以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信端末100の構成について説明する。図1は、無線通信端末100によって実現される機能の構成を表わすブロック図である。無線通信端末100は、受信部110と、計時部120と、記憶部130と、取得部140と、通知制御部150と、通知部160とを備える。
受信部110は、情報を受信する。好ましくは受信部110は、電話の着信を受ける。他の局面においては、受信部110は、電子メールを受信する。さらに他の局面において、受信部110は、位置を測定するための情報を受信する。この情報は、たとえばGPS(Global Positioning System)衛星その他の衛星航法システムを構成する衛星から発信された信号である。当該信号は、たとえばエフェメリス、アルマナックその他の位置を特定するための情報を含む。
計時部120は、無線通信端末100における時刻を計測し、当該時刻を表わす情報を生成する。
記憶部130は、無線通信端末100に予め規定された動作を実行させるために使用されるデータを格納する。より特定的には、記憶部130は、受信部110によって情報が受信されたときから経過した時間に応じた当該受信の態様を規定するための複数の定義データを格納する。
通知部160は、受信部110によって情報が受信されたことを通知する。取得部140は、受信部110によって受信された情報に基づいて通知部160による通知の態様を切り換えるための制御データを取得する。通知制御部150は、取得部140によって取得された制御データに基づいて通知部160を作動させる。
好ましくは、取得部140は、情報が受信部110によって受信されたときから経過した時間に応じて記憶部130から当該定義データを取得する。通知制御部150は、その定義データに基づいて通知部160による通知の態様を変更する命令を通知部160に送出する。
この局面において、記憶部130は、無線通信端末100による通話の相手を識別するための識別データと、当該識別データによって識別される相手から着信を受けたときの通知部160による通知の動作を規定する優先度とを格納する。識別データと当該優先度とは相互に関連付けられている。
取得部140は、その着信の受けられた電話から当該識別データを取得し、かつ、取得された識別データを用いて記憶部130に格納されている識別データを検索することにより、着信が受けられた電話についての優先度を取得する。通知制御部150は、取得された優先度に応じて予め規定された動作を通知部160に実行させる。当該優先度に応じて予め規定された動作については、後述する。
他の局面において、記憶部130は、電子メールの送信者を識別するための識別データと、当該識別データによって識別される相手から電子メールを受信したときの通知部160による通知の動作を規定する優先度とを格納している。当該識別データと優先度とは相互に関連付けられている。取得部140は、受信部110によって受信された電子メールの送信者を特定するための送信者データを取得し、かつ、取得した送信者データを用いて記憶部130に格納されている識別データを検索することにより、受信された電子メールについての優先度を取得する。通知制御部150は、取得された優先度に応じて予め規定された動作を通知部160に実行させる。
他の局面において、記憶部130は、受信部110によって受信される電子メールを区分するために予め入力された文字列のデータを格納している。取得部140は、記憶部130に格納されている当該文字列に基づいて、受信部110によって受信された電子メールにその文字列が含まれているか否かを確認する。たとえば、取得部140は、各文字似対応するコードを比較することにより、特定の文字列の存在を確認する。さらに、取得部140は、その文字列が当該受信された電子メールに含まれていることが確認されると、その電子メールから文字列を取得する。通知制御部150は、その文字列に応じて予め規定された動作を通知部160に実行させる。
好ましくは、通知部160は、音声を出力するスピーカを含む。通知部160は、上記制御データに基づいて、スピーカによる音声の出力パターンを変更させる。ここで、音声の出力パターンは、発せられる音声の高低および強弱の少なくともいずれかを含む。
他の局面において、記憶部130は、複数の音声を出力するための複数の音声データと、予め入力された制御データとを格納する。各音声データの出力順序は予め規定されている。各音声データは当該制御データに関連付けられている。通知制御部150は、各々の出力順序と各音声データとに基づいて、スピーカから発せられる音声を変更する。なお、音声の出力は、スピーカに限られず、たとえば、ヘッドホンのジャックの装着を受け付ける端子であってもよい。
他の局面において、記憶部130は、上記制御データに応じて音量を変更するための調整データを格納する。通知制御部150は、その調整データに基づいて、スピーカから発せられる音声の音量を変更する。
他の局面において、無線通信端末100は、光を発することにより、情報の受信を通知することができる。この場合、通知部160は、光を発する発光部として実現される。通知制御部150は、上記制御データに基づいて、当該発光部の発光パターンを変更させる。
他の局面において、記憶部130は、当該発光部による光の点滅の速度を変更するための調整データを格納している。通知制御部150は、その調整データに基づいて、発光部による光の点滅の速度を変更させる。
好ましくは、発光部は、複数色の各々を発光することができる。記憶部130は、予め入力された制御データを格納しており、当該制御データは、発光部によって色が発光される順序に予め関連付けられている。通知制御部150は、発光部により発せられる色を、その順序に従って変更する。
さらに他の局面において、通知部160は、画像を表示する表示部を含む。たとえば、表示部は、液晶ディスプレイあるいは有機ディスプレイとして実現される。通知制御部150は、上記制御データに基づいて無線通信端末100が情報を受信したことを通知するための画像の表示を当該表示部に変更させる。
好ましくは、記憶部130は、上記制御データに応じて表示部に表示される複数の画像の各々を表示するための複数の画像データを格納している。各画像の表示順序は、上記制御データに応じて予め規定されている。通知制御部150は、各画像データに基づいて、各画像の表示を当該表示部に切り換えさせる。
他の局面において、通知部160は、振動を発する振動部を含む。通知制御部150は、上記制御データに基づいて当該振動部による振動のパターンを変更させる。
好ましくは、記憶部130は、上記制御データに応じて振動のパターンを規定するためのパターンデータを格納している。通知制御部150は、そのパターンデータに基づいて、振動部による振動を変更する。なお、振動のパターンは、振動の周期と振動の振幅との少なくともいずれかを含む。
さらに他の局面において、本実施の形態に係る無線通信端末100は、受信した情報に対する返信を促す機能を有する。具体的には、記憶部130は、無線通信端末100の通信相手を識別するためのデータと、当該通信相手に返信するべきか否かを提示する返信制御データとを格納している。取得部140は、受信部110によって受信された情報(たとえば、電子メール)の送信者を識別するデータ(たとえば、送信者のメールアドレス)を取得する。取得部140は、さらに、当該情報の送信者を識別するデータと、通信相手を識別するデータと、上記返信制御データとに基づいて、情報の送信者に返信すべきか否かを判断する。通知制御部150は、その情報の送信者に返信すべきことが取得部140によって判断された場合に、その情報の送信者に返信すべきことを通知部160に通知させる。
好ましくは、記憶部130は、返信が必要であることを通知するために予め準備された音声データを格納している。通知制御部150は、その音声データに基づいて、返信が必要であることを通知する音声を、通知部160に出力させる。
他の局面において、通知制御部150は、返信が必要であることを通知するために予め規定されたパターンで発光する命令を、発光部として機能する通知部160に送出する。
好ましくは、記憶部130は、返信が必要であることを表わす画像を表示するための画像データを格納している。通知制御部150は、その画像データに基づいて返信が必要であることを表わす画像を、表示部として機能する通知部160に表示させる。
さらに他の局面においては、通知制御部150は、返信が必要であることを通知するために予め規定されたパターンで振動する命令を、振動部として機能する通知部160に送出する。
図2を参照して、本実施の形態に係る無線通信端末100の具体的構成について説明する。図2は、無線通信端末100の一態様である携帯電話200のハードウェア構成を表わすブロック図である。携帯電話200は、アンテナ208と、通信装置202と、CPU(Central Processing Unit)210と、操作ボタン220と、カメラ240と、フラッシュメモリ244と、RAM(Random Access Memory)246と、データ用ROM(Read Only Memory)248と、ディスプレイ250と、音声信号処理回路270と、マイク272と、スピーカ274と、LED(Light Emitting Diode)276と、データ通信I/F(Interface)278と、メモリカード駆動装置280と、バイブレータ284とを備える。メモリカード駆動装置280には、メモリカード282が装着可能である。
アンテナ208によって受信された信号は、通信装置202に送出される。通信装置202は、予め規定された処理をその信号に対して実行し、処理後の信号を、CPU210に対して、デジタルデータとして送出する。
ある局面において、CPU210は、図1に示される計時部120と、取得部140と、通知制御部150として機能する。具体的には、CPU210は、アンテナ208と通信装置202とによって受信された信号に含まれる情報に基づいて、スピーカ274、ディスプレイ250、LED276、バイブレータ284の少なくともいずれかを、図1に示される通知部160として機能させる。より特定的には、CPU210は、スピーカ274、ディスプレイ250、LED276、バイブレータ284の各々に対して、通知の態様に応じた命令を出力する。
操作ボタン220は、携帯電話200の使用者による操作の指示の入力を受け付ける。操作ボタン220は、数字の入力を受け付けるいわゆるテンキーと、ディスプレイ250に表示されるカーソルの移動を指示しあるいは項目の選択を受け付けるためのボタンとを含む。操作ボタン220は、操作に応じた信号をCPU210に送出する。
カメラ240は、操作ボタン220に対する操作に基づいて、予め規定された撮影モードによって被写体を撮影し、その撮影により取得された信号をCPU210に送出する。
フラッシュメモリ244は、携帯電話200に対して予め規定された動作を実行させるためのデータと、特定の動作の実行により生成されたデータとを格納する。当該データは、携帯電話200が使用するOS(Operating System)、各ハードウェアを作動させるためのファームウェア、特定の処理を実行するアプリケーションプログラムその他のプログラムと、CPU210によって生成されたデータとを含む。生成されたデータには、たとえば携帯電話200が着信を受けた電話の電話番号、登録されたユーザ名、送受信された電子メールその他のテキストデータ、撮影された画像データ等を含む。
RAM246は、操作ボタン220に対して行なわれた操作に応じてCPU210によって生成されるデータを一時的に保持する。データ用ROM248は、携帯電話200によって予め定められた動作を実行させるためのデータ、あるいは各ハードウェアを作動させるためのプログラム、携帯電話200の製造時に埋め込まれたプログラムを格納している。CPU210は、データ用ROM248からそれらのデータあるいはプログラムを読み出し、携帯電話200に予め規定された処理を実行させる。
メモリカード駆動装置280は、メモリカード282の装着を受け付ける。メモリカード駆動装置280は、メモリカード282に格納されているデータを読み出し、その読み出したデータをCPU210に送出する。また、メモリカード駆動装置280は、CPU210から送られたデータを、メモリカード282のメモリ領域に書き込む。このメモリ領域は、CPU210によって処理中に決定される。
音声信号処理回路270は、通話のために使用される信号に対する処理を実行する。なお、CPU210と音声信号処理回路270とが一体として構成されていてもよい。
ディスプレイ250は、CPU210から出力されるデータに基づいて、そのデータによって規定される画像を表示する。たとえば、CPU210がフラッシュメモリ244から電話番号のデータを読み出すと、ディスプレイ250は、表示領域にその電話番号を表示する。表示される画像は、電話番号に限られず、カメラ240によって撮影された被写体の画像、携帯電話200による情報の受信を通知するために予め準備されたメッセージなども含む。これにより、ディスプレイ250は、通知部160として機能する。
マイク272は、携帯電話200に対する発話を受けて、当該発話に応じた信号を音声信号処理回路270に送出する。これにより、携帯電話200を用いた通話が実現される。
スピーカ274は、CPU210からの信号に基づいて、電話の着信、メールの受信などを通知するために予め規定された音声を出力する。出力される音声および出力の態様は、電話の発信元、メールの送信元、メールの重要度に応じて異なる。
LED276は、CPU210からの信号に基づいて予め規定された発光動作を実現する。たとえば、LED276が複数の色を表示可能な場合には、当該色を規定するためのデータに基づいてその特定の色で発光する。このデータは、CPU210から出力される信号に含まれる。その結果、LED276は、通知部160として機能する。
データ通信I/F278は、携帯電話200の外部から通信用のケーブルの装着を受け付ける。データ通信I/F278は、CPU210から出力される信号を当該ケーブルに対して送出する。また、データ通信I/F278は、そのケーブルを介して受信される信号をCPU210に対して送出する。
バイブレータ284は、CPU210から出力される信号に基づいて、予め規定された振動動作を実行する。この振動動作は、周波数と振幅とによって規定される。これにより、バイブレータ284は、通知部160として機能する。
図2に示される携帯電話200の基本的な動作は、当業者にとって容易に理解できるものである。したがって、ここではそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
なお、無線通信端末100は携帯電話200に限られない。たとえば、通信機能を有する携帯型コンピュータであってもよい。
次に、図3を参照して、本実施の形態に係る携帯電話200のデータ構造について説明する。図3は、携帯電話200が備えるフラッシュメモリ244におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。フラッシュメモリ244は、データを不揮発的に格納するための複数のメモリ領域を含む。
携帯電話200による情報の受信を通知するために予め設定された通知パターン(たとえば、「パターン3」)は、メモリ領域310に格納されている。設定の対象となり得る通知パターンを特定するためのデータは、メモリ領域320に格納されている。その通知パターンによる通知のために使用されるデバイスを特定するためのデータは、メモリ領域330に格納されている。その通知パターンによって通知される態様を表わすデータは、メモリ領域340に格納されている。
メモリ領域320〜340に格納されているデータは、相互に関連付けられている。したがって、メモリ領域320におけるデータ(通知パターン)が特定されると、そのパターンを実現するために使用されるデバイスも特定され、さらに通知の態様も決定される。携帯電話200は、このようにして特定されるパターンに従って、情報の受信を通知する。
図4は、携帯電話200が着信を受けてから経過した時間に応じて通知動作を切り換えるためのデータの一態様を表わす図である。これらのデータも、フラッシュメモリ244に格納されている。
たとえば、着信からの経過時間を特定するためのデータは、メモリ領域410に格納されている。出力音量あるいは振幅値を決定するためのデータは、メモリ領域420に格納されている。LED276による発光のパターンを規定するデータは、メモリ領域430に格納されている。LED276による発光に使用される色を規定するデータは、メモリ領域440に格納されている。
ある局面において、着信を受けてからの経過時間が5秒を超えるまでは、スピーカ274から発せられる着信音と、バイブレータ284の振動とは、予め設定された基準値に従って実現される。また、LED276による発光パターンは、予め設定された基準の周期で点滅する態様となる。さらに、LED276が複数色を発光可能な場合には、携帯電話200の使用者によって設定された色が発光する。
その後、上記の経過時間が5秒を超えると、スピーカ274から発せられる音声の音量と、バイブレータ284によって生成される振動の大きさは、上記基準値の1.1倍となる。さらに、LED276による点滅の周期は、上記の基準の周期の2分の1となる(すなわち、点滅する速度が速くなる)。また、LED276が発光する色は「緑色」となる。
図5は、携帯電話200における電話帳の格納のパターンを表わす図である。電話帳は、携帯電話200の使用者による操作に応じてCPU210によって生成され、更新され、フラッシュメモリ244に書き込まれる。
より具体的には、フラッシュメモリ244は、電話帳を構成する各項目が格納される複数のメモリ領域を含む。電話帳番号は、メモリ領域510に格納される。電話番号は、メモリ領域520に格納される。その電話番号に関連付けられる通信相手の名称は、メモリ領域530に格納される。その電話番号の持主がメールアドレスを有している場合には、そのメールアドレスは、メモリ領域540に格納される。携帯電話200による着信を通知するパターンの変更の要否を規定するデータは、メモリ領域550に格納される。メモリ領域520に格納される電話番号に対して通知のパターンが規定されている場合には、そのパターンを表わすデータは、メモリ領域560に格納される。そのパターンが設定されていない場合には、設定されていないことを表わすデータ(たとえばNULL)がそのメモリ領域に格納される。
図6を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る携帯電話200の制御構造について説明する。図6は、携帯電話200のCPU210が実行する一連の動作を表わすフローチャートである。
ステップS610にて、CPU210は、通信装置202からの出力に基づいて、電話の着信を受けたことを検知する。ステップS620にて、CPU210は、フラッシュメモリ244に格納されている予め登録された設定値に基づいて、音声データを音声信号処理回路270に送出することにより、電話の着信を報知するための音声をスピーカ274に出力される。
ステップS630にて、CPU210は、内蔵するシステムクロック(図示しない)による計時を行ない、電話の着信を受けてから経過した時間を計測する。
ステップS640にて、CPU210は、当該着信に対する応答があったか否かを判断する。この判断は、たとえば、着信に対する応答を表わす信号が操作ボタン220から出力されたか否かに基づいて行なわれる。CPU210は、当該応答があったと判断すると(ステップS640にてYES)、制御をステップS670に切り換える。そうでない場合には(ステップS640にてNO)、制御をステップS650に切り換える。
ステップS650にて、CPU210は、システムクロックによる計時の結果に基づいて、電話の着信を受けてから予め定められた一定時間が経過しているか否かを判断する。CPU210は、一定時間が経過していると判断すると(ステップS650にてYES)、制御をステップS660に切り換える。そうでない場合には(ステップS650にてNO)、制御をステップS640に戻す。
ステップS660にて、CPU210は、フラッシュメモリ244(図4)を参照して、通知のパターンを変更する。CPU210は、変更後のパターンによって規定される命令を、音声信号処理回路270、LED276、バイブレータ284の少なくともいずれかに送出する。その命令が音声信号処理回路270に送出された場合には、スピーカ274は、通知のパターンの変更後に規定される出力レベルにより音声を発する。その命令がLED276に送出された場合には、LED276は、パターンが変更された後の周期で点滅する。さらに、その命令がバイブレータ284に送出された場合には、バイブレータ284は、変更後のパターンで規定される振幅値あるいは周期に従って振動する。
ステップS670にて、CPU210は、着信の通知動作を終了する命令を各要素に送出する。その命令が音声信号処理回路270に送出されると、スピーカ274は、音声の出力を停止する。その命令がLED276に送出されると、LED276は、発光動作を終了する。その命令がバイブレータ284に送出されると、バイブレータ284は、振動を停止する。
ここで、図7を参照して、本実施の形態に係る携帯電話200による着信の通知について説明する。図7は、着信を受けてから経過する時間に応じて音量と振動とが変更する態様を表わす図である。すなわち、着信を受けてから最初の時間が経過するまでは、予め設定された基準時に従って音声が出力され振動する(状態A)。その後、着信に対する応答がない場合には、携帯電話200は、出力する音量を大きくし、あるいは振動のパターン(振幅あるいは周期)も大きくする(状態B)。それでも応答がない場合には、音量をさらに大きくし、振動も大きくする(状態C)。このようにして、音量の出力と振動のパターンとを時間に応じて段階的に切り換えることにより、携帯電話200は、着信に対する応答を促すことができる。
以上のようにして、本発明の第1の実施の形態に係る携帯電話200は、その使用者によって予め決定された通知パターンを保持している。この通知パターンは、スピーカ274、LED276、ディスプレイ250、バイブレータ284等の携帯電話200が信号の受信を通知するための通知部に関連付けられている。
この通知パターンは、携帯電話200に対する設定によって、電話の着信、電子メールの受信その他の情報の受信が検知された時刻から経過した時間によって切り換えることができる。
携帯電話200は、その使用者による応答が行なわれるまで、通知の態様を切り換えつつ、情報の受信を通知する。したがって、当該使用者は、その通知の態様の切り換えに基づいて、受信された情報の特質(たとえば、速やかな応答を要する相手先であるか否か、あるいは後の応答でも十分な相手先であるか否か)を容易に判断することができる。これにより、携帯電話200による情報の受信の通知に関する利便性が向上し得る。
<変形例>
以下、本実施の形態の変形例について説明する。本変形例に係る携帯電話は、予め設定された優先度に応じて着信の通知の態様を切り換える機能を有する点で、前述の実施の形態に係る携帯電話200と異なる。
なお、本変形例に係る携帯電話は、具体的には図2に示されるようなハードウェア構成を有する。そこで、以下、ハードウェア構成に言及する場合には、図2に示されるハードウェア構成が参照される。
最初に、図8を参照して、本変形例に係る携帯電話200のデータ構造について説明する。図8は、本変形例に係る携帯電話として機能する携帯電話200のフラッシュメモリ244におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。フラッシュメモリ244は、データを格納するための複数のメモリ領域を含む。
予め規定された区分に応じて定められる優先度を表わすデータは、メモリ領域810に格納されている。当該優先度は、たとえば携帯電話200の使用者によって決定され、操作ボタン220に対する操作を介して、フラッシュメモリ244に書き込まれる。あるいは、アンテナ208によって受信される情報に応じて、CPU210が優先度を変更する機能を有していてもよい。この場合、CPU210は、特定の発信者からの受信の頻度、あるいは、当該発信者と使用者との通話の時間、受信したデータ量に応じて、優先度を変更してもよい。
着信を受けてから経過する時間を規定するデータは、メモリ領域820に格納されている。スピーカ274によって出力される音声の音量、あるいはバイブレータ284によって生成される振動の振幅値または周波数を規定するためのデータは、メモリ領域830に格納されている。
LED276が発光するパターンを規定するデータは、メモリ領域840に格納されている。LED276によって発せられる色を規定するためのデータは、メモリ領域850に格納されている。
図8を再び参照して、フラッシュメモリ244は、電話帳を格納するためのメモリ領域860〜890を含む。メモリ領域860〜880に格納されているデータは、図5に示されるメモリ領域510〜530に格納されているデータと同様である。したがって、ここではそれらについての説明は繰り返さない。
優先度を表わすデータは、メモリ領域890に格納されている。ここで、優先度とは、携帯電話200の通信相手の各々について設定された返信の要否の重要度を表わす概念をいう。たとえば、電話帳番号「1」について、「Aさん」は、優先度「高い」が割り当てられている。これに対して、電話帳番号「2」についての「B株式会社」については、優先度「低い」が割り当てられている。CPU210は、メモリ領域890に格納されているこの優先度を参照し、メモリ領域810に格納されている優先度と、メモリ領域820に格納されている経過時間とによって特定される通知パターンに応じて、スピーカ270による音声の出力、LED276による発光、あるいはバイブレータ284による振動を制御する。
次に、図9を参照して、本変形例に係る携帯電話の制御構造について説明する。図9は、本変形例に係る携帯電話のCPU210が実行する一連の動作を表わすフローチャートである。
ステップS910にて、CPU210は、通信装置202からの出力に基づいて、電話の着信を検知する。ステップS912にて、CPU210は、フラッシュメモリ244において予め登録されている設定値に基づいて、着信を通知するための音声をスピーカ274に出力させる。ステップS914にて、CPU210は、通信装置202から出力される信号に基づいて、その電話の発信者を特定する。
ステップS920にて、CPU210は、その発信者の情報が電話帳に登録済みであるか否かを判断する。具体的には、CPU210は、フラッシュメモリ244に格納されている電話帳(図8)と、上記特定した発信者とを検索することにより、その発信者の情報が電話帳に存在するか否かを確認する。CPU210が、その発信者の情報は電話帳に登録されていると判断すると(ステップS920にてYES)、制御はステップS930に切り換えられる。そうでない場合には(ステップS920にてNO)、制御はステップS960に切り換えられる。
ステップS930にて、CPU210は、その発信者の情報をディスプレイ250に表示させる。ステップS932にて、CPU210は、電話帳から発信者の優先度(メモリ領域890)を取得する。
ステップS940にて、CPU210は、その着信に対する応答があったか否かを判断する。この判断は、操作ボタン220から出力される信号の有無に基づいて行なわれる。CPU210が、その応答はあったと判断すると(ステップS940にてYES)、制御はステップS980に切り換えられる。そうでない場合には(ステップS940にてNO)、制御はステップS950に切り換えられる。
ステップS950にて、CPU210は、優先度に応じた通知パターンを選択する。ステップS952にて、CPU210は、選択した通知パターンに応じて着信を通知する。その後、制御はステップS940に戻される。
ステップS960にて、CPU210は、フラッシュメモリ244に予め登録されている設定済みの通知パターンに応じて、その着信を通知する。ステップS970にて、CPU210は、その着信に対する応答があったか否かを判断する。この判断は、ステップS940における判断と同様にして行なわれる。CPU210が、応答はあったと判断すると(ステップS970にてYES)、制御はステップS980に切り換えられる。そうでない場合には(ステップS970にてNO)、制御はステップS960に戻される。
ステップS980にて、CPU210は、着信の通知動作を終了する命令を、音声信号処理回路270とLED276とバイブレータ284とにそれぞれ出力する。その結果、スピーカ274は音声の出力を終了する。LED276は、発光を終了する。バイブレータ284は、振動を終了する。
以上のようにして、本変形例に係る携帯電話は、優先度を規定するデータに応じて、電話の着信、電子メールの受信などを通知する。この優先度は、携帯電話の使用者の操作によって変更することができる。このようにすると、携帯電話200は、その使用者が認識可能な「優先度」を介して、電話の受信あるいは電子メールの着信を通知することができる。これにより、使用者は、電話の受信、電子メールの着信から経過した時間を感覚として把握することができる。使用者は、上記の通知の態様に従って、応答あるいは電子メールの返信が必要であるか否かを直感的に認識することができる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る携帯電話は、受信した電子メールに含まれるキーワードに基づいて着信の通知の態様を切り換える機能を有する点で、前述した実施の形態に係る携帯電話と異なる。なお、本実施の形態に係る携帯電話は、前述の各実施の形態における携帯電話と同一のハードウェア構成を有する。それらの機能も同じである。したがって、ここではそれらについての説明は繰り返さない。
図10を参照して、本実施の形態に係る携帯電話のデータ構造について説明する。図10は、フラッシュメモリ244におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。フラッシュメモリ244は、データを格納するための複数のメモリ領域1010〜1030を含む。
処理の対象となるキーワードが使用されている場所を特定するためのデータは、メモリ領域1010に格納されている。この場所は、たとえば電子メールの表題と本文とを含む。
通知の態様を切り換えるためのキーワードは、メモリ領域1020に格納されている。このキーワードは、たとえば操作ボタン220に対する操作に応じて、あるいはメモリカード駆動装置280またはデータ通信I/F278を介して入力される。使用されるキーワードは、たとえば「至急」、「要回答」、「返事を下さい」などを含む。
各キーワードについて予め規定されている通知のパターンを特定するためのデータは、メモリ領域1030に格納されている。たとえば、キーワード「至急」が電子メールの「表題」に含まれている場合には、電子メールの受信を通知する場合「パターン1」が選択される。
次に、図11を参照して、本実施の形態に係る携帯電話の制御構造について説明する。図11は、CPU210が実行する一連の動作を表わすフローチャートである。
ステップS1110にて、CPU210は、通信装置202からの出力に基づいて、電子メールの受信を検知する。電子メールは、フラッシュメモリ244において確保されたメモリ領域にCPU210によって書き込まれる。ステップS1112にて、CPU210は、フラッシュメモリ244に格納されている電子メールから、その表題を抽出する。
ステップS1120にて、CPU210は、その表題が予め登録されたキーワードを含むか否かを判断する。たとえば、この判断は、抽出された表題に対応するコードが、当該キーワードに対応するコードに一致するか否かに基づいて行なわれる。CPU210が、その表題は当該キーワードを含むと判断すると(ステップS1120にてYES)、制御はステップS1330に切り換えられる。そうでない場合には(ステップS1120にてNO)、制御はステップS1160に切り換えられる。
ステップS1130にて、CPU210は、そのキーワードに応じた通知パターン(メモリ領域1030)を特定する。ステップS1132にて、CPU210は、その特定された通知パターンに従って、電子メールの受信を通知する。
ステップS1140にて、CPU210は、受信を通知した電子メールが読まれたか否かを判断する。たとえば、この判断は、フラッシュメモリ244に格納される当該電子メールの未読/既読を表わすフラグの状態に基づいて行なわれる。CPU210が、その電子メールは読まれたと判断すると(ステップS1140にてYES)、制御はステップS1180に切り換えられる。そうでない場合には(ステップS1140にてNO)、制御はステップS1150に切り換えられる。
ステップS1150にて、CPU210は、通知パターンを変更する。たとえば、CPU210は、通知を行なう際に参照するメモリ領域に、使用する通知パターンを表わすデータを書き込む。
ステップS1152にて、CPU210は、変更後の通知パターンにより電子メールの受信を通知する。これにより、ある局面において、スピーカ274は、音量が大きくなった音声を出力する。LED276は、点滅する間隔を短くして、特定の色を発する。バイブレータ284は、振動の強さ(振幅値)あるいは間隔(周期)を短くする。その後、制御は、ステップS1140に戻される。
ステップS1160にて、CPU210は、フラッシュメモリ244において予め登録された設定済みの通知パターンに応じて、電子メールの受信を通知する。ステップS1170にて、CPU210は、その電子メールが読まれたか否かを判断する。この判断は、上記したように、未読/既読を表わすフラグの状態に基づいて行なわれる。CPU210が、その電子メールは読まれたと判断すると(ステップS1170にてYES)、制御はステップS1180に切り換えられる。そうでない場合には(ステップS1170にNO)、制御はステップS1160に切り換えられる。
ステップS1180にて、CPU210は、電子メールの受信を通知する動作を終了するための命令を各部に出力する。音声信号処理回路270がその命令を受けると、スピーカ274は、音声の出力を終了する。LED276は、その命令を受けると、点滅動作を終了する。バイブレータ284は、その命令を受けると、振動を終了する。
以上のようにして、本発明の第2の実施の形態に係る携帯電話は、特定のキーワード、すなわち、携帯電話の使用者が意味を理解できるテキストに従って、通知の態様を切り換えることができる。これにより、使用者は、携帯電話によって通知されている情報の受信を、直感的に理解することができる。
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る携帯電話は、受信した電子メールに対する返信を促す機能を有する点で、前述の各実施の形態と異なる。なお、本実施の形態に係る携帯電話は、前述の各実施の形態に係る携帯電話と同一のハードウェア構成を有する。それらの機能も同じである。したがって、ここではそれらについての説明は繰り返さない。
図12を参照して、本実施の形態に係る携帯電話のデータ構造について説明する。図12は、フラッシュメモリ244におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。フラッシュメモリ244は、電話帳として通信に関するデータを格納するためのメモリ領域1210から1228を含む。
電話帳を構成する各データ項目を特定するためのデータの一例である電話帳番号は、メモリ領域1210に格納されている。電話番号以外のデータが、データ項目を特定するキー項目として使用されてもよい。
電話番号は、領域1212に格納されている。その電話番号の使用者は、メモリ領域1214に格納されている。その使用者が電子メールのアドレスを有する場合には、そのアドレスは、メモリ領域1216に格納されている。
各通信相手について返信の要否を規定するためのデータは、メモリ領域1218に格納されている。このメモリ領域1218に格納されているデータが通信を必要とすることを表わしている場合には、後述する処理において、その通信相手から電子メールを受信した場合には、返信が必要であることが通知される。
本実施の形態に係る携帯電話が実際に受信した電子メールを識別する番号は、メモリ領域1220に格納されている。その電子メールの差出人を表わすデータは、メモリ領域1222に格納されている。その電子メールの表題(件名)も、メモリ領域1224に格納されている。その電子メールを受信した日時を表わすデータは、メモリ領域1226に格納されている。その電子メールに対して返信の履歴を表わすデータは、メモリ領域1228に格納されている。
たとえば、受信メール番号「1」のメールは、既にこの携帯電話によって返信されたことが記録されている。一方、受信メール番号「2」あるいは「3」については、未だ返信されていない。
このようにして、本実施の形態に係る携帯電話は、各電子メールについて返信の履歴をフラッシュメモリ244に保持している。CPU210は、システムクロックからの時刻情報と、各電子メールの受信日時とを比較することにより、電子メールに対する返信を促すことができる。
そこで、図13を参照して、本実施の形態に係る携帯電話の制御構造について説明する。図13は、CPU210が実行する一連の動作を表わすフローチャートである。
ステップS1310にて、CPU210は、操作ボタン220に対する操作に基づいて、あるいは、内蔵するシステムクロック(図示しない)による時刻の計測の結果に基づいて、未返信のメールを確認するタイミングの到来を検知する。この場合、当該タイミングは、操作ボタン220によって未返信の電子メールを検索する指示が与えられた時と、特定の時間が経過した時とのいずれかに相当する。他の情報が、当該タイミングの特定に使用されてもよい。たとえば、特定の送信者からの電子メールに対する返信が行なわれる前に、その送信者から送信された次の電子メールの受信が検知された時も、当該タイミングとして使用してもよい。
ステップS1320にて、CPU210は、フラッシュメモリ244を検索して、返信されていない電子メールの有無を確認する(図12)。この確認は、各電子メールに付されているフラグの状態が返信済み/未返信のいずれであるかに基づいて行なわれる。
ステップS1330にて、CPU210は、ステップS1320における確認の結果に基づいて、未返信のメールが存在するか否かを判断する。CPU210は、未返信のメールが存在すると判断すると(ステップS1330にてYES)、制御をステップS1340に切り換える。そうでない場合には(ステップS1330にてNO)、制御はステップS1380に切り換えられる。
ステップS1340にて、CPU210は、フラッシュメモリ244からその電子メールの受信日時を読み出す。ステップS1350にて、CPU210は、その受信日時から一定時間が経過したか否かを判断する。CPU210は、一定時間が受信日時から経過していると判断すると(ステップS1350にてYES)、制御を、ステップS1360に切り換える。そうでない場合には(ステップS1350にてNO)、制御はステップS1370に切り換えられる。
ステップS1360にて、CPU210は、受信したメールに対する返信を促すメッセージを生成する。たとえば、CPU210は、予め準備されたデータを用いて当該メッセージを生成する。
ステップS1370にて、CPU210は、未返信のメールが存在することを通知するメッセージを生成する。このメッセージも、ステップS1360におけるメッセージの生成と同様にして、予め準備されたデータを用いて生成される。
ステップS1380にて、CPU210は、未返信のメールが存在しないことを通知するメッセージを生成する。このメッセージも、ステップS1360におけるメッセージの生成と同様にして、予め準備されたデータを用いて生成される。
ステップS1390にて、CPU210は、生成したメッセージをディスプレイ250に表示させる。
次に、図14を参照して、本実施の形態に係る携帯電話における画面の表示態様について説明する。図14は、ディスプレイ250が表示するメッセージの切り換えを表わす図である。
まず、CPU210が未返信のメールの存在を検知すると(ステップS1330にてYES)、受信日時から一定時間が経過している場合には(ステップS1350にてYES)、返信を促すメッセージを生成し、そのメッセージをディスプレイ250に表示させる(ステップS1360、S1390)。
ここで、携帯電話の使用者が画面1410に表示されたアイコン「一覧を表示」を押下すると、ディスプレイ250は、表示する画面を切り換える。具体的には、ディスプレイ250は、画面1420を表示する。画面1420は、未返信のメールの一覧を表わす。詳細には、ディスプレイ250は、未返信のメールの送信者と、そのメールの受信日時と、そのメールの表題(件名)とを表示する。
以上のようにして、本発明の第3の実施の形態に係る携帯電話は、受信した電子メールの各々について、返信が行なわれたか否かを判断する。この判断は、特定の操作が操作ボタン220に対して入力された時、予め定められた時間が経過した時に行なわれる。
未返信の電子メールが存在する場合には、携帯電話は、その旨を通知するメッセージをディスプレイ250に表示する。このようにすると、返信が行なわれていない電子メールに対する未返信が防止される。特に、返信を要する電子メールに対する返信の忘れが防止される。
<変形例>
以下、本実施の形態の変形例について説明する。本変形例に係る携帯電話は、返信されていない電子メールを優先度ごとに集計して集計結果を表示する機能を有する点で、前述の各実施の形態と異なる。なお、本変形例に係る携帯電話は、前述の各実施の形態に係る携帯電話と同一のハードウェア構成を有する。それらの機能も同じである。したがって、ここではそれらについての説明は繰り返さない。
まず、図15を参照して、本変形例に係る携帯電話のデータ構造について説明する。図15は、フラッシュメモリ244におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。フラッシュメモリ244は、電話帳を構成するデータを格納するための複数のメモリ領域を含む。
ある局面において、電話帳番号はメモリ領域1510に格納されている。このデータは、図8におけるメモリ領域860に格納されるデータに対応する。電話番号は、メモリ領域1520に格納される。このデータは、メモリ領域870に格納されるデータに相当する。氏名は、メモリ領域1530に格納される。このデータは、メモリ領域880に格納されるデータに対応する。メールアドレスは、メモリ領域1540に格納される。このデータは、メモリ領域1216(図12)に格納されるデータに対応する。
返信の優先度を表わすデータは、メモリ領域1550に格納される。このデータは、メモリ領域890(図8)に示されるデータに対応する。CPU210は、返信が行なわれてないメールの存在を検知した場合、返信の優先度(メモリ領域1550)に基づいて各メールの数を集計し、その集計結果をディスプレイ250に表示する。
したがって、本変形例に係る携帯電話の使用者は、各発信者ごとに電子メールの返信状況を確認することができる。
次に、図16を参照して、本変形例に係る携帯電話の制御構造について説明する。図16は、CPU210が実行する一連の動作を表わすフローチャートである。
ステップS1610にて、CPU210は、操作ボタン220に対する操作に基づいて、あるいはシステムクロック(図示しない)による計時の結果に基づいて、フラッシュメモリ244に格納されている未返信のメールを確認するタイミングの到来を検知する。ステップS1620にて、CPU210は、フラッシュメモリ224を検索して、返信されていない電子メールの有無を確認する。
ステップS1630にて、CPU210は、その確認の結果に基づいて、未返信のメールがフラッシュメモリ244に存在するか否かを判断する。CPU210が、未返信のメールは存在すると判断すると(ステップS1630にてYES)、制御はステップS1640に切り換えられる。そうでない場合には(ステップS1630にてNO)、処理は終了する。
ステップS1640にて、CPU210は、複数のメールに対する返信が未完了であるか否かを判断する。CPU210が、その返信は未完了であると判断すると(ステップS1640にてYES)、制御はステップS1650に切り換えられる。そうでない場合には(ステップS1640にてNO)、制御はステップS1670に切り換えられる。
ステップS1650にて、CPU210は、メールの送信者の優先度(メモリ領域1550)ごとに、返信がされていないメールの数を集計する。ステップS1660にて、CPU210は、当該優先度ごとに、未返信のメールの数をディスプレイ250に表示させる。
ステップS1670にて、CPU210は、メモリ領域1226から、そのメールの受信日時を読み出す。ステップS1680にて、CPU210は、返信を促すメッセージをディスプレイ250に表示させる。
ここで、図17を参照して、本実施の形態に係る携帯電話におけるメッセージの表示態様について説明する。図17は、ディスプレイ250に表示される画面の切り換えを表わす図である。
携帯電話が状態Aである場合、ディスプレイ250は、優先度ごとに未返信のメールがあることを通知するための画面を表示する(画面1710)。携帯電話の使用者が操作ボタン220を操作して優先度に付された番号を切り換えて選択すると、選択された優先度についての具体的な電子メールが表示される。たとえば図17においては、状態Bとして、優先度が高い未返信のメールの表示が選択されると、ディスプレイ250は、そのメールの一覧を表示する(画面1720)。
以上のようにして、本変形例に係る携帯電話は、電子メールの返信状況を優先度ごとに、表示することができる。また、携帯電話は、各優先度ごとの集計結果の内訳(図17)も表示できる。これにより、携帯電話の使用者は、返信を要するが未返信の電子メールに対して、優先的に返信すべき電子メールを容易に特定することができる。これにより、電子メールの返信の効率が向上し得る。
<第4の実施の形態>
以下、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る携帯電話は、位置の検出機能と通知機能とを有する点で、前述の各実施の形態と異なる。なお、その他の機能は、たとえば図2に示されるハードウェア構成を用いて実現される。また、位置の検出機能と通知機能とは、図2におけるCPU210が各機能を実現する処理を実行することによって実現される。そこで、以下の説明において具体的なハードウェア構成に言及するときは、図2に示される構成を参照する。
まず、図18を参照して、本実施の形態に係る携帯電話の使用態様について説明する。図18は、位置を測定する機能を有する携帯電話1800の移動を表わす図である。
携帯電話1800は、予め登録された場所(以下、「登録エリア」)1840に存在している。携帯電話1800は、基地局1810と通信する。基地局1810は、中継局1820に接続されている。中継局1820は、家1830に接続されている。家1830は、固定電話1832と携帯電話1834とを含む。携帯電話1834は、携帯電話1800と通話可能な状態である。
携帯電話1800は、上空を航行する複数のGPS衛星1860−1〜1860−4によって送信される各電波を受信する。携帯電話1800は、少なくとも3つ以上のGPS衛星から、好ましくは4つのGPS衛星から、各電波を受信したときに、位置情報を算出することができる。各電波は、測位のための情報(たとえばアルマナックデータ、エフェメリスデータ)を含む。なお、衛星航法システムについては当業者にとって容易に理解できるものである。したがって、ここではそれらについての詳細な説明を繰り返さない。
携帯電話1800は、登録エリア1840にいる間、GPS衛星1860−1から1860−4によって送信された電波を受信し、その電波に基づいて受信位置を算出する。携帯電話1800は、その位置を算出すると、基地局1810を介して家1830に設置されている固定電話1832あるいは携帯電話1834に発信する。あるいは、携帯電話1800は、位置情報を有する電子メールを作成し、予め登録されたメールアドレスにそのメールを送信する。
その後、携帯電話1800が登録エリア1840から未登録エリア1850に移動すると、GPS衛星1860−1から1860−4によって送信された電波を再度受信し、移動後の位置を特定する(この位置における携帯電話1800を携帯電話1800−2と表わす)。
携帯電話1800−2は、その位置における位置情報を算出すると、基地局1810を介して固定電話1832あるいは携帯電話1834にその位置情報を送信する。あるいは、携帯電話1800−2は、その位置情報を有する電子メールを携帯電話1834その他の電子メールを受信可能な通信装置に送信する。
次に、図19を参照して、本実施の形態に係る携帯電話1800の構成について説明する。図19は、携帯電話1800によって実現される機能の構成を表わすブロック図である。携帯電話1800は、受信部1910と、位置情報算出部1920と、入力部1930と、エリアデータ記憶部1940と、位置確認部1950と、報告データ生成部1960と、送信部1970と、表示部1980とを備える。
受信部1910は、無線電話あるいはGPS衛星1860−1から1860−4によって送信された電波を受信する。受信部1910によって受信された信号は、位置情報算出部1920に送出される。
位置情報算出部1920は、各GPS衛星1860−1から1860−4によって送信された電波に含まれる情報を用いて、携帯電話1800の位置を算出する。この位置情報の算出は、当業者にとって周知である。したがって、ここではそれらについての説明は繰り返さない。位置情報算出部1920によって算出された位置情報(たとえば緯度、経度、高度)は、位置確認部1950に送出される。
入力部1930は、携帯電話1800の使用者による操作の入力を受け付ける。入力部1930は、たとえばテンキーその他のボタンあるいはジョグダイヤルその他の入力インターフェイスとして実現される。入力部1930に対する操作は、信号に変換され、位置情報算出部1920に送出される。また、入力部1930は、他の局面においてはデータの入力を受け付ける。入力されたデータは、エリアデータ記憶部1940に格納される。
エリアデータ記憶部1940は、携帯電話1800の移動し得る位置として予め特定された範囲を表わす情報を格納する。エリアデータ記憶部1940に係るデータ構造については後述する。
位置確認部1950は、位置情報算出部1920からの出力とエリアデータ記憶部1940に格納されているデータとに基づいて作動するように構成されている。具体的には、位置確認部1950は、位置情報算出部1920によって算出された位置情報と、エリアデータ記憶部1940に格納されている登録情報とを比較することにより、携帯電話1800が予め特定された場所に存在するか否かを判断する。位置確認部1950による処理の結果は、報告データ生成部1960に送出される。
報告データ生成部1960は、携帯電話1800の位置の確認の結果を報告するためのデータを生成する。より特定的には、報告データ生成部1960は、携帯電話1800を識別するためのデータと、携帯電話1800が予め特定された範囲内に存在するか否かを表わすデータとを有するメッセージを生成する。
位置情報算出部1920と位置確認部1950と報告データ生成部1960とは、CPU210によって実現される。この場合、CPU210は、各処理が行なわれる段階を検知し、位置情報算出部1920について規定される処理と、位置確認部1950について規定される処理と、報告データ生成部1960について規定される処理とを、その段階に応じて実行する。
なお、別の局面においては、位置情報算出部1920によって実行される演算は、携帯電話1800が通信可能な外部の情報処理装置によっても実現され得る。この場合、携帯電話1800は、その演算に必要なデータを、送信部1970から当該情報処理装置に送信し、上記の演算の結果を、当該情報処理装置から受信する。
送信部1970は、報告データ生成部1960によって生成されたデータを、予め登録された相手先に送信する。予め登録された送信先は、たとえば固定電話1832あるいは携帯電話1834に相当する。ある局面においては、送信部1970は、報告データ生成部1960によって生成されたデータを電子メールの形式で送信する。他の局面においては、送信部1970は、報告データ生成部1960によって生成された結果を音声で通知するデータを生成し、電話の発信という形式で上記登録先に送信する。
表示部1980は、報告データ生成部1960によって生成されたデータを表示する。ある局面においては、表示部1980は、携帯電話1800の位置を表わす文字情報を表示する。他の局面においては、表示部1980は、上記情報に加えて、さらに予め特定された範囲に存在しないことを表わすメッセージを表示する。
次に、図20を参照して、範囲の特定の対応について説明する。図20は、登録エリア1840を具体的に特定するための一態様を表わす図である。登録エリア1840は、予め定められた緯度と経度を起点に、一定の範囲で細分化されたマトリックス上のエリアの集合として表わす。具体的には、基準の位置として、たとえば(北緯N度、東経E度)が使用される。1単位となるエリアを特定するために、この基準の位置から緯度についてx度および経度についてy度が規定される。その結果、たとえばエリア2010についてはその範囲は(北緯N度,東経E度)から(北緯(N+x)度,東経(E+y)度)として表わされる。エリア2020については、その範囲は(北緯N度、東経(E+y)度)、(北緯(N+x)度、東経(E+2)度)として表わされる。エリア2030についても同様である。
次に、図21を参照して、本実施の形態に係る携帯電話1800のデータ構造について説明する。図21は、エリアデータ記憶部1940におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。エリアデータ記憶部1940は、データを格納するための複数のメモリ領域を含む。
予め登録された電子メールの送信先は、メモリ領域2110に格納されている。予め登録された電話番号(たとえば固定電話1832の電話番号)は、メモリ領域2120に格納されている。
登録エリア1840を特定するための情報は、メモリ領域2130から2150に格納されている。具体的には、各エリア番号(たとえば図20に示されるエリア2010〜2030など)を特定するためのデータは、メモリ領域2130に格納されている。当該エリアの範囲を特定するためのデータ(たとえば矩形の領域における短点の座標値)は、メモリ領域2140,2150にそれぞれ格納されている。たとえば、第1のエリアがエリア2010に相当する場合、その範囲を特定するデータは、前述のように(北緯N度、東経E度)および(北緯(N+x)度、東経(E+y)度)として表わされる。
次に、図22を参照して、本実施の形態に係る携帯電話1800の制御構造について説明する。図22は、携帯電話1800として機能する携帯電話200のCPU210が実行する一連の動作を表わすフローチャートである。
なお、本実施の形態に係る携帯電話1800は、ある局面においては、図2に示されるハードウェア構成を有する携帯電話200によって実現される。そこで、以下の説明では、図2に示されるハードウェア構成を用いて説明する。
ステップS2210にて、CPU210は、通信装置202を介して、測位のための信号をGPS衛星1860−1から1860−4から受信する。ステップS2220にて、CPU210は、その信号を用いて予め規定された演算を実行し、携帯電話1800の位置を表わす位置情報を算出する。携帯電話1800が位置情報を算出するためのプロセッサをCPU210とは別個に有する場合には、CPU210は、そのプロセッサを用いて位置情報を算出する。また他の局面において、携帯電話200は位置情報を算出する他のサーバ装置と通信することにより、その信号に基づく位置情報を取得する。
ステップS2230にて、CPU210は、携帯電話1800が登録エリア1840に存在するか否かを判断する。具体的には、CPU210は、算出した位置情報が図21に示される各エリアの位置を表わすデータ内に含まれるか否かを確認することにより行なわれる。CPU210が、携帯電話1800は登録エリア1840に存在していると判断すると(ステップS2230にてYES)、制御はステップS2240に切り換えられる。そうでない場合には(ステップS2230にてNO)、制御はステップ2250に切り換えられる。
ステップS2240にて、CPU210は、携帯電話1800が登録エリア1840の範囲内に存在していることを表わすメッセージを生成する。ステップS2250にて、CPU210は、携帯電話1800が登録エリア1840の範囲内に存在していないことを表わすメッセージを生成する。
ステップS2260にて、CPU210は、予め登録されたメールアドレス(たとえばメモリ領域2110に、その生成したメッセージを送信する。送信されるメッセージの具体的構成は、後述する(図23)。
ステップS2270にて、CPU210は、そのメッセージを送信したことを通知するメッセージをさらに生成する。ステップS2280にて、CPU210は、ステップS2270にて生成したメッセージをディスプレイ250に表示させる。
図23を参照して、携帯電話1800から発信されるメッセージの構成について説明する。図23は、ステップS2260にて生成したメッセージの送信のためのフレーム2300を表わす図である。フレーム2300は、ヘッダ2310と、データ2320と、FCS(Frame Check Sequence)2330とを含む。
ヘッダ2310は、宛先アドレスと送信元アドレスとフレーム2300の送信日時とを含む。データ2320は、フレーム2300の送信元である携帯電話1800の携帯電話の番号と、ステップS2220にて算出された現在地(たとえば北緯N度、東経E度)と、測位が行なわれた日時(2006年9月7日)とを含む。
このようなフレーム2300を受信する他の通信装置、たとえば、携帯電話1834は、携帯電話1800の位置を速やかに知ることができる。そのフレーム2300の受信者は、その位置が予め想定された範囲内であるか否かを、容易に知ることができる。その結果、移動体の場所を簡易に把握することができる。ここで、移動体は、車両、人を含む。また、他の局面においては、車両に牽引されることによって無人で搬送される貨物等であってもよい。
なお、本実施の形態において携帯電話1800の位置を確認する単位として、地表の座標値(すなわち、緯度、経度、高度)が使用されたが、その他の範囲が使用されてもよい。たとえば、携帯電話の基地局を識別するコードが使用されてもよい。
以上のようにして、本発明の第4の実施の形態に係る携帯電話1800は、位置の検出機能と通知機能とを有する。したがって、他の情報通信装置は、携帯電話1800について想定される移動範囲を、移動可能範囲として記憶しておくことにより、携帯電話1800が想定される範囲内に存在するか否かを容易に把握することができる。
上記の各実施の形態に係る携帯電話が情報の受信を通知する動作は、演算処理を実行するプロセッサが、メモリに予め格納されているデータおよびプログラムを用いて、特定の処理を実行することにより実現される。当該データおよびプログラムは、携帯電話の製造時にメモリに書き込まれることもあれば、図2に示される通信装置202、データ通信I/F278あるいはメモリカード282を用いて取得可能である。取得されたデータおよびプログラムは、フラッシュメモリ244に格納され、実行可能なデータ形式に変換されてRAM246のメモリ領域に書き込まれる。CPU210は、RAM246に書き込まれたデータおよびプログラムを用いて、上述の各処理を実行し、音声信号処理回路270、ディスプレイ250、LED276、バイブレータ284の各ハードウェアに信号を送出する。したがって、本発明のもっとも本質的な部分は、フラッシュメモリ244、RAM246、データ用ROM248、メモリカード282のようなデータ記録媒体に格納されたデータおよびプログラム、または、通信装置202あるいはデータ通信I/F278を介してダウンロード可能なデータおよびプログラムともいえる。
したがって、本発明は、上記のデータおよびプログラムを格納したメモリと、そのデータおよびプログラムを用いた演算処理を実行するプロセッサとを備える周知のコンピュータによって実現される。なお、コンピュータのハードウェア構成および動作は周知であるため、その説明はここでは述べない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100,1800,1834 無線通信端末、200 携帯電話、208 アンテナ、282 メモリカード、1860−1〜1860−4 GPS衛星、1830 家、1832 固定電話、2300 フレーム。