JP2008159114A - 光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】迅速に光ディスクの種類を判別させようとする場合であっても精度良く光ディスクの種類を判別できる。
【解決手段】光ディスク装置1は、対物レンズ44と、光検知器46と、レンズホルダ47と、フォーカス駆動機構と、サーボ制御部9および制御部20とを含む。フォーカス駆動機構は、対物レンズ44の光軸に沿ってレンズホルダ47を駆動する。サーボ制御部9および制御部20は、対物レンズ44を光ディスク70から一旦離した後、対物レンズ44を光ディスク70に近づけるようにフォーカス駆動機構を制御すると共に、光検知器46が光ディスク70から反射された光を検知すると、光検知器46が光を検知する前よりも低い速度で対物レンズ44を光ディスク70に近づけるようにフォーカス駆動機構を制御する。また、制御部20は、光ディスク70の種類を判別する。
【選択図】図1
【解決手段】光ディスク装置1は、対物レンズ44と、光検知器46と、レンズホルダ47と、フォーカス駆動機構と、サーボ制御部9および制御部20とを含む。フォーカス駆動機構は、対物レンズ44の光軸に沿ってレンズホルダ47を駆動する。サーボ制御部9および制御部20は、対物レンズ44を光ディスク70から一旦離した後、対物レンズ44を光ディスク70に近づけるようにフォーカス駆動機構を制御すると共に、光検知器46が光ディスク70から反射された光を検知すると、光検知器46が光を検知する前よりも低い速度で対物レンズ44を光ディスク70に近づけるようにフォーカス駆動機構を制御する。また、制御部20は、光ディスク70の種類を判別する。
【選択図】図1
Description
本発明は、光ディスク装置に関し、特に、光ディスクの識別できる特徴に基づいてその種類を感知する光ディスク装置に関する。
特許文献1は、種類に応じて厚みの異なる複数の反射型光ディスクを判別する判別方法を開示する。この判別方法は、反射型光ディスクの反射面から得られる反射ビームによって反射型光ディスクから記録情報を読み取る光ディスクプレーヤにおいて利用できる方法である。この判別方法は、計測行程と、判別行程とを含む。計測行程において、光ディスクプレーヤは、反射型光ディスクの情報読取り面側においてフォーカス方向に対物レンズを移動せしめ、反射ビームの光強度ピークが発生する時点間における対物レンズの実移動量を検知する。判別行程において、光ディスクプレーヤは、実移動量によって反射型光ディスクの種類を判別する。
特許文献1に開示された発明によると、同径でありながらも種類の異なる反射型光ディスクを簡単な構成で判別できる。
特許文献2は、光ディスクにピックアップからレーザ光を照射してデータを記録または再生する際の光ディスクの種類を判別するディスク判別方法を開示する。このディスク判別方法は、移動ステップと、測定ステップと、判別ステップとを含む。移動ステップにおいて、ピックアップは、レーザ光を照射しながら光ディスクに対して直角方向に移動する。測定ステップにおいて、レーザ光が光ディスクの表面にフォーカスしたことを示す反射信号とレーザ光が光ディスクのピット面にフォーカスする際に現われる第1、第2ピーク信号とが測定される。判別ステップにおいて、反射信号と第1ピーク信号間の第1時間および第1、第2ピーク信号間の第2時間が求められ、これら時間が比率計算され、この比率計算結果により光ディスクの種類が判別される。
特許文献2に開示された発明によると、アクチュエータの感度、制御電圧、電流によらずディスクの種類を判別することができる。
特開平8−249801号公報
特開2000−260109号公報
しかし、特許文献1および特許文献2に開示された発明では、精度良く光ディスクの種類を判別することができないことがあるという問題点がある。この現象は、迅速に光ディスクの種類を判別させようとする場合に生じることが多い。
本発明は上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、迅速に光ディスクの種類を判別させようとする場合であっても精度良く光ディスクの種類を判別できる光ディスク装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、光ディスク装置は、対物レンズと、検知手段と、レンズホルダと、フォーカス駆動機構と、制御手段とを含む。対物レンズは、レーザビームを光ディスクのデータ記録面上で集光する。検知手段は、光ディスクから反射された光を検知する。レンズホルダは、対物レンズを保持する。フォーカス駆動機構は、コイルと磁石とレンズホルダの移動方向を制限する部材とを有する。フォーカス駆動機構は、コイルと磁石との間の磁力により、対物レンズの光軸に沿ってレンズホルダを駆動する。制御手段は、フォーカス駆動機構を制御すると共に、光ディスクの種類を判別する。制御手段は、フォーカスドライブ手段と、信号生成手段と、測定手段と、判別手段とを含む。フォーカスドライブ手段は、入力される制御信号に対応する電流値の電力をコイルに供給する。信号生成手段は、対物レンズを光ディスクから一旦離した後に対物レンズを光ディスクに近づけるように制御信号を生成すると共に、検知手段が光を検知すると、対物レンズを光ディスクに近づける速度が低下するように制御信号を生成する。測定手段は、検知手段が光を検知した時以降に経過した時間を測定する。判別手段は、測定手段が時間の測定を開始した後、検知手段が光を再度検知すると、検知手段が光を再度検知した時までの測定手段が測定した時間に基づいて、光ディスクの種類を判別する。信号生成手段は、記憶手段と、制御信号を生成するための手段とを含む。記憶手段は、互いに異なる2種類の速度を表す速度情報を記憶する。制御信号を生成するための手段は、検知手段が光を検知する前までの期間は2種類の速度のうち高い速度で対物レンズを光ディスクに近づけるように制御信号を生成すると共に、検知手段が光を検知すると、2種類の速度のうち低い速度で対物レンズを光ディスクに近づけるように速度情報に基づいて制御信号を生成する。
本発明の他の局面に従うと、光ディスク装置は、対物レンズと、検知手段と、レンズホルダと、フォーカス駆動機構と、制御手段とを含む。対物レンズは、レーザビームを光ディスクのデータ記録面上で集光する。検知手段は、光ディスクから反射された光を検知する。レンズホルダは、対物レンズを保持する。フォーカス駆動機構は、レンズホルダが受ける力の大きさがレンズホルダの位置に対応するように、対物レンズの光軸に沿ってレンズホルダを駆動する。制御手段は、フォーカス駆動機構を制御すると共に、光ディスクの種類を判別する。制御手段は、接近制御手段と、測定手段と、判別手段とを含む。接近制御手段は、対物レンズを光ディスクから一旦離した後、対物レンズを光ディスクに近づけるようにフォーカス駆動機構を制御すると共に、検知手段が光ディスクから反射された光を検知すると、検知手段が光を検知する前よりも低い速度で対物レンズを光ディスクに近づけるようにフォーカス駆動機構を制御する。測定手段は、検知手段が光を検知した時以降に経過した時間を測定する。判別手段は、測定手段が時間の測定を開始した後、検知手段が光を再度検知すると、検知手段が光を再度検知した時までの測定手段が測定した時間に基づいて、光ディスクの種類を判別する。
また、上述したフォーカス駆動機構は、コイルと、磁石と、レンズホルダの移動方向を制限する部材とを有する。併せて、接近制御手段は、フォーカスドライブ手段と、信号生成手段とを含む。フォーカスドライブ手段は、入力される制御信号に対応する電流値の電力をコイルに供給する。信号生成手段は、対物レンズを光ディスクから一旦離した後に対物レンズを光ディスクに近づけるように制御信号を生成すると共に、検知手段が光を検知すると、対物レンズを光ディスクに近づける速度が低下するように制御信号を生成する。
もしくは、上述した信号生成手段は、記憶手段と、制御信号を生成するための手段とを含む。記憶手段は、互いに異なる2種類の速度を表す速度情報を記憶する。制御信号を生成するための手段は、検知手段が光を検知する前までの期間は2種類の速度のうち高い速度で対物レンズを光ディスクに近づけるように制御信号を生成すると共に、検知手段が光を検知すると、2種類の速度のうち低い速度で対物レンズを光ディスクに近づけるように速度情報に基づいて制御信号を生成する。
本発明に係る光ディスク装置は、迅速に光ディスクの種類を判別させようとする場合であっても精度良く光ディスクの種類を判別できる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態に従う光ディスク装置1の概略ブロック図である。
図1を参照して、光ディスク装置1は、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)などの同心円状または渦巻状の情報記録トラックが形成された光ディスク70に対して、音楽や映像などの情報の記録および再生を行なう。
図1を参照して、光ディスク装置1は、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)などの同心円状または渦巻状の情報記録トラックが形成された光ディスク70に対して、音楽や映像などの情報の記録および再生を行なう。
光ディスク装置1は、ディスク挿入検知部2と、スピンドルモータ3と、光ピックアップ4と、移動モータ5と、レーザ駆動部6と、信号処理部7と、データスライス信号生成部8と、サーボ制御部9とを備える。さらに、光ディスク装置1は、映像・音声信号入出力部10と、リモコン11と、リモコン受信部12と、表示部13と、上記各部を制御するための制御部20とを備えている。
なお、光ピックアップ4、信号処理部7、データスライス信号生成部8およびサーボ制御部9は情報読取ブロックを構成する。
ディスク挿入検知部2は、光ディスク70が図示しないディスク挿入部から挿入されたことを検出し、その信号を制御部20へ入力する。挿入された光ディスク70は、スピンドルモータ3に装着される。スピンドルモータ3は、制御部20からの指示に従い回転駆動され、装着された光ディスク70が所定速度で回転するように制御する。
光ピックアップ4は、光ディスク70に対して情報の記録および再生を行なうための光を照射すると共に、光ディスク70からの反射光を受光して電気信号に変換出力するものである。光ピックアップ4は、制御部20からの指示に基づきリニアモータから成る移動モータ5により光ディスク70上でその半径方向に移動される。
この光ピックアップ4は、半導体レーザ41から出射された光をコリメートレンズ42、ビームスプリッタ43および対物レンズ44を介して光ディスク70上に集光照射する。また、光ディスク70上からの反射光を対物レンズ44、ビームスプリッタ43、および集光レンズ45を介して光検知器46で受光する。
半導体レーザ41は、制御部20からの指示に応答して動作するレーザ駆動部6によりその発光が制御される。光検知器46は、受光面が複数の領域に分割され、受光面毎に受光強度に応じた電気信号を出力する分割フォトダイオードから構成されており、光検知器46からの出力信号は信号処理部7に入力される。
対物レンズ44は、レンズホルダ47に保持されており、レンズホルダ47には、フォーカシングコイル48と、トラッキングコイル49とが設けられている。フォーカシングコイル48は、永久磁石50との磁気作用により、対物レンズ44を光ディスク70のディスク面と垂直な方向へ移動させるものである。レンズホルダ47には穴が設けられている。永久磁石50と共に図示しないベース部材に固定された制限軸51は、その穴を貫通している。制限軸51がレンズホルダ47の移動方向を制限することで、対物レンズ44は光ディスク70に対して垂直な方向に移動する。フォーカシングコイル48と永久磁石50と制限軸51とは、対物レンズの光軸に沿ってレンズホルダを駆動する、フォーカス駆動機構を構成している。また、トラッキングコイル49は、同様に、対物レンズ44を光ディスク70のディスク面と平行に光ディスク70の記録トラックと垂直な方向へ移動させるものである。
信号処理部7は、光検知器46からの出力信号に基づいて、RF信号を生成し、データスライス信号生成部8へ出力する。データスライス信号生成部8は、このRF信号を2値化したデータスライス信号を生成し、制御部20へ入力する。制御部20では、このデータスライス信号に基づいて、光ディスク70に形成されているピットを検出する。
また、信号処理部7は、光検知器46からの出力信号に基づいて、フォーカスエラー信号およびトラックエラー信号を生成し、サーボ制御部9へ出力する。フォーカスエラー信号は、対物レンズ44を介して光ディスク70に照射する光の集光点の光ディスク70面からのずれ量に対応する信号であり、トラックエラー信号は、集光点の記録トラックからのずれ量に対応する信号である。
サーボ制御部9は、これらフォーカスエラー信号およびトラックエラー信号に基づいて、フォーカシングコイル48およびトラッキングコイル49への電流供給を制御して対物レンズ44を移動させる。それにより、集光点は、光ディスク70のディスク面上、かつ、記録トラック上に位置するようにサーボ制御される。
映像・音声信号入出力部10には、図示しないディスプレイやスピーカ、テレビ受像機などの外部装置が接続され、光ディスク70から再生した映像信号や音声信号の出力や、外部装置からの映像信号や音声信号の入力が行なわれる。
リモコン11は、光ディスク装置1の各種の動作を操作するためのものであり、各種の動作を操作するための操作キー(何れも不図示)を備えている。リモコン7は、これらのキーの操作に応じて、対応する信号を赤外線信号で送出する。リモコン受信部12は、リモコン11から送出される赤外線信号を受信し、その信号を制御部20へ出力する。表示部13は、光ディスク装置1本体のフロントパネルに設けられ、リモコン11により操作された内容や光ディスク装置1の動作状況などなどを表示する。
ここで、光ディスク70に対する情報の記録/再生について説明する。まず、光ディスク70からの情報の再生は、スピンドルモータ3により光ディスク70を所定速度で回転させながら、半導体レーザ41からの光を光ディスク70に照射し、その反射光を光検知器46で受光する。そして、サーボ制御部9により、信号処理部7からのフォーカスエラー号に基づいてフォーカシングコイル48への電流供給を制御して対物レンズ44を移動させ、半導体レーザ41からの光の集光点が光ディスク70面上に位置するようにフォーカスオン(フォーカス引き込み)させる。さらに、サーボ制御部9により、信号処理部7からのトラックエラー信号に基づいてトラッキングコイル49への電流供給を制御して対物レンズ44を移動させ、半導体レーザ41からの光の集光点が所望の記録トラック上に位置するようにトラックオン(トラック引き込み)させる。
フォーカスオンおよびトラックオンさせた後は、サーボ制御部9により、フォーカスエラー信号およびトラックエラー信号に基づいてフォーカシングコイル48およびトラッキングコイル49への電流供給を制御し、フォーカスオン状態およびトラックオン状態を維持するようにフォーカシングサーボ制御およびトラッキングサーボ制御が行なわれる。
そして、このサーボ状態で信号処理部7から出力されたRF信号がデータスライス信号生成部8に入力される。データスライス信号生成部8はRF信号を2値化する。2値化された信号であるデータスライス信号が制御部20に入力される。制御部20は、このデータスライス信号を基に光ディスク70に形成されているピットの有無を検出して光ディスク70に記録されている情報を読取り、読取った情報を映像信号や音声信号に再生して、映像・音声信号入出力部10から外部装置へ出力する。
また、光ディスク70への情報の記録は、同様に、フォーカシングおよびトラッキングのサーボ状態で、半導体レーザ41からの光により光ディスク70上にピットを形成することにより行なわれる。このとき、映像・音声信号入出力部10から入力された映像信号や音声信号が制御部20により符号化され、半導体レーザ41が、制御部20による制御のもと、その符号化データに応じて発光制御される。これにより、その符号化データに応じたピットが光ディスク70の記録トラックに形成され、映像や音声の情報が記録される。ピットの形成は、半導体レーザ41を情報の読取り時よりも高出力で発光させることにより可能としている。
上記構成の光ディスク装置1は、制御部20による制御のもと、リモコン11を操作することにより、光ディスク70からの情報の再生や、光ディスク70への情報の記録などを行なう。また、光ディスク装置1は、制御部20による制御のもと、光ディスク70が挿入されると、光ディスク70の最内周側に記録されている情報を読取る初期動作を行なう。そして、初期動作で読取った情報に基づいて、挿入された光ディスク70の種類や記録内容を判断し、その後の情報の記録や再生などの動作を制御する。
サーボ制御部9は、フォーカスドライブ部92と、トラッキングドライブ部94とを含む。フォーカスドライブ部92は、入力される制御信号に対応する電流値の電力をフォーカシングコイル48に供給する。電力が供給されたフォーカシングコイル48は、磁力を発生させる。この磁力が、対物レンズ44を光ディスク70のディスク面と垂直な方向へ移動させる。トラッキングドライブ部94は、入力される制御信号に対応する電流値の電力をトラッキングコイル49に供給する。電力が供給されたトラッキングコイル49も、磁力を発生させる。この磁力が、対物レンズ44を光ディスク70のディスク面と平行に光ディスク70の記録トラックと垂直な方向へ移動させる。
制御部20は、接近制御部202と、判別部204と、測定部206と、処理部208とを含む。接近制御部202は、対物レンズを光ディスクから一旦離した後、その対物レンズを再度光ディスクに近づけるようにフォーカス駆動機構を制御すると共に、光検知器46が光ディスクから反射された光を検知すると、光検知器46が光を検知する前よりも低い速度で対物レンズを光ディスクに近づけるようにフォーカス駆動機構を制御する。判別部204は、測定部206が測定した時間に基づいて、光ディスク70の種類を判別する。測定部206は、接近制御部202あるいは処理部208の制御に従って、時間を測定する。処理部308は、信号処理部7などから受信した信号に基づいて、映像・音声信号入出力部10などに出力する映像信号や音声信号を作成する。
接近制御部202は、記憶部210と、信号生成部212とを含む。記憶部210は、互いに異なる2種類の速度を表す速度情報を記憶する。信号生成部212は、速度情報に基づいて制御信号を生成する。光検知器46が反射光を検知する前までの期間において生成される制御信号は、速度情報が表わす2種類の速度のうち高い速度で対物レンズ44を光ディスク70に近づけるための制御信号である。光検知器46が光を検知した後の期間において生成される制御信号は、速度情報が表わす2種類の速度のうち低い速度で対物レンズ44を光ディスク70に近づけるための制御信号である。
速度情報が表わす2種類の速度は、実験によって定められることが望ましい。後述するように、レンズホルダ47は、これらの速度のうち速い方の速度で光ディスク70に近づき、光検出器46が反射光を検出すると遅い方の速度で引き続き光ディスク70に近づく。この場合、光検出器46が反射光を検出する前の速度が速すぎると、レンズホルダ47は、一貫して光ディスク70に近づくように制御されていたとしても、光ディスク70に近づいたり遠ざかったりする。光検出器46が反射光を検出する前と後との速度差が大きすぎても、同様の現象が生じる。ちなみに、この場合、レンズホルダ47が光ディスク70に近づいたり遠ざかったりする周波数は、ある一定の周波数となる。
図2は、本実施の形態にかかる制御部20を実現するコンピュータハードウェアの制御ブロック図である。図2を参照して、本実施の形態にかかる制御部20は、CPU(Central Processing Unit)231と、I/O(Input/Output)232と、ROM(Read Only Memory)233と、RAM(Random Access Memory)235と、メモリカード駆動装置237と、バス239とを含む。CPU231は、図2に示すコンピュータハードウェアが制御部20として動作するために必要な演算を行う。I/O232は、光ディスク装置1を構成する各部との間で信号を中継する。ROM233は、CPU231が実行するプログラムを記憶する。RAM235は、CPU231が利用するデータを一時的に記憶する。メモリカード駆動装置237は、メモリカード300からプログラムその他のデータを読み出す。バス239は、制御部20を構成する各部の間で信号を伝達する。
図3を参照して、制御部20で実行されるプログラムは、光ディスク70の判別に関し、以下のような制御を実行する。
ステップS100にて、信号生成部212は、記憶部210が記憶した速度情報に基づいて、光ディスク70のディスク面に対し最も遠い位置に対物レンズ44を移動させるための制御信号を生成する。この信号は、サーボ制御部9に出力される。フォーカスドライブ部92は、入力される制御信号に対応する電流値の電力をフォーカシングコイル48に供給する。電力が供給されたフォーカシングコイル48は、磁力を発生させる。フォーカシングコイル48が磁力を発生させるので、対物レンズ44は光ディスク70のディスク面に対し最も遠い位置に移動する。対物レンズ44が移動する速度は、記憶部210が記憶した速度情報が表わす2種類の速度のうち速い方の速度である。
ステップS102にて、信号生成部212は、記憶部210が記憶した速度情報に基づいて、対物レンズ44を光ディスク70に近づけるための制御信号を生成する。この信号は、サーボ制御部9に出力される。フォーカスドライブ部92は、入力される制御信号に対応する電流値の電力をフォーカシングコイル48に供給する。電力が供給されたフォーカシングコイル48は、磁力を発生させる。フォーカシングコイル48が磁力を発生させるので、対物レンズ44は光ディスク70のディスク面に近づく。対物レンズ44が移動する速度は、記憶部210が記憶した速度情報が表わす2種類の速度のうち速い方の速度である。
ステップS104にて、信号生成部212は、光ディスク70から反射された反射光を光検知器46が検出したか否かを判断する。反射光を検出したと判断した場合には(ステップS104にてYES)、処理はステップS106に移される。もしそうでないと(ステップS104にてNO)、処理はステップS102へと移される。
ステップS106にて、信号生成部212は、測定部206に対し、時間の測定を開始させるための制御信号を出力する。この制御信号が出力されると、測定部206は、時間の測定を開始する。
ステップS108にて、信号生成部212は、記憶部210が記憶した速度情報に基づいて、対物レンズ44を光ディスク70に近づけるための制御信号を生成する。この信号は、サーボ制御部9に出力される。フォーカスドライブ部92は、入力される制御信号に対応する電流値の電力をフォーカシングコイル48に供給する。フォーカシングコイル48が磁力を発生させるので、対物レンズ44は光ディスク70のディスク面に近づく。フォーカシングコイル48に供給される電力の電流値はステップS102における電力の電流値よりも小さい。これにより、フォーカシングコイル48が発生させる磁力は、ステップS102における磁力よりも小さくなる。その磁力が小さくなるので、対物レンズ44は光ディスク70のディスク面に近づく速度は、ステップS102における対物レンズ44の速度よりも小さくなる。この速度は、記憶部210が記憶した速度情報が表わす2種類の速度のうち遅い方の速度である。
ステップS110にて、信号生成部212は、光ディスク70から反射された反射光を光検知器46が再度検出したか否かを判断する。光検知器46が再度検出したと判断した場合には(ステップS110にてYES)、処理はステップS112へと移される。もしそうでないと(S110にてNO)処理はステップS108へと移される。
ステップS110にて、信号生成部212は、測定部206に対し、時間の測定を終了させるための制御信号を出力する。この制御信号が出力されると、測定部206は、時間の測定を終了する。あわせて、測定部206は、測定した時間を判別部204に出力する。
ステップS114にて、判別部204は、ステップS106からステップS112までの間に測定部206が測定した時間に基づいて、光ディスクの種類を判別する。この時間は、光ディスク70から反射された反射光を光検知器46が最初に検出した時から、光ディスク70から反射された反射光を光検知器46が再度検出した時までに対物レンズ44が移動し続けた時間を表わす。この時間は、光ディスク70の種類により異なる。光を反射できる層の位置が光ディスク70の種類ごとに異なるためである。このため、この時間に基づいて、判別部204は光ディスク70の種類を判別することができる。判別部204が光ディスク70の種類を判別するための具体的な方法は特に限定されるものではないが、例えば、記憶部210がその時間と光ディスク70の種類との関係を表わすデータベースを記憶する方法であってもよい。この場合、そのデータベースのうちステップS106からステップS112までの間に測定部206が測定した時間に対応する光ディスク70の種類の情報を読み出すことで、判別部204は光ディスク70の種類を判別することができる。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、光ディスク装置1の動作について説明する。
信号生成部212は、制御信号を生成することにより、光ディスク70のディスク面に対し最も遠い位置に対物レンズ44を移動させる(ステップS100)。対物レンズ44が移動する速度は、記憶部210が記憶した速度情報が表わす2種類の速度のうち速い方の速度である。
光ディスク70のディスク面に対し最も遠い位置に対物レンズ44が移動すると、信号生成部212は、制御信号を生成することにより、対物レンズ44を光ディスク70に近づける(ステップS102)。対物レンズ44が移動する速度は、記憶部210が記憶した速度情報が表わす2種類の速度のうち速い方の速度である。
対物レンズ44が光ディスク70に近づき始めると、信号生成部212は、光ディスク70から反射された反射光を光検知器46が検出したか否かを判断する(ステップS104)。当初、光検知器46はそのような反射光を検出しないので(ステップS104にてNO)、再度ステップS102の処理が繰り返される。その後、当面はステップS102の処理とステップS104の処理とが繰返される。
ステップS102の処理とステップS104の処理とが繰返されている間に、対物レンズ44が光ディスク70に近づく。その結果、光ディスク70から反射された反射光をある時点で光検知器46が検出する。これにより、信号生成部212は、その反射光を光検知器46が検出したと判断するので(ステップS104にてYES)、信号生成部212は、測定部206に対し、時間の測定を開始させるための制御信号を出力する(ステップS106)。
測定部206に対し制御信号が出力されると、信号生成部212は、制御信号を生成することにより、対物レンズ44を光ディスク70に近づける(ステップS108)。対物レンズ44が移動する速度は、記憶部210が記憶した速度情報が表わす2種類の速度のうち遅い方の速度である。
対物レンズ44が光ディスク70に近づく速度が遅くなると、信号生成部212は、光ディスク70から反射された反射光を光検知器46が再度検出したか否かを判断する(ステップS110)。当初、光検知器46はそのような反射光を検出しないので(ステップS110にてNO)、再度ステップS108の処理が繰り返される。その後、当面はステップS108の処理とステップS110の処理とが繰返される。
ステップS108の処理とステップS110の処理とが繰返されている間に、対物レンズ44がさらに光ディスク70に近づく。その結果、光ディスク70から反射された反射光をある時点で光検知器46が検出する。これにより、信号生成部212は、その反射光を光検知器46が検出したと判断するので(ステップS110にてYES)、信号生成部212は、測定部206に対し、時間の測定を終了させるための制御信号を出力する。この制御信号が出力されると、測定部206は、時間の測定を終了する。あわせて、測定部206は、測定した時間を判別部204に出力する(ステップS112)。
測定した時間が判別部204に出力されると、判別部204は、ステップS106からステップS112までの間に測定部206が測定した時間に基づいて、光ディスクの種類を判別する(ステップS114)。
以上のようにして、本実施の形態に係る光ディスク装置1は、光ディスク70から反射された反射光を光検知器46が最初に検出した後、対物レンズ44の移動速度を低くする。その結果、光ディスク70の種類が誤って判別される可能性は小さくなる。
図4〜7を参照して、この点につき説明する。図4は、本実施の形態に係る光ディスク装置1において生じる、ACT印加磁力波形と、レンズ変位波形と、反射光検出波形とを表わす第1の図である。図5は、本実施の形態に係る光ディスク装置1において生じる、ACT印加磁力波形と、レンズ変位波形と、反射光検出波形とを表わす第2の図である。図6は、フォーカシングコイルと永久磁石とを用いて対物レンズを駆動する一般的に使用されている光ディスク装置において生じる、ACT印加磁力波形と、レンズ変位波形と、反射光検出波形とを表わす第1の図である。図7は、フォーカシングコイルと永久磁石とを用いて対物レンズを駆動する一般的に使用されている光ディスク装置において生じる、ACT印加磁力波形と、レンズ変位波形と、反射光検出波形とを表わす第1の図である。本実施の形態において、「ACT印加磁力波形」は、フォーカシングコイル48と永久磁石50との間で生じる磁力の推移を表わす。「レンズ変位波形」は、対物レンズ44の位置の推移を表わす。「反射光検出波形」は、光検知器46が出力した信号を表わす。この波形がピークを描く場合、光検知器46は光ディスク70からの反射光を検出したとみなされる。図4に示す図と、図5に示す図とでは、時期が互いに異なることを除き、波形を検出するための条件は同一である。図6に示す図と図7に示す図とも、時期が互いに異なることを除き、波形を検出するための条件は同一である。
図4と図5とを比較すると、反射光検出波形が最初にピークを描いた時から次にピークを描いた時までの間隔が同一である。このことは、その間隔の測定値が安定していることを意味する。
これに対し、図6と図7とを比較すると、反射光検出波形が最初にピークを描いた時から次にピークを描いた時までの間隔が異なる。
図4と図5との間では共通しているのに図6と図7との間では異なる他の点に、レンズ変位波形の形状がある。図4および図5の場合、反射光検出波形が最初にピークを描いた時から次にピークを描いた時までのレンズ変位波形は直線を描いている。これに対し、図6および図7の場合、その間のレンズ変位波形は、波打っており、かつ形状が異なる。
反射光検出波形が最初にピークを描いた時から次にピークを描いた時までの間隔が図6および図7において異なるのは、レンズ変位波形が表わす、対物レンズの動きに原因があると考えられる。レンズホルダに加える力を制御することによりレンズホルダの位置を制御する機構の場合、レンズホルダが受ける力が変動すれば、レンズホルダの位置もまた変動する。このような機構の場合、対物レンズが駆動されるたびに対物レンズの動きの内容は異なる。対物レンズが駆動されるたびにその動きの内容が異なるため、検出波形が最初にピークを描いた時から次にピークを描いた時までの間隔も対物レンズが駆動されるたびに変わることとなる。
これに対し、本実施の形態に係る光ディスク装置1は、検出波形が最初にピークを描いた時から対物レンズ44の移動速度を低くする。移動速度が低くなると、それ以降の移動が原因となって対物レンズ44が制御の内容とは異なる動きをすることは少なくなる。対物レンズ44が制御の内容とは異なる動きをすることが少なくなるので、図4および図5に示すように、反射光検出波形が最初にピークを描いた時から次にピークを描いた時までのレンズ変位波形は直線を描く。レンズ変位波形が直線を描くので、光ディスク70から反射された反射光を光検知器46が最初に検出した時からその反射光を光検知器46が再度検出する時までの時間のバラツキは小さくなる。そのバラツキが小さくなるので、光ディスク70の種類が誤って判別される可能性は小さくなる。
その上、光ディスク70から反射された反射光が最初に検出されるまでは、それ以降に比べて対物レンズ44の移動速度が速い。反射光が最初に検出されるまでの移動速度が速いので、一定かつ低速で対物レンズ44を光ディスク70に近づける場合に比べ、光ディスク70の判別に要する時間の合計は短縮される。その結果、迅速に光ディスクの種類を判別させようとする場合であっても精度良く光ディスクの種類を判別できる光ディスク装置1を提供することができる。
なお、第1の変形例として、信号生成部212は、記憶部210が記憶した速度情報によらず、対物レンズ44の移動速度を変えてもよい。記憶部210が記憶した速度情報によらず対物レンズ44の移動速度を変える方法の例には、信号生成部212が、制御信号を発生させるための複数の回路を含む方法がある。この場合、それらの回路が生成する制御信号の相違により、対物レンズ44の移動速度が変わるよう、それらの回路を構成する。
また、第2の変形例として、レンズホルダ47が受ける力の大きさがレンズホルダ47の位置に対応する機構である限り、フォーカス駆動機構は、フォーカシングコイル48と永久磁石50とによりレンズホルダ47を駆動する機構でなくてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 光ディスク装置、2 ディスク挿入検知部、3 スピンドルモータ、4 光ピックアップ、5 移動モータ、6 レーザ駆動部、7 信号処理部、8 データスライス信号生成部、9 サーボ制御部、10 映像・音声信号入出力部、11 リモコン、12 リモコン受信部、13 表示部、20 制御部、41 半導体レーザ、42 コリメートレンズ、43 ビームスプリッタ、44 対物レンズ、45 集光レンズ、46 光検知器、48 フォーカシングコイル、49 トラッキングコイル、50 永久磁石、51 制限軸、70 光ディスク、92 フォーカスドライブ部、94 トラッキングドライブ部、202 接近制御部、204 判別部、206 測定部、208 処理部、210 記憶部、212 信号生成部、231 CPU、232 I/O、233 ROM、235 RAM、237 メモリカード駆動装置、239 バス、300 メモリカード。
Claims (4)
- レーザビームを光ディスクのデータ記録面上で集光する対物レンズと、
前記光ディスクから反射された光を検知するための検知手段と、
前記対物レンズを保持するレンズホルダと、
コイルと磁石と前記レンズホルダの移動方向を制限する部材とを有し、前記コイルと前記磁石との間の磁力により、前記対物レンズの光軸に沿って前記レンズホルダを駆動するフォーカス駆動機構と、
前記フォーカス駆動機構を制御すると共に、前記光ディスクの種類を判別するための制御手段とを含み、
前記制御手段は、
入力される制御信号に対応する電流値の電力を前記コイルに供給するためのフォーカスドライブ手段と、
前記対物レンズを前記光ディスクから一旦離した後に前記対物レンズを前記光ディスクに近づけるように前記制御信号を生成すると共に、前記検知手段が前記光を検知すると、前記対物レンズを前記光ディスクに近づける速度が低下するように前記制御信号を生成するための信号生成手段とを含み、
前記信号生成手段は、
互いに異なる2種類の速度を表す速度情報を記憶するための記憶手段と、
前記検知手段が前記光を検知する前までの期間は前記2種類の速度のうち高い速度で前記対物レンズを前記光ディスクに近づけるように前記制御信号を生成すると共に、前記検知手段が前記光を検知すると、前記2種類の速度のうち低い速度で前記対物レンズを前記光ディスクに近づけるように前記速度情報に基づいて前記制御信号を生成するための手段とを含み、
前記検知手段が前記光を検知した時以降に経過した時間を測定するための測定手段と、
前記測定手段が前記時間の測定を開始した後、前記検知手段が前記光を再度検知すると、前記検知手段が前記光を再度検知した時までの前記測定手段が測定した時間に基づいて、前記光ディスクの種類を判別するための判別手段とをさらに含む、光ディスク装置。 - レーザビームを光ディスクのデータ記録面上で集光する対物レンズと、
前記光ディスクから反射された光を検知するための検知手段と、
前記対物レンズを保持するレンズホルダと、
前記レンズホルダが受ける力の大きさが前記レンズホルダの位置に対応するように、前記対物レンズの光軸に沿って前記レンズホルダを駆動するフォーカス駆動機構と、
前記フォーカス駆動機構を制御すると共に、前記光ディスクの種類を判別するための制御手段とを含み、
前記制御手段は、
前記対物レンズを前記光ディスクから一旦離した後、前記対物レンズを前記光ディスクに近づけるように前記フォーカス駆動機構を制御すると共に、前記検知手段が前記光ディスクから反射された光を検知すると、前記検知手段が前記光を検知する前よりも低い速度で前記対物レンズを前記光ディスクに近づけるように前記フォーカス駆動機構を制御するための接近制御手段と、
前記検知手段が前記光を検知した時以降に経過した時間を測定するための測定手段と、
前記測定手段が前記時間の測定を開始した後、前記検知手段が前記光を再度検知すると、前記検知手段が前記光を再度検知した時までの前記測定手段が測定した時間に基づいて、前記光ディスクの種類を判別するための判別手段とを含む、光ディスク装置。 - 前記フォーカス駆動機構は、
コイルと、
磁石と、
前記レンズホルダの移動方向を制限する部材とを有し、
前記接近制御手段は、
入力される制御信号に対応する電流値の電力を前記コイルに供給するためのフォーカスドライブ手段と、
前記対物レンズを前記光ディスクから一旦離した後に前記対物レンズを前記光ディスクに近づけるように前記制御信号を生成すると共に、前記検知手段が前記光を検知すると、前記対物レンズを前記光ディスクに近づける速度が低下するように前記制御信号を生成するための信号生成手段とを含む、請求項2に記載の光ディスク装置。 - 前記信号生成手段は、
互いに異なる2種類の速度を表す速度情報を記憶するための記憶手段と、
前記検知手段が前記光を検知する前までの期間は前記2種類の速度のうち高い速度で前記対物レンズを前記光ディスクに近づけるように前記制御信号を生成すると共に、前記検知手段が前記光を検知すると、前記2種類の速度のうち低い速度で前記対物レンズを前記光ディスクに近づけるように前記速度情報に基づいて前記制御信号を生成するための手段とを含む、請求項3に記載の光ディスク装置。
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