JP2008109874A - Dnaの自己環状化用酵素組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】末端がリン酸化されていないDNA分子のDNA連結効率の高いライゲーション方法、および、そのような効率の高いライゲーション反応を可能にするDNAリガーゼ組成物を提供する。
【解決手段】ポリヌクレオチドキナーゼ、ポリエチレングリコールおよびDNAリガーゼを含むことを特徴とする安定な組成物を用いて末端がリン酸化されていないDNA分子のライゲーションを行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、分子生物学の分野に属する。さらに詳しくはポリヌクレオチドキナーゼ、ポリエチレングリコールおよびDNAリガーゼを含むことを特徴とする安定な組成物、およびそれを用いた末端がリン酸化されていないDNA分子のライゲーション反応を促進させる方法に関する。
分子生物学の分野では、DNA組換え体の作製において2本鎖DNA断片の連結にDNAリガーゼを利用することは、周知の技術であり、従来よりT4 DNAリガーゼ、大腸菌DNAリガーゼ等が用いられている。また、これらのDNAリガーゼによるDNA連結反応の効率を向上させるための方法も知られている。たとえば,DNA連結反応時に,ポリエチレングリコール,およびポリアミン,1価カチオン,2価カチオンなどのいずれか1つを添加する方法が開示されている(たとえば,特許文献1を参照)。また、DNA連結反応液にベタインを添加する方法も開示されている(たとえば,特許文献2を参照)。
特開昭62−36187 特開2006−25637
このDNAリガーゼによるDNAの連結には、そのDNAの5’端がリン酸化されている必要がある。一般的に制限酵素で切ったDNAの末端は、5’端がリン酸化されていることから、そのままの状態でDNAリガーゼを作用させることによりDNAを連絡することができる。
一方、近年、プラスミドを鋳型として、その全長あるいは一部領域をPCR(polymerase chain reaction)法により増幅し、自己環状化した後、大腸菌を形質転換し、変異導入や欠失変異体を作製することが行われている。しかしながら、PCR法等、インビトロ増幅法にて増幅したDNA産物は、その増幅の過程では5’端のリン酸化はなされない。従って、インビトロ増幅産物を次工程で他のDNAあるいは自己のもう一方の端と連結しようとする場合には、そのインビトロ増幅法に用いるプライマーの5’端をリン酸化しておく必要がある。プライマーの5’端をリン酸化する方法としては、プライマーをオリゴヌクレオチド合成機にて合成する際にその5’端にリン酸基を付加する方法と、プライマーを合成後、プライマーにポリヌクレオチドキナーゼを作用させてその5’端にリン酸基を付加する方法がある。しかしながら、前者の方法は、5’端に確実にリン酸基が付加されるものの、価格的に高価なものにつく短所がある。また、後者の方法は、次工程のインビトロ増幅反応の前に、ポリヌクレオチドキナーゼを精製し取り除く必要があり煩雑なものとなっている。
そこで、別の方法として、プライマーの5’端をリン酸化する代わりに、インビトロ増幅法にて増幅したDNA産物の5’端をポリヌクレオチドキナーゼを用いてリン酸化し、その後、DNAリガーゼを用いたDNA結合に供することも行われている。さらに、ポリヌクレオチドキナーゼを用いた5’端のリン酸化と、DNAリガーゼを用いた連結反応を同時に行う系も報告されている(たとえば,非特許文献1を参照)。このポリヌクレオチドキナーゼを用いた5’端のリン酸化と、DNAリガーゼを用いた連結反応を同時に行う系は、ポリヌクレオチドキナーゼとDNAリガーゼのいずれもが、反応にrATPおよびMg2+を必要することから同一チューブ内で同時に行い得るものである。しかしながら、この同時反応系は、反応の効率が悪く、長時間反応させることが必要であった。非特許文献1では、14℃で12時間の反応を要している。
Nucleic Acids Research、Vol.19 No.10(1991)、Imai Y.著、2785頁
本発明は従来技術のこのような課題を背景になされたものであり、末端がリン酸化されていないDNA分子のDNAリガーゼによるDNA連結効率の高いライゲーション方法を提供すること、および、そのような効率の高いライゲーション反応を可能にする、安定なDNAリガーゼ組成物を提供するものである。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、DNA連結反応時にポリヌクレオチドキナーゼおよびポリエチレングリコールを共存させることにより、末端がリン酸化されていないDNA分子のDNA連結効率を高めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、(1)ポリヌクレオチドキナーゼおよびポリエチレングリコールを含むことを特徴とするDNAリガーゼ組成物である。該組成においてさらに、2価金属イオン、動物血清タンパク質から選ばれる少なくとも1つ以上を含有する緩衝液を含有しても良いし、動物血清タンパク質が牛血清タンパク質であってもよい。また本発明は、(2)ポリヌクレオチドキナーゼおよびポリエチレングリコールの共存下でDNAリガーゼ反応を行うことを特徴とするDNAリガーゼによるライゲーション反応を促進させる方法である。該方法においてさらに、2価金属イオン、動物血清タンパク質から選ばれる少なくとも1つ以上を含有する緩衝液を共存しても良いし、動物血清タンパク質が牛血清タンパク質であってもよい。また本発明は、PCR産物等の末端がリン酸化されていないDNA分子をポリヌクレオチドキナーゼおよびポリエチレングリコールの共存下でDNAリガーゼ反応を行うことを特徴とする、PCR産物等を自己環状化する方法である。また本発明は、(3)該組成物を含む、末端がリン酸化されていないDNA分子のライゲーション反応を行うキットである。
本発明により、末端がリン酸化されていないDNA分子のDNA連結効率の高いライゲーション方法、および、そのような効率の高いライゲーション反応を可能にするDNAリガーゼ組成物を提供できる。それによって、遺伝子工学領域におけるDNA連結反応の効率を顕著に向上させ、PCR産物等の自己環状化の効率をも簡便に向上させることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
DNAリガーゼとは、2本鎖DNAの5’リン酸末端と他の2本鎖DNAの5’水酸基末端との間でホスホジエステル結合を形成させる酵素であり、CofacforとしてrATPを要求し、相補的塩基を持つDNAどうし、平滑末端(Blant End)どうしのいずれをも連結することができるT4 DNAリガーゼや、NADを要求し、相補的塩基を持つDNAどうしのみを連結する大腸菌DNAリガーゼなどが良く知られており、市販のものを容易に入手できる。そのほか耐熱性DNAリガーゼとしてストラタジーン社のPfu DNA Ligase、Epicentre社のAmpligase DNA Ligase(商品名)などが市販され、また、近年になって超好熱始原菌Aeropyrum pernix(アエロパイラム・ペルニックス)由来のものなどが報告されている。
本発明で用いられるDNAリガーゼとしてはどのようなリガーゼでも良いが、PCR産物等由来のDNA分子の自己環状化におけるライゲーションの用途で好ましいのは、平滑末端(Blant End)どうしを連結することができるT4 DNAリガーゼである。
ポリヌクレオチドキナーゼとは、rATPのγ位リン酸をDNA、RNAおよびヌクレオシド 3‘−モノホォスフェイトの5'の水酸基に転移する反応を触媒する酵素である。T4 ポリヌクレオチドキナーゼが良く知られており、市販のものを容易に入手できる。本発明においてもT4 ポリヌクレオチドキナーゼが特に好ましく用いられる。ポリヌクレオチドキナーゼをライゲーション反応に添加する量としては5単位以上が好ましく、特に好ましいのは5〜20単位の範囲である。
また、T4 ポリヌクレオチドキナーゼには、上述のrATPのγ位リン酸をDNA、RNAおよびヌクレオシド 3‘−モノホォスフェイトの5'の水酸基に転移する反応を触媒する活性(5‘-キナーゼ活性)に加えて、DNA、RNA等の3’リン酸基を取り除く活性(3’ フォスファターゼ活性)を有している。この3’ フォスファターゼ活性は、また、rATPを分解することが知られている(たとえば,非特許文献2を参照)。さらに、5‘-キナーゼ活性と3’ フォスファターゼ活性は、T4 ポリヌクレオチドキナーゼにおいて、それらの活性を担うドメインとして明確に分かれていることも知られている。それゆえに、5‘-キナーゼ活性はそのままに、3’ フォスファターゼ活性のみを欠いた変異体も得られている(たとえば,非特許文献3を参照)。本発明において、ポリヌクレオチドキナーゼとは、5‘-キナーゼ活性を有しておればよく、由来はT4 ポリヌクレオチドキナーゼに限定されない。さらに、5‘-キナーゼ活性を有し、3’ フォスファターゼ活性を欠いた変異体を使用することが好ましい。これにより、酵素組成物中のrATPが分解されるのを回避することができ、組成物の安定性を維持することができる。
Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition. Cold Spring, Cold Spring Harbor, NY (1989) 9.55ページ Nucleic Acids Research、Vol.30 No.4(2002)、Li Kai Wang and Stewart Shuman著、1073〜1080頁
ポリエチレングリコール(PEG)とは、エチレングリコールが重合した構造をもつ高分子化合物(ポリエーテル)であり、様々な分子量のものが入手できる。本発明においては、分子量6000のPEG#6000が好ましく、添加する濃度としては、0.1%以上が好ましく、特に0.5〜2.0%が好適である。
本発明を好適に実施するには、さらに2価金属イオンおよび動物血清タンパク質から選ばれる物質の内、いずれか1つもしくは両者を添加することが好ましい。2価値金属イオンには、例えばCa++、Mg++、Mn++などが挙げられるが、特にMg++が好ましい。DNAリガーゼ組成物としてはこれらをたとえばMgCl2などの金属塩の形で添加する。添加する濃度としては、0.1mM以上が好ましく、特に1.0〜20mMが好適である。
動物血清タンパク質とは、主にウサギ、ウシ、マウスなどの哺乳動物の血清タンパク質であり、アルブミン、グロブリンなどのタンパク質が挙げられる。本発明において特に好ましい動物血清タンパク質はウシ血清アルブミンである。これらの動物血清タンパク質をDNAリガーゼ組成物に添加する濃度としては、0.0001重量%以上であって、特に0.01〜0.05重量%が反応に好適な濃度である。
これらを適当な緩衝液、例えばpH7.0から8.0のトリスー塩酸緩衝液などに添加してDNAリガーゼ組成物を構成する。
本発明はまた、このようなDNAリガーゼ組成物を用いたPCR産物等のインビトロ増幅法にて増幅したDNA産物のライゲーション、特にセルフライゲーション(自己環状化)を行う方法でもある。さらに、特にプラスミドを鋳型として、その全長あるいは一部領域をPCR法により増幅し、そのPCR産物を高効率に自己環状化する方法である。
本発明によるDNAリガーゼ組成物を用いてPCR産物を自己環状化するには、まず、標的とするDNAおよびその一部と相補的な塩基配列を有するプライマーとを準備し、α型耐熱性酵素を用いてPCRを行うことが好ましい。なお、ここで用いるプライマーは、予めその5‘端をリン酸化しておく必要はなく、合成したオリゴヌクレオチドをそのまま使用することができる。ここで、α型耐熱性酵素とは、KOD DNAポリメラーゼ、Pfu DNAポリメラーゼなどの3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼのことである。これらα型耐熱性酵素を用いて増幅したPCR産物は、その末端が平滑末端(Blant End)になっており、PCR産物の末端同士を、あるいは、平滑末端をもつ他のDNA分子と連結することができる。次に、所望の標的DNAの形質転換体を得るには、前記のDNA連結反応物を大腸菌に形質転換し、薬剤耐性のマーカーを利用して生育してくる大腸菌コロニーを選別することにより達成することができる。本発明によるDNAリガーゼ組成物を用いることにより、従来法で得られていた効率と比べて大幅に効率を増大することが可能となる。例えば、2.0kbのPCR産物を用いたセルフライゲーション(自己環状化)実験の場合、従来法より約91倍の効率を増大することが可能となる。
本発明において、ライゲーションの効率とは形質転換された宿主細胞のコロニー数として求める。なお、ライゲーションの効率向上は、同じコロニー数を得るために要する時間を短縮することによっても示されうる。
次に実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
DNAリガーゼ反応におけるポリヌクレオチドキナーゼおよびポリエチレングリコール添加によるPCR産物のセルフライゲーション効率に及ぼす影響の検討
T4DNAリガーゼ(東洋紡績製)4単位を、6.6mM MgCl2、10mM DTT、 0.2mM ATP、 20μg/ml ウシ血清アルブミン(BSA)を含む66mM Tris−HCl(pH 7.6)緩衝液に溶解した組成物を調製した(基本組成物)。 次に、この組成物にポリヌクレオチドキナーゼを5単位となるように添加した組成物(+PNK組成物)、ポリエチレングリコール#6000を1.5%の濃度で添加した組成物(+PEG組成物)、およびポリヌクレオチドキナーゼ(東洋紡績製)、ポリエチレングリコール#6000の両方を添加した組成物(+PNK+PEG組成物)を調製した。一方、KOD −Plus− DNAポリメラーゼ(東洋紡績製)および、プライマー1(5’−CAACGTCGTGACTGGGAAAACCCTG−3’)(配列番号1)とプライマー2(5’−TAAAACGACGGCCAGTGAATTCGAG−3’)(配列番号2)を用いて、pUC18を鋳型にしてPCRを行い、2.0kb DNA断片を増幅した。その後、鋳型のpUC18を制限酵素DpnIにて分解した後、PCR増幅断片をマグエキストラクター−PCR&Gel Clean up−(東洋紡績製)にて精製した。次に、このPCR増幅断片に前記の4種類のDNAリガーゼ組成物を添加して16℃、1時間反応させた。この反応物を用いて大腸菌JM109を形質転換し、100μg/ml アンピシリンを含むLB培地にて播種して、生成するコロニー数をカウントした。その結果、ポリヌクレオチドキナーゼおよびポリエチレングリコール#6000を添加しないDNAリガーゼ組成物に対して、本発明によるDNAリガーゼ組成物を用いた場合は、セルフライゲーション効率が約91倍向上していた(表1)。
Figure 2008109874
実施例2
DNAリガーゼ反応におけるポリヌクレオチドキナーゼおよびポリエチレングリコール添加によるPCR産物のセルフライゲーション効率の促進度合の検討
実施例1に記載のポリヌクレオチドキナーゼを添加した組成物(+PNK組成物)とポリヌクレオチドキナーゼおよびポリエチレングリコール#6000の両方を添加した組成物(+PNK+PEG組成物)を用いて、実施例1記載のPCR産物のセルフライゲーションを、反応温度16℃にて反応時間を変化させて行った。この反応物を用いて大腸菌JM109を形質転換し、100μg/ml アンピシリンを含むLB培地にて播種して、生成するコロニー数をカウントした。その結果、本発明によるポリヌクレオチドキナーゼおよびポリエチレングリコール#6000の両方を含有する組成物では、ポリヌクレオチドキナーゼのみを含有するDNAリガーゼ組成物が120分掛かるコロニー数と同等とコロニー数を約10分間の反応で得ることができた。また、本発明によるポリヌクレオチドキナーゼおよびポリエチレングリコール#6000の両方を含有した組成物を用いた場合には、反応時間30分で十分なリガーゼ反応が行われているようであり、既にセルフライゲーション効率がほぼ上限に達していた。(表2、図1)。
Figure 2008109874
実施例3
ライゲーション反応におけるポリヌクレオチドキナーゼの至適濃度の検討
T4DNAリガーゼ(東洋紡績製)4単位、6.6mM MgCl2、10mM DTT、 0.2mM ATP、 20μg/ml ウシ血清アルブミン(BSA)、1.5%ポリエチレングリコール#6000を含む66mM Tris−HCl(pH 7.6)緩衝液に種々の量のポリヌクレオチドキナーゼを添加した組成物を調製し、実施例1記載のPCR産物を用いて、ライゲーション反応を16℃、1時間行った。次に、この反応物を用いて大腸菌JM109を形質転換し、100μg/ml アンピシリンを含むLB培地に播種
して、生成するコロニー数をカウントした。その結果、1単位以上のポリヌクレオチドキナーゼ量でライゲーション効率を増大する効果が見られた(表3)。
Figure 2008109874
実施例4
3’ フォスファターゼ活性を欠いたT4ポリヌクレオチドキナーゼ変異体を使用した酵素組成物の安定性の検討
3’ フォスファターゼ活性を欠いたT4ポリヌクレオチドキナーゼ変異体は以下のようにして調製した。すなわち、T4 ポリヌクレオチドキナーゼ遺伝子をターゲットとして、部位特異的変異により、165番目のAspをAlaに置換した変異体を作成した。この遺伝子を用いて、非特許文献3に記載の方法に従い、変異体酵素の精製を行いD165Aと名づけた。次に、DNAリガーゼ(東洋紡績製)4単位、6.6mM MgCl2、10mM DTT、 0.2mM ATP、 20μg/ml ウシ血清アルブミン(BSA)、1.5%ポリエチレングリコール#6000を含む66mM Tris−HCl(pH 7.6)緩衝液に野生型T4ポリヌクレオチドキナーゼを5単位添加した組成物(野生型T4PNK+DNAリガーゼ組成物)あるいは、変異型T4ポリヌクレオチドキナーゼを5単位添加した組成物(変異型T4PNK+DNAリガーゼ組成物)を調製した。これらを-20℃に保管し、経時的にサンプリングを行い、セルフライゲーション効率の測定を行った。セルフライゲーション効率の測定は、以下のように行った。すなわち、実施例1記載のPCR産物10μlにサンプリングした各DNAリガーゼ組成物5μlを加えてライゲーション反応を16℃、1時間行い、次に、この反応物を用いて大腸菌JM109を形質転換し、100μg/ml アンピシリンを含むLB培地に播種して、生成するコロニー数をカウントした。その結果、3’ フォスファターゼ活性を欠いたポリヌクレオチドキナーゼ変異体を用いた酵素組成物は、3ヶ月後でもセルフライゲーション効率の低下が見られず、酵素組成物が安定に保たれていることが示唆された(表3)。
Figure 2008109874
本発明のDNAリガーゼ組成物は末端がリン酸化されていないDNA分子の連結反応の効率を著しく向上させることができる。特にPCR産物のセルフライゲーションにおいてはこれまでしばしば長時間を要するものが、本発明によるDNAリガーゼ組成物を用いることにより、大幅に時間を短縮できる。
DNAリガーゼ反応液中のポリヌクレオチドキナーゼおよびポリエチレングリコールの存在によりライゲーションに必要な反応時間を短縮できることを示すグラフである。

Claims (7)

  1. ポリヌクレオチドキナーゼ、ポリエチレングリコールおよびDNAリガーゼを含むことを特徴とする安定な組成物。
  2. ポリヌクレオチドキナーゼが、T4ポリヌクレオチドキナーゼであるところの請求項1記載の組成物。
  3. ポリヌクレオチドキナーゼが、3’ フォスファターゼ活性を欠いたT4ポリヌクレオチドキナーゼであるところの請求項1記載の組成物。
  4. 請求項1〜3記載の組成物を用いて、ポリヌクレオチドキナーゼの共存下でDNAリガーゼ反応を行うことを特徴とする、末端がリン酸化されていないDNA分子のライゲーション反応を促進させる方法。
  5. 末端がリン酸化されていないDNA分子がPCR産物である請求項4記載の方法。
  6. 末端がリン酸化されていないDNA分子を自己環状化させるための請求項4記載の方法。
  7. 請求項1〜3記載の組成物を含む、末端がリン酸化されていないDNA分子のライゲーション反応を行う試薬キット。
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