JP2008127960A - 外壁面材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外壁面材1の表面には擬似目地20が縦横方向に形成されており、これらによって略矩形状に区画されたレンガ面10を有する凹凸パターンが形成されている。擬似目地20は、略一定幅の底面21と、底面21の左右両側の辺から斜めに立ち上がる側面22と、を備える。側面22と底面21とのなす角度は一定ではなく、不規則になるように形成されており、1枚の外壁面材1の表面に、複数種類の傾斜角の側面22が混在している。これにより、外壁面材1の表面に異なる幅の擬似目地20が混在するので、外壁面材1間の接合目地30の目地幅のばらつきや目地位置のずれが目立たなくなる。
【選択図】図1
Description
また、従来から、外壁面材パネルの表面に様々な凹凸模様を付したものが用いられている。例えば、ブロック、レンガ、タイル、石材などにより仕上げられたように見せるために、レンガ、タイル等を模した凸形状部と、溝状部(擬似目地)とを所定の配列で並べて模様を形成したパネル材が用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、外壁面材の取付精度は下地材や構造躯体の施工精度に左右され、精度を向上させるのが困難な場合もある。また、施工後の目地ずれの調整は非常に困難である。従って、パネル間の目地ずれや、目地幅寸法のばらつきをなくすのは困難であった。
しかしながら、特許文献1のように擬似目地を含んだ模様のパネルでは、擬似目地が工場等で均一な寸法に形成されているために、それらとの対比によってパネル間目地の寸法精度の悪さが余計に目立ってしまい、より施工精度を向上させないと外観意匠性が悪くなるという問題点を解消することはできなかった。
しかしながら、溝の位置をずらしたり幅を変えたりする不規則な模様は製造に手間がかかり、特にGRC(ガラス繊維強化コンクリート)などの繊維強化コンクリート板では、ブロック部分や溝の幅を細かく変えた複雑なパターンは製造しにくいという問題点があった。また、このように不規則な模様とすると模様の繰り返し単位寸法が大きくなり、デザイン段階での模様合わせの調整が困難になったり、建築板の種類数が増えて部品管理が大変になるという問題点があった。
従って、本発明の外壁面材では、その表面に外観(幅、陰影)の異なる溝(擬似目地)が複数種類混在しているので、外壁面材と周囲の部材との間の目地に寸法のばらつきがあったり、目地位置がずれて目地が通っていない箇所があっても、そのことが擬似目地との対比によって目立ってしまうことがない。よって、外観意匠性が施工精度に左右されず、より施工が容易となる。
また、側壁面の傾斜角を変えて溝の開口部の幅のみが異なるようにしているため、溝底部の幅を変えるのに比べて、より製造及び管理が容易になっている。
このように同じ外壁面材を並べて取り付けた構成では、一般に外壁面材の模様の規則性が強調されて、外壁面材間の目地寸法のばらつきが目立ちやすい。しかしながら、本発明では、上述のように外壁面材の模様(凹凸パターン)中に、すでに寸法が異なる溝(擬似目地)が混在しているので、外壁面材間の目地寸法のばらつきが目立ちにくい。従って、外観意匠性が施工精度に左右されず、より施工が容易となる。
また、本発明において、前記溝の底面と前記仕上面との段差が15mm以上となるように形成されていると好適である。
また、本発明の外壁面材は、より具体的には、ガラス繊維強化コンクリートから形成することができる。
○ 本発明の外壁面材は、その表面に複数の溝が形成されており、それらは底面に対する傾きが異なる複数種類の側壁面を含んで形成されている。このようにすると、外壁面材の表面に外観(幅、陰影)の異なる溝(擬似目地)を複数種類混在させることができる。従って、外壁面材と周囲の部材との間の目地に目地幅のばらつきや目地位置がずれて目地が通っていない箇所があっても、そのことが擬似目地との対比によって目立つことがない。よって、外観意匠性が施工精度に左右されず、より施工が容易となる。
○ 本発明の外壁面材は、底面に対する傾きが異なる側壁面を略等しい比率で含むので、外観(幅、陰影)の異なる溝(擬似目地)が外壁面材の模様の中に適度に混在し、より一層目地寸法のばらつき及び目地位置のずれが目立ちにくくなっている。
図1〜図5は本発明の外壁面材の一実施形態を示すものであり、図1は外壁面材の正面図、図2は外壁面材の縦断面図(図1のA−A断面図)、図3は外壁面材の部分拡大断面図(図2の領域Bの拡大図)、図4、図5は外壁面に取り付けられた外壁面材の正面図である。
本例の外壁面材1は、図1に示すように、所定の幅及び高さの略矩形状の板状部材であり、GRC(Glass Fiber Reinforced Cement)板、すなわち、ガラス繊維強化コンクリート製の板状部材からなる。なお、外壁面材1として、軽量コンクリート板、普通コンクリート板などの板状部材を用いてもよいが、曲げ強度の高い薄板材を得られる等の面から、GRC板を用いることが好ましい。又は、炭素繊維、スチール繊維等の他の繊維材料を用いた強化コンクリート板を用いてもよい。
また、同一の段に並ぶレンガ面10の高さ寸法(短辺方向の幅)は略同一とされている。一方、各段の高さ寸法は同一ではなく、複数種類の高さの段が混在している。すなわち、レンガ面10の高さ寸法として複数種類の高さ寸法が用いられている。
図3において破線で示した輪郭線Xは、不規則な凹凸が形成されたレンガ面10が最大限突出した場合の輪郭線である。この輪郭線Xからの擬似目地20の溝の深さ(図2、図3における寸法D1)は略一定とされている。また、擬似目地20の底面21の幅(図2、図3における寸法D2)も略一定とされている。
外壁面材1の表面におけるこれらの複数種類の傾斜角の側面22の配置は、適宜設定することができる。例えば、複数種類の傾斜角を全くランダムに配置してもよく、また、擬似的にランダムに見えるような所定の配置とすることもできる。
横目地20Aの側面22の傾斜角には3種類の角度を用いており、この3種類の角度の側面22が、1枚の外壁面材1の表面に略等しい比率で含まれている。図1において、横目地20Aに含まれる3種類の傾斜角の配置を、それぞれ記号▲、◇、◎で示している。
また、擬似目地20の寸法は、図3に示すように、底面21の幅(寸法d1)が10mm、擬似目地20の深さ(寸法D1)が15mmに設定されている。一方、側面22の傾斜角(図3に示す角度R)は、横目地20Aについては、64度、74度、82度の3種類とされている。上述の記号▲、◇、◎は、それぞれ傾斜角が64度、74度、82度の側面22の配置を示す。
なお、異なる傾斜角を4種類以上混在させて用いてもよく、また、64度、74度、82度とは異なる傾斜角を用いてもよい。
外壁面材1間の接合目地30は、精度良く接合された場合には略一定の目地幅となるが、工場での取付精度や現場施工精度のばらつきにより、その目地幅寸法にばらつきが生じたり、目地の通り具合が異なってくる場合がある。接合目地30の目地幅寸法にばらつきがあると、通常はその箇所が目立ってしまい、外壁の外観意匠性が低下する。
また、このような効果は、擬似目地20の溝の深さ(寸法D1)が浅いとあまり効果を得ることができないが、本例のように、擬似目地20の溝の深さ(寸法D1)を15mm以上とした場合には十分効果的に発揮されることが、試作により確認されている。
また、本例では側面22の傾斜角を変えることにより、底面21の幅は一定としながら、擬似目地20の開口部の幅のみが異なるようにしている。側面22の傾斜角を変えることは、GRC板のような繊維強化コンクリート板の製造においては、底面21の幅を変えるよりも容易である。よって、より製造及び管理が容易になっている。
10‥‥レンガ面
20‥‥擬似目地
20A‥横目地
20B‥縦目地
21‥‥底面
22‥‥側面
30,40‥‥接合目地
d1、d2、D1、D2、L1、L2‥‥寸法
R‥‥角度
W1〜W8‥寸法
X‥‥輪郭線
Claims (8)
- 複数の溝と、該溝によって区画された仕上面と、を有する凹凸パターンが表面に形成され、前記凹凸パターンは、前記複数の溝の各々の底面から前記仕上面に向かって立ち上がる複数の側壁面を有して形成され、該複数の側壁面には、前記底面に対する傾斜角が異なる複数種類の側壁面が含まれることを特徴とする外壁面材。
- 隣り合う外壁面材との間に所定幅の目地が形成されることを特徴とする請求項1に記載の外壁面材。
- 前記溝は横溝からなることを特徴とする請求項1に記載の外壁面材。
- 前記溝は横溝と縦溝からなり、前記仕上面は、前記横溝及び前記縦溝によってレンガまたはタイルを模した形状に区画されることを特徴とする請求項1に記載の外壁面材。
- 前記凹凸パターンは、前記底面に対する傾斜角が異なる側壁面を略等しい比率で含むことを特徴とする請求項1に記載の外壁面材。
- 前記複数種類の側壁面には、前記傾斜角が64度、74度、82度、の3種類の少なくともいずれかの側壁面が含まれることを特徴とする請求項1に記載の外壁面材。
- 前記溝の底面と前記仕上面との段差が15mm以上となるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の外壁面材。
- ガラス繊維強化コンクリートから形成されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の外壁面材。
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