JP2008084916A - 冷却装置 - Google Patents

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Hirofumi Yanagi
裕文 柳
Toshiyuki Tamura
敏行 田村
Masayuki Tanji
雅之 丹治
Takashi Ishida
崇 石田
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Abstract

【課題】電装箱内に収容される各電装部品を円滑に作動させることができると共に、長寿命化を実現することができる冷却装置を提供する。
【解決手段】サーバー2を収容する収納室4と、圧縮機、凝縮器23、電子膨張弁及び蒸発器16などから冷媒回路が構成された冷却ユニットRとを備え、蒸発器16と熱交換した冷気を冷気循環用送風機17により収納室4内に循環することにより、サーバー2を冷却する冷却装置1において、圧縮機や冷気循環用送風機17への給電とそれらの制御を行うための電装部品が収納された電装箱25を備え、冷気循環用送風機17による循環冷気によって冷却される空間、例えば、吐出ダクト37A内に電装箱25を配置した。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、CPUやLSI等の集積回路素子が実装された電子装置などの発熱体を収納室内に収容し、冷却ユニットを構成する蒸発器と熱交換した冷気を冷気循環用送風機により循環することにより、当該発熱体を所定の温度に冷却する冷却装置に関するものである。
近年、多数の半導体等を備えた素子や内部配線を特殊な方法で一つの固体として結合した超小型電子回路を備えたCPUやLSI等の半導体集積回路素子が多用されるようになってきている。この超小型電子回路を備えた集積回路素子は、作動する過程で大量の熱を発生する。この集積回路素子の温度が上昇すると、それ自体の動作が不安定となる不具合が発生してしまい、更に温度が上昇すると半導体が破壊してしまう。そのため、放熱板を集積回路素子に取り付けて放熱板と空気とを熱交換させ、集積回路素子の熱を空気中に放出して集積回路素子を冷却し、CPUやLSI等の集積回路素子が高温による動作不安定や熱破壊に至ることを防止していた。
一方、通信回線を用いたデータ通信ネットワークや、建物内や敷地内などの限定された範囲内で施設の回線を用いた高速データ転送を行うコンピュータネットワーク(LAN)においては、上記の如き集積回路素子を用いた電子装置が多数設けられたサーバーが使用されている。
即ち、このようなサーバーでは、多数の集積回路素子の動作によって著しく温度上昇するため、例えば、特許文献1に示す如き電子機器収納家具にサーバーを収納し、当該電子機器収納家具内に配設される循環ファンや空調機又は熱交換器によって、集積回路素子を冷却する方法が採られていた。
この場合、集積回路素子が配設されたサーバーは、外部の空気の流入を一切遮断したラック本体内に収納され、空調機や熱交換器によって冷却された空気を循環ファンによって本体内を循環させることによって、サーバーを所定の温度に冷却する。
また、図7は、従来の発熱体を冷却するための冷却装置100の概略構成図を示している。当該冷却装置100は、前面及び後面に開口するキャビネット101により本体が構成されており、当該キャビネット101内には、前面及び後面に開口する収納室102が形成され、内部には、複数のサーバー(発熱体)103・・・が上下に渡って収容可能とされる。そして、キャビネット101の下方に機械室104が形成される。この機械室104の天井を構成するキャビネット101の底壁には、上面に開口を有する冷却箱105が設けられ、内部には、蒸発器106及び冷気循環用送風機107が配設される冷却室108が形成される。この冷却箱105の上面開口には、仕切壁109により冷却箱105側の冷気吐出側と冷気吸込側とが区画されている。これにより、冷却室108の冷気吐出側から吐出された冷気は、収納室102内を循環した後、冷気吸込側より冷却室108に帰還する。
他方、機械室104内には、前記蒸発器106と共に環状の冷媒回路を構成する図示しない圧縮機と、凝縮器110及び凝縮器用送風機111が配設されると共に、当該機械室104後部には、圧縮機や送風機107、111等への給電とそれらの制御を行うための電装部品が収納された電装箱112が配設されている。係る構成で、凝縮器用送風機111を運転すると、冷却装置100前方から機械室104内に吸引された外気により、凝縮器110、圧縮機、電装箱112等を空冷した後、冷却装置110後方に排出する。これにより、圧縮機や凝縮器を空冷することで、冷却装置の運転効率の向上を図っている。
特開2000−165079号公報
しかしながら、収納室102内に収容されるサーバー103等の発熱体は、それ自体が発熱するものであるため、冷却装置を構成する圧縮機や凝縮器110には、大きな負荷がかかる。そのため、機械室104内の温度も高くなり、当該機械室104内に配設される電装箱112も加熱され、外気の状態によっては、多湿となる。また、機械室104内には、外気を吸い込むため、埃等も同時に機械室104内に侵入する。
一方、電装箱112内には、圧縮機や冷気循環用送風機107、凝縮器用送風機111の給電部材としてのトランスや、始動コンデンサ、運転コンデンサ、リレー、端子板、それらを搭載する基板、それらと外部をつなぐコネクタ等の制御に用いられる電装部品等が、収容されている。これら電装部品は、冷却装置を運転することにより、それ自体が発熱を生じるものであるが、それぞれの部品は、使用に最適な温度や湿度の範囲がある。
しかしながら、上述したように、機械室104内も圧縮機や凝縮器110により高温となるため、上記各部品の使用最適範囲から逸脱してしまう問題がある。特に、当該圧縮機や凝縮器110により構成される冷却装置は、発熱体であるサーバー103等を冷却するために用いられるものであるため、圧縮機や凝縮器等には、大きな負荷がかかる。そのため、機械室104内は、異常な高温になりやすく、電装部品の使用最適範囲から逸脱しやすい。また、電装箱112内にも埃等が入りやすい構成となる。
従って、これら電装部品は、誤動作や、部品の寿命が短縮されるなどの問題があるため、前記基板に防湿剤を塗布したり、電装箱112自体に通風用の孔を穿設するなど、格別に電装箱112を高温多湿から保護しなければならなかった。
そこで、本発明は従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、電装箱内に収容される各電装部品を円滑に作動させることができると共に、長寿命化を実現することができる冷却装置を提供する。
本発明の冷却装置は、発熱体を収容する収納室と、圧縮機、凝縮器、減圧装置及び蒸発器などから冷媒回路が構成された冷却ユニットとを備え、蒸発器と熱交換した冷気を冷気循環用送風機により収納室内に循環することにより、発熱体を冷却するものであって、圧縮機や冷気循環用送風機への給電とそれらの制御を行うための電装部品が収納された電装箱を備え、冷気循環用送風機による循環冷気によって冷却される空間内に電装箱を配置したことを特徴とする。
請求項2の発明の冷却装置は、上記発明において、電装箱を発熱体と共に収納室に収納したことを特徴とする。
請求項3の発明の冷却装置は、上記発明において、電装箱に、冷気の吸/排気を行うための電装箱用送風機を設けたことを特徴とする。
請求項4の発明の冷却装置は、請求項1の発明において、電装箱を、冷気循環用送風機による循環によって蒸発器から収納室に向かう冷気と該収納室から蒸発器に帰還する冷気とを区画する仕切壁としたことを特徴とする。
請求項5の発明の冷却装置は、請求項1の発明において、電装箱を、冷気循環用送風機による循環冷気を案内する案内壁としたことを特徴とする。
本発明によれば、発熱体を収容する収納室と、圧縮機、凝縮器、減圧装置及び蒸発器などから冷媒回路が構成された冷却ユニットとを備え、蒸発器と熱交換した冷気を冷気循環用送風機により収納室内に循環することにより、発熱体を冷却する冷却装置において、圧縮機や冷気循環用送風機への給電とそれらの制御を行うための電装部品が収納された電装箱を備え、冷気循環用送風機による循環冷気によって冷却される空間内に電装箱を配置したので、電装箱内に収納されたそれ自体が発熱体でもある各電装部品を所定の低温、湿度に調整され、且つ、埃等の侵入が極力抑制された空間に配置することが可能となり、各電装部品をそれぞれの使用最適範囲で作動させることが可能となる。これにより、誤動作の抑制、各部品の長寿命化を図ることができる。
請求項2の発明によれば、上記発明に加えて、電装箱を発熱体と共に収納室に収納したので、格別に電装箱を配設する位置を設けることなく、電装箱内に収納された各電装部品を所定の低温、湿度に調整され、且つ、埃等の侵入が極力抑制された空間に配置することが可能となる。また、発熱体と共に収納室内に収納されることにより、メンテナンス作業性の向上を図ることが可能となる。
請求項3の発明によれば、上記発明に加えて、電装箱に、冷気の吸/排気を行うための電装箱用送風機を設けたので、それ自体が発熱体でもある各電装部品を収納した電装箱に積極的に冷気を循環させることが可能となり、より一層効果的に、各電装部品をそれぞれの使用最適範囲で作動させることが可能となる。これによっても、誤動作の抑制、各部品の長寿命化を図ることができる。
請求項4の発明によれば、請求項1の発明に加えて、電装箱を、冷気循環用送風機による循環によって蒸発器から収納室に向かう冷気と該収納室から蒸発器に帰還する冷気とを区画する仕切壁としたので、部品点数の削減を実現しつつ、電装箱内に収納された各電装部品を所定の低温、湿度に調整され、且つ、埃等の侵入が極力抑制された空間に配置することが可能となる。
請求項5の発明によれば、請求項1の発明に加えて、電装箱を、冷気循環用送風機による循環冷気を案内する案内壁としたので、円滑に冷気循環用送風機から吐出される循環冷気を収納室に案内しつつ、電装箱内に収納された各電装部品を所定の低温、湿度に調整され、且つ、埃等の侵入が極力抑制された空間に配置することが可能となる。
次に、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明を適用した冷却装置1の正面図、図2は冷却装置1の縦断側面図、図3は冷却装置1の概略断面図をそれぞれ示している。本実施例の冷却装置1は、例えばネットワークに接続されたコンピュータへ各種のサービスを提供する中心となるサーバー2などの発熱体を冷却するための装置であり、発熱体としては当該サーバー2に限定されるものではなく、それ自体が発熱するものであり、当該発熱によって機能不良や機能不全が発生するもの、更には、結露水などの浸入を嫌うものの冷却に適したものである。尚、本実施例では、発熱体としてLSIやCPU等の半導体集積回路素子が複数実装された回路基板を有する単一若しくは複数のサーバー2を冷却するものを対象とする。
冷却装置1は、前面及び後面に開口するキャビネット3により本体が構成されている。尚、本実施例におけるキャビネット3は、冷却対象となるサーバー2の冷却設定温度を+30℃程度とすることから、外気温との関係から放熱効率を考慮して、特に、断熱性を有するものでなくても良いものとする。
そして、キャビネット3内には、前面及び後面に開口する収納室4が形成され、当該収納室4内には、複数のサーバー2・・・が上下に渡って収容可能とされる。収納室4内には、例えば左右内壁に図示しない支柱が立設されており、当該支柱には、各サーバー2を個別に載置して収納可能とする図示しない複数のラックが上下に渡って架設されている。尚、本実施例では、各サーバー2は、ラックに載置して収納可能とされているが、これに限定されるものではなく、例えば、支柱に直接ネジなどによって、それぞれ独立して固定可能としても良いものとする。
そして、この収納室4の前面及び後面の開口は、いずれも内部を透視可能なガラスを備えた前扉5及び後扉6(図1では省略しており、図2のみ図示する)により開閉自在に閉塞されている。当該扉5、6は、内部に収容されるサーバー2等が管理人以外のものが操作できないものとする等の安全管理のために施錠機構を備えたものであっても良いものとする。
尚、本実施例では、収納室4はサーバー2等が収納される領域をいうものとし、最上段のラックに載置されたサーバー2の上方に位置するキャビネット3内の空間は、余剰冷却空間13とされる。また、最下段のラックの下方に位置するキャビネット3内の空間には、仕切壁35により前後に区画され、当該仕切壁35の前側であって、後述する冷気吐出口12に対応する側に吐出ダクト37Aが形成され、仕切壁35の後側であって、後述する冷気吐出口11に対応する側に吸込ダクト37Bが形成される。
そして、キャビネット3の前面を構成する前扉5と、各サーバー2の前壁との間には、所定の間隔を存することで前面ダクト27が形成されている。同様に、キャビネット3の後面を構成する後扉6と、各サーバー2の後壁との間には、所定の間隔を存することで後面ダクト33が形成されている。これら吐出ダクト37A、前面ダクト27、余剰冷却空間13、後面ダクト33及び吸込ダクト37Bは、一連の冷気循環ダクトを構成している。尚、吐出ダクト37Aには、収納室4に吐出される冷気の温度を検出するための庫内温度センサ32が取り付けられている。
一方、キャビネット3の底面には、所定の高さを有する台脚アングル7が取り付けられており、当該台脚アングル7の両側面は、キャビネット3の両側面と共に化粧パネル8にて被覆されている。これにより、キャビネット3の下方に機械室9が形成される。尚、この機械室9底部を固定する台脚アングル7の前後下辺には、一対の固定部材10が取り付けられている。また、キャビネット3の底壁3Aには、上下に貫通する冷気吐出口12と冷気吸込口11とが前後にそれぞれ形成されている。
機械室9の天井となるキャビネット3の底壁3A下面には、上面に開口を有する断熱性を有する冷却箱14が当接して設けられる。この冷却箱14の内部には、冷却室15が形成され、後述する圧縮機22と共に冷却ユニットRを構成する蒸発器16及び蒸発器16の冷気流出側には、冷気循環用送風機17が配設される。尚、この冷却箱14の上面開口には、図示しない仕切板により冷却箱14側の冷気吐出口19及び冷気吸込口18が形成されている。これら冷気吐出口19及び冷気吸込口18は、それぞれキャビネット3の底壁3Aに形成された前記冷気吐出口12及び冷気吸込口11にそれぞれ対応する。尚、底壁3Aの冷気吐出口12が形成される側と冷気吸込口11が形成される側とは、上述したように仕切壁35によって、前後に区画される。また、この冷却箱14開口縁には、キャビネット3の底壁3A下面と密着して当接するための図示しないシール材が取り付けられている。
係る構成により、上述した如き前扉5と、各サーバー2の前壁との間に形成される前面ダクト27には、底壁3Aに形成された冷気吐出口12から冷気循環用送風機17により吐出された冷気が供給されることとなる。
また、機械室9内には、冷却ユニットRの底部を構成する取付台21が収納されると共に、この取付台21には前記蒸発器16と共に、図4に示す如き環状の冷媒回路29を構成する圧縮機22、凝縮器23及び凝縮器用送風機24等が設けられている。この取付台21の下面四隅には、キャスター21Aが取り付けられている。また、機械室9の前面には開閉可能なパネル26が取り付けられ、機械室9を隠蔽する。尚、このパネル26には、凝縮器23の前方に対応して複数の図示しない通気孔が形成されている。
ここで、冷却箱14内の蒸発器16は、取付台21上の圧縮機22や凝縮器23等と共に圧縮機22、凝縮器23、電子膨張弁(減圧装置)28、蒸発器16とを順次環状に配管接続することにより、冷媒回路29を形成する。そして、この冷媒回路29内には、所定量の冷媒が封入されている。これにより、周知の冷媒回路が構成される。
また、本実施例における圧縮機22は、汎用のマイクロコンピュータにより構成される制御装置によって、収納室4内の空気温度、即ち、庫内温度に基づくON−OFF制御により運転−停止を制御することが可能とされる定速圧縮機であっても、回転数を制御可能とするインバータ方式の圧縮機であってもよいものとする。尚、当該制御装置は、入力側に、庫内温度センサ32や図示しないコントロールパネルが接続されていると共に、出力側には、前記圧縮機22の他にも、出力側に、電子膨張弁28、冷気循環用送風機17、凝縮器用送風機24等が接続されている。
ここで、これら機械室9内に配設される圧縮機22への給電トランス、冷気循環用送風機17への給電トランス、凝縮器用送風機24への給電トランス、更には、これらの始動コンデンサや運転コンデンサ、リレー、端子板、それらを搭載する基板等を備えた制御装置Cを構成する各電装部品や、それらと外部とを接続するコネクタ等の電装部品は、電装箱25内に収納される。また、本実施例では、これに加えて、収納室4内に収納されるサーバー2等への給電を行うための電装部品が電装箱25内に収納される。
当該電装箱25は、熱良導性材料にて形成された箱体により構成されており、本実施例では、当該電装箱25は、図3に示すように、最下段のラックの下方に形成される吐出ダクト37A内に配設される。尚、このとき、電装箱25と機械室9内の各機器とは中継線36を介して接続される。
係る構成により、前記コントロールパネルを操作することで、冷却装置1の運転が開始されると、制御装置は、庫内温度センサ32の出力に基づき、圧縮機22及び凝縮器用送風機24、冷気循環用送風機17を運転制御する。
これにより、圧縮機22の運転が開始されると、圧縮機22の吐出側の冷媒配管から吐出された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器23に流入する。ここで、十分に凝縮液化された冷媒は、制御装置より開度制御が行われる電子膨張弁28にて減圧された後、蒸発器16に流入する。そして、冷却室15内に設置された蒸発器16に流入した冷媒は、蒸発し、周囲から熱を奪って冷却作用を発揮する。この蒸発器16と熱交換した冷気は、冷却室15内に配設された送風機17により冷気吐出口12を介して吐出ダクト37Aに吐出される。
当該吐出ダクト37Aに吐出された冷気は、当該ダクト37Aに配設される電装箱25を冷却した後、前扉5と、各サーバー2の前壁との間に形成される前面ダクト27を上昇する。このとき、各サーバー2の前面には、図示しない通気口が形成されており、当該通気口には前面から空気を吸い込み、後方に空気を吐出する送風機2Aがそれぞれ取り付けられている。各サーバー2の送風機2Aはそれぞれ独立して運転制御可能とされており、該送風機2Aが運転されることにより、前面ダクト27を上昇した冷気を該送風機2Aが設けられるサーバー2内に通風することが可能となる。そのため、前面ダクト27を上昇する冷気がそれぞれのサーバー2内に吸い込まれ、当該サーバー2を効率的に冷却することが可能となる。
そして、該サーバー2の後方から吐出された冷気は、後扉6と各サーバー2の後面との間に形成される後面ダクト33を流下し、キャビネット3下方に形成される冷却室15内に配設される冷気循環用送風機17によって冷却室15内に各冷気吸込口11及び18を介して帰還する。尚、前面ダクト27を上昇する冷気の一部は、収納室4の上方に形成される余剰冷却空間13を循環した後、後面ダクト33を降下し、吸込ダクト37Bを介して冷却室15内に帰還する。これにより、収納室4内に収容された発熱体としてのサーバー2が冷却される。そして、蒸発器16から出た冷媒は、圧縮機22に帰還する。
このとき、本実施例における冷却装置1は、収納室4内に発熱体としてのサーバー2を収容するものであり、当該サーバー2からの発熱を効率的に冷却しつつ、当該サーバー2への結露を発生を防止するため、収納室4内の冷却設定温度は例えば、+30℃であるものとする。そのため、制御装置は、庫内温度センサ32の出力に基づき、収納室4内の温度が所定の上限温度、例えば+33℃を検出した場合には、圧縮機22、凝縮器用送風機24を運転し、所定の下限温度、例えば+27℃を検出した場合には、圧縮機22及び凝縮器用送風機24の運転を停止するものとする。これにより、収納室4内は+30℃前後の温度に維持することが可能となり、また、当該収納室4内の湿度も所定の低湿度に維持される。尚、制御装置は、蒸発器16の冷媒の入口側及び出口側に設けられる温度センサからの出力に基づき演算される過熱度により電子膨張弁28の開度を制御しても良いものとする。
そのため、収納室4内に収納される各サーバー2は、結露の付着を回避しながら冷却されるため、サーバー2自体が高温による動作不安定となる不都合や、熱破壊に至る不都合を効果的に解消することが可能となる。また、本実施例における冷却装置1は、前後に扉5、6が設けられ、外部と区画された状態で、収納室4内のサーバー2を冷却することが可能であるため、外部の埃等が侵入しがたい構成となり、埃等による不具合の発生を未然に抑制することが可能となる。
ここで、本実施例では、圧縮機22や冷気循環用送風機17への給電とそれらの制御を行うための電装部品等が収納された電装箱25は、冷気循環用送風機17による循環冷気によって冷却される空間である吐出ダクト37Aに配置されているため、電装箱25内に収納されたそれ自体が発熱体でもある各電装部品を所定の低温、湿度に調整され、且つ、埃等の侵入が極力抑制された空間に配置することで冷却することが可能となる。
そのため、電装箱25内に収容される各電装部品をそれぞれの使用最適範囲で作動させることが可能となり、誤動作の抑制、各部品の長寿命化を図ることができる。従って、格別に各電装部品に防水や防塵加工を施す必要がなくなり、コストの低減を図ることが可能となる。また、電装箱自体に通風用の孔を格別に穿設しなくても、各電装部品をそれぞれの使用最適範囲で作動させることが可能となるため、当該電装箱自体の製造コストの低減を図ることが可能となる。尚、電装箱25自体に通風用の孔を穿設した場合には、更に、電装箱25自体の冷却効率を向上させることができ、特に比較的低温と成りがたい余剰空間13に電装箱25を配設した場合であっても効率的に当該電装箱25内の電装部品を冷却することが可能となる。
尚、本実施例では、電装箱25は、吐出ダクト37Aに配置されているが、これに限定されるものではなく、例えば、吸込ダクト37B、扉5、6の開閉操作や、各サーバー2の納出作業に邪魔と成らない位置の前面ダクト27又は後面ダクト33内や、収納室4の上方に形成される余剰冷却空間13内(図3では、水玉模様にて示す領域)に配置しても同様の効果が得られる。尚、この場合において当該余剰冷却空間13は、図示しない熱良導性の仕切壁により収納室4及び各ダクト27、33と区画され、当該仕切壁の上方に形成される余剰冷却空間に電装箱25を配置し、収納室4内やダクト27、33に循環される冷気による間接冷却によって、電装箱25を冷却しても良いものとする。
また、これ以外にも、電装箱25を収納室4内に収納されるサーバー2と略同一の寸法に形成し、例えば、図2に点線で示すように、収納室4の例えば最上段のラックに、サーバー2の代わりに当該電装箱25を配置しても良いものとする。これによっても、発熱体であるサーバー2と同様に、それ自体が発熱体でもある電装箱25を冷却することが可能となり、電装箱25内に収容される各電装部品をそれぞれの使用最適範囲で作動させることができる。そのため、これらの電装部品の誤動作の抑制、各部品の長寿命化を図ることができるため、格別に各電装部品に防水や防塵加工を施す必要がなくなり、コストの低減を図ることが可能となる。また、電装箱自体に通風用の孔を格別に穿設しなくても、各電装部品をそれぞれの使用最適範囲で作動させることが可能となるため、当該電装箱自体の製造コストの低減を図ることが可能となる。尚、電装箱25自体に通風用の孔を穿設した場合には、より一層、電装箱25自体の冷却効率を向上させることができ、特に比較的低温と成りがたい余剰空間13に近いラックに電装箱25を配置しても効率的に当該電装箱25内の電装部品を冷却することが可能となる。
また、発熱体であるサーバー2と共に収納室4内に収納されることにより、当該電装箱25内の各電装部品のメンテナンス作業性の向上を図ることが可能となる。更に、係る位置に電装箱25を配置することにより、格別に電装箱25を収納するために余剰冷却空間を確保する必要がなくなり、冷却装置1の全体の寸法をコンパクトにすることが可能となる。
更に、この場合において、電装箱25の例えば前面には、図示しない通気口が形成されており、当該通気口には前面から空気を吸い込み、後方に空気を吐出する電装箱用送風機25Aを取り付けてもよい。当該送風機25Aを運転することにより、前面ダクト27を上昇した冷気を電装箱25内に通風することが可能となる。そのため、前面ダクト27を上昇する冷気が電装箱25内に吸い込まれ、当該電装箱25内に収容される各電装部品を効率的に冷却することが可能となる。尚、送風機25Aは、電装箱25の前面に取り付けられているため、前面から吸い込むものを用いているが、これに限定されるものではなく、庫内の冷気循環に沿って、電装箱25内に冷気の吸/排気を行うことが可能なものであれば、これに限定されない。
図5は、他の実施例としての冷却装置1の概略説明図である。当該実施例における電装箱40は、最下段のラックの下方に位置するキャビネット3内の空間であって、当該キャビネット3の底壁3Aに形成される冷気吐出口12側と冷気吸込口11側との間に配設される。このとき、電装箱40は、下面が底壁3Aに当接して配置されると共に、上面が最下段のラックの下面に当接して配設される。尚、当該底壁3A及びラックの下面との当接面には、シール材を設けても良いものとする。
これにより、電装箱40の前後には、最下段のラックの下方(収納室4の下方)に位置して、冷気吐出口12に対応した吐出ダクト38Aが形成されると共に、冷気吸込口11に対応した吸込ダクト38Bが形成される。
そのため、当該実施例においても、電装箱40を、冷気循環用送風機17による循環によって蒸発器16から収納室4に向かう冷気と収納室4から蒸発器16に帰還する冷気とを区画する仕切壁として機能(上記実施例における仕切壁35と同様の機能)するため、部品点数の削減を実現しつつ、それ自体が発熱体でもある電装箱40内に収納された各電装部品を所定の低温、湿度に調整され、且つ、埃等の侵入が極力抑制された空間に配置することが可能となる。
図6は、もう一つの他の実施例の冷却装置1の概略説明図である。当該実施例における電装箱41は、最下段のラックの下方に位置するキャビネット3内の空間であって、当該キャビネット3の底壁3Aに形成される冷気吐出口12側と冷気吸込口11側との間に位置して冷気吐出口12から吐出された冷気を前面ダクト27方向に案内するために所定の角度にて傾斜して配設される。このとき、電装箱41は、下端が底壁3Aに当接して配置されると共に、上端が最下段のラックの下面に当接して配設される。尚、当該底壁3A及びラックの下面との当接面には、シール材を設けても良いものとする。
これにより、電装箱41の前後には、最下段のラックの下方(収納室4の下方)に位置して、冷気吐出口12に対応した吐出ダクト39Aが形成されると共に、冷気吸込口11に対応した吸込ダクト39Bが形成される。
そのため、当該実施例においても、電装箱41を、冷気循環用送風機17による循環によって蒸発器16から収納室4に向かう冷気と収納室4から蒸発器16に帰還する冷気とを区画する仕切壁として機能すると共に、冷気吐出口12から吐出された冷気を前面ダクト27方向に案内する案内壁として機能する。
これにより、円滑に冷気循環用送風機17から吐出される循環冷気を前面ダクト27(収納室4)に案内しつつ、それ自体が発熱体でもある電装箱41内に収納された各電装部品を所定の低温、湿度に調整され、且つ、埃等の侵入が極力抑制された空間に配置することが可能となる。
尚、当該実施例では、電装箱41は、仕切壁としての機能と案内壁としての機能を兼ね備えているものであるが、別途吐出ダクト39Aと吸込ダクト39Bとを区画する仕切壁を設け、案内壁としてのみ機能しても良いものとする。
本発明を適用した冷却装置の正面図である。 冷却装置の縦断側面図である。 冷却装置の概略断面図である。 冷却装置の冷媒回路図である。 他の実施例の冷却装置の概略断面図である。 もう一つの他の実施例の冷却装置の概略断面図である。 従来の冷却装置の概略説明図である。
符号の説明
R 冷却ユニット
1 冷却装置
2 サーバー(発熱体)
2A 送風機
3 キャビネット
3A 底壁
4 収納室
5 前扉
6 後扉
9 機械室
11、18 冷気吸込口
12、19 冷気吐出口
14 冷却箱
13 余剰冷却空間
15 冷却室
16 蒸発器
17 冷気循環用送風機
22 圧縮機
25、40、41 電装箱
25A 電装箱用送風機
33 後面ダクト
35 仕切壁
37A、38A、39A 吐出ダクト
37B、38B、39B 吸込ダクト

Claims (5)

  1. 発熱体を収容する収納室と、圧縮機、凝縮器、減圧装置及び蒸発器などから冷媒回路が構成された冷却ユニットとを備え、前記蒸発器と熱交換した冷気を冷気循環用送風機により前記収納室内に循環することにより、前記発熱体を冷却する冷却装置であって、
    前記圧縮機や冷気循環用送風機への給電とそれらの制御を行うための電装部品が収納された電装箱を備え、前記冷気循環用送風機による循環冷気によって冷却される空間内に前記電装箱を配置したことを特徴とする冷却装置。
  2. 前記電装箱を前記発熱体と共に前記収納室に収納したことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記電装箱に、冷気の吸/排気を行うための電装箱用送風機を設けたことを特徴とする請求項2に記載の冷却装置。
  4. 前記電装箱を、前記冷気循環用送風機による循環によって前記蒸発器から前記収納室に向かう冷気と該収納室から前記蒸発器に帰還する冷気とを区画する仕切壁としたことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  5. 前記電装箱を、前記冷気循環用送風機による循環冷気を案内する案内壁としたことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
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