JP2008163027A - イソシアネートをコンディショニングするための方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この目的は、トリアルキルホスフィンオキシドおよび場合によりトリアルキルジハロホスホランを含むイソシアネートまたはイソシアネート混合物にP4S10を加え、該P4S10をトリアルキルホスフィンオキシドおよび場合によりトリアルキルジハロホスホランと反応させ、これにより、比例量のトリアルキルホスフィンスルフィドを生成させることを含んでなる方法によって達成される。
【選択図】なし
Description
R、R'およびR''は、同一または異なっていてよく、それぞれが1〜20個の炭素原子を含む有機基であり、その鎖中にヘテロ原子(例えば、酸素、窒素および硫黄)が存在していてもよく;
Xは、トリアルキルホスフィンオキシドの場合には酸素原子であり、トリアルキルジハロホスホランの場合にはハロゲン原子であり;
Yは、トリアルキルジハロホスホランの場合にはハロゲン原子であり;そして
nは、トリアルキルホスフィンオキシドの場合には0であり、トリアルキルジハロホスホランの場合には1である]。
本発明の方法は、0〜150℃、好ましくは40〜120℃の範囲内の温度で行う。
本発明の方法を、全体的にまたは部分的に、回分式でまたは連続的に行うかどうかは重要ではない。
他に特記することがなければ、量的割合(%、ppm)に関する全てのデータは、重量に基づく。
NCO含量は、DIN 53185に記載されているような滴定によって測定した。
異なる構造タイプの互いに対するモル比またはモル%の記載は、31P-NMRスペクトル測定に基づく。
全試料のリン含量は、X線蛍光分析(XRF)によって測定した。
P4S10は、Aldrich(82018 Taufkirchen、独国)から市販のものを入手し、さらに精製することなく使用した。
360ppmのリンを含み、リンの95モル%以上がトリブチルホスフィンオキシドの形態にあるヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(1000g)に、固体のP4S10(3g)を加え、次いで、混合物を室温で48時間撹拌した。この過程でP4S10の一部が溶解した。次いで、混合物を濾過し、濾液を薄膜蒸留により0.1mバールで後処理した。この際に、蒸発器温度および計量割合(速度)を、約10%の高沸点流出物および約90%の無色留出物が得られるように選択した。留出物は180ppmのリンを含有し、その95モル%以上は、トリブチルホスフィンスルフィドの形態で存在した。
580ppmのリンを含み、リンの約50モル%がトリブチルホスフィンオキシドの形態で存在し、リンの約50モル%がトリブチルジフルオロホスホランの形態で存在するHDI(1000g)に、固体のP4S10(3.3g)を加え、次いで、混合物を室温で48時間撹拌した。この過程でP4S10の一部が溶解した。次いで、混合物を濾過し、濾液を薄膜蒸留により0.2mバールで後処理した。この際に、蒸発器温度および計量割合を、約5%の高沸点流出物および約95%の無色留出物が得られるように選択した。留出物は210ppmのリンを含有し、その95モル%以上は、トリブチルホスフィンスルフィドの形態で存在した。トリブチルホスフィンオキシドのシグナルは、もはや31P-NMRスペクトルにおいて現れず、トリブチルジフルオロホスホランの三重線は、極めて低い強度で認識されうるにすぎなかった。
実験1および2で得られた蒸留残留物(高沸点流出物)は、室温で非常に粘稠であったが、温度を上げることによって困難なく再溶融することができ、さらなるP4S10を添加剤として加えた後にコンディショニングに再使用することができた。
例2の記載のようにして得られたP4S10によってコンディショニングされた生成混合物を、薄膜蒸留の代わりに、蒸留塔(排気、内部鏡面仕上げジャケット、長さ50cm、直径40mm、4mmのV4Aワイヤスパイラルを充填)において、蒸留釜蒸留(精留)にかけ、そこで、リン含量が<10ppmである99.96%(GC)純度のHDI(全体量の96.4%)が頂部を通過した。蒸留残留物の外観は、1および2に記載したものと全く同様であった。
例2の汚染HDIを、P4S10で前処理することなく、例3と同様に蒸留釜蒸留(精留)にかけ、そこで、最初の留出物(0.2mバール頂部圧力で74℃未満の沸点、全体量の7.5%、約99.0%純度のHDI)を留出させた後、0.2mバール頂部圧力で沸点が74±1℃およびリン含量が<10ppmである99.9%純度のHDI(全体量の59.6%)が、主分画として通過した。底部相(全体量の32.9%)は、蒸留の過程で粘稠性が増大し、冷却後に固化してゲル様の物質を与えた。この物質は、再溶融することができず、有機溶媒に部分的にのみ溶解し、ガラスフラスコを壊した後にのみ取り出すことができた。分析によれば、遊離NCO基の存在が示されたことに加えて、主として、カルボジイミドおよびウレトンイミンの生成が確認された。底部相生成物のリン含量は110ppmであった。
Claims (6)
- イソシアネートまたはイソシアネート混合物からトリアルキルホスフィンオキシドおよび場合によりトリアルキルジハロホスホランを少なくとも部分的に除去するための方法であって、トリアルキルホスフィンオキシドおよび場合によりトリアルキルジハロホスホランを含むイソシアネートまたはイソシアネート混合物にP4S10を加え、該P4S10をトリアルキルホスフィンオキシドおよびトリアルキルジハロホスホランと反応させ、これにより、比例量のトリアルキルホスフィンスルフィドを生成させることを含んでなる方法。
- トリアルキルホスフィンオキシドおよびトリアルキルジハロホスホランが、以下の一般式(I):
R、R'およびR''は、同一または異なっていてよく、それぞれが1〜20個の炭素原子を含む有機基であり、その鎖中にヘテロ原子(例えば、酸素、窒素および硫黄)が存在していてもよく;
Xは、トリアルキルホスフィンオキシドの場合には酸素原子であり、トリアルキルジハロホスホランの場合にはハロゲン原子であり;
Yは、トリアルキルジハロホスホランの場合にはハロゲン原子であり;そして
nは、トリアルキルホスフィンオキシドの場合には0であり、トリアルキルジハロホスホランの場合には1である]
で示される請求項1に記載の方法。 - P4S10:イソシアネートまたはイソシアネート混合物中に存在するリン含有化合物のリンのモル比が0.1:1〜1:1である請求項1に記載の方法。
- トリアルキルホスフィンオキシドおよび/またはトリアルキルジハロホスホランの割合が、最初に存在したトリアルキルホスフィンオキシドおよび/またはトリアルキルジハロホスホランの量を基準に、10%未満になるまで方法を行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 反応に続いて、固体を分離して、未反応P4S10およびP4S10とトリアルキルホスフィンオキシドおよび場合によりトリアルキルジハロホスホランとの反応の不溶性変換生成物を除去することをさらに含む請求項1に記載の方法。
- 固体分離に続いて蒸留を行う請求項5に記載の方法。
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