JP2008119990A - ポリアミドフィルム積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリアミドフィルムを基材とし、酸化アルミニウムの蒸着層を有するガスバリア性の蒸着バリア包材であって、特にドレッシングなどの酸性度の高い内容物を高温多湿の環境で長期保存してもデラミネーション等が起こらず、高いガスバリア性を継続して有することができる、ガスバリア性のポリアミドフィルム積層体の提供を目的とする。
【解決手段】ポリアミドフィルムからなる基材の片面もしくは両面に、少なくとも、アンカーコート層と、アルミニウムと酸素の存在比がAl:O=1:1.8〜1:2.0である酸化アルミニウムの蒸着層と、水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物を混合してなる混合溶液の薄膜の加熱乾燥被膜であるガスバリア性被膜層とが順次積層されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】ポリアミドフィルムからなる基材の片面もしくは両面に、少なくとも、アンカーコート層と、アルミニウムと酸素の存在比がAl:O=1:1.8〜1:2.0である酸化アルミニウムの蒸着層と、水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物を混合してなる混合溶液の薄膜の加熱乾燥被膜であるガスバリア性被膜層とが順次積層されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、食品や医薬品等の内容物の包装に用いられる包装用のガスバリア性のフィルム積層体に関し、耐突き刺し性、耐ピンホール性、耐衝撃性等に優れるポリアミドフィルムを基材とし、酸化アルミニウムの蒸着層を有するガスバリア性の蒸着バリア包装材料であって、特に優れた耐酸性を有することを特徴とするポリアミドフィルム積層体に関するものである。
食品や医薬品等の包装に用いられる包装材料は、包装する内容物の変質を抑制し、それらの機能や性質を保持するために、内容物を変質させる酸素、水蒸気、その他の気体による影響を防止する機能を有している必要があり、これらの気体(ガス)を遮断するガスバリア性を備えていることが求められている。更に、近年は包装されるものが多様化しているため、積層構成の包装材料にあっては、これらの種々の内容物を包装した時に積層部材間の密着性が低下しないことが強く望まれている。そのため従来から、温度、湿度等による影響が少なく、各種内容物により密着性が低下することがないアルミニウム等の金属からなる金属箔が包装材料としてよく用いられてきた。 ところが、アルミニウム箔を用いた包装材料は、ガスバリア性に優れ、密着性の問題はないが、それ介して包装されている内容物を目視で確認することができず、また使用後の廃棄の際には不燃物として処理しなければならず、更には収納物等の確認のために用いられる金属探知器が使用できなかった。また、近年の環境意識の高まりの中、消費者においては脱アルミ化の動きが活発になってきており、アルミニウムを用いた包装材料の使用は難くなっているという状況もある。
そこで、これらの欠点を克服した包装材料として、例えば特許文献1や特許文献2等に記載されている様な、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化錫等の無機酸化物の蒸着膜を真空蒸着法やスパッタリング法等の薄膜形成手段により高分子フィルム上に形成してなるフィルムが開発されている。これらのフィルムは透明性及び酸素、水蒸気等に対するガスバリア性を有しており、更に焼却処理が可能であることから環境性にも優れ、金属箔からなる包装材料では得られないガスバリア性と、良好な環境性の両者を有する包装材料として好適とされている。このような構成のフィルムには、更にシーラントフィルムや他の樹脂フィルムが積層され、各種包装材料として広く使用されている。なかでも、酸化アルミニウムの蒸着層を設けたものは、材料費が安価となり、且つ蒸着層が薄膜でも安定したガスバリア性を発現するため、蒸着薄膜の加工スピード、延いては積層包装材料の作製スピードを上げることができ、更には焼却が容易で有毒物質を出さない等、多数のメリットにより種々の包装材料として広く利用されてきている。
しかしながら、酸化アルミニウムの蒸着層を設けてなる包装材料は、ドレッシング等の酸性度の高い内容物を包装する包装材料として使用されたとき、酸化アルミニウムの蒸着層が劣化し、デラミネーションを起こすことがある。
米国特許第3442686号明細書
特公昭63−28017号公報
本発明は、このような状況の下になされたものであって、ポリアミドフィルムを基材とし、酸化アルミニウムの蒸着層を有するガスバリア性の蒸着バリア包材であって、特にドレッシング等の酸性度の高い内容物を高温多湿の環境の下で長期保存してもデラミネーション等が起こらず、高いガスバリア性を継続して維持することができる、ガスバリア性のポリアミドフィルム積層体の提供を課題とする。
以上のような課題を解決すべくなされ、請求項1記載の発明は、ポリアミドフィルムからなる基材の片面もしくは両面に、少なくとも、アンカーコート層と、アルミニウムと酸素の存在比がAl:O=1:1.8〜1:2.0である酸化アルミニウムの蒸着層と、水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物を混合してなる混合溶液の薄膜の加熱乾燥被膜であるガスバリア性被膜層とが順次積層されていることを特徴とするポリアミドフィルム積層体である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のポリアミドフィルム積層体請求項1記載のポリアミドフィルム積層体において、前記アンカーコート層が、アクリルポリオール、イソシアネート化合物、シランカップリング剤との組み合わせになるプライマー層を介して積層されていることを特徴とする。
さらにまた、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のポリアミドフィルム積層体において、前記混合溶液中にはR2Si(OR1)3(R1はCH3,C2H5,C2H4OCH3等の加水分解性基、R2は有機官能基)で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物が添加されていることを特徴とする。
さらにまた、請求項3記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のポリアミドフィルム積層体において、前記ガスバリア性被膜層上にはヒートシール層が積層されていることを特徴とする。
本発明によれば、ポリアミドフィルムからなる基材の片面もしくは両面に、少なくとも、アンカーコート層と、アルミニウムと酸素の存在比がAl:O=1:1.8〜1:2.0である酸化アルミニウムの蒸着層と、水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物を混合してなる混合溶液の薄膜の加熱乾燥被膜であるガスバリア性被膜層とが順次積層されているので、高いガスバリア性を有しており、ドレッシング等の酸性度の高い内容物を高温多湿の環境下で長期保存しても劣化が起こらず、デラミネーションが起きることもなく、高いガスバリア性を継続して維持することができるポリアミドフィルム積層体を提供することができる。
以下、本発明を、図面を用いて更に詳細に説明する。図1は本発明のポリアミドフィルム積層体の概略の断面構成を示す説明図である。
図1に示すように、本発明のポリアミドフィルム積層体は、ポリアミドフィルムからなる基材(1)上に、アンカーコート層(2)と、酸化アルミニウムからなる蒸着層(3)と、ガスバリア性被膜層(4)とが順次積層された積層構成になっている。
基材(1)は、プラスチック材料の中で柔軟性に優れ、耐突き刺し性、耐ピンホール性、耐衝撃性等にも優れるポリアミドフィルムからなり、その中では延伸された透明性を有するものが好ましく用いられる。具体的には、ε−カプロラクタムの開環重合反応で得られるナイロン6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸塩との縮重合反応で得られるナイロン66、メタキシレンジアミンとアジピン酸を縮重合して得られるMXD6ナイロン、ナイロン11、ナイロン12等からなる汎用のフイルムが挙げられる。
ポリアミドフィルムの延伸は2軸延伸方法や逐次延伸方法等により行えばよい。また、
厚みはフィルムの成膜性や経済性等の観点から12〜25μm程度の範囲のものが好ましい。また、上述したポリアミドフィルムの中には種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤等が含まれていてもよく、更には、その表面に前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理等の物理的な処理や、薬品処理、溶剤処理等の化学的な処理が施されていてもよい。
厚みはフィルムの成膜性や経済性等の観点から12〜25μm程度の範囲のものが好ましい。また、上述したポリアミドフィルムの中には種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤等が含まれていてもよく、更には、その表面に前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理等の物理的な処理や、薬品処理、溶剤処理等の化学的な処理が施されていてもよい。
このような基材(1)の片面もしくは両面に易接着層が設けられているとアンカーコート層(2)との密着性が向上するため、包装に際して物理的なストレスが掛かることが想定されるような場合にはこの易接着層を設けておくことが好ましい。易接着層は、延伸成膜してポリアミドフィルムを作製する時に易接着樹脂を塗工して設けるようにすると作製費用が安価になる。このようにして設けられる易接着層としては、包装しようとする酸性の内容物に対する耐性を考慮すると、ポリウレタン樹脂及び/またはポリエステル樹脂を主成分とする易接着剤からなるものが望ましい。
次ぎにアンカーコート層(2)について説明する。基材(1)と後述する蒸着層(3)の間にこのアンカーコート層(2)を設けることで、酸化アルミニウムの蒸着層(3)が均一に形成され、この層に由来するガスバリア性が向上し、また密着性も飛躍的に向上する。
アンカーコート層(2)は、アクリルポリオール、ポリビニルアセタール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール等のポリオール類とイソシアネート化合物との2液反応によって得られる有機高分子、ポリイソシアネート化合物及び水との反応によりウレア結合を有する有機化合物、ポリエチレンイミンまたはその誘導体、ポリオレフィン系エマルジョン、ポリイミド、メラミン、フェノール、また有機変性コロイダルシリカのような無機シリカとシランカップリング剤およびその加水分解物のような有機シラン化合物等により形成されるものである。
これらのアンカーコート層の構成材料の中では、アクリルポリオールとイソシアネート化合物、シランカップリング剤の組み合わせになるものが好ましい。厚みは、一般的には乾燥後の厚みで0.005〜5μmの範囲にあればよい。より好ましくは0.01〜1μmの範囲にあればよい。0.01μm未満の場合は塗工技術の点から均一な塗膜が得られ難くなることがある。また、1μmを越える場合は不経済となる。
一方、酸化アルミニウムの蒸着層(3)は、アルミニウムと酸素の存在比がAl:O=1:1.8〜1:2.0の酸化アルミニウムからなる蒸着薄膜である。この蒸着層(3)は、例えば、金属アルミニウムを蒸着材料とし酸素ガスと反応させて真空蒸着することにより形成される。ポリアミドフィルムからなる基材(1)上に設ける耐酸性の高い酸化アルミニウムの蒸着層(3)は、蒸着薄膜形成を酸素のガス量を過多に導入して行い、アルミニウムと酸素の存在比をAl:O=1:1.8〜1:2.0とする必要がある。
蒸着膜のAl:O比はXPS(X線光電子分光法)により求められる。因みに、XPS(X線光電子分光法)とは、試料表面にX線を照射することにより、表面から発生する光電子を測定することで元素組成を分析する手法である。
蒸着される酸化アルミニウム膜には過酸化アルミニウムや未酸化の金属アルミニウム等の反応混合物が混在するが、過多の酸素導入により、酸性分による劣化を起こす金属アルミニウムの量を減らし、耐酸性のある酸化アルミニウムや過酸化アルミニウムの量を増やすことができ、酸化アルミニウムの蒸着層(3)の耐酸性を飛躍的に向上させることができる。酸素の導入が少なく、アルミニウムと酸素の存在比がAl:O=1:1.8よりも酸素の比率が低いものは、金属アルミニウムが蒸着膜中に残って、蒸着膜の劣化が起こり
易くなる。また、酸素の導入が多すぎるとAl:O=1:2.0より酸素の比率が高いものは真空蒸着法では作ることができない。
易くなる。また、酸素の導入が多すぎるとAl:O=1:2.0より酸素の比率が高いものは真空蒸着法では作ることができない。
蒸着層(3)の層厚は、用途によって異なるが、数十Åから5000Å程度の範囲にあることが望ましい。50Å未満では薄膜の連続性に問題となる場合があり、また3000Åを超えるとクラックが発生し易くなり、可とう性が低下する傾向にある。
他方、このような蒸着層(3)上に積層されるガスバリア性被膜層(4)は、水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物を混合してなる混合溶液の塗布薄膜を加熱乾燥して積層されるものである。
混合溶液に用いられる水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特にポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)を上記した混合溶液の水溶性高分子成分として用いた場合には最も優れたガスバリア性を発現させることができるる。ここでいうPVAとは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるものであり、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVA等を含む。
上記した金属アルコキシドは、一般式、M(OR)n(M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH3,C2H5等のアルキル基)で表せる化合物である。具体的にはテトラエトキシシラン〔Si(OC2H5)4〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C3H7)3〕等が挙げられる。中でもテトラエトキシシランが安価で好ましい。金属アルコキシドは酸触媒で加水分解して用い、水溶性高分子と混合される。
前記ガスバリア性被膜層を構成する混合溶液に、R2Si(OR1)3(R1はCH3,C2H5,C2H4OCH3等の加水分解性基、R2は有機官能基)で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物を添加するとガスバリア性被膜層の耐水性が向上する。R2Si(OR1)3(R1はCH3,C2H5,C2H4OCH3等の加水分解性基、R2は有機官能基)で表されるケイ素化合物は一般的にはシランカップリング剤として市販されているもので、官能基としては、ビニル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基等のどれであっても耐水性向上の効果が得られる。添加量は30w%を超えるとガスバリア性被膜層のガスバリアを阻害し易くなり、3w%未満では効果があまり期待できない。
上記した組成の混合溶液を使用してガスバリア性被膜層を設けるに当たっては、通常用いられているディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法等の従来公知の方法を用いることができる。被膜の厚みは、混合溶液の種類、塗工機、塗工条件等によって異なる。乾燥後の厚みが、0.01μm未満の場合は均一な塗膜が得られ難く、十分なガスバリア性が得られ難い。また厚みが50μmを超える場合は被膜層にクラックが生じ易くなる。好ましくは0.01〜50μmの範囲にあればよいが、0.1〜10μmの範囲がより好ましい。
混合溶液の調整に当たっては、例えば、金属アルコキシドと水酸基をもつ水溶性高分子及びR2Si(OR1)3(R1はCH3,C2H5,C2H4OCH3等の加水分解性基、R2は有機官能基)で表されるケイ素化合物の全てを混合してから加水分解を行ってもよいし、別々に加水分解してから混合してもよい。
このようにして得られる混合溶液には、インキや接着剤との密着性、濡れ性、収縮によるクラック発生防止等の向上を考慮して、イソシアネート化合物、コロイダルシリカやスメクタイト等の粘土鉱物、安定化剤、着色剤、粘度調整剤等の公知の添加剤を、ガスバリ
ア性や耐水性を阻害しない範囲で添加してもよい。
ア性や耐水性を阻害しない範囲で添加してもよい。
ガスバリア性被膜層(4)は上記組成の混合溶液の塗布薄膜を乾燥させて得られるが、乾燥後の厚みは特に限定されるものではないが、50μmを越えるとクラックが生じ易くなるので、0.01〜50μm程度とすることが望ましい。
塗布薄膜の乾燥法は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射乾燥、赤外線照射乾燥、UV照射乾燥等の、混合溶液の塗布薄膜に熱をかけて水分子を飛ばして乾燥する方法であればこれらのいずれでも、またこれらを2つ以上組み合わせた方法でもかまわない。
以上、本発明のポリアミドフィルム積層体の構成について説明したが、本発明のポリアミドフィルム積層体はこのような構成のものに限定されるものではなく、ガスバリア性被膜層(4)側にヒートシール層を設けるようにしてもよい。このヒートシール層は、袋状包装体等を形成する際の接着部として利用されるものであり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物の樹脂等からなる層である。その厚みは目的に応じて決められるが、一般的には15〜200μmの程度であればよい。また、基材(1)側にヒートシール層を設けるようにしても一向に構わない。
このようなヒートシール層の形成方法としては、上述樹脂からなるフィルム状のものを2液硬化型ウレタン系接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法や、無溶剤接着剤を用いて貼り合わせるノンソルベントドライラミネート法、上述した樹脂を加熱溶融させカーテン状に押し出し貼り合わせるエキストルージョンラミネート法等のいずれも公知の積層方法を採用することができる。
また、ガスバリア性被膜層(4)上には必要に応じて、印刷層を積層することも可能であるし、接着剤を介して複数の樹脂層を積層することも可能である。さらには、基材(1)のガスバリア性被膜層が形成されていな側にも、印刷層、ヒートシール層、樹脂層等を積層することも可能である。
次に、本発明のポリアミドフィルム積層体を具体的な実施例を挙げて更に説明する。
まず、下記のようにしてアンカーコート液を調整した。
<アンカーコート液の調整>
アクリルポリオールとトリイジルイソシアネートをアクリルポリオールのOH基に対し、NCO基が等量となるように加え、全固形分が5w%になるように酢酸エチルで希釈した。さらにこれにβ−(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランを全固形分に対し、5w%添加して混合した。
アクリルポリオールとトリイジルイソシアネートをアクリルポリオールのOH基に対し、NCO基が等量となるように加え、全固形分が5w%になるように酢酸エチルで希釈した。さらにこれにβ−(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランを全固形分に対し、5w%添加して混合した。
次に、下記のようなA液、B液、C液を準備した。
<A液>
テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4;以下TEOSとする)17.9gとメタノール10gに塩酸(0.1N)72.1gを加え、30分間攪拌して加水分解させた固形分5%(重量比SiO2換算)の加水分解溶液。
テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4;以下TEOSとする)17.9gとメタノール10gに塩酸(0.1N)72.1gを加え、30分間攪拌して加水分解させた固形分5%(重量比SiO2換算)の加水分解溶液。
<B液>
ポリビニルアルコールの5%(重量比)、水/メタノールアルコール=95/5(重量比)水溶液。
ポリビニルアルコールの5%(重量比)、水/メタノールアルコール=95/5(重量比)水溶液。
<C液>
1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートを水/IPA=1/1溶液で固形分5%(重量比R2Si(OH)3換算)に調整した加水分解溶液。
1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートを水/IPA=1/1溶液で固形分5%(重量比R2Si(OH)3換算)に調整した加水分解溶液。
続いて、A液の固形分(a;TEOSのSiO2固形分(換算値))とB液の固形分(b;PVA固形分)の重量比率がa/b=70/30となるように、A液とB液を混合し、ガスバリア性被膜層を構成する混合溶液1を調整した。
これに続いて、片面がコロナ処理された厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ社製 エンブレムON)を基材とし、この基材のコロナ処理面上に、グラビアコート機を用いて上記アンカーコート液の薄膜を塗布し、乾燥させることにより、厚みが0.1μmのアンカーコート層を積層した。次に、真空蒸着装置で金属アルミニウムを電子線により融解させると共に、そこに酸素ガスを吹き込み、厚み50nmの酸化アルミニウムからなる蒸着層をアンカーコート層上に積層した。日本電子社製のJPS−90MXV装置で得られた蒸着層を分析したところ、アルミニウムと酸素の存在比がAl:O=1:1.8であった。次に、この蒸着層の上に、グラビアコート機にて上記した混合溶液1の塗布薄膜を成膜した後、加熱乾燥させて厚み0.2μmの乾燥被膜からなるガスバリア性被膜層(4)を積層し、本発明の実施例1に係るポリアミドフィルム積層体を得た。
下記のようにして調整した混合溶液2を用いた以外は実施例1と同様にして、本発明の実施例2に係るポリアミドフィルム積層体を得た。
<混合溶液2の調整>
上記A液の固形分(a;TEOSのSiO2固形分(換算値))と、上記B液の固形分(b;PVA固形分)と、上記C液の固形分(c;1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートのR2Si(OH)3固形分(換算値))の重量比率がa/b/c=70/20/10となるように、A液とB液とC液を混合し、ガスバリア性被膜層を構成する混合溶液2を調整した。
上記A液の固形分(a;TEOSのSiO2固形分(換算値))と、上記B液の固形分(b;PVA固形分)と、上記C液の固形分(c;1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートのR2Si(OH)3固形分(換算値))の重量比率がa/b/c=70/20/10となるように、A液とB液とC液を混合し、ガスバリア性被膜層を構成する混合溶液2を調整した。
酸化アルミニウムの蒸着層の形成に際して、真空蒸着装置中への酸素ガスの供給量を調整し、アルミニウムと酸素の存在比がAl:O=1:1.6となるようにした以外は実施例1と同様にして、比較のための実施例3に係るポリアミドフィルム積層体を得た。
ガスバリア性被膜層を設けなかった以外は実施例1と同様にして、比較のための実施例4に係るポリアミドフィルム積層体を得た。
各実施例に係るポリアミドフィルム積層体を評価するために、ドライラミネート機を用いて、その蒸着層等が設けられている側にポリウレタン系接着剤を介して厚み60μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムからなるシーラントを積層し、包装フィルムを得た。
<評価>
得られた包装フィルムで4方パウチを作成し、その中にイタリアンドレッシングを充填し、そのまま40℃で1週間保存した。また、ドレッシングを充填したパウチを更にドレ
ッシング液に漬け込んで40℃で1週間保存した。1週間保存後のそれぞれのパウチの外観を確認・評価し、更に保存後の酸素透過度を酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製 OXTRAN10/50)を用い、30℃、相対湿度70%の雰囲気下で測定し、評価した。
得られた包装フィルムで4方パウチを作成し、その中にイタリアンドレッシングを充填し、そのまま40℃で1週間保存した。また、ドレッシングを充填したパウチを更にドレ
ッシング液に漬け込んで40℃で1週間保存した。1週間保存後のそれぞれのパウチの外観を確認・評価し、更に保存後の酸素透過度を酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製 OXTRAN10/50)を用い、30℃、相対湿度70%の雰囲気下で測定し、評価した。
評価の結果を表1に示す。
1…基材
2…アンカーコート層
3…蒸着層
4…ガスバリア性被膜層
2…アンカーコート層
3…蒸着層
4…ガスバリア性被膜層
Claims (4)
- ポリアミドフィルムからなる基材の片面もしくは両面に、少なくとも、アンカーコート層と、アルミニウムと酸素の存在比がAl:O=1:1.8〜1:2.0である酸化アルミニウムの蒸着層と、水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物を混合してなる混合溶液の薄膜の加熱乾燥被膜であるガスバリア性被膜層とが順次積層されていることを特徴とするポリアミドフィルム積層体。
- 前記アンカーコート層が、アクリルポリオール、イソシアネート化合物、シランカップリング剤との組み合わせになるプライマー層を介して積層されていることを特徴とする請求項1記載のポリアミドフィルム積層体。
- 前記混合溶液中にはR2Si(OR1)3(R1はCH3,C2H5,C2H4OCH3等の加水分解性基、R2は有機官能基)で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物が添加されていることを特徴とする請求項1または2記載のポリアミドフィルム積層体。
- 前記ガスバリア性被膜層上にはヒートシール層が積層されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のポリアミドフィルム積層体。
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