに導かれた油は、穴31を介してサイドプレート11側の吸入ポート14a,14bに導かれるとともに、このサイドプレート11側の吸入ポート14a,14bからもポンプ室P,Pに吸い込まれる。つまり、ポンプ室P,Pには、カムリング3の両側面から均等に油が吸い込まれることとなる。
一方、サイドプレート11に形成した上記吐出ポート13a,13bは、吸入ポート14a,14bと90度位相をずらした位置において、ポンプ室P,Pに開口している。
そして、図示しない駆動源によりシャフト9を回転すると、ロータ4が回転する。このとき、ベーン5は、ロータ4の回転による遠心力によってロータ4から突出するが、カムリング3の内壁が楕円形をしているので、ベーン5はこの内壁面に沿って、ロータ4に対して突出、没入を繰り返す。つまり、各ベーン5の先端がカムリング3に密接したまま回転するとともに、各ベーン5間のそれぞれが独立した室を構成する。
そして、各ベーン5がカムリング3の壁面に沿って突出、没入を繰り返すのにともなって、上記各室の容積は変化するが、上記室の容積が拡大する行程に入ったとき、油を吸い込む吸い込み行程となる。つまり、上記吸入ポート14a,14bがポンプ室P,Pに開口する位置において室の容積が拡大し、隣り合うベーン5によって区画される室内に油が吸入される。
一方、ポンプ室P,Pにおいて、各室が収縮する行程にある部分が高圧部15a,15bであり、この高圧部15a,15bにおいて油が吐出ポート13a,13bに吐出する吐出工程となる。つまり、高圧部15a,15bにおいて、隣り合うベーン5によって区画される室の容積が収縮するとともに、高圧部15a,15bが吐出ポート13a,13bに開口する位置において各室から次々と油が吐出される。
このように、室の容積が収縮する過程において高圧油が吐出されることになるが、上記一対の高圧部15a,15bから吐出した圧油が、サイドプレート11の吐出ポート13a,13bに導かれる。そして、両吐出ポート13a,13bに導かれた圧油が、高圧室12において合流して図示していない通路を介してアクチュエータに送られるとともに、この圧油によってアクチュエータを作動することができる。
特開平8−277784号公報
上記のベーンポンプにおいては、一対の高圧部15a,15bで高圧になった圧油が、サイドプレート11に設けた一対の吐出ポート13a,13bに吐出するとともに、この吐出ポート13a,13bから吐出した圧油を、高圧室12で合流させてアクチュエータに導くようにしている。
ところが、カムリング3を製造する際の微妙な寸法誤差や、ボディ1内に組み付ける際の微妙な組み付け誤差、あるいはサイドプレート11に形成した吐出ポート13a,13bの寸法誤差が生じる場合がある。このように寸法誤差や組み付け誤差が生じると、両ポンプ室P,Pあるいは両高圧部15a,15bの容積が異なってしまったり、また、高圧部15a,15bが、吐出ポート13a,13bに開口するタイミングが異なってしまったりする。このように、両ポンプ室P,Pあるいは高圧部15a,15bの容積に差異が生じたり、高圧部15a,15bと吐出ポート13a,13bとの相対位置がずれて、両者の開口タイミングにずれが生じたりすると、高圧部15a,15bおよび両吐出ポート13a,13bに圧力差が生じてしまう。
そして、両高圧部15a,15bあるいは両吐出ポート13a,13bの圧力差が大きくなると、吐出ポート13a,13bから吐出した圧油が合流したとき、脈動を生じたり、あるいは衝撃音が生じたりするという問題があった。
この発明の目的は、両吐出ポートから吐出する圧油の圧力差を小さくすることで、脈動や衝撃音の発生を低減したベーンポンプを提供することである。
第1の発明は、ボディと、このボディ内に設けたカムリングと、このカムリング内に回転自在に収容されたロータと、このロータの周囲に突出自在に設けた複数のベーンと、これらベーンによって区画された室が油の吐出工程で高圧になる一対の高圧部と、上記ロータおよびカムリングの側面に設けたサイドプレートと、このサイドプレートに形成するとともに、上記高圧部に連通する一対の吐出ポートと、上記ロータを回転させるシャフトとを備えたベーンポンプにおいて、上記ボディには、一対の吐出ポートの差圧に応じて、上記カムリングを円周方向に回転させる駆動機構を設け、一対の吐出ポートに差圧が生じたとき、この差圧に応じて駆動機構が動作するとともに、この駆動機構の動作によってカムリングを円周方向に回転させ、上記一対の高圧部と一対の吐出ポートとの相対位置関係を可変にする点に特徴を有する。
第2の発明は、上記ボディには、一対の吐出ポートの圧力を導く一対のパイロット室を設ける一方、上記駆動機構は、上記一対のパイロット室に設けるとともに上記吐出ポートの圧力作用に応じて移動する一対の作動部材と、上記カムリングの外周に突出する回転伝達部とを備えてなり、上記一対の作動部材は対向して配置する一方、これら一対の作動部材間に上記回転伝達部を位置させる構成とし、上記一対の吐出ポートの圧力によって一対の作動部材を動作させるとともに、これら一対の作動部材の動力差によって上記回転伝達部を介してカムリングを回転させる点に特徴を有する。
第3の発明は、カムリングの外周に、当該カムリングと一体または別体にベアリング機構を設けた点に特徴を有する。
第1〜3の発明によれば、一対の吐出ポートの差圧に応じてカムリングが回転するので、高圧部と吐出ポートとの相対位置関係をずらすことができる。したがって、カムリングの回転可能範囲内において、ベーンによって区画された各室から吐出する圧油の圧力差が最も小さくなる位置で、高圧部を吐出ポートに開口させることができる。このように、一対の吐出ポートに吐出する圧油の圧力差を小さくすれば、圧油が合流する際に生じる脈動や衝撃音の発生を低減することができる。
図1,2を用いて、この発明の実施形態について説明する。なお、上記従来のベーンポンプと同様の構成については同じ符号を付して説明することとする。
図1,2に示すベーンポンプは、第1ボディ16aと第2ボディ16bとを積層してなるボディ16を備えるとともに、上記第1ボディ16aの側面をカバー2でふさいでいる。
そして、上記第1ボディ16aには、組み込み穴17を形成するとともに、この組み込み穴17に、楕円形の内壁を有するカムリング18およびサイドプレート11を隣接して組み込んでいる。
上記カムリング18は、その外周を円形にするとともに、当該円形の外周に保持溝18aを形成している。そして、この保持溝18aにボールからなる転動体19を転動自在に組み込むとともに、これら保持溝18aと転動体19とによってこの発明のベアリング機構を構成している。
一方、上記組み込み穴17には転動溝17aを形成している。この転動溝17aは、組み込み穴17にカムリング18を組み込んだとき、上記保持溝18aに対向する位置に設けている。そして、組み込み穴17にカムリング18を組み込んだとき、保持溝18aと転動溝17aとの間で転動体19が転動して、組み込み穴17内でカムリング18が円周方向に回転するようにしている。
ただし、図2に示すように、上記保持溝18aは、カムリング18の外周を一周するものではない。つまり、カムリング18において、図中下方の一定範囲には保持溝18aおよび転動体19が設けられない部分が存在するが、その詳細は後述することとする。
また、上記カムリング18内には、複数のベーン5を突出自在にして放射状に組み込んだロータ4を回転自在に設けている。
さらに、上記第1ボディ16aおよび第2ボディ16bには、軸穴6を形成するとともに、第2ボディ16bにおける軸穴6にはブッシュ7を設け、シャフト9を回転自在に支持している。なお、ここでは第2ボディ16b側だけでシャフト9を支持しているが、従来のようにカバー2側およびボディ16側の両方でシャフト9を支持しても構わない。
そして、上記シャフト9は、上記ロータ4の中心部分を貫通するとともに、この貫通部分に形成したセレーションを介してロータ4に固定されている。したがって、このシャフト9が上記ロータ4の駆動軸となる。
なお、上記ボディ16およびカバー2には、後述するポンプ室P,Pに油を導く吸入通路10を形成している。
そして、図2に示すように、上記カムリング18とロータ4との間には一対のポンプ室P,Pが180度位相をずらして形成されている。また、カバー2およびサイドプレート11には、それらとカムリング18との接触面に一対の吸入ポート14a,14bを形成するとともに、これら吸入ポート14a,14bを上記吸入通路10に連通させている。そして、上記一対の吸入ポート14a,14bは、180度位相をずらした位置において、上記ポンプ室P,Pに開口させている。
また、上記カムリング18には、上記吸入ポート14a,14bに対向する範囲内に穴31を形成している。この穴31は、カバー2に形成した吸入ポート14a,14bと、サイドプレート11に形成した吸入ポート14a,14bとを連通させるものである。
したがって、吸入通路10に導かれた油は、カバー2に形成した吸入ポート14a,14bを介してポンプ室P,Pに吸い込まれる。また、当該カバー2側の吸入ポート14a,14bに導かれた油は、穴31を介してサイドプレート11側の吸入ポート14a,14bに導かれるとともに、このサイドプレート11側の吸入ポート14a,14bからもポンプ室P,Pに吸い込まれる。つまり、ポンプ室P,Pには、カムリング18の両側面から均等に油が吸い込まれることとなる。ただし、吸入ポート14a,14bは、カバー2側あるいはサイドプレート11側のいずれか一方に形成しても構わない。この場合にはカムリング18に穴31を形成する必要がなくなる。
そして、ロータ4およびカムリング18の側面に設けたサイドプレート11には、上記吸入ポート14a,14bと90度位相をずらした位置において、一対の吐出ポート13a,13bを形成している。これら一対の吐出ポート13a,13bは、その一方の側(カムリング18側)を、後述するポンプ室P,Pの高圧部15a,15bに開口させている。
つまり、一方のポンプ室Pは、一方の側を吸入ポート14aに開口するとともに、他方の側を吐出ポート13aに開口している。これと同様に、他方のポンプ室Pは、一方の側を吸入ポート14bに開口するとともに、他方の側を吐出ポート13bに開口している。
また、図1に示すように、上記一対の吐出ポート13a,13bの他方の側(第2ボディ16b側)は、サイドプレート11の背面側、すなわち第2ボディ16b側に形成した高圧室12に連通させている。したがって、一対の吐出ポート13a,13bを介して、後述するポンプ室P,Pの高圧部15a,15bと高圧室12とが連通し、高圧室12に導かれた圧油を、図示しないアクチュエータに導いている。
そして、図2に示すように、第1ボディ16aには一対のパイロット室20a,20bを形成している。そして、第1ボディ16aには、上記パイロット室20aと吐出ポート13aとを連通するパイロット通路21aと、上記パイロット室20bと吐出ポート13bとを連通するパイロット通路21bとを形成している。つまり、両パイロット室20a,20bのそれぞれには、パイロット通路21a,21bを介して、吐出ポート13a,13bの圧力が作用している。
なお、第1ボディ16aであって、第1ボディ16aと第2ボディ16bとの合わせ面には溝を形成している。また、第1ボディ16aには、上記の溝と上記吐出ポート13a,13bとを連通する通路、および、上記の溝と上記パイロット室20a,20bとを連通する通路を形成している。そして、これらの各通路と、上記合わせ面に形成した溝とによって、パイロット通路21a,21bを構成している。
そして、一対のパイロット室20a,20bには、作動部材22a,22bをそれぞれ組み込んでいる。この作動部材22a,22bは、パイロット室20a,20bに作用するパイロット圧によって、パイロット室20a,20b内を摺動するが、このとき、一対の作動部材22a,22bが互いに対向するようにしている。つまり、一対のパイロット室20a,20bを、所定の間隔で一直線上に形成するとともに、このパイロット室20a,20b内に作動部材22a,22bを対向するように組み込む。そして、パイロット室20a,20bにパイロット圧が作用したとき、両作動部材22a,22bが互いに近づく方向に移動するようにしている。
一方、上記カムリング18の外周には、この発明の回転伝達部を構成する平板状の突出板23を固定している。そして、この突出板23を、上記一対の作動部材22a,22b間に位置させるとともに、突出板23の一方の面に作動部材22aの先端を接触させ、他方の面に作動部材22bの先端を接触させている。
したがって、例えば、作動部材22aが図中左方向に移動すると、この作動部材22aの移動に伴って、突出板23が、作動部材22bを図中左方向に押しながら移動する。このように、突出板23が移動すれば、作動部材22aの動力を駆動源として、カムリング18が回転することとなる。
なお、回転伝達部である突出板23、および、一対の作動部材22a,22bによって、この発明の駆動機構を構成している。
次に、この実施形態のベーンポンプの作用について説明する。
図示しない駆動源によりシャフト9を回転すると、ロータ4が回転する。このとき、ベーン5は、ロータ4の回転による遠心力によってロータ4から突出するが、カムリング18の内壁が楕円形をしているので、ベーン5はこの内壁面に沿って、ロータ4に対して突出、没入を繰り返す。つまり、各ベーン5の先端がカムリング18に密接したまま回転するとともに、各ベーン5間のそれぞれが独立した室を構成する。
そして、各ベーン5がカムリング18の壁面に沿って突出、没入を繰り返すのにともなって、上記各室の容積は変化するが、上記室の容積が拡大する行程に入ったとき、油を吸い込む吸い込み行程となる。つまり、上記吸入ポート14a,14bがポンプ室P,Pに開口する位置において室の容積が拡大し、隣り合うベーン5によって区画される室内に油が吸入される。
一方、ポンプ室P,Pにおいて、各室が収縮する行程にある部分が高圧部15a,15bであり、この高圧部15a,15bにおいて油が吐出ポート13a,13bに吐出する吐出工程となる。つまり、高圧部15a,15bにおいて、隣り合うベーン5によって区画される室の容積が収縮するとともに、高圧部15a,15bが吐出ポート13a,13bに開口する位置において各室から次々と油が吐出される。
このように、一対の高圧部15a,15bから吐出した圧油は、サイドプレート11の吐出ポート13a,13bを介して高圧室12に導かれるとともに、この高圧室12において圧油が合流し、図示していない通路を介してアクチュエータに送るようにしている。
このとき、吐出ポート13a,13bに吐出した圧油は、パイロット通路21a,21bを介して、パイロット室20a,20bに導かれている。したがって、吐出ポート13a,13bの吐出圧に応じて、一対の作動部材22a,22bが互いに近づく方向に移動しようとする。
しかし、両吐出ポート13a,13bにおける吐出圧が等しく、かつベーン5によって区画された室が両吐出ポート13a,13bに開口するタイミングが等しい場合には、パイロット室20a,20bに作用する圧力が等しくなり、両作動部材22a,22bの作動タイミングおよび作動力も当然に等しくなる。
このように、両作動部材22a,22bの作動タイミングや作動力が等しいということは、突出板23に対して、同じタイミングで、かつ、同じ力が対向して作用するということなので、突出板23は図示のように静止状態を維持することとなる。
一方、カムリング18における微妙な寸法誤差や、カムリング18を組み込み穴17に組み付ける際の微妙な組み付け誤差、あるいはサイドプレート11に形成した吐出ポート13a,13bにおける微妙な寸法誤差が生じる場合がある。このように寸法誤差や組み付け誤差が生じると、吐出ポート13a,13bにおいて、高圧が発生する瞬間に圧力差が生じる。両吐出ポート13a,13bに圧力差が生じると、駆動機構が次のように作用する。
例えば、高圧発生初期における同じタイミングにおいて、吐出ポート13aの圧力が吐出ポート13bの圧力よりも高くなったとする。作動部材22a,22bは、一対の吐出ポート13a,13bの圧力作用によって動作するので、作動部材22aの作動力の方が作動部材22bの作動力よりも大きくなる。つまり、作動部材22aが突出板23を押す力の方が、作動部材22bが突出板23を押す力よりも大きくなる。その結果、作動部材22aが移動しようとする力、すなわち作動力によって突出板23が図中左方向に移動するとともに、この突出板23の移動に伴ってカムリング18が図中時計回り方向に回転する。
このようにカムリング18が回転すると、カムリング18の内壁とロータ4とによって形成されるポンプ室P,Pが移動して、高圧部15a,15bと吐出ポート13a,13bとの相対位置がずれる。高圧部15a,15bと吐出ポート13a,13bとの相対位置がずれれば、高圧部15a,15bと吐出ポート13a,13bとの開口面積が変化するとともに、ベーン5によって区画された各室が吐出ポート13a,13bに開口するタイミングも変化する。
このように、高圧部15a,15bと吐出ポート13a,13bとの開口面積が変化したり、ベーン5によって区画された各室が吐出ポート13a,13bに開口するタイミングがずれたりすれば、高圧部15a,15bや吐出ポート13a,13bにおける圧力が変化する。
そして、カムリング18の回転可能範囲内において、両吐出ポート13a,13bの差圧がもっとも小さくなる位置までカムリング18が回転する。言い換えれば、カムリング18の回転可能範囲内で、両吐出ポート13a,13bの差圧がもっとも小さくなる位置でカムリング18が回転を停止する。
上記したように、この実施形態のベーンポンプによれば、カムリング18が回転して、吐出ポート13a,13bの圧力差が最も小さくなる位置まで、高圧部15a,15bと吐出ポート13a,13bとの相対位置関係をずらすので、高圧室12で圧油が合流する際に生じる脈動や衝撃音の発生を低減することができる。
なお、上記実施形態においては、カムリング18とは別体にして設けた突出板23によって回転伝達部を構成したが、回転伝達部はカムリングに一体に形成しても構わない。
また、カムリング18に保持溝18aを形成するとともに、この保持溝18aに転動体19を組み込むことによってベアリング機構を構成したが、カムリングとは別部材からなるベアリングを、当該カムリングの外周に嵌め込んでベアリング機構を構成しても構わない。いずれにしても、ベアリング機構は、カムリング18の円周方向への回転をスムーズにするものであればよい。
ただし、この発明においては、カムリングが回転することに最大の特徴がある。したがって、例えば、カムリング外周に潤滑油を供給し、カムリングと組み込み穴との摩擦抵抗を小さくすることで、カムリングがボディ内で円周方向に回転することができれば、ベアリング機構を設けなくてもよい。
さらに、上記実施形態においては、第1ボディ16aおよび第2ボディ16bを積層してボディ16を構成したが、ボディは一体で構成しても構わない。ただし、上記実施形態のように、ボディ16を分割して構成すれば、合わせ面に形成した溝でパイロット通路を形成することができるので、パイロット通路を形成する手間を少なくすることができる。
また、駆動機構の構成も上記実施形態に限られるものではなく、一対の吐出ポートの差圧に応じてカムリングを円周方向に回転させるものであればよい。したがって、例えば、回転伝達部と作動部材とを一体に構成しても構わない。
この実施形態におけるベーンポンプを示す図である。 図1におけるII―II線断面図である。 従来のベーンポンプを示す図である。 従来のベーンポンプの断面図である。
符号の説明
4 ロータ
5 ベーン
9 シャフト
11 サイドプレート
13a,13b 吐出ポート
15a,15b 高圧部
16 ボディ
18 カムリング
20a,20b パイロット室
22a,22b 作動部材
23 回転伝達部である突出板

Claims (3)

  1. ボディと、このボディ内に設けたカムリングと、このカムリング内に回転自在に収容されたロータと、このロータの周囲に突出自在に設けた複数のベーンと、これらベーンによって区画された室が油の吐出工程で高圧になる一対の高圧部と、上記ロータおよびカムリングの側面に設けたサイドプレートと、このサイドプレートに形成するとともに、上記高圧部に連通する一対の吐出ポートと、上記ロータを回転させるシャフトとを備えたベーンポンプにおいて、上記ボディには、一対の吐出ポートの差圧に応じて、上記カムリングを円周方向に回転させる駆動機構を設け、一対の吐出ポートに差圧が生じたとき、この差圧に応じて駆動機構が動作するとともに、この駆動機構の動作によってカムリングを円周方向に回転させ、上記一対の高圧部と一対の吐出ポートとの相対位置関係を可変にするベーンポンプ。
  2. 上記ボディには、一対の吐出ポートの圧力を導く一対のパイロット室を設ける一方、上記駆動機構は、上記一対のパイロット室に設けるとともに上記吐出ポートの圧力作用に応じて移動する一対の作動部材と、上記カムリングの外周に突出する回転伝達部とを備えてなり、上記一対の作動部材は対向して配置する一方、これら一対の作動部材間に上記回転伝達部を位置させる構成とし、上記一対の吐出ポートの圧力によって一対の作動部材を動作させるとともに、これら一対の作動部材の動力差によって上記回転伝達部を介してカムリングを回転させる請求項1記載のベーンポンプ。
  3. カムリングの外周に、当該カムリングと一体または別体にベアリング機構を設けた請求項1または2に記載のベーンポンプ。
JP2006352324A 2006-12-27 2006-12-27 ベーンポンプ Pending JP2008163787A (ja)

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