JP2008143741A - 鉄砒素化合物の製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】砒素含有液を安価な酸化剤を用いて処理することにより、結晶性が良好で砒素が溶出しにくいスコロダイト型の化合物であって、水分等による膨潤が少ないコンパクトな形の鉄砒素化合物が合成可能な技術を提供する。
【解決手段】砒素イオンと2価の鉄イオンを含む水溶液に酸化剤として酸素濃度20体積%以上の酸化性ガス(例えば空気)を添加して液を撹拌しながら銅イオン存在下で鉄砒素化合物の析出反応を進行させ、液のpHが1.2以下の範囲で析出を終了させる、鉄砒素化合物の製法。その際、析出反応開始前の水溶液(反応前液)において、Fe/Asモル比は0.9〜3とし、砒素濃度は20g/L以上とすることが好ましい。また、析出反応進行時の液中の銅濃度を0.7〜45g/Lとすることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は砒素を含む液を処理して砒素が溶出しにくい結晶性の鉄砒素化合物を得る方法に関する。
非鉄製錬においては、各種製錬中間物が発生したり、様々な形態の製錬原料となり得るものが存在する。これらの製錬中間物や製錬原料には有価金属が含まれているが、一方で砒素などの環境上好ましくない元素が含まれている。砒素の処理法としては、溶液中の砒素を、亜砒酸と鉄、カルシウムなどと組み合わせて砒素化合物中に固定する手法が提唱されている。その砒素化合物を沈殿生成させ、これを分離除去するためには、ろ過を行う必要があるが、その砒素化合物の状態によって、ろ過性が大きく左右される。砒素化合物がゲル状のときは、ろ過性は極めて悪くなり、工業的な処理が困難となる。つまり、生成される砒素化合物の状態は、砒素処理の生産性を左右する重要な因子となる。
沈殿除去された砒素化合物は保管または廃棄されるが、その化合物から砒素が再び溶け出す現象(溶出)が抑えられることも重要である。砒素の溶出量が少ない砒素化合物としてスコロダイト(FeAsO4・2H2O)の形態が知られている。したがって、ろ過に適したスコロダイトを形成させることにより、砒素の処理が飛躍的に改善される。しかしながら、産業界で発生する砒素含有溶液には、有価な金属やその他の元素が多元的に共存しており、そのような溶液からスコロダイトを形成させる技術は未だ確立されていない。
特開昭54−106590号公報
発明者は種々研究を進めることにより新たな砒素固定方法を開発し、特願2006−126896号などに提唱した。これらの技術によると、砒素含有液から砒素の溶出が少ないスコロダイト型の化合物を合成することが可能になった。しかしながら、これらの技術は工業的な実用化を図る上で更なる改善が望まれる。例えば、スコロダイトの生成反応に供するための砒素含有液として、砒素の濃度が非常に高い液を用意することが要求され、それには砒素含有液の前処理が必要になる。ところが実際には不純物を極限まで低減することは困難である。特にNaOH液で砒素だけを浸出させ、その後CaO置換をしてNaを除去したとしても、固液分離操作で固化物に付着しているNaOHが随伴する。そのために多量の洗浄水によって除去する手法が採用される。洗浄水の大量消費は資源保護や経済性の観点から好ましくない。一方、アルカリを使用することなく、酸の液側だけで処理を実施しようとすると、脱砒素反応の制御が難しく、結果的に結晶性の良いスコロダイトの沈殿物を安定して生成させることができなかった。
このような現状において、砒素含有液を処理することにより、結晶性が良好で砒素が溶出しにくいスコロダイト型の化合物であって、水分等による膨潤が少ないコンパクトな形の鉄砒素化合物が合成可能な手法の確立が強く望まれている。さらに、その処理においては、できるだけ安価な酸化剤が使用できることが、砒素の固定化事業を推進するうえで強く望まれるところである。本発明はそのような技術を提供しようというものである。
上記目的は、砒素イオンと2価の鉄イオンを含む水溶液に酸化剤として酸素濃度20体積%以上の酸化性ガスを添加して液を撹拌しながら銅イオン存在下で鉄砒素化合物の析出反応を進行させ、液のpHが1.2以下の範囲で析出を終了させる、鉄砒素化合物の製法によって達成される。その際、析出反応開始前の水溶液(反応前液)において、Fe/Asモル比は0.9〜3とし、砒素濃度は20g/L以上とすることが好ましい。また、析出反応進行時の液中の銅濃度を0.7〜45g/Lとすることが好ましい。前記酸化性ガスは、酸素を20体積%以上含み、酸化剤として機能するガスである。代表的には空気(大気)がそのまま使用できるが、酸素ガス(純酸素)を空気、窒素、不活性ガス等で稀釈したガスを用いてもよい。2価の鉄イオン源として硫酸塩を使用することができる。反応前液中にはナトリウム、カリウム、銅、亜鉛、マンガン、マグネシウムの1種以上が合計150g/L以下の濃度範囲で含まれていて構わない。なお、液が高温の状態でpHを測定することは必ずしも容易ではないため、高温液(例えば60℃超え)のpHは、その液からサンプリングした液の温度が60℃以下に降温した後に測定したpH値を採用することができる。
本発明によれば、砒素含有溶液から、砒素が極めて溶出しにくい結晶性の鉄砒素化合物を合成することができる。この鉄砒素化合物はろ過性が良く、工業的な生産が十分可能である。砒素の沈殿率も80%以上という高い値が得られ、95%以上といった高い沈殿率を得ることもpH(水素イオン指数)の最適化等の簡単な操作で可能となる。さらに、酸化剤として空気が使用できるため、酸素ガス等の工業生産物を使用する場合と比べ処理コストが大幅に低減される。したがって、本発明は産業界で発生する砒素含有液の処理に有用である。
砒素と鉄を含有する液から、沈殿析出反応によって鉄砒素化合物を生成させる際、その化合物に非晶質(アモルファス)のゲル状沈殿物が多く含まれると、ろ過性が非常に悪くなる。また非晶質は残渣のボリュームが非常に大きいため取扱いにくい。さらに、砒素の固定(溶出を抑止すること)も困難である。
発明者らは詳細な検討の結果、非晶質の沈殿物が生成するか結晶質のスコロダイト型沈殿物が生成するかの臨界的なpHは1.2であることを突き止めた。最終的にpH1.2以下の状態で液を十分に撹拌すれば、反応途中で生成した非晶質も一旦再溶解したのち結晶質として再析出し、結果的に結晶性の良い(すなわち非晶質の配合量が非常に少なく、ろ過が容易な)鉄砒素化合物が分離回収可能となる。この非晶質が再溶解し結晶質として再析出する過程を以下「コンバージョン過程」いうことがある。
砒素イオンと2価の鉄イオンを含む水溶液に酸化剤を作用させることにより鉄砒素化合物が析出する反応は、鉄イオン源として硫酸塩を使用する場合を例示すると、代表的には下記(1)式によって表される。
2H3AsO4+2FeSO4+1/2O2+3H2O → 2(FeAsO4・2H2O)+2H2SO4 ……(1)
この反応を進行させるには酸化剤として酸素ガス(純酸素)を直接使用することが効果的である。しかしながら、純酸素は、最近ではPSA(Pressure Swing Absorption)法によって効率よく製造できるようになってきたとはいえ高価である。純酸素をできるだけ有効利用するためには密閉容器中で反応を進行させることが有利であるが、そのような密閉容器としては、労働安全衛生法施行令に定められる第1種圧力容器に相当する高価な設備が必要となる。一方、大気開放下のオープン系で純酸素を使用する場合は、多量の純酸素を流し続ける必要がある。
発明者らは種々検討の結果、液中に銅イオンが存在する状況下では、酸化剤として空気を使用しても上記(1)式の析出反応を進行させることができ、かつ、純酸素を使用した場合と同様に砒素が極めて溶出しにくい鉄砒素化合物を合成することが可能になることを見出した。
酸化剤として空気を用いるということは、純酸素を使用したときと比べ、気液界面での酸素分圧が下がることを意味する。酸素分圧が下がれば、ヘンリーの法則に従って、液中に溶存する酸素量が低くなるのが一般的である。液中に溶存する酸素量が少なくなれば、通常、酸化の反応効率は低下する。そういう状態でも、溶存した酸素により鉄を素早く酸化させることができれば、上記(1)式の析出反応は進行する。酸素による鉄の酸化反応は下記(2)式のように表される。
2Fe2++1/2O2+2H+ → 2Fe3++H2O ……(2)
この酸化反応を進行させるには、活性化エネルギーの観点から、まず反応温度を高めることが考えられる。しかし、オープン系での操業によるコスト低減を狙う場合には、自ずと限界がある。100℃を超えるとオートクレーブ等の密閉容器を使用する必要が生じるからである。
そこで発明者らは、触媒作用がある物質によって活性化エネルギーのそのものを下げることを検討した。その結果、銅を使用することが極めて効果的であることを見出した。銅は触媒として作用し、以下の式による酸化還元作用をもたらすものと考えられる。
2Cu+1/2O2+2H+ ⇔ 2Cu++H2O ……(3)
(3)式のギブツの自由エネルギーΔG=−68.63KJ/mol(20℃)
2Cu++1/2O2+2H+ ⇔ 2Cu2++H2O ……(4)
(4)式のギブツの自由エネルギーΔG=−103.77KJ/mol(20℃)
2Cu+O2+4H+ ⇔ 2Cu2++2H2O ……(5)
(5)式のギブツの自由エネルギーΔG=−172.41KJ/mol(20℃)
自由エネルギーは活性化エネルギーそのものではないが、平衡になった場合に反応がどちらに進行するかの指標になるので併記した。
上記(3)〜(5)式のうち、特に(4)式の右向きおよび左向きの反応が繰返すことになる。単純にはCu2+になったところで(3)〜(5)式の反応は終了するが、そのCu2+がFe2+に対して酸化作用をもたらすのである。その反応は下記(6)式のように表される。
Cu2++Fe2+ → Cu++Fe3+ ……(6)
(6)式のギブツの自由エネルギーΔG=+58.61KJ/mol(20℃)
この反応は、ギブツの自由エネルギーから見ると、起こらないのが自然である。しかし、後述実施例で示すように、鉄砒素化合物の生成反応が起こっているので、(6)式の反応は部分的にせよ起こっていると推測される。
Fe2+がFe3+になれば、下記(7)式(すなわち上記(1)式)のようにの反応が進行する。
Fe3++AsO4 3-+2H2O → FeAsO4・2H2O ……(7)
(7)式のギブツの自由エネルギーΔG=−104.035KJ/mol(20℃)
酸化剤として純酸素ではなく空気を使用した場合には、Fe3+が素早く生成することがスコロダイト型鉄砒素化合物が生成するためのポイントになる。そのために本発明では触媒作用のある銅を使用し、(6)式の反応を利用するのである。また、Fe3+が素早く生成していると、酸化反応の進行が空気の供給量によって制御できる。このため、生成する鉄砒素化合物の粒子の大きさを粗大にするコントロールが可能になる。一気に酸化反応が進んでしまうと、核発生優位となり、微粒子の結晶または非晶質(アモルファス)しか出来なくなる。
本発明の鉄砒素化合物を得るための代表的なフローを図1に示す。
以下、本発明の製法をより詳細に説明する。
処理対象となる砒素含有液(被処理液)は、非鉄製錬等で発生する種々のものが使用できる。砒素の含有量は、後述の鉄塩を混合し、必要に応じてpH調整を終えた段階の「反応前液」において、砒素濃度20g/L以上、好ましくは30g/L以上とすることが可能な液であることが望ましい。砒素濃度が高い方が、処理する際に一度にできる砒素の処理量が増大するため生産性が向上する。また、砒素濃度に応じて、ろ過や連続処理の手法、および他の薬剤の添加量の制御をすればより効率的に処理可能となる。なお、砒素イオンは、溶液中において5価の砒素イオンであることが望ましい。すなわち、反応中に5価の砒素イオンが存在すればよいのであって、どのように存在させるかは酸化還元反応を利用するなど、適宜選択すればよい。
この砒素含有液(被処理液)に2価の鉄イオン供給源となる塩類を混合し、鉄砒素化合物の沈殿析出反応に供するための「反応前液」を調整する。塩類としては、硫酸塩、硝酸塩、塩化物のどれでも構わないが、経済的には硫酸塩が優れている。鉄塩は液体として混合してもよいし、固体物質として液中に添加して加熱撹拌中に溶解させてもよい。固体物質としての鉄塩は、例えば硫酸第1鉄7水和物などが一般的である。この物質はチタン製錬の副産物として多量に発生し、それをそのまま使用できるメリットがある。固体物質の鉄塩を水で溶解してから砒素含有液に混合することも可能であるが、その場合は反応前液中の砒素濃度が若干下がることを考慮に入れて、砒素濃度を調整しておく必要がある。反応中において、2価の鉄イオンが存在すればよいのであって、2価の鉄イオンの添加方法は、適宜選択すればよい。本発明では、低pHにおいて、酸化剤を供給することにより、2価の鉄イオンと5価の砒素イオンとを反応させる。
反応前液において砒素濃度は20g/L以上になっていることが望ましく、30g/L以上がより好ましい。また、40g/L以上、あるいは例えば50±10g/L程度に調整可能であれば、そのようにしてもよい。砒素濃度が高いことはpHが低いときの沈殿率向上に有効である。また砒素濃度は沈殿析出物の粒子径・比表面積に影響を及ぼし、洗浄性に優れた粗い粒子を得るためにも反応前液において砒素濃度20g/L以上を確保することが望ましい。砒素濃度があまり高くなると、反応前のpHが1.2を超える場合は、反応の初期に析出するゲル(非晶質物質)によって液が固まってしまう恐れがある。ただし、反応前pHを1.2以下に制御すれば、かなり高い砒素濃度とすることができる。発明者らの検討によれば、砒素以外の陽イオン金属塩の共存も考慮する必要があるが、オープン系で塩濃度140g/L(As=50g/L、Fe=50g/L、Zn=40g/L)、オートクレーブ系で180g/L(As=100g/L、Zn=80g/L)として成功した例がある。
反応前液における鉄と砒素の比率は、スコロダイト(FeAsO4・2H2O)のモル比に概ね等しいか、あるいは鉄を若干過剰にしておく。具体的にはFe/As比率はモル比で0.9〜3、望ましくは1〜2.5程度とすればよく、より好ましくは1.2〜1.6程度とするのがよい。1.5±0.2程度とすることが工程管理上かつ経済的にも好ましい。しかし、モル比は、鉄塩の供給の仕方でも変わる可能性があり、鉄塩のイオン分解の遊離性を検討し、適宜設定すればよい。
ここで、反応前液のpHを2.0以下とすることが好ましい。pHが2.0より高くても、反応が進行するとpHが低下するので、最終的にpHが1.2以下に下がれば、非晶質ゲルをコンバージョン過程によって結晶質のスコロダイトに変化させることが可能である。しかし、pHが高いと非晶質ゲルの生成量が多くなり、場合によっては撹拌が困難になるので、反応前pHを2.0以下とすることは極めて有効である。必要に応じてpHを調整するために酸を添加する。酸は 塩酸、硝酸、硫酸のどれを用いても構わない。添加した鉄塩から供給される陰イオンと同種の陰イオンを含む酸を使用することが、塩類の資源化を目指す観点からは好ましい。鉄塩として硫酸塩を用いる場合、硫酸によってpHを調整するのが通常である。
なお、反応によってpHが低下するのは、鉄塩として供給された鉄が酸化されスコロダイト(FeAsO4・2H2O)として析出する際、加水分解反応が同時に起こるためである。例えば鉄塩が硫酸鉄の場合だと、前記(1)式のように加水分解反応で硫酸H2SO4が生成し、この酸によってpHが低下する。
本発明では鉄砒素反応を生じさせる際に、銅イオンを共存させる。銅イオンの供給源となる銅含有物質は、反応前液中に存在させておいても構わないし、酸化剤を添加し始めてから液中に投入しても構わない。銅含有物質の合計添加量は、銅濃度にして0.7g/L以上、好ましくは0.8g/L以上の銅イオンが供給される量を確保することが望ましい。本発明では酸化剤として酸素濃度20体積%以上の酸化性ガス(例えば空気)を使用するので、純酸素を使用する場合と異なり、銅イオンの濃度が低すぎると、最終的に得られる鉄砒素化合物の結晶は表面が荒れた形態のものとなって、砒素の不溶出化が不十分となりやすい。一方、過剰の銅添加は、鉄砒素化合物への銅の付着量が多くなり、有価金属としての銅の回収率が低下するので好ましくない。したがって、銅含有物質の添加量は、銅濃度にして45g/L以下とすることが望ましく、25g/L以下、15g/L以下あるいは5g/L以下に制限しても構わない。
銅含有物質としては、タンパン(CuSO4・5H2O)、酸化銅(CuO)、銅粉などが使用できる。銅粉の場合は、反応の初期にはほとんど溶解しないが、鉄と砒素の反応が生じると鉄の加水分解も同時に起こり酸が発生する(上記(1)式参照)。その酸および酸化剤として添加している酸化性ガスによる酸化作用によって銅が浸出し、溶液中に銅イオンが存在するようになる。酸化銅や銅粉を添加する場合は、反応によって生じた遊離酸を中和・消費する効果があり、若干ながら砒素、鉄の沈殿率が向上する。
反応前液中には、その他の元素として、本発明の効果を阻害しない範囲で種々の元素の混入が許容される。例えば、ナトリウム、カリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウムの1種以上を合計約150g/L以下の濃度で含んでいて構わない。この場合、砒素、鉄、ナトリウム、カリウム、銅、亜鉛、マンガン、マグネシウム以外の金属元素の混入が排除されるわけではないが、それらは極少量(不可避的不純物レベル)であることが望ましい。
鉄と砒素の化合物が生成する反応は、例えば前記(1)式のように、砒素の鉄共沈反応であると考えられる。この反応は概ね50℃以上で進行する。粒子の大きさを制御して粗大化させるという観点では70℃以上とすることが好ましく、90℃以上が一層好ましい。100℃以下であれば大気圧下のオープンタンクで反応させることができる。オートクレーブなどの密閉耐熱容器を用いて100℃を超える温度で反応させても構わない。経済的には100℃以下のオープンタンク系の反応が好まれる。雰囲気の圧力に応じて最適温度を求めればよい。
この反応には酸化剤が必要である。本発明では、純酸素をそのまま使用する必要はなく、例えば空気(大気)を使用することができる。あるいは、純酸素を空気、窒素、不活性ガス等で稀釈した酸化性ガスを使用してもよい。鉄と砒素の沈殿析出反応を進行させるには液を撹拌する必要がある。反応が進むと液はスラリーとなるので、強撹拌することが望ましい。析出反応の終了時点はpHあるいはORPの挙動をモニターすることで判断でき、空気を酸化剤に使用する場合だと、通常、3〜4時間以上の反応時間を確保する必要がある。pHが1.2以下に低下するか、あるいはORPが400mV以上に上昇した時点で、概ね反応の約80%が終了したと考えられる。ただし、コンバージョン過程を利用した結晶化・熟成を十分に行わせるためには、5〜7時間以上の反応時間(熟成時間を含む)を確保することが望ましい。この熟成を終了するまで撹拌を継続する。反応中において、初期のpHは1.2を超えていてもよいが、その場合は反応の途中からはpHが1.2以下の状態で析出反応を進行させる。そして、最終的にpH1.2以下の状態で反応を終了させることが肝要である。なお、pHが1より小さい領域では、強酸性のため他の不純物の影響をより受けにくくなり、析出反応に一層適した状態となる。酸化性ガスからなる酸化剤の添加方法は、連続的または間欠的に、吹き込みまたはバブリングより行うことができる。
ここで、反応後の液(熟成を終えたスラリー)のpH(これを本明細書では「反応後pH」と呼んでいる)は、前述のように1.2以下になっている必要がある。これよりpHが高いと非晶質が多量に残留する。反応後pHは1.16以下であることがより好ましく、1.0以下であること、あるいはさらに1.0より小さいことが一層好ましい。反応後pHは0以下でも構わないが、あまりpHが低くなると鉄砒素化合物の沈殿率が低下する傾向があるので、反応後pHは−0.1以上とすることが望ましい。
反応後の液は固液分離される。固液分離の方法はフィルタープレス、遠心分離、デカンターなどどれでも構わない。固液分離によって発生した后液には、銅の他、極少量であるが未反応の砒素、鉄や、加水分解で生じた酸(硫酸など)が存在する。これらは製錬工程内で酸を含む液として再利用される。もちろん砒素を作製するための溶解液としても再利用できる。
固液分離された固形分は、砒素濃度を高めたものでは粒子が粗く水分が少ないので、ろ過性、洗浄性に優れる。固形分に付着している若干量の未反応液を除去するために洗浄を行う。この洗浄は、例えばフィルタープレス、ベルトフィルター、遠心分離機などで追加水をケーキ内に貫通させるようにして行うと、少ない水の量で効率的に付着液を除去することができる。リパルプ洗浄を行なう場合は、カウンターカレント式で洗浄すれば効率的である。
洗浄された固形分は、砒素がおよそ30〜32質量%、鉄がおよそ23〜25質量%、残りは酸化物としての酸素、水素からなる化合物を主体としたものである。銅は、この化合物に少量付着しているが、ほとんどが后液中に残る。この鉄砒素化合物はスコロダイト型の結晶であり、砒素の溶出が顕著に抑止され、極めて減容されており、保管や廃棄に有用である。また、他の砒素を利用する産業において原料となる可能性がある。
《比較例1》
出発原料として、精製した砒素含有液(5価)を用いた(後述の比較例2、3、実施例1において同じ)。その組成を表1に示す。鉄塩は、試薬(和光純薬工業社製)の硫酸第1鉄・7水和物FeSO4・7H2Oを用いた。
これらの物質と純水を混合して、砒素濃度50.13g/L、鉄濃度56.00g/Lの砒素・鉄含有液0.7Lを調製した。この液を容量2Lのガラス製ビーカーに移し、2段タービン撹拌羽根・邪魔板4枚をセットし、回転数1000rpmで強撹拌しながら95℃になるよう加熱し、これを「反応前液」とした。この時点で液をごく少量サンプリングし、そのサンプル液を60℃に冷却したのち、液のpH、ORPを測定した。pHはガラス電極、ORPはAg/AgCl電極を用いて測定した。反応前液のpHは1.02であった。測定後の液は反応容器へ戻した。
この反応前液を95℃に保持したまま、撹拌しながら酸化性ガスとして空気(酸素濃度の測定値は20.9体積%であった)を容器内に吹き込んだ。ガス流量は1.0L/minとした。ガス吹き込み開始から7時間、撹拌状態、温度、ガス流量を保持した。途中、1時間毎に液をサンプリングしpH、ORPを測定した。測定後の液は容器へ戻した。7時間経過時点で最後に測定したpH値を反応後pHとする。
反応が終わった液(溶液・析出物の混合スラリー)の温度が70℃に低下したのち、ろ過面積0.01m2のアドバンテック製(東洋ろ紙株式会社)加圧ろ過器(型番:KST−142)を用いてろ過(固液分離)した。ろ過に当たって加圧ガスとして空気を使用し、加圧力(ゲージ圧)は0.4MPaにした。そのときのろ過時間を測定することで単位面積あたりのろ過速度を求めた。ろ過した后液は滴定による酸濃度(FA=Free Acid)の測定および組成分析に供した。ろ過した固形分はウェットケーキであり、これをパルプ濃度100g/Lで純水で1時間リパルプ洗浄したのち再びろ過した。リパルプ洗浄時の撹拌強度は2段タービンディスク、500rpm、邪魔板4枚にして行なった。ろ過温度は30℃とした。ろ過時間は上記のろ過とほぼ同じであった。
洗浄・ろ過の終わった固形分を60℃で18時間乾燥した。乾燥前後の重量を測定することで水分値を算出した。乾燥した固形分は「洗浄1回目」の試料として組成分析、溶出試験、粒度分布計による粒径測定、N2ガス吸着法(BET法)による比表面積測定、比重測定、圧縮密度測定、XRDによる回折パターン測定、電子顕微鏡による結晶粒子の形状観察を実施した。
溶出試験は環境庁告示13号に準拠した方法で行った。すなわち、固形分とpH=5の水を1対10の割合で混合し、しんとう機で6時間しんとうさせた後、固液分離して、ろ過した液を組成分析した。我が国では、この試験による砒素の溶出基準は0.3mg/Lと定められている。
粒度分布計による粒径の測定は、堀場製作所製のLA−500を用いた。
BET測定は、ユアサアイオニクス製モノソーブを用いてBE1点法による方法で行なった。
比重測定は、Beckman式比重測定で行なった。
圧縮密度は、1トン成形による固形分のかさ密度を測定した。
X線回折パターンの測定は、リガクRINT−2500を用いて、Cu−Kα、管電圧40kV、管電流300mA、走査速度0.01°/sec、走査角度2θ=5°から85°、シンチレーションカウンター使用の条件で行った。
電子顕微鏡観察は、日立製作所製S−4500、FE−SEM(電界放射型SEM)を用いて、加速電圧を5kVと低くして行なった。
さらに固形分については、洗浄を繰返す操作を実施した。一部の固形分は上述したように分析評価で使用したため、残っているサンプルを用いて行なった。湿量基準(WBと略記)で100gに対し水を1リットルになるように水を加えてリパルプ洗浄を行なった。撹拌は2段タービンディスク、500rpm、邪魔板4枚にして行なった。洗浄時間は1時間、温度は30℃とした。洗浄が終了した後、再びろ過した。ろ過後のウェットケーキを約20g分取して時計皿に取り、60℃で18時間乾燥させた。得られた乾燥試料を「洗浄2回目」の試料として、上記と同様の手法で溶出試験に供した。
残りのウェットケーキをさらに洗浄した。固体(WB)と純水の比率は1対10とした。上記と同様の方法で洗浄後、乾燥まで実施した。得られた乾燥試料を「洗浄3回目」の試料として、上記と同様の手法で溶出試験に供した。
試験条件および結果を表2〜5に示す。
得られた固形分は水分値が10%以下と非常に低く砒素品位が30%を超えるものが得られた。つまり非常にコンパクトな形で砒素を析出させることができた。この物質は平均粒子径は約21μmであり、BET値は0.77m2/gと非常に小さいことから、粗い粒子からなるものである。X線回折パターンから、この物質は結晶質のスコロダイトであることを確認された。SEMによる形状観察では粗い結晶粒子が観察された。しかしながら、溶出試験の結果、洗浄1回目で砒素の溶出量は溶出基準の0.3mg/Lを超えた。ただ、し、洗浄3回目で溶出基準を下回ることから、砒素の溶出が少ない鉄砒素化合物が得られたことが分かる。
《比較例2》
比較例1と同様の操作を実施した。ただし、追加試薬としてNa2SO4(和光純薬製)をナトリウム濃度が40g/Lになるように添加し、反応前液を調整した。反応前pHは1.14であった。
試験条件および結果を表2〜5に示す。
得られた固形分は水分値が10%以下と非常に低く砒素品位が30%を超えるものが得られた。つまり非常にコンパクトな形で砒素を析出させることができた。この物質は平均粒子径は約11μmであり、BET値は0.32m2/gと非常に小さいことから、粗い粒子からなるものである。X線回折パターンから、この物質は結晶質のスコロダイトであることを確認された。SEMによる形状観察では粗い結晶粒子が観察された。しかしながら、溶出試験の結果、洗浄1回目で砒素の溶出量は12.6mg/Lであり、溶出基準の0.3mg/Lを大きく超えた。
《比較例3》
比較例1と同様の操作を実施した。ただし、追加試薬としてZnSO4・7H2O(和光純薬工業社製)を亜鉛濃度が40g/Lになるように添加し、反応前液を調整した。反応前pHは0.92であった。
試験条件および結果を表2〜5に示す。
得られた固形分は水分値が10%以下と非常に低く砒素品位が30%を超えるものが得られた。つまり非常にコンパクトな形で砒素を析出させることができた。この物質は平均粒子径は約19μmであり、BET値は0.23m2/gと非常に小さいことから、粗い粒子からなるものである。X線回折パターンから、この物質は結晶質のスコロダイトであることを確認された。SEMによる形状観察では粗い結晶粒子が観察された。しかしながら、溶出試験の結果、洗浄1回目で砒素の溶出量は0.73mg/Lであり、溶出基準の0.3mg/Lを超えた。この場合、洗浄3回目でも溶出基準を下回る鉄砒素化合物は得られなかった。
《実施例1》
比較例1と同様の操作を実施した。ただし、追加試薬としてCuSO4・5H2O(和光純薬製)を銅濃度が40g/Lになるように添加し、反応前液を調整した。液量が0.7Lであるから、CuSO4・5H2Oの添加量は110gである。反応前pHは0.84であった。
試験条件および結果を表2〜5に示す。
得られた固形分は水分値が10%以下と非常に低く砒素品位が30%を超えるものが得られた。つまり非常にコンパクトな形で砒素を析出させることができた。この物質は平均粒子径は約8μmであり、BET値は0.37m2/gと非常に小さいことから、粗い粒子からなるものである。X線回折パターンから、この物質は結晶質のスコロダイトであることを確認された。SEMによる形状観察では粗い結晶粒子が観察された。溶出試験の結果、洗浄1回目で砒素の溶出量は0.01mg/L未満と、ほとんど砒素は溶出せず、溶出基準の0.3mg/Lを十分にクリアする鉄砒素化合物が得られた。反応前液の銅濃度が40g/Lと比較的高かったにもかかわらず、この固形分中の銅品位は1.93%と低く、銅のほとんどは后液中に残ることが確認された。
《比較例4》
次に、銅の添加量を種々変化させた場合の実験結果を例示する(比較例4、実施例2〜5)。これらの例では、試薬の5価砒素液(和光純薬工業社製)500g/Lを稀釈した砒素含有液を出発原料として用いた。それ以外は、実施例1と同様条件とした。
比較例4では、CuSO4・5H2O(和光純薬工業社製)を銅濃度が0.5g/Lになるように添加し、反応前液を調整した。液量が0.7Lであるから、CuSO4・5H2Oの添加量は1.38gである。反応前pHは1.14であった。
試験条件および結果を表6〜9に示す。
得られた固形分は水分値が10%以下と非常に低く砒素品位が30%を超えるものが得られた。つまり非常にコンパクトな形で砒素を析出させることができた。この物質は平均粒子径は約32μmであり、BET値は0.23m2/gと非常に小さいことから、粗い粒子からなるものである。X線回折パターンから、この物質は結晶質のスコロダイトであることを確認された。SEMによる形状観察では粗い結晶粒子が観察された。ただし、粒子の表面は荒れたような状態であった。溶出試験の結果、洗浄1回目で砒素の溶出量は0.55mg/Lであり、溶出基準の0.3mg/Lを超えた。この場合、洗浄3回目でも溶出基準を下回る鉄砒素化合物は得られなかった。さらに洗浄を繰り返すと溶出基準を下回る鉄砒素化合物が得られると考えられるが、過剰の洗浄は工業的な実施を考慮すると好ましくない。
《実施例2》
比較例4と同様の操作を実施した。ただし、CuSO4・5H2O(和光純薬工業社製)を銅濃度が1.0g/Lになるように添加し、反応前液を調整した。液量が0.7Lであるから、CuSO4・5H2Oの添加量は2.75gである。反応前pHは1.12であった。
試験条件および結果を表6〜9に示す。
得られた固形分は水分値は10.66%と非常に低く砒素品位が30%を超えるものが得られた。つまり非常にコンパクトな形で砒素を析出させることができた。この物質は平均粒子径は約14μmであり、BET値は0.34m2/gと非常に小さいことから、粗い粒子からなるものである。X線回折パターンから、この物質は結晶質のスコロダイトであることを確認された。SEMによる形状観察では粗い結晶粒子が観察された。溶出試験の結果、洗浄1回目で砒素の溶出量は0.07mg/Lであり、溶出基準の0.3mg/Lを十分にクリアした。
《実施例3》
比較例4と同様の操作を実施した。ただし、CuSO4・5H2O(和光純薬工業社製)を銅濃度が5.0g/Lになるように添加し、反応前液を調整した。液量が0.7Lであるから、CuSO4・5H2Oの添加量は13.75gである。反応前pHは1.03であった。
試験条件および結果を表6〜9に示す。
得られた固形分は水分値は10.92%と非常に低く砒素品位が30%を超えるものが得られた。つまり非常にコンパクトな形で砒素を析出させることができた。この物質は平均粒子径は約12μmであり、BET値は0.49m2/gと非常に小さいことから、粗い粒子からなるものである。X線回折パターンから、この物質は結晶質のスコロダイトであることを確認された。SEMによる形状観察では粗い結晶粒子が観察された。溶出試験の結果、洗浄1回目で砒素の溶出量は0.05mg/Lであり、溶出基準の0.3mg/Lを十分にクリアした。
《実施例4》
比較例4と同様の操作を実施した。ただし、CuSO4・5H2O(和光純薬工業社製)を銅濃度が10.0g/Lになるように添加し、反応前液を調整した。液量が0.7Lであるから、CuSO4・5H2Oの添加量は27.5gである。反応前pHは1.09であった。
試験条件および結果を表6〜9に示す。
得られた固形分は水分値は7.42%と非常に低く砒素品位が30%を超えるものが得られた。つまり非常にコンパクトな形で砒素を析出させることができた。この物質は平均粒子径は約26μmであり、BET値は0.22m2/gと非常に小さいことから、粗い粒子からなるものである。X線回折パターンから、この物質は結晶質のスコロダイトであることを確認された。SEMによる形状観察では粗い結晶粒子が観察された。溶出試験の結果、洗浄1回目で砒素の溶出量は0.08mg/Lであり、溶出基準の0.3mg/Lを十分にクリアした。
《実施例5》
比較例4と同様の操作を実施した。ただし、CuSO4・5H2O(和光純薬工業社製)を銅濃度が20.0g/Lになるように添加し、反応前液を調整した。液量が0.7Lであるから、CuSO4・5H2Oの添加量は55gである。反応前pHは0.89であった。
試験条件および結果を表6〜9に示す。
得られた固形分は水分値は7.87%と非常に低く砒素品位が30%を超えるものが得られた。つまり非常にコンパクトな形で砒素を析出させることができた。この物質は平均粒子径は約12μmであり、BET値は0.34m2/gと非常に小さいことから、粗い粒子からなるものである。X線回折パターンから、この物質は結晶質のスコロダイトであることを確認された。SEMによる形状観察では粗い結晶粒子が観察された。溶出試験の結果、洗浄1回目で砒素の溶出量は0.01mg/Lであり、溶出基準の0.3mg/Lを十分にクリアした。
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本発明の鉄砒素化合物を得るための代表的なフローを示した図。

Claims (5)

  1. 砒素イオンと2価の鉄イオンを含む水溶液に酸素濃度20体積%以上の酸化性ガスを添加して液を撹拌しながら銅濃度0.7g/L以上の銅イオン存在下で鉄砒素化合物の析出反応を進行させ、液のpHが1.2以下の範囲で析出を終了させる、鉄砒素化合物の製法。
  2. 砒素イオンと2価の鉄イオンを含み、そのFe/Asモル比が0.9〜3である水溶液に酸素濃度20体積%以上の酸化性ガスを添加して液を撹拌し、銅濃度0.7〜45g/Lの銅イオン存在下で鉄砒素化合物の析出反応を進行させ、液のpHが1.2以下の範囲で析出を終了させる、鉄砒素化合物の製法。
  3. 析出反応開始前の水溶液(反応前液)の砒素濃度が20g/L以上である請求項1または2に記載の鉄砒素化合物の製法。
  4. 前記酸化性ガスは空気である請求項1〜3のいずれかに記載の鉄砒素化合物の製法。
  5. 2価の鉄イオン源として硫酸塩を使用する請求項1〜4のいずれかに記載の鉄砒素化合物の製法。
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