JP2008131883A - 伸縮式竿 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 元竿1の竿軸線方向における中間位置に、元竿1に竿径が急拡大する急拡径部分7Cを形成する。元竿1における急拡径部分7Cと急拡径部分7Cより竿元側に位置する弾性保持体3との間に、弾性保持体3の嵌合突起3bの保持内周面より大径の大径中間部分を備え、大径中間部分の内周面に熱収縮チューブ8を装着してある。
【選択図】 図1
Description
これら両方の要求を満たすものとして、元竿の竿軸線方向における中間位置に、前記元竿の他の部位に比べて竿元側ほど竿径が急拡大する急拡径部分を形成するものがあった(特許文献1参照)。
このような構成によって、元竿の握り部として十分な握り径を確保しながら、元上等の中竿径を細い径にすることができるのである。
そうすると、急拡径部分より竿元側に位置する大径中間部分は、竿先側内嵌面及び竿元側内嵌面より大径である一方、その元竿の竿先側内嵌面及び竿元側内嵌面と同一径である元上の竿元側外嵌面の外径は、大径中間部分の内面径に対してかなり小さなものであり、元竿の大径中間部分の内周面と元上の竿元側外嵌面との間に、大きな間隙が形成されることとなる。
このような元上と元竿との関係において、元上を元竿から咄嗟に伸長状態に切り換えた場合には、元上の竿元端部が急に拘束状態から解放されることとなる。その上に、釣り人が、元竿が元上を保持する保持力に抗する操作力で元上を引き抜いた勢いとが加わって、元上が元竿に対して大きな芯ズレ状態を起こし、元上の竿元側外嵌部の外周面が元竿の大径中間部分の内面に衝撃的に当接することがある。
このような場合には、衝撃音が発生し元竿を持つ釣り人の手にその衝撃力が伝わり、釣り人が違和感を感じることがある。
請求項1に係る発明の特徴構成は、前記大径竿体の竿軸線方向における中間位置に、前記大径竿体の他の部位に比べて竿元側ほど竿径が急拡大する急拡径部分を形成するとともに、前記大径竿体における前記急拡径部分と前記急拡径部分より竿元側に位置する前記竿元側内嵌面との間に、前記竿元側内嵌面より大径の大径中間部分を備え、前記大径中間部分の内周面に弾性帯状体を装着してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
大径竿体に急拡径部分を設けてある。これによって、大径竿体の握り部の径を釣り人の握り易い径に設定しながら、元上や他の中竿等の小径竿体の径を細くでき、持ち重り感の少ない軽量な釣り竿を維持することができる。
このような大径竿体の形態を維持しながら、大径中間部分の内周面に弾性帯状体を装着してあるので、その部分に元上の竿元側外嵌部の外周面が衝撃的に当接しても、弾性帯状体がその衝撃力を吸収し、衝撃音の発生、及び、振動の発生を抑制できる。
したがって、大径竿体を持つ釣り人は違和感を感じることなく、小径竿体の伸縮操作が可能である。
しかも、そのための改造が大径中間部分に弾性帯状体を設けるだけであり、製造面、及び、コスト面でも有用なものである。そして、大径中間部分に設けるものが、帯状のものであるので、取扱いが容易であり、大径中間部分に装着するのも容易に行える。
つまり、弾性帯状体が大径中間部分の内周面より突出している場合には、小径竿体が大径竿体に対して大きな芯ズレを起こしていない場合であっても、小径竿体の竿元側外嵌部が弾性帯状体に接触する機会が多くなり、その接触によって弾性帯状体が剥がれ易くなる。これに対して、上記構成においては、弾性帯状体が大径中間部分の内周面より突出していないので、大径竿体内に収納される小径竿体が多少芯ズレを起こしても、小径竿体の竿元側外嵌部が弾性帯状体に接触する機会を少なくすることができる。
そして、小径竿体が大きな芯ズレを起こして、弾性帯状体に衝撃的に当接しても、弾性帯状体は大径中間部分の肉厚内に埋め込まれた状態にあるので、軸線方向に沿った方向に移動が規制されており、剥がれ難くなっている。
小径竿体を大径竿体内に収納保持するのに、大径竿体とは別個の部材である弾性保持体を設けることによって、大径竿体とは関係なく、弾性保持体に要求される寸法、及び、小径竿体の竿元側外嵌面を保持するに必要な嵌合寸法等を製作し易い。
しかも、弾性保持体の磨耗損傷によりメインテナンスを行う場合にも、大径竿体とは別個に行うことができるので、それだけ、メインテナンス作業も容易である。
プリプレグシートをマンドレルに巻回して竿素材を形成するに先立って、弾性帯状体をマンドレルに巻回した後にプリプレグシートを巻回する製造方法を採った。このことによって、竿体を形成した後に弾性帯状体をその内部空間内に装入装着するといった難しい製造方法を採る必要がない。
しかも、このような製造方法を採ることによって、プリプレグシートをマンドレルに巻回した後に焼成する際に、プリプレグシートを構成する樹脂が軟化する時期に、樹脂と弾性帯状体とが強固に接着することとなるところから、弾性帯状体を竿体に装着する為の接着工程を必要としない。
弾性保持体3に使用する材料としては、ABS、ジュラコン等の熱可塑性樹脂、または、二トリルゴムやクロロプレンゴム等が使用でき、その他、軟性樹脂等が使用可能である。そして、傾斜面3c表面の部分に、弾性保持体3とは異なる材料の二トリルゴム、クロロプレンゴム等をライニングしてもよく、弾性材を表面に吹き付ける等によって表面のみに弾性を設けるものであってもよい。
又は、3つのプリプレグシートを重ね合わせてマンドレル7に巻回する。
この巻回したものを、図示してはいないが、マンドレル7とともに焼成炉において焼成し、焼成後マンドレル7を脱芯し、焼成後の竿素材を所定長さに裁断し、研磨処理を行って竿体を形成する。
弾性帯状体としては、耐熱性の高いテフロン製等の弾性フィルム8を使用する。具体的には、テフロン製の熱収縮チューブを使用してもよい。また、弾性を有する熱可塑性樹脂シートによる弾性シートであってもよい。この場合の熱可塑性樹脂シートは元竿のプリプレグに使用の樹脂と相容等し、硬化の際密着するものであることが必要で、スチレン系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム等の熱可塑性樹脂フィルムによるものである。
細幅のプリプレグテープをメインパターン6A等の上から、或いは、メインパターン同士の間に挟みこむ状態で巻回する構成を採ってもよい。
(1) 元竿1の大径中間部分に弾性フィルム8を設けたが、弾性フィルム8以外に柔軟性のある樹脂のテープ、又は、ゴム等を使用してもよく、これらを総称して弾性帯状体という。
(2) 元上2の竿元側外嵌部2Bを嵌合するのに、弾性保持体3を元竿1内に設けたが、元竿1内に、樹脂塗料を膨出形成して、弾性保持体3の代わりに機能するものを導入してもよい。ここに、弾性保持体3と樹脂塗料を膨出形成したもの等を総称して、大径竿体の竿元側内嵌面という。
(3) 元竿1と元上2とで伸縮する構造を構成したが、他の中竿同士で伸縮構造を構築してもよい。
1B 急拡径部分
2 元上(小径竿体)
3 弾性保持体
7 マンドレル
8 熱収縮チューブ(弾性帯状体)
Claims (4)
- 小径竿体の竿元側外嵌面を大径竿体の竿先側内嵌面に嵌合させることにより、前記小径竿体を前記大径竿体より引き出した伸長状態に保持するともに、前記小径竿体の竿元側外嵌面を前記大径竿体の竿元側内嵌面に嵌合させることにより、前記小径竿体を前記大径竿体内に収納した収縮状態に保持する伸縮式竿であって、
前記大径竿体の竿軸線方向における中間位置に、前記大径竿体の他の部位に比べて竿元側ほど竿径が急拡大する急拡径部分を形成するとともに、前記大径竿体における前記急拡径部分と前記急拡径部分より竿元側に位置する前記竿元側内嵌面との間に、前記竿元側内嵌面より大径の大径中間部分を備え、前記大径中間部分の内周面に弾性帯状体を装着してある伸縮式竿。 - 前記弾性帯状体が前記大径中間部分の肉厚内に入り込み、弾性帯状体の内周面と前記大径中間部分の内周面とが面一状態になっている請求項1記載の伸縮式竿。
- 前記大径竿体の竿元側内周面に弾性保持体を装着し、前記弾性保持体の保持内周面で前記小径竿体の竿元側外嵌面を保持すべく構成してある請求項1または2記載の伸縮式竿。
- 請求項1から3のうちいずれか一つに記載の弾性帯状体をマンドレルに巻回した状態で、強化繊維に樹脂を含浸させて形成したプリプレグシートを前記弾性帯状体の上から巻回し、巻回したプリプレグシートと前記弾性帯状体とをマンドレルとともに焼成し、焼成後仕上処理を施して、前記弾性帯状体を備えた竿体を製造する竿体の製造方法。
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2006
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