JP2008126528A - インクジェット記録装置、および記録ヘッドの回復動作条件設定方法 - Google Patents

インクジェット記録装置、および記録ヘッドの回復動作条件設定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】湿度センサを備えることなく、記録ヘッド近傍の環境湿度を考慮して記録ヘッドの回復動作条件を最適に設定することができるインクジェット記録装置、および記録ヘッドの回復動作条件設定方法を提供すること。
【解決手段】記録ヘッド近傍の環境湿度と関連する日時情報を取得し、その日時情報から記録ヘッド近傍の環境湿度を推定する。そして、その推定した環境湿度を考慮して、記録ヘッドに対する吸引回復動作および予備吐出動作などの回復動作条件を設定する。
【選択図】図11

Description

本発明は、インクを吐出可能な記録ヘッドを用いて画像を記録するためのインクジェット記録装置、および、その記録ヘッドのインクの吐出状態を良好に維持するための回復動作の条件を設定するための記録ヘッドの回復動作条件設定方法に関するものである。
記録装置としては、例えば、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、あるいは、コンピューターやワードプロセッサ等を含む複合型電子機器、およびワークステーションなどの出力機器として用いられる記録装置などがある。このような記録装置は、画像情報(文字情報等を含む)に基づいて、用紙やプラスチック薄板等の被記録媒体に画像(文字等を含む)を記録するように構成されている。
このような記録装置は、記録方式によって、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム式等に分けることができる。インクジェット式の記録装置(インクジェット記録装置)は、記録手段(記録ヘッド)から被記録媒体にインクを吐出して記録を行うものである。このインクジェット式の記録装置は、他の記録方式のものに比べて、記録画像の高精細化および記録速度の高速化が容易であり、しかも静粛性に優れかつ安価であるという優れた特徴を有する。インクジェット記録装置は、記録速度の向上のために、一般に、複数の記録素子が集積配列された記録ヘッドとして、インク吐出部を構成するインク吐出口および液路を複数集積したものが用いられる。さらにインクジェット記録装置は、カラー画像を記録するために、複数個の記録ヘッドを備える構成が一般的である。
また、一般のインクジェット記録装置には、高品位な画像を安定して記録するために、記録ヘッドにおけるインクの吐出状態を安定させるための各種の回復処理を行う回復機構が備えられている。
記録ヘッドは、インク吐出口からインクを吐出して画像を形成する。そのため、インク吐出口の近傍において、インク溶剤の蒸発などによるインクの増粘、あるいは固着が発生しやすく、そのためにインクが正常に吐出されなくなって、高品位な画像が出力できなくなるおそれがある。このようなインク吐出口近傍におけるインクの増粘や固着による画像劣化を防止するために、画像の記録に寄与しないインクをインク吐出口からキャップ内に吐出(予備吐出)が行なわれる。この予備吐出によって、記録ヘッドにインクの吐出不良が発生する前に、インク吐出口近傍における増粘あるいは固着したインクがインク吐出口から排除される。さらに、このキャップは、記録ヘッドにおけるインク吐出口の列全体を覆う構成となっており、キャップがインク吐出口の形成面を覆うことによってインク中の水分の蒸発が防止される。このような予備吐出によってインク吐出口から吐出されるインクは、廃インクとして後述する廃インク収容体に吸収される。
また、記録動作中に使用されないインク吐出口(不使用インク吐出口)からのインク溶剤の蒸発などによって、そのインク吐出口におけるインクが増粘することを防止するために、記録動作中にもインクの予備吐出が行なわれる。
他の回復機構としては、上記のキャップに接続された吸引ポンプを用いる吸引回復機構がある。この機構は、記録ヘッドのインクの目詰り現象等が生じるおそれがあるときに、この吸引ポンプを作動させてキャップ内に負圧を発生させる。これにより、記録ヘッドに目詰りするおそれがあるインクや付着したゴミ等をキャップ内に吸い出して、記録ヘッドにおけるインクの吐出状態を良好に維持する。記録ヘッドのインク吐出口から吸引した廃インクは、廃インク収容体に排出される。
廃インク収容体は、インク収容体を含む廃インクの収容手段であり、上述した予備吐出や吸引回復によって排出される廃インクを吸収して、記録装置の本体内が汚されないように廃インクを保持する。
従来の記録装置としては、記録ヘッドの使用環境条件として温度を検出し、その検出した環境温度に基づいて記録ヘッドの回復処理の実行条件を設定するものがある。
しかしながら従来の記録装置は、記録ヘッド近傍の環境温度以外の環境条件を考慮せずに、記録ヘッドの回復処理の実行条件を設定するため、必要以上に回復処理を実行するおそれがある。つまり、記録ヘッドにおけるインクの吐出状態を安定させるために、記録ヘッド近傍の環境温度のみから想定される最悪の環境を見込んで回復処理の実行条件が設定されることになり、必要以上に回復処理を実行して、インクを無駄に消費するおそれがあった。
例えば、記録動作中におけるインクの予備吐出は、インク溶剤の蒸発などによるインクの増粘が発生しにくい湿度70%以上の高湿環境下においては、7.5秒毎に、インク滴を15発吐出するように行われる。しかし、溶剤の蒸発量が多くてインクの増粘が発生しやすい湿度40%未満の低湿環境下においては、記録動作中におけるインクの予備吐出は、2.5秒毎に、インク滴を15発吐出するように行わなければならない。このように、周囲の湿度環境に応じて必要な予備吐出の頻度は異なるものの、従来は、環境温度に応じて予備吐出の頻度を設定するため、最もインクの増粘が発生しやすい低湿環境を見込んで予備吐出の頻度を決定しなければならなかった。その低湿環境時における予備吐出の頻度は、高湿環境時の3倍となる。そのため高湿環境時においては、インクや時間を必要量の3倍も消費することになる。
吸引回復処理は、インク吐出口からのインクの吸引排出によって目詰まりを解消する処理である。例えば、温度30℃以上の高温環境下においては、インク粘度の低下によってインクの吸引が容易となり、また供給されるインクをインク吐出口に充填しやすくなる。そのため、例えば、温度30℃以上の高温環境下においては、記録ヘッドのインク吐出口からインクを吸引する必要量は0.10[g]となる。しかし、温度15℃未満の低温環境下では、インク粘度の上昇によってインクの吸引が困難になり、また供給されるインクをインク吐出口に充填しにくくなるため、インクの吸引量を0.16[g]と増量しなければならなくなる。仮に、温度に拘わらずインクの吸引量を一律に設定する場合には、その吸引量は、最もインクの粘度が上がってインクを吸引しにくい状況を見込んで0.16[g]と決定されることになる。この場合には、高温環境時においては、インクが0.06[g]余分に消費されることになる。
また、廃インク収容体からのインクの蒸発率(単位時間当たりの蒸発量)は、湿度70%以上の高湿環境下では、インク溶剤が蒸発しにくいために100[mg/h]となる。しかし湿度40%未満の低湿環境下では、インク溶剤が蒸発しやすいために、廃インク収容体に保持されたインクの蒸発率(単位時間当たりの蒸発量)は200[mg/h]となる。このように、周囲の湿度環境によって、廃インク収容体に保持されたインクの蒸発率が異なるため、廃インク収容体に保持されたインクの蒸発率は、最もインク溶剤が蒸発しにくい高湿環境を見込んで100[mg/h]と決定されている。これは、低湿環境時の1/2倍の蒸発量であり、たとえ低湿環境であってもインクを1/2倍しか蒸発していない設定となる。
また、記録速度の高速化や記録画像の高解像度化に伴って、インク吐出口列を形成するインク吐出口の数の増加、および吐出するインク滴の小液滴化が進んでいる。そのため、インク予備吐出動作や吸引回復動作などの回復動作によって排出されるインク量が増加する傾向にある。さらに、記録装置本体の小型化やコストダウンにより、廃インク収容体の体積も削減される傾向にある。
ところで仮に、記録ヘッドの置かれる環境条件を検出するために、記録装置内部に、温度センサに加えて新たに湿度センサを設けた場合には、新たな湿度センサを設けることにより、記録装置のコストアップや記録装置本体のサイズアップを招くおそれがある。
本発明の目的は、湿度センサを備えることなく、記録ヘッド近傍の環境湿度を考慮して記録ヘッドの回復動作条件を最適に設定することができるインクジェット記録装置、および記録ヘッドの回復動作条件設定方法を提供することにある。
本発明のインクジェット記録装置は、インク吐出口からインクを吐出可能な記録ヘッドを用いて被記録媒体に画像を記録し、かつ前記記録ヘッドのインクの吐出状態を良好に維持するための回復動作を行なうインクジェット記録装置において、前記記録ヘッド近傍の環境温度を検出するための温度検出手段と、前記記録ヘッド近傍の環境湿度の影響と関連する関連情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって取得した前記関連情報から、前記記録ヘッド近傍の環境湿度を推定する推定手段と、前記温度検出手段によって検出された前記環境温度と、前記推定手段によって推定された前記環境湿度と、に基づいて、前記回復動作の条件を設定する設定手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の記録ヘッドの回復動作条件設定方法は、インクを吐出可能な記録ヘッドに対して、インクの吐出状態を良好に維持するための回復動作の条件を設定する記録ヘッドの回復動作条件設定方法であって、前記記録ヘッド近傍の環境温度を検出する温度検出工程と、前記記録ヘッド近傍の環境湿度と関連する関連情報を取得する情報取得工程と、前記情報取得工程によって取得した前記関連情報から、前記記録ヘッド近傍の環境湿度を推定する推定工程と、前記温度検出工程によって検出された前記環境温度と、前記推定工程によって推定された前記環境湿度と、に基づいて、前記回復動作の条件を設定する設定工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、記録ヘッド近傍の環境湿度と関連する関連情報から、記録ヘッド近傍の環境湿度を推定することにより、記録装置に湿度センサを備えることなく、記録ヘッド近傍の環境湿度を考慮して記録ヘッドの回復動作条件を最適に設定することができる。この結果、コストアップや記録装置本体のサイズアップを招くことなく、環境状況に応じて記録ヘッドの回復動作条件を最適に設定することができ、必要以上の回復動作によるインクの無駄な消費を抑制することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明を適用可能なインクジェット記録装置における記録部の構成例を説明するための斜視図である。
図1において、101は4つのインクカートリッジであり、これらは、4色のカラーインク、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローをそれぞれ収容するインクタンクと、それらのインクを吐出可能な記録ヘッド102と、より構成されている。図2は、この記録ヘッド102に複数配列されているインク吐出口201をZ方向から見た図である。この図2のインク吐出口201の列は、4色のインク毎に形成されている。103は紙送りローラであり、拍車104と共に被記録媒体Pを抑えながら矢印方向に回転することにより、被記録媒体Pを矢印Yの副走査方向に間欠的に搬送する。105は給紙ローラであり、被記録媒体Pの給紙を行うと共に、紙送りローラ103および拍車104と同様に、被記録媒体Pを抑える役割も果たす。106は、4つのインクカートリッジ101を搭載可能なキャリッジであり、記録走査時には、それらのインクカートリッジ101と共に矢印Xの主走査方向に移動する。キャリッジ106は、記録を行っていないとき、あるいは記録ヘッド102の回復処理などを行うときには、図中点線のホームポジションhの位置にて待機する。
記録ヘッド102としては種々のインクジェット記録ヘッドを用いることができ、例えば、インクの吐出エネルギー発生手段として、電気熱変換体(ヒータ)やピエゾ素子などを備えたものであってもよい。電気熱変換体を用いる記録ヘッド102の場合には、その電気熱変換体の発熱によってインクを発泡させ、その発泡エネルギーを利用して、インク吐出口201からインクを吐出させることができる。本例における記録ヘッド102は、インクの吐出エネルギー発生手段として電気熱変換体を備えている。
キャリッジ106は、記録開始前にはホームポジションhに位置している。そして、記録開始命令を受けることにより、インクカートリッジ101と共にキャリッジ106が矢印Xの主走査方向に移動しつつ、記録ヘッド102がインク吐出口201からインクを吐出することによって、被記録媒体P上に画像を記録する。被記録媒体Pの図1中右側の端部(ホームポジションhとは反対側に位置する被記録媒体Pの端部)までの画像の記録が終了すると、キャリッジ106は元のホームポジションhに戻ってから、再びX方向への記録走査を繰り返す。このように、キャリッジ106が+X方向に移動するときにのみ記録を行う方式は、片方記録方式である。高速記録を行う場合には、双方向記録方式によって、キャリッジ106が+X方向の往路方向と−X方向の復路方向の両方の移動時に記録を行うことができる。また、往路方向と復路方向の記録動作において、インク色毎に対応するインク吐出口列から吐出される4色のインク滴の着弾位置、つまり4色のインクによるドットの形成位置にずれが生じるおそれがある。その場合には、そのずれを補正するために、ドットの形成位置の調整(レジ調整)を行うことが知られている。
ホームポジションhには、記録ヘッドにおけるインクの吐出状態を良好に維持するための回復処理機構107が備えられている。この回復処理機構107によって、後述するような予備吐出、吸引回復、およびキャッピングなどの回復処理が可能となる。
図3は、図1のインクジェット記録装置における制御系のブロック構成図である。
本例の制御系は、ソフト系処理手段とハード系処理手段とに大別できる。ソフト系処理手段は、メインバスライン305に対してアクセスする画像入力部303と、そのアクセスに対応する画像信号処理部304および中央制御部CPU300を含む。ハード系処理手段は、操作部306、回復系制御回路307、ヘッド温度制御回路314、ヘッド駆動制御回路315、キャリッジ駆動制御回路316、および紙送り制御回路317を含む。キャリッジ駆動制御回路316は、主走査方向におけるキャリッジの106の移動を制御し、紙送り制御回路317は、副走査方向における被記録媒体Pの搬送を制御する。さらに、本例の制御系は、インクジェット記録装置本体の時間を管理する時刻処理部319を備えている。
CPU300は、ROM(読み出し専用メモリ)301と、RAM(任意のアドレスにアクセスできるメモリ)302と、EEPROM(電気的消却プログラム可能型読み取り専用メモリ)318と、を備えている。このCPU300は、入力情報に応じた適正な記録条件を与えて、記録ヘッド102を駆動して記録を行う。RAM302内には、予め記録ヘッド102の回復処理を実行するためのプログラムが格納されており、必要に応じて、予備吐出等の回復処理の実行条件を回復系制御回路307、記録ヘッド102、および保温ヒータ313等に与える。保温ヒータ313は、ヘッド温度制御回路314によって制御されることにより、発熱して記録ヘッド102を保温する。
回復処理機構107には、記録ヘッド102と対向離間するクリーニングブレード309、キャップ310、および吸引ポンプ311が備えられており、これらは回復系モータ308によって駆動される。
前述したように、インク吐出口201の近傍におけるインクの増粘や固着による画像劣化を防止するために、画像の記録に寄与しないインクをインク吐出口201からキャップ310内に吐出(予備吐出)が行なわれる。さらに、このキャップ310は、記録ヘッド102におけるインク吐出口201の列全体を覆う構成となっており、キャップ310がインク吐出口201の形成面を覆うことによって、つまりキャッピングすることによって、インク中の水分の蒸発が防止される。このような予備吐出によってインク吐出口201から吐出されるインクは、廃インクとして廃インク収容体に吸収される。また、記録動作中に使用されないインク吐出口(不使用インク吐出口)からのインク溶剤の蒸発などによって、そのインク吐出口におけるインクが増粘することを防止するために、記録動作中にもインクの予備吐出が行なわれる。
吸引ポンプ311はキャップ310に接続されており、前述したような吸引回復処理において負圧を発生する。すなわち、記録ヘッド102のインクの目詰り現象等が生じるおそれがあるときに、この吸引ポンプ311を作動させてキャップ310内に負圧を発生させる。これにより、記録ヘッド102に目詰りするおそれがあるインクや付着したゴミ等をキャップ310内に吸い出して、記録ヘッド102におけるインクの吐出状態を良好に維持する。記録ヘッド102のインク吐出口201から吸引排出した廃インクは、廃インク収容体に排出される。吸引ポンプ311としては、チューブポンプやピストンポンプなどが用いられる。チューブポンプは、チューブをローラでしごいた際に、チューブ自身の復元力によって負圧を発生させる。またピストンポンプは、固定的に設けられたシリンダの内部にてピストンを往復動作させることにより、シリンダ内に負圧を発生させる。
ブレード309は、記録ヘッド102におけるインク吐出口201の形成面をワイピングすることによって、その形成面に付着したインクや異物などを除去する。また廃インク収容体は、インク収容体を含む廃インクの収容手段であり、上述した予備吐出や吸引回復動作によって排出される廃インクを吸収して、記録装置の本体内が汚されないように廃インクを保持する。
廃インク収容体に保持された廃インクの量は、廃インクカウンタによって管理することができる。例えば、廃インク吸収体に排出されてから比較的時間が経過した廃インク量に関しては蒸発量を考慮し、廃インクカウンタとして非蒸発分カウンタと蒸発分カウンタとを用いる。この場合には、廃インク吸収体に排出されてからの経過時間に応じて、廃インク量を非蒸発分カウンタと蒸発分カウンタとに振り分けて管理する。そして、回復処理を行う前に、これら2つのカウンタのカウンタ値の和である総廃インク量をチェックする。また、蒸発の影響を考慮すべき所定時間が経過したときには、そのときにインク収容体に残存する廃インク量に基づいて、蒸発分カウンタのカウント値を更新する。
ヘッド駆動制御回路315は、記録ヘッド102を駆動制御するものであり、画像の記録動作、および予備吐出のために、記録ヘッド102からインクを吐出させる。本例の記録ヘッド102のように、電気熱変換体を用いてインクを吐出する場合には、その電気熱変換体を駆動することによってインクが吐出されることになる。
このような構成のインクジェット記録装置の出荷時には、内部電池320に日時時刻を設定し、時刻処理部319によって時刻を管理する。本例の場合、その時刻の分解能は1分である。本例の記録ヘッド102においては、インク吐出用の電気熱変換体が設けられている基板に、保温ヒータ313が備えられている。その保温ヒータ313をヘッド温度制御回路314によって制御することにより、記録ヘッド102内のインク温度を所望の設定温度に加熱調整することができる。また、保温ヒータ313と同様に、電気熱変換体が設けられている基板にはダイオードセンサ312が備えられている。このダイオードセンサ312は、記録ヘッド102の内部の実質的なインク温度を測定するためのものである。保温ヒータ313およびダイオードセンサ312は、記録ヘッド102の基板ではなく、記録ヘッド102の周囲近傍等、記録ヘッド102の外部に備えてもよい。
また記録装置には、記録ヘッド102の実際の環境温度を検出するための温度検出手段321が備えられている。この温度検出手段321としては、ダイオードセンサ等の種々のセンサを用いることができ、また、記録装置の内部や記録ヘッド102の近傍位置に配置することができる。また、この温度検出手段321は、ダイオードセンサ312の機能をも兼有した1つのセンサによって構成することもできる。また温度検出手段321は、記録装置に接続されるホスト装置、または記録装置に備わる操作部から入力された情報に基づいて、記録ヘッド102の環境温度を間接的に検出するものであってもよい。
本例の記録ヘッド102は、インク色毎に対応するインク吐出口列が図2のように形成されており、4色のカラーインクを吐出するために、このようなインク吐出口列が4つ形成されている。図2のインク吐出口列は、4色のカラーインクの内のブラックインクを吐出するためのものである。本例の場合、それぞれのインク吐出口列におけるインク吐出口201の数は128、間隔Pは1/600インチであり、矢印Xの主走査方向における記録画素の密度が600dpi(ドット/インチ)になるように構成されている。また、インク吐出口201からのインクの吐出量は、1滴当たり約2.5pl(ピコリットル)である。このインク滴を安定して吐出するために、インク滴を連続的に吐出するときの吐出周波数(駆動周波数)は15KHz、インク滴の吐出速度は約20m/秒となっている。また、このような記録ヘッド102を搭載したキャリッジ106の主走査方向の移動速度は、インクドットを主走査方向において600dpiの間隔で形成する場合には約25インチ/秒となる。
図4は、0時から24時までの24時間を時間A、時間B、時間Cの3つの時間区分に分けた場合の説明図である。時間Aは、0時以降から7時前までの時間であり、時間Bは、7時以降から16時前までの時間であり、時間Cは、16時以降から24時前までの時間である。
図5は、後述するように湿度と温度の設定値を更新するときの時間の設定例の説明図である。温度と湿度は、1日の内でも時刻によっても変わるため、0時から24時までの24時間内において、温度と湿度の設定値を更新する。本例においては、後述するように、記録装置の電源のON/OFFに拘わらず、0時、7時、および16時の3回において温度と湿度の設定値を更新する。
図6は、インクジェット記録装置が空調設備のない室外にて使用され、かつインクジェット記録装置の本体に設定されている仕向け地が日本の場合に、月(1月〜12月)と時間との組み合わせに応じて推定される温度と湿度の説明図ある。
月に関しては、1月から12月までの12ヶ月を、温度と湿度が似通っている3〜5月、6〜9月、10〜11月、12〜2月の4つの月区分に分ける。時間に関しては、図4のように設定された3つの時間区分A,B,Cに分ける。温度は、30℃以上の高温(HT;High temperature)と、15℃以上かつ30℃未満の常温(NT;Normal temperature)と、15℃未満の低温(LT;Low temperature)との3つに区分する。また湿度は、70%以上の高湿(HH;High humidity)と、40%以上かつ70%未満の常湿(NH;Normal humidity)と、40%未満の低湿(LH;Low humidity)との3つに区分する。
したがって、例えば、仕向け地が「日本」、月が「3〜5月」、時間が「時間B」の場合には、記録装置の環境温度は常温(NT)、環境湿度は常湿(NH)と推定されることになる。
図7は、インクジェット記録装置が空調設備のある室内にて使用され、かつインクジェット記録装置の本体に設定されている仕向け地が日本の場合に、月(1月〜12月)と時間(時間A,B,C)との組み合わせに応じて推定される温度と湿度の説明図ある。
図8は、吸引回復処理によって記録ヘッド102のインク吐出口201からインクを吸引するときの吸引量Saと、記録動作中に予備吐出を繰り返すときの予備吐出の時間間隔Tiと、廃インク収容体に保持されたインクの蒸発率Erと、の設定例の説明図である。時間間隔Tiは予備吐出動作の実行間隔であり、吸引量Saは吸引回復動作の実行量である。
本例の場合、吸引量Saは、多い方から順に0.16[g]、0.13[g]、0.10[g]の3段階に設定する。また予備吐出は、それぞれのインク吐出口201からインク滴を一律に15発吐出させるものとし、その予備吐出を行なう時間間隔Tiは、短い方から順に2.5[sec]、5.0[sec]、7.5[sec]の3段階に設定する。廃インク収容体のインクの蒸発率Erは、多い方から順に200[mg/h]、150[mg/h]、100[mg/h]の3段階に設定する。
図9は、図6または図7のような温度と湿度との組み合わせの関係に応じて、図8の吸引量Saと、予備吐出の時間間隔Tiと、インクの蒸発率Erと、を設定する場合の説明図である。例えば、図5からは、記録装置の仕向け地が「日本」、月が「3〜5月」、時間が「時間B」であるときの温度と湿度として、常温(NT)と常湿(NH)との組み合わせが推定される。この場合には、吸引量Saは0.13[g]、予備吐出の時間間隔Tiは5.0[sec]、廃インク収容体のインクの蒸発率Erは150[mg/h]と設定される。
図10は、湿度が推定できない場合に、温度(LT,NT,HT)のみに応じて、図8の吸引量Saと、予備吐出の時間間隔Tiと、インクの蒸発率Erと、を設定する場合の説明図である。低温(LT)のときには、吸引量Saは0.16[g]、予備吐出の時間間隔Tiは2.5[sec]、廃インク収容体のインクの蒸発率Erは100[mg/h]と設定される。また、常温(NT)のときには、吸引量Saは0.13[g]、予備吐出の時間間隔Tiは2.5[sec]、廃インク収容体のインクの蒸発率Erは100[mg/h]と設定される。また、高温(HT)のときには、吸引量Saは0.10[g]、予備吐出の時間間隔Tiは2.5[sec]、廃インク収容体のインクの蒸発率Erは100[mg/h]と設定される。
(回復動作条件の決定方法)
図11は、推定された温度と湿度に応じて、回復動作の条件の決定する方法(回復動作条件設定方法)を説明するためのフローチャートである。
(環境温度が10℃の場合)
まず、実際の環境温度が「10℃」の場合について説明する。
ステップS1001において、記録装置の本体内に備えられている不図示の内部タイマー(日時情報を提供する時刻管理手段)から、日時情報を取得する。ここでは、その日時情報として、「2004年12月22日 7:01」が取得されたとする。このような日時情報は、記録ヘッド近傍の環境湿度に関連する関連情報として取得(情報取得)される。
次のステップS1002においては、現在時刻「7:01」と、湿度および温度の設定値の更新時間(図5参照)と、を比較する。ここでは、現在時刻「7:01」が図5中の更新時間の「7:00」を過ぎたと判断する。
次に、ステップS1003において、インクジェット記録装置本体のEEPROM318に記憶されている記録装置の仕向け地情報を取得する。ここでは、その仕向け地情報として、「日本」が取得されたとする。次のステップS1004においては、インクジェット記録装置の本体が屋外と同じ温度・湿度環境下に設置されていると想定し、仕向け地情報である「日本」と、現在の日時情報である「2004年12月22日 7:01」と、を用いて、温度と湿度を推定する。ここでは、図6から低温「LT」と低湿「LH」の組み合わせが推定される。次のステップS1005においては、温度検出手段321(図3参照)から、実際の環境温度を取得する。ここでは、その実際の環境温度として「10℃」を取得するものとする。
次に、ステップS1006において、推定した低温「LT」と、実際の環境温度「10℃」と、を比較し、それらが一致しているか否かを判定する。本例の場合、低温「LT」は15℃未満の範囲であるため、それは実際の環境温度「10℃」と一致する。この場合には、先に想定したように、インクジェット記録装置の本体が野外と同じ温度・湿度の環境下に設置されていると確定して、ステップS1008に進む。そのステップS1008においては、推定した低温「LT」と低湿「LH」の組み合わせに応じて、図9の関係から、吸引量Saを0.16[g]、予備吐出の時間間隔Tiを2.5[sec]、蒸発率Erを200[mg/h]と設定する。
(環境温度が20℃の場合)
次に、実際の環境温度が「20℃」の場合について説明する。
ステップS1001からステップS1004までは、上述した場合と同様である。ステップS1005においては、実際の環境温度として「20℃」を取得する。そして、ステップS1006において、推定した低温「LT」と、実際の環境温度の「20℃」と、を比較する。推定した低温「LT」は15℃未満の範囲であるため、それは実際の環境温度「20℃」とは一致しない。この場合には、インクジェット記録装置の本体が空調の効いた部屋に設置されていると想定して、ステップS1007に進む。そのステップS1007においては、記録装置の仕向け地情報である「日本」と、現在の日時情報である「2004年12月22日 7:01」と、を用いて、図7から温度と湿度を推定し直す。ここでは、常温「NT」と低湿「LH」との組み合わせが推定されることになる。
次のステップS1009においては、推定した常温「NT」と実際の環境温度「20℃」とを比較する。推定した常温「NT」は、15℃以上かつ30℃未満の範囲であるため、それは実際の環境温度「20℃」と一致する。そして、ステップS1011において、推定した常温「NT」と低湿「LH」の組み合わせに応じて、図9の関係から、吸引量Saを0.13[g]、予備吐出の時間間隔Tiを2.5[sec]、蒸発率Erを200[mg/h]と設定する。
(環境温度が32℃の場合)
次に、実際の環境温度が「32℃」の場合について説明する。
ステップS1001からステップS1004までは、上述した場合と同様である。ステップS1005においては、実際の環境温度として「32℃」を取得する。そして、ステップS1006において、推定した低温「LT」と、実際の環境温度の「32℃」と、を比較する。推定した低温「LT」は15℃未満の範囲であるため、それは実際の環境温度「32℃」とは一致しない。この場合には、インクジェット記録装置の本体が空調の効いた部屋に設置されていると想定して、ステップS1007に進む。そのステップS1007においては、記録装置の仕向け地情報である「日本」と、現在の日時情報である「2004年12月22日 7:01」と、を用いて、図7から温度と湿度を推定し直す。ここでは、常温「NT」と低湿「LH」との組み合わせが推定されることになる。
次のステップS1009においては、推定した常温「NT」と実際の環境温度「32℃」とを比較する。推定した常温「NT」は、15℃以上かつ30℃未満の範囲であるため、それは実際の環境温度「32℃」と一致しない。この場合には、ステップS1010において、実際の環境温度32℃に応じて、図10の関係から回復動作条件を決定する。すなわち、実際の環境温度32℃は高温「HT」に対応するため、図10の関係から、吸引量Saを0.10[g]、予備吐出の時間間隔Tiを2.5[sec]、蒸発率Erを100[mg/h]と設定する。
(回復動作条件の設定結果)
従来においては、例えば、インクの吸引量Saは0.16[g]、予備吐出の時間間隔Tiは2.5[sec]、廃インク収容体に保持されたインクの蒸発率Erは100[mg/h]と一律に決定されていた。本実施形態においては、上述したように、環境温度と湿度に応じて回復動作条件を設定することにより、その回復動作条件の最適化が可能となる。
例えば、環境温度が「10℃」の場合には、吸引量Saを0.16[g]、予備吐出の時間間隔Tiを2.5[sec]、廃インク収容体からのインクの蒸発率Erを200[mg/h]と設定する。この結果、蒸発率Erは、従来の100[mg/h]から、現実に即した200[mg/h]へと増やすことができる。また、環境温度が「20℃」の場合に、吸引量Saを0.16[g]、予備吐出の時間間隔Tiを2.5[sec]、廃インク収容体からのインクの蒸発率Erを200[mg/h]と設定する。
この結果、蒸発率Erは、従来の100[mg/h]から、現実に即した200[mg/h]へと増やすことができる。これにより、廃インク収容体における廃インクの収容量を適確に管理することができ、例えば、廃インクの収容量に応じて、廃インク収容体が廃インクを収容しきれなくなる程度にまで増えたことを検知して報知したり、回復動作条件を変更するようにしてもよい。また、環境温度が「32℃」の場合には、吸引量Saを0.10[g]、予備吐出の時間間隔Tiを2.5[sec]、廃インク収容体からのインクの蒸発率Erを100[mg/h]と設定する。この結果、吸引量Saは、従来の0.16[g]から、現実に即した0.10[g]へと削減することができる。
以上においては、吸引量Saと蒸発率Erの設定結果の効果についてのみ説明した。しかし、時間間隔Tiの設定結果についても効果がある。
例えば、記録装置の仕向け地情報が「日本」、日時情報が「2004年5月12日 7:01」のときに、実際の環境温度として「20℃」を取得した場合には、次のように回復動作条件が設定される。すなわち、図11中のステップS1004において、日時情報と図7の関係から、常温「NT」と常湿「NH」の組み合わせが推定される。その常温「NT」が15℃以上かつ30℃未満であることから、ステップS1006においては、その常温「NT」が実際の環境温度の「20℃」と一致していると判定される。したがってステップS1011において、常温「NT」と常湿「NH」の組み合わせと、図9の関係から、吸引量Saが0.13[g]、時間間隔Tiが5.0[sec]、蒸発率Erが150[mg/h]と設定される。
この結果、吸引量Saは、従来の0.16[g]から現実に即した0.13[g]へと削減し、時間間隔Tiは、従来の2.5[sec]から現実に即した5.0[sec]へと延ばすことができる。さらに蒸発率Erは、従来の200[mg/h]から現実に即した150[mg/h]へと増やすことができる。このように、吸引量Sa、時間間隔Ti、および蒸発率Erのそれぞれを最適に設定することができる。
このように本実施形態においては、記録装置の本体に記憶されている地域別の環境情報と、時刻管理手段によって管理される時刻と、温度検出手段によって検出される実際の環境温度と、に応じて、記録ヘッドの使用環境における湿度を湿度推定手段が推定する。つまり、記録装置の使用地域に関する地域情報から、記録ヘッド近傍の環境湿度を検出する。そして、温度検出手段によって検出される実際の環境温度と、湿度推定手段によって推定される湿度と、に応じて、回復動作条件決定手段が回復動作条件を決定する。したがって、コストアップや記録装置本体のサイズアップを伴うことなく、環境湿度を推定して、その推定した環境湿度を含む環境条件に応じて、回復動作条件を最適に設定することができる。この結果、必要以上の回復動作によるインクの無駄な消費を抑制することができる。
また、記録ヘッド102におけるインク吐出口201は、図2のような配列形態のみに特定されず任意である。複数種のインクを吐出するためのインク吐出口201は、別々の記録ヘッド102に形成されていてもよく、また同一の記録ヘッド102に形成されていてもよい。また、複数のインク吐出口201の列から、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックなどの複数種のインクを吐出する場合にも、上述したように回復動作条件を最適に設定することができる。
また、記録ヘッド102からのインクの吐出量は、約2plのみに限定されず任意であり、約2plよりも大きなインク滴でも小さなインク滴でもよい。また、インク色毎、またはインク吐出口201の列毎に、吐出するインク滴の大きさを異ならせてもよい。
また、記録装置の仕向け地は、「日本」のみに限定されず任意であり、例えば、アメリカ、中国、イタリア、オーストラリアなど各国別に設定してもよい。さらに、記録装置の仕向け地を都市別に設定することにより、より細かな制御が可能となる。
本実施形態においては、「月」と「時間」の組み合わせと、推定される温度および湿度と、を図6および図7のように関連付けたテーブルを用い、インクジェット記録装置の本体に記憶した仕向け地情報に応じて、それらのテーブルを選択した。しかし、このようなテーブルの選択方法は、本実施形態のみに特定されない。例えば、記録装置に接続したホスト装置(パーソナルコンピュータなど)のオペレーションシステムのタイムゾーン設定地域情報、または言語情報を取得し、それらの情報に基づいて図6および図7のようなテーブルを選択するようにしてもよい。
また、環境温度と湿度を含む図6および図7のような環境情報は、必ずしも固定の設定テーブルとして記録装置の本体に記憶する必要はない。例えば、インクジェット記録装置の本体に、図12(a)のような年間の温度グラフ、および図12(b)のような年間の湿度グラフを記憶しておいて、それらのグラフから、環境温度と湿度を算出してもよい。
また本実施形態では、記録動作中における予備吐出は、2.5秒毎に15発、または5.0秒毎に15発、または7.5秒毎に15発の割合で行った。しかし、これに限定されるものではなく、予備吐出によって吐出されるインク滴の発数(インクの吐出数)、および予備吐出の間隔は、様々に設定することができる。
また本実施形態では、ブラックインクについての吸引量Sa、予備吐出の時間間隔Ti、およびインクの蒸発率Erを設定する場合を例にして説明した。これらの設定値は、他のインクについても同様に設定することができる。複数種のインクに対するそれらの設定値は、一律に同じ値に設定、最も回復処理しにくいインク種(回復処理性の悪いインク種)に適合する値に一律に設定、あるいは、インク色などのインク種毎に応じて設定することができる。
また本実施形態では、環境温度と湿度の更新時間を1日に3回設定し、その時間毎に環境温度と湿度を更新した。しかし、これに限定されるものではなく、環境温度と湿度は、インクジェット記録装置本体の電源をONにする度に更新、あるいは記録動作を実行する度に更新してもよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として、図13のような2つの第1および第2の記録ヘッド102A,102Bを用いる場合について説明する。これらの記録ヘッド102A,102Bは前述した図2の記録ヘッド201と同一のものであり、図13のように主走査方向にずれてキャリッジ106上に搭載される。記録ヘッド102A,102Bのそれぞれにはインク吐出口201A,201Bが一列に形成されており、説明の便宜上、それらのインク吐出口201A,201Bの数は14個ずつとし、それぞれにノズル番号n1〜n14を付す。また、記録ヘッド102Aはブラックインクを吐出し、また記録ヘッド102Bはシアンインクを吐出するものとする。
図14は、記録ヘッド102A,102Bを用いて湿度を検出するためのチェックパターンの記録結果の説明図であり、このチェックパターンは、記録ヘッド近傍の環境湿度により記録結果が変化する。このチェックパターンは15のパターンA〜Oを含み、パターンJとパターンKに関しては、その右側に拡大図を示す。このチェックパターンは、記録ヘッド102A,102Bの往路方向(矢印+X方向)の移動を伴う片方向記録によって、被記録媒体P上に記録する。
図14中の黒丸の位置PAは、記録ヘッド102Aのインク吐出口201Aから吐出されたブラックインクが被記録媒体P上に着弾した位置、つまりブラックインクのドットが形成された位置である。また、白丸の位置PAxは、インク吐出口201Aからブラックインクを吐出するように記録ヘッド102Aを駆動したものの、そのブラックインクが正常に吐出されなかったときに、そのブラックインクが着弾すべきはずであった着弾予定位置である。つまり、白丸の位置PAは、ブラックインクによってドットが形成されるべきはずであった位置である。ブラックインクが正常に吐出できなくなる一因としては、インク溶剤の蒸発などによってインク吐出口201Aの近傍に生じるインクの増粘や固着がある。また、斜線が入った丸の位置PBは、記録ヘッド102Bのインク吐出口201Bから吐出されたシアンインクが被記録媒体P上に着弾した位置、つまりシアンインクのドットが形成された位置である。
これらの位置PA,PAx,PBは、パターンAからパターンOにおいて、14×8の行列に対応付けられている。d1〜d14は、ノズル番号n1〜n14に対応する行番号であり、L1〜L8は列番号である。
これらのパターンA〜Oは、その順序で被記録媒体P上に記録される。これらのパターンA〜Oは、記録ヘッド近傍の環境湿度の影響の度合いが異なるパターンであり、それぞれの2回の往路走査によって記録される。
すなわち、1回目の往路走査は、記録ヘッド102Bからキャップ内に予備吐出を行なった直後に、その記録ヘッド102Bからのシアンインクの吐出を伴って実施する。そして、この1回目の往路走査時に、記録ヘッド102Bから吐出するシアンインクによって、それぞれのパターンA〜Oに対応する「A」〜「O」のアルファベットを記録すると共に、位置PBにシアンインクを着弾させてドットを形成する。
このような1回目の往路走査の後、記録ヘッド102Aからキャップ内に予備吐出を行なう。その後、それぞれのパターンA〜O毎に異なる待機時間Tsだけ待機してから、被記録媒体Pを搬送させずに2回目の往路走査を行なう。待機時間Tsは図15のように設定されており、パターンAからOの順に長くなるように設定されている。この待機時間Tsは、予備吐出の時間間隔Tiに相当する。
2回目の往路走査は、記録ヘッド102Aのインク吐出口201Aからのブラックインクの吐出を伴って実施する。つまり、それぞれのパターンA〜Oにおけるd2〜d13行、L2〜L7列の範囲の位置PAに、ブラックインクを着弾させるように、それらに対応するノズル番号n2〜n13のインク吐出口201Aからブラックインクを吐出させる。そして、このような2回目の往路走査の後に、被記録媒体Pを矢印Yの副走査方向に600dpiで16ドット分の長さだけ搬送する。したがって、それぞれのパターンA〜Oを記録するための2回目の往路走査が終了する毎に、被記録媒体Pが600dpiで16ドット分の長さだけ搬送されることになる。
図14の記録結果において、パターンJには、記録ヘッド102Aのインク吐出口201Aから、位置PAの全てに着弾するブラックインクが正常に吐出されて、ブラックインクのトッドが形成されている。したがって、記録ヘッド102Bから吐出されるシアンインクによって記録された枠の中には、記録ヘッド102Aから吐出されるブラックインクによってドットがムラ無く均一に形成されている。パターンAからパターンIまでの記録結果は、パターンJと同様である。
一方、パターンKには、ブラックインクが着弾した位置PAと、ブラックインクが着弾しなかった位置PAxと、が存在する。本例の場合、位置PAxは、d2〜d13行、L2〜L4列の範囲に存在し、d2〜d13行、L5〜L7列の範囲に存在する。位置PAxが存在することは、それに対応するインク吐出口201Aからブラックインクが正常に吐出されなかったこと、または、ブラックインクの吐出方向が乱れて正確に着弾しなかったことを意味する。このようなブラックインクの吐出不良は、インク溶剤の蒸発などによって、インク吐出口201Aの近傍にインクの増粘や固着が生じたことにより発生する。したがって、パターンKの記録する際には、予備吐出を行なってから2回目の往路走査までの待機時間Tsが長かったために、ブラックインクの吐出不良が発生したことになる。
結局、パターンKにおいては、シアンインクによって記録された枠の中には、ブラックインクによってドットが不均一に形成される。パターンL〜Oの順に待機時間Tsが長くなるため、その順に、ブラックインクによって形成されるドットの均一性が悪化する。
図16は、後述するように環境温度のみに応じて、吸引回復動作によるインクの吸引量Saを設定する場合の説明図である。環境温度は、30℃以上の高温HT(High temperature)、15℃以上かつ30℃未満の常温NT(Normal temperature)、および15℃未満の低温LT(Low temperature)の3つに区分される。これらの温度区分に応じて、吸引量Saが0.16[g]、0.13[g]、0.10[g]の3段階に設定されている。
図17は、図14のようなチェックパターンの記録結果に応じてパターンA〜Oの中から選択されるパターンと、その選択されたバーターンに応じて設定される予備吐出の時間間隔Ti、およびインクの蒸発率Erと、の関係の説明図である。図14のようなチェックパターンの記録結果から選択されるパターンは、ブラックインクによって形成されるドットにムラがなく均一に形成されているパターンの内、最も待機時間Tsが長いパターンである。図14の場合には、パターンA〜Jまでは、ブラックインクによるドットがムラなく均一に形成されているため、これらのパターンA〜Jの中から、最も待機時間Tsが長いパターンJが選択されることになる。
図18は、図14のような湿度を検出するためのチェックパターンを用いて、回復動作の条件を決定する方法を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1501においてインクジェットプリンタ本体の電源をONにし、ステップS1502において、温度検出手段321(図3参照)から実際の環境温度を取得する。ここでは、環境温度として「20℃」を取得したとする。そしてステップS1503において、図14のような湿度検出用のチェックパターンを記録してから、その記録結果に基づいて1つのパターンを選択する(ステップS1504)。ここで選択されるパターンは、前述したように、シアンインクによって記録された枠の中に、ブラックインクよってドットがムラなく均一に記録されているパターンの内、最も待機時間Tsが長いパターンである。本例の場合は、図14の記録結果からパターンJが選択される。
次のステップS1505においては、選択したパターンのパターン番号を設定値として、EEPROM318(図3参照)に格納する。本例の場合は、パターン番号Jが設定値として格納される。次のステップS1506においては、ステップS1502にて取得した環境温度と、ステップS1505にて格納した設定値と、に応じて、回復動作の条件を設定する。すなわち、図16のような環境温度とインクの吸引量Saとの関係から、環境温度に対応する吸引量Saを設定する。また、図17のようなパターン番号と、予備吐出の時間間隔Tiと、インクの蒸発率Erと、の関係から、設定値(パターン番号)に対応する時間間隔Tiと蒸発率Erを設定する。本例の場合は、環境温度が常温(NT)の範囲内の「20℃」であり、また設定値(パターン番号)が「J」であるため、吸引量Saが0.13[g]、時間間隔Tiが5.0[sec]、蒸発率Erが150[mg/h]に設定される。
このような回復動作の条件は、記録ヘッド102A,102Bのそれぞれに対して共通に設定される。
このように本実施形態においては、従来一律に設定されていた回復動作条件を現実に即して最適に設定することができる。例えば、従来においては、吸引量Saが0.16[g]、時間間隔Tiが2.5[sec]、蒸発率Erが100[mg/h]として一律に設定されていた。
このような従来例と比較した場合、本実施形態においては、環境温度が「20℃」のときに、吸引量Saを0.16[g]から0.13[g]へと削減し、時間間隔Tiを2.5[sec]から5.0[sec]へと延ばすことができる。さらに、蒸発率Erを100[mg/h]から200[mg/h]へと増やすことができる。したがって、現実に即した回復動作条件を設定することができる。
このように本実施形態においては、記録ヘッドを使用する環境の温度を検出する温度検出手段と、記録ヘッドを用いて被記録媒体に記録した湿度推定用のパターンの記録結果に基づいて、湿度を推定する湿度推定手段と、を備える。さらに、これらの温度検出手段と湿度推定手段により算出された環境情報(温度、湿度)に基づいて、回復動作の条件を決定する回復条件決定手段を備える。このような手段を備えることにより、コストアップや記録装置本体のサイズアップを招くことなく湿度を推定し、その湿度と温度を含む環境条件に基づいて、回復動作の最適な条件を設定することができる。この結果、必要以上の回復動作によるインクの無駄な消費を抑制することができる。
本実施形態においては、図13のように、インク吐出口が1列に形成された記録ヘッドを2つ用い、記録ヘッド102Aのインク吐出口列からブラックインクを吐出し、記録ヘッド102Bのインク吐出口列からシアンインクを吐出する場合について説明した。しかし、これに限定されるものではなく、それらのインク吐出口列からマゼンタ、イエローなどの異なる種類のインクを吐出するようにしてもよい。また記録ヘッドは、主走査方向または副走査方向に1列に配備してもよい。
また、記録ヘッドからのインクの吐出量は、約2plのみに限定されず任意であり、約2plよりも大きなインク滴でも小さなインク滴でもよい。また、インク色毎、またはインク吐出口列毎に、吐出するインク滴の大きさを異ならせてもよい。
また本実施形態では、記録動作中における予備吐出は、2.5秒毎に15発、または5.0秒毎に15発、または7.5秒毎に15発の割合で行った。しかし、これに限定されるものではなく、予備吐出によって吐出されるインク滴の発数、および予備吐出の間隔は、様々に設定することができる。
チェックパターンの記録結果に関する情報(記録結果情報)に基づいて設定する値は、記録装置に接続されるパーソナルコンピュータなどのホスト装置に搭載されるPCプリンタドライバ(プログラム)を通して、ユーザが設定してもよい。あるいは、その値をユーザが手動によって入力してもよい。このように、チェックパターンの記録結果に応じた情報を入力手段(記録結果情報を入力可能な手段)を用いてもよい。また、光学センサ等を用いてチェックパターンの記録結果を読み取って、自動的に設定することができる。また、そのチェックパターンのデータは、記録装置内にて作成してもよく、または、記録データを生成するホスト装置内にて作成してもよい。
また本実施形態では、全てのパターンを往路走査によって記録する方法について説明した。しかし、これに限定されるものではなく、パターンの全てまたは一部は復路走査によって記録してもよい。
また本実施形態では、チェックパターン内に発生する記録ムラ、およびパターンの均一性の程度に基づいて、湿度を検出した。しかし、そのチェックパターンの形態は限定されるものではなく、前述したような枠が無くてもよく、湿度を検出できるパターンであればどのようなパターンであってもよい。
また本実施形態では、ブラックインクについての吸引量Sa、予備吐出の時間間隔Ti,およびインクの蒸発率Erを設定する場合を例にして説明した。これらの設定値は、他のインクについても同様に設定することができる。複数種のインクに対するそれらの設定値は、一律に同じ値に設定、最も回復処理しにくいインク種(回復性の悪いインク種)に適合する値に一律に設定、あるいは、インク色などのインク種毎に応じて設定してもよい。
また本実施形態では、インクジェット記録装置本体の電源をONにする度に環境温度を取得して、湿度を検出するためのチェックパターンを記録した。しかし、設定された時間が経過する度に環境温度を取得して、湿度を検出するためのチェックパターンを記録してもよく、あるいは、記録動作を実行する度に環境温度を取得して、湿度を検出するためのチェックパターンを記録してもよい。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態では、前述した図13における記録ヘッド102Aと同様に、インク吐出口が1列に形成されている記録ヘッドを1つ用いる。また本実施形態においては、図1と同様のインクジェット記録装置の本体に対して、記録ヘッドのインク吐出状態を感知するための光学センサ(吐出状態検出手段)が備えられている。
図19は、本実施形態における回復動作条件の設定方法を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1901においてインクジェット記録装置本体の電源をONにし、次のステップS1902において、温度検出手段321(図4参照)から実際の環境温度を取得する。ここでは、実際の環境温度として「20℃」を取得したとする。次のステップS1903においては、キャップの上部において、そのキャップ内に向かってインクを予備吐出する。次のステップS1904においては、前述した図15の待機時間Tsの中から、1つの待機時間Tsを選択して設定する。その際には、この図19の処理中において未だ設定されていない未設定の待機時間Tsを設定候補とし、その未設定の待機時間Tsの中から、最も短い時間を待機時間Tsとして設定する。当初は、図15の待機時間Tsの全てが未設定であるため、全待機時間Tsの中の最も短い時間0.5[sec]が待機時間Tsとして設定される。
そしてステップS1905において、その設定された待機時間Tsだけ、記録ヘッドをキャップの上部にて待機させる。その待機時間Tsの経過を待ってから、ステップS1506において、キャップの上部からキャップ内に向かって、それぞれのインク吐出口当たり10発のインク滴を吐出する。そして、そのインク滴の吐出状態を光学センサによって検出し、それぞれのインク吐出口当たり10発のインク滴が途切れずに吐出されたか否かを判定する(ステップS1507)。
インク滴が途切れなかった場合には、ステップS1507からステップS1503に戻り、キャップの上部において予備吐出を行う。その後のステップS1904においては、先に設定された0.5[sec]以外の未設定の待機時間Tsを設定候補として、その中から、最も短い時間を待機時間Tsとして設定する。ここでは、0.5[sec]の次に短い1.0[sec]が待機時間Tsとして設定されることになる。
そして、その後のステップS1905において、その設定された待機時間Tsだけ、記録ヘッドをキャップの上部にて待機させる。その待機時間Tsの経過を待ってから、ステップS1506において、キャップの上部からキャップ内に向かって、それぞれのインク吐出口当たり10発のインク滴を吐出する。そして、そのインク滴の吐出状態を光学センサによって検出し、それぞれのインク吐出口当たり10発のインク滴が途切れずに吐出されたか否かを判定する(ステップS1507)。
インク滴が途切れなかった場合には、ステップS1507から再びステップS1503に戻って、ステップS1903からステップS1907の処理を繰り返す。したがって、このような処理繰り返す毎に、待機時間Tsが順次長く設定されて、その待機時間の経過後のインク滴の吐出状態が光センサによって検出される。
そして、ステップS1507において、インク滴の吐出が途切れたことが光学センサによって検出されたときに、そのステップS1507からステップS1908に移行する。
ここでは、待機時間Tsを5.5[sec]に設定したときに、インク滴の吐出が途切れたことが光学センサによって検出されたとする。この場合には、その待機時間5.5[sec]よりも1つ前に設定された待機時間の5.0[sec]を予備吐出の時間間隔Tiとして設定して、その時間間隔TiをEEPROM318(図2参照)に格納する。
そして次のステップS1909において、ステップS1908にて設定した時間間隔Tiと、ステップS1902にて取得した環境温度と、に応じて回復動作の条件を設定する。すなわち、図16のような環境温度とインクの吸引量Saとの関係から、環境温度に対応する吸引量Saを設定する。また、図17のような予備吐出の時間間隔Tiとインクの蒸発率Erとの関係から、時間間隔Tiに対応する蒸発率Erを設定する。本例の場合は、環境温度が常温(NT)の範囲内の「20℃」であり、また時間間隔Tiが5.0[sec]であるため、吸引量Saが0.13[g]、蒸発率Erが150[mg/h]と設定される。
このような吸引量Sa、時間間隔Ti、および蒸発率Erは、例えば、記録ヘッドからブラックインクを吐出することによって設定することができる。それらの設定値は、シアンインクなどの他のインクに関しての回復動作の条件としても設定することができる。
このように本実施形態においては、従来一律に設定されていた回復動作条件を現実に即して最適に設定することができる。例えば、従来においては、吸引量Saが0.16[g]、時間間隔Tiが2.5[sec]、蒸発率Erが100[mg/h]として一律に設定されていた。
このような従来例と比較した場合、本実施形態においては、環境温度が「20℃」のときに、吸引量Saを0.16[g]から0.13[g]へと削減し、時間間隔Tiを2.5[sec]から5.0[sec]へと延ばすことができる。さらに、蒸発率Erを100[mg/h]から200[mg/h]へと増やすことができる。したがって、現実に即した回復動作条件を設定することができる。
このように本実施形態においては、記録ヘッドを使用する環境の温度を検出する温度検出手段と、記録ヘッドから吐出されるインクの吐出状態の検出結果(吐出状態に関する吐出状態情報)に応じて、湿度を推定する湿度推定手段と、を備える。さらに、それらの温度検出手段と湿度推定手段により得られた情報に基づいて、回復動作の条件を決定する回復条件決定手段を備える。このような手段を備えることにより、コストアップや記録装置本体のサイズアップを招くことなく湿度を推定し、その湿度と温度を含む環境条件に基づいて、回復動作の最適な条件を設定することができる。この結果、必要以上の回復動作によるインクの無駄な消費を抑制することができる。
また本実施形態では、インクジェット記録装置本体の電源をONにする度に環境温度を取得し、湿度を推定するためのインクの吐出動作を行なった。しかし、設定された時間が経過する度に環境温度を取得して、湿度を検出するためのインクの吐出動作を行ってもよく、あるいは、記録動作を実行する度に環境温度を取得して、湿度を検出するためのインクの吐出動作を行ってもよい。
(他の実施形態)
本発明は、回復動作の条件として、回復動作を実行する間隔、または回復動作の実行量の内、少なくとも一方を含むことができる。その回復動作は、インク吐出口から画像の記録に寄与しないインクを吸引排出させる吸引回復動作、またはインク吐出口から画像の記録に寄与しないインクを吐出させる予備吐出動作の内、少なくとも一方を含むことができる。また、その回復動作の条件は、吸引回復動作によるインクの吸引量、予備吐出動作の実行間隔、または予備吐出動作によるインクの吐出数の内、少なくとも一方を含むことができる。
本発明は、前述した実施形態のようなシリアルスキャンタイプのインクジェット記録装置のみに特定されず、種々の記録方式のインクジェット記録装置に広く適用可能である。例えば、被記録媒体上の記録領域の幅方向の全域に渡って延在する長尺な記録ヘッドを用いて記録を行う、いわゆるフルラインタイプのインクジェット記録装置にも適用することができる。
また本発明は、記録ヘッド近傍の環境湿度と関連する関連情報から推定した環境湿度と、記録ヘッド近傍の環境温度と、に基づいて、記録ヘッドの回復動作条件の設定処理を実行するためのプログラム、および処理装置としても適用することができる。
本発明の第1の実施形態におけるインクジェット記録装置の概略説明図である。 図1の記録ヘッドにおけるインク吐出口の説明図である。 図1のインクジェット記録装置の制御系のブロック構成図である。 本発明の第1の実施形態における時間区分の説明図である。 本発明の第1の実施形態における環境条件の更新時間の説明図である。 本発明の第1の実施形態において、記録装置が室外または空調のない状況下のときに、月と時間の組み合わせに応じて推定される温度と湿度との関係の説明図である。 本発明の第1の実施形態において、記録装置が室内または空調がある状況下のときに、月と時間の組み合わせに応じて推定される温度と湿度との関係の説明図である。 本発明の第1の実施形態における回復動作条件の設定例の説明図である。 本発明の第1の実施形態おいて、温度と湿度に応じて設定される回復動作条件の説明図である。 本発明の第1の実施形態おいて、温度に応じて設定される回復動作条件の説明図である。 本発明の第1の実施形態における回復動作条件の設定処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施形態において用いる温度の年間グラフと湿度の年間グラフの説明図である。 本発明の第2の実施形態において用いる記録ヘッドのインク吐出口の説明図である。 本発明の第2の実施形態において記録するチェックパターンの説明図である。 図14のチェックパターンを記録する前の待機時間の説明図である。 本発明の第2の実施形態における温度とインクの吸引量との関係の説明図である。 図14のチェックパターンの記録結果に応じて設定される回復動作条件の説明図である。 本発明の第2の実施形態における回復動作条件の設定処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の第3の実施形態における回復動作条件の設定処理を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
101 インクカートリッジ
102 記録ヘッド
106 キャリッジ
107 回復処理機構
300 CPU
307 回復系制御回路
308 回復系モータ
309 ブレード
310 キャップ
311 吸引ポンプ
321 温度検出手段

Claims (15)

  1. インク吐出口からインクを吐出可能な記録ヘッドを用いて被記録媒体に画像を記録し、かつ前記記録ヘッドのインクの吐出状態を良好に維持するための回復動作を行なうインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッド近傍の環境温度を検出するための温度検出手段と、
    前記記録ヘッド近傍の環境湿度と関連する関連情報を取得する情報取得手段と、
    前記情報取得手段によって取得した前記関連情報から、前記記録ヘッド近傍の環境湿度を推定する推定手段と、
    前記温度検出手段によって検出された前記環境温度と、前記推定手段によって推定された前記環境湿度と、に基づいて、前記回復動作の条件を設定する設定手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記関連情報は、日時情報を含み、
    前記推定手段は、前記日時情報から前記記録ヘッド近傍の環境湿度を推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記日時情報を提供する時刻管理手段を備えることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記関連情報は、前記インクジェット記録装置の使用地域に関する地域情報を含み、
    前記推定手段は、前記地域情報から前記記録ヘッド近傍の環境湿度を推定する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記地域情報を記憶する記憶手段を備えることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記記録ヘッドを用いて、前記記録ヘッド近傍の環境湿度の影響により記録結果が変化するチェックパターンを記録させる制御手段を備え、
    前記関連情報は、前記チェックパターンの記録結果に関する記録結果情報を含み、
    前記推定手段は、前記記録結果情報から前記記録ヘッド近傍の環境湿度を推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記チェックパターンは、前記記録ヘッド近傍の環境湿度の影響の度合いが異なる複数のパターンを含むことを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記チェックパターンの記録結果を読み取る読み取り手段を備え、
    前記推定手段は、前記読み取り手段の読み取り結果から、前記記録ヘッド近傍の環境湿度を推定する
    ことを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記チェックパターンの記録結果に応じた情報を入力可能な入力手段を備え、
    前記推定手段は、入力手段によって入力された前記情報から、前記記録ヘッド近傍の環境湿度を推定する
    ことを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記記録ヘッド近傍の環境温度の影響により吐出状態が変化するように、前記記録ヘッドからインクを吐出させる制御手段と、
    前記制御手段によって前記記録ヘッドから吐出されるインクの吐出状態を検出するための吐出状態検出手段と、
    を備え、
    前記関連情報は、前記吐出状態検出手段によって検出される吐出状態に関する吐出状態情報を含み、
    前記推定手段は、前記吐出状態情報から前記記録ヘッド近傍の環境湿度を推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記回復動作の条件は、前記回復動作を実行する間隔、または前記回復動作の実行量の内、少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記回復動作は、前記インク吐出口から画像の記録に寄与しないインクを吸引排出させる吸引回復動作、または前記インク吐出口から画像の記録に寄与しないインクを吐出させる予備吐出動作の内、少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記回復動作の条件は、前記吸引回復動作によるインクの吸引量、前記予備吐出動作の実行間隔、または前記予備吐出動作によるインクの吐出数の内、少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項12に記載のインクジェット記録装置。
  14. 前記記録ヘッドから排出された廃インクを収容して蒸発させる廃インク収容手段と、
    前記推定手段によって推定された前記環境湿度に基づき、前記廃インク収容手段からの廃インクの蒸発量を設定して管理する手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  15. インクを吐出可能な記録ヘッドに対して、インクの吐出状態を良好に維持するための回復動作の条件を設定する記録ヘッドの回復動作条件設定方法であって、
    前記記録ヘッド近傍の環境温度を検出する温度検出工程と、
    前記記録ヘッド近傍の環境湿度と関連する関連情報を取得する情報取得工程と、
    前記情報取得工程によって取得した前記関連情報から、前記記録ヘッド近傍の環境湿度を推定する推定工程と、
    前記温度検出工程によって検出された前記環境温度と、前記推定工程によって推定された前記環境湿度と、に基づいて、前記回復動作の条件を設定する設定工程と、
    を含むことを特徴とする記録ヘッドの回復動作条件設定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018089834A (ja) * 2016-12-01 2018-06-14 キヤノン株式会社 記録装置および記録方法

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