JP2008085494A - 路車間通信方法及び路車間通信装置 - Google Patents

路車間通信方法及び路車間通信装置 Download PDF

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徳祥 鈴木
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潤哉 村松
Shinya Sugiura
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Abstract

【課題】路車間通信において、通信品質を確保するための固定アンテナの配置。
【解決手段】大型車VLが小型車VSに対して先行しており、その先に、右方向に指向性を設定した2つの固定アンテナTR−1及びTR−2が、車線L1上に間隔w12をあけて所望の高さに配置されている。間隔w12を、車線L1の幅の0.8倍以上とすれば、車線L1幅の0.7倍程度の車体幅wVLを有する大型車VLに後続する小型車VSに設けられたアンテナから見て、固定アンテナTR−1及びTR−2のいずれもが遮蔽レベルの大きいものとなることはない。よって、小型車VSに搭載された通信装置と、固定アンテナTR−1及びTR−2と接続された通信装置との間で、良好な通信品質を確保することができる(1.A)。固定アンテナをn個とした場合は、最も離れた固定アンテナTR−1とTR−nの間隔w1nを、車線L1の車線幅の0.8倍以上とすると良い(1.B)。
【選択図】図1

Description

本発明は、道路の路側あるいは道路上方に設けた固定アンテナと車両に設けられたアンテナとを用いたいわゆる路車間通信に関する。尚、以下では「車線」はレーン(lane)であって幅を有する道路の部分であり、車線方向とは、当該車線を走行する車両の軌跡として各車線の中央に想定される曲線を意味し、車線方向に平行とは、各車線の中央に想定される当該曲線のある地点での接線を意味するものとする。ここにおいて、実質的に「走行」が想定されていない、路側帯、退避領域や交差点近傍における右左折専用車線は本願では考慮しないものとする。
路車間通信において、固定側の1つの通信装置に接続された複数個のアンテナを、道路の路側の一定高さ、或いは路面上方に固定配置する場合、例えば搬送波の波長を基準にして、それら複数個のアンテナを配置するための適切な設置間隔などを決めているのが現状である。この際、アンテナ間の結合など影響を防ぐために、主たる放射方向である車線方向に対して、路面に平行な面上の垂直方向に、当該搬送波の半波長以上の距離をおいて配置する。
しかし、路車間通信などでは、搬送波の半波長以上のアンテナ距離間隔では、必ずしも高品質な通信が実現できない。例えば、普通乗用車が、金属製のボディを有する大型車両に後続する場合は、当該普通乗用車に搭載された受信装置のアンテナは、当該大型車両の金属製のボディにより、その前方に配置された固定アンテナとの送受信が遮断される。この際、周波数にもよるが、20dB以上も受信電力が低下する場合がある。
この一例を図5に示す。図5は、図示しない1つの送信装置に接続された2つの送信アンテナTX1及びTX2から、図示しない1つの受信装置に接続された2つの受信アンテナRX1及びRX2への伝搬路特性を示すものである。4つの伝搬路特性hnmは、送信アンテナTXmから受信アンテナRXnへの伝搬路特性を示している。図5では、受信アンテナRX2近傍に遮蔽物Shが配置されて、伝搬路特性h21及びh22が低下する場合を模式的に示している。
受信アンテナRX2の受信電波を一定レベルだけ遮蔽し、受信アンテナRX1の受信電波を遮蔽しない場合と、受信アンテナRX1及びRX2の受信電波を一定レベル遮蔽した場合のビット誤り率のシミュレーションの一例を図6に示す。受信アンテナRX1及びRX2の受信波を最大比合成(図6でMRC)によるダイバーシチ合成した場合、受信アンテナRX2のみ遮蔽するときであっても、図6の丸印と破線のグラフのように、遮蔽レベルが3dB以上の範囲でビット誤り率は約1/1000以上となり、通信特性が良くならない。
一方、STBC(Space Time Block Code)その他の方式を用いるMIMO(Multiple−Input Multiple−Output)方式によれば、受信アンテナRX2のみ遮蔽するときであれば、図6の丸印と実線のグラフのように、遮蔽レベルが15dB以下の範囲でビット誤り率は約1/1000未満と、通信特性が改善できる。しかし、MIMO方式を用いても、受信アンテナRX1及びRX2の両方を遮蔽するときは、図6の星印と実線のグラフのように、遮蔽レベルが6dB以上の範囲でビット誤り率は約1/1000以上と、通信特性が悪化する。即ち、全てのパスの受信電力が減衰している状況(図5で4つの伝搬路特性hnmが全て低下している状況)では、MIMOを用いても、受信特性の改善効果が小さくなってしまう。
本発明は上記課題を解決するため、路側機のアンテナを適切に配置し、更にMIMO−STBC通信を行うことによって、車両に搭載したアンテナが、例えば先行する大型車両により遮蔽されないようにして、安定した通信を実現し、通信の信頼性向上を図ることを目的とする。
請求項1に係る発明は、道路に設けられた第1の通信装置と、当該道路を通行する車両に設けられた第2の通信装置とによる路車間通信方法において、第1の通信装置と第2の通信装置が、各々複数個のアンテナを用いたMIMO通信方式を用いるものであり、第1の通信装置は、少なくとも2つのアンテナが、道路の車線方向に平行な2本の直線上に各々配置され、且つ、当該平行な2本の直線は、道路の車線幅の0.8倍以上の間隔を有することを特徴とする路車間通信方法である。尚、位置関係においては、アンテナの放射端又はアンテナの放射中心を配置させるものとする。また、請求項2に係る発明は、更にMIMO−STBC方式を用いることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の路車間通信方法に用いる道路に設けられた第1の通信装置であって、少なくとも2つのアンテナが、道路の車線幅の0.8倍以上の間隔を有する車線方向に平行な2本の直線上に各々配置されていることを特徴とする路車間通信装置である。
金属製のボディを有する大型車両が先行している場合、後続する車両等に搭載されたアンテナは遮蔽されている状況であり、大きく受信電力が低下する。例えば大型バス、大型トラックの金属ボディ後部面が車線方向に垂直な遮蔽板となる。高い周波数帯(例えば5GHz帯など)では、その減衰量は20dB以上となることもあり得る。そのような状況下では、通信することが不可能ともなる。そこで、遮蔽の影響を軽減するため、固定側である第1の通信装置に接続されたアンテナの内、少なくとも2本が、道路の車線幅の0.8倍以上の間隔を有することで、例えば車線幅の0.7倍程度の幅の金属ボディ後部面を有する大型車が先行した場合でも、当該固定側の第1の通信装置のアンテナのうち、少なくとも1本の遮蔽レベルを小さくすることができる。即ち、車線幅の0.7倍程度の幅を有する大型車に後続する車両に搭載されたアンテナから見て、固定側である第1の通信装置に接続されたアンテナの内、少なくとも1本が遮蔽レベルを小さくできる。これにより、通信品質を確保し、安定した通信が可能となる。
MIMO−STBC方式を用いれば、最大比合成(MRC)ダイバーシチよりも少ないデジタル計算量で、MRCダイバーシチと同等の合成利得が得られ、高信頼な通信が実現できる。
本発明は、固定側である第1の通信装置に複数個のアンテナを接続し、移動側である車両に第2の通信装置に複数個のアンテナを搭載してMIMO方式により通信する任意の通信方法に適用できる。例えば、固定側と車両側に2本ずつアンテナを設けて、MIMO−STBC方式とすれば、その効果は特に大きい。尚、固定側のアンテナは任意個に増やすことができる。道路の車線幅は例えば日本国の高速道路では約3.5mであり、大型車の幅は約2.5m程度以下であるので、アンテナを配置した車線方向の直線の間隔は2.8m以上とすると良い。例えば車線幅と同一とすれば、通常走行可能な大型車が先行した場合でも、後続の車両からは、固定側であるアンテナの少なくとも1本からの受信電波の遮蔽レベルを小さくすることが可能となる。このように、アンテナを配置した車線方向の直線の間隔は車線幅の0.8倍以上が好ましく1車線幅以上が更に好ましい。片側2車線以上の場合は、1車線幅以上とすることは容易である。片側2車線以上の道路の交差点においては合計4車線幅の配置スペースがあるので、例えばアンテナを配置した車線方向の直線の間隔を2車線幅以上とすると良い。
MIMO−STBC方式として最も簡便なものは、Alamoutiによる2×2の方式である。これは、時刻t=mΔTと時刻t=(m+1)ΔTの2つのシンボル時刻において、二つの複素ベースバンド信号s(m)とs(m+1)を送信するものとし、n番目(n=1,2)の送信アンテナから時刻mΔTに送信する信号をxn(m)とすると、以下のように時空間ブロック符号化(STE:Space Time Encoding)するものである。
1(m)=s(m)、
2(m)=s(m+1)、
1(m+1)=−s*(m+1)、
2(m+1)=s*(m)
ただし、ここで、記号*は、複素共役を表している。
図1及び図2は、本発明の好ましい実施形態を示した模式的平面図である。図1.Aは、向かって左右方向に直線道路が設置され、下側の車線L1を向かって右から左へ大型車VLと小型車VSが走行していることを想定している。即ち、大型車VLが小型車VSに対して先行しており、その先に、右方向に指向性を設定した2つの固定アンテナTR−1及びTR−2が、車線L1上に間隔w12をあけて車線方向に垂直な方向に並べられ、所望の同一の高さに配置されている。向かって左から右へ走行すべき車線である車線L2においては、左方向に指向性を設定した2つの固定アンテナTL−1及びTL−2が、間隔w12をあけて車線方向に垂直な方向に並べられ、所望の同一の高さに配置されている。固定アンテナTR−1及びTR−2のそれぞれの放射中心の間隔w12を、車線L1の車線幅wLの0.8倍以上とすれば、車線L1の車線幅wLの0.7倍程度の車体幅wVLを有する大型車VLに後続する小型車VSに設けられたアンテナにおいては、固定アンテナTR−1及びTR−2からの受信電波のいずれもが遮蔽レベルの大きいものとなることはない。よって、MIMO通信方式、更にはMIMO−STBC方式を採用することで、小型車VSに搭載された通信装置と、固定アンテナTR−1及びTR−2と接続された通信装置との間で、良好な通信品質を確保することができる。
図1.Bは、図1.Aに示す固定アンテナをTR−1、TR−2、…、TR−nのn個とした構成を示す。この場合、最も距離の離れた固定アンテナTR−1とTR−nのそれぞれの放射中心の間隔w1nを、車線L1の車線幅wLの0.8倍以上とすると良い。
図2.Aは、片側2車線ずつの直線道路が垂直に交わる交差点に、4つの方向に指向性を有する指向性アンテナの集合体を配置させた場合の模式図である。即ち、向かって右から左方向に走行すべき車線L11とL12、向かって左から右方向に走行すべき車線L21とL22、向かって下から上方向に走行すべき車線L31とL32、向かって上から下方向に走行すべき車線L41とL42の交差点を想定している。ここで、車線L21とL22の境界線と、車線L41とL42の境界線の交点上方の所望の高さに、指向性アンテナT1−R、T1−U、T1−L及びT1−Dの集合体を配置する。指向性アンテナT1−Rは向かって右方向に指向性を有する。指向性アンテナT1−Uは向かって上方向に指向性を有する。指向性アンテナT1−Lは向かって左方向に指向性を有する。指向性アンテナT1−Dは向かって下方向に指向性を有する。全く同じように、車線L11とL12の境界線と、車線L31とL32の境界線の交点上方の所望の高さに、右方向に指向性を有する指向性アンテナT2−R、向かって上方向に指向性を有するT2−U、向かって左方向に指向性を有するT2−L及び向かって下方向に指向性を有するT2−Dの集合体を配置する。
指向性アンテナT1−RとT2−Rは、それらの放射中心を通り、車線L11及びL12方向に平行な2直線を想定した場合、その2直線の間隔w12-R,Lは、車線L12の幅と車線L21の幅の和に等しい。指向性アンテナT1−LとT2−Lについてもそれらの放射中心を通り車線L21及びL22方向に平行な2直線を想定した場合、その2直線の間隔はw12-R,Lとした。同様に、指向性アンテナT1−DとT2−Dは、それらの放射中心を通り車線L31及びL32方向に平行な2直線を想定した場合、その2直線の間隔w12-U,Dは、車線L32の幅と車線L41の幅の和に等しい。指向性アンテナT1−UとT2−Uについてもそれらの放射中心を通り車線L41及びL42方向に平行な2直線を想定した場合、その2直線の間隔はw12-U,Dとした。
図2.Aの2つのアンテナ集合体の配置により、車線L12を走行する大型車VLに後続する小型車VSにおいて、指向性アンテナT1−RとT2−Rの両方からの受信電波の遮蔽レベルが大きいものとなることは無い。これは、指向性アンテナT1−RとT2−Rの放射中心の間隔が、間隔w12-R,L離れており、これは車線方向に垂直な方向に2車線幅離れているからである。これは車線L11、L21、L22から交差点に向かういずれの場合においても同様である。全く同様に、指向性アンテナT1−DとT2−D、T1−UとT2−Uが各々放射中心の間隔w12-U,Dが2車線幅であるので、車線L31、L32、L41、L42から交差点に向かういずれの場合においても同様である。
図2.Bは図2.Aの変形例である。図2.Aで4つの指向性アンテナの集合体を2組配置させたものを、2つの無指向性アンテナT1及びT2で置き換える。それらの配置は、車線L21とL22の境界線と、車線L41とL42との境界線の交点上方の所望の高さ、並びに車線L11とL12の境界線と、車線L31とL32との境界線の交点上方の所望の高さである。この場合も、2つの無指向性アンテナT1及びT2の放射中心を通り、車線L11に平行な2直線を引いた場合にその間隔w12-R,Lは、車線L12の幅と車線L21の幅の和に等しく、2つの無指向性アンテナT1及びT2の放射中心を通り、車線L31に平行な2直線を引いた場合にその間隔w12-U,Dは、車線L32の幅と車線L41の幅の和に等しくなる。よってこの場合も、車線L12を走行する大型車VLに後続する小型車VSにおいて、指向性アンテナT1−RとT2−Rの両方からの受信電波の遮蔽レベルが大きいものとなることは無い。これは車線L11、L21、L22、L31、L32、L41、L42から交差点に向かういずれの場合においても同様である。
図2.A及び図2.Bは片側2車線ずつの場合を示したが、片側1車線ずつの場合であっても、片側が3車線等であっても本発明を適用できる。また、2組のアンテナ集合体や2つの無指向性アンテナの配置も、それらを通る上下方向の平行線又は左右方向の平行線の間隔が、いずれも車線幅の0.8倍以上であれば良く、配置は同方向の車線の束の中央線上に限られない。更には、3組以上のアンテナ集合体や3個以上の無指向性アンテナを配置させる場合は、右から、左から、上から、下から交差点に接近する際の4方向の各々から見て、少なくとも2個のアンテナ等の間隔について、車線幅の0.8倍以上であれば良い。
次のような設定でレイトレーシング法によるシミュレーションを行って、2つの送信アンテナTX1及びTX2から2つの受信アンテナRX1及びRX2までの伝搬路特性h11及びh21並びにh12及びh22を求めた。
〔アンテナの配置〕
図3に示すように、右手系の座標系xyz(原点O)を取り、単位をm(メートル)として、次のように4つのアンテナを配置させた。
第1の送信アンテナTX1の放射点の座標(0,−21,5)、
第2の送信アンテナTX2の放射点の座標(x,−21,5)、
第1の受信アンテナRX1の受信点の座標(0,y,1)、
第2の受信アンテナRX2の受信点の座標(1,y,1)。
但し、xは0.15、0.3、1、2、3、4の6通りとし、yは6から14までの範囲とする。2つの送信アンテナTX1及びTX2は路車間通信の、路側のアンテナを想定しており、xはそれらの距離を示す。2つの送信アンテナTX1及びTX2は、それらを結ぶ直線が、車線の方向に対して垂直となるように配置されている。また、xz平面上の原点付近に大型車の後部パネルによる遮蔽板等を想定し、2つの受信アンテナRX1及びRX2は、その大型車の後続の車両に搭載されたアンテナを想定している。即ち距離yは、原点に立てられた遮蔽板等から車両に搭載されたアンテナまでの距離である。
〔遮蔽物の配置と、誘電率等の物性の設定〕
遮蔽物として、頂点A乃至Hの座標が次のようなスチール(steel)製の直方体を配置させた。これは、幅2.5メートル、長さ11メートル、高さ3.3メートルの大型バスを想定したものである。
A(−0.8、−11、3.3)、
B(1.7、−11、3.3)、
C(1.7、0、3.3)、
D(−0.8、0、3.3)、
E(−0.8、−11、0)、
F(1.7、−11、0)、
G(1.7、0、0)、
H(−0.8、0、0)。
面CGHDが大型バスの後面であり、上述の原点に立てられた遮蔽板である。
スチール製の直方体の底面EFGH以外のxy表面(大地)は「乾いた土壌(ground)」が露出しているものとし、スチール(steel)と「乾いた土壌(ground)」の誘電率、導電率、誘磁率を次のように設定した。尚、スチール製の直方体以外のz>0の領域は真空の誘電率及び透磁率を用いた。
〔その他の条件〕
2つの送信アンテナTX1及びTX2からの搬送波の周波数を5.8GHz、送信電力を10dBm、送受信アンテナTX1及びTX2並びにRX1及びRX2は標準ダイポールで垂直偏波とし、反射回数は1回以下(大地での反射を考慮する)、直方体ABCD−EFGHの各辺における回折回数は合計2回以下として、20波長の短区間中央値をプロットした。
〔伝搬路特性の算出方法〕
尚、伝搬路特性h11及びh21並びにh12及びh22(チャネル応答行列の各行列要素)は次のようにして求めた。尚、nt番目の送信アンテナとnr番目の受信アンテナ間の伝搬路特性をhnrntと示す。
ただし、ここで、Ri,uはそれぞれi番目のレイ(電磁波線)がu番目の反射面で反射した場合の反射係数であり、Ti,vはi番目のレイがv番目の透過面を透過した場合の透過係数であり、Di,lはi番目のレイがl番目の回折エッジで回折した際の回折係数である。また、si,lはl−1番目の回折点からl番目の回折点までの延べ距離である。ただし、送信局(送信点)を0番目の回折点と定義する。また、gnt(i),gnr(i)は、それぞれ、i番目のレイに対する送信、受信アンテナの複素振幅利得を表わしており、kは波数である。
以上の条件でのシミュレーション結果を図4.A乃至図4.Gに示す。
〔遮蔽レベルの大きい、TX1からRX1及びRX2〕
図4.Aは距離yに対する、固定された送信アンテナTX1から、受信アンテナRX1及びRX2までの伝搬路特性h11及びh21のシミュレーション結果を示すグラフ図である。伝搬路特性h11及びh21は、送信アンテナTX2の位置(x座標)の変化に対してほとんど変化しなかった(送信アンテナTX2からの送信波に干渉されなかった)ので、代表して1枚のグラフで示す。固定された送信アンテナTX1から、受信アンテナRX1及びRX2までを結ぶ直線は、6≦y≦14においてスチール製の直方体の面ABCDと面CGHDを通る。即ち、固定された送信アンテナTX1から、受信アンテナRX1及びRX2までの伝搬路は、主として図3に示したスチール製の直方体の辺CDにおける回折によるものである。これに、辺ADと辺DHにおいて2回回折した伝搬路によるものを加えたものである。このため、伝搬路特性h11及びh21は、6≦y≦14において、−70dBmを下回り、最も低い値は−100dBm近くまで落ちる。また、伝搬路特性h21は、辺ADと辺DGにおいて2回回折した伝搬路によるものの電力が小さいため、−80dBmを下回る範囲が大きい。
〔遮蔽レベルの大きい、TX2からRX1及びRX2〕
図4.Bは、送信アンテナTX2の位置xを0.15mとした際の、距離yに対する、受信アンテナRX1及びRX2までの伝搬路特性h12及びh22のシミュレーション結果を示すグラフ図である。送信アンテナTX2から、受信アンテナRX1及びRX2までを結ぶ直線は、各々、6≦y≦14においてスチール製の直方体の面ABCDと面CGHDを通る。即ち、送信アンテナTX2から、受信アンテナRX1及びRX2までの伝搬路は、主として図3に示したスチール製の直方体の辺CDにおける回折によるものであり、これに、辺ADと辺DHにおいて2回回折した伝搬路及び辺BCと辺CGにおいて2回回折した伝搬路によるものを加えたものである。このため、伝搬路特性h12及びh22は、6≦y≦14において、−70dBmを下回り、最も低い値は−100dBm近くまで落ちる。
図4.C及び図4.Dは、送信アンテナTX2の位置xを各々0.3m及び1mとした際の、距離yに対する、受信アンテナRX1及びRX2までの伝搬路特性h12及びh22のシミュレーション結果を示すグラフ図である。送信アンテナTX2から、受信アンテナRX1及びRX2までを結ぶ直線は、6≦y≦14において図3に示したスチール製の直方体の面ABCDと面CGHDを通る。即ち、送信アンテナTX2から、受信アンテナRX1及びRX2までの伝搬路は、主としてスチール製の直方体の辺CDにおける回折によるものであり、これに、辺ADと辺DHにおいて2回回折した伝搬路及び辺BCと辺CGにおいて2回回折した伝搬路によるものを加えたものである。このため、伝搬路特性h12及びh22は、6≦y≦14において、−70dBmを下回り、最も低い値は−100dBm近くまで落ちる。また、伝搬路特性h12は、yの大きい領域で−90dBmまで落ちる。
図4.Eは、送信アンテナTX2の位置xを2mとした際の、距離yに対する、受信アンテナRX1及びRX2までの伝搬路特性h12及びh22のシミュレーション結果を示すグラフ図である。送信アンテナTX2から受信アンテナRX1及びRX2までを結ぶ直線は、各々、6≦y≦14において図3に示したスチール製の直方体の面ABCDと面CGHDを通る。即ち、送信アンテナTX2から、受信アンテナRX1及びRX2までの伝搬路は、主としてスチール製の直方体の辺CDにおける回折によるものであるが、これに辺CGにおいて1回回折した伝搬路によるものと、面BFGCよりも手前(x座標が1.7より大)のxy平面(大地)で1回反射した上辺CGにおいて1回回折した伝搬路によるものが加わる。
図4.Bから図4.Eまでを比較すると、複数の伝搬路に伴う干渉により電力が減少する位置(受信アンテナRX1及びRX2の、スチール製の遮蔽面CGHDからの距離y)が異なっているが、全体として伝搬路特性h12及びh22が低いことが分かる。図4.Eのように、送信アンテナTX2のx座標が2と、スチール製の直方体の面BFGC(x座標が1.7)よりも手前になった場合でも、yが小さい位置において、伝搬路特性h12及びh22に若干の改善が見られるが、全体としては改善の度合いは小さい。
〔遮蔽レベルの小さい、TX2からRX1及びRX2〕
図4.F及び図4.Gは、送信アンテナTX2の位置xを3m、4mとした際の、距離yに対する、受信アンテナRX1及びRX2までの伝搬路特性h12及びh22のシミュレーション結果を示すグラフ図である。送信アンテナTX2から、受信アンテナRX2までを結ぶ直線は、図4.F(xが3)の場合はy≧11.31で、図4.G(xが4)の場合はy≧6.40で、図3に示すスチール製の直方体ABCD−EFGHに遮られることが無く、送信アンテナTX2から受信アンテナRX2に送信波が直接伝わる。よって、この場合には、送信アンテナTX2から受信アンテナRX2までの伝搬路は、回折や反射を経ない伝搬路と、大地で1回反射した伝搬路を加えたものとなる。
一方、図4.F(xが3)でy<11.31、図4.G(xが4)でy<6.40では、送信アンテナTX2から受信アンテナRX2までを結ぶ直線は、図3に示したスチール製の直方体の面BFGCと面CGHDを通る。また、送信アンテナTX2から受信アンテナRX1までを結ぶ直線は、6≦y≦14において図3に示したスチール製の直方体の面BFGCと面CGHDを通る。よってこれらの場合は、送信アンテナTX2から、受信アンテナRX1及びRX2までの伝搬路は、主としてスチール製の直方体の辺CGにおいて1回回折した伝搬路によるものであるが、辺CDにおいて1回回折した伝搬路によるものと、面BFGCよりも手前(x座標が1.7より大)のxy平面(大地)で1回反射した上辺CGにおいて1回回折した伝搬路によるものが加わる。
こうして、図4.F及び図4.Gの場合は、送信アンテナTX2から受信アンテナRX2への伝搬路特性h22は、6≦y≦14の範囲全体として、図4.B乃至図4.Eに比べて20dBm近く改善されることとなる。一方、送信アンテナTX2から受信アンテナRX1への伝搬路特性h12も、6≦y≦14の範囲全体として、図4.B乃至図4.Eに比べて20dBm近く改善されるている。図4.F及び図4.Gの比較から、アンテナTX1とTX2の間隔xが3よりも4のほうが、伝搬路特性h12及び伝搬路特性h22が共に改善されていることも分かる。
〔シミュレーション考察〕
図3に示したアンテナTX1、TX2、RX1及びRX2並びに遮蔽物(スチール製の直方体ABCD−EFGH)配置と図4.A乃至図4.Gの結果を考察すると次のようになる。
まず、送信アンテナTX1が受信アンテナRX1及びRX2から見て遮蔽された状態である。この場合、主たる遮蔽物である面CGHDからの距離yを変化させても、送信アンテナTX1から受信アンテナRX1及びRX2への伝搬路特性h11及びh21は小さいままとなった。この状態で、アンテナTX1とTX2の間隔xを変化させた場合、間隔x≦1で、アンテナTX2のx座標が、遮蔽物のx座標の最大値(面BFGCの1.7)より小さい場合(図4.B乃至4.D)送信アンテナTX2が受信アンテナRX1及びRX2から見て遮蔽された状態であった。また、単にアンテナTX2のx座標が、遮蔽物のx座標の最大値(面BFGCの1.7)より大きくしても(x=2、図4.E)、送信アンテナTX2が受信アンテナRX1及びRX2から見て遮蔽された状態に大きな変化は無い(伝搬路特性h12及びh22は小さいまま)。この時、アンテナTX1とTX2の間隔x=2(メートル)は、一般的な車線幅を3.5メートルとすると、車線幅の0.57倍である。尚、遮蔽物(スチール製の直方体ABCD−EFGH)のx軸方向の幅2.5(メートル)は、一般的な車線幅3.5メートルの0.71倍である。
一方、アンテナTX1とTX2の間隔x=3、4(メートル)とした場合は、送信アンテナTX2から受信アンテナRX2に直接には送信波が届かない場合(図4.F(xが3)の場合はy<11.31で、図4.G(xが4)の場合はy<6.40)でも、伝搬路特性h22の大きな改善が見られた。また、送信アンテナTX2から受信アンテナRX1にも直接には送信波が届かないが、伝搬路特性h12の大きな改善が見られた。この時、アンテナTX1とTX2の間隔x=3、4(メートル)は、一般的な車線幅3.5メートルの0.86倍及び1.14倍である。
図6にも示した通り、例えば2×2のMIMO通信方式の場合、4つの伝搬路特性のうち2つが低下しなければ、即ち送信側の2本のアンテナのうちの1本の遮蔽度合いが小さいか、受信側の2本のアンテナのうちの1本の遮蔽度合いが小さければビット誤り率を十分に低減できる。よって、図3及び図4.A乃至図4.Gに示した上記シミュレーションにより、固定側アンテナの距離を、一般的な車線幅の0.8倍以上とすれば、4つの伝搬路特性のうち2つ(h12及びh22)の低下を防ぐことができる。より好ましくは、固定側アンテナの距離を、一般的な車線幅以上とすることがである。
主たる遮蔽板である、幅2.5メートル、高さ3.3メートルの面CGHDからの、送信アンテナまでの距離21メートルと、受信アンテナまでの距離yメートルを変化させる場合は次のように考えると良い。送信アンテナまでの距離21aメートル、受信アンテナまでの距離yaメートルとa倍した場合は、上記のシミュレーションでの送信アンテナまでの距離21メートルと、受信アンテナまでの距離yメートルとを変えずに、面CGHDは幅を2.5/aメートルに縮小し、高さを3.3/aメートルと縮小した場合に相当する。これで、例えば高速道路を走行中のような車間距離が長い場合についても上記シミュレーションから概略を推測できる。
本発明の具体的な実施例に係る路車間通信装置のアンテナの配置を示す概念図。 本発明の具体的な実施例に係る路車間通信装置のアンテナの配置を示す概念図。 本発明のシミュレーションの全体図(斜視図)。 距離yに対する、固定された送信アンテナTX1から、受信アンテナRX1及びRX2までの伝搬路特性h11及びh21のシミュレーション結果を示すグラフ図。 送信アンテナTX2の位置xを0.15mとした際の、距離yに対する、受信アンテナRX1及びRX2までの伝搬路特性h12及びh22のシミュレーション結果を示すグラフ図。 送信アンテナTX2の位置xを0.3mとした際の、距離yに対する、受信アンテナRX1及びRX2までの伝搬路特性h12及びh22のシミュレーション結果を示すグラフ図。 送信アンテナTX2の位置xを1mとした際の、距離yに対する、受信アンテナRX1及びRX2までの伝搬路特性h12及びh22のシミュレーション結果を示すグラフ図。 送信アンテナTX2の位置xを2mとした際の、距離yに対する、受信アンテナRX1及びRX2までの伝搬路特性h12及びh22のシミュレーション結果を示すグラフ図。 送信アンテナTX2の位置xを3mとした際の、距離yに対する、受信アンテナRX1及びRX2までの伝搬路特性h12及びh22のシミュレーション結果を示すグラフ図。 送信アンテナTX2の位置xを4mとした際の、距離yに対する、受信アンテナRX1及びRX2までの伝搬路特性h12及びh22のシミュレーション結果を示すグラフ図。 2つの送信アンテナと2つの受信アンテナによる4つの伝搬路特性の関係を示す模式図。 受信アンテナの一方を遮蔽した場合と両方を遮蔽した場合の、最大比合成とMIMOとにおけるビット誤り率のシミュレーションの一例を示すグラフ図。
符号の説明
TX1:第1の送信アンテナ
TX2:第2の送信アンテナ
RX1:第1の受信アンテナ
RX2:第2の受信アンテナ

Claims (3)

  1. 道路に設けられた第1の通信装置と、当該道路を通行する車両に設けられた第2の通信装置とによる路車間通信方法において、
    前記第1の通信装置と前記第2の通信装置が、各々複数個のアンテナを用いたMIMO通信方式を用いるものであり、
    前記第1の通信装置は、少なくとも2つのアンテナが、前記道路の車線方向に平行な2本の直線上に各々配置され、且つ、当該平行な2本の直線は、前記道路の車線幅の0.8倍以上の間隔を有することを特徴とする路車間通信方法。
  2. MIMO−STBC方式を用いることを特徴とする請求項1に記載の路車間通信方法。
  3. 請求項1に記載の路車間通信方法に用いる前記道路に設けられた第1の通信装置であって、
    少なくとも2つのアンテナが、前記道路の車線幅の0.8倍以上の間隔を有する車線方向に平行な2本の直線上に各々配置されていることを特徴とする路車間通信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109540157A (zh) * 2018-11-12 2019-03-29 广东星舆科技有限公司 一种车载导航系统及控制方法

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