JP2008128853A - コンクリート強度試験用供試体及び供試体製造用型枠 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 円柱形状のコンクリート本体に、その上端及び下端に上蓋及び下蓋を固定すると共にインサートを埋設し、中央部にドーナツ板を固持してなる供試体及び筒状の上部枠体と下部枠体とを両枠体の間に型枠の外径とほぼ同一の外径を有するドーナツ板を挟持して一体化し、上部型枠の上端及び下部型枠の下端に上蓋及び下蓋を固定すると共にインサートを支持してなる型枠である。
本発明によって成形された供試体は、どの強度性状試験にも適用でき、即ち、同一形状の供試体を用いて簡便に試験が可能となり、標準試験方法に代わる試験法を提供出来る。
【選択図】 図1
Description
しかし、コンクリートの高耐久性が求められている現状において、個々のコンクリート強度性状を把握することはきわめて重要であり、また、これらの強度性状を簡易に求めることが望まれている。
(1)円柱形状のコンクリート本体に、その上端及び下端に上蓋及び下蓋を固定すると共にインサートを埋設し、中央部にドーナツ板を固持してなる供試体であって、上蓋はコンクリート本体とほぼ同径の側枠と、中央にインサートに設けた螺子孔と連通する案内孔を有する支持板と、側枠と支持板で囲まれた開口部を形成し、下蓋はコンクリート本体とほぼ同径の側枠と、中央にインサートに設けた螺子孔と連通する案内孔を有する下面板からなりドーナツ板は外径をコンクリート本体の外径と同一か、わずかに大きくした金属板からなることを特徴とするコンクリート強度試験用の供試体であり、
(2)上記ドーナツ板はその外径がコンクリート本体の外径の1.00〜1.05倍、内径をコンクリート本体径の0.75〜0.85倍とした金属板とするのが好ましく、
(3)上記上蓋及び下蓋の側枠はその内径がコンクリート本体の外径と同一であることが好ましい。
(4)筒状の上部枠と下部枠とを両枠の間に型枠の外径とほぼ同一の外径を有するドーナツ板を挟持して一体化し、上部枠の上端及び下部枠の下端に上蓋及び下蓋を固定すると共にインサートを支持してなる型枠であって、上蓋は型枠と同径の側枠と、中央にインサートに設けた螺子孔と連通する案内孔を有する支持板と、側枠と支持板で囲まれたコンクリートを注入する開口部を形成し、下蓋は型枠と同径の側板と、中央にインサートに設けた螺子孔と連通する案内孔を有する下面板からなり、この上蓋及び下蓋には案内孔を通したボルトをインサートに設けた螺子孔に螺合してインサートを固定してなることを特徴とするコンクリート強度試験用供試体を製造するための型枠であり、
(5)上記ドーナツ板はその外径を型枠の外径とほぼ同一とし、内径を型枠の内径の0.75〜0.85倍とした金属板とするのが好ましく、
(6)上記筒状の上部枠と下部枠に紙管を用いることが好ましい。
(7)また、本発明の型枠は上部枠と上蓋、下部枠と下蓋、ドーナツ板を介した上部枠と下部枠とをそれぞれ接着バンドを用いて固定し型枠を一体形成することが出来る。
図1は本発明供試体の斜視図であり,図2は図1のX−X‘断面図である。供試体Aは円柱状のコンクリート本体1で形成され、該コンクリート本体1の上端面及び下端面には、上蓋2と下蓋3を固定すると共に、中央部分にドーナツ板4を固着し一体化している。
内径をコンクリート本体外径の0.75〜0.85倍としたのは供試体の破壊性状を考慮して決めた。
上蓋及び下蓋を構成する材料は特に限定しないが、金属であればよく、鉄を用いるのが一般的である。
インサートはコンクリート本体に埋設されており、その上端は上蓋、下蓋の案内孔24,34周面に接面し、螺子孔51と案内孔が連通している。
図7は上記図6(b)に示す部材を組立てて接着部材、例えば接着テープ9で固定して組み立てた型枠Bの斜視図であり、コンクリートを上蓋の開口部23より注入し、必要あれば振動を与えながら十分に充填する。組立てた部材の固定には接着テープに限らず、バンドや開閉可能な機械的手段を用いることが出来る。
型枠の材質は特に限定しないが、紙製パイプを用いることにより、水中養生期にふやけ脱型が容易になると共に環境にやさしい配慮が出来る。
養生は水中に限らず他の方法、例えば蒸気中でも行うことができる。
図において、三角印は支点、矢印は載荷方向を示す。
供試体として、JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)に規定されている方法に用いられる、直径Φ100mm×高さh200mmの円柱状コンクリート本体を作製した。この供試体を作製する型枠は外径105mm、内径100mm、長さ100mmの紙製パイプを上枠7及び下枠8として用い、図7に示すように、この枠(パイプ)7,8を上下に配置して、接続部を粘着テープ9で固定した。接続部には鋼製ドーナツ板4を挿入した。ドーナツ板の寸法は厚さ1.0mm、外径105mm、内径は70mm、75mm、80mm及び85mmの4種類のものを用い、コンクリート断面積減少による破壊形状の影響を試験した。
枠体を紙製パイプとしたのは、水中養生期間中に紙パイプがふやけて簡単に脱枠できること、紙パイプはリサイクルが比較的容易に行え、環境にも優しいことに配慮したからである。
なお、試験法によってはインサートなしのものを用いてもよい。
引張り強度試験は供試体両端部に埋設したインサート5にアイボルトを装着し、試験機冶具の吊りリングで連結した。連結部は何れも自由連結であることから、載荷は常時供試体断面の中心部に作用する。したがって、偏心載荷を未然に防ぐことができる。
引張り断面は、ドーナツ板4が挿入してある供試体高さの1/2部のコンクリート断面減少部で必ず破断する。
曲げ強度試験は、支点間距離を150mmとして曲げ載荷を行った。載荷方法は、供試体中心部に挿入したドーナツ板の鋼製円板が、型枠脱枠によって、コンクリート供試体外円周に沿って突出した部分を載荷することによって、曲げ載荷試験とした。
せん断強度試験は、支点間距離はドーナツ板厚の1mmとした。載荷は、曲げ試験と同様にドーナツ板を載荷することによって、せん断試験とした。
本試験において、圧縮強度試験はJISに規定されている標準試験法に基づいて実施した。また、せん断強度試験には比較法として一般的な試験法、即ち円柱形供試体にノッチを入れたものを用いて試験した。
されて下方に極僅かにずれ、円柱コンクリート供試体が押し切り状態となって破壊しており、破壊の状況を明らかに知ることが出来た。
B:型枠
1:コンクリート本体
2:上蓋
21:側枠
22:支持板
23:開口部
24:案内孔
3:下蓋
31:側枠
32:下面板
34:案内孔
4:ドーナツ板
5:インサート
51;螺子孔
6:支持ボルト
7:上部枠
8:下部枠
9:接着テープ
Claims (7)
- 円柱形状のコンクリート本体に、その上端及び下端に上蓋及び下蓋を固定すると共にインサートを埋設し、中央部にドーナツ板を固持してなる供試体であって、上蓋はコンクリート本体とほぼ同径の側枠と、中央にインサートに設けた螺子孔と連通する案内孔を有する支持板と、側枠と支持板で囲まれた開口部を形成し、下蓋はコンクリート本体とほぼ同径の側枠と、中央にインサートに設けた螺子孔と連通する案内孔を有する下面板からなり、ドーナツ板は外径をコンクリート本体の外径と同一か、それよりわずかに大きくした金属板からなることを特徴とするコンクリート強度試験用の供試体。
- ドーナツ板はその外径がコンクリート本体の外径の1.00〜1.05倍、内径をコンクリート本体の外径の0.75〜0.85倍とした金属板からなる請求項1に記載のコンクリート強度試験用の供試体。
- 上蓋及び下蓋の側枠はその内径がコンクリート本体の外径と同一である請求項1に記載のコンクリート強度試験の供試体。
- 筒状の上部枠と下部枠とを両枠の間に型枠の外径とほぼ同一の外径を有するドーナツ板を挟持して一体化し、上部枠の上端及び下部枠の下端に上蓋及び下蓋を固定すると共に各蓋にインサートを支持してなる型枠であって、上蓋は型枠と同径の側枠と、中央にインサートに設けた螺子孔と連通する案内孔を有する支持板と、側枠と支持板で囲まれたコンクリートを注入する開口部を形成し、下蓋は型枠と同径の側板と、中央にインサートに設けた螺子孔と連通する案内孔を有する下面板からなり、この上蓋及び下蓋には案内孔を通したボルトをインサートに設けた螺子孔に螺合してインサートを固定してなることを特徴とするコンクリート強度試験用供試体の製造用型枠。
- ドーナツ板はその外径を型枠の外径とほぼ同一とし、内径を型枠の内径の0.75〜0.85倍とした金属板からなる請求項4に記載のコンクリート強度試験用供試体の製造用型枠。
- 筒状の上部枠と下部枠が紙管である請求項4に記載のコンクリート強度試験用供試体の製造用型枠。
- 上部枠と上蓋、下部枠と下蓋、ドーナツ板を介した上部枠と下部枠とをそれぞれ接着バンドで固定してなる請求項4に記載のコンクリート強度試験用供試体の製造用型枠。
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