JP2008144411A - 扉の履物用庇構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物出入口を開閉する扉に取り付けた履物用庇によって、出入口の屋外側に置いた履物を雨や雪、日差しから保護しながらも、扉を開けるときに履物用庇が邪魔ならず、履物用庇の他部材との衝突による損傷を防止すること目的とする。
【解決手段】勝手口11を開閉する勝手口用扉10の下端部に履物用庇20を取り付けて、この履物用庇20を、扉10の勝手口閉塞時に扉10から屋外側へ張り出して勝手口11の屋外側に置かれた履物16を覆う使用姿勢と、扉10の勝手口開放時に扉10に沿うように跳ね上がる回避姿勢との間で切換可能とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、勝手口等の建物出入口を開閉する扉に履物用庇を備え付けて、出入口の屋外側に脱ぎ置きした履物を雨や雪、日差し等から保護するようにした扉の履物用庇構造に関する。
住宅の勝手口や掃き出し窓等の屋内外を連通する出入口の屋外側には、居住者が屋外へ出るために使用するサンダル等の履物が置かれることが多い。一般に、上記のような出入口には、出入口上部に雨がかりや日差しを防ぐための簡単な庇が設けられているが、このような庇では、出入口の屋外側に置いた履物までを有効に覆うことはできない。
図8は、一般的な住宅1の勝手口付近の様子を示しており、扉2を備え付けた勝手口に庇3が設けられているものの、このような庇3は、勝手口の上側に設置されていて、外壁からの張り出し寸法も短いため、屋外側の土間4上に置かれた履物5は雨や雪、日差しに曝されることになる。このため、履物5が濡れてしまって乾くまで使用困難となったり、劣化し易くなるといった問題があった。
従来において、このような履物の濡れ対策や劣化対策としては、出入口付近に設けた収納箱に履物を収納したり、外壁に履物を立て掛けるといった工夫がなされているが、この場合、履物の着脱に際して、しゃがみ込みを伴う何らかの作業が必要となり、出入口におけるスムーズな出入りの妨げになっていた。
そこで、例えば特許文献1にも開示されているように、勝手口等の出入口を開閉する扉の下端部に履物用庇を取り付けて、この履物用庇によって出入口の屋外側に置いた履物を覆うようにしたものが提案されている。この場合、出入口を通って屋内から屋外へ出るときには、扉を開けるだけで履物用庇が扉とともに移動して、出入口の屋外側に置いた履物が露出するので、そのまま履物を履くことができる。また、出入口を通って屋外から屋内へ入るときには、扉を開けて出入口の屋外側に履物を脱ぎ置いておけば、扉を閉めるだけで履物用庇が扉とともに移動して、履物が履物用庇によって覆われる。従って、履物の着脱に際してしゃがみ込みを伴うことなく、出入口における出入りをスムーズに行うことができる。
特開2004−81469号公報
しかしながら、扉の下端部に履物用庇を取り付けると、扉から履物用庇が屋外側に大きく張り出した状態となるので、扉を開けるときに履物用庇が邪魔になって出入口を十分に開放することができなかったり、履物用庇が他部材と衝突して損傷するといった不具合があった。なお、特許文献1の図4には、他部材との衝突時に跳ね上がる履物用庇が開示されているが、この場合でも、衝突を繰り返すことで履物用庇が損傷してしまうといった問題がある。
そこで、この発明は、上記不具合を解消するため、建物出入口を開閉する扉に取り付けた履物用庇によって、出入口の屋外側に置いた履物を雨や雪、日差し等から保護しながらも、扉を開けるときに履物用庇が邪魔ならず、履物用庇の他部材との衝突による損傷を防止することができる扉の履物用庇構造の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、この発明の扉の履物用庇構造は、建物出入口11を開閉する扉10の下端部に履物用庇20を取り付けて、この履物用庇20を、前記扉10の出入口閉塞時に前記扉10から屋外側へ張り出して前記出入口11の屋外側に置かれた履物16を覆う使用姿勢と、前記扉10の出入口開放時に前記扉10に沿うように跳ね上がる回避姿勢との間で切換可能としたことを特徴とする。
具体的に、前記扉10の内部に、前記履物用庇20の姿勢を切り換えるための切換機構30を組み込むようにしている。そして、前記履物用庇20は、前記扉10の下端部に横軸25、25周りに回転自在に支持され、前記切換機構30は、前記扉10に出没自在に取り付けられて、前記扉10の出入口閉塞時に扉枠12に当接して扉10内部に格納され、前記扉10の出入口開放時にバネ35の付勢力によって扉10外部に突出する突起部材32、32と、この突起部材32、32の出没動作に連動して、前記突起部材32、32の格納時に前記履物用庇20を使用姿勢とするとともに、前記突起部材32、32の突出時に前記履物用庇20を回避姿勢とするように、前記履物用庇20を横軸25、25周りに回転させるリンク部材33、33とを備えている。また、前記扉10は、建物の勝手口11を開閉する勝手口用扉である。
この発明によると、扉の出入口閉塞時には、扉の下端部に取り付けた履物用庇が使用姿勢となって出入口の屋外側に置かれた履物を覆うので、雨や雪、日差し等から履物を保護することができる。しかも、扉の出入口開放時には、履物用庇が回避姿勢となって扉の下端部からの張り出し量を抑えることができるので、履物用庇が邪魔にならず、出入口を十分に開放することができ、また履物用庇が他部材と衝突して損傷するといった不具合も防止することができる。
さらに、扉の内部に切換機構を組み込むようにすれば、扉の外観をシンプルにして、見栄えを良好にすることができる。さらにまた、切換機構を、突起部材及びリンク部材からなる簡単な構造とすることで、製造コストを安価に抑えることができる。
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1及び図2は、この発明の一実施形態に係る扉の履物用庇構造を示している。図において、10は、住宅の出入口としての勝手口11を開閉する勝手口用扉である。勝手口11には、方形状の扉枠12が嵌め込まれており、この扉枠12における一方の縦枠材13に、扉10がヒンジ14を介して縦軸周りに回転自在に取り付けられている。
そして、勝手口11の屋外側には、土間15が配されている。この土間15の上面は、扉10の下端部よりも下方に位置している。すなわち、勝手口11から一段下がって土間15の上面が配されている。この土間15の上面には、居住者が屋外へ出るために使用するサンダル等の履物16が置かれている。
20は、扉10の下端部屋外側に取り付けられた履物用庇である。この履物用庇20は、扉10の下端部から外方へ向かって斜め下方へ傾斜した天面板部21と、この天面板部21の先端から垂下した正面板部22と、天面板部21の両側端から垂下した一対の側面板部23、23とを備え、下面及び背面が開放した略箱形に形成されている。履物用庇20の内部空間は、土間15の上面に置かれた履物16を余裕を持って収容することが可能な大きさとなっている。なお、土間15の上面に履物16を置く位置を表示して、その表示位置に履物16を置くようにすることで、履物用庇20の大きさを抑えるようにしても良い。
そして、履物用庇20の両側面板部23、23の上端から立ち上がった取付板部24、24が、扉10の屋外側の面に形成したスリット26、26を貫通して、扉10の内部へ差し入れられている。取付板部24、24には、図3に示すように、横軸25、25が突設されており、この横軸25、25が扉10の内部に設けた図示しない軸受けに回転自在に支持されている。すなわち、履物用庇20は、その上端部が扉10の下端部に横軸25、25周りに回転自在に支持されている。
このようにして構成された履物用庇20は、扉10の勝手口閉塞時に扉10から屋外側へ張り出して土間15の上面に置かれた履物16を覆う使用姿勢(図1参照)と、扉10の勝手口開放時に扉10に沿うように跳ね上がる回避姿勢(図2参照)との間で切換可能となっている。
履物用庇20の姿勢を切り換えるための切換機構30は、扉10の内部に組み込まれている。この切換機構30は、図3乃至6に示すように、扉10に出没自在に取り付けられた一対の突起部材32、32と、これら突起部材32、32と履物用庇20の取付板部24、24とを連結する一対のリンク部材33、33とを備えている。
突起部材32は、扉10の屋内側の面に形成した挿通孔34に横向きに挿通されて、扉10の内部に固定した固定部材36と突起部材32との間に介装したバネ35によって、屋内方向へ付勢されている。
リンク部材33は、扉10の内部に回転自在に取り付けられたL型のアーム体40と、扉10の内部に上下動自在に取り付けられたスライド体41とを備えている。アーム体40は、そのコーナー部に横軸42が突設されており、この横軸42が扉10の内部に設けた図示しない軸受けに回転自在に支持されている。また、アーム体40の一端部及び他端部には、横向きのピン43、44が夫々突設されており、一端部のピン43が突起部材32に形成された縦向きの長孔45に移動自在に挿通され、他端部のピン44がスライド体41の上端部に形成された横向きの長孔46に移動自在に挿通されている。スライド体41の下端部には、横向きの長孔47が形成されており、この長孔47に履物用庇20の取付板部24、24に突設した横向きのピン48が移動自在に挿通されている。
次に、履物用庇20の姿勢切り換え動作について説明すると、まず扉10の勝手口閉塞時には、図4に示すように、突起部材32、32が扉枠12の縦枠材13、13に当接してバネ35、35の付勢力に抗して扉10の内部に格納されている。このとき、突起部材32、32にリンク部材33、33を介して連結された履物用庇20は、使用姿勢となっている。
この状態から扉10を開け始めると、図5に示すように、扉10が扉枠12から離間するに従って、突起部材32、32がバネ35、35の付勢力によって扉10の外部に徐々突出する。すると、この突起部材32、32の移動に連動して、リンク部材33、33が履物用庇20を横軸25、25周りに回転させて、履物用庇20が跳ね上がりを開始する。すなわち、突起部材32、32が屋内方向へ移動して突出すると、アーム体40、40の一端部のピン43、43が屋内方向へ押されて、アーム体40、40が横軸42、42を中心として反時計周りに回転する。これに伴って、アーム体40、40の他端部のピン44、44がスライド体41、41を下方へ押し込み、このスライド体41、41の下方への移動により履物用庇20の取付板部24、24のピン48、48が下方へ押し込まれて、履物用庇20が横軸25、25を中心として時計回りに回転して、履物用庇20が跳ね上がりを開始するようになっている。
扉10を開け進めて、突起部材32、32が扉枠12の縦枠材13、13から完全に離間すると、上記の履物用庇20の跳ね上がり動作がさらに進んで、図6に示すように、履物用庇20が回避姿勢となる。
扉10を閉めると、上記の履物用庇20の跳ね上がり動作とは逆に切換機構30が作動し、突起部材32、32が扉枠12の縦枠材13、13に当接してバネ35、35の付勢力に抗して扉10の内部に格納されることで、履物用庇20が使用姿勢に切り換わる。
このように、切換機構30は、扉10による勝手口11の開閉に伴って突起部材32、32を出没させて、この突起部材32、32の出没動作に連動して、リンク部材33、33によって履物用庇20を横軸25、25周りに回転させることで、履物用庇20を使用姿勢と回避姿勢と間で切り換えるようになっている。なお、扉10の厚みが薄くて、切換機構30の組み込み困難な場合には、図7に示すように、扉10の下端部屋外側に収容ケース50を設けて、この収容ケース50の内部空間と扉10の内部空間とを連通させて、この連通空間内に切換機構30を組み込むようにしても良い。
上記のような扉10を備え付けた勝手口11においては、次のような利点がある。すなわち、勝手口11を通って屋内から屋外へ出るときには、扉10を開けると、土間15上面に置いてある履物16を覆っていた履物用庇20が扉10とともに移動して、履物16が露出するので、そのまま履物16を履いて屋外へ出ることができる。このとき、履物用庇20は、使用姿勢から回避姿勢に切り換わって、先端部分(正面板部22)が上を向くように扉10に沿って跳ね上がり、扉10の下端部からの張り出し量が小さくなる。これにより、履物用庇20が邪魔にならず、勝手口11を十分に開放することができ、また履物用庇20が他部材と衝突して損傷するといった不具合も防止することができる。
勝手口11を通って屋外から屋内へ入るときには、扉10を開けて土間15の上面の所定位置に履物16を脱ぎ置いておけば、扉10を閉めるだけで履物用庇20が扉10とともに移動しながら回避姿勢から使用姿勢に切り換わって、履物16が履物用庇20によって覆われる。これにより、雨や雪、日差し等から履物16を保護することができる。
このように、扉10の下端部に履物用庇20を取り付けて履物16を雨や雪、日差し等から保護しながらも、扉10の開閉に支障きたすことなく、しかも履物16の着脱に際してしゃがみ込み等の面倒な動作を伴うことなく、勝手口11における出入りをスムーズに行うことができる。
この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態においては、勝手口を開閉する扉に履物用庇を備え付けた例を示したが、勝手口以外の出入口を開閉する扉に履物用庇を備え付けるようにしても良い。また、履物用庇の姿勢を切り換える切換機構としては、必ずしも上記のような突起部材とリンク部材とを備えたものである必要はなく、例えばセンサによって扉の開閉を検知して、駆動モータの駆動力によって履物用庇を回転させる構造のものであっても良い。
この発明の一実施形態に係る履物用庇の使用姿勢を示す斜視図である。 同じくその履物用庇の回避姿勢を示す斜視図である。 切換機構を示す斜視図である。 扉の勝手口閉塞時の状態を示す縦断面図である。 扉を僅かに開けたときの状態を示す縦断面図である。 扉の勝手口開放時の状態を示す縦断面図である。 扉の下端部屋外側に収容ケースを取り付けた状態を示す斜視図である。 従来の勝手口付近を示す図である。
符号の説明
10・・扉、11・・出入口(勝手口)、12・・扉枠、16・・履物、20・・履物用庇、25・・横軸、30・・切換機構、32・・突起部材、33・・リンク部材、35・・バネ

Claims (4)

  1. 建物出入口(11)を開閉する扉(10)の下端部に履物用庇(20)を取り付けて、この履物用庇(20)を、前記扉(10)の出入口閉塞時に前記扉(10)から屋外側へ張り出して前記出入口(11)の屋外側に置かれた履物(16)を覆う使用姿勢と、前記扉(10)の出入口開放時に前記扉(10)に沿うように跳ね上がる回避姿勢との間で切換可能としたことを特徴とする扉の履物用庇構造。
  2. 前記扉(10)の内部に、前記履物用庇(20)の姿勢を切り換えるための切換機構(30)を組み込むようにした請求項1記載の扉の履物用庇構造。
  3. 前記履物用庇(20)は、前記扉(10)の下端部に横軸(25)(25)周りに回転自在に支持され、前記切換機構(30)は、前記扉(10)に出没自在に取り付けられて、前記扉(10)の出入口閉塞時に扉枠(12)に当接して扉(10)内部に格納され、前記扉(10)の出入口開放時にバネ(35)(35)の付勢力によって扉(10)外部に突出する突起部材(32)(32)と、この突起部材(32)(32)の出没動作に連動して、前記突起部材(32)(32)の格納時に前記履物用庇(20)を使用姿勢とするとともに、前記突起部材(32)(32)の突出時に前記履物用庇(20)を回避姿勢とするように、前記履物用庇(20)を横軸(25)(25)周りに回転させるリンク部材(33)(33)とを備えている請求項2記載の扉の履物用庇構造。
  4. 前記扉(10)は、建物の勝手口(11)を開閉する勝手口用扉である請求項1乃至3のいずれかに記載の扉の履物用庇構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105421968A (zh) * 2015-08-14 2016-03-23 吉甫 一种多功能组合门

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