JP2008114213A - 水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電気分解手段による水処理方法の提供。
【解決手段】 電極反応槽で金属電極を用いて電気分解により水処理する方法に於いて電極表面での酸化・還元反応により生ずる金属イオン水酸化物コロイドを該電極反応槽に連通する槽内に設置した分離膜フィルターで阻止分離する水中微量成分の除去方法にある。
対象とするフィルター濾過過程を形成する分離膜として中空糸膜又は平膜からなるナノ濾過膜、限外濾過膜、精密濾過膜を使用する。分離膜フィルターの形状として、浸漬膜フィルターを使用する。浸漬膜フィルターは中空糸膜或いは平膜フィルターの開口部を樹脂で固め減圧吸引機器に接続可能な集水端子を形成せしめたもので、被処理水中に浸漬し集水端子から膜を通して処理水を吸引排出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気分解による水処理方法に関するものである。
従来、水中の懸濁物質、有機或いは無機の水溶性物質、細菌などの微生物を除去して飲料水を得る技術、廃水を処理し環境基準値を満足する状態に処理する技術、殺菌或いは制菌態に保持した機能水を得る技術、健康志向に活用可能な保健食品に準じる飲料水とする技術等様々な要望に対応すべく多くの水処理技術が展開されてきた。
それらの各種処理技術の中に於いて、電気化学的手法を活用する水処理技術は古くから提案され、熱望されて来た経緯があり、これらの技術が実用的に導入できればこれほど優れた技術は他には無いと言われて久しく未だに普及するに至っていない。
水処理分野での電気化学的手法の応用形態としては、大略以下に示す四つのケースに分類出来る。
1) 水を電気分解してイオン水を作り、強酸性水で酸化しながら殺菌する。
2) 塩素を含む水を電気分解し、遊離塩素、過酸化水素、活性酸素を発生させ乍ら殺 菌する。
3) 水中の有機物を電気分解により酸化分解し、水中のBOD並びにCOD成分を低 減させる。
4) 電気分解時に金属電極から溶出する金属イオン水酸化物を核とし、無機或いは有 機またはこれらの混合汚染物質を凝集作用により系外に除去する。
最近、上記1)及び2)については、従来よりの理論的裏づけも定着し、これを基盤に実用化が進み有用な機能水としてプール、温泉等の循環水の殺菌、病院や食品工場或いは薬品工場等殺菌用水、アルカリイオン水等広く健康食品分野へも活用が進められている。
一方、3)及び4)に関しては、一部に実用化の動きが見られるものの、その効果の理論的裏づけに乏しく、その上技術として採用するには本来の反復再現性の確立と信頼性に疑問があり広く普及するに至っていない。
本発明者等は、上記の3)及び4)に関連し、特に電極反応に於ける酸化分解及び凝集反応の再現性或いは信頼性に関し鋭意検討した。
その結果、金属電極から発生する金属イオン水酸化物コロイドを如何に処理するかに重要な課題が有る点に気付いた。
この様な観点から本発明者等は、その対策に電気分解と濾過との組み合わせにより解決を計れないか否かを検討した。
結果として、電気分解に伴い発生する金属イオン水酸化物コロイドを、その発生工程での除去を目標に電気分解に続く適切な濾過分離工程を設ける手段で達成できる事を確認した。
即ち、サブミクロン以下の阻止孔径又は分画分子量を有する濾過膜からなる浸漬濾過分離を行うことにより、金属イオン水酸化物コロイドを効率的に除去出来るのである。
一方、本件技術に関連する技術文献調査では、電気分解手段を組み込む凝集手段に於いて、発生する凝集懸濁物質を下方に位置する濾過材で濾過する方法が報告されている。(例えば、特許文献1参照)
この文献では、濾過駆動力は通水電解の流速によって成されるが、濾過材としてはアルミナ等の無機系材料からなる粒状の濾材を使用する。
ところが、この粒状の濾材の濾材による濾過では、一般濾過レベル即ちミクロン以上の大きさを持つ凝集物の除去を目的としたもので、本発明者等が必要とするサブミクロン以下のコロイド過領域での金属イオン水酸化物コロイドの濾過を達成する事は出来ない。
又他の報告として、電気分解手段と濾過手段を直列に配し、間歇的に通水、滞留を行う方法が開示されている。その目的は電気分解水で効率的に濾過手段の殺菌,懸濁物質の分解・漂白を行う点を主体とし、スポンジ、糸巻き、織物で構成される濾過フィルターの保守に電気分解処理で発生する電解水を使用するとされている。
詳細に検討すると、技術の構成、目的が本件発明と異なり、本件発明に対する技術的示唆は何ら示されていない。(例えば特許文献2参照)
一方、電気分解手段とその下流に中空糸濾過膜からなる中空糸膜フィルターを使用する例が報じられている。(例えば特許文献3参照)この技術の内容も、上記特許文献2に示されている内容に近似し濾過フィルターに中空糸膜フィルターが使用されるもので、その汚れを電解で発生する酸性水で殺菌する点に特徴を有するものである。
他にも、生物濾過手段と電気分解手段を並列に配し、生物濾過による有機物の分解と殺菌を行う提案(例えば、特許文献4参照)もなされている。
これらの開示技術は、何れも本発明者等が求める目的と効果が異なり、技術思想や発明構成も別異のものであった。
更に、他の文献として、フィルター自体を隔膜とする電気分解濾過装置が提案されている。(例えば、特許文献5参照)しかし、この技術では隔壁型電気分解で酸性水、アルカリ水を得る装置に於いて隔壁素材として不織布,セラミック、チタン、ステンレス等の金属メッシュ、多孔板、膜フィルターなどを使用する点に特徴を有している。
従って、これらの例も、本発明で対象とする技術解決の手段及び目的・効果が異なるもので参考に出来ない。
その他、電極とフィルターを一体化して電気分解前に懸濁物質を除き、次いで電気分解により水溶性物質を分解すると共にフィルターに付着した懸濁物質と難分解性物質を電気分解する一方で、陰極生成物である炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムを除去する方法も提案されている。(例えば、特許文献6参照)
上記のいずれの報告も、目的及び効果に於いて本発明者等が対象とする検討技術とは異なる領域で有り、本発明者等の解決目標とする技術は示されていない。ただ、一部に本発明の付随的効果である電極への金属イオン水酸化物の付着防止効果が謳われているが、この技術では電気分解処理液中の金属イオン水酸化物を完全に除去する事は難しい。
電極への凝集物の付着、水酸化物の析出を防止する手段としては、電気分解槽内に振動発生手段を設けることの提案(例えば、特許文献7参照)、或いは陰極析出物を回転スクレバーで除去する方法の提案(例えば、特許文献8参照)等もされている。これらも本発明の目標とする解決手段とはなり得ない。
特開平11−300362 特開2000−317456 特開平10−202067 特開平10−225391 特開2000−334460 特開2003−164875 特開2003−24943 特願平9−299084
発明が解決しようとする課題
本発明者等は、金属電極から発生する金属イオンを核とした汚染物質の凝集現象に着目し、その現象の発生メカニズム並びにその取扱い方策について検討した。その結果、電気分解過程で発生する金属イオン水酸化物の濃度制御並びに金属イオン水酸化物過剰発生態下に於いて、これらイオン化合物に影響されない水処理技術形成に集中した。
検討を進めた結果、金属水酸化物の発生の制御、汚染物質の量と発生金属イオンの当量関係の把握、これらを基点とする金属電極間の電流密度制御方法、更に連動して挙動する化学反応的当量関係の把握など、時々刻々に変動する各反応過程下での汚染物質量定量の技術形成が不可欠と判断するに至った。
同時に、これら技術の達成には夫々の反応に応じた電流密度調整の必要性、インターフェイスと精密電流制御装置の設営等が必要と分かった。しかし、これら必要技術の調達はいずれも未開拓の領域で且つ関係データの情報量に乏しく、可なり時間をかけて制御技術を確立したとしても、徒らにコスト高に流れる複雑なシステムを必要とする傾向になる。
これらの難点を回避する為の検討では、金属電極を用いた電気分解により発生した金属イオンの凝集効果で水中に分散或いは溶解した不純物を除去する確実な技術の開発、過剰に発生する金属イオン水酸化物の処理水中から簡易に除去が達成出来るか否かの解決を計れば成功できるとの確信を得た。
本発明者等は、以上のような事情に鑑み発生する金属イオン水酸化物の除去について鋭意検討した結果、これらの金属イオン水酸化物が水中ではコロイドとして存在することに着目した。
それに基づき電気分解処理槽内に阻止孔径又は分画分子量がサブミクロン以下の膜フィルターで構成された浸漬式膜分離フィルターを設置し、電解処理に引き続き同浴中の処理水を吸引濾過することにより余剰の金属イオン水酸化物を効率よく除去可能である事を見出し本発明の完成に到達した。
本発明は電極反応槽で金属電極を用いて電気分解により水処理するに際し、電極表面での酸化・還元反応により生ずる金属イオン水酸化物コロイドを該電極反応槽に、例えば連通する槽内に設置した分離膜フィルターで阻止分離することにより水中微量成分の除去が可能としたものである。
即ち、本発明の要旨とするところは、電極反応槽で金属電極を用いて電気分解により水処理する方法に於いて電極表面での酸化・還元反応により生ずる金属イオン水酸化物コロイドを該電極反応槽に連通する槽内に設置した分離膜フィルターで阻止分離することを特徴とする水中微量成分の除去方法にある。
本発明で対象とする、フィルター濾過過程を形成する分離膜としては、中空糸膜、平膜からなる限外濾過膜、精密濾過膜或いはナノ分離膜が使用出来る。
本発明に云う浸漬膜フィルターとは、代表例として中空糸膜或いは平膜フィルターの開口部を樹脂で固め減圧吸引機器に接続可能な集水端子を形成せしめたもので、被処理水中に浸漬し集水端子から膜を通して処理水を吸引排出する。この形式のフィルターは浄水又は排水処理フィルターとしても広く採用される傾向にある。
又、本発明に用いる浸漬膜フィルターは、中空糸膜から構成されても、平膜から構成されても良いが取り扱い上から見ると中空糸膜が好ましい。膜の阻止孔径、分画分子量は対象となる金属イオン水酸化物コロイドの大きさによって決定され精密濾過膜、限外濾過膜或いはナノ分離膜が使用できるが、実用上からは限外濾過膜が好ましい場合が多い。
但し、これらは本発明を特に限定するものではない。
本発明の如く金属電極を用いた電極反応槽内では、電気分解時に電極に用いる金属のイオン化傾向により電極から金属イオンが溶出する。溶出した金属イオンは、金属イオン水酸化物となり正の電荷を持つ水酸化物コロイドを形成する。この金属水酸化物コロイドは、水中で負の電荷を持つイオン、イオン水酸化物、懸濁物質、有機物等を凝集し、より孔径の大きなコロイド又は不溶性粒子に成長する。
これら水中の凝集物の系外排出には、コロイド或いは凝集粒子を加圧浮上又は濾過分離により処理水を得る方法が一般的に採用される手法である。しかしながら、加圧浮上または上述したような公知の濾過分離手段で捕捉される粒子径は、通常ミクロンオーダー以上で凝集物コロイド或いは凝集粒子以下の物質は除去されず処理水中に残存する。
特に余剰に発生し、凝集に関与しなかった金属イオン水酸化物コロイドは加圧浮上或いは公知の濾過分離手段で処理されず処理水中に再度分散されることになる。
これらの金属イオン水酸化物が通常0.1μm以下0.001μm以上の粒子径を持つ事より、電極反応槽内に設置した精密濾過膜、限外濾過膜或いはナノ濾過膜からなる浸漬膜フィルターで吸引ろ過して処理する事が可能である。
この方法により、除去対象の不純物と共に電気分解で発生した金属イオン水酸化物も同時に除去された処理水を確実に得ることが出来る。
本発明にて使用する金属電極の素材は、発生する金属イオン、金属イオン水酸化物の凝集作用効果からイオン化傾向の大きい材質が好ましい。通常、陽極材としてアルミニウム、鉄、ステンレスが使用されるが、その他チタン、チタン合金、金、白金、イリジウム、パラジウム、Pt−Ir、ルテニウム等をメッキ或いは焼成処理によって被膜化したものを用いても良い。
陰極材としては、ステンレス、チタン、アルミニウム、白金等が用いられ、自然溶出のないものは好まれるが本発明を限定するものではない。
電気分解の電源として、直流電源を使用し電極への荷電は電流検知回路を介して予め設定した電流電圧値を制御回路にて調整して行う。
電極反応槽には、必要に応じNaCl、MgCl3、KCl、CaCl2等の電解質を加えることが出来る。
一方、電極間には隔壁(隔膜)を設ける場合、無隔膜電解方式、隔膜電解方式を採用する事が出来る。
電気分解方式は、通常被処理水を連続的な通水状態で電気分解する通水電解を原則とするが間歇的に滞留電解を実施する場合もある。
電極板は1対以上を使用するが、全電極に配線する場合や配線した二枚の電極板の間に配線しない電極板を等間隔で配置するか配線したバイポーラ方式電極を使用しても良い。
本発明の重要な構成要件として、分離膜フィルターを電極反応槽に連通して槽内に設置する点にある。即ち、分離膜フィルターを電極反応槽に連通する槽内に設置する事により通水電気分解に連続して吸引濾過が可能で、より設備をコンパクトに出来、且つ余分なポンプなどの送水設備が不要でエネルギー的省力が期待出来る。
又、分離膜フィルターの吸引濾過速度を調整し、電極反応槽の液面を検知して被処理水の流入量をコントロールすれば凝集反応時間を調整出来る利点がある。
分離膜フィルターは、電極反応槽に連通する槽内であれば基本的に如何なる位置にあっても良い。但し、電気分解時の通電に伴い発生する気体による上向流を利用すれば、膜面への濾過物の付着乃至堆積の軽減目的より、分離膜フィルターを電極反応部の上部に設置する事がより好ましい。
更に、この状態で被処理原水を電極槽の下方から注入し上向流として電極部及び分離膜部を通過せしめる事により膜面への濾過物の堆積を更に軽減する事が出来る。
本発明の他の特徴としては、電極として回転型円盤電極を使用し、その有効部に擦接洗浄機能を設営すれば電極の汚染による通電障害を除去出来る。
即ち、連続通水電気分解に於いては連続処理に伴う陽極電極表面で発生する金属イオン水酸化物が核となって形成される凝集物が陽極電極表面に多く付着する場合に有効である。
又、陰極電極表面では水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が析出し通電機能を阻害するが、上記する電極を採用すれば有効に防止することが出来る。更に、好ましくは回転円盤電極板の少なくとも一部に擦接洗浄機能を付加する事により、効率的な電極性能が維持され、電極表面の汚染防止と保護が可能となり安定な連続処理作業が実行出来る。
以上に詳説したとおり、本発明は金属電極を使用した電気分解を基本とする水中微量成分除去方法に於いて電気分解時に余剰に発生する金属イオン水酸化物の除去について鋭意検討し、目的を達成し得る濾過手法を取り入れる事によりこれら金属イオン水酸化物の除去に成功したものである。
即ち、具体的に例を挙げて説明すると、従来技術では採用されていない電気分解処理槽内に阻止孔径又は分画分子量がサブミクロン以下の膜フィルターで構成された、例えば浸漬式限外濾過膜分離フィルターを設置し、電気分解処理に引き続き同浴中の処理水を吸引濾過することにより余剰の金属イオン水酸化物を効率よく除去することを可能にしたものである。
電気化学的手法を水処理に効率的に適応出来る実用的技術手段として極めて有効である。
より具体的には家庭排水・産業排水の浄化(BOD,CODの減少)、冷却塔・空調・ボイラー用水のスケール防止及び除菌、埋立地浸出水の処理、焼却機のダイオキシンの除去等の排水処理の他、処理水に処理に伴う不純物を混入させず、地下水からシリカ、カルシウムなどを除去して飲用水とする浄水処理に適用可能である。
以下、本発明の実施の形態を、図1に基づいて説明する。
図1は本発明の実施例を示すものである。12は電気分解分離処理装置全体を示す。
2は電極反応槽、5はプラス電気配線、6はマイナス電気配線、3は凝集槽、4は浸漬膜分離槽、7は電極群、8は浸漬膜フィルターモジュール、11は浸漬膜フィルターの集水管部、9は集水ライン、10は減圧吸引ポンプ等の吸引装置を示す。
1から被処理水を2の電極反応槽に導入し、電極反応槽(2)の電極板間で電気分解を行う。電極反応槽(2)で発生した金属イオン水酸化物コロイドは、凝集槽(3)で被処理液内不純物と凝集物コロイドを形成する。
次いで4の浸漬膜分離槽に移流し浸漬膜フィルター(8)を通じて同フィルターの集水管部(11)を経て集水ライン(9)を通じ減圧吸引ポンプ(10)を経て処理水として通水される。
以下さらに実施例により詳しく本発明を説明する。
予め除鉄、除マンガン処理した地下水でシリカを多量に含む地下水を用いた例を図1の模式で説明する。
陽極電極板として500mm×500mm×厚さ1mmの市販のアルミニウム板を、陰極電極として500mm×500mm×厚さ1mmのステンレス板を使用する。
電極板距離10mmで6対(電極板12枚)の電極板を配置した600mm×600mm×250mmで容積約0.09m2の電極反応槽(2)において、各電極間に10Vの直流電圧を印荷し、電流密度0.25A/cm2で、通液速度25L/分及び50L/分、電気伝導度24.0でシリカを多量に含む地下水を処理した。
電極反応槽(2)に処理液オーバーフローで連結する凝集槽(3)を配置し、ここで凝集反応を促進した。次いで凝集槽(3)に底部で連通する浸漬膜分離槽(4)に処理液を移流する。浸漬膜分離槽(4)には分画分子量100,000ダルトンの限外(UF)中空糸濾過膜からなる10m2/本の浸漬濾過膜フィルター15本で構成されたフィルターモジュール(8)としてセットした。
このフィルターモジュール(8)を自吸式吸引ポンプ(10)に接続し、吸引圧約30KPa及び約60KPaで浸漬膜分離槽(4)から処理水Aとして25L/分.及ぶ処理水Bとして50L/分.で採水した。
対照比較例として浸漬膜分離槽(4)に浸漬膜モジュール(8)を設置せず、分離槽(4)に加圧浮上装置を入れ、浸漬膜分離によらず処理水Aの電解条件で処理した凝集槽(3)の処理水から加圧浮上によって懸濁物質を分離除去した比較例処理水Cを得た。
これらのサンプル水を分析し、含有物質の変化を調査すると次の表1に示すとおりで有った。
Figure 2008114213
表1の結果より、本実施例ではシリカ成分の除去を主目的として行ったが、従来のアルミ電極による電気分解と加圧浮上法の組み合わせて得た試料処理水Cでは、シリカは除去できる反面、アルミが処理水中に多量に残留する結果が示されている。
これに対し本発明処理水試料A及びBの分析値からはアルミニウム成分が検出されず、更にシリカ成分が検出されていない。
この結果より、本発明の効果が証明され目的を達成した。
図1に示す模式図で、陰陽両極の電極板として、500mm×500mm×厚さ1mmのアルミニウム板を使用した。電極板距離15mmで9対(電極板18枚)の電極板を配置した600mm×600mm×350mmで、容積約0.126mの電極反応槽(2)において、各電極間に10Vの直流電圧の印荷し電流密度0.45A/cmで、通液速度40L/分の条件にて焼却炉スクラバー洗浄水の処理を行った。
電極反応槽(2)に処理液オーバーフローで連結する凝集槽(3)を配置し、ここで凝集反応を促進した。
次いで、凝集槽(3)に底部で連通する浸漬膜分離槽(4)に処理液は移流する。浸漬膜分離槽(4)には分画分子量80,000ダルトンの限外(UF)中空糸濾過膜からなる10m2/本の浸漬濾過膜フィルター15本で構成されたフィルターモジュール(8)がセットされている。
このフィルターモジュール(8)を自吸式吸引ポンプ(10)に接続し、約60KPaで浸漬膜分雕槽(4)から処理水Dを40L/分で採取した。
対照比較例として、浸漬膜分離槽(4)に浸漬膜モジュールを設置していない以外は全て同一条件にて同一原水を使用して実験し、処理水Dと同一電気分解条件で実行し凝集槽(3)の処理水を系外に取り出し、阻止孔径5μmの焼結金属カートリッジフィルターで濾過処理し比較例処理水Eとして採取した。
これらのサンプル水を実施例1と同様に分析し次の表2に纏めた。
Figure 2008114213
表2の結果より、電気分解処理とそれに続く一般濾過処理でも、ダイオキシン類、COD成分、n−ヘキサン抽出物質等の減少を示す分析値やSSの減少傾向を示す分析値より確認されている。一方、対照処理水試料Eの分析値から電極から発生するアルミニウム成分はは除去出来ず大量に残留している。
これに対し、本発明の処理水試料Dの分析値から処理水中のアルミニウム成分の残存は検出出来ない範囲内であった。
図1に示す模式図で、陽極電極板として200mm×200mm×厚さ1mmの鉄板を、陰極電極として200mm×200mm×厚さ1mmのステンレス板を夫々使用した。
電極板距離10mmで6対(電極板12枚)の電極板を配置して、250mm×250mm×150mmで容積約0.0094mの電極反応槽(2)を構成した。
各電極間に10Vの直流電圧の印荷し、電流密度0.45A/cmで、通液速度1.5L/分の条件にて埋立地浸出水を処理した。
電極反応槽(2)に処理液のオーバーフローで連結する凝集槽(3)を配置し、ここで凝集反応を促進した。
次いで凝集槽(3)の底部で連通する浸漬膜分離槽(4)に処理液を移流する。浸漬膜分離槽(4)には分画分子量100,000ダルトンの限外(UF)中空糸ろ過膜からなる0.5m/本の浸漬濾過膜フィルター6本からなるフィルターモジュール(8)をセットした。
このフィルターモジュール(8)を自吸式吸引ポンプ(10)に接続し、吸引圧約60KPaで浸漬膜分離槽(4)から処理水Fを1.5L/分で採取した。
対照比較例として浸漬膜分離槽(4)に浸漬膜モジュールを設置せず、代わりに浸漬膜分離槽(4)に加圧浮上装置を入れた。次いで、浸漬膜分離によらず処理水Fの電気分解条件と同一条件で処理した凝集槽(3)の処理水を加圧浮上によって懸濁物質を分離除去し処理水Gを得て比較例とした。その結果は、次の表3に示すとおりである。
Figure 2008114213
上記表3に示される、処理水試料F、Gいずれの分析値に於いても、電気化学的処理によって必然的に発生する鉄の水酸化物や次亜塩素酸との反応に起因する酸化並びに電極近傍の有機物分解反応で生じる物質のCODCr値、アンモニア態窒素分、T−N分、T−P分の値が減少している。これは、本発明の効果を示すものである。
一方、従来の分離方法である加圧浮上による処理水試料Gの分析値では、同時に過剰に発生する鉄の水酸化物の分析値から除去がなされていない。
このように、本発明の方法に限りこれらの処理水中に鉄分が残留しない事を示している。
本発明は、金属電極を使用した電気分解を基本とする水処理方法に於いて、水中の微量成分除去を目的とするに際し、電極反応に起因する処理水への不純物混入を阻止しながら安定的な連続処理を可能とした。
更に、本発明では家庭排水、産業排水の浄化(BOD、CODの削減等)、冷却塔、空調、ボイラー用水のスケール防止及び除菌、埋立地浸出水の処理、焼却機のダイオキシンの除去等の排水処理の他、処理水の処理に伴う不純物混入をさせないので、地下水の飲料水処理に於けるシリカ、カルシウム等の硬水成分の除去にも適用できる。
本発明の効用は工業的に著大であるものと確信する。
図1は、本発明の基本思想を示すフローチャートである。被処理水をポンプ等で本発明で利用する処理糟に通水すれば電気分解処理と浸漬膜分離槽により処理水が得られ模式図を示している。
符号の説明
1 被処理水
2 電極反応槽
3 凝集槽
4 浸漬膜分離槽
5 プラス電気配線
6 マイナス電気配線
7 電極群
8 浸漬膜フィルターモジュール
9 集水ライン
10 減圧吸引ポンプ
11 浸漬膜フィルターの集水管部
12 電気分解分離処理装置全体

Claims (9)

  1. 電極反応槽で金属電極を用いて電気分解により水処理する方法に於いて、電極表面での酸化・還元反応により生ずる金属イオン水酸化物コロイドを該電極反応槽に連通する槽内に設置した分離膜フィルターで阻止分離することを特徴とする水中微量成分の除去方法
  2. 該フィルター濾過過程を形成する分離膜として、中空糸膜、平膜のいずれかを使用する事を特徴とする請求項1の水処理方法。
  3. 該フィルター濾過過程を形成する分離膜として、ナノ分離膜、限外濾過膜、精密濾過膜のいずれかを使用する事を特徴とする請求項1の水処理方法。
  4. 該フィルター濾過過程を形成する分離膜として、浸漬型膜モジュールを使用する事を特徴とする請求項1の水処理方法。
  5. 該フィルター濾過過程を電気分解過程に対し、直列に上流或いは下流に夫々又は両方に配してなる事を特徴とする請求項4の水処理方法。
  6. 該被処理水を槽内処理過程の下方より上向流として移流せしめる事を特徴とする請求項4乃至5の水処理方法。
  7. 該電極として、回転式電極を採用する事を特徴とする請求項1乃至6の水処理方法。
  8. 該回転式電極として、擦接洗浄機能を付加した事を特徴とする請求項7の水処理方法。
  9. 上記、請求項1ないし8記載の方法を用いて行なうことを特徴とする水処理装置。
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